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液晶表示装置 - 特開2008−3372 | j-tokkyo
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【発明の名称】 液晶表示装置
【発明者】 【氏名】今山 寛隆

【氏名】井桁 幸一

【氏名】永田 徹也

【要約】 【課題】ホモジニアス配向の半透過反射型の液晶表示装置において、配向制御突起部分のドメイン規制力を強化して、特に左右(水平方向)の視野角特性の非対称性を解消し、高品質の画像表示を実現した液晶表示装置を提供する。

【構成】第一基板114の画素部に複数の画素に跨って、画素の短辺方向(横方向、走査方向)に延在する線状誘電体突起110を有する。液晶層121は、誘電率異方性が正で、その液晶分子の初期配向方向が、線状誘電体突起110の延在方向に対して80度から100度の角度(好ましくは直交:90度)を有している。共通電極119及び第一配向膜150は、画素の透過部の略中央に、当該画素の短辺方向に並んだ複数の画素に跨って、当該短辺方向に延在する直線状の凹部170、172を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板と、第二基板と、前記第一基板と第二基板との間に挟持された液晶層とを有する液晶表示装置であって、
マトリクス配置された複数の画素を有し、前記複数の画素のそれぞれは、画素電極と、透過表示を行う透過部と、反射表示を行う反射部とを有し、
前記第一基板は、第一配向膜と、前記第一配向膜と前記第一基板との間に配置された共通電極とを有し、
前記第二基板は、第二配向膜と、前記第二配向膜と前記第二基板との間に配置された前記画素電極とを有し、
前記第一基板は、前記反射部に、前記画素の短辺方向に並んだ複数の画素に跨って、前記短辺方向に延在する線状誘電体突起を有し、
前記液晶層は、誘電率異方性が正で、その液晶分子の初期配向方向が、前記線状誘電体突起の延在方向に対して80度から100度の角度を有し、
前記共通電極及び前記第一配向膜は、前記透過部の略中央に、前記画素の前記短辺方向に並んだ前記複数の画素に跨って、前記短辺方向に延在する直線状の凹部を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記液晶層を構成する液晶分子の誘電率異方性が7〜12であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2の何れかにおいて、
前記液晶層を構成する液晶分子のプレチルト角度が0〜2度であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかにおいて、
前記第一基板はカラーフィルタを有し、
前記カラーフィルタは、前記直線状の凹部に対応する位置に直線状の凹部を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかにおいて、
前記第一基板は透明絶縁膜を有し、
前記透明絶縁膜は、前記直線状の凹部に対応する位置に直線状の凹部を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至3の何れかにおいて、
前記共通電極は、前記直線状の凹部に対応する位置では前記共通電極が欠如していることを特徴とする液晶表示装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に観察側から入射する光で画像を表示する反射表示モードと観察側と反対側から入射する光で画像を表示する透過表示モードとを備える半透過反射型の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型で軽量・低消費電力であることから、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話機、デジタルカメラ等、広範囲の情報端末機器の表示装置として使用されている。
【0003】
液晶表示装置は、ブラウン管やプラズマディスプレイ装置と異なり、それ自体が発光するのではなく、外部から入射した光の光量を制御して画像等を表示するものである。また、光制御素子として複数色のカラーフィルタを具備させることで多色のカラー画像表示が可能となる。
【0004】
この種の液晶表示装置は、一対の基板(以下「第一基板と第二基板」ともいう。)の間に液晶層を挟持し、液晶層に印加される電界で液晶層を構成する液晶組成物分子(液晶分子)の分子配向を制御することで電子的な潜像を可視画像とするものである。
