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【発明の名称】 仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法
【発明者】 【氏名】天沼 はるか

【氏名】河村 亮

【要約】 【課題】構造計算を省力化、高速化することで合理的なシステムを設計することができる仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法を提供する。

【構成】x、z方向を互いに垂直な平面内方向とし、y方向を前記平面に垂直な方向とした場合、スクリーン2とプロジェクタ3との間で投影シミュレーションを行いプロジェクタ3の映像を欠損無く投影させる第1工程と、第1工程で得られたスクリーンとプロジェクタの位置関係から主要部の重心を計算するとともに主要部の各要素の重量から主要部の重量を計算する第2工程と、主要部1の重量に耐えうる支柱4の選択を行う少なくとも支柱4の重心のx、z成分を、主要部1の重心x、z成分と一致させる、又は主要部1の重心のx、z成分に最も近づける第3工程と、第3工程で配置決定した支柱4を主要部1の重量で座屈しないように計算する第4工程とを含んだことを特徴とする仮想現実感生成装置の設計方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンとスクリーンに映像を投影するプロジェクタとを有した主要部と、主要部を支持する支柱とを備えた仮想現実感生成装置の設計方法であって、x方向とz方向とが水平面上で直交し、y方向がこの水平面に対して垂直であるとした場合、スクリーンとプロジェクタとの間で投影シミュレーションを行いプロジェクタの映像を欠損無く投影させる第1工程と、第1工程で得られたスクリーンとプロジェクタのx、y、z成分から主要部の重心と重量を計算する第2工程と、主要部の重量に耐えうる支柱の選択を行う第3工程と、第3工程で配置決定した支柱を主要部の重量で座屈しないように計算する第4工程と、を含んだことを特徴とする仮想現実感生成装置の設計方法。
【請求項2】
第4工程の後に、支柱の高さを再度変更する工程を含み、この工程の後に第4工程と同様の工程を更に含む請求項1記載の仮想現実感生成装置の設計方法。
【請求項3】
第4工程の後に、主要部を再度回転させる工程を含み、この工程の後に第3工程及び第4工程と同様の工程を更に含む請求項1記載の仮想現実感生成装置の設計方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の仮想現実感生成装置の設計方法を用いて設計した仮想現実感生成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願発明は、本発明は広視野角の立体映像を実スケールで歪みなく表示することにより観察者に高い没入感を与える仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許第3387487号公報(特許文献1)に示されるように、仮想現実感生成装置は知られている。この仮想現実感生成装置は図15に示すように、球面形状型広視野角スクリーン101に歪みのない高品質の映像を投影するためにプロジェクタと反射鏡102の配置設計を行い、球面スクリーン対応歪み補正手段や投影手段設置位置対応補正手段といった観察者の視点位置に応じた歪み補正処理103を行っている。
【特許文献1】特許第3387487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許3387487号公報に示される上記従来例の仮想現実感生成装置にあっては、構造設計はシステムの製作段階で行われ、配置設計段階では検討されないため、構造計算時に再度必要なデータを収集及び入力しなければならず省力化、高速化がされていない。
【0004】
