トップ :: G 物理学 :: G04 時計

【発明の名称】 電子時計
【発明者】 【氏名】藤沢 照彦

【氏名】長濱 利岳

【要約】 【課題】小型で高信頼性を有するアンテナを備えた電子時計を提供する。

【構成】地板にアンテナ37を配置した電子時計において、アンテナ37は、絶縁材料で形成され、磁性シートを積層したアンテナコアが配置されるコア枠210を備え、このコア枠210は、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部211と、この平板部211の両端に設けられ、アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部212A、212Bを有し、この凹状部212A、212Bがアンテナコア220の地板への接触を規制するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地板にアンテナを配置した電子時計において、
前記アンテナは、絶縁材料で形成され、磁性シートを積層したアンテナコアが配置されるコア枠を備え、このコア枠は、前記アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部と、この平板部の両端に設けられ、前記アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部を有し、前記凹状部が前記アンテナコアの地板への接触を規制することを特徴とする電子時計。
【請求項2】
請求項1に記載の電子時計において、
前記凹状部は、当該凹状部に収容された前記アンテナコアより前記地板に近接することを特徴とする電子時計。
【請求項3】
請求項2に記載の電子時計において、
前記受信アンテナを前記地板に配置した場合、前記凹状部は、前記地板との間に隙間を空けた位置に配置されることを特徴とする電子時計。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子時計において、
前記凹状部は、前記コイルの端部近傍に位置することを特徴とする電子時計。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電子時計において、
前記コア枠の平板部は、前記アンテナコアを含む外周が絶縁性フィルムで被覆され、この絶縁性フィルムの上から前記コイルが巻かれることを特徴とする電子時計。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電子時計において、
前記コア枠における前記凹状部を含む端部には、前記アンテナコアと反対側の面にプリント基板が配置され、このプリント基板を介して前記コイルと受信回路とが電気的に接続されることを特徴とする電子時計。
【請求項7】
請求項6に記載の電子時計において、
前記コア枠は、前記プリント基板が配置される面よりも前記コイルが巻かれる面の方が前記アンテナコアに近くなるように構成されていることを特徴とする電子時計。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の電子時計において、
前記コア枠の端部には、当該アンテナを前記地板にねじ固定するための孔部が形成されていることを特徴とする電子時計。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、地板にアンテナを配置した電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アンテナを内蔵した電子時計として、電波時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の電波時計には、絶縁性の基材からなるコア枠にアモルファス金属箔を積層したアンテナコアを配置し、このアンテナコアにコイルを巻いたアンテナを備え、このアンテナを地板に固定したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−308649号公報
