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【発明の名称】 黒白熱現像感光材料
【発明者】 【氏名】出口 泰章

【氏名】大関 勝久

【氏名】福井 康太

【要約】 【課題】本発明の課題は、高い画像濃度を有し、かつ広い濃度範囲で画像色調に優れた黒白熱現像感光材料を提供することである。

【構成】支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(I)、(II)、(III),又は(IV)で表される化合物であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(I)または(II)で表される化合物であることを特徴とする黒白熱現像感光材料:
【化1】



(上記一般式(I)または(II)において、R及びRは分岐アルキル基、置換基を有するアルキル基を表わし、R及びRは水素原子または置換基を表し、X及びXは水素原子または発色現像薬の酸化体との反応により離脱しうる基を表わし、n及びnは1〜5の整数を表す。)。
【請求項2】
支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(III)または(IV)で表される化合物であることを特徴とする黒白熱現像感光材料:
【化2】



(上記一般式(III)または(IV)において、Rは置換基を表す。Zは−C(=O)−N−C=N−部と共に含窒素6員環または7員環を形成するのに必要な炭素原子群を表す。R’は置換基を表し、nは0〜4の整数を表し、Yは水素原子または置換基を表す。Xは水素原子または発色現像薬の酸化体とカップリングする時に脱離しうる基を表す。)。
【請求項3】
前記一般式(I)または(II)において、XまたはXが水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の黒白熱現像感光材料。
【請求項4】
前記一般式(III)または(IV)において、Xが水素原子であることを特徴とする請求項2に記載の黒白熱現像感光材料。
【請求項5】
前記発色現像薬が下記一般式(CD1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【化3】



(上記一般式(CD1)において、R1aおよびR2aは水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、アシル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルカルボニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルオキシカルボニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルカルバモイル基、カルバモイル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルスルファモイル基、スルファモイル基であり、R3aおよびR4aはそれぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、R5aは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、または置換又は無置換のヘテロ環基を表す。)。
【請求項6】
前記発色現像薬が下記一般式(CD2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【化4】


(上記一般式(CD2)において、R1b、R2b、R3b及びR4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R5b及びR6bはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、又はスルホニル基を表し、R1bとR2b、R3bとR4b、R5bとR6b、R2bとR5b、又は/及びR4bとR6bとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。R7bはブロック基である。)。
【請求項7】
前記発色現像薬が下記一般式(CD3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【化5】



(上記一般式(CD3)において、Qは炭素原子でNHNH−Vと結合する5員〜7員の不飽和環を表し、Vはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。)。
【請求項8】
下記一般式(R)で表される銀イオンのための還元剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【化6】



(一般式(R)において、R1dおよびR1d’は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。R2dおよびR2d’は各々独立に水素原子、又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR4d−基を表す。R4dは水素原子、又は置換又は無置換のアルキル基を表す。R3dおよびR3d’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)。
【請求項9】
前記支持体上の一方の面上に、少なくとも前記感光性ハロゲン化銀、前記非感光性有機銀塩、および前記銀イオンのための還元剤を含有する第1の画像形成層、および少なくとも前記カプラーおよび前記発色現像薬を含有する第2の画像形成層を有することを特徴とする請求項8に記載の黒白熱現像感光材料。
【請求項10】
前記第1の画像形成層が感光性の銀画像形成層であり、前記第2の画像形成層が非感光性の発色画像形成層であることを特徴とする請求項9に記載の黒白熱現像感光材料。
【請求項11】
前記第1の画像形成層および前記前記第2の画像形成層のバインダーの50質量%以上が、ポリマーラテックスであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の黒白熱現像感光材料。
【請求項12】
前記ポリマーラテックスが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックスであることを特徴とする請求項11に記載の黒白熱現像感光材料:
【化7】


(式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。)。
【請求項13】
前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする請求項12に記載の黒白熱現像感光材料。
【請求項14】
前記黒白熱現像感光材料を画像露光して熱現像して形成される画像濃度が下記式(A)を満足することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
式(A) 0.02 < Dc < D/4
(式中、Dは画像の光学濃度が1.0以上2.0以下の範囲の値を表す。Dcは該光学濃度における発色色素による光学濃度を表す。)。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は黒白熱現像感光材料に関し、特に、高濃度で画像色調に優れ、さらに保存安定性に優れた黒白熱現像感光材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療診断用フィルム分野や写真製版フィルム分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッター又はレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用フィルム及び写真製版用フィルムとしての熱現像画像記録材料に関する技術が必要とされている。これら熱現像画像記録材料によれば、溶液系の処理化学薬品を必要とせず、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、例えば、米国特許3152904号、同3457075号の各明細書及びD.クロスタボーア(Klosterboer)著「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、J.スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第9章、第279頁、1989年)に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、感光性化合物(例えば、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例えば、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した画像形成層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。
【0004】
この様な有機銀塩を利用した熱現像感光材料は、画像形成に必要なすべての成分を予め膜中に含有し、加熱するだけで画像を形成し得る大きな利点を有するが、その反面、かぶりの発生のために高感度を得ることが困難な課題であった。また、保存中に感度が変化したりかぶりが増大するなどの保存安定性も課題であった。さらに、画像形成後も感光性ハロゲン化銀が残留するため、ハロゲン化銀粒子の光散乱と光吸収による膜の濁りや、プリントアウトとよばれる明所に画像保存中にかぶりが増大することも大きな問題であった。
【0005】
一方、発色現像薬とカプラーを含有した熱現像感光材料も知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。用いられる感光性ハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、あるいはヨウ塩臭化銀であった。しかしながら、ハロゲン化銀による光散乱と吸収のために膜の濁りおよび不透明性が増加するため、実施例に記載されているようにかぶりが0.58〜1.2と極めて高くなってしまう。従って、特許文献2、3に説明されているように、得られる画像は一次原稿であって、直接観察し得る画像ではなく、これをもとにデジタル化して、さらに画像処理を施してかぶりを低減しかつ階調と色調を調整した再処理画像を得て始めて観察し得る画像となるのである。
【0006】
発色現像薬としてスルホンアミドフェノール類が知られている。例えば、黒白熱現像感光材料の画像色調の改良にスルホンアミドフェノール類の酸化体とカプラーのカップリングによる発色を利用することが開示されている(例えば、特許文献5〜特許文献7参照。)。現像銀により得られる画像に発色色素を加える場合、画像全体を好ましい色調にするためには画像濃度に応じて発色濃度を調節したり、発色色像の色調が調節できることが好ましい。しかしながら従来の方法では発色濃度やその色調を画像濃度に応じて調節することが必ずしも十分ではなかった。より具体的には従来の方法では、(1)発色から得られる色調が必ずしも好ましい色調ではないこと、(2)十分な発色濃度が必ずしも得られないこと、(3)最大濃度では発色により好ましい色調を与えることはできても画像の中間濃度域ではむしろ色調を損ねることなどの課題があった。
【特許文献1】特開2001−312026号公報
【特許文献2】特開2003−215767号公報
【特許文献3】特開2003−215764号公報
【特許文献4】米国特許6242166号公報
【特許文献5】特開2001−330923号公報
【特許文献6】特開2001−330925号公報
【特許文献7】特開2002−49123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者の課題は、高い画像濃度を有し、かつ画像色調に優れた黒白熱現像感光材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の手段により解決された。
<1> 支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(I)または(II)で表される化合物であることを特徴とする黒白熱現像感光材料:
【0009】
【化1】



【0010】
(上記一般式(I)または(II)において、R及びRは分岐アルキル基、置換基を有するアルキル基を表わし、R及びRは水素原子または置換基を表し、X及びXは水素原子または発色現像薬の酸化体との反応により離脱しうる基を表わし、n及びnは1〜5の整数を表す。)。
<2> 支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(III)または(IV)で表される化合物であることを特徴とする黒白熱現像感光材料:
【0011】
【化2】



【0012】
(上記一般式(III)または(IV)において、Rは置換基を表す。Zは−C(=O)−N−C=N−部と共に含窒素6員環または7員環を形成するのに必要な炭素原子群を表す。R’は置換基を表し、nは0〜4の整数を表し、Yは水素原子または置換基を表す。Xは水素原子または発色現像薬の酸化体とカップリングする時に脱離しうる基を表す。)。
<3> 前記一般式(I)または(II)において、XまたはXが水素原子であることを特徴とする<1>に記載の黒白熱現像感光材料。
<4> 前記一般式(III)または(IV)において、Xが水素原子であることを特徴とする<2>に記載の黒白熱現像感光材料。
<5> 前記発色現像薬が下記一般式(CD1)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【0013】
【化3】



【0014】
(上記一般式(CD1)において、R1aおよびR2aは水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、アシル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルカルボニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルオキシカルボニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルカルバモイル基、カルバモイル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルスルファモイル基、スルファモイル基であり、R3aおよびR4aはそれぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、R5aは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、または置換又は無置換のヘテロ環基を表す。)。
<6> 前記発色現像薬が下記一般式(CD2)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【0015】
【化4】


【0016】
(上記一般式(CD2)において、R1b、R2b、R3b及びR4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R5b及びR6bはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、又はスルホニル基を表し、R1bとR2b、R3bとR4b、R5bとR6b、R2bとR5b、又は/及びR4bとR6bとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。R7bはブロック基である。)。
<7> 前記発色現像薬が下記一般式(CD3)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【0017】
【化5】



【0018】
(上記一般式(CD3)において、Qは炭素原子でNHNH−Vと結合する5員〜7員の不飽和環を表し、Vはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。)。
<8> 下記一般式(R)で表される銀イオンのための還元剤を含有することを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
【0019】
【化6】



【0020】
(一般式(R)において、R1dおよびR1d’は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。R2dおよびR2d’は各々独立に水素原子、又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR4d−基を表す。R4dは水素原子、又は置換又は無置換のアルキル基を表す。R3dおよびR3d’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。)。
<9> 前記支持体上の一方の面上に、少なくとも前記感光性ハロゲン化銀、前記非感光性有機銀塩、および前記銀イオンのための還元剤を含有する第1の画像形成層、および少なくとも前記カプラーおよび前記発色現像薬を含有する第2の画像形成層を有することを特徴とする<8>に記載の黒白熱現像感光材料。
<10> 前記第1の画像形成層が感光性の銀画像形成層であり、前記第2の画像形成層が非感光性の発色画像形成層であることを特徴とする<9>に記載の黒白熱現像感光材料。
<11> 前記第1の画像形成層および前記前記第2の画像形成層のバインダーの50質量%以上が、ポリマーラテックスであることを特徴とする<9>または<10>に記載の黒白熱現像感光材料。
<12> 前記ポリマーラテックスが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックスであることを特徴とする<11>に記載の黒白熱現像感光材料:
【0021】
【化7】


【0022】
(式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。)。
<13> 前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする<12>に記載の黒白熱現像感光材料。
<14> 前記黒白熱現像感光材料を画像露光して熱現像して形成される画像濃度が下記式(A)を満足することを特徴とする<1>〜<13>のいずれか1項に記載の黒白熱現像感光材料:
式(A) 0.02 < Dc < D/4
(式中、Dは画像の光学濃度が1.0以上2.0以下の範囲の値を表す。Dcは該光学濃度における発色色素による光学濃度を表す。)。
【0023】
本発明によれば、現像銀による画像を主体としてカラー発色画像を併用して現像銀による画像色調を調整することによって、従来の現像銀のみによる画像形成では為し得なかった高濃度でかつ好ましい色調の画像が得られる。現像銀による画像を主体としてカラー発色画像を併用することは、従来より提案されていたが高い発色濃度を得て、且つ、現像銀による画像とカラー発色画像が低濃度から最高濃度に至る広い画像濃度に渉ってバランスよく実現することが困難であった。
【0024】
本発明者らは、上記問題を解決する手段を鋭意探索した結果、上記の一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるカプラーを用いること、特に一般式(CD1)、(CD2)、または(CD3)で表される発色現像薬と組み合わせて用いることにより解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
好ましくは、一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)において、X、X、又はXが水素原子である。
好ましくは、さらに銀イオンのための還元剤として上記一般式(R)で表される化合物を含有する。
【発明の効果】
【0025】
本発明により高い画像濃度を有し、かつ低濃度から高濃度の広い範囲で画像色調に優れ、且つ保存安定性に優れた黒白熱現像感光材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の黒白熱現像感光材料の一つの態様は、支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(I)または(II)で表される化合物である。
【0027】
【化8】



