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【発明の名称】 塔時計装置
【発明者】 【氏名】石川 富弥

【氏名】竹内 晋

【要約】 【課題】親時計−子時計という形態であり、屋内に設置される親時計やモニタ時計を含む塔時計駆動装置と、屋外に設置される塔時計ムーブメント間を複数の配線で接続しなければならず、また、塔時計ムーブメントが受動的要素で構成されているため、動作開始時の初期設定や動作モニタが必須という課題があった。

【解決手段】時刻情報受信機とムーブメントには各々独立して電源を供給し、時刻情報受信機とムーブメント間は1対のシリアル信号線で接続し、時針の表示時刻と分針の表示時刻は、毎正分毎に1回、時刻情報受信機の時刻情報に追従して現在時刻を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS衛星からの電波を受信し、時刻情報を出力する時刻情報受信機と、時針および分針に対して各々独立した指針位置検出装置および各々独立した指針駆動装置および制御駆動装置を有するムーブメントを備えた塔時計装置において、前記時刻情報受信機と前記ムーブメントには各々独立して電源を供給し、前記時刻情報受信機と前記ムーブメント間は1対のシリアル信号線で接続し、前記時針の表示時刻と前記分針の表示時刻は、毎正分毎に1回、前記時刻情報受信機の時刻情報に追従して現在時刻を表示することを特徴とする塔時計装置。
【請求項2】
前記塔時計装置への電源供給が停止した場合は、前記駆動装置による前記時針および分針の指針駆動を停止し、前記塔時計装置への電源供給が復帰した場合は、前記指針位置検出装置が作動する位置まで前記時針および前記分針を駆動し、その後、前記時針および前記分針の指針検出位置を基準に前記時刻情報受信機の時刻情報と一致するまで、前記時針および前記分針を連続駆動することを特徴とする請求項1記載の塔時計装置。
【請求項3】
前記指針位置検出装置が作動する位置でメモリ内容をクリアし、前記時針および分針の駆動毎に、前記時針の指針位置情報と前記分針の指針位置情報を記憶する指針位置メモリを備え、前記塔時計装置への電源供給が停止した場合は、前記駆動装置による前記時針および分針の指針駆動を停止し、
前記塔時計装置への電源供給が復帰した場合は、前記指針位置メモリが記憶する指針位置情報と前記時刻情報受信機の時刻情報が一致するまで、前記ムーブメントの前記時針および前記分針を連続駆動することを特徴とする請求項1記載の塔時計装置。
【請求項4】
前記時針の指針位置検出装置は、前記時針の回動軸と前記回動軸を支持する筐体間に配置され、前記時針の回動軸に対して旋回可能で、かつ、固定できることを特徴とする請求項1乃至3記載の塔時計装置。
【請求項5】
前記ムーブメントは、時差情報プリセットスイッチ機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の塔時計装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外用大型時計装置に関するものであり、ビルの壁面や塔屋を文字板にして、指針が屋外に露呈した、通称「塔時計」の塔時計装置に係る。
【背景技術】
【0002】
一般的に、塔時計は親子時計、あるいは、設備時計の一種に分類され、親時計からの信号により大型の子時計を駆動する時計装置である。従って、従来の塔時計は、時刻表示部の形状が大きくても、親時計に制御される複数の子時計のひとつであり、単独の塔時計であっても、親時計−子時計という形態を採っている。
【0003】
また、塔時計の時刻表示部は屋外に向けて設置され、時刻表示部を制御する親時計は屋内に設置されていることが多い。従って、屋外の時刻表示部を直接監視することが困難なために、屋内に設置する親時計側に屋外の時刻表示部に追従して動作するモニタ時計を設けてある。(例えば、非特許文献1参照)
【0004】
以下、非特許文献1に記載された従来の塔時計装置を図面にもとづいて説明する。
図6は、従来の塔時計装置の模式図である。図6において、200は従来の塔時計装置である。塔時計装置200は、接続線240を経由して親時計210からの子時計駆動出力信号を塔時計駆動装置220に入力し、この塔時計駆動装置220で塔時計ムーブメント230を駆動する。塔時計駆動装置220は、複数の接続線250を経由して塔時計ムーブメント230に接続され、塔時計ムーブメント230の時分指針232の停止、定速、早送りの調針、および、モニタを行う。
