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【発明の名称】 写真処理装置
【発明者】 【氏名】大廣 秀和

【要約】 【課題】コントロールストリップを収容したコントロールストリップ用ホルダーHが現像処理部130に適正に装着されていることを確認できた上で、コントロールストリップ処理を開始可能とする写真処理装置100を提供する。

【解決手段】写真処理装置とコントロールストリップ用ホルダーとの間の通信機能を用い、コントロールストリップ用ホルダーHが現像処理部130に装着されていると確認して初めてコントロールストリップ処理を開始してもよい状態にする構成であるため、例えば、コントロールストリップ用ホルダーHが装着されていない状態でコントロールストリップ処理が開始されて、当然の如く、コントロールストリップが現像処理を終えた形で現像処理部130から出てこないため、タイムアウトエラーとして扱われ、これにより写真処理装置100の(構成要素の一部又は全部の)起動が停止されてしまい、その結果、再起動に時間を要して実稼働時間が縮小を余儀なくされるといったような問題を無くすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光処理された感光材料を搬送しつつ現像処理する現像処理部を備え、該現像処理部の現像処理液を管理するための枚葉状のコントロールストリップを収容したコントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着可能であるとともに、該コントロールストリップ用ホルダーから供給されたコントロールストリップを現像処理部で搬送しつつ現像するコントロールストリップ処理を行うように構成された写真処理装置において、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されている状態で、該コントロールストリップ用ホルダーが備える通信手段と通信可能な通信手段を備えるとともに、コントロールストリップ用ホルダーとの通信が成立したことにより、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると判定する判定手段を備え、該判定手段によりコントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていることを確認した上で、コントロールストリップ処理を開始可能とするよう構成されたことを特徴とする写真処理装置。
【請求項2】
前記通信は、コントロールストリップ用ホルダーを現像処理部に装着した時点で行われる請求項1に記載の写真処理装置。
【請求項3】
前記通信は、定期的に行われる請求項1又は2に記載の写真処理装置。
【請求項4】
前記コントロールストリップ用ホルダーは、コントロールストリップ処理が行われたか否かの情報を保持し、該情報は、前記通信によってコントロールストリップ用ホルダーから通知される請求項1〜3の何れか1項に記載の写真処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、感光材料を現像処理する機能を備えた写真処理装置に関し、詳しくは、現像処理液を管理するための枚葉状のコントロールストリップを収容したコントロールストリップ用ホルダーを装着することでコントロールストリップが現像処理部に供給されるように構成された写真処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、露光処理された感光材料を現像処理する現像処理部を備えた写真処理装置が知られている。かかる写真処理装置には、感光材料を処理する装置として、前記現像処理部(装置)に加えて感光材料に露光処理を施す露光処理部(装置)を備えたものや、現像処理部のみを独立した装置として備えたものがあるが、何れも、現像処理部には、現像処理液を収容する現像処理液槽が設けられるとともに、該現像処理液槽内で感光材料を搬送する搬送系が設けられており、現像処理液に浸漬させつつ搬送系で感光材料を搬送することでプリントが得られるようになっている。
【0003】
そして、現像処理液の劣化等がプリントの品質に大きく左右するとして、通常、現像処理部を備えた写真処理装置は、予め所定のパターンが露光された感光材料(いわゆる、コントロールストリップ)を現像処理し、その発色状態から現像処理液の状態の優劣を判断して現像処理液を管理するようになっている。
【0004】
これに伴い、現像処理部は、搬送系の構成した搬送経路の途中位置(通常、最上流位置)からコントロールストリップを挿入できるようになっている。より具体的には、現像処理部は、枚葉状のコントロールストリップを収容可能に構成されたホルダー本体を備えたコントロールストリップ用ホルダーを装着できるように構成されており、該コントロールストリップ用ホルダーから搬送経路の最上流位置にコントロールストリップが供給されるようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−173010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年は、写真処理装置においても自動化が進み、オペレータが出勤する前に、現像処理部の現像処理液の温調(温度調整)を行った上でコントロールストリップ処理を自動的に終えるようしたものも提供されている。かかる写真処理装置は、オペレータが出勤してからコントロールストリップ処理をする必要がないため、実稼働時間を長くして処理量を多くすることができるといったメリットがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献2】特開平05−281692号公報
【0006】
そこで、本願出願人は、コントロールストリップ用ホルダーに対して、コントロールストリップ処理の自動化技術を適用した写真処理装置を提供すべく、例えば、コントロールストリップ用ホルダーのホルダー本体内に、該コントロールストリップ用ホルダー内に収容されているコントロールストリップを現像処理部内に向けて搬送する搬送機構を設け、この搬送機構を現像処理部における搬送系と同期するように駆動制御するといった構成について考察した。
【0007】
しかしながら、このような写真処理装置を現実の製品として顧客に提供するに当り、現像処理部にコントロールストリップ用ホルダーが装着されていないにも関わらず、コントロールストリップ処理を開始できる仕様や、現像処理部にコントロールストリップ用ホルダーが装着されてはいるものの、コントロールストリップ用ホルダーが正常に動作しない状態であるにも関わらず、コントロールストリップ処理を開始できる仕様では問題がある。例えば、コントロールストリップ用ホルダーが装着されていない状態でコントロールストリップ処理が開始されて、当然の如く、コントロールストリップが現像処理を終えた形で現像処理部から出てこないため、タイムアウトエラーとして扱われ、これにより、写真処理装置の(構成要素の一部又は全部の)起動が停止されてしまい、その結果、再起動に時間を要して実稼働時間が縮小を余儀なくされるといったような問題である。従って、この点につき、何らかの対策を講じておく必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、コントロールストリップを収容したコントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に適正に装着されていることを確認できた上で、コントロールストリップ処理を開始可能とする写真処理装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、露光処理された感光材料を搬送しつつ現像処理する現像処理部を備え、該現像処理部の現像処理液を管理するための枚葉状のコントロールストリップを収容したコントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着可能であるとともに、該コントロールストリップ用ホルダーから供給されたコントロールストリップを現像処理部で搬送しつつ現像するコントロールストリップ処理を行うように構成された写真処理装置において、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されている状態で、該コントロールストリップ用ホルダーが備える通信手段と通信可能な通信手段を備えるとともに、コントロールストリップ用ホルダーとの通信が成立したことにより、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると判定する判定手段を備え、該判定手段によりコントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていることを確認した上で、コントロールストリップ処理を開始可能とするよう構成されたことを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着された状態で、コントロールストリップ用ホルダーが備える通信手段と、写真処理装置が備える通信手段とが通信可能となるが、実際に両者の通信が成立すると、写真処理装置は、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると判定する。そして、写真処理装置は、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると確認できたので、コントロールストリップ処理を開始してもよい状態にする。
【0011】
また、本発明は、前記通信は、コントロールストリップ用ホルダーを現像処理部に装着した時点で行われる構成を採用することができる。
