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【発明の名称】 裏ぶたを含むウォッチケースと、裏ぶたをウォッチケースに取り付ける方法。
【発明者】 【氏名】アラン・マヴィーラ

【氏名】ジャン−クロード・モナション

【要約】 【課題】裏ぶたを完全にネジ締めしたときに、その裏ぶたの内面上の装飾的なマークまたは模様が、その時計の12時・6時の垂直軸線に完全に揃えられるようにする

【構成】本発明は、ガラスぶたと、第1の方向のネジ山部分(14)を持つ裏ぶた(6)とにより閉ざされるハウジング(4)を形成する中央部(2)を含むウォッチケースであって、この中央部(2)が、上記裏ぶた(6)のネジ山方向と反対の第2の方向のネジ山部分(16)を含み、上記裏ぶた(6)のネジ山部分(14)と協働する第1のネジ山部分(18)と上記中央部(2)のネジ山部分(16)と協働する第2のネジ山部分(20)とを持つ中間要素(8)をさらに含むことを特徴とするウォッチケースに関わる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスぶたと、第1の方向のネジ山部分(14)を持つ裏ぶた(6)とにより閉ざされるハウジング(4)を形成する中央部(2)を含むウォッチケースであって、前記中央部(2)が、前記裏ぶた(6)のネジ山方向と反対の第2の方向のネジ山部分(16)を含み、前記裏ぶた(6)のネジ山部分(14)と協働する第1のネジ山部分(18)と前記中央部(2)のネジ山部分(16)と協働する第2のネジ山部分(20)とを持つ中間要素(8)をさらに含むことを特徴とするウォッチケース。
【請求項2】
前記中間要素(8)と前記裏ぶた(6)との間の摩擦結合を大きくする手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のウォッチケース。
【請求項3】
前記摩擦結合を大きくする手段が、前記中間要素(8)と前記裏ぶた(6)との間に挿入された弾性リングまたはスリーブ(30)を含むことを特徴とする請求項2に記載のウォッチケース。
【請求項4】
前記中間要素(8)が、内部円形開口(22)、第1の直径(D1)を持つ部分(24)、それに続く、前記第1の直径(D1)よりも短い第2の直径(D2)を持つ第2の部分(26)を備えているリングを含むことと、前記第1のネジ山部分(18)が、その内部円形開口(22)を区画する壁に設けられていることと、前記第2のネジ山部分(20)が、前記リングの前記長い方の直径の部分(24)の表面に設けられていることとを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のウォッチケース。
【請求項5】
前記裏ぶた(6)のうち、ウォッチケース(1)の内部に向けられた面(32)に環状溝(34)を含み、前記環状溝(34)の1つの垂直壁(36)が、前記リング(8)の前記第1のネジ山部分(18)と協働することになっているネジ山(14)を含み、また、前記環状溝(34)の幅が、前記リング(8)の短い方の直径の部分(26)を収める寸法を有していることを特徴とする請求項4に記載のウォッチケース。
【請求項6】
前記リング(8)の短い方の直径の部分(26)が、前記弾性リング(30)が入れられる環状溝(28)を含むことを特徴とする請求項3と4に記載のウォッチケース。
【請求項7】
前記リング(8)の長い方の直径の部分(24)の高さが、前記リング(8)の短い方の直径の部分(26)の高さよりも短いことを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載のウォッチケース。
【請求項8】
前記裏ぶた(6)の前記環状溝(34)の深さが、前記リング(8)の短い方の直径の部分(26)の高さに等しいか、あるいは、それよりも長いことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1つに記載のウォッチケース。
【請求項9】
