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【発明の名称】 熱現像感光材料の製造方法およびそれによって製造された熱現像感光材料
【発明者】 【氏名】伏見 英生

【要約】 【課題】本発明の課題は、塗布に用いられる写真有用素材、もしくはポリマー微粒子の水分散物が調製後経時した後に用いても安定した写真性能の熱現像感光材料が得られる改良された水系塗布型熱現像感光材料の製造方法を提供することである。

【構成】支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤、およびポリマーラテックスを含有する熱現像感光材料の製造方法であって、前記還元剤、前記ポリマーラテックス、もしくは他の写真用有用化合物の少なくとも1つにアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物を用いることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤、およびポリマーラテックスを含有する熱現像感光材料の製造方法であって、前記還元剤、前記ポリマーラテックス、もしくは他の写真用有用化合物の少なくとも1つにアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物を用いることを特徴とする熱現像感光材料の製造方法。
【請求項2】
前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物が前記ポリマーラテックスであることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料の製造方法。
【請求項3】
前記ポリマーラテックスが、アクリルラテックスであること特徴とする請求項2に記載の熱現像感光材料の製造方法。
【請求項4】
前記ポリマーラテックスが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックスであることを特徴とする請求項2に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【化1】


(式中、R01およびR02は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。)。
【請求項5】
前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする請求項4に記載の熱現像感光材料の製造方法。
【請求項6】
前記酸化防止剤が、下記一般式(AO)で表される化合物であること特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【化2】


(一般式(AO)において、R10及びR20は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。Y、Y及びYは、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。)。
【請求項7】
前記一般式(AO)においてR10及びR20が2級または3級アルキル基であること特徴とする請求項6に記載の熱現像感光材料の製造方法。
【請求項8】
前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤が、下記一般式(W)で表される化合物であること特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【化3】


(式中、R14は炭素数が12〜30の炭化水素基を表し、X10は2価の連結基を表し、AOはアルキレンオキサイド基を表し、Y10は水素原子、アルキル基、アニオン性基もしくはその塩を表し、Zは連結手もしくは2価の連結基を表す。m6は3〜50の整数を表し、pは0以上の整数を表す。)。
【請求項9】
前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤が、下記一般式(NW)で表される化合物であること特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【化4】


(式中、R15は炭素数が12〜30のアルキル基、または炭素数が12〜30のアルケニル基を表し、X11は2価の連結基を表し、AOはエチキレンオキサイド基または2−プロピレンオキサイド基を表し、Y11は水素原子、アニオン性基、もしくはその塩を表す。m7は3〜50の整数を表す。)。
【請求項10】
前記請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された熱現像感光材料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は熱現像感光材料の製造方法およびそれによって製造された熱現像感光材料に関するものである。特に、水系塗布型の熱現像感光材料の製造方法およびそれによって製造された熱現像感光材料であって、安定性に優れた熱現像感光材料の製造方法およびそれによって製造された熱現像感光材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより効率的に露光させることができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる医療診断用および写真技術用途の光感光性熱現像写真材料に関する技術が必要とされている。これら光感光性熱現像写真材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
一般画像形成材料の分野でも同様の要求はあるが、医療用画像は微細な描写が要求されるため鮮鋭性、粒状性に優れる高画質が必要であるうえ、診断のし易さの観点から冷黒調の画像が好まれる特徴がある。現在、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像の出力システムとしては満足できるものがない。
【0004】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、多くの文献に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した画像形成層を有している。熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される。そして熱現像感光材料による医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DPLが発売された。
【0005】
有機銀塩を利用した熱現像感光材料の製造方法としては、溶剤塗布により製造する方法と、主バインダーとしてポリマー微粒子の水分散物を用いたり、水溶性ポリマーの水溶液を用いたりして、水性塗布液を塗布・乾燥して製造する方法がある。後者の方法は溶剤の回収等の工程が不要なため製造設備が簡単であり、環境負荷も小さくかつ大量生産に有利である。
【0006】
水系塗布方式の熱現像感光材料の熱現像感光材料の製造に当たっては、画像形成層および非感光性層に種々のポリマーラテックスが用いられ、また、還元剤を始め多くの薬剤が水不溶性であるために水分散物を予め調製して用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
水系塗布方式の熱現像感光材料の製造上の大きな課題は、均一に塗布し乾燥して良好な塗布面状を得ることであった。特に生産性を高めるため高速度で塗布し、迅速に乾燥して熱現像感光材料を製造するときに、各塗布層間での界面の乱れや、層間での液混合の発生によって、ヘイズの増加や凝集物およびこれに起因するスジの発生など、多くの問題を抱えていた。さらに、画像形成層あるいは他の非感光性層のバインダーがポリマーラテックスおよび水溶性ポリマーを含有する場合、上記凝集物の発生頻度が高く、その問題は大きかった。このような塗布ブツおよびスジは、画像を形成したときに画像欠陥をもたらすので、特に医療用画像形成材料としては、診断能にも影響する重大な問題であり、常に改良が要望されている。
一般に分散物の安定性を高めるためにアニオン性もしくはノニオン性界面活性剤をポリマーラテックスや分散物に添加すること、あるいはポリビニルアルコールなど等の水溶性ポリマーを添加することが知られている。しかしながら、熱現像感光材料では、これらの界面活性剤や親水性ポリマーは熱現像感光材料の保存安定性を悪化させるため、その使用に制限があった。
【特許文献1】特開平10−10670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、塗布安定性に優れた熱現像感光材料の製造方法およびそれによって製造された熱現像感光材料を提供することである。特に、水系塗布型熱現像感光材料の製造方法であって、塗布に用いられるポリマー微粒子、もしくは写真有用化合物の水分散物に、アルキレンオキサイド基を有する界面活性剤を添加した後、経時した後に用いても安定した写真性能の熱現像感光材料を製造することが出来る改良された熱現像感光材料の製造方法を提供することである。また、本製造方法によって、安定した写真性能を有する熱現像感光材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
【0009】
<1> 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤、およびポリマーラテックスを含有する熱現像感光材料の製造方法であって、前記還元剤、前記ポリマーラテックス、もしくは他の写真用有用化合物の少なくとも1つにアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物を用いることを特徴とする熱現像感光材料の製造方法。
<2> 前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物が前記ポリマーラテックスであることを特徴とする<1>に記載の熱現像感光材料の製造方法。
<3> 前記ポリマーラテックスが、アクリルラテックスであること特徴とする<2>に記載の熱現像感光材料の製造方法。
<4> 前記ポリマーラテックスが、下記一般式(M)で表されるモノマー成分を10質量%以上70質量%以下有するポリマーラテックスであることを特徴とする<2>に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【0010】
【化1】


【0011】
(式中、R01およびR02は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、およびシアノ基より選ばれる基である。)。
<5> 前記一般式(M)のR01およびR02が共に水素原子、または一方が水素原子であり、他方がメチル基であることを特徴とする<4>に記載の熱現像感光材料の製造方法。
<6> 前記酸化防止剤が、下記一般式(AO)で表される化合物であること特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【0012】
【化2】



【0013】
(一般式(AO)において、R10及びR20は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。Y、Y及びYは、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。)。
<7> 前記一般式(AO)においてR10及びR20が2級または3級アルキル基であること特徴とする<6>に記載の熱現像感光材料の製造方法。
<8> 前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤が、下記一般式(W)で表される化合物であること特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【0014】
【化3】



【0015】
(式中、R14は炭素数が12〜30の炭化水素基を表し、X10は2価の連結基を表し、AOはアルキレンオキサイド基を表し、Y10は水素原子、アルキル基、アニオン性基もしくはその塩を表し、Zは連結手もしくは2価の連結基を表す。m6は3〜50の整数を表し、pは0以上の整数を表す。)。
<9> 前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤が、下記一般式(NW)で表される化合物であること特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の熱現像感光材料の製造方法:
【0016】
【化4】



【0017】
(式中、R15は炭素数が12〜30のアルキル基、または炭素数が12〜30のアルケニル基を表し、X11は2価の連結基を表し、AOはエチキレンオキサイド基または2−プロピレンオキサイド基を表し、Y11は水素原子、アニオン性基、もしくはその塩を表す。m7は3〜50の整数を表す。)。
<10> 前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された熱現像感光材料。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、水系塗布型熱現像感光材料の改良された製造方法が提供され、塗布に用いられるポリマー微粒子、もしくは写真有用素材の水分散物が、アルキレンオキサイド基を有する界面活性剤および酸化防止剤を含有し、該分散物が経時した後に用いても安定した写真性能の熱現像感光材料を製造することが出来る。また、本製造方法によって、安定した写真性能を有する熱現像感光材料が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の熱現像感光材料の製造方法は、支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、銀イオンのための還元剤、およびポリマーラテックスを含有する熱現像感光材料の製造方法であって、前記還元剤、前記ポリマーラテックス、もしくは他の写真用有用化合物の少なくとも1つにアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物を用いることを特徴とする。
【0021】
従来、水系塗布方式の熱現像感光材料の製造上の大きな課題である均一に塗布し乾燥して良好な塗布面状を得る手段として、分散物の安定性を高めるためにアニオン性もしくはノニオン性界面活性剤をポリマーラテックスや分散物に添加することが知られていた。
本発明者らは、さらにアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤を用いて安定性改良を目指す中で、新たな問題に直面した。これらの界面活性剤による安定性の改良効果は有効であったが、分散物の製造後、熱現像感光材料の製造に用いられるまでの期間が経過すると、製造された熱現像感光材料のかぶりが増大する問題が判明した。アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤が分散物の分散安定性を改良することは認識されていたが、それを用いた分散物を長期間保存した後に熱現像感光材料の製造に用いると得られる熱現像感光材料のかぶりが増大することは全く予想外の問題であった。さらに、製造された熱現像感光材料の保存安定性も悪化する問題も判明した。
【0022】
本発明者らは、これらの問題を解決すべく、問題の原因解明と改良手段の探索を鋭意進めた結果、さらに分散物に酸化防止剤を含有させることが有効であることを見出した。本発明の効果は、分散剤としてアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤との酸化防止剤との組合せた分散物において特異的に有効であって、全く予想外に得られた効果であった。
【0023】
(アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物)
本発明におけるアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有する分散物としては、ポリマーラテックス、銀イオンのための還元剤、および種々の熱現像感光材料用添加剤が挙げられるが、中でもポリマーラテックスに含有する事が塗布性改良の観点から好ましい。種々の熱現像感光材料用添加剤としては現像促進剤や色調剤などが挙げられる。
【0024】
【化5】