【0005】
親時計210において、211は親時計210の現在時刻を示すモニタ時計、212は親時計210の供給電源であって、通常は商用電源より供給する。接続線240を経て出力される子時計駆動出力信号は、有極30秒パルスである。
【0006】
塔時計駆動装置220において、221は塔時計モニタ時計であって、塔時計ムーブメント230の運針により出力される後述のバックモニタパルスで駆動される。222は塔時計駆動装置220の供給電源であって、通常は商用電源より供給する。なお、塔時計駆動装置220は後述するように、親時計210からの有極30秒パルスを無極60秒パルスに変換して塔時計ムーブメント230を駆動する制御パルスとしている。
【0007】
塔時計ムーブメント230はモーター、スイッチ、ギア等の受動素子で構成され、231は文字盤、232は時分指針である。図示していないが、塔時計ムーブメント230に内蔵する1個のモーターを動力として、分針を駆動し、分針軸の回転をギヤダウンして時針を連動駆動している。
【0008】
つまり、図5に示した従来の塔時計装置200は、塔時計駆動装置220と塔時計ムーブメント230が子時計に該当し、親時計210からの30秒パルスを基準に塔時計ムーブメント230を駆動制御する親時計−子時計という形態となっている。ただし、塔時計ムーブメント230は屋外に向けて設置され、親時計210および塔時計駆動装置220は屋内に設置されるため、塔時計駆動装置220と塔時計ムーブメント230間は一般的に距離があり、両者を接続する接続線250は長く、必要とする線種も、直流電源線、制御線、モニタ線と多く、使用配線本数も多い。
【0009】
次に、非特許文献1に記載された塔時計駆動装置220の詳細を図面にもとづいて説明する。図7は、従来の塔時計駆動装置のブロック図である。図7において、271は変換回路で、親時計210からの有極30秒パルスを無極60秒パルスに変換する。268は電源回路である。
【0010】
262は電源回路268の商用電源入力端子であり、電源スイッチ267を経て電源回路268に商用電源を供給する。電源回路268は、商用電源から直流電圧に変換し、塔時計駆動直流電源端子263より出力する。また、停電事故等で塔時計装置が停止しないために二次電池269を備えている。273は電源動作中を示す表示灯である。
【0011】
261は親時計210から接続線240を経由して有極30秒パルスを入力する駆動制御信号入力端子である。264は塔時計ムーブメント230の駆動を制御する無極60秒パルスを出力する塔時計制御信号出力端子である。270は調針切換スイッチであり、符号A側は早送り、符号B側は定速、中間の無接触位置は停止である。
【0012】
つまり、調針切換スイッチ270が符号A側のときは、塔時計制御信号出力端子264からは電源回路268の直流電圧が出力され、塔時計ムーブメント230は連続運針となる。また、調針切換スイッチ270が符号B側のときは、塔時計制御信号出力端子264からは60秒パルスが出力され、塔時計ムーブメント230は毎分1回の運針となる。調針切換スイッチ270の符号A、Bいずれの場合も塔時計ムーブメント230は塔時計駆動直流電源端子263からの直流電源を動力として、塔時計制御信号出力端子264の出力信号に倣って運針するのである。
【0013】
265は塔時計モニタ時計272を駆動するバックモニタパルス入力端子である。図示していないが、塔時計ムーブメント230は、時分指針232の分針が1分進む毎にカムとスイッチ機構により塔時計駆動直流電源端子263から供給した直流電圧を60秒の断続パルスとしてバックモニタパルス入力端子265へ送り返す。
【0014】
つまり、屋内設置した塔時計駆動装置220の塔時計駆動直流電源端子263、塔時計制御信号出力端264、バックモニタパルス入力端子265と屋外設置の塔時計ムーブメント230間を複数の接続線250で配線し、塔時計モニタ時計272は、時分指針232の分針が1分進む毎に塔時計ムーブメント230からのバックモニタパルスにより運針する。
【0015】
