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【発明の名称】 液晶表示装置
【発明者】 【氏名】小山 均

【要約】 【課題】マルチギャップ構造の半透過型の液晶表示装置において、同一基板上に、反射表示領域を形成する突起部と柱状スペーサの両方を形成しても、ギャップの均一性がよく、ギャップムラの少ない表示品位に優れた液晶表示装置を得る。

【構成】同一基板上において、反射表示領域Rを構成する突起部3と、突起部3が形成されない透過表示領域Tに柱状スペーサ6を形成することで、突起部3の段差や膜厚ばらつきの影響をなくし、柱状スペーサ6の膜厚を均一にして、透過表示領域Tのギャップdtを均一にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と第2の基板とによって挟持される液晶層と、
前記液晶層を保持する柱状スペーサと、
表示部を構成するマトリクス状に配列された複数の画素と、
前記画素は第1の表示領域と第2の表示領域とを備え、
前記第1の表示領域は、前記第2の表示領域よりも前記液晶層の厚さが小さく、
前記第1の基板には、前記第1の表示領域に突起部が形成され、
前記突起部が形成されない前記第2の表示領域に、前記柱状スペーサが形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
柱状スペーサが形成される位置に、遮光膜が配置されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
柱状スペーサが形成される位置に、着色層が配置されていないことを特徴とする請求項1または請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
突起部が、各画素で島状の孤立パターンで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
突起部が、複数の画素にわたって連続したストライプ状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
突起部の画素面積に占める割合が、75%以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
【請求項7】
柱状スペーサの端部と突起部の端部の間隔が、前記突起部の膜厚の2倍以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
【請求項8】
柱状スペーサは、隣接する突起部の端部間のほぼ中央に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の液晶表示装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関するものである。例えば、半透過型の液晶表示装置に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力であり、多くの機器の表示装置として使用されている。特に、携帯電話などの携帯情報機器は、強い外光の下でも、暗い屋内でも良好な表示が得られるように、外光による反射表示モードと、バックライトによる透過表示モードの両方が可能な半透過型の液晶表示装置が使用されている。
半透過型の液晶表示装置は、一対の基板間に液晶が挟持された液晶パネルと、バックライト等から構成される。表示部を構成するマトリクス状に配列された画素の表示領域は、反射電極が配置された反射表示領域と、透過電極が配置された透過表示領域から構成されている。
ここで、透過表示領域は光が液晶を1回だけ通過するのに対して、反射表示領域では光は液晶を往復するので、良好な光学特性を得るために、同じ光学的距離となるように、透過表示領域の液晶層の厚さ(以下、ギャップ)に対して、反射表示領域のギャップが約半分となるように、アレイ基板またはカラーフィルタ基板上に突起部を形成したマルチギャップ構造の半透過型の液晶表示装置が開発されている(例えば、特許文献1、2、3)。
【0003】
【特許文献1】特開特2005−107494号公報(図1、図2、図8、図9)
【特許文献2】特開特2002−72220号公報(図1、図3、図5、図7)
