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支持体の両面同位置に画像を形成する方法、及びそれに用いるハロゲン化銀感光材料 - 特開2008−158108 | j-tokkyo
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【発明の名称】 支持体の両面同位置に画像を形成する方法、及びそれに用いるハロゲン化銀感光材料
【発明者】 【氏名】一木 晃

【氏名】楠岡 亮

【氏名】北岡 弘行

【氏名】作山 弘

【要約】 【課題】高精細なパターンを支持体の両面同位置に形成する方法、及びそれに適したハロゲン化銀感光材料を提供する。

【解決手段】透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料について前記A面側のみから画像露光した後現像処理することにより前記透明支持体の両面同位置に画像を形成する方法であって、前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子サイズが等価円直径で20〜250nmであるか、または該ハロゲン化銀粒子のアスペクト比が2以上であり、かつ、粒子の厚さが250nm以下である画像形成方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料について前記A面側のみから画像露光した後現像処理することにより前記透明支持体の両面同位置に画像を形成する方法であって、前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子サイズが等価円直径で20〜250nmであるか、または該ハロゲン化銀粒子のアスペクト比が2以上であり、かつ、粒子の厚さが250nm以下であることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料について前記A面側のみから画像露光した後現像処理することにより前記透明支持体の両面同位置に画像を形成する方法であって、前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が、500nm以上の波長域に分光増感されていることを特徴とする画像形成方法。
【請求項3】
前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤の分光増感域が、前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤の分光増感域と異なることを特徴とする請求項2記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が、500nm以上の波長域に分光感度をもたないことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
500nm以上の光透過率を調整するフィルタの透過光により露光されることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項6】
500nm未満の光透過率を調整するフィルタの透過光により露光されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項7】
露光光源としてレーザーを用いて画像露光することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項8】
前記透明支持体の両面同位置に形成された画像が、50μm以下の細線を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記透明支持体の両面同位置に形成された画像が、25μm以下の細線を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記感光材料におけるB面の写真特性が、対数露光量(X軸)と光学濃度(Y軸)の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度0.1〜1.5におけるガンマが4.0以上である特性曲線を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記B面側の乳剤層または現像処理液に、ヒドラジン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記透明支持体の厚みが25μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項13】
前記透明支持体の屈折率が1.50以上2.30以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるハロゲン化銀感光材料であって、透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法により前記透明支持体の両面同位置に画像が形成されることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法により支持体の両面同位置に画像が形成されたフィルム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料を用いて支持体の両面同位置に画像(パターン)を形成する方法に関するものであり、特に本発明は、線幅が数十μm程度の高精細なパターンを生産効率よく形成する方法、及びそれに適したハロゲン化銀感光材料に関する。高精細なパターンが形成されたハロゲン化銀感光材料は、建物の窓や、自動車等の乗り物の窓、ディスプレイパネルに貼るフィルムとして利用することができる。
【背景技術】
【0002】
支持体の両面同位置にパターンを形成する方法として、黒色インキを印刷により形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。この方法は、片面のパターンを描画する際にアライメントマークを作成し、これを位置あわせに使用して、裏面の同じ位置に黒色インキを印刷することにより、支持体の両面同位置にパターンを作成するものである。しかし、この方法では、裏面に黒色インキを印刷する際に正確に位置合わせをしなければならないため、高精細なパターンを作成することが困難であった。
【0003】
また、ハロゲン化銀感光材料を利用して支持体の両面同位置にパターンを形成する方法として、支持体の両面に乳剤を塗布した感光材料において、両面から露光する方法がある(例えば、特許文献2を参照。)。しかし、支持体の両面同位置にパターンを形成するには露光パターンを厳密に位置合わせすることが必要であり、特に高精細なパターンを描画する方法として適さない。特にレーザー光を用いて連続的に生産するには、ハロゲン化銀材料の搬送に対し、各々の面を露光する2つのレーザーの走査位置を厳密に制御する必要があり、高精細なパターンを描画するのは困難であった。
【0004】
さらに印刷と写真法を組みあわせた方法がある。すなわち、透明支持体の片面にパターンを印刷によるインキで形成した後、裏面に直接反転型ハロゲン化銀感光材料を塗布する。その後インキ画像が形成された面側から露光、現像処理することにより、支持体の裏面にインキ画像と同位置に画像を形成することが可能となる。しかし、この方法は製造工数が多くかかり、生産コストが高価になるという問題があった。また、裏面に形成された画像がにじんでしまい、線幅が数十μm程度の高精細なパターンを形成することができなかった。
【特許文献1】特開2001−237588号公報
【特許文献2】特開平5−249621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、従来の支持体の両面の同位置に高精細パターンを描画する方法には、それぞれ問題があった。本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は高精細なパターンを支持体の両面同位置に形成する方法を提供することであり、またそれに適したハロゲン化銀感光材料を提供することにある。さらに本発明の別目的は、前記方法により支持体の両面同位置に画像が形成されたディスプレイパネル用フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記観点から鋭意検討を重ねた結果、上記目的は、以下の方法及びそれに用いるハロゲン化銀感光材料により効果的に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、以下の方法及びハロゲン化銀感光材料により達成できる。
(1)透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料について前記A面側のみから画像露光した後現像処理することにより前記透明支持体の両面同位置に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
(2)前記透明支持体の両面同位置に形成された画像が100μm以下の細線を含むことを特徴とする上記(1)項に記載の画像形成方法。
(3)前記透明支持体の両面同位置に形成された画像が50μm以下の細線を含むことを特徴とする上記(1)項に記載の画像形成方法。
(4)前記透明支持体の両面同位置に形成された画像が25μm以下の細線を含むことを特徴とする上記(1)項に記載の画像形成方法。
(5)前記透明支持体の両面同位置に形成された画像が15μm以下の細線を含むことを特徴とする上記(1)項に記載の画像形成方法。
【0007】
(6)前記A面の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子サイズが等価円直径で20〜250nm、好ましくは40〜180nmであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(7)前記A面の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子のアスペクト比が2以上であり、また粒子厚さが250nm以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(8)前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が、500nm以上の波長域に分光増感されていることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(9)前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が500nm以上、より好ましくは600nm以上、更に好ましくは700nm以上の波長域に分光増感されており、また前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤の分光増感域が前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤の分光増感域と異なることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(10)前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が500nm以上の波長域に分光増感されており、またA面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が500nm以上の波長域に分光感度をもたないことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(11)500nm未満の光透過率を調整するフィルタの透過光により露光されることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(12)500nm以上の光透過率を調整するフィルタの透過光により露光されることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0008】
(13)前記露光がレーザービームによる走査露光方式で行われることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(14)前記露光がフォトマスクを介して行われることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(15)前記感光材料におけるB面の写真特性が、対数露光量(X軸)と光学濃度(Y軸)の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度0.1〜1.5におけるガンマが4.0以上である特性曲線を有することを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(16)前記ガンマが5.0〜30である特性曲線を有することを特徴とする上記(15)項に記載の画像形成方法。
(17)前記感光材料における両面の写真特性がいずれも、対数露光量(X軸)と光学濃度(Y軸)の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度0.1〜1.5におけるガンマが4.0以上である特性曲線を有することを特徴とする上記(1)〜(16)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0009】
(18)前記のA面側及び/又はB面側の乳剤層に含まれる乳剤がロジウム化合物及び/またはイリジウム化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(19)B面側の乳剤層に含まれる乳剤の感度が、露光する光に対し、A面に形成される像と同じ像を出すのに必要な感度を有していることを特徴とする上記(1)〜(18)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(20)前記B面側の乳剤層に含まれる乳剤、または前記乳剤の現像処理で用いられる現像液に、ヒドラジン化合物を含むことを特徴とする上記(1)〜(19)のいずれか1項に記載の画像形成方法。
(21)前記透明支持体の厚みが25μm以上150μm以下である上記(1)〜(20)のいずれか1項の画像形成方法。