【0025】
以下に、これらの各層の構成、およびその好ましい成分について詳しく説明する。
【0026】
(層構成)
通常、熱現像感光材料においては、支持体上に一又はそれ以上の層で構成される画像形成層を有する。さらに画像形成層のほか、好ましくは非感光性層を有する。
非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と表面保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。これらの層は、各々独立に単層であっても複数層であってもよい。
【0027】
本発明の熱現像感光材料の製造方法は、使用する分散物の分散剤としてアルキレンオキサイド基を繰返し単位として含有する界面活性剤を用いる。アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤に特に制限はないが、アルキレンオキサイド基がエチレンオキサイド基を含有する事が好ましく、エチレンオキサイド基のみであることが中でも好ましい。アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤としてはアニオン性であってもノニオン性であっても良いが、膜質の観点からノニオン性であることが好ましい。また、下記一般式(W)で表される界面活性剤を用いることも好ましい。
【0028】
(一般式(W)で表される界面活性剤の説明)
【0029】
【化6】



式中、R14は炭素数が12〜30の炭化水素基を表し、X10は2価の連結基を表し、AOはアルキレンオキサイド基を表し、Y10は水素原子、アルキル基、アニオン性基もしくはその塩を表し、Zは連結手もしくは2価の連結基を表す。m6は3〜50の整数を表し、pは0以上の整数を表す。
【0030】
一般式(W)において、R14は炭素数が12〜30の炭化水素基を表す。炭化水素基の構造に特に制限はないが、炭素数が12〜30のアルカントリイル基、炭素数が12〜30のアルケントリイル基、または炭素数が10〜25のアルキル基またはアリールアルキル基を有するアレーントリイル基であることが好ましい。
式中X10は2価の連結基を表す。連結基の種類に制限はないが、酸素原子を含む2価基であることが好ましく、アシル基もしくは酸素原子であることがさらに好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
式中Y10は水素原子、アルキル基、アニオン性基、もしくはその塩を表す。アニオン性基の中でもスルホン酸基であることが好ましく、水素原子、またはスルホン酸基の塩であることが特に好ましい。
式中Zは連結手もしくは2価の連結基を表す。連結基の種類に制限はないが、アルキリデン基である事が好ましく、メチレン基であることがさらに好ましい。
式中AOはアルキレンオキサイド基を表す。アルキレンオキサイド基の種類に制限はないが、エチレンオキサイド基、または2−プロピレンオキサイド基であることが好ましく、エチレンオキサイド基であることが特に好ましい。
式中m6は3から50の整数を表す。m6は10から40であることが好ましく、20から30であることがさらに好ましい。さらに、アルキレンオキサイド部の質量が分子全体の質量の60質量%〜85質量%になるようなm6であることが好ましい。アルキレンオキサイド部の質量比が小さすぎると安定化効果が低下するため好ましくない。また、大きすぎると感材のかぶりが悪化する為に好ましくない。
式中pは0以上の整数を表す。pは10以下である事が好ましく、0、または1であることが特に好ましい。pが0である時、下記一般式(NW)で表される界面活性剤を用いる事が特に好ましい。
【0031】
(一般式(NW)で表される界面活性剤の説明)
【0032】
【化7】



式中、R15は炭素数が12〜30のアルキル基、または炭素数が12〜30のアルケニル基を表し、X11は2価の連結基を表し、AOはエチキレンオキサイド基または2−プロピレンオキサイド基を表し、Y11は水素原子、アニオン性基、もしくはその塩を表す。m7は3〜50の整数を表す。
【0033】
一般式(NW)において、R15は炭素数12〜30のアルキル基、もしくはアルケニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基は直鎖であることが好ましく、直鎖アルキル基であることがさらに好ましい。なかでもセチル基、ステアリル基、またはベヘニル基であることがさらに好ましく、セチル基であることが特に好ましい。
式中X11は2価の連結基を表す。連結基の種類に制限はないが、酸素原子を含む2価基であることが好ましく、アシル基もしくは酸素原子であることがさらに好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
式中Y11は水素原子、アニオン性基、もしくはその塩である。
式中AOはエチレンオキサイド基、または2−プロピレンオキサイド基である。
【0034】
《一般式(W)で表される界面活性剤の具体例》
【0035】
【化8】



【0036】
【化9】



【0037】
【化10】



【0038】
《一般式(NW)で表される界面活性剤の具体例》
【0039】
【化11】



【0040】
《本発明における一般式(W)または(NW)の界面活性剤の使用量》
本発明における一般式(W)および(NW)で表される界面活性剤を分散物またはラテックス中に添加する場合、分散物中の写真有用成分またはポリマー成分に対し0.05質量%〜8質量%となるよう添加することが好ましく、0.1質量%〜4質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜2質量%であることが最も好ましい。また、本発明における界面活性剤をラテックス中に添加する場合、ラテックスのpHは4以上であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。
【0041】
《添加工程》
本発明における一般式(W)および(NW)で表される界面活性剤は、写真有用化合物またはポリマーラテックスの合成前に添加しても合成後に添加してもよいが、合成後に添加することが好ましい。前記界面活性剤は熱がかかる事により、感光材料のかぶりを悪化させるため、なるべく熱のかからないように添加する事が好ましい。
また、前記界面活性剤は水溶液の状態で熱がかかることにより、前記かぶりの悪化が促進されるため、前記界面活性剤を水溶液化して添加する場合は、添加直前に水溶液化するか、もしくは水溶液化した後すみやかに本発明における酸化防止剤を添加することが好ましい。
【0042】
本発明における界面活性剤は、1種類でも複数の化合物を併用してもよいが、安定性向上の観点から複数の化合物を併用する事が好ましい。アニオン性の界面活性剤とノニオン性の界面活性剤を併用する事がさらに好ましく、一般式(NW)で表される群から選ばれる1種類以上の界面活性剤と1種類以上のアニオン性界面活性剤を併用する事が特に好ましい。
【0043】
(ポリマーラテックス)
本発明における界面活性剤を使用するポリマーラテックスの好ましい態様としては、画像形成層に用いられるポリマーラテックスおよび非感光性層に用いられるポリマーラテックの少なくとも一方もしくはそれらの両方であっても良い。画像形成層に用いられるポリマーラテックスについては、後に説明する。
【0044】
非感光性層に用いられるポリマーラテックスとしては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができるが、アクリル系、塩化ビニル系または塩化ビニリデン系がさらに好ましい。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000以上1000000以下、好ましくは50000以上300000以下がよい。分子量が小さすぎるものは塗布膜の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。
【0045】
また、本発明におけるポリマーラテックスとしては、アクリル酸などのアニオン性基を有するモノマー成分を含むことが好ましい。前記アニオン性基を有するモノマー成分の添加量に特に制限はないが、全モノマー成分に対し1質量%〜4質量%であることが好ましい。
【0046】
本発明における界面活性剤を使用するポリマーラテックスの好ましい例は、アクリルラテックスおよびブタジエンラテックスやイソプレンラテックスなどのゴム系ラテックスである。
【0047】
本発明におけるポリマーラテックスの粒径に特に制限は無いが、略50nmから略200nmであることが好ましい。粒径が略50nmよりも小さいと、塗布液が増粘しやすくなり塗布性上好ましくない。また粒径が略200nmよりも大きくなると、成膜性が悪くなり好ましくない。
【0048】
具体的な化合物例を以下に示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。(組成比は質量%であり、MWは質量平均分子量である。)
【0049】
・P−1:MMA/BA/St/2−HEMA/AA=58/27/9/5/1(Mw=18万)
・P−2:MMA/2EHA/St/2−HEMA/AA=58/26/9/5/2(Mw=10万)
・P−3:MMA/2EHA/St/2−HEMA/MAA=59/26/9/5/1(Mw=9万)
・P−4:MMA/2EHA/2−HEMA/AA=59/34/5/2(Mw=9万)
・P−5:EA/MMA/MAA=50/34/16
・P−6:St/BA=64/36(Mw=10万)
・P−7:2−HEMA/MMA=70/30(Mw=9万)
・P−8:BA/t−BMA/MMA=40/10/50(Mw=9万)
・P−9:MMA/EHA=72/28(Mw=10万)
・P−10:MMA/BA=73/27(Mw=9万)
・P−11:MMA/EA=63/37(Mw=9万)
・P−12:MMA/MA=43/57(Mw=9万)
・P−13:MMA/Bu/IA=48/48/4
【0050】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート、MA;メチルアクリレート、EA;エチルアクリレート、BA;ブチルアクリレート、t−BMA;tert−ブチルメタクリレート、2−HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、MAA;メタクリル酸、2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート、St;スチレン、Bu;ブタジエン、AA;アクリル酸、IA;イタコン酸、2−HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート。
【0051】
本発明では、上記ラテックスのガラス転移温度は20℃以上100℃以下であることが好ましく、30℃〜80℃であることがより好ましく、45℃〜65℃であることが最も好ましい。
【0052】
(酸化防止剤)
本発明に用いられる酸化防止剤は、従来知られている多くの酸化防止剤より選択して用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール類、ヒンダードナフトール類、ヒンダードアミン類、ヒドロキノン類、トコフェロール類、アスコルビン酸類、レダクトン類、およびセザモール類などが挙げられる。本発明に用いられる酸化防止剤は、水分散物中で充分な効果をえるため、極性溶媒に比較的可溶なものを用いる事が好ましい。30℃において、水、またはメタノールに10質量%以上溶解するものを用いる事が好ましく、20質量%以上溶解するものを用いる事がさらに好ましい。
本発明に用いられる好ましい酸化防止剤は、ヒンダードフェノール類、およびヒンダードアミン類であり、より好ましくはヒンダードフェノール類である。
好ましいヒンダードフェノール類は、下記一般式(AO)で表される化合物である。
【0053】
【化12】