【特許文献3】特開特2002−214624号公報(図1、図6、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半透過型の液晶表示装置では、ギャップを保持する柱状スペーサは反射表示領域に形成されていた。反射表示領域の小さい方のギャップを構成するために、基板上に透明な感光性樹脂を用いて突起部を形成し、さらに、この突起部上に柱状スペーサを配置すると、透過表示領域のギャップのばらつきが大きくなってしまうという問題があった。これは、透過表示領域のギャップは突起部の膜厚と柱状スペーサの膜厚の和で決まるため、突起部の膜厚ばらつきと柱状スペーサの膜厚ばらつきの両方の影響を受けるためである。透過表示領域のギャップのばらつきは、透過表示モードの表示ムラとして視認されるが、液晶表示装置の表示品位は、透過表示モードが重視されるという問題があった。
【0005】
また、同一基板において、突起部上に柱状スペーサを形成する場合、柱状スペーサを構成する樹脂膜の塗布にスピンコート等を用いると、突起部上の樹脂膜の膜厚は、この樹脂膜の粘性等の物性に依存するだけでなく、突起部の段差やその面積の影響を受けるので、突起部の形成されない平坦な基板より樹脂膜の膜厚がばらつきやすいという問題があった。この結果、反射表示領域の柱状スペーサの膜厚ばらつきが大きくなり、透過表示領域だけでなく反射表示領域にもギャップムラが生じるため、透過表示モードおよび反射表示モードの両方において、液晶表示装置の表示品位を著しく低下させていた。
【0006】
一方、突起部と柱状スペーサを別々の基板に形成する場合、柱状スペーサの膜厚は突起部の影響を受けないが、2枚の基板を貼り合わせる際に、柱状スペーサと突起部の端部が近接していると、突起部と柱状スペーサの位置合わせ精度が問題になることがあった。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、同一基板上に、突起部および柱状スペーサの両方を形成する場合において、柱状スペーサの膜厚ばらつきを抑制し、ギャップムラが少ない表示品位に優れたマルチギャップ構造の半透過型の液晶表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と第2の基板とによって挟持される液晶層と、液晶層を保持する柱状スペーサと、表示部を構成するマトリクス状に配列された複数の画素と、画素は第1の表示領域と第2の表示領域とを備え、第1の表示領域は、第2の表示領域よりも液晶層の厚さが小さく、第1の基板には、第1の表示領域に突起部が形成され、突起部が形成されない第2の表示領域に、柱状スペーサが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、柱状スペーサの膜厚ばらつきが低減し、ギャップムラが少ない表示品位に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における液晶表示装置の概略を示す平面図である。図2は、実施の形態1における液晶表示装置の画素を示す平面図であり、図3は、図2の画素のII−II切断面における断面図である。なお、以下の図において、同一符号は、同一または相当部分を示す。
【0011】
図1において、液晶パネル50は、液晶層5を挟持する第1の基板であるカラーフィルタ基板1と、第2の基板であるアレイ基板10からなる。表示部30はマトリクス状に配列された複数の画素40から構成される。表示部30の外周には、表示部周辺遮光膜70が形成され、この表示部周辺遮光膜70領域に液晶層5を封じるシール材が形成されたシール部35が設けられている。
ここでは図示していないが、液晶パネル50の表面および裏面には、位相差板付きの偏光板が貼付され、アレイ基板10の背面にはバックライトが配置される。この基本構成は、従来の液晶表示装置と同等である。
【0012】
次に、本発明の主要部の詳細を、図2および図3により説明する。液晶表示装置の表示部30を構成するマトリクス状に配列された複数の画素40は、赤、緑、青の3色があり、3画素40R、40G、40Bがカラー表示を構成するための基本画素単位になっている。各画素40R、40G、40Bは、ギャップの異なる表示領域を有し、第1の表示領域である反射表示の反射表示領域Rと、第2の表示領域である透過表示の透過表示領域Tとからなる。ここでは、各画素40R、40G、40Bは、縦150μm×横50μmのサイズとして、図2に示すように、上側が透過表示領域T、下側が反射表示領域Rに上下に分かれた構成としたが、左右に分けても構わない。この透過表示領域Tと反射表示領域Rの面積比率は目的に応じて設計可能である。
また、ここでは、1つの画素40を透過表示領域Tと反射表示領域Rに分けたが、透過表示領域Tと反射表示領域Rが異なる画素としてもよい。
【0013】