本願発明は上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、構造計算を省力化、高速化することで合理的なシステムを設計することができる仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、スクリーンとスクリーンに映像を投影するプロジェクタとを有した主要部と、主要部を支持する支柱とを備えた仮想現実感生成装置の設計方法であって、x、z方向を互いに垂直な平面内方向とし、y方向を前記平面に垂直な方向とした場合、スクリーンとプロジェクタとの間で投影シミュレーションを行いプロジェクタの映像を欠損無く投影させる第1工程と、第1工程で得られたスクリーンとプロジェクタの位置関係から主要部の重心を計算するとともに主要部の各要素の重量から主要部の重量を計算する第2工程と、主要部の重量に耐えうる支柱の選択を行う少なくとも支柱の重心のx、z成分を、主要部の重心x、z成分と一致させる、又は主要部の重心のx、z成分に最も近づける第3工程と、第3工程で配置決定した支柱を主要部の重量で座屈しないように計算する第4工程と、を含んだことを特徴としている。
【0006】
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の仮想現実感生成装置の設計方法において、第4工程の後に、支柱の高さを再度変更する工程を含み、この工程の後に第4工程を更に含むことを特徴としている。
【0007】
又、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の仮想現実感生成装置の設計方法において、第4工程の後に、主要部を再度回転させる工程を含み、この工程の後に第3工程と第4工程を更に含むことを特徴としている。
【0008】
又、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか1項記載の仮想現実感生成装置の設計方法を用いて形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本願請求項1記載の発明の仮想現実感生成装置の設計方法においては、特に、第1工程から第4工程までを含むことで、従来技術と比較して構造計算を省力化、高速化することができる。
【0010】
本願請求項2記載の発明の仮想現実感生成装置の設計方法においては、特に、支柱の高さを再度変更する工程を含み、この工程の後に第4工程を更に含むので、あらかじめ設計してあったシステム主要部の高さ変更に対して、主要部の計算を省略して構造を再設計できる。
【0011】
本願請求項3記載の発明の仮想現実感生成装置の設計方法においては、特に、第4工程の後に、主要部を再度回転させる工程を含み、この工程の後に第3工程と第4工程を更に含むので、あらかじめ設計してあったシステム主要部に対してx軸周りの回転を考える場合に、主要部の計算を部分的に省略して構造を再設計できる。
【0012】
本願請求項4記載の発明の仮想現実感生成装置においては、設計時に第1工程から第4工程までを含むことで、従来技術と比較して構造計算を省力化、高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本願発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0014】
図1〜8は、本願請求項1、4に対応した第一の実施形態である仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法を示している。
【0015】
この仮想現実感生成装置は、スクリーン2とスクリーン2に映像を投影するプロジェクタ3とを有した主要部1と、主要部1を支持する支柱4と、を備えた仮想現実感生成装置であって、x及びz方向を互いに垂直な平面内方向とし、y方向を平面に垂直な方向とした場合、少なくとも支柱4の重心のx及びz成分を、主要部1の重心x及びz成分と一致させる、又は、主要部1の重心のx及びz成分に最も近づけている。そして、この仮想現実感生成装置の設計方法は、スクリーン2とスクリーン2に映像を投影するプロジェクタ3とを有した主要部1と、主要部1を支持する支柱4とを備えた仮想現実感生成装置の設計方法であって、x、z方向を互いに垂直な平面内方向とし、y方向を前記平面に垂直な方向とした場合、スクリーン2とプロジェクタ3との間で投影シミュレーションを行いプロジェクタ3の映像を欠損無く投影させる第1工程と、第1工程で得られたスクリーン2とプロジェクタ3の位置関係から主要部1の重心を計算するとともに主要部1の各要素の重量から主要部1の重量を計算する第2工程と、主要部1の重量に耐えうる支柱4の選択を行う少なくとも支柱4の重心のx、z成分を、主要部1の重心x、z成分と一致させる、又は主要部1の重心のx、z成分に最も近づける第3工程と、第3工程で配置決定した支柱4を主要部1の重量で座屈しないように計算する第4工程と、を含んでいる。