【0028】
上記一般式(I)または(II)において、R及びRは分岐アルキル基、置換基を有するアルキル基を表わし、R及びRは水素原子または置換基を表し、X及びXは水素原子または発色現像薬の酸化体との反応により離脱しうる基を表わし、n及びnは1〜5の整数を表す。
【0029】
本発明の黒白熱現像感光材料のもう一つの態様は、支持体上の少なくとも一方の面上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、発色現像薬、およびカプラーを含有する黒白熱現像感光材料であって、前記カプラーが下記一般式(III)または(IV)で表される化合物である。
【0030】
【化9】



【0031】
上記一般式(II)または(IV)において、Rは置換基を表す。Zは−C(=O)−N−C=N−部と共に含窒素6員環または7員環を形成するのに必要な炭素原子群を表す。R’は置換基を表し、nは0〜4の整数を表し、Xは水素原子または置換基を表す。Aは水素原子または発色現像薬の酸化体とカップリングする時に脱離しうる基を表す。
【0032】
好ましくは、前記一般式(I)または(II)において、XまたはXが水素原子である。好ましくは、前記一般式(III)または(IV)において、Aが水素原子である。
好ましくは、発色現像薬の1つは下記一般式(CD1)で表される化合物である。
【0033】
【化10】



【0034】
上記一般式(CD1)において、R1aおよびR2aは水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、アシル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルカルボニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルオキシカルボニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルカルバモイル基、カルバモイル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリール及びアルキルスルファモイル基、スルファモイル基であり、R3aおよびR4aはそれぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換し得る置換基を表し、R5aは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、または置換又は無置換のヘテロ環基を表す。
発色現像薬の別の好ましい態様は下記一般式(CD2)で表される化合物である。
【0035】
【化11】


【0036】
上記一般式(CD2)において、R1b、R2b、R3っb及びR4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R5b及びR6bはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、又はスルホニル基を表し、R1bとR2b、R3bとR、R5bとR6b、R2bとR5b、又は/及びR4bとR6bとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。R7bはブロック基である。
発色現像薬の別の好ましい態様は下記一般式(CD3)で表される化合物である。
【0037】
【化12】



【0038】
上記一般式(CD3)において、Qは炭素原子でNHNH−Vと結合する5員〜7員の不飽和環を表し、Vはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。
【0039】
発色現像薬として最も好ましくは、一般式(CD1)で表わされる化合物である。発色現像薬として次に好ましくは、一般式(CD2)で表わされる化合物である。
【0040】
好ましくは、下記一般式(R)で表される銀イオンのための還元剤を含有する。
【0041】
【化13】



【0042】
一般式(R)において、R1dおよびR1d’は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。R2dおよびR2d’は各々独立に水素原子、又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR4d−基を表す。R4dは水素原子、又は置換又は無置換のアルキル基を表す。R3dおよびR3d’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
好ましくは、前記支持体上の一方の面上に、少なくとも前記感光性ハロゲン化銀、前記非感光性有機銀塩、および前記銀イオンのための還元剤を含有する第1の画像形成層、および少なくとも前記カプラーおよび前記発色現像薬を含有する第2の画像形成層を有する。より好ましくは、前記第1の画像形成層が感光性の銀画像形成層であり、前記第2の画像形成層が非感光性の発色画像形成層である。
好ましくは、前記第1の画像形成層および前記前記第2の画像形成層のバインダーの50質量%以上が、ポリマーラテックスである。より好ましくは、前記ポリマーラテックスが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックスである。
【0043】
【化14】


【0044】
式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。
さらに好ましくは、前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基である。
好ましくは、前記黒白熱現像感光材料を画像露光して熱現像して形成される画像濃度が下記式(A)を満足する。
式(A) 0.02 < Dc < D/4
(式中、Dは画像の光学濃度が1.0以上2.0以下の範囲の値を表す。Dcは該光学濃度における発色色素による光学濃度を表す。)。
【0045】
好ましくは、該黒白熱現像感光材料を画像露光して熱現像して形成される画像濃度が下記式(A)を満足する。
式(A) 0.02< Dc < D/4
式中、Dは画像の光学濃度が1.0以上2.0以下の範囲の値を表す。Dcは該光学濃度における発色色素による光学濃度を表す。
【0046】
本発明における光学濃度は、透過型光学濃度計で測定されるVisual濃度である。
【0047】
発色色素による光学濃度の測定方法は、下記により行う。
マクベスTD904型濃度計でビジュアル濃度が1.0以上2.0以下の範囲の数点の濃度の箇所を選ぶ。各箇所を1cmあたり5mLの抽出溶媒(メタノール/ジメチルホルムアミド/水=7/2/1体積比の混合溶液)に常温で15時間浸漬して色素を除去する。
色素除去した試料についても同様の方法でマクベスTD904型濃度計でビジュアル濃度を測定する。色素抽出前後の濃度差を発色色素による光学濃度とする。
【0048】
以下に詳細に本発明を説明する。
【0049】
(カプラー)
以下、本発明のカプラーについて詳細に説明する。本発明のカプラーは本発明の発色現像薬の酸化体とカップリングして可視部に吸収を持つ色素を形成できる化合物であればいかなる構造をしていてもよいが、本発明に好ましく用いられるカプラーは下記一般式(I)、一般式(II)で表されるシアンカプラーである。
【0050】
【化15】



【0051】
一般式(I)及び(II)においてR及びRは、分岐アルキル基、置換基を有するアルキル基を表わし、アルキル基としては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、およびドデシル基等を挙げることができる。分岐アルキル基としてはイソプロピル基、ターシャリーブチル基、およびシクロへキシル基等を挙げることができる。R及びRが直鎖アルキル基である場合は、置換基を有し、置換基としては特に制限はないが、代表的には、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、およびシクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0052】
及びRが分岐アルキル基である場合も、置換基を有していてもよく、置換基としてはR及びRが直鎖アルキル基である場合の置換基と同様の置換基を挙げることができる。
【0053】
一般式(I)及び一般式(II)においてR及びRは水素原子または置換基を表わす。
【0054】
一般式(I)及び(II)において、R及びRの表わす置換基としては特に制限はないが、代表的には、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、およびシクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、カルボキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホ等の各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0055】
以下、R及びRで表わされる各基において、アルキル基としては、炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。
【0056】
アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アシルアミノ基としては、アルキルカルボニルアミノ基、おアリールカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルホンアミド基としては、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分は上記Rで表わされるアルキル基、アリール基が挙げられる。
【0057】
アルケニル基としては、炭素数2〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。
【0058】
シクロアルケニル基としては、炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。スルホニル基としてはアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等;スルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基等;ホルホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリールホスホニル基等;アシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基等;スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基等;アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基等;スルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイルオキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等;ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等;複素環基としては5員〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−ピロリル基、1−テトラゾリジンリル基等;複素環オキシ基としては、5員〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複素環チオ基としては、5員〜7員の複素環チオ基が好ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基等;シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ〔3,3〕ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−1−イル、トリシクロ〔3,3,1,137〕デカン−1−イル、および7,7−ジメチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−1−イル等が挙げられる。
【0059】
上記の基は、さらに長鎖炭化水素基やポリマー残基等の耐拡散性基等の置換基を有してもよい。
【0060】
一般式(I)及び(II)において、n及びnは1〜5の整数を表わし、n及びnが2以上の時、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。
【0061】
、またはXの表わす発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しうる基としては、水素原子、ハロゲン原子及びアルキレン、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、およびカルボキシル等の各基が挙げられるが、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、N原子で結合した含窒素複合環である。
本発明において好ましいX、またはXは用いる発色現像主薬によっても異なるが、本発明のうち特に好ましいスルホンアミドフェノール型現像主薬を用いた場合にはX、またはXが水素原子であることが発色に優れるため好ましい。
【0062】
一般式(I)及び一般式(II)で表わされる化合物のうち、色再現性の点で好ましくは一般式(I)で表わされる化合物である。
【0063】
次に、本発明の一般式(I)及び一般式(II)で表わされる代表的化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】
【化16】


【0065】
【化17】


【0066】
【化18】


【0067】
【化19】


【0068】
【化20】


【0069】
【化21】


【0070】
【化22】



【0071】
本発明に好ましく用いられる別のカプラーは、下記一般式(III)、一般式(IV)で表されるイエローカプラーである。一般式(III)または一般式(IV)で表されるカプラーについて説明する。
【0072】
【化23】



【0073】
一般式(III)または一般式(IV)におけるRは置換基を表し、Rで表される置換基としては特に制限はないが、アルキル基(例えば、メチル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、シクロヘキシル基、ドデシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、またはテトラゾリル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、またはシクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、ピリジルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、エチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、シクロヘキシルスルホニルアミノ基、ドデシルスルホニルアミノ基、またはフェニルスルホニルアミノ基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、または2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、フェニルウレイド基、またはナフチルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、またはピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、またはフェニルカルボニルオキシ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、または2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、またはナフチルカルボニルアミノ基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、エチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、またはフェニルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、または2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基等が挙げられ、これらの基は、更に上記の置換基によって置換されていてもよい。
【0074】
Rで表される基として好ましくは、アルキル基、アリール基であり、更に好ましくはRに更に置換する置換基も含めて総炭素数2〜24のアルキル基、または同様に総炭素数6〜24のアリール基である。Rで表される基として更に好ましくは、Rに更に置換する置換基も含めて総炭素数2〜18のアルキル基、または同様に総炭素数6〜18のアリール基である。ここでRに置換する基としてはヘテロ原子を含んでもよく、総炭素数にはヘテロ原子の数は含まない。
【0075】
一般式(III)または一般式(IV)におけるR'は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nは0〜2が好ましい。
【0076】
R’で表される置換基としては特に制限はなく、一般式(III)または一般式(IV)におけるRで挙げた基と同様の基を挙げることができる。R’として好ましくは、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、およびオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0077】
Yは水素原子または置換基を表す。Yで表される置換基としてはR’で表される置換基と同様の基を挙げることができる。Yとしてはアルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、またはスルホンアミド基が好ましく、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、またはアシルアミノ基が好ましい。
【0078】
Zは−C(=O)−N−C=N−部と共に含窒素6員環または7員環を形成するのに必要な原子群を表す。Zが形成する含窒素6員環の例としては、ピリミジン−4−オン、1,3−ジアジン−4,6−ジオン、〔1,3,5〕トリアジン−2−オン、および〔1,2,4〕トリアジン−5−オン等が挙げられる。Zが形成する含窒素7員環の例としては、1,3−ジアゼピン−4−オン、1,3−ジアゼピン−5−オン等が挙げられる。Zは好ましくは6員環であり、6員環として好ましくは、ピリミジン−4−オン環形成する残基である。即ちZは−C(−R)=C(−R)−CO−で表される。R、Rは互いに結合して−C=C−部とともに5員〜7員環を形成する基、もしくはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R、Rが互いに結合して−C=C−部とともに形成する環としては、好ましくは5員〜7員の脂環、芳香環、もしくはヘテロ環で、例えば、ベンゼン環、ピラゾール環、フラン環、チオフェン環、シクロペンテン環、およびシクロヘキセン環が挙げられる。より好ましくは、該環は6員の芳香環であり、最も好ましくはベンゼン環である。R、Rが置換基を表す時、これらは同じであっても異なっていてもよく、置換基の例としては前述のR′で表される置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0079】
は水素原子あるいは現像主薬の酸化体とのカップリング時に離脱しうる基を表す。現像主薬の酸化体とのカップリング時に離脱しうる基としては、例えば、フェノキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルホニル基、あるいは含窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ピラゾリル基、あるいはヒダントイニル基等)が挙げられる。これらXで表される基は置換基を有することもでき、置換基としては例えば前記一般式(III)または一般式(IV)におけるR'で表される基で挙げたものと同様の基を挙げることができる。本発明において好ましいXは用いる発色現像主薬によっても異なるが、本発明のうち特に好ましいスルホンアミドフェノール型現像主薬を用いた場合にはYが水素原子であることが発色に優れるため好ましい。
【0080】
以下に本発明の一般式(III)または一般式(IV)で表されるカプラーの具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0081】
【化24】