従って、初期設定で、塔時計モニタ時計272の指示時刻を塔時計ムーブメント230の時分指針232の指示時刻に一致させておくことで、前述のように、調針切換スイッチ270を操作して両者を現在時刻に合致させることができる。現在時刻に合致した以降は、調針切換スイッチ270を符号B側にすることで塔時計ムーブメント230の毎分1回の運針に追従して塔時計モニタ時計272が運針するので、塔時計ムーブメント230の動作状態を塔時計モニタ時計272で監視することができるのである。
【0016】
【非特許文献1】松下電工株式会社、”直流式親時計駆動制御型塔時計調針器 TA41239C 図番LV−4−232,BF 作成951206”、[online]、[平成19年1月29日検索]、インターネット<http://biz.national.jp/Ebox/ecomets/>、検索用語”TA41239C、仕様図、取扱説明書・施工説明書”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、前述の非特許文献1に記載の従来の塔時計装置200は、親時計210から接続線240を経由して塔時計駆動装置220に有極30秒の子時計駆動信号を送り、この塔時計駆動装置220から複数の接続線250を経由して塔時計ムーブメント230に無極60秒の塔時計制御信号と直流電源を送って塔時計ムーブメント230を駆動する。従って、親時計210と塔時計駆動装置220間の接続、および、塔時計駆動装置220と塔時計ムーブメント230間の複数の接続配線が必須である。
【0018】
また、図示していないが、親時計210の時刻校正をGPSや長波標準電波の時刻情報で自動校正する場合は、親時計210と、これら時刻校正受信機への接続と、さらには、この時刻校正受信機と受信アンテナとの接続線も必要となる。
【0019】
親時計210に前記時刻校正受信機を内蔵し、さらには、前記時刻校正受信機を内蔵した親時計210の機能を塔時計駆動装置220に内蔵しても、屋内設置の塔時計駆動装置220と屋外設置の塔時計ムーブメント230間は、各対の電源供給線、塔時計制御信号線、バックモニタパルス線の複数の接続配線250を必要とする。特に、屋内設置の塔時計駆動装置220と屋外設置の塔時計ムーブメント230間の距離が長くなると、電源供給線は低電圧直流送電であることから、配線抵抗による電圧降下を考慮して、充分に太い低抵抗電線で配線をしなければならないという問題があった。
【0020】
また、従来の塔時計装置200は、停電事故等により供給電源が停止した場合でも、塔時計駆動装置220は二次電池269を内蔵していて、塔時計装置200の動作は継続する。しかし、二次電池269の充電容量を超える供給電源停止時には、塔時計装置200は完全に機能停止するので、改めて人為的な初期設定、つまり、塔時計モニタ時計272の指示時刻を、塔時計ムーブメント230の時分指針232の指示時刻に一致させ、調針切換スイッチ270を操作して現在時刻に合致させる操作が必須という課題があった。また、定期的に二次電池269の保守・交換も必要という課題があった。
【0021】
すなわち、従来の塔時計装置は、親時計−子時計という形態であり、屋内に設置される親時計やモニタ時計を含む塔時計駆動装置と、屋外に設置される塔時計ムーブメント間を複数の配線で接続しなければならず、また、塔時計ムーブメントが受動的要素で構成されているため、動作開始時の初期設定や動作モニタが必須という課題があった。
【0022】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、設置配線等の工事を容易にし、初期設定や停電事故等による供給電源停止などに対して、全くのメンテナンスフリーな塔時計装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の塔時計装置は、基本的には下記記載の構成要件を採用するものである。
GPS衛星からの電波を受信し、時刻情報を出力する時刻情報受信機と、時針および分針に対して各々独立した指針位置検出装置および各々独立した指針駆動装置および制御駆動装置を有するムーブメントを備えた塔時計装置であって、前記時刻情報受信機と前記ムーブメントには各々独立して電源を供給し、前記時刻情報受信機と前記ムーブメント間は1対のシリアル信号線で接続し、前記時針の表示時刻と前記分針の表示時刻は、毎正分毎に1回、前記時刻情報受信機の時刻情報に追従して現在時刻を表示することを特徴とする。