前記中間要素(8)が、内部円形開口(22)、および、前記第1のネジ山部分(18)と前記第2のネジ山部分(20)を連続的に含む外部円筒面を有しているリングを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のウォッチケース。
【請求項10】
前記裏ぶた(6)の、ウォッチケース(1)の内部に向けられた面(32)に環状溝(34)を含み、前記環状溝(34)の1つの垂直壁(36)が、前記リング(8)の前記第1のネジ山部分(18)と協働することになっているネジ山(14)を含み、また、前記環状溝(34)の幅が、前記リング(8)を収める寸法を有しており、さらに、前記リング(8)と、前記ネジ山(14)を含む壁に対向する前記垂直壁との間にスリーブが挿入されていることを特徴とする請求項9に記載のウォッチケース。
【請求項11】
中央部(2)上でウォッチケース(1)の裏ぶた(6)を揃える方法であって、
第1の方向のネジ山部分(14)を持つ裏ぶた(6)を用意するステップと、
前記第1の方向と反対の第2の方向のネジ山部分(16)を含むウォッチケースの中央部(2)を用意するステップと、
前記裏ぶた(6)の前記ネジ山部分(14)と協働する第1のネジ山部分(18)と、前記中央部(2)の前記ネジ山部分(16)と協働する第2のネジ山部分(20)とを持つ中間要素(8)を用意するステップと、
前記中間要素(8)が前記裏ぶた(6)に当接するまで、前記第1のネジ山部分(18)を用いて、前記中間要素(8)を前記裏ぶた(6)にネジ締めするステップと、
前記裏ぶた(6)が前記中央部(2)に当接するように、前記第2のネジ山部分(20)を用いて、前記裏ぶた(6)と前記中間要素(8)のアセンブリを前記中央部(2)にネジ締めするステップと、
前記中央部(2)に対して、要望通りに揃えられるまで、前記裏ぶた(6)をさらに回転させ、それにより、前記裏ぶた(6)に対して前記中間要素を垂直方向に移動させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、12時・6時の垂直軸線に対して、揃え(アラインメント)を調整できるネジ締め式裏ぶたを含むウォッチケースに関する。本発明はまた、裏ぶたをウォッチケースに取り付ける方法、さらに具体的に言えば、ウォッチケースに対して、そのウォッチケースの裏ぶたを揃える方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォッチケースの裏ぶたを、ウォッチケースの中央部(middle part)にネジ締めしているときに、その裏ぶたが完全にネジ締めされたとき、例えば、その裏ぶたのうち、時計携帯者の手首の側に位置づけられた面上のダイスタンピングや彫刻などにより作られた装飾的なマークまたは模様が、上記時計の12時・6時の垂直軸線に対して適正に揃えられてないことに気づく場合がたびたびある。もちろん、そのことは、上記時計の美的概観を損なうものである。
【0003】
このように欠陥のある概観は、安価な時計では容認されることもあるが、さらに高価な時計では、極めて都合の悪い欠点となる。
【0004】
このような欠点を解決するためには、今まで知られている唯一の解決法は、裏ぶたが完全にネジ締めされると、その裏ぶたが、その時計の12時・6時の垂直軸線に完全に揃えられるように、機械加工の間、裏ぶたを、特定のウォッチケースに結合させておくことにある。しかしながら、この時計の元の裏ぶたがなくなるか、またはだめになって、別の裏ぶたに代えることが必要となった場合に、この別の裏ぶたが、この時計の中央部にネジ締めされても、12時・6時の垂直軸線に適正に揃えられるとは確証できないという問題が起こるから、この解決法は不充分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、裏ぶたをウォッチケースの中央部にネジ締めした後で、その裏ぶたの揃えを、その時計の12時・6時の垂直軸線に対して簡単に、かつ効率的に調整できるようにして、この時計の裏ぶたのうち、この時計携帯者の手首の側に向けられた面に添えられているマークや他の装飾的な模様の適正な配置を保証するシステムを提案することで、上記の欠点、並びに他の欠点を解決することである。
