トップ :: G 物理学 :: G03 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ

【発明の名称】 光情報再生装置
【発明者】 【氏名】譚 小地

【氏名】堀米 秀嘉

【要約】 【課題】光の位相を空間的に変調して生成された情報光を用いて記録された干渉パターンを再生できる光情報再生装置を提供する。

【構成】再生光学系12と検出手段13とを有し、再生光学系は、少なくとも再生用参照光16を生成する再生用参照光生成手段14と検出用干渉光17を生成する検出用干渉光生成手段15とを備え、再生用参照光を情報記録層21に対して照射し、再生用参照光が照射されることによって情報記録層より発生する再生光18を収集し、再生光及び検出用干渉光を検出手段に照射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも再生光学系と検出手段とを有し、記録用参照光と光の位相を空間的に変調した情報光との干渉パターンが記録された情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置であって、
前記再生光学系は、少なくとも再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と検出用干渉光を生成する検出用干渉光生成手段とを備え、前記再生用参照光生成手段によって生成された再生用参照光を前記情報記録層に対して照射し、前記再生用参照光が照射されることによって前記情報記録層より発生する再生光を収集し、前記再生光及び前記検出用干渉光生成手段によって生成された検出用干渉光を前記検出手段に照射することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項2】
少なくとも再生光学系と検出手段とを有し、記録用参照光と光の位相を空間的に変調した情報光との干渉パターンが記録された情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置であって、
前記再生光学系は、少なくとも光源と、前記光源から射出された光を二光束に分割する分割手段と、前記分割された一方の光束から再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段とを備え、前記再生用参照光を前記情報記録層に対して照射し、前記再生用参照光が照射されることによって前記情報記録層より発生する再生光を収集し、前記再生光及び前記分割された他方の光束から生成された検出用干渉光を前記検出手段に照射することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項3】
前記分割手段は、前記光源から射出された光の一部の偏光方向を傾ける部分偏光板と、偏光ビームスプリッタとを有することを特徴とする請求項2に記載の光情報再生装置。
【請求項4】
前記再生光学系は、前記検出用干渉光を前記光情報記録媒体に照射し、前記光情報記録媒体から発生する再生光と前記光情報記録媒体から射出される検出用干渉光を同じ経路で前記検出手段に照射することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光情報再生装置。
【請求項5】
前記再生光学系は、前記再生用参照光を前記情報記録層に向かって収束させ、前記情報記録層から発生した前記再生光を結像させる対物レンズを有し、前記対物レンズの前記再生光についての射出瞳面において、前記再生光の領域と前記再生用参照光の領域とが重畳しないように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光情報再生装置。
【請求項6】
前記検出用干渉光の強度を前記再生用参照光の強度に比べて小さくする強度調節手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光情報再生装置。
【請求項7】
前記検出用干渉光の強度を前記再生光の強度と同程度にする強度調節手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光情報再生装置。
【請求項8】
前記強度調節手段は、前記検出用干渉光の光量の一部を遮光する遮光手段を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の光情報再生装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉パターンによって情報が記録された情報記録層を備えた光情報記録媒体より情報を再生するための光情報再生装置に関し、特に、記録用参照光と記録する情報に基づいて光の位相を空間的に変調した情報光との干渉によって形成された干渉パターンから情報を再生するための光情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録するホログラフィック記録は、一般的に、記録用光を構成するイメージ情報を担持した情報光と記録用参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉パターンを記録媒体に書き込むことによって行われる。記録された情報の再生時には、その記録媒体に再生用参照光を照射することにより、干渉パターンによる回折によりイメージ情報が再生される。
【0003】
近年では、超高密度光記録のために、ボリュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラフィが実用域で開発され注目を集めている。ボリュームホログラフィとは、記録媒体の厚み方向も積極的に活用して、3次元的に干渉パターンを書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量の増大を図ることができるという特徴がある。そして、デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホログラフィと同様の記録媒体と記録方式を用いつつも、記録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式である。このデジタルボリュームホログラフィでは、例えばアナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタイズして、2次元デジタルパターン情報に展開し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、このデジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時にSN比(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる。
【0004】