(22)前記透明支持体の屈折率が1.50以上2.30以下である上記(1)〜(21)のいずれか1項の画像形成方法。
(23)前記透明支持体が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、又はポリイミドのいずれかである上記(1)〜(22)のいずれか1項の画像形成方法。
【0010】
(24)上記(1)〜(23)のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるハロゲン化銀感光材料であって、透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、上記(1)〜(23)のいずれか1項に記載の画像形成方法により前記透明支持体の両面同位置に画像が形成されることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
(25)上記(1)〜(23)のいずれか1項に記載の画像形成方法により支持体の両面同位置に画像が形成されたことを特徴とするフィルム。
以下、本発明では、支持体の面のうち、光照射される側の面を「A面」、A面の裏面を「B面」という。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像形成方法によれば、透明支持体の両面同位置に高精細なパターンを生産効率よく形成することができる。この方法によれば、例えば高精細な電磁波遮蔽素子パターンを透明支持体の両面同位置に形成することで、斜め方向からの入射光を遮蔽しうる視認性に優れた電磁波シールドフィルムを製造することもできる。
高精細なパターンが形成されたハロゲン化銀感光材料は、建物の窓や、自動車等の乗り物の窓、ディスプレイパネルに貼るフィルムとして利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の画像形成方法について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値の下限値および上限値として含む意味として使用される。
本発明の画像形成方法は、透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料について前記A面側のみから画像露光した後現像処理することにより前記透明支持体の両面同位置に画像を形成するものであり、前記A面側から照射し前記透明支持体を透過した光によって前記B面側が露光される。従来の方法では、前記B面に形成される画像は太くてボケた線であるか、線が形成されない場合もあった。これに対し、本発明では、ボケのない精細な線を両面同位置に形成することができる。
透明支持体上の一方の面(A面)のみから露光して透明支持体の両面同位置に画像を形成するためには、透明支持体上の他方の面(B面)の乳剤感度を、前記A面の乳剤感度よりも前記A面の乳剤層での光散乱(ミー散乱)分及び支持体での光吸収分だけ高感度にすることが必要であると考えられる。
本発明では、前記A面の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子サイズを250nm以下の小さなものとすることで、前記A面の乳剤層での光散乱を最小限に抑えることができる。
また、本発明では、別の方法として、前記のA面とB面との分光感度(感色性)を異なるものとすることで、前記のA面及びB面のそれぞれに適した露光を行うことができる。また、前記B面の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤層を500nm以上の波長域に分光増感することで、前記A面による光散乱の小さい波長での露光が可能となり、結果B面の画像のボケを軽減できる。更には、前記A面の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤層が500nm以上の波長域に分光感度を持たないことで、A面の分光域とB面の分光域との間の波長光を、感光材料に露光しても無害な光(いわゆるセーフライト)として使用でき、この波長域の光を塗布製造中に照射することができるので、作業性が向上できる。
まず、本発明の画像形成方法に用いられる感光材料について説明する。
【0013】
<感光材料>
[支持体]
本発明の画像形成方法に用いられる感光材料の支持体としては、透明支持体(透過型支持体)が用いられる。本発明の方法では、支持体の一方の面(A面)から照射した光が、A面を露光するだけでなく、支持体を透過して他方の面(B面)をも露光する必要があるからである。透明支持体としては、例えばプラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができるが、本発明はこれらに限定されない。
上記プラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、又はポリイミドが好ましく、透光性電磁波遮蔽膜を作製する場合には、光透過性や加工性などの観点からポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
本発明におけるプラスチックフィルムおよびプラスチック板は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
支持体の厚みは25〜150μmが好ましく、50〜125μmがより好ましい。
また支持体の屈折率は、支持体を透過した光が散乱して前記B面に形成される画像がにじむのを防ぐ観点から、1.50〜2.30が好ましく、1.60〜2.30がより好ましい。
【0014】
[ハロゲン化銀乳剤]
本発明の画像形成方法に用いられるハロゲン化銀写真感光材料におけるハロゲン化銀乳剤用のハロゲン化銀には、特に制限はない。例えば塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀などを用いることができるが、塩化銀30mol%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀を用いることが好ましい。ハロゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体、八面体、不定型、板状のいずれでもよいが、立方体が好ましい。ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、0.02μm〜0.7μmが好ましく、0.02〜0.25μmがより好ましい。また、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数は、15%以下であることが好ましく、10%以下の粒子サイズ分布の狭いものがより好ましい。
【0015】
本発明では、前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズが等価円直径で20〜250nmであることが好ましく、40〜180nmがより好ましい。ここで、平均粒子サイズとは、粒子の投影面積と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均をとったものをいう。本発明では、前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズが上記範囲のものを用いることで、前記B面に透過する光の量の減衰を防止して、前記B面に形成される画像がにじむのを防ぐことができる。
また、本発明では、前記A面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子のアスペクト比が2以上であり、かつ、粒子の厚さが250nm以下である平板状粒子を用いてもよい。ここで、アスペクト比とは、投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さで割った値をいう。
前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、等価円直径で50〜500nmが好ましく、150〜500nmがより好ましい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な単一相からなっていてもよいし、互いに異なる相からなっていてもよい。また粒子内部あるいは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
【0016】
本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著,Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊,1967年)、G.F.Dufin著,Photographic Emulsion Chemistry(The Forcal Press刊,1966年)、V.L.Zelikman et al著,Making and Coating Photographic Emulsion(The Forcal Press刊,1964年)などに記載された方法を用いて調製することができる。
すなわち、酸性法、中性法等のいずれを用いてもよい。また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。
【0017】
同時混合法の1つの形式としてハロゲン化銀が生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。特に、アンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることが好ましい。ハロゲン化銀溶剤としてより好ましいのは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号公報、同55−77737号公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンである。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1molあたり10-5〜10-2molが好ましい。
【0018】
コントロールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤を作るのに有用な手段である。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号公報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を超えない範囲において早く成長させることが好ましい。
【0019】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、シアン化物配位子を1個以上含有する金属錯体をハロゲン化銀中に銀1mol当たり、1×10-6mol以上含有することが好ましい。さらには、ハロゲン化銀中に銀1mol当たり、5×10-6mol〜1×10-2mol含有することが好ましい。本発明に用いられるシアン化物配位子を1個以上含有する金属錯体は水溶性錯塩の形で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
〔M(CN)n16-n1n-
ここで、MはV〜VIII族に属する金属を表し、特にRu、Re、Os、Feが好ましい。Lはシアン化合物以外の配位子を表し、ハロゲン化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子などが好ましい。n1は1〜6を表し、nは0、1、2、3または4を表す。n1は6であることが好ましい。この場合、対イオンは重要性を持たず、アンモニウムまたはアルカリ金属イオンが用いられる。以下に本発明に用いられる錯体の具体例を示すが、本発明で用いることができる錯体はこれらに限定されるものではない。
【0020】
〔Re(NO)(CN)52-
〔Re(O)2(CN)43-
〔Os(NO)(CN)52-
〔Os(CN)64-
〔Os(O)2(CN)44-
〔Ru(CN)64-
〔Fe(CN)64-
【0021】
本発明に用いられる金属錯体は、ハロゲン化銀粒子中のどこに存在していてもよいが、ハロゲン化銀結晶の内部に存在することが好ましい。各ハロゲン化銀結晶の銀の99mol%以下、好ましくは95mol%以下、さらには0〜95mol%が含まれている内部に存在することが最も好ましい。このためには、後述する実施例のように、感光性ハロゲン化銀粒子の形成を多層的に行うことが好ましい。
【0022】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、シアン化合物配位子を1個以上含有する金属錯体の他に、高コントラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム化合物、イリジウム化合物、レニウム化合物、ルテニウム化合物、オスミニウム化合物などを含有することが好ましい。
【0023】
本発明に用いられるロジウム化合物として、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト、アコ等を持つもの、例えば、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラクロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられる。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
【0024】
本発明に用いられるレニウム、ルテニウム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開平1−285941号公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
〔ML6n-
ここで、MはRu、Re、またはOsを表し、Lは配位子を表し、nは0、1、2、3または4を表す。この場合、対イオンは重要性を持たず、アンモニウムまたはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる錯体の具体例を示すが、本発明で用いることができる錯体はこれらに限定されるものではない。
【0025】
〔ReCl63-
〔ReBr63-