【0082】
【化25】



【0083】
【化26】


【0084】
【化27】


【0085】
【化28】


【0086】
【化29】


【0087】
【化30】


【0088】
【化31】


【0089】
【化32】


【0090】
【化33】


【0091】
これらのカプラーは、例えば米国特許5,455,149号、特開2003−64332号等に記載の方法に従って合成することができる。
【0092】
本発明に好ましく用いられるマゼンタカプラーは下記一般式(M−1)、(M−2)、または(M−3)で表される。
【0093】
【化34】



【0094】
式中、Xは水素原子または離脱基を表し、Rはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Rは置換基を表す。
【0095】
【化35】



【0096】
式中、Xは水素原子または離脱基を表し、Rはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、R10は置換基を表す。
【0097】
【化36】



式中、Xは水素原子または離脱基を表し、R11はアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基を表し、R12はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
【0098】
一般式(M−2)のカプラーのX、RおよびR10で表される基はそれぞれ一般式(M−1)のカプラーのX、RおよびRで表される基と同様の基で、それぞれの基の好ましい範囲も一般式(M−1)のカプラーと同様である。
一般式(M−3)において、Xは水素原子もしくはXと同様の離脱基あるが、Xとして好ましいのは水素原子である。R11としてはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基またはアニリノ基が好ましく、アシルアミノ基またはアニリノ基がより好ましい。最も好ましいのはアニリノ基である。アルキル基としては炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、アリール基としては炭素数6〜14のアリール基が好ましい。アシルアミノ基としては炭素数2〜14の基が好ましく2〜10の基がより好ましい。アニリノ基としては炭素数6〜16の基が好ましく6〜12の基がより好ましい。アニリノ基の置換基としてはハロゲン原子、アシルアミノ基が好ましい。
【0099】
以下に本発明のカプラーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0100】
【化37】



【0101】
【化38】



【0102】
【化39】



【0103】
【化40】



【0104】
【化41】



【0105】
【化42】



【0106】
【化43】



【0107】
発明のカプラーはメタノールなど適当な溶媒に溶解させた溶液として、界面活性剤、補助溶媒および保護コロイドを使ってホモジナイザー等で乳化分散した乳化分散物として、もしくは固体分散物として添加することができる。その中でも固体微粒子状に分散して感光性乳剤層もしくは乳剤層に隣接する非感光性層に添加することが好ましい。
【0108】
固体微粒子の分散物は粉体粒子を分散剤や界面活性剤を含む水溶液に撹拌化下でなじませた後、ビーズミル、ボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散する方法により作製できる。分散剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ゼラチン等の水溶性ポリマー、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、オレオイル−N−メチルタウリンスルホン酸等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルベンゼンポリエトキシレート、アルキルポリエトキシレート、プルロニック類、アルキルグルコキシレート等のノニオン性界面活性剤が用いられる。その中でも水溶性ポリマーとしてはアルキルチオ変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アニオン性界面活性剤界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸塩、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましい。前記の水溶性ポリマーとアニオン界面活性剤を併用して用いることは特に好ましい。分散液の長期保存のためには防腐剤を添加することが好ましく、イソチアゾリノン系の防腐剤、特にベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩が好ましい。また、分散時の発泡を防止するために消泡剤を使用することが好ましく、消泡効果の点ではアセチレンアルコール類が特に好ましい。
【0109】
固体微粒子の平均サイズは0.05μmないし5μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.1ないし2μmの範囲、さらに好ましくは0.2ないし1μmの範囲である。粒子サイズが大きすぎると濾過詰まり、塗布面状の悪化等の問題を引き起こし、粒子サイズが小さすぎると分散物の安定性が損なわれる。これらの問題から平均サイズを前記範囲に設定することが好ましく、粒子サイズ分布を低く抑えることが好ましい。
固体微粒子状の化合物を熱現像時に効率良く機能させるためには、本発明のカプラーはその融点が220℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。また、未使用の感光材料の保存性を良好に保つために本発明のカプラーは融点が70℃以上であることが好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。また、熱現像後の感光材料の長期保存性を改良するためには本発明のカプラーはその融点が100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。微粒子固体分散物の安定性を向上させるためには、本発明のカプラーの水に対する溶解度が1000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。分散剤や界面活性剤が含まれている場合には、これらを含む溶液に対するカプラーの溶解度が上記の値の範囲にあることが好ましい。
【0110】
本発明のカプラーは単一の化合物を使用する場合、0.01mmol/m〜3.0mmol/mの範囲で使用でき、好ましくは0.03mmol/m〜2.0mmol/mの範囲、最も好ましくは0.05mmol/m〜1.0mmol/mの範囲で使用することができる。一方、複数のカプラーを使用する場合はそれらの総計が、0.01mmol/m〜5.0mmol/mの範囲で使用でき、好ましくは0.03mmol/m〜3.0mmol/mの範囲、最も好ましくは0.05mmol/m〜2.0mmol/mの範囲で使用することができる。
【0111】
本発明のカプラーは一般式(I)、(II)、(III)、または(IV)から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは一般式(I)または(II)から選ばれる少なくとも1種を使用することが色調に優れた画像を形成する上で最も好ましい。
また、一般式(M−1)、(M−2)、及び(M−3)から選ばれる少なくとも1種を必要に応じて上記一般式(I)、(II)、(III)、または(IV)から選ばれる少なくとも1種と併せて用いることも好ましい。
【0112】
(発色現像薬)
発色現像薬とは、熱現像工程で銀イオンを銀へ還元し該化合物が酸化体を形成し、カプラーと反応して色素を形成し得る化合物である。
本発明に用いられる発色現像薬として、好ましくは一般式(CD1)、(CD2)もしくは(CD3)で表される化合物である。これらについて以下に順に説明する。
【0113】
1.一般式(CD1)で表される化合物
【0114】
【化44】



【0115】
一般式(CD1)において、R1aおよびR2aは水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、およびシリル基が例として挙げられる。
【0116】
更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、またはオレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、
【0117】
アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、またはo−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5員または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5員もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、または2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、または2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、または2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、または2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、またはp−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
【0118】
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、またはN−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、またはn−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、またはp−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、またはジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、または3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、またはモルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、またはN−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、またはm−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、
【0119】
スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、またはp−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、またはm−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、またはp−メチルフェニルスルフィニル)、
【0120】
アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、またはp−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、または2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、またはn−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、または5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、
【0121】
イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、またはメチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、またはジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、またはフェニルジメチルシリル)を表わす。
【0122】
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、およびアリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、およびベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0123】
1aおよびR2aがアルキル基である場合、少なくともその一方が2級または3級のアルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。R1aおよびR2aがハロゲン原子である場合、好ましくは塩素原子または臭素原子で、塩素原子であることがより好ましい。R1aおよびR2aの炭素数はそれぞれ16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。
【0124】
3aおよびR4aは水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表し、好ましくは、前記R1aおよびR2aの例として挙げた置換基の中から選択される置換基である。前記R1aおよびR2aの例と同様に、R3aおよびR4aの該官能基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に前記R1aおよびR2aの例と同様に該官能基で置換されていても良い。
【0125】
5aはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、該官能基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に前記R1aおよびR2aの例に挙げた官能基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、前記R1aおよびR2aの例で挙げた置換基のうちハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びアルキルスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、シアノ基、又はニトロ基が好ましい。
【0126】
5aとしてより好ましいのはアリール基またはヘテロ環基で、アリール基が特に好ましい。ヘテロ環基としては窒素原子および硫黄原子の少なくとも一方を含む5員ないし6員の環が好ましく、窒素原子を含む5員ないし6員の芳香族性のヘテロ環がより好ましい。
アリール基としては電子求引性の置換基もしくは立体的に嵩高い置換基で置換されたアリール基が好ましい。電子吸引基としては水素原子に対して電子求引性が高い基であればよいが、好ましくはハロゲン原子、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びアルキルスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基で、ハロゲン原子、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びアルキルスルホニル基、スルファモイル基、又はシアノ基がより好ましい。電子求引性の基は少なくともそのひとつがオルト位またはパラ位に置換されていることが好ましい。立体的に嵩高い基としてはメチル基よりも嵩高い基であればよいが、好ましくは炭素数2以上のアルキル基で、2級または3級のアルキル基がより好ましく、3級のアルキル基がさらに好ましい。立体的に嵩高い基は少なくとも一方のオルト位に置換していることが好ましく、両方のオルト位に置換していることがより好ましい。電子求引性の基と立体的に嵩高い基の両方を合わせ持ったアリール基は特に好ましい基である。R5aの炭素数は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは16以下である。
【0127】
一般式(CD1)の化合物におけるより好ましい構造は、R1aおよびR2aがハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びアルキルスルホニル基、又はスルファモイル基であり、R3aおよびR4aが水素原子、ハロゲン原子、アルキル基であり、R5aがアリール基またはヘテロ環基である。
上記の官能基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に前記R1aおよびR2aの例で挙げた官能基で置換されていても良い。
【0128】
一般式(CD1)の化合物におけるさらに好ましい構造は、R1aおよびR2aがハロゲン原子、アルキル基、カルバモイル基、又はスルファモイル基であり、R3aおよびR4aが水素原子またはハロゲン原子であり、R5aがアリール基である。該アリール基としては電子求引性の置換基もしくは立体的に嵩高い置換基で置換されたアリール基がより好ましく、電子求引性の基と立体的に嵩高い基の両方を合わせ持ったアリール基が特に好ましい。上記の官能基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に前記R1aおよびR2aの例で挙げた官能基で置換されていても良い。
【0129】
一般式(CD1)の化合物の好ましい分子量は300ないし800の範囲で、より好ましくは300ないし700の範囲、さらに好ましくは350ないし600の範囲である。
【0130】
以下に本発明の一般式(CD1)で表される化合物の具体例をあげるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0131】
【化45】



【0132】
【化46】



【0133】
【化47】



【0134】
上記以外でも本発明の一般式(CD1)で表される化合物の具体例としては特開平11−265044明細書の一般式(7)で表される化合物D−1ないしD−28があげられる。
【0135】
2.一般式(CD2)で表される化合物
【0136】
【化48】


