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【発明の名称】 熱現像感光材料
【発明者】 【氏名】伏見 英生

【要約】 【課題】本発明の課題は、塗布面状が改良された高品質の熱現像感光材料を提供することである。

【解決手段】支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する画像形成層と少なくとも1層の非感光性層を有し、前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径で0.4μm以下であり、下記一般式(FC−1)、(FC−2)または(FC−3)で表されるフッ素化合物を含み、且つ、前記画像形成層の厚みが10μm以上14μm以下であることを特徴とする熱現像感光材料:
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤及びバインダーを含有する画像形成層と少なくとも1層の非感光性層を有してなる熱現像感光材料であって、前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径で0.4μm以下であり、下記一般式(FC−1)、一般式(FC−2)または(FC−3)で表されるフッ素化合物を含み、且つ、前記画像形成層の厚みが10μm以上14μm以下であることを特徴とする熱現像感光材料:
【化1】


(式中、Rfは3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を表し、Rf’は3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキレン基またはアルケニレン基を表し、Lは連結手または二価の連結基を表し、Yは連結手または(p+q)価の飽和の連結基を表し、Zはアニオン性基、カチオン性基、ベタイン性基またはノニオン性極性基を表す。Z’は二価のノニオン性極性基を表す。p及びqは各々1〜3の整数を表す。但し(p+q)が2の時、LおよびYがともに連結手であることはない。)。
【請求項2】
前記画像形成層中の全固形分量に占めるバインダーの割合が30質量%以上44質量%以下である事を特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
【請求項3】
前記画像形成層中のバインダー塗布量が3.0g/m〜8.5g/mであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱現像感光材料。
【請求項4】
前記画像形成層側に下記一般式(1)で表される化合物を含有する事を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【化2】



(式中、Lは連結手または2価の連結基を表し、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、もしくは、ともに結合して環を形成してもよい炭化水素基を表し、Xは水素原子またはカチオンを表す。但し、Xが2価以上のカチオンの場合、両カルボキシ基が単一のXをキレートしていてもかまわない。)。
【請求項5】
前記一般式(1)で表される化合物を画像形成層側の面に50mg/m〜150mg/m含有する事を特徴とする請求項4に記載の熱現像感光材料。
【請求項6】
前記一般式(1)で表される化合物を画像形成層側の銀1モル当たり4.5モル%〜7モル%含有する事を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の熱現像感光材料。
【請求項7】
前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【化3】



(式中、Lは置換または無置換の飽和または不飽和炭化水素の6員〜8員環を表す。)。
【請求項8】
少なくとも2種の前記一般式(1)で表される化合物を含有する事を特徴とする請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項9】
前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径0.01μm以上0.4μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項10】
前記非感光性有機銀塩が該有機酸のカリウム塩と硝酸銀との反応により形成された銀塩であることを特徴とする請求項9に記載の熱現像感光材料。
【請求項11】
前記非感光性有機銀塩がナノ粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項12】
前記ナノ粒子がポリアクリルアミドおよびその誘導体より選ばれる少なくとも1種の分散剤の存在下で調製された粒子であることを特徴とする請求項11に記載の熱現像感光材料。
【請求項13】
前記一般式(FC−1)において、前記(p+q)が3であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項14】
前記Rfが下記一般式(FC−1−C)で表されることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【化4】


(式中、Rcは炭素数0〜4の直鎖アルキレン基を表し、Reは炭素数2〜6のパーフルオロアルキレン基を表し、Wは水素原子またはフッ素原子を表す。)。
【請求項15】
前記RfがC17基であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項16】
前記Rf’がC基であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項17】
前記銀イオンのための還元剤が下記一般式(R1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【化5】



(式中、RおよびR’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。RおよびR’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Rは3員〜7員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子から選ばれる原子により構成される環を形成する置換基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)。
【請求項18】
前記画像形成層のバインダーの50質量%以上がポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項19】
前記ポリビニルブチラールが低重合度ポリビニルアセタールと高重合度ポリビニルアセタール樹脂の混合物であることを特徴とする請求項18に記載の熱現像感光材料。
【請求項20】
前記低重合度ポリビニルアセタールが質量平均重合度が200以上600以下のポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項19に記載の熱現像感光材料。
【請求項21】
前記高重合度ポリビニルアセタールが質量平均重合度が900以上3000以下のポリビニルブチラールであることを特徴とする請求項19に記載の熱現像感光材料。
【請求項22】
前記低重合度ポリビニルアセタールと前記高重合度ポリビニルアセタールの質量比が5/95〜95/5でることを特徴とする請求項19〜請求項21のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項23】
前記画像形成層のバインダー50質量%以上がポリマーラテックスであることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【請求項24】
前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが40nm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項23のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、面状が改良された熱現像感光材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用および写真技術用途の光感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
一般画像形成材料の分野でも同様の要求はあるが、医療用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像の出力システムとしては満足できるものがない。
【0004】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、多くの文献に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した画像形成層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。そして熱現像感光材料による医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DPLが発売された。
【0005】
有機銀塩を利用した熱現像感光材料の製造方法としては、溶剤塗布により製造する方法と、主バインダーとしてポリマー微粒子の水分散物を用いたり、水溶性ポリマーの水溶液を用いたりして、水性塗布液を塗布・乾燥して製造する方法がある。
【0006】
溶剤塗布される塗布液もポリマーラテックスをバインダーとした塗布液のいずれもセット性と呼ばれる温度を低くすることによって流動性を失う液物性を有しないため、均一に良好な面状で塗布することは大きな課題であった。
特に、画像形成に用いる各種素材の改良、その分散方法などの製造方法の改良によって微粒子化され、少ない塗布量で薄層化して優れた画質の画像を得る技術が開発されてきている。例えば、かぶりの少ない微粒子有機酸銀の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1,2参照。)。ナノ粒子の有機酸銀の製造方法も開示されている(例えば、特許文献3、4参照。)。この結果、画像形成層の薄層塗布を実現するために、塗布液が希釈され、粘度が低下するため、塗布液を塗り付けた後の乾燥風やウェブの搬送に伴う振動などにより塗布ムラが発生しやすくなり、従来にも増して均一に良好な面状で塗布することは大きな課題となった。
【特許文献1】特開2005−157190号公報
【特許文献2】特開2005−165006号公報
【特許文献3】米国特許第6630291号公報
【特許文献4】米国特許第6713241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、少ない塗布量で薄層化しながら塗布適性に優れ、面状が良好でかつ高画質の熱現像感光材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
【0009】
<1> 支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤及びバインダーを含有する画像形成層と少なくとも1層の非感光性層を有してなる熱現像感光材料であって、前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径で0.4μm以下であり、下記一般式(FC−1)、一般式(FC−2)または(FC−3)で表されるフッ素化合物を含み、且つ、前記画像形成層の厚みが10μm以上14μm以下であることを特徴とする熱現像感光材料:
【0010】
【化1】


【0011】
(式中、Rfは3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を表し、Rf’は3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキレン基またはアルケニレン基を表し、Lは連結手または二価の連結基を表し、Yは連結手または(p+q)価の飽和の連結基を表し、Zはアニオン性基、カチオン性基、ベタイン性基またはノニオン性極性基を表す。Z’は二価のノニオン性極性基を表す。p及びqは各々1〜3の整数を表す。但し(p+q)が2の時、LおよびYがともに連結手であることはない。)。
<2> 前記画像形成層中の全固形分量に占めるバインダーの割合が30質量%以上44質量%以下である事を特徴とする<1>に記載の熱現像感光材料。
<3> 前記画像形成層中のバインダー塗布量が3.0g/m〜8.5g/mであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の熱現像感光材料。
<4> 前記画像形成層側に下記一般式(1)で表される化合物を含有する事を特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【0012】
【化2】



【0013】
(式中、Lは連結手または2価の連結基を表し、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、もしくは、ともに結合して環を形成してもよい炭化水素基を表し、Xは水素原子またはカチオンを表す。但し、Xが2価以上のカチオンの場合、両カルボキシ基が単一のXをキレートしていてもかまわない。)。
<5> 前記一般式(1)で表される化合物を画像形成層側の面に50mg/m〜150mg/m含有する事を特徴とする<4>に記載の熱現像感光材料。
<6> 前記一般式(1)で表される化合物を画像形成層側の銀1モル当たり4.5モル%〜7モル%含有する事を特徴とする<4>又は<5>に記載の熱現像感光材料。
<7> 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする<4>〜<6>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【0014】
【化3】



【0015】
(式中、Lは置換または無置換の飽和または不飽和炭化水素の6員〜8員環を表す。)。
<8> 少なくとも2種の前記一般式(1)で表される化合物を含有する事を特徴とする<4>〜<7>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<9> 前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径0.01μm以上0.4μm以下であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<10> 前記非感光性有機銀塩が該有機酸のカリウム塩と硝酸銀との反応により形成された銀塩であることを特徴とする<9>に記載の熱現像感光材料。
<11> 前記非感光性有機銀塩がナノ粒子であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<12> 前記ナノ粒子がポリアクリルアミドおよびその誘導体より選ばれる少なくとも1種の分散剤の存在下で調製された粒子であることを特徴とする<11>に記載の熱現像感光材料。
<13> 前記一般式(FC−1)において、前記(p+q)が3であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<14> 前記Rfが下記一般式(FC−1−C)で表されることを特徴とする<1>〜<13>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【0016】
【化4】


【0017】
(式中、Rcは炭素数0〜4の直鎖アルキレン基を表し、Reは炭素数2〜6のパーフルオロアルキレン基を表し、Wは水素原子またはフッ素原子を表す。)。
<15> 前記RfがC17基であることを特徴とする<1>〜<13>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<16> 前記Rf’がC基であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<17> 前記銀イオンのための還元剤が下記一般式(R1)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<16>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料:
【0018】
【化5】



