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【発明の名称】 ホログラムシート及びホログラム形成物
【発明者】 【氏名】青柳 誠

【氏名】水上 文彦

【要約】 【課題】衣服等の布地にホログラムシートを貼着したものが、洗濯機、手洗い等の洗濯により剥離することを防止し、またホログラムシートを布地に接着させる、いわゆるアイロンプリントの際の加熱条件における耐熱性を有し、布上に形成されたあとのシワ延ばしの際のアイロン掛けにおける耐熱性を有し、布地本来の風合いを損なわずに、ホログラムの意匠性、光輝性の高い機能を保持したホログラムシートを提供する。

【解決手段】ホログラムシートは、レリーフ形成層を間に挟むように形成された一組の基材において、該基材の一方の面に、接着層、ホットメルト接着シートをこの順に積層したことを特徴とする。第1基材と、該基材の一方の面に、レリーフ形成層、反射層、第1接着層、第2基材、第2接着層、ホットメルト接着シートをこの順に積層した構成をとることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、該基材の一方の面に、接着層、ホットメルト接着シートをこの順に積層したことを特徴とするホログラムシート。
【請求項2】
前記レリーフ形成体が第1基材上にレリーフ形成層、反射層、第1接着層の順に積層され、前記第1接着層が第2基材を介して第2接着層、ホットメルト接着シートと順次積層されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート。
【請求項3】
前記レリーフ形成体が第1基材上に第1接着層、反射層、レリーフ形成層の順に積層され、前記レリーフ形成層が第2基材を介して第2接着層、ホットメルト接着シートと順次積層されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート。
【請求項4】
前記ホットメルト接着シートにおけるホットメルト層の厚みが10〜200μm、さらに好ましくは、30〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3に記載のホログラムシート。
【請求項5】
前記ホットメルト接着シートにおけるホットメルト層の融点が60〜130℃であることを特徴とする請求項1〜4に記載のホログラムシート。
【請求項6】
前記のホットメルト接着シートのホットメルト層がアミド系樹脂、ウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5に記載のホログラムシート。
【請求項7】
前記のレリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、基材厚みの合計が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜6に記載のホログラムシート。
【請求項8】
前記のレリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、各基材厚みが6μm以上であることを特徴とする請求項1〜7に記載のホログラムシート。
【請求項9】
請求項1〜8に記載のホログラムシートを用いて、布地にホログラムシートを貼着したことを特徴とするホログラム形成物。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラムシートに関し、さらに詳しくは、衣服等の布地に貼着可能なホログラムシート、並びにこれを用いてアイロンプリントされた布地であるホログラム形成物に関する。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
【背景技術】
【0003】
これまで、ホログラム体は、適宜の厚みを有する紙や、プラスチック、金属等のフイルムやカード状物に貼着され、セキュリティー用途等に使用されることはあったが、布地等の柔らかい材質のものにホログラム体を貼着し、使用するようなことは、ほとんどなかった。というのも、衣服等の布地は、洗濯機、手洗い等による洗濯がなされるものであり、その際に貼着物が剥離する問題があり、ホログラム体の衣服等への貼着は考慮されていないことが、現状である。
【0004】
それに対して、例えば、特許文献1には、アイロン掛け等による高熱に対し、ホログラムの視覚効果を損なわないように、ホログラム転写シートの耐熱性をもたせるために、ホログラム形成層と接着層との間に耐熱マスク層を設け、またホログラム形成層を覆うようにTgが200℃以上の樹脂からなる耐熱保護層を設けたホログラム転写シートが記載されている。
【0005】
しかし、上記のホログラム転写シートを利用して、布地にホログラムを貼着したものでは、洗剤による洗濯洗い、すすぎ洗い、脱水、乾燥による洗濯試験を行なうと、ホログラムの布地との接着性が十分ではなく、ホログラムが布地から剥がれてしまう問題がある。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、洗濯により剥離することのないホログラム積層体を提供するにあたり、ホログラム記録媒体の表面にヒートシール層もしくは粘着剤層を直接形成したホログラム体が記載されている。しかしながら、このホログラムは布地へのアイロンプリント時の耐熱性が十分ではなく、洗濯後シワ延ばしのためのアイロン掛けに耐えられない。また、実施例記載のホログラムは体積型ホログラムであり、ホログラムの形成されていない辺部端部のみをヒートシールすることが記載されている。
【0007】
さらに、例えば、特許文献3には、布帛または合成皮革上に接着層を設け、この接着層上に伸縮性樹脂層を介して金属蒸着層、エンボス層がこの順序で設けられたホログラム布帛又は、合成皮革について記載されている。しかしながら、このホログラム布帛又は、合成皮革は洗剤による洗濯洗い、すすぎ洗い、脱水、乾燥による洗濯試験を行なうと、ホログラムが剥がれてしまったりする問題や、さらに布地のシワ延ばしのためアイロンがけをするとホログラムの輝度が低下する、白化する等の問題があった。
【特許文献1】特開2005−7624号公報
【特許文献2】特開平11−282329号公報