式中、R1b、R2b、R3b及びR4bはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R5b及びR6bはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、又はスルホニル基を表し、R1bとR2b、R3bとR4b、R5bとR6b、R2bとR5b、又は/及びR4bとR6bとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。R7bはブロック基である。
【0137】
以下に、一般式(CD2)で表される化合物について詳しく説明する。
1b、R2b、R3b及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R1b、R2b、R3b及びR4bで表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、及びシリル基が挙げられる。更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含する。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、又はオレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。
【0138】
例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、又はo−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、又は2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、又は2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、又はp−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
【0139】
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、又はN−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、又はn−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、又はp−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、又はジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、又は3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、又はモルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、又はN−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、又はm−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、又はN−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、又はp−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、又はn−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、又はm−メトキシフェニルチオ)、
【0140】
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、又はp−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、又はp−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、又はn−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、又は5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、
【0141】
イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、又はメチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、又はジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、又はフェニルジメチルシリル)が挙げられる。
【0142】
1b〜R4bで表される基が更に置換可能な基である場合、R1b〜R4bで表される基は更に置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR1b〜R4bで説明した置換基と同じ意味の基を表す。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0143】
5b及びR6bはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表し、そのアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基の好ましい範囲については、前記のR1b〜R4bで表される置換基で説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基と同じ意味の基を表す。R5b及びR6bで表される基が更に置換可能な基である場合、R及びR6bで表される基は更に置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR1b〜R4bで説明した置換基と同じ意味の基を表す。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0144】
1bとR2b、R3bとR4b、R5bとR6b、R2bとR5b、又は/及びRとR6bとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。
【0145】
一般式式(CD2)におけるR7bはブロック基であって、熱現像温度に加熱されたとき、脱離可能な基である。
7bとしては、R11−O−CO−、R12−CO−CO−、R13−NH−CO−、R14−SO−、R15−W−C(R16)(R17)(R18)−、R19−SONHCO−、R20−CONHCO−、R21−SONHSO−、R22−CONHSO−、又は(M)1/nOSO−が好ましい。
11、R12、R13、R14、R19、R20、R21、及びR22はアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R15は水素原子又はブロック基を表し、Wは酸素原子、イオウ原子又は>N−R18を表し、R16、R17、及びR18は水素原子又はアルキル基を表す。R11、R12、R13、R14、R19、R20、R21、及びR22で表されるアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は前記のR1b〜R4bで表される置換基で説明したアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基と同じ意味の基を表し、Mはn価のカチオンを表す。
11、R12、R13、R14、R19、R20、R21、及びR22で表される基が更に置換可能な基である場合、R11、R12、R13、R14、R19、R20、R21、及びR22で表される基は更に置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR1b〜R4bで説明した置換基と同じ意味の基を表す。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
16、R17、及びR18がアルキル基を表す場合、R1b〜R4bで表される置換基で説明したアルキル基と同じ意味の基を表す。R15がブロック基を表す場合のブロック基としては、後述のBLKで表されるブロック基と同じ意味の基を表す。
【0146】
以下に、式(CD2)で表される化合物の好ましい範囲について説明する。R1b〜R4bは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基が更に好ましい。特に好ましくは、R1b〜R4bの中で、R1b又はR3bのいずれか一方が水素原子である。
【0147】
5b及びR6bはアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基が好ましく、アルキル基が最も好ましい。
【0148】
式(CD2)で表される化合物のRを水素原子にしたp−フェニレンジアミン誘導体のpH10の水中における酸化電位が5mV以下(vsSCE)であることが発色性と保存性を両立できる点で好ましい。
【0149】
7bはR11−O−CO−及びR14−SO−、R19−SO−NH−CO−及びR15−W−C(R16)(R17)(R18)が好ましく、R11−O−CO−、R19−SO−NH−CO−がより好ましく、R19−SO−NH−CO−が最も好ましい。R11はアルキル基が好ましく、米国特許第4,409,323号もしくは同4,421,845号に記載のある電子移動反応を利用して開裂反応を起こさせるタイミング基を含む基であることが好ましく、タイミング基の電子移動反応を引き起こす末端がブロックされた下記式(T−1)で表される基であることが好ましい。式(T−1)BLK−W−(X=Y)j−C(R21)R22−**式中、BLKはブロック基を表し、**は−O−CO−と結合する位置を表し、Wは酸素原子、イオウ原子又は>N−R23を表し、X及びYは各々メチン又は窒素原子を表し、jは0、1又は2を表し、R21、R22及びR23は各々水素原子又はR1b〜R4bで説明した置換基と同じ意味の基を表す。ここで、X及びYが置換メチンを表すときその置換基、R21、R22及びR23の各々の任意の2つの置換基が連結し環状構造(例えばベンゼン環、ピラゾール環)を形成する場合、もしくは形成しない場合のいずれであっても良い。
【0150】
BLKで表されるブロック基としては公知のものが使用できる。すなわち、特公昭48−9968号、特開昭52−8828号、同57−82834号、米国特許第3,311,476号、及び特公昭47−44805号(米国特許第3,615,617号)等に記載されているアシル基、スルホニル基等のブロック基、特公昭55−17369号(米国特許第3,888,677号)、同55−9696号(米国特許第3,791,830号)、同55−34927号(米国特許第4,009,029号)、特開昭56−77842号(米国特許第4,307,175号)、同59−105640号、同59−105641号、及び同59−105642号等に記載されている逆マイケル反応を利用するブロック基、特公昭54−39727号、米国特許第3,674,478号、同3,932,480号、同3,993,661号、特開昭57−135944号、同57−135945号(米国特許第4,420,554号)、同57−136640号、同61−196239号、同61−196240号(米国特許第4,702,999号)、同61−185743号、同61−124941号(米国特許第4,639,408号)、及び特開平2−280140号等に記載されている分子内電子移動によりキノンメチド又はキノンメチド類似の化合物の生成を利用するブロック基、米国特許第4,358,525号、同4,330,617号、特開昭55−53330号(米国特許第4,310,612号)、同59−121328号、同59−218439号、及び同63−318555号(欧州公開特許第0295729号)等に記載されている分子内求核置換反応を利用するブロック基、特開昭57−76541号(米国特許第4,335,200号)、同57−135949号(米国特許第4,350,752号)、同57−179842号、同59−137945号、同59−140445号、同59−219741号、同59−202459号、同60−41034号(米国特許第4,618,563号)、同62−59945号(米国特許第4,888,268号)、同62−65039号(米国特許第4,772,537号)、同62−80647号、特開平3−236047号、及び同3−238445号等に記載されている、5員又は6員環の環解裂反応を利用するブロック基、特開昭59−201057号(米国特許第4,518,685号)、同61−43739号(米国特許第4,659,651号)、同61−95346号(米国特許第4,690,885号)、同61−95347号(米国特許第4,892,811号)、特開昭64−7035号、同4−42650号(米国特許第5,066,573号)、特開平1−245255号、同2−207249号、同2−235055号(米国特許第5,118,596号)、及び同4−186344号等に記載されている共役不飽和結合への求核剤の付加反応を利用するブロック基、特開昭59−93442号、同61−32839号、同62−163051号及び特公平5−37299号等に記載されているβ−脱離反応を利用するブロック基、特開昭61−188540号に記載されているジアリールメタン類の求核置換反応を利用したブロック基、特開昭62−187850号に記載されているロッセン転位反応を利用したブロック基、特開昭62−80646、同62−144163、及び同62−147457号等に記載されているチアゾリジン−2−チオンのN−アシル体とアミン類との反応を利用したブロック基、特開平2−296240号(米国特許第5,019,492号)、同4−177243号、同4−177244号、同4−177245号、同4−177246号、同4−177247号、同4−177248号、同4−177249号、同4−179948号、同4−184337号、同4−184338号、国際公開特許92/21064号、特開平4−330438号、国際公開特許93/03419号、及び特開平5−45816号等に記載されている、2個の求電子基を有して二求核剤と反応するブロック基、特開平3−236047号及び同3−238445号を挙げることができる。
これらのブロック基のうち、特に好ましいものは特開平2−296240号(米国特許第5,019,492号)、同4−177243号、同4−177244号、同4−177245号、同4−177246号、同4−177247号、同4−177248号、同4−177249号、同4−179948号、同4−184337号、同4−184338号、国際公開特許92/21064号、特開平4−330438号、国際公開特許93/03419号、及び特開平5−45816号等に記載されている、2個の求電子基を有して二求核剤と反応するブロック基である。
【0151】
式(T−1)で示される基からBLKを除いたタイミング基部分の具体例として例えば以下のものが挙げられる。下記において、*はBLKと結合する位置を表し、**は−O−CO−と結合する位置をあらわす。
【0152】
【化49】


【0153】
12及びR13はアルキル基及びアリール基が好ましく、R14はアリール基が好ましい。R15はブロック基が好ましく、好ましいブロック基は前記の式(T−1)で表される基中の好ましいBLKと同じである。R16、R17、及びR18は水素原子が好ましい。
【0154】
本発明に用いる式(CD2)で表される化合物として、米国特許第5,242,783号、同4,426,441号、特開昭62−227141号、特開平5−257225号、同5−249602号、同6−43607号、及び同7−333780号に記載された化合物も好ましい。
【0155】
一般式(CD2)で表される化合物として、より好ましくは一般式(CD2−2)で表される化合物である。
【0156】
【化50】




一般式(CD2−2)


【0157】
式中、R101及びR102はそれぞれ独立に、置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表し、R103、R104、R105、R106及びR107はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R101とR102、R103とR104、R105とR106、及びR107とXの少なくとも一組は互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。Xはハロゲン原子、又はヘテロ原子を有する置換基(前記ヘテロ原子を介してベンゼン環に結合する)を表す。nは0〜4の整数を表す。nが2以の場合、R107は同じであっても異なっていても良く、また互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。
103、R104、R105、R106及びR表される好ましい置換基としては、以下のものが挙げられる。
【0158】
(1)ハロゲン原子
例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等。
【0159】
(2)アルキル基
直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルキル基。
<直鎖又は分岐の置換又は無置換のアルキル基>
好ましくは炭素数1〜30であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、及び2−エチルヘキシル基等。
<環状の置換又は無置換のアルキル基>
シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基であり、例えばシクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び4−n−ドデシルシクロヘキシル基等)。ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、即ち、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基であり、例えばビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等)。さらに環構造が多いトリシクロ構造や、以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基等)等。
【0160】
(3)アルケニル基
直鎖、分岐、環状の置換又は無置換のアルケニル基。
<直鎖又は分岐のアルケニル基>
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基であり、例えばビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、又はオレイル基等。
<シクロアルケニル基>
好ましくは炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、即ち、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基であり、例えば2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等。
<ビシクロアルケニル基>
置換又は無置換のビシクロアルケニル基であり、好ましくは炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、即ち二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基であり、例えばビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等)等。
【0161】
(4)アルキニル基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基であり、例えばエチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等。
【0162】
(5)アリール基
好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基であり、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、又はo−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等。
【0163】
(6)ヘテロ環基
好ましくは5員又は6員の置換又は無置換の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基、さらに好ましくは炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基であり、例えば2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、又は2−ベンゾチアゾリル基等。
【0164】
(7)シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はカルボキシル基等。
【0165】
(8)アルコキシ基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、又は2−メトキシエトキシ基等。
【0166】
(9)アリールオキシ基
好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基であり、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、又は2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等。
【0167】
(10)シリルオキシ基
好ましくは炭素数3〜20のシリルオキシ基であり、例えばトリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等。
【0168】
(11)ヘテロ環オキシ基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基であり、例えば1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等。
【0169】
(12)アシルオキシ基
好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基等であり、例えばアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、又はp−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等。
【0170】
(13)カルバモイルオキシ基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基であり、例えばN,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、又はN−n−オクチルカルバモイルオキシ基等。
【0171】
(14)アルコキシカルボニルオキシ基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基であり、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、又はn−オクチルカルボニルオキシ基等。
【0172】
(15)アリールオキシカルボニルオキシ基
好ましくは炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基であり、例えばフェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、又はp−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等。
【0173】
(16)アミノ基
好ましくはアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基等であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、又はジフェニルアミノ基等。
【0174】
(17)アシルアミノ基
好ましくはホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基等であり、例えばホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、又は3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等。
【0175】
(18)アミノカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基であり、例えばカルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、又はモルホリノカルボニルアミノ基等。
【0176】
(19)アルコキシカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、又はN−メチルメトキシカルボニルアミノ基等。
【0177】
(20)アリールオキシカルボニルアミノ基
好ましくは炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、又はm−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等。
【0178】
(21)スルファモイルアミノ基
好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基であり、例えばスルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、又はN−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等。
【0179】
(22)アルキル及びアリールスルホニルアミノ基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基等であり、例えばメチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、又はp−メチルフェニルスルホニルアミノ基等。
(23)メルカプト基
【0180】
(24)アルキルチオ基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、又はn−ヘキサデシルチオ基等。
【0181】
(25)アリールチオ基
好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基、例えばフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、又はm−メトキシフェニルチオ基等。
【0182】
(26)ヘテロ環チオ基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基であり、例えば2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等。
【0183】
(27)スルファモイル基
好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基であり、例えばN−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル、又はN−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等。
(28)スルホ基
【0184】
(29)アルキル及びアリールスルフィニル基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基等であり、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、又はp−メチルフェニルスルフィニル基等。
【0185】
(30)アルキル及びアリールスルホニル基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基及び6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基であり、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、又はp−メチルフェニルスルホニル基等。
【0186】
(31)アシル基
好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基等であり、例えばアセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、又はp−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基等。
【0187】
(32)アルコキシカルボニル基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、又はn−オクタデシルオキシカルボニル基等。
【0188】
(33)アリールオキシカルボニル基
好ましくは炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、又はp−t−ブチルフェノキシカルボニル基等。
【0189】
(34)カルバモイル基
好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、又はN−(メチルスルホニル)カルバモイル基等。
【0190】
(35)アリール及びヘテロ環アゾ基
好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基等であり、例えばフェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、又は5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基等。
【0191】
(36)イミド基
好ましくはN−スクシニルイミド、N−フタルイミド基等)、ホスフィノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基であり、例えばジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、又はメチルフェノキシホスフィノ基等。
【0192】
(37)ホスフィニル基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基であり、例えばホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、又はジエトキシホスフィニル基等。
【0193】
(38)ホスフィニルオキシ基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基であり、例えばジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等。
【0194】
(39)ホスフィニルアミノ基
好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基であり、例えばジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基等。
【0195】
(40)シリル基
好ましくは炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基であり、例えばトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、又はフェニルジメチルシリル基等)等。
【0196】
これらの中で、R103、R104、R105、R106及びR107は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基がより好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基がさらに好ましい。特に好ましくは、R103、R104、R105、R106及びR107の中で、R104又はR106のいずれか一方が水素原子である。
【0197】
103、R104、R105、R106及びR107で表される基がさらに置換可能な基である場合、R103、R104、R105、R106及びR107で表される基はさらに置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR103、R104、R10、R106及びR107の欄で説明した置換基と同じでよい。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0198】
101及びR102はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表し、これらの基の好ましい範囲については、上記のR103、R104、R105、R106及びR107で表される置換基で説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基と同じである。R101及びR102はアルキル基、アリール基及びヘテロ環基が好ましく、アルキル基が最も好ましい。R101及びR102で表される基がさらに置換可能な基である場合、R101及びR102で表される基はさらに置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR103、R104、R105、R06及びR107で説明した置換基と同様である。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0199】
101とR102、R103とR104、R105とR106、及びR107とXの少なくとも一組は互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。
【0200】
Xはハロゲン原子、又はヘテロ原子を有する置換基(上記ヘテロ原子を介してベンゼン環に結合する)を表す。ここでヘテロ原子は炭素以外の原子であり、例えば酸素、窒素、硫黄等である。Xは好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基等である。これらの基の好ましい範囲については、上記のR103、R104、R105、R106及びR07で表される置換基の欄で説明したハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基等と同じである。
【0201】
Xはより好ましくは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、及びシリル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基である。
【0202】
nは0〜4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のR107は同じであっても異なっていても良く、また互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。
【0203】
一般式(CD2)で表される化合物として、別の好ましい化合物は、一般式(CD2−3)で表される化合物である。
【0204】
【化51】