【0019】
(式中、RおよびR’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。RおよびR’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Rは3員〜7員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子から選ばれる原子により構成される環を形成する置換基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)。
<18> 前記画像形成層のバインダーの50質量%以上がポリビニルブチラールであることを特徴とする<1>〜<17>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<19> 前記ポリビニルブチラールが低重合度ポリビニルアセタールと高重合度ポリビニルアセタール樹脂の混合物であることを特徴とする<18>に記載の熱現像感光材料。
<20> 前記低重合度ポリビニルアセタールが質量平均重合度が200以上600以下のポリビニルブチラールであることを特徴とする<19>に記載の熱現像感光材料。
<21> 前記高重合度ポリビニルアセタールが質量平均重合度が900以上3000以下のポリビニルブチラールであることを特徴とする<19>に記載の熱現像感光材料。
<22> 前記低重合度ポリビニルアセタールと前記高重合度ポリビニルアセタールの質量比が5/95〜95/5でることを特徴とする<19>〜<21>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<23> 前記画像形成層のバインダー50質量%以上がポリマーラテックスであることを特徴とする<1>〜<17>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
<24> 前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが40nm以下であることを特徴とする<1>〜<23>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、塗布適性に優れ、面状が良好でかつ高画質の熱現像感光材料が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0022】
本発明の熱現像感光材料は、支持体の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤及びバインダーを含有する画像形成層と少なくとも1層の非感光性層を有し、前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径で0.2μm以下であり、上記一般式(FC−1)、一般式(FC−2)、または一般式(FC−3)で表されるフッ素化合物を含み、且つ、前記画像形成層を有する面側の塗布層の総厚みが10μm以上14μm以下である。総厚みは、好ましくは11μm以上13μm以下である。
【0023】
本発明においては、上記一般式(FC−1)、一般式(FC−2)、または一般式(FC−3)で表されるフッ素化合物および0.2μm以下の微粒子非感光性有機銀塩を用いることによって、前記画像形成層の総厚みが10μm以上14μm以下で、面状に優れかつ高画質の画像が得られる熱現像感光材料を完成した。層厚みがこの範囲より少ないと十分な画像濃度を得ることが出来ず、また面状も悪化するので好ましくない。一方のこの範囲より厚くなると、脆性の悪化など膜物理性の点で好ましくない上に、原材料費等の製造コスト上も好ましくない。
本発明の熱現像感光材料は、また、好ましくは画像形成層の上に表面保護層、あるいはその反対面にバック層やバック保護層などを有してもよい。本発明の熱現像感光材料は、支持体の両面に画像形成層を有する両面型熱現像感光材料であっても、片面にのみ有する片面型熱現像感光材料であっても良い。
【0024】
また、画像形成層の厚みを上記範囲に調製するにあたり、画像形成層中の全固形分に対するバインダー比率を30質量%〜44質量%とすることが好ましく、35質量%〜40質量%とすることがさらに好ましい。バインダー比率を下げる事により画像濃度が上昇するが、この範囲よりもバインダーの比率が少ないと充分な膜強度がえられず、さらに粘度低下による塗布性悪化も著しくなるため、好ましくない。
【0025】
さらに、画像形成層中のバインダー塗布量は3.0g/m〜8.5g/mであることが好ましく、4.0g/m〜5.5g/mであることがさらに好ましい。この範囲よりも塗布量が多いと生保存性が悪化する為好ましくなく、またこの範囲よりもバインダー塗布量が少ないと充分な膜強度がえられず好ましくない。
【0026】
好ましくは、前記非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが球相当直径0.01μm以上0.2μm以下である。非感光性有機銀塩の平均粒子サイズが0.2μmを超えると画像濃度が低下するので好ましくない。下限については、特に制限がないが一般的に可能な範囲が0.01μmである。より好ましくは、前記非感光性有機銀塩が該有機酸のカリウム塩と硝酸銀との反応により形成された銀塩である。
好ましくは、前記非感光性有機銀塩がナノ粒子である。より好ましくは、前記ナノ粒子がポリアクリルアミドおよびその誘導体より選ばれる少なくとも1種の分散剤の存在下で調製された粒子である。
好ましくは、前記一般式(FC−1)において、前記pが1または2である。
好ましくは、前記一般式(FC−1)において、前記Rfが上記一般式(FC−1−C)で表される基である。好ましくは、前記一般式(FC−1)においてRfがC17基である。好ましくは、前記一般式(FC−3)において、Rf’がCである。
好ましくは、前記銀イオンのための還元剤が上記一般式(R1)で表される化合物である。
前記画像形成層のバインダーの好ましい一つの態様は、質量平均重合度が250以上1000以下のポリビニルブチラールである。
前記画像形成層のバインダーのもう一つの態様は、ポリマーラテックスである。
好ましくは、前記感光性ハロゲン化銀の平均粒子サイズが40nm以下である。
【0027】
(層構成)
これらの各層の構成、およびその好ましい成分について詳しく説明する。
通常、熱現像感光材料においては、支持体上に一又はそれ以上の層で構成される画像形成層を有する。さらに画像形成層のほか、非感光性層を有する。
非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と表面保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。これらの層は、各々独立に単層であっても複数層であってもよい。
本発明における前記画像形成層の総厚みが10μm以上14μm以下である。
【0028】
(有機銀塩の説明)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀及びこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは45モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0029】
また、ステアリン酸銀含有率が30モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸含有率を30モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸含有率としては、25モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
【0030】
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が40モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、35モル%以下であることが更に好ましい。
【0031】
2)粒子サイズ
本発明における非感光性有機銀塩は、平均粒子サイズは0.4μm以下の微粒子である。好ましくは、平均粒子サイズが0.01μm以上0.4μm以下、より好ましくは平均粒子サイズは0.01μm以上0.35μm以下である。
別の好ましい粒子サイズの領域はナノ粒子の領域である。
【0032】
本発明において、粒子サイズは粒子の容積と等しい球の直径で表した球相当直径であって、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
【0033】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。有機銀塩の粒子サイズは、有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より測定することができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば市販のレーザー光散乱型粒子サイズ測定装置を用いることができる。
【0034】
本発明に係る有機銀塩の形状は、縦横比が1以上、9以下のリン片状粒子であることが好ましい。縦横比が1以上、9以下の範囲であると、分散物調製時、粒子の破砕が起こらず、その結果、画像保存性が良好となるため好ましい。
【0035】
本発明において、リン片状の有機銀塩及び縦横比とは、次のようにして定義する。有機銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この 直方体の辺を一番短い方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてx、yを求める。
【0036】
x=b/a、y=c/b
このようにして200個程度の粒子についてx、yを求め、その平均値x(平均)としたとき、30≧x(平均)≧1.5の関係を満たすものをリン片状とす る。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは20≧x(平均)≧2.0である。ちなみに、針状とは1≦x(平均)<1.5である。また、その 平均値y(平均)を縦横比と定義する。本発明に係る有機銀塩粒子の縦横比は、1以上、9以下であることが好ましく、1以上、6以下であることがより好まし く、1以上、3以下であることが特に好ましい。
【0037】
リン片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上、0.23μm以下が好ましく、0.1μm以上、0.20μm以下がより好ましい。
【0038】
リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。本発明におけるリン片状粒子のアスペクト比は、1.1以上、30以下であることが 好ましく、このようなアスペクト比の範囲とすることにより、熱現像材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。この時、アスペクト比は、1.1以上、15以下が好ましい。
【0039】
3)製造方法
本発明に用いられる微粒子の非感光性有機銀塩の製造及びその分散法にについて説明する。
【0040】
《微粒子有機銀塩の調製方法》
本発明における有機銀塩粒子は、60℃以下の反応温度で調製されることが、最小濃度が低い粒子を調製するという観点で好ましい。添加される薬品、例えば、有機酸アルカリ金属水溶液は、60℃より高い温度でも構わないが、反応液が添加される反応浴の温度は、60℃以下であることが好ましい。更に50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることが特に好ましい。
【0041】
本発明における銀イオンを含む溶液(例えば、硝酸銀水溶液)のpHは、好ましくはpH1以上、6以下、更に好ましくはpH1.5以上、4以下である。pH調節のため、銀イオンを含む溶液自体に、酸及びアルカリを加えることができるが、酸及びアルカリの種類は、特に制限されない。
【0042】
本発明における有機銀塩は、銀イオンを含む溶液(例えば、硝酸銀水溶液)/及び又は有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液の添加が終了した後、反応温度を上げて熟成をしても構わない。本発明における熟成は、前述した反応温度とは別のものと考える。熟成の際は、銀イオンを含む溶液及び有機酸アルカリ金属塩溶液、もしくは懸濁液の添加は一切行わない。熟成は、反応温度+1℃以上、+20℃以下が好ましく、+1℃以上、+10℃以下がより好ましい。なお、熟成時間はトライアンドエラーで決定することが好ましい。
【0043】
本発明における有機銀塩の調製において、有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液の総添加モル数の0.5モル%以上、30モル%以下が銀イオンを含む溶液の添加が終了した後、単独添加されてもかまわない。好ましくは3モル%以上、20モル%以上が単独添加されても構わない。この添加は、分割された添加の1回として充てられることが好ましい。この添加は、密閉混合手段を利用している場合は、密閉混合手段中、もしくは反応槽の何れに添加しても構わないが、反応槽に添加することが好ましい。この添加を実施することで、有機銀塩粒子の表面の親水性を高めることができ、その結果、熱現像画像記録材料の造膜性が良化し、膜剥れが改良される。
【0044】
本発明に用いる銀イオンを含む溶液(例えば硝酸銀水溶液)の銀イオン濃度は、任意に決定されるが、モル濃度として、0.03mol/L以上、6.5mol/L以下が好ましく、より好ましくは、0.1mol/L以上、5mol/L以下である。
【0045】
本発明の実施に際して、有機銀塩粒子を形成させるためには、銀イオンを含む溶液、有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液、及びあらかじめ反応場に準備しておく溶液の少なくとも一つに、有機酸のアルカリ金属塩がひも状会合体やミセルではなく、実質的に透明溶液となり得る量の有機溶剤を含有することが好ましい。
【0046】
この溶液は、水、有機溶剤単独、あるいは水と有機溶媒の混合物を用いることが好ましいが、更に水と有機溶媒との混合溶液であることが好ましい。
【0047】
本発明で用いる有機溶剤としては、水溶性で上記性質を有していればその種類は特に制限されないが、写真性能に支障をきたすものは好ましくなく、好ましくは水と混合できるアルコール、アセトンなどが好ましい。
【0048】
本発明に用いる有機酸のアルカリ金属塩のアルカリ金属は、具体的にはカリウムが好ましい。有機酸のアルカリ金属塩は、有機酸に水酸化カリウムを添加することにより調製される。このとき、アルカリ量を有機酸の当量以下として、未反応の有機酸を残存させることが好ましい。この場合の、残存有機酸量は、全有機酸に対し3mol%以上、50mol%以下であり、好ましくは3mol%以上、30mol%以下である。また、アルカリを所望の量以上に添加した後に、硝酸、硫酸等の酸を添加し、余剰のアルカリ分を中和させることで調製してもよい。更に、本発明に用いる銀イオン含有溶液及び有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは、懸濁液あるいは両液が添加される密閉混合手段の液には、例えば、特開昭62−65035号公報の一般式(1)で示されるような化合物、また、特開昭62−150240号公報に記載のような水溶性基含有Nヘテロ環化合物、特開昭50−101019号公報に記載のような無機過酸化物、特開昭51−78319号公報に記載のようなイオウ化合物、特開昭57−643号公報に記載のようなジスルフィド化合物及び過酸化水素等を添加することができる。
【0049】
本発明で用いる有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液は、有機溶媒の量が水分の体積に対し、有機溶媒体積として3%以上、70%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以上、50%以下である。この際、反応温度で最適な有機溶媒体積が変化するため、トライアンドエラーで最適量を決定することができる。本発明に用いる有機酸のアルカリ金属塩の濃度は、質量比として、5質量%以上、50質量%以下であり、好ましくは7質量%以上、45質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以上、40質量%以下である。
【0050】
反応容器に供給される有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液の温度としては、有機酸アルカリ金属塩の結晶化、固化の現象を避けるに必要な温度に保っておく目的で、50℃以上、90℃以下が好ましく、60℃以上、85℃以下がより好ましく、65℃以上、85℃以下が最も好ましい。また、反応の温度を一定にコントロールするため、上記範囲から選ばれるある温度で一定にコントロールされることが好ましい。これにより、高温の有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液が、密閉混合手段中で急冷されて微結晶状に析出する速度と、銀イオンを含む溶液との反応で有機銀塩化する速度が好ましく制御され、有機銀塩の結晶形態、結晶サイズ、結晶サイズ分布を好ましく制御することができる。また、同時に熱現像画像記録材料として性能をより向上させることができる。
【0051】
反応容器中には、予め溶媒を含有させておいてもよく、予め入れられる溶媒には、水が好ましく用いられるが、有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液との混合溶媒も好ましく用いられる。
【0052】
有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液、銀イオンを含む溶液、あるいは反応液には、水性媒体可溶な分散助剤を添加することができる。分散助剤としては、形成した有機銀塩を分散可能なものであれば、いずれのものでもよい。具体的な例は、後述の有機銀塩の分散助剤の記載に準じる。
【0053】
有機銀塩の調製法において、銀塩形成後に脱塩・脱水工程を行うことが好ましい。その方法は、特に制限はなく、周知・慣用の手段を用いることができる。例えば、遠心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾過方法、また、遠心分離沈降による上澄み除去等も好ましく用いられる。中でも、遠心分離法が好ましい。脱塩・脱水は1回でもよいし、複数回繰返してもよい。水の添加及び除去を連続的に行ってもよいし、個別に行ってもよい。脱塩・脱水は最終的に脱水された水の伝導度が好ましくは300μS/cm以下、より好ましくは100μS/cm以下、最も好ましくは60μS/cm以下になる程度に行う。この場合、伝導度の下限に特に制限はないが、通常、5μS/cm程度である。
【0054】
本発明における限外濾過による脱塩は、処理に先立って、粒子サイズを最終粒子サイズの体積加重平均で2倍程度まで、あらかじめ液を分散することが好ましい。分散手段は、後述する、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等どのような方法でも構わない。
【0055】
粒子形成後から脱塩操作が進むまでの液温は、低く保つことが好ましい。これは、有機酸のアルカリ金属塩を溶解する際に用いる有機溶剤が、生成した有機銀塩粒子内に浸透している状態では、送液操作や脱塩操作によって銀核が生成しやすいからである。このため、本発明では、有機銀塩粒子分散物の温度を1℃〜30℃、好ましくは5℃〜25℃に保ちながら脱塩操作を行うことが好ましい。
【0056】
《ナノ粒子有機銀塩の調製方法》
さらに微粒子の非感光性有機銀塩としてナノ粒子の有機銀塩も本願に於いて好ましく用いられる。本発明において、ナノ粒子の非感光性有機銀塩は、ポリアクリルアミドおよびその誘導体より選ばれる少なくとも1種の分散剤の存在下で調製することが出来る。
【0057】
これらの分散剤は、有機銀塩の調製の際に添加しても良く、さらに分散時に添加してもよい。有機銀塩を調製後、反応副生成物である塩を、脱塩する際、ポリアクリルアミドおよびその誘導体より選ばれる少なくとも1種の分散剤を含有する水洗液で脱塩されることが好ましい。
【0058】
分散剤1に対する有機銀塩の質量比は15以上100以下が好ましく、20以上70以下が更に好ましい。
分散剤としては下記一般式のいずれかで表される化合物を用いることが好ましい。分散剤を含有する水洗液で脱塩することで、塗布面状に優れた有機銀塩を得る事ができる。
【0059】
【化6】



