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【発明の名称】 プロジェクタ装置およびプロジェクタ装置の送風制御方法
【発明者】 【氏名】長尾 順

【要約】 【課題】装置内の温度に基づき送風を制御する。

【構成】プロジェクタ装置1内の複数部分の温度が温度センサ11と12で検出される。温度センサ11はより高温となるランプ3の付近に設けられる。検出された温度が所定平均温度よりも高いと、ファン14の送風方向は、より温度が高い部分に向くように、そしてファン14と13の送風量は温度を低下させるために増加させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置であって、
前記プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風方向を変更する送風制御部と、をさらに備え、
前記送風制御部は、
前記温度検出部により検出された前記複数部分の温度と所定温度とを比較し、比較結果に基づき、前記送風部の送風方向が前記所定温度を超える部分の方に向くように制御し、
前記所定温度を超える部分の前記温度検出部による検出温度と、前記所定温度との差分に基づき、前記送風部の送風方向が前記所定温度を超える箇所の方に向くように制御し、
前記送風部は、前記プロジェクタ装置の内部の異なる箇所に設けられた複数のファンを含み、
前記複数のファンのうち1つのファンは前記光源部の周辺に設けられて、他のファンは前記光源部の周辺とは異なる位置に設けられ、
前記送風制御部は、前記他のファンの送風方向を変更し、
前記温度検出部は、
前記光源部の周辺温度を検出する第1温度検出部と、前記プロジェクタ装置の内部の前記光源部の周辺とは異なる部分の温度を検出する第2温度検出部とを含み、
前記送風制御部は、さらに、
前記温度検出部により検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風量を変更し、所定温度を超える部分の前記温度検出部による検出温度と、前記所定温度との差分に基づき、前記送風部の送風量を変更し、
前記送風制御部は、前記送風部の送風方向の変更を、前記送風量の変更に優先して行う、プロジェクタ装置。
【請求項2】
光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置であって、
前記プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部により検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風方向を変更する送風制御部と、をさらに備えるプロジェクタ装置。
【請求項3】
前記送風制御部は、
前記温度検出部により検出された前記複数部分の温度と所定温度とを比較し、比較結果に基づき、前記送風部の送風方向が前記所定温度を超える部分の方に向くように制御する、請求項2に記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記所定温度を超える部分の前記温度検出部による検出温度と、前記所定温度との差分に基づき、前記送風部の送風方向が前記所定温度を超える箇所の方に向くように制御する、請求項3に記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記送風部は、前記プロジェクタ装置の内部の異なる箇所に設けられた複数のファンを含み、
前記複数のファンのうち1つのファンは前記光源部の周辺に設けられて、他のファンは前記光源部の周辺とは異なる位置に設けられ、
前記送風制御部は、前記他のファンの送風方向を変更する、請求項2から4のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【請求項6】
前記温度検出部は、
前記光源部の周辺温度を検出する第1温度検出部を含む、請求項2から5のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【請求項7】
前記温度検出部は、
前記プロジェクタ装置の内部の前記光源部の周辺とは異なる部分の温度を検出する第2温度検出部を含む、請求項6に記載のプロジェクタ装置。
【請求項8】
前記送風制御部は、さらに、
前記温度検出部により検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風量を変更する、請求項2に記載のプロジェクタ装置。
【請求項9】
所定温度を超える部分の前記温度検出部による検出温度と、前記所定温度との差分に基づき、前記送風部の送風量を変更する、請求項8に記載のプロジェクタ装置。
【請求項10】
前記送風制御部は、
前記送風部の送風方向の変更を、前記送風量の変更よりも優先して行う、請求項8または9に記載のプロジェクタ装置。
【請求項11】
光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置の送風制御方法であって、
前記プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップにより検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風方向を変更する送風制御ステップと、を備え、
前記送風制御ステップは、さらに、
前記温度検出ステップにより検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風量を変更する送風量変更ステップを含み、
前記送風制御ステップでは、
前記送風部の送風方向の変更を、前記送風量の変更よりも優先して行う、プロジェクタ装置の送風制御方法。
【請求項12】
光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置の送風制御方法であって、
前記プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出ステップと、
前記温度検出ステップにより検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風方向を変更する送風制御ステップと、を備えるプロジェクタ装置の送風制御方法。
【請求項13】
前記送風制御ステップは、さらに、
前記温度検出ステップにより検出された前記温度に基づき、前記送風部の送風量を変更する送風量変更ステップを含む、請求項12に記載のプロジェクタ装置の送風制御方法。
【請求項14】
前記送風制御ステップでは、
前記送風部の送風方向の変更を、前記送風量の変更よりも優先して行う、請求項13に記載のプロジェクタ装置の送風制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は光源からの照射光を用いて像をスクリーンなどに投影するプロジェクタ装置およびプロジェクタ装置の送風制御方法に関し、特に、光源の発熱により内部の温度上昇の抑制をするためのファンを有したプロジェクタ装置およびプロジェクタ装置の送風制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタ装置では、稼動中には光源ランプが点灯する。光源ランプは投影のための十分な明るさを得るために高圧水銀ランプなどのように、発光点温度は約1000度および駆動温度は約400度というように光照射時の発熱温度が高いものが用いられている。そのため、プロジェクタ装置が稼動中は、装置内部の温度がかなり高くなり(駆動温度は約400度の場合には内部温度は70−80度となる)、装置内部の基板に搭載されたIC(Integrated Circuit)チップの回路の誤動作が生じる、また装置の筐体が熱伝導により熱くなり、ユーザが筐体を触ることができなくなるという不都合があった。したがって、装置内部を均一に冷却したいとの要望があった。