【0205】
式中、R201、R202、及びR203はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R204はアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R201とR202、又は/及びR202とR204は互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成してもよい。Zは窒素原子及びベンゼン環中の2個の炭素原子とともに5員、6員又は7員の環を形成する非金属原子群を表す。R205はアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。ただし、R201〜R204の各にヒドロキシル基、カルボキシル基、又はスルホ基のいずれをも含まない。
【0206】
好ましくは、前記一般式(CD2−3)におけるR205が下記一般式(4)で表される基である。
【0207】
【化52】


【0208】
式中、Yは、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を介してベンゼン環に置換する基を表し、R206は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2以上の場合、2個以上のR06は同じでも、異なっていてもよく、隣り合った位置に結合した基が互いに結合して5員〜7員の、炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。
【0209】
以下に、本発明の式(CD2−3)で表される化合物について詳しく説明する。R20、R202、及びR203はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R201、R202、及びR203で表される置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、及びシリル基が挙げられる。
【0210】
更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、又は2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、又は4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含する。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、又はオレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。
【0211】
例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、又は2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、又は2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、又はN−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、又はn−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、又はp−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、又はジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、又は3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、
アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、又はモルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、又はN−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、又はm−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、又はp−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、又はm−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、又はp−メチルフェニルスルホニル)、
【0212】
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、又はn−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、又はジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、又はフェニルジメチルシリル)が挙げられる。
【0213】
201〜R203で表される基が更に置換可能な基である場合、R201〜R203で表される基は更に置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR201〜R03で説明した置換基と同じ意味の基を表す。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0214】
204とR205は、それぞれアルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、そのアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基の好ましい範囲については、前記のR201〜R203で表される置換基で説明したアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基と同じ意味の基を表す。R204又はR205で表される基が更に置換可能な基である場合、R204又はR205で表される基は更に置換基を有してもよく、その場合の好ましい置換基はR201〜R203で説明した置換基と同じ意味の基を表す。2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0215】
201とR202、又は/及びR202とR204は互いに結合して5員、6員又は7員の、炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。
【0216】
以下に、式(CD2−3)で表される化合物の好ましい範囲について説明する。R20〜R203は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルキル、及びアリールスルホニルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基が更に好ましい。特に好ましくは、R201又はR203のいずれか一方が水素原子である。R202はアルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましい。
【0217】
204はアルキル基が好ましい。
【0218】
Zは隣接する窒素原子とともに1,2,3,4−テトラヒドロキノン骨格又はインドリン骨格を形成するのが好ましく、Zを構成する炭化水素の水素原子は置換基によって置換されていてもよい。
【0219】
205はアルキル基又はアリール基が好ましく、下記式(4)で表される置換フェニル基であることがさらに好ましい。
【0220】
【化53】


【0221】
式中、Yは、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を介してベンゼン環に置換する基を表し、R206は水素原子又は置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2以上の場合、2個以上のR206は同じでも、異なっていてもよく、隣り合った位置に結合した基が互いに結合して5員〜7員の、炭素環又はヘテロ環を形成してもよい。
【0222】
Yとしては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、及びシリル基が挙げられる。これらの基の好ましい範囲については、前記のR201〜R203で表される置換基で説明したものと同じである。
【0223】
Yとしては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びシリル基がより好ましく、さらに好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、及びアリールスルホニルアミノ基が挙げられる。
【0224】
206は置換基を表し、R206で表される置換基は、R201〜R203で説明した置換基と同じ意味の基を表す。
【0225】
206はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、又はアルキルチオ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアシルアミノ基がさらに好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。
【0226】
式(CD2−3)で表される化合物においては、R205−SO−NH−CO−を水素原子に置き換えた化合物のClogP値が3.0以上であることが好ましい。ClogP値は化合物の水/オクタノール分配係数の計算値であり、本発明者らはCambridge Soft Corporation製のChem Draw Ultra Ver.5.0を用いて計算した。
【0227】
以下に本発明における一般式(CD2)、(CD2−2)、および(CD2−3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定される訳ではない。
【0228】
【化54】


【0229】
【化55】


【0230】
【化56】


【0231】
【化57】


【0232】
本発明における一般式(CD2)、(CD2−2)、および(CD2−3)で表される化合物は、同一画像形成層中又は異なる画像形成層中に2種以上を併用してもよく、本発明以外の発色現像薬と併用してもよい。本発明以外の発色現像薬としては、ヨーロッパ公開特許1113322号、同1113323号、同1113324号、同1113325号、同1113326号、同1158358号、同1158359号、同1160621号、同1164417号、同1164418号、同1168071号、米国特許6,319,640B1号、国際公開特許01/96946号、及び同01/96954号に記載された化合物が挙げられる。具体的には、例えば、下記発色現像薬が挙げられる。
【0233】
【化58】


【0234】
【化59】


【0235】
【化60】


【0236】
【化61】


【0237】
3.一般式(CD3)で表される化合物
【0238】
【化62】



【0239】
上記一般式(CD3)において、Qは炭素原子でNHNH−Vと結合する5員〜7員の不飽和環を表し、Vはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。
【0240】
一般式(CD3)で表される化合物は、ヒドラジン系現像主薬と総称される現像主薬である。式中、Qは炭素原子でNHNH−Vと結合する5員〜7員の不飽和環を表し、Vはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。Qで表される5員〜7員の不飽和環の好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、およびチオフェン環などが挙げられ、これらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。これらの環は、前記の一般式(CD2−3)のR201、R02,及びR203で表わされる置換基として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0241】
で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、およびN−ベンジルカルバモイル)が挙げられる。
【0242】
で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、および2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Vで表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、およびベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
【0243】
で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、および4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。V6で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、および4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
【0244】
で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40であり、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、およびN−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。V6で表される基は、さらに、置換可能な位置に前記の一般式(CD2−3)のR201、R202,及びR203で表わされる置換基として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0245】
一般式(CD3)で表される化合物の中でも、Qが5員または6員の不飽和環であるものが好ましく、より好ましくは、Qは、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、またはこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環である。
また、Vはカルバモイル基であるものが好ましく、特に好ましくは、Vは窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基である。
【0246】
一般式(CD3)で表される化合物の合成は、特開平9−152702号公報、同8−286340号公報、同9−152700号公報、同9−152701号公報、同9−152703号公報、および同9−152704号公報等に記載の方法に従って実施することができる。以下に、一般式(CD3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明に用いられる化合物はこれらの具体例によって限定されるものではない。
【0247】
【化63】


【0248】
【化64】


【0249】
【化65】


【0250】
【化66】


【0251】
【化67】


【0252】
【化68】


【0253】
【化69】


【0254】
【化70】


【0255】
【化71】


【0256】
本発明における発色現像薬の添加量は0.05mmol/m以上1.0mmol/m以下であることが好ましく、より好ましくは0.10mmol/m以上0.80mmol/m以下で、最も好ましくは0.15mmol/m以上0.60mmol/m以下である。
本発明における発色現像薬は、第1の画像形成層、およびカプラーを含有する第2の画像形成層のいずれに含有されても良いが、第2の画像形成層に含有されるのが好ましい。
【0257】
本発明における発色現像薬は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルセバケートあるいはトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレオイル−N−メチルタウリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤を添加して機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。このとき、油滴の粘度や屈折率の調整の目的でαメチルスチレンオリゴマーやポリ(t−ブチルアクリルアミド)等のポリマーを添加することも好ましい。
【0258】
また、固体微粒子分散法としては、発色現像薬の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm以上1000ppm以下の範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、発色現像薬の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.05μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上2μm以下の微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
【0259】
(銀イオンのための還元剤)
本発明に用いられる銀イオンのための還元剤は銀画像を形成する還元剤である。
【0260】
本発明に用いられる銀イオンのための還元剤として、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)を用いることが出来る。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明に用いられる銀イオンのための還元剤として、好ましくは下記一般式(R)で表されるビスフェノール類である。
【0261】
【化72】



【0262】
一般式(R)において、R1dおよびR1d’は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。R2dおよびR2d’は各々独立に水素原子、ベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR4d−基を表す。R4dは水素原子、置換又は無置換のアルキル基を表す。R3dおよびR3d’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
【0263】
一般式(R)において、R1dおよびR1d’は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。好ましくは置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、前記一般式(1)のR1aおよびR2aの例に挙げたうち、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、アリール及びアルキルスルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、ハロゲン原子等があげられる。
【0264】
1dおよびR1d’として好ましくは炭素数1〜15の1級、2級または3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、および1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。R1dおよびR1d’としてより好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
【0265】
2dおよびR2d’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、R3dおよびR3d’も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、前記一般式(1)のR1aおよびR2aの例に挙げた置換基がある。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、前記一般式(1)のR1aおよびR2aの例に挙げた置換基がある。好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、およびアシルアミノ基が挙げられる。
【0266】
2dおよびR2d’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、およびメトキシエチル基などが挙げられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはt−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
3dおよびR3d’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0267】
Lは−S−基または−CHR4d−基を表す。R4dは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R4dの無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、および3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などが挙げられる。アルキル基の置換基の例はR1dの置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリール及びアルキルスルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、およびスルファモイル基などが挙げられる。
【0268】
Lは好ましくは−CHR4d−基である。R4dとして好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、または3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R4dとして特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
【0269】
一般式(R)の化合物としてより好ましい構造は、R1dおよびR1d’がメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、または1−メチルシクロプロピル基であり、R2dおよびR2d’がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、またはメトキシエチル基であり、R3dおよびR3d’が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基であり、Lが−CHR4d−基であり、R4dがメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、または3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
【0270】
一般式(R)の化合物としてさらに好ましい構造は、R1dおよびR1d’がメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、または1−メチルシクロヘキシル基であり、R2dおよびR2d’がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはt−ブチル基であり、R3dおよびR3d’が水素原子であり、Lが−CHR4d−基であり、R4dが水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
【0271】
1d、R1d’が3級のアルキル基でR2d、R2d’がメチル基の場合、R4dは炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等)が好ましい。
1d、R1d’が3級のアルキル基でR2d、R2d’がメチル基以外のアルキル基の場合、R4dは水素原子が好ましい。
1d、R1d’が3級のアルキル基でない場合、R4dは水素原子または2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R4dの2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
【0272】
以下に本発明の一般式(R)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0273】
【化73】