【0060】
Rは疎水性基を表す。R及びRの少なくとも一方は疎水性基である。Lは2価の連結基である。Tはオリゴマー部である。
疎水性基の数は、連結基Lによって決まる。疎水性基は、飽和又は不飽和のアルキル基、アリールアルキル基又はアルキルアリール基より選ばれ、ここでそれぞれのアルキル部は直鎖であっても分枝鎖であってもよい。好ましくは、疎水性R、R及びRは、炭素原子数が8〜21個である。連結基Lは、単純な化学結合により疎水性基に、そしてチオ結合(−S−)によりオリゴマー部分Tに連結されている。1個の疎水性基を伴う物質のための典型的連結基は、下記式にイタリック字体で記されている:
【0061】
【化7】



【0062】
2個の疎水基を伴う物質のための典型的連結基は、下記式にイタリック字体で記されている:
【0063】
【化8】



【0064】
オリゴマー基Tは、アミド官能基を有するビニルモノマーのオリゴマー化を基にしており、そのビニル部分は、オリゴマー化の経路を提供し、かつアミド部分は、親水性官能基を構成する(オリゴマー化後)非イオン性極性基を提供する。このオリゴマー基Tは、1種のモノマー源、又は得られるオリゴマー鎖が十分に親水性となって、得られる表面活性物質を水中に溶解又は分散させるならば、モノマーの混合物から生成することができる。オリゴマー鎖Tを生成するために使用される典型的モノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、及び2−ビニルピロリドンに基づくが、最後の者はポリビニルピロリドン(PVP)により時折り認められる有害な写真作用のために余り好ましくない。
【0065】
これらのモノマーは、下記の2種の一般式により表すことができる:
【0066】
【化9】



【0067】
Xは、典型的にはH又はCHであり、これらは各々アクリルアミド又はメタクリルアミド系のモノマーをもたらす。Y及びZは、典型的にはH、CH、C、C(CHOH)であり、ここでX及びYは同じ又は異なることができる。)。
【0068】
前述のアミド官能基を伴うビニルポリマーを主成分にしたオリゴマー界面活性剤は、当該技術分野において公知の方法で製造することができるか、又は公知の方法の簡単な変更である。例証的調製を下記に示す。水性ベースのナノ粒子カルボン酸銀分散物を、下記の工程を含む媒体磨砕法により生成することができる:
(A)カルボン酸銀、カルボン酸塩の担体としての水及び前述の表面改質剤を含有する、カルボン酸銀分散物を用意する工程;
(B)前記カルボン酸塩分散物を、平均粒径が500μm未満である硬質摩砕用媒体と混合する工程;
(C)工程(B)の混合物を、高速ミルに投入する工程;
(D)工程(C)の混合物を、カルボン酸塩粒子の90質量%が1μm未満の粒径を有するようなカルボン酸塩粒径分布が得られるまで磨砕する工程;及び
(E)工程(D)で磨砕した混合物から摩砕用媒体を分離する工程。
【0069】
ポリアクリルアミドおよびその誘導体より選ばれる分散剤に対する前記非感光性有機銀塩の質量比が15以上100以下が好ましい。
【0070】
4)添加量
本発明における非感光性有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.05g/m〜3.0g/mが好ましく、より好ましくは0.1g/m〜1.8g/m、さらに好ましくは0.2g/m〜1.2g/mである。
【0071】
本発明に用いられる非感光性有機銀塩の製造及びその分散法については、上記の他にも特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
【0072】
(フッ素化合物)
本発明の熱現像感光材料が含有する一般式(FC−1)で表されるフッ素化合物について説明する。該フッ素化合物は、3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキル基もしくはアルケニル基を1つ以上有する事を特徴とする。該フッ素化合物としてはアニオン性、カチオン性、ベタイン性、ノニオン性のいずれでもよいが、その中でもアニオン性またはノニオン性化合物が好ましく、アニオン性化合物が最も好ましい。更にこれらは低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよいが低分子化合物であることがより好ましい。
【0073】
【化10】


【0074】
式中、Rfは3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキル基またはアルケニル基を表し、Lは連結手または二価の連結基を表し、Yは連結手または(p+q)価の飽和の連結基を表し、Zはアニオン性基、カチオン性基、ベタイン性基またはノニオン性極性基を表す。p及びqは各々1〜3の整数を表す。但し(p+q)が2の時、LおよびYがともに連結手であることはない。また、p個のRf基およびq個の−L−Z基はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
【0075】
前記Rfで表されるアルキル基またはアルケニル基は、フッ素原子数が3個以上17以下であって、好ましくは6〜17の範囲である。また、該アルキル基または該アルケニル基の炭素原子数は1〜16が好ましく、2〜12がさらに好ましく、3〜9が最も好ましい。該アルキル基またはアルケニル基は直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、また環状構造を有していてもよいが直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
前記Rfは、好ましくは一般式(Rf−1)で表わされる。
【0076】
【化11】



【0077】
式中、Rf、およびRfはそれぞれ独立に、フッ素原子または炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を表すが、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。RfおよびRfの炭素原子数の和は3または4であることが好ましい。
【0078】
フッ素原子を有するアルキル基、またはアルケニル基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
【0079】
【化12】


【0080】
【化13】



【0081】
前記Lは単なる結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としてはアルキレンオキシ基、オキシアルキレンオキシ基、パーフルオロオキシアルキレン基、パーフルオロオキシアルキレンオキシ基、チオアルキレン基、フェニレンオキシ基、オキシフェニレンオキシ基、カルボニル基、−SONR−、−CONR−、−OCO−、−COO−、酸素、硫黄などのヘテロ原子、またはこれらの基を組み合わせた基等が挙げられるが、連結手であることが好ましい。RおよびRは水素原子またはアルキル基を表す。
【0082】
前記Zはアニオン性基、カチオン性基、ベタイン性基、またはノニオン性極性基を表すが、アニオン性基またはノニオン性基であることが好ましい。
アニオン性基とはpKaが7以下の酸性基およびそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を言う。具体的には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、およびこれらの塩類などが挙げられる。このうち、好ましくはスルホ基およびその塩類である。塩類を形成するカチオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、及びメチルピリジニウムなどが挙げられ、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、などのアルカリ金属イオン及びアンモニウムであり、さらに好ましくはリチウムである。
【0083】
カチオン性基としては、好ましくは有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素または燐のカチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオンまたはアンモニウムカチオンであり、より好ましくはトリアルキルアンモニウムカチオンであり、該カチオン性基のカウンターアニオンとしては、ハロゲン化物イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどが好ましい。
ノニオン性基としては水酸基、ポリアルキレンオキシ基が挙げられ、ポリアルキレンオキシ基が好ましく、なかでもポリオキシエチレン基が好ましい。ポリオキシアルキレン基の長さに特に制限はないが、繰り返し数が5から50であることが好ましく、10から30であることがさらに好ましい。
【0084】
前記Yは、単なる結合又は(p+q)価の飽和の連結基を表し、該連結基としてはアルキレン基、オキシアルキレンオキシ基、アリーレン基、ヘテロ原子またはこれらの基を組み合わせた基等が挙げられる。pおよびqは各々1〜3の整数を表すが、(p+q)は3であることが最も好ましい。
次に、一般式(FC−2)または(FC−3)で表されるフッ素化合物について説明する。
【0085】
【化14】



【0086】
式中、Rf’は3個以上17個以下のフッ素原子を有するアルキレン基またはアルケニレン基を表し、Lは連結手または二価の連結基を表し、Zはアニオン性基、カチオン性基、ベタイン性基またはノニオン性極性基を表す。Z’は二価のノニオン性極性基を表す。
Rf、L、Zは一般式(FC−1)におけると同義である。
【0087】
前記Z’は好ましくはポリオキシアルキレン基である。ポリオキシアルキレン基の種類に特に制限はないが、ポリオキシエチレン基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン基の長さに特に制限はないが、繰り返し数が5から50であることが好ましく、10から30であることがさらに好ましく、20から25であることが特に好ましい。
【0088】
前記Rf’はフッ素原子数が3から17のアルキレン基、またはアルケニレン基であれば特に制限はないが、パーフルオロ基である事が好ましく、パーフルオロアルキレン基であることがさらに好ましい。また、直鎖状であることが好ましい。
【0089】
以下に一般式(FC−1)、(FC−2)および(FC−3)で表されるフッ素化合物の具体例を示すが、本発明で用いる事ができる化合物は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
【0090】
【化15】