各画素40R、40G、40Bの外周部には、パターン間の光漏れや液晶配向不良領域を遮光するために、金属膜または黒色樹脂からなる遮光膜7R、7G、7Bが形成されている。ここでは、膜厚が約0.15μmと薄い酸化クロムからなる遮光膜7R、7G、7Bとした。
【0014】
なお、ここで言う透過表示領域Tまたは反射表示領域Rとは、各表示モードに寄与する開口部だけでなく、その開口部周辺に配置された遮光膜7R、7G、7Bの部分も含めた領域を示すものとする。
【0015】
カラーフィルタ基板1は、画素40R、40G、40Bに対応して、赤、緑、青の3色からなる着色層2R、2G、2Bが形成される。また、カラー表示の3色はこれに限らず、イエロー、マゼンタ、シアンの3色構成でもよく、また4色以上の着色層2の構成としてもよい。
また、着色層2R、2G、2Bは、マトリクス状に配列された画素40において、上下に隣接する同色の画素40R、40G、40Bにわたって連続したストライプ構成とした。
着色層2R、2G、2Bの膜厚は、一般に0.5〜3.5μm程度に設定される。ここでは、着色層2R、2G、2Bが同一膜厚で、透過表示領域Tと反射表示領域Rにおいても同一膜厚の約1.2μmとした。
【0016】
この着色層2R、2G、2B上に、透過表示領域Tのギャップdtよりも小さい反射表示領域Rのギャップdrを構成する突起部3が形成されている。突起部3は、アクリル系の透明な感光性樹脂からなり、スピンコート等により所望の膜厚に塗布し、マスクパターンで露光、現像する。ここでは、突起部3は各画素40R、40G、40B毎に島状の孤立パターンとして形成した。これは、特に必要のない突起部3の画素面積に占める割合を小さくして、突起部3が柱状スペーサ6の形成に与える影響を小さくするためであるが、後で詳述する。
【0017】
突起部3は、透過表示領域Tのギャップdtに対して、反射表示領域Rのギャップdrが約1/2dtとなるような膜厚で形成した。これにより、透過表示領域Tでは光が液晶層5を1回だけ通過するが、反射表示領域Rでは光は液晶層5を往復するので、光学的距離はほぼ同じとなる。ここでは、透過表示領域Tのギャップdtが3.8μm、反射表示領域Rのギャップdrを2.0μm、突起部3の膜厚は1.8μmとした。突起部3は、カラーフィルタ基板1に形成する場合は、突起部3内を光が往復するために透明であることが必要である。
【0018】
着色層2R、2G、2Bおよび突起部3の上の全面に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる対向電極4が形成されている。ただし、例えば、IPSモード(In Plane Switching Mode)のように、基板と水平な方向の電界によって液晶層5を動かして表示を行うモードの場合には、カラーフィルタ基板1上に対向電極4は不要である。
【0019】
次に、柱状スペーサ6は、左右に隣接する画素40B、40Rとの境界部で、突起部3が形成されていない透過表示領域Tにおいて、遮光膜7Rの領域にアクリル系の感光性樹脂を用いて形成されている。柱状スペーサ6は、アクリル、ポリイミドなどの非感光性樹脂、SiO2等の無機材で形成してもよいが、感光性がある方が製造工程の削減で望ましい。また、柱状スペーサ6は、上下に隣接する画素40Rの突起部3の端部間のほぼ中央に配置されている。これは、突起部3の段差の影響を一番小さくするためであるが、後で詳述する。
【0020】
柱状スペーサ6の断面形状は、カラーフィルタ基板1側の底面より上面が少し細い径となっている。また、平面形状は、ここでは円形としているが、楕円形、四角形、多角形等の任意の形状がマスクパターンで設計可能である。また、配置位置、サイズ、数も同様にマスクパターンで任意に設計可能である。
【0021】
柱状スペーサ6が、透明樹脂の場合は、柱状スペーサ6内を光が透過するので、光抜けが問題になる場合は、柱状スペーサ6の位置にも遮光膜7を配置する。また、柱状スペーサ6が、黒色樹脂の場合は、常に遮光されるので遮光膜7はなくてもよい。
ただし、柱状スペーサ6の周辺は、この突起物の影響で、配向膜の膜厚が厚くなり、ラビングブラシの当たりが不十分で、ラビング処理が正常に行われにくい。このため、柱状スペーサ6の周辺に液晶配向不良が発生しやすいので、遮光膜7を配置することが望ましい。
【0022】
ここでは、図2に示すように、柱状スペーサ6を、左右に隣接する画素40B、40Rとの境界部の遮光膜7Rの領域に配置したので、開口率を下げることなく、光抜けや液晶配向不良を隠すことができ、表示品位へ影響を抑制できる。
【0023】