【0005】
液晶表示装置には、その駆動方式により、単純マトリクス型とアクティブ・マトリクス型とに分類される。現行の液晶表示装置は高精細、高速画像表示が可能であることからアクティブ・マトリクス型が主流である。
【0006】
アクティブ・マトリクス型の液晶表示装置では、第一基板又は第二基板に画素選択のための薄膜トランジスタで代表されるアクティブ素子(スイッチング素子)を有し、また、何れかの基板にカラー表示のための3色に塗り分けたカラーフィルタを有している。
【0007】
反射型の液晶表示装置は、観察側から入射する光で画像を表示し、半透過型の液晶表示装置は、観察側と反対側から入射する光の透過光と観察側から入射する光を選択的に又は同時に利用可能として画像を表示するものである。
【0008】
液晶表示装置は自発光型ではないので、電子的潜像を可視光による照明で可視化し、これを観察面に画像光として出射させる必要がある。観察面側から自然光(外光)等の照明光を照射する形式は反射型といい、観察面と反対側から照明光を照射する形式は透過型という。また、観察面側から照明光を照射する形式と観察面と反対側から照明光を照射する形式を兼ね備えたものを半透過型(半透過反射型)という。
【0009】
この種の従来技術を開示したものとして特許文献1を挙げることができる。液晶配向方式には、誘電率異方性が負のホメオトロピック液晶を用いたホメオトロピック配向方式と誘電率異方性が正のホモジニアス液晶を用いたホモジニアス配向方式の両方があるが、応答時間の観点からは、特許文献1と同様、誘電率異方性が正のホモジニアス液晶を用いる方が有利である。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示の半透過反射型の液晶表示装置は、上下あるいは左右の視野角特性が非対称であるため、カラー表示では上下あるいは左右の視野角方向で色調ずれが生じる。これを解決する方法としては、画素内で配向を2ドメイン等の複数のドメインに分割して、各ドメインの視野角特性の平均化により、上下あるいは左右の視野角特性の対称化を図る技術がある。誘電率異方性が正の液晶材料を用いたホモジニアス配向方式で、反射表示機能のない透過型液晶表示装置におけるこの種の従来技術を開示したものとしては、特許文献2を挙げることができる。また、垂直配向モードの液晶表示装置に関しては、特許文献3がある。また、本出願人が提案する液晶表示装置として、特許文献4がある。
【特許文献1】特開2000−187220号公報
【特許文献2】特開2002−72209号公報
【特許文献3】特開2005−115143号公報
【特許文献4】特願2005−247386号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
液晶層を2ドメイン化する目的は、視野角特性の非対称性を解消することにある。この非対称性を解消するため、本出願人は液晶層に配向制御突起を設けて上下視野角の対称性を改善する方法を提案した(特許文献4)。以下、誘電率異方性が正のホモジニアス液晶を用いた液晶表示装置の既提案の構造を図1、図2を用いて説明する。図1は、誘電率異方性が正のホモジニアス液晶を用いた液晶表示装置を構成する3画素付近の平面図である。また、図2は、図1のA−A'線に沿った断面図である。図1の平面図では、紙面奥行き方向から順に手前方向にバックライト(図示されていない)、図2に示す第二基板115、液晶層121、第一基板114が順に配置された状態を示している。
【0012】
図2に示した第一基板114には、遮光層116、カラーフィルタ117、カラーフィルタ除去部148、オーバーコート膜118、第一の線状誘電体突起107、第二の線状誘電体突起110、共通電極119が形成されている。また、第二基板115には、信号配線101、走査配線102、多結晶シリコン層158、保護膜154、155、157、ゲート絶縁膜156、塗布型絶縁膜151、ソース電極153、ゲート電極152、透明電極106、反射電極140が形成されている。
【0013】
第一基板114及び第二基板115の表面には、液晶分子120を配向させるための配向制御膜150(第一基板側配向膜)、1501(第二基板側配向膜)が形成されており、両基板の間に液晶分子120を注入して液晶層121を形成することにより液晶表示装置が形成される。各画素は、信号配線101と走査配線102の交差点毎に配置されており、113は画素の長辺方向(上下方向、垂直方向)の画素ピッチを示している。なお、画素の短辺方向(左右方向、水平方向)の画素ピッチは、長辺方向の画素ピッチ113の3分の1である。
