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【発明の名称】 液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法
【発明者】 【氏名】代田 直子

【氏名】武部 洋子

【氏名】金子 勇

【氏名】横小路 修

【要約】 【課題】液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法を提供する。

【構成】CF=CF−CHCHRCH−CH=CH(ただし、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のフルオロアルキル基を示す。)等の重合により形成された繰り返し単位(A)を含む重合体であって、繰り返し単位(A)を全繰り返し単位に対して10モル%以上含む重合体(A)と、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する重合体(B)とを含み、かつ重合体(B)に対して重合体(A)を0.1〜30質量%含む液浸露光用レジスト組成物、および、該液浸露光用レジスト組成物を用いた液浸リソグラフィー法によるレジストパターンの形成方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記重合体(A)と酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する重合体(B)とを含み、かつ重合体(B)に対して重合体(A)を0.1〜30質量%含む液浸露光用レジスト組成物。
重合体(A):下式(a1)で表される化合物、下式(a2)で表される化合物または下式(a3)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(A)を含む重合体であって、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A)を10モル%以上含む重合体。
CF=CF−Q−CX=CX (a1)。
【化1】


ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
Q:メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、オキシメチレン基、オキシジメチレン基およびオキシトリメチレン基からなる群から選ばれる基。該基中の水素原子は、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基およびフルオロアルコキシ基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜12の基、またはフッ素原子に置換されていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のフルオロアルキル基。
およびX:それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子。
:フッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルコキシ基。
、W、WおよびW:それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基。
【請求項2】
重合体(A)が、下式(a11)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(A11)を含む重合体であって、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A11)を10モル%以上含む重合体である請求項1に記載の液浸露光用レジスト組成物。
CF=CF−CHCHR(CH−CX11=CH (a11)。
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
R:炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のフルオロアルキル基。
m:0、1または2。
11:水素原子または炭素数1〜12のアルキル基。
【請求項3】
重合体(A)が、下式(a11)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(A11)と下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む重合体であって、全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(A11)を10モル%以上含み、かつ繰り返し単位(C)を10モル%以上含む重合体である請求項1または2に記載の液浸露光用レジスト組成物。
CF=CF−CHCHR(CH−CX11=CH (a11)。
CF=CF−Q−CXc1=CH (c)。
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
R:炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のフルオロアルキル基。
m:0、1または2。
11:水素原子または炭素数1〜12のアルキル基。
:式−CFC(CF)(OY)(CH−で表される基、式−CHCH((CHC(CF(OY))(CH−で表される基または式−CHCH(C(O)OZ))(CH−で表される基。
n、p:それぞれ独立に、0、1または2。
Y:水素原子、または、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であってフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の基。該炭素数1〜20の基中の炭素原子−炭素原子間には式−O−で表される基、式−C(O)−で表される基または式−C(O)O−で表される基が挿入されていてもよい。
Z:水素原子、フッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基。該アルキル基中の炭素原子−炭素原子間には式−O−で表される基、式−C(O)−で表される基または式−C(O)O−で表される基が挿入されていてもよい。
c1:水素原子または炭素数1〜12のアルキル基。
【請求項4】
重合体(B)が、下式(b1)で表される化合物または下式(b2)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位を含む重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の液浸露光用レジスト組成物。
【化2】


ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
b1およびWb2:それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
b1:炭素原子−炭素原子間に式−O−で表される基が挿入されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基。
b1:式中の炭素原子と共同して環系炭化水素基を形成する炭素数4〜20の2価の基。また、Qb1中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよく、また、Qb1中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
b21、Rb22およびRb23:それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基。前記炭化水素基中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよく、また、前記炭化水素基中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【請求項5】
光酸発生剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の液浸露光用レジスト組成物。
【請求項6】
有機溶媒を含む請求項1〜5のいずれかに記載の液浸露光用レジスト組成物。
【請求項7】
液浸リソグラフィー法によるレジストパターンの形成方法であって、請求項6に記載の液浸露光用レジスト組成物を基板上に塗布して基板上にレジスト膜を形成する工程、液浸露光工程、および現像工程を順に行うことにより基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体等の集積回路の製造においては、露光光源の光をマスクに照射して得られたマスクのパターン像を基板上の感光性レジストに投影して、該パターン像を感光性レジストに転写するリソグラフィー法が用いられる。通常、前記パターン像は、相対的に感光性レジスト上を移動する投影レンズを介して、感光性レジストの所望の位置に投影される。
【0003】
近年では、液状媒体中で光の波長が液状媒体の屈折率の逆数倍になる現象を利用した露光工程、すなわち投影レンズ下部と感光性レジスト上部との間を液状媒体(水等。)で満たしつつ、投影レンズを介してマスクのパターン像を基板上の感光性レジストに投影する液浸リソグラフィー法が検討されている(特許文献1参照。)。
【0004】
液浸リソグラフィー法においては、投影レンズと感光性レジストの間を常に水で満たすのが望ましいため、感光性レジスト上を移動する投影レンズに水がよく追従するように感光性レジストを選定するのが望ましい。特許文献2には、下式で表される3種の化合物の重合により形成された繰り返し単位を含む重合体とフッ素系界面活性剤とを含む感光性レジストが記載されている。
【0005】
【化1】


【0006】
【特許文献1】国際公開99/049504号パンフレット
【特許文献2】特開2005−234178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2の感光性レジストにおけるフッ素系界面活性剤は、非重合体状の含フッ素化合物と線状フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの重合により形成された重合体にとどまる。したがって、前記感光性レジストの動的撥水性は充分に高くない。そのため、前記感光性レジストを液浸露光用レジストとして用いた場合には、感光性レジスト上を相対的に移動する投影レンズに水が充分に追従しないため、液浸リソグラフィー法を安定実施できないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、レジスト特性(短波長光に対する透明性、エッチング耐性等。)に優れ、高撥水性で液体(水等。)に浸入されにくく、かつ動的撥水性に特に優れた、水によく滑る感光性レジストを得るべく、鋭意検討をおこなった。その結果、かかる物性に優れた感光性レジストを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は下記発明を提供する。
[1] 下記重合体(A)と酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する重合体(B)とを含み、かつ重合体(B)に対して重合体(A)を0.1〜30質量%含む液浸露光用レジスト組成物。
重合体(A):下式(a1)で表される化合物、下式(a2)で表される化合物または下式(a3)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(A)を含む重合体であって、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A)を10モル%以上含む重合体。
CF=CF−Q−CX=CX (a1)。
【0010】
【化2】


