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現像装置 - 特開2008−3175 | j-tokkyo
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【発明の名称】 現像装置
【発明者】 【氏名】相本 豊賀

【要約】 【課題】現像槽にトナーとキャリアとを補給する方式の現像装置において、現像槽内の現像剤量を高精度でかつ安定的に制御し、トナーの帯電不良、濃度不足などの発生を防止する。

【構成】現像領域槽23と攪拌領域槽24とからなる現像槽12と、仕切り壁部材13と、第1攪拌搬送部材14と、第2攪拌搬送部材15、第1中間壁部材17と、第2中間壁部材18と、センサ19とを含み、開口部26が形成された現像装置10において、攪拌領域槽24の短手方向における第1攪拌搬送部材14と第2中間壁部材18との間に、攪拌領域槽24の長手方向に延びる第3攪拌搬送部材16を設け、矢符33a方向の現像剤の流れを発生させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式の画像形成装置に設けられて画像形成装置に備わる感光体に現像剤を供給して感光体に形成される静電潜像を現像する現像装置において、
感光体を臨んで回転自在に設けられて現像剤を担持する現像剤担持体と、
現像剤を収容し現像剤担持体の軸線方向の長さを超える長さを有しかつトナーとキャリアとの混合物を補給される現像槽であって、現像剤を攪拌搬送して現像剤担持体に現像剤を供給する現像領域槽と、現像領域槽に連接するとともに現像剤担持体の長さを超える位置に設けられ、補給されるトナーとキャリアとの混合物を現像剤と攪拌搬送して現像領域槽へ供給するとともに、現像剤担持体に供給された現像剤の残部の一部が回収される攪拌領域槽とを有する現像槽と、
攪拌領域槽から現像領域槽にわたって設けられ、現像剤担持体へ向う方向に現像剤を攪拌搬送する第1攪拌搬送部材と、
現像領域槽から攪拌領域槽にわたって設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給するとともに現像剤担持体から遠ざかる方向に現像剤を攪拌搬送する第2攪拌搬送部材と、
攪拌領域槽において、第1攪拌搬送部材と第2攪拌搬送部材との間に設けられ、現像剤担持体から遠ざかる方向に現像剤を攪拌搬送する第3攪拌搬送部材と、
現像槽内から一定量の現像剤を排出する為の開口部を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
現像槽は、
現像領域槽と攪拌領域槽とを仕切るように設けられ、第1攪拌搬送部材および第2攪拌搬送部材を挿通させるように形成される仕切り壁部材を含むことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
開口部は、
第2攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも下流側でかつ第2攪拌搬送部材を臨む現像槽壁に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
【請求項4】
開口部は、
第2攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも下流側でかつ第2攪拌搬送部材を臨む現像領域槽の現像槽壁に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項5】
現像槽は、
第1攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも上流側でかつ第1攪拌搬送部材を臨む現像槽壁に設けられて現像剤量を検出するセンサを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項6】
センサが透磁率センサまたは圧電センサであることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
現像槽は、
攪拌領域槽における第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材の上方の現像槽壁に形成され、トナーとキャリアとの混合物の補給を受ける現像剤補給口をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項8】
現像剤補給口に連通するように設けられ、その内部空間にトナーとキャリアとの混合物を収容し、現像剤補給口を介して攪拌領域槽にトナーとキャリアとの混合物を補給するトナーホッパをさらに含むことを特徴とする請求項7記載の現像装置。
【請求項9】
第1攪拌搬送部材、第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材は、同じ現像剤搬送能力を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項10】
第1攪拌搬送部材、第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材は、それぞれ異なる現像剤搬送能力を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の現像装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、たとえば、感光体表面の静電潜像に現像装置から2成分現像剤(以後単に「現像剤」と称す)に含まれるトナーを供給してトナー像を形成し、さらにこのトナー像を記録媒体に転写して定着させることによって画像が形成される。現像装置から静電潜像へのトナーの供給は、トナー収容用容器である現像槽から現像剤担持体を介して行われる。電子写真方式の画像形成装置は、簡易な操作で高画質画像を形成でき、保守管理も容易であることから、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに多用され、広く普及している。それに伴い、電子写真方式の画像形成装置にはさらなる性能の向上が求められる。その中でも、画像形成速度を高め、単位時間当たりに形成される画像枚数を増加させることは特に重要である。画像形成速度の高速化には種々の課題があり、たとえば、現像剤に含まれるキァリアの長寿命化が挙げられる。現像剤はトナーとキャリアとを含む。キャリアは現像装置内で攪拌を受けてトナーと摺擦してトナーを帯電させる機能を有する。トナーを適正に帯電させることによって高画質画像を形成できる。そして、トナーは消費状況に応じて順次補給されるけれども、キャリアは耐用寿命が尽きるまで同じものが使用されるのが一般的である。高速での画像形成ではトナーの消費量が多くなるので、キャリアは常にトナーとの摺擦に晒され、キァリアに掛かる物理的、機械的な応力は非常に大きい。その結果、キャリアの劣化が進み、トナーに均一な電荷量を付与できず、トナーの帯電不良が発生し、形成される画像の画像濃度が不安定になる。また、短期間でキャリアの耐用寿命が尽き、キャリアを交換する保守管理の頻度が増大するという問題が生じる。