【特許文献3】特開平9−34342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解消するために、衣服等の布地にホログラムシートを貼着したものが、ドライクリーニング等の洗濯により剥離することを防止し、またホログラムシートを布地に接着させる、いわゆるアイロンプリントの際の加熱条件における耐熱性を有し、布上に形成されたあとのシワ延ばしの際のアイロン掛けにおける耐熱性を有し、布地本来の風合いを損なわずに、ホログラムの意匠性、光輝性の高い機能を保持したホログラムシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、本発明に到った。すなわち、請求項1の発明に係るホログラムシートは、レリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、該基材の一方の面に、接着層、ホットメルト接着シートをこの順に積層したことを特徴とするものである。請求項2の発明に係るホログラムシートは、請求項1に記載のレリーフ形成体が第1基材上にレリーフ形成層、反射層、第1接着層の順に積層され、前記第1接着層が第2基材を介して第2接着層、ホットメルト接着シートと順次積層されていることを特徴とするものである。請求項3の発明に係るホログラムシートは、請求項1に記載のレリーフ形成体が第1基材上に第1接着層、反射層、レリーフ形成層の順に積層され、前記レリーフ形成層が第2基材を介して第2接着層、ホットメルト接着シートと順次積層されていることを特徴とするもので、すなわち、一組の基材を第1基材、第2基材とした場合、第1基材と、該基材の一方の面に、第1接着層、反射層、レリーフ形成層、第2基材、(第2)接着層、ホットメルト接着シートをこの順に積層したことを特徴とするものである。請求項4の発明に係るホログラムシートは、前記ホットメルト接着シートにおけるホットメルト層の厚みが10〜200μm、さらに好ましくは、30〜100μmであることを特徴とするものである。請求項5の発明に係るホログラムシートは、前記ホットメルト接着シートにおけるホットメルト層の融点が60〜130℃であることを特徴とするものである。請求項6の発明に係るホログラムシートは、前記のホットメルト接着シートのホットメルト層がアミド系樹脂、ウレタン樹脂からなるようにしたもので、布地との接着性を高く維持することができる。
【0010】
また、請求項7の発明に係るホログラムシートは、前記のレリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、基材厚みの合計が50μm以下であることを特徴とするものである。請求項8の発明に係るホログラムシートは、前記のレリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、各基材厚みが6μm以上であることを特徴とするものである。請求項9の発明に係るホログラム形成物は、請求項1〜8に記載のホログラムシートを用いて、布地にホログラムシートを貼着したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のホログラムシートによれば、衣服等の布地へ、アイロン等の加熱手段により、容易に貼着することができ、接着させる際の加熱条件における耐熱性を有し、布地本来の風合いを損なわずに、ホログラムの意匠性、光輝性の高い機能を保持し、洗濯機、手洗い等による洗濯によりホログラムシートが剥離することを防止した、すなわち洗濯堅牢性が高いと共に、アイロン掛けの耐熱性が高いホログラムシートが提供される。これは、主にホログラムのレリーフ形成層が第1基材と第2基材により挟み込んだ構成をとることにより、耐熱性、洗濯堅牢性の非常に高い性能を発揮することが可能となった。
【0012】
請求項1の本発明によれば、レリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、該基材の一方の面に、接着層、ホットメルト接着シートをこの順に積層したので、ホログラムシートを布地に接着させる際の加熱条件における耐熱性を有し、布地本来の風合いを損なわずに、ホログラムの意匠性、光輝性の高い機能を保持し、洗濯機、手洗い等による洗濯によりホログラムシートが剥離することが防止できた。請求項2または3の本発明によれば、請求項1における一組の基材を第1基材と第2基材を用い、ホログラムシートの層構成を特定することにより、上記の耐熱性と、ホログラムの意匠性、光輝性をより高めることができた。請求項4の本発明によれば、ホットメルト層の厚みを特定することで、ホログラムシートを布地に接着させる際、布地の表面凹凸を拾うことなく、より接着性を高めることができた。また請求項5の本発明によれば、ホットメルト接着シートにおけるホットメルト層の融点を規定することで、ホログラムシートを布地に接着させる際、ホログラムの白化を伴うことなく、より接着性を高めることができた。
【0013】
請求項6の本発明によれば、ホットメルト接着シートのホットメルト層をアミド系樹脂、ウレタン樹脂からなるようにしたので、布地との接着性を高く維持することができる。また、請求項7の本発明によれば、レリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材に関し、基材厚みの合計の上限値を規定することで、ホログラムシートを布地に接着させた際に、布地本来の風合いを維持させることができる。請求項8の本発明によれば、レリーフ形成体を間に挟むように形成された一組の基材において、各基材厚みの下限値を規定することで、耐熱性、洗濯堅牢性の非常に高い性能を発揮することが可能となった。請求項9の本発明によれば、布地本来の風合いをもち、ホログラムの意匠性、光輝性の高い機能を保持し、また耐熱性、洗濯堅牢性の非常に高い性能をもったホログラム形成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示すホログラムシートの断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示すホログラムシートの断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示すホログラムシートの断面図である。
図4は、本発明の1実施例を示すホログラム形成物の断面図である。
【0015】
(ホログラムシート)本発明のホログラムシート1は、図2に示すように、第1基材2の一方の面に、レリーフ形成層3、反射層4、第1接着層5、第2基材6、第2接着層7、ホットメルト接着シート10を順に積層した構成である。但し、図示したホットメルト接着シート10は、離型シート9とホットメルト層8から構成され、布地などにホログラムシートを貼着する際には、離型シート9をホットメルト層8から剥がして、分離し、ホットメルト層と布地を接するようにして、使用される。また、本発明のホログラムシート1は、図3に示すような構成をとることができる。すなわち、第1基材2の一方の面に、第1接着層5、反射層4、レリーフ形成層3、第2基材6、第2接着層7、ホットメルト接着シート10を順に積層した構成である。図3の場合も、図2で説明したように、ホットメルト接着シート10は、離型シート9とホットメルト層8から構成され、布地などにホログラムシートを貼着する際、離型シート9をホットメルト層8から剥がして、分離し、ホットメルト層と布地を接するようにして、使用される。
【0016】
(基材)本発明のホログラムシートを構成する第1基材2と第2基材6は、同様のものが使用できる。また、別の材料、厚みの物でも良い。それらの基材としては、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系フィルム、ポリイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリエーテルケトンなどのエンジニアリング樹脂、などがある。
【0017】
基材はアイロンプリント時の耐熱性、アイロンプリント後のシワ延ばしの耐熱性を確保するとともに、洗濯堅牢度を確保するためには非常に重要な役割を果たす。
このため、基材の耐熱特性としては、基材がアイロンの加熱により収縮や、ホログラムの白化を起こさないような特性を要求される。このためには、基材の融点Tm(B)、ガラス転移温度Tg(B)は高くするのがよい。少なくとも、後述するホットメルト接着シートの熱特性、Tm(M)、Tg(M)と比較した時、Tm(B)>Tg(M)、もしくは、Tm(B)>Tg(B)であることが好ましい。