【0024】
また、前記塔時計装置への電源供給が停止した場合は、前記駆動装置による前記時針および分針の指針駆動を停止し、前記塔時計装置への電源供給が復帰した場合は、前記指針位置検出装置が作動する位置まで前記時針および前記分針を駆動し、その後、前記時針および前記分針の指針検出位置を基準に前記時刻情報受信機の時刻情報と一致するまで、前記時針および前記分針を連続駆動することを特徴とする。
【0025】
また、前記指針位置検出装置が作動する位置でメモリ内容をクリアし、前記時針および分針の駆動毎に、前記時針の指針位置情報と前記分針の指針位置情報を記憶する指針位置メモリを備え、前記塔時計装置への電源供給が停止した場合は、前記駆動装置による前記時針および分針の指針駆動を停止し、前記塔時計装置への電源供給が復帰した場合は、前記指針位置メモリが記憶する指針位置情報と前記時刻情報受信機の時刻情報が一致するまで、前記ムーブメントの前記時針および前記分針を連続駆動することを特徴とする。
【0026】
また、前記時針の指針位置検出装置は、前記時針の回動軸と前記回動軸を支持する筐体間に配置され、前記時針の回動軸に対して旋回可能で、かつ、固定できることを特徴とする。
【0027】
また、前記ムーブメントは、時差情報プリセットスイッチ機能を備えたことを特徴とする。
【0028】
つまり、本発明の塔時計装置は、受信条件の良い場所に設置したGPS時刻情報受信機と、指針により時刻表示を行うムーブメントに各々独立して電源を供給して、この時刻情報受信機とムーブメント間を1対のシリアル信号線で接続する。また、このムーブメントは、時針および分針に対して各々独立した指針位置検出装置および各々独立した指針駆動装置を備え、指針検出位置を基準に、GPS衛星からの時刻情報に指針を同期追従させるのである。
【発明の効果】
【0029】
以上に述べたように、本発明による塔時計装置は、時針および分針に対して各々独立した指針位置検出装置と指針駆動装置を備えていて、指針検出位置を基準に、GPS衛星からの受信時刻情報に対して、時分針を素早く同期追従させるため、停電事故等により塔時計装置への電源供給が停止しても、電源供給が再開すれば、自動的に指針位置が現在時刻に復帰、追従するので、ムーブメントの指針位置を確認するモニタ時計が不要であり、予期せぬ電源供給停止に対する動作補償用二次電池等の搭載も不要である。また、GPS衛星からの時刻情報を受信する時刻情報受信機は、時刻表示を行うムーブメントとシリアル信号線で接続するため、任意の場所に設置できる。従って、時刻情報受信機を受信条件の良好な場所に設置できて、時刻表示を行うムーブメントの設置場所にも制約を受けず、信頼性の高い高確度の塔時計装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明による塔時計装置の最も特徴的な点は、時刻情報受信機と、ムーブメントを各々独立して設置し、その両者間を1対のシリアル信号線で接続し、このムーブメントの時針と分針の表示時刻をそれぞれ毎正分毎に1回、受信時刻情報に追従して現在時刻を表示することである。
【0031】
まず、本発明による塔時計装置の実施形態の全体像を図面により説明する。図1は、本発明による塔時計装置の全体システムを示す模式図である。
塔時計装置100は、時刻情報受信機10とムーブメント20で構成してあり、時刻情報受信機10とムーブメント20は1対のシリアル信号線30で接続してある。
時刻情報受信機10は、GPS信号受信機11と受信アンテナ12で構成され、外部からの供給電源19により作動し、GPS衛星からの受信時刻情報をシリアル信号線30経由でムーブメント20に伝送する。
【0032】
ムーブメント20は、制御駆動装置40と駆動機構50と文字盤71、時針72、分針73で構成されている。制御駆動装置40は、外部からの供給電源49と、シリアル信号線30からの時刻情報により作動し、駆動機構50を駆動する。駆動機構50は、時針72および分針73を駆動し、シリアル信号線30からの時刻情報に追従して、毎分1回現在時刻を表示させる。なお、本実施形態の塔時計装置は、時刻表示面を屋外に露出することを前提としているので、時針72および分針73は、風雪、日光暴露に耐える頑強な造りとしてある。
【0033】