従来、記録する情報を展開して形成された2次元デジタルパターン情報によって、光の強度を空間的に変調して情報光を生成し、この情報光と記録用参照光との干渉パターンを記録媒体に記録する方式が大半であった。このようにして記録された情報を再生するには、記録媒体の干渉パターンに再生用参照光を照射することにより、再生用参照光が干渉パターンによって回折されて再生光を発生させる。再生光は、情報光と同様に、光の強度が空間的に変調されており、複数のCCDやCMOS等が平面的に配置された検出手段によって、その強度分布が検出される。このように、光の強度を空間的に変調した場合は、光の強度をCCDやCMOS等によって容易に検出できるので、情報の再生が容易であった。
【0005】
他方で、2次元デジタルパターン情報によって光の位相を空間的に変調して情報光を生成し、この情報光と記録用参照光との干渉パターンを記録媒体に記録する方式も提案されていた(特許文献1)。しかしながら、光の位相を検出するのは、強度の検出に比べて容易ではなく実用的ではなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−83431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光の強度を空間的に変調して2次元デジタルパターン情報を表示する場合、光の一部を遮光したり、減衰させることで、強度を弱めることになるから、情報光の持つエネルギーが低くなる。その結果、干渉パターンを記録するため情報光の照射時間を長くしたり、光源から射出される光自体のエネルギーを高くする必要があった。
【0008】
また、記録する情報を2次元デジタルパターン情報に変換する方式(コード変換方式)によっては、記録する情報に応じて、情報光の光強度の総和が変化してしまう。例えば、単純に光を透過しないオフ画素をデジタル情報の0とし、光を透過するオン画素をデジタル情報の1とするコード変換方式においては、記録する情報におけるデジタル情報の0と1の割合が変化すると、オフ画素とオン画素の割合が変化し、情報光の光強度の総和が変化する。
【0009】
この点を考慮して、オフ画素とオン画素の割合を一定とするコード変換方式も提案されているが、この場合、オン画素の割合が増加すると、記録再生品質が低下してしまう。記録再生品質が低下する原因は必ずしも明確になってはいないが、オン画素の増加に伴いオフ画素の周囲に配置されるオン画素の割合が増え、そのオン画素からのノイズによって、本来オフである画素がオン画素と誤って認識されること等によりSN比が低下してしまうためであると推定される。このように、オン画素の割合の制約があり、自由にコード変換方式を採用することができず、変換効率の低いコード変換方式を採用しなければならなかった。
【0010】
これに対し、光の位相を空間的に変調して2次元デジタルパターン情報を表示すれば、光の強度を減衰させる必要がなく高エネルギーの情報光によって記録することができる。また、オン画素の割合という制約が無くなり、自由にコード変換方式を採用することができ、変換効率を高めることも可能である。
【0011】
しかし、光の位相自体を検出することが難しく、現実的に実現することが困難であった。特許文献1においては、再生用参照光と再生光との合成光を検出していた。再生用参照光と再生光とを合成することにより、位相の違いを強度の違いに変換できるので、強度分布を検出すれば2次元デジタルパターン情報を再生できる。
【0012】
ところが、現状、干渉パターンによる回折効率は低く、照射した再生用参照光に比べて、再生光の強度は数十分の1から数百分の1でしかない。このため、検出するのに十分な強度の再生光を再生するには、再生用参照光の強度をさらにその数十倍から数百倍とする必要がある。しかし、かかる強度の再生用参照光が検出手段に入射すると、検出手段が飽和してしまうため、検出感度を低下させなければならず、再生光を検出するのが困難である。仮に、検出できたとしても、再生光による位相の違いの影響は、再生用参照光の強度の数十分の1から数百分の1程度しかないので、その相違を検出して2次元デジタルパターン情報を再生することも困難である。
【0013】
本発明は、以上のような問題点を鑑みて、光の位相を空間的に変調して生成された情報光を用いて記録された干渉パターンを再生できる光情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の光情報再生装置は、少なくとも再生光学系と検出手段とを有し、記録用参照光と光の位相を空間的に変調した情報光との干渉パターンが記録された情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置であって、前記再生光学系は、少なくとも再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と検出用干渉光を生成する検出用干渉光生成手段とを備え、前記再生用参照光生成手段によって生成された再生用参照光を前記情報記録層に対して照射し、前記再生用参照光が照射されることによって前記情報記録層より発生する再生光を収集し、前記再生光及び前記検出用干渉光生成手段によって生成された検出用干渉光を前記検出手段に照射することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の他の光情報再生装置は、少なくとも再生光学系と検出手段とを有し、記録用参照光と光の位相を空間的に変調した情報光との干渉パターンが記録された情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置であって、前記再生光学系は、少なくとも光源と、前記光源から射出された光を二光束に分割する分割手段と、前記分割された一方の光束から再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段とを備え、前記再生用参照光を前記情報記録層に対して照射し、前記再生用参照光が照射されることによって前記情報記録層より発生する再生光を収集し、前記再生光及び前記分割された他方の光束から生成された検出用干渉光を前記検出手段に照射することを特徴とする。
【0016】
更に、この光情報再生装置において、前記分割手段は、前記光源から射出された光の一部の偏光方向を傾ける部分偏光板と、偏光ビームスプリッタとを有していてもよい。
【0017】
更に、上記光情報再生装置の何れかにおいて、前記再生光学系は、前記検出用干渉光を前記光情報記録媒体に照射し、前記光情報記録媒体から発生する再生光と前記光情報記録媒体から射出される検出用干渉光を同じ経路で前記検出手段に照射することが好ましい。
【0018】
更に、上記光情報再生装置の何れかにおいて、前記再生光学系は、前記再生用参照光を前記情報記録層に向かって収束させ、前記情報記録層から発生した前記再生光を結像させる対物レンズを有し、前記対物レンズの前記再生光についての射出瞳面において、前記再生光の領域と前記再生用参照光の領域とが重畳しないように配置されていることが好ましい。
