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【発明の名称】 コンタクトレンズのための改良されたイタコネートコポリマー組成物
【発明者】 【氏名】エドワード ジェイ. エリス

【氏名】アルフレッド ピー. オルソン

【氏名】ジェイムス エイ.ジュニア ボナフィニ

【要約】 【課題】コンタクトレンズ材料として有用なコポリマーを提供すること。

【構成】コンタクトレンズ材料として有用なコポリマーは、(a)イタコネート;(b)式(I)によって表されるシロキサン、ここで、各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そしてnは平均して約15〜約50である;(c)エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー;(d)親水性モノマー、を含有する混合物の重合生成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズを製造する方法であって、以下:
(a)イタコネート;
(b)下式(I)によって表されるシロキサン化合物:
【化1】



ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して15〜50である;
(c)エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;および
(d)親水性モノマー、
を含有するモノマー混合物重合する工程を包含する、方法。
【請求項2】
前記化合物(b)が、
【化2】



であり、ここで、nは平均して25である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イタコネート(a)が、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネートである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物が、
(a)5重量%〜60重量%の前記イタコネート;
(b)3重量%〜25重量%の前記式(I)のシロキサン化合物;
(c)2重量%〜60重量%の、前記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;
(d)1重量%〜25重量%の前記親水性モノマー;
(e)0重量%〜50重量%の、硬さを改変する(メタ)アクリレートモノマー;およ
(f)0重量%〜20重量%の非シリコーン含有架橋剤、
を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物が、
(a)20重量%〜55重量%の前記イタコネート;
(b)9重量%〜20重量%の前記式(I)のシロキサン化合物;
(c)5重量%〜50重量%の、前記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;
(d)5重量%〜15重量%の前記親水性モノマー;
(e)5重量%〜35重量%の前記(メタ)アクリレートモノマー;および
(f)1重量%〜10重量%の前記非シリコーン含有架橋剤、
を含有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オルガノシロキサンモノマー(c)が、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記(メタ)アクリレートモノマー(e)が、少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記親水性モノマー(d)が、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記架橋剤(f)が、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物が、
(a)20重量%〜55重量%の前記イタコネート;
(b)9重量%〜20重量%の前記式(I)のシロキサン化合物;
(c)5重量%〜50重量%の、前記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;
(d)5重量%〜15重量%の前記親水性モノマー;および
(e)5重量%〜35重量%の前記(メタ)アクリレートモノマー、
を含有する、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記混合物が、
(a)20重量%〜55重量%の前記イタコネート;
(b)9重量%〜20重量%の前記式(I)のシロキサン化合物;
(c)5重量%〜50重量%の、前記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;
(d)5重量%〜15重量%の前記親水性モノマー;および
(f)1重量%〜10重量%の前記非シリコーン含有架橋剤、
を含有する、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記混合物が、本質的に以下からなる、請求項1に記載の方法:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【化3】



ここで、nは平均して25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;メチルメタクリレートおよびネオペンチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー;ならびに少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【請求項14】
前記混合物が、本質的に以下からなる、請求項1に記載の方法:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【化4】