【0091】
【化16】


【0092】
【化17】


【0093】
【化18】


【0094】
*C11は下記部分構造式1を、C17は下記部分構造式2を表す。
【0095】
【化19】



【0096】
【化20】



【0097】
上記一般式(FC−1)、(FC−2)および(FC−3)で表される化合物の合成方法については、特表平10−500950号公報、同10−158218号公報、同11−504360号公報および特表2000−505803号公報を参考にする事ができる。
【0098】
本発明におけるフッ素化合物は、塗布面状を改良するのに必要な所望の量で使用できるが、ほぼ0.5mg/m〜90mg/mが好ましく、より好ましくは15mg/m〜85mg/m、さらに好ましくは25mg/m〜80mg/mである。この範囲以下の塗布量では充分な塗布性改良効果が得られず、またこの範囲以上の塗布量では現像ムラを生じ好ましくない。
【0099】
(一般式(1)で表される化合物)
本発明においては、画像形成層側に一般式(1)で表される化合物を添加することが好ましい。下記一般式(1)で表される化合物を添加する事により、本発明の課題である塗布性がさらに改良されることが見出された。
【0100】
【化21】



【0101】
式中、Lは連結手または2価の連結基を表し、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、もしくは、ともに結合して環を形成してもよい炭化水素基を表し、Xは水素原子またはカチオンを表す。但し、Xが2価以上のカチオンの場合、両カルボキシ基が単一のXをキレートしていてもかまわない。
【0102】
の連結基に特に制限はないが、連結手、または置換もしくは無置換のイミノ基であることが好ましく、連結手であることがさらに好ましい。またはLが連結基の場合、Lは置換基を有していても良い。この場合の置換基に特に制限はないが、カルボキシアルキレン基やヒドロキシアルキレン基のような、極性基を有した置換基であることが好ましい。
【0103】
R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、またはともに結合して環を形成してもよい炭化水素基を表すが、少なくとも一方が炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基の炭素数は4から18であることが好ましく、4から12であることがさらに好ましい。また、R1とR2が結合して環を形成していることも好ましい。これらの炭化水素基は飽和でも不飽和でもよく、また置換基を有していても構わない。この場合の置換基としてはアルキル基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルキルオキシアルキル基、アミノ基、およびハロゲン原子などが挙げられるが、アルキル基、またはハロゲン原子であることが好ましい。
【0104】
Xは水素原子またはカチオンを表す。カチオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよびアンモニウムイオンなどが挙げられるが、水素原子またはアルカリ金属イオンであることが好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
【0105】
また、下記一般式(2)で表されるものも好ましい。
【0106】
【化22】



【0107】
式中、Lは置換または無置換の飽和または不飽和炭化水素の6乃至8員環を表すが、6員環であることが好ましい。また、不飽和炭化水素環であることが好ましく、芳香環であることがさらに好ましい。Lは置換基を有しても、無置換でも構わないが置換基を有している事が好ましく、置換基がアルキル基、またはハロゲン原子であることがさらに好ましい。
【0108】
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに制限されるものではない。
【0109】
【化23】



【0110】
一般式(1)で表される化合物は単独で用いても、2種以上を併用しても構わないが、2種以上を併用する事が好ましい。また、添加方法にも特に制限はなく、固体分散物、溶液化などの既知の方法で添加する事ができる。
また、添加する層にも特に制限はないが、画像形成層に添加する事が好ましい。
【0111】
一般式(1)で表される化合物の添加量に特に制限はないが、50mg/m〜150mg/mである事が好ましく、70mg/m〜100mg/mである事がさらに好ましい。また、塗布銀量1モルに対しては、4.5モル%〜7モル%であることが好ましい。
【0112】
(一般式(R1)で表される化合物)
本発明における銀イオンのための還元剤は、熱現像時に銀イオンを還元して現像銀にすることができる化合物である。
本発明の熱現像感光材料は、銀イオンのための還元剤として一般式(R1)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0113】
【化24】



【0114】
式中、RおよびR’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。RおよびR’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Rは3員〜7員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子から選ばれる原子により構成される環を形成する置換基を表す。XおよびX’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
【0115】
一般式(R1)について詳細に説明する。
1)RおよびR
およびR’は、各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、およびハロゲン原子等が挙げられる。
【0116】
およびR’として好ましくは炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、および1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、または1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0117】
2)RおよびR’、XおよびX’
およびR’は、各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、XおよびX’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、およびアシルアミノ基があげられる。
【0118】
およびR’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、およびメトキシエチル基などが挙げられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはt−ブチル基である。
XおよびX’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0119】
3)R
は3ないし10員の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、またはリン原子より構成される環を形成する置換基を表す。環はすべてが炭素原子でもよく、炭素原子と前記ヘテロ原子から構成される複素環基であってもよい。
は好ましくは5員〜6員の炭素環またはヘテロ環を形成する炭素数3から20の基で、より好ましくは炭素原子または酸素原子から成る環を形成する基である。
【0120】
これらの環には不飽和結合が含まれていてもよい。
【0121】
で表される基は置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリルオキシ基、アリルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヘテロ環基、アミノ基、およびヒドロキシ基などが挙げられる。
【0122】
で表される環基の具体例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−ノルボルニル基、2−[2,2,2]−ビシクロオクチル基、2−アダマンチル基、2−シクロペンテニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−ジヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−ジヒドロピラニル基、2−ピロリジン基、2−ピペリジン基、3−テトラヒドロチオピラニル基、および3−テトラヒドロホスホラン基などが挙げられる。
【0123】
で表される環基のより好ましい具体例は、炭素数1〜15のシクロアルキル基、シクロアルケニル基、またはヘテロ環基であり、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましく、シクロアルケニル基としては2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、または3−シクロペンテニル基が好ましい。ヘテロ環基としては、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基、または3−テトラヒドロピラニル基が好ましい。Rとして特に好ましいのはシクロヘキシル基、3−シクロヘキセニル基、または3−シクロペンテニル基である。
【0124】
上記還元剤は単独で使用することもできるが、現像性や色調を調整する目的で2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。また、本発明以外の還元剤と組み合わせて使用することができる。本発明の還元剤と組み合わせて使用できる好ましい還元剤は、後述の一般式(R)で表される還元剤である。
【0125】
以下に本発明の一般式(R1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0126】
【化25】



【0127】
【化26】



【0128】
【化27】



【0129】
【化28】



【0130】
【化29】



【0131】
【化30】



【0132】
【化31】



【0133】
【化32】



【0134】
【化33】



【0135】
本発明において一般式(R1)の化合物の添加量は0.1g/m以上3.0g/m以下であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m以上2.0g/m以下で、さらに好ましくは0.3g/m以上1.0g/m以下である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%以上50モル%以下含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%以上40モル%以下であり、10モル%以上25モル%以下で含まれることがさらに好ましい。
【0136】
一般式(R1)の化合物は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0137】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
【0138】
(現像促進剤)
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物が好ましく用いられる。また、特開2002−311533号、特開2002−341484号明細書に記載されたフェノール系の化合物も好ましい。特に特開2003−66558号明細書に記載のナフトール系の化合物が好ましい。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1モル%以上20モル%以下の範囲で使用され、好ましくは0.5モル%以上10モル%以下の範囲で、より好ましくは1モル%以上5モル%以下の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物又は乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、若しくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号、特開2002−278017号明細書に記載ヒドラジン系の化合物及び特開2003−66558号明細書に記載されているナフトール系の化合物がより好ましい。
【0139】
本発明における特に好ましい現像促進剤は、下記一般式(A−1)及び(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1)
−NHNH−Q
式中、Qは炭素原子で−NHNH−Qと結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Qはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
【0140】
一般式(A−1)において、Qで表される芳香族基又はヘテロ環基としては5員〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、又はイソオキサゾール環、またはチオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0141】
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基を挙げることができる。
【0142】
で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、及びN−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
【0143】
で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、及び2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Qで表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、及びベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
【0144】
で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、及び4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Qで表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、及び4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
【0145】
で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル及び、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Qで表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQで表される5員〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0146】
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Qとしては5員〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びこれらの環がベンゼン環若しくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Qはカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
【0147】
【化34】



【0148】
一般式(A−2)においてRはアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、又は炭酸エステル基を表す。R、Rはそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。RとRは互いに連結して縮合環を形成してもよい。
は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、又はシクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、又は2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。Rは好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、又はベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。Rは水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基又はアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はRと同様である。Rがアシルアミノ基である場合RはRと連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
【0149】
一般式(A−2)においてRとRが互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、Rはカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。Rはアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0150】
以下、本発明における現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0151】
【化35】



【0152】
(水素結合性化合物)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)又はアミノ基(−NHR、Rは水素原子又はアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基又はアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、及び含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
【0153】
【化36】



【0154】
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、及びホスホリル基などが挙げられ、置換基として好ましいのはアルキル基又はアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、及び4−アシルオキシフェニル基などが挙げられる。
21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、及び2−フェノキシプロピル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、及び3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、及びベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、及びビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、及びN−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0155】
21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基又はアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基又はアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0156】
【化37】



【0157】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。これらの化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤に対して、1モル%以上200モル%以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%以上150モル%以下の範囲で、さらに好ましくは20モル%以上100モル%の範囲である。
【0158】
(感光性ハロゲン化銀)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、又はヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀又は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0159】
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
【0160】
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが具体的には40nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上40nm以下、さらに好ましくは10nm以上35nm以下である。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0161】
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、及びジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0162】
5)重金属
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第6族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することができる。好ましくは周期律表の第6族〜第10族の金属又は金属錯体である。周期律表の第6族〜第10族の金属又は金属錯体の中心金属として好ましくは、鉄、ロジウム、ルテニウム、及びイリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モル〜1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0163】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)4−、[Fe(CN)3−、[Ru(CN)4−、[Os(CN)4−、[Co(CN)3−、[Rh(CN)3−、[Ir(CN)3−、[Cr(CN)3−、および[Re(CN)3−などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
【0164】
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、またはテトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
【0165】
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、又はアミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0166】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10−5モル以上1×10−2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10−4モル以上1×10−3モル以下である。
【0167】
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感及びテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、又は化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
【0168】
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
【0169】
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0170】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)4−)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0171】
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
【0172】
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やかぶりの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10−6モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10−4モル〜10−1モルである。
【0173】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0174】
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法若しくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0175】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価又は+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、又はピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
【0176】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレン及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10−8モル以上10−2モル以下、好ましくは10−7モル以上10−3モル以下程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル以上10−3モル以下、より好ましくは10−6モル以上5×10−4モル以下である。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40℃〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0177】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、アミノイミノメタンスルフィン酸が好ましく、その他に塩化第一スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
【0178】
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
【0179】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1、タイプ2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
【0180】
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28頁〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0181】
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開2003−114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開2003−114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開2003−114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開2003−114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開2003−114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開2003−75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開2003−75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特開2004−239943号に記載の一般式(1)と同義)、または化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特開2004−245929号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0182】
【化38】