【0012】
かかる構成によれば、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着された時点で、コントロールストリップ用ホルダーが備える通信手段と、写真処理装置が備える通信手段とが通信可能となるが、実際に両者の通信が成立すると、写真処理装置は、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると判定する。そして、写真処理装置は、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると確認できたので、コントロールストリップ処理を開始してもよい状態にする。
【0013】
また、本発明は、前記通信は、定期的に行われる構成を採用するのが好ましい。
【0014】
例えば、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着された時点で、通信が成立して、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると確認できたとしても、それ以降に、コントロールストリップ用ホルダーが抜かれたり、オペレータがコントロールストリップ用ホルダーに不用意に接触してコントロールストリップ用ホルダーが外れてしまったり、コントロールストリップ用ホルダーの通信手段に何らかのトラブルが発生した場合等、コントロールストリップ処理を開始するには不都合な状況が発生することもあり得る。上記構成によれば、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されているかどうかを定期的に確認するようにしているため、このような問題は生じない。
【0015】
また、本発明は、前記コントロールストリップ用ホルダーは、コントロールストリップ処理が行われたか否かの情報を保持し、該情報は、前記通信によってコントロールストリップ用ホルダーから通知される構成を採用するのが好ましい。
【0016】
例えば、写真処理装置が停電やアクシデント等でダウンした後、再起動された写真処理装置は、コントロールストリップ処理が既に行われたのかどうかが不明となる。コントロールストリップ処理が既に行われたにも関わらず、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着され且つ通信が成立したことをもって、写真処理装置がコントロールストリップ処理を開始してもよい状態にしてしまうと、同様に上述の問題が生じることもあり得る。上記構成によれば、写真処理装置は、例えば再起動後であっても、コントロールストリップ用ホルダーからコントロールストリップ処理の有無を確認することができるので、上記問題は生じない。
【発明の効果】
【0017】
以上の如く、本発明によれば、写真処理装置とコントロールストリップ用ホルダーとの間の通信機能を用い、コントロールストリップ用ホルダーが現像処理部に装着されていると確認して初めてコントロールストリップ処理を開始してもよい状態にする構成であるため、例えば、コントロールストリップ用ホルダーが装着されていない状態でコントロールストリップ処理が開始されて、当然の如く、コントロールストリップが現像処理を終えた形で現像処理部から出てこないため、タイムアウトエラーとして扱われ、これにより写真処理装置の(構成要素の一部又は全部の)起動が停止されてしまい、その結果、再起動に時間を要して実稼働時間が縮小を余儀なくされるといったような問題を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る写真処理装置の一実施形態について、図面を参酌しつつ詳細に説明する。
【0019】
図1に示す如く、写真処理装置100は、画像データに基づいて感光材料Pを露光処理する露光処理部110と、感光材料Pの供給能力を高めるべく露光処理部110に対して増設される補助供給部120と、露光処理された感光材料Pを現像処理する現像処理部(現像処理装置)130と、現像処理後の感光材料Pを乾燥処理する乾燥処理部140と、乾燥処理された感光材料Pが排出される排出部150とを備えている。
【0020】
写真処理装置100には、制御装置101が内装され、制御装置101によって全体の制御が行われると共に、読み取った画像データや編集した画像データに基づいて制御装置101が露光処理等を行うようになっている。また、制御装置101は、各処理の処理状況や操作案内等を表示するモニタ102、該モニタ102の表示に基づいて入力操作を行うための入力手段(図示しない)、露光処理部110で感光材料Pに露光処理を行うための画像データを読み取る読取手段(図示しない)、露光処理を行うに際し、各種処理や写真処理装置100の実質的な制御を行う演算処理装置(図示しない)を備える。
【0021】
露光処理部110は、ロール状に巻回された長尺な感光材料Pを収容するマガジン111と、該マガジン111(あるいは後述するマガジン121,122)から供給された感光材料Pを所定の長さで切断してカットシートにする切断機構112と、該切断機構112で切断された感光材料Pを露光処理する露光ユニット113と、露光処理部110内の各構成間で感光材料Pを搬送し、マガジン111(あるいは後述するマガジン121,122)から供給された感光材料Pを下流側(現像処理部130)に搬送する搬送機構114とを備えている。
【0022】
マガジン111は、ロール状の感光材料Pを回転可能に保持し、感光材料Pを長手方向に排出できるようになっている。また、露光処理部110、現像処理部130及び乾燥処理部140を一体的にする主筐体に対し、補助供給部120として、オプション(追加)の第2のマガジン121及び第3のマガジン122を収容する副筐体が接続できるようになっており、主筐体内のマガジン111から供給される感光材料Pの搬送経路に対し、オプションのマガジン121,122から供給される感光材料Pの搬送経路が主筐体内で合流するように構成され、写真処理に際しては、何れか一つのマガジン111,121,122から供給された感光材料Pが用いられる。
【0023】
露光ユニット113は、搬送機構114において搬送される感光材料Pの乳剤面を露光する露光エンジンを備えている(図中の矢印が感光材料Pに対する露光ポイント)。該露光エンジンは、レーザー光源(図示しない)や、該レーザー光源からのレーザー光を露光ポイントにまで導く光学系(例えば、ポリゴンミラーやレンズ、図示しない)等を備えた、いわゆるレーザーエンジンが採用されている。尚、露光エンジンには、ハロゲンランプ等からなる光源と、該光源に光ファイバー束を介して接続された光シャッター(PLZT)とで構成されたもの等、その他のいわゆるデジタル露光エンジンであってもよい。
【0024】
搬送機構114は、露光処理部110内の搬送経路に対して随所に配置され且つ感光材料Pを圧着搬送(ローラ搬送)する複数のローラ対と、感光材料Pを圧着(把持)可能に構成され且つ搬送経路に沿って往復動可能に構成されたスライド搬送体との組合せで構成されている。スライド搬送体は、ローラ対間(本実施形態においては、切断機構112の下流側で水平方向に形成された搬送経路上と、露光ユニット113の下流側で垂直方向に形成された搬送経路上と)に設けられており、上流側のローラ対から送られてくる感光材料Pを受け取って、該感光材料Pを下流側のローラ対に送り出すように構成されている。
【0025】
現像処理部130は、露光処理部110から送り込まれてくる感光材料Pを現像するためのもので、現像処理液が貯留される現像処理液槽131と、該現像処理液槽131内の現像処理液に対して感光材料Pを浸漬して引き上げる動作を繰り返すように、感光材料Pを搬送するメイン搬送系132と、該メイン搬送系132の最上流位置に現状処理液の管理を行うためのコントロールストリップ(以下、略して「コンスト」という)を供給するためのサブ搬送系133とを備えている。
【0026】
前記現像処理液槽131は、複数の液槽が横並びに配置されることで構成されている。各液槽には、感光材料Pに対して現像処理、漂白処理、定着処理、安定処理を行うための現像処理液が貯留されている。即ち、各液槽には、上流側から順に現像液(CD)、漂白・定着液(BF)、安定液(STB)、洗浄液が貯留されている。
【0027】
そして、図1には感光材料Pの通過する搬送経路のみを示しているが、メイン搬送系132は、連続したS字の搬送経路を形成するように、感光材料Pの搬送方向に間隔をおいて配設された複数のローラ対(図示しない)で構成されている。メイン搬送系132を構成する各ローラ対は、同期駆動するようになっており、感光材料Pを順々に受け渡して下流側に搬送できるようになっている。
【0028】
現像処理部130の上部には、後述するコントロールストリップ用ホルダー(以下、略して「コンストホルダー」という)Hを装着する装着口135が設けられており、前記サブ搬送系133は、該装着口135とメイン搬送系132が構成する搬送経路の最上流部分との間に設けられている。該サブ搬送系133は、回転駆動するローラ対134a,134bで構成されており、装着口135に装着されたコンストホルダーHからのコンストを圧着搬送し、メイン搬送系132が構成する搬送経路の最上流部分(メイン搬送系132の最上流の領域にあるローラ対間)に供給できるように設けられている。
【0029】
前記メイン搬送系132は、サブ搬送系133の感光材料Pの搬送速度よりも高速に設定されており、メイン搬送系132が到達した感光材料Pを引き込むようになっている。尚、本実施形態においては、コンストホルダーHにも後述する搬送機構(以下、「ホルダー搬送機構」という)が設けられ、そのホルダー搬送機構で搬送されてきたコンストをサブ搬送系133が搬送するようになっており、ホルダー搬送機構との関係においては、サブ搬送系133の感光材料Pの搬送速度の方がホルダー搬送機構の搬送速度よりも高速に設定されている。即ち、感光材料Pの処理能力の観点を基準にすれば、現像処理能力が定まるメイン搬送系132の感光材料Pの搬送速度(V1)よりもサブ搬送系133の搬送速度(V2)が低速で、サブ搬送系133の搬送速度(V2)よりもホルダー搬送機構の搬送速度(V3)が低速(V1>V2>V3)になるように速度設定されている。