【0011】
ただし、式中の記号は下記の意味を示す(以下同様。)。
Q:メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、オキシメチレン基、オキシジメチレン基およびオキシトリメチレン基からなる群から選ばれる基。該基中の水素原子は、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基およびフルオロアルコキシ基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜12の基、またはフッ素原子に置換されていてもよい。
:水素原子、フッ素原子、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のフルオロアルキル基。
、X:それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子。
:フッ素原子または炭素数1〜3のペルフルオロアルコキシ基。
、W、W、W:それぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基。
【0012】
[2] 重合体(A)が、下式(a11)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(A11)を含む重合体であって、全繰り返し単位に対して繰り返し単位(A11)を10モル%以上含む重合体である[1]に記載の液浸露光用レジスト組成物。
CF=CF−CHCHR(CH−CX11=CH (a11)。
ただし、式中の記号は下記の意味を示す(以下同様。)。
R:炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のフルオロアルキル基。
m:0、1または2。
11:水素原子または炭素数1〜12のアルキル基。
【0013】
[3] 重合体(A)が、式(a11)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(A11)と下式(c)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位(C)とを含む重合体であって、全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(A11)を10モル%以上含み、かつ繰り返し単位(C)を10モル%以上含む重合体である[1]または[2]に記載の液浸露光用レジスト組成物。
CF=CF−CHCHR(CH−CX11=CH (a11)。
CF=CF−Q−CXc1=CH (c)。
ただし、式中の記号は下記の意味を示す(以下同様。)。
:式−CFC(CF)(OY)(CH−で表される基、式−CHCH((CHC(CF(OY))(CH−で表される基または式−CHCH(C(O)OZ))(CH−で表される基。
n、p:それぞれ独立に、0、1または2。
Y:水素原子、または、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって、フッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の基。該炭素数1〜20の基中の炭素原子−炭素原子間には式−O−で表される基、式−C(O)−で表される基または式−C(O)O−で表される基が挿入されていてもよい。
Z:水素原子、またはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基。該アルキル基中の炭素原子−炭素原子間には式−O−で表される基、式−C(O)−で表される基または式−C(O)O−で表される基が挿入されていてもよい。
c1:水素原子または炭素数1〜12のアルキル基。
【0014】
[4] 重合体(B)が、下式(b1)で表される化合物または下式(b2)で表される化合物の重合により形成された繰り返し単位を含む重合体である[1]〜[3]のいずれかに記載の液浸露光用レジスト組成物。
【0015】
【化3】


【0016】
ただし、式中の記号は下記の意味を示す(以下同様。)。
b1およびWb2:それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
b1:炭素原子−炭素原子間に式−O−で表される基が挿入されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基。
b1:式中の炭素原子と共同して環系炭化水素基を形成する炭素数4〜20の2価の基。また、Qb1中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよく、また、Qb1中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
b21、Rb22およびRb23:それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価炭化水素基。前記炭化水素基中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよく、また、前記炭化水素基中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0017】
[5] 光酸発生剤を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の液浸露光用レジスト組成物。
[6] 有機溶媒を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の液浸露光用レジスト組成物。
【0018】
[7] 液浸リソグラフィー法によるレジストパターンの形成方法であって、請求項6に記載の液浸露光用レジスト組成物を基板上に塗布して基板上にレジスト膜を形成する工程、液浸露光工程、および現像工程を順に行うことにより基板上にレジストパターンを形成するレジストパターンの形成方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、レジスト特性(短波長光に対する透明性、エッチング耐性等。)に優れ、動的撥水性に特に優れた感光性レジストが提供される。本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、マスクのパターン像を高解像度に転写可能な液浸リソグラフィー法を安定的に実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本明細書において、式(a)で表される化合物を化合物(a)と、式(A)で表される繰り返し単位を単位(A)とも記す。他の式で表される化合物と繰り返し単位も同様に記す。また基中の記号は特に記載しない限り前記と同義である。
【0021】
本発明の液浸露光用レジスト組成物(以下、液浸レジスト組成物ともいう。)は、下記化合物(a1)、下記化合物(a2)または下記化合物(a3)の重合により形成された繰り返し単位(A)を含む重合体であって、繰り返し単位(A)を全繰り返し単位に対して10モル%以上含む重合体(以下、重合体(A)ともいう。)を含む。
CF=CF−Q−CX=CX (a1)。
【0022】
【化4】


【0023】
重合体(A)は、撥水性に優れ、動的撥水性に特に優れている。その理由は必ずしも明確ではないが、重合体(A)は、主鎖にかさ高い含フッ素脂肪族環構造を有する重合体であるため、すなわち、化合物(a1)の重合により形成される重合体は下記単位(A1)〜下記単位(A1)のいずれかを含む重合体であり、化合物(a2)の重合により形成される重合体は下記単位(A2)を含む重合体であり、化合物(a3)の重合により形成される重合体は下記単位(A3)を含む重合体であるため、と考えられる。
【0024】
【化5】