ここで、nは平均して25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;ネオペンチルメタクリレート;および少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【請求項15】
前記モノマー混合物が熱によって重合される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記モノマー混合物が紫外線によって重合される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記コンタクトレンズが剛性である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記コンタクトレンズがガス透過性である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記コンタクトレンズが712〜1450mPaの弾性率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法によって製造されたコンタクトレンズ。
【請求項21】
明細書の実施例および図面に記載されている、コンタクトレンズを製造する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズ材料として有用な改良されたイタコネートコポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
初期のハードコンタクトレンズは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはセルロースアセテートブチレート(CAB)から生成された。その後、シリコーン含有コポリマーから形成される、剛性でガス透過性(RGP)のコンタクトレンズが導入され、PMMAレンズおよびCABレンズを超える種々の利点、特に増加された酸素透過性が提供された。元々のシリコーン含有RGPレンズは、シリコーン含有モノマーおよびメチルメタクリレートのコポリマーをベースとしており、このようなレンズは今日でも市場にある。
【0003】
シリコーン含有RGPレンズの、新しいクラスのコポリマーは、イタコネートエステルコポリマーである。米国特許第4,152,508号(Ellisら)、同第4,330,383号(Ellisら)、および同第4,826,889号(Ellisら)は、以下から調製される、コンタクトレンズ用のコポリマーを開示している:単官能性シロキサニルエステルモノマー;イタコネートエステル;一価または多価のアルカノールまたはフェノール、および(メタ)アクリル酸;架橋剤;ならびに、好ましくは親水性モノマー。
【0004】
RGPレンズ用の公知のコポリマーにはまた、フッ素化イタコネートエステルのコポリマー(例えば、米国特許第4,686,267号(Ellisら)および同第4,996,275号(Ellisら)に記載のコポリマー)が包含される。これらは、フッ素化イタコネートエステルおよびエチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンから調製される。
【0005】
RGPレンズ用のイタコネートエステルコポリマーの他の例は、以下の米国特許に開示されている:第4,602,074号(Mizutaniら);第4,508,884号(Wittmannら);第4,743,667号(Mizutaniら);第4,826,936号(Ellis);および第4,861,850号(Novicky)。
【0006】
米国特許第4,152,508号に開示されているように、イタコネートエステルは、剛性、硬さ、およびある程度の湿潤性を、得られるコポリマーに与える。しかし、イタコネートエステルの使用により、得られるポリマーはより脆くなる傾向がある。
【0007】
特定の多官能性オルガノシロキサンは、イタコネートRGPコポリマーにより高い衝撃強さを与え、そして脆性を低下させるのに有用であると記載されている。米国特許第4,826,936号は、以下の式を有する多官能性オルガノシロキサンのクラスを記載している:
【0008】
【化9】


【0009】
ここで、nは0〜10であり、「a」値はすべて少なくとも2であり、各々のY’は不飽和性の重合可能な基であり、そして残りの変数は、上記の特許で与えられている意味を有する。イタコネートコポリマーにとって好ましいモノマーは、1,3−ビス(メタクリルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラ(トリメチルシロキシ)ジシロキサン(SM−6と呼ばれる)である。さらに、前述の特許、第4,686,267号および第4,996,275号は、フッ素化イタコネートコポリマーが、米国特許第4,826,936号の多官能性オルガノシロキサンを含み得ることを開示している。米国特許第4,743,667号もまた、イタコネートエステルコポリマーの高い衝撃強さおよび低い脆性を有すると記載されたRGPコンタクトレンズ材料のための多官能性オルガノシロキサンモノマーを開示している。好ましいモノマーには、1,5−ビス(メタクリルオキシプロピル)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(BiMAPPS−1と呼ばれる)、および1,3−ビス(メタクリルオキシエトキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(BiMAPPS−2と呼ばれる)が包含される。これらの
特許の各々に示唆されるアプローチは、比較的剛性の多官能性オルガノシロキサンを用いることを含んでおり、ここで、重合可能な官能基を架橋するシロキサンユニットの数は、好ましくは2〜4である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
項目1. コンタクトレンズ材料として有用なコポリマーであって、以下を含有する混合物の重合生成物である、コポリマー:
(a)イタコネート;
(b)下式(I)によって表されるシロキサン化合物:
【0011】
【化1】


【0012】
ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して約15〜約50である;
(c)エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;および
(d)親水性モノマー。
【0013】
項目2.上記化合物(b)が、
【0014】
【化2】


