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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】小酒 達

【要約】 【課題】従来用いられていた画像形成装置では、経時変化や環境変化により各種パラメータの補正を行うこととしているが、経時変化や環境変化による補正だけでは安定した濃度を得ることができない。

【構成】画像形成装置1は、現像剤を収容する交換可能な現像剤カートリッジ19と、現像剤カートリッジ19に収容された現像剤を受け入れると共に、該現像剤を用いて入力された印刷情報に基づく現像剤画像を現像する現像装置5と、現像剤カートリッジ19に設けられ、当該現像剤カートリッジ19に収容された現像剤に関する情報を記憶する無線交信素子21と、現像装置5によって現像された現像剤画像の濃度を検出する濃度センサ45と、無線交信素子21に記憶された現像剤に関する情報及び濃度センサ21により検出された検出値に基づいて現像剤画像の形成条件を変更するプリンタエンジン制御部107とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する交換可能な現像剤収容手段と、
前記現像剤収容手段に収容された前記現像剤を受け入れると共に、該現像剤を用いて入力された印刷情報に基づく現像剤画像を形成する現像手段と、
前記現像剤収容手段に設けられ、当該現像剤収容手段に収容された前記現像剤に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記現像手段によって形成された前記現像剤画像の濃度を検出する濃度検出手段と、
前記記憶手段に記憶された前記現像剤に関する情報及び前記濃度検出手段により検出された検出値に基づいて前記現像剤画像の形成条件を変更する形成条件変更手段とを備えること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された前記現像剤に関する情報を保持する保持手段を備え、
前記形成条件変更手段は、現在装着されている前記現像剤収容手段に備えられた前記記憶手段に記憶された前記現像剤に関する情報を取得し、当該取得した現像剤に関する情報と前記保持手段に保持された前記現像剤に関する情報とを比較し、両者が異なる情報であると判断した場合には、前記記憶手段に記憶された前記現像剤に関する情報及び前記保持手段に保持された前記現像剤に関する情報に基づいて前記現像剤画像の形成条件を変更すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された前記現像剤に関する情報は、前記現像剤収容手段又は現像剤の製造ロットに関する情報であること、
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤収容手段に収容された現像剤の濃度特性に関する第1の濃度特性情報を記憶する第1の記憶部と、
過去に使用した現像剤の濃度特性に関する第2の濃度特性情報を記憶する第2の記憶部とを備え、
前記形成条件変更手段は、
前記第1の記憶部に記憶された前記第1の濃度特性情報、前記第2の記憶部に記憶された前記第2の濃度特性情報、及び前記濃度検出手段において検出された前記現像剤画像の濃度に基づいて前記現像装置によって現像される現像剤画像の濃度の補正値を算出する補正値算出部とを有し、
前記現像手段は、前記補正値算出部において算出された前記補正値に基づいて前記入力された印刷情報に基づく現像剤画像を形成すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記現像手段は、前記入力された印刷情報に基づく潜像画像を担持する潜像画像担持体と、
静電気力によって現像剤を担持し該担持した現像剤によって前記潜像画像担持体に担持された潜像画像を現像する現像剤担持体とを備え、
前記現像剤担持体に印加される前記静電気力の値は、前記補正値算出部において算出された前記補正値に基づいて決定された値であること、
を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補正値算出部は、
前記現像手段によって現像されたテストパターンを前記濃度検出部によって検出して得られた検出値並びに前記第1の記憶部に記憶された前記第1の濃度特性情報及び前記第2の記憶部に記憶された前記第2の濃度特性情報に基づいて補正前の現像剤濃度を示す補正前濃度値を算出し、
前記補正前濃度及び目標とする濃度を示す目標濃度値に基づいて前記補正前濃度値と前記目標濃度値との誤差を示す修正濃度値を算出し、
前記修正濃度値に基づいて前記補正値を算出すること、
を特徴とする請求項5又は請求項6記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤収容手段に収容された現像剤の量を記憶する現像剤量記憶部と、
前記現像装置によって使用された現像剤の使用量を記憶する現像剤使用量記憶部とを備え、
前記補正値算出部は、
前記現像剤量記憶部に記憶された前記現像剤の量及び前記現像剤使用量記憶部に記憶された前記現像剤の使用量の比に基づいて前記補正値を算出すること、
を特徴とする請求項4乃至請求項6記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像剤を用いて現像剤画像を形成する電子写真方式の画像形成装置で、現像装置によって現像される現像剤画像の濃度を変化させることができる画像形成装置としては、特許文献1に開示された画像形成装置がある。
【0003】
【特許文献1】特開2004−354622公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、画像形成装置の経時変化又は使用環境を選択的に検出する状態検出手段と、現像剤の濃度を検出し、該検出結果に基づいて印刷条件を設定する印刷条件設定手段と、状態検出手段の検出結果に基づいて印刷条件の制限値を決定する制限値決定手段と、印刷条件設定手段で設定された印刷条件及び制限値決定手段で決定した制限値の比較結果に基づいて印刷条件設定値を決定する印刷制御手段を備える画像形成装置が開示されている。
【0005】
同画像形成装置においては、経時変化や環境変化により変化する、記録媒体上に印刷される現像剤画像の濃度を一定に保つ為に、潜像画像担持体、又は転写ベルト上にテストパターンを形成し、該テストパターンの濃度を状態検出手段によって検出し、該検出結果に基づいて露光装置の光量、現像バイアス電圧、トナー供給バイアス電圧等を制御することとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の画像形成装置では、経時変化や環境変化により各種パラメータの補正を行うこととしているが、経時変化や環境変化による補正だけでは安定した濃度を得ることができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、安定した濃度を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為に、本発明に係る画像形成装置は、現像剤を収容する交換可能な現像剤収容手段と、前記現像剤収容手段に収容された前記現像剤を受け入れると共に、該現像剤を用いて入力された印刷情報に基づく現像剤画像を形成する現像手段と、前記現像剤収容手段に設けられ、当該現像剤収容手段に収容された前記現像剤に関する情報を記憶する記憶手段と、前記現像手段によって形成された前記現像剤画像の濃度を検出する濃度検出手段と、前記記憶手段に記憶された前記現像剤に関する情報及び前記濃度検出手段により検出された検出値に基づいて前記現像剤画像の形成条件を変更する形成条件変更手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、現像手段によって現像される現像剤画像は、形成条件変更手段において形成条件が変更された現像剤画像となる。そして、形成条件変更手段は、記憶手段に記憶された現像剤に関する情報、及び濃度検出手段によって検出された現像剤画像の濃度に基づいて形成条件を変更する。すなわち画像形成装置は、現像手段によって現像される現像剤画像の形成条件を、現像剤に関する情報及び現像剤画像の濃度に基づいて変更することで、画像形成装置の経時変化や環境変化に左右されない安定した現像剤画像を現像することができる。
【発明の効果】
【0010】
上述の様に、画像形成装置は、記憶手段に記憶された現像剤に関する情報に基づいて現像剤画像を現像することができる為、画像形成装置では経時変化や環境変化に関わらず、安定した濃度の現像剤画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