【0030】
乾燥処理部140は、上流側の現像処理部130から送り込まれる感光材料Pを搬送する搬送系(一般的には複数のローラ対で構成されるが、搬送経路だけを図示することとし、搬送系そのものは図示しない)と、該搬送系で搬送される感光材料Pを乾燥させる乾燥装置(図示しない)とを備えている。
【0031】
排出部150は、乾燥処理部140から送り出された感光材料Pを受ける排出コンベア150aと、該排出コンベア150aによって搬送されてきた感光材料Pをオーダー毎に仕分ける仕分機構(図示しない)とを備えている。
【0032】
そして、この種の写真処理装置100は、感光材料Pに対して露光・現像処理する実稼働前に、露光ユニット113(露光エンジン)の露光条件を設定するセットアップ処理を行うようになっている。このセットアップ処理は、露光処理部110で感光材料Pに所定のパターン(露光ユニット113の光源の調整に必要な色パターン等)を露光処理し、それを現像処理部130で現像処理したものを測色計で発色状態を計測し、その計測結果を基に露光ユニット113を適正な状態に設定することによって行われる。これに伴い、該写真処理装置100においても、感光材料Pの発色を測定する測色計115を備えている。該測色計115は、バスを介して演算処理装置に接続されており、該演算処理装置が測色計115の測色結果を基に露光ユニット113を調整するようになっている。
【0033】
そして、本実施形態に係る写真処理装置100は、前記セットアップ処理を自動で行えるよう、露光、現像、乾燥処理を経た感光材料Pを測色計115に自動供給できるようになっている。より具体的に説明すると、該写真処理装置100は、前記測色計115が前記排出コンベア150aの下方領域に配設されており、乾燥処理部140内の感光材料Pの搬送経路が、最下流側で排出コンベア150aに繋がるメイン経路Aと、測色計115に繋がるサブ経路Bとに分かれている。
【0034】
写真処理装置100は、以上の概略構成からなり、本実施形態に係るコンストホルダーHは、現像処理部130内の搬送経路の最上流位置、即ち、露光処理部110から現像処理部130に感光材料Pが送り込まれる位置に着脱自在に装着され、現像処理部130における搬送経路のうち、現像処理液槽131に入る手前の位置にコンストを供給可能な構成となっている。以下は、そのコンストホルダーHの詳細な説明である。
【0035】
図2及び図3に示す如く、コンストホルダーHは、内部にコンストを収容する収容空間を形成するとともに、該収容空間内にコンストを出し入れする開口部3が形成されたホルダー本体1を備えている。該ホルダー本体1は、コンストが長方形状であるのに対応して、長方形状に形成されている。また、ホルダー本体1の一端側(長手方向の一端部:領域2)は、写真処理装置100の前記装着口135に挿入される装着部となっており、前記開口部3がこの装着部2に形成されている。
【0036】
前記開口部3は、コンストの断面形状に対応して、極細で横長なスリット状に形成されている(以下、開口部を「スリット」と言うこととする)。また、ホルダー本体1内(遮蔽空間内)に収容された状態の未現像処理のコンストが不用意に感光してしまわないよう、ホルダー本体1内に、スリット3からの光(スリット3から収容空間に進入する光)を遮光するシャッター機構が設けられている。また、ホルダー本体1内に収容されたコンストを写真処理装置100の装着口135を介して写真処理装置100内に自動的に供給可能とすべく(コンストを外部に自動的に排出可能とすべく)、ホルダー本体1の内部であって、同じくスリット3の近傍位置に、前記ホルダー搬送機構(搬送機構)も設けられている。尚、これらシャッター機構、ホルダー搬送機構については、後で詳述するので、ここではこの程度の説明にしておく。
【0037】
このようなスリット3を備える装着部2以外のホルダー本体1の三方は、完全に遮光状態で閉じられているが、その三方の周縁部は、中央部よりも膨らんだ、断面凸形状となっており、作業者の手の指の引っ掛かり性を良くしてスベリやすさを無くし、良好な取り扱い性(ハンドリング性)を実現している。また、周縁部にこのような膨らみを持たせることで、周縁部の内部には、搬送機構で使用されるモータや、電装基板、あるいは内部電源としての電池といったものの収容空間を実現している。
【0038】
一方、周縁部を除く、ホルダー本体1の中央部(符号4で囲まれる領域)は、厚みが小さくなっており、コンストを収容するための収容空間を形成している。尚、この収容空間(領域4)のうち、装着部2とは反対側に設けられた符号5の構成は、ホルダー本体1の表裏に跨って着脱自在に装着され、内部の収容空間を横断する位置決めピンである。コンストは、メーカーあるいは品番によって長さが異なるものが提供されるが、短いサイズのコンストは、ホルダー本体1内のホルダー搬送機構を超えて奥に入り込んでしまうことがあり、そうなると、ホルダー搬送機構による自動排出が不可能となる。この位置決めピン5は、短いサイズのコンストが奥に入り込まないようにするための、コンストの移動を規制するものである。長いサイズのコンストを取り扱う場合は、この位置決めピン5を抜いて、別の遮光ピン5aに交換して使用する。
【0039】
ところで、ホルダー本体1は、前面(図2で見える面であって、コンストの乳剤面(潜像形成面)と対向する面)と、背面(図3で見える面であって、コンストの乳剤面とは反対の面と対向する面)とが分割できるよう、厚み方向中間位置で二分割できる構成となっている。即ち、ホルダー本体1は、外観構成が、前面を含む前面カバー本体1aと、背面を含む背面カバー本体1bとからなり、それら前面及び背面の一対のカバー本体1a,1bが組み立て・分解可能に構成されている。
【0040】
図4は、前面カバー本体1aが取り外された状態の背面カバー本体1bの内部状態を示し、図5は、背面カバー本体1bが取り外された状態の前面カバー本体1aの内部状態を示す。尚、背面カバー本体1bの一方の側縁部に切欠部1cを形成しているのは、そこを、ホルダー本体1の一方の側縁部に形成された電池収容部に電池8をセットあるいはその内部の電池8を取り出すためのアクセスポイントとするためである。通常、その切欠部1cは、蓋7(図3を参照)で覆われ、電池8が離脱しないようになっている。
【0041】
図4及び図5に示す如く、前記シャッター機構は、符号15で表され、前面カバー本体1aと背面カバー本体1bとに跨って構成される。また、前記ホルダー搬送機構は、符号30で表され、シャッター機構15と同様、前面カバー本体1aと背面カバー本体1bとに跨って構成される。
【0042】
シャッター機構15は、互いに密接することでスリット3からの光を遮光する一対の遮光体16,17を主要構成とし、一方の遮光体16が、スリット3の形成位置に対応させて背面カバー本体1b(図4参照)に取り付けられ、他方の遮光体17が、スリット3の形成位置に対応させて前面カバー本体1a(図5参照)に取り付けられている。すなわち、一対の遮光体16,17は、前面カバー本体1a及び背面カバー本体1bを組み合わせることで、互いに密接し、スリット3を介しての外部から収容空間へ進入しようとする光を遮断(遮光)できるようになっている。
【0043】
図6を参照すれば、より理解できるが、一方の遮光体16は、板状の部材からなり、剛性を有するベース部材18aと、該ベース部材18aの表面を覆うように設けられた軟性を有するシート部材19aとで構成される。
【0044】
該ベース部材18aは、合成樹脂からなる成型品であり、シート部材19aは、例えば表面が起毛した、別珍(ベルベッティーン)が用いられる。遮光体16は、外部からホルダー本体1内へのコンストの挿入(ホルダー本体1への収容)あるいはホルダー本体1内から外部へのコンストの排出(写真処理装置100への供給)の際、コンストが摺接する部材であるため、コンストの挿入、排出に支障を来さないよう(出し入れされるコンストが遮光体16と干渉して搬送が阻害されないよう)、挿入側端部及び排出側端部のそれぞれが傾斜し、テーパ状となっている。
【0045】
具体的には、一方の遮光体16は、コンストの通過する平面領域(以下、この平面領域を搬送面という)と略平行で、且つコンストの搬送方向と直交する方向に横長となる中間部16aと、該中間部16aから延出し、先端側ほどコンストの搬送面から離間するように傾斜し、且つコンストの搬送方向と直交する方向に横長となる挿入側端部16bと、該挿入側端部16bとは反対側の中間部16aから延出し、先端側ほどコンストの搬送面から離間するように傾斜し、且つコンストの搬送方向と直交する方向に横長となる排出側端部16cとで構成され、平板が平行な二箇所位置で同方向に屈曲された形状を有する。実際には、ベース部材18aが上記のような形状に成型され、その表面にシート部材19aが貼着されることにより、シート部材19aも同様な形状となるものである。
【0046】
そして、該一方の遮光体16は、コンストの搬送方向と直交する方向の長さ(幅)が、コンストの幅寸法よりも大きいことを前提に、収容空間側に向かうにつれて短く(狭く)なるように形状設定されている。本実施形態においては、幅方向における遮光体16の両端が対称的に傾斜することで、収容空間側ほど幅狭に形成されている。これは、挿入されるコンストの幅方向の両端縁を案内する一対のガイド部(採番しない)がホルダー本体1内に形成されていることを前提としたもので、一対の遮光体16,17による十分な遮光性を保ちつつ(密接する領域を確保しつつ)、ガイド部の形成基点をできるだけスリット3側に位置させてコンストを収容する収容空間をスリット3側でも確保し、ホルダー本体1の大型化(長手方向の長さの長大化)の防止を図るためである。