【0183】
一般式(1)及び(2)中、RED、REDは還元性基を表す。Rは炭素原子(C)とREDとともに5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、もしくはヘキサヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R、R、およびRは水素原子または置換基を表す。Lv、Lvは脱離基を表す。EDは電子供与性基を表す。
【0184】
【化39】



【0185】
一般式(3)、(4)及び(5)中、Zは窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。R、R、R、R、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は水素原子または置換基を表す。R20は水素原子または置換基を表すが、R20がアリール基以外の基を表すとき、R16、R17は互いに結合して芳香族環または芳香族ヘテロ環を形成する。R、R12はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m1は0〜3の整数を表し、m2は0〜4の整数を表す。Lv、Lv、およびLvは脱離基を表す。
【0186】
【化40】



【0187】
一般式(6)および(7)中、RED、REDは還元性基を表す。R21〜R30は水素原子または置換基を表す。Zは−CR111112−、−NR113−、または−O−を表す。R111、R112はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。R113は水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
【0188】
【化41】



【0189】
一般式(8)中、REDは還元性基でありアリールアミノ基またはヘテロ環アミノ基を表す。R31は水素原子または置換基を表す。Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。Lvは脱離基でありカルボキシ基もしくはその塩または水素原子を表す。
【0190】
【化42】



【0191】
一般式(9)で表される化合物は脱炭酸を伴う2電子酸化が起こった後に、さらに酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子または置換基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のヘテロ環を形成する基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。一般式(9)中、R32、R33、Zは化学反応式(1)中のものと同義である。ZはC−Cとともに5員または6員の環状脂肪族炭化水素基またはヘテロ環基を形成する基を表す。
【0192】
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特開2004−245929号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0193】
【化43】



【0194】
一般式(10)中、REDは1電子酸化される還元性基をあらわす。YはREDが1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。QはREDとYを連結する連結基を表す。
【0195】
【化44】



【0196】
一般式(11)で表される化合物は酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子または置換基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のヘテロ環を形成する基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。ZはC−Cとともに5員または6員の環状脂肪族炭化水素基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。一般式(11)中、R32、R33、Z、およびZは化学反応式(1)中のものと同義である。
【0197】
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、または「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開2003−156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
【0198】
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
【0199】
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、又は1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、又はインダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
【0200】
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、及び3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
【0201】
また窒素またはリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基など)または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。
リンの4級塩構造としては、ホスホニオ基(トリアルキルホスホニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、トリアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。
特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、又はイソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
【0202】
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF、PF、またはPh等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオンまたはメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
【0203】
吸着性基として窒素またはリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(i)で表される。
【0204】
【化45】



【0205】
一般式(i)においてP、Rはそれぞれ独立して増感色素の部分構造ではない窒素またはリンの4級塩構造を表す。Q、Qはそれぞれ独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRは水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)または(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1または2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
【0206】
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
【0207】
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は水、メタノール、又はエタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0208】
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9モル〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10−8モル〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
【0209】
【化46】



【0210】
【化47】



【0211】
【化48】



【0212】
【化49】



【0213】
10)吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0214】
式(I) A−(W)n−B
式(I)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
【0215】
式(I)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、又はハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(又はその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、又はエチニル基等が挙げられる。
【0216】
吸着基としてメルカプト基(又はその塩)とは、メルカプト基(又はその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(又はその塩)の置換したヘテロ環基又はアリール基又はアルキル基を表す。ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、及びトリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても良い。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li、Na、K、Mg2+、Ag、又はZn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、”−S−”基又は”−Se−”基又は”−Te−”基又は”=N−”基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、及びベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、及びイミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
【0217】
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
【0218】
式(I)中、Aで表される吸着基として好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、または2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、又はインダゾール基等)であり、さらに好ましい吸着基は2−メルカプトベンズイミダゾール基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基である。
【0219】
式(I)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、又はヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO−、−O−、−S−、−NR−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでRは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基、又はアリール基を表わす。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
【0220】
式(I)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン−6−オール類、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、及びハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類等から水素原子を1つ除去した残基が挙げられる。もちろん、これらは任意の置換基を有していても良い。
【0221】
式(I)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150頁−208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282頁−344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5 ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton−Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0V〜約0.7Vの範囲である。
【0222】
式(I)中、Bで表される還元基は好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類、フェノール類、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、または3−ピラゾリドン類から水素原子を1つ除去した残基である。
【0223】
本発明における式(I)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基又はポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
【0224】
本発明における式(I)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明における式(I)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
【0225】
以下に本発明における式(I)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0226】
【化50】



【0227】
さらに欧州特許1308776A2号明細書p73〜p87に記載の具体的化合物1〜30、1”−1〜1”−77も本発明における吸着基と還元性基を有する化合物の好ましい例として挙げられる。
【0228】
これらの化合物は公知の方法にならって容易に合成することができる。本発明における式(I)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
【0229】
本発明における式(I)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加することがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。また画像形成層に使用するのが好ましいが、画像形成層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6モル以上1モル以下、好ましくは1×10−5モル以上5×10−1モル以下、さらに好ましくは1×10−4モル以上1×10−1モル以下である。
【0230】
本発明における式(I)の化合物は、水、メタノール、またはエタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸又は塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
【0231】
11)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0232】
12)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m以上0.6g/m以下であることが好ましく、0.05g/m以上0.4g/m以下であることがさらに好ましく、0.07g/m以上0.3g/m以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
【0233】
13)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、またはホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0234】
14)ハロゲン化銀の塗布液への混合
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0235】
(バインダーの説明)
本発明における画像形成層のバインダーは、いかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒又はエマルションから被覆形成してもよい。
【0236】
<溶剤塗布方式の場合に用いられるバインダー>
有機溶剤を塗布溶媒に用いて塗布する溶剤塗布方式の場合に用いられるバインダーとしては、ポリビニルブチラールが好ましく、具体的にはポリビニルブチラールを画像形成層のバインダー全組成分に対して50質量%以上使用される。当然ながら、コポリマー及びターポリマーも含まれる。
【0237】
好ましいポリビニルブチラールは残存アセチル基量が25モル%以下、残存水酸基量が17モル%〜35モル%かつ質量平均重合度が200〜600であるポリビニルアセタール樹脂(以下、低重合度樹脂ともいう)と、残存アセチル基量が25モル%以下、残存水酸基量が17〜35モル%かつ質量平均重合度が900〜3000であるポリビニルアセタール樹脂(以下、高重合度樹脂ともいう)との混合物であることが好ましい。
【0238】
上記低重合度樹脂は、画像形成層と支持体の接着力を高める目的で用いられ る。上記低重合度樹脂は、質量平均重合度の下限は200、上限は600である。200未満であると、高重合度樹脂と併用しても充分な塗工性が得られなかったり、得られる画像形成層の強度が劣ったりする。600を超えると、充分な接着性向上効果が得られない。好ましい下限は300、好ましい上限は500である。
【0239】
上記高重合度樹脂は、画像形成層の強度を高め、塗工性を保持する目的で用いられる。上記高重合度樹脂は、質量平均重合度の下限は900、上限は3000である。900未満であると、塗工性や画像形成層の強度が劣り、3000を超えると、塗工性や分散性が劣る。好ましい下限は1000、好ましい上限は1500である。
【0240】
上記低重合度樹脂と高重合度樹脂の質量配合比は、5:95〜50:50であることが好ましい。配合比がこの範囲外であると、画像形成層と支持体との充分な接着性が得られなかったり、画像形成層の強度が得られなかったりする。
【0241】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、残存アセチル基量の好ましい上限が25モル%である。残存アセチル基量が25モル%を超えると、得られる熱現像性感光材料同士のブロッキングが生じたり、得られる画像が鮮明でなくなったりすることがある。より好ましい上限は15モル%である。
【0242】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、残存水酸基量の好ましい下限が17モル%、好ましい上限が35モル%である。17モル%未満であると、バインダー樹脂として用いたときに銀塩の分散性が悪く、感度が低下してしまうことがある。35モル%を超えると、得られる熱現像性感光材料の画像形成層の透湿性が高く、かぶりが発生したり、保存安定性が悪化したり、画像濃度が低下したりすることがある。
【0243】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度の好ましい下限が40モル%、好ましい上限が78モル%である。40モル%未満であると、有機溶剤に不溶となり熱現像性感光材料の画像形成層のバインダー樹脂として用いることができないことがあり、78モル%を超えると、残存水酸基量が少なくなってポリビニルアセタール樹脂の強靱性が損なわれ塗膜の強度が低下することがある。
なお、本明細書において、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を計算する。
【0244】
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、側鎖に官能基として、下記式(1)で表される官能基、下記式(2)で表される官能基、下記式(3)で表される官能 基、下記式(4)で表される官能基、下記式(5)で表される官能基、下記式(6)で表される官能基、第三級アミン基、及び、第四級アンモニウム塩基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を持つ変性ポリビニルアセタール樹脂が好適である。このような親水性官能基を側鎖に有することにより、有機銀塩の分散性を向上させることができる。
【0245】
【化51】