【0018】
なかでも、布地に貼り合わせた後に製品の表面となる第1基材はアイロンプリント時やアイロンによるシワ延ばしをする際の耐熱性に大きく影響する。このため、第1基材としてはTm(B)>Tg(M)、もしくは、Tm(B)>Tg(B)とするのがよい。
一方、ホログラムと布地の間にくる第2基材は、耐熱性を確保するために重要であるのみならず、洗濯堅牢度を保つために重要である。この、第2基材を設けない場合、アイロン適性は有するが、洗濯堅牢度が十分でない。その熱特性は高い方が好ましく、第1基材と同じ材料とするのが熱による伸縮率を合わせられるためよい。しかしながら、ホットメルト接着シートや接着剤、布地との熱特性を考慮し選定されるとよい。
【0019】
但し、上記のガラス転移温度Tgは、動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)が最大値をとる温度を当該樹脂のガラス転移温度としたものである。粘弾性の測定方法は、測定機器としてレオメトリックス製ARESを用い、測定条件は、パラレルプレート10mmΦ、歪み1%、振幅1Hz、昇温速度2℃/min.で、試料の樹脂の温度を30℃から200℃に昇温させることにより行う。また、一般に貯蔵弾性率G′は弾性成分で、高分子中でのコイルの振動や凝集体構造などの構造が生じることによって発生し、損失弾性率G″は粘性成分であり、静的の剪断応力と等価なものである。tanδはG″/G′により求められ、材料が変形する際にどれくらいのエネルギーを吸収するかの指標となる。
また、融点Tmは熱示差走査熱量計(DSC測定方法)にて、JIS K 7121に準じ、10±1℃/分の昇温速度で測定したときの融解ピーク温度(Tpm)を意味する。
【0020】
好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜50μm程度が適用できるが、4〜25μmが布地に貼着した際の布地本来の風合いを保持でき、またホログラムシートを布地に接着させる際の耐熱性、シワ延ばしの耐熱性、さらに洗濯堅牢性の機能を発揮する上で、好ましい。さらに好ましくは6〜16μm程度である。
【0021】
布地に貼り合わせた後に製品の表面となる第1基材の厚みは耐熱性に大きく影響する。また、ホログラムと布地の間にくる第2基材は、洗濯堅牢度を保つために重要である。この、第2基材を設けない場合、アイロン適性は有するが、洗濯堅牢度が十分でない。このため、全体の厚みを抑えることで風合いを出すには、第1基材の厚みを保持しつつ、第2基材の厚みを確保すべく、第1基材厚み>第2基材厚みとするとよい。具体的には、第1基材は12〜25μm、第2基材は6〜16μmのような関係にするのがよい。
【0022】
該基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。該基材は、レリーフ形成層の塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行うことが好ましい。基材とレリーフ形成層の間の密着性が十分でないと洗濯堅牢度を保つことはできないため、十分な易接着処理を行うのがよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0023】
上記のプライマー塗布処理の材料としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ゴム系化合物、石油系樹脂、アルキルチタネ−ト系化合物、ポリエチレンイミン系化合物、イソシアネ−ト系化合物、澱粉、カゼイン、アラビアゴム、セルロ−ス誘導体、ワックス類などを上げることができる。
材料が耐熱性を有したい場合は、比較的融点やガラス転移点の高い材料にて処理した方がよい。例えばTgが60℃以上を有するものが好ましい。単独材料での耐熱性や、例えば、基材とレリーフ層との接着強度が充分でない場合には、この特性を改良するため、2種以上の材料を混合するなどもよい。さらに、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化樹脂を用いることは、比較的容易に必要な耐熱性を確保しやすいことから好ましい。なかでもポリエステル系樹脂は本来PETとの密着が良好であり、さらに、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物などの硬化剤を併用することでさらに、耐熱性に富んだ易接着処理が可能であるため好ましい。
【0024】
(レリーフ形成層)レリーフ形成層3を構成する樹脂材料としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂の硬化樹脂などが適用できる。熱可塑性樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等が例示でき、熱硬化性樹脂としては不飽和ポリエステル、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等が例示でき、電離放射線硬化性樹脂としてはポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレートなどや、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものが適用できる。特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた紫外線や電子線などで硬化させる電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離硬化樹脂を使用することで、レリーフの輝度を十分に有するとともに、アイロンプリント耐熱性、洗濯堅牢度、アイロン適性に優れたホログラムを形成できる。電離放射線硬化樹脂としては、特に、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用でき、具体的には、次の2種が最も好ましい。
【0025】
(電離放射線硬化性樹脂組成物S)レリーフ形成層3の好ましい1つとしては、下記に示す一般式(a)で表されるウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする未硬化の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である。具体的には、本出願人が特開2000−273129号公報で開示している光硬化性樹脂組成物などが適用でき、前記明細書に記載の光硬化性樹脂組成物Sを本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物S」と呼称する。
【0026】
【化1】


(6個のR1は夫々互いに独立して水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数が1〜20個の炭化水素基を表わす。l、m、n、o及びpの合計を100とした場合に、lは20〜90、mは0〜80、nは0〜50、o+pは10〜80、pは0〜40の整数である。XおよびYは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表わし、Zはウレタン変性アクリル樹脂を改質するための基を表し、好ましくは嵩高い環状構造の基を表わす。)