また、柱状スペーサ6は、赤の画素40Rだけに3画素毎に配置したが、任意の数の画素毎でかまわない。例えば、柱状スペーサ6は、横6画素×縦2画素の12画素毎に、1つの赤の画素40Rだけに配置してもよい。
【0024】
ここで、柱状スペーサ6を、赤の画素40Rに配置した理由は、カラーフィルタ基板1に着色層2を形成する工程で、赤の着色層2Rが最初に形成されるので、カラーフィルタ基板1に段差が少なく、赤の着色層2Rの膜厚の均一性が、この後に形成される緑や青の着色層2G、2Bよりもよいためである。したがって、柱状スペーサ6は、カラーフィルタ基板1に最初に形成する色の着色層2の上に形成することが望ましい。
【0025】
また、柱状スペーサ6は、着色層2の形成順序によらず、青の画素40Bに配置してもよい。これは人の眼の特性として青の視感度が低いので、遮光されない液晶配向不良があっても目立たないためである。
【0026】
次に、アレイ基板10上には、画素電極となる透過表示領域Tに形成されたITO等の透明導電膜からなる透過電極11と、反射表示領域Rに形成されたアルミニウム、銀、白金等の高反射率の金属膜からなる反射電極12が形成される。
【0027】
一般に、反射表示の白を表示するためには散乱性が必要であり、カラーフィルタ基板1に接着する位相差板付きの偏光板または接着材に散乱層を設ける。または、反射電極12の表面を凹凸にすることが行われる。または、着色層2R、2G、2Bまたは突起部3を構成する透明樹脂に微粒子を混ぜて散乱性を持たせてもよい。
【0028】
なお、図示していないが、透過電極11および反射電極12は、各画素40に設けられたスイッチ素子であるTFT(Thin Film Transistor)に接続される。また、駆動電圧を保持する保持容量部も形成されている。
また、カラーフィルタ基板1およびアレイ基板10の最上層には液晶配向を行うためのポリイミド等からなる配向膜が形成され、液晶配向させる方向にラビング処理がなされている。
【0029】
次に、柱状スペーサ6を、突起部6が形成されていない透過表示領域Tに形成する効果について説明する。図4は、説明を簡単にするために、突起部3だけが形成された基板20に、柱状スペーサ6を形成するための樹脂膜60をスピンコートで塗布した断面図を示す。突起部3上に柱状スペーサ61を形成すると、既に述べたように、透過表示領域Tのギャップdtは、突起部3の膜厚と柱状スペーサ61の膜厚の和で決まるため、突起部3の膜厚ばらつきと柱状スペーサ61の膜厚ばらつき両方の影響を受ける。
【0030】
これに対して、突起部3の形成されない領域に、柱状スペーサ6を形成すれば、透過表示領域Tのギャップdtは、柱状スペーサ6となる樹脂膜60の膜厚だけで決まる。したがって、突起部3の膜厚ばらつきは関係なくなるので、ギャップdtのばらつきを低減できる。
【0031】
ただし、図4からわかるように、突起部3の端部近傍では、樹脂膜60の膜厚は、突起部3の段差の影響を受けるので変化が大きい。したがって、突起部3が形成されていない領域で、突起部3の端部から離れた平坦な領域に、柱状スペーサ6を形成した方が、樹脂膜60の膜厚は均一になる。例えば、柱状スペーサ6を形成する位置は、柱状スペーサ6の端部と突起部3の端部との間隔Sとすると、突起部3の段差の影響が少なくなるように、突起部3の膜厚の少なくとも2倍以上の間隔Sとすることが望ましい。突起部3の膜厚は、一般に1.5〜3.0μmであるので、間隔Sは10μm以上とするとよい。
【0032】
特に、図4に示すように、柱状スペーサ6の端部と隣接する突起部3の端部までの最小の間隔Sが最大になるように、柱状スペーサ6は、隣接する突起部3の端部との間のほぼ中央に配置することが最も望ましい。
【0033】
また、柱状スペーサ6をスピンコート等を用いて形成する場合、突起部3の画素面積に占める割合は約3/4(約75%)以下であることが好ましい。突起部3の画素面積に占める割合が約3/4を超えると、突起部3の形成されない領域においても、柱状スペーサ6の膜厚がばらつきやすくなるという問題がある。この理由は、突起部3の画素面積に占める割合が高いと、柱状スペーサ6を構成する樹脂膜60をスピンコートする際に、突起部3の形成領域の面積の方が支配的になるので、スピンコートで形成される膜厚は、突起部3の形成領域の方が基板20の平坦な基準面の状態になり、逆に突起部3の形成されない領域の方が基板20に部分的に形成された溝部のような状態になるため、溝部の方が膜厚ばらつきが発生しやすいためと考えられる。したがって、反射電極12の位置にない反射表示に寄与しない突起部3の領域は小さくして、突起部3が柱状スペーサ6の形成に与える影響を小さくすることが望ましい。
【0034】