【0003】
このような問題を解決するため、たとえば、現像装置の寸法を大きくし、キャリアの収容量を増加させる手法が採られることがある。これは、現像装置により多くのキャリアを収容することによって、高速画像形成時にキャリアが攪拌によるストレスに晒される頻度を少なくし、キャリアの使用期間の延長を図ろうとするものである。しかしながら、画像形成装置の構造上の制約から、高速画像形成に対応できる程度に現像装置の寸法を拡大できない場合が多い。また、現像槽の改良も試みられている。現像装置の長手方向において、ほぼ同じ長さに揃えられた現像槽と現像剤担持体とが平行に配置されるのが一般的である。改良技術においては、現像槽の一方の端部を延長し、現像槽の現像剤担持体に臨む部分を現像領域とし、延長部分を攪拌領域とし、現像領域と攪拌領域とを仕切り壁部材によって仕切る構成が採られる。現像槽の内部空間には、現像槽の長手方向に攪拌搬送部材であるスクリュー部材が仕切り壁部材を貫通して平行に2個設けられ、攪拌領域の現像槽壁に形成されるトナー補給口から攪拌領域内にトナーが補給される。この現像槽では、スクリュー部材の回転駆動によって、攪拌領域内において現像剤は新たに補給されるトナーが混合された後、攪拌領域から現像領域に向けて現像槽の長手方向に搬送される。そして、現像剤は現像領域において現像剤担持体に接触した後、現像領域から搬送領域に向けて現像槽の長手方向に搬送される。すなわち、トナーとキャリアとが均一に混合した現像剤が現像槽の長手方向に往復する搬送経路が形成される。現像剤を現像槽の長手方向に搬送することによって、高速画像形成のようにトナー消費量が多い場合でも、トナーが比較的長い距離にわたってキャリアとの摺擦を受けるので、トナーに充分な電荷が付与される。キャリアに掛かる物理的応力、機械的応力なども軽減できるので、キャリアの交換時期も延長できる。しかしながら、このような構成の現像槽においても、現像槽の長手方向でトナー濃度が不均一になり易く、形成される画像の画像濃度が低下するおそれがある。
【0004】
また、キャリアの劣化によるトナーの帯電不良を防止するために、トリクル方式の現像槽が提案されている。トリクル方式では、現像槽にトナーとともにキャリアをも補給し、余剰の現像剤を現像槽から排出する。これによって、劣化したキャリアが徐々に新しいキャリアに交換されるので、高速画像形成のような大きな応力が掛かる操作を実行しても、トナーの帯電不良が起こる可能性は低い。しかしながら、従来のトリクル方式では、現像剤の定量的かつ安定的な現像槽外への排出が困難であることから、現像槽内の現像剤量が変化することによって、トナーの帯電不良、トナー量の一時的な不足などが起こるおそれがある。
【0005】
一方、現像槽の長手方向に3つのスクリュー部材を平行に設ける現像装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1の現像装置では、2つのスクリュー部材を現像剤搬送方向が同じ方向になるように現像ローラ近傍に設け、さらにその鉛直方向下方にもう1つのスクリュー部材を設ける。この現像装置は現像槽内に仕切り壁部材が設けられない。単に3つのスクリュー部材を設けるだけの構成では、画像形成速度を高速に設定した場合に、現像槽に供給されるトナーと現像槽内の現像剤とを均一に混合するのが困難になり、トナー濃度の不足、トナーの帯電不良などが発生し易い。また、特許文献1には、3つのスクリュー部材をほぼ水平方向に配列する構成は記載されない。また、特許文献1には、現像槽を長手方向に現像領域と攪拌領域とに分割し、攪拌領域のみに3つのスクリュー部材をほぼ水平に配列する構成は記載されない。また、特許文献1には、3つのスクリュー部材を設ける構成をトリクル方式に適用することについて記載されない。
【0006】
【特許文献1】特開平11−133710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、現像剤を貯留する現像槽を備える現像装置において、現像槽内の現像剤量を高精度でかつ安定的に制御し、トナーの帯電不良、濃度不足などか非常に起こりにくい現像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
電子写真方式の画像形成装置に設けられて画像形成装置に備わる感光体に現像剤を供給して感光体に形成される静電潜像を現像する現像装置において、
感光体を臨んで回転自在に設けられて現像剤を担持する現像剤担持体と、
現像剤を収容し現像剤担持体の軸線方向の長さを超える長さを有しかつトナーとキャリアとの混合物を補給される現像槽であって、現像剤を攪拌搬送して現像剤担持体に現像剤を供給する現像領域槽と、現像領域槽に連接するとともに現像剤担持体の長さを超える位置に設けられ、補給されるトナーとキャリアとの混合物を現像剤と攪拌搬送して現像領域槽へ供給するとともに、現像剤担持体に供給された現像剤の残部の一部が回収される攪拌領域槽とを有する現像槽と、
攪拌領域槽から現像領域槽にわたって設けられ、現像剤担持体へ向う方向に現像剤を攪拌搬送する第1攪拌搬送部材と、
現像領域槽から攪拌領域槽にわたって設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給するとともに現像剤担持体から遠ざかる方向に現像剤を攪拌搬送する第2攪拌搬送部材と、
攪拌領域槽において、第1攪拌搬送部材と第2攪拌搬送部材との間に設けられ、現像剤担持体から遠ざかる方向に現像剤を攪拌搬送する第3攪拌搬送部材と、
現像槽内から一定量の現像剤を排出する為の開口部を有することを特徴とする現像装置である。
【0009】
また本発明の現像装置は、
現像槽が、
現像領域槽と攪拌領域槽とを仕切るように設けられ、第1攪拌搬送部材および第2攪拌搬送部材を挿通させるように形成される仕切り壁部材を含むことを特徴とする。
【0010】
さらに本発明の現像装置は、
開口部が、