【0016】
以下、この実施形態の仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法をより具体的詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の仮想現実感生成装置は、スクリーン2、プロジェクタ3、ミラー5を構成要素とし、各構成要素を一体化した主要部1に対して、スクリーン2に設置された支柱4によって主要部1と土台6を連結し、仮想現実感生成装置全体を支持する。スクリーン2にはプロジェクタ3から投影された映像が表示される。ここでは半球ドーム型スクリーンを考えるが、任意のスクリーン形状に対して適応可能である。プロジェクタ3は任意の映像を、ミラー5を介してスクリーン2に投影する。又、ミラー5を介さず直接投影することも可能である。ミラー5はプロジェクタ3からの映像を反射させて投影距離を延長する。
【0018】
これらの各構成要素に対して、形状、重心、重量の各データを投影データ用DBに保持しておく。投影シミュレーション、強度計算などは仮想現実感生成装置と一体あるいは独立な演算装置で行い、必要な入力は入力部で、計算は処理部で行い表示部に出力する。一時記憶は適宜必要なデータを保存する。また、演算装置は鋼材DB、投影データ用DBにアクセスし、必要な情報を取得する。
【0019】
次に、本実施形態の仮想現実感生成装置の設計方法について、図8に示すフローチャートに基づいて第1工程から順に述べる。
【0020】
図2に示すように、第1工程では、まず、観察者7の視点とスクリーン2との位置関係を定め、これに対してプロジェクタ3、ミラー5を、映像を欠損なく投影できる最適な位置に配置することを考える。最も単純にはスクリーン2の中心とプロジェクタ3の中心を一致させるように配置すればスクリーン2上にはプロジェクタ3からの映像が欠けずに映される。しかし、観察者7の視点位置がスクリーン2とプロジェクタ3の間にあることで、観察者7によって投影像8がさえぎられ、影部9が生じてしまう(図2(a))。また、もしスクリーン2と視点位置の間にプロジェクタ3があるような場合にはプロジェクタ3本体が視界を遮ってしまうため、映像に欠損が生じる。そこで、スクリーン2上に影部9が出ないようにプロジェクタ3の位置を中心から周辺へ移動する(図2(b))。また、スクリーン2とプロジェクタ3の位置が離れていると主要部1の奥行きサイズが大きく設置が困難になるため、ミラー5で映像を反射させ、プロジェクタ3の位置を反転させることで奥行き距離を縮小させる(図2(c))。
【0021】
ここで、スクリーン2の位置、形状、プロジェクタ3の位置、投影映像パラメータ、ミラー5の位置、姿勢、観察者7の視点位置をデータとして与えれば、そこからスクリーン2に投影される映像を計算により求めることができる。プロジェクタ3、ミラー5の位置、姿勢を随時変更し、計算結果の映像に欠損がないようなプロジェクタ3、ミラー5の位置を機器の設置可能範囲と考える。
【0022】
次に、上記設置可能範囲の中から最適の配置を1つ選択する。ここでは、必要な奥行き(z軸方向)距離が最小となる配置を最適と定義する。図3に示すように、この場合はc配置が最適となる。
【0023】
第2工程では、第1工程によって決定した配置に対して、主要部1全体での重量と重心位置を計算する。図4に示すように、各構成要素iに対して、
重量wi
位置Pi=(Xi、Yi、Zi
重心gi=(xgi、ygi、zgi
i=(Xi+xgi、Yi+ygi、Zi+zgi)=(Xgi、Ygi、Zgi
とする。この場合は、位置Piはシステム全体での原点O(システムの土台上面)を基準としたワールド座標である。又、重心giは要素iの原点Oiを基準とした物体座標での重心位置である。又、重心Giは要素iのワールド座標系での重心位置である。
【0024】
ここで、各物体の原点は、例えばプロジェクタ3であればレンズ中心、半球ドーム型スクリーンであれば本来の球の中心点(切断面の円の中心)などが該当する。主要部1全体での重量と重心をそれぞれW、G=(Xg、Yg、Zg)とすると
W=Σwi
G=(ΣXgii)/Σwi (∵Σ(Xgi−Xg)wi=0)
G=(ΣZgii)/Σwi (∵Σ(Zgi−Zg)wi=0)
となる。以降、重心Gに関しては、XZ平面上の位置のみを考え、Y軸方向の位置は必要ないため、Yg=0とする。