実施の形態は、像担持体及び現像剤担持体を用いて現像剤画像を現像し、該現像剤画像を記録媒体上に転写する画像形成装置に関し、中間転写方式を使用したプリンタ、複写機、又は複合機等についても適用することが可能である。また、実施の形態では、現像剤カートリッジが異なれば内部に収容された現像剤の濃度特性が異なることに着目し、画像形成装置は、現在装着している現像剤カートリッジ内部の現像剤の濃度特性に基づいて印刷作業を行う。具体的には、画像形成装置は、現在装着している現像剤カートリッジに収容された現像剤の濃度特性と、過去に装着していた現像剤カートリッジに収容された現像剤の濃度特性とを比較し、両者の関係を考慮して印刷作業を行うことで良質な現像剤画像を印刷することを可能とする。
【0013】
まず、第1の実施の形態として示す画像形成装置について詳細な説明をする。
【0014】
図1に示す様に、画像形成装置1は、4色の原色の現像剤を用いて、LEDヘッド3C,3M,3Y,3Kによって露光された潜像画像に基づく現像剤画像を現像するブラック現像装置5K、イエロ現像装置5Y、マゼンタ現像装置5M、及びシアン現像装置5Cを備える。
【0015】
ブラック現像装置5K、イエロ現像装置5Y、マゼンタ現像装置5M、及びシアン現像装置5Cは、それぞれブラック色、イエロ色、マゼンタ色、又はシアン色の現像剤画像を現像する。そして、これらブラック現像装置5K、イエロ現像装置5Y、マゼンタ現像装置5M、及びシアン現像装置5Cは、略同一の構成を備える為、以下では特に区別しない場合は、「現像装置5」と総称して詳細な説明を行う。また、現像装置5を構成する各部についても、各符号の末尾に文字C、M、Y、又はKの何れかを付して図示する。
【0016】
画像形成装置1が図示せぬ情報処理装置等の上位装置が送信した印刷情報を受信すると、LEDヘッド3は、当該印刷情報に基づく潜像画像を露光する。そして、現像装置5は、LEDヘッド3によって露光された印刷情報に基づく潜像画像を現像する。この様な現像装置5は、印刷情報に基づく潜像画像を担持する感光体ドラム7と、感光体ドラム7の表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラ9と、感光体ドラム7に担持された潜像画像に現像剤を付着して現像剤画像を現像する現像ローラ11と、現像ローラ11に現像剤を供給する供給ローラ13と、供給ローラ13によって現像ローラ11に供給された現像剤を薄膜化する現像ブレード15とを備える。
【0017】
感光体ドラム7は、図示せぬ駆動モータから供給された駆動力によって矢印A方向に回転する。また、感光体ドラム7は、その回転方向の上流から順に、帯電ローラ9と接触し、LEDヘッド3と対向し、現像ローラ11と接触している。
【0018】
帯電ローラ9は、図示せぬ電源によって印加された帯電バイアスに基づいて、自身と接触している感光体ドラム7の表面を一様に帯電する。
【0019】
現像ローラ11は、供給ローラ13から供給された現像剤を感光体ドラム7の表面に担持された潜像画像に現像剤を付着し、感光体ドラム7の表面に現像剤画像を現像する。この様な現像ローラ11は、図示せぬ電源によって現像バイアスが印加されている。そして現像ローラ11は、該現像バイアスによって生じる静電気力を用いて、供給ローラ13から供給された現像剤を表面に担持する。
【0020】
ここで、感光体ドラム7の表面に現像される現像剤画像の濃度は、現像ローラ11が担持する現像剤の量によって左右される。すなわち、現像ローラ11が、供給ローラ13から供給された現像剤を多量に担持している場合は、現像ローラ11によって感光体ドラム7の表面に現像される現像剤画像の濃度は濃くなり、反対に、現像ローラ11が担持する現像剤の量が少量である場合は、現像ローラ11によって感光体ドラム7の表面に現像される現像剤画像の濃度は薄くなる。
【0021】
そして画像形成装置1では、現像装置5が現在装着している現像剤の濃度特性に合わせて現像ローラ11に印加する現像バイアスを調整することで、好適な現像剤画像を印刷することを可能とする。
【0022】
また、現像装置5には、現像装置5から着脱自在な現像剤収容手段としての現像剤カートリッジ19が装着される。現像剤カートリッジ19は、内部に各色の現像剤を収容しており、該現像剤を現像装置5内部に供給することが可能な構造を備える。
【0023】
現像剤カートリッジ19は、現像剤を収容すると共に、画像形成装置1から交換可能に形成される。この様な現像剤カートリッジ19は、現像剤カートリッジ19内部に収容された現像剤の濃度特性に関する情報を記憶すると共に、無線交信を行うことが可能な、記憶手段としての無線交信素子21を備える。無線交信素子21は、例えば現像剤カートリッジ19の上面に固着されたRFID(Radio Frequency Identification)素子から成る。また、無線交信素子21は、自身が固着された現像剤カートリッジ19に収容された現像剤の濃度特性に関する濃度特性情報、及び現像剤カートリッジ19を識別する為の識別情報を記憶する。
【0024】
識別情報は、例えば現像剤カートリッジ19に固有のシリアル番号であり、32ビットの情報により構成される。シリアル番号は、例えば上位2ビットで現像剤の色に関する色情報を示し、下位24ビットで0から16777215までの値を示す。そして、32ビットのシリアル番号のうち、残りの6ビットは未使用領域とする。本実施の形態においては、説明の便宜上、シリアル番号のうち上位2ビットが文字列11の場合は現像剤カートリッジ内部に収容された現像剤はシアン色であり、上位2ビットが文字列10の場合は現像剤カートリッジ内部に収容された現像剤はマゼンダ色であり、上位2ビットが文字列01の場合は現像剤カートリッジ内部に収容された現像剤はイエロ色であり、上位2ビットが文字列00の場合は現像剤カートリッジ内部に収容された現像剤はブラック色であるものとする。また、本発明における識別情報は上述の識別情報に限られるものではなく、現像剤カートリッジを識別することが可能な情報であればどの様な形式の情報であっても良いことはいうまでもない。そして、無線交信素子21に記憶された濃度特性情報、及び識別情報は、RFID読取部23によって読み出される。
【0025】
RFID読取部23は、現像剤カートリッジ19が現像装置5に装着された状態で、無線交信素子21と交信可能な位置に形成されている。そしてこの様なRFID読取部23は、画像形成装置1の電源投入時、及び後述する方法で画像形成装置1がカバーの開閉を検出した時に無線交信素子21と交信を行う。RFID読取部23がこのタイミングで無線交信素子21と交信を行う理由としては、現像剤カートリッジ19を交換する作業は、画像形成装置1のカバーの開閉を行わなければできないこと、及び画像形成装置1の電源がオフ状態のときは、画像形成装置1はカバーの開閉を検出することができないことに因る。
【0026】
この様な現像装置5は、搬送装置25によって用紙Pが搬送されるタイミングで現像プロセスを実行する。
【0027】
搬送装置25は、画像形成装置1の媒体搬送経路上に備えられた、用紙Pを媒体搬送経路の下流へ搬送する手段である。
【0028】
媒体搬送経路の最上流には、画像形成装置1から着脱自在に取り付けられ、用紙Pを格納する用紙カセット27が形成されている。そして、用紙カセット27に格納された用紙Pは、用紙Pを分離する分離ローラ29によって1枚毎に分離され、用紙Pを媒体搬送経路の下流に繰り出すホッピングローラ31によって下流方向に繰り出される。媒体搬送経路におけるホッピングローラ31の下流には、レジストローラ33,35が形成されている。レジストローラ33,35に到達した用紙Pは、所定のタイミングでレジストローラ33,35によって、下流方向に形成された搬送装置25へ繰り出される。
【0029】
搬送装置25は、現像装置5による現像プロセスが行われるタイミングに合わせて、レジストローラ33,35によって搬送された用紙Pを媒体搬送経路の下流方向へ搬送する。この様な搬送装置25は、図示せぬ駆動源から供給される駆動力に基づいて回転する駆動ローラ37と、駆動ローラ37と所定の距離をもって、略平行に配置された従動ローラ39と、駆動ローラ37及び従動ローラ39の間に架設された転写ベルト41とを備える。
【0030】
転写ベルト41は、各現像装置5C,5M,5Y,5Kに備えられた感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kと接触する様に配置されており、駆動ローラ37が回転することによって、用紙Pを媒体搬送経路の下流へ搬送する様に、矢印B方向に駆動する。この様な転写ベルト41は、例えば表面に光沢を有する黒色の樹脂によって形成されている。
【0031】