【0019】
更に、上記光情報再生装置の何れかにおいて、前記検出用干渉光の強度を前記再生用参照光の強度に比べて小さくする強度調節手段を有することが好ましい。または、上記光情報再生装置の何れかにおいて、前記検出用干渉光の強度を前記再生光の強度と同程度にする強度調節手段を有することが好ましい。そして、前記強度調節手段は、前記検出用干渉光の光量の一部を遮光する遮光手段を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の光情報再生装置においては、検出用干渉光によって、再生光の位相によって変調された空間変調パターンを強度による空間変調パターンに変換することができるので、検出手段で空間変調パターンを検出することができる。しかも、従来の再生用参照光を利用した場合に比較して、検出用干渉光は強度の制限がなく再生光の強度に適した強度とすることができる。
【0021】
詳細については、以下に述べる実施形態の説明において明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の光情報再生装置における情報の再生の原理を示す説明図である。
【0023】
図1において、光情報再生装置11は、再生光学系12と検出手段13とを有しており、光情報記録媒体21は、一対の基板21a、21bの間に情報記録層22と反射層23を有し、その情報記録層22には、記録用参照光と記録する情報に基づいて少なくとも光の位相を空間的に変調した情報光との干渉による干渉パターン22aが記録されている。
【0024】
再生光学系12は、少なくとも再生用参照光生成手段14と検出用干渉光生成手段15とを備え、再生用参照光生成手段14によって生成された再生用参照光16を情報記録層22に対して照射し、再生用参照光16が照射されることによって情報記録層22より発生する再生光18を収集し、再生光18及び検出用干渉光生成手段15によって生成された検出用干渉光17を検出手段13に照射する。
【0025】
再生用参照光生成手段14は、再生用参照光16を生成するものであり、再生用参照光16は記録時における記録用参照光と同様の光を使用する。記録用参照光が光の位相や強度を空間的に変調していれば、再生用参照光16も、記録用参照光と同じ空間変調パターンによって光の位相や強度を空間的に変調させる。この場合、再生用参照光生成手段14としては、各画素毎に位相や強度を変調できる空間光変調器を利用することができる。また、記録用参照光が単にビーム形状を特定のパターンに成形しただけであれば、再生用参照光16も、ビーム形状を記録用参照光と同じ特定のパターンに成形すればよい。この場合、再生用参照光生成手段14としては、特定のパターンの開口を有するマスクを利用することもできるし、空間光変調器を利用することもできる。
【0026】
検出用干渉光生成手段15は、検出用干渉光17を生成するものである。検出用干渉光17として平面波を使用する場合において、光源から射出される光が平面波であれば、その一部又は全部をそのまま検出用干渉光17として利用することができるし、光源から射出される光が発散光であれば、コリメータレンズ等によって平面波とし、その一部又は全部を検出用干渉光17として利用することもできる。また、検出用干渉光17は、位相や強度を空間的に変調できる空間光変調器を検出用干渉光生成手段15として利用することができ、この場合、記録時においては情報光を生成する領域を検出用干渉光として利用することが好ましい。特に、検出用干渉光17として位相や強度が空間的に変調された光を使用する場合は、空間光変調器を利用する。検出用干渉光17となる光の光源としては、再生用参照光16となる光の光源と別であってもよいが、同一の光源から射出された光の一部を再生用参照光16とし、別の一部を検出用干渉光17とすることが好ましい。この場合、検出用干渉光17の波長及び初期位相を再生用参照光16の波長及び初期位相と揃えることができ、さらには再生用参照光16によって再生される再生光18の波長及び初期位相とも揃えることができるので、検出手段13において検出用干渉光17と再生光18との干渉を取りやすくなる。さらに部品点数が減ることにより、装置の単純化及び小型化を可能とする。
【0027】
検出用干渉光17は、検出手段13において、再生光18と干渉して、再生光18の位相による空間変調パターンを強度による空間変調パターンに変換する。再生光18は、記録時における情報光に相当するものであり、情報光と同じく、少なくとも光の位相が空間的に変調されている。同じ波長の検出用干渉光17と再生光18とを重ねると、重なった光の強度Iは、式(1)で表される。
【0028】
I=A12+A22+2A12cosδ …式(1)
ここで、A1は検出用干渉光17の振幅、A2は再生光18の振幅、δは検出用干渉光と再生光の位相差である。
【0029】
従って、検出用干渉光17と再生光18の位相差δ=0(cosδ=1)の時、重なった光の強度は(A1+A22で最大となり、位相差δ=π(cosδ=−1)の時、重なった光の強度は(A1−A22で最小となる。小型で安価な検出手段を使用しようとすれば、最大強度と最小強度の比が大きい程よいので、検出用干渉光の振幅A1は、再生光の振幅A2の1/3から3倍程度の範囲に設定することが好ましい。光の振幅の自乗が光の強度であるから、検出用干渉光の強度としては、再生光の強度の1/9から9倍の範囲とすることが好ましい。特に、検出用干渉光の振幅A1と再生光の振幅A2とが同じであれば(この場合は検出用干渉光と再生光の強度も同じである)、最小強度が0となり、最大強度が4A12となるので、強度に変換された空間変調パターンを容易に検出することができる。
【0030】
以上の理由から、検出用干渉光生成手段15には検出用干渉光17の強度を調節する強度調節手段15aを設けることが好ましい。特に、再生用参照光16及び検出用干渉光17の双方を一つの光源から射出された光を用いて生成する場合、検出用干渉光17の強度を再生用参照光16の強度に比べて小さくする強度調節手段15aを設けることが望ましい。さらに、検出用干渉光17の強度を再生光18の強度と同程度となるように強度を調節することがより好ましい。なお、別の光源から検出用干渉光17を生成する場合において、予め光源から射出される光の強度を再生光の強度に合わせておけば、強度調節手段を設けなくてもよい。強度調節手段15aとしては、検出用干渉光17の一部を遮光するフィルターを利用することができる。
【0031】
また、上記の式(1)から、再生光18の位相による空間変調パターンの各画素は、検出用干渉光17に対する位相差δが0かπとなるようにすることが好ましい。この場合は、再生光18が、検出用干渉光と合成されて、位相による空間変調パターンが強度による空間変調パターンに変換された時に、強度による空間変調パターンの各画素の強度比が大きくなるからである。なお、位相による空間変調パターンは、3値以上の画素によって形成することも可能である。