〔ReCl5(NO)〕2-
〔Re(NS)Br52-
〔RuCl63-
〔RuCl4(H2O)21-
〔RuCl5(NO)〕2-
〔RuBr5(NS)〕2-
〔Ru(CO)3Cl32-
〔Ru(CO)Cl52-
〔Ru(CO)Br52-
〔OsCl63-
〔OsCl5(NO)〕2-
〔Os(NS)Br52-
【0026】
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1mol当り1×10-9mol〜1×10-5molの範囲が好ましく、特に好ましくは1×10-8mol〜1×10-6molである。
本発明に用いられるイリジウム化合物としては、ヘキサクロロイリジウム、ヘキサブロモイリジウム、ヘキサアンミンイリジウム、ペンタクロロニトロシルイリジウム等が挙げられる。
【0027】
(化学増感)
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増感しておくことが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの知られている方法を用いることができ、単独または組み合わせて用いられる。組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法などが好ましい。
【0028】
本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。チオ尿素化合物としては米国特許第4,810,626号明細書に記載の特定四置換チオ尿素化合物が特に好ましい。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン化銀1mol当り10-7〜10-2molであり、より好ましくは10-5〜10-3molである。
【0029】
本発明に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化合物を添加して40?以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。不安定型セレン化合物としては特公昭44−15748号公報、同43−13489号公報、特開平4−109240号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−324855号公報中の一般式(VIII)および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
【0030】
本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−313284号公報に記載の方法で試験することができる。
具体的には、米国特許第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第235,211号明細書、同第1,121,496号明細書、同第1,295,462号明細書、同第1,396,696号明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−204640号公報、同4−271341号公報、同4−333043号公報、同5−303157号公報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980),ibid 1102(1979),ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Serenium and Tellunium Compounds),Vol.1(1986)、同Vol.2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−324855号公報中の一般式(II)、(III)又は(IV)で表される化合物が好ましい。
【0031】
本発明で用いられるセレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1mol当たり10-8〜10-2mol、好ましくは10-7〜10-3mol程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
本発明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白金、パラジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好ましい。本発明に用いられる金増感剤としは具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、ハロゲン化銀1mol当たり10-7〜10-2mol程度を用いることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
【0032】
本発明においては、還元増感を用いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917A号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、ハロゲン化銀乳剤を1〜3種類用いることが好ましい。2種以上併用する場合には、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、含有する金属錯体の量、種類が異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるものを併用することが好ましい。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−324426号公報に記載されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
【0033】
(増感色素)
感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光または赤外光に分光増感されてもよい。
前記B面(光照射される面の裏面)側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤は500nm以上の波長域に分光増感されるのがよく、好ましくは600nm以上、更に好ましくは赤外増感されるのがよい。
またこのとき、前記A面(光照射される面)側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤は、前記B面側の乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤の分光増感域とは異なる波長域に分光増感されるのが好ましく、具体的には500nm以上の波長域に分光感度をもたないことが好ましい。
一方の面(A面)のみから露光して透明支持体の両面同位置に画像形成するためには、裏面(B面)の乳剤感度が、前記A面の乳剤感度よりも前記A面の乳剤層での光散乱分及び支持体での光吸収分だけ高感度であることが必要である。しかし、前記B面のハロゲン化銀乳剤が500nm以上の波長域に分光増感され、かつ前記A面のハロゲン化銀乳剤が500nm以上の波長域に分光感度をもたない場合には、500nm未満の光透過率を調整するフィルタ、及び/又は500nm以上の光透過率を調整するフィルタを使用することで、前記A面の乳剤層での光散乱分を抑え、A面及びB面それぞれの画像太さや濃度を簡便に調整することができる。
【0034】
本発明に用いることができる増感色素としては、特開昭55−45015号公報に記載の一般式〔I〕の化合物、および、特開平9−160185号公報に記載の一般式〔I〕の化合物が好ましく、特に、特開平9−160185号公報に記載の一般式〔I〕の化合物が好ましい。具体的には、特開昭55−45015号公報に記載の(1)〜(19)の化合物、特開平9−160185号公報に記載のI−1〜I−40の化合物およびI−56〜I−85の化合物などを挙げることができる。
赤外増感色素は、例えば特開平9−34078号公報に記載のI−1〜I−67の化合物などを挙げることができる。
その他の増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。
本発明に使用されるその他の有用な増感色素は例えばRESEARCH DISCLOSURE Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item18341X項(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。
特に各種レーザーの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素も有利に選択することができる。
【0035】
例えば、A)アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭60−162247号公報に記載の(I)−1〜(I)−8の化合物、特開平2−48653号公報に記載のI−1〜I−28の化合物、特開平4−330434号公報に記載のI−1〜I−13の化合物、米国特許2,161,331号明細書に記載のExample1〜14の化合物、西独特許936,071号明細書記載の1〜7の化合物、B)ヘリウム−ネオンレーザー光源に対しては、特開昭54−18726号公報に記載のI−1〜I−38の化合物、特開平6−75322号公報に記載のI−1〜I−35の化合物および特開平7−287338号公報に記載のI−1〜I−34の化合物、C)LED光源に対しては特公昭55−39818号公報に記載の色素1〜20、特開昭62−284343号公報に記載のI−1〜I−37の化合物および特開平7−287338号公報に記載のI−1〜I−34の化合物、D)半導体レーザー光源に対しては特開昭59−191032号公報に記載のI−1〜I−12の化合物、特開昭60−80841号公報に記載のI−1〜I−22の化合物、特開平4−335342号公報に記載のI−1〜I−29の化合物および特開昭59−192242号公報に記載のI−1〜I−18の化合物、E)タングステンおよびキセノン光源に対しては、上記記載の化合物の他に特開平9−160185号公報に記載のI−41〜I−55の化合物およびI−86〜I−97の化合物および特開平6−242547号公報に記載の4−A〜4−Sの化合物、5−A〜5−Qの化合物、6−A〜6−Tの化合物なども有利に選択することができる。
【0036】
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは前述の特公昭49−25500号公報、同43−4933号公報、特開昭59−19032号公報、同59−192242号公報等に記載されている。
【0037】
本発明に用いられる増感色素は2種以上を併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
また、米国特許第3,469,987号明細書等に開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号公報、同44−27555号公報、同57−22091号公報等に開示されているように、色素を酸に溶解し、該溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,135号明細書、同第4,006,025号明細書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭53−102733号公報、同58−105141号公報に開示されているように親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51−74624号公報に開示されているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法を用いることもできる。また、溶液に超音波を用いることもできる。
【0038】
本発明に用いる増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認められている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許第2,735,766号明細書、同第3,628,960号明細書、同第4,183,756号明細書、同第4,225,666号明細書、特開昭58−184142号公報、同60−196749号公報等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時期、脱銀工程中および/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58−113920号公報等に開示されているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程において添加されてもよい。また、米国特許第4,225,666号明細書、特開昭58−7629号公報等に開示されているように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割して添加する化合物および化合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよい。
【0039】
本発明において増感色素の添加量は、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学増感の方法と程度、カブリ防止剤の種類等により異なるが、ハロゲン化銀1molあたり、4×10-6〜8×10-3molで用いることができる。例えばハロゲン化銀粒子サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀粒子の表面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×10-6molの添加量が好ましく、6.5×10-7〜2.0×10-6molの添加量がより好ましい。
【0040】
(造核剤)
本発明では、ハロゲン化銀写真感光材料の前記B面側の乳剤層に含まれる乳剤、または前記乳剤の現像処理で用いられる現像液に、造核剤としてヒドラジン化合物を含有することができる。特に、下記一般式(D)で表されるヒドラジン化合物が好ましい。
【0041】
【化1】