また、画像形成装置1は、感光体ドラム7上に現像された現像剤画像を、用紙Pが搬送ベルト41上を搬送されるタイミングに合わせて用紙P上に転写する転写ローラ43を備える。転写ローラ43は、転写ベルト41を介して、感光体ドラム7と押圧される様に形成されている。そして転写ローラ43は、用紙Pが転写ベルト41上を搬送されるタイミングで、感光体ドラム7の表面に現像された現像剤画像を図示せぬ電源から供給された転写バイアスによって用紙P上に転写する。
【0032】
また、画像形成装置1は、転写ベルト41の駆動方向における現像装置5Cの下流に、後述する方法で転写ベルト41上に印刷されたテストパターンの濃度を検出する濃度センサ45を備える。濃度センサ45は、図2に示す様に転写ベルト41に向けて光を発するLED素子47と、LED素子47が発した光のうち転写ベルト41からの正反射光を受光する受光素子49と、LED素子47が発した光のうち転写ベルト41からの拡散反射光を受光する受光素子51とを備える。この様な濃度センサ45では、受光素子49によってブラック色の現像剤の濃度を検出し、受光素子51によってシアン色、マゼンダ色、及びイエロ色の現像剤の濃度を検出する。
【0033】
上述の様に、黒色の光沢を有する転写ベルト41上に後述する方法で印刷されたテストパターンのうち、ブラック色の現像剤画像は、LED素子47が発した光の光強度を減衰させて光を反射する。そして、濃度センサ45は、光強度が減衰した反射光を受光素子49によって受光することでテストパターンのブラック色現像剤の濃度を検出する。また、転写ベルト41に印刷されたテストパターンのうち、シアン色、マゼンダ色、及びイエロ色の現像剤は、現像剤画像の単位面積あたりの現像剤重量(M/S)の変化に従って反射光の光強度を変化させる。そして、濃度センサ45は、光強度が変化した光を受光素子51によって受光することでテストパターンのうち、シアン色、マゼンダ色、及びイエロ色の現像剤の濃度を検出する。
【0034】
また、画像形成装置1は、転写ベルト41と濃度センサ45との間に、転写ベルト41の駆動方向と略平行にスライド可能なシャッタ53を備える。シャッタ53は、画像形成装置1が用紙P上に印刷を行っている際に、画像形成装置1内部に飛散した現像剤が濃度センサ45に付着しない様、濃度センサ45を保護する。また、画像形成装置1がシアン色、マゼンダ色、及びイエロ色用のキャリブレーションを行う際は、画像形成装置1は、図3に示す様に、シャッタ53が濃度センサ45と転写ベルト41との間に介在する様、シャッタ53を矢印C方向にスライドさせる。そして画像形成装置1は、シャッタ53の裏面を用いてシアン色、マゼンダ色、及びイエロ色用のキャリブレーションを行う。
【0035】
一方、画像形成装置1がブラック色用のキャリブレーションを行う際は、シャッタ53を矢印D方向へ移動させ、シャッタ53が濃度センサ45と転写ベルト41との間に介在しない位置に移動させる。
【0036】
また、画像形成装置1は、転写ベルト41の駆動方向における濃度センサ45の下流に、後述する方法で転写ベルト41に印刷されたテストパターンを掻き落とすクリーニングブレード55を備える。クリーニングブレード55は、一端がクリーナー容器57に固定されており、他端が転写ベルト41に当接して形成される。そして、転写ベルト41に印刷されたテストパターンが、転写ベルト41が駆動することによってクリーニングブレード55に達すると、該テストパターンはクリーニングブレード55によって掻き落とされ、該テストパターンを形成していた現像剤は、クリーナー容器57に収容される。
【0037】
また、画像形成装置1は、媒体搬送経路における現像装置5及び転写ローラ43の下流に、現像装置5及び転写ローラ43によって用紙P上に転写された現像剤画像を該用紙P上に定着する定着装置57を備える。定着装置57は、内部に図示せぬ電源から供給された電力によって発熱する発熱体59を有する定着ローラ61と、定着ローラ61に押圧して回転する加圧ローラ63とを備える。定着装置57は、搬送装置25によって搬送された用紙Pを、発熱体59によって加熱された定着ローラ61と、加圧ローラ63とによって挟持搬送することで用紙P上に転写された現像剤を融解し、現像剤画像を用紙P上に定着する。
【0038】
定着装置57によって現像剤画像が定着した用紙は、図示せぬ搬送手段によってさらに媒体搬送経路の下流方向へ搬送され、画像形成装置1の上面に形成されたスタッカ65に排出され、ユーザに提供される。
【0039】
次に、画像形成装置1のさらに具体的な構成について、図4を参照しながら詳細な説明をする。
【0040】
画像形成装置1は、図示せぬ情報処理装置が送信した印刷情報を受信し、又は該情報処理装置に各種情報を送信するホストインターフェース部100と、該印刷情報について各種画像変換処理を行うコマンド/画像処理部103とを備える。
【0041】
コマンド/画像処理部103は、ホストインターフェース部100から印刷情報が供給されると、当該印刷情報を、例えばビットマップ形式の画像情報に変換する。また、コマンド/画像処理部103は、印刷情報に基づく画像情報を、潜像画像を露光すべくLEDヘッドインターフェース部105に供給する。
【0042】
また、コマンド/画像処理部103は、ホストインターフェース部100から印刷情報が供給されると、印刷プロセスを開始すべく、画像形成装置1の各部を制御するプリンタエンジン制御部107に指令を供給する。
【0043】
プリンタエンジン制御部107は、無線交信素子21C,21M,21Y,21Kから読み出した現像剤の濃度特性に関する濃度特性情報、及び現像剤カートリッジ19を識別する為の識別情報、並びに濃度センサ45の検出結果に基づいて、現像剤画像の形成条件を変更する。本実施の形態では、プリンタエンジン制御部107は、無線交信素子21C,21M,21Y,21Kから読み出した現像剤の濃度特性に関する濃度特性情報、及び現像剤カートリッジ19を識別する為の識別情報、並びに濃度センサ45の検出結果に基づいて、現像ローラ11に印加される現像バイアスを、これらの条件に最適な現像バイアスに変更する。また、プリンタエンジン制御部107は、LEDヘッドインターフェース部105に対して所定の駆動パルスを供給する。そして、該駆動パルスを供給されたLEDヘッドインターフェース部105は、該駆動パルスに基づいて画像情報を各LEDヘッド3C,3M,3Y,3Kに供給することで各LEDヘッド3C,3M,3Y,3Kを駆動する。
【0044】
また、プリンタエンジン制御部107は、高圧電源を使用する各部に制御信号を供給する高圧制御部109に対して制御値を供給する。高圧制御部109は、プリンタエンジン制御部107から供給された制御値に基づいて、各部に電圧の制御信号を供給する。具体的には高圧制御部109は、各現像装置5C,5M,5Y,5Kが備える各帯電ローラ9C,9M,9Y,9Kに印加する帯電バイアスを制御する帯電バイアス制御部111、各現像装置5C,5M,5Y,5Kが備える現像ローラ11C,11M,11Y,11Kに印加する現像バイアスを制御する現像バイアス制御部113、及び各転写ローラ43C,43M,43Y,43Kに印加する転写バイアスを制御する転写バイアス制御部115に、それぞれ帯電バイアスの電圧値、現像バイアスの電圧値、又は転写バイアスの電圧値を指示する制御信号を供給する。
【0045】
帯電バイアス制御部111は、高圧制御部109から供給された制御信号に基づいて帯電ローラ9C,9M,9Y,9Kに帯電バイアスを印加する。
【0046】
現像バイアス制御部113は、高圧制御部109から供給された制御信号に基づいて現像ローラ11C,11M,11Y,11Kに現像バイアスを印加する。
【0047】
転写バイアス制御部115は、高圧制御部109から供給された制御信号に基づいて転写ローラ43C,43M,43Y,43Kに転写バイアスを印加する。
【0048】
また、プリンタエンジン制御部107は、ホッピングローラ31に駆動力を供給するホッピングモータ117、レジストローラ33,35に駆動力を供給するレジストモータ119、駆動ローラ37に駆動力を供給することで転写ベルト41を駆動するベルトモータ121、定着装置57の例えば加圧ローラ63に駆動力を供給する定着モータ123、及び各感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kに駆動力を供給するドラムモータ125の駆動を制御する。
【0049】
また、プリンタエンジン制御部107は、画像形成装置1のカバーの開閉状態を検出するカバーセンサ127の検出結果に基づいて、カバーの状態を検出する。
【0050】
また、プリンタエンジン制御部107は、定着ローラ61の近傍に形成されたサーミスタ129の検出結果を供給される。そして、プリンタエンジン制御部107は、サーミスタ129の検出結果に基づいて定着ローラ61の表面温度が所定の温度帯域にあるか否かを判断する。また、プリンタエンジン制御部107は、定着ローラ61の表面温度に基づいて発熱体59のオン・オフを制御することで定着ローラ61の表面温度を制御する。