【0274】
本発明において還元剤の添加量は0.1g/m以上3.0g/m以下であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m以上2.0g/m以下で、さらに好ましくは0.3g/m以上1.0g/m以下である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%以上50モル%以下含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%以上30モル%以下であり、10モル%以上20モル%以下で含まれることがさらに好ましい。
還元剤は第1の画像形成層以外に他の層も含有してもよい。ただし、カプラーを含有する第2の画像形成層が含有する還元剤の量は第1の画像形成層に対して50質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、さらには実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0275】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。好ましくは、発色現像約と同様に固体微粒子分散物にして添加される。
【0276】
(ポリマーラテックス)
本発明における第2の画像形成層のバインダーの少なくとも10質量%はポリマーラテックスが好ましい。好ましくは30質量%以上、より好ましくは70質量%以上がポリマーラテックスである。本発明の非感光性層に用いることの出来るポリマーラテックスは、「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%)/ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
【0277】
好ましくは、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10モル%以上70モル%以下共重合したポリマーラテックスである。
一般式(M)
CH=CR01−CR02=CH
式中、R01およびR02は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。さらに好ましくは、R01およびR02が共に水素原子または一方が水素原子で他方がメチル基である。
より好ましくは、一般式(M)で表されるモノマー成分の含有率が20モル%以上60モル%以下のポリマーラテックスである。
【0278】
<ラテックスの具体例>
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。
多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0279】
・P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
・P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
・P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
・P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
・P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
・P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
・P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
・P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
・P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
・P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
・P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
・P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
・P−14;−MMA(63)−EA(35)−AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
・P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
・P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
・P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃)
・P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃)
【0280】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0281】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0282】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0283】
本発明における第2の画像形成層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は非感光性層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0284】
本発明における第2の画像形成層の全バインダー量は好ましくは0.2g/m〜10.0g/m、より好ましくは0.5g/m〜5.0g/mの範囲である。本発明における非感光性層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0285】
(非感光性有機銀塩)
1)組成
本発明に用いることのできる非感光性有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。本発明に用いることのできる非感光性有機銀塩としては、好ましくは、炭素数が10〜30、より好ましくは15〜28の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0286】
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸銀含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸銀含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
【0287】
さらに、脂肪酸銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
【0288】
2)形状
本発明に用いることができる脂肪酸銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の脂肪酸銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの脂肪酸銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5を越える長針状粒子に比べて熱現像時のかぶりが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の脂肪酸銀塩とは、次のようにして定義する。脂肪酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、脂肪酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
【0289】
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
【0290】
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.3μm以下が好ましく0.1μm以上0.23μm以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
【0291】
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。
本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
【0292】
脂肪酸銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。脂肪酸銀塩の形状の測定方法としては脂肪酸銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、脂肪酸銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば液中に分散した脂肪酸銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から求めることができる。
【0293】
3)調製
本発明に用いられる脂肪酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等を参考にすることができる。
【0294】
なお、脂肪酸銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、かぶりが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の脂肪酸銀塩1モルに対し1モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
【0295】
本発明において脂肪酸銀塩水分散液と感光性銀塩水分散液をそれぞれ独立に調製して後に混合して熱現像感光材料を製造することが可能である。また、2種以上の脂肪酸銀塩水分散液、あるいは2種以上の感光性銀塩水分散液を混して用いることは、写真特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
【0296】
4)添加量
本発明の脂肪酸銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.05g/m〜3.0g/mが好ましく、より好ましくは0.1g/m〜1.8g/m、さらに好ましくは0.2g/m〜1.2g/mである。
【0297】
(感光性ハロゲン化銀)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、又はヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。
粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。
また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀又は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0298】
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
【0299】
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0300】
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、及びジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0301】
5)重金属
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第6族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することができる。より好ましくは、周期律表の第6族〜第10族の金属又は金属錯体を含有することができる。周期律表の第6族〜第10族の金属又は金属錯体の中心金属として、好ましい具体例は、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及び鉄である。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モル〜1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0302】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)4−、[Fe(CN)3−、[Ru(CN)4−、[Os(CN)4−、[Co(CN)3−、[Rh(CN)3−、[Ir(CN)3−、[Cr(CN)3−、および[Re(CN)3−などが挙げられる。
本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
【0303】
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、及びテトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
【0304】
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、又はアミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0305】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10−5モル以上1×10−2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10−4モル以上1×10−3モル以下である。
【0306】
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感及びテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、又は化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
【0307】
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
【0308】
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0309】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)4−)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0310】
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。
また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
【0311】
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やかぶりの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10−6モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10−4モル〜10−1モルである。
【0312】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0313】
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法若しくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0314】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価又は+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。
代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、及びピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
【0315】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレン及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10−8モル以上10−2モル以下、好ましくは10−7モル以上10−3モル以下程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル以上10−3モル以下、より好ましくは10−6モル以上5×10−4モル以下である。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40℃〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0316】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、アミノイミノメタンスルフィン酸が好ましく、その他に塩化第一スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
【0317】
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における黒白熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
【0318】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1、タイプ2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
【0319】
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28頁〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。
これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0320】
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開2003−114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開2003−114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開2003−114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開2003−114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開2003−114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開2003−75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開2003−75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特開2004−239943号に記載の一般式(1)と同義)、又は化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特開2004−245929号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0321】
【化74】



【0322】
一般式(1)及び(2)中、RED、REDは還元性基を表す。Rは炭素原子(C)とREDとともに5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、もしくはヘキサヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R、R、およびRは水素原子又は置換基を表す。Lv、Lvは脱離基を表す。EDは電子供与性基を表す。
【0323】
【化75】



【0324】
一般式(3)、(4)及び(5)中、Zは窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。R、R、R、R、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は水素原子または置換基を表す。R20は水素原子又は置換基を表すが、R20がアリール基以外の基を表すとき、R16、R17は互いに結合して芳香族環または芳香族ヘテロ環を形成する。R、R12はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m1は0〜3の整数を表し、m2は0〜4の整数を表す。Lv、Lv、Lvは脱離基を表す。
【0325】
【化76】



【0326】
一般式(6)および(7)中、RED、REDは還元性基を表す。R21〜R30は水素原子又は置換基を表す。Zは−CR111112−、−NR113−、又は−O−を表す。
111、R112はそれぞれ独立して水素原子又は置換基を表す。R113は水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
【0327】
【化77】



【0328】
一般式(8)中、REDは還元性基でありアリールアミノ基またはヘテロ環アミノ基を表す。R31は水素原子又は置換基を表す。Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。Lvは脱離基でありカルボキシ基もしくはその塩または水素原子を表す。
【0329】
【化78】



【0330】
一般式(9)で表される化合物は脱炭酸を伴う2電子酸化が起こった後に、さらに酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子又は置換基を表す。ZはC=Cとともに5員又は6員のヘテロ環を形成する基を表す。ZはC=Cとともに5員又は6員のアリール基又はヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、又はカチオンを表す。一般式(9)中、R32、R33、およびZは化学反応式(1)中のものと同義である。ZはC−Cとともに5員又は6員の環状脂肪族炭化水素基又はヘテロ環基を形成する基を表す。
【0331】
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特開2004−245929号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0332】
【化79】



【0333】
一般式(10)中、REDは1電子酸化される還元性基をあらわす。YはREDが1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。QはREDとYを連結する連結基を表す。
【0334】
【化80】



【0335】
一般式(11)で表される化合物は酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子又は置換基を表す。ZはC=Cとともに5員又は6員のヘテロ環を形成する基を表す。ZはC=Cとともに5員又は6員のアリール基又はヘテロ環基を形成する基を表す。ZはC−Cとともに5員又は6員の環状脂肪族炭化水素基又はヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、又はカチオンを表す。一般式(11)中、R32、R、Z、およびZは化学反応式(1)中のものと同義である。
【0336】
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、又は「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開2003−156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
【0337】
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
【0338】
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及びベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、及び5−メルカプトテトラゾール基である。
【0339】
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、及び3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
【0340】
また窒素またはリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(又はヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基など)又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。リンの4級塩構造としては、ホスホニオ基(トリアルキルホスホニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、アルキルジアリール(又はヘテロアリール)ホスホニオ基、トリアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基など)が挙げられる。
より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、又はイソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
【0341】
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF、PF、及びPh等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオン又はメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
【0342】
吸着性基として窒素またはリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(X)で表される。
【0343】
【化81】



【0344】
一般式(X)においてP、Rはそれぞれ独立して増感色素の部分構造ではない窒素またはリンの4級塩構造を表す。Q、Qはそれぞれ独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)または(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1または2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
【0345】
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は、感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、黒白熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。
またこれらの工程中の複数回に分けて添加することもできる。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
【0346】
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は、水、メタノール、及びエタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高く又は低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高く又は低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0347】
本発明におけるタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。これらの化合物の添加時期は、増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9モル〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10モル〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
【0348】
10)吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0349】
式(I) A−(W)n−B
式(I)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
【0350】
式(I)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、又はハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(又はその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、又はエチニル基等が挙げられる。
【0351】
吸着基としてメルカプト基(又はその塩)とは、メルカプト基(又はその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(又はその塩)の置換したヘテロ環基又はアリール基又はアルキル基を表す。
ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、及びトリアジン環基等が挙げられる。
また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても良い。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li、Na、K、Mg2+、Ag、又はZn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、及びホスホニウムイオンなどが挙げられる。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、”−S−”基又は”−Se−”基又は”−Te−”基又は”=N−”基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、及びプリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、及びベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、及びイミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
【0352】
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
【0353】
式(I)中、Aで表される吸着基として好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、又は2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、又はインダゾール基など)であり、さらに好ましい吸着基は2−メルカプトベンズイミダゾール基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基である。
【0354】
式(I)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。
具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、又はヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO−、−O−、−S−、−NR−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでRは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基、又はアリール基を表わす。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
【0355】
式(I)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン−6−オール類、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、及びハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類等から水素原子を1つ除去した残基が挙げられる。もちろん、これらは任意の置換基を有していても良い。
【0356】
式(I)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150頁−208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282頁−344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5 ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton−Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0V〜約0.7Vの範囲である。
【0357】
式(I)中、Bで表される還元基は好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類、フェノール類、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、又は3−ピラゾリドン類から水素原子を1つ除去した残基である。
【0358】
本発明における式(I)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基又はポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
【0359】
本発明における式(I)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明における式(I)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
【0360】
以下に本発明における式(I)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0361】
【化82】



【0362】
さらに欧州特許1308776A2号明細書p73〜p87に記載の具体的化合物1〜30、1”−1〜1”−77も本発明における吸着基と還元性基を有する化合物の好ましい例として挙げられる。
【0363】
これらの化合物は公知の方法にならって容易に合成することができる。本発明における式(I)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
【0364】
本発明における式(I)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加することがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。また画像形成層に使用するのが好ましいが、画像形成層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6モル以上1モル以下、好ましくは1×10−5モル以上5×10−1モル以下、さらに好ましくは1×10−4モル以上1×10−1モル以下である。
【0365】
本発明における式(I)の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸又は塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
【0366】
11)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる黒白熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。
感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0367】
12)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m以上0.6g/m以下であることが好ましく、0.05g/m以上0.4g/m以下であることがさらに好ましく、0.07g/m以上0.3g/m以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
【0368】
13)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0369】
14)ハロゲン化銀の塗布液への混合
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0370】
(現像促進剤)
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物が好ましく用いられる。また、特開2002−311533号、特開2002−341484号明細書に記載されたフェノール系の化合物も好ましい。特に特開2003−66558号明細書に記載のナフトール系の化合物が好ましい。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1モル%以上20モル%以下の範囲で使用され、好ましくは0.5モル%以上10モル%以下の範囲で、より好ましくは1モル%以上5モル%以下の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物又は乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、若しくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号、特開2002−278017号明細書に記載ヒドラジン系の化合物及び特開2003−66558号明細書に記載されているナフトール系の化合物がより好ましい。
【0371】
本発明における特に好ましい現像促進剤は、下記一般式(A−1)及び(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1)
−NHNH−Q
式中、Qは炭素原子で−NHNH−Qと結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Qはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
【0372】
一般式(A−1)において、Qで表される芳香族基又はヘテロ環基としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、またはチオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0373】
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基を挙げることができる。
【0374】
で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、およびN−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
【0375】
で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、および2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Qで表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、およびベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
【0376】
で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、および4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Qで表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、および4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
【0377】
で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル、およびN−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Qで表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQで表される5員〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0378】
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Qとしては5員〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びこれらの環がベンゼン環若しくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Qはカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
【0379】
【化83】