【0003】
このような不都合を解消するために、プロジェクタの装置内部の冷却のための技術が、特許文献1と2により示される。特許文献1では、プロジェクタ装置の電源スイッチの操作に応じて、内部のファンの羽の回転を正転または逆転したり、ファン自体の方向を変えたり、内部の空気の流れを稼動制御される遮蔽板で調整することにより、短時間で光源ランプの温度を冷却する技術が提供されている。
【0004】
また、特許文献2においては、冷却ファンの送風方向を外部からのユーザの切替え操作に従い切換えるようにして、ランプの加熱を防ぐように構成されている。
【特許文献1】特開2004−245903号公報
【特許文献2】特開平7−114104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の技術によれば、プロジェクタ装置において、ファンを用いて光源部の冷却をすることが可能であるけれども、ファンの向く方向およびファンの回転を、プロジェクタ装置内の温度に基づき制御するとの構成は示されていない。したがって、前述したように、装置内部を均一に冷却するとの要望には応えることはできない。
【0006】
また冷却を優先するあまりにファンの回転速度を上げると騒音も増加して好ましくない。したがって、装置内の温度を均一に冷却しながらも騒音を抑制することが求められている。
【0007】
それゆえにこの発明の目的は、装置内の温度に基づき送風方向を変更するプロジェクタ装置およびプロジェクタ装置の送風制御方法を提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、送風に伴う騒音を抑制しながら装置内を冷却するプロジェクタ装置およびプロジェクタ装置の送風制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従う光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置は、当該装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出部と、温度検出部により検出された温度に基づき、送風部の送風方向を変更する送風制御部と、をさらに備える。
【0010】
送風制御部は、温度検出部により検出された複数部分の温度と所定温度とを比較し、比較結果に基づき、送風部の送風方向が所定温度を超える部分の方に向くように制御し、所定温度を超える部分の温度検出部による検出温度と、所定温度との差分に基づき、送風部の送風方向が所定温度を超える箇所の方に向くように制御する。
【0011】
さらに、送風部は、プロジェクタ装置の内部の異なる箇所に設けられた複数のファンを含み、複数のファンのうち1つのファンは光源部の周辺に設けられて、他のファンは光源部の周辺とは異なる位置に設けられる。送風制御部は、前記他のファンの送風方向を変更し、温度検出部は、光源部の周辺温度を検出する第1温度検出部と、プロジェクタ装置の内部の光源部の周辺とは異なる部分の温度を検出する第2温度検出部とを含む。
【0012】
送風制御部は、さらに、温度検出部により検出された温度に基づき、送風部の送風量を変更し、所定温度を超える部分の温度検出部による検出温度と、所定温度との差分に基づき、送風部の送風量を変更する。送風制御部は、送風部の送風方向の変更を、送風量の変更よりも優先して行なう。
【0013】
この発明の他の局面に従う光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置は、プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出部と、温度検出部により検出された温度に基づき、送風部の送風方向を変更する送風制御部と、をさらに備える。
【0014】
好ましくは、送風制御部は、温度検出部により検出された複数部分の温度と所定温度とを比較し、比較結果に基づき、送風部の送風方向が所定温度を超える部分の方に向くように制御する。
【0015】
好ましくは、所定温度を超える部分の温度検出部による検出温度と、所定温度との差分に基づき、送風部の送風方向が所定温度を超える箇所の方に向くように制御する。
【0016】
好ましくは、送風部は、プロジェクタ装置の内部の異なる箇所に設けられた複数のファンを含み、複数のファンのうち1つのファンは光源部の周辺に設けられて、他のファンは光源部の周辺とは異なる位置に設けられ、送風制御部は、他のファンの送風方向を変更する。
【0017】
好ましくは、温度検出部は、光源部の周辺温度を検出する第1温度検出部を含む。
好ましくは、温度検出部は、プロジェクタ装置の内部の光源部の周辺とは異なる部分の温度を検出する第2温度検出部を含む。
【0018】
好ましくは、送風制御部は、さらに、温度検出部により検出された温度に基づき、送風部の送風量を変更する。
【0019】
好ましくは、所定温度を超える部分の温度検出部による検出温度と、所定温度との差分に基づき、送風部の送風量を変更する。
【0020】
好ましくは、送風制御部は、送風部の送風方向の変更を、前記送風量の変更よりも優先して行なう。
【0021】
この発明のさらに他の局面に従う光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置の送風制御方法は、プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出ステップと、温度検出ステップにより検出された温度に基づき、送風部の送風方向を変更する送風制御ステップと、を備える。
【0022】
送風制御ステップは、さらに、温度検出ステップにより検出された温度に基づき、送風部の送風量を変更する送風量変更ステップを含む。送風制御ステップでは、送風部の送風方向の変更を、送風量の変更よりも優先して行なう。
【0023】
この発明のさらに他の局面に従う光源部と、送風部とを備えるプロジェクタ装置の送風制御方法は、プロジェクタ装置の内部の複数部分の温度を検出する温度検出ステップと、温度検出ステップにより検出された温度に基づき、送風部の送風方向を変更する送風制御ステップと、を備える。
【0024】
好ましくは、送風制御ステップは、さらに、温度検出ステップにより検出された温度に基づき、送風部の送風量を変更する送風量変更ステップを含む。
【0025】
好ましくは、送風制御ステップでは、送風部の送風方向の変更を、送風量の変更よりも優先して行なう。
【発明の効果】
【0026】
発明によれば、温度検出部により検出された装置内部の複数部分の温度に基づき、送風制御部により送風方向を変更することができる。
【0027】