【0051】
また、画像形成装置1は、LED素子47に供給される電力を制御するFET(Field Effect Transistor)131を備える。FET131は、D/Aコンバータ133を介してプリンタエンジン制御部107から供給された出力信号に基づいてLED素子47の発光を制御する。そして、LED素子47が発光した後、受光素子49,51の検出結果は、A/Dコンバータ135を介してプリンタエンジン制御部107に供給される。具体的には、これら各部は、図5に示す様な回路を構成する。
【0052】
同図に示す様に、FET131のゲート端子は、D/Aコンバータ133の出力端子OUTと接続されている。また、FET131の第1端子は、抵抗R1を介してグラウンドに接地されている。また、FET131の第2端子は、抵抗R2を介してLED素子47の第1端子と接続されている。また、LED素子47の第2端子は、図示せぬ電源と接続されている。
【0053】
また、受光素子49は、オペアンプ137を介してA/Dコンバータ135の入力端子IN1と接続されている。また、受光素子51は、オペアンプ139を介してA/Dコンバータ137の入力端子IN2と接続されている。
【0054】
この様な回路において、受光素子49の検出結果は、検出信号としてオペアンプ137に出力される。そしてこの検出信号は、オペアンプ137において調整され、A/Dコンバータ135に供給される。また、受光素子51の検出結果も同様に、オペアンプ139において調整され、A/Dコンバータ135に供給される。
【0055】
ここで、D/Aコンバータ133は、例えば3.3Vの電圧を10ビットに分割可能なコンバータである。A/Dコンバータ135は、例えば3.3Vの電圧を12ビットに分割可能なコンバータである。
【0056】
また、画像形成装置1は、RFID読取部23によって無線交信素子21から読み出された濃度特性情報、及び識別情報等の各種情報を記憶する第1の記憶部及び第2の記憶部としての記憶部141を備える。RFID読取部23によって読み出された濃度特性情報、及び識別情報は、プリンタエンジン制御部107に供給される。そして、プリンタエンジン制御部107は、当該濃度特性情報、及び識別情報を記憶部141に記憶する。また、プリンタエンジン制御部107は、後述する場合に記憶部141に記憶された濃度特性情報、及び識別情報を読み出す。
【0057】
次に、上述の構成を備える画像形成装置1のキャリブレーション時の動作について詳細な説明を行う。
【0058】
キャリブレーションを行う際、プリンタエンジン制御部107は、LED素子47が消灯している状態における受光素子49及び受光素子51の検出信号を検出する。そして、プリンタエンジン制御部107は、受光素子49の暗電位出力をV49、受光素子51の暗電位出力をV51として記憶部141に記憶する。この暗電位出力は、受光素子の性能によって異なるが、一般的には0.5V〜1V程度である。
【0059】
次に、プリンタエンジン制御部107は、受光素子49,51から出力され、オペアンプ137,139で増幅され、A/Dコンバータ135の入力端子IN1,IN2に入力され、直流電圧に変換された後の電圧と、記憶部141に記憶された暗電位との電位差が2.0Vとなる様、D/Aコンバータ133の出力端子OUTの出力値を段階的に引き上げる。
【0060】
そして、プリンタエンジン制御部107は、上述の様に、暗電位との電位差が2.0VとなったときのD/Aコンバータ133の出力値VOUTを記憶部141に記憶する。この出力値VOUTは、受光素子49を使用した場合と、受光素子51を使用した場合とで異なる値を示す為、プリンタエンジン制御部107は、両方の値を記憶部141に記憶する。そして、プリンタエンジン制御部107は、両出力値を記憶部141に記憶して、キャリブレーション動作を終了する。
【0061】
次に、画像形成装置1が、現像装置5によって形成される現像剤画像の濃度を検出する動作について詳細な説明をする。
【0062】
現像剤画像の濃度を検出する際、プリンタエンジン制御部107は、図6に示す様なテストパターンを転写ベルト41上に印刷する。テストパターンは、転写ベルト41の駆動方向の上流から、シアンパッチ画像CP、マゼンダパッチ画像MP、イエロパッチ画像YP、及びブラックパッチ画像KPを印刷することで形成される。これらシアンパッチ画像CP、マゼンダパッチ画像MP、イエロパッチ画像YP、及びブラックパッチ画像KPは、各2cm四方の正方形を連続的に、転写ベルト41上に印刷することで形成される。
【0063】
次に、上述の構成を備える画像形成装置1の印刷時の動作について詳細な説明をする。
【0064】
図示せぬ情報処理装置が、例えばPDL(Page Descript Language)形式の印刷情報を送信すると、画像形成装置1は、インターフェース部100によって該印刷情報を受信する。そして、インターフェース部100において受信した印刷情報は、コマンド/画像処理部103に供給される。コマンド/画像処理部103は、当該印刷情報を、画像形成装置1によって印刷可能なビットマップ形式の画像情報に変換する。このときコマンド/画像処理部103は、プリンタエンジン制御部107に対して印刷プロセスを開始すべき旨の指令を供給する。
【0065】
プリンタエンジン制御部107は、該指令に応じて、サーミスタ129による定着ローラ61の表面温度の検出結果に基づいて発熱体59の温度を制御することで、定着ローラ61の表面温度を定着可能温度に維持する。
【0066】
次に、プリンタエンジン制御部107は、一連の印刷動作を開始する。先ず、プリンタエンジン制御部107は、分離ローラ29によって用紙カセット27に堆積した用紙Pを分離し、ホッピングモータ117の駆動を開始させることでホッピングローラ31によって当該分離された用紙Pを媒体搬送経路に従って搬送する。
【0067】
またプリンタエンジン制御部107は、用紙Pが各感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kの下に搬送されるタイミングで一連の現像作業を開始する。先ず、プリンタエンジン制御部107は、帯電バイアス制御部111に帯電ローラ9C,9M,9Y,9Kの制御値を供給する。そして、帯電バイアス制御部111は、供給された制御値に基づいて帯電ローラ9C,9M,9Y,9Kに帯電バイアスを印加する。そして帯電バイアスが印加された帯電ローラ9C,9M,9Y,9Kは、該帯電バイアスに基づいて感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kの表面を一様に帯電する。
【0068】
次に、コマンド/画像処理部103は、印刷情報をビットマップ形式の画像情報に変換し、該画像情報をLEDヘッドインターフェース部105に供給する。そして、LEDヘッドインターフェース部105は、該画像情報に基づいてLEDヘッド3C,3M,3Y,3Kの発光を制御し、帯電した感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kの表面に潜像画像を露光する。
【0069】
このときプリンタエンジン制御部107は、後述する方法で算出した現像バイアスの制御値を高圧制御部109に供給する。そして、高圧制御部109は、該制御値に基づいて現像バイアス制御部113に対して制御信号を供給する。そして、現像バイアス制御部113は、該制御信号に基づいて現像ローラ11C,11M,11Y,11Kに現像バイアスを印加する。そして、現像バイアスが印加された現像ローラ11C,11M,11Y,11Kには、供給ローラ13C,13M,13Y,13Kより現像剤が供給され、現像ローラ11C,11M,11Y,11Kは、該現像剤を現像バイアスを利用して自身の表面に吸着する。そして、現像ローラ11C,11M,11Y,11Kは、表面に吸着した現像剤を感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kに供給することで感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kの表面に現像剤画像を現像する。
【0070】
次にプリンタエンジン制御部107は、高圧制御部109に対して転写バイアスの制御値を供給する。そして、高圧制御部109は、転写バイアス制御部115に対して転写バイアスの制御信号を供給する。そして転写バイアス制御部115は、該制御信号に基づいて転写ローラ43C,43M,43Y,43Kに対して転写バイアスを印加する。
【0071】