【0380】
一般式(A−2)においてRはアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、または炭酸エステル基を表す。R、Rはそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。RとRは互いに連結して縮合環を形成してもよい。
は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、またはシクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。Rは好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、またはベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。Rは水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基又はアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はRと同様である。Rがアシルアミノ基である場合RはRと連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
【0381】
一般式(A−2)においてRとRが互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、Rはカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。Rはアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0382】
以下、本発明における現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0383】
【化84】



【0384】
(水素結合性化合物)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)またはアミノ基(−NHR、Rは水素原子または置換又は無置換のアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アリール及びアルキルスルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(HD)で表される化合物である。
【0385】
【化85】


【0386】
一般式(HD)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アリール及びアルキルスルホニル基、およびホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、および4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
【0387】
21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、および2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、および3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
【0388】
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、およびベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、およびN−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0389】
21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではRないしR23が同一の基である場合が好ましい。
【0390】
以下に本発明における一般式(HD)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0391】
【化86】


【0392】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
本発明の一般式(HD)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(HD)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
【0393】
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の一般式(HD)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明の一般式(HD)の化合物は還元剤に対して、1モル%〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20モル%〜100モル%の範囲である。
【0394】
(第1の画像形成層のバインダー)
本発明における第の画像形成層のバインダーはいかなる被膜形成性ポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゴム類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。
【0395】
本発明における特に好ましくは、第1の画像形成層のバインダーの50質量%以上がポリマーラテックスである。
【0396】
本発明では、第1の画像形成層のバインダーのガラス転移温度は0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
【0397】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。
Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。
尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup,E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
【0398】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その質量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0399】
本発明においては、第1の画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である水系溶媒を用いた塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
【0400】
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0401】
疎水性ポリマーラテックスとしては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0402】
好ましくは、前記バインダーの50質量%以上が、前記第2画像形成層に用いられるポリマーラテックスとして説明した前記一般式(M)で表されるモノマー成分を有するポリマーラテックスである。
第1の画像形成層に用いられる具体的ポリマーラテックスは、前記第2画像形成層に用いられるポリマーラテックスと同一であっても異なっても良い。
【0403】
<好ましいラテックス>
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンもしくはイソプレンのモノマー単位との質量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンもしくはイソプレンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60質量%〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンもしくはイソプレンの和に対して1質量%〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2質量%〜5質量%含有する。
本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0404】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−8,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
【0405】
本発明の黒白熱現像感光材料の第1の画像形成層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0406】
本発明における第1の画像形成層の全バインダー量は好ましくは0.2g/m〜30g/m、より好ましくは1g/m〜15g/m、さらに好ましくは2g/m〜10g/mの範囲である。第1の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0407】
第1の画像形成層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の質量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。また、全バインダー/ハロゲン化銀の質量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0408】
(かぶり防止剤)
1)有機ポリハロゲン化合物
以下、本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
【0409】
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z)(Z)X
【0410】
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基、または置換又は無置換のヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、ZおよびZはハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6の置換又は無置換のアルキル基、炭素数6〜12の置換又は無置換のアリール基、または窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
【0411】
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキルまたはアリールアリール及びアルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基等があげられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリールアリール及びアルキルスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
【0412】
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環アリール及びアルキルスルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
およびZは好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
【0413】
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO−、−C(=O)N(R)−、−SON(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、置換又は無置換のアリール基、または置換又は無置換のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子、または置換又は無置換のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0または1を表し、好ましくは1である。
【0414】
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基またはヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることが出来る。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基またはその塩、SOH基またはその塩、POH基またはその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
【0415】
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0416】
【化87】


【0417】
上記以外の本発明に用いることが出来るポリハロゲン化合物としては、US3874946号、US4756999号、US5340712号、US5369000号、US5464737号、US6506548号、特開昭50−137126号、同50−89020号、同50−119624号、同59−57234号、特開平7−2781号、同7−5621号、同9−160164号、同9−244177号、同9−244178号、同9−160167号、同9−319022号、同9−258367号、同9−265150号、同9−319022号、同10−197988号、同10−197989号、同11−242304号、特開2000−2963、特開2000−112070、特開2000−284410、特開2000−284412、特開2001−33911、特開2001−31644、特開2001−312027号、特開2003−50441号明細書の中で当該発明の例示化合物として挙げられている化合物が好ましく用いられるが、特に特開平7−2781号、特開2001−33911、特開2001−312027号に具体的に例示されている化合物が好ましい。
【0418】
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10−4モル〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3モル〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは1×10−2モル〜0.2モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0419】
2)その他のかぶり防止剤
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
【0420】
本発明における黒白熱現像感光材料はかぶり防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は熱現像感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、画像形成層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、画像形成層に加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0421】
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0422】
2)色調剤
本発明の黒白熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
【0423】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明の画像形成層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0424】
4)染料、顔料
本発明の画像形成性層には、前記フタロシアニン化合物とともに、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
【0425】
5)造核剤
本発明の黒白熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0426】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有させることが好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1mあたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m〜500mg/mが好ましく、0.5mg/m〜100mg/mがより好ましい。
【0427】
(塗布液の調製および塗布)
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0428】
(層構成および構成成分)
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1の画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含んでも良い。
【0429】
本発明の黒白熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
【0430】
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として熱現像感光材料に設けられる。
【0431】
1)表面保護層
本発明における黒白熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特開2000−171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m当たり)としては0.3g/m〜4.0g/mが好ましく、0.3g/m〜2.0g/mがより好ましい。
【0432】
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m当たり)としては0.3g/m〜5.0g/mが好ましく、0.3g/m〜2.0g/mがより好ましい。
【0433】
2)アンチハレーション層
本発明の黒白熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。好ましくは、バック層もしくは画像形成層と支持体との間の層である。
【0434】
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
本発明の黒白熱現像感光材料は、前記の金属フタロシアニン染料をアンチハレーション染料として用いるのが好ましい。
【0435】
染料の添加量は、一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001g/m〜1g/m程度である。
【0436】
3)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
本発明の黒白熱現像感光材料は、ハレーション防止層として、前記の金属フタロシアニン化合物を含有する層であることが好ましい。
【0437】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300nm〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特開平2001−100363などに記載されている。
このような着色剤は、通常、0.1mg/m〜1g/mの範囲で添加され、添加する層としては画像形成層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
【0438】
4)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m〜400mg/m、より好ましくは5mg/m〜300mg/mである。
【0439】
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。平均粒径は0.5μm〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0μm〜8.0μm、さらに好ましくは2.0μm〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分布の変動係数としては50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
【0440】
また、画像形成層面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0441】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0442】
本発明において、マット剤は熱現像感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0443】
5)膜面pH
本発明の黒白熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000−284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0444】
6)硬膜剤
本発明の画像形成層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0445】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0446】
7)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0447】
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の黒白熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特開2003−57780号および特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特開2003−57780号および特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
【0448】
本発明においてフッ素系界面活性剤は画像形成層面、バック面のいずれにも使用することができ、両方の面に使用することが好ましい。また、前述の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減もしくは除去しても十分な性能が得られる。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は画像形成層面、バック面それぞれに0.1mg/m〜100mg/mの範囲で、より好ましくは0.3mg/m〜30mg/mの範囲、さらに好ましくは1mg/m〜10mg/mの範囲である。特に特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01mg/m〜10mg/mの範囲が好ましく、0.1mg/m〜5mg/mの範囲がより好ましい。
【0449】
8)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO、SnOが好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnOに対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiOに対してはNb、Ta等の添加が好ましい。
特にSbを添加したSnOが好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m〜1000mg/mの範囲で、より好ましくは10mg/m〜500mg/mの範囲、さらに好ましくは20mg/m〜200mg/mの範囲である。
【0450】
本発明の帯電防止層は画像形成層面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。
本発明の帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
【0451】
9)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
【0452】
10)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
【0453】
11)塗布方式
本発明における黒白熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN&HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁〜536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
【0454】
本発明における画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。本発明における画像形成層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0455】
本発明の塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明の好ましいインライン混合機は特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
【0456】
本発明の塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
【0457】
本発明の黒白熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70℃〜90℃、加熱時間が2秒〜10秒の範囲である。本発明の好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
【0458】
また、本発明の黒白熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0459】
12)包装材料
本発明の黒白熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50mL/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは10mL/atm・m・day以下、さらに好ましくは1.0mL/atm・m・day以下である。水分透過率は10g/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
【0460】
13)その他の利用できる技術
本発明の黒白熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
【0461】
(画像形成方法)
1)画像露光
本発明の黒白熱現像感光材料は、いかなる手段によって画像露光しても良い。好ましくは、レーザー光で走査露光される。本発明で用いることの出来る好ましいレーザーは、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0462】
2)熱現像
本発明の黒白熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒である。
【0463】
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2段〜6段に分けて先端部については1℃〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
【0464】
熱現像機の小型化および熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。
本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号および同−287668号に記載されている。
【0465】
(本発明の用途)
本発明の黒白熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、感光材料上において画像を観察するモノシート型の医療診断用の熱現像感光材料であることが好ましいが、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されてもよい。
【実施例】
【0466】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0467】
実施例1.
1.PET支持体の作製
1−1.製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
【0468】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cmで巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0469】
1−2.表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で放電処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/mの処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0470】
1−3.下塗り
1)下塗層塗布液の作製
処方(1)(画像形成層側下塗り層用)
・高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 46.8g
・東洋紡績(株)製バイロナールMD−1200 10.4g
・ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル(平均エチレンオキシド数=8.5)1質量%溶液 11.0g
・綜研化学(株)製MP−1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
・蒸留水 931mL
【0471】
処方(2)(バック面第1層用)
・スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 130.8g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)
・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液)
5.2g
・ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
・ポリスチレン粒子分散物(平均粒子径2μm、20質量%) 0.5g
・蒸留水 854mL
【0472】
処方(3)(バック面側第2層用)
・SnO/SbO(9/1質量比、平均粒径0.5μm、17質量%分散物)
84g
・ゼラチン 7.9g
・信越化学工業(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液) 10g
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
・NaOH(1質量%) 7g
・プロキセル(アビシア社製) 0.5g
・蒸留水 881mL
【0473】
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6mL/m(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(2)をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7mL/mになるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方(3)をワイヤーバーでウエット塗布量が8.4mL/mになるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0474】
2.バック層
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液を平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
【0475】
(染料固体微粒子分散液の調製)
シアニン染料−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で、6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
【0476】
(ハレーション防止層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、等電点6.6のゼラチン(ニッピ(株)製ABAゼラチン)37g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに上記染料固体微粒子分散液36g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を73g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液43mL、SBRラテックス(スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体;質量比68.3/28.7/3.0)10質量%液82gを混合し、完成液量773mLのハレーション防止層塗布液とした。完成液のpH値は、6.3であった。
【0477】
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、等電点4.8のゼラチン(宮城化学工業(株)製PZゼラチン)43g、ベンゾイソチアゾリノン0.21g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/Lの酢酸ナトリウム水溶液8.1mL、単分散ポリ(エチレングリコールジメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)微粒子(平均粒子サイズ7.7μm、粒径標準偏差0.3μm)0.93g、流動パラフィンの10質量%乳化物を5g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を10g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10mL、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液17mL、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4mL、エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比96.4/3.6)ラテックス20質量%液30mLを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液50mLを混合し、完成液量855mLのバック面保護層塗布液とした。完成液のpH値は6.2であった。
【0478】
2)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、アンチハレーション層塗布液をゼラチン塗布量が0.54g/mとなるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.85g/mとなるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
【0479】
3.画像形成層、中間層、及び表面保護層
3−1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mLに1質量%臭化カリウム溶液3.1mLを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mLに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mLに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
【0480】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10−3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
【0481】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0482】
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mLに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10−4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10−3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
【0483】
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10−3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10−4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10−3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
【0484】
《塗布液用混合ハロゲン化銀乳剤Aの調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。
さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物1,2,3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10−3モルになる量を添加した。
吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物1,2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり5×10−3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
【0485】
2)脂肪酸銀分散物の調製
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル(株)製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96%、それ以外にリグノセリン酸が2%、アラキジン酸が2%、エルカ酸0.001%含まれていた。
【0486】
<脂肪酸銀分散物の調製>
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。
このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0487】
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0488】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった(a、b、cは本文の規定)。
【0489】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kgおよび水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0490】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cmに調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0491】
3)銀イオンのための還元剤分散物の調製
還元剤−1(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0492】
4)発色現像薬の分散物調製
還元剤−1分散物と同様にして、表1に示した発色現像薬の分散物を調製した。得られた還元剤粒子はメジアン径0.20μm〜0.50μm、最大粒子径1.0μm〜5.0μm以下であった。
【0493】
5)カプラー分散物の調製
還元剤−1分散物と同様にして、表1に示すカプラーの分散物を調製した。得られたカプラー粒子はメジアン径0.20μm〜0.50μm、最大粒子径1.0μm〜5.0μm以下であった。
比較のカプラーとして下記のCp−A〜Eを用いた。
<比較のカプラー構造>
【0494】
【化88】