発明によれば、送風量の変更よりも送風方向の変更のほうが優先的に行われるので、送風量の変更に伴う騒音の発生を抑制するようにして、送風制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1にこの発明の実施の形態に係るプロジェクタ装置の内部構成が概略的に示される。本実施の形態に係るプロジェクタ装置1は、DLP((Digital Light Processing)登録商標)方式を採用したプロジェクタ装置である。プロジェクタ装置1には、各種回路およびICチップが搭載された基板2、投影用の光を照射する光源部のランプ3、レンズ4、6および9、カラーホイール5、反射ミラー7、DMD((Digital Micromirror Device)登録商標)8、ならびに冷却のための送風部であるファン13および14が筐体30に内蔵される。さらに、筐体30の側面には、外部に音声を出力可能なようにスピーカ40が設けられ、また、レンズ9は筐体30の外部に突出して設けられている。
【0029】
レンズ9から出力された投影のための照射光はプロジェクタ装置1の前方に設けられたスクリーン10に照射されて、スクリーン10に映像を映し出す。また、筐体30は、スクリーン10とは反対側(プロジェクタ装置1の後方)において吸気口34、側面において吸気口32および33ならびにスクリーン10と対面する前方面(レンズ9が設けられた面)において排気口31が設けられる。
【0030】
吸気口32、33および34からファン13と14の回転により装置内部に取り込まれた気流は、装置内部を通過して排気口31から送出される。プロジェクタ装置1内部では、空気が、プロジェクタ装置1内部に設けられた比較的大きなサイズのファン13およびファン13よりも小さいサイズのファン14の運転により送風されながら巡回する。排気口31および吸気口32、33および34は、筐体30の面にスリットを形成することにより構成されている。排気口31はレンズ9から照射される光の光路を妨げないように、たとえばそのスリットはレンズ9とは反対側に傾斜して形成される。
【0031】
ランプ3は白色光を照射する、たとえば高圧水銀ランプなどであり、その発光点温度および駆動温度はかなり高く、その周辺は高温となる。したがって、ファン13はランプ3付近に設けられることでランプ3の周囲を冷却して、その周辺温度を下げる。また、基板2上には、ランプ3の周囲温度を測定するために、ランプ3に接近してランプ3の周辺温度を検出する温度センサ11が搭載されて、また基板2上のランプ3から離れた端部(温度センサ11から比較的離れた位置)には、その周辺温度を測定するための温度センサ12が搭載される。
【0032】
DLP方式のプロジェクタ装置1は、DMD8を使ってスクリーン10に像を投影する。DMD8は、微小の可動ミラーを敷き詰めている半導体スイッチで構成される。DMD8はSRAM(Static Random Access Memory)の1セル毎の上に形成された微小ミラーは、オン、オフ状態で±10度の傾きを有する。DMD8の各ミラーのオン/オフのスイッチングスピードは基板2に搭載された図示のないマイクロプロセッサにより制御される。ミラーに入射した光の反射は、1ミラーごとにデジタル制御される。スイッチングレートを変えることにより、DMD8からの反射光にデジタルグレースケールが得られる。
【0033】
動作において、光源のランプ3から出力された光は、レンズ4で集束して、カラーホイール5に照射される。カラーホイール5はRGB(Red、Green、Blue)のロータリーカラーフィルタであって、その回転周期は、基板2のマイクロプロセッサから与えられる信号により制御される。カラーホイール5を透過した光がレンズ6を介してミラー7に入射し、ミラー7において反射することにより、DMD8に入射する。DMD8では、RGB各色光に同期したデータがSRAMに書込まれ、ミラーで反射された光束はレンズ9を介して外部のスクリーン10に投影されて、ここにおいて画像を形成する。
【0034】
図2(A)と(B)には、ファン13と14の構成が示される。ファン13は、羽151とブラケット161とが一体化して構成されている。ファン13にはモータ部181が接続される。モータ部181は羽151を回転させるためのファンモータ201を有する。ファンモータ201の回転に連動して羽151が回転する。
【0035】
図2(B)のファン14は、羽152およびブラケット162が一体化して構成されており、ブラケット162はターンテーブル172上に載置されている。ターンテーブル172は回転軸192を介してモータ部182に接続される。モータ部182はファンモータ301とテーブルモータ302を備える。ファンモータ301の回転に連動して羽161が回転する。テーブルモータ302の回転動作は、回転軸192を介してターンテーブル172に伝達される。これにより、テーブルモータ302の回転に連動してターンテーブル172が回転軸192を中心に同心円状に回転可能である。
【0036】
なお、ターンテーブル172を回転させるためにモータ、たとえばステッピングモータを適用するが、これに限定されず、ソレノイドを利用して回転するようにしてもよい。
【0037】
このように、ファン13を比較的に大きなサイズのファンにすることで、プロジェクタ装置1の動作時にかなり高温となるランプ3付近を効率よく冷却することが可能となる。
【0038】
図3には、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1の基板2に搭載されるマイクロプロセッサとその周辺の回路構成が示される。マイクロプロセッサはCPU(Central Processing Unit)21とメモリ22を含む。CPU21には、スピーカ40へ音声を出力するための音声IC26、温度センサ11および12、ユーザが指示を入力するために操作するキー、スイッチなどからなる操作部20、外部入力部23、計時動作するためのタイマ24、メモリ22および投影部25が接続される。
【0039】
投影部25は、前述したカラーホイール4、DMD8およびランプ3を有する。タイマ24は、計時した時間データをCPU21に与える。温度センサ11は、周囲温度を計測して、計測結果である温度データT1をCPU21に与える。温度センサ12は、同様に周囲温度を計測して、温度データT2をCPU21に与える。外部入力部23は、外部装置(たとえば、パーソナルコンピュータなど)から与えられる画像データを入力して、CPU21に与える。CPU21は、画像データに基づき、投影部25のカラーホイール4およびDMD8を前述したようにデジタル制御する。ランプ3はCPU21により投影開始が指示されると点灯して光を出力し、投影終了が指示されると消灯して光の出力を停止する。プロジェクタ装置1の各部には図示のない外部の商用電源または内蔵する図示のないバッテリを介して動作のための電力が供給される。操作部20を介して電源オンの操作の信号が入力されると、CPU21は各部に電力の供給を開始するように制御するとともに、ランプ3に対して点灯開始の指示信号を与える。また、操作部20を介して電源オフの操作の信号を入力すると、各部への電力の供給を停止するように制御するとともに、ランプ3に対して消灯の指示を与える。
【0040】