次に転写ローラ43C,43M,43Y,43Kは、搬送装置25によって搬送された用紙Pを、感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kと共に挟持搬送することで、感光体ドラム7C,7M,7Y,7Kの表面に現像された現像剤画像を用紙P上に転写する。
【0072】
次に搬送装置25は、用紙Pを定着装置57に搬送する。そして、定着装置57は、用紙Pを挟持搬送することで用紙P上に付着した現像剤画像を用紙P上に定着する。その後、用紙Pはスタッカ65上に排出される。
【0073】
次に、上述した一連の動作において画像形成装置1が、現像ローラ11に印加する現像バイアスのバイアス値を決定する際の画像形成装置1の一連の動作について、図7を参照しながら詳細な説明をする。
【0074】
画像形成装置1が現像ローラ11に印加する現像バイアスを決定する際、画像形成装置は、現像剤カートリッジ19に収容された現像剤の濃度特性に基づいて所定の補正値を算出する。そして、画像形成装置1が補正値を算出するとき、画像形成装置1は、現像剤カートリッジ19を交換する前の現像剤カートリッジ(以下、「ロットA」という)に収容された現像剤の濃度特性と、現像剤カートリッジ19が交換された後の現像剤カートリッジ(現在装着している現像剤カートリッジであり、以下、「ロットB」という)に収容された現像剤の濃度特性とを比較する。尚、過去に使用した現像剤とは、過去の補正値算出時に装着していた現像剤カートリッジ19に収容された現像剤をいい、好ましくは、直前の補正値算出時に装着していた現像剤カートリッジ19に収容された現像剤をいう。そしてこの定義によれば、過去に使用した現像剤とは、現在装着している現像剤カートリッジ19に収容された現像剤とが同一となる場合をも含む。また、「ロット」とは、シアン色、マゼンダ色、イエロ色、又はブラック色の現像剤を収容する4個の現像剤カートリッジ11C,11M,11Y,11Kの製造ロット又は現像剤が詰め替え可能な場合には現像剤の製造ロットである。そして、一連の動作では説明の便宜上、補正値算出時を基準として、現像剤カートリッジ19が交換されていない場合における画像形成装置1の一連の動作を説明した後、現像剤カートリッジ19がロットAからロットBに交換された場合における画像形成装置1の一連の動作について説明をする。
【0075】
一連の動作が開始すると、ステップS1においてRFID読取部23は、無線交信素子21に記憶された濃度特性情報、及び識別情報を読み出し、プリンタエンジン制御部107は読み出した濃度特性情報及び識別情報を記憶部141に記憶する。そして、ここで読み出された濃度特性情報は現像バイアスの制御の為に用いられ、識別情報は現像剤カートリッジ19を画像形成装置1が識別する為に用いられる。
【0076】
ここで、濃度特性情報は、表1及び表2に示す様な情報を含む。
【0077】
【表1】


【表2】


【0078】
表1に示す様に、ロットAの濃度特性情報は、ロットAに収容された現像剤の紙上濃度(OD値)とセンサ検出電圧(V)との関係を示す1次近似式の係数である係数A及び係数B、現像バイアスが1V変化するときの紙上濃度の変化量(ΔDB1)、並びに後述する方法で算出される補正値α、補正値β、及び補正値γを含む。
【0079】
また、ロットBの濃度特性についても同様に、ロットBに収容された現像剤の紙上濃度(OD値)とセンサ検出電圧(V)との関係を示す1次近似式の係数である係数A及び係数B、現像バイアスが1V変化するときの紙上濃度の変化量(ΔDB1)、並びに後述する方法で算出される補正値α、補正値β、及び補正値γを含む。
【0080】
ロットA、又はロットBに収容された現像剤の紙上濃度(OD値)とセンサ検出電圧(V)との関係を示す1次近似式の係数である係数A及び係数Bは、ロットA又はロットBに含まれる各色毎に算出され、記憶される。例えば係数A及び係数Bは、各色の現像剤の濃度特性に着目して算出される値である。また、係数A及び係数Bは、現像バイアスが任意の値を示すときのOD値と、そのときのセンサ検出電圧とを実験的に求めた後、これらを直交座標上にプロットして求められる近似的な直線に基づいて算出される。
【0081】
例えば、ロットAのシアン色の現像剤を使用して、現像バイアスを変化させてそれぞれの現像バイアス値におけるOD値とセンサ検出値とを、該現像剤を紙上に転写して実験的に求めると、表3に示す様な結果であるとする。同表に示す様に、現像バイアスを値−140Vとしたとき、OD値は値1.19、センサ検出電圧は1.24Vであり、現像バイアスを−200Vとしたとき、OD値は1.43、センサ検出電圧は1.52Vであり、現像バイアスを−260Vとしたとき、OD値は1.68、センサ検出電圧は1.79Vを示したとする。そしてこの結果を図8に示す様に、y軸にOD値をとり、x軸にセンサ検出電圧をとった直交座標上にプロットする。また、ロットBのシアン色の現像剤を使用して、現像バイアスを変化させてそれぞれの現像バイアス値におけるOD値とセンサ検出値とを、該現像剤を紙上に転写して実験的に求めた結果が表4に示す様な結果であり、これを同図にプロットする。
【0082】
同図の黒塗四角はロットAの結果をプロットしたものであり、黒塗丸はロットBの結果をプロットしたものである。そして、黒塗四角、又は黒塗丸の配列からも解る様にこれらは略線形を示す。そして、黒塗四角によって表される線形の一次近似式を求めると、
=0.8907x+0.0824 (式1)
が導出される。また、黒塗丸によって表される線形の一次近似式を求めると、
=0.8234x+0.1741 (式2)
が導出される。そして、ロットAの濃度特性情報に含まれる係数A及び係数Bは、式1のパラメータを示す値であり、ロットBの濃度特性情報に含まれる係数A及び係数Bは、式2のパラメータを示す値である。
【0083】
同様の方法で、ロットA及びロットBのマゼンタ色、イエロ色、及びブラック色の現像剤についての係数A及び係数Bを求める。そして例えば、ロットAのマゼンタ色のOD値とセンサ検出値との関係は表5の様な結果を示し、ロットBのマゼンタ色のOD値とセンサ検出値との関係は表6の様な結果を示し、これらをプロットすると図9の様な関係を示す。また例えば、ロットAのイエロ色のOD値とセンサ検出値との関係は表7の様な結果を示し、ロットBのイエロ色のOD値とセンサ検出値との関係は表8の様な結果を示し、これらをプロットすると図10の様な関係を示す。また例えば、ロットAのイエロ色のOD値とセンサ検出値との関係は表9の様な結果を示し、ロットBのイエロ色のOD値とセンサ検出値との関係は表10の様な結果を示し、これらをプロットすると図11の様な関係を示す。そして、これら係数A及び係数Bは、表3乃至表10に示す様な値、及び図8乃至図10に示す様な一次直線のパラメータに基づいて決定され、ロットA、及びロットBの現像剤カートリッジ19の各無線交信素子21に記憶される。
【0084】
【表3】


【0085】
【表4】


【0086】
【表5】


【0087】
【表6】


【0088】
【表7】


【0089】
【表8】


【0090】
【表9】


【0091】
【表10】


【0092】
また、紙上濃度変化量ΔDB1は、現像バイアス1V当たりの紙上濃度の変化量を示す値であり、例えば、
ΔDB1=(DB260V時のOD値―DB140V時のOD値)÷(260−140) (式3)
に基づいて算出される。
【0093】
また、補正値α、補正値β、及び補正値γは、現在装着している現像剤カートリッジ19と、直前の補正値算出時に装着していた現像剤カートリッジ19との濃度特性の差を示す。画像形成装置1は、現像バイアスの電圧値を決定する度に補正値α、補正値β、及び補正値γを算出する。すなわち、現像バイアスの電圧値を決定する際に、直前の補正値算出時に装着していた現像剤カートリッジ19が画像形成装置1に装着されている場合は、補正値α、補正値β、及び補正値γは全て値0となる。一方、直前の補正値算出時に装着していた現像剤カートリッジ19とは異なる現像剤カートリッジ19が画像形成装置1に装着されている場合は、補正値α、補正値β、及び補正値γは、直前の補正値算出時に装着していた現像剤カートリッジ19に収容された現像剤に特有の係数A、係数B、及びΔDB1と、現在装着している現像剤カートリッジ19に収容された現像剤に特有の係数A、係数B、及びΔDB1とに基づいて算出される。具体的には、補正値α、補正値β、及び補正値γは、係数A、係数B、及びΔDB1の差分によって算出されるが、これに因れば、直前の補正値算出時の後に現像剤カートリッジ19を交換せずに補正値を算出するときは、無線交信素子21から読み出される係数A、係数B、及びΔDB1は同一の値を示す為、補正値α、補正値β、及び補正値γは値0となる。一方、現像剤カートリッジ19を交換した直後に補正値を算出するときは、全ての現像剤の係数A、係数B、及びΔDB1が異なることに起因して、補正値α、補正値β、及び補正値γは所定の値を示す。