【特許文献2】特開2005−265782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の構成では、アンテナコアに衝撃に弱いアモルファスコアを適用しており、落下などで時計が衝撃を受けた場合、アモルファスコアが地板に接触して磁気特性が劣化してしまうおそれがある。このアンテナコアの耐衝撃性を向上するために、アンテナコアを樹脂製の枠で覆った場合、アンテナが大型化してしまい、小型化が要求される電子時計には望ましくない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型で高信頼性を有するアンテナを備えた電子時計を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、地板にアンテナを配置した電子時計において、前記アンテナは、絶縁材料で形成され、磁性シートを積層したアンテナコアが配置されるコア枠を備え、このコア枠は、前記アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部と、この平板部の両端に設けられ、前記アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部を有し、前記凹状部が前記アンテナコアの地板への接触を規制することを特徴とする。
この発明によれば、コア枠は、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部と、この平板部の両端に設けられ、アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部を有し、凹状部がアンテナコアの地板への接触を規制するので、アンテナコアを樹脂製の枠などで覆うことなく、アンテナコアへの衝撃を回避でき、信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる。また、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる部分を平板部としたので、コイルの巻き上がりを小さくし、その分、アンテナユニットを小型化できる。
【0005】
上記構成において、前記凹状部は、当該凹状部に収容された前記アンテナコアより前記地板に近接することが好ましい。この構成によれば、衝撃時に凹状部が地板に接触してアンテナコアが地板に接触するのを確実に規制することができる。
また、上記構成において、前記受信アンテナを前記地板に配置した場合、前記凹状部は、前記地板との間に隙間を空けた位置に配置されることが好ましい。この構成によれば、衝撃時にコア枠が撓んで凹状部を地板に接触させ、アンテナコアが地板に接触するのを確実に規制することができる。
【0006】
また、上記構成において、前記凹状部は、前記コイルの端部近傍に位置することが好ましい。また、上記構成において、前記コア枠の平板部は、前記アンテナコアを含む外周が絶縁性フィルムで被覆され、この絶縁性フィルムの上から前記コイルが巻かれることが好ましい。この構成によれば、絶縁性フィルムによってアンテナコアとコイルとの絶縁性が確保される。
【0007】
また、上記構成において、前記コア枠における前記凹状部を含む端部には、前記アンテナコアと反対側の面にプリント基板が配置され、このプリント基板を介して前記コイルと受信回路とが電気的に接続されることが好ましい。この構成によれば、プリント基板によってコイルと受信回路とを容易に導通接続することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記コア枠は、前記プリント基板が配置される面よりも前記コイルが巻かれる面の方が前記アンテナコアに近くなるように構成されていることが好ましい。この構成によれば、コイルをアンテナコアに近づけることができると共に、プリント基板とアンテナコアとを離して配置でき、長波標準電波の受信を行う際のアンテナコアに発生する磁界とプリント基板に流れる受信信号との干渉が低減され、受信効率の低下を回避できる。
【0009】
また、上記構成において、前記コア枠の端部には、当該アンテナを前記地板にねじ固定するための孔部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、アンテナを地板にねじで確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアンテナは、絶縁材料で形成され、磁性シートを積層したアンテナコアが配置されるコア枠を備え、このコア枠は、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部と、この平板部の両端に設けられ、アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部を有し、凹状部がアンテナコアの地板への接触を規制するので、アンテナコアを樹脂製の枠などで覆うことなく、アンテナコアへの衝撃を回避できると共に、コイルの巻き上がりを小さくでき、小型で高信頼性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る腕時計型のソーラー充電式電波時計(以下、腕時計という)の電気的構成を示すブロック図である。この腕時計1は、時刻表示指針1Aを駆動する輪列機構やモータを備えるアナログ時計機構部1Bと、アナログ時計機構部1Bのモータを駆動するモータ駆動回路1Cと、この腕時計1全体を制御する制御回路1Dと、腕時計1の各部に電力を供給する電源1Eとを備えている。