【0032】
図2は、検出手段13における検出用干渉光17と再生光18との干渉を説明する図である。図2において、(a)は再生光18の強度、(b)は再生光18の位相、(c)は検出用干渉光17の強度、(d)は検出用干渉光17の位相、(e)は重なった光の強度を表している。図2(a)及び(b)において、再生光18は、強度がIで一定であって、基準位相に対する位相差が+π/2(rad)となる画素と−π/2(rad)となる画素を組み合わせた空間変調パターンを有している。なお、図2においては、便宜上、+π/2(rad)となる画素をデジタル情報の1、と−π/2(rad)となる画素をデジタル情報の0とすると、再生光18は、「1101001110110」という情報を担持している。図2(c)及び(d)において、検出用干渉光17は、強度が再生光18と同じIで一定であって、基準位相に対する位相差が+π/2(rad)で揃った平面波を使用した。
【0033】
図2(e)に示すように、再生光18の位相が+π/2(rad)となる画素では、再生光18の位相と検出用干渉光17の位相が一致し、二つの光の位相差は0となり、重なった光の強度は4Iとなる。また、再生光18の位相が−π/2(rad)となる画素では、再生光18の位相と検出用干渉光17の位相差はπとなり、重なった光の強度は0となる。結果として、再生光18の位相によって変調された空間変調パターンが、重なった光では強度による「1101001110110」という空間変調パターンに変換され、複数の検出用の画素を配列させた検出手段13によって空間変調パターンを検出することができる。しかも、再生光18の強度をIから4Iに増幅させる効果も有するので、再生用参照光の強度を低下させたり、再生の信頼性を高めることができる。
【0034】
なお、図2においては、検出用干渉光17として、一定の位相の平面波を使用したが、予め特定された空間変調パターンによって位相を空間的に変調してもよい。この場合は、検出用干渉光17の空間変調パターンが既知であるから、検出手段で検出した強度による空間変調パターンから再生光18の空間変調パターンを逆変換できる。
【0035】
再生光学系12は、再生用参照光16を情報記録層22に対して照射し、再生用参照光16が照射されることによって情報記録層22より発生する再生光18を収集し、再生光18及び検出用干渉光17を検出手段13に照射する。再生用参照光16は、基本的には記録時に記録用参照光を情報記録層22に照射した時と同じ条件(例えば、波長、照射位置、照射角度等)となるように再生光学系12によって照射される。また、再生光18は、記録時における情報光に相当するものであり、情報光と同じ空間変調パターンに少なくとも光の位相が空間的に変調されている。そして、再生光18は、検出手段13において空間変調パターンが結像するように再生光学系12によって検出手段13に対し照射され、検出用干渉光17は、検出手段13において再生光18と重なるように再生光学系12によって検出手段13に対し照射される。
【0036】
ここで、情報光及び記録用参照光の照射方法が再生用参照光16の照射方法及び再生光18の収集方法に関連するので、記録時における情報光及び記録用参照光の照射方法について図3を用いて説明する。
【0037】
図3(a)に示すように、従来からホログラムを形成するために、情報光31の光軸と記録用参照光32の光軸を情報記録層22において一定の角度θで交差させるように照射する二光束干渉方式が提案されていた。二光束干渉方式では、情報光31と記録用参照光32との交差角θを変化させることで、同じ位置に複数の干渉パターン22aを記録させる角度多重記録が可能である。換言すれば、情報光31と記録用参照光32との交差角θが異なると、形成される干渉パターン22aが異なることを意味する。
【0038】
このため、再生時には、記録時における記録用参照光32の情報記録層22に対する入射角度αとほぼ同じ角度となるように再生用参照光を情報記録層22に照射させる必要がある。しかし、再生時における記録媒体の傾きや振動によって再生用参照光の入射角度を厳密に制御することは難しかった。しかも、記録時における記録媒体の傾きや振動等によって、干渉パターン22aを記録した時の記録用参照光の入射角度αも容易に変化するため、二光束干渉方式は、記録時においても厳密に照射条件を管理しなければならず、非常に限定された環境でしか情報の記録再生ができなかった。
【0039】
近年、図3(b)に示すように、情報光31の光軸と記録用参照光32の光軸を同軸上に配置し、情報記録層22の同一面側から照射するコリニア方式が提案されている。コリニア方式は、光軸が同軸の情報光31及び記録用参照光32を対物レンズ33によって収束するように照射して、情報光31及び記録用参照光32のフーリエ変換された空間周波数成分同士の干渉パターン22aを記録する。
【0040】
特に、コリニア方式において、図3(c)に示すように、情報光31と記録用参照光32の領域が対物レンズの入射瞳面34で重畳しないように配置すると、再生時において、情報光に対応する再生光と記録用参照光に対応する再生用参照光との分離が容易となり好ましい。図3(c)は、対物レンズの入射瞳面34における情報光31及び記録用参照光32の断面形状を示す図である。図3(c)においては、中心に円形の情報光31が配置され、その周囲に円環状の記録用参照光32が配置されている。なお、図3(c)では示していないが、情報光31は少なくともその位相が空間的に変調されている。
【0041】
この場合、入射瞳面で重畳していない情報光31と記録用参照光32を同軸で照射するため、一見すると情報光31と記録用参照光32が交差しないように思える。しかしながら、少なくとも情報光31が空間的に変調されることにより、空間変調パターンの各画素によって回折されるので、対物レンズ33によってフーリエ変換されることによって、情報光31の空間周波数成分が一定の広がりを有するため、情報記録層22においては、一定の広がりを持つ情報光31と収束する記録用参照光32とが交差して干渉パターン22aを形成することができる。なお、簡略化のため、図3(b)においては情報光31も単に収束する光として示している。
【0042】
更に、コリニア方式において、記録媒体に反射手段を設けることで、情報記録層22を通過した情報光31及び記録用参照光32を反射させ、反射した情報光31と記録用参照光32によって、再び情報記録層22において干渉パターンを形成させることができ、実質的に情報記録層を厚くすることができる。例えば、反射手段としては、図1のように記録媒体21に反射層23を設けたり、記録媒体21の入射面とは反対側にミラー等を設ければよい。加えて、反射手段を具備すると、再生時においては、記録媒体の再生用参照光を照射した面と同一面側から再生光を収集することができ、装置を小型化することができる。