図4には、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1のファン13と14の運転制御のための機能構成が示される。図4においてプロジェクタ装置1は、CPU21に対応の制御部245、タイマ24に対応の計時部241、温度センサ11と12に対応の温度検出部242、モータ部181と182に駆動信号を与えてモータの駆動を制御するためのモータ駆動制御部243、各種データを格納するメモリ22を有する。
【0041】
制御部245はファン13と14の羽151と161の回転を制御するための大ファン回転制御部27および小ファン回転制御部28、ファン14のターンテーブル172の回転を制御するための小ファンテーブル回転制御部29、投影部25を制御するための投影制御部251および警告部40を含む。制御部245のこれら各部は、メモリ22の各種データおよび外部から与えられるデータに基づき実行されるプログラムを用いて実現される。これらのプログラムは、メモリ22に予め格納されており、CPU21が、これら各部に対応のプログラムをメモリ22から読出し実行することにより、各部の機能が実現される。
【0042】
投影制御部251は、外部入力部23から与えられる画像データDTに基づき、投影部25のカラーホイール4およびDMD8を、同期を取りながら制御している。したがって、スクリーン10には画像データDTに基づく映像が映し出される。
【0043】
メモリ22には、プロジェクタ装置1内部の基板2における各種回路の正常動作を保証するための限界となる最大の平均温度を示す所定平均温度データMT、ファン13と14の羽の回転速度の最大値を単位時間当たりの回転数で示す回転速度Maxデータ301Aおよび301B、ファン13と14の羽151と152の現在の単位時間当たりの回転数で示す現在の回転速度データ303Aおよび303B、ファン13のターンテーブル172の現在の回転角度を示す現在の回転角度データ304、調整用テーブルTB1およびTB2、ターンテーブル172の回転に関する角度増分データ305Aおよび305B、ファン13と14の初期の回転速度データ306Aおよび306B、ターンテーブル172の初期の回転角度を示す初期回転角度データ307、ファン13と14の回転速度の増分を単位時間当たりの回転速度の増分で示す小ファン回転速度増分データ308および大ファン回転速度増分データ309、ならびに温度センサ方向の回転角度データ310Aと310Bが格納される。
【0044】
温度センサ方向の回転角度データ310Aは、ターンテーブル172を、初期の回転角度から温度センサ11の方向にファン14を向けるために回転させるための角度を示す。同様に、温度センサ方向の回転角度データ310Bは、ターンテーブル172を、初期の回転角度から温度センサ12の方向にファン14を向けるために回転させるための角度を示す。
【0045】
角度増分データ305Aと305Bは、ターンテーブル172の回転角度に関する増分を示し、特に、角度増分データ305Aはファン14からの送風を温度センサ11(ランプ3付近)に出力するためのターンテーブル172の回転角度(角度、回転方向)を示し、角度増分データ305Bはファン14からの送風を温度センサ12方向に出力するためのターンテーブル172の回転角度(角度、回転方向)を示す。
【0046】
メモリ22における現在の回転速度データ303Aおよび303B、ならびに現在の回転角度データ304は、制御部245が、モータ駆動制御部243から、モータ駆動制御部243によりモータ部181と182に与えられる対応の電圧レベルを逐次入力してメモリ22に格納することで逐次更新される。これらデータを除く他のデータは、プロジェクタ装置1の工場出荷時などにメモリ22に予め格納されるデータである。
【0047】
図5(A)と(B)には調整用テーブルTB1とTB2が示される。図5(A)を参照して大きなファン13用の調整用テーブルTB1には、温度データT1とT2の差分を示す温度差データΔT1、ΔT2、ΔT3、…、ΔTi…ΔTnを用いて示される各レンジに対応して、ファン13の羽151の回転速度を示すファン回転速度データ333が格納されている。ファン13の羽151の回転速度は、ファンモータ201にモータ駆動制御部243から与えられる駆動用の電圧のレベルに応じて決定される。したがって、図4に示したメモリ22の初期回転速度データ306Aならびに306Bは、小ファン回転速度増分データ308および大ファン回転速度増分データ309は、電圧のレベルを用いて示される。
【0048】
図5(B)には、小さいファン14用の調整用テーブルTB2の内容例が示される。調整用テーブルTB2には、前述と同様に温度差データΔTが示す温度差のレンジのそれぞれに対応して、テーブル172の回転角度を示すテーブル回転角度データ330およびファン14の羽152の回転速度を示すファン回転速度データ331が関連付けて格納されている。ファン回転速度データ331は、羽152の回転を制御するファンモータ301にモータ駆動制御243を介して供給される電圧レベルの増分を用いて示される。テーブル回転角度データ330は、回転軸192を中心に同心円状に回転するターンテーブル172の回転角度を、テーブルモータ302に供給される電圧レベルを用いて示される。温度差データΔTに応じてテーブルモータ302に供給される電圧レベルの増分(または減少分)が対応付けられているので、テーブルモータ302に供給される電圧を温度差データΔTに応じた電圧レベルだけ増加または減少させることにより、ターンテーブル172の回転角度(量と方向)を決定することができる。
【0049】
図6〜図11を参照して、プロジェクタ装置1内の温度に基づくファン13と14の駆動制御について説明する。図11(A)〜(C)はファン14の向きの変化を模式的に示しており、図中の矢印はファン13と14による基板2方向の風向きを示す。ファン13はランプ3付近を優先的に冷却するために、ファン14とは異なりテーブルなどを介して方向の回転はされず、向きは固定であると想定する。
【0050】
ここでは、プロジェクタ装置1内の温度に基づきファンの送風方向および送風量を決める回転速度(単位時間当たりの回転数)を変更しているが、冷却(温度の低下させる)効果を得るには送風方向のみを切替えるとしてもよい。
【0051】
ユーザにより操作部20を介して電源オンの操作がされると、CPU21が当該操作による指令信号を入力して図6の処理を開始する。なお、ターンテーブル172は、プロジェクタ装置1が電源オフされた場合には、初期状態の回転角度に戻されると想定する。したがって、初期状態においてはファン13と14は、たとえば図11(A)のように基板2の方向に並行して向けられる。
【0052】
まず、電源オンされると、CPU21は、初期状態の設定処理を行なう(ステップS1)。初期状態の設定においては、各部に電力が供給されるとともに、ランプ3は点灯し、ファンモータ301と201には、小ファン回転制御部28と大ファン回転制御部27によりメモリ22から読出された初期回転速度データ306Aと306Bが示すレベルの電圧信号がモータ駆動制御部243を介して与えられる。これにより、ファン13とファン14は、初期回転速度データ306Aと306Bに応じた回転速度で回転を開始する。
【0053】