【0027】
上記に示した一般式(a)で表わされるウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好ましい1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルとメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート10〜80モル、Zとしてイソボルニルメタクリレート0〜80モルとを共重合して得られるアクリル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得られる樹脂である。
【0028】
水酸基含有アクリル系樹脂中に存在している水酸基を利用して、分子中に多数のメタクリロイル基を導入したウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物によって、例えば、回析格子等を形成する場合には、硬化手段として紫外線や電子線等の電離放射線が使用でき、しかも高架橋密度でありながら柔軟性および耐熱性等に優れた回析格子等を形成することができる。
【0029】
更に、硬化後の電離放射線硬化樹脂層の柔軟性、粘度を調整するために、電離放射線硬化性樹脂には、通常の熱可塑性樹脂や、アクリル系およびその他の単官能または多官能のモノマー、オリゴマー等を包含させることができる。さらに、微細な凹凸(レリーフ)を形成(複製)する際にスタンパ(金属版、又は樹脂版)がレリーフ形成層3から容易に引き剥がせるように、予めレリーフ形成層3へ離型剤を含有させてもよい。該離型剤としては、公知の離型剤が適用でき、例えば、固形ワックス、弗素系やリン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等であり、特に好ましくは、変性シリコーンオイル側鎖型、変性シリコーンオイル両末端型、変性シリコーンオイル片末端型、変性シリコーンオイル側鎖両末端型、トリメチルシロキシケイ酸を含有するメチルポリシロキサン(シリコーンレジンと称されている)、シリコーングラフトアクリル樹脂、及びメチルフェニルシリコーンオイル等の変性シリコーンである。
【0030】
(電離放射線硬化性樹脂組成物M)レリーフ形成層3の好ましい他の1つとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物である。具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が適用でき、本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と呼称する。
【0031】
さらに好ましくは、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物である。また、電離放射線硬化性樹脂として、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと他の樹脂との混合物を用いることができ、アクリル樹脂との混合物が最適である。また、電離放射線で硬化させる以前の塗布状態ではべとつかず、レリーフ構造を容易に賦型した後に、電離放射線で硬化できるものが好ましい。したがって、軟化点が40℃以上の樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
(光重合開始剤)電離放射線硬化性樹脂組成物に添加する光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類などの公知のものが適用できる。また、必要に応じて、光増感剤、光重合促進剤を添加する。このような光重合開始剤、及び光増感剤の含有量は、前記ウレタン変性アクリル系樹脂100質量部当たり約0.5〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。さらに、上記の各成分に加えて、ハイドロキノン、カテコール等のフェノール類;ベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン等:銅類等の重合防止剤を配合すると貯蔵安定性が向上する。更に、必要に応じて、促進剤、粘度調節剤、界面活性剤、消泡剤等の各種助剤を配合してもよい。
【0033】
上記の樹脂及び必要に応じて添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。レリーフ形成層3の厚さとしては、通常は0.1μm〜10μm程度、好ましくは0.3μm〜3μm程度である。
【0034】
(レリーフ)ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
【0035】
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
【0036】
(レリーフの賦型)レリーフ形成層3面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
【0037】
(レリーフの硬化)レリーフ形成層3として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(レリーフ形成層3)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。レリーフ形成層15として、熱硬化性樹脂を用いた場合には、使用する熱硬化性樹脂の硬化条件に応じた温湿度環境下で、エージングを行い硬化させればよい。
【0038】
硬化物のTgは、アイロンプリント時の耐熱性、アイロンプリント後のシワ延ばしの耐熱性を確保するとともに、洗濯堅牢度を確保するためには非常に重要な要因となる。すなわち、アイロンプリント時やシワ延ばしをする際にホログラムレリーフ形状はアイロンの加熱により形状がくずれないような特性が要求される。
このためには、ホログラムレリーフ形状のTg(R)は高くするのがよい。しかしながら、例えば熱可塑性樹脂を使用したとき、このTg(R)を高くすることはホログラムレリーフを形成する際のエンボス温度を高くすることなる。このため、エンボス形成時には低温でエンボスが形成可能で、その後、エンボス形状を硬化することでレリーフ形状の耐熱性を上げることが可能な硬化性樹脂を使用することが好ましい。さらに、電離放射線硬化性樹脂を使用することで、もっとも適切な工程で短時間にレリーフ形状を硬化することができるため、なおさら好ましい。
【0039】
また、このレリーフ形状のTg(R)は後述するホットメルト接着シートの融点(Tm(M))との関係においてTg(R)>Tm(M)の関係にあるのが好ましい。このようにすることで、アイロンプリント時にホログラムレリーフ形状を崩さず、布地にホログラムシートを貼り合せることが可能となる。さらに、Tg(R)>Tm(M)>60℃とすることで、耐熱性を有すると共に、耐久性、洗濯堅牢度特性に優れたホログラム形成体を提供可能となる。
【0040】