第2攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも下流側でかつ第2攪拌搬送部材を臨む現像槽壁に形成されることを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の現像装置は、
開口部が、
第2攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも下流側でかつ第2攪拌搬送部材を臨む現像領域槽の現像槽壁に形成されることを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の現像装置は、
現像槽が、
第1攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも上流側でかつ第1攪拌搬送部材を臨む現像槽壁に設けられて現像剤量を検出するセンサを含むことを特徴とする。
【0013】
さらに本発明の現像装置は、センサが透磁率センサまたは圧電センサであることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明の現像装置は、
現像槽が、
攪拌領域槽における第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材の上方の現像槽壁に形成され、トナーとキャリアとの混合物の補給を受ける現像剤補給口をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
さらに本発明の現像装置は、
現像剤補給口に連通するように設けられ、その内部空間にトナーとキャリアとの混合物を収容し、現像剤補給口を介して攪拌領域槽にトナーとキャリアとの混合物を補給するトナーホッパをさらに含むことを特徴とする。
【0016】
さらに本発明の現像装置は、第1攪拌搬送部材、第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材が、同じ現像剤搬送能力を有することを特徴とする。
【0017】
さらに本発明の現像装置は、第1攪拌搬送部材、第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材が、それぞれ異なる現像剤搬送能力を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、感光体上の静電潜像にトナーを供給する現像剤担持体と、現像剤を収容し現像剤担持体の軸線方向の長さを超える長さを有し、現像領域槽と現像領域槽に連接するように設けられる攪拌領域槽とを含む現像槽と、現像剤を現像剤担持体へ向う方向に攪拌搬送する第1攪拌搬送部材と、現像剤担持体に現像剤を供給するとともに現像剤担持体から遠ざかる方向に現像剤を攪拌搬送する第2攪拌搬送部材と、攪拌領域槽において第1攪拌搬送部材と第2攪拌搬送部材の間に設けられ、現像剤を現像剤担持体から遠ざかる方向に攪拌搬送する第3攪拌搬送部材と、現像槽内から一定量の現像剤を排出するための開口部とを含む現像装置が提供される。本発明の現像装置によれば、現像領域槽と攪拌領域槽とを含む現像槽において、現像領域槽と攪拌領域槽とにわたる第1攪拌搬送部材と第2攪拌搬送部材とを設け、さらに、攪拌領域槽において第1攪拌搬送部材と第2攪拌搬送部材との間に第3攪拌搬送部材を設けると、現像槽内部を現像槽の長手方向に循環する現像剤の流れと、攪拌領域槽を現像槽の長手方向に循環する現像剤の流れとが発生する。これによって、現像槽内部において現像剤が一定方向に円滑に流過し、劣化したキャリアを含む現像剤を定量的および安定的に現像槽外部に排出することが可能になる。すなわち、現像槽内には新たなトナーだけでなくキャリアとの混合物が補給されるにもかかわらず、常に一定量の現像剤が収容され、トナーの帯電不良、トナー濃度の不足などが起こり難い。したがって、電子写真方式の画像形成装置において、本発明の現像装置を利用すれば、高画質画像を安定的に形成できる。
【0019】
本発明によれば、現像槽内部において、現像領域槽と攪拌領域槽とを仕切り、第1攪拌搬送部材および第2攪拌搬送部材を挿通させる貫通孔が形成された仕切り壁部材を設けることによって、現像槽内部での現像剤の流れが一層安定し、現像剤が効率良く攪拌され、トナーを均一に帯電させることができる。
【0020】
本発明によれば、第2攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも下流側であってかつ第2攪拌搬送部材を臨む現像槽壁(さらに好ましくは第2攪拌搬送部材を臨む現像領域層の現像槽壁)に開口部を設けることによって、現像剤担持体への新しい現像剤の供給により現像剤担持体表面から取り除かれ、トナー濃度が低くかつ比較的劣化の進んだキャリアを多く含む現像剤をほぼ選択的に現像槽外部に排出できるので、キャリアを効率良く交換できる。
【0021】
本発明によれば、第1攪拌搬送部材による現像剤の攪拌搬送方向において、現像剤担持体よりも上流側であってかつ第1攪拌搬送部材を臨む現像槽壁に、現像剤量を検出するセンサを設けることによって、現像剤担持体に現像剤を供給する前の段階で現像剤中のトナー濃度を検出できるので、たとえば、第1攪拌搬送部材の回転速度を上げることなどによって、トナー濃度を補正できる。したがって、現像剤担持体に適正なトナー濃度の現像剤を安定的に供給できる。
【0022】
本発明によれば、前述のセンサとしては、現像剤中のトナー濃度を精確に検出できる透磁式センサまたは圧電式センサを用いるのが好ましい。
【0023】
本発明によれば、攪拌領域槽における第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材の上方の現像槽壁に現像剤補給口を形成し、該現像剤補給口からトナーとキャリアとの混合物を新たに供給することによって、新たに供給された混合物が比較的短時間の間に攪拌領域槽内の現像剤と均一に混合された後に、現像領域槽内に搬送されるので、トナーの帯電不良、トナー濃度不足などが一層発生し難くなる。
【0024】
本発明によれば、内部空間にトナーとキャリアとの混合物を収容するトナーホッパを前述の現像剤補給口に連通するように設けることが可能になる。トナーホッパからは比較的大きな塊状の混合物が攪拌領域槽内に供給されることが多い。そのような場合でも、第2攪拌搬送部材と第3攪拌搬送部材との協働および攪拌領域槽内における現像剤の流れによって、塊状の混合物が比較的短い時間で攪拌領域槽内の現像剤と均一に混合される。
【0025】
本発明によれば、第1攪拌搬送部材、第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材の現像剤搬送能力を同じに設定することによって、各攪拌部材の攪拌羽根、軸、軸受けなどの部品を共通化して製造コストの低減化を図り得る。