【0015】
であり、ここで、nは平均して約25である、項目1に記載のコポリマー。
【0016】
項目3: 上記イタコネート(a)が、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネートである、項目2に記載のコポリマー。
【0017】
項目4.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを5重量%〜60重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を3重量%〜25重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマーを2重量%〜60重量%;
(d)上記親水性モノマーを1重量%〜25重量%;
(e)硬さを改変する(メタ)アクリレートモノマーを0重量%〜50重量%;および
(f)非シリコーン含有架橋剤を0重量%〜20重量%、
を含有する、項目1に記載のコポリマー。
【0018】
項目5.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを20重量%〜55重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を9重量%〜20重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマーを5重量%〜50重量%;
(d)上記親水性モノマーを5重量%〜15重量%;
(e)上記(メタ)アクリレートモノマーを5重量%〜35重量%;および
(f)上記非シリコーン含有架橋剤を1重量%〜10重量%、
を含有する、項目4に記載のコポリマー。
【0019】
項目6.上記オルガノシロキサンモノマー(c)が、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートを含む、項目5に記載のコポリマー。
【0020】
項目7.上記(メタ)アクリレートモノマー(e)が、少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートを含む、項目5に記載のコポリマー。
【0021】
項目8.上記アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載のコポリマー。
【0022】
項目9.上記親水性モノマー(d)が、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、項目5に記載のコポリマー。
【0023】
項目10.上記架橋剤(f)が、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを含む、項目5に記載のコポリマー。
【0024】
項目11.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを20重量%〜55重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を9重量%〜20重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマーを5重量%〜50重量%;
(d)上記親水性モノマーを5重量%〜15重量%;および
(e)上記(メタ)アクリレートモノマーを5重量%〜35重量%、を含有する、項目4に記載のコポリマー。
【0025】
項目12.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを20重量%〜55重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を9重量%〜20重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマーを5重量%〜50重量%;
(d)上記親水性モノマーを5重量%〜15重量%;および
(f)上記非シリコーン含有架橋剤を1重量%〜10重量%、を含有する、項目4に記載のコポリマー。
【0026】
項目13.上記混合物が、本質的に以下からなる、項目1に記載のコポリマー:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0027】
【化3】


【0028】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;メチルメタクリレートおよびネオペンチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー;ならびに少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0029】
項目14.上記混合物が、本質的に以下からなる、項目1に記載のコポリマー:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0030】
【化4】


【0031】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;ネオペンチルメタクリレート;および少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0032】
項目15.以下を含有する混合物の重合生成物であるコポリマーから形成される、剛性でガス透過性のコンタクトレンズ:
(a)イタコネート;
(b)下(I)式によって表されるシロキサン化合物:
【0033】
【化5】


【0034】
ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して約15〜約50である;
(c)エチレン性不飽和を有する単官能性オルガノシロキサンモノマー;および
(d)親水性モノマー。
【0035】
項目16.上記化合物(b)が、下式:
【0036】
【化6】


【0037】
を有し、ここで、nは平均して約25である、項目15に記載のコンタクトレンズ。
【0038】
項目17.上記イタコネートが、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネートである、項目16に記載のコンタクトレンズ。
【0039】
項目18.上記コポリマーが、本質的に以下からなる混合物の重合生成物である、項目15に記載のコンタクトレンズ:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0040】
【化7】


【0041】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;メチルメタクリレートおよびネオペンチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー;ならびに少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0042】
項目19.上記コポリマーが、上記混合物が、本質的に以下からなる混合物の重合生成物である、項目15に記載のコンタクトレンズ:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0043】
【化8】


【0044】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;ネオペンチルメタクリレート;および少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0045】
項目20. コンタクトレンズ材料として有用なコポリマーであって、以下を含有する混合物の重合生成物である、コポリマー:
(a)イタコネート;
(b)下式(I)によって表されるシロキサン化合物:
【0046】
【化1】


【0047】
ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して約15〜約50である;
(c)エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー;および
(d)親水性モノマー。
【0048】
項目21.上記化合物(b)が、
【0049】
【化2】