【0025】
したがって、重合体(A)を含む本発明の液浸レジスト組成物は、高撥水性で水に浸入されにくく、かつ動的撥水性に特に優れた水によく滑る感光性レジストとなると考えられる。
本発明においては、1種の化合物(a)を用いてもよく、2種以上の化合物(a)を用いてもよい。
【0026】
化合物(a1)のQは、トリメチレン基、テトラメチレン基およびオキシジメチレン基からなる群から選ばれる基であるのが好ましい。該基中の水素原子は、アルキル基およびフルオロアルキル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜12の基、またはフッ素原子に置換されているのが好ましい。
Qは、−CFCFCH−、式−CFRCFCH−で表される基、式−CFCFRCH−で表される基、式−CHCHR(CH−で表される基、−OCFCF−、式−OCFCFR−で表される基または式−OCFRCF−で表される基が好ましく、式−CHCHR(CH−で表される基が特に好ましい。ただし、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を示す。
【0027】
化合物(a1)のXは、水素原子またはフッ素原子が好ましい。
【0028】
化合物(a1)の具体例(ただし、後述の化合物(a11)を除く。)としては、下記化合物が挙げられる。
CF=CFCFCFCHCH=CH
CF=CFCF(CF)CFCHCH=CH
CF=CFCFCF(CF)CHCH=CH
CF=CFOCFCFCF=CF
CF=CFOCF(CF)CFCF=CF
CF=CFOCFCF(CF)CF=CF
CF=CFOCFCFCH=CF
CF=CFOCF(CF)CFCH=CF
CF=CFOCFCF(CF)CH=CF
CF=CFOCFCFCH=CH
CF=CFOCF(CF)CFCH=CH
CF=CFOCFCF(CF)CH=CH
【0029】
化合物(a2)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0030】
【化6】


【0031】
化合物(a3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0032】
【化7】


【0033】
化合物(a)は、重合体(B)に対する相溶性の観点から、炭素原子に結合した水素原子を有する化合物が好ましい。
【0034】
化合物(a)は、下記化合物(a11)が好ましい。
CF=CF−CHCHR(CH−CX11=CH (a11)。
Rは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のポリフルオロアルキル基が好ましい。
mは、1が好ましい。
11は、水素原子が好ましい。
【0035】
化合物(a11)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
CF=CFCHCH(CHCH)CHCH=CH
CF=CFCHCH((CHCH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CHCH(CH)CHCH=CH
CF=CFCHCH((CHCH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CHCF)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CHCFCF)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CH(CFCF)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CHCF(CF)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CH(CFCF)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CF)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CFCF)CHCH=CH
CF=CFCHCH((CFCF)CHCH=CH
【0036】
化合物(a11)は文献未知の新規化合物である。化合物(a11)は、式CH=CHRで表される化合物とCFClCFClIを反応させて下記化合物(pa31)を得て、つぎに化合物(pa31)とCH=CX11(CHMgClを反応させて下記化合物(pa21)を得て、つぎに化合物(pa21)をZn存在下に脱塩素化反応させることにより製造できる。
CFClCFCl−CHCHIR (pa31)、
CFClCFCl−CHCHR(CH−CX11=CH (pa21)。
【0037】
本発明における重合体(A)は、重合体(B)に対する相溶性の観点から、炭素原子に結合した水素原子フッ素原子を有する重合体が好ましい。
【0038】
重合体(A)は、全繰り返し単位に対して単位(A)を10モル%以上含む。単位(A)は、1種の単位(A)のみからなってもよく、2種以上の単位(A)からなっていてもよい。
【0039】
重合体(A)は、単位(A)のみからなる重合体であってもよく、単位(A)と単位(A)以外の繰り返し単位(以下、他の単位ともいう。)とからなる重合体であってもよい。いずれにしても重合体(A)は、全繰り返し単位に対して、単位(A)を、10モル%以上含み、30モル%以上含むのが好ましい。重合体(A)が他の単位を含む場合、重合体(A)は、全繰り返し単位に対して、他の単位を、90モル%以下含むのが好ましく、70モル%以下含むのが特に好ましい。
【0040】
他の単位は、下記化合物(c)の重合により形成された繰り返し単位(C)が好ましい。
CF=CF−Q−CXc1=CH (c)。
【0041】
化合物(c)は重合により下式で表されるいずれかの繰り返し単位を含む重合体を形成する。
【0042】
【化8】


【0043】
そのため、単位(C)を含む重合体(A)を含む本発明の液浸レジスト組成物は、高撥水性で水に浸入されにくく、動的撥水性に特に優れた水によく滑る感光性レジストになると考えられる。
【0044】
また、単位(C)のQ部分(−CFC(CF)(OY)(CH−、−CHCH((CHC(CF(OY))(CH−または式−CHCH(C(O)OZ))(CH−。)は、酸により加水分解してアルカリ可溶性になるか、親アルカリ性である。そのため、単位(C)を含む重合体(A)は、酸によりアルカリ可溶性が増す重合体になるか、アルカリ可溶性の重合体である。したがって、単位(A)と単位(C)を含む重合体(A)を含む本発明の液浸レジスト組成物は、液浸露光工程の安定実施が可能なだけでなく、現像工程におけるアルカリ溶液による除去が容易である。
【0045】
化合物(c)におけるXc1は、水素原子が好ましい。
化合物(c)のQにおけるnは、1が特に好ましい。
化合物(c)のQにおけるpは、0または1が好ましい。
【0046】
化合物(c)のQにおけるYおよびZは、それぞれ独立に、非環系の基であってもよく、環系の基であってもよい。環系の基は、単環系の基であってもよく、多環系の基であってもよい。多環の基は、縮合多環系の基であってもよく、橋かけ環基であってもよい。YおよびZの炭素数は、それぞれ独立に、1〜10が好ましい。
【0047】
非環系の基の具体例としては、−CH、−CHCH、−CHOCH、−CHCHCH、−CHOCHCH等が挙げられる。
環系の基の具体例としては、下式で表される環系アルキル基、該環系アルキル基中の炭素原子−炭素原子間に式−O−で表される基が挿入された基が挙げられる。
【0048】
【化9】


【0049】
化合物(c)のQは、式−CFC(CF)(OY)CH−で表される基、式−CHCH(CHC(CF(OY))CH−で表される基または式−CHCH(C(O)OZ))CH−で表される基が好ましい。
【0050】
は、水素原子、アルコキシアルキル基およびアルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜20の基を示す。Yは、水素原子、式−CHOYで表される基または式−C(O)OY12で表される基(ただし、Y11およびY12はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。)が好ましく、−CHOCH、−CHOCHCH、−CHOC(CH、−C(O)OC(CHまたは下式で表されるいずれかの基が特に好ましい。
【0051】
【化10】