【0042】
式中、R20は脂肪族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロック基を表し、G10は−CO−、−COCO−、−C(=S)−、−SO2−、−SO−、−PO(R30)−基(R30はR10に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異なっていてもよい。)、またはイミノメチレン基を表す。A10、A20はともに水素原子、あるいは一方が水素原子で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。
【0043】
前記一般式(D)において、R20で表される脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基である。
前記一般式(D)において、R20で表される芳香族基は単環もしくは縮合環のアリール基で、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。R20で表されるヘテロ環基としては、単環または縮合環の、飽和もしくは不飽和の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基で、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノリン環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピペリジン環、トリアジン環等が挙げられる。
20として好ましいものはアリール基であり、特に好ましくはフェニル基である。
【0044】
20が示す基は置換されていてもよく、代表的な置換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、N−置換の含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イソチオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、等が挙げられる。
これら置換基は、これらの置換基でさらに置換されていてもよい。
【0045】
20が有していてもよい置換基として好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基(活性メチレン基を含む)、アラルキル基、ヘテロ環基、置換アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、イミド基、チオウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基(その塩を含む)、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基(その塩を含む)、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0046】
前記一般式(D)において、R10は水素原子またはブロック基を表すが、ブロック基とは具体的に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヒドラジノ基を表す。
【0047】
10で表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−カルボキシテトラフルオロエチル基、ピリジニオメチル基、ジフルオロメトキシメチル基、ジフルオロカルボキシメチル基、3−ヒドロキシプロピル基、メタンスルホンアミドメチル基、ベンゼンスルホンアミドメチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルスルホニルメチル基、o−ヒドロキシベンジル基などが挙げられる。アルケニル基として好ましくは炭素数1〜10のアルケニル基であり、例えばビニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−エトキシカルボニルビニル基、2−トリフルオロ−2−メトキシカルボニルビニル基等が挙げられる。アルキニル基として好ましくは炭素数1〜10のアルキニル基であり、例えばエチニル基、2−メトキシカルボニルエチニル基等が挙げられる。アリール基としては単環または縮合環のアリール基が好ましく、ベンゼン環を含むものが特に好ましい。例えばフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−メタンスルホンアミドフェニル基、2−カルバモイルフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ヒドロキシメチルフェニル基などが挙げられる。
【0048】
ヘテロ環基として好ましくは、少なくとも1つの窒素、酸素、および硫黄原子を含む5〜6員の、飽和または不飽和の、単環または縮合環のヘテロ環基で、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基であってもよく、例えばモルホリノ基、ピペリジノ基(N−置換)、ピペラジノ基、イミダゾリル基、インダゾリル基(4−ニトロインダゾリル基等)、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリジニオ基(N−メチル−3−ピリジニオ基等)、キノリニオ基、キノリル基などがある。モルホリノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、ピリジニオ基等が特に好ましい。
【0049】
アルコキシ基としては炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としてはフェノキシ基が好ましく、アミノ基としては無置換アミノ基、および炭素数1〜10のアルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む)が好ましい。アミノ基の例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ基、プロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、アニリノ基、o−ヒドロキシアニリノ基、5−ベンゾトリアゾリルアミノ基、N−ベンジル−3−ピリジニオアミノ基等が挙げられる。ヒドラジノ基としては置換もしくは無置換のヒドラジノ基、または置換もしくは無置換のフェニルヒドラジノ基(4−ベンゼンスルホンアミドフェニルヒドラジノ基など)が特に好ましい。
【0050】
10で表される基は置換されていてもよく、好ましい置換基としてはR20の置換基として例示したものがあてはまる。
【0051】
前記一般式(D)においてR10は、G10−R10の部分を残余分子から分裂させ、−G10−R10部分の原子を含む環式構造を生成させる環化反応を生起するようなものであってもよく、その例としては、例えば特開昭63−29751号公報などに記載のものが挙げられる。
【0052】
前記一般式(D)で表されるヒドラジン化合物は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれていてもよい。かかる吸着基としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第4,385,108号明細書、同第4,459,347号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−200231号公報、同59−201045号公報、同59−201046号公報、同59−201047号公報、同59−201048号公報、同59−201049号公報、特開昭61−170733号公報、同61−270744号公報、同62−948号公報、同63−234244号公報、同63−234245号公報、同63−234246号公報に記載された基が挙げられる。またこれらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよい。その様なプレカーサーとしては、特開平2−285344号公報に記載された基が挙げられる。
【0053】
前記一般式(D)のR10またはR20は、置換基としてヒドラジノ基を複数個含んでいてもよく、このとき、前記一般式(D)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関しての多量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86134号公報、特開平4−16938号公報、特開平5−197091号公報、国際公開WO95/32452号公報、国際公開WO95/32453号公報、特開平9−179229号公報、特開平9−235264号公報、特開平9−235265号公報、特開平9−235266号公報、特開平9−235267号公報等に記載された化合物が挙げられる。
【0054】
前記一般式(D)のR10またはR20は、その中に、カチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を含む基、4級化されたリン原子を含む基、または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、あるいは解離性基(アルカリ性の現像液で解離しうる酸性度の低いプロトンを有する基もしくは部分構造、あるいはまたその塩を意味し、具体的には、例えばカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基(−OPO3H)、ヒドロキシ基(−OH基)、メルカプト基(−SH)、−SO2NH2基、N−置換のスルホンアミド基(−SO2NH−基、−CONHSO2−基、−CONHSO2NH−基、−NHCONHSO2−基、−SO2NHSO2−基)、−CONHCO−基、活性メチレン基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、またはこれらの塩等)が含まれていてもよい。これらの基が含まれる例としては、例えば特開平7−234471号公報、特開平5−333466号公報、特開平6−19032号公報、特開平6−19031号公報、特開平5−45761号公報、米国特許第4,994,365号明細書、米国特許第4,988,604号明細書、特開平7−259240号公報、特開平7−5610号公報、特開平7−244348号公報、独特許4006032号明細書、特開平11−7093号公報等に記載の化合物が挙げられる。
【0055】
前記一般式(D)においてA10、A20は水素原子、炭素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニル基(好ましくはフェニルスルホニル基、またはハメットの置換基定数の和が−0.5以上となるように置換されたフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル基(好ましくはベンゾイル基、またはハメットの置換基定数の和が−0.5以上となるように置換されたベンゾイル基、あるいは直鎖、分岐、または環状の置換もしくは無置換の脂肪族アシル基(ここに置換基としては、例えばハロゲン原子、エーテル基、スルホンアミド基、カルボンアミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる))である。A10、A20としては水素原子が最も好ましい。
【0056】
次に一般式(D)で示される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明で用いることができる化合物は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0057】
【化2】