また、この腕時計1は、長波標準電波(日本JJY:40kHz/60kHz、アメリカWWVB:60kHz、ドイツDCF77:77.5kHz)を受信するアンテナ1Fと、受信回路1Gと、データ記憶回路1Hとを備え、制御回路1Dの制御の下、アンテナ1Fを介して長波標準電波を受信し、受信した長波標準電波から現在時刻情報を示すタイムコードを復号し、データ記憶回路1Hに記憶させる。
【0012】
また、この制御回路1Dには、時刻表示指針1Aの位置を検出する針位置検出回路1Iと、発電装置1Jとが接続され、制御回路1Dは、長波標準電波を受信した場合、針位置検出回路1Iの検出結果から復号したタイムコードに対する時刻表示指針1Aのずれ量を特定し、このずれ量を補正するようにモータ駆動回路1Cによりモータを駆動させると共に、発電装置1Jが発電した電力を電源1Eに充電させる。この発電装置1Jは発電検出信号S1を制御回路1Dに出力する機能を具備し、制御回路1Dはこの発電検出信号S1に基づいて発電がないときに運針を停止させるパワーセーブ制御を行う。さらに、この制御回路1Dは、電源1Eの電圧が所定電圧以上に至ると、過充電防止用の制御信号S2を発電装置1Jに出力し、電源1Eをそれ以上充電させないようにリミッタをかける制御も行う。
また、外部操作部材1Kは、制御回路1Dにユーザ指示を入力するためのものであり、例えば、外部操作部材1Kが操作された場合、制御回路1Dは長波標準電波を受信して時刻を修正する時刻修正処理を実行する。
【0013】
図2は、腕時計1の一実施形態に係る時計外観を示す図であり、図3はその断面構造の概要を示す図である。
この腕時計1は、時計ケース2と、この時計ケース2に連結された一対のバンド(帯状体)3とを備えている。時計ケース2は、ステンレス、チタンなどの金属材またはプラスチックなどの樹脂材で形成され、その内部に貫通孔2A(図2参照)を有している。時計ケース2の貫通孔2Aには、時計表側から順に、文字板10、発電装置1Jを構成するソーラーパネル20、アナログ時計機構部1Bおよび上記の各種回路を構成するムーブメント(電子時計用ムーブメント)30が積層配置されている。
また、文字板10上には、ムーブメント30の秒車、2番車、筒車から延びるパイプ21、22、23に各々連結された秒針5、分針6および時針7からなる時刻表示指針1Aが配置され、この貫通孔2Aの時計表側がカバーガラス40で封止され、裏側が裏蓋41で封止される。このカバーガラス40と時計ケース2との間、および、裏蓋41と時計ケース2との間には各々パッキン42、43が配置されて時計ケース2内の密封性が確保される。また、時計ケース2の外側には、竜頭8と、外部操作部材1Kとして機能する操作ボタン9とが設けられている。
【0014】
この腕時計1の文字板10は、光透過性を有する材料で形成されており、カバーガラス40および文字板10を通過した太陽光などの光がソーラーパネル20に照射されてソーラーパネル20が発電し、この発電電力が電源1Eを構成する二次電池38(図4参照)に充電される。そして、この二次電池38の電力によりムーブメント30が駆動して現在時刻を表示する。この二次電池38には、ボタン型のキャパシタまたはリチウムイオン二次電池などの化学二次電池が適用されている。
【0015】
図4は、ムーブメント30を裏蓋41側から見た平面図であり、図5は、このムーブメント30から回路基板50および回路押さえ板51を外した状態を示す平面図である。このムーブメント30は、ムーブメント30の基材となる略円板形状の地板31を備えている。この地板31には、上記時刻表示指針1A(秒針5、分針6および時針7)を回転駆動するための輪列機構(秒車、2番車、筒車を含む)35と、2つのモータ36A、36Bと、アンテナ1Fを構成するアンテナユニット37と、電源を構成する二次電池38などが配置されている。なお、図4および図5において、符号8Aは、ムーブメント30の3時位置から延びてその先端に竜頭8が連結される巻き真である。
なお、本実施形態の地板31には、電波の受信に支障がでないように樹脂製の地板が適用されているが、受信性能を満足する範囲で金属製などの他の材料の地板を適用してもよい。
【0016】