次に、制御部245は、モータ駆動制御部243を介して、ファンモータ201および301、ならびにテーブルモータ302に供給されている電圧信号のレベルを取得し、それをメモリ22に現在の回転速度データ303Aおよび303Bならびに現在の回転角度データ304として格納する(ステップS3)。その後、温度検出部242により、温度センサ11と12によって検出されている温度データT1とT2を入力する(ステップS5)。
【0054】
次に、制御部245は、入力した温度データT1およびT2と、メモリ22から読出した所定平均温度データMTとを比較する(ステップS7)。比較において、T1≧MTかつT2≧MTの条件が成立するか否かを判定する。この判定結果、当該条件が成立すると判定されると(ステップS7でYES)、後述する第1処理(ステップS9)が実行される。その後、ユーザが操作部20を操作して電源オフ操作がされたか否かを判定する(ステップS11)。電源オフ操作がされたと判定されると、一連の処理は終了するが、電源オフ操作されていないと判定されると(ステップS11でNO)、ステップS3の処理に戻り、以降の処理を同様に繰返す。
【0055】
一方、ステップS7の条件が成立しないと判定されると(ステップS7でNO)、ステップS13以降の処理が実行される。
【0056】
ステップS13においては、CPU21はT1≧MTかつT2<MTが成立するか否かを判定する。当該条件が成立すると判定されると(ステップS13でYES)、後述する第2処理が実行される(ステップS21)。その後、前述したステップS11の処理が実行される。
【0057】
一方、ステップS13の条件が成立しないと判定されると(ステップS13でNO)、制御部245はT1<MTかつT2≧MTの条件が成立するか否かを判定する(ステップS15)。当該条件が成立すると判定されると(ステップS15でYES)、後述する第3処理が実行されて(ステップS23)、その後、ステップS11の処理が前述と同様に実行される。
【0058】
ステップS15の条件が成立しないと判定されると(ステップS15でNO)、回転速度リセット処理(ステップS17)、回転方向リセット処理(ステップS19)を実行して、前述したステップS11以降の処理を同様に繰返す。
【0059】
ステップS17の回転速度リセット処理およびステップS19の回転方向リセット処理では、前述した初期設定処理(ステップS1)と同様に、ファン13と14の羽151と152の回転速度がメモリ22に格納された初期回転速度データ306Aおよび306Bに従う回転速度となるよう制御され、またターンテーブル172は、ファン14が図11(A)で示す方向に向くように回転角度が制御される。
【0060】
つまり、小ファン回転制御部28および大ファン回転制御部27は、メモリ22から読出した現在の回転速度データ303Aおよび303Bと初期回転速度データ306Aと306Bの差分に従い、モータ駆動制御部245を介してファンモータ301と201を制御されることにより、羽151と152の回転速度は初期回転速度となるように制御される。また、同様にターンテーブル172は、現在の回転角度データ304と初期回転角度データ307が示す差分に基づいてテーブルモータ302を介して回転角度および方向が制御されることにより、ターンテーブル172の回転角度が図11(A)の状態である初期回転角度データ307を示すように制御される。
【0061】
このように、温度センサ11と12から検出した温度データT1とT2が示す温度が、所定平均温度データMTが示す温度以上を示す場合にはファン13と14の回転による冷却能率を上げる必要はないので、ファン13と14の回転速度は初期回転速度データ306Aと306Bの回転速度を示すように制御される。これにより、ファン13と14を比較的に低速の回転とすることができて過剰な電力消費を回避できるとともに、羽151と152の回転による騒音量も少なくすることができる。また、ファン13と14の向きは図11(A)に示されるようにされて、プロジェクタ装置1内の温度を均一に冷やすような風向きとなるように整えられる。
【0062】
図7を参照して、第1処理(ステップS9)について説明する。
まず、制御部245は、T1≧T2の条件が成立するか否かを判定する(ステップR1)。条件が成立しない(ステップR1でNO)、すなわちランプ3周辺の温度よりも他の部位(温度センサ12が設けられた部位)の温度が高いと判定すると、小ファンテーブル回転制御部29は、ファン14の向きを変更するか否かを判定する(ステップR3)。つまり、ファン14が温度センサ12の方向に向いているか否かを判定する。具体的には、現在の回転角度データ304と温度センサ方向の回転角度データ310Bをメモリ22から読出し、両者の回転角度が一致しているか否かにより判定する。一致している場合には、ファン14は既に温度センサ12の方向を向いており向きを変更する必要はないので(ステップR3でNO)、後述のステップR11の処理に移行する。
【0063】
一方、両者の回転角度が一致しておらずファン13が温度センサ12の方に向いていないために向きの変更が必要と判定されると(ステップR3でYES)、小ファンテーブル回転制御部29は、前述したようにターンテーブル172の回転角度を初期状態とする、すなわち図11(A)の状態に戻す(ステップR4)。その後、小ファンテーブル回転制御部29は、検索/テーブル回転制御処理を行なう。つまり、温度データT1とT2が示す温度の差分である温度差データΔTを求め(ステップR5)、温度差データΔTに基づきメモリ22の調整用テーブルTB2を検索して(ステップR7)、当該温度差データΔTが該当するレンジに対応のテーブル回転角度データ330を読出し、モータ駆動制御部243を介してモータ部182へ与える。モータ部182のテーブルモータ302は読出された回転角度データ330が示す電圧レベルに基づき回転するので、当該回転に連動してターンテーブル172は回転し、その結果、ファン14は現在の向きから温度差データΔTに応じた角度だけ温度センサ12の方向へ向くように制御される(ステップR9)。このような検索/テーブル回転制御処理により、たとえばファン14は図11(A)から図11(C)の状態になり送風の方向は変化する。
【0064】
その後、小ファン回転制御部28は、ファン14の現在の回転速度データ303Bをメモリ22から読出し、回転速度Maxデータ301Bと比較して、ファン14の回転速度が最大回転速度に達しているか否かを判定する(ステップR11)。ファン14の回転速度が最大回転速度に達していると判定されると(ステップR11でYES)、後述するステップR19以降の処理に移るが、そうでないと判定されると(ステップR11でNO)、ステップR13に移行して、検索/小ファン回転制御処理を行なう。つまり、小ファン回転制御部28は、温度データT1とT2とに基づき温度差データΔTを求め(ステップR13)、求めた温度差データΔTに基づきメモリ22の調整用テーブルTB2を検索して、当該温度差データΔTに該当のレンジに対応のファン回転速度データ331を読出し(ステップR15)、読出したファン回転速度データ331に基づくレベルの電圧信号を、モータ駆動制御部243を介してモータ部182へ供給する。これにより、ファン14の回転速度は温度差データΔTに応じた分だけ増加する(ステップR17)。このような検索/小ファン回転制御処理の後、図6の元の処理に戻る。
【0065】