【0014】
画素毎にバックライト(図示されていない)からの照明光を透過・変調して画像を表示する透過部と、外光を反射・変調して画像を表示する反射部とが形成されている。各画素の透過部は、透明電極(透明画素電極)106を備えており、第一の線状誘電体突起107をはさんで第一の透過部105と第二の透過部108との2つの領域に分割されている。第一の線状誘電体突起107は、第一の基板114上でかつ共通電極119と液晶層121との間に位置しており、画素の短辺方向に走査配線102と平行に複数画素に跨って配置されている。
【0015】
反射部109には、外光の反射散乱特性を制御するための凹凸構造111が形成されている。また、各反射部においては、反射率の高いアルミニウムを主成分とする金属膜により形成された反射電極140が形成されている。反射部109には、スルーホール112が設けられており、反射電極140及び透明電極106が下層のソース電極153と接続されている。なお、支柱103は液晶層の厚みを均一に制御するための構造で、スペーサとも呼ばれるものである。
【0016】
反射部109に対応する第一基板114上には第二の線状誘電体突起110が形成されており、反射部109の液晶層121の厚みを透過部に比べて約二分の一に制御している。第二の線状誘電体突起110は、第一基板114上において、オーバーコート膜118と共通電極119との間に位置する。
【0017】
保護層155の材料は酸化シリコン、保護層154の材料は窒化シリコンを用いているが、保護層155及び塗布型絶縁膜151の屈折率に比べて、保護層154の屈折率は大きいため、保護層154が透過部に存在すると反射ロスが生じて透過率が減少する。このため、透過部においては保護層154を除去している。なお、保護層154をパターニングした境界を保護膜154のパターニング境界159として示している。
【0018】
次に、液晶配向方向及びチルトアップ方向、線状誘電体突起の配向制御突起としての役割、マルチドメインについて説明する。液晶分子120の配向方向は画素の長辺方向に平行でかつ第一基板114及び第二基板115の夫々に対してほぼ平行なホモジニアス配向である。基板に接する液晶分子の基板表面となす角度であるプレチルト角度は、できる限り小さい方が望ましく、さらに望ましくは0度ないし、2度以下であるとなおよい。
【0019】
液晶分子のチルトアップ方向は、プレチルト角度が付与されている方向ではなく、第一の線状誘電体突起107による配向制御構造の形状と第二の線状誘電体突起110により発生する斜め電界によって規定される。チルトアップ方向とは、ある基板上において、棒状の液晶分子が水平状態から一方の端が持ち上がる時の、持ち上がる側のことをここでは示している。プレチルト角度が大きいと配向制御構造により規定されるチルトアップ方向とは逆の方向にチルトアップする現象が生じてしまう。
【0020】
プレチルト角度0度を実現する手段としては、配向制御膜に偏光した光を照射することにより配向制御能を付与する、いわゆる光配向方式が挙げられる。光配向方式としては、いくつかの方式が知られているが、本発明に用いるべき光配向方式は、配向制御膜に対し所望の液晶配向方向に直交した偏光を照射して配向制御膜に異方性を付与する方式が望ましい。
【0021】
図2に示す液晶分子120は、画素に、ある電圧が印加されてチルトアップしている状態を示している。この構成において、第一の透過部105、第二の透過部108の夫々において、液晶分子120のチルトアップ方向がどのように制御されるのか以下説明する。
【0022】
図2において、第一の線状誘電体突起107は、共通電極119と液晶層121との間に形成されている。第一の線状誘電体突起107表面の液晶分子120は、突起の斜面に沿って配向しており、第一の線状誘電体突起107表面及びその近傍の液晶分子120は、第一基板114に対してはプレチルト角度が付与されたのと同様な配向状態になっている。第一の線状誘電体突起107の誘電率は、液晶層121の誘電率とほぼ同等の材料を用いており、第一基板114と第二基板115間の電界はほぼ基板に垂直である。その結果、第一の線状誘電体突起107の表面及びその近傍の液晶分子のチルトアップ方向は、図2に示すように第一の線状誘電体突起107の左右で反対方向となり、図1に示す透過部105,108は、2つのドメイン領域にマルチドメイン化され、第一の線状誘電体突起107の位置に2つのドメイン領域の境界が位置する。