【0058】
【化3】


【0059】
【化4】


【0060】
【化5】


【0061】
【化6】


【0062】
【化7】


【0063】
【化8】


【0064】
【化9】


【0065】
【化10】


【0066】
【化11】


【0067】
本発明に用いられるヒドラジン誘導体としては、上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好ましく用いられる。本発明に用いられるヒドラジン誘導体はまた、下記の公報に記載された種々の方法により合成することができる。
【0068】
特公平6−77138号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載の化合物;特公平6−93082号公報に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物;特開平6−230497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6−7;特開平6−289520号公報に記載の一般式(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−17)および2−1);特開平6−313936号公報に記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物;特開平6−313951号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物;特開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜I−38;特開平7−77783号公報に記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−102;特開平7−104426号公報に記載の一般式(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−44;特開平9−22082号公報に記載の、ヒドラジン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有することを特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、一般式(F)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物N−1〜N−30;特開平9−22082号公報に記載の一般式(1)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物D−1〜D−55を挙げることができる。この他、国際公開WO95−32452号公報、国際公開WO95−32453号公報、特開平9−179229号公報、特開平9−235264号公報、特開平9−235265号公報、特開平9−235266号公報、特開平9−235267号公報、特開平9−319019号公報、特開平9−319020号公報、特開平10−130275号公報、特開平11−7093号公報、特開平6−332096号公報、特開平7−209789号公報、特開平8−6193号公報、特開平8−248549号公報、特開平8−248550号公報、特開平8−262609号公報、特開平8−314044号公報、特開平8−328184号公報、特開平9−80667号公報、特開平9−127632号公報、特開平9−146208号公報、特開平9−160156号公報、特開平10−161260号公報、特開平10−221800号公報、特開平10−213871号公報、特開平10−254082号公報、特開平10−254088号公報、特開平7−120864号公報、特開平7−244348号公報、特開平7−333773号公報、特開平8−36232号公報、特開平8−36233号公報、特開平8−36234号公報、特開平8−36235号公報、特開平8−272022号公報、特開平9−22083号公報、特開平9−22084号公報、特開平9−54381号公報、特開平10−175946号公報記載のヒドラジン誘導体も挙げることができる。
【0069】
本発明においてヒドラジン系造核剤は、適当な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いることもできる。
【0070】
本発明においてヒドラジン系造核剤は、支持体に対してハロゲン化銀乳剤層側であればどの層に添加してもよい。例えば、ハロゲン化銀乳剤層、あるいは他の親水性コロイド層に添加することができるが、ハロゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイド層に添加することが好ましい。また、2種類以上のヒドラジン系造核剤を併用して使用することもできる。
本発明における造核剤の添加量は、ハロゲン化銀1molに対し1×10-5〜1×10-2molが好ましく、1×10-5〜5×10-3molがより好ましく、2×10-5〜5×10-3molが最も好ましい。
【0071】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料中には、造核促進剤を内蔵することができる。
本発明に用いられる造核促進剤としては、アミン誘導体、オニウム塩、ジスルフィド誘導体またはヒドロキシメチル誘導体などが挙げられる。具体的には、特開平7−77783号公報48頁2行〜37行に記載の化合物で、具体的には49頁〜58頁に記載の化合物A−1)〜A−73);特開平7−84331号公報に記載の(化21)、(化22)および(化23)で表される化合物で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物;特開平7−104426号公報に記載の一般式〔Na〕および一般式〔Nb〕で表される化合物で、具体的には同公報16頁〜20頁に記載のNa−1〜Na−22の化合物およびNb−1〜Nb−12の化合物;特開平8−272023号公報に記載の一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)および一般式(7)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の1−1〜1−19の化合物、2−1〜2−22の化合物、3−1〜3−36の化合物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5−41の化合物、6−1〜6−58の化合物、および7−1〜7−38の化合物;特開平9−297377号公報のp55、カラム108の8行〜p69、カラム136の44行までに記載の造核促進剤を挙げることができる。
【0072】
本発明に用いられる造核促進剤としては、下記の一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化合物が好ましく、特に一般式(b)で表される化合物が最も好ましい。
【0073】
【化12】