【0026】
本発明によれば、第1攪拌搬送部材、第2攪拌搬送部材および第3攪拌搬送部材の現像剤搬送能力がそれぞれ異なるように設定することによって、現像槽内に収容する現像剤の種類を変更し、流動性の異なる現像剤を用いても、現像槽において現像剤の流動性に応じて最適化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は本発明の実施の第1形態である現像装置10の構成を簡略化して示す図である。図1(a)は現像装置10における現像槽12の内部構造を示す上面図である。図1(b)は現像装置10における攪拌領域槽24の内部構造を示す攪拌領域槽24側の端部から見た断面図である。なお、図1(a)においては現像槽12の内部構造を明確に示すために、現像槽12の鉛直方向上部に存在する現像槽壁の図示を省略する。図2は、図1に示す現像装置10の要部の構成を拡大して示す上面図である。図3は、現像装置10が搭載される画像形成装置1の要部の構成を簡略化して示す断面図である。現像装置10は、電子写真方式の画像形成装置1において、その構成部材の1つである現像剤担持体11が感光体ドラム2を臨み、その軸線が感光体ドラム2の回転軸線と平行になるように設けられる。
【0028】
すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム2と、帯電手段3と、露光手段4と、現像装置10と、転写手段5と、クリーニング手段6とを含む。感光体ドラム2は回転自在に支持されるローラ状部材であり、表面に静電潜像を形成するための図示しない感光層を有する。帯電手段3は、感光体ドラム2表面の感光層を所定の電位および極性に帯電させる。本実施の形態では帯電ローラが用いられるけれども、それに限定されず、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、スコロトロンなどのコロナ帯電器などを使用できる。露光手段4は、帯電状態にある感光体ドラム11の感光層に、画像情報に応じた信号光を照射して感光層上に静電潜像を形成する。露光手段4には、たとえば、半導体レーザなどを使用できる。現像装置10は、感光体ドラム2の感光層上の静電潜像にたとえば電位差を利用してトナーを供給し、静電潜像を現像してトナー像を形成する。転写手段5は感光体ドラム2上のトナー像を図示しない記録媒体または中間転写媒体に転写する。本実施の形態では、感光体ドラム2に圧接しかつ回転自在に支持される転写ローラが用いられる。クリーニング手段6は、転写手段5による転写後に感光体ドラム2表面に残留するトナーを除去する。本実施の形態では、クリーニング手段6には、クリーニングブレードとトナー貯留容器とを含むクリーニング装置が用いられる。クリーニングブレードは感光体ドラム2表面に圧接するように設けられ、感光体ドラム2表面のトナーを除去する。トナー貯留容器はクリーニングブレードによって除去されるトナーを一時的に貯留する。
【0029】
つぎに、現像装置10を構成する各部材について説明する。現像装置10は、現像剤担持体11と、現像槽12と、仕切り壁部材13と、第1攪拌搬送部材14と、第2攪拌搬送部材15と、第3攪拌搬送部材16と、第1中間壁部材17と、第2中間壁部材18と、センサ19とを含む。
【0030】
現像剤担持体11は、現像装置10の装置本体に支持されて、図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。現像剤担持体11はその表面に現像剤を担持する。本実施の形態では、現像剤担持体11は磁石部材21と現像スリーブ22とを含むマグネットローラである。磁石部材21は、たとえば永久磁石片からなり、円周方向にN極とS極とが略交互に配されて、全体では円柱形状を成す。現像スリーブ22は、合成樹脂などの非磁性材料からなる円筒状部材であり、磁石部材21を内包して磁石部材21の外周に回転自在に設けられる。現像剤担持体11に担持される現像剤は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤である。キャリアには、鉄粉、フェライトなどの磁性材料が用いられる。2成分現像剤は、現像剤担持体11上および現像槽12内において、キャリア表面にトナーが付着した状態で存在する。2成分現像剤は磁石部材21の磁力によって現像剤担持体11すなわち現像スリーブ22の表面に吸着し、2成分現像剤が穂状に連なった磁気ブラシが形成される。このように、2成分現像剤は、磁気ブラシの形で現像ローラ11に担持される。磁気ブラシを形成する2成分現像剤中の電荷を有するトナーが、現像ローラ11と感光体2との電位差によって、現像ローラ11から感光体2に供給されて静電潜像を現像し、トナー像が形成される。以後、特に断らない限り、2成分現像剤を単に「現像剤」と称す。
【0031】
現像槽12は、その長手方向の長さが現像剤担持体11の軸線方向の長さL1よりも長くなるように形成される略直方体形状の外観を有する容器状部材である。現像槽12は現像領域槽23と攪拌領域槽24と仕切り壁部材13とを含む。
【0032】
現像領域槽23は現像剤担持体11の全長にわたって現像剤担持体11を臨み、その長手方向の長さが現像剤担持体11の軸線方向の長さL1よりも長くなるように設けられ、現像剤担持体11に現像剤を供給する。なお、現像領域槽23の長手方向の長さは、現像槽12の長手方向の長さよりも短い。現像領域槽23には、開口部26が形成される。開口部26は、後述する第2攪拌搬送部材14による現像剤の攪拌搬送方向(矢符37の方向)において、現像剤担持体11よりも下流側でかつ第2攪拌搬送部材14を臨む現像槽壁12aに形成される。現像剤担持体11から解放される現像剤は、感光体ドラム2上の静電潜像にトナーを供給した直後なので、トナー濃度が低く、キャリア濃度が高い。また、このキャリアは、現像剤担持体11表面に近接して設けられる図示しない規制ブレード(現像剤穂立ち規制部材)によって外的な応力を掛けられてストレスを受けるため、新しいキャリアに比べて劣化が進んでいる。劣化とは、キャリア表面の被覆層の剥離、キャリア表面へのトナーの固着(スペント)などが生起した状態である。このようなキャリアはトナーに正常な電荷を付与できないので、画像の画質低下を招く。現像剤担持体11表面から解放され、劣化したキャリアを高濃度で含む現像剤は、第2攪拌搬送部材14によって矢符37の方向に搬送される。したがって、矢符37の方向において、現像剤担持体11の下流側近傍に開口部26を形成することによって、劣化が進んだキャリアをほぼ選択的に現像槽12の外部に排出できる。図4は、現像槽内位置とトナー帯電量との関係を示すグラフである。現像槽内位置において、「0」は開口部26の位置であり、「100」はトナーとキャリアとの混合物41が新たに補給される位置(攪拌領域槽24の現像剤補給口)である。図4によれば、「100」の位置ではキャリアはトナーに23μC/gの帯電量を付与できるのに対し、「0」の位置ではトナーに付与できる帯電量は10μC/gまで低下し、キャリアの劣化が進んでいることが判る。このことからも、開口部26を矢符37の方向における現像剤担持体11の下流側近傍に形成するのが好ましいことが判る。開口部26から溢れ出る余剰の現像剤は、現像槽12の外部に設けられて開口部26に連通する図示しない排出経路を通って回収容器42に貯留されて回収される。