【0094】
上述の例で説明すると、ロットAから読み出される補正値α、補正値β、及び補正値γは、全て値0を示すこととなる。一方、ロットBから読み出されるシアン色の補正値αは、ロットAのシアン色の係数AとロットBのシアン色の係数Aとの差分を求め、それを100倍した値となる。また、ロットBから読み出されるシアン色の補正値βは、ロットAのシアン色の係数BとロットBのシアン色の係数Bとの差分を求め、それを100倍した値となる。また、ロットBから読み出されるシアン色の補正値γは、ロットAのシアン色のΔDB1係数BとロットBのシアン色のΔDB1との差分を求め、それを10000倍した値となる。そして、これらの補正値は、例えば値−128から127の間で8bitのデータで無線交信素子21に記憶される。そして画像形成装置1は、これらの補正値α、補正値β、及び補正値γを用いて用紙P上に転写される現像剤画像の紙上濃度DP、及びΔDB1の値を補正する。具体的には、紙上濃度DPは、
紙上濃度DP=(係数A+補正値α/100)×(センサ検出値)+(係数B+補正値β/100) (式4)
によって算出され、補正後のΔDB1は、
ΔDB1´=(ロットAのΔDB1)+(補正値γ/10000) (式5)
によって算出される。
【0095】
ステップS1においてシリアル番号並びに補正値α、補正値β、及び補正値γを記憶部141に記憶した後、画像形成装置1は、ステップS2においてキャリブレーションを行う。キャリブレーションの結果は、現像バイアスを制御する際に用いられる。そして、プリンタエンジン制御部107は、D/Aコンバータ133の出力値VOUTのうち、受光素子49の受光結果に基づく出力値VOUTを、制御値VblkCALとして記憶部141に記憶する。また、プリンタエンジン制御部107は、D/Aコンバータ133の出力値VOUTのうち、受光素子51の受光結果に基づく出力値VOUTを、制御値VcolorCALとして記憶部141に記憶する。
【0096】
次に、ステップS3においてプリンタエンジン制御部107は、転写ベルト41上にテストパターンを印刷する。テストパターンは、濃度センサ45によって検出され、該検出結果は現像バイアスの制御の為に使用される。そして、テストパターンを現像する際、現像ローラ11に印加される現像バイアスは、例えば、−200Vである。
【0097】
次に、ステップS4において濃度センサ45は、テストパターンの現像剤画像の濃度を検出する。そして、このとき濃度センサ45のLED素子47に供給される電力は、LED素子47がブラック色のパッチを照射する際は、制御値VblkCALに基づいて入力される。一方、LED素子47がシアン色、マゼンタ色、及びイエロ色のパッチを照射する際にLED素子47に供給される電力は、制御値VcolorCALに基づいて入力される。そして、濃度センサ45による検出結果は、A/Dコンバータ135によってデジタル信号に変換され、センサ検出値SDとして記憶部141に記憶される。そして、濃度センサ45の検出が終了するとシャッタ53は速やかに閉じられる。尚、このときシアン色のセンサ検出値SDCは1.50Vであり、マゼンタ色のセンサ検出値SDMは1.80Vであり、イエロ色のセンサ検出値SDYは1.60Vであり、ブラック色のセンサ検出値SDKは0.180Vであるとする。
【0098】
次に、ステップS5においてプリンタエンジン制御部107は、記憶部141に記憶されたセンサ検出値SDに基づいて紙上濃度DPを算出する。具体的には、プリンタエンジン制御部107は、記憶部141に記憶されたセンサ検出値SD、ロットAの係数A、及びロットAの補正値α、並びに係数B及び補正値βを上記式4に代入してロットAの各色の紙上濃度DPC,DPM,DPY,DPKを算出する。具体的には、紙上濃度DPCは、
DPC=(0.8907+0/100)×CMV+(0.0824+0/100) (式6)
に基づいて算出され、紙上濃度DPMは、
DPM=(0.8813+0/100)×CMV+(0.0411+0/100) (式7)
に基づいて算出され、紙上濃度DPYは、
DPY=(0.9421+0/100)×CMV+(0.0079+0/100) (式8)
に基づいて算出され、紙上濃度DPKは、
DPK=(−2.1614+0/100)×CMV+(1.8841+0/100) (式9)
に基づいて算出される。そして、これらに上述した紙上濃度DPC,DPM,DPY,DPKの値を代入すると、紙上濃度DPC=1.41845となり、紙上濃度DPM=1.62774となり、紙上濃度DPY=1.51526となり、紙上濃度DPK=1.49505となる。
【0099】
次に、ステップS6においてプリンタエンジン制御部107は、ステップS5で算出した紙上濃度DPC,DPM,DPY,DPKと、目標濃度値DTとに基づいて修正濃度値ΔDを算出する。具体的には、修正濃度値ΔDは、紙上濃度DPC,DPM,DPY,DPKと、目標濃度値DTとの差分によって表される。この様に両者の差を算出することで、目標値と現状との差を明確にすることができる。例えば、目標濃度値DTは各色共に値1.5であるとすると、シアン色の修正濃度値ΔDCは、
ΔDC=DPC−1.5 (式10)
によって算出され、マゼンタ色の修正濃度値ΔDMは、
ΔDM=DPM−1.5 (式11)
によって算出され、イエロ色の修正濃度値ΔDYは、
ΔDY=DPY−1.5 (式12)
によって算出され、ブラック色の修正濃度値ΔDKは、
ΔDK=DPK−1.5 (式13)
によって算出される。そして上記式10乃至式13に因れば、修正濃度値ΔDCは値−0.08155となり、修正濃度値ΔDMは値0.12744となり、修正濃度値ΔDYは値0.01526となり、修正濃度値ΔDKは値−0.00495となる。尚、目標濃度値DTを大きくする程、再現領域としてのガマット範囲を広くすることができるが、この値が高すぎると定着不良が発生し、又は現像剤の消費量が上昇してしまう。この様な事情を考慮して、目標濃度値DTは、値1.2から値1.7の間とすることが好ましい。
【0100】
次に、ステップS7においてプリンタエンジン制御部107は、ステップS6で算出された修正濃度値ΔDに基づいて現像バイアス補正値DBRを算出する。現像バイアス補正値DBRは、目標濃度値DTと修正濃度値ΔDとの誤差を修正する為に必要はバイアス電圧値を示す。そして、現像バイアス補正値DBRは、
DBR=ΔDC/(ΔDB1+補正値γ/10000) (式14)
によって算出される。そして上記式14に各値を代入すると、ロットAのシアン色の現像剤の現像バイアス補正値DBRCは、
DBRC=ΔDC/(0.0041+0/10000) (式15)
によって算出され、マゼンタ色の現像剤の現像バイアス補正値DBRMは、
DBRM=ΔDM/(0.0025+0/10000) (式16)
によって算出され、イエロ色の現像剤の現像バイアス補正値DBRYは、
DBRY=ΔDY/(0.0039+0/10000) (式17)
によって算出され、ブラック色の現像剤の現像バイアス補正値DBRKは、
DBRK=ΔDK/(0.0024+0/10000) (式18)
によって算出される。そして上記式15乃至式18に因れば、現像バイアス補正値DBRCは値−20Vとなり、現像バイアス補正値DBRMは値51Vとなり、現像バイアス補正値DBRYは値4Vとなり、現像バイアス補正値DBRKは値−2Vとなる。尚、ここで現像バイアス補正値DBRは整数であるので小数点以下は四捨五入している。
【0101】
次に、ステップS8においてプリンタエンジン制御部107は、現像バイアス補正値DBRに基づいて現像バイアスの設定値を変更する。具体的には、現像バイアス設定値DBは、現像バイアスの初期値と現像バイアス補正値DBRとの和を算出することで決定される。そして、現像バイアスの初期値を値−200Vであるとすると、現像ローラ11Cに印加される現像バイアス設定値DBCは、
DBC=−200V+DBRC (式19)
に基づいて決定され、現像ローラ11Mに印加される現像バイアス設定値DBMは、
DBm=−200V+DBRM (式20)
に基づいて決定され、現像ローラ11Yに印加される現像バイアス設定値DBYは、
DBY=−200V+DBRY (式21)
に基づいて決定され、現像ローラ11Kに印加される現像バイアス設定値DBKは、
DBK=−200V+DBRK (式22)
に基づいて決定される。そして、上記式19乃至式22に因れば、現像バイアス設定値DBCは値−220Vとなり、現像バイアス設定値DBMは値−149Vとなり、現像バイアス設定値DBYは値−196Vとなり、現像バイアス設定値DBKは値−202Vとなる。ここで決定した現像バイアスの設定値DBは、次回、現像バイアスの濃度補正動作が行われるまで、高圧制御部109に供給される制御値として使用される。そして、この様にして決定された現像バイアスの設定値DBに基づいて現像ローラ11に現像バイアスを印加することで、上述した目標濃度値DTと略同一の濃度の現像剤画像を得ることが可能となる。