【0023】
第二の線状誘電体突起110は、オーバーコート膜118と共通電極119との間に形成されており、第二の線状誘電体突起110の端部では、印加された電位による電界がひずみ、その結果、基板114,116の法線方向に対して斜め方向の電界が液晶層121に印加される。また、第二の線状誘電体突起110の両端では、斜め電界の向きがお互いに逆向きであるため、液晶分子120のチルトアップ方向も逆である。
【0024】
さらに、画素の長辺方向に隣接する画素間においては、間隙が存在することにより、第一の透過部105における透明電極106と第一基板114上の共通電極119との間及び隣接画素の第二の透過部108における透明電極106と第一基板114上の共通電極119との間には、夫々傾きが反対の斜め電界が発生する。その結果、第二の線状誘電体突起110端部近傍の液晶分子120のチルトアップ方向は、図2に示すように制御される。
【0025】
この構成の利点の一つは、マルチドメイン化と高開口率との両立である。第一の線状誘電体突起107が位置する領域の電気光学特性は、液晶層121の厚みが透過部の厚みと異なることと、2つのドメイン領域の境界が位置することによるひずみが集中するという理由により、透過部105,108中央の電気光学特性とは異なった振る舞いをする。そのため、黒表示を行う場合に、この領域を露出しておくと黒輝度が上昇してコントラスト比の低下に繋がる。したがって、この液晶表示装置においては、第一の線状誘電体突起107は遮光層116により遮光されている。
【0026】
画素を2分割してマルチドメイン化する方法としては、画素の長辺方向に線状誘電体突起を設ける方法も考えられるが、画素内に占める線状誘電体突起の面積が広くなり、これを遮光するための遮光層の占める面積もより大きくなる。なお、第一の線状誘電体突起107を、この構成のように画素の短辺方向に配置するのではなく、長辺方向に配置した場合には、この構成に比べて開口率が低下する。
【0027】
また、この構成のように、第一の線状誘電体突起107により、画素の長辺方向にドメイン領域を2分割することにより2ドメイン化して、反射部の液晶層の厚みを制御するために設けられた第二の線状誘電体突起110の端面を配向制御にも兼用することができる。このことは、透過開口部の画素全体に占める比率である開口率を確保するためには利点として作用する。
【0028】
液晶層を2ドメイン化する目的は、視野角特性の非対称性を解消することにある。この非対称性を解消するため、本出願人は上記したように、液晶層に配向制御突起を設けて上下視野角の対称性を改善する方法を提案した。このような構成においては、液晶層に配向制御突起を設けた上下視野角の対称性の改善に伴う荷重印加による試験(いわゆる、押しドメイン試験)での表示異常を低減させる必要がある。押しドメイン試験とは、例えば10mm径の圧子を50Nの荷重で点灯表示中の液晶表示パネルに押し付け、荷重開放後の表示異常の有無を確認する試験である。この押しドメイン試験での表示異常は配向制御突起部分のドメイン規制力が弱いことに起因することがわかった。
【0029】
本発明の目的は、ホモジニアス配向の半透過反射型の液晶表示装置において、配向制御突起部分のドメイン規制力を強化して、特に左右(水平方向)の視野角特性の非対称性を解消し、高品質の画像表示を実現した液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、第一基板と、第二基板と、前記第一基板と第二基板との間に挟持された液晶層とを有する液晶表示装置であり、マトリクス配置された複数の画素を有し、前記複数の画素のそれぞれは、画素電極と、透過表示を行う透過部と、反射表示を行う反射部とを有する。そして、前記第一基板は、第一配向膜と、前記第一配向膜と前記第一基板との間に配置された共通電極とを有し、前記第二基板は、第二配向膜と、前記第二配向膜と前記第二基板との間に配置された前記画素電極とを有する。
【0031】
また、前記第一基板は、前記反射部に、前記画素の短辺方向に並んだ複数の画素に跨って、前記短辺方向に延在する線状誘電体突起を有し、前記液晶層は、誘電率異方性が正で、その液晶分子の初期配向方向が、前記線状誘電体突起の延在方向に対して80度から100度の角度を有し、前記共通電極及び前記第一配向膜は、前記透過部の略中央に、前記画素の前記短辺方向に並んだ前記複数の画素に跨って、前記短辺方向に延在する直線状の凹部を設けることができる。
【0032】