【0006】
したがって、本発明は、ガラスぶたと、第1の方向のネジ山部分を持つ裏ぶたとにより閉ざされるハウジングを形成する中央部を含むウォッチケースであって、この中央部が、上記裏ぶたのネジ山方向と反対の第2の方向のネジ山部分を含み、また、上記裏ぶたのネジ山部分と協働する第1のネジ山部分と、上記中央部のネジ山部分と協働する第2のネジ山部分とを持つ中間要素をさらに含むことを特徴とするウォッチケースに関わる。これらの特徴の結果として、この裏ぶたが、上記中央部に当接した状態でネジ締めされ、かつ、この裏ぶたのネジ締めが続けられるときに、この裏ぶたを上記中央部に連結する上記中間要素は、この中間要素をこの裏ぶたに連結するネジ山のものとは方向が反対のネジ山を持つ上記中央部にネジ締めされるから、この中間要素は、それ自体、その裏ぶたに対して外れることもある。したがって、この中間要素は、上記中央部のネジ山に沿って垂直方向に移動でき、それにより、この裏ぶた/中間要素のアセンブリが、上記中央部に当接した状態でネジ締めされるときに、その裏ぶたを容易に揃えることができる。
【0007】
本発明は、ウォッチケースの裏ぶたを、この時計の中央部に完全にネジ締めできるようにして、その時計の封止を保証し、また上記裏ぶたをなくす危険をできるだけ避け、次に、その裏ぶたを、上記中央部に対して枢動できるようにして、上記裏ぶたの見える面上に作られたマークまたは模様が、この時計の12時・6時の垂直軸線に対して不揃いとなれば、それを補償するような、上記裏ぶたを取り付ける機構を提供する。このウォッチケースは、従来のウォッチケースに対して、ほんのわずかの変更と、ただ1つ追加する中間要素とを必要とすることが分かるであろう。
【0008】
このようにして、この従来技術の問題は解決される。特に、組立ての間、裏ぶたを、対応する中央部に完全にネジ締めするときに、この裏ぶたが、この時計の12時・6時の垂直軸線に対して確実に適正に揃えられるように、これらの裏ぶたと中央部を一対ずつ非常に精密に機械加工する必要はない。したがって、これらの裏ぶたと中央部を機械加工する必要のある精度に関する要件を軽減することで、本発明は、この製造費を大幅に削減できるようにし、かつ、機械加工の欠陥のために廃棄されなければならない部品の数を低減させることができる。これは、もちろん、完成した時計の原価にも有利な影響を及ぼす。
【0009】
本発明の他の特徴により、このウォッチケースはさらに、この中間要素と裏ぶたとの間の摩擦結合を大きくする手段も含み、これらの手段は、好ましくは、この中間要素と裏ぶたとの間に差し込まれる弾性リングを含む。このように摩擦結合が大きくなるために、この裏ぶた/中間要素を上記中央部にネジ締めするときに、この裏ぶたに対して、この中間要素の望ましくない外れが避けられる。
【0010】
本発明の好ましい実施態様により、この中間要素は、内部円形開口、第1の直径を持つ部分、それに続き、上記第1の直径よりも短い第2の直径を持つ第2の部分を備えているリングを含む。さらに、その第1のネジ山部分は、その内部円形開口を区画する壁に設けられており、また、その第2のネジ山部分は、このリングの上記長い方の直径の部分の表面に設けられている。この裏ぶたのうち、このウォッチケースの内部に向けられた面は、環状溝を含み、その環状溝の1つの垂直壁が、上記リングの上記第1のネジ山部分と協働することになっているネジ山を含み、また、その環状溝の幅が、上記リングの短い方の直径の部分を収める寸法を有している。この好ましい実施態様では、このリングの短い方の直径の部分は、上記弾性リングが入れられる環状溝を含む。その場合、上記弾性リングは、この環状溝のうち、ネジ山を含むその垂直壁と向かい合う所に設けられた壁に対する摩擦で協働することになっている。
【0011】
本発明の有利な特徴によれば、このリングの長い方の直径の部分の高さは、このリングの短い方の直径の部分の高さよりも短く、また、この裏ぶたの環状溝の深さは、このリングの短い方の直径の部分の高さに等しいか、あるいは、それよりも長い。
【0012】