【0043】
再生光学系12において、再生用参照光16を照射する部分については、例えば、記録時における記録用参照光を照射した光学系を利用すればよい。記録用参照光を照射した光学系に、検出用干渉光17を検出手段に照射する光学系と再生光18を収集し、検出手段に照射する光学系を加えれば、再生光学系12を構成することができる。なお、これらの各光学系の素子をなるべく共通化して再生光学系12として利用することが好ましい。
【0044】
図1においては、コリニア方式に対応した再生光学系12を例示しており、再生光学系12は、対物レンズ19と、半反射透過部材20を有している。また、記録媒体21には、情報記録層22の入射側とは反対側(図1では下方)に反射手段として、反射層23が配置されている。
【0045】
対物レンズ19は、再生用参照光16を記録媒体21に対し収束するように照射し、情報記録層22から発生した再生光18の空間変調パターンをその射出瞳面において結像させる。
【0046】
半反射透過部材20は、入射する光の一部を透過し、他の一部を反射するものである。半反射透過部材20としては、半透明反射膜を使用してもよいが、光の偏光方向によって透過と反射を選択する偏光ビームスプリッタを使用してもよい。半反射透過部材20を前述した検出用干渉光17の強度を調節する強度調節手段15aの一部として利用することもできる。図1においては、半反射透過部材20は、半反射透過面に対して45°の角度で入射する再生用参照光16を透過する。また、半反射透過部材20は、再生用参照光16とは異なる方向から半反射透過面に対して45°の角度で入射する検出用平行波17を透過して検出手段に対して照射する。さらに、半反射透過部材20は、再生用参照光16とは180°反対側から入射した再生光18を反射し、検出手段に対して照射する。
【0047】
半反射透過部材20が偏光ビームスプリッタの場合、半反射透過部材20から光情報記録媒体21までの間に四分の一波長板を配置すれば、半反射透過部材20を透過した光は、その後、四分の一波長板を透過時と反射時の二回通過するので、偏光方向が90度回転し、偏光ビームスプリッタによって反射される。再生光の場合、四分の一波長板を一回しか通過しないが、再生光は情報光に対応する光であり、記録時において情報光が四分の一波長板を一回通過していれば、情報光の時に通過したのと合わせて2回通過することになり偏光方向が90度回転する。こうして、再生用参照光を透過させて再生光を反射させること又は再生用参照光を反射させて再生光を透過させることができる。
【0048】
また、再生光学系12は、検出用干渉光17を光情報記録媒体21に照射し、光情報記録媒体21から発生する再生光18と光情報記録媒体21から射出される検出用干渉光17を同じ経路で検出手段13に照射することが好ましい。このように、再生光18及び検出用干渉光17の光情報記録媒体から検出手段13までの経路が同じであれば、装置が振動したり、再生環境が変化しても、再生光18及び検出用干渉光17の双方にほぼ同じ影響を与えることになり、結局、検出手段13における再生光18と検出用干渉光17との干渉性の低下を抑制できる。換言すれば、再生光18及び検出用干渉光17の光情報記録媒体から検出手段13までの経路が異なる場合、装置の振動や再生環境の変化によって、再生光18の受ける影響と検出用干渉光17の受ける影響が違うため、再生光18と検出用干渉光17との干渉性が弱くなり、再生光18の位相による空間変調パターンを強度による空間変調パターンに正確に変換できなくなる虞がある。
【0049】
なお、検出用干渉光17は、記録媒体21を経ることなく検出手段13に照射されていてもよい。検出用干渉光17が記録媒体21に照射されると、記録媒体21の表面や各層において光の吸収や散乱が生じ、検出用干渉光17の位相が変調されるため、検出手段13において再生光18と重なった時に、再生光18の位相による空間変調パターンを強度による空間変調パターンに正確に変換できなくなる虞がある。また、再生用参照光16の照射条件を記録時における記録用参照光と同じ条件とするために、対物レンズ19を上下動させて焦点距離を調整させる動作(フォーカスサーボ)が必要となる。検出用干渉光17を記録媒体21に照射すると、フォーカスサーボによって検出用干渉光17の光路長が変化するため、検出手段13において再生光18の位相による空間変調パターンとずれが生じ、位相による空間変調パターンを強度による空間変調パターンに正確に変換できなくなる虞がある。
【0050】
検出手段13は、少なくとも再生光18の領域において、複数の画素を平面的に配置し、各画素毎に受光した光の強度を検出できるようになっており、光の強度を空間的に変調することで形成された空間変調パターンを検出することができる。各画素の受光素子としては、CCD型固体撮像素子やMOS型固体撮像素子を用いることができる。また、検出手段13として、CMOS型固体撮像素子と信号処理回路とが1チップ上に集積されたスマート光センサ(例えば、文献「O plus E,1996年9月,No.202,第93〜99ページ」参照。)を用いてもよい。このスマート光センサは、転送レートが大きく、高速な演算機能を有するので、このスマート光センサを用いることにより、高速な再生が可能となり、例えば、Gビット/秒オーダの転送レートで再生を行うことが可能となる。
【0051】
次に、光情報再生装置11の再生時の動作を説明する。再生用参照光生成手段14によって生成された再生用参照光16は、半反射透過部材20を透過して、対物レンズ19によって光情報記録媒体21に対し収束するように照射され、光情報記録媒体21の情報記録層22に記録された干渉パターン22aによって回折されて再生光18を発生させる。
【0052】
発生した再生光18は、記録媒体21に反射層23が設けられているため、記録媒体21の再生用参照光16の入射した面(図1の上方)から射出される。そして、再生光18は、対物レンズ19に入射し、半反射透過部材20によって反射され、対物レンズ19の射出瞳面にその空間変調パターンが結像される。図1においては、対物レンズ19の射出瞳面に検出手段13を配置しているが、射出瞳面と検出手段13の間にリレーレンズ等を配置してもよい。
【0053】
検出用干渉光生成手段15によって生成された検出用干渉光17は、強度調節手段15aによって、再生用参照光16に比べて小さくなるように、更に好ましくは再生光18と同程度となるように強度が調整され、再生光学系12の半反射透過部材20を透過し、半反射透過部材20で反射した再生光18と重畳するように検出手段13に照射される。この結果、位相が空間的に変調されている再生光18は、検出手段13において、位相が揃った検出用干渉光17と干渉することにより、位相の変位が強度の変位に変換され、変換された光の強度による空間変調パターンを検出手段13によって検出することができる。