【0102】
次に、ステップS9においてプリンタエンジン制御部107は、インターフェース部100を介して図示せぬ情報処理装置から新たな濃度補正の指示が送信されたか否かを判断する。そして、プリンタエンジン制御部107が、新たな濃度補正の指示が供給されたと判断した場合は、ステップS2の処理からステップS8の処理によって構成される濃度補正動作を再度行う。
【0103】
次に、ステップS10においてプリンタエンジン制御部107は、インターフェース部100を介して図示せぬ情報処理装置から算出された濃度補正値を印刷時に反映させない旨の指令である濃度補正無効コマンドが送信されたか否かを判断する。そしてプリンタエンジン制御部107が、濃度補正無効コマンドが送信されていないと判断した場合は、一連の処理を終了する。一方、プリンタエンジン制御部107が、濃度補正無効コマンドが送信されたと判断した場合は、ステップS11の処理を実行する。
【0104】
ステップS11においてプリンタエンジン制御部107は、現像剤カートリッジ19の交換を検出すべく、カバーの開閉が行われたか否かを判断する。そして、プリンタエンジン制御部107が、カバーの開閉が行われていないと判断した場合、現像剤カートリッジ19は交換されていないと判断して、再度、ステップS9の処理を実行する。一方、プリンタエンジン制御部107が、カバーの開閉が行われたと判断した場合、現像剤カートリッジ19が交換された可能性がある為、これを判断すべく、ステップS12の処理を実行する。
【0105】
ステップS12においてプリンタエンジン制御部107は、無線交信素子21に記憶された識別情報を読み出し、読み出した識別情報と記憶部141に記憶された識別情報とを比較する。
【0106】
そして、ステップS13においてプリンタエンジン制御部107は、両識別情報が等しいか否かを判断する。そして、識別情報が1つでも一致しない場合は、現像剤カートリッジ19が交換されたものとして、ステップS14の処理を実行する。一方、プリンタエンジン制御部107が、両識別情報が等しいと判断した場合は、再度、ステップS9の処理を実行する。
【0107】
ステップS14において、プリンタエンジン制御部107は、補正値α、補正値β、及び補正値γを算出する。例えば、カバー開閉時に、装着されていたロットAが取り外され、ロットBが装着されたことによって、ステップS13で識別情報が一致しないと判断されたとする。ロットBは、新たに装着されたものである為、ロットBの無線交信素子21に記憶された情報としては、識別情報の他に、現像剤カートリッジ19内部の現像剤に対応する係数A、及び係数B、並びに紙上濃度変化量ΔDB1であり、補正値α、補正値β、及び補正値γは、例えば値0として記憶されている。そこで、プリンタエンジン制御部1は、ロットAの無線交信素子21から読み出して記憶部141に記憶したロットAの係数A、及び係数B、並びに紙上濃度変化量ΔDB1、及びロットBから読み出したロットBの係数A、及び係数B、並びに紙上濃度変化量ΔDB1に基づいて補正値α、補正値β、及び補正値γを算出する。具体的には、補正値αは、
α=(ロットBの係数A−ロットAの係数A)×100 (式23)
に基づいて算出され、補正値βは、
β=(ロットBの係数B−ロットAの係数B)×100 (式24)
に基づいて算出され、補正値γは、
γ=(ロットBのΔDB1−ロットAのΔDB1)×10000 (式25)
に基づいて算出される。上記式23乃至式25に因れば、ロットBのシアン色の補正値αは値−6となり、マゼンタ色の補正値αは値−5となり、イエロ色の補正値αは−27となり、ブラック色の補正値αは−55となる。また、ロットBのシアン色の補正値βは値9となり、マゼンタ色の補正値βは値−3となり、イエロ色の補正値βは値−3となり、ブラック色の補正値βは値38となる。また、ロットBのシアン色の補正値γは値−6となり、マゼンタ色の補正値γは値0となり、イエロ色の補正値γは−16となり、ブラック色の補正値γは値0となる。そして、ここで算出された補正値α、補正値β、及び補正値γは、RFID制御部23によって無線交信素子21に記憶される。その後、プリンタエンジン制御部107は、ステップS2からステップS8の処理を、再度実行し、ロットBについての現像バイアス設定値を算出する。
【0108】
以上、画像形成装置1によれば、装着している現像剤カートリッジ19の濃度特性にあわせて現像バイアスを変化させる為、画像形成装置1の経時変化や環境変化による影響に関わらず、高品質な画像を印刷することが可能となる。
【0109】
また、現像バイアスの設定値を現像剤の濃度特性に基づいて補正することによって、現像剤の赤外反射率、転写ベルト41と用紙Pとの転写効率差、及び現像剤の帯電差等の誤差要因を吸収することが可能となる。
【0110】
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明をする。
【0111】
第2の実施の形態に係る画像形成装置は、上述した画像形成装置1と同一の構成を有する箇所がある為、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0112】
第2の実施の形態に係る画像形成装置では、現在装着している現像剤カートリッジ19の無線交信素子21に記憶された補正値を、現像剤カートリッジ19に収容された現像剤の色に対応させてαN_C,αN_M,αN_Y,αN_K、βN_C,βN_M,βN_Y,βN_K、及びγN_C,γN_M,γN_Y,γN_Kとして記憶部141に記憶する。また、画像形成装置は、該現像剤カートリッジ19を交換する直前に装着していた現像剤カートリッジ19の無線交信素子21に記憶された補正値を、αO_C,αO_M,αO_Y,αO_K、βO_C,βO_M,βO_Y,βO_K、及びγO_C,γO_M,γO_Y,γO_Kとして記憶部141に記憶する。
【0113】
この様な画像形成装置では、現像プロセス時には、現像剤を現像剤カートリッジ19から現像装置5へ供給するが、現像剤カートリッジ19内部の現像剤が全て現像装置5へ供給された後でも、現像装置5内部には現像剤が残存する。通常は、現像剤カートリッジ19内部の現像剤が無くなった場合は、ユーザに対して現像剤カートリッジ19の交換を促す。そして、現像剤カートリッジ19が交換された場合は、現像プロセスを継続するが、現像剤カートリッジ19が交換されない場合は、現像装置5が空になることで感光体ドラム7がダメージを受けることを防止すべく、現像装置5の動作は停止する。しかし、この様な場合であっても、前述の様に現像装置5内部には現像剤が残存している為、所定の枚数の印刷は可能である。そして、現像装置5が収容可能な現像剤重量をTC,TM,TY,TKとし、各色の1ドットあたりの現像剤消費量をEC,EM,EY,EKとした場合、各現像装置5C,5M,5Y,5K内部に残存した現像剤で印刷することが可能なドットカウント値DCは、
DC_C=TC/EC (式26)
DC_M=TM/EM (式27)
DC_Y=TY/EY (式28)
DC_K=TK/EK (式29)
となる。そして、これら式26乃至式29に基づいて算出されたドットカウント値DC_C,DC_M,DC_Y,DC_Kは、記憶部141に記憶される。このドットカウント値は、用紙の面積に対して5%から15%の割合の印刷を、濃度補正によりべた濃度1.5に補正した状態で行われた実験の結果により算出される。
【0114】
また画像形成装置1は、使用した現像剤のドットカウント値を色毎に算出し、該算出されたドットカウント値を、UC_C,UC_M,UC_Y,UC_Kとして記憶部141に記憶する。
【0115】
そしてこの場合、画像形成装置による現像プロセス時に使用する補正値αは、
α=αO_C+(αN_C−αO_C)×(UC_C/DC_C) (式30)
α=αO_M+(αN_M−αO_M)×(UC_M/DC_M) (式31)
α=αO_Y+(αN_Y−αO_Y)×(UC_Y/DC_Y) (式32)
α=αO_K+(αN_K−αO_K)×(UC_K/DC_K) (式33)
に基づいて算出され、補正値βは、
β=βO_C+(βN_C−βO_C)×(UC_C/DC_C) (式34)
β=βO_M+(βN_M−βO_M)×(UC_M/DC_M) (式35)
β=βO_Y+(βN_Y−βO_Y)×(UC_Y/DC_Y) (式36)
β=βO_K+(βN_K−βO_K)×(UC_K/DC_K) (式37)
に基づいて算出され、補正値γは、
γ=γO_C+(γN_C−γO_C)×(UC_C/DC_C) (式38)
γ=γO_M+(γN_M−γO_M)×(UC_M/DC_M) (式39)