【0246】
式中、Mは、H、Li、Na又はKを表し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
【0247】
上記第三級アミン基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリプロピルアミン、およびトリブチルアミン等が挙げられる。また、Rがアルキル基の場合、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、およびシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0248】
上記変性ポリビニルアセタール樹脂中の官能基量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は5モル%である。0.1モル%未満であると、充分な有機銀塩の分散性向上の効果が得られないことがあり、5モル%を超えると、有機溶剤に対する溶解性が低下することがある。
【0249】
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、主鎖にα−オレフィン単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂も好適である。上記α−オレフィン単位としては特に限定されないが、例えば、炭素数1〜20の直鎖状又は環状のアルキル基に由来するものが好適である。上記範囲内であれば分岐や直鎖状の部位と環状の部位の両方を含んでいても良い。上記α−オレフィン単位の炭素数が20を超えると、原料として用いる変性ポリビニルアルコール樹脂の溶剤溶解性が低下するためにアセタール化反応が充分に進行せず変性ポリビニルアセタール樹脂を得ることができなかったり、得られた変性ポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性が低く熱現像性感光材料の画像形成層のバインダー樹脂として用いることができなかったりすることがある。より好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は環状のアルキル基に由来するものであり、更に好ましくは炭素数2〜6の直鎖状アルキル基に由来するものである。具体的には、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、へキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルエチレン、またはシクロヘキシルプロピレン等に由来する単位が好適である。
【0250】
上記変性ポリビニルアセタール樹脂の主鎖中における上記α−オレフィン単位の含有量の好ましい下限は1モル%、好ましい上限は20モル%である。1モル%未満であると、充分な透湿性低減効果が得られない。20モル%を超えると、原料として用いる変性ポリビニルアルコール樹脂の溶剤溶解性が低下するためにアセタール化反応が充分に進行せず変性ポリビニルアセタール樹脂を得ることができず、得られたとしても変性ポリビニルアセタール樹脂の溶剤溶解性が低く熱現像性感光材料の画像形成層のバインダー樹脂として用いることができない。より好ましい上限は10モル%である。
【0251】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、残存ハロゲン化物量の好ましい上限は、100ppmである。100ppmを超えると、感光性ハロゲン化銀の生成物質となり、塗工溶液の保存安定性を低下させ、熱現像性感光材料の保存性低下や、かぶり等の原因になることがある。残存ハロゲン化物量を100ppm以下にする方 法としては、例えば、アセタール化に使用する触媒として非ハロゲン性のものを選択する、ハロゲン性の触媒を使用した場合には、水、水/アルコールの混合溶液等による洗浄操作にて精製し、規定量以下まで除去する方法等が挙げられる。より好ましい上限は50ppmである。
【0252】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が75モル%以上のポリビニルアルコールと各種アルデヒドとのアセタール化反応により合成することができる。上記ポリビニルアセタール樹脂は、一般に、水溶液中、アルコール溶液中、水/アルコール混合溶液中、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中等で、ポリビニルアルコールと各種アルデヒドとを酸触媒を用いて反応させることにより合成されるが、ポリ酢酸ビニル、又は、変性ポリ酢酸ビニルのアルコール溶液に酸触媒とアルデヒドとを添加することによっても合成され得る。
【0253】
上記アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プロピルアルデヒド等アセタール化できるアルデヒドであればどのようなアルデヒドを用いてもよいが、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドを単独、又は、併用して用いることが好ましい。また、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化された部分のうちアセトアルデヒドによりアセタール化された部分の割合が30%以上であることが好ましい。アセトアルデヒドによりアセタール化された部分が30%未満の場合は、得られるポリビニルアセタール樹脂のガラス転移点が80℃以下となり、感光性銀塩の核成長が進み過ぎ、かつ、銀塩の分散性が充分に得られず、画像の解像度及び鮮明度が充分に得られないことがある。
より好ましくは50%以上である。また、アセトアセタール部分を導入したポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、銀塩の分散性が向上し、熱溶融性、冷却硬化性等がシャープとなり、銀塩の核成長を精度よく制御することが可能であり、結果として画像及び階調部の鮮明度が向上する。
【0254】
上記酸触媒としては、特に限定されず、有機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、および塩酸等が挙げられる。また、上記合成反応を停止させる際に使用されるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素カリウム等が挙げられる。
【0255】
ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応においては、通常、アルデヒドの酸化防止のため、又は、得られる樹脂の酸化防止及び耐熱性向上のために、反応系又は樹脂系に酸化防止剤が添加されるが、上記ポリビニルアセタール樹脂の合成においては、通常酸化防止剤として用いられるヒンダードフェノール系、ビスフェノール系、リン酸系等の酸化防止剤を使用しない。このような酸化防止剤を使用すると、酸化防止剤がポリビニルアセタール樹脂中に残存し、塗工溶液のポットライフの低下、熱現像性感光材料の保存安定性の低下等を引き起こし、かぶりや画像/階調部の鮮明性が損なわれることがある。
【0256】
なお、上記官能基を側鎖に有する変性ポリビニルアセタール樹脂を得る方法としては、例えば、ビニルエステルと上記官能基を有するモノマーとを共重合した共重合体をケン化して得た変性ポリビニルアルコール樹脂を原料として、これをアセタール化する方法;ポリビニルアルコール樹脂又はポリビニルアセタール樹脂の主鎖に結合する水酸基を利用して官能基を導入する方法等が挙げられる。
上記官能基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、およびイタコン酸等が挙げられる。
【0257】
また、上記主鎖にα−オレフィン単位を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を得る方法としては、例えば、ビニルエステルとα−オレフィンとを共重合した共重合体をケン化して得た変性ポリビニルアルコール樹脂を原料として、これをアセタール化する方法等が挙げられる。
【0258】
上記混合樹脂は、重合度が200〜600であるポリビニルアルコールと、重合度が900〜3000であるポリビニルアルコールとをアセタール化してなるものであることが好ましい。
このような方法を用いて得られる混合樹脂は、アルデヒドによる分子間架橋が部分的に行われるため、樹脂全体の溶剤への溶解性、透明性及び配合物の分散性が向上し、かぶりの発生を抑え、塗工性を向上させることができる。
【0259】
上記混合樹脂は、質量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)の好ましい下限が3.5である。3.5未満であると、チキソトロピー性が低下し、塗膜時に増粘するため、本発明の熱現像性感光材料の生産性が悪化することがある。なお、上記分子量分布Mw/Mnは、溶媒としてTHF等、校正試料として標準ポスチレン等を使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等を用いることにより測定することができる。
【0260】
バインダー総量は、例えば、画像形成層の成分をその層中に保持するのに十分な量で使用される。すなわち、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で使用される。効果的な範囲は、当業者が適切に決定することができる。少なくとも有機銀塩を保持する場合の目安として、バインダーと有機銀塩との割合は質量比で15:1〜1:3、特に8:1〜1:2の範囲が好ましい。
【0261】
<水性塗布方式の場合のバインダー>
水性塗布方式の場合のバインダーとしては、ガラス転移温度が0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
【0262】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。
Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。
尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
【0263】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その質量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0264】
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに画像形成層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶又は分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0265】
ここでいう前記ポリマーが可溶又は分散可能である水系溶媒とは、水又は水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
【0266】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0267】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの質量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの質量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
【0268】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0269】
本発明におけるバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は、2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0270】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0271】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000以上1000000以下、好ましくは10000以上200000以下がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0272】
−ラテックスの具体例−
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0273】
・P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
・P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
・P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
・P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
・P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
・P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
・P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
・P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
・P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
【0274】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0275】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上、ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上、大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上、イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上、大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上、旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0276】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0277】
−好ましいラテックス−
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンもしくはイソプレンのモノマー単位との質量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンもしくはイソプレンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60質量%〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンもしくはイソプレンの和に対して1質量%〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2質量%〜5質量%含有する。
本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0278】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−9,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。また、スチレン−イソプレン共重合体の例としては前記のP−16、17が挙げられる。
【0279】
本発明の熱現像感光材料の画像形成層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0280】
本発明における画像形成層は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。画像形成層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の質量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
【0281】
また、このような画像形成層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(画像形成層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の質量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0282】
本発明における画像形成層の全バインダー量は、好ましくは0.2g/m以上30g/m以下、より好ましくは1g/m以上15g/m以下、さらに好ましくは2g/m以上10g/m以下の範囲である。本発明における画像形成層には、架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0283】
−好ましい塗布液の溶媒−
本発明において熱現像感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0284】
(かぶり防止剤)
本発明に用いることのできるかぶり防止剤、安定剤及び安定剤前駆体は特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。
【0285】
1)有機ポリハロゲン化合物
本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物は、下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z)(Z)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、Z及びZはハロゲン原子を表し、Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207頁−1216頁等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、及びスルファモイル基等が挙げられる。
電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、又はアリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリール若しくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリール若しくは複素環アシル基、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、またはスルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
及びZは好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO−、−C(=O)N(R)−、−SON(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、アリール基又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基又はヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることができる。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基又はその塩、SOH基又はその塩、POH基又はその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
【0286】
以下に本発明における一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0287】
【化52】