また、本発明は、前記液晶層を構成する液晶分子の誘電率異方性を7〜12とすることができ、前記液晶層を構成する液晶分子のプレチルト角度を0〜2度とすることができる。
【0033】
また、本発明の前記第一基板にカラーフィルタを有し、前記カラーフィルタには前記直線状の凹部に対応する位置に直線状の凹部を設けることができる。
【0034】
また、本発明は、前記第一基板に透明絶縁膜を設け、前記透明絶縁膜の前記直線状の凹部に対応する位置に直線状の凹部を設けることができる。
【0035】
また、本発明は、前記共通電極の前記直線状の凹部に対応する位置で前記共通電極を欠如した構成とすることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の水平配向で用いるホモジニアス液晶の誘電率異方性Δεは正で、Δε=7〜12である。一方、垂直配向(VA)に用いられるホメオトロピック液晶の誘電率異方性Δεは負で、Δε=−3〜−5である。一般的に、正の誘電率異方性をもつ液晶の方が誘電率異方性の絶対値は大きい。
【0037】
本発明のように、ホモジニアス液晶を用いた場合、電圧を印加してから液晶分子の動作が完了するまでの時間「τon」は短く、印加電圧を除去してから液晶分子が初期状態に戻るまでの時間「τoff」は主として液晶の粘度が支配的で、誘電率異方性が負の液晶の方が長い。したがって、本発明の方が垂直配向よりも有利である。
【0038】
特許文献3では、電極の上に誘電体で形成された配向制御突起で電界を変化させている。これに対し、本発明における凹部は、電極自体の形状を変化させるものであるため、配向制御突起による場合よりも電界の変化が強く、液晶分子に与える影響が大きい。そのため、パネルを押すことでドメイン・ウオールが移動した場合でも、ドメインを制御する力が強いため、凹部の部分で新たにドメインの境界を作り直すことが可能となり、ドメインの移動が規制される。このことは、正の誘電率異方性をもち誘電率異方性の絶対値が大きい液晶を用いることによって、液晶分子への影響力は相乗的に大きくなって、より効果的である。
【0039】
本発明によれば、押しドメイン規制力が強化され、透過表示におけるコントラスト比及び表示効率が高く、特に水平方向の視野角特性の非対称性を解消し、高品質の画像表示を実現した視野角特性の対象性が良好な半透過液晶表示装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための最良の形態を実施例の図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0041】
図3は、本発明の実施例1を説明する図2と同様の1画素付近の断面図である。図3において、図1、図2と同じ符号は同一機能部分に対応し、符号170は共通電極119の凹部、171はカラーフィルタ117の凹部、172は第一基板側の配向膜150の凹部を示す。反射部は薄膜トランジスタ180が配置された部分でスルーホール112の凹凸構造形成領域にあり、透過部は隣接する薄膜トランジスタとの間にある平坦な透明画素電極116の形成領域にある。
【0042】
以下、実施例1の液晶表示装置を図3の断面図を参照して詳細に説明する。実施例1の液晶表示装置は、第一基板114と、第二基板115と、前記第一基板114と第二基板115との間に挟持された液晶層121とを有する。そして、第一基板114と、第二基板115に形成された後述の部材により、複数の画素がマトリクス配置されて構成される。すなわち、前記複数の画素のそれぞれは、透明な画素電極(透明電極とも称する)106と反射電極140を有しており、透明電極106の領域は透過表示を行う透過部を構成し、反射電極140の領域は反射表示を行う反射部を構成する。
【0043】
なお、第一基板114は、配向膜(第一基板側配向膜、第一配向膜とも称する)150と、前記第一配向膜と前記第一基板との間に配置された共通電極119とを有する。前記第二基板115は、配向膜(第二基板側配向膜、第二配向膜とも称する)1501と、前記第二配向膜1501と前記第二基板115との間に配置された画素電極106とを有している。
【0044】
第一基板114には、前記反射部に、前記画素の短辺方向(図1の紙面横方向:長辺方向113と直交する方向)に並んだ複数の画素に跨って、前記短辺方向に延在する線状誘電体突起110を有している。液晶層121は、誘電率異方性が正で、その液晶分子の初期配向方向が、線状誘電体突起110の延在方向に対して80度から100度の角度(好ましくは直交:90度)を有している。実施例1を含め、本発明では90度として説明する。