【0047】
また、一方の遮光体16は、コンストを出し入れする方向(挿入・排出方向)に対して直交又は略直交し、且つコンストの搬送面と平行又は略平行に延びる所定の軸線周りで回転可能に構成されるとともに、コンストの搬送面に対して直交方向に変移可能に構成されている。
【0048】
より具体的には、一方の遮光体16は、下面(他方の遮光体17と対向する面とは反対側の面)側にバー20が取り付けられ、該バー20がカバー本体1bに回転自在に支持されることで、回転可能(揺動可能)となっている。本実施形態において、前記バー20は、コンストの搬送面と平行且つコンストの搬送方向と直交する方向に沿って配置され、しかも、該直交する方向において遮光体16よりも長く形成され、丸棒が用いられている。そして、かかるバー20は、排出側端部16cの下面に固定され、ここが遮光体16の回転中心(揺動中心)となる。
【0049】
さらに、前記バー20は、上述のとおり、遮光体16よりも長くなっているため、両端部が遮光体16のそれぞれ側方から突出した状態にある。そこで、そのバー20の両端部に支持体22,22が取り付けられるようになっている。各支持体22,22は、ブロック形状を有し、該支持体22に形成された孔にバー20の端部が嵌入されることで、バー20、遮光体16と共に一体化されている。
【0050】
支持体22は、遮光体16を操作する(動作させる)ための操作手段としても機能する。即ち、支持体22は、突起部22aが形成され、該突起部22aを押圧することにより、遮光体16を間接的に回転方向(実際にはバー20の周方向に対する接線方向)に付勢し、図6(ロ)に示すような定常位置から遮光体16が回転する。尚、図示はしないが、遮光体16は、図6(ロ)に示す定常位置となるよう、常時、バネ、ゴム等の弾性部材(付勢手段)により弾性付勢されており、突起部22aを押圧する際は、弾性付勢に抗して押圧操作を行うこととなる。即ち、遮光体16は、コンストの搬送面に向かって直接又は間接に弾性付勢されており、遮光体16がコンストの搬送面から離間する方向に突起部22aを押圧することで、遮光体16がコンストの搬送面から離間する。
【0051】
また、突起部22aは、遮光体16が支持されている側のカバー本体(背面カバー本体)1bとは反対側のカバー本体(前面カバー本体)1aの対応箇所に形成された開口から臨出するようになっている(図2を参照)。従って、ホルダー本体1が組み立てられている状態であっても、外部から突起部22aを押圧して遮光体16の操作を行うことが可能となっている。
【0052】
ところで、バー20は、カバー本体1bに回転自在に支持されると述べたが、その支持される箇所は、それぞれ支持体22の内側(コンストの搬送方向中心側)であって、遮光体16の側方よりは外側(コンストの搬送方向中心から離れる方向)である。即ち、バー20のカバー本体1bでの支持箇所は、二箇所であり、それぞれは、各支持体22,22と遮光体16の側方との間である。また、そのような箇所に対応して、カバー本体1b側には、支持用の孔が提供されるわけであるが、それは、バー20の断面形状に対応した丸孔ではなく、コンストの搬送面と直交する方向に長い長孔である。
【0053】
図6(ロ)には、その長孔の一部が波線として表され、残りの部分がバー20の外周と一致するので実線で表されており、コンストの搬送面と直交する方向に長手をなして全体として小判型の長孔1dとなっている。従って、バー20は、コンストの搬送面と直交する方向で、多少の遊びがあり、所定量移動可能となっている。そのため、一方の遮光体16は、コンストの通過する平面領域(コンストの搬送面)と直交する方向で所定量移動(変移)可能となっている。
【0054】
このように遮光体16を回転可能且つ変移可能にすると、一方の遮光体16の変移方向が軸線周りでの回転方向に対して接線方向となるため、該遮光体16を回転させるための力の方向と、該遮光体16を変移させるための力の方向とが同方向となる。従って、ホルダー本体1の外部から支持体(操作手段)22の突起部22aをコンストの搬送面に対して直交又は略直交方向(他方の遮光体17に対する離間方向)に押圧力が加えることで、その押圧力の作用で、バー20を介して支持体22に連結した一方の遮光体16が回転乃至変移、又は、変移乃至回転、或いは、回転及び変移し、その遮光体16を他方の遮光体17から十分な間隔をあけて離間させることができる。
【0055】
以上のとおり、一方の遮光体16は、コンストを出し入れする際(特には、コンストの挿入時)に他方の遮光体17との間隔を十分確保するために、コンストの搬送面と平行且つコンストの搬送方向と直交する方向を中心として回転可能(揺動可能)であると共に、コンストの搬送面と直交する方向で変移可能(平行移動可能)である。また、支持体22,22は、外部操作によって前記一方の遮光体を回転・変移操作する(他方の遮光体から離間させるように軸線周りに回転させるとともに前記平面領域と直交又は略直交する方向に変移させる)操作手段として機能する。
【0056】
本実施形態にかかるコンストホルダーHは、一方の遮光体16に上述のような動作をさせる操作手段として、もう一つの方法が提供されている。それは、カバー本体1bに回転自在(揺動自在)に支持される操作レバー24を操作手段として用いる方法である。該操作レバー24は、それぞれ支持体22に対応して一対設けられ、コンストの搬送方向に沿って長尺に形成されている。また、互いに平行して離間する一対の操作レバー24,24は、連結部材25によって一体化されている。さらに、操作レバー24の両端部のうち、ホルダー本体1内の奥側に位置する一端部に形成された孔24aにカバー本体1b側に設けられたピン(図示しない)が挿入されて、該一端部が軸支されることにより、操作レバー24は、回転自在(揺動自在)となる。
【0057】
そして、操作レバー24は、他端部が支持体22に係合するようになっている。具体的には、支持体22の側方には、係止部22bが突出して設けられ、該係止部22bに対して上方から操作レバー24の他端部が係合するようになっている。係止部22bは、円柱形状からなるが、これは、支持体22の回転中心、即ちバー20から離れた位置に形成されている。詳しくは、係止部22bは、操作レバー24の回転が該操作レバー24の他端部を介して支持体22に回転作用を生じさせるよう、操作レバー24の回転中心24aから離れる方向において、支持体22の回転中心20から離れた位置に形成されている。
【0058】
また、操作レバー24は、突起部24bが形成され、該突起部24bを押圧することにより、遮光体16を間接的に回転方向(実際にはバー20の周方向に対する接線方向)に付勢し、図6(ロ)に示すような定常位置から遮光体16が回転する。尚、図示はしないが、操作レバー24,24を繋ぐ連結部材25も、遮光体16と同様、図6(ロ)に示す定常位置となるよう、常時、バネ、ゴム等の弾性部材により弾性付勢されており、操作レバー24の突起部24bを押圧する際は、弾性付勢に抗して押圧操作を行うこととなる。即ち、操作レバー24は、コンストの搬送面に向かって直接又は間接に弾性付勢されており、遮光体16がコンストの搬送面から離間する方向に突起部24bを押圧することで、遮光体16がコンストの搬送面から離間する。
【0059】
また、突起部24bは、操作レバー24が支持されている側のカバー本体1bとは反対側のカバー本体1aの対応箇所に形成された開口部から臨出するようになっている(図2を参照)。従って、ホルダー本体1が組み立てられている状態であっても、外部から突起部24bを押圧することが可能となっている。この場合においても、突起部(操作手段)24bに対する押圧で、操作レバー24が上述した操作手段としての支持体22(係止部22b)を押圧するため、上述のように支持体22を押圧操作したのと同様に、一方の遮光体16が回転乃至変移、又は、変移乃至回転、或いは、回転及び変移し、その遮光体16を他方の遮光体17から十分な間隔をあけて離間させることができる。以上のように、本実施形態においては、前記支持体22、及び操作レバー24が遮光体16を動作させる操作部材として設けられている。
【0060】
そして、このように一方の遮光体16が可動であるのに対し、他方の遮光体17は、定位置に固定されたものである。そして、該他方の遮光体17は、図5に示す如く、板状の部材からなり、剛性を有するベース部材18bと、該ベース部材18bの表面を覆うように設けられた軟性を有するシート部材19bとで構成される。
【0061】
該他方の遮光体17のベース部材18bも、合成樹脂からなる成型品であり、シート部材19bも、一方の遮光体16と同様の素材が用いられる。該他方の遮光体17においても、外部からホルダー本体1内へのコンストの挿入(ホルダー本体1への収容)あるいはホルダー本体1内から外部へのコンストの排出(写真処理装置への供給)の際、コンストが摺接する部材であるため、コンストの挿入、排出に支障を来さないよう(挿入、排出されるコンストが遮光体17と干渉して搬送が阻害されないよう)、挿入側端部及び排出側端部のそれぞれが傾斜し、テーパ状となっている。
【0062】
具体的には、他方の遮光体17は、一方の遮光体16と鏡像状態に形成されている。すなわち、該遮光体17も、コンストの搬送面と略平行で、且つコンストの搬送方向と直交する方向に横長となる中間部17aと、該中間部17aから延出し、先端側ほどコンストの搬送面から離間するように傾斜し、且つコンストの搬送方向と直交する方向に横長となる挿入側端部17bと、該挿入側端部17bとは反対側の中間部17aから延出し、先端側ほどコンストの搬送面から離間するように傾斜し、且つコンストの搬送方向と直交する方向に横長となる排出側端部17cとで構成され、平板が平行な二箇所位置で同方向に屈曲された形状を有する。尚、実際は、ベース部材18bが上記のような形状に成型され、その表面にシート部材19bが貼着されることにより、シート部材19bも同様な形状となるものである。