一方、ステップR19においては、大ファン回転制御部27は、ファン13の回転速度が最大回転速度に達しているか否かを、現在の回転速度データ303Aと回転速度Maxデータ301Aとをメモリ22から読出して両者を比較することにより判定する。
【0066】
ファン13の回転速度が、回転速度Maxデータ301Aが示す最大回転速度以上でない場合には(ステップR19でNO)、検索/大ファン回転制御処理が行われる。つまり、大ファン回転制御部27は、温度差データΔTを求めて(ステップR23)、求めた温度差データΔTに基づき調整用テーブルTB1を検索し、該当するレンジに対応のファン回転速度データ333を読出し(ステップR25)、読出したファン回転速度データ333が示すレベルの電圧信号を、モータ駆動制御部243を介してモータ部181に与える。これにより、ファン13の回転速度は温度差データΔTに応じた分だけ速くなる(ステップR27)。このような検索/大ファン回転制御処理の後、図6の処理に戻る。
【0067】
一方、現在の回転速度データ303Aが示す回転速度が、回転速度Maxデータ301Aが示す回転速度以上を示す場合には(ステップR19でYES)、警告部40は、音声IC26を制御して、スピーカ40から警告のメッセージ(温度が高すぎる旨のメッセージ)を出力させる(ステップR21)。この警告を発した後は、当該処理を終了する。
【0068】
このようにランプ13付近の温度センサ11と、温度センサ12とによる計測温度が、所定平均温度データMTが示す温度以上であり、かつランプ3付近の温度よりも温度センサ12付近の温度が高い場合には、温度センサ12付近を効率よく冷却して、以って装置内部の温度を速やかに低下させるために、ファン14は温度センサ12付近に送風するような向きに変更されて、また、両ファンの回転速度は最大となるように制御される。これにより装置内部の温度は均一に、かつ速やかに低下する。
【0069】
なお、ステップR9のファン14の方向変更後は、直ぐにファン14または13の回転速度の制御がされるとしたが、次のようにしてもよい。つまり、ステップR9の実行後の計時部241が計時する所定時間経過後にT1<MTかつT2<MTとの条件が成立するか、すなわち装置内部の温度が所定平均温度よりも低くなったと判定されたら図6の元の処理に戻るようにし、条件が成立しない、すなわち装置内部の温度は所定平均温度以上を示す場合には、ファン14の方向変更だけでは十分な冷却効果が得られないので、ステップR11以降のファンの回転速度を上げる処理に移行するようにしてもよい。
【0070】
さて、ステップR21において警告音声が出力された場合には、ユーザは、何らかの対応をするであろう。たとえば、操作部20を操作して電源をオフ操作するかもしれない。電源をオフ操作するとランプ3は消灯するので、プロジェクタ装置1内の温度は低下する。
【0071】
また、警告を発した後は直ちに、または、警告後に計時部241で計時する所定期間内にユーザにより電源オフの操作がされないときには、高温による基板2上の回路等の損傷または筐体30の損傷を防ぐために、制御部245は、強制的に電源オフするようにしてもよい。
【0072】
ステップR1に戻り、温度データT1≧温度データT2の条件が成立すると判定された場合には(ステップR1でYES)、図8の処理に移行して、大ファン回転制御部27は、現在の回転速度データ303Aと回転速度Maxデータ301Aとをメモリ22から読出し、読出した両データが示す回転速度を比較して、ファン13の現在の回転速度が最大回転速度であるか否かを判定する(ステップR29)。ファン13の回転速度が最大回転速度に達していると判定されると(ステップR29でYES)、後述のステップR37の処理に移行する。
【0073】
一方、ファン13の回転速度が最大回転速度以上でないと判定されると(ステップR29でNO)、前述の検索/大ファン回転制御処理が実行される(ステップR31、R33およびR35)。その後、図6の処理に戻る。
【0074】
ステップR37においては、ファン14が温度センサT1の方向に向いているか否か、すなわち光源ランプ3の周囲を冷却するような送風方向となるように向けられているか否かが判定される。具体的には、小ファンテーブル回転制御部29は、メモリ22から読出した現在の回転角度データ304と温度センサ方向の回転角度データ310Aとを比較し、両者が示す回転角度が一致しているか否かを判定する。一致していないと判定すると(ステップR37でNO)、後述のステップR49の処理に移るが、一致していると判定すると、すなわちファン14は温度センサT1の方向に向いていると判定されると(ステップR37でYES)、小ファン回転制御部28は、メモリ22から現在の回転速度データ303Bと回転速度Maxデータ301Bとを読出し、両者を比較し、両者が示す速度データが一致しているか否かを判定する(ステップR39)。両者が一致しており、ファン14は既に最大回転速度で運転されていると判定されると(ステップR39でYES)、ステップR47において前述した警告の処理(ステップR21を参照)が行なわれて、処理は終了する。
【0075】
一方、ファン14の回転速度は最大回転速度未満であると判定されると(ステップR39でNO)、前述の検索/小ファン回転制御処理を行なう(ステップR41、R43、R45)。その後、図6の処理に移行する。
【0076】
一方、ステップR49においては、小ファンテーブル回転制御部29は前述した検索/テーブル回転制御処理を行なう(ステップR49、R51、R53)。これにより、テーブル172は温度差データΔTに相当の角度だけ回転するので温度センサ11(電源ランプ3を冷却するため)の方向に向けられる。たとえば図11(B)の状態となる。その後、図6の処理に戻る。
【0077】
このように、温度センサ11のランプ3付近が高温である場合には、優先してファン13の回転速度の上昇の処理が実行される。この場合において、ファン13が最大回転速度にまで達している時には、ファン14が温度センサ11(ランプ3付近)に向けられてファン14からの送風がランプ3付近に当たるように制御される。この場合において、ファン14が既にランプ3付近に向けられている場合には、ファン14の回転速度を上昇させる。このようにして、ランプ3付近はファン13により優先して冷却されるが、その冷却が十分でない場合には、他のファン14も用いた冷却がなされる。
【0078】
また、ファン14を併用する場合には、方向変更が優先してされて、それでもなお冷却が十分でない場合には回転速度を上げるようにしているので、ファン14の回転速度上昇による騒音の発生を極力回避することができる。
【0079】
次に、図9を参照して、図6の第2処理(ステップS21)について説明する。第2処理は、温度データT2ではなく温度データT1が平均温度データMTを超えていてランプ3付近の急速な冷却が要求される状態において実行される。
【0080】
まず、小ファン回転制御部28は、ファン14の回転速度が最大速度を示すか否かを、メモリ22から読出した現在の回転速度データ303Bと回転速度Maxデータ301Bとを比較し判定する(ステップT10)。両者の示す回転速度が等しい場合には、ファン14の回転速度が最大速度を示しているので(ステップT10でYES)、後述するT23以降の処理に移る。
【0081】