また、時刻情報受信機10からムーブメント20への受信時刻情報の伝送は、例えば、RS232C形式で、伝送速度は9600bpsを使用する。従って、シリアル信号線30は1対のツィストペア線を用い、時刻情報受信機10とムーブメント20の間は1km程度まで離して設置することができる。また、シリアル信号線30の途中にブースターを挿入することで、更に伝送距離は延長できる。
【0034】
次に、前述した制御駆動装置40と駆動機構50の詳細を図面により説明する。図2は、本発明による制御駆動装置と駆動機構のブロック図である。
制御駆動装置40は、演算回路41の周辺に、時刻情報入力インターフェイス42、指針位置メモリ43、時差情報プリセットスイッチ44、時針位置入力インターフェイス45、時針駆動回路46、分針位置入力インターフェイス47、分針駆動回路48を備えていて、制御駆動装置40への電源は外部の供給電源49より供給する。また、時刻情報は、シリアル信号線30経由で時刻情報入力インターフェイス42へ入力する。
【0035】
駆動機構50は、時針位置検出装置54、時針駆動モーター52、分針位置検出装置66、分針駆動モーター62で構成してある。時針位置検出装置56の出力信号は、時針位置入力インターフェイス45と接続し、分針位置検出装置66は分針位置入力インターフェイス47と接続して、指針位置情報を制御駆動装置40に伝える。また、時針駆動モーター52は時針駆動回路46に接続し、分針駆動モーター62は分針駆動回路48に接続してあり、それぞれのモーターを駆動する。
【0036】
次に、前述した駆動機構50の詳細を図面により説明する。図3は、本発明による駆動機構の平面図である。駆動機構50は、時針系と分針系で構成してある。
時針系は、時針駆動モーター52に直結したねじ歯車(ウォーム)53と、これに回転軸が直交するはす歯歯車(ウォームホィール)54で形成するウォームギア機構と、このはす歯歯車53と同軸上の時針軸55に固定したスリット円盤56bと、スリット円盤56bのスリット通過を検出する光検出器56aより構成する。スリット円盤56bと光検出器56aが時針位置検出装置56であり、時針軸55の1回転に1回時針軸55と同軸に固定したスリット円盤56bのスリット通過を光学的に検出する。
【0037】
分針系は、分針駆動モーター62に直結したねじ歯車(ウォーム)63と、これに回転軸が直交するはす歯歯車(ウォームホィール)64で形成するウォームギア機構と、このはす歯歯車64と同軸上の分針軸65に固定したスリット円盤66bと、スリット円盤66bのスリット通過を検出する光検出器66aより構成する。スリット円盤66bと光検出器66aが分針位置検出装置66であり、分針軸65の1回転に1回分針軸65と同軸に固定したスリット円盤66bのスリット通過を光学的に検出する。
【0038】
時針軸55と分針軸65は、時針軸55の中心部を分針軸65が同軸上に貫いている。そして、図1に示した文字盤71上に時針軸55と分針軸65の端部が露呈して、時針72および分針73をそれぞれ固定する。
【0039】
また、時針位置検出装置56の作動する位置は、あらかじめ、ムーブメント20を設置する際に、図1に示した時針72が0時位置を指示した位置に設定する。同様に、分針位置検出装置66の作動する位置は、分針73が0分位置を指示した位置に設定する。
【0040】
次に、上記説明した本発明による塔時計装置の動作を、図1〜図3にもとづいて説明する。
図1および図2に示した制御駆動装置40に外部から供給電源49が供給されると、内部レジスターに時計機能を内蔵した演算回路41は、初期状態から起動し、時針駆動モーター52と分針駆動モーター62をそれぞれの時針位置検出装置56、および、分針位置検出装置66が指針位置を検出するまで連続駆動する。時分針の指針位置を検出すると、演算回路41の内蔵時計機能もクリアする。つまり、時針位置検出装置56と分針位置検出装置66は、それぞれ0時、および、0分位置であるから、時針72と分針73および内蔵時計機能は0時0分が基点となる。
【0041】
次いで、0時0分位置を基点に、時針72と分針73は、時刻情報受信機11からの時刻情報にもとづいて、前記時刻情報に一致するまで連続駆動する。かくして、時針72と分針73の表示時刻を時刻情報受信機11からの時刻情報に同期させるのである。なお、時針駆動モーター52と分針駆動モーター62は各々独立したパルスモーターであるから、時針72と分針73は同時動作で時刻情報に素早く一致させることができる。同期以降は、時刻情報が1分を刻む毎に時針駆動モーター52と分針駆動モーター62を1分間に相当するパルス駆動を行う。