(反射層)反射層4は、所定のレリーフ構造を設けたレリーフ形成層3面のレリーフ面へ設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、レリーフ形成層3の反射率より高れば、特に限定されず、例えば金属薄膜が適用できる。
【0041】
該反射層4に用いる金属としては、金属光沢を有し光を反射する金属元素の薄膜で、Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせてもよい。上記の光反射性の金属薄膜の形成は、いずれも10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られるが、その他、メッキなどによっても形成できる。反射層4の厚さがこの範囲未満では、光がある程度透過して効果が減じ、また、それ以上では、反射効果は変わらないので、コスト的に無駄である。
【0042】
また、反射層4として、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がレリーフ形成層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、レリーフ形成層3よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が挙げられる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。
【0043】
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、レリーフ形成層3のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。さらには、レリーフ形成層3と光の屈折率の異なる透明な合成樹脂を使用してもよく、第1接着層5材料とレリーフ形成層3材料の屈折率が十分に異なる場合には、第1接着層5が反射層4を兼ねることもできる。また、光回折機能はないが、特異な意匠性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、梨地柄などの場合、金属薄膜層に限らず、通常の印刷法などにより着色されていてもよい。
【0044】
(接着層)反射層を設けたレリーフ形成層と第2基材を接着させるための第1接着層と、第2基材とホットメルト接着シートを接着させるための第2接着層は、同様のものが使用できる。しかしながら、貼り合せる材料の特性に応じて異なっていても、もちろんよい。それらの接着層は熱で溶融又は軟化して接着する熱接着型接着剤が適用でき、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用でき、これらの樹脂を単独または複数を組み合せて使用する。これらの接着層の樹脂は、接着力などの点で、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
【0045】
上記の樹脂及び、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤及び/又は帯電防止剤などの添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも基材、蒸着層、もしくはホットメルト接着シートの一部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。接着層の厚さは、通常は0.02〜10μm程度、好ましくは0.05〜5μmである。接着層の厚さは、この範囲未満では接着力が不足し、また、それ以上では、接着効果は十分でその効果は変わらないが、コスト的に無駄である。
【0046】
(ホットメルト接着シート)
ホットメルト接着シート10で使用されるホットメルト層8としては、ポリアミド系、飽和ポリエステル系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系、ポリ塩化ビニル系、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブチラール樹脂、ポリビニルエーテル樹脂等の熱可塑性ポリマーを使用することが好ましい。なかでも、綿、アセテート、ポリエステル、ナイロン等の各種布地材料との低温接着性、並びに、洗濯適性を有する材料としてはナイロン11、ナイロン12、ナイロン612やこれらのナイロン原料を用いた共重合ナイロンなどのアミド系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合系樹脂が好ましい。
【0047】
ホットメルト接着シートは離型性を有するシート9、もしくは離型処理した紙に上述したホットメルト層の材料を塗工することによって形成可能である。なお、塗工方法としては、ロールコート、グラビアコートなどの水系、溶剤系の塗工インキを塗工方法も可能であるが、ホットメルト材料の特性を利用して、Tダイ押出し成型法により製造するのが無溶剤であるなどしてよい。また、必要に応じてホットメルト接着シートは物性の異なる2種以上の材料が2層以上の層構成となって形成されているのもよい。このような2層以上の層構成を有するホットメルト接着シートは2種以上の押出し成型シートをウレタン系接着剤などを用いたドライラミーネーション等により貼り合せる製造方法、もしくは、2種以上のホットメルト材料を共押出しすることにより製造できる。
【0048】
このようなホットメルト接着シートとしては、市販のホットメルトフィルムが使用可能である。市販のホットメルト接着シートとしては、ダイセルファインケム社:ダイアミドフィルム、ダイアミドスパン、サーモライト、また、日本マタイ社製:エルファン−NT、エルファン−UH、エルファン−PH、エルファン−OH、エルファン−SH、エスマーURS、クラボウ社製:クランベラー、クランジール、エヌティーダブリュー社製:エラストラン、東洋紡社製:リックスフィルム等が上げられる。尚、ホットメルト接着シートは、上記に説明した離型性を有するシート、もしくは離型処理した紙にホットメルト層を形成したものに限らず、ホログラムシートにおける接着層上に、直接ホットメルト層を設けて形成することも可能である。
【0049】
また、ホットメルト接着層の熱特性は、ホログラムをアイロンプリントする際の温度に直接影響を及ぼすため非常に重要な因子である。融点が低いほど低温で接着できるため好ましいが、低すぎるとホログラム形成体の耐久性が劣化する、例えば、シワを延ばすためにアイロンを掛けた際にこのホットメルト層が溶けて貼り位置がずれる、夏場の車内で接着剤が溶けてしまうなどの問題が発生する。逆に、融点が高いとこのような問題は起こりにくいが、アイロンプリントする際の接着温度を高くしないとならないため、貼り付きにくい、貼りついた場合にホログラムが白化し輝度が低下する等の問題が発生する。これらの特性をかんがみた時、熱示差走査熱量計(DSC)法における融点Tm(M)が、60〜140℃の融点を有するもの、特に、75〜120℃の融点を有するものが好ましい。
【0050】