【0045】
共通電極119及び第一配向膜150は、前記透過部の略中央に、前記画素の前記短辺方向に並んだ前記複数の画素に跨って、前記短辺方向に延在する直線状の凹部170、172を有している。これらの直線状の凹部170、172は、カラーフィルタ117の直線状の凹部、すなわちオーバーコート膜118の凹部117の上に位置している。この部分は遮光層116の上となる。
【0046】
また、液晶層121を構成する液晶分子の誘電率異方性は7〜12であり、当該液晶分子のプレチルト角度は0〜2度に設定されている。
【0047】
以上説明した実施例1により、押しドメイン規制力が強化されて透過表示におけるコントラスト比及び表示効率が高く、特に水平方向の視野角特性の非対称性が解消され、視野角特性の対象性が良好、かつ高品質の画像表示を実現した半透過液晶表示装置が実現される。
【実施例2】
【0048】
図4は、本発明の実施例2を説明する図3と同様の1画素付近の断面図である。図4において、図1乃至図3と同じ符号は同一機能部分に対応し、符号166は透明絶縁膜、173は透明絶縁膜116の欠如部分(透明絶縁膜116の凹部)を示す。実施例2は、第一基板114の第一配向膜150と共通電極119の間に、遮光層116の上で当該共通電極119の凹部170と第一配向膜150の凹部172が形成される部分を欠如した透明絶縁膜166を設けた。言い換えれば、この透明絶縁膜166の欠如部分173で共通電極119の凹部170と第一配向膜150の凹部172が形成されている。他の構成は実施例1と同様なので、繰り返しの説明はしない。
【0049】
以上説明した実施例2によっても、押しドメイン規制力が強化されて透過表示におけるコントラスト比及び表示効率が高く、特に水平方向の視野角特性の非対称性が解消され、視野角特性の対象性が良好、かつ高品質の画像表示を実現した半透過液晶表示装置が実現される。
【実施例3】
【0050】
図5は、本発明の実施例3を説明する図3、図4と同様の1画素付近の断面図である。図5において、図1乃至図4と同じ符号は同一機能部分に対応し、符号174は共通電極119の凹部(溝)を示す。実施例3では、オーバーコート膜118の上層に成膜された共通電極119に、画素の短辺方向で複数の画素に跨る直線状の凹部(溝)174を設けることで、第一配向膜150に凹部172を形成した。
【0051】
以上説明した実施例3によっても、押しドメイン規制力が強化されて透過表示におけるコントラスト比及び表示効率が高く、特に水平方向の視野角特性の非対称性が解消され、視野角特性の対象性が良好、かつ高品質の画像表示を実現した半透過液晶表示装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】誘電率異方性が正のホモジニアス液晶を用いた液晶表示装置を構成する3画素付近の平面図である。
【図2】図1のA−A'線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施例1を説明する図2と同様の1画素付近の断面図である。
【図4】本発明の実施例2を説明する図3と同様の1画素付近の断面図である。
【図5】本発明の実施例3を説明する図3と同様の1画素付近の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
111・・・凹凸構造、112・・・スルーホール、114・・・第一基板、115・・・第二基板、116・・・遮光層、117・・・カラーフィルタ、118・・・オーバーコート膜、119・・・共通電極、121・・・液晶層、150・・・配向制御膜、151・・・塗布型絶縁膜、152・・・ゲート電極、153・・・ソース電極、154・・・保護膜、156・・・ゲート絶縁膜、157・・・保護膜、158・・・多結晶シリコン層、170・・・共通電極の凹部、カラーフィルタの凹部、172・・・配向膜の凹部。

【出願人】 【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社 日立ディスプレイズ
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100093506
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 洋二


【公開番号】 特開2008−3372(P2008−3372A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173824(P2006−173824)