【0288】
上記以外の本発明に用いることができるポリハロゲン化合物としては、US3874946号、US4756999号、US5340712号、US5369000号、US5464737号、US6506548号、特開昭50−137126号、同50−89020号、同50−119624号、同59−57234号、特開平7−2781号、同7−5621号、同9−160164号、同9−244177号、同9−244178号、同9−160167号、同9−319022号、同9−258367号、同9−265150号、同9−319022号、同10−197988号、同10−197989号、同11−242304号、特開2000−2963、特開2000−112070、特開2000−284410、特開2000−284412、特開2001−33911、特開2001−31644、特開2001−312027号、特開2003−50441号明細書の中で当該発明の例示化合物として挙げられている化合物が好ましく用いられるが、特に特開平7−2781号、特開2001−33911、特開2001−312027号に具体的に例示されている化合物が好ましい。
本発明における一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10−4モル以上1モル以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3モル以上0.5モル以下の範囲で、さらに好ましくは1×10−2モル以上0.2モル以下の範囲で使用することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を熱現像感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0289】
2)その他のかぶり防止剤
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
【0290】
本発明における熱現像感光材料はかぶり防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は熱現像感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、画像形成層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、画像形成層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。
また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0291】
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、及びチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951号等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0292】
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体若しくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム及びテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体若しくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン及び2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸又は4メチルフタル酸との組み合わせである。
【0293】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明においては膜物理性を改良するために公知の可塑剤、潤滑剤を使用することができる。特に、製造時のハンドリング性や熱現像時の耐傷性を改良するために流動パラフィン、長鎖脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類等の潤滑剤を使用することが好ましい。特に低沸点成分を除去した流動パラフィンや分岐構造を有する分子量1000以上の脂肪酸エステル類が好ましい。
画像形成層及び非感光層に用いることのできる可塑剤及び潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117、特開2000−5137号、特開2004−219794号、特開2004−219802号、特開2004−334077号に記載されている化合物が好ましい。
【0294】
4)染料、顔料
本発明における画像形成層には、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
【0295】
5)造核剤
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特開2000−347345号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0296】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0297】
本発明の熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、又はヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩の使用量(感光材料1mあたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m以上500mg/m以下が好ましく、0.5mg/m以上100mg/m以下がより好ましい。
【0298】
(塗布液の調製及び塗布)
本発明における画像形成層塗布液の調製温度は、30℃以上65℃以下が好ましく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0299】
(アンチハレーション層)
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。
【0300】
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
【0301】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001g/m〜1g/m程度である。
【0302】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0303】
(マット剤)
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m以上400mg/m以下、より好ましくは5mg/m以上300mg/m以下である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。
画像形成層面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、0.3μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上7μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては5%以上80%以下であることが好ましく、20%以上80%以下である事が更に好ましい。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。更に、画像形成層面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上8μm以下であることが好ましく、2μm以上6μm以下であることが更に好ましい。
バック面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、1μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては3%以上50%以下であることが好ましく、5%以上30%以下である事が更に好ましい。更に、バック面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上14μm以下であることが好ましく、2μm以上9μm以下であることが更に好ましい。
【0304】
また、画像形成層面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法」及びTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0305】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0306】
本発明において、マット剤は熱現像感光材料の最外表面層若しくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0307】
(硬膜剤)
本発明における画像形成層、保護層、バック層など各層には、硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0308】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0309】
(帯電防止剤)
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO、SnOが好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnOに対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiOに対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnOが好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m〜1000mg/mの範囲で、より好ましくは10mg/m〜500mg/mの範囲、さらに好ましくは20mg/m〜200mg/mの範囲である。本発明における帯電防止層は、画像形成層面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
【0310】
(支持体)
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層若しくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
【0311】
(その他の添加剤)
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
【0312】
(塗布方式)
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN&HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティングが好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
【0313】
本発明における画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における画像形成層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0314】
塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明における好ましいインライン混合機は、特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明における好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明における好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70℃〜90℃、加熱時間が2秒〜10秒の範囲である。本発明における好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
【0315】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0316】
(包装材料)
本発明の熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、若しくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50mL/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは10mL/atm・m・day以下、さらに好ましくは1.0mL/atm・m・day以下である。水分透過率は10g/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m・day以下である。
該酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
【0317】
(その他の利用できる技術)
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2001−200414号、同2001−234635号、同2002−020699号、同2001−275471号、同2001−275461号、同2000−313204号、同2001−292844号、同2000−324888号、同2001−293864号、同2001−348546号、同2000−187298号も挙げられる。
【0318】
多色カラー熱現像感光材料の場合、各画像形成層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層(画像形成層)の間に官能性若しくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
【0319】
(画像形成方法)
1)露光
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で露光されても良いが、露光光源としてレーザー光による走査露光が好ましい。レーザーとしては、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーを利用することが出来る。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0320】
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒、7秒〜15秒が特に好ましい。
【0321】
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2段〜6段に分けて先端部については1℃〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。
このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
【0322】
熱現像機の小型化及び熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号及び特開2003−285455号に記載されている。このイメージャーを使用すれば例えば、107℃−121℃−121℃に制御された3段のプレート型ヒーターで14秒で熱現像処理ができ、1枚目の出力時間は約60秒に短縮することができる。このような迅速現像処理のためには高感度で、環境温度の影響を受けにくい本発明の熱現像感光材料−2を組み合わせて使用することが好ましい。
【0323】
3)システム
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPL及びDRYPIX7000を挙げることができる。FM−DPLに関しては、Fuji Medical Review、No.8、page 39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することは言うまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0324】
(本発明の用途)
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【実施例】
【0325】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(PET支持体の作製)
1)製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
【0326】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cmで巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0327】
2)表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/mの処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0328】
3)下塗り
処方a(画像形成層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液)46.8g
東洋紡績(株)製バイロナールMD−1200 10.4g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5)1質量%溶液 11.0g
綜研化学(株)製MP−1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
蒸留水 931mL
【0329】
処方b(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 130.8g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液)
5.2g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
ポリスチレン粒子分散物(平均粒子径2μm、20質量%)0.5g
蒸留水 854mL
【0330】
処方c(バック面側第2層用)
SnO/SbO(9/1質量比、平均粒径0.5μm、17質量%分散物)
84g
ゼラチン 7.9g
信越化学工業(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液)10g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
NaOH(1質量%) 7g
プロキセル(アビシア社製) 0.5g
蒸留水 881mL
【0331】
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方aをワイヤーバーでウエット塗布量が6.6mL/m(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方bをワイヤーバーでウエット塗布量が5.7mL/mになるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方cをワイヤーバーでウエット塗布量が8.4mL/mになるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0332】
(バック層)
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液を平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
【0333】
2)染料固体微粒子分散液の調製
シアニン染料−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で、6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
【0334】
3)ハレーション防止層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、等電点6.6のゼラチン(ニッピ(株)製ABAゼラチン)37g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに上記染料固体微粒子分散液36g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を73g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液43mL、SBRラテックス(スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体;質量比68.3/28.7/3.0)10質量%液82gを混合し、完成液量773mLのハレーション防止層塗布液とした。完成液のpH値は、6.3であった。
【0335】
4)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、等電点4.8のゼラチン(宮城化学工業(株)製PZゼラチン)43g、ベンゾイソチアゾリノン0.21g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/Lの酢酸ナトリウム水溶液8.1mL、単分散ポリ(エチレングリコールジメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)微粒子(平均粒子サイズ7.7μm、粒径標準偏差0.3μm)0.93g、流動パラフィンの10質量%乳化物を5g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を10g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10mL、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液17mL、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4mL、エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比96.4/3.6)ラテックス20質量%液30mLを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液50mLを混合し、完成液量855mLのバック面保護層塗布液とした。完成液のpH値は6.2であった。
【0336】
5)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.54g/mとなるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.85g/mとなるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
【0337】
(画像形成層、中間層、及び表面保護層)
1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
(ハロゲン化銀乳剤1の調製)
蒸留水1421mLに1質量%臭化カリウム溶液3.1mLを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mLに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mLに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
【0338】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10−3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
【0339】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0340】
(ハロゲン化銀乳剤2の調製)
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mLに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10−4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10−3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
【0341】
(ハロゲン化銀乳剤3の調製)
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10−3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10−4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10−3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
【0342】
(塗布液用混合乳剤Aの調製)
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。
さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物1,2,3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10−3モルになる量を添加した。
吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物1,2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり5×10−3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
【0343】
2)脂肪酸銀分散物の調製
(比較の脂肪酸銀分散物Aの調製)
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Aを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Aの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Aを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Aのみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Aの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Aの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0344】
ベヘン酸ナトリウム溶液Aを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0345】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった(a,b,cは本文の規定)。
【0346】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0347】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1260kg/cmに調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物Aを得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0348】
《本発明の微粒子脂肪酸銀分散物M1〜M5の調製》
<脂肪酸銀塩M1の調製>
4720mLの純水に、ベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン酸43.6g及びパルミチン酸2.3gを80℃で溶解した。次に1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.2mLを添加し、濃硝酸6.9mLを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸カリウム溶液を得た。該脂肪酸カリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、20分間撹拌した後、純水500mLを添加し、5分間撹拌した。
【0349】
次に、1モル/Lの硝酸銀溶液702.6mLを2分間かけて添加し、10分間撹拌し、脂肪族カルボン酸銀塩分散物を得た。その後、得られた脂肪族カルボン酸銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて撹拌後、静置させて脂肪族カルボン酸銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、得られたケーキ状の脂肪族カルボン酸銀塩を、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー((株)セイシン企業製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の運転条件により、含水率が0.1%になるまで乾燥して、粉末脂肪族カルボン酸銀塩M1を得た。脂肪族カルボン酸銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用した。
【0350】
上記水酸化ナトリウムの一部を下表の通り水酸化カリウムに変更した以外は、脂肪酸銀塩M1と同様にして、M2〜M5を作製した。
【0351】
このようにして得たカルボン酸銀塩M1〜M5を用いた以外はベヘン酸銀分散物Bと同様にして、カルボン酸銀分散物M1〜M5を得た。
NaOH KOH 平均粒径(μm)
・M1: 100 0 0.65
・M2: 75 25 0.54
・M3: 50 50 0.45
・M4: 25 75 0.39
・M5: 0 100 0.35
【0352】
(本発明のナノ粒子脂肪酸銀分散物N1の調製)
反応器にまず、脱イオン水1900mL、ドデシルチオポリアクリルアミド界面活性剤の10%溶液36mL及び上記の再結晶ベヘン酸(46.6g)を入れた。反応器内容物を150rpmで攪拌し、70℃に加熱し、その間に10質量%KOH溶液(70.6g)を反応器に入れた。次に、反応器内容物を80℃に加熱し、そして濁った溶液になるまで30分間保った。次に、反応混合物を70℃に冷却し、そして速度を調節して30分間にわたって硝酸銀からなる硝酸銀溶液(100%溶液21.3g)を反応器に加えた。次に、反応器内容物を反応温度に30分間保ち、室温に冷却し、次いでデカントした。150nmのメジアン粒度を有するナノ粒子ベヘン酸銀分散体が得られた(固形分3%)。
【0353】
得られた固形分3質量%のナノ粒子ベヘン酸銀分散体(2kg)をディアフィルトレーション/ウルトラフィルトレーション装置(有効表面積0.34m及び公称分子量カットオフ50,000のOsmonicsモデル21−HZ20−S8J浸透膜カートリッジを備える)に入れた。置換水として、ドデシルチオポリアクリルアミド界面活性剤の0.18質量%水溶液を用いた。この装置を、浸透膜にかかる圧力が3.5kg/cm(50lb/in)となるように動作させた。分散体から24kgの浸透液が除去されるまで、浸透液を脱イオンに置き換えた。その段階で、置換水を停止し、そして分散体が固形分28質量%の濃度に達するまで装置を運転し、ナノ粒子ベヘン酸銀分散体を得た。
【0354】
3)還元剤分散物の調製
(還元剤−1分散物の調製)
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0355】
(還元剤−2分散物の調製)
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0356】
4)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0357】
5)現像促進剤−1分散物の調製
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0358】
6)現像促進剤−2及び色調調整剤−1の分散物調製
現像促進剤−2及び色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%、15質量%の分散液を得た。
【0359】
7)ポリハロゲン化合物の調製
(有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調整し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0360】
(有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整した。
この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0361】
8)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
【0362】
9)メルカプト化合物の調製
(メルカプト化合物−1水溶液の調製)
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0363】
(メルカプト化合物−2水溶液の調製)
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0364】
10)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調整して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0365】
11)SBRラテックス液の調製
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06mL、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mLに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NHイオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスTP−1を774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
【0366】
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
【0367】
12)イソプレンラテックス液の調製
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1mol/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mLに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点での重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mLに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NHイオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックスTP−1を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
【0368】
上記ラテックスは平均粒径113nm、Tg=15℃、固形分濃度41.3質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.4質量%、イオン伝導度5.23mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
【0369】
2.塗布液の調製
1)画像形成層塗布液−1の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物(表1に示す)1000gに、水、顔料−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、フタラジン化合物−1溶液、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、色調調整剤−1分散物、メルカプト化合物−1、および水溶液メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤140gを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液した。
上記画像形成層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で35[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ38、49、48、34、25[mPa・s]であった。
【0370】
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.30mgであった。
【0371】
2)中間層塗布液−1の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、青色染料−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)18.5質量%水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27mL、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mLにフタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とした。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
【0372】
3)表面保護層第1層塗布液−1の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mLに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mLを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mLを混合した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
【0373】
4)表面保護層第2層塗布液の調製
(表面保護層第2層塗布液−1の調製)
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mLに溶解し、流動パラフィンの10質量%乳化物を10g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を30g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40mL、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、およびポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21gを混合した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0374】
3.熱現像感光材料の作製
1)熱現像感光材料−1の作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。表面保護層第2層塗布液のみ上記の保存経時した塗布液を用いたが、画像形成層塗布液、中間層塗布液、および表面保護層第1層塗布液は調製直後の塗布液を用いた。
中間層塗布液の塗布量は8.9mL/m、表面保護層第2層塗布液の塗布量は26.1mL/m、表面保護層第2層塗布液の塗布量は8.3mL/mであった。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m。固形分として)は以下の通りである。
【0375】
脂肪酸銀A(Agとして) 1.16
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.14
ポリハロゲン化合物−2 0.28
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス(TP−1) 2.83
イソプレンラテックス(TP−2) 6.60
還元剤−1 0.40
還元剤−2 0.40
水素結合性化合物−1 0.116
現像促進剤−1 0.01
現像促進剤−2 0.02
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
【0376】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード180m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿した後、膜面を70℃〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
【0377】
2)熱現像感光材料−2〜16の作製
画像形成層塗布液の脂肪酸銀を変更し、かつ画像形成層塗布液を水で希釈して表1に記載の塗布銀量となるように調製した。また、表面保護層第2層塗布液において、フッ素系界面活性剤を表1に示す化合物および塗布量に変更し熱現像感光材料2〜16を作製した。
【0378】
【表1】