【0054】
一般式(AO)において、R10及びR20は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。Y、Y及びYは、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。好ましくは、R10及びR20が2級または3級アルキル基である。
【0055】
1)R10、R20
10及びR20は各々独立に置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは、2級または3級アルキル基である。アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
10及びR20は、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、及び1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。R10及びR20としてより好ましくは炭素数1〜8の2級または3級アルキル基で、その中でもイソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、または1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0056】
2)Y、Y、Y
、Y及びYは、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基であり、それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシルアミノ基が挙げられる。
好ましくは、Y、Y及びYの少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、及びメトキシエチル基などが挙げられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、又はt−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
【0057】
本発明に用いられる酸化防止剤は、1種類を用いても良いし、2種以上の化合物を組み合わせて用いても良い。
本発明に用いられる酸化防止剤は、分散物の全量に対して0.001質量%〜0.03質量%添加するのが好ましく、より好ましくは0.003質量%〜0.025質量%、さらに好ましくは0.005質量%〜0.02質量%である。過剰な酸化防止剤の添加は写真性能に悪影響をおよぼすため好ましくない。
本発明に用いられる酸化防止剤は、水溶性化合物の場合は水溶液にして添加することが出来る。本発明に用いられる酸化防止剤が水不溶性の場合は、有機溶剤に溶解して添加しても、乳化分散物あるいは個体状微細分散物などの分散物を調製して、添加しても良い。
酸化防止剤の分散物を調製して添加する場合、該分散物は前記アルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤を分散剤として調製するのが好ましい。
【0058】
以下に、本発明に用いられる酸化防止剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらの化合物に限定される訳ではない。
【0059】
【化13】



【0060】
【化14】



【0061】
(有機銀塩の説明)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀及びこれらの混合物などを含む。
本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0062】
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
【0063】
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
【0064】
2)調製
本発明に用いられる有機銀塩の結晶は、従来の公知の方法で有機酸またはそのアルカリ金属塩と硝酸銀溶液を混合することによって調製することができる。例えば特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2001−163889号、同2001−163890号、同2001−163827号、同2001−33907号、同2001−188313号、同2001−83652号、同2002−6442、同2002−49117号、同2002−31870号、同2002−107868号等に記載の方法を参考にすることができる。
【0065】
有機銀塩分散物の製造方法としては、従来一般に工業的に知られている各種の分散方法を応用することが出来る。
従来、一般的に知られているメディア分散の方法としては、有機銀塩の粉末または水や有機溶媒で湿らせたウェットケーキを、水性スラリーにして、公知の粉砕機を用いて分散メディアの存在下で機械力によって粉砕して分散する方法が挙げられる。メディア分散に用いる粉砕機としては、例えばボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、縦形サンドミル、ローラーミル、ピンミル、コボールミル、キャディーミル、横形サンドミル、あるいはアトライターを挙げることができる。また、分散メディアとしては、スチールボール、セラミックボール、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアシリケートビーズ、ジルコニアビーズ、及びオタワサンドなどを挙げることができる。分散メディア(ビーズ)の平均直径は0.3mm〜5mmが好ましく、0.3mm〜3mmがより好ましく、0.3mm〜1mmがさらにより好ましく、0.3mmまたは0.5mmのものがもっとも好ましく用いられる。
【0066】
本発明においては、有機酸銀の分散調製のために高圧ホモジナイザーを用いるのが好ましい。高圧ホモジナイザーは、分散流路の途中に高圧粉砕部を設けて、高圧、高速で分散させる装置や分散液の流路の一部を狭めて、高圧、高速で分散液を通過させて分散、乳化及び粉砕を行う装置である。
例えば、分散液同士が分散流路の中で衝突するナノマイザーLA(ナノマイザー(株)製)、分散液の流路に高圧粉砕部を設けているマイクロフルイダイザー(マイクロフルイダックス社製)やゴーリンホモジナイザー(APV社製)、分散液の流路にオリフィスと呼ばれる細い管状流路を設けているジーナスPY(ジーナス社製)等を用いることができる。
【0067】
有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、又はりん片状いずれでもよい。本発明においてはりん片状が好ましい。
【0068】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。有機銀塩の粒子サイズは、有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より測定することができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては例えば市販のレーザー光散乱型粒子サイズ測定装置を用いることができる。
【0069】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、かぶりが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明では、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1モルに対し1モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1モル%以下であり、さらに好ましいのは積極的な感光性銀塩の添加を行わないものである。
【0070】
3)添加量
本発明における有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀も含めた全塗布銀量として0.1g/m以上5.0g/m以下が好ましく、より好ましくは0.3g/m以上3.0g/m以下、さらに好ましくは0.5g/m以上2.0g/m以下である。
【0071】
(還元剤の説明)
本発明の熱現像感光材料には熱現像剤である還元剤を含有する。還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤の例は、特開平11−65021号の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(R)で表される化合物がより好ましい。
【0072】
【化15】



【0073】
一般式(R)において、R11及びR11’は、各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12及びR12’は、各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは、−S−基又は−CHR13−基を表す。R13は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。X及びX’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。
【0074】
一般式(R)について詳細に説明する。
以下でアルキル基と称するとき、特に明記していない場合はシクロアルキル基もこれに含まれる。
1)R11及びR11
11及びR11’は各々独立に置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり。アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
【0075】
2)R12及びR12’、X及びX
12及びR12’は各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な置換基であり、X及びX’も各々独立に水素原子又はベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、及びアシルアミノ基が挙げられる。
【0076】
3)L
Lは−S−基又は−CHR13−基を表す。R13は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、及び3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基などが挙げられる。アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、及びスルファモイル基などが挙げられる。
【0077】
4)好ましい置換基
11及びR11’として好ましくは炭素数1〜15の1級、2級又は3級のアルキル基であり、具体的にはメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、及び1−メチルシクロプロピル基などが挙げられる。R11及びR11’としてより好ましくは炭素数1〜8のアルキル基で、その中でもメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、メチル基、t−ブチル基が最も好ましい。
【0078】
12及びR12’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、及びメトキシエチル基などが挙げられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、又はt−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
及びX’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0079】
Lは好ましくは−CHR13−基である。
13として好ましくは水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基であり、該アルキル基としては鎖状のアルキル基の他、環状のアルキル基も好ましく用いられる。また、これらのアルキル基の中にC=C結合を有しているものも好ましく用いることができる。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロヘキシル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、又は3,5−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、又は2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
【0080】
11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基の場合、R13は炭素数1〜8の1級又は2級のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、又は2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等)が好ましい。
11、R11’が3級のアルキル基でR12、R12’がメチル基以外のアルキル基の場合、R13は水素原子が好ましい。
11、R11’が3級のアルキル基でない場合、R13は水素原子又は2級のアルキル基であることが好ましく、2級のアルキル基であることが特に好ましい。R13の2級アルキル基として好ましい基はイソプロピル基、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基である。
上記還元剤はR11、R11’、R12、R12’及びR13の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。2種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調製することができるため、目的によっては2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0081】
以下に、一般式(R)で表される化合物をはじめとする本発明における還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】
【化16】



【0083】
上記以外の本発明における好ましい還元剤の例は特開2001−188314号、同2001−209145号、同2001−350235号、同2002−156727号、EP1278101A2号に記載された化合物である。
本発明において還元剤の添加量は0.1g/m以上3.0g/m以下であることが好ましく、より好ましくは0.2g/m以上2.0g/m以下で、さらに好ましくは0.3g/m以上1.0g/m以下である。画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5モル%以上50モル%以下含まれることが好ましく、より好ましくは8モル%以上30モル%以下であり、10モル%以上20モル%以下で含まれることがさらに好ましい。
本発明において還元剤は、画像形成層または画像形成層に隣接する層に添加するのが好ましい。特に好ましくは、画像形成層に含有させることが好ましい。
【0084】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルセバケートあるいはトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやオレオイル−N−メチルタウリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤を添加して機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。このとき、油滴の粘度や屈折率の調整の目的でαメチルスチレンオリゴマーやポリ(t−ブチルアクリルアミド)等のポリマーを添加することも好ましい。
【0085】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。
尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm以上1000ppm以下の範囲である。感材中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.05μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上2μm以下の微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
【0086】
(現像促進剤の説明)
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号明細書や特開2000−330234号明細書等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開平2001−92075記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号明細書や特開平11−15116号明細書等に記載の一般式(I)、特開2002−156727号の一般式(D)や特開2002−278017号明細書に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特開2001−264929号明細書に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系又はナフトール系の化合物が好ましく用いられる。また、特開2002−311533号、特開2002−341484号明細書に記載されたフェノール系の化合物も好ましい。特に特開2003−66558号明細書に記載のナフトール系の化合物が好ましい。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1モル%以上20モル%以下の範囲で使用され、好ましくは0.5モル%以上10モル%以下の範囲で、より好ましくは1モル%以上5モル%以下の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物又は乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、若しくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特開2002−156727号、特開2002−278017号明細書に記載ヒドラジン系の化合物及び特開2003−66558号明細書に記載されているナフトール系の化合物がより好ましい。
【0087】
本発明における特に好ましい現像促進剤は、下記一般式(A−1)及び(A−2)で表される化合物である。
一般式(A−1)
−NHNH−Q
式中、Qは炭素原子で−NHNH−Qと結合する芳香族基、又はヘテロ環基を表し、Qはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基、又はスルファモイル基を表す。
【0088】
一般式(A−1)において、Qで表される芳香族基又はヘテロ環基としては5〜7員の不飽和環が好ましい。好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、又はイソオキサゾール環、チオフェン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0089】
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアシル基を挙げることができる。これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びアシルオキシ基を挙げることができる。
【0090】
で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のカルバモイル基であり、例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−sec−ブチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−tert−ブチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N−3−ピリジルカルバモイル、及びN−ベンジルカルバモイルが挙げられる。
【0091】
で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアシル基であり、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルプロパノイル、シクロヘキシルカルボニル、オクタノイル、2−ヘキシルデカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル、及び2−ヒドロキシメチルベンゾイルが挙げられる。Qで表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数6〜40のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、及びベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
【0092】
で表されるアリールオキシカルボニル基は、好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜40のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル、2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル、及び4−ドデシルオキシフェノキシカルボニルが挙げられる。Qで表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−ヘキサデシルスルホニル、3−ドデシルオキシプロピルスルホニル、2−オクチルオキシ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル、及び4−ドデシルオキシフェニルスルホニルが挙げられる。
【0093】
で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数6〜40のスルファモイル基で、例えば、無置換スルファモイル、N−エチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N−{3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル}スルファモイル、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル及び、N−(2−テトラデシルオキシフェニル)スルファモイルが挙げられる。Qで表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQで表される5員〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0094】
次に、式(A−1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。Qとしては5〜6員の不飽和環が好ましく、ベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、及びこれらの環がベンゼン環若しくは不飽和ヘテロ環と縮合した環が更に好ましい。また、Qはカルバモイル基が好ましく、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基が好ましい。
【0095】
【化17】