【0050】
であり、ここで、nは平均して約25である、項目20に記載のコポリマー。
【0051】
項目22:上記イタコネート(a)が、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネートである、項目21に記載のコポリマー。
【0052】
項目23.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを5重量%〜60重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を3重量%〜25重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマーを2重量%〜60重量%;
(d)上記親水性モノマーを1重量%〜25重量%;
(e)硬さを改変する(メタ)アクリレートモノマーを0重量%〜50重量%;および
(f)非シリコーン含有架橋剤を0重量%〜20重量%、
を含有する、項目21に記載のコポリマー。
【0053】
項目24.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを20重量%〜55重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を9重量%〜20重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマーを5重量%〜50重量%;
(d)上記親水性モノマーを5重量%〜15重量%;
(e)上記(メタ)アクリレートモノマーを5重量%〜35重量%;および
(f)上記非シリコーン含有架橋剤を1重量%〜10重量%、
を含有する、項目23に記載のコポリマー。
【0054】
項目25.上記オルガノシロキサンモノマー(c)が、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートを含む、項目24に記載のコポリマー。
【0055】
項目26.上記(メタ)アクリレートモノマー(e)が、少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートを含む、項目24に記載のコポリマー。
【0056】
項目27.上記アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項26に記載のコポリマー。
【0057】
項目28.上記親水性モノマー(d)が、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、項目24に記載のコポリマー。
【0058】
項目29.上記架橋剤(f)が、ネオペンチルグリコールジメタクリレートを含む、項目24に記載のコポリマー。
【0059】
項目30.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを20重量%〜55重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を9重量%〜20重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマーを5重量%〜50重量%;
(d)上記親水性モノマーを5重量%〜15重量%;および
(e)上記(メタ)アクリレートモノマーを5重量%〜35重量%、を含有する、項目23に記載のコポリマー。
【0060】
項目31.上記混合物が、
(a)上記イタコネートを20重量%〜55重量%;
(b)上記式(I)のシロキサン化合物を9重量%〜20重量%;
(c)上記エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマーを5重量%〜50重量%;
(d)上記親水性モノマーを5重量%〜15重量%;および
(f)上記非シリコーン含有架橋剤を1重量%〜10重量%、
を含有する、項目23に記載のコポリマー。
【0061】
項目32.上記混合物が、本質的に以下からなる、項目20に記載のコポリマー:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0062】
【化3】


【0063】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;メチルメタクリレートおよびネオペンチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー;ならびに少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0064】
項目33.上記混合物が、本質的に以下からなる、項目20に記載のコポリマー:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0065】
【化4】


【0066】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;ネオペンチルメタクリレート;および少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0067】
項目34.以下を含有する混合物の重合生成物であるコポリマーから形成される、剛性でガス透過性のコンタクトレンズ:
(a)イタコネート;
(b)下(I)式によって表されるシロキサン化合物:
【0068】
【化5】


【0069】
ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して約15〜約50である;
(c)エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー;および
(d)親水性モノマー。
【0070】
項目35.上記化合物(b)が、下式:
【0071】
【化6】


【0072】
を有し、ここで、nは平均して約25である、項目34に記載のコンタクトレンズ。
【0073】
項目36.上記イタコネートが、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネートである、項目35に記載のコンタクトレンズ。
【0074】
項目37.上記コポリマーが、本質的に以下からなる混合物の重合生成物である、項目34に記載のコンタクトレンズ:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0075】
【化7】


【0076】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;メチルメタクリレートおよびネオペンチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー;ならびに少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【0077】
項目38.上記コポリマーが、上記混合物が、本質的に以下からなる混合物の重合生成物である、項目34に記載のコンタクトレンズ:
ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート;
以下の化合物:
【0078】
【化8】


【0079】
ここで、nは平均して約25である;
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート;メタクリル酸;N−ビニルピロリドン;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;ネオペンチルメタクリレート;および少なくとも1つのフリーラジカル開始剤。
【発明の効果】
【0080】
(発明の要旨)
本発明は、コンタクトレンズ材料、特に剛性でガス透過性の(RGP)レンズ材料として有用な、改良されたイタコネートエステルコポリマーに関する。このコポリマーは、以下を含有する混合物の重合生成物である:
(a)イタコネート;
(b)下式(I)によって表される化合物:
【0081】
【化10】