この地板31の部品レイアウトについて詳述すると、図5に示すように、地板31には、その中央領域に輪列機構35が配置され、この輪列機構35を取り囲む外側に環状の空き領域SCが確保される。そして、この空き領域SCには、2つのモータ36A、36B、アンテナユニット37および二次電池38などが配置される。
より具体的には、環状の空き領域SCは、第一領域(略0時−3時領域)AR1と、第二領域(略3時−6時領域)AR2と、第三領域(略6時−10時領域)AR3と、第四領域(略10時−12時(0時)領域)AR4との4つに区分され、第一領域AR1には一方のモータ36Aが配置され、第二領域AR2には他方のモータ36Bが配置され、第三領域AR3には、アンテナユニット37が配置され、第四領域AR4には二次電池38が配置される。これにより、地板31の限られた平面スペースに比較的大型の4部品(二個のモータ36A、36B、アンテナユニット37、二次電池38)を上下に重ねることなくバランスよく配置している。
【0017】
上記輪列機構35の各歯車の軸は、一端が地板31に支持されると共に、他端が地板31の裏蓋41側に設けられた輪列受け45に支持されている。この輪列機構35は、時針7および分針6用の輪列機構と、秒針5用の輪列機構とを有し、一方の輪列機構がモータ36Aによって駆動されると共に、他方の輪列機構がモータ36Bによって駆動される。すなわち、2つのモータ36A、36Bの一方が時針7および分針6を駆動する時分モータとして機能し、他方が秒針5を駆動する秒針モータとして機能するように構成されている。
この腕時計1では、時針7および分針6と、秒針5とを独立駆動可能な2モータ式を採用することにより、アンテナユニット37により受信した長波標準電波に含まれるタイムコードに従って時刻を調整する場合に、秒針5、分針6および時針7を1モータで駆動する場合に比して時刻調整時のモータ駆動量を減らすことができ、時刻調整の短時間化および電力消費量の低減を図ることができる。
【0018】
なお、本実施形態のムーブメント30は、婦人用時計を目的として従来のソーラー充電式電波時計用ムーブメントよりもさらに小型化を図ったムーブメントであり、2モータ式を採用しているが、これに限らず、全ての表示針を一個のモータで駆動する1モータ式を採用してもよい。また、ムーブメント30を男性時計用とした場合、あるいはデザインの観点から比較的大型のものにした場合には、地板31が大きくなる分、3個あるいは4個以上のモータを容易に配置することが可能である。
【0019】
また、このムーブメント30には、図4に示すように、地板31の裏蓋41側に輪列受け45との間に間隔を空けて回路基板50が配置され、この回路基板50は、回路押さえ板51によって地板31に固定されている。
図6は、回路基板50の時計表側(つまり、地板31側)の平面図であり、図7は、その反対側(裏蓋41側)の平面図である。この回路基板50は、地板31(ムーブメント30)の略全面を覆う略円板形状に形成されている。この回路基板50には、輪列機構35の裏蓋41側に飛び出る部分(秒車、2番車、筒車の軸部分)とモータ36A、36Bのコイル部分とに対応する領域に窓部50A、50B、50Cが各々形成され、これらとの干渉を避けつつ、回路基板50を地板31側に近接配置させてムーブメント厚の増加を防いでいる。
【0020】
この回路基板50には、時計表側(地板31側)の面に、受信回路1Gを構成する受信IC55、制御回路1Dを含む各種回路を構成するマイクロコンピュータ56、水晶振動子57および針位置検出機構(図示せず)などの電子部品が実装されており、これら電子部品が、アンテナユニット37、ソーラーパネル20、モータ36A、36Bおよび二次電池38に電気的に接続されることによって、この回路基板50は、この腕時計1全体を制御する回路部を構成する。
【0021】
受信IC55は、マイクロコンピュータ56と配線接続され、マイクロコンピュータ56の制御の下、アンテナユニット37を介して長波標準電波を受信し、受信した長波標準電波から現在時刻情報を示すタイムコードを復号する。周知の通り、タイムコードには、現在分を示す分情報と、現在時を示す時情報と、現在日を表す日情報(その年の1月1日からの通算日)とが含まれ、これらの情報が受信IC55からマイクロコンピュータ56へ出力される。
【0022】
マイクロコンピュータ56は、この腕時計1の各部を中枢的に制御するものあり、CPU、ROM、RAMおよび水晶振動子57を発振させる発振回路などの各種回路を有し、モータ36A、36Bの駆動制御、長波標準電波の受信制御および時刻修正、ソーラーパネル20の発電電力を二次電池38に充電する制御および二次電池38に蓄電された電力を各部に供給する電源制御といった各種処理を行う。