一方、判定結果、最大回転速度に達していないと判定されると(ステップT10でNO)、ファン14は温度センサ11方向に向いているか否かをメモリ22から読出した現在の回転角度データ304と温度センサ方向の回転角度データ310Aとを比較照合して判定する(ステップT13)。両者が示す角度が一致していないと判定されると、ファン14は温度センサ11の方向に向けられるように制御される。具体的には、小ファンテーブル回転制御部29は、メモリ22から読出した現在の回転角度データ304にメモリ22から読出した角度増分データ305Aを加算して更新し、更新後の回転角度データをモータ駆動制御部243に与える(ステップT15)。これにより、モータ駆動制御部243は与えられる回転角度データが示すレベルの電圧信号をモータ部182へ与えるので、モータ部182のテーブルモータ302は与えられる電圧信号に応じて回転し、その回転に連動してテーブル172は温度センサ11方向に回転し、ファン14は温度センサ11方向に送風されるように向けられる(ステップT16)。その後、後述するステップT19の処理に移る。
【0082】
一方、ファン14は温度センサT11方向の最大角度にまで向けられていると判定されると(ステップT13でYES)、小ファン回転制御部28は、メモリ22から読出した現在の回転速度データ303Bをメモリ22から読出した小ファン回転速度増分データ308を用いて更新し、更新後の回転速度データをモータ駆動制御部243に与える。これによりモータ駆動制御部243は与えられた回転速度データが示すレベルの電圧信号をモータ部182に与えるので、モータ部182のファンモータ301は与えられた電圧信号に従い回転速度を増加させるので、当該回転速度の増加に連動してファン14の羽152の回転速度が増加する(ステップT17)。その後、後述するステップT19の処理に移る。
【0083】
一方、ステップT10においてファン14の回転速度が既に最大の回転速度を示すと判定されると(ステップT10でYES)、小ファンテーブル回転制御部29は、メモリ22から読出した現在の回転角度データ304と温度センサ11方向の回転角度データ310Aとを比較照合して、両者が一致するか否か、すなわちファン14が温度センサ11の方向に向いているか否かが判定される(ステップT23)。判定結果、ファン14は温度センサ11の方向に向いていると判定されると(ステップT23でYES)、後述するステップT27の処理に移るが、ファン14は温度センサ11の方向に向いていないと判定されると(ステップT23でNO)、前述したステップT15以降の処理が同様に行なわれる。
【0084】
ステップT19においては、制御部245は計時部241を用いて所定時間待機し、温度センサ11付近、すなわちランプ3付近の温度が低下するのを待つ。
【0085】
制御部245は、所定時間経過の後、温度データT1とメモリ22から読出した所定平均温度データMTとを比較し、T1<MTの関係が成立するか否かを判定する(T21)。成立すると判定すると(ステップT21でYES)、図6の処理に戻るが、成立していないと判定すると、すなわち温度データT1の温度が所定平均温度データMTの温度以上を示しており、ファン14の制御だけでは冷却が十分でないと判定されると(ステップT21でNO)、大ファン回転制御部27は、メモリ22から現在の回転速度データ303Aと回転速度Maxデータ301Aとを読出し、両者を比較し、ファン13の回転速度が最大回転速度を示す否かを判定する(ステップT27)。判定の結果、ファン13の回転速度は最大回転速度を示すと判定されると(ステップT27でYES)、前述した警告の処理がなされる(ステップT31)。
【0086】
一方、ファン13の回転速度は最大回転速度を示していない、すなわち最大速度未満であると判定されると(ステップT27でNO)、大ファン回転制御部27は、メモリ22から現在の回転速度データ303Aと大ファン回転速度増分データ309Aとを読出し、読出した大ファン回転速度増分データ309Aを用いて現在の回転速度データ303Aを更新して、更新後の回転速度データをモータ制御部243に与える(ステップT29)。これにより、モータ駆動制御部243は与えられる回転速度データが示すレベルの電圧信号をモータ部181に与えるので、ファンモータ201は与えられる電圧に応じて回転速度を上昇させるので、それに連動してファン13の羽151の回転速度が上昇する(ステップT29)。その後、図6の処理に戻る。
【0087】
このようにランプ3付近の温度が所定平均温度よりも高い場合には、ファン14の方向変更、または回転速度上昇によりランプ3付近の冷却を図るが、それでも冷却効果が十分でないときには、大きなファン13の回転速度を上げるようにしているので、大きなファンの羽が高速に回転することによる騒音の発生を抑制しながら、ランプ3付近の冷却を進めることができる。
【0088】
図10には、図6の第3処理(ステップS23)が示される。第3処理は、温度データT1ではなく温度データT2の温度が平均温度データMTの温度異常を示しており、基板2のランプ3側とは異なる端部付近の急速な冷却が要求される状態において実行される。
【0089】
まず、小ファン回転制御部28は、ファン14の回転速度が最大速度を示すか否かを、メモリ22から読出した現在の回転速度データ303Bと回転速度Maxデータ301Bとを比較し判定する(ステップT40)。両者の示す回転速度が等しい場合には、ファン14の回転速度が最大速度を示すので(ステップT40でYES)、後述するT53以降の処理に移る。
【0090】
一方、判定結果、最大回転速度に達していないと判定されると(ステップT40でNO)、ファン14は温度センサ12方向に向いているか否かをメモリ22から読出した現在の回転角度データ304と温度センサ方向の回転角度データ310Bとを比較照合して判定する(ステップT43)。両者が示す角度が一致していないと判定されると(ステップT43でNO)、ファン14は温度センサ12の方向に向けられるように制御される。具体的には、小ファンテーブル回転制御部29は、メモリ22から読出した現在の回転角度データ304にメモリ22から読出した角度増分データ305Bを加算して更新し、更新後の回転角度データをモータ駆動制御部243に与える(ステップT45)。これにより、モータ駆動制御部243は与えられる回転角度データが示すレベルの電圧信号をモータ部182へ与えるので、モータ部182のテーブルモータ302は与えられる電圧信号に応じて回転し、その回転に連動してテーブル172は温度センサ12方向に回転し、ファン14は温度センサ11方向に送風されるように向けられる(ステップT46)。その後、後述するステップT49の処理に移る。
【0091】
一方、ファン14は温度センサT11方向の最大角度にまで向けられていると判定されると(ステップT43でYES)、小ファン回転制御部28は、メモリ22から読出した現在の回転速度データ303Bをメモリ22から読出した小ファン回転速度増分データ308を用いて更新し、更新後の回転速度データをモータ駆動制御部243に与える。これによりモータ駆動制御部243は与えられた回転速度データが示すレベルの電圧信号をモータ部182に与えるので、モータ部182のファンモータ301は与えられた電圧信号に従い回転速度を増加させるので、当該回転速度の増加に連動してファン14の羽152の回転速度が増加する(ステップT47)。その後、後述するステップT49の処理に移る。