【0063】
そして、該他方の遮光体17も、コンストの搬送方向と直交する方向の長さ(幅)が、コンストの幅寸法よりも大きいことを前提に、収容空間側に向かうにつれて短く(狭く)ないように形状設定されている。本実施形態に係る他方の遮光体17は、一方の遮光体16と鏡像状態をなすため、一方の遮光体6と同様に、幅方向における遮光体16の両端が対称的に傾斜することで、収容空間側ほど幅狭に形成されている。これは、一方の遮光体16について説明したとおり、一対の遮光体16,17による十分な遮光性を保ちつつ(密接する領域を確保しつつ)、ガイド部の形成基点をできるだけスリット3側に位置させてコンストを収容する収容空間をスリット3側でも確保し、ホルダー本体1の大型化(長手方向の長さの長大化)の防止を図るためである。
【0064】
これにより、一対の遮光体16,17は、前面カバー本体1aと背面カバー本体1bとを組み合わせてホルダー本体1にした状態で、一方の遮光体16が弾性部材の弾性付勢されることで、互いの中間部16a,17aが密接し、該ホルダー本体1内の収容空間内への迷光を遮光できるようになっている。
【0065】
次に、ホルダー搬送機構30は、図4〜図6に示す如く、一対のローラ31,32(ローラ対)と、該ローラ対を回転駆動するための駆動手段としてのモータ33とを備える。ローラ31,32は、前面カバー本体1aと背面カバー本体1bとに跨って配置され、より詳しくは、一方のローラ31が前面カバー本体1aに、他方のローラ32が背面カバー本体1bに、それぞれ回転自在に配置される。
【0066】
一方のローラ31は、その軸31aの両端が前面カバー本体1aに回転自在に支持される一方、他方のローラ32は、その軸32aの両端が背面カバー本体1bに回転自在に支持される。しかし、ローラ31の軸31aを支持するための、前面カバー本体1a側が提供する支持用の孔は、丸孔であって、ローラ31は、軸方向はもちろんのこと、径方向にも動くことができなくなっているが、ローラ32の軸32aを支持するための、背面カバー本体1b側が提供する支持用の孔は、丸孔ではなく、上下方向(コンストの搬送面と直交する方向)に長い長孔となっている。
【0067】
即ち、他方のローラ32は、コンストの搬送面と直交する方向で、多少の遊びがあり、所定量移動可能となっている。そして、この他方のローラ32は、一対の操作レバー24,24と係合し、そのため、操作レバー24によって、他方のローラ32は、コンストの搬送面から離間する方向に移動させることができる。従って、通常は、一方のローラ31と当接している他方のローラ32は、操作レバー24(の突起部24b)を押圧することにより、一方のローラ31から離間させ、両ローラ31,32の当接状態を解除することができる。
【0068】
当接状態の解除は、両ローラ31,32間にコンストを通過させるに当たり、コンストがローラ31,32から接触抵抗を受けない程度、即ち、コンストの厚みと同等、あるいはそれ以上の間隔を有して離間するように設定される。尚、図示はしないが、他方のローラ32も、常時、バネ、ゴム等の弾性部材により弾性付勢されて、両ローラ31,32の当接状態が適正に維持され、コンストを適正な搬送力で搬送できるようになっているが、突起部24bを押圧する際は、弾性付勢に抗して押圧操作を行うこととなる。即ち、ローラ32は、コンストの搬送面に向かって直接又は間接に弾性付勢されており、ローラ32がコンストの搬送面から離間する方向に突起部24bを押圧することで、ローラ32がコンストの搬送面から離間して、両ローラ31,32の当接状態が解除される。
【0069】
モータ33は、前面カバー本体1aに配置される。より詳しくは、ホルダー本体1のうち、前記した電池収容部が形成される一方の側縁部とは反対の、他方の側縁部にモータ収容部が形成され、該モータ収容部に対応する前面カバー本体1aの他方の側縁部にモータ33が配置される。そして、モータ33の駆動軸にはベベルギア35が取り付けられる一方、ローラ31の一端部(ローラ31の軸)にもベベルギア36が取り付けられ、両ベベルギア35,36が噛合することにより、モータ33の駆動力がローラ31に伝達され、ローラ31が回転駆動するようになっている。そして、本実施形態においては、モータ33の駆動を受けるローラ31とその軸との間に、ワンウェイクラッチ(図示しない)が介装されており、モータ33の駆動でローラ31が一方向に回転してコンストを送り出すことができるとともに、モータ33の停止時にローラ31が駆動時と同方向にフリーな状態で回転できる(コンストを引き出せる)ようになっている。
【0070】
シャッター機構15及びホルダー搬送機構30についての説明は以上のとおりである。このように、本実施形態に係るコンストホルダーHは、回転可能且つ変移可能に構成された一方の遮光体16が弾性部材の弾性付勢で他方の遮光体17側に付勢されているため、常態において、図7(イ)に示す如く、該一方の遮光体16が他方の遮光体17側に押され、両遮光体16,17が互いに密接した状態になる。
【0071】
そして、該コンストホルダーHは、上述の如く、外部操作可能な操作手段として、一対の支持体22、及び操作レバー24が設けられており、何れを押圧しても、図7(ロ)及び(ハ)に示す如く、一方の遮光体16がバー(軸)20周りで回転するとともにコンストの搬送面と直交する方向に変移する。そうすると、一方の遮光体16が他方の遮光体17から離間し、該遮光体16,17間にコンストを挿入するのに余裕の有る十分な隙間が形成される。
【0072】
すなわち、遮光体16の変移のみで一対の遮光体16,17間に形成される隙間や、一方の遮光体16の回転のみで一対の遮光体16,17間に形成される隙間では、コンストを挿入するのに余裕のある隙間とすることができないが、遮光体16を回転・変移させることで、遮光体16の変移によって形成される隙間αに遮光体16の回転によって形成される隙間βが累積的に加わるため、限られたスペースでの動作でありながら、コンストの出し入れを円滑に行うことのできる十分な隙間が遮光体16,17間に形成される。
【0073】
特に、一方の遮光体16の回転中心を他方の遮光体17と対向する面とは反対の面側に設定すると、回転中心よりも収容空間側にある遮光体16の端部(排出側端部16c)が一方の遮光体16の回転中心と、これに対応(対向)する他方の遮光体17の部分とを結ぶラインを超えるまでは、遮光体16,17の収容空間側の間隔が十分に拡大しない。従って、上述のように、一方の遮光体16を変移させることで、この収容空間側の隙間が十分に確保される。
【0074】
なお、突起部22a,24bの押圧で、遮光体16が回転及び変移するが、操作手段22,24に対する押圧の仕方(力のかかり方)によってその作動順序が異なり、遮光体16が変移した後に回転する場合、回転した後に変移する場合、或いは、変移しつつ回転する場合が考えられるが、何れも遮光体16が所定範囲で回転するとともに変移するため、他方の遮光体17との間の隙間は同じになる。
【0075】
しかも、本実施形態に係るコンストホルダーHは、一方の遮光体16を回転及び変移させる操作レバー24の操作により、ホルダー搬送機構30を構成する両ローラ31,32の当接状態を解除することもできるため、ホルダー搬送機構30を互いに圧接した二つのローラ31,32で構成したとしても、操作レバー24を操作することで、一対の遮光体16,17間、及びローラ31,32間の両方に十分な隙間が形成される。従って、暗室でコンストを収容するときに、遮光体16,17間、ローラ31,32間に無理矢理コンストを押し込むことなく円滑にホルダー本体1内の収容空間に収容することができる。
【0076】
一方、操作レバー24に対する操作(押圧)を解除すれば、弾性部材の弾性付勢によって一方の遮光体16は定常位置に復帰し、また、他方のローラ32も定常位置に復帰することになる。なお、一方の遮光体16が定常位置に復帰したとき、コンストのサイズによっては完全に遮光体16,17よりも奥側(収容空間)に収容されない場合もあるが、一対の遮光体16,17がコンストを挟んだ状態になるため、収容空間内のコンストが感光することはない。
【0077】
その上で、コンストホルダーHを用いてコンスト処理するときは、図8(イ)から(ロ)のとおり、コンストホルダーHの装着部2(スリット3側)を写真処理装置100(現像処理部130)の装着口135に挿入するが、そうすると、写真処理装置100側に設けられた押圧手段(本実施形態においては装着口135を画定する内周面)によって支持体22の突起部22aが押圧され、一方の遮光体16が上述のように回転及び変移し、一対の遮光体16,17間にコンストを供給する際に、コンストが接触してダメージを与えることのない十分な隙間が遮光体16,17間に形成される。すなわち、コンストホルダーH内のホルダー搬送機構30で強制的にコンストを送り出しても、その送り出し方向の下流側にある一対の遮光体16,17がコンストを強制的に挟み込んで搬送抵抗になるのを防止した状態となる。
【0078】
ここで、本実施形態に係るコンストホルダーHは、モータ33(ホルダー搬送機構30)をホルダー本体1内に収容した電池8で駆動するように構成、すなわち、写真処理装置100とは独立した内部電源(電池8)及び駆動系(モータ33、ベベルギア35,36等)を備えており、写真処理装置100とは独立した動作が可能になっていると上述したが、このように写真処理装置100とは独立した駆動系を備えたとしても、実際には写真処理装置100との連携を図って動作する(コンストを送り出す)必要がある。従って、写真処理装置100には、コンストホルダーHと無線通信(例えば、赤外線通信)を行う無線ポート(赤外線通信であれば、赤外線ポート)が設けられるとともに、コンストホルダーHにも、写真処理装置100と無線通信を行う無線ポート(赤外線通信であれば、赤外線ポート)が設けられている。