本構成では、回路基板50が、アンテナユニット37も含めて地板31(ムーブメント30)の略全面を覆うため、回路基板50の面積を広く確保でき、電子部品や配線の配置領域を広く確保することができる。
また、この回路基板50のアンテナユニット37と重なる領域ARCは、配線パターンのみとされ、この領域ARCに実装部品を設けないことでムーブメント30厚の増加を防いでいる。また、この回路基板50の裏蓋41側の面には、電気特性検査用のチェック端子TC(プラス端子TA、マイナス端子TB)が設けられている(図7参照)。
【0023】
また、本構成の回路基板50の側面部には、図6に示すように、マイクロコンピュータ56の所定端子にパターン配線で電気的に接続された操作検出用接点60と、マイクロコンピュータ56を含む各種電子部品の電源入力端子にパターン配線で電気的に接続されたプラス側電源用接点70とが設けられている。
操作検出用接点60は、操作ボタン9に対応する位置(4時位置に相当)に設けられ、このムーブメント30を組み立てた場合、この操作検出用接点60の外側(回路基板50の外周側)に、回路押さえ板51に設けられた接点ばね部65(図4参照)が離間して配置される。ムーブメント30を時計ケース2に組み込んだ場合、接点ばね部65には、操作ボタン9の先端が当接し、操作ボタン9が押下操作されると、接点ばね部65が屈曲して操作検出用接点60に接触し、この接触がユーザ操作としてマイクロコンピュータ56に検出される。
【0024】
また、プラス側電源用接点70には、図4に示すように、二次電池38の正極に電気的に接続されたプラスリード板90に一体に設けられた圧接接点ばね部(圧接接点部材)93が圧接し、これにより、二次電池38と回路基板50とが導通接続される。
【0025】
次にアンテナユニット37について詳述する。
図8はアンテナユニット37を示す斜視図であり、図9はアンテナユニット37を裏側から見た斜視図である。アンテナユニット37は、コア枠210と、このコア枠210に配置されるアンテナコア220と、コア枠210を含むアンテナコア220の外周に巻かれたコイル230と、コア枠210に配置されるアンテナ用回路基板(プリント基板)240とを備えている。
【0026】
図10はコア枠210を示す斜視図である。コア枠210は、液晶ポリマなどの合成樹脂等の絶縁性材料で形成され、直線状に延びる平板部211と、この平板部211の両端に形成された一対のわん曲部(端部)212、213とを備えている。
同図に示すように、一対のわん曲部212、213は、地板31の外形形状に沿って略円弧状にわん曲しており(図5参照)、各わん曲部212、213は、コイル230の端部近傍に断面凹状の凹状部212A、213Aを一体に備え、この凹状部212A、213Aの凹み部分の間に位置する面Xが平板部211の地板31側の面と同じ高さに形成されている。
また、わん曲部212、213には、平板部211の地板31側の面(面Xを含む)と同じ高さで外側に延びる厚板部212B、213Bと、この厚板部212B、213Bから延びて、ねじ固定用の孔部214が形成された薄板部212C、213Cとを一体に有している。
【0027】
アンテナコア200は、Co系を主成分としたアモルファス金属の薄板(磁性シート)を複数枚積層して構成されたアモルファスコアであり、例えば、約10μmのアモルファス金属薄板を30〜40枚程度積層している。アモルファス金属薄板は接着剤で互いに接着され、平板部211と各わん曲部212、213の厚板部212B、213Bとの上に配置され(図9参照)、この状態でコア枠210に接着固定される。
【0028】
このアンテナコア200の平板部211を含む部分は、図11に示すように、絶縁性フィルム250で被覆され、この絶縁性フィルム250の上からコイル230が巻かれる。これにより、絶縁性フィルム250によってアンテナコア200とコイル230との絶縁性が確保される。このコイル230の線径や巻き数などはコイル230の材質やアンテナの受信感度などを勘案して設定されている。なお、コイル230の表面には予め接着剤が被覆されており、ヒータにより熱風をあてながらコイル230を巻くことにより、コイル230は互いに接着されている。
【0029】
本構成では、コア枠210の凹状部212A、213Aには、図9および図10に示すように、コイル230の両側部分にコイル230の厚みよりも突出するフランジ部212F、213Fが形成されると共に、このフランジ部212F、213F以外の平面部分(以下、平面部212Hという)が、フランジ部212F、213Fより低く、かつ、同じ高さに形成されている。このため、コイル230は、コイル230の厚みよりも突出するフランジ部212F、213Fによってせき止められてわん曲部212、213には巻かれない。