【0052】
は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。Zは、−CH、−CHCHまたは−C(CHが特に好ましい。
【0053】
化合物(c)の好ましい態様としては、下記化合物(c1)、下記化合物(c2)、下記化合物(c3)が挙げられる。
CF=CF−CFC(CF)(OY)CH−CH=CH(c1)、
CF=CF−CHCH(C(CF(OY))CH−CH=CH(c2)、
CF=CF−CHCH(C(O)OZ)CH−CH=CH(c3)、
化合物(c)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CF=CFCFC(CF)(OH)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCOOC(CH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(C(CF(OH))CHCH=CH
CF=CFCHCH(C(CF(OCHOCH))CHCH=CH
CF=CFCHCH(C(CF(OCOOC(CH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(CHC(CF(OCHOCH))CHCH=CH
CF=CFCHCH(CHC(CF(OCOOC(CH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(C(O)OH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(COOC(CH)CHCH=CH
【0054】
単位(c)以外の他の単位としては、後述の化合物(b1)、後述の化合物(b1)、後述の化合物(b2)、後述の化合物(b3)が挙げられる。
【0055】
重合体(A)の重量平均分子量は、1000〜80000が好ましい。
【0056】
本発明における重合体(A)の好ましい態様としては、化合物(a11)の重合により形成された繰り返し単位(A11)のみからなる重合体、繰り返し単位(A11)と繰り返し単位(C)とを含む重合体であって、全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(A11)を10モル%以上含み、かつ繰り返し単位(C)を10モル%以上含む重合体が挙げられる。後者の重合体は、全繰り返し単位に対して、繰り返し単位(A11)を10〜90モル%含み、かつ繰り返し単位(C)を10〜30モル%含むのが好ましい。重合体(A)の好ましい態様における重量平均分子量は、5000〜30000が好ましい。
【0057】
本発明の液浸レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する重合体(B)を含む。重合体(B)は、特に限定されず下記化合物(b1)の重合により形成された繰り返し単位または下記化合物(b1)の重合により形成された繰り返し単位を含む重合体が好ましい。
【0058】
【化11】


【0059】
この場合、単位(b1)または単位(b1)中のカルボキシレート部分が酸の作用により開裂してカルボキシ基を形成するため、重合体(B)は酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する。さらに、単位(b1)または環基を有する単位(b1)を含む重合体(B)はドライエッチング耐性に優れている。
【0060】
b1およびWb2は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
【0061】
化合物(b1)のRb1は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
【0062】
化合物(b1)において、Qb1と式中の炭素原子により形成される環は、単環系炭化水素基であってもよく、多環系炭化水素基であってもよく、多環系炭化水素基が好ましく、橋かけ環炭化水素基が特に好ましい。これらの環基は、脂肪族の基が好ましく、飽和脂肪族の基が特に好ましい。
【0063】
b1中の炭素原子−炭素原子間に、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されている場合には、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)O−で表される基が挿入されているのが好ましい。
b1中の炭素原子に、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアシルオキシ基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。この場合、Qb1中の炭素原子には、ヒドロキシ基または式−OCHORb1で表される基(ただし、Rb1は炭素数1〜9のアルキル基を示す。)が結合しているのが好ましく、ヒドロキシ基、−OCHOCHCH、−OCHOCHまたは−OCHOC(CHが結合しているのが特に好ましい。
【0064】
化合物(b1)は、下記化合物(b111)、下記化合物(b112)、下記化合物(b113)、下記化合物(b114)、下記化合物(b115)または下記化合物(b116)が好ましく、ドライエッチング耐性の観点から、下記化合物(b111)が特に好ましい。
【0065】
【化12】


【0066】
化合物(b1)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0067】
【化13】


【0068】
化合物(b1)におけるRb21、Rb22およびRb23は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。Rb21、Rb22およびRb23の好ましい態様としては、Rb21、Rb22およびRb23がそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基(メチル基が好ましい。)である態様、Rb21が炭素数1〜3のアルキル基(メチル基が好ましい。)であり、かつRb22およびRb23が1−アダマンチル基である態様が挙げられる。
【0069】
化合物(b1)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0070】
【化14】


【0071】
重合体(B)は、単位(b1)または単位(b1)以外の単位をさらに含んでいてもよい。前記単位は、下記化合物(b2)の重合により形成された繰り返し単位、または、下記化合物(b3)の重合により形成された繰り返し単位が好ましい。
【0072】
【化15】


【0073】
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
b2およびWb3:それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3の含フッ素アルキル基。
【0074】
b2:式中の炭素原子と共同して橋かけ環炭化水素基を形成する炭素数5〜20の3価の基。Qb2中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよい。また、Q中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0075】
b3:式中の炭素原子と共同して環系炭化水素基を形成する炭素数4〜20の2価の基。Qb3中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよく、また、Qb3中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0076】
それぞれの化合物におけるWb2およびWb3は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
【0077】
化合物(b2)におけるQb2中の炭素原子には、他の重合性化合物との共重合性、本発明の液浸レジスト組成物と基板の密着性等の観点から、ヒドロキシ基または式−OCHORb2で表される基(ただし、Rb2は炭素数1〜9のアルキル基を示す。)が結合しているのが好ましく、ヒドロキシ基、−CHOCHCH、−CHOCHまたは−CHOC(CHが結合しているのが特に好ましい。また、本発明の液浸レジスト組成物の露光処理後の現像性の観点からは、化合物(b2)におけるQb2中の炭素原子−炭素原子間には、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されているのが好ましい。
【0078】
化合物(b2)は、下記化合物(b2)(ただし、2個のZb2はそれぞれ独立に水素原子またはヒドロキシ基を示す。)、下記化合物(b2)、下記化合物(b2)または下記化合物(b2)が好ましく、他の重合性化合物との共重合性、本発明の液浸レジスト組成物が塗布される基板との密着性等の観点からは化合物(b2)が特に好ましく、本発明の液浸レジスト組成物の露光処理後の現像性の観点からは化合物(b2)、化合物(b2)または化合物(b2)が特に好ましい。
【0079】
【化16】