【0074】
【化13】


【0075】
一般式(a)においてQ1は窒素原子またはリン原子を表し、R100、R110、R120はそれぞれ脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表し、これらは互いに結合して環状構造を形成してもよい。MはMに含まれる炭素原子でQ1と結合するm10価の有機基を表し、ここにm10は1〜4の整数を表す。
一般式(b)、一般式(c)、または一般式(d)において、A1、A2、A3、A4、A5はそれぞれ、4級化された窒素原子を含む不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表し、L10およびL20は2価の連結基を表し、R111、R222、R333は置換基を表す。
一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)、または一般式(d)で表される4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を、計20個以上有しているが、これは複数箇所にまたがって有していてもよい。
【0076】
一般式(e)においてQ2は窒素原子またはリン原子を表す。R200、R210、R220は一般式(a)のR100、R110、R120と同義の基を表す。
一般式(f)においてA6は一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表す。但しA6が形成する含窒素不飽和ヘテロ環は置換基を有してもよいが、置換基上に1級の水酸基を有することはない。一般式(e)および一般式(f)においてL30はアルキレン基を表し、Yは−C(=O)−または−SO2−を表し、L40は少なくとも1つの親水性基を含有する2価の連結基を表す。
一般式(a)〜一般式(f)においてXn-は、n価の対アニオンを表し、nは1〜3の整数を表す。但し、分子内に別にアニオン基を有し、(Q1)+、(Q2)+またはN+と分子内塩を形成する場合、Xn-は必要ない。
【0077】
一般式(a)においてR100、R110、R120で表される脂肪族基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの直鎖または分枝状のアルキル基;置換もしくは無置換のベンジル基などのアラルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;アリル基、ビニル基、5−ヘキセニル基などのアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基;フェニルエチニル基等のアルキニル基が挙げられる。芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基、フエナントリル基などのアリール基が、またヘテロ環基としては、ピリジル基、キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピロリジル基などが挙げられる。
【0078】
これらの基上に置換した置換基の例としては、R100、R110、R120で表される基の他に、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、(アルキルもしくはアリール)アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキルまたはアリール)チオ基、カルボンアミド基、カルバモイル基、ウレイド基、チオウレイド基、スルホニルウレイド基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、カルボキシル基(カルボキシラートを含む)、スルホ基(スルホナートを含む)、シアノ基、オキシカルボニル基、アシル基、ヘテロ環基(4級化された窒素原子を含むヘテロ環基を含む)等が挙げられる。これら置換基はこれら置換基でさらに置換されていてもよい。
一般式(a)のR100、R110、R120で表される基は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0079】
一般式(a)のMで表される基の例としては、m10が1を表す時、R100、R110、R120と同義の基が挙げられる。m10が2以上の整数を表す時、MはMに含まれる炭素原子でQ1と結合するm10価の連結基を表し、具体的には、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、さらにはこれらの基と−CO−基、−O−基、−N(RN)−基、−S−基、−SO−基、−SO2−、−P=O−基を組みあわせて形成されるm10価の連結基を表す(RNは水素原子またはR100、R110、R120と同義の基を表し、分子内に複数のRNが存在する時、これらは同じであっても異なっていてもよく、さらには互いに結合していてもよい)。Mは任意の置換基を有していてもよく、その置換基としては、R100、R110、R120で表される基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
【0080】
一般式(a)においてR100、R110、R120は、好ましくは炭素数20以下の基であり、Q1がリン原子を表す時、炭素数15以下のアリール基が特に好ましく、Q1が窒素原子を表す時、炭素数15以下のアルキル基、アラルキル基、アリール基が特に好ましい。m10は1または2が好ましく、m10が1を表す時、Mは好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素数15以下のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基が特に好ましい。m10が2を表す時、Mで表される2価の有機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、さらにはこれらの基と−CO−基、−O−基、−N(RN)−基、−S−基、−SO2−基を組みあわせて形成される2価の基である。m10が2を表す時、MはMに含まれる炭素原子でQ1と結合する総炭素数20以下の2価の基であることが好ましい。なおM、あるいはR100、R110、R120が、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場合、以上述べた総炭素数の好ましい範囲は、その限りではない。またm10が2以上の整数を表す時、分子内にR100、R110、R120はそれぞれ複数存在するが、その複数のR100、R110、R120はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0081】
一般式(a)で表される4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数箇所にまたがって置換されていてもよい。m10が2以上の整数を表す時、Mで表される連結基に、エチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有していることがより好ましい。
【0082】
一般式(b)、一般式(c)または一般式(d)において、A1、A2、A3、A4、A5は4級化された窒素原子を含む、置換または無置換の不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表し、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子および水素原子を含んでもよく、さらにベンゼン環が縮環してもかまわない。
1、A2、A3、A4、A5が形成する不飽和ヘテロ環の例としては、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリミジン環、ピラゾール環などを挙げることができる。特に好ましくは、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環である。
1、A2、A3、A4、A5が4級化された窒素原子と共に形成する不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよい。この場合の置換基の例としては、一般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。置換基として好ましくは、ハロゲン原子(特に塩素原子)、炭素数20以下のアリール基(特にフェニル基が好ましい)、アルキル基、アルキニル基、カルバモイル基、(アルキルもしくはアリール)アミノ基、(アルキルもしくはアリール)オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルホ基(スルホナートを含む)、カルボキシル基(カルボキシラートを含む)、シアノ基、等が挙げられる。特に好ましくは、フェニル基、アルキルアミノ基、カルボンアミド基、塩素原子、アルキルチオ基等であり、最も好ましくはフェニル基である。
【0083】
10、L20で表される2価の連結基は、アルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキニレン、2価のヘテロ環基、−SO2−、−SO−、−O−、−S−、−N(RN’)−、−C(=O)−、−PO−を単独または組合せて構成されるものが好ましい。ただしRN’はアルキル基、アラルキル基、アリール基、水素原子を表す。L10、L20で表される2価の連結基は任意の置換基を有していてもよい。置換基の例としては、一般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。L10、L20の特に好ましい例として、アルキレン、アリーレン、−C(=O)−、−O−、−S−、−SO2−、−N(RN’)−を単独または組合せて構成されるものを挙げることができる。
【0084】
111、R222、R333は炭素数1〜20のアルキル基またはアラルキル基が好ましく、各々同じでも異なっていてもよい。R111、R222、R333は置換基を有していてもよく、置換基としては、一般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。特に好ましくは、R111、R222、R333は各々炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基である。その好ましい置換基の例としては、カルバモイル基、オキシカルボニル基、アシル基、アリール基、スルホ基(スルホナートを含む)、カルボキシル基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ基、(アルキルまたはアリール)アミノ基、アルコキシ基を挙げることができる。
但しR111、R222、R333にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場合、以上のR111、R222、R333について述べた炭素数の好ましい範囲は、その限りではない。
【0085】
一般式(b)または一般式(c)で表される4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数箇所に置換されていてもよく、A1、A2、A3、A4、R111、R222、L10、L20のいずれに置換されていてもよいが、好ましくは、L10またはL20で表される連結基に、エチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有していることが好ましい。
【0086】
一般式(d)で表される4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数箇所に置換されていてもよく、A5またはR333の何れに置換されていてもよいが、好ましくは、R333で表される基に、エチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有していることが好ましい。
【0087】
一般式(a)、一般式(b)、一般式(c)、および一般式(d)で表される4級塩化合物は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを、同時に繰り返し含んでいてもよい。またエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場合に、繰り返し個数は、厳密に1つの値を取っていても、あるいは平均値として与えられてもよく、後者の場合、4級塩化合物としては、ある程度の分子量分布を持つ、混合物となる。
本発明においてはエチレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有する場合がより好ましく、さらに計20個〜計67個有する場合が好ましい。
【0088】
一般式(e)においてQ2、R200、R210、R220は、それぞれ一般式(a)におけるQ1、R100、R110、R120と同義の基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。
一般式(f)においてA6は、一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。但し、一般式(f)のA6が4級化された窒素原子と共に形成する含窒素不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよいが、1級の水酸基を含む置換基を有することはない。
【0089】
一般式(e)および一般式(f)においてL30はアルキレン基を表す。アルキレン基としては、直鎖、分岐、あるいは環状の、置換または無置換のアルキレン基で、炭素数1〜20のものが好ましい。またエチレン基に代表される飽和のもののみならず、−CH264CH2−や−CH2CH=CHCH2−に代表される不飽和の基が含まれているものでもよい。またL30が置換基を有する時、その置換基としては一般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有していてもよい置換基の例が挙げられる。
30としては炭素数が1〜10の、直鎖または分岐の飽和の基が好ましい。さらに好ましくは、置換もしくは無置換の、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基で、特に好ましくは置換もしくは無置換の、メチレン基またはエチレン基で、最も好ましくは置換もしくは無置換のメチレン基である。
【0090】
一般式(e)および一般式(f)においてL40は、少なくとも1つの親水性基を有する2価の連結基を表す。ここに親水性基とは−SO2−、−SO−、−O−、−P(=O)=、−C(=O)−、−CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、アミノ基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基の各基、あるいはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。これらの親水性基とアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、へテロ環基を適宜組み合わせてL40が構成される。
40を構成するアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、へテロ環基等の基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、一般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有していてもよい置換基の例と同じものが挙げられる。
40において親水性基はL40を分断する形態で存在していても、L40上の置換基の一部として存在していてもよいが、L40を分断する形態で存在していることがより好ましい。例えば−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−O−、−P(=O)=、−CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、カチオン性基(具体的には窒素またはリンの4級塩構造、あるいは4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環)、アミノ基、グアジニノ基の各基、あるいはこれらの基の組み合わせからなる2価の基が、L40を分断する形態で存在している場合である。
【0091】
40が有する親水性基として好ましい例の1つは、エーテル結合とアルキレン基を組み合わせた、エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個有する基である。その重合度または平均重合度は、2〜67個が好ましい。L40が有する親水性基としてはまた、−SO2−、−SO−、−O−、−P(=O)=、−C(=O)−、−CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、アミノ基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基等の基を組み合わせた結果として、あるいはまたはL40の有する置換基として、解離性基を含む場合も好ましい。ここで解離性基とは、アルカリ性の現像液で解離しうる酸性度の低いプロトンを有する基もしくは部分構造、あるいはまたその塩を意味し、具体的には、例えばカルボキシ基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基(−OPO3H)、ヒドロキシ基(−OH基)、メルカプト基(−SH)、−SO2NH2基、N−置換のスルホンアミド基(−SO2NH−基、−CONHSO2−基、−SO2NHSO2−基)、−CONHCO−基、活性メチレン基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、またはこれらの塩のことである。
【0092】
40は好ましくはアルキレン基またはアリーレン基と、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、およびアミノ基を適宜組み合わせたものが用いられる。より好ましくは炭素数2〜5のアルキレン基と−C(=O)−、−SO2−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCONH−を適宜組み合わせたものが用いられる。
Yは−C(=O)−または−SO2−を表す。好ましくは−C(=O)−が用いられる。
【0093】
一般式(a)〜一般式(f)においてXn-で表される対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテートイオン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベンゾエートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンスルホネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン等が挙げられる。
n-で表される対アニオンとしては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、nは1または2が好ましい。Xn-としては、クロロイオンまたはブロモイオンが特に好ましく、クロロイオンが最も好ましい。
ただし、分子内に別にアニオン基を有し、(Q1)+、(Q2)+またはN+と分子内塩を形成する場合、Xn-は必要ない。
【0094】
本発明で用いる4級塩化合物としては、一般式(b)、一般式(c)、一般式(f)で表される4級塩化合物がより好ましく、中でも一般式(b)および一般式(f)で表される4級塩化合物が特に好ましい。さらに一般式(b)においては、L10で表される連結基にエチレンオキシ基の繰り返し単位を20個以上有する場合が好ましく、さらに20個〜67個有する場合が特に好ましい。また一般式(f)においては、A6が形成する不飽和へテロ環化合物が4−フェニルピリジン、イソキノリン、キノリンを表す時が特に好ましい。
【0095】
次に一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化合物の具体例を示す。以下において、Phはフェニル基を表す。ただし本発明は以下の化合物例によって限定されるものではない。
【0096】
【化14】