【0025】
第3工程では、第2工程で求めた重量W、重心Gを用いて支柱4の固定位置を求める。まず、図5に示すように、支柱4と連結される第1要素に関して、支柱設置可能領域13を求める。第1要素の形状データより、第1要素における法線ベクトル10を計算する。このとき、第1要素がスクリーン2の場合には、スクリーン面11に対して法線ベクトル10を求め、その他の要素の場合には物体表面12に対して法線ベクトル10を求める。
【0026】
物体形状はメッシュで分割した平面の集合で近似でき、ある平面jに対して4点jm=(xjm、yjm、zjm) (m=1〜4)で定義されている。
【0027】
jの法線ベクトルnj=(njx、njy、njz)はj1、j2、j4から以下のように求められる。
jx=(yj1−yj4)(zj2−zj1)−(zj1−zj4)(yj2−yj1
jy=(zj1−zj4)(xj2−xj1)−(xj1−xj4)(zj2−zj1
jz=(xj1−xj4)(yj2−yj1)−(yj1−yj4)(xj2−xj1
次に法線ベクトル10の向きを判断する。各法線ベクトルnjに対して、0°のベクトルn=(1、0、0)との内積を取る。
【0028】
jとnのなす角をθとするとcosφ=nj・n/(|nj||n|)となる。第1要素がスクリーン2であれば0≦cosφ≦1となる平面jを、第1要素がその他の物体であれば−1≦cosφ≦0となる平面jを、支柱設置可能領域Sとする。ここで、法線ベクトル10に関しては、随時形状データより求めてもよいが、形状データの一種として、形状データと同様にあらかじめ与えておくことも可能である。
【0029】
支柱設置可能領域Sが求まったら、図6に示すように、第2工程で求めた重心GがSに含まれるかどうかを判定する。
【0030】
G∈Sの場合は、重心を支点にすることで最小の耐力で支えられるため(モーメントM=0)、Gを支点とする。必要耐力はM=0よりWのみとなる。これは以下の式となる。
耐力Nに対してG∈Sの場合はN=W (∵M=0) (式1とする)
G(Sの場合は、重心を支点にすることはできないため、Gに最も近い点G’=(X’g、Y’g、Z’g)を支点とする。具体的には、(X’g−Xg2+(Z’g−Zg2=minとなる平面j内の点G’を探す。このとき、重心Gと支点G’の距離によりM=W√((X’g−Xg2+(Z’g−Zg2)が発生するため、必要耐力はM+Wとなる。これは以下の式となる。
G(Sの場合はN=W+M (式2とする)
次に、第4工程では、図7に示すように、第3工程で求めた耐力に加えて、支柱長さに対して座屈耐力を計算する。
【0031】
まず、支柱長さlを求める。前工程で求めた支柱位置(Xp、0、Zp)に対して第1要素の支柱設置位置におけるy座標Ypを計算する。形状データはメッシュ上の離散値であるため、該当平面内で線形補間を行い、y座標値yjを求める。yjはローカル座標系Oi上の値であり、l=Yp=Y1+yjとする。
【0032】
次に、部材を仮決めする。圧縮応力に対する条件式は式1、2より、
σ=(W+M)/A<σa (A:支柱断面積、σa:許容圧縮応力度) となる(式3とする)。
【0033】
ただし、σa=σy/γ (γ≧1:安全率)であり、また、式1の場合はM=0である。
【0034】
座屈荷重に対する条件式は、
4π2EI/l2>W (E:ヤング係数、I:弱軸周り断面2次モーメント) となる(式4とする)。
【0035】
ただし、支柱4は両端を第1要素と土台6に固定されるため、座屈長さlk=l/2である。
【0036】
そして、表1に示すような部材DBより、式3、式4を満たす鋼材を選択する。ここで、I、Aは鋼材の形状に、σyは鋼材の種類に依存する。条件を満たすものが複数ある場合、単位重量の最も軽い材を最適候補として示す。なお、該当する複数の鋼材を選択してリストアップしてもよい。
【0037】
【表1】


【0038】
したがって、光学計算でも使用するデータに加えて、各構成要素の重心、重力のデータを用いて光学計算と同時に構造計算を行い、各要素の配置に応じた支柱4とその位置を求めているので、従来技術と比較して構造計算を省力化、高速化することができる。また、光学的、構造的設計を同時に行うことで双方の観点で合理的なシステムを設計することができる。
【0039】