【0096】
一般式(A−2)においてRはアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、又はカルバモイル基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、又は炭酸エステル基を表す。R、Rはそれぞれ一般式(A−1)の置換基例で挙げたベンゼン環に置換可能な基を表す。RとRは互いに連結して縮合環を形成してもよい。
は好ましくは炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−オクチル基、又はシクロヘキシル基など)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基、4−シアノフェニルウレイド基など)、カルバモイル基(n−ブチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、2−クロロフェニルカルバモイル基、又は2,4−ジクロロフェニルカルバモイル基など)でアシルアミノ基(ウレイド基、ウレタン基を含む)がより好ましい。Rは好ましくはハロゲン原子(より好ましくは塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、又はベンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基など)である。
は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基であり、ハロゲン原子がもっとも好ましい。Rは水素原子、アルキル基、アシルアミノ基が好ましく、アルキル基又はアシルアミノ基がより好ましい。これらの好ましい置換基の例はRと同様である。Rがアシルアミノ基である場合RはRと連結してカルボスチリル環を形成することも好ましい。
【0097】
一般式(A−2)においてRとRが互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。ナフタレン環には一般式(A−1)で挙げた置換基例と同じ置換基が結合していてもよい。一般式(A−2)がナフトール系の化合物であるとき、Rはカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。Rはアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
【0098】
以下、本発明における現像促進剤の好ましい具体例を挙げる。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0099】
【化18】



【0100】
(水素結合性化合物の説明)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)又はアミノ基(−NHR、Rは水素原子又はアルキル基)を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
水酸基又はアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、及び含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
【0101】
【化19】



【0102】
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、及びホスホリル基などが挙げられ、置換基として好ましいのはアルキル基又はアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、及び4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、及び2−フェノキシプロピル基などが挙げられる。
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、及び3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、及びベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、及びビフェニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、及びN−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0103】
21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基又はアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基又はアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0104】
【化20】



【0105】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002−156727号、特開2002−318431号に記載のものがあげられる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。これらの化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明における一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明における一般式(D)の化合物は、還元剤に対して、1モル%以上200モル%以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10モル%以上150モル%以下の範囲で、さらに好ましくは20モル%以上100モル%の範囲である。
【0106】
(ハロゲン化銀の説明)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、又はヨウ化銀を用いることができる。その中でも臭化銀、ヨウ臭化銀及びヨウ化銀が好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀又は塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0107】
2)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627、特開2000−347335号記載の方法も好ましい。
【0108】
3)粒子サイズ
感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0109】
4)粒子形状
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、及びジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子が好ましい。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0110】
5)重金属
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第6族〜第13族の金属又は金属錯体を含有することができる。好ましくは周期律表の第6族〜第10族の金属又は金属錯体である。周期律表の第6族〜第10族の金属又は金属錯体の中心金属として好ましくは、鉄、ロジウム、ルテニウム、及びイリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モル〜1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0111】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)4−、[Fe(CN)3−、[Ru(CN)4−、[Os(CN)4−、[Co(CN)3−、[Rh(CN)3−、[Ir(CN)3−、[Cr(CN)3−、[Re(CN)3−などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
【0112】
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン及びリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
【0113】
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、又はアミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0114】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10−5モル以上1×10−2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10−4モル以上1×10−3モル以下である。
【0115】
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感及びテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、又は化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
【0116】
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
【0117】
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0118】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば[Fe(CN)4−)、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0119】
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持することが必要であり、分子量は、10,000〜1,000,000のゼラチンを使用することが好ましい。また、ゼラチンの置換基をフタル化処理することも好ましい。これらのゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、粒子形成時に使用することが好ましい。
【0120】
7)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。増感色素及び添加法については、特開平11−65021号の段落番号0103〜0109、特開平10−186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11−119374号の一般式(I)で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2−96131号、特開昭59−48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特開2001−272747号、特開2001−290238号、特開2002−23306号等に記載されている。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成が終了する前までの時期である。
本発明における増感色素の添加量は、感度やかぶりの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10−6モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10−4モル〜10−1モルである。
【0121】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0122】
8)化学増感
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、硫黄増感法、セレン増感法若しくはテルル増感法にて化学増感されていることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物、例えば、特開平7−128768号等に記載の化合物等を使用することができる。特に本発明においてはテルル増感が好ましく、特開平11−65021号段落番号0030に記載の文献に記載の化合物、特開平5−313284号中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0123】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、上記カルコゲン増感と組み合わせて、あるいは単独で金増感法にて化学増感されていることが好ましい。金増感剤としては、金の価数が+1価又は+3価が好ましく、金増感剤としては通常用いられる金化合物が好ましい。代表的な例としては塩化金酸、臭化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムブロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、又はピリジルトリクロロゴールドなどが好ましい。また、米国特許第5858637号、特開2002−278016号に記載の金増感剤も好ましく用いられる。
【0124】
本発明においては、化学増感は粒子形成後で塗布前であればいかなる時期でも可能であり、脱塩後、(1)分光増感前、(2)分光増感と同時、(3)分光増感後、(4)塗布直前等があり得る。
本発明で用いられる硫黄、セレン及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり10−8モル以上10−2モル以下、好ましくは10−7モル以上10−3モル以下程度を用いる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モル以上10−3モル以下、より好ましくは10−6モル以上5×10−4モル以下である。
本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、温度としては40℃〜95℃程度である。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、欧州特許公開第293,917号公報に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
【0125】
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、還元剤を用いることが好ましい。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、アミノイミノメタンスルフィン酸が好ましく、その他に塩化第一スズ、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることが好ましい。還元増感剤の添加は、結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも良い。また、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することが好ましく、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することも好ましい。
【0126】
9)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いられ、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
【0127】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1、タイプ2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
【0128】
まずタイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28頁〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0129】
またタイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(1)(特開2003−114487号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(2)(特開2003−114487号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(3)(特開2003−114488号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(4)(特開2003−114488号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(5)(特開2003−114488号に記載の一般式(3)と同義)、一般式(6)(特開2003−75950号に記載の一般式(1)と同義)、一般式(7)(特開2003−75950号に記載の一般式(2)と同義)、一般式(8)(特開2004−239943号に記載の一般式(1)と同義)、または化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物のうち一般式(9)(特開2004−245929号に記載の一般式(3)と同義)で表される化合物が挙げられる。またこれらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0130】
【化21】



【0131】
一般式(1)及び(2)中、RED、REDは還元性基を表す。Rは炭素原子(C)とREDとともに5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、もしくはヘキサヒドロ体に相当する環状構造を形成しうる非金属原子団を表す。R、R、Rは水素原子または置換基を表す。Lv、Lvは脱離基を表す。EDは電子供与性基を表す。
【0132】
【化22】



【0133】
一般式(3)、(4)及び(5)中、Zは窒素原子とベンゼン環の2つの炭素原子とともに6員環を形成しうる原子団を表す。R、R、R、R、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19は水素原子または置換基を表す。R20は水素原子または置換基を表すが、R20がアリール基以外の基を表すとき、R16、R17は互いに結合して芳香族環または芳香族ヘテロ環を形成する。R、R12はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m1は0〜3の整数を表し、m2は0〜4の整数を表す。Lv、Lv、Lvは脱離基を表す。
【0134】
【化23】



【0135】
一般式(6)および(7)中、RED、REDは還元性基を表す。R21〜R30は水素原子または置換基を表す。Zは−CR111112−、−NR113−、または−O−を表す。R111、R112はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。R113は水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
【0136】
【化24】



【0137】
一般式(8)中、REDは還元性基でありアリールアミノ基またはヘテロ環アミノ基を表す。R31は水素原子または置換基を表す。Xはアルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。Lvは脱離基でありカルボキシ基もしくはその塩または水素原子を表す。
【0138】
【化25】



【0139】
一般式(9)で表される化合物は脱炭酸を伴う2電子酸化が起こった後に、さらに酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子または置換基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のヘテロ環を形成する基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。一般式(9)中、R32、R33、Zは化学反応式(1)中のものと同義である。ZはC−Cとともに5員または6員の環状脂肪族炭化水素基またはヘテロ環基を形成する基を表す。
【0140】
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、一般式(10)(特開2003−140287号に記載の一般式(1)と同義)、化学反応式(1)(特開2004−245929号に記載の化学反応式(1)と同義)で表される反応を起こしうる化合物であって一般式(11)(特開2004−245929号に記載の一般式(2)と同義)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
【0141】
【化26】