【0079】
具体的に言えば、写真処理装置100のうち、コンストホルダーHが装着される位置近傍(より具体的に言えば、写真処理装置100にコンストホルダーHが装着された状態での、該コンストホルダーHの幅方向における写真処理装置100の位置、図1で言えば、写真処理装置100の装着口135の奥側)には、無線通信ユニットとしての赤外線通信ユニット(図示しない)が写真処理装置100に着脱自在に取り付けられるとともに、コンストホルダーHのうち、赤外線通信ユニットと対向する位置(コンストホルダーHの側部)には、無線ポートとしての赤外線ポート(図3の符号9を参照)が設けられている。
【0080】
赤外線通信ユニットは、写真処理装置100に装着された状態で、制御装置101の演算処理装置に接続されるようになっており、これにより、コンストホルダーHは、写真処理装置100に装着することで写真処理装置100との通信が可能となり、その通信で写真処理装置100がコンストホルダーHを装着しているかどうかを判断したり、写真処理装置100がコンストホルダーHに対してのコンストの送り出し要求を出したりし、写真処理装置100の動作状況等と連携を図った上で作動できるようになっている。
【0081】
なお、コンストの送り出し等の動作を伴う要求は、その動作を実行させるタイミングでの通信で行われるが、写真処理装置100に対するコンストホルダーHの装着の確認については、これらの相互の定期的な通信によって行われ、コンストホルダーHからの返信が所定時間内にない場合に、装着されていないと判断するようになっている。
【0082】
ところで、写真処理装置100とコンストホルダーHとの間の無線通信を実用化レベルで実現するためには、第一に、写真処理装置100に対するコンストホルダーHの装着の有無及びコンストホルダーHの状態を無線通信ユニット(ひいては、写真処理装置100)が正確に認識すること、第二に、無線通信ユニット(写真処理装置100)からのコンスト送り出し要求をコンストホルダーHが取りこぼしなく即座に受信すること、第三に、内部電源(電池8)をできるだけ長期間保たせること、すなわち、電池寿命を長くすること、が必要となる。第三の目的のためには、コンストホルダーHが間欠的に受信待機動作を行うことが必要であり、その上で、第一及び第二の目的のためには、無線通信のリアルタイム性が必要である。
【0083】
そこで、無線通信ユニット及びコンストホルダーH間の無線通信は、双方向通信とし、小型で流通性の高いIrDA通信デバイスを用いることとする。また、無線通信ユニットは、少なくとも写真処理装置100に電源が投入されている間は、常時受信待機状態(間欠的な受信待機動作を行わない)とし、コンストホルダーHは、写真処理装置100に装着された時点で、無線通信ユニットに対してコマンドを送信し、自己の存在を通知することとする。さらに、コンストホルダーHは、写真処理装置100に装着された後、一定サイクルでの間欠的な受信待機動作に入り、受信待機動作時以外は、スリープモードに入るようにする。
【0084】
これらの流れを図9に示す。写真処理装置100に電源が投入されている状態(S1)では、無線通信ユニットは、写真処理装置100から電力供給され、起動状態にある(S2)。ここで、コンストホルダーHが写真処理装置100に装着される(S3)と、コンストホルダーHから無線通信ユニットに対して通信確認が行われ(S4)、これに呼応して無線通信ユニットも通信確認を行い(S5)、これをもって双方向通信が確立される。
【0085】
また、双方向通信が確立する(S5)、すなわち、写真処理装置100にコンストホルダーHが装着されたことが確認されると、無線通信ユニットは、その旨を写真処理装置100に通知し(S6)、これにより、写真処理装置100は、コンストホルダーHが自身に装着されたと認識する。尚、コンストホルダーHは、無線通信ユニットとの通信が確立したことを示すべく、コンストホルダーHに設けられたLED表示部(図2の符号10を参照、これについては後述する)にて状態表示を行い(S7)、オペレータが認識可能な状態にする。
【0086】
また、写真処理装置100がコンストホルダーHに対して何らのアクションを起こさない状態においては、基本的には、無線通信ユニット及びコンストホルダーH間の双方向通信が遮断されて、コンストホルダーHはスリープモードとなり、しかしながら、無線通信ユニットとコンストホルダーHとは、定期的(間欠的)に双方向通信を確立し、コンストホルダーHの装着状態が継続しているか否かの確認が定期的になされる。具体的には、一定間隔で無線通信ユニットからコンストホルダーHに対して通信確認が行われ(S8)、これに呼応してコンストホルダーHは、都度、スリープモードからアクティブモードになった上で通信確認を行い(S9)、これをもって定期的(間欠的)な双方向通信が確立される。このように、無線通信ユニット及びコンストホルダーH間の定期的な通信を行う理由は、写真処理装置100に対するコンストホルダーHの装着の有無及びコンストホルダーHの状態を無線通信ユニット(ひいては、写真処理装置100)が正しく認識していて、後述するコンストの現像処理を円滑に開始できるようにするためである。
【0087】
かたや、写真処理装置100は、後述する使用態様により、タイマーモード(S10)に入るが、タイマーにより起動する(S11)ことで、写真処理装置100における各種の起動処理が開始された(S12)後、コンストホルダーHが装着されているかをチェックする(S13)。これは、タイマーモード(S10)によらない、コンストホルダーHが装着された直後のことであれば、S6の通知にて確認を取るわけであるが、タイマーモード(S10)の解除(S11)後のことであれば、無線通信ユニット及びコンストホルダーH間の定期通信(S8,S9)が正常であることに基づく、S6と同様の通知にて確認を取るようにしている。
【0088】
そして、写真処理装置100は、タイマーモード(S10)の解除(S11)後、コンストホルダーHが装着されていることを確認する(S13)と、コンストの現像処理を開始するようになっており、コンストホルダーHに対してコンストの送り出し要求を行う。具体的には、写真処理装置100は、送り出し要求コマンドを無線通信ユニットに対して送信し(S14)、無線通信ユニットは、この送り出し要求コマンドを中継してコンストホルダーHに送信する(S15)一方、コンストホルダーHは、送り出し要求コマンドを受信すると(S16)、それを受け取った旨を無線通信ユニットを介して(S17)、写真処理装置100に通知する(S18)とともに、写真処理装置100からコンストの送り出し要求があったと認識して、ホルダー搬送機構30を駆動し、内部に収容されているコンストを写真処理装置100内に送り出す(S19)。
【0089】
尚、写真処理装置100に対するコンストホルダーHの装着の有無及びコンストホルダーHの状態を無線通信ユニット(ひいては、写真処理装置100)が正しく認識しておくため、無線通信ユニット及びコンストホルダーH間の定期通信(S8,S9)は、コンストの現像処理が開始される前のみならず、写真処理装置100に電源が投入され且つ無線通信ユニットが起動中である限り、以後も続くようになっている。
【0090】
ところで、このような定期通信(S8,S9)は、上記第一から第三の目的を実現するために以下における通信形態を採用する。すなわち、図10に示す如く、無線通信ユニットは、無線通信ユニットは、必要数のバーストフレームが並び、次にデータフレーム(0又は1)が並び、最後にエンドフレームが付された送信データを生成し、これをコンストホルダーHに対して送信する。
【0091】
そして、IrDA通信デバイスを用いるとして、3/16Dutyとし、図10(ロ)に示すように、4ビット分で1ビットのデータを送信する。最後の休止ビットは、マイコン(コンストホルダーHに内装され、通信制御やコンストの搬送制御(ホルダー搬送機構30の駆動制御)を担う制御部)の処理時間を確保するために入れてあるビットであり、処理が間に合うならば、不要である。
【0092】
例えば、コンストホルダーHによる受信待機動作の間隔(定期通信の間隔)が0.5秒であり、無線通信ユニットによる送信データがA0A0h(16ビットの場合)ならば、先頭にバーストフレームを6500フレーム(0.5秒を超える時間だけ継続する数)付加し、データフレームを“1010000010100000”の順とし、最後にエンドフレームを付加した送信データを作成し、送信する。尚、送信するビット数を予め定めておくようなデータフォーマットであれば、最後のエンドフレームは不要である。
【0093】
一方、コンストホルダーHは、定期通信の受信可能期間を1フレーム分取れば、無線通信ユニットが送信した送信データのうち、バーストフレームにおけるスタートビットを必ず受信できるので、その場合、受信をそのまま継続し、且つバーストフレームを無視して、データフレームだけを有効なデータとして処理する。
【0094】
すなわち、コンストホルダーHが受信を開始するフレームの先頭は必ずバーストフレームであり、データフレーム(即ち、無線通信ユニットによる、コンストホルダーHが写真処理装置100に装着されているか否かの確認)の取りこぼしは絶対に起こさない。その上で、コンストホルダーHは、内部にコンストが収容された状態、すなわち、コンストの送り出しをまだ行っていない状態(図9のS19以前)であれば、コンストの送り出しをまだ行っていない旨の情報を付して無線通信ユニットに応答を送信し、一方、内部にコンストが収容されていない状態、すなわち、コンストの送り出しを行った後の状態(図9のS19以後)であれば、コンストの送り出しを既に行っている旨の情報を付して無線通信ユニットに応答を送信する。