また、コア枠210のコイル230の両側部分近傍の側面(凹状部212A、213Aの側面)には、図8および図9に示すように、アンテナコア200を地板31に固定した際に、地板31に係止する左右一対の係止爪216が一体に設けられている。
【0030】
アンテナ用回路基板240は、図8に示すように、コア枠210の凹状部213Aおよび厚板部213Bにおけるアンテナコア200の反対側(回路基板50側)の面であるアンテナ用回路基板配置面260に配置されている。このアンテナ用回路基板240は、絶縁材料で構成されたフレキシブルプリント基板が適用され、このアンテナ用回路基板240には、はんだ付けや溶着によりコイル230が接続され、アンテナユニット37の同調周波数調整用の電気素子としてコンデンサ240A、240Bなどが実装されている。このアンテナ用回路基板240は、薄板部213Cの孔部214と連通する孔部241を有し、この孔部241の周囲には、回路基板50と導通接続するための導通パターン242が設けられている。
【0031】
図12は、アンテナユニット37を地板31に実装した状態を示す断面図である。上記コア枠210に形成されたアンテナ用回路基板配置面260は、アンテナ用回路基板240が接着等で接触状態で配置される面261を含み、この面261は、コア枠210における後述する絶縁性フィルム250を介してコイル230が巻かれる平板部211の面251よりもアンテナコア200と反対側に距離αだけ離れた面に形成されている。
言い換えれば、このコア枠210においては、コイル230が巻かれる平板部211におけるアンテナコア200と反対側の面251が、アンテナコア200に近い面とされると共に、アンテナ用回路基板240を配置する面261が、アンテナコア200から離れた面に形成される。
このように、コイル230が巻かれる平板部211の面251をアンテナコア200に近づけることにより、コイル230をアンテナコア200に近づけることができ、かつ、アンテナ用回路基板240が配置される面261を、平板部211の面251よりも距離αだけアンテナコア200から離したことにより、アンテナ用回路基板240とアンテナコア200との距離が近すぎてアンテナコア200に発生する磁界とアンテナ用回路基板240に流れる受信信号とで干渉が生じ、受信性能が劣化してしまうなどの事態を回避することができる。具体的には、長波標準電波の受信を行う場合、アンテナ用回路基板240の導電パターンはアンテナコア200よりも0.1mm以上の距離を離すことが望ましい。
【0032】
このアンテナユニット37は、図12に示すように、コア枠210の両端のわん曲部212、213に設けられた孔部214が、地板31に間隔を設けられたパイプ部材(いわゆるねじピン)31P、31P1に通され、ねじ31N、31N1を締結することによって地板31に固定される。なお、このパイプ部材31P1は、図3に示すように、モータ36B近傍の略6時位置に配設されている。
【0033】
より具体的には、一方のパイプ部材31Pは、地板31の外周縁部の二次電池38近傍に設けられ(図5参照)、このパイプ部材31Pには、図12に示すように、プラスリード板90と、アンテナユニット37の一方のわん曲部212に設けられた孔部214と、二次電池38に溶着されたマイナスリード板80と、回路基板50と、回路押さえ板51とが順に挿通され、このパイプ部材31Pに上方からねじ31Nが締結されることによって、パイプ部材31Pに挿通された部品群が地板31にねじ止めされる。なお、パイプ部材31Pの下方にもムーブメント30の所定の構成部品を地板31に固定するねじ31nが締結される。
この場合、マイナスリード板80とプラスリード板90との間に、アンテナユニット37のコア枠210が介挿されるため、絶縁性材料で形成されたコア枠210がマイナスリード板80とプラスリード板90との間を絶縁する絶縁部材を兼用することになり、別途絶縁部材を配置する場合に比してムーブメント厚を薄くすることができる。
【0034】
また、他方のパイプ部材31P1は、地板31の外周のモータ36B近傍に設けられ(図5参照)、このパイプ部材31Pには、図12に示すように、アンテナユニット37の他方のわん曲部213に設けられた孔部214と、回路基板50と、回路押さえ板51とが順に挿通され、このパイプ部材31P1に上方からねじ31N1が締結されることによって、パイプ部材31P1に挿通された部品群が地板31にねじ止めされる。なお、パイプ部材31P1の下方にはムーブメント30の他の構成部品を地板31に固定するねじ31n1が締結される。