【0142】
一般式(10)中、REDは1電子酸化される還元性基をあらわす。YはREDが1電子酸化されて生成する1電子酸化体と反応して、新たな結合を形成しうる炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環部位を含む反応性基を表す。QはREDとYを連結する連結基を表す。
【0143】
【化27】



【0144】
一般式(11)で表される化合物は酸化される事で化学反応式(1)で表される結合形成反応を起こす化合物である。化学反応式(1)中、R32、R33は水素原子または置換基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のヘテロ環を形成する基を表す。ZはC=Cとともに5員または6員のアリール基またはヘテロ環基を形成する基を表す。ZはC−Cとともに5員または6員の環状脂肪族炭化水素基またはヘテロ環基を形成する基を表す。Mはラジカル、ラジカルカチオン、またはカチオンを表す。一般式(11)中、R32、R33、Z、Zは化学反応式(1)中のものと同義である。
【0145】
タイプ1、2の化合物のうち好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、または「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。ハロゲン化銀への吸着性基とは特開2003−156823号明細書の16頁右1行目〜17頁右12行目に記載の基が代表的なものである。分光増感色素の部分構造とは同明細書の17頁右34行目〜18頁左6行目に記載の構造である。
【0146】
タイプ1、2の化合物として、より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を少なくとも1つ有する化合物」である。さらに好ましくは「同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物」である。吸着性基が単一分子内に2個以上存在する場合には、それらの吸着性基は同一であっても異なっても良い。
【0147】
吸着性基として好ましくは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、又は1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、又はインダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
【0148】
吸着性基として、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する場合もまた特に好ましい。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素ヘテロ環基など)の好ましい例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、及び3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が挙げられる。
【0149】
また窒素またはリンの4級塩構造も吸着性基として好ましく用いられる。窒素の4級塩構造としては具体的にはアンモニオ基(トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)アンモニオ基など)または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。
リンの4級塩構造としては、ホスホニオ基(トリアルキルホスホニオ基、ジアルキルアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、アルキルジアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基、トリアリール(またはヘテロアリール)ホスホニオ基など)が挙げられる。より好ましくは窒素の4級塩構造が用いられ、さらに好ましくは4級化された窒素原子を含む5員環あるいは6員環の含窒素芳香族ヘテロ環基が用いられる。
特に好ましくはピリジニオ基、キノリニオ基、又はイソキノリニオ基が用いられる。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよい。
【0150】
4級塩の対アニオンの例としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、スルホネートイオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオン、BF、PF、またはPh等が挙げられる。分子内にカルボキシレート基等に負電荷を有する基が存在する場合には、それとともに分子内塩を形成していても良い。分子内にない対アニオンとしては、塩素イオン、ブロモイオンまたはメタンスルホネートイオンが特に好ましい。
【0151】
吸着性基として窒素またはリンの4級塩構造有するタイプ1、2で表される化合物の好ましい構造は一般式(i)で表される。
【0152】
【化28】



【0153】
一般式(i)においてP、Rはそれぞれ独立して増感色素の部分構造ではない窒素またはリンの4級塩構造を表す。Q、Qはそれぞれ独立して連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−SO−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Sはタイプ(1)または(2)で表される化合物から原子を一つ取り除いた残基である。iとjは1以上の整数であり、i+jが2〜6になる範囲から選ばれるものである。好ましくはiが1〜3、jが1〜2の場合であり、より好ましくはiが1または2、jが1の場合であり、特に好ましくはiが1、jが1の場合である。一般式(X)で表される化合物はその総炭素数が10〜100の範囲のものが好ましい。より好ましくは10〜70、さらに好ましくは11〜60であり、特に好ましくは12〜50である。
【0154】
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
【0155】
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は水、メタノール、又はエタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0156】
本発明のタイプ1、タイプ2の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する画像形成層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10−9モル〜5×10−1モル、更に好ましくは1×10−8モル〜5×10−2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に含有する。
【0157】
【化29】



【0158】
【化30】



【0159】
【化31】



【0160】
【化32】



【0161】
10)吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物
本発明においては、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物を含有させることが好ましい。本吸着性レドックス化合物は下記式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0162】
式(I) A−(W)n−B
式(I)中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0又は1を表し、Bは還元基を表す。
【0163】
式(I)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、又はハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(又はその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、又はエチニル基等が挙げられる。
【0164】
吸着基としてメルカプト基(又はその塩)とは、メルカプト基(又はその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(又はその塩)の置換したヘテロ環基又はアリール基又はアルキル基を表す。ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環若しくは縮合環の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、及びトリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていても良い。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li、Na、K、Mg2+、Ag、又はZn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていても良い。
吸着基としてチオン基とは、鎖状若しくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、又はジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、又は配位結合で銀イオンに配位し得る、”−S−”基又は”−Se−”基又は”−Te−”基又は”=N−”基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、及びベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。
吸着基としてスルフィド基又はジスルフィド基とは、−S−、又は−S−S−の部分構造を有する基すべてが挙げられる。
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、及びイミダゾリオ基などが挙げられる。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。
【0165】
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
【0166】
式(I)中、Aで表される吸着基として好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、又はイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、又はインダゾール基等)であり、さらに好ましい吸着基は2−メルカプトベンズイミダゾール基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基である。
【0167】
式(I)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、又はヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO−、−O−、−S−、−NR−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでRは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基、又はアリール基を表わす。
Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。
【0168】
式(I)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン−6−オール類、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、及びハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類等から水素原子を1つ除去した残基が挙げられる。もちろん、これらは任意の置換基を有していても良い。
【0169】
式(I)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150頁−208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282頁−344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5 ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton−Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明におけるBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0V〜約0.7Vの範囲である。
【0170】
式(I)中、Bで表される還元基は好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類、フェノール類、アシルヒドラジン類、カルバモイルヒドラジン類、3−ピラゾリドン類から水素原子を1つ除去した残基である。
【0171】
本発明における式(I)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基又はポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
【0172】
本発明における式(I)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明における式(I)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
【0173】
以下に本発明における式(I)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0174】
【化33】