【0042】
以上に述べたように、本発明によれば、時針および分針に対して各々独立した指針位置検出装置と指針駆動装置を備えていて、指針検出位置を基準に、GPS衛星からの受信時刻情報に対して、時分針を素早く同期追従させるため、予期せぬ停電事故等により塔時計装置への電源供給が停止しても、電源供給が再開すれば、自動的に指針位置が現在時刻に復帰、追従する。また、GPS衛星からの時刻情報を受信する時刻情報受信機は、時刻表示を行うムーブメントとシリアル信号線で接続するため、任意の場所に設置でき、時刻情報受信機を受信条件の良好な場所に設置でき、時刻表示を行うムーブメントの設置場所に制約を受けず、信頼性の高い高確度の塔時計装置を提供できる。
【0043】
次に、予期せぬ停電事故等により塔時計装置への電源供給が停止、復帰した場合に時刻同期を行う他の実施形態を説明する。その時刻同期方法は、電源供給停止時の指針位置を指針位置メモリに記憶することを特徴とする。
【0044】
つまり、針位置メモリ43は不揮発性メモリ、または、バックアップ乾電池により記憶内容を保持できるメモリである。また、時針72と分針73が、0時0分位置を基点として時刻情報に同期させることで、時針72と分針73が指し示す指針位置を1分刻みで数値化したデータを得られる。つまり、針位置メモリ43は、時針72と分針73が指し示す指針位置データを毎分時針72と分針73が駆動される都度、現在の指針位置データとして更新記憶するのである。
【0045】
本発明による塔時計装置は、外部からの供給電源49が停電事故等で停止すると、制御駆動装置40の動作をバックアップする二次電池等を搭載していないので、時針72と分針73は供給電源49が停止した位置で停止する。しかし、供給電源49が回復すると、現在の指針位置は針位置メモリ43に記憶されているから、時刻情報受信機11からシリアル信号線30を経由して入力される時刻情報と一致するまで時針72と分針73を進めることで、再び塔時計装置は時刻情報受信機11からの時刻情報に同期するのである。
【0046】
次に、本発明による塔時計装置の時差補正手段の実施形態を説明する。GPS受信機11により得られる時刻情報はUTC(Universal Time Coordinated:協定世界時)である。図1における塔時計装置100は、通常その塔時計装置を設置した地域の地方時で時刻表示をしなければならない。
【0047】
図4は、本発明による時差設定機構の斜視図である。時針軸55にスリット円盤56bを時差に対応して固定するのであるが、ここでは、時針軸55のスリット円盤56bを固定する面に位置決めピン55aを設け、また、スリット円盤56bには12個の位置決め穴56dを設けてある。つまり、位置決めピン55aと位置決め穴56dのいずれかを合わせることで、スリット円盤56b上のスリット56cの位置が時針軸55に対して1時間刻みでインデックスできるのである。
【0048】
57はスリット円盤56bを位置決めピン55aの面に押しつけ固定するバネである。また、図5において、65は、分針軸であり、時針軸55の同軸中心部を貫通している様子を示す。
【0049】
つまり、本発明による塔時計装置の時差補正手段は、時針軸55の回動軸に対して、旋回可能で、かつ、固定できるように時針位置検出装置56のスリット円盤56bをバネ57で押圧固定してあり、1時間刻みでインデックスできるので、塔時計装置を設置した地域の地方時表示が容易にできるのである。
【0050】
次に、本発明による塔時計装置のサマータイム設定手段の実施形態を説明する。サマータイムは、地域によって、実施する場合もあれば、実施しない地域もある。また、サマータイムを実施する場合であっても、実施時期が変動する。従って、塔時計装置100に設けるサマータイム設定手段は人為的に設定することが好ましい。
【0051】
そこで、本発明による塔時計装置100のサマータイム設定手段は、図2により説明した時差情報プリセットスイッチ44により行う。つまり、スイッチ44がONであれば、演算回路41は塔時計装置100に対して時刻情報入力インターフェイス42で受信したUTC時刻を1時間進め、OFFであれば、そのままUTC時刻を適用する。