【0080】
化合物(b2)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0081】
【化17】


【0082】
化合物(b3)におけるQb3中の炭素原子−炭素原子間には、本発明の液浸レジスト組成物の露光処理後の現像性の観点から、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されているのが好ましい。また、Qb3は、脂肪族の基が好ましく、飽和脂肪族の基が特に好ましい。
【0083】
化合物(b3)は、下記化合物(b311)、下記化合物(b312)、下記化合物(b321)、下記化合物(b322)、下記化合物(b3)、下記化合物(b3)、下記化合物(b3)または下記化合物(b3)が好ましく、本発明の液浸レジスト組成物の露光処理後の現像性の観点から、化合物(b3)、化合物(b3)または化合物(b3)が特に好ましい。
【0084】
【化18】


【0085】
化合物(b3)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0086】
【化19】


【0087】
その他の重合体(B)としては、下記化合物(b’1)、下記化合物(b’1)、下記化合物(b’1)、下記化合物(b’1)、下記化合物(b’1)および下記化合物(b’1)からなる群から選ばれる化合物(b’)の重合により形成された繰り返し単位を含む重合体(以下、重合体(B’)ともいう。)が挙げられる。
【0088】
【化20】


【0089】
ただし、式中の記号は下記の意味を示す。
31:炭素原子−炭素原子間に式−O−で表される基が挿入されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基(メチル基が好ましい。)。
【0090】
32およびR33:それぞれ独立に、炭素原子−炭素原子間に式−O−で表される基が挿入されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基(メチル基が好ましい。)、または、式中の炭素原子と共同して環系炭化水素基を形成する炭素数4〜20の2価の基。R、R32およびR33中の炭素原子−炭素原子間には、それぞれ、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよく、また、R31、R32およびR33中の炭素原子には、フッ素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、または、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびアルキルカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基が結合していてもよい。
【0091】
R’:アルキル基、アルコキシアルキル基およびアルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる基であって炭素数1〜10の基。また、前記炭素数1〜10の基中の炭素原子−炭素原子間には、式−O−で表される基、式−C(O)O−で表される基または式−C(O)−で表される基が挿入されていてもよい。
前記炭素数1〜10の基は、式−CHORbxで表される基(ただし、Rbxは炭素数1〜9のアルキル基を示す。)が好ましく、−CHOCHCH、−CHOCHまたは−CHOC(CHが特に好ましい。
【0092】
化合物(b’)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0093】
【化21】


【0094】
重合体(B’)は、重合体(B’)のカルボキシレート部分が酸の作用により開裂してカルボキシ基を形成するか、または、式−C(CFOR’で表される部分が酸の作用により開裂して−C(CFOH基を形成するため、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する重合体となる。
【0095】
重合体(B’)は、化合物(b’)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい、該単位としては、下記化合物の重合により形成された繰り返し単位等が挙げられる。
【0096】
【化22】