【0054】
なお、図1の光情報再生装置11は、再生用参照光生成手段14として空間光変調器を使用すれば、空間光変調器に図3(c)で示したように情報光及び記録用参照光の空間変調パターンを表示することで、情報光及び記録用参照光を生成することができ、光情報記録媒体21の情報記録層22に干渉パターン22aを記録することができ、光情報記録装置として使用することもできる。
【0055】
図4は、本発明の光情報再生装置41の一実施形態を示す図である。光情報再生装置41は、再生光学系42と検出手段43とを有しており、再生光学系42は、光源44、コリメータレンズ45、部分偏光板46、偏光ビームスプリッタ47、第1の四分の一波長板48、空間光変調器49、第2の四分の一波長板50、対物レンズ51及び偏光板52を有している。なお、図4における光情報記録媒体21は、図1と同様に、一対の基板21a、21bの間に情報記録層22と反射層23を有し、その情報記録層22には、記録用参照光と記録する情報に基づいて少なくとも光の位相を空間的に変調した情報光との干渉による干渉パターン22aが記録されている。
【0056】
光源44は、コヒーレントな直線偏光の光線束を発生するもので、例えば半導体レーザを用いることができる。光源44から発生した光は、記録時における記録用参照光と同じ波長を有することが好ましく、再生用参照光と検出用干渉光を生成する。ここで、光源44から発生した光線束の偏光方向をS偏光とする。
【0057】
コリメータレンズ45は、光源44から発生した発散光線束をほぼ平行光線とするものである。
【0058】
部分偏光板46は、平行光線のうち、検出用干渉光となる部分46aにおいて、S偏光に対して角度rを持つR偏光とする偏光板を配置したものである。図8(a)は、部分偏光板46の平面図を示し、(b)はR偏光を説明する図である。図8(b)において、直線P、R、Sは、それぞれP偏光方向、R偏光方向、S偏光方向を示す。この部分偏光板46によって、検出用干渉光となる部分46aの平行光線は、S偏光から角度rだけ傾いたR偏光になり、S偏光成分だけではなく、S偏光と垂直なP偏光成分を有するので、そのS偏光成分が偏光ビームスプリッタ47によって反射され、P偏光成分が偏光ビームスプリッタ47を透過する。そして偏光ビームスプリッタ47によって反射されたS偏光成分の光は、検出用干渉光となるので、部分偏光板46は検出用干渉光生成手段の一部として機能する。さらに、部分偏光板46のR偏光のS偏光に対する角度rに応じて、R偏光のS偏光成分とP偏光成分が変化し、ビームスプリッタ47を反射する光及び透過する光の強度も変化するため、部分偏光板46は、検出用干渉光の強度を調節する強度調整手段としても機能する。なお、部分偏光板46の検出用干渉光となる部分46a以外の部分は、透明な部材であってもよいし、偏光方向がS偏光と平行な偏光板であってもよい。
【0059】
偏光ビームスプリッタ47は、図4においては、S偏光を反射し、S偏光に垂直なP偏光を透過するものである。
【0060】
第1の四分の一波長板48及び第2の四分の一波長板50は、垂直な方向に振動する偏光の光路差を4分の1波長変化させる位相板である。四分の一波長板によってS偏光の光は円偏光に変化され、さらに、この円偏光の光が四分の一波長板を通過するとP偏光に変化されることになる。また、四分の一波長板によってP偏光の光は円偏光に変化され、さらに、この円偏光の光が四分の一波長板を通過するとS偏光に変化されることになる。
【0061】
第1の四分の一波長板48は、偏光ビームスプリッタ47から空間光変調器49に進む光の偏光方向と空間光変調器49から偏光ビームスプリッタ47に進む光の偏光方向とを90°回転させるものであり、偏光ビームスプリッタ47によって反射された光を偏光ビームスプリッタ47を透過する光に変更するためのものである。
【0062】
第2の四分の一波長板50は、偏光ビームスプリッタ47から記録媒体21に進む光の偏光方向と記録媒体21から偏光ビームスプリッタ47に進む光の偏光方向とを90°回転させるものであり、偏光ビームスプリッタ47を透過した光を偏光ビームスプリッタ47によって反射される光に変更するためのものである。
【0063】
空間光変調器49は、格子状に配列された多数の画素を有し、各画素毎に出射光の位相を変調することができる反射型の空間光変調器であり、例えばマトリクス型の液晶素子を使用することができる。そして、空間光変調器49の表示面に表示された空間変調パターンによって、光源44からの光を空間的に変調することにより、再生用参照光を生成することができる。更に、図4の装置において、部分偏光板46の部分46aを通過した光の内、偏光ビームスプリッタ47によって反射されたS偏光成分の光を検出用干渉光とする場合、空間光変調器49は、位相を揃えたまま又は位相を空間的に変調して反射させて、検出用干渉光を生成する検出用干渉光生成手段の一部としても機能する。ここで、空間光変調器49の検出用干渉光を生成する領域は、記録時において、情報光を生成した領域と同じ領域とすることが好ましい。
【0064】
対物レンズ51は、入射瞳面(図4では空間光変調器49の表示面)に結像した再生用参照光を光情報記録媒体21に照射し、光情報記録媒体21から発生した再生光を入射して射出瞳面(図4では検出手段の検出面)に結像させるものである。また、対物レンズ51は、検出用干渉光を光情報記録媒体21に照射し、光情報記録媒体21において反射した検出用干渉光を平行光とする。
【0065】
偏光板52は、S偏光の光だけを透過するものであり、部分偏光板46の部分46aを通過した光の内、偏光ビームスプリッタ47を透過したP偏光成分の光を遮光するためのものである。
【0066】
検出手段43は、少なくとも再生光18の領域において、複数の画素を平面的に配置し、各画素毎に受光した光の強度を検出できるようになっており、光の強度を空間的に変調することで形成された空間変調パターンを検出することができる。さらに検出手段43には、再生用参照光を遮光する遮光部材43aが設けられる。
【0067】
次に、図5〜図7を用いて、図4の再生装置41の再生時の動作について説明する。図5に示すように、光源44から射出されたS偏光(図では二重の円Sで表示)の発散光線束53は、コリメータレンズ45によって平行光線54にされる。平行光線54は、部分偏光板46の部分46a以外を通過した光55はS偏光のままであり、部分46aを通過した光56だけがR偏光(図では光軸に斜めの矢印Rで表示)となる。そして、S偏光の光55は、偏光ビームスプリッタ47によって反射され、空間光変調器49に向かって進み、第1の四分の一波長板48によって円偏光(図では回転する矢印Cで表示)の光57となり、空間光変調器49に入射する。R偏光の光56は、偏光ビームスプリッタ47によってS偏光成分の光58aのみが反射され、空間光変調器49に向かって進み、第1の四分の一波長板48によって円偏光の光57aとなり、空間光変調器49に入射する。また、R偏光の光56のP偏光成分の光58aは、偏光ビームスプリッタ47を透過し、偏光板52によって遮光される。