【0495】
6)水素結合性化合物分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバール<P−203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0496】
7)現像促進剤分散物の調製
<現像促進剤−1分散物の調製>
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP−203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0497】
現像促進剤−2の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%の分散液を得た。
【0498】
8)ポリハロゲン化合物分散物の調製
<有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製>
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP−203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0499】
<有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製>
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0500】
(ベンゾトリアゾール銀分散物Aの調製)
水酸化ナトリウム360gを水9100mLで溶かした液にベンゾトリアゾール1kgを添加し、60分間攪拌し、溶解した液をベンゾトリアゾールナトリウム溶液BTとする。蒸留水1400mLに、アルカリ処理脱イオンゼラチン55.9gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、70℃に液温を保ち、硝酸銀54.0gに蒸留水を加え400mLに希釈した溶液Aとベンゾトリアゾールナトリウム溶液BT397mLを蒸留水にて容量420mLに希釈した溶液Bを調製し、ダブルジェット法で、溶液Bをステンレス製反応壷へ20mL/分の一定流量で11分間かけて220mL添加し、溶液Aを溶液Bの添加開始1分後に、ステンレス製反応壷へ20mL/分の一定流量で10分間かけて200mL添加した。その後、6分間後に溶液AとBを同時に33.34mL/分の一定流量で6分間かけて200mLずつ添加した。温度を45℃に降下後、攪拌しながらデモールN(10%水溶液、花王(株)製)92mLを添加し、1mol/L濃度の硫酸を用いてpHを4.1に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。
その後、温度を50℃に調整し、攪拌しながら1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを51mL添加後、ベンゾイソチアゾリノンのメタノール溶液(3.5%)11mL、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウムのメタノール溶液(1%)7.7mL添加し、80分間攪拌後、1mol/L濃度の硫酸を用いてpHを7.8に調整し、ベンゾトリアゾール銀分散物を調製した。
【0501】
調製できたベンゾトリアゾール銀分散物の粒子は、平均円相当径0.172μm(変動係数18.5%)、平均長辺径0.32μm、平均短辺径0.09μm、平均長短辺比0.298の粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い300個の粒子の平均から求めた。
【0502】
9)フタラジン溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP−203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6−イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、5質量%溶液を調製した。
【0503】
10)添加剤溶液の調製
<メルカプト化合物−1水溶液の調製>
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
<メルカプト化合物−2水溶液の調製>
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
<フタル酸水溶液の調製>
フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を調製した。
【0504】
11)ラテックスバインダーの合成
《SBRラテックス液(TP−1)の調製》
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06mL、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mLに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NHイオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。
【0505】
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30Sを使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)、pH8.4。
【0506】
《イソプレンラテックス(TP−2)液の調製》
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1mol/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mLに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mLに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NHイオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.3に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックス(TP−2)を1248g得た。
【0507】
上記ラテックスは平均粒径113nm、Tg=15℃、固形分濃度41.3質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.4質量%、イオン伝導度5.23mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
【0508】
3−2.塗布液の調製
1)第1の画像形成層塗布液の調製
脂肪酸銀分散物1000gに、水、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、SBRラテックス(TP−1)、イソプレンラテックス(TP−2)、還元剤−1分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、フタラジン溶液、メルカプト化合物−1水溶液、およびメルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前に塗布液用混合ハロゲン化銀乳剤Aを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
【0509】
2)第2画像形成層塗布液1〜20の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)625g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27mL、イソプレンラテックス(TP−2)42質量%液6737mL、発色現像剤分散物(表1に示す)、カプラー分散物(表1に示す)、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9mL/mになるようにコーティングダイへ送液した。
【0510】
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水704mLに溶解し、ベンゾトリアゾール銀分散物Aを146g添加し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mLを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mLをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が35mL/mになるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
【0511】
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤(F−1)の2質量%溶液を5.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の2質量%水溶液を5.4mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%溶液を23mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44mL、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mLを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3mL/mになるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0512】
3−3.熱現像感光材料の作製
1)熱現像感光材料1〜20の作製
バック面と反対の面に下塗り面から第1の画像形成層、第2画像形成層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m)は以下の通りである。
【0513】
《第1の画像形成層》
・脂肪酸銀 5.27
・ポリハロゲン化合物−1 0.14
・ポリハロゲン化合物−2 0.28
・フタラジン化合物−1 0.18
・SBRラテックス(TP−1) 3.20
・イソプレンラテックス(TP−2) 7.46
・銀イオンのための還元剤−1 0.77
・水素結合性化合物−1 0.112
・現像促進剤−1 0.019
・現像促進剤−2 0.016
・メルカプト化合物−2 0.003
・ハロゲン化銀(Agとして) 0.13
【0514】
《第2画像形成層》
・ポリビニルアルコールPVA−205 0.56
・イソプレンラテックス(TP−2) 2.52
・発色現像薬 (表1に示す)
・カプラー (表1に示す)
【0515】
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0516】
【化89】



【0517】
【化90】



【0518】
【化91】



【0519】
【化92】



【0520】
【化93】


【0521】
【化94】



【0522】
【表1】



【0523】
4.性能評価
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した。
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム;
酸素透過率:0.02mL/atm・m・25℃・day、
水分透過率:0.10g/atm・m・25℃・day。
【0524】
2)画像露光、および熱現像
各試料は富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光・熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)した。
【0525】
3)写真性能の評価
得られた画像のビジュアル濃度をマクベスTD904型濃度計で測定した。
《Dmin》》
画像露光されていない部分の濃度をかぶりとした。
《感度(S)》
Dmin+1.0の濃度を得る露光量の逆数を感度とし、基準感材に対しての相対値で表記した。
《最高濃度(Dmax)》
露光量を増やしたときに飽和する最大濃度である。
《画像色調》
画像の低濃度域(濃度0.3〜0.5の部分)、中濃度域(濃度1.0〜1.5の部分)、高濃度域(Dmax部分)の画像色調を官能評価した。
<基準>
○:冷黒調の好ましい色調である。
△:純黒調で実用上許容範囲内。
×:青味調もしくは褐色のいずれかの方向に偏った色調であり実用上許容範囲外。
【0526】
4)評価結果
得られた結果を表2に示した。本発明の試料4〜13によって高いDmaxと優れた色調を備えた画像を提供することができた。一方、比較カプラーCp−AおよびCp−Bを使用した比較試料1および2については高いDmaxを与えたが色調ではむしろ本発明試料より劣った。また比較カプラーCp−Cを使用した比較試料3はDmaxと色調の点で本発明試料よりも効果は劣る結果となった。
本発明の試料16〜18は比較カプラーCp−DおよびCp−Eを使用した比較試料14および15よりも高いDmaxと優れた色調を備えた画像を提供することができた。
【0527】
【表2】



【0528】
実施例2
《カプラーを2〜3種併用》
実施例1の試料2に対して発色現像薬およびカプラーの種類と添加量を表3に示す通り変更した以外は実施例1と同様の方法により試料20〜30を作製した。
【0529】
【表3】



【0530】
実施例1と同様に評価した結果を表4に示した。
【0531】
【表4】



【0532】
表4の結果より、本発明のカプラーを複数併用することにより、さらに好ましい性能を得られた。特に一般式(I)または一般式(II)で表されるカプラーと一般式(III)または一般式(IV)で表されるカプラーを併用することにより、画像色調が低濃度から高濃度にわたって優れた色調を得ることができた。
【0533】
実施例3
下記に示す第1画像形成層塗布液および第2画像形成層塗布液を調製した。これらを用いた以外の他の条件は実施例1と同様な熱現像感光材料の試料31〜35を作製した。試料31〜35における発色現像剤とカプラーの添加量を表5に示す。
1)第1画像形成層塗布液31〜35の調製
脂肪酸銀分散物1000gに、水、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、SBRラテックス(TP−1)、イソプレンラテックス(TP−2)、還元剤−1分散物、発色現像剤分散物(表5に示す)、カプラー分散物(表5に示す)、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、フタラジン溶液、メルカプト化合物−1水溶液、およびメルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前に塗布液用混合乳剤−1を添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し塗布した。
【0534】
2)第2画像形成層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)625g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27mL、イソプレンラテックス(TP−2)42質量%液6737mL、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9mL/mになるようにコーティングダイへ送液した。
【0535】
【表5】



【0536】
次に、実施例1の本発明の試料5において、第1画像形成層に添加した銀イオンのための還元剤、および第2画像形成層にも銀イオンのための還元剤を添加した試料36〜39を作製した。各層に添加した銀イオンのための還元剤の種類と添加量を表6に示した。
【0537】
【表6】



【0538】
次に、実施例の本発明の試料4、および本実施例の試料31〜39について以下の方法により発色色素量を評価した。
【0539】
発色色素による光学濃度の測定(Dc値の測定)
マクベスTD904型濃度計でビジュアル濃度が1.0、1.5、および2.0の箇所を選んだ。次に各箇所を1cmあたり5mLの抽出溶媒(メタノール/ジメチルホルムアミド/水=7/2/1体積比の混合溶液)に常温で15時間浸漬して色素を除去した。色素除去した試料についても同様の方法でマクベスTD904型濃度計でビジュアル濃度を測定した。色素抽出前後の濃度差を発色色素による光学濃度(Dc)とした。
【0540】
実施例1と同様に評価した結果を表7に示した。
表7の結果より、光学濃度における発色濃度が本発明の好ましい範囲(請求項14記載の式A)を満足した試料4および36は式Aを満足しない試料31〜35よりも好ましい結果を示した。また、銀イオンのための還元剤を第2画像形成層に第1画像形成層の添加量の10モル%〜50モル%添加した試料36〜39においても本発明の効果は得られたが、第2画像形成層中に50モル%以下(試料36〜38)が好ましく、10モル%以下(試料36)が最も好ましい結果を示した。
【0541】
【表7】



【0542】
実施例4
実施例1、実施例2、および実施例3の試料について以下の方法により画像保存性を評価し、得られた結果を表8に示した。
《画像保存安定性の評価》
前記条件で画像露光し、熱現像した試料を45℃65%RHの環境下で14日間保存して、Dminの変化を、△Dmin=Dmin(保存後)−Dmin(保存前)によって求めた。
また、画像部の色調変化について目視による官能評価を行った。
<基準>
○:色調の変化が認識されない。
△:色調の変化が認識されるが実用上許容範囲内。
×:色調の変化が認識され、実用上許容範囲外。
【0543】
【表8】



【0544】
表8の結果において、本発明の試料はいずれも画像保存時のDmin変化および画像色調変化において比較試料よりも良好な結果を示した。本発明の試料の中でも特に好ましい態様である試料4、5、9〜16、19〜25、28〜30、36、および37では極めて画像保存性に優れた結果が得られた。一方、比較試料ではDmin部でのマゼンタないしは褐色調への好ましくない色調変化が認められた。
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−51952(P2008−51952A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−226652(P2006−226652)