【0033】
攪拌領域槽24は現像領域槽23に連接し、現像槽12の現像剤担持体11を臨まない部分に設けられる。攪拌領域槽24は、外部から補給されるトナーとキャリアとの混合物41を現像剤と攪拌搬送して現像領域槽23へ供給するとともに、現像領域槽23から現像剤を回収する。攪拌領域槽24には、図示しない現像剤補給口が設けられる。現像剤補給口は、攪拌領域槽24の鉛直方向上部の現像槽壁12aに形成されるのが好ましい。その形成位置は、好ましくは、後述する第2攪拌搬送部材15および第3攪拌搬送部材16の鉛直方向上方の現像槽壁12aである。さらに好ましくは、後述する第2攪拌搬送部材15および第3攪拌搬送部材16の鉛直方向上方の現像槽壁12aであって、仕切り壁部材13寄りの位置である。この位置に現像剤補給口を形成することによって、トナーとキャリアとの混合物41が攪拌領域槽24に補給されてから、現像剤担持体11に供給されるまでの間に、攪拌時間を充分に確保することができる。したがって、補給されるトナーとキャリアとの混合物41が現像槽12内に元々存在する現像剤と充分に攪拌されるので、均一な現像剤を現像担持体11に供給できる。
【0034】
攪拌領域槽24の鉛直方向上方には、図示しないトナーホッパが設けられる。トナーホッパは、内部空間を有する容器状部材であり、その内部空間にトナーとキャリアとの混合物41を収容する。トナーホッパは、たとえば、合成樹脂などによって形成される。トナーホッパには図示しない現像剤供給口が形成され、その内部空間には現像剤供給ローラ40が設けられる。現像剤供給口はトナーホッパの鉛直方向下部に形成される。現像剤供給口と攪拌領域槽24の現像剤補給口とが連通するようにトナーホッパが設けられる。現像剤供給ローラ40は、トナーホッパによって回転自在に支持され、トナーホッパ内部の現像剤供給口近傍に設けられ、かつ図示しない駆動手段によってその外周が現像剤供給口に摺接しながら回転可能に設けられるローラ状部材である。現像剤供給ローラ40には、たとえば、芯金と、芯金の表面に形成される発泡ウレタンなどの多孔性弾性材料からなる弾性層とを含むローラ状部材が用いられる。現像剤供給ローラ40が回転駆動すると、トナーホッパ内部のトナーとキャリアとの混合物41が現像剤供給口を落下して現像剤補給口から攪拌領域槽24内に補給される。トナーとキャリアとの混合物41の補給は、たとえば、現像領域槽23における現像剤中のトナー濃度に基づくCPUの制御部からの制御信号に応じて、現像剤供給ローラ40を回転駆動させることによって行われる。現像剤供給ローラ40が現像剤供給口と摺擦すると、現像剤供給ローラ40からトナーとキャリアとの混合物41が脱落して落下し、現像剤補給口を介して攪拌領域槽24内に補給される。この制御については後に詳述する。
【0035】
仕切り壁部材13は、現像槽12の短手方向において、現像槽12の鉛直方向下部の現像槽壁12aから鉛直方向上部の現像槽壁12aに向けて延び、かつ鉛直方向上部の現像槽壁12a内壁面に接するように設けられ、現像領域槽23と攪拌領域槽24とを仕切る板状部材である。仕切り壁部材13は、現像領域槽23と攪拌領域槽24とがそれぞれ独立空間になるように仕切るのではなく、後述する第1攪拌搬送部材14および第2攪拌搬送部材15を現像槽12の長手方向に挿通させる。また、現像槽12の短手方向において、仕切り壁部材13の両端と現像槽壁12aとの間には空隙部である第1空隙27と第2空隙28とが形成され、現像領域槽23と攪拌領域槽24とを連通させる。したがって、仕切り壁部材13が設けられても、攪拌領域槽24から現像領域槽23または現像領域槽23から攪拌領域槽24への現像剤の攪拌搬送が可能である。仕切り壁部材13を設けることによって、現像槽12内部での現像剤の流れが一層安定し、現像剤が効率良く攪拌され、トナーを均一に帯電させ得る。特に、攪拌領域槽24において、新たに供給されるトナーとキャリアとの混合物41と該槽内の現像剤とを均一に混合でき、画像形成速度の高速化への対応が容易になる。
【0036】
第1攪拌搬送部材14は、現像槽12によって回転可能に支持され、現像槽12の長手方向において、攪拌領域槽24から現像領域槽23にわたってその軸線が現像剤担持体11の軸線に対して平行になるように設けられ、図示しない駆動手段によって回転駆動するスクリュー状部材である。第1攪拌搬送部材14は、その回転駆動によって、現像剤を、現像剤担持体11の長さL1を超える延長方向であって、現像槽12の長手方向における攪拌領域槽24側の一端部29付近から現像槽壁12aの長手方向内壁面に沿って第1空隙27に向う矢符31の方向に搬送する。第1空隙27に向かって搬送される現像剤は、一部が第1空隙27を通り抜けて現像領域槽23に搬送され、他の一部が仕切り壁部材13に当たって仕切り壁部材13の攪拌領域槽24側の壁面に沿って矢符32の方向に搬送される。第1空隙27を通り抜ける現像剤はさらに現像槽壁12aの長手方向内壁面に沿って矢符35の方向に攪拌搬送され、現像槽12の長手方向における現像領域槽23側の端部30付近の現像槽壁12a内壁面30aに当り、現像槽壁12aの内壁面30aに沿って矢符36の方向に搬送される。また、矢符32の方向に搬送される現像剤は、第2空隙28の攪拌領域槽24側近傍において、後述する矢符33a方向への現像剤の流れに合流する。
【0037】