【0068】
次に、図6に示すように、空間光変調器49に入射した光57は、空間光変調器49に表示された再生用参照光の空間変調パターン49aによって、空間的に変調された反射光が生成され、再生用参照光となる。また、空間光変調器49に入射した光57aは、空間光変調器49に表示された検出用干渉光の空間変調パターン49bによって反射され、検出用干渉光が生成される。なお、検出用干渉光が位相の揃った平面波の場合は、空間変調パターン49bは一様な全反射面となる。円偏光の再生用参照光61と検出用干渉参照光61aは、第1の四分の一波長板48を通過することにより、P偏光の光62と62aとなり、偏光ビームスプリッタ47を透過する。さらに、P偏光の光62と62aは、第2の四分の一波長板50を通過することにより、円偏光の光63と63aとなり、対物レンズ51によって、光情報記録媒体21の情報記録層22に向かって収束する光64と64aとして照射される。
【0069】
そして、図7に示すように、再生用参照光63は、光情報記録媒体21の情報記録層22に記録された干渉パターン22aに回折されて、再生光71を発生させると共に、反射層23によって反射され、光情報記録媒体21から反射再生用参照光72が射出される。また、検出用干渉参照光63aは、反射層23によって反射され、光情報記録媒体21から反射検出用干渉参照光72aが射出される。円偏光の再生光71、反射再生用参照光72及び反射検出用干渉参照光72aは、対物レンズ51によって、それぞれ平行光73、74、74aとされ、第2の四分の一波長板50を通過することにより、S偏光の再生光75、反射再生用参照光76及び反射検出用干渉参照光76aとなる。S偏光の再生光75、反射再生用参照光76及び反射検出用干渉参照光76aは、偏光ビームスプリッタ47によって反射され、検出手段43に向かって進む。さらに、S偏光の再生光75及び反射検出用干渉参照光76aは、偏光板52を透過し、検出手段43において、位相による再生光75の空間変調パターンが結像され、反射検出用干渉参照光76aと干渉することによって、強度による空間変調パターンに変換され、検出手段43によって検出される。なお、反射再生用参照光76は、遮光手段43aによって遮光され、検出手段43には入射しない。
【0070】
なお、図4の光情報再生装置41において、部分偏光板46の部分46aの偏光方向を回動可能な構成とすれば、R偏光のS偏光成分とP偏光成分を変更することができるので、検出用干渉光の光強度を可変として、再生光の強度に合わせて検出用干渉光の光強度を設定できるので、より精度の高い検出ができる。さらに、部分偏光板46の部分46aの偏光方向を回動してR偏光方向をS偏光と平行にすることで、記録装置としても利用することができる。部分46aの偏光方向を回動させるためには、部分46a又は部分偏光板46を回転させればよい。
【0071】
さらに、図4の光情報再生装置41において、空間光変調器49による検出用干渉光の位相を変化させつつ再生光との干渉による強度変調パターンを検出することで、最適な検出用干渉光の位相を特定することができ、より精度の高い検出ができる。
【0072】
次に、図4の光情報再生装置41において、検出用干渉光としてR偏光の光56のP偏光成分の光58aを利用する場合について、図11〜図13を用いて説明する。この場合、偏光板52は、再生光と検出用干渉光との偏光方向を合わせるためのものである。
【0073】
図11に示すように、光源44から射出されたS偏光(図では二重の円Sで表示)の発散光線束53は、コリメータレンズ45によって平行光線54にされる。平行光線54は、部分偏光板46の部分46a以外を通過した光55はS偏光のままであり、部分46aを通過した光56だけがR偏光(図では光軸に斜めの矢印Rで表示)となる。そして、S偏光の光55は、偏光ビームスプリッタ47によって反射され、空間光変調器49に向かって進み、第1の四分の一波長板48によって円偏光(図では回転する矢印Cで表示)の光57となり、空間光変調器49に入射する。R偏光の光56は、偏光ビームスプリッタ47においてP偏光(図では光軸に垂直な矢印Pで表示)の光58のみが透過し、偏光板52によって偏光方向がR偏光とされ、検出手段43に入射する検出用干渉光59となる。なお、偏光ビームスプリッタ47によって反射されたR偏光の光56のS変更成分の光は、図示しない遮光板によって遮光される。
【0074】
次に、図12に示すように、空間光変調器49に入射した光57は、空間光変調器49に表示された再生用参照光の空間変調パターン49aによって、空間的に変調された反射光が生成され、再生用参照光となる。円偏光の再生用参照光61は、第1の四分の一波長板48を通過することにより、P偏光の光62となり、偏光ビームスプリッタ47を透過する。さらに、P偏光の光62は、第2の四分の一波長板50を通過することにより、円偏光の光63となり、対物レンズ51によって、光情報記録媒体21の情報記録層22に向かって収束する光64として照射される。
【0075】
そして、図13に示すように、再生用参照光63は、光情報記録媒体21の情報記録層22に記録された干渉パターン22aに回折されて、再生光71を発生させると共に、反射層23によって反射され、光情報記録媒体21から反射再生用参照光72が射出される。円偏光の再生光71及び反射再生用参照光72は、対物レンズ51によって、それぞれ平行光73、74とされ、第2の四分の一波長板50を通過することにより、S偏光の再生光75及び反射再生用参照光76となる。S偏光の再生光75及び反射再生用参照光76は、偏光ビームスプリッタ47によって反射され、検出手段43に向かって進む。さらに、偏光板52によって再生光75は偏光方向がR偏光の再生光77となり、検出手段43において、位相による空間変調パターンが結像され、検出用干渉光59と干渉することによって強度による空間変調パターンに変換され、検出手段43によって検出される。なお、反射再生用参照光76は、遮光手段43aによって遮光され、検出手段43には入射しない。
【0076】
図9は、本発明の光情報再生装置91の他の実施形態を示す図である。図9の光情報再生装置91において、図4の光情報再生装置41と同じ部材には同じ符号を付す。光情報再生装置91の再生光学系92は、偏光ビームスプリッタ47と空間光変調器49との間に第1のリレーレンズ93a、93bを有し、偏光ビームスプリッタ47と検出手段43との間に第2のリレーレンズ94a、94bを有している。
【0077】