なお、第1要素の支柱設置可能領域13については、要素の形状データのみから計算でき、また要素の姿勢が変わらなければ再利用性があるため、例えば初回のみ計算を行い、求められた範囲をDBに蓄えておくこともできる。この場合、ある要素のある姿勢(回転角度)に対して、データがなければ(初回)計算を実行、データがあれば(2回目以降)計算は行わずDBからデータの取得を行えばよい。
【0040】
図9、10は、本願請求項1、2、4に対応した第2の実施形態である仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法を示している。
【0041】
なお、ここでは、上記第一の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、その他の事項については、上記第一の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0042】
第1実施形態において、第4工程まで計算を終えた後、主要部1の高さをhからh’に変更することを考える。このとき、図10に示すように、主要部1を構成する各要素間の位置関係は変化しないため、第3工程計算終了部分まではすべて高さ変更前の値を使用する(主要部1の重量、重心位置、支柱4の設置位置など)。
【0043】
高さの変更により、支柱長さが変わるため、支柱4の座屈荷重を再計算する。ただし、主要部1の重量は変化しないものであり、圧縮応力(式3)については高さhでの値をそのまま使用する。図9に示すように、高さを図9(a)のhから図9(b)のh’に変更することで、支柱4の長さはlからl’(l’=l+h’−h)へ変更される。支柱4の固定条件は高さhの場合と変わらず第1要素と土台6への両端固定になるから、座屈長さlk=l’/2を用いて座屈荷重に対する条件式は
4π2EI/l’2>W (E:ヤング係数、I:弱軸周り断面2次モーメント) となる(式5とする)。
【0044】
後は第4工程と同様に、式3、5を満たす鋼材を選択する。
【0045】
したがって、あらかじめ設計してあったシステム主要部1の高さ変更に対して、主要部1の計算を省略して構造を再設計できる。
【0046】
図11〜14は、本願請求項1、3、4に対応した第3の実施形態である仮想現実感生成装置及び仮想現実感生成装置の設計方法を示している。
【0047】
なお、ここでは、上記第一の実施形態と相違する事項についてのみ説明し、その他の事項については、上記第一の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0048】
図11に示すように、第1実施形態において、第4工程までの計算を終了後、主要部1をx軸周りにθ回転させることを考える。第2実施形態と同様に、主要部1を構成する各要素間の位置関係は変化しない。ただし、各要素の姿勢は回転により変化している。
【0049】
主要部1を第1要素の原点O1を中心にx軸周りに角度θだけ回転する。O1座標系においては、ある点p=(x、y、z)が点p’=(x、y’、z’) (y’=ycosθ−zsinθ、z’=zcosθ+ysinθ)に移動する(式6とする)。
【0050】
ワールド座標系においては、点P=(X、Y、Z)がO1=(XA、YA、ZA)を中心に回転することになり、回転後の座標P’は、P’=(X、Y’、Z’) (Y’=Ycosθ+YA(1−cosθ)−Zsinθ+ZAsinθ、Z’=Zcosθ+ZA(1−cosθ)+Ysinθ−YAsinθ)である(式7とする)。
【0051】
各要素の姿勢すなわち回転後の形状は式6に形状データの座標値を代入することで求められる。各面jの法線ベクトルnjと、njの土台平面となす角度φを第1実施形態と同様に計算する。あるいは、第1実施形態で求めた各面jの法線ベクトルnjを式6により回転させ、njの土台平面となす角度φを求めることもできる。φが計算できたら、以降は第1実施形態と同様に支柱設置可能領域Sを求める。
【0052】
第1要素の形状と回転角度によってSが存在しない場合には、支柱4を立てることが不可能となるため、第1要素を例えばスクリーン2からプロジェクタ3に変更するなど、別の要素に入れ替えて再度検討を行う必要がある。ただし、主要部1の重量には変化はなく、第2工程の一部分までは再計算の必要はない。また、第1要素の入れ替えのみで各要素の位置関係に変更がない場合は重心Gも第2工程の計算結果のまま使用することができる。ただし、各要素の配置も変更した場合には第1実施形態に即して第1工程からやり直す必要がある。