【0082】
ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して約15〜約50である;
(c)エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー;
(d)親水性モノマー。
【0083】
このコポリマーは、改良された、イタコネートを含有する剛性でガス透過性(RGP)の材料を表し、良好な靭性および低い脆性を有する。
【0084】
本出願人らは、イタコネートコポリマーに、「より短く」そしてより剛性の多官能性シロキサン化合物が用いられた、上述の従来のアプローチとは対照的に、式(I)のシロキサン化合物が、イタコネートコポリマーの靭性を向上させるのに特に効果的であることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0085】
(発明の詳細な説明)
本発明のイタコネートコポリマーは、以下を含有する混合物からなる重合生成物である:
(a)イタコネート;
(b)下式(I)によって表されるシロキサン化合物:
【0086】
【化11】


【0087】
ここで:
各Aは、独立して、活性化不飽和基であり;
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択され;
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基であり;そして
nは、平均して約15〜約50である;
(c)エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー;
(d)親水性モノマー。
【0088】
上記イタコネートエステルは、当該分野で公知であり、そして下式(II)の化合物を包含する:
【0089】
【化12】


【0090】
ここで、XおよびYは、同一または異なり得、独立して:水素;C〜C18のアルキル基またはフッ素置換アルキル基;C〜C18のシクロアルキル基またはフッ素置換アルキル基;C21〜Cのアルケニル基またはフッ素置換アルケニル基;フェニル基またはフッ素置換フェニル基;ベンジル基またはフッ素置換ベンジル基;フェネチル基またはフッ素置換フェネチル基;あるいはC〜C18のエーテル基またはフッ素置換エーテル基である;但し、XおよびYの少なくとも1つは、水素ではない。
【0091】
代表的なイタコネートには、メチルイタコネート、ジメチルイタコネート、フェニルイタコネート、メチルフェニルイタコネート、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)イタコネート、ビス(1H,1H−パーフルオロオクチル)イタコネート、ビス(1H,1H,1H−パーフルオロウンデシル)イタコネート、ビス(パーフルオロ−t−ブチル)イタコネート、ビス(ペンタフルオロフェニル)イタコネート、ビス(2H,2H−パーフルオロベンジル)イタコネート、およびビス(ペンタフルオロフェニルメチル)イタコネートが挙げられる。
【0092】
イタコネートは、好ましくは、モノマー混合物の5重量%〜60重量%で用いられる。この混合物からコポリマーが調製され、充分な剛性および硬さを有するコポリマーが提供される。好ましい実施態様によれば、このイタコネートは、20重量%〜55重量%で、より好ましくは30重量%〜50重量%でモノマー混合物中に存在する。
【0093】
当該分野において認識されているように、メチルメタクリレートの代わりに、またはメチルメタクリレートと組み合わせてイタコネートが用いられる場合、得られるコポリマーの剛性および硬さは増大した。しかし、イタコネートエステルの使用はまた、得られるコポリマーをより脆くする傾向がある。RGPコンタクトレンズ材料は、しばしば、ロッド、ボタン、またはレンズブランクの形態で提供され、それらはその後、所望のレンズ表面を有するコンタクトレンズに機械加工される。コポリマー材料が脆い場合、このような材料を機械加工(例えば、材料のチッピングまたはフレーキングあるいは切断さえも)する際に、困難に直面し得る。
【0094】
本出願人らは、式(I)の化合物が、得られるコポリマーを効果的に靭性にし、それによってイタコネートモノマーに起因すると考えられる不都合を克服し得ることを見出した。このコポリマーは、光学的な透明度、低い脆性、および向上した靭性を有する、改良された、イタコネート含有RGP材料である。好ましくは、このコポリマーは、少なくとも約1.2MPa・mm/mm(ASTM D 790M−86規格によって測定されたとき)の靭性、およびより好ましくは少なくとも約1.5MPa・mm/mmの靭性を有する。
【0095】
式(I)の化合物は、米国特許第4,153,641号に開示された方法のように、当該分野で公知の一般的な方法によって生成され得る。この開示を、本明細書中で参考として援用する。
【0096】
種々の多官能性オルガノシロキサンは、コンタクトレンズ処方物に有用であると記載されており、以下の一般式:
【0097】
【化13】