【0092】
一方、ステップT40においてファン14の回転速度が既に最大の回転速度を示していると判定されると(ステップT40でYES)、小ファンテーブル回転制御部29は、メモリ22から読出した現在の回転角度データ304と温度センサ12方向の回転角度データ310Bとを比較照合して、両者が一致するか否か、すなわちファン14が温度センサ12の方向に向いているか否かが判定される(ステップT53)。判定結果、ファン14は温度センサ12の方向に向いていると判定されると(ステップT53でYES)、後述するステップT57の処理に移るが、ファン14は温度センサ12の方向に向いていないと判定されると(ステップT53でNO)、前述したステップT45以降の処理が同様に行なわれる。
【0093】
ステップT49においては、制御部245は計時部241を用いて所定時間待機し、温度センサ12付近の温度が低下するのを待つ。
【0094】
制御部245は、所定時間経過の後、温度データT2とメモリ22から読出した所定平均温度データMTとを比較し、T2<MTの関係が成立するか否かを判定する(ステップT51)。成立すると判定すると(ステップT51でYES)、図6の処理に戻るが、成立していないと判定すると、すなわち温度データT2の温度が所定平均温度データMTの温度以上であり、ファン14の制御だけでは冷却が十分でないと判定されると(ステップT21でNO)、大ファン回転制御部27は、メモリ22から現在の回転速度データ303Aと回転速度Maxデータ301Aとを読出し、両者を比較し、ファン13の回転速度が最大回転速度を示すか否かを判定する(ステップT57)。判定の結果、ファン13の回転速度は最大回転速度を示すと判定されると(ステップT57でYES)、前述した警告の処理がなされる(ステップT61)。
【0095】
一方、ファン13の回転速度は最大回転速度を示さない、すなわち最大速度未満であると判定されると(ステップT57でNO)、大ファン回転制御部27は、メモリ22から現在の回転速度データ303Aと大ファン回転速度増分データ309Aとを読出し、読出した大ファン回転速度増分データ309Aを用いて現在の回転速度データ303Aを更新して、更新後の回転速度データをモータ制御部243に与える(ステップT59)。これにより、モータ駆動制御部243は与えられる回転速度データが示すレベルの電圧信号をモータ部181に与えるので、ファンモータ201は与えられる電圧に応じて回転速度を上昇させるので、それに連動してファン13の羽151の回転速度が上昇する(ステップT59)。その後、図6の処理に戻る。
【0096】
このように、温度データT1とT2の温度は、平均温度データMTの温度以上とならないようにファン13と14の送風が制御されるので、基板2に搭載されたIC回路などが熱により誤動作することを防止できる。また、筐体30自体が装置内部の温度上昇により熱くなるのを防止できて、ユーザが熱さにより筐体30に触れることもできないとの事態を回避できる。
【0097】
また、基板2上のランプ3側とは異なる端部付近の温度が所定平均温度よりも高い場合には、ファン14の方向変更、または回転速度上昇により当該端部付近の冷却を図るが、それでも冷却効果が十分でないときには、大きなファン13の回転速度を上げるようにしているので、大きなファンの羽が高速に回転することによる騒音の発生を抑制しながら、当該端部付近の冷却を進めることができる。
【0098】
ここでは、ファンを2台としているが、設置スペースおよび羽の回転による騒音を考慮することで、3台以上設けることも可能である。また、温度センサも2台としているが、3台以上とすることも可能である。このようにファンの台数または温度センサの台数を増やすことで、より正確な検出温度に基づく冷却の制御が可能となる。
【0099】
図12(A)と(B)には、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1の外観が示されて、図12(A)は上方向から見た概観を示し、図12(B)は前方面の右斜め方向からみた概観を示す。
【0100】
図1のプロジェクタ装置1は画像データDTを外部から入力して、入力した外部データに基づきデジタル制御されることでスクリーン10上に投影するようにしているが、図13のような、ステージに載置された原稿面に投影ヘッドに内蔵の光源ランプによる光を照射して、原稿の文字または絵などを投影するようなオーバヘッドプロジェクタであっても、光源ランプの発熱により装置内部が高温となるのを防止するためにファンを用いている。この冷却のためのファンの回転制御および方向の制御に、本実施の形態と同様の手順を適用することができる。
【0101】
図13は反射型のオーバヘッドプロジェクタであるが、原稿が載置されるステージ内部に投影用の光源ランプを設けて、当該光源からの照射光を原稿の裏面から当てて透過光により投影する透過型のオーバヘッドプロジェクタであっても本実施の形態と同様の手順を適用できる。
【0102】
また、原稿載置用のステージが設けられている本体部にランプおよび投影用のレンズを内蔵して、本体部から直接にスクリーンに原稿の画像を投影するようにしたヘッドレスタイプのプロジェクタであっても、本実施の形態と同様の手順を適用できる。
【0103】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】この発明の実施の形態に係るプロジェクタ装置の内部構成が概略的に示す図である。
【図2】(A)と(B)には、本実施の形態に係るファンの構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係るマイクロプロセッサとその周辺の回路構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るファンの運転制御のための機能構成図である。
【図5】(A)と(B)は本実施の形態に係る調整用テーブルを示す図である。
【図6】本実施の形態に係る全体処理フローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る第1処理のフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係る第1処理のフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る第2処理のフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る第3処理のフローチャートである。
【図11】(A)〜(C)は本実施の形態に係るファンの向きの変化を模式的に示す図である。
【図12】(A)と(B)は本実施の形態に係るプロジェクタ装置の外観図である。
【図13】反射型のオーバヘッドプロジェクタの概観図である。
【符号の説明】
【0105】
1 プロジェクタ装置、2 基板、3 ランプ、11,12 温度センサ、13,14 ファン。
【出願人】 【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行


【公開番号】 特開2008−3489(P2008−3489A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175484(P2006−175484)