γ=γO_Y+(γN_Y−γO_Y)×(UC_Y/DC_Y) (式40)
γ=γO_K+(γN_K−γO_K)×(UC_K/DC_K) (式41)
に基づいて算出される。この様な式30乃至式41によって算出される値は、使用カウント値UCとドットカウント値DCとの比を考慮した値となる為、新しい現像剤と古い現像剤との混合比を考慮して現像バイアスを変更することが可能となる。
【0116】
尚、上述の様に、ドットカウント値DCと使用量カウント値UCとは、予め実験により算出し、記憶部141に記憶する構成としているが、現像剤カートリッジ19内部の現像剤の残量を検出する検出手段によって現像装置5内部の古い現像剤と新しい現像剤の割合を演算した結果に基づいて算出するものであっても良い。
【0117】
以下、画像形成装置の動作について説明をする。
【0118】
図12に示す様に、一連の動作が開始するとステップS21においてプリンタエンジン制御部107は、無線交信素子21に記憶された識別情報を読み出し、読み出した識別情報と記憶部141に記憶された識別情報とを比較する。
【0119】
そして、ステップS22においてプリンタエンジン制御部107は、両識別情報が等しいか否かを判断する。そして、識別情報が1つでも一致しない場合は、現像剤カートリッジ19が交換されたものとして、ステップS23の処理を実行する。
【0120】
次に、ステップS23においてプリンタエンジン制御部107は、新しい補正値の値を古い補正値の値に入力する。具体的には、プリンタエンジン制御部107は、各色毎の補正値αO、補正値βO、及び補正値γOに補正値αN、補正値βN、及び補正値γNの値を入力する。
【0121】
次に、ステップS24においてプリンタエンジン制御部107は、補正値を記憶部141に記憶する。具体的には、ここで記憶部141に記憶される補正値は、ステップS23において新たな値が入力された補正値αO、補正値βO、及び補正値γOである。
【0122】
次に、ステップS25においてプリンタエンジン制御部107は、記憶部141に記憶された使用カウント値DCの値を値0にリセットする。そして、値がリセットされた使用カウント値DCは、記憶部141に記憶される。
【0123】
次に、ステップS26においてプリンタエンジン制御部107は、上述した式30乃至式41に基づいて補正値α、補正値β、及び補正値γを算出する。
【0124】
次に、ステップS27においてキャリブレーションを行う。
【0125】
次に、ステップS28においてプリンタエンジン制御部107は、転写ベルト41上にテストパターンを印刷する。
【0126】
次に、ステップS29において濃度センサ45は、テストパターンの現像剤画像の濃度を検出する。
【0127】
次に、ステップS30においてプリンタエンジン制御部107は、記憶部141に記憶されたセンサ検出値SDに基づいて紙上濃度DPを算出する。
【0128】
次に、ステップS31においてプリンタエンジン制御部107は、ステップS5で算出した紙上濃度DPC,DPM,DPY,DPKと、目標濃度値DTとに基づいて修正濃度値ΔDを算出する。
【0129】
次に、ステップS32においてプリンタエンジン制御部107は、ステップS6で算出された修正濃度値ΔDに基づいて現像バイアス補正値DBRを算出する。
【0130】
次に、ステップS33においてプリンタエンジン制御部107は、現像バイアス補正値DBRに基づいて現像バイアスの設定値を変更する。
【0131】
次に、ステップS34においてプリンタエンジン制御部107は、インターフェース部100を介して図示せぬ情報処理装置から新たな濃度補正の指示が送信されたか否かを判断する。そして、プリンタエンジン制御部107が、新たな濃度補正の指示が供給されたと判断した場合は、ステップS26の処理からステップS33の処理によって構成される濃度補正動作を再度行う。
【0132】
次に、ステップS35においてプリンタエンジン制御部107は、インターフェース部100を介して図示せぬ情報処理装置から濃度補正無効コマンドが送信されたか否かを判断する。そしてプリンタエンジン制御部107が、濃度補正無効コマンドが送信されていないと判断した場合は、一連の処理を終了する。一方、プリンタエンジン制御部107が、濃度補正無効コマンドが送信されたと判断した場合は、ステップS36の処理を実行する。
【0133】
ステップS36においてプリンタエンジン制御部107は、現像剤カートリッジ19の交換を検出すべく、カバーの開閉が行われたか否かを判断する。そして、プリンタエンジン制御部107が、カバーの開閉が行われていないと判断した場合、現像剤カートリッジ19は交換されていないと判断して、再度、ステップS34の処理を実行する。一方、プリンタエンジン制御部107が、カバーの開閉が行われたと判断した場合、現像剤カートリッジ19が交換された可能性がある為、これを判断すべく、再度ステップS21の処理を実行する。
【0134】
また、ステップS22において識別情報が等しいと判断された場合、プリンタエンジン制御部107は、電源がオンされた後に濃度補正が実行されたか否かを判断する。そして、ここでプリンタエンジン制御部107が、濃度補正を実行したと判断した場合、ステップS34の処理を実行する。一方、プリンタエンジン制御部107が濃度補正を実行していないと判断した場合、ステップS26の処理を実行する。
【0135】
この様に、第2の実施の形態によれば、特に現像剤カートリッジ19の交換時に生じる古い現像剤と新しい現像剤とが混合した状態においても、これらの現像剤の比を考慮して現像バイアスを変更することができる為、良好な現像剤画像を得ることができる。
【0136】
尚、上述の実施の形態では、現像剤の濃度特性の差に基づいて現像ローラに印加する現像バイアスを変化させる構成としたが、本発明はこの構成に限られるものではなく、用紙P上に印刷される現像剤画像の濃度に影響を与える要素について現像剤の濃度特性の差に基づいて算出される補正値を適用する構成であればどの様な構成であっても良い。
【0137】
また、上述の実施の形態では、補正値α、補正値β、及び補正値γを有効数字3桁で表現しているが、12bitのA/Dコンバータ135の分解能は3.3/4096Vであるので、有効数字3桁としたのは演算処理の高速化を目的として表現した例である。そして、特に演算処理の高速化を目的としないのであれば、有効数字を増やしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態として示す画像形成装置の概略断面図である。
【図2】同画像形成装置が備える濃度センサの概略を示す立面図である。
【図3】同画像形成装置が備える濃度センサの概略を示す立面図である。
【図4】同画像形成装置を示すブロック図である。
【図5】同画像形成装置の回路系統の一部を示す回路図である。
【図6】同画像形成装置によって印刷されるテストパターンの例を示す図である。
【図7】同画像形成装置の一連の動作を示すフロー図である。
【図8】同画像形成装置が備えるシアン色の現像剤カートリッジの現像剤特性を示すグラフである。
【図9】同画像形成装置が備えるマゼンタ色の現像剤カートリッジの現像剤特性を示すグラフである。
【図10】同画像形成装置が備えるイエロ色の現像剤カートリッジの現像剤特性を示すグラフである。
【図11】同画像形成装置が備えるブラック色の現像剤カートリッジの現像剤特性を示すグラフである。
【図12】第2の実施の形態に係る画像形成装置の一連の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0139】
1 画像形成装置
3 LEDヘッド
5Y イエロ現像装置
5C シアン現像装置
5K ブラック現像装置
5M マゼンタ現像装置
5 現像装置
7 感光体ドラム
9 帯電ローラ
11 現像ローラ
13 供給ローラ
15 現像ブレード
19 現像剤カートリッジ
21 無線交信素子
23 RFID制御部
25 搬送装置
27 用紙カセット
29 分離ローラ
31 ホッピングローラ
33,35 レジストローラ
37 駆動ローラ
39 従動ローラ
41 転写ベルト
43 転写ローラ
45 濃度センサ
61 定着ローラ
107 プリンタエンジン制御部
109 高圧制御部
113 現像バイアス制御部
141 記憶部
【出願人】 【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100110434
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 勝


【公開番号】 特開2008−3180(P2008−3180A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170840(P2006−170840)