【0098】
(ここで、A,R’、およびRは、式(I)で与えられた定義に対応し、そしてn’は種々の範囲を有する)のシロキサン化合物を含むが、本出願人らは、イタコネートコポリマーコンタクトレンズ材料用としては、比較的狭いクラスの式(I)の化合物が、一貫して所望の効果を与えることを見出した。
【0099】
式(I)において、nは、平均して少なくとも約15である。従って、式(I)の二官能性シロキサン化合物は、比較的可撓性である。特定の理論によって束縛されることを意図しないが、このような「長く」そして比較的可撓性の二官能性化合物の末端の活性化不飽和基は、得られるコポリマーの種々のイタコネート部分と反応し、それにより、これらのイタコネート部分間の比較的「可撓性の」架橋を提供し得るようである。その結果、このコポリマーの靭性が増加し、そして脆性が低くなる。
【0100】
これに対し、含まれるシロキサンユニットがより少なく、かつより剛性である、式(I)に相当する二官能性シロキサン化合物は、本発明に帰属する所望の改良がなされたイタコネートコポリマーを提供しない。
【0101】
一方、比較的多数のシロキサンユニットを含む二官能性シロキサン化合物が、イタコネートエステルモノマーと共に用いられる場合、モノマー混合物中の個々の成分の相分離が起こるようである。このことにより、透明でない、および/または靭性が不充分であるコポリマーが生じ得る。従って、式(I)におけるnは、平均して約50以下である。
【0102】
式(I)において、Aは、活性化不飽和基、すなわち、フリーラジカル重合を容易にする置換基、好ましくはビニル含有置換基を包含する不飽和基である。代表的なA基には、(メタ)アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、およびスチリルが挙げられる。(本明細書中で用いられる用語「(メタ(meth))」は、任意のメチル置換を示す。従って、「(メタ)アクリレート(meth)acrylate)」のような用語は、「アクリレートまたはメタクリレート」を示す。)メタクリルオキシ基が、より好ましい。
【0103】
各R’は、独立して、C〜C22の二価の炭化水素基である。代表的なR’基は、アルキレン基を包含し、そして好ましい基は、メチレン、プロピレン、およびブチレンを包含する。
【0104】
各Rは、独立して、C〜C12の一価の炭化水素基、エーテル結合を有するC〜C12の一価の炭化水素基、ハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基、およびエーテル結合を有するハロゲン置換されたC〜C12の一価の炭化水素基からなる群より選択される。代表的なR基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール(aryl)基、アラルキル基、アルカリル基、アルコキシアルキル基、およびそれらのハロゲン置換誘導体を包含する。好ましい基は、C〜Cのアルキルを包含し、メチルが特に好ましい。
【0105】
シロキサン化合物は、得られるコポリマーの脆性を低下させるに効果的な量で用いられる。一般的に、シロキサン化合物は、初期モノマー混合物の約3重量%〜約25重量%、より好ましくは約5重量%〜約20重量%で存在すべきであり、約9重量%〜約15重量%が特に好ましい。当業者は、特定の処方物について最適量を容易に決定し得る。
【0106】
エチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー(c)(式(I)のシロキサン化合物を除く)は、コポリマーの酸素透過性を増加するのに有用である。好ましいオルガノシロキサンは、(メタ)アクリレート基を有する単官能性オルガノシロキサンであり、例えば、トリス(トリメチルシロキシ)メタアクリルオキシプロピルシラン、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、フェニルテトラメチルジシロキサニルエチルアクリレート、ヘプタメチルシクロテトラシロキサンプロピルメタクリレート、ヘプタメチルシクロテトラシロキサンメチルメタクリレート、およびメチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチルシランである。当該分野で公知の他のオルガノシロキサンモノマーは、米国特許第4,686,267号に記載されている。この開示を本明細書中で参考として援用する。オルガノシロキサンモノマーは、約2重量%〜約60重量%、より好ましくは約5重量%〜約50重量%でモノマー混合物中に含まれ得る。
【0107】
親水性モノマー(d)は、親水性を増大させ、そして得られるコポリマーの湿潤性を向上させるのに有用である。通常の親水性モノマーには、以下が包含される:2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような、親水性(メタ)アクリレート;メタクリルアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドのような、親水性(メタ)アクリルアミド;メタクリル酸のような、(メタ)アクリルカルボン酸;ならびにN−ビニルピロリドンのような、ビニルラクタム。この親水性モノマーは、約1重量%〜約25重量%、より好ましくは約5重量%〜約15重量%で含まれ得る。
【0108】
コンタクトレンズ処方物のための他の公知の材料は、イタコネートコポリマーが調製されるモノマー混合物に用いられ得る。
【0109】