第2攪拌搬送部材15は、現像槽12によって回転可能に支持され、図示しない駆動手段によって回転駆動するスクリュー状部材である。第2攪拌搬送部材15は、現像槽12の長手方向における現像剤担持体11と第1攪拌搬送部材14との間において、攪拌領域槽24から現像領域槽23にわたってその軸線が現像剤担持体11および第1攪拌搬送部材14の軸線に対して平行になるように設けられる。第2攪拌搬送部材15は、その回転駆動によって、矢符36の方向から搬送されて来る現像剤を、現像剤担持体11の周面に沿って現像剤担持体11の長手方向から仕切り壁部材13に向う方向すなわち矢符37の方向に搬送する。矢符37の方向に搬送される現像剤は、一部が第2空隙28を通り抜けて攪拌領域槽24内に搬送され、他の一部が仕切り壁部材13に当たって方向変換し、仕切り壁部材13の現像領域槽23側の壁面に沿って矢符38の方向に搬送される。矢符38の方向に搬送される現像剤は、第1空隙27の現像領域槽23近傍において矢符35方向の現像剤の流れに合流する。一方、第2空隙28を通り抜ける現像剤は、そのまま現像槽12の長手方向の内壁面に沿って矢符33の方向に搬送され、端部29側の内壁面29aに当たって方向変換され、端部29側の内壁面29aに沿って矢符34の方向に搬送され、矢符31方向の現像剤の流れに合流する。
【0038】
第3攪拌搬送部材16は、現像槽12(さらに詳しくは現像槽12の端部29側の現像槽壁と該現像槽壁に平行に設けられる仕切り壁部材13)によって回転可能に支持され、図示しない駆動手段によって回転駆動するスクリュー状部材である。第3攪拌搬送部材16は、攪拌領域槽24の長手方向における第1攪拌搬送部材14と第2攪拌搬送部材15との間において、その軸線が第1攪拌搬送部材14の軸線および第2攪拌搬送部材15に対して平行になるように設けられる。第3攪拌搬送部材16は、現像剤を第2攪拌搬送部材15と同じ方向に搬送するように設けられる。第3攪拌搬送部材16は、主に、第3攪拌搬送部材16と第2攪拌搬送部材15との間に存在する現像剤を矢符33aの方向に攪拌搬送する。矢符33aの方向に搬送される現像剤は端部29側の現像槽壁12a内壁面29aに当り、矢符34方向の現像剤の流れに合流する。第3攪拌搬送部材16と第2攪拌搬送部材15との間には、その鉛直方向上方の現像槽壁12aに形成される前述の現像剤補給口からトナーとキャリアとの混合物41が補給される。この混合物は、両攪拌部材の回転によって、攪拌領域槽24内部に元々存在する現像剤と1次混合されつつ矢符33aの方向に搬送され、次に2次混合されつつ矢符34の方向に搬送され、さらに3次混合されつつ矢符31の方向に搬送される。第3攪拌搬送部材16を設けることによって、トナーとキャリアとの混合物41が高速画像形成に合わせて現像槽12内に多量にかつ連続的に補給されても、数次の混合を受けて現像槽12内の現像剤と均一に混合され、現像剤におけるトナー濃度がほぼ一定に保持される。したがって、第3攪拌搬送部材16を設けることによって、画像形成速度の高速化が一層容易になる。
【0039】
第1攪拌搬送部材14、第2攪拌搬送部材15および第3攪拌搬送部材16において、その形状、回転数などを、たとえば画像形成装置1に設定される画像形成速度に応じて適宜選択することが重要である。図5は、攪拌搬送部材がスクリュー部材である場合の、スクリュー部材による現像剤の攪拌搬送速度(m/min)と搬送量(g/min)との関係を示すグラフである。スクリュー部材によれば、現像剤の攪拌搬送速度と搬送量とがほぼ正比例の関係にある。図5のグラフにおいて、P25はスクリュー部材におけるスクリューのピッチが25mmであることを示す。P20はスクリュー部材におけるスクリューのピッチが20mmであることを示す。P15はスクリュー部材におけるスクリューのピッチが15mmであることを示す。図5から、スクリュー部材のピッチによって現像剤の搬送量が異なることが判る。図5ではピッチのみを示したけれども、羽の傾斜、軸の太さ、羽の外径によっても現像剤の搬送量は変化する。さらには現像剤の種類、流動性によっても現像剤の搬送量は変化する。なお、第1攪拌搬送部材14、第2攪拌搬送部材15および第3攪拌搬送部材16は、現像剤搬送能力が同じまたは同レベルに設定してもよく、または搬送能力がそれぞれ異なるように設定してもよい。現像剤搬送能力が同じまたは同レベルに設定すれば、スクリュー部材の攪拌羽根、軸、軸受けなどの部品を共通化してコストダウンを図り得る。また、搬送能力がそれぞれ異なるように設定すれば、現像剤を流動性の異なるものに変更にも対応できる。
【0040】
第1中間壁部材17は、現像領域槽23の長手方向において、第1攪拌搬送部材14と第2攪拌搬送部材15との間に、両攪拌搬送部材に対して平行に設けられる板状部材である。詳しくは、第1中間壁部材17は、現像領域槽23の長手方向に延び、かつ第1攪拌搬送部材14と第2攪拌搬送部材15との間における現像領域槽23の鉛直方向底部の現像槽壁12a内壁面から鉛直方向上方に向けて立ち上がるように設けられる板状部材である。第1中間壁部材17は、その長手方向の長さが現像領域槽23の長手方向の長さよりも短くなるように設けられる。したがって、第1中間壁部材17の現像領域槽23の長手方向両端部は、一端が仕切り壁部材13の現像領域槽23側の壁面に対して空隙を有して離隔し、かつ他端が端部30側の現像槽壁12aの内壁面30aに対して空隙を有して離隔するように形成される。第1中間壁部材17の現像領域槽23の長手方向一端と仕切り壁部材13との間の空隙には、現像剤の矢符38方向への流れが発生する。また、第1中間壁部材17の現像領域槽23の長手方向他端と現像槽壁12aの内壁面30aとの間の空隙には、現像剤の矢符36方向の流れが発生する。このようにして、現像領域槽23内では、第1攪拌搬送部材14および第2攪拌搬送部材15と、仕切り壁部材13と、第1中間壁部材17とによって、矢符35,36,37,38方向への現像剤の循環流が形成される。本実施の形態では、第1中間壁部材17には、合成樹脂からなる板状部材が使用される。合成樹脂は、各種添加剤を含むことができる。該添加剤としては、たとえば、板状部材の機械的強度を向上させる一般的な無機充填剤などである。
【0041】