第1のリレーレンズ93a、93bは、部分偏光板46から一方のレンズ93aまでの距離が一方のレンズ93aの焦点距離となり、他方のレンズ93bから空間光変調器49までの距離が他方のレンズ93bの焦点距離となり、両レンズ93a、93b間の距離が両レンズ93a、93bの焦点距離の合計となるように配置される(図9は模式図であり、各距離は正確ではない)。第1のリレーレンズ93a、93bによって、部分偏光板46の部分46aの外縁における境界で回折される光を空間光変調器49で収束させることができ、品質の高い再生用参照光を生成でき、結果として干渉パターン22aとの回折効率を高め、情報の再生の信頼性を高めることができる。
【0078】
すなわち、部分偏光板46は、その一部である部分46aだけの偏光方向を変化させるものであるから、部分46aの外縁における境界では回折現象によって発散する回折光が発生する。空間光変調器49において、発散した回折光を含む光から再生用参照光が生成されると、再生用参照光は発散した回折光に基づく光も含むことになる。記録時においては、部分偏光板46が不要であるから、記録時における記録用参照光には、部分偏光板46で発散した回折光に基づく光が含まれないので、再生用参照光が、記録用参照光と異なるものとなり、干渉パターン22aとの回折効率を低下させることになる。第1のリレーレンズ93a、93bによって、再生用参照光には部分偏光板46で発散した回折光に基づく光が含まれなくなるので、干渉パターン22aとの回折効率が高まる。
【0079】
また、第2のリレーレンズ94a、94bは、部分偏光板46から一方のレンズ94aまでの距離が一方のレンズ94aの焦点距離となり、他方のレンズ94bから検出手段43までの距離が他方のレンズ94bの焦点距離となり、両レンズ94a、94b間の距離が両レンズ94a、94bの焦点距離の合計となるように配置される(図9は模式図であり、各距離は正確ではない)。第2のリレーレンズ94a、94bによって、部分偏光板46の部分46aの外縁における境界で回折される光を検出手段43で収束させることができ、品質の高い検出用干渉光を生成でき、結果として再生光の位相による空間変調パターンをより正確に強度による空間変調パターンに変換することができ、情報の再生の信頼性を高めることができる。
【0080】
なお、図9においては、第1及び第2のリレーレンズを設けたが、何れか一方のリレーレンズだけを設けてもよい。また、第1の四分の一波長板48は、図9の配置に限定されるものではなく、偏光ビームスプリッタ47から空間光変調器49までの間に配置されればよく、偏光板52は、図9の配置に限定されるものではなく、偏光ビームスプリッタ47から検出手段43までの間に配置されればよい。また、図9の装置91において、検出用干渉光は、部分偏光板46の部分46aによって生成されたR偏光の光のうち、S偏光成分の光を用いても、P偏光成分の光を用いてもよい。
【0081】
図10は、本発明の光情報再生装置101の他の実施形態を示す図である。図10の光情報再生装置101において、図4の光情報再生装置41と同じ部材には同じ符号を付す。光情報再生装置101の再生光学系102は、強度調節手段106と、ビームスプリッタ107とを有している。
【0082】
強度調節手段106は、検出用干渉光の光強度を調節するものであり、強度フィルター又は段階的に強度を変調できる空間光変調器であり、部分106aを透過する光の強度を弱める。
【0083】
ビームスプリッタ107は、偏光方向の選択性を持たず、入射した光の一部を反射し、他の一部を透過する部材である。したがって、光源44から射出され、コリメータレンズ45で平行となり、強度調節手段106を通過した光の一部は、ビームスプリッタ107によって反射されて空間光変調器49に向かって進み、他の一部は、ビームスプリッタ107を透過して検出手段43に向かって進む。ビームスプリッタ107を透過した他の一部の光において、部分106aの光が検出用干渉光となる。
【0084】
ビームスプリッタ107によって反射された一部の光は、空間光変調器49によって再生用参照光を生成し、再生用参照光は、再びビームスプリッタ107に入射する。なお、空間光変調器49に向かう再生用参照光の生成に必要ない光は、遮光手段で遮光すればよい。再生用参照光は、ビームスプリッタ107によって、一部が反射されるが、他の一部は透過し、対物レンズ51によって記録媒体21に対し収束するように照射される。
【0085】
再生用参照光によって記録媒体21の情報記録層22から発生した再生光は、対物レンズ51によって平行光とされ、ビームスプリッタ107に入射し、ビームスプリッタ107によって、一部が反射され検出手段43に向かう。そして、検出手段43において、検出用干渉光と干渉して位相による空間変調パターンを強度による空間変調パターンに変換する。
【0086】
図10の光情報再生装置は、光の分割に偏光方向を利用していないため、図4及び図9における第1及び第2の四分の一波長板48、50並びに偏光板52が不要である。
【0087】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、記録媒体に位置決め情報や制御情報を有する制御情報層を積層させて、干渉パターンを再生する光とは波長の異なる光を用いて、制御情報層の位置決め情報や制御情報を再生し、再生位置の位置決めや、再生条件を決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の光情報再生装置における情報の再生の原理を示す説明図
【図2】検出用干渉光と再生光との干渉を説明する図
【図3】記録時における情報光及び記録用参照光の照射方法について説明する図
【図4】本発明の光情報再生装置の一実施形態を示す図
【図5】本発明の光情報再生装置の再生時の動作を説明する図
【図6】本発明の光情報再生装置の再生時の動作を説明する図
【図7】本発明の光情報再生装置の再生時の動作を説明する図
【図8】(a)は部分偏光板の平面図、(b)はR偏光を説明する図
【図9】本発明の光情報再生装置の他の実施形態を示す図
【図10】本発明の光情報再生装置の他の実施形態を示す図
【図11】本発明の光情報再生装置の再生時の動作を説明する図
【図12】本発明の光情報再生装置の再生時の動作を説明する図
【図13】本発明の光情報再生装置の再生時の動作を説明する図
【符号の説明】
【0089】
11 光情報再生装置
12 再生光学系
13 検出手段
14 再生用参照光生成手段
15 検出用干渉光生成手段
15a 強度調節手段
16 再生用参照光
17 検出用干渉光
18 再生光
19 対物レンズ
20 半反射透過部材
【出願人】 【識別番号】500112179
【氏名又は名称】株式会社オプトウエア
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎


【公開番号】 特開2008−46352(P2008−46352A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221799(P2006−221799)