【0097】
【化15】


【0098】
【化16】


【0099】
【化17】


【0100】
【化18】


【0101】
【化19】


【0102】
【化20】


【0103】
【化21】


【0104】
一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化合物は、公知の方法により容易に合成することができる。
【0105】
本発明に使用できる造核促進剤は、適当な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
【0106】
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散し用いることができる。
【0107】
本発明に使用できる造核促進剤は、支持体に対してハロゲン化銀乳剤層側のハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロイド層からなる非感光層に添加することが好ましく、特に該ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の親水性コロイド層からなる非感光層に添加することが好ましい。
造核促進剤の添加量はハロゲン化銀1molに対し1×10-6〜2×10-2molが好ましく、1×10-5〜2×10-2molがより好ましく、2×10-5〜1×10-2molが最も好ましい。また、2種類以上の造核促進剤を併用して使用することもできる。
【0108】
[ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる各種添加剤]
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限はなく、例えば、特開平3−39948号公報第10頁右下11行目〜同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒドロキシベンゼン化合物(具体的には、同公報に記載の化合物(III)−1〜25の化合物);特開平1−118832号公報に記載の一般式(I)で表される実質的には可視域に吸収極大を持たない化合物(具体的には、同公報に記載の化合物I−1〜I−26の化合物);特開平2−103536号公報第17頁右下19行目〜同公報18頁右上4行目に記載のカブリ防止剤;特開平2−103536号公報第18頁左下12行目〜同頁左下20行目に記載のポリマーラテックス;特開平9−179228号公報に記載の一般式(I)で表される活性メチレン基を有するポリマーラテックス(具体的には同公報に記載の化合物I−1〜I−16);特開平9−179228号公報に記載のコア/シェル構造を有するポリマーラテックス(具体的には同公報に記載の化合物P−1〜P−55);特開平7−104413号公報第14頁左1行目〜同頁右30行目に記載の酸性ポリマーラテックス(具体的には同公報15頁に記載の化合物II−1)〜II−9));特開平2−103536号公報第19頁左上15行目〜同公報19頁右上15行目に記載のマット剤、滑り剤、可塑剤;特開平2−103536号公報第18頁右上5行目〜同頁右上17行目に記載の硬膜剤;特開平2−103536号公報第18頁右下6行目〜同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有する化合物;特開平2−18542号公報第2頁左下13行目〜同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物質(具体的には、同公報第2頁右下2行目〜同頁右下10行目に記載の金属酸化物、および同公報に記載の化合物P−1〜P−7の導電性高分子化合物);特開平2−103536号公報第17頁右下1行目〜同頁右上18行目に記載の水溶性染料;特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される固体分散染料(具体的には同公報記載の化合物F1〜F34、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)、特開平2−294638号公報および特開平5−11382号公報に記載の固体分散染料);特開平5−274816号公報に記載の酸化されることにより現像抑制剤を放出しうるレドックス化合物、好ましくは同公報に記載の一般式(R−1)、一般式(R−2)、一般式(R−3)で表されるレドックス化合物(具体的には、同公報に記載の化合物R−1〜R−68の化合物);特開平2−18542号公報第3頁右下1行目〜20行目に記載のバインダーを挙げることができる。各種添加剤の使用量は適宜決定される。
【0109】
[ハロゲン化銀写真感光材料の層構成]
本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光材料は、透明支持体上の一方の面(A面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、他方の面(B面)に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する。A面及びB面において、それぞれ乳剤層以外に下塗り層や保護層を設けてもよい。
【0110】
[ハロゲン化銀写真感光材料の写真特性]
ハロゲン化銀写真感光材料における前記B面の写真特性は、特性曲線において、ガンマが好ましくは4.0以上、より好ましくは5.0〜10.0、更に好ましくは5.0〜30である特性曲線を有する。また、前記A面の写真特性についても、特性曲線におけるガンマが前記B面の範囲と同様であることが好ましい。
本発明でいう「ガンマ」は、光学濃度(y軸)と常用対数露光量(x軸)で表される単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、光学濃度0.1と1.5との2点で直線を引いたときの勾配である。即ち、直線とx軸のなす角度をθとするとtanθで示される。
本明細書では、特性曲線を得るために、現像液(富士写真フイルム(株)製、QR−D1、商品名)と定着液(富士写真フイルム(株)製、NF−1、商品名)を用いて、ハロゲン化銀写真感光材料を35℃30秒の現像条件で自動現像機(富士写真フイルム(株)製、FG−680AG、商品名)により処理したが、本発明はこれに限定されない。
【0111】
ガンマが上記範囲の特性曲線を有するハロゲン化銀写真感光材料を得る方法は多岐にわたるが、例えば、高コントラストを実現できる重金属(例えばVIII族に属する金属)を含むハロゲン化銀乳剤を用いることによりハロゲン化銀写真感光材料のガンマを調整することができる。特に、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物などを含有するハロゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。また、乳剤層を含む側に造核剤としてヒドラジン化合物、あるいはアミン化合物、ホスホニウム化合物等の化合物を少なくとも1種含有させることも好ましい。
【0112】
本発明に用いられる感光材料は、白黒写真感光材料であってもカラー写真感光材料であってもよい。
また、形成される画像はネガ画像又はポジ画像のいずれでもよいが、A面及びB面の両面同位置に画像を形成するため、A面及びB面ともにネガ画像が形成されるか、A面及びB面ともにポジ画像が形成されることが好ましい。
A面及びB面の両面同位置に形成された画像は、100μm以下の細線を含むことが好ましく、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは25μm以下、特に好ましくは15μm以下の細線を含む。
【0113】
<露光>
次に、本発明の画像形成方法における露光工程について説明する。
本発明では、透明支持体上に設けられた銀塩含有層について片面側のみから露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、タングステン光、水銀灯などが挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
【0114】
上記光源としては、例えば、陰極線(CRT)を用いた走査露光を挙げることができる。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種又は2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線等も利用される。
【0115】
また本発明では、露光は種々のレーザービームを用いて行うことができる。例えば、本発明における露光は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザー又は半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができる。システムをコンパクトで、安価なものにするために、露光は、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせた第二高調波発生光源(SHG)を用いて行うことが好ましい。特にコンパクトで、安価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザーを用いて行うことが好ましい。
【0116】
レーザー光源としては、具体的には、波長430〜460nmの青色半導体レーザー(2001年3月の第48回応用物理学関係連合講演会で日亜化学発表)、半導体レーザー(発振波長約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザー、波長約685nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6738MG)、波長約650nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6501MG)、波長約780nmの赤外半導体レーザーなどが好ましく用いられる。
【0117】
また、本発明では、シャープカットフィルタやバンド吸収フィルタ、バンド透過フィルタなどの任意のフィルタを用いて、特定波長の光透過率をコントロールすることが好ましい。このようなフィルタとしては、例えば紫外線吸収フィルタ(SCフィルタ)や、光吸収・赤外透過フィルタ(IRフィルタ)(いずれも富士写真フイルム(株)製、商品名)を用いることができる。
例えば、前記B面のハロゲン化銀乳剤が500nm以上の波長域に分光増感され、かつ前記A面のハロゲン化銀乳剤が500nm以上の波長域に分光感度をもたない場合において、500nm未満の光透過率を調整するフィルタ及び/又は500nm以上の光透過率を調整するフィルタを使用することで、A面及びB面のそれぞれの露光に最適な波長の光のみを透過させて、A面及びB面それぞれの画像太さや濃度を簡便に調整することができる。
本発明では、ハロゲン化銀感光材料にフォトマスクを介して露光して、パターンを形成することが好ましい。パターンの形状は特に限定されない。
【0118】
<現像処理>
以下に本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いることができる現像液、定着液などの処理剤および処理方法等について述べるが、言うまでもなく本発明は以下の記述に限定されるものではない。
【0119】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像処理には、公知の方法のいずれを用いることもでき、現像主薬を含有する処理液によって現像してもよいし、熱現像を利用してもよい。また、現像処理液としては公知のものを用いることができる。
【0120】
本発明に使用する現像液(以下、現像開始液および現像補充液の双方をまとめて現像液という。)に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキシベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独使用でも併用でもよい。特に、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬およびこれと超加成性を示す補助現像主薬を含有することが好ましく、ジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリドン類の組み合わせ、またはジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン酸誘導体とp−アミノフェノール類の組み合わせなどを挙げることができる。
本発明に用いる現像主薬において、ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイドロキノンが好ましい。またアスコルビン酸誘導体現像主薬としては、アスコルビン酸およびイソアスコルビン酸とそれらの塩があるが、特にエリソルビン酸ナトリウムが素材コストの点から好ましい。
【0121】
本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾリドンまたはその誘導体の現像主薬としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4、4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
本発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬としてN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシフェニル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、o−メトキシ−p−(N,N−ジメチルアミノ)フェノール、o−メトキシ−p−(N−メチルアミノ)フェノールなどがあるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノール、または特開平9−297377号公報および特開平9−297378号公報に記載のアミノフェノール類が好ましい。
【0122】
本発明における定着処理剤の定着剤としては、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使用量は適宜変えることができるが、一般には約0.7〜約3.0mol/Lである。
【0123】
本発明における定着液は、硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んでもよく、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それには例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどがある。これらは使用液におけるアルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.15mol/Lで含まれることが好ましい。
なお、定着液を濃縮液または固形剤として保存する場合、硬膜剤などを別パートとした複数のパーツで構成してもよいし、すべての成分を含む一剤型の構成としてもよい。
【0124】
定着処理剤には所望により保恒剤(例えば亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを好ましくは0.015mol/L以上、より好ましくは0.02mol/L〜0.3mol/L)、pH緩衝剤(例えば酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸、コハク酸、アジピン酸などを好ましくは0.1mol/L〜1mol/L、より好ましくは0.2mol/L〜0.7mol/L)、アルミニウム安定化能や硬水軟化能のある化合物(例えばグルコン酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、安息香酸、サリチル酸、タイロン、アスコルビン酸、グルタル酸、アスパラギン酸、グリシン、システイン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸やこれらの誘導体およびこれらの塩、糖類などを好ましくは0.001mol/L〜0.5mol/L、より好ましくは0.005mol/L〜0.3mol/L)を含むことができる。
【実施例】
【0125】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の主旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0126】
《乳剤Aの調製》
40℃に保った5,6−シクロペンタン−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザインデン(銀1モル当り5×10-3モル)を含有するゼラチン水溶液中に硝酸銀水溶液と銀1モル当り4×10-5モルの(NH4)2Rh(H2O)Cl5を含む塩化ナトリウム、臭化カリウム水溶液を同時に3分半で添加し、その間の電位を90mVにコントロールすることにより、臭化銀を30mol%含む平均粒子サイズ0.08μmの塩臭化銀立方体粒子を含む乳剤Aを調製した。
【0127】
《乳剤Bの調製》
40℃に保ったゼラチン水溶液中に硝酸銀水溶液と銀1モル当り4×10-5モルの(NH4)2Rh(H2O)Cl5を含む塩化ナトリウム水溶液を同時に4分で添加し、その間の電位を65mVにコントロールすることにより、芯部の粒子を調製した。その後、硝酸銀水溶液と銀1モル当り1.2×10-4モルの(NH4)2Rh(H2O)Cl5を含む塩化ナトリウム水溶液を同時に10分間で添加し、その間の電位を65mVにコントロールすることによって、平均粒子サイズ0.28μmの塩化銀立方体粒子を含む乳剤Bを調製した。
【0128】
《乳剤Cの調製》
乳剤Bに対して(NH4)2Rh(H2O)Cl5の量のみを変更し、乳剤Bよりも感度が4倍高い乳剤を調製し、乳剤Cとした。
【0129】
《乳剤Dの調製》
乳剤Aに対して(NH4)2Rh(H2O)Cl5の量のみを変更し、乳剤Aよりも感度が4倍高い乳剤を調製し、乳剤Dとした。
【0130】
《乳剤E及びFの調製》
特開昭58−127921記載の方法に従い、平板状粒子を含む乳剤を調製した。
アスペクト比3、粒子厚み0.5μmの粒子を含む乳剤を調製し、乳剤Eとし、アスペクト比3、粒子厚み0.2μmの粒子を含む乳剤を調製し、乳剤Fとした。
【0131】
《乳剤G及びHの調製》
乳剤Eに対し、粒子サイズは同じで化学増感剤量を変更し、乳剤Eよりも感度が4倍高い乳剤を調製し、乳剤Gとした。また乳剤Fに対し、粒子サイズは同じで化学増感剤量を変更し、乳剤Eよりも感度が4倍高い乳剤を調製し、乳剤Hとした。
【0132】
《塗布液の作製》
本実施例で調製するハロゲン化銀写真感光材料は、ポリエチレンテレフタレートフィルム支持体の一面(A面)に、下塗り層/乳剤層/保護層を形成し、その反対面(B面)に下塗り層/乳剤層/保護層を形成した構造を有する。
以下に各層を形成するために用いた塗布液の組成を示す(下塗り層及び保護層はA面及びB面で共通)。
【0133】
UL層塗布液
ゼラチン 0.5g/m2
5−メチルベンゾトリアゾール 20mg/m2
防腐剤(ICI(株)製、プロキセル、商品名) 1.5mg/m2
【0134】
保護層塗布液
ゼラチン 0.5g/m2
防腐剤(ICI(株)製、プロキセル、商品名) 1.5mg/m2
塗布助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム25mg/m2、ポリ(重合度5)オキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルナトリウム塩20mg/m2、N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピルグリシンポタジウム塩3mg/m2を同時に塗布した。
【0135】
《乳剤層塗布液−1》
乳剤 (銀3.0g/m2となる量)
分光増感色素(SD−1) 5.0×10-4mol/Agmol
KBr 3.4×10-4mol/Agmol
化合物(Cpd−1) 2.0×10-4mol/Agmol
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン
1.2×10-4mol/Agmol
ハイドロキノン 1.2×10-2mol/Agmol
クエン酸 3.0×10-4mol/Agmol
5−メチルベンゾトリアゾール 20mg/m2
ヒドラジン化合物(Cpd−2) 6.0×10-4mol/Agmol
造核促進剤(Cpd−3) 5.0×10-4mol/Agmol
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩
90mg/m2
水溶性ラテックス(Cpd−4) 100mg/m2
ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2
化合物(Cpd−5) ゼラチンに対して4質量%
なお、乳剤層塗布液−1に用いられたハロゲン化銀乳剤の分光増感域を測定したところ、550〜900nm(極大吸収波長:780nm)であった。
【0136】
《乳剤層塗布液−2》
乳剤層塗布液−1において、前記分光増感色素(SD−1)を含有しないこと以外は同様にして、乳剤層塗布液−2を調製した。乳剤層塗布液−2に用いられたハロゲン化銀乳剤の感光域を測定したところ、分光増感色素を添加しないためハロゲン化銀の固有の吸収域であり、おおむね250〜420nmであった。
【0137】
このようにして調製した乳剤層塗布液−1又は−2を下記支持体上にA面及びB面とも銀量3.0g/m2、ゼラチン量1.5g/m2になるように塗布した。
【0138】
【化22】