本発明はまた、中央部上でウォッチケースの裏ぶたを揃える方法であって、
・第1の方向のネジ山部分を持つ裏ぶたを用意するステップと、
・上記第1の方向と反対の第2の方向のネジ山部分を含むウォッチケースの中央部を用意するステップと、
・この裏ぶたのネジ山部分と協働する第1のネジ山部分と、この中央部のネジ山部分と協働する第2のネジ山部分とを持つ中間要素を用意するステップと、
・上記中間要素が、上記裏ぶたに当接するまで、上記第1のネジ山部分を用いて、上記中間要素を上記裏ぶたにネジ締めするステップと、
・上記裏ぶたが上記中央部に当接するように、上記第2のネジ山部分を用いて、上記裏ぶた/中間要素のアセンブリを上記中央部にネジ締めするステップと、
・上記中央部に対して、要望通りに揃えられるまで、上記裏ぶたをさらに回転させ、それにより、上記裏ぶたに対して上記中間要素を垂直方向に移動させるステップと、
を含むことを特徴とする方法にも関わる。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、本発明による取付け機構の模範的な実施形態の下記説明からさらに明確になるであろう。この例は、添付図面を参照して、単に限定しない例示として与えられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、裏ぶたを直接にウォッチケースの中央部にネジ締めするのではなくて、逆向きのピッチを持つ2つのネジ山を介して、この裏ぶたと、この中央部にそれぞれネジ締めされる中間要素にネジ締めすることにある一般的な発明思想から出発している。したがって、この裏ぶたがこの中央部に当接した状態でネジ締めされるときに、例えば、この時計の12時・6時の垂直軸線に対して、この裏ぶたの揃えを調整するために、このウォッチケースの中央部に対して、この裏ぶたをなお回転させることができる。これは、この中央部のネジ山に沿って、この中間要素を移動させることが可能となる。このような移動は、逆向きの方向にピッチを持つ2つのネジ山の配置によって可能となる。これらの特徴の結果として、本発明は、中央部と裏ぶたを非常に精密に機械加工する必要のない時計を提供し、それにより、その製造費を削減することができる。
【0015】
本発明によるウォッチケースが、図1に、断面で、かつ個別の部分で示されている。全体が一般参照数字1で表されているウォッチケースは、ガラスぶた(図示されてない)と裏ぶた6、並びに、裏ぶた6と中央部2との間に挿入される中間要素8により従来のやり方で閉ざされるハウジング4を形成する中央部2を含む。中央部2は、竜頭12が取り付けられている巻真(図示されてない)が通る穴10を有している。図示される例では円形である裏ぶた6は、ピッチが第1の方向に向けられているネジ山部分14を有しているが、一方、中央部2は、ピッチが裏ぶた6のものと反対の第2の方向に向けられているネジ山部分16を有している。中間要素8は、裏ぶた6のネジ山部分14と協働することになっている第1のネジ山部分18と、中央部2のネジ山部分16と協働することになっている第2のネジ山部分20とを有している。図示される実施形態では、中間要素8は、内部円形開口22を持つリングの形式を取っている。リング8の外面は、段差が設けられ、第1の直径D1を持つ円筒形部分24、それに続き、上記第1の直径D1よりも短い第2の直径D2を持つ円筒形部分26とを含む。
【0016】
リング8の第1のネジ山部分18は、リング8の内部円形開口22の円筒壁に作られているが、一方、第2のネジ山部分20は、リング8の長い方の直径の外側円筒形部分24に作られている。
【0017】
リング8の短い方の直径の部分26は、その外面に、弾性リング30が入れられる環状溝28(その機能は、後で説明される)を含むことに注意する必要がある。
【0018】