このような特性を有する市販のホットメルト接着シートとしては、ダイセルファインケム社:ダイアミドフィルム2401、3100、3102、ダイアミドスパン1000、サーモライト2810、6501、9100、また、日本マタイ社製:エルファン−NT100、120、140エルファン−UH201、203、204、エルファン−PH402、405、413、エルファン−OH501、50X、506、507、エルファン−SH701、クラボウ社製:クランベラー、クランジールS1700、S1300、エヌティーダブリュー社製:エラストランHP105L、ET550、東洋紡:リックスフィルムL6102、L4103、L5133等が上げられる。
【0051】
なお、アイロンプリント後のホログラムの輝度を保ちつつ、布地との接着性を良好に保つためには、ホットメルト接着層の厚みが非常に重要な要因となり、5〜150μm程度の厚みが好ましい。特に好ましくは、30〜100μm程度の厚みである。ホットメルト接着層の厚みが薄いと布地との密着が不足したり、アイロンプリントする際に布地の凹凸を拾いホログラムの見栄え、輝度が低下する。逆に、ホログラム接着層の厚みが厚すぎると、アイロンプリント時にごわごわしたりして取り扱い性に劣るばかりでなく、経済的でない、また風合いに欠けたシートとなる。
【0052】
(布地)布地11としては、特に制限はない。例えば、ナイロン,ポリエステル,ポリウレタン,アクリル等の合成繊維、レーヨン,アセテート等の再生繊維、ガラス等の無機質繊維や、木綿,麻,絹,羊毛等の天然繊維及びこれらを混紡してなる各種布地等が挙げられる。
【0053】
(ホログラム積層体)
ホログラム積層体11は、図1〜3に示すように、レリーフ形成層を間に挟むように形成された一組の基材からなる積層体をいう。意匠性を上げるため、任意の層にグラビア等による従来公知の方法で印刷がされていてもよい。また、蒸着は印刷に同調するなどした部分的に設けることも可能である。このホログラム積層体に第2接着層7を介して、ホットメルト層8を設けたものが本発明のホログラムシート1である。
【0054】
(ホログラム形成物)
本発明のホログラム形成物20は、本発明のホログラムシート1を用いて、布地12にホログラムシート1を貼着したものである。図4に示すように、布地12とホットメルト接着シート10のホットメルト層8により、ホログラムシート1を加熱して貼着したものである。尚、図4では、図2に示す構成のホログラムシート1を布地11に貼着した構成であるが、それに限らず、図1、3に示すような構成のホログラムシート1を布地12に貼着した構成のホログラム形成物であってもよい。
【実施例】
【0055】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
・<電離放射線硬化性樹脂組成物Mの作製>
反応生成物(A)は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。得られた反応生成液は赤外吸収スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収が消滅していることを確認した。反応生成液から酢酸エチルを留去したものの軟化温度は43℃であった。
【0056】
該反応生成物(A)と、造膜性樹脂、光重合開始剤、及び溶媒から下記の組成で添加して電離放射線硬化性樹脂組成物Mを調製した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物M>
反応生成物(A) 24質量部
造膜性樹脂(メタクリル樹脂:クラレ社製品 パラペットGF) 6質量部
光重合開始剤(イルガキュア184) 0.9質量部
メチルエチルケトン 70質量部
【0057】
第1基材2として厚さ12μmの易接着処理PET(東洋紡E5200両面コロナ処理品)を用いた。該基材2の一方の面へ、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ1.5g/m2のレリーフ形成層3を形成した。次に、該レリーフ形成層面へ、2光束干渉法によるレインボウホログラム(文字列「abc」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパ(ポジパターン:スタンパ表面、空気界面から見て「abc」と読めるパターン)を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた(エンボス表面、空気界面から見てネガパターン)。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。該レリーフ形成層3のレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが500nmのアルミニウム薄膜を形成して反射層4とした(アルミ表面、アルミ面から見てネガパターン)。
【0058】
該反射層4面へ下記ウレタン樹脂接着剤を塗工後、乾燥して第1接着層5を形成し(乾燥後の塗工量が5g/m2)、厚さ12μmの易接着処理PET(東洋紡E5200両面コロナ処理品)の第2基材6とドライラミした。
主剤 タケラックA310(三井武田ケミカル(株)製) 100質量部
硬化剤 タケネートA3(三井武田ケミカル(株)製) 8質量部
溶剤 酢酸エチル 50質量部
さらに、厚さ12μmの易接着処理PET(東洋紡E5200両面コロナ処理品)からなる第2基材6のもう一方の面へ、第1接着層で使用したウレタン樹脂接着剤を塗工後、乾燥して第2接着層7を形成し(乾燥後の塗工量が5g/m2)、厚さ80μmのホットメルト接着シート10(ダイセルファインケム ダイアミド2401 (80μm)離型シート9付き)とドライラミし、ホットメルト層8を形成した。このようにして離型シート9を有する、ホログラムシート1を作製した。
さらに、ホログラム表面の傷つき防止とハンドリング適正(離型シートからの剥がし易さ改良)のため保護フィルムSPV−M−6030(日東電工)を第1基材表面にハンドローラーにてラミした。
【0059】
(評価1)このホログラムシート1を第1基材2越しに観察すると、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。
また、手触りしたとき、ごわごわした感じも無く、風合いは良好であった。ホログラム積層体11とホットメルト接着シート10の接着を確認するため、離型シート並びに、保護フィルムSPV−M−6030(日東電工)を外した後、指で強く引っ張っても、ホログラム積層体とホットメルトの間で剥がれることなく接着は良好であった。
【0060】
(評価2)ホログラムシートを貼着する布地11としては、木綿のTシャツを100mm×100mmに切り抜いて使用した。該布地11へ、実施例1で得られたホログラムシート1のホットメルト層8を合せて、さらに、その上から木綿のハンカチでカバーした後、アイロン(松下電器産業 スチームアイロン NI−SF31)にて加熱(高温設定:綿、麻 アイロン用)した。このようにしてホログラムシート1を有する、ホログラム形成物20が得られた。
【0061】
このホログラム形成物20を第1基材2越しに観察すると、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、手触りしたとき、ごわごわした感じも無く、風合いは良好であった。ホログラムシート1と布地11の接着を確認するため、指で強く引っ張っても、剥がれることなく接着は良好であった。