【0175】
さらに欧州特許1308776A2号明細書p73〜p87に記載の具体的化合物1〜30、1”−1〜1”−77も本発明における吸着基と還元性基を有する化合物の好ましい例として挙げられる。
【0176】
これらの化合物は公知の方法にならって容易に合成することができる。本発明における式(I)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
【0177】
本発明における式(I)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤層(画像形成層)に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加することがより好ましい。乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。また画像形成層に使用するのが好ましいが、画像形成層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6モル以上1モル以下、好ましくは1×10−5モル以上5×10−1モル以下、さらに好ましくは1×10−4モル以上1×10−1モル以下である。
【0178】
本発明における式(I)の化合物は、水、メタノール、またはエタノールなどの水可溶性溶媒又はこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸又は塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
【0179】
11)ハロゲン化銀の複数併用
本発明に用いられる熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0180】
12)塗布量
感光性ハロゲン化銀の添加量は、感材1m当たりの塗布銀量で示して、0.03g/m以上0.6g/m以下であることが好ましく、0.05g/m以上0.4g/m以下であることがさらに好ましく、0.07g/m以上0.3g/m以下であることが最も好ましく、有機銀塩1モルに対しては、感光性ハロゲン化銀は0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.02モル以上0.3モル以下、さらに好ましくは0.03モル以上0.2モル以下である。
【0181】
13)感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合
別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真特性の調節のために好ましい方法である。
【0182】
14)ハロゲン化銀の塗布液への混合
ハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0183】
(バインダーの説明)
1)画像形成層のバインダー
本発明における画像形成層のバインダーは、いかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒又はエマルションから被覆形成してもよい。
【0184】
本発明では、画像形成層に併用できるバインダーのガラス転移温度は−20℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、0℃〜60℃であることがより好ましく、5℃以上40℃以下であることが更に好ましい。
【0185】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
【0186】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その質量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0187】
本発明においては、画像形成層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましいことから、画像形成層のバインダーが水溶性もしくは水分散性バインダーを用いることが好ましい。
また水分散性バインダーの中でも25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。
ポリマーラテックスの最も好ましい形態としては、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものである。このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法やイオン交換する方法が挙げられる。
【0188】
ここでいう水溶性もしくは水分散性ポリマーとは水系溶媒(水又は水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したもの)に溶解するもしくは分散可能なポリマーのことである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
【0189】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0190】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの質量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの質量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率={(W1−W0)/W0}×100(質量%)
【0191】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0192】
本発明におけるバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は、2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0193】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態又はミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1nm以上50000nm以下、好ましくは5nm以上1000nm以下の範囲で、より好ましくは10nm以上500nm以下の範囲、さらに好ましくは50nm以上200nm以下の範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0194】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000以上1000000以下、好ましくは10000以上200000以下がよい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0195】
(ラテックスの具体例)
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
好ましくは、前述のアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有するポリマーラテックスが用いられる。
【0196】
P−1;−MMA(55)−EA(42)−MAA(3)−のラテックス(分子量39000、Tg39℃、SP値=9.60)
P−2;−MMA(60)−2EHA(30)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量42000、Tg40℃、SP値=9.39)
P−3;−St(62)−Bu(35)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg5℃、SP値=9.35)
P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃、SP値=9.38)
P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃、SP値=9.39)
P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性、Tg23℃、SP値=9.41)
P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃、SP値=9.39)
P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性、Tg6℃、SP値=9.37)
P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg26℃、SP値=9.41)
P−10;−VC(35)−MMA(20)−EA(35)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量75000、Tg41℃、SP値=9.92)
P−11;−VDC(65)−MMA(25)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000、Tg12℃、SP値=10.04)
P−12;−EA(60)−MMA(30)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000、Tg16℃、SP値=9.65)
P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃、SP値=9.38)
P−14;−MMA(40)−EA(58)−AA(2)のラテックス(分子量43000、Tg18℃、SP値=9.67)
P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃、SP値=9.4、SP値=9.39)
P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃、SP値=9.38)
P−17;−St(61.3)−イソプレン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃、SP値=9.04)
P−18;−St(67)−イソプレン(28)−Bu(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg27℃、SP値=9.13))
P−19;−St(50)−イソプレン(45)−AA(5)−のラテックス(架橋性,Tg1℃、SP値=8.96)
P−20;−St(40)−イソプレン(57)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg−17℃、SP値=8.83)
P−21;−St(30)−イソプレン(67)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg−30℃、SP値=8.73)
P−22;−St(70)−イソプレン(27)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg34℃、SP値=9.15)
P−23;−St(75)−イソプレン(22)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg44℃、SP値=9.20)
P−24;−St(61.3)−2,3−ジメチルブタジエン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃、SP値=9.04)
P−25;−St(61.3)−2−Cl−ブタジエン(35.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg17℃、SP値=9.04)
【0197】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0198】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上、ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上、大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上、イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上、大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上、日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上、旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0199】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0200】
−好ましいラテックス−
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体もしくはスチレン−イソプレン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンもしくはイソプレンのモノマー単位との質量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンもしくはイソプレンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60質量%〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンもしくはイソプレンの和に対して1質量%〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2質量%〜5質量%含有する。
本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0201】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−9,15、16市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。また、スチレン−イソプレン共重合体の例としては前記のP−17〜P−23が挙げられる。
【0202】
本発明の感光材料の画像形成層にはポリマーラテックスに加えて必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0203】
本発明における有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。画像形成層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の質量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
【0204】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(画像形成層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の質量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0205】
本発明における画像形成層の全バインダー量は、好ましくは0.2g/m以上30g/m以下、より好ましくは1g/m以上15g/m以下、さらに好ましくは2g/m以上10g/m以下の範囲である。本発明における画像形成層には、架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0206】
−好ましい塗布液の溶媒−
本発明において熱現像感光材料の画像形成層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、または酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0207】
2)非感光性層のバインダー
本発明における非感光性層に用いることのできるバインダーは、画像形成層に用いることのできるバインダーと同じバインダーが使用できるが、非感光性層の少なくとも1層は主バインダーとしては水溶性のバインダーを用いることが好ましい。主バインダーとは非感光性層中のバインダーの50質量%以上、好ましくは60質量%以上をしめるバインダーのことである。
非感光性層に用いることのできる水溶性の主バインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられるが、特にゼラチンもしくはポリビニルアルコールが好ましい。
【0208】
本発明における非感光性層は水溶性のバインダーに対してポリマーラテックスを50質量%以下、好ましくは40%質量以下混合するのが好ましい。
【0209】
本発明における非感光性層は少なくとも1層の水溶性のバインダーを主バインダーとする層と少なくとも1層のポリマーラテックスを主バインダーとする層を有するのが好ましい。
【0210】
本発明における非感光性層に用いられるポリマーラテックスは、前述のアルキレンオキシド基を繰り返し単位に有する界面活性剤および酸化防止剤を含有するポリマーラテックスが好ましい。
【0211】
(かぶり防止剤の説明)
本発明に用いることのできるかぶり防止剤、安定剤及び安定剤前駆体は特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。
【0212】
1)有機ポリハロゲン化合物
本発明で用いることができる好ましい有機ポリハロゲン化合物は、下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z)(Z)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0〜1を表し、Z及びZはハロゲン原子を表し、Xは水素原子又は電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は窒素原子を少なくとも一つ含むヘテロ環基(ピリジン、キノリン基等)である。
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207頁−1216頁等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子、電子求引性基で置換されたアルキル基、電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、及びスルファモイル基等が挙げられる。電子求引性基として特に好ましいのは、ハロゲン原子、カルバモイル基、又はアリールスルホニル基であり、特にカルバモイル基が好ましい。
Xは好ましくは電子求引性基である。好ましい電子求引性基は、ハロゲン原子、脂肪族・アリール若しくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリール若しくは複素環アシル基、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、カルバモイル基であり、特に好ましくは臭素原子である。
及びZは好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−、−SO−、−C(=O)N(R)−、−SON(R)−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)N(R)−であり、特に好ましくは−SO−、−C(=O)N(R)−である。ここでいうRとは水素原子、アリール基又はアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又はアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
nは、0又は1を表し、好ましくは1である。
一般式(H)において、Qがアルキル基の場合、好ましいYは−C(=O)N(R)−であり、Qがアリール基又はヘテロ環基の場合、好ましいYは−SO−である。
一般式(H)において、該化合物から水素原子を取り去った残基が互いに結合した形態(一般にビス型、トリス型、テトラキス型と呼ぶ)も好ましく用いることができる。
一般式(H)において、解離性基(例えばCOOH基又はその塩、SOH基又はその塩、POH基又はその塩等)、4級窒素カチオンを含む基(例えばアンモニウム基、ピリジニウム基等)、ポリエチレンオキシ基、水酸基等を置換基に有するものも好ましい形態である。
【0213】
以下に本発明における一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0214】
【化34】