【0095】
なお、コンストホルダーHが無線通信ユニットに応答しない場合、すなわち、無線通信ユニットがコンストホルダーHから送信データに対する応答を受信しない場合、それは、コンストホルダーHが写真処理装置100に装着されていないと判断する。
【0096】
ここで、先に触れたLED表示部(図2の符号10、図9のS7を参照)についてだが、LED表示部10は、緑と赤のLEDを備えて構成され、通信制御やコンストの搬送制御(ホルダー搬送機構30の駆動制御)を担うコンストホルダーHの制御部であるマイコンにより点灯制御が行われる。
【0097】
具体的には、LED表示部10は、コンストホルダーHが写真処理装置100に装着された状態で、オペレータの立ち位置から視認しやすいよう、コンストホルダーHの側部であって、無線ポート9とは反対側(すなわち、図1では、紙面手前側)に配置されており、初期状態、コンストホルダーHを写真処理装置100に装着した状態等で、点灯態様が異なるようになっている。
【0098】
点灯態様の例としては、初期状態では、緑、赤とも消灯しているが、コンストホルダーHを写真処理装置100に装着すると同時にコンストホルダーHの内部回路がONとなってコンストホルダーHが起動すれば、緑、赤ともに点灯する。これにより、オペレータは、コンストホルダーHの電源が入ったことを確認することができ、しかも、両方のLEDが正常に点灯することを確認することができる。
【0099】
また、例えば、緑を点灯、赤を消灯とすることで、コンストホルダーHを写真処理装置100に装着した際の、無線通信ユニットとコンストホルダーHとの通信確認が終了したことを表示するようにする(図9のS7を参照)。これにより、無線通信ユニットとコンストホルダーHとの双方向通信が確立したこと、及び以後の定期的な双方向通信が確立可能なことを表示する。なお、この場合、オペレータに対して認知させる内容は特にないため、例えば10秒程度で表示を終了させ、電池8の消耗を抑えるようにするとよい。
【0100】
また、例えば、緑を点滅(より詳しくはゆっくりと点滅)、赤を消灯とすることで、電池8が消耗していることを表示するようにする。但し、直ちに処理ができなくなる範囲ではないので、数日中に電池8の交換を行えばよい。緑をゆっくり点滅させるのは、差し迫った状態ではないということを表す趣旨である。なお、オペレータに対し、電池8の消耗を認知させる必要があるため、例えば1分間といった長時間の表示を行うことが好ましい。また、電池8がさらに消耗した場合には、点滅速度を早める等、段階的に表示をおこなってもよい。
【0101】
また、例えば、緑を点灯、赤を点滅(より詳しくは早く点滅)とすることで、通信不良であることを表示するようにする。赤を早く点滅させるのは、通信不良であれば、コンスト処理ができないこと等を意味するので、オペレータに注意を喚起する趣旨である。なお、その表示も、オペレータに対し、通信不良といった重大な不具合を認知させる必要があるため、例えば1分間といった長時間の表示を行うことが好ましい。
【0102】
また、例えば、緑、赤とも点滅とすることで、電池8が消耗しているし、且つ通信不良であることを表示するようにする。基本的には、緑は、電池8に関する表示、赤は、通信に関する表示、と分けており、両者が点滅することで、電池8の消耗と、通信不良の両方が起こっていることをオペレータに認識させ、注意を喚起することができる。なお、その表示も、オペレータに対し、二つの不具合を認知させる必要があるため、例えば1分間といった長時間の表示を行うことが好ましい。
【0103】
また、例えば、緑を消灯、赤を点灯とすることで、コンストホルダーHのホルダー搬送機構30が内部に収容されたコンストを写真処理装置100に送り出し中であることを表示するようにする。即ち、ホルダー搬送機構30のモータ33が駆動中であることを表す表示である。
【0104】
本実施形態に係る写真処理装置100及びこれに用いるコンストホルダーHは、以上のようになっており、写真処理装置100は、コンストを収容したコンストホルダーHを装着口135に予めに装着しておくことで、翌日の実際のプリント処理を行う前(実稼働する前)にコンスト処理を行う。コンストは、所定のパターンを感光材料メーカーが予め露光処理したもので、コンスト処理は、そのコンストを現像処理して発色状態を確認する(基準パターンとの比較を行う)ことで現像処理液の状態(寿命等)を管理するものであるが、写真処理装置100では現像・乾燥処理を行うだけである。そして、本実施形態に係る写真処理装置100は、実稼働する前に、上述したセットアップ処理に加え、前記コンスト処理も自動で行うようになっている。
【0105】
以下、このコンスト処理、及びセットアップ処理について説明する。まず、実稼働前(実際には、デイリーな作業が終了したとき)に、コンストの収容されたコンストホルダーHを写真処理装置100の装着口135に装着しておく。
【0106】
そして、前記入力手段を介してセットアップ処理及びコンスト処理を開始する時刻を入力すると、演算処理装置に対してタイマがセットされる(図9のS10を参照)。なお、セットアップ処理及びコンスト処理を実行する実際の時刻を入力することでタイマをセットするようにしてもよいが、例えば、写真処理装置100の実稼働を開始する時刻を入力することで、その時刻を基準にセットアップ処理及びコンスト処理に必要な時間を遡ってスタート時刻を算出した上で、その算出した時刻をセットアップ処理及びコンスト処理の開始時刻として自動的にタイマをセットするようにしても勿論よい。
【0107】
そして、セットした時刻(翌朝の所定時刻)になるとタイマスイッチがONになり(図9のS11を参照)、露光処理部110内の露光ユニット113、及び現像処理部130内の現像処理液の温度調整(温調)がスタートする(図9のS12を参照)。そして、露光ユニット113及び現像処理液が所定温度になると、セットアップ処理が実行される(図9のS12を参照)。かかるセットアップ処理は、まず露光処理部110内のマガジン111,121,122から引き出された感光材料Pの先端部が切断機構112によって切断され、露光処理部110(露光ユニット113)で露光処理することなく、現像処理部130、乾燥処理部140に搬送され、該乾燥処理部140のメイン経路Aを通って排出部150(排出コンベア150a)に排出される。
【0108】
このように切断された先端部の感光材料Pが下流側(現像処理部130、乾燥処理部140)に搬送されている間、露光処理部110では、併行してマガジン111,121,122から更に引き出された感光材料Pが切断機構112によって所定長さに切断され、露光ユニット113の露光ポイントに向けて搬送される。
【0109】
露光ポイントに到達した感光材料Pには、所定のパターン(露光ユニット113の光源の調整に必要な色パターン等)が露光処理される。そして、露光処理された感光材料Pは、現像・乾燥処理された後、乾燥処理部140のサブ経路Bを通って測色計115に供給される。しかる後、測色計115で感光材料Pの発色状態が計測され、その計測結果を基に露光ユニット113の調整が行われる。
【0110】
そして、しかる後、感光材料Pが排出された(現像処理部130、乾燥処理部140の搬送経路上にトラブルがない)と判断されると、引き続きコンスト処理が実行される。なお、上述したが、写真処理装置100とコンストホルダーHとの定期的な通信で、コンストホルダーHの装着を確認しており(図9のS13を参照)、コンストホルダーHが装着されていることが確認されていることを前提にコンスト処理の実行が行われる。
【0111】
すなわち、コンストホルダーHの装着が確認された後、写真処理装置100からのコンスト処理の実行を行う旨が無線通信によってコンストホルダーHに指示され、ホルダー搬送機構30が作動する。そうすると、ホルダー本体1内に収容されたコンストがホルダー搬送機構30(ローラ31,32)によって圧着搬送され、スリット3から順々に送り出される(図9のS14を参照)。
【0112】
そして、コンストホルダーHからコンストを送り出してから所定時間経過後、ホルダー搬送機構30に対する駆動が停止し、サブ搬送系133単独でコンストが搬送される。ここでホルダー搬送機構30の駆動を停止するタイミング(所定時間)は、コンストが感光材料メーカー各社から提供されるサイズ(主として搬送方向の長さ)の異なるものが存在することを考慮し、何れのメーカーのコンストであっても、確実にサブ搬送系133がコンストを圧着できる時間に設定される。
【0113】
そして、サブ搬送系133によって搬送されるコンストは、メイン搬送系132に乗り移って搬送される結果、現像処理されることになり、しかる後、乾燥処理部のメイン経路Aを通って排出部150(排出コンベア150a)に排出される。そして、上述の如く、コンストには、各種サイズのものが存在するため、排出コンベア150aが作動することなく、オペレータが操作するまで排出コンベア150a上で維持することになる。
【0114】
このように、セットアップ処理、及びコンスト処理を実稼働までに予め自動で行うことで、オペレータが出勤してきたときに、直ちに実稼働を行うことができ、デイリーな作業での処理量の増大を図ることができる。
【0115】
以上、本実施形態に係る写真処理装置100は、コンストホルダーHが装着されていると確認して初めてコンスト処理を開始してもよい状態にする構成であるため、例えば、コンストホルダーHが装着されていない状態でコンスト処理が開始されたり、コンストホルダーHの電池8が無くなっていてコンストホルダーHが正常に動作しない状態でコンスト処理が開始されたりして、当然の如く、コンストが現像処理を終えた形で排出部150から出てこないため、タイムアウトエラーとして扱われ、これにより写真処理装置100の(構成要素の一部又は全部の)起動が停止されてしまい、その結果、再起動に時間を要して実稼働時間が縮小を余儀なくされるといったような問題を無くすことができる。
