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【発明の名称】 湿潤性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ及び関連組成物及び方法
【発明者】 【氏名】イェ ホン

【氏名】チャーリー チェン

【氏名】ニック マネシス

【要約】 【課題】相対的に大量の除去可能又は抽出可能な物質を有する、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得る。

【構成】無極性樹脂ベースのコンタクトレンズ型から、表面処理又はポリマー湿潤剤の相互貫入ポリマーネットワークなしで、前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得ることができる。関連するレンズ生成物、重合可能な組成物、及び方法も開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンヒドロゲル材料を含むレンズ本体を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、前記レンズ本体が眼に許容し得る表面湿潤性と、抽出前の前記レンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量とを有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項2】
前記レンズ本体が、眼に許容し得る表面湿潤性を与える表面処理のない、請求項1に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記レンズ本体が、眼に許容し得る表面湿潤性を与えるポリマー湿潤剤の相互貫入ポリマーネットワークのない、請求項1又は2に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記レンズ本体が、無極性樹脂のコンタクトレンズ型から得られたキャスト成型要素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記レンズ本体が水和しており、かつ約120度未満の前進接触角、約1.6MPa未満の引張りモジュラス、約7 10-3mm2/分未満のイオノフラックス、少なくとも約70バレルの酸素透過性、及び少なくとも約30質量%の含水量から選択される1以上の特徴を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項6】
少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有する抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から得られたレンズ本体を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、前記レンズ本体が眼に許容し得る表面湿潤性を有する、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項7】
前記レンズ本体が非表面処理レンズ本体である、請求項6に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記レンズ本体が、眼に許容し得る表面湿潤性を与えるポリマー湿潤剤の相互貫入ポリマーネットワークのない、請求項6又は7に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物が、無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で重合した、請求項6〜8のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記レンズ本体が水和しており、かつ約120度未満の前進接触角、約1.6MPa未満の引張りモジュラス、約7 10-3mm2/分未満のイオノフラックス、少なくとも約70バレルの酸素透過性、及び少なくとも約30質量%の含水量から選択される1以上の特徴を含む、請求項6〜9のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項11】
前記重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の除去可能成分が、少なくとも1種の非反応性添加剤を含む、請求項6〜10のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項12】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が、相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、及びイオノフラックス低減剤の1以上から選択される、請求項11に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項13】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が疎水性又は両親媒性添加剤である、請求項11に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項14】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が非反応性アルコール、非反応性親水性シリコーンポリマー、又はその組合せである、請求項11に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が、エチレングリコールステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、C2-C24アルコール、C2-C24アミン、及びポリジメチルシロキサン-co-PEGの1以上から選択される、請求項11に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項16】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤がデカノール、ポリジメチルシロキサン-co-PEG、又はその組合せである請求項11に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項17】
前記レンズ本体が、メタクリレートホスホリルコリン-モノマーから得られた単位を含む、請求項6〜17のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項18】
前記レンズ本体が、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンから得られた単位を含む、請求項17に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項19】
抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物であって、抽出される前の本体部材が、該本体部材を抽出手順に供して、抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を形成した後の本体部材の乾燥質量より少なくとも10%多い乾燥質量を有する、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項20】
前記抽出される前の本体部材が該本体部材の10%(w/w)〜約75%(w/w)の除去可能成分含量を有する、請求項19に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項21】
無極性樹脂のコンタクトレンズ型部材と接触した状態で提供される、請求項19又は20に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項22】
前記抽出される前の本体部材が少なくとも1種の非反応性添加剤を含む、請求項19〜21のずれか1項に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項23】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が、相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、及びイオノフラックス低減剤の1以上から選択される、請求項22に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項24】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が親水性添加剤又は両親媒性添加剤である、請求項22に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項25】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が非反応性アルコール、非反応性親水性シリコーンポリマー、又はその組合せである、請求項22に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤が、エチレングリコールステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、C2-C24アルコール、C2-C24アミン、及びポリジメチルシロキサン-co-PEGの1以上から選択される、請求項22に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項27】
前記少なくとも1種の非反応性添加剤がデカノール、ポリジメチルシロキサン-co-PEG、又はその組合せである、請求項22に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項28】
前記抽出される前の本体部材が、メタクリレートホスホリルコリン-モノマーから得られた単位を含む、請求項19〜27のいずれか1項に記載の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物。
【請求項29】
重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物であって、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物として重合可能なケイ素含有成分と共に重合可能な非ケイ素含有成分を含み、前記重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物の一部が、前記重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物製の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去可能であり、かつ前記重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項30】
前記重合可能な非ケイ素含有成分が、第1の反応性比を有する第1のモノマーと、第1の反応性比より低い第2の反応性比を有する第2のモノマーとを含む、請求項29に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項31】