この場合、アンテナユニット37のわん曲部213には、アンテナ用回路基板240が配置されるため(図8参照)、このわん曲部213の上に回路基板50が重ねられることによって、このアンテナ用回路基板240上の導通パターン242と回路基板50とを電気的に接続することができ、このアンテナ用回路基板240を介してコイル230と受信IC55とを容易に電気的に接続することができる。
【0035】
このようにしてアンテナユニット37は地板31に両持ち支持され、この支持状態では、図12に示すように、アンテナコア220と地板31との間に隙間SKが形成され、地板31からの衝撃がアンテナコア200に直接伝達されない支持構造となっている。また、アンテナユニット37のコイル230の一部が、地板31に予め形成された開口部31K内に挿入されるので、アンテナユニット37を地板31に近接配置することができ、これによってもムーブメント30の薄型化を図ることができる。
【0036】
図13(A)は、コア枠210のフランジ部212Fの断面(図9のa−a断面)を周辺構成と共に示す断面図であり、図13(B)は、フランジ部212Fを除く凹状部212Aの断面(図9のb−b断面)を周辺構成と共に示す断面図である。
本構成では、図13(A)に示すように、地板31には、アンテナユニット37に設けられた一対の係止爪216が係止する係止部31Lが設けられており、係止爪216が係止部31Lに係止する。つまり、アンテナユニット37は、その両端部(ねじ固定部分)と、略中央に位置するコイル230近傍部分(係止爪216部分)とが地板31に固定され、アンテナユニット37を地板31確実に固定することができる。
【0037】
また、本構成のアンテナユニット37は、コア枠210の係止爪216および両端部分(ねじ固定部分)を除いて、地板31とコア枠210との間に隙間が形成されており、図13(B)に示すように、コア枠210の凹状部212Aにおける平面部212Hが、アンテナコア220より地板31側に位置して、この平面部212Hと地板31との間隙が最も小さい値S(つまり、S<SK(アンテナコア220と地板31との間の間隙))となっている。なお、上述したように、コア枠210の凹状部213Aにも、凹状部212Aの平面部212Hと同じ高さの平面部212Hが設けられるため、この凹状部213Aにおける平面部212Hと、地板31との間の間隙も値Sとなっている。
従って、本実施形態では、コア枠210の凹状部212A、212Bに前後左右に間隔を空けて設けた4つの平面部212Hが地板31に最も近接した状態で、アンテナユニット37が地板31に固定されることとなる。
このため、落下などで比較的大きな衝撃が加わってコア枠210が撓んだ場合には、凹状部212A、212Bのいずれかの平面部212H、あるいは、複数の平面部212Hが地板31に当たり、アンテナコア220が地板31に接触するのを確実に規制することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、アンテナユニット37のコア枠210が、アンテナコア220を含む外周にコイル230が巻かれる平板部211と、この平板部211に設けられてコイル230の一部を収容する断面凹状の凹状部212A、213Aを備え、衝撃でコア枠210が撓んだ場合に凹状部212A、213Aが地板31に接触するようにしたので、アンテナコア200へ衝撃が加わるのを防止することができる。
このため、本実施形態のようにアンテナコア220に、衝撃に弱く、かつ、衝撃で磁気特性が劣化するおそれのある熱処理したアモルファスコアを適用した場合でも、アンテナコア200を樹脂製の枠などで覆うことなく、アンテナコア200への衝撃を回避でき、磁気特性の劣化を回避することができる。また、衝撃吸収用に樹脂製の枠を設けた従来のアンテナユニットに比して小型化されるため、小型で高信頼性を有したアンテナユニット37を提供することが可能になる。
【0039】
さらに、本実施形態では、コア枠210において、アンテナコア220が配置されてコイル230が巻かれる部分が平板部211であるため、断面凹形状の凹部内にアンテナコアを収容した従来のものに比して、コイル230の巻き上がりを小さくでき、これによってもアンテナユニット37を小型化することができる。
また、断面凹形状の凹部内にアンテナコアを収容した従来のアンテナは、コア枠の厚みの分だけ、アンテナコアとコイルとが離れ、受信効率が低くなってしまうが、本実施形態ではアンテナコア220とコイル230とが近接するので、受信効率の低下を回避でき、アンテナ性能も向上可能である。