【0116】
詳しくは、写真処理装置100は、コンスト処理において、現像処理されるコンストが所定時間内に排出部150から排出されない(コンストホルダーHから送り出されたコンストが排出部150内の搬送経路に設けられたセンサによって所定時間内に検出されない)と、コンストが乾燥処理部140で詰まって過熱されてしまう事態が発生している可能性があるとして、積極的に温調(温度調整)を切断するようになっているが、これでは、再起動して目的の温度に到達するまでには時間がかかり、その間の稼動が阻害されて、その結果、生産性が低下するという問題があるが、この問題は、コンストホルダーHが装着されていない状態でコンスト処理が開始される場合やコンストホルダーHの電池8が無くなっていてコンストホルダーHが正常に動作しない状態でコンスト処理が開始される場合にも該当する。本実施形態においては、コンストホルダーHが装着されていない状態でコンスト処理が開始されることはないので、上記問題は発生しないのである。
【0117】
また、本実施形態に係る写真処理装置100は、コンストホルダーHの定期通信の受信可能期間を、回路の安定時間(例えば200μs)+受信時間(例えば100μs)とし、受信周期(定期通信の間隔)を上記のように0.5sとすれば、定期通信のDutyを、300μs÷0.5s≒1/1667とすることができる。従って、スリープモード(非定期通信期間)における消費電流Islpを例えば5μAとし、定期通信期間(アクティブモード)における消費電流Iactを例えば5mAとすれば、平均電流は、(Islp×1666+Iact×1)÷1667≒8.0μAとなり、1000mAhの電池を使用したならば、電池寿命は、125,000時間(1000mAh÷8.0μA)となり、消費電力の低減効果は非常に高い。
【0118】
さらに、本実施形態に係る写真処理装置100は、コンストホルダーHがコンストの送り出しを行ったか否かの情報を保持する(具体的には、コンストホルダーHがコンストの送り出しを送る前のフラグと、送り出しを終えた後のフラグとが異なり、コンストホルダーHは状態に応じてこれらフラグを切り替えて保存する)ものであり、該情報は、双方向通信によってコンストホルダーHから写真処理装置100に通知されるようになっているので、停電等で写真処理装置100あるいは無線通信ユニットがダウンしたとしても、復帰後に、写真処理装置100は、コンストホルダーHの状態を把握することができる。
【0119】
また、本実施形態に係る写真処理装置100は、コンストホルダーHの状態を示す状態表示部10をコンストホルダーHが備えているため、オペレータは、コンストホルダーHの状態を迅速且つ明確に把握することができる。
【0120】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0121】
例えば、上記実施形態において、現像処理部130と共に露光処理部110を備えた写真処理装置100について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、感光材料Pに対して現像処理のみ(実際には乾燥処理も含む)を行う写真処理装置であってもよい。この場合においては、セットアップ処理を必要としないので、コンスト処理の前に感光材料Pを現像処理部130の搬送経路上で搬送し、その感光材料Pの排出の有無を基に、その搬送経路上でのトラブルの有無を判断するようにしてもよい。
【0122】
また、上記実施形態において、露光処理部110、現像処理部130,乾燥処理部140を備えた写真処理装置100に対してコンストホルダーHを用いるようにしたが、上記コンストホルダーHは、例えば、現像処理装置単独のものにも用いることができる。
【0123】
また、上記実施形態において、ホルダー本体1内に電池8やモータ33を内装し、ホルダー搬送機構30の駆動を写真処理装置100に対して別個独立に設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、コンストホルダーHを写真処理装置100から駆動を受けてホルダー搬送機構30を駆動するようにしてもよい。具体的には、写真処理装置100の装着口135近傍に、サブ搬送系133或いはメイン搬送系132の駆動系から分配された分配ギアを外部に露呈させるように設けるとともに、コンストホルダーHに前記分配ギアと噛合可能なギアを設け、該ギアに対してホルダー搬送機構30を作動的に連結するようにしてもよい。但し、上記実施形態のようにセットアップ処理を行った後にコンスト処理する場合には、少なくともメイン搬送系132と直結してしまうと、セットアップ処理の際にコンストが送り出されてしまうので、何れかの箇所にクラッチ等を設けてセットアップ処理時にホルダー搬送機構30が作動しないようにすることは勿論のことである。
【0124】
また、上記実施形態において、コンストホルダーHの有無の確認や、コンストの送り出しの指示等を無線通信で行うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、コンストホルダーH及び写真処理装置100に互いに電気的に接続可能なコネクタを設け、有線で信号のやりとりを行うようにしてもよい。
【0125】
また、上記実施形態において、写真処理装置100側の通信手段として、写真処理装置100に着脱自在な無線通信ユニットを提供したが、写真処理装置100そのものに通信機能を持たせ、写真処理装置100とコンストホルダーHとが直接的に通信するようなものであってもよい。
【0126】
また、上記実施形態において、コンストホルダーHがアクティブモードとスリープモードとを繰り返すことにより、受信可能期間を間欠的(周期的)に設定するのに対し、写真処理装置100側の無線通信ユニットは、コンストホルダーHが受信すべき受信データを常時アクティブモードで連続的に繰り返して送信するようになっているが、無線通信ユニットと同様、間欠的(周期的)に受信データを送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本実施形態に係るコンストホルダーが装着される写真処理装置の概略構成図を示す。
【図2】同コンストホルダーの斜視図を示す。
【図3】同コンストホルダーであって、図2とは反対側から見た斜視図を示す。
【図4】同コンストホルダーであって、図2の姿勢で上側に位置するカバーを外した状態の斜視図を示す。
【図5】同コンストホルダーであって、図3の姿勢で上側に位置するカバーを外した状態の斜視図を示す。
【図6】(イ)は、同コンストホルダーにおけるシャッター機構及び搬送機構の要部斜視図、(ロ)は、(イ)のA矢視図、を示す。
【図7】同シャッター機構の要部側面図であって、(イ)は、閉じた状態、(ロ)は、第一段階で開いた状態、(ハ)は、第二段階で完全に開いた状態、を示す。
【図8】(イ)は、同コンストホルダーを写真処理装置に装着しようとする状態の断面側面図、(ロ)は、装着後の断面側面図、を示す。
【図9】本実施形態に係る写真処理装置とコンストホルダーとの間の通信形態を説明するためのフロー図を示す。
【図10】同通信形態において、写真処理装置側がコンストホルダーに向けて送信するデータの構造図を示す。
【符号の説明】
【0128】
1…ホルダー本体、1a…前面カバー本体(カバー本体)、1b…背面カバー本体(カバー本体)、1c…切欠部、1d…長孔、2…装着部(領域2)、3…スリット(開口部)、4…コンスト収容領域、5…ピン、7…蓋、8…電池、9…赤外線ポート(無線ポート)、10…LED表示部(状態表示部)、15…シャッター機構、16,17…遮光体、16a,17a…中間部、16b,17b…挿入側端部、16c、17c…排出側端部、18a…ベース部材、18b…ベース部材、19b…シート部材、19b…シート部材、20…バー(回転中心)、22…支持体、22a…突起部(操作手段)、22b…係止部、24…操作レバー、24a…孔(回転中心)、24b…突起部(操作手段)、25…連結部材、30…ホルダー搬送機構(搬送機構)、31,32…ローラ、31a,32a…軸、33…モータ(駆動手段)、35,36…ベベルギア、100…写真処理装置、101…制御装置、102…モニタ、110…露光処理部、111,121,122…マガジン、112…切断機構、113…露光ユニット、114…搬送機構、115…測色計、120…補助供給部、130…現像処理部(現像処理装置)、131…現像処理液槽、132…メイン搬送系、133…サブ搬送系、134a,134b…ローラ対、135…装着口、140…乾燥処理部、150…排出部、150a…排出コンベア、A…メイン経路、B…サブ経路、P…感光材料
【出願人】 【識別番号】000135313
【氏名又は名称】ノーリツ鋼機株式会社
【出願日】 平成19年3月1日(2007.3.1)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇

【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一

【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭


【公開番号】 特開2008−216464(P2008−216464A)
【公開日】 平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願番号】 特願2007−51545(P2007−51545)