【0097】
本発明における重合体(B)の重量平均分子量は、1000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。
【0098】
本発明における重合体(B)の好ましい態様としては、単位(b1)、単位(b2)および、単位(b2)、単位(b2)、単位(b2)、単位(b3)ならびに単位(b3)からなる群から選ばれる単位を含む重合体であって、全繰り返し単位に対して、単位(b1)を20〜50モル%、単位(b2)を30〜50モル%、および、前記選ばれる単位を20〜30モル%含む、重量平均分子量が1000〜50000の重合体が挙げられる。
【0099】
本発明の液浸レジスト組成物は、重合体(A)と重合体(B)を含み、かつ重合体(B)に対して重合体(A)を0.1〜30質量%含む。より好ましくは、重合体(B)に対して重合体(A)を1〜10質量%含む。この場合、重合体(A)と重合体(B)が相溶しやすく、液浸レジスト組成物の造膜性が優れるという効果がある。
【0100】
本発明の液浸レジスト組成物は、重合体(A)と重合体(B)以外の成分(以下、他の成分ともいう。)を含んでいてもよい。
本発明の液浸レジスト組成物は、通常は、感光性の化学増幅型レジストとして用いられるため光酸発生剤を含むのが好ましい。本発明の液浸レジスト組成物は、重合体(B)に対して光酸発生剤を1〜10質量%含むのが好ましい。また、光酸発生剤は、1種を用いてもよく、2種以上を用いていてもよい。
【0101】
光酸発生剤は、活性光線の照射により酸を発生する基を有する化合物であれば特に限定されない(ただし、活性光線とは放射線を包含する広い概念を意味する。)。前記化合物は、非重合体状の化合物であっても、重合体状の化合物であってもよい。
【0102】
光酸発生剤としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムノナネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホニウム、1−(ナフチルアセトメチル)チオラニウムトリフレート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムトシレート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ベンゾイントシレート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフレート等が挙げられる。
【0103】
本発明の液浸レジスト組成物は、通常は基板(シリコンウェハ等。)上に塗布されて製膜されて用いられるため、製膜性の観点から液状であるのが好ましい。本発明の液浸レジスト組成物は有機溶媒を含むのが好ましい。
【0104】
有機溶媒は、重合体(A)および重合体(B)に対する相溶性の高い溶媒であれば、特に限定されない。有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
有機溶媒の具体例としては、含フッ素化合物からなる含フッ素有機溶媒、フッ素原子を含まない化合物からなる有機溶媒が挙げられる。
【0105】
前記含フッ素化合物の具体例としては、CClFCH、CFCFCHCl、CClFCFCHClF等のハイドロクロロフルオロカーボン類;CFCHFCHFCFCF、CF(CFH、CF(CF、CF(CF、CF(CF等のハイドロフルオロカーボン類;1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライド等のハイドロフルオロベンゼン類;ハイドロフルオロケトン類;ハイドロフルオロアルキルベンゼン類;CFCFCFCFOCH、(CFCF−CF(CF)CFOCH、CFCHOCFCHF等のハイドロフルオロエーテル類;CHFCFCHOH等のハイドロフルオロアルコール類が挙げられる。
【0106】
前記フッ素原子を含まない化合物の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノまたはジアルキルエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
【0107】
本発明の液浸レジスト組成物は、重合体(A)と重合体(B)の総量に対して、有機溶媒を100重量%〜10000質量%含むのが好ましい。
【0108】
本発明の液浸レジスト組成物の製造方法は、特に限定されず、重合体(A)を有機溶媒に溶解させて得られた溶液(以下、樹脂溶液(A)ともいう。)と重合体(B)を有機溶媒に溶解させて得られた溶液(以下、樹脂溶液(B)ともいう。)とを混合する方法、重合体(A)と樹脂溶液(B)を混合する方法、樹脂溶液(A)と重合体(B)を混合する方法が挙げられる。樹脂溶液(A)は、重合体(A)を0.01〜10質量%含むのが好ましい。樹脂溶液(B)は、重合体(B)を0.1〜20質量%含むのが好ましい。
【0109】
本発明の液浸レジスト組成物は液浸リソグラフィー法に用いられる。液浸リソグラフィー法は、特に限定されず、本発明の液浸レジスト組成物を基板(シリコンウェハ等。)上に塗布して基板上にレジスト膜を形成する工程、液浸露光工程、現像工程、エッチング工程およびレジスト膜剥離工程を順に行う液浸リソグラフィー法が挙げられる。
【0110】
液浸リソグラフィー法における露光光源としては、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、Fエキシマレーザー光(波長157nm)が挙げられる。露光光源は、ArFエキシマレーザー光またはFエキシマレーザー光が好ましく、ArFエキシマレーザー光が特に好ましい。
【0111】
液浸露光工程としては、露光光源の光をマスクに照射して得られたマスクのパターン像を、レジスト膜上を相対的に移動する投影レンズを介し、かつ投影レンズとレジスト膜間を液状媒体で満たしながら、基板上のレジスト膜の所望の位置に投影する工程が挙げられる。液状媒体は、水を主成分とする液状媒体が好ましく、超純水が特に好ましい。
【0112】
現像工程としては、レジスト膜の露光部分をアルカリ溶液により除去する工程が挙げられる。アルカリ溶液としては、特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドおよびトリエチルアミンからなる群から選ばれるアルカリ化合物を含むアルカリ水溶液が挙げられる。
【0113】
さらに、本発明における液浸リソグラフィー法においては、レジスト膜中の添加物の水への溶出を抑制する観点から、レジスト膜の最表面にレジスト保護膜を形成してもよい。
【実施例】
【0114】
本発明を、実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例においては、重量平均分子量をMwと、数平均分子量をMnと、ジクロロペンタフルオロプロパンをR225と、テトラヒドロフランをTHFと、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートをIPPと、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートをPGMEAと、記す。
【0115】
MwとMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ法を用いて測定した。測定に際しては、THFを展開溶媒に用い、ポリスチレンを内部標準に用いた。
【0116】
化合物(a11)として下記化合物(a11)または下記化合物(a11)を用い、化合物(c)として下記化合物(c)を用いた。
CF=CFCHCH((CHCH)CHCH=CH (a11)、
CF=CFCHCH(CHCF(CF)CHCH=CH (a11)、
CF=CFCHCH(C(CFOH)CHCH=CH (c)。
【0117】
また、下式(A11)で表される繰り返し単位を単位(A11)と、下式(A11)で表される繰り返し単位を単位(A11)と、下式(c)で表される繰り返し単位を単位(C)と、記す。
【0118】
【化23】