【0053】
図12に示すように、回転後のスクリーン2が視点位置に合うように、主要部1全体をy軸方向にtだけ平行移動する。点P’のy座標はそれぞれ式7よりy’+t、Y’+tとなる(式8とする)。
【0054】
スクリーン位置を調整した後の主要部1に関して、式8のy座標が負の値をとらないことを確認する。もしy座標値が負の数だった場合には、主要部1が土台6の下部に存在することとなるためシステムの製作は不可能であり、この場合は回転後の第1要素に対して他の要素配置(第1工程)を変更、新しい配置での重心位置を計算(第2工程。ただし主要部総重量Wの計算は不要)しておく。
【0055】
Sが存在し、なおかつ主要部全体が土台6より上部に位置していた場合、支柱位置を決定する。第1実施形態と同様に重心Gと支柱設置可能領域Sの位置関係を調べ、
G∈S⇒支点=G、耐力=W
G(S⇒支点=Gから最も近いS内の点、耐力=W+M
とする。
【0056】
ここで、図13に示すように、ある物体を回転した場合、物体に対する重力の方向は回転により変化するが、重心位置は物体内で変化しないことから、Gは第2工程で求めた重心を使用する。
【0057】
支点位置が決まったら第1実施形態の第4工程と同様に支柱長さlを求め、式3、4を満たす支柱4を選択する。
【0058】
図14に、上述した主要部1の回転後のフローチャートをそれぞれ記載している。ここで、*1にあるように、第1要素を入れ替えても支柱設置可能領域13がない場合、そのままの配置ではシステムの製作が不可能であるため、この段階で設計を終了する。あるいは、*2のように、回転後の第1要素を初期値として他の要素を配置し直してもよい。*2の場合、主要部1の全体重量Wには変化はないので、配置完了後は重心だけを計算すればよい。以降の流れは回転前の工程と同様になる。
【0059】
なお、回転を行って再設計した後で再度視点高さを変更する(第2実施形態)ことも可能。
【0060】
したがって、あらかじめ設計してあったシステムに対してx軸周りの回転を考える場合に、主要部1の計算を部分的に省略して構造を再設計できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本願発明の第一の実施形態である仮想現実感生成装置の主要部概略図。
【図2】同仮想現実感生成装置の設計方法のプロジェクタ及びミラーの配置例を示す概略図。
【図3】同仮想現実感生成装置の設計方法のプロジェクタ及びミラーの配置例を示す概略図。
【図4】同仮想現実感生成装置の設計方法の構成要素に対する重量、位置、重心の関係を示す概略図。
【図5】同仮想現実感生成装置の設計方法の支柱設置可能領域を示す斜視図
【図6】同仮想現実感生成装置の設計方法の支柱設置可能領域に重心が含まれるかどうかを判定する場合を説明するための概略図。
【図7】同仮想現実感生成装置の設計方法の座屈耐力を計算する場合を説明するための概略図
【図8】同仮想現実感生成装置の設計方法の工程を示すフローチャート。
【図9】本願発明の第二の実施形態である仮想現実感生成装置の設計方法の支柱の長さと主要部の高さとを説明するための概略図。
【図10】同仮想現実感生成装置の設計方法の工程を示すフローチャート。
【図11】本願発明の第三の実施形態である仮想現実感生成装置の設計方法の主要部をx軸周りにθ回転させたときの概略図。
【図12】同仮想現実感生成装置の設計方法がy軸方向にtだけ平行移動させたときの概略図。
【図13】同仮想現実感生成装置の設計方法がある物体を回転した場合の重心を説明するための概略図。
【図14】同仮想現実感生成装置の設計方法の後半部分の工程を示すフローチャート。
【図15】従来例である仮想現実感生成装置の全体構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0062】
1 主要部
2 スクリーン
3 プロジェクタ
4 支柱
5 ミラー
6 土台
7 観察者
8 投影像
9 影部
10 法線ベクトル
11 スクリーン面
12 物体表面
13 支柱設置可能領域
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−3132(P2008−3132A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169908(P2006−169908)