図1では、裏ぶた6のうち、このウォッチケース1の内部に向けられた面32に環状溝34を含み、その環状溝34の1つの垂直壁に、リング8のネジ山部分18と協働することになっているネジ山14が形成されていることもわかるであろう。環状溝34の幅は、リング8の短い方の直径の部分26を収め、しかも、リング8を裏ぶた6にネジ締めするときに、弾性リング30を、ネジ山14と向かい合う所にある溝34の壁36に押し付けるように、寸法が決められている。したがって、弾性リング30が溝34の壁36に押し付けられると、リング8と裏ぶた6との間の摩擦力が大きくなって、これら2つの要素間の摩擦結合を増大させることができる。
【0019】
一例として、リング8は鋼でできている。弾性ブロッキング要素は、天然エラストマまたは合成エラストマか、あるいは、押付け後の残存ひずみ(remanence set)が本発明の要件によく適している熱可塑性物質でできていてもよい。
【0020】
好ましくは、リング8の長い方の直径の部分24の高さは、リング8の短い方の直径の部分26の高さよりも短く、また、裏ぶた6の環状溝34の深さは、リング8の短い方の直径の部分26の高さに等しいか、あるいは、それよりも長い。
【0021】
Oリング38は、中央部2の底面領域に設けられた環状溝40に従来のやり方で挿入されて、裏ぶた6と中央部2との間の防水性を保証する。時計を携帯する人の手首の側に向けられた裏ぶた6の外面42は、チャックキー(図示されてない)のスタッドを導入するのに用いられる切込み44を含む。
【0022】
図6には、すでに上に述べられたものと同一の要素が、同一の参照数字で表されている本発明によるウォッチケースの代替実施形態が示されている。リング8と裏ぶた6との間の摩擦結合を大きくする手段が、リング8の短い方の直径D2の円筒形部分上に設けられた円筒形スリーブ50から成っていて、その円筒形スリーブ50の外径と、内壁36により定義される直径とを調整して、リング8を裏ぶた6にネジ締めするときに摩擦を発生させるという点で、この代替実施形態は、図1〜図5に関連して述べられたウォッチケースとは異なっている。このスリーブは、一般に、Asulab SA社(Marin、Switzerland)で販売されているAsutaneで作ることができる。
【0023】
図7には、すでに上に述べられたものと同一の要素が、同一の参照数字で表されている本発明によるウォッチケースの他の代替実施形態が示されている。リング8のネジ山部分18とネジ山部分20が両方とも、リング8の外周に、特に同一の直径で作られているという点で、この代替実施形態は、図1〜図5に関連して述べられたウォッチケースとは異なっている。裏ぶた6のネジ山部分14が、環状溝34内の対向する壁に設けられていることと、リング8と裏ぶた6との間の摩擦結合を大きくする手段が、環状溝34内で、ネジ山部分14と反対側にある環状溝34の壁とリング8の内側円筒壁との間に設けられるスリーブ50から成っていることにも留意されよう。
【0024】
次に、図2〜図5に関連して、中央部2上でウォッチケース1の裏ぶた6を揃える方法を説明する。
【0025】
第1のステップにおいて、長い方の直径の部分24が、裏ぶた6の面32に当接するまで、第1の回転方向に、これらの要素の一方を、これらの要素の他方にネジ締めすることで、リング8が裏ぶた6に取り付けられる。したがって、Oリング30は、環状溝34の壁36に押し付けられ、次にリング8を中央部2にネジ締めするときに、リング8と中央部2との間の摩擦結合よりも大きい摩擦結合を発生させる。
【0026】
ネジ締めにより互いに取り付けられた裏ぶた6とリング8から成るアセンブリが形成されると、このアセンブリは、チャックキーのスタッドを切込み44に差し込むことで、ネジ山18のものとは反対の方向にピッチを持ち、かつ上記中央部2のネジ山16と協働するネジ山20を介して、中央部2にネジ締めされる。裏ぶた6が、中央部2の下面に当接すると、このアセンブリ(裏ぶた6とリング8)のネジ締めが停止する。
【0027】