【0215】
上記以外の本発明に用いることができるポリハロゲン化合物としては、US3874946号、US4756999号、US5340712号、US5369000号、US5464737号、US6506548号、特開昭50−137126号、同50−89020号、同50−119624号、同59−57234号、特開平7−2781号、同7−5621号、同9−160164号、同9−244177号、同9−244178号、同9−160167号、同9−319022号、同9−258367号、同9−265150号、同9−319022号、同10−197988号、同10−197989号、同11−242304号、特開2000−2963、特開2000−112070、特開2000−284410、特開2000−284412、特開2001−33911、特開2001−31644、特開2001−312027号、特開2003−50441号明細書の中で当該発明の例示化合物として挙げられている化合物が好ましく用いられるが、特に特開平7−2781号、特開2001−33911、特開2001−312027号に具体的に例示されている化合物が好ましい。
本発明における一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10−4モル以上1モル以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3モル以上0.5モル以下の範囲で、さらに好ましくは1×10−2モル以上0.2モル以下の範囲で使用することが好ましい。
本発明において、かぶり防止剤を熱現像感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0216】
2)その他のかぶり防止剤
その他のかぶり防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
【0217】
本発明における熱現像感光材料はかぶり防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は熱現像感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面の層に添加することが好ましく、画像形成層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、画像形成層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。
また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0218】
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、及びチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9−297367号、特開平9−304875号、特開2001−100358号、特開2002−303954号、特開2002−303951号等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0219】
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000−356317号や特開2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体若しくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム及びテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体若しくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフラタジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン及び2,3−ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6−イソプロピルフタラジンとフタル酸又は4メチルフタル酸との組み合わせである。
【0220】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明においては膜物理性を改良するために公知の可塑剤、潤滑剤を使用することができる。特に、製造時のハンドリング性や熱現像時の耐傷性を改良するために流動パラフィン、長鎖脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル類等の潤滑剤を使用することが好ましい。特に低沸点成分を除去した流動パラフィンや分岐構造を有する分子量1000以上の脂肪酸エステル類が好ましい。
画像形成層及び非感光層に用いることのできる可塑剤及び潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117、特開2000−5137号、特開2004−219794号、特開2004−219802号、特開2004−334077号に記載されている化合物が好ましい。
【0221】
4)染料、顔料
本発明における画像形成層には、色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
【0222】
5)造核剤
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に造核剤を添加することが好ましい。造核剤やその添加方法及び添加量については、特開平11−65021号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特開2000−284399号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特開2000−347345号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、造核促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0223】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0224】
本発明の熱現像感光材料で造核剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、又はヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸又はその塩の使用量(感光材料1mあたりの塗布量)は感度やかぶりなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1mg/m以上500mg/m以下が好ましく、0.5mg/m以上100mg/m以下がより好ましい。
【0225】
(塗布液の調製及び塗布)
本発明における画像形成層塗布液の調製温度は、30℃以上65℃以下が好ましく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0226】
(アンチハレーション層)
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を画像形成層に対して光源から遠い側に設けることができる。
【0227】
アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
【0228】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.15〜2であることが好ましく0.2〜1であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001g/m〜1g/m程度である。
【0229】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0230】
(マット剤)
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は熱現像感光材料1m当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1mg/m以上400mg/m以下、より好ましくは5mg/m以上300mg/m以下である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。
画像形成層面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、0.3μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上7μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては5%以上80%以下であることが好ましく、20%以上80%以下である事が更に好ましい。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。更に、画像形成層面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上8μm以下であることが好ましく、2μm以上6μm以下であることが更に好ましい。
バック面に用いるマット剤の球相当直径の体積加重平均は、1μm以上15μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下である事が更に好ましい。また、マット剤のサイズ分布の変動係数としては3%以上50%以下であることが好ましく、5%以上30%以下である事が更に好ましい。更に、バック面のマット剤は平均粒子サイズの異なる2種以上のマット剤を用いることができる。その場合、平均粒子サイズのもっとも大きいマット剤と、もっとも小さいマット剤の粒子サイズの差は、2μm以上14μm以下であることが好ましく、2μm以上9μm以下であることが更に好ましい。
【0231】
また、画像形成層面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法」及びTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0232】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0233】
本発明において、マット剤は熱現像感光材料の最外表面層若しくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0234】
(硬膜剤)
本発明における画像形成層、保護層、バック層など各層には、硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著「THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION」(Macmillan Publishing Co.,Inc.刊、1977年刊)、77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0235】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳「液体混合技術」(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0236】
(フッ素系界面活性剤)
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料においては特開2002−82411号、特開2003−057780号及び特開2003−149766号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特開2003−057780号及び特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明においてフッ素系界面活性剤は画像形成層面、バック面のいずれにも使用することができ、両方の面に使用することが好ましい。また、前述の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減若しくは除去しても十分な性能が得られる。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は画像形成層面、バック面それぞれに0.1mg/m〜100mg/mの範囲で、より好ましくは0.3mg/m〜30mg/mの範囲、さらに好ましくは1mg/m〜10mg/mの範囲である。特に特開2001−264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01mg/m〜10mg/mの範囲が好ましく、0.1mg/m〜5mg/mの範囲がより好ましい。
【0237】
(帯電防止剤)
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO、SnOが好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnOに対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiOに対してはNb、Ta等の添加が好ましい。
特にSbを添加したSnOが好ましい。異種原子の添加量は0.01モル%〜30モル%の範囲が好ましく、0.1モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m〜1000mg/mの範囲で、より好ましくは10mg/m〜500mg/mの範囲、さらに好ましくは20mg/m〜200mg/mの範囲である。
本発明における帯電防止層は、画像形成層面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。帯電防止層の具体例は特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
【0238】
(支持体)
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130℃〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に画像形成層若しくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5質量%以下であることが好ましい。
【0239】
(その他の添加剤)
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、画像形成層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
【0240】
(塗布方式)
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、又は米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F.Kistler、Petert M.Schweizer著「LIQUID FILM COATING」(CHAPMAN&HALL社刊、1997年)、399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、又はスライドコーティングが好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1にある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号に記載の方法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001−194748号、同2002−153808号、同2002−153803号、同2002−182333号に記載された方法である。
【0241】
本発明における画像形成層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。
本発明における画像形成層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0242】
塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明における好ましいインライン混合機は、特開2002−85948号に、インプラント混合機は特開2002−90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明における好ましい脱泡処理方法については特開2002−66431号に記載された方法である。
塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002−143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明における好ましい乾燥方法は特開2001−194749号、同2002−139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70℃〜90℃、加熱時間が2秒〜10秒の範囲である。本発明における好ましい加熱処理の方法は特開2002−107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002−156728号、同2002−182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
【0243】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0244】
(包装材料)
本発明の熱現像感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、若しくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50mL/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは10mL/atm・m・day以下、さらに好ましくは1.0mL/atm・m・day以下である。水分透過率は10g/atm・m・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m・day以下である。
該酸素透過率及び/又は水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
【0245】
(その他の利用できる技術)
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特開2001−200414号、同2001−234635号、同2002−020699号、同2001−275471号、同2001−275461号、同2000−313204号、同2001−292844号、同2000−324888号、同2001−293864号、同2001−348546号、同2000−187298号も挙げられる。
【0246】
(画像形成方法)
1)露光
本発明の感光材料はいかなる方法で露光されても良いが、レーザー光で走査露光するのが好ましい。レーザー光としては、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーを用いることが出来る。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。青色レーザー光のピーク波長は、300nm〜500nm、特に400nm〜500nmが好ましい。
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0247】
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80℃〜250℃であり、好ましくは100℃〜140℃、さらに好ましくは110℃〜130℃である。現像時間としては1秒〜60秒が好ましく、より好ましくは3秒〜30秒、さらに好ましくは5秒〜25秒、7秒〜15秒が特に好ましい。
【0248】
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2段〜6段に分けて先端部については1℃〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。
このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
【0249】
熱現像機の小型化及び熱現像時間の短縮のためには、より安定なヒーター制御ができることが好ましく、また、1枚のシート感材を先頭部から露光開始し、後端部まで露光が終わらないうちに熱現像を開始することが望ましい。
本発明に好ましい迅速処理ができるイメージャーは例えば特開2002−289804号及び特開2003−285455号に記載されている。このイメージャーを使用すれば例えば、107℃−121℃−121℃に制御された3段のプレート型ヒーターで14秒で熱現像処理ができ、1枚目の出力時間は約60秒に短縮することができる。このような迅速現像処理のためには高感度で、環境温度の影響を受けにくい本発明の熱現像感光材料−2を組み合わせて使用することが好ましい。
【0250】
3)システム
露光部及び熱現像部を備えた医療用のレーザーイメージャーとしては富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPL及びDRYPIX7000を挙げることができる。FM−DPLに関しては、Fuji Medical Review、No.8、page 39〜55に記載されており、それらの技術は本発明の熱現像感光材料のレーザーイメージャーとして適用することは言うまでもない。また、DICOM規格に適応したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中でのレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0251】
(本発明の用途)
本発明の熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【実施例】
【0252】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0253】
実施例1
(PET支持体の作製)
1)製膜
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、未延伸フィルムを作製した。
【0254】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cmで巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0255】
2)表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/mの処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0256】
3)下塗り
処方a(画像形成層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液)46.8g
東洋紡績(株)製バイロナールMD−1200 10.4g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5)1質量%溶液 11.0g
綜研化学(株)製MP−1000(PMMAポリマー微粒子、平均粒径0.4μm)
0.91g
蒸留水 931mL
【0257】
処方b(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 130.8g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン質量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8質量%水溶液)
5.2g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
ポリスチレン粒子分散物(平均粒子径2μm、20質量%)0.5g
蒸留水 854mL
【0258】
処方c(バック面側第2層用)
SnO/SbO(9/1質量比、平均粒径0.5μm、17質量%分散物)
84g
ゼラチン 7.9g
信越化学工業(株)製メトローズTC−5(2質量%水溶液)10g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10mL
NaOH(1質量%) 7g
プロキセル(アビシア社製) 0.5g
蒸留水 881mL
【0259】
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成層面)に上記下塗り塗布液処方aをワイヤーバーでウエット塗布量が6.6mL/m(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方bをワイヤーバーでウエット塗布量が5.7mL/mになるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方cをワイヤーバーでウエット塗布量が8.4mL/mになるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0260】
(バック層)
1)バック層塗布液の調製
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物1を、2.5kg、及び界面活性剤(商品名:デモールN、花王(株)製)300g、ジフェニルスルホン800g、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩1.0g及び蒸留水を加えて総量を8.0kgに合わせて混合し、混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散した。分散方法は、混合液を平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填したUVM−2にダイアフラムポンプで送液し、内圧50hPa以上の状態で、所望の平均粒径が得られるまで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における450nmにおける吸光度と650nmにおける吸光度の比(D450/D650)が3.0まで分散した。得られた分散物は、塩基プレカーサーの濃度で25質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにろ過(平均細孔径:3μmのポリプロピレン製フィルター)を行って実用に供した。
【0261】
2)染料固体微粒子分散液の調製
シアニン染料−1を6.0kg及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0kg、花王(株)製界面活性剤デモールSNB0.6kg、及び消泡剤(商品名:サーフィノール104E、日信化学(株)製)0.15kgを蒸留水と混合して、総液量を60kgとした。混合液を横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)を用いて、0.5mmのジルコニアビーズで分散した。
分散物は、分光吸収測定を行って該分散物の分光吸収における650nmにおける吸光度と750nmにおける吸光度の比(D650/D750)が5.0以上であるところまで分散した。得られた分散物は、シアニン染料の濃度で、6質量%となるように蒸留水で希釈し、ごみ取りのためにフィルターろ過(平均細孔径:1μm)を行って実用に供した。
【0262】
3)ハレーション防止層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、等電点6.6のゼラチン(ニッピ(株)製ABAゼラチン)37g、ベンゾイソチアゾリノン0.1g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに上記染料固体微粒子分散液36g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)を73g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液43mL、SBRラテックス(スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体;質量比68.3/28.7/3.0)10質量%液82gを混合し、完成液量773mLのハレーション防止層塗布液とした。完成液のpH値は、6.3であった。
【0263】
4)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、等電点4.8のゼラチン(宮城化学工業(株)製PZゼラチン)43g、ベンゾイソチアゾリノン0.21g、水を加えてゼラチンを溶解させた。さらに1mol/Lの酢酸ナトリウム水溶液8.1mL、単分散ポリ(エチレングリコールジメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)微粒子(平均粒子サイズ7.7μm、粒径標準偏差0.3μm)0.93g、流動パラフィンの10質量%乳化物を5g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を10g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液10mL、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム3質量%水溶液17mL、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%溶液を2.4mL、フッ素系界面活性剤(F−2)2質量%溶液を2.4mL、エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比96.4/3.6)ラテックス20質量%液30mLを混合した。塗布直前にN,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)4質量%水溶液50mLを混合し、完成液量855mLのバック面保護層塗布液とした。完成液のpH値は6.2であった。
【0264】
5)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液をゼラチン塗布量が0.54g/mとなるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.85g/mとなるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作製した。
【0265】
(画像形成層、中間層、及び表面保護層)
1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421mLに1質量%臭化カリウム溶液3.1mLを加え、さらに0.5mol/L濃度の硫酸を3.5mL、フタル化ゼラチン31.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、30℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加え95.4mLに希釈した溶液Aと臭化カリウム15.3gとヨウ化カリウム0.8gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈した溶液Bを一定流量で45秒間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10mL添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8mL添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mLに希釈した溶液Cと臭化カリウム44.2gとヨウ化カリウム2.2gを蒸留水にて容量400mLに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で20分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液C及び溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作製した。
【0266】
上記ハロゲン化銀分散物を攪拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5mL加え、40分後に47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加え、さらに5分後にテルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モル当たり2.9×10−4モル加えて91分間熟成した。その後、分光増感色素Aと増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液を銀1モル当たり増感色素AとBの合計として1.2×10−3モル加え、1分後にN,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mLを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを水溶液で銀1モルに対して8.5×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作製した。
【0267】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.042μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の{100}面比率は、クベルカムンク法を用いて80%と求められた。
【0268】
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を47℃に変更し、溶液Bは臭化カリウム15.9gを蒸留水にて容量97.4mLに希釈することに変更し、溶液Dは臭化カリウム45.8gを蒸留水にて容量400mLに希釈することに変更し、溶液Cの添加時間を30分にして、六シアノ鉄(II)カリウムを除去した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤2の調製を行った。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり1.1×10−4モル、分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で3:1のメタノール溶液の添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として7.0×10−4モル、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールを銀1モルに対して3.3×10−3モル及び1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを銀1モルに対して4.7×10−3モル添加に変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感、化学増感及び5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。ハロゲン化銀乳剤2の乳剤粒子は、平均球相当径0.080μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子であった。
【0269】
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温30℃を27℃に変更する以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤3の調製を行った。また、ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。分光増感色素Aと分光増感色素Bのモル比で1:1を固体分散物(ゼラチン水溶液)として添加量を銀1モル当たり増感色素Aと増感色素Bの合計として6×10−3モル、テルル増感剤Cの添加量を銀1モル当たり5.2×10モルに変え、テルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10−4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10−3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にして、ハロゲン化銀乳剤3を得た。ハロゲン化銀乳剤3の乳剤粒子は、平均球相当径0.034μm、球相当径の変動係数20%のヨウドを均一に3.5モル%含むヨウ臭化銀粒子であった。
【0270】
《塗布液用混合乳剤Aの調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70質量%、ハロゲン化銀乳剤2を15質量%、ハロゲン化銀乳剤3を15質量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。
さらに1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子若しくはそれ以上の電子を放出し得る化合物1,2,3をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10−3モルになる量を添加した。
吸着基と還元基を有する吸着性レドックス化合物1,2をそれぞれハロゲン化銀1モルあたり5×10−3モルになる量を添加した。
さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
【0271】
2)脂肪酸銀分散物の調製
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)100kgを、1200kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、3℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、100kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC−FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は96モル%、それ以外にリグノセリン酸が2モル%、アラキジン酸が2モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
【0272】
<脂肪酸銀分散物の調製>
再結晶ベヘン酸88kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液Bの全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。
このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液Bのみが添加されるようにした。
このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。
また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液Bの添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0273】
ベヘン酸ナトリウム溶液Bを添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られた脂肪酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.21μm、b=0.4μm、c=0.4μm、平均アスペクト比2.1、球相当径の変動係数11%の結晶であった(a,b,cは本文の規定)。
【0274】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0275】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cmに調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0276】
3)還元剤分散物の調製
《還元剤−1分散物の調製》
還元剤−1(2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤−1分散物を得た。
こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0277】
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0278】
4)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調整した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0279】
5)現像促進剤−1分散物の調製
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0280】
6)現像促進剤−2及び色調調整剤−1の分散物調製
現像促進剤−2及び色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%、15質量%の分散液を得た。
【0281】
7)ポリハロゲン化合物の調製
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調整し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0282】
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調整した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0283】
8)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
【0284】
9)メルカプト化合物の調製
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0285】
《メルカプト化合物−2水溶液の調製》
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0286】
10)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調整して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0287】
11)SBRラテックス液の調製
SBRラテックス(TP−1)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06mL、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mLに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NHイオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスTP−1を774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
【0288】
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
【0289】
12)イソプレンラテックス液の調製
イソプレンラテックス(TP−2)は以下により調製した。
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に蒸留水1500g添加し、90℃で3時間加熱し、重合釜のステンレス表面やステンレス製撹拌装置の部材に不動態皮膜を形成させる。この処理を行った重合釜に、窒素ガスを1時間バブリングした蒸留水582.28g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製))9.49g、1mol/LのNaOHを19.56g、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.20g、スチレン314.99g、イソプレン190.87g、アクリル酸10.43g、tert−ドデシルメルカプタン2.09gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度225rpmで撹拌し、内温65℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム2.61gを水40mLに溶解した液を添加し、そのまま6時間撹拌した。この時点でのは重合転化率は固形分測定から90%であった。ここで、アクリル酸5.22gを水46.98gに溶解した液を添加し、続いて水10gを添加し、過硫酸アンモニウム1.30gを水50.7mLに溶解した液をさらに添加した。添加後、90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後、内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNHOHを用いてNaイオン:NHイオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、イソプレンラテックスTP−1を1248g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、142ppmであった。
【0290】
上記ラテックスは平均粒径113nm、Tg=15℃、固形分濃度41.3質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.4質量%、イオン伝導度5.23mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
【0291】
13)アクリルラテックスAの調製
<アクリルラテックスA−1の調製>
ネオペレックスG−15(花王製)69.6g、およびキレスト2D1.03gを混合し水で500gに希釈し後添加液を調製した。
メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合ラテックス(共重合質量比57/8/28/5/2、20.5質量%、粒径110nm、pH=5.3)4600gに対し、前記後添加液500gを添加しアクリルラテックスA−1を調製した。
<アクリルラテックスA−2〜A−25の調製>
前記後添加液に対し、一般式(W)で表される界面活性剤、および酸化防止剤を表1のように添加した以外はアクリルラテックスA−1と同様にしてA−2〜A−25を調製した。この際、酸化防止剤は7質量%メタノール溶液として添加した。
【0292】
ラテックスA−1〜A−25を調製した後、室温で3ヶ月間保存した。得られたラテックスをそれぞれアクリルラテックスB−1〜B−25とした。
【0293】
【表1】