第2中間壁部材18は、攪拌領域槽24の長手方向において、第1攪拌搬送部材14と第3攪拌搬送部材16との間に、両攪拌搬送部材に対して平行に設けられる板状部材である。詳しくは、第2中間壁部材18は、攪拌領域槽24の長手方向に延び、かつ第1攪拌搬送部材14と第3攪拌搬送部材16との間における攪拌領域槽24の鉛直方向底部の現像槽壁12a内壁面から鉛直方向上方に向けて立ち上がるように設けられる板状部材である。第2中間壁部材18には、第1中間壁部材17と同様の材料からなる板状部材を使用できる。したがって、第2中間壁部材18の攪拌領域槽24の長手方向両端部は、一端が仕切り壁部材13の攪拌領域槽24側の壁面に対して空隙を有して離隔し、かつ他端が端部29側の現像槽壁12aの内壁面29aに対して空隙を有して離隔するように形成される。第2中間壁部材18の攪拌領域槽24の長手方向一端と仕切り壁部材13との間の空隙には、現像剤の矢符32方向への流れが発生する。また、第2中間壁部材18の攪拌領域槽24の長手方向他端と現像槽壁12aの内壁面29aとの間の空隙には、現像剤の矢符34方向の流れが発生する。このようにして、攪拌領域槽24内では、第1攪拌搬送部材14、第2攪拌搬送部材15および第3攪拌搬送部材16と、仕切り壁部材13と、第2中間壁部材18とによって、矢符31,32,33a,34方向への現像剤の循環流が形成される。矢符32方向の流れは、その大部分が矢符33a方向の流れに合流する。したがって、矢符33方向の流れとの合流位置では、矢符33方向の流れを乱すことがない。これに対し、たとえば、第3攪拌搬送部材16を設けることなく、かつ第2中間壁部材18を攪拌領域槽24の短手方向において第1攪拌搬送部材14と第2攪拌搬送部材15との中間位置に設ける構成では、矢符33方向の流れが乱れる場合がある。すなわち、前述の構成では矢符33a方向の流れが発生しないため、矢符32方向の流れは直接矢符33方向の流れに開口部26の近傍で合流し、矢符33方向の流れをその逆流方向に押し戻す流れを発生させる。この押し戻す流れは、開口部26から適正量の現像剤が排出されるのを阻害するように作用する。したがって、開口部26から排出される現像剤量が減少し、現像槽12内の全現像剤量が増加し、攪拌が不充分になってトナーに適正量の電荷が付与されないおそれが生じる。また、矢符32方向の流れが弱くなるため、攪拌領域槽24内での現像剤の攪拌搬送も不充分になるおそれがある。第2中間壁部材18は、その長手方向の長さが攪拌領域槽24の長手方向の長さよりも短くなるように設けられる。
【0042】
また、攪拌領域槽24における矢符31,32,33a,34方向への循環流は、攪拌領域槽24にトナーとキャリアとの混合物41が補給されることから、通常は、現像領域槽23における矢符35,36,37,38方向への循環流よりもトナー濃度の高い循環流となる。その一方で、現像槽12内には、矢符31,35,36,37,33,34方向への大きな循環流が発生する。攪拌領域槽24における循環流と現像領域槽23における循環流とは、現像槽12における大きな循環流によってさらに均一に混合され、現像槽12内の現像剤中のトナー濃度が均一化される。トナーとキャリアとの混合物41が補給されて攪拌領域槽24内の循環流のトナー濃度が一時的に上がっても、比較的短い時間で現像槽12内の現像剤中のトナー濃度が均一化される。このことは、図6からも明らかである。図6は、現像装置におけるトナー補給後の経過時間と現像剤中のトナー濃度T/D(%)および現像剤担持体11近傍でのトナー帯電量Q/M(μC/g)との関係を示すグラフである。図6(a)は攪拌領域槽を設けない現像槽を持つ現像装置における場合を示し、図6(b)は現像装置10における場合を示す。トナー濃度T/DはATCセンサによって検知される値であり、図6では−△−で示す。トナー帯電量Q/Mは図6では−□−で示す。図6から、攪拌領域槽を設けない現像装置では、トナー補給後、一定時間を経過してもトナー濃度T/Dおよびトナー帯電量Q/Mはいずれも安定せず、ばらつきが大きいことが明らかである。これに対し、現像装置10では、トナー補給後、短時間でトナー濃度T/Dおよびトナー帯電量Q/Mがほぼ一定になることが明らかである。したがって、現像装置10において、画像形成速度の高速化に対応してトナーとキャリアとの混合物41の補給量を増加させても、第1攪拌搬送部材14および第2攪拌搬送部材15の回転速度を高速化する必要がなく、キャリアに加わる外的な応力は増加せず、キャリアの耐用期間を延長できる。
【0043】
センサ19は、第1攪拌搬送部材14による現像剤の攪拌搬送方向すなわち矢符35,36の方向において、現像剤担持体11よりも上流側であり、かつ、第1攪拌搬送部材14を臨む現像槽壁12aに装着される。センサ19は、現像剤中のトナー量、詳しくは現像剤におけるキャリアとトナーとの配合比であるトナー濃度を検出する。センサ19には、たとえば、透磁率センサ、圧電検知式センサなどを使用できる。透磁率センサは、キャリアとして鉄粉、フェライトなどの磁性材料が用いられる場合に、現像剤の透磁率およびキャリアの磁性を検出する。透磁率および磁性から、現像剤中の磁性材料(キャリア)および非磁性材料(トナー)の濃度と濃度変化、これらの混合比などを求めることができる。圧電センサとしては、たとえば、自励発振方式の圧電センサが挙げられる。自励発振方式の圧電センサは、その検知面に対して、粉体負荷がない無負荷状態から徐々に負荷を増加させていくと、負荷が大きくなるのに伴ってセンサのゲインが減少し、予め設定された値を上回る負荷が加わると、発振に必要なゲインが確保できなくなり、発振が停止する。圧電センサのこのような特性を利用し、現像剤のトナー濃度を制御することが可能になる。
【0044】
前述のようにセンサ19を設けることによって、現像剤担持体11表面に現像剤を担持させる前に、現像剤中のトナー濃度の測定および制御が可能になる。センサ19による検出結果に応じて、トナーホッパから攪拌領域槽24へのトナーとキャリアとの混合物41の供給量が制御される。供給量の制御は、現像装置10が装着される画像形成装置1において、画像形成装置1の全動作を制御する図示しないCPU(Central Processing
Unit、中央処理装置)によって制御される。CPUは記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。センサ19による検出結果は、記憶部に入力される。記憶部には、画像形成速度と現像剤中のトナー濃度との関係がテーブルとして予め入力され、さらに画像形成速度の設定値が入力される。演算部は記憶部に入力される前述の各データを取り出し、判定時の画像形成速度に対してトナー濃度が適正な範囲にあるか否かを判定する。演算部は、トナー濃度が適正な範囲にないと判定した場合、さらに適正なトナー濃度にするためのトナー補給量を判定する。制御部は演算部による判定結果に応じて、図示しないトナーホッパ内の現像剤供給ローラ40を回転駆動させる駆動手段に制御信号を送り、現像剤供給ローラ40を所定時間回転させる。これによって、トナーとキャリアとの混合物41が現像槽12内に供給され、トナー濃度が適正な範囲に制御される。このように、センサ19を現像剤担持体11の上流側に配置し、現像剤担持体11に供給される直前の現像剤のトナー濃度を検知し、センサ19による検知結果に応じてトナー濃度を制御することによって、現像剤中のトナー濃度を高い精度で制御できる。さらに、現像剤担持体11に適正なトナー濃度の現像剤を常に供給できるので、画像濃度が高くかつ画質の良好な画像を安定的に形成できる。