【0119】
[例1]化合物(a11)の製造例
反応器に、CFClCFClI(192g)とベンゾイルパーオキシド(5.8g)を入れ、反応器内温70℃にてCH=CH(CHCH(55g)を滴下し、さらに反応器内を撹拌した。反応器内溶液を減圧蒸留して、CFClCFClCHCHI((CHCH)(188g)を得た。
【0120】
反応器に、CFClCFClCHCHI((CHCH)(188g)とTHF(490g)を入れ、反応器内温−70℃にてCH=CHCHMgClを2mol/L含むTHF溶液(345g)を滴下し、さらに反応器内温0℃にて反応器内を撹拌した。反応器に飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)を入れた後に、反応器内溶液の有機成分を分液回収し濃縮してから減圧蒸留してCFClCFClCHCH((CHCH)CHCH=CH(96g)を得た。
【0121】
反応器に、亜鉛(32g)とN−メチル−2−ピロリジノン(244g)を入れ、反応器内温75℃にてCFClCFClCHCH((CHCH)CHCH=CH(96g)を滴下し、さらに反応器内を撹拌した。反応器内溶液を減圧蒸留して化合物(a11)を得た。
【0122】
化合物(a11)のNMRスペクトルを以下に示す。
H−NMR(399.8MHz、溶媒:重アセトン、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):0.90(m,3H),1.33(m,7H),2.20(m,4H),5.05(m,2H),5.80(m,1H)。
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:重アセトン、基準:CFCl)δ(ppm):−106.4(m,1F),−124.9(m,1F),−171.6(m,1F)。
【0123】
[例2]化合物(a11)の製造例
反応器に、CH=CHCHOCOCH(158g)とアゾイソブチロニトリル(4.77g)を入れ、反応器内温65℃にて(CFCFI(430g)を滴下し、さらに反応器内を撹拌した。反応器内溶液を、亜鉛(105g)とメタノール(446g)を入れた反応器に25℃にて滴下し、さらに反応器内を撹拌した。反応器内溶液を減圧蒸留してCH=CHCHCF(CF(199g)を得た。
【0124】
反応器に、CFClCFClI(312g)とアゾイソブチロニトリル(3.0g)を入れ、反応器内温70℃にてCH=CHCHCF(CF(199g)を滴下し、さらに反応器内を撹拌した。反応器内溶液を減圧蒸留してCFClCFClCHCHI(CHCF(CF)(430g)を得た。
【0125】
反応器に、CFClCFClCHCHI(CHCF(CF)(430g)とTHF(935g)を入れ、反応器内温−70℃にてCH=CHCHMgClを含むTHF溶液(482g)を1時間かけて滴下し、反応器内温25℃にて12時間、反応器内を撹拌した。反応器内溶液の濾液を濃縮し、さらに塩酸水溶液と飽和食塩水で洗浄した後に減圧蒸留してCFClCFClCHCH(CHCF(CF)CHCH=CH(175g)を得た。
【0126】
反応器に、亜鉛(55g)とN−メチル−2−ピロリジノン(310g)を入れ、反応器内温75℃にてCFClCFClCHCH(CHCF(CF)CHCH=CH(175g)を滴下し、さらに反応器内を撹拌した。反応器内溶液を濃縮し、塩酸水溶液と飽和食塩水で洗浄してから減圧蒸留して化合物(a11)(92g)を得た。
【0127】
化合物(a11)のNMRスペクトルを以下に示す。
H−NMR(399.8MHz、溶媒:重アセトン、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):2.42(m,7H),5.14(m,2H),5.80(m,1H)。
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:重アセトン、基準:CFCl)δ(ppm):−185.1(m,1F),−172.3(m,1F),−123.7(m,1F),−104.9(m,1F),−76.5(m,6F)。
【0128】
[例3]重合体(A)の製造例
[例3−1]重合体(A−1)の製造例
耐圧反応器(内容積30mL、ガラス製)に、化合物(a11)(2.5g)と酢酸エチル(9.7g)を入れ、重合開始剤としてIPPを50質量%含むR225溶液(0.63g)を入れた。耐圧反応器内を減圧脱気した後、反応器内温40℃にて18時間、重合反応を行った。つぎに、反応器内溶液をメタノール中に滴下して生成した固形分を回収し、該固形分を70℃にて24時間真空乾燥して、25℃にて白色粉末状の重合体(1.72g)(重合体(A−1)という。)を得た。重合体(A−1)は、単位(A11)からなる重合体であった。重合体(A−1)のMnは5400であり、Mwは10300であった。
【0129】
[例3−2]重合体(A−2)の製造例
耐圧反応器(内容積30mL、ガラス製)に、化合物(a11)(2.5g)と酢酸エチル(4.5g)を入れ、重合開始剤としてIPPを50質量%含むR225溶液(0.21g)を入れた。耐圧反応器内を減圧脱気した後、反応器内温40℃にて18時間重合反応を行った。つぎに、反応器内溶液をメタノール中に滴下して生成した固形分を回収し、該固形分を90℃にて24時間真空乾燥して、25℃にて白色粉末状の重合体(2.17g)(重合体(A−2)という。)を得た。重合体(A−2)は、単位(A11)からなる重合体であった。重合体(A−2)のMnは7300であり、Mwは15900であった。
【0130】
示差走査熱分析法を用いて測定した重合体(A−2)のガラス転移温度は、82℃であった。また、重合体(A−2)は、アセトン、THF、酢酸エチル、R225およびキシレンヘキサフルオライドにそれぞれ可溶であった。
【0131】
[例3−3]重合体(A−3)の製造例
耐圧反応器(内容積30mL、ガラス製)に、化合物(c)(0.3g)、化合物(a11)(1.26g)、R225(6.0g)および2−プロパノール(0.14g)を入れ、重合開始剤としてIPPを50質量%含むR225溶液(0.24g)を入れた。耐圧反応器内を減圧脱気した後、反応器内温40℃にて18時間重合反応を行った。反応器内容液を濃縮した後にR225で希釈して得られた溶液を、ヘキサン中に滴下して生成した固形分を回収し、該固形分を90℃にて24時間真空乾燥して、25℃にて白色粉末状の重合体(1.14g)(重合体(A−3)という。)を得た。重合体(A−3)をNMR分析した結果、重合体(A−3)は、単位(A11)と単位(C)を含む重合体であり、全繰り返し単位に対して、単位(A11)を81モル%、単位(C)を19モル%含む重合体であった。重合体(A−3)のMwは6700であり、Mnは10600であった。また、重合体(A−3)は、アセトン、THF、酢酸エチル、R225、PGMEA、シクロペンタノンにそれぞれ可溶であった。
【0132】
[例4]重合体(B)の製造例
[例4−1]重合体(B−1)の製造例
反応器(内容積200mL、ガラス製)に、下記化合物(b11)(10.4g)、下記化合物(b21)(8.0g)、下記化合物(b31)(3.7g)およびメチルエチルケトン(76.5g)を入れ、さらに連鎖移動剤としてイソプロパノール(6.3g)と重合開始剤としてIPPを50質量%含むR225溶液(11.0g)とを入れた。耐圧反応器内を減圧脱気した後、反応器内温40℃にて18時間重合反応を行った。
【0133】
つぎに、反応器内溶液をヘキサン中に滴下して生成した固形分を回収し、該固形分を90℃にて24時間真空乾燥して、25℃にて白色粉末状の重合体(15.9g)(重合体(B−1)という。)を得た。重合体(B−1)のMnは2870であり、Mwは6600であった。
【0134】
13C−NMR法分析によると、重合体(B−1)は、全繰り返し単位に対して、化合物(b11)の繰り返し単位を40モル%、化合物(b21)の繰り返し単位を40モル%、および化合物(b31)の繰り返し単位を20モル%含む重合体であった。また、重合体(B−1)は、THF、PGMEAおよびシクロペンタノンにそれぞれ可溶であった。
【0135】
【化24】