さらにコポリマーの硬さを改変する(メタ)アクリレートモノマー(e)が、含まれ得る。このようなモノマーは、好ましくはC〜C20の一価または多価のアルカノールあるいはフェノール、および(メタ)アクリル酸である。代表的なモノマーとしては、以下が挙げられる:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、およびネオペンチルメタクリレートのような、アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシルメタクリレートのような、シクロアルキル含有(メタ)アクリレート;ならびにフェニルメタクリレート。この(メタ)アクリレートは、0重量%〜50重量%で、より好ましくは約5重量%〜約35重量%でモノマー混合物に含まれ得る。
【0110】
通常の非シリコーン(silicone)含有架橋剤(f)が用いられ得る。架橋剤には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、および他の多数ビニル置換した化合物の多官能性誘導体が含まれる。代表的な架橋剤には、以下が包含される:エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ヘキサメチレンビスアクリルアミド、およびジビニルベンゼン。この架橋剤は、0重量%〜20重量%で、より好ましくは約1重量%〜約10重量%でモノマー混合物に含まれ得る。
【0111】
従って、好ましいコポリマーは、以下を含有するモノマー混合物から調製される:
(a)約5重量%〜約60重量%、好ましくは約20重量%〜約55重量%のイタコネートエステル;
(b)約3重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%、より好ましくは約9重量%〜約15重量%の式(I)のシロキサン化合物;
(c)約2重量%〜約60重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%のエチレン性不飽和を有するオルガノシロキサンモノマー(式(I)のシロキサン化合物を除く);
(d)約1重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約15重量%の親水性モノマー;
(e)0重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約35重量%の(メタ)アクリレートモノマー;および
(f)0重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%の架橋剤。
【0112】
他の選択的な成分は、一般的に0.01重量%〜2重量%で用いられる、通常のフリーラジカル開始剤、および着色剤を包含する。
【0113】
モノマー混合物は、当該分野で公知の方法、好ましくは加熱または紫外線放射下で重合され得、所望ならば、あらゆる未反応モノマーを低減するために、コポリマーはγ線放射で処理され得る。好ましくは、混合物は、その後コンタクトレンズの形態に機械加工される形状、例えば、ロッドストック、レンズボタン、または1つの仕上げ表面を有するレンズブランクに成形される。あるいは、混合物は、直接コンタクトレンズの形状に成形され得る。
【0114】
以下の実施例は、さらに本発明の好ましい実施態様を例示する。
【0115】
種々のコポリマーを、以下の表に示したモノマー混合物から重合した。ここで、個々の成分の量は、重量部で与えられる。混合物をシリンダーチューブに入れ、そしてチューブを脱酸素して密封した。混合物を水浴で加熱し(40℃で3日間)、次いでオーブン中で加熱する(65℃で2日間)ことによって重合した。種々のコポリマーを、不活性雰囲気中でγ線放射に曝すことを含む重合後の処理にかけ、未反応モノマーを低減させた。
【0116】
靭性および弾性率を重合ロッドからカットした0.5mmのディスクサンプルで、ASTM−D 790M−86規格に従って測定した。標準偏差を表の括弧中に示した。透過率をガス−ガス法により、0.5mmディスクサンプルで測定した。
【0117】
結果を以下の表に要約した。以下の略語が含まれている。
AIBN 2,2−アゾビスイソブチロニトリル(開始剤)
AIVN 2,2−アゾビスイソバレロニトリル(開始剤)
BHI ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)イタコネート
MAA メタクリル酸
MMA メチルメタクリレート
NPGDMA ネオペンチルグリコールジメタクリレート
NPMA ネオペンチルメタクリレート
NVP N−ビニルピロリドン
TRIS トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
M2D15 式(I)であって、各Rはメチル、各R’はブチレン、各Aはメタクリレート、そしてnは平均して約15である。
M2D25 式(I)であって、各Rはメチル、各R’はブチレン、各Aはメタクリレート、そしてnは平均して約25である。
M2D50 式(I)であって、各Rはメチル、各R’はブチレン、各Aはメタクリレート、そしてnは平均して約50である。
M2D100 式(I)であって、各Rはメチル、各R’はブチレン、各Aはメタクリレート、そしてnは平均して約100である。
M2DF100 式(I)であって、各Rはトリフルオロメチル、各R’はブチレン、各Aはメタクリレート、そしてnは平均して約100である。
【0118】
【表1】