また、従来はアモルファスコアのサイズが大きくなるため、アモルファス金属箔のプレス打ち抜き時に反りや返りが生じて鋭利な部分が生じ易く、この鋭利な部分でコイルの破断や短絡を防止するために凹形状のコア枠を必要としていたが、本実施形態では、アモルファスコア(アンテナコア220)のサイズが小さいため、プレス打ち抜きの際に反りや返りが小さく、絶縁性フィルム250による絶縁でもコイルの破断や短絡を回避できる。
【0040】
また、コア枠210において、図12に示すように、アンテナ用回路基板240が配置される面261(アンテナ用回路基板配置面260)よりも、コイル230が巻かれる面251の方がアンテナコア200に近くなるように構成されるので、コイル230をアンテナコア200に近づけることができると共に、アンテナ用回路基板240とアンテナコア200とを離して配置でき、長波標準電波の受信を行う際のアンテナコア200に発生する磁界とアンテナ用回路基板240に流れる受信信号との干渉が低減され、受信効率の低下を回避できる。
【0041】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。例えば、上述の実施形態では、ソーラー発電による電力を二次電池38に蓄電する場合について説明したが、これに限らず、回転錘を備えてこの回転錘の旋回(運動エネルギー)から発電を行う発電装置や熱発電を行う発電装置を備え、この発電装置による電力を二次電池38に蓄電するようにしてもよい。また、発電装置を備えず外部電力を二次電池に充電するようにしてもよく、また、発電装置および二次電池を備えず、電源として一次電池を備えるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、本発明を腕時計型電子時計に内蔵されるアンテナに適用する場合について説明したが、これに限らず、懐中時計などの他の携帯型時計や、置き時計などの固定型時計などに内蔵されるアンテナに広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る電子時計の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】電子時計の一実施形態に係る時計の外観を示す図である。
【図3】時計の断面構造の概要を示す図である。
【図4】ムーブメントを裏蓋側から見た平面図である。
【図5】ムーブメントから回路基板および回路押さえ板を外した状態を示す平面図である。
【図6】回路基板の時計表側の平面図である。
【図7】回路基板の裏蓋側の平面図である。
【図8】アンテナユニットを示す斜視図である。
【図9】アンテナユニットを裏側から見た斜視図である。
【図10】アンテナユニットのコア枠を示す斜視図である。
【図11】アンテナユニットの断面図である。
【図12】アンテナユニットの実装状態を示す断面図である。
【図13】(A)はコア枠のフランジ部の断面を周辺構成と共に示す断面図であり、(B)はフランジ部を除く凹状部の断面を周辺構成と共に示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…腕時計(電子時計)、1A…時刻表示指針、1B…アナログ時計機構部、1C…モータ駆動回路、1D…制御回路、1E…電源、1F…アンテナ、1G…受信回路、1H…データ記憶回路、1I…針位置検出回路、1J…発電装置、1K…外部操作部材、2…時計ケース、3…バンド、5〜7…表示指針、9…操作ボタン、10…文字板、20…ソーラーパネル、30…ムーブメント(電子時計用ムーブメント)、31…地板、31D…凹部、31N、31N1、31n…ねじ、31P、31P1…パイプ部材、35…輪列機構、36A、36B…モータ、37…アンテナユニット(アンテナ)、38…二次電池(電源)、41…裏蓋、50…回路基板(回路部)、51…回路押さえ板、55…受信IC(受信回路)、56…マイクロコンピュータ(制御回路)、210…コア枠、211…平板部、212、213…わん曲部、212A、213A…凹状部、220…アンテナコア、230…コイル、240…アンテナ用回路基板(フレキシブルプリント基板)、250…絶縁性フィルム。

【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【代理人】 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之

【識別番号】100101775
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 一江


【公開番号】 特開2008−20326(P2008−20326A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−192424(P2006−192424)