同様な理由で、突起部3の形成された反射表示領域Rに、柱状スペーサ6のサイズに近いコンタクトホール部(開口部)を形成して、同一基板上に、コンタクトホール部に柱状スペーサ6をスピンコート等を用いて形成する場合、コンタクトホール部は画素面積に占める割合が非常に小さいので、コンタクトホール部の樹脂膜60の膜厚は、実質的にコンタクトホール部のない突起部3上に柱状スペーサ61を形成した樹脂膜60の膜厚と、突起部3の膜厚の和にほぼ等しくなる。また、柱状スペーサ6と突起部3の端部が近接しているので、突起部3の段差の影響も受けやすい。したがって、柱状スペーサ6の膜厚のばらつきは殆ど改善しない。
【0035】
このように、反射表示領域Rに突起部3が部分的に形成されないコンタクトホール部を形成して、柱状スペーサ6を配置するよりも、突起部3の端部から充分に離れた位置に配置することができる広い面積を有する透過表示領域Tに柱状スペーサ6を形成する方が、膜厚のばらつきを小さくできる。
【0036】
ここで、柱状スペーサ6の直径は、4μm以上であることが好ましい。柱状スペーサの直径が4μmより小さい場合、カラーフィルタ基板1とアレイ基板10をシール材で貼り合わせる際に、柱状スペーサ6が印加される荷重に耐えられずに塑性変形を起こして所定のパネルギャップが得られない場合があるためである。
【0037】
また、柱状スペーサ6の直径は、30μm以下であることが好ましい。カラーフィルタ基板1とアレイ基板10をシール材で貼り合わせる際に位置合わせの微調整を行う際に、柱状スペーサ6の直径が30μmより大きい場合、この微調整の際に柱状スペーサ6と対向する基板との摩擦応力のために柱状スペーサ6が変形したり、外れたりする場合があるためである。もちろん、柱状スペーサ6の形成された領域は、表示に寄与しないため、大きくしないことが好ましい。
【0038】
以上のように、本実施の形態では、柱状スペーサ6は突起部3が形成されない透過表示領域Tに形成されるので、透過表示領域Tのギャップdtは、突起部3の段差や膜厚ばらつきの影響を受けない。したがって、透過表示領域Tのギャップdtが均一にでき、ギャップムラが少ない表示品位に優れた液晶表示装置が得られる効果がある。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態1においては、突起部3が形成されていない着色層2上に柱状スペーサ6が形成される場合について示したが、図5に示すように、突起部3だけでなく着色層2も形成されていない領域に、柱状スペーサ6を形成しても構わない。ここでは、左右に隣接する画素40R、40Gの境界部で、遮光膜7R、7Gが形成された領域において、着色層2R、2Gが部分的に形成されていない。また、着色層2R、2G、2Bが形成されていない領域が上下にストライプ状に延びている。この着色層2R、2Gが形成されていない領域に、柱状スペーサ6が形成されている。また、柱状スペーサ6は、上下に隣接する画素40R、40Gの突起部3の端部間のほぼ中央に配置されている。
【0040】
本実施の形態では、左右に隣接する画素40R、40Gの境界部に柱状スペーサ6を配置しているが、柱状スペーサ6は着色層2R、2G上には形成されていない。したがって、透過表示領域Tのギャップdtは、着色層2R、2Gの位置合わせ誤差によって、着色層2R、2Gが部分的に重なることによる膜厚ばらつきの影響を受けない効果がある。
【0041】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2においては、カラーフィルタ基板1に形成した突起部3は、図2および図5に示すように、各画素40で島状の孤立パターンとして形成したが、図6に示すように、複数の画素40R、40G、40Bにわたって連続したストライプ状に形成しても構わない。ここでは、柱状スペーサ6は、左右に隣接する画素40R、40Gの境界部で、突起部3が形成されていない透過表示領域Tにおいて、遮光膜7R、7Gが形成された領域に形成されている。また、柱状スペーサ6は、上下に隣接する画素40R、40Gの突起部3の端部間のほぼ中央に配置されている。
【0042】
本実施の形態では、柱状スペーサ6は突起部3が形成されない透過表示領域Tに形成されるので、透過表示領域Tのギャップdtは、突起部3の段差や膜厚ばらつきの影響を受けない。さらに、突起部3を島状の孤立パターンとして形成する場合に比較して、左右に隣接する画素40の境界部にある突起部3の段差の数を少なくすることができるので、段差部で発生しやすい液晶配向不良の発生を抑制できる効果がある。
【0043】
実施の形態4.