【0119】
【表2】


【0120】
【表3】


【0121】
表Iに要約したデータは、式(I)の化合物(ここでnは平均して15である)が、充分な靭性を有するイタコネートコポリマーを提供するに効果的であるシロキサン化合物のこのクラスの範囲の下端に近づくことを示す。充分な靭性を有するコポリマーを、M2D15を用いて得たが、有利な効果を達成するために、比較的大量のM2D15が必要であった。
【0122】
表IIIに要約したデータは、式(I)の化合物(ここでnは平均して50である)が、コンタクトレンズ材料として良好な靭性および充分な透明度を有するイタコネートコポリマーを提供するに効果的であるシロキサン化合物のこのクラスの範囲の上端に近づくことを示す。実施例12のコポリマーは透明で、そしてとても良好な靭性(3.00MPa・mm/mm)を示した。実施例9は良好な靭性を示したが、曇っているようであった。実施例10および11は透明であったが、低い靭性を示した。これに対して、実施例13のコポリマー(M2D100を用いた)は、低い靭性および曇った外観の両方を有していた。
【0123】
表IVおよびVは、式(I)の化合物がイタコネートコポリマーに用いられる場合における、式(I)の化合物のシロキサンユニットの数の効果を、さらに例示する。表IVの各処方物、および表Vの各処方物は、種々の式(I)の化合物を用いている。全体的に、靭性が増加したコポリマーは、より高い「n」値を有する式(I)の化合物を用いることによって得られた。しかし、より高い「n」値を有する化合物では相分離が起こり、その結果、靭性が低くなりかつ/または曇りが生じた。シロキサン化合物のハロゲン置換(M2DF100)は、相分離の効果を低減させるようであったけれども、このような式(I)化合物(ここで、nは平均して100である)は、依然として不充分な靭性を示した。
【0124】
【表4】


【0125】
【表5】


【0126】
表VIおよびVIIは、より好ましい式(I)の化合物、M2D25を用いる、さらなるコポリマーを示す。一般的に、高い靭性を有するコポリマーは、この式(I)の化合物の量を増加することによって得られ得る。さらに、これらの実施例は、少なくとも1.2MPa・mm/mmの靭性を有するコポリマーを提供するためには、式(I)の化合物の最少量は、特定の処方に依存して、約3重量%であることを示す。
【0127】
【表6】


【0128】
【表7】


【0129】
特定の好ましい実施態様を記載してきたが、本発明はそれらに限定されず、そして改変および変法は当業者に明らかであることが理解される。
【出願人】 【識別番号】397046283
【氏名又は名称】ポリマー テクノロジー コーポレイション
【出願日】 平成19年9月26日(2007.9.26)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策


【公開番号】 特開2008−58981(P2008−58981A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2007−250253(P2007−250253)