【0136】
[例5]重合体(X)の製造例
化合物(a11)のかわりにCH=CHC(O)OCHCH(CFFを用いる以外は例3−1と同様にして、CH=CHC(O)OCHCH(CFFの重合により形成された繰り返し単位からなるMw100000の重合体(重合体(X)という。)を得た。
【0137】
[例6]組成物の製造例
[例6−1]組成物(1)の製造例
重合体(A−1)(10.0mg)と重合体(B−1)(0.20g)を、シクロペンタノン(2.8g)に溶解させて、均一な溶液を得た。該溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(B−1)の総量に対して4.8質量%の重合体(A−1)を含む組成物(1)を得た。
【0138】
[例6−2]組成物(2)の製造例
重合体(A−2)を1.0質量%含むメタキシレンヘキサフルオライド溶液(2.0g)と重合体(B−1)を8.0質量%含むシクロペンタノン溶液(5.0g)を混合して、均一な溶液を得た。該溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(B−1)の総量に対して5.0質量%の重合体(A−2)を含む組成物(2)を得た。
【0139】
[例6−3]組成物(3)の製造例
重合体(A−3)(20.0mg)と、重合体(B−1)を7.63質量%含むPGMEA溶液(4.98g)とを混合して、透明均一な溶液を得た。該溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(B−1)の総量に対して5.0質量%の重合体(A−3)を含む組成物(3)を得た。
【0140】
[例6−4]組成物(4)の製造例
CF=CFOCFCF(CF)CH=CHの環化重合により形成された下記繰り返しからなる重合体(Mw21000,Mn12000)(以下、重合体(A−4)という。)を0.55質量%含むメタキシレンヘキサフルオライド溶液(1.18g)と、重合体(B−1)を10質量%含むシクロペンタノン溶液(1.30g)とを混合して、均一な溶液を得た。該溶液を孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過をして、重合体(B−1)の総量に対して5.0質量%の重合体(A−4)を含む組成物(4)を得た。
【0141】
【化25】


【0142】
[例6−5]組成物(5)の製造例
重合体(A−4)のかわりに、CF=CFOCFCFCH=CFの環化重合により形成された下記繰り返しからなる重合体(Mw65000,Mn40000。)(以下、重合体(A−5)という。)を用いる以外は同様にして、重合体(B−1)の総量に対して5.0質量%の重合体(A−5)を含む組成物(4)を得た。
【0143】
【化26】


【0144】
[例6−6]組成物(X)の製造例
重合体(A−4)のかわりに重合体(X)を用いる以外は例6−4と同様にして、重合体(B−1)の総量に対して5.0質量%の重合体(X)を含む組成物(X)を得た。
【0145】
[例7]組成物の撥水性評価例
表面に反射防止膜(ROHM AHD HAAS Electronic Materials社製 商品名AR26)が形成されたシリコン基板上に、組成物(1)を回転塗布した。つぎに、シリコン基板を100℃にて90秒間加熱処理し、さらに130℃にて120秒間加熱処理して、重合体(A−1)と重合体(B−1)からなる樹脂薄膜(膜厚50nm)をシリコン基板上に形成した。つづいて、該樹脂薄膜の水に対する、静的接触角、動的転落角、動的後退角をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
【0146】
組成物(1)のかわりに組成物(2)〜(5)、組成物(X)をそれぞれ用いる以外は同様にして、シリコン基板上に樹脂薄膜を形成し、水に対する静的接触角、動的転落角および動的後退角を測定した。また、重合体(B−1)のみからなる樹脂薄膜の静的接触角、動的転落角および動的後退角を測定した。結果をまとめて表1に示す。静的接触角、動的転落角、動的後退角の単位は、それぞれ角度(°)である。
【0147】
【表1】


【0148】
以上の結果から明らかであるように、重合体(A)と重合体(B)を含む組成物から形成される樹脂薄膜は、重合体(B)のみから形成される樹脂薄膜、または重合体(B)と重合体(X)を含む組成物から形成される樹脂薄膜に比較して、高撥水性であり、動的転落角が低くかつ動的後退角が高いことから動的撥水性に特に優れていることがわかる。したがって、重合体(A)と重合体(B)を含む本発明の液浸レジスト組成物を液浸リソグラフィー法に用いた場合には、感光性レジスト上を移動する投影レンズに水がよく追従するため、液浸リソグラフィー法を安定実施できる。
【0149】
[例7]組成物の感光性評価例
重合体(B−1)(1g)、重合体(A−3)(0.05g)およびトリフェニルスルホニウムトリフレート(0.05g)を、PGMEA(10mL)に溶解させて得られた透明均一な溶液を、孔径0.2μmのフィルター(PTFE製)に通して濾過して、感光性レジスト組成物を得た。
【0150】
表面に反射防止膜(ROHM AHD HAAS Electronic Materials社製 商品名AR26)が形成されたシリコン基板上に、前記感光性レジスト組成物を回転塗布した。シリコン基板を、100℃にて90秒間加熱処理し、さらに130℃にて120秒間加熱処理して、感光性レジスト組成物から形成された樹脂薄膜(膜厚150nm)が形成されたシリコン基板を得た。
【0151】
ArFレーザー光(波長193nm)を光源とする二光束干渉露光装置を用い、前記シリコン基板の90nmL/Sの露光試験を、超純水を液浸媒体とする液浸露光法とDry法とで行った。いずれの場合においても、シリコン基板上の樹脂薄膜に良好なパターンが形成されていることがSEM画像にて確認できた。また、重合体(A−3)のかわりに重合体(A−1)、重合体(A−2)、重合体(A−4)または重合体(A−5)を用いる以外は同様にして感光性レジスト組成物を調製し露光試験を行った場合も、シリコン基板上の樹脂薄膜に良好なパターンが形成されていることがSEM画像にて確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明によれば、レジスト特性(短波長光に対する透明性、エッチング耐性等。)に優れ、高撥水性で水に浸漬されにくく、水に対する動的撥水性に特に優れた液浸リソグラフィー用レジスト組成物が提供されるため、液浸リソグラフィー法を安定実施できる。
【出願人】 【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−8974(P2008−8974A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176879(P2006−176879)