【0294】
2.塗布液の調製
1)画像形成層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000gに、水、顔料−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−1分散物、有機ポリハロゲン化合物−2分散物、フタラジン化合物−1溶液、SBRラテックス(TP−1)液、イソプレンラテックス(TP−2)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物−1分散物、現像促進剤−1分散物、現像促進剤−2分散物、色調調整剤−1分散物、メルカプト化合物−1、および水溶液メルカプト化合物−2水溶液を順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀混合乳剤140gを添加して良く混合した画像形成層塗布液をそのままコーティングダイへ送液した。
上記画像形成層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で35[mPa・s]であった。
Haake社製RheoStress RS150を使用した38℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞれ38、49、48、34、25[mPa・s]であった。
【0295】
塗布液中のジルコニウム量は銀1gあたり0.30mgであった。
【0296】
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)1000g、顔料−1分散物163g、青色染料化合物−1(日本化薬(株)製:カヤフェクトターコイズRNリキッド150)18.5質量%水溶液33g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27mL、アクリルラテックス(表2に示す)を4200mLにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135mL、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とした。
【0297】
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mLに溶解し、アクリルラテックス(表2に示す)を180g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を46mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mLを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mLを混合した。
【0298】
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mLに溶解し、流動パラフィンの10質量%乳化物を10g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を30g、アクリルラテックス(表2に示す)を180g、フタル酸15質量%メタノール溶液40mL、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28mL、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、およびポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21gを混合した。
【0299】
3.熱現像感光材料の作製
1)熱現像感光材料−1〜50の作製
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、表面保護層第1層、表面保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。
中間層塗布液の塗布量は8.9mL/m、表面保護層第2層塗布液の塗布量は26.1mL/m、表面保護層第2層塗布液の塗布量は8.3mL/mであった。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m)は以下の通りである。
【0300】
脂肪酸銀 5.42
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.14
ポリハロゲン化合物−2 0.28
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス(TP−1) 2.83
イソプレンラテックス(TP−2) 6.60
還元剤−1 0.40
還元剤−2 0.40
水素結合性化合物−1 0.116
現像促進剤−1 0.01
現像促進剤−2 0.02
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.012
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
【0301】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード180m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿した後、膜面を70℃〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0302】
【表2】



【0303】
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0304】
【化35】



【0305】
【化36】



【0306】
【化37】



【0307】
【化38】



【0308】
【化39】



【0309】
【化40】



【0310】
4.性能の評価
1)準備
得られた試料は半切サイズ(43cm長×35cm幅)に切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した後、以下の評価を行った。
<包装材料>
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μmを積層したラミネートフィルム:
酸素透過率:0.02mL/atm・m・25℃・day;
水分透過率:0.10g/atm・m・25℃・day。
【0311】
2)熱現像感光材料の露光・現像
各試料を富士メディカル(株)ドライレーザーイメージャーDRYPIX7000(最大50mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザー搭載)にて露光および熱現像(107℃−121℃−121℃に設定した3枚のパネルヒータで合計14秒)し、得られた画像の評価を濃度計により行った。
3)写真性能の評価
かぶり:未露光部の濃度をかぶりとした。
感度:画像濃度1.0を得るのに必要な露光量の逆数を感度として、1に対する相対値で表した。
【0312】
4)塗布面状の評価
得られた試料各50mを目視により100μm以上のサイズのブツの発生個数を調べた。
【0313】
5)生保存安定性の評価
得られた試料を25℃40%RHの環境下で前述の包装材料に包装したのち、50℃の環境に7日間保管した。この試料を用いて標準試料と同様の写真性評価を行い、標準試料との変化の大きさを表1に示した。
【0314】
6)評価結果
得られた結果を表2に示した。本発明の界面活性剤を使用した熱現像感光材料はブツが少なく、良好な塗布面状であった。それに対して、比較の試料では塗布表面に異物によるブツおよび塗布スジが発生した。さらに、比較の試料は保存後のラテックスを用いた試料では生保存中にかぶりが増大したが、本発明による試料は、ラテックスが経時した後であっても塗布面状に優れ、生保存中のかぶりの増大が少なく、感度変動も少なく、保存安定性の改良効果が顕著であった。
【0315】
実施例2
1.試料の作製
画像形成層のポリマーラテックスTP−2を実施例1のアクリルラテックスと同様、室温で3ヶ月保管したものをポリマーラテックスTP−2Bとした。また、下表に示したようにポリマーラテックスTP−2に対し、界面活性剤W−2−1および酸化防止剤AO−1を添加したラテックスを調製したのち、室温で3ヶ月保管しTP−3B〜5Bとした。実施例1の試料1において、画像形成層のポリマーラテックスを表3に示したように下表のポリマーラテックスに変更して、試料201〜204を作製した。
W−2−1 AO−1
(対ラテックス固形分) (対ラテックス固形分)
TP−2B: 0質量% 0質量%
TP−3B: 1質量% 0質量%
TP−4B: 0質量% 0.025質量%
TP−5B: 1質量% 0.025質量%
【0316】
【表3】



【0317】
2.性能評価
実施例1と同様に評価した結果を表4に示した。
その結果、実施例1におけると同様に試料204は1と同様の塗布面状、および生保存安定性が維持され、ラテックスの保管による性能低下が改良される好ましい結果を示した。
【0318】
【表4】


【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2008−32934(P2008−32934A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205285(P2006−205285)