実施の形態1においては、突起部3および柱状スペーサ6は、図3のように第1の基板をカラーフィルタ基板1として形成したが、図7に示すように、突起部3および柱状スペーサ6は、第1の基板をアレイ基板10として形成しても構わない。この実施の形態では、平面図は図2と同じである。反射電極12は突起部3上に形成され、柱状スペーサ6は突起部3が形成されない透過表示領域Tに形成される。ここでは、左右に隣接する画素40B、40Rとの境界部の遮光膜7Rの領域に対向するアレイ基板10上に形成されている。また、柱状スペーサ6は、上下に隣接する画素40Rの突起部3の端部間のほぼ中央に配置されている。なお、ここでは突起部3を平坦にしているが、反射電極12に散乱性を持たせるために、突起部3に凹凸を形成してもよい。
【0044】
本実施の形態では、アレイ基板10に突起部3を形成する場合においても、柱状スペーサ6を突起部3の形成されない透過表示領域Tに形成することで、実施の形態1と同様に、柱状スペーサ6の膜厚を均一にできる効果がある。そして、透過表示領域Tのギャップdtは、突起部3の段差や膜厚ばらつきの影響を受けないので、均一にできる効果がある。
【0045】
実施の形態5.
実施の形態1においては、突起部3は島状の孤立パターンであったが、図8に示すように、逆に、突起部3は画素40全体にわたって連続して形成して、突起部3が形成されない領域が、各画素40に島状の孤立パターンとなっている構成としてもよい。この実施の形態では、透過表示領域Tは、反射表示領域Rに囲まれた形状をしている。また、突起部3と柱状スペーサ6は、ここではアレイ基板10に形成したが、カラーフィルタ基板1に形成してもよい。
【0046】
柱状スペーサ6は、画素40Bの突起部3に囲まれた透過表示領域Tのほぼ中央の透過電極11上に形成されている。また、柱状スペーサ6の位置には、開口率を重視して遮光膜7Bは配置していない。これは、既に述べたように、人の眼の特性として青の視感度が低いので、多少の液晶配向不良であれば目立たないからである。もちろん、コントラストを高めるために、遮光膜7Bを配置してもよい。
【0047】
本実施の形態では、柱状スペーサ6を突起部3の形成されない透過表示領域Tのほぼ中央に形成することで、実施の形態1と同様に、柱状スペーサ6の膜厚を均一にできる効果がある。そして、透過表示領域Tのギャップdtは、突起部3の段差や膜厚ばらつきの影響を受けないので、均一にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶表示装置の概略を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1における液晶表示装置の画素を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における液晶表示装置の画素の断面図である。
【図4】柱状スペーサを形成するための樹脂膜を塗布した断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2における液晶表示装置の画素を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態3における液晶表示装置の画素を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態4における液晶表示装置の画素を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5における液晶表示装置の画素を示す平面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 カラーフィルタ基板
2、2R、2G、2B 着色層
3 突起部
4 対向電極
5 液晶層
6 柱状スペーサ
7、7R、7G、7G 遮光膜
10 アレイ基板
11 透過電極
12 反射電極
20 基板
30 表示部
35 シール部
40、40R、40G、40B 画素
50 液晶パネル
R 反射表示領域
T 透過表示領域
S スペーサ端部と突起部端部の間隔
dt 透過表示領域のギャップ
dr 反射表示領域のギャップ

【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100113077
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 省吾

【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦

【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子

【識別番号】100128060
【弁理士】
【氏名又は名称】中鶴 一隆


【公開番号】 特開2008−3442(P2008−3442A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174887(P2006−174887)