さらに、洗濯堅牢度試験(JIS L 0217 103法 吊り干し)を行なった。試験後も、ホログラムシート1は布地11から剥がれることなく良好な接着を保っていた。第1基材2越しに観察すると、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が崩れることなく輝度を保って観察された。手触りしたときの、風合いは良好であった。シワ延ばしのためのアイロン掛けをおこなった。このアイロンでもホログラムの輝度は低下することなく、耐熱性は良好であると判断された。
【0062】
(実施例2)
実施例1におけるホットメルト接着シート、ダイアミド2401(80μm)をダイアミド2401−100μmとする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。
【0063】
(実施例3)
実施例1におけるホットメルト接着シート、ダイアミド2401(80μm)をダイアミド2401(50μm)とする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。ただし、堅牢度試験では多少ホログラムの浮きがあった。
【0064】
(実施例4)
実施例1におけるホットメルト接着シート、ダイアミド2401(80μm)をサーモライト6501(50μm)とする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。ただし、堅牢度試験では多少ホログラムの浮きがあった。
【0065】
(実施例5)
実施例1におけるホットメルト接着シート、ダイアミド2401(80μm)をエルファンNT120(50μm)とする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。ただし、堅牢度試験では多少ホログラムの浮きがあった。
【0066】
(実施例6)
実施例1におけるホットメルト接着シート、ダイアミド2401(80μm)をエルファンUH203(70μm)とする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。
【0067】
(実施例7)
実施例1における第1基材2である厚さ12μmの易接着処理PET(東洋紡E5200両面コロナ処理品)に代えて、厚さ12μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)を用い、基材の一方の面に下記組成物をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.5μmの易接着層を形成した基材を使用した。さらに、この易接着層形成面に電離放射線硬化性樹脂組成物Mを塗工した。これ以外は、実施例1と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。
バイロン200(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名) 100質量部
D−110N (三井武田ケミカル(株)社製、イソシアネート商品名) 5質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
【0068】
(実施例8)
実施例7における第1基材2である厚さ12μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ12μmのルミラーF56(東レ社製、PETフィルム未処理品)を用いた以外は、実施例7と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例7と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例7と同様の良好な結果であった。
【0069】
(実施例9)
実施例7における第1基材2である厚さ12μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ16μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)を用いた。さらに、第2基材6である厚さ12μmの易接着PETフィルムE5200(東洋紡、両面コロナ処理品)に代えて、厚さ16μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)を用い、基材の両方の面に易接着層を形成した以外は、実施例7と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例7と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例7と同様の良好な結果であった。ただし、実施例1に比べ多少風合いに欠け、多少ゴワゴワした。なお、易接着層は基材の一方の面に下記組成物をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.5μmの易接着層を形成後、さらに基材の反対面に同様な材料を同様に塗工して形成した。
バイロン200(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名) 100質量部
D−110N (三井武田ケミカル(株)社製、イソシアネート商品名) 5質量部
メチルエチルケトン 100質量部
トルエン 100質量部
【0070】
(実施例10)
実施例9における第2基材6である厚さ16μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ12μmのPETフィルムルミラーF65(東レ社製、PETフィルム未処理品)を用いた以外は、実施例9と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例9と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例9と同様の良好な結果であった。
【0071】
(実施例11)
実施例9における第2基材6である厚さ16μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ6μmのPETフィルムルミラーF53(東レ社製、PETフィルム未処理品)を用いた以外は、実施例9と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例9と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。
【0072】
(実施例12)
実施例11における第1基材2である厚さ16μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ12μmのPETE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)を用いた以外は、実施例11と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施11と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例11と同様の良好な結果であった。
【0073】
(実施例13)