【0139】
<実施例1>
厚さが100μm、屈折率が1.57であるポリエチレンテレフタレート製の透明フィルムを支持体として用いた。
ポリエチレンテレフタレートフィルム支持体の一面(A面)に、乳剤Bを含有する乳剤層塗布液−2を用いて下塗り層/乳剤層/保護層を順次形成した。次いで、その反対面(B面)に、乳剤Cを含有する乳剤層塗布液−1を用いて下塗り層/乳剤層/保護層を順次形成し、試料101を作製した。
(露光)
線幅18μm、300μmピッチのネガマスクを介して、試料101のA面から露光を行った。光源は水銀灯を使用した。またこの際、シャープカットフィルタSC37〜41(富士写真フイルム(株)製、商品名)から選択されたフィルタを介して露光を行うことで光透過率を調整し、A面画像とB面画像の太さ、濃度の調整を行い、支持体の両面同位置に同じパターンを作成した。
(現像処理方法)
現像液(富士写真フイルム(株)製、QR−D1、商品名)と定着液(富士写真フイルム(株)製、NF−1、商品名)を使用し、自動現像機(富士写真フイルム(株)製、FG−680AG、商品名)を用い、35℃30秒の現像条件で処理した。
【0140】
<実施例2>
A面の乳剤層に、乳剤Aを含有する乳剤層塗布液−2を使用し、B面に乳剤Dを含有する乳剤層塗布液−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして試料102を作製した。試料102につき、実施例1と同様にして露光および現像処理を行った。
【0141】
<実施例3>
A面の乳剤層に、乳剤Eを含有する乳剤層塗布液−2を使用し、B面に乳剤Gを含有する乳剤層塗布液−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして試料103を作製した。試料103につき、実施例1と同様にして露光および現像処理を行った。
【0142】
<比較例1>
A面の乳剤層に、乳剤Bを含有する乳剤層塗布液−2を使用し、B面に乳剤Cを含有する乳剤層塗布液−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして試料104を作製した。試料104につき、実施例1と同様にして露光および現像処理を行った。
【0143】
<比較例2>
A面の乳剤層に、乳剤Gを含有する乳剤層塗布液−2を使用し、B面に乳剤Hを含有する乳剤層塗布液−2を使用したこと以外は実施例1と同様にして試料105を作製した。試料105につき、実施例1と同様にして露光および現像処理を行った。
【0144】
<比較例3>
ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面(A面)に金属銅箔をラミネートし、次に銅箔上にレジスト層をパターン化して設けた。このとき、裏面(B面)に黒色インキ層を印刷する際に見当を一致させるために使用するアライメントマークも同時にレジスト層に作成した。
続いて、レジスト層に覆われていない部位の銅箔をエッチングにより除去した。なお、この際パターン上に残るレジストはエッチング終了後に取り除いた。
最後に、フィルムの金属銅パターンの設けていない面(B面)に、アライメントマークを利用して金属銅パターンと見当を一致させ、黒色インキ層を印刷して試料106を作製した。
【0145】
[評価]
試料101〜106のA面及びB面にそれぞれ形成された画像(パターン)について、マイクロスコープ(倍率:800倍、キーエンス社製、商品名:デジタルマイクロスコープVH−6200)にて観察したところ、試料101〜106のいずれにもA面に線幅18μmの精細なパターンが形成された。代表して試料101のA面画像を図1に示すが、試料102〜106のA面画像も図1と同様である。試料101、102及び104のB面画像を図2〜4に示す。図1〜3中、右下に示されたウィンドウは、前記マイクロスコープによる線幅の測定結果を示すものである。
A面又はB面に形成された画像の一部を剥がして透明支持体を透かして観察し、A面パターン線の中心とB面パターン線の中心のズレを測定することにより、A面に形成された画像とB面に形成された画像とのズレを評価した。
【0146】
【表1】


【0147】
[評価結果]
図4及び表1から明らかなように、比較例1及び2の試料104及び105におけるB面画像は、線幅が約20μmの細線が描画されたが、全体的にボケており、線の交差部分が滲んで太くなってしまっていた。また、全体的にボケていてパターン線の中心が不明瞭であったため、A面画像とのズレを測定することができなかった。
比較例3の試料106におけるB面画像は、表1から明らかなように、線幅20μm以下の細線を描画するのは困難であり、線幅は約25μmであった。また、A面画像とのズレが大きく、約15μm程度ずれていた。
これらに対し、図2及び図3並びに表1から明らかなように、本発明の試料101〜103におけるB面画像はいずれも、A面と同様に20μmの細線がクリアに描画され、またA面画像とのズレも1μm以内で、ほとんどずれていないことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】図1は、試料101(実施例1)のA面に形成された画像のマイクロスコープ写真である。
【図2】図2は、試料101(実施例1)のB面に形成された画像のマイクロスコープ写真である。
【図3】図3は、試料102(実施例2)のB面に形成された画像のマイクロスコープ写真である。
【図4】図4は、試料104(比較例1)のB面に形成された画像のマイクロスコープ写真である。
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年12月21日(2006.12.21)
【代理人】 【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三

【識別番号】100118131
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 渉

【識別番号】100131288
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 尚祐


【公開番号】 特開2008−158108(P2008−158108A)
【公開日】 平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願番号】 特願2006−344998(P2006−344998)