【0052】
以上、本発明による塔時計装置の構成、および、動作の詳細を説明したが、時差補正手段および、サマータイム設定手段は、いずれも時刻情報入力インターフェイス42で受信したUTC時刻を基準に、1時間刻みで表示時刻を補正するのであるから、前述のスリット円盤56bを時針軸55に対して1時間刻みにインデックスする時差補正手段をサマータイム設定に兼ねても良い。また、サマータイム設定手段に用いる時差情報プリセットスイッチ44を、例えば4組もしくは5組のON/OFFが設定できるディップスイッチ等、複数のスイッチで構成し、4ビットもしくは5ビットまでの、つまり、12時間か24時間の時差補正設定を兼ねても良い。
【0053】
次に、本発明による塔時計装置の応用例を説明する。図5は、本発明による複数の塔時計装置の全体システムを示す模式図である。
GPS信号受信機11と受信アンテナ12で構成され、外部からの供給電源19から構成する時刻情報受信機10は1式である。時刻情報受信機10からの時刻情報はシリアル信号線30aを経由して、複数の時計20a、20b、20c、20d、20e、20fに分岐、供給される。49a、49b、49c、49d、49e、49fは上記複数の時計20a、20b、20c、20d、20e、20fに個別に供給する電源である。また、20a、20b、20cは、指針式時計、20d、20eはデジタル式時計である。
【0054】
つまり、本発明の塔時計装置は、複数の時計に対しても、GPS衛星からの受信時刻情報に対して、時分針や表示時刻を素早く同期追従させるため、停電事故等により塔時計装置への電源供給が停止しても、電源供給が再開すれば、自動的に現在時刻に復帰、追従する。従って、予期せぬ電源供給停止に対する動作補償用二次電池等の搭載も不要である。また、GPS衛星からの時刻情報を受信する時刻情報受信機は、時刻表示を行うムーブメントとシリアル信号線で接続するため、任意の場所に設置できる。従って、時刻情報受信機を受信条件の良好な場所に設置できて、時刻表示を行うムーブメントの設置場所にも制約を受けず、信頼性の高い高確度の塔時計装置を提供できる。
【0055】
なお、上述した本発明による塔時計装置は、時刻情報受信機にGPS受信機を使用する構成例を説明したが、時刻情報受信機は、長波標準電波を受信するものであっても同様な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による塔時計装置の全体システムを示す模式図である。
【図2】本発明による制御駆動装置と駆動機構のブロック図である。
【図3】本発明による駆動機構の平面図である。
【図4】本発明による時差設定機構の斜視図である。
【図5】本発明による複数の塔時計装置の全体システムを示す模式図である。
【図6】従来の塔時計装置の模式図である。
【図7】従来の塔時計駆動装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
100 塔時計装置
10 時刻情報受信機
11 GPS信号受信機
12 受信アンテナ
19、49 供給電源
20 ムーブメント
30 シリアル信号線
40 制御駆動装置
41 演算回路
42 時刻情報入力インターフェイス
43 指針位置メモリ
44 プリセットスイッチ
45 時針位置入力インターフェイス
46 時針駆動回路
47 分針位置入力インターフェイス
48 分針駆動回路
50 駆動機構
52 時針駆動モーター
54 時針位置検出装置
55 時針軸
55a 位置決めピン
56 時針位置検出装置
56b、66b スリット円盤
56d 位置決め穴
62 分針駆動モーター
65 分針軸
66 分針位置検出装置
66b スリット円盤
72 時針
73 分針
【出願人】 【識別番号】597172177
【氏名又は名称】石川商事株式会社
【出願日】 平成19年2月27日(2007.2.27)
【代理人】 【識別番号】100085280
【弁理士】
【氏名又は名称】高宗 寛暁


【公開番号】 特開2008−209270(P2008−209270A)
【公開日】 平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願番号】 特願2007−46822(P2007−46822)