実施例12における第1基材2である厚さ16μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ6μmのPETフィルムルミラーF53(東レ社製、PETフィルム未処理品)を用いた以外は、実施例11と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施11と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例11と同様の良好な結果であった。ただしアイロン掛けの際、多少白化する事があった。
【0074】
(実施例14)
実施例1における第2接着層の乾燥後の塗工量を5g/m2に代えて、3g/m2とする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。
【0075】
(実施例15)
実施例1における第2接着層の乾燥後の塗工量を5g/m2に代えて、7g/m2とする以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。
【0076】
(実施例16)
実施例1において、スタンパのネガ、ポジを反転した。また、第2基材の一方に電離放射線硬化性樹脂を塗工後、エンボス形成、硬化、蒸着し、さらに接着剤を塗工しPETを貼り合せると共に、第2基材の反対側に接着剤を塗工しホットメルト接着シートと貼り合わせた。これ以外は同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。すなわち以下のようにして、ホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。
【0077】
第2基材6として厚さ12μmの易接着処理PET(東洋紡E5200両面コロナ処理品)を用いた。該基材6の一方の面へ、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ1.5g/m2のレリーフ形成層3を形成した。次に、該レリーフ形成層面へ、2光束干渉法によるレインボウホログラム(文字列「abc」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパ(ネガパターン:スタンパ表面、空気界面から見て「abc」と読めないパターン)を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた(エンボス表面、空気界面から見てポジパターン)。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。該レリーフ形成層3のレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが500nmのアルミニウム薄膜を形成して反射層4とした(アルミ表面、空気界面から見てポジパターン)。
【0078】
該反射層4面へ下記ウレタン樹脂接着剤を塗工後、乾燥して第1接着層5を形成し(乾燥後の塗工量が2g/m2)、厚さ12μmの易接着処理PET(東洋紡E5200両面コロナ処理品)の第1基材2とドライラミした。
主剤 タケラックA310(三井武田ケミカル(株)製) 100質量部
硬化剤 タケネートA3(三井武田ケミカル(株)製) 8質量部
溶剤 酢酸エチル 100質量部
【0079】
さらに、第2基材6のもう一方の面へ、ウレタン樹脂接着剤を塗工後、乾燥して第2接着層7を形成し(乾燥後の塗工量が5g/m2)、厚さ80μmのホットメルト接着シート10(ダイセルファインケム ダイアミド2401 (80μm)離型シート9付き)とドライラミし、ホットメルト層8を形成した。このようにして離型シート9を有する、ホログラムシート1を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例1と同様の良好な結果であった。ただしアイロン掛けの際、多少白化する事があった。
【0080】
(比較例1)
実施例1における第2基材10である厚さ12μmの易接着PETフィルムE5200(東洋紡、両面コロナ処理品)を使用せず、反射層4上に接着層をグラビアリバースコーターにて塗工し、ホットメルト接着シートと直接貼り合わせた以外は、実施例1と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例1と同様に、上記の評価1、評価2を行なった。アイロンプリント時の耐熱性、風合いは実施例1と同様に良好であった。しかしながら、洗濯堅牢度試験(JIS L 0217 103法 吊り干し)では、ホログラムシート1は布地11から剥がれ、ホログラム文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)は崩れていた。
【0081】
(比較例2)
実施例9における第1基材2、第2基材10である厚さ12μmのPETフィルムE5000(東洋紡、PETフィルム未処理品)に代えて、厚さ25μmのPETフィルムルミラーF65(東レ社製、PETフィルム未処理品)を用いた以外は、実施例9と同様にしてホログラムシート、ホログラム形成体を作製した。実施例9と同様に、上記の評価1、評価2を行なったところ、両方の評価とも実施例9と同様の良好な結果であった。しかしながら、ゴワゴワし非常に風合いに欠けるものであった。
【0082】
上記の実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の1実施例を示すホログラムシートの断面図である。
【図2】本発明の1実施例を示すホログラムシートの断面図である。
【図3】本発明の1実施例を示すホログラムシートの断面図である。
【図4】本発明の1実施例を示すホログラム形成物の断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 ホログラムシート
2 第1基材 :最終的に最表面になる層(耐熱層)
3 レリーフ形成層
4 反射層
5 第1接着層:レリーフ形成体中の接着層
6 第2基材 :ホログラムとホットメルト層の間に設けられ、耐久性上げる層
7 第2接着層:ホログラム積層体とホットメルトの間の接着層
8 ホットメルト層
9 離型シート
10 ホットメルト接着シート
11 ホログラム積層体
12 布地
20 ホログラム形成物
30 レリーフ形成体

【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年9月29日(2006.9.29)
【代理人】 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡

【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子

【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生

【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実

【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹


【公開番号】 特開2008−89863(P2008−89863A)
【公開日】 平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願番号】 特願2006−269490(P2006−269490)