【0379】
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0380】
【化53】



【0381】
【化54】



【0382】
【化55】



【0383】
【化56】



【0384】
【化57】



【0385】
【化58】



【0386】
【化59】



【0387】
4.性能の評価
1)準備
得られた試料は半切サイズ(43cm長×35cm幅)に切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
<包装材料>
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム:
酸素透過率:0.02mL/atm・m・25℃・day;
水分透過率:0.10g/atm・m・25℃・day。
【0388】
2)熱現像感光材料の露光・現像
各試料を富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光および熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)し、得られた画像の評価を濃度計により行った。
3)評価項目
<写真特性>
かぶり:未露光部の濃度をかぶりとした。
Dmax:露光量を増加していって飽和する最大濃度をDmaxとした。
【0389】
<濃度ムラ>
シャーカステン上で感光材料の濃度ムラを以下の評価基準で行った。結果を表3に示す。
○:濃度ムラなし。
△:濃度ムラはあるが、診断上問題とならない。
×:濃度ムラがあり、診断上問題となる。
【0390】
<膜物理性>
−膜脆性の評価−
未露光および全面露光したサンプルを熱現像処理することにより、かぶり部およびDmax部のサンプルを得た。
上記の様にして得られた熱現像処理済みおよび未処理の生サンプルをそれぞれ、25℃10%RHの雰囲気下に2時間放置後、ISO6077「Wedge brittleness test」と同様の方法にて、画像形成層を含む側にクラックが最初に発生した点の平均値(mm)を求め相対値で評価した。
−引っ掻き強度の評価−
未現像、および全面露光したサンプルを熱現像処理したサンプルについて評価した。
各サンプルを25℃60%RHで1時間調湿後、半径0.1mmのサファイヤ針でサンプル膜面に圧着し、10mm/秒の速さで移動しながら、針の荷重を連続的に変化させて膜が破壊するときの荷重(g)を測定し、相対値で評価した。
【0391】
4)評価結果
得られた結果を表2に示した。
微粒子脂肪酸銀分散物Mを用いた比較試料4は、塗布厚みが12μmであっても、比較試料1,2と同等のかぶりとDmaxの値を示したが塗布ムラが悪く、さらに膜脆性や引っ掻き強度が悪化した。
一方、本発明の微粒子脂肪酸銀とフッ素化合物を使用した試料5〜15は、かぶりが低く高いDmaxの値を示し、さらに膜脆性や引っ掻き強度が良好であった。特に、試料5は、優れた性能を示した。塗布厚みが8μmの比較試料16は、塗布ムラが悪く、引っ掻き強度も悪化した。
【0392】
【表2】



【0393】
実施例2
1.試料21〜28の作製
実施例1の試料5において、還元剤−1および還元剤−2を除き、代わりに表3に示した一般式(R1)の化合物を用いて、その他は試料5と同様にして試料21〜28を作製した。
【0394】
2.性能評価
実施例1と同様に評価した。
その結果、一般式(R1)で表される化合物を用いた試料21〜28において、Dmax部での脆性強度に改善が見られた。また、その効果は(R1)の添加量が銀1モルに対し0.25モル以下の時に顕著であった。
【0395】
【表3】



【0396】
実施例3
1.バック層
メチルエチルケトンの830gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製:CAB381−20)の84.2g及びポリエステル樹脂(Bostic社製:VitelPE2200B)の4.5gを添加し、溶解した。次に、溶解した液に、0.30gの染料1、メタノール43.2gに溶解したフッ素系界面活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)4.5gとフッ素系界面活性剤(大日本インク社、メガファックF120K)2.3gを添加し、溶解するまで十分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリカ粒子(富士シリシア社製:サイリシア450)を75g添加、攪拌してバック面塗布液を調製した。
【0397】
次いで、調製したバック面塗布液を、乾燥膜厚が3.5μmになるように押出しコーターを用いて、青色染色した175μmのPET支持体の一方の面上に、塗布、乾燥を行った。乾燥温度100℃で、露点温度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0398】
【化60】



【0399】
2.画像形成層、および表面保護層
2−1.塗布用材料の準備
〈ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉
<溶液A1>
フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g
HO(CHCHO)−(CH(CH)CHO)17−(CHCHO)H(m+n=5〜7)(10%メタノール水溶液) 10mL
臭化カリウム 0.32g
水で5429mLに仕上げる
【0400】
<溶液B1>
0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635mL
【0401】
<溶液C1>
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mLに仕上げる
【0402】
<溶液D1>
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
塩化イリジウム(1%溶液) 0.93mL
水で1982mLに仕上げる
【0403】
<溶液E1>
0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
【0404】
<溶液F1>
水酸化カリウム 0.71g
水で20mLに仕上げる
【0405】
<溶液G1>
56%酢酸水溶液 18.0mL
【0406】
<溶液H1>
無水炭酸ナトリウム 1.72g
水で151mLに仕上げる
【0407】
特公昭58−58288号に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶液B1の1/4量及び溶液C1の全量を温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液F1の全量を添加した。この間pAgの調整を溶液E1を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液B1の3/4量及び溶液D1の全量を、温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温し、溶液G1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mLを残して上澄み液を取り除き、水を10L加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mLを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10L加え、攪拌後、ハロゲン化銀乳剤 を沈降させた。沈降部分1500mLを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液H1を加え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
【0408】
この乳剤は、平均粒子サイズ0.041μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0409】
(分散用バインダーAの作製)
重合度500、ケン化度99.8%のポリビニルアルコール(PVA、クラレ社製)100gを900gの蒸留水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸40gを加え、更にブチルアルデヒド17.5gを添加した。次に、12℃まで冷却し、ブチルアルデヒド60.5gを加えた。樹脂が析出した後、30分間保持し、その後、35%塩酸110gを加え30℃に昇温して10時間保った。
【0410】
反応終了後、蒸留水にて洗浄し、水洗後のポリビニルブチラール樹脂分散溶液に水酸化ナトリウムを添加し溶液のpHを7に調整した。溶液を50℃で12時間保持した後冷却した。このとき溶液のpHは5.4であった。ついで、ポリビニルブチラールの固形分に対し、100倍量の蒸留水により溶液を水洗し、水を取り除いた後、さらに10倍量の蒸留水を加え、溶液を50℃で攪拌しながら8時間保持後、脱水工程を経て、1時間あたりの質量変化が0.1%以下になるまで40℃で乾燥した。
【0411】
(脂肪酸銀塩M6の調製)
4720mLの純水に、ベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン酸43.6g及びパルミチン酸2.3gを80℃で溶解した。次に1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.2mLを添加し、濃硝酸6.9mLを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸カリウム溶液を得た。該脂肪酸カリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、20分間撹拌した後、上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純水450mLを添加し、5分間撹拌した。
【0412】
次に、1モル/Lの硝酸銀溶液702.6mLを2分間かけて添加し、10分間撹拌し、脂肪族カルボン酸銀塩分散物を得た。その後、得られた脂肪族カルボン酸銀塩分散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて撹拌後、静置させて脂肪族カルボン酸銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した後、得られたケーキ状の脂肪族カルボン酸銀塩を、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー((株)セイシン企業製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の運転条件により、含水率が0.1%になるまで乾燥して、粉末脂肪族カルボン酸銀塩M1を得た。脂肪族カルボン酸銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用した。
【0413】
(有機酸銀分散物M6の調製)
PVB(Butvar−B79)26gをメチルエチルケトン1300gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら粉末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液を調製した。粉末有機銀塩M6を全量添加してからは、2000rpmで30分攪拌を行った。この予備分散液をポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ社製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分散を行なうことにより有機銀塩分散液を調製した。有機銀塩分散液中の分散用バインダー濃度は1.4%であった。
【0414】
(有機酸銀分散物M7の調製)
有機酸銀塩調製時に用いる水酸化ナトリウム水溶液を同濃度の水酸化カリウム水溶液に置き換えた以外は有機酸銀分散物M6と同様にして有機酸銀分散物M7を調製した。
【0415】
(有機酸銀分散物M8の調製)
有機酸銀塩分散時に用いるPVBを上記分散用バインダー1に変更した以外は有機酸銀分散物M7と同様にして有機酸銀分散物M8を調製した。
【0416】
2−2.画像形成層、表面保護層の塗布
(塗布液の調製)
1)画像形成層塗布液1の調製
各構成要素の塗布量は以下の通り(固形分としてg/m
有機銀塩分散物M6 7.84
N,N−ジメチルアセトアミド2分子/臭酸1分子/臭素1分子の会合体
0.028
臭化カルシウム 0.032
分光増感色素A1 1×10−6モル/モル Ag
分光増感色素A2 1×10−6モル/モル Ag
ジベンゾ−18−クラウン−6 0.019
酢酸カリウム 0.006
2−クロロ安息香酸 0.038
サリチル酸−p−トルエンスルホネート 0.072
5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール 0.009
p−トルエンチオスルホン酸カリウム 0.029
バインダー(Butvar B−79) 1.44
還元剤−1 1.50
一般式(1)の化合物 (表4に記載)
Desmodur N3300 0.093
トリブロモメチルー2−アザフェニルスルホン 0.024
フタラジン 0.182
【0417】
【化61】



【0418】
2)表面保護層1の調液
MEK865gを攪拌しながら、セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB171−15)96g、ポリメチルメタクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)4.5g、1,3−ジ(ビニルスルフォニル)−2−プロパノール1.5g、ベンゾトリアゾール1.0g、フッ素化合物(旭硝子社、サーフロンKH40)1.0gを添加し溶解した後、13.6質量%のセルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社、CAB171−15)と9質量%の炭酸カルシウム(Speciality Minerals社、Super−Pflex200)をMEKにディゾルバー型ホモジナイザーにて8000rpmで30分間分散したもの30gを添加して撹拌し、表面保護層塗布液を調製した。
【0419】
(試料31の作製)
上記画像形成層塗布液1および表面保護層塗布液1を用いて、画像形成層塗布液と表面保護層塗布疲を押し出しコーターで、支持体のバック層とは反対の面に同時重層塗布することにより、熱現像感光材料1〜40を作製した。塗布は、画像形成層は塗布銀量1.7g/m、表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになるようにして行った。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて、10分間乾燥し試料31を作製した。
【0420】
(試料32〜39の作製)
塗布銀量が表4に記載の量になるように画像形成層の塗布量を変更して、試料32〜39を作製した。また、画像形成層中の還元剤、一般式(1)で表される化合物、有機銀塩分散物、および表面保護層中のフッ素系界面活性剤を表4のように変更した。
【0421】
【表4】



【0422】
3.性能評価
実施例1において、画像形成装置の660nm半導体レーザーを赤外レーザーに変更して画像露光した以外は実施例1と同様にして画像露光と熱現像を行った。
その結果、実施例1と同様、本発明によって濃度ムラが改良され、膜質に優れた感光材料が提供された。
【0423】
【表5】



【0424】
実施例4.
実施例3の試料39において画像形成層中のPVBの量を表6のように変更した以外は、試料39と同様にして試料40〜42を作製した。
【0425】
【表6】



【0426】
(性能評価)
実施例3と同様にして評価を行ったところ、画像形成層中のバインダー比率によって膜厚を調製する事により、Dmaxが高く、かぶりが抑制された感光材料が提供された。
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成19年3月22日(2007.3.22)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−77048(P2008−77048A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2007−75626(P2007−75626)