ネジ締めされると、図3Aでは、模様46(この場合、ギリシャ文字の大文字のオメガである)が加えられている裏ぶた6は、時計の12時・6時の垂直軸線に対して、まったく揃っていないことがわかるであろう。したがって、この問題は、模様46が適正に揃えられるように、また、それにより時計の美的概観が向上するように、模様46を訂正することにある。その目的で、裏ぶた6が、中間要素8に当接した状態でネジ締めされていると、上記チャックキーを用いて、裏ぶた6をもう一度、ネジ締めし続ける。そのときに、裏ぶた6が中央部2に当接すると、また、リング8を中央部2にネジ締めさせるネジ山20のものとはピッチが反対の方向を持つネジ山18を介して、リング8が裏ぶた6にネジ締めされると、裏ぶた6を回転させて、所望のやり方で裏ぶた6を揃えることができ、それにより、中央部2のネジ山16に沿ってリング8が垂直方向に移動する(図3B)。
【0028】
次に、裏ぶた6を外すことが必要であるときには、その外し方について、問題が生じる。裏ぶた6を外すために、上記チャックキーを使用して、このアセンブリ(裏ぶた6とリング8)が、中央部2から完全に外されるまで、このアセンブリのネジを弛め続けるが、その間、裏ぶた6とリング8との間の摩擦により、このアセンブリが保持されたままである。その後、同一のチャックキー、または他の任意の適切な工具を用いて、リング8が、裏ぶた6から外される。その目的で、リング8は、この工具のスタッドを収める切込み48を含むようにしてもよい(図5を参照のこと)。代わりのやり方では、リング8が裏ぶた6から分離されるまで、リング8を、ネジ山部分16に沿って中央部2の内部に向けて移動させるために、裏ぶた6をネジ締めし続けることもある。
【0029】
図6と図7に示される本発明のウォッチケースの実施形態に必要な変更を加えて、上述の方法を適用させることができる。
【0030】
上の説明から理解されるように、本発明は、中央部2にネジ締めされる裏ぶた6を持つどんなタイプの時計にも適用でき、しかも、実施するのに、わずかな変更しか必要としない。このことは、本質的に、裏ぶた6との接合が行われる中央部2の下部の形状にかかわっている。
【0031】
本発明は、上に述べられてきた実施形態には限定されないことと、本発明の範囲から逸脱しなければ、様々な単純な変更や変形を想定できることは言うまでもない。特に、このリングは、その長い方の直径の円筒形部分の外面上に設けられたネジ山を介して、上記裏ぶたにネジ締めされ、また、このリングは、その短い方の直径の円筒形部分の内面上に設けられたネジ山を介して、上記中央部にネジ締めされることを想定できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のウォッチケースの分解部分断面図である。
【図2】本発明に従って、この裏ぶたを取り付ける中間要素を含む時計の金属要素のボルト弛み止めの位置になされた断面図である。
【図3A】この裏ぶたが、本発明によるウォッチケースの中央部に当接した状態でネジ締めされているこのウォッチケースの部分断面図である。
【図3B】揃えられてない位置にあるこのウォッチケースの裏ぶたの見える面の部分図である。
【図4A】本発明によるウォッチケースの中央部に当接した状態でネジ締めされた後で、この裏ぶたが所望の位置に揃えられているこのウォッチケースの部分断面図である。
【図4B】図3Aのものに類似する図であるが、ここでは、その裏ぶたが、揃えられた位置にある。
【図5】この中間要素の斜視図である。
【図6】代替実施形態を示す図2のものに類似する図である。
【図7】本発明によるウォッチケースの他の実施形態を示す図1のものに類似する図である。
【符号の説明】
【0033】
2 中央部、4 ハウジング、6 裏ぶた、14 ネジ山部分、16 ネジ山部分、18 第1のネジ山部分、20 第2のネジ山部分
【出願人】 【識別番号】507276380
【氏名又は名称】オメガ・エス アー
【出願日】 平成19年8月16日(2007.8.16)
【代理人】 【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹

【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹


【公開番号】 特開2008−46131(P2008−46131A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−212112(P2007−212112)