【0045】
現像装置10は、前述のように、トナーだけでなくキャリアをも現像槽12に補給し、余剰の現像剤を現像槽12から排出するトリクル方式の現像装置である。図7は、トリクル方式を説明するためのグラフである。従来の現像装置、すなわち定期的な保守点検の際に現像槽中のキャリアを交換する方式の現像装置ではトナーのみを現像槽に補給し、トナー補給量は印字率(%)が高くなるとともに増加する。一方、トリクル方式では、トナーだけでなくキャリアとも補給し、トナーおよびキャリアの補給量は印字率(%)が高くなるとともに増加する。ここでトナーは消費されて減少するのでさらなる補給が可能であるけれども、キャリアはトナーを帯電させるだけで消費されないので、キャリアの分だけ現像剤が過剰になる。過剰量が大きくなると、トナーとキャリアとの攪拌効率が低下し、現像槽全体に掛かる負荷が増大して現像槽およびその中に設けられる各部材の耐用性が必要以上に短縮される。このため、現像槽内の現像剤量は常に一定に保つ必要がある。現像剤量を一定に保つ性能は、通常、レスポンスと呼ばれる。
【0046】
図8はレスポンスの概念を説明するグラフである。図8のグラフに示される2本の曲線のうち、傾斜の緩やかな曲線はレスポンスが悪い場合、傾斜が急である曲線はレスポンスが良い場合をそれぞれ示す。一般に、形成しようとする画像に印字率(%)に応じて補給される現像剤量が制御され、印字率(%)が大きくなるほど現像剤量が増加する。新たな現像剤が現像槽内に補給されると、その補給量に応じて過剰分を現像槽外に排出しなければならない。原稿の印字率は常に一定ではないので、現像剤の補給量はある時は相対的に少なく、ある時は相対的に多くなる。すなわち、現像剤の排出量(g/min)が増減しても、現像槽内の現像剤量は常に一定に近い方が望ましい。したがって、図8のグラフにおいて、傾斜が急でなるべく垂直である方が、レスポンスが良いことになる。
【0047】
トリクル方式の現像装置では、現像槽の鉛直方向側面に現像剤を排出する開口部を形成し、開口部から溢れる現像剤をその自重によって排出する機構が採用される。このような機構においては、現像装置を設置する際の現像装置の傾斜が重要になる。図9は、現像装置の設置位置における現像剤排出量を示す図面である。図9(a)は現像装置10が水平に設置された場合、図9(b)は現像装置10が水平から−1°に設置された場合(開口部26の方が水平よりも−1°になる位置)および図9(c)は現像装置10が水平から+1°に設置された場合(開口部26の方が水平よりも+1°になる位置)をそれぞれ示す。現像装置10が水平に設置されると適切な量の現像剤が排出される。一方、−1°に設置されると現像剤排出量が増加し、現像槽12内の現像剤が減少し、形成される画像の画像濃度が低下するなどの不都合を生じるおそれがある。また、+1°に設置されると現像剤排出量が減少し、現像槽12内の現像剤が増加し、攪拌不良などの不都合を生じるおそれがある。図10は、先に本願発明者が特許出願した特願2005−336160号に記載の現像装置(以後「比較用現像装置」と称す)における各傾斜時(水平、−1°および+1°)のレスポンスを示すグラフである。比較用現像装置は、現像装置10の攪拌領域槽24において第3攪拌搬送部材16が設けられず、第2中間壁部材18が攪拌領域槽24の短手方向における第1攪拌搬送部材14と第2攪拌搬送部材15との中間に設けられる以外は、現像装置10と同様の構成を有する。図11は、現像装置10の各傾斜時のレスポンスを示すグラフである。比較用現像装置の各傾斜時のレスポンスは、グラフの傾斜が垂直に近いことから良好であることが判る。これに対し、図11においては、各傾斜時のグラフが比較用現像装置の各傾斜時のグラフよりもさらに垂直に近く、かつ各傾斜時のグラフがほぼ平行になっていることから、現像装置10のレスポンスが非常に優れることが明らかである。また、比較用現像装置の現像剤排出量が0〜20g/minの範囲で振れるのに対し、現像装置10の現像剤排出量が0〜5g/minの狭い範囲で振れることからも、現像剤残量の増減が非常に少なく、レスポンスが高いことが判る。したがって、現像装置10を用いれば、傾斜のある位置に現像装置10を配置してもレスポンスの低下が非常に少ないので、画像形成装置1を設計する際の設計自由度が大幅に増す。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の第1形態である現像装置の構成を簡略化して示す図である。
【図2】図1に示す現像装置の要部の構成を拡大して示す上面図である。
【図3】図1に示す現像装置が搭載される画像形成装置の要部の構成を簡略化して示す断面図である。
【図4】現像槽内位置とトナー帯電量との関係を示すグラフである。
【図5】スクリュー部材による現像剤の攪拌搬送速度と搬送量との関係を示すグラフである。
【図6】現像装置におけるトナー補給後の経過時間と現像剤中のトナー濃度およびトナー帯電量との関係を示すグラフである。
【図7】トリクル方式を説明するためのグラフである。
【図8】レスポンスの概念を説明するグラフである。
【図9】現像装置の設置位置における現像剤排出量を示す図面である。
【図10】比較用現像装置の各傾斜時のレスポンスを示すグラフである。
【図11】図1に示す現像装置の各傾斜時のレスポンスを示すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置
2 感光体ドラム
3 帯電手段
4 露光手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
10 現像装置
11 現像剤担持体
12 現像槽
12a 現像槽壁
13 仕切り壁部材
14 第1攪拌搬送部材
15 第2攪拌搬送部材
16 第3攪拌搬送部材
17 第1中間壁部材
18 第2中間壁部材
19 センサ
26 開口部
27 第1空隙
28 第2空隙
40 現像剤供給ローラ
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎

【識別番号】100072235
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 毅至

【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二


【公開番号】 特開2008−3175(P2008−3175A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170725(P2006−170725)