前記重合可能な非ケイ素含有成分が、前記第1の反応性比と同様の反応性比を有する架橋剤をさらに含む、請求項30に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項32】
前記重合可能なケイ素含有成分がM3Uであり、かつ前記重合可能な非ケイ素含有成分が、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、メチルメタクリレート、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、及び開始剤を含む、請求項29に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項33】
前記非ケイ素含有成分が、紫外線吸収剤と着色剤をさらに含む、請求項29〜33のいずれか1項に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項34】
ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのブロックコポリマーをさらに含む、請求項29〜33のいずれか1項に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項35】
前記重合可能なケイ素含有成分がM3Uであり、かつ前記重合可能な非ケイ素含有成分が、1-ビニル-2-ピロリドン、メチルメタクリレート、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、及び開始剤を含む、請求項29に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項36】
前記重合可能な非ケイ素含有成分が、デカノールをさらに含む、請求項35に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項37】
前記デカノールが、該組成物の約5%(w/w)〜約30%(w/w)の量で存在する、請求項36に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項38】
ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのブロックコポリマーをさらに含む、請求項35に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項39】
親水性のシリコーン含有離型助剤又はポリアルキレンオキシド離型助剤をさらに含む、請求項38に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項40】
前記非ケイ素含有成分が、ヘキサノール、エトキシエタノール、イソプロパノール、プロパノール、デカノール、及びその組合せから成る群より選択される希釈剤をさらに含む、請求項35に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項41】
メタクリレートホスホリルコリン-モノマーの単位をさらに含む、請求項40に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項42】
抽出可能な疎水性添加剤又は抽出可能な両親媒性添加剤をさらに含む請求項29〜41のいずれか1項に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項43】
前記添加剤が、エチレングリコールステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、C2-C24アルコール、C2-C24アミン、及びポリジメチルシロキサン-co-PEGの1以上から選択される、請求項42に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項44】
前記添加剤がデカノール、ポリジメチルシロキサン-co-PEG、又はその組合せである、請求項42に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項45】
前記添加剤が、約300〜約30,000ダルトンの範囲の分子量を有するポリジメチルシロキサン-co-PEGを含む、請求項44に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項46】
前記添加剤が、約3,000ダルトン未満の分子量を有するポリジメチルシロキサン-co-PEGを含む、請求項44に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項47】
前記添加剤が、該組成物の約1%〜約60%の範囲の量で存在する、請求項42に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項48】
少なくとも2種の異なる添加剤を含む、請求項42に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項49】
無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で提供される、請求項42に記載の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物。
【請求項50】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法であって、抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物であって該レンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有するものから、抽出前のレンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量と、眼に許容し得る表面湿潤性とを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ本体を形成する工程を含む方法。
【請求項51】
前記形成工程が、前記抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能物を抽出する工程を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を硬化させて、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物であって該レンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有するものを形成する工程をさらに含む、請求項50又は51に記載の方法。
【請求項53】
前記重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で硬化させる、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物に除去可能な添加剤を添加する工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記除去可能な添加剤が、相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、モジュラス低減剤、イオノフラックス低減剤、及びその組合せから成る群より選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
紫外線吸収剤、着色剤、及びその組合せから成る群より選択される添加剤を前記レンズ先駆組成物に添加する工程をさらに含む請求項52〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを、該レンズを表面処理せずに製造し、又はポリマー湿潤剤の相互貫入ポリマーネットワークと共に該レンズを形成することなく製造する、請求項50〜56のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
〔関連出願のクロスレファレンス〕
この出願は、2006年6月15日提出の米国特許出願第60/804,911号;2007年1月31日提出の米国特許出願第60/887,513号;及び2007年3月13日提出の米国特許出願第60/894,609号の優先権の利益を主張する。これら出願の全内容が参考として本明細書に組み込まれる。
〔発明の分野〕
本発明は、シリコーンヒドロゲルの眼科用デバイス及び関連組成物と方法等に関する。さらに詳しくは、本発明は、湿潤性の成型シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、並びに関連組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、非シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに比べて装用者が長時間装用できるため、人気が出てきた。個々のレンズによるが、例えば、1日、1週間、2週間、又は1カ月シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを装用することができ、或いは1日装用、1週間装用、2週間装用、又は1カ月装用のためにシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを処方することができる。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに付随するレンズ装用者にとっての利点は、少なくとも部分的に、コンタクトレンズのケイ素含有ポリマー材料の親水性成分と疎水特性の組合せに起因し得る。
2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)ベースのヒドロゲルコンタクトレンズのような非シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、無極性樹脂のコンタクトレンズ型、例えばポリオレフィンベースの樹脂製のコンタクトレンズ型内で製造されることが多い。換言すれば、非シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ用のレンズ先駆組成物は、無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で重合されてHEMAベースポリマーのレンズ生成物又は重合したレンズ生成物が生成される。HEMAベースのコンタクトレンズのポリマー成分の親水特性のため、HEMAベースのコンタクトレンズは眼に適合性であり、かつ無極性樹脂の型を用いて生成されているにもかかわらず、眼に許容し得る表面湿潤性を有する。
しかしながら、無極性樹脂の型から得られる現存のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは疎水性のレンズ表面を有する。換言すれば、このようなシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面は低い湿潤性を有するので、眼に適合性でなく、又は眼に許容し得ない。例えば、このようなシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、脂肪沈着、タンパク質沈着、レンズ装用者に対する刺激の増加を伴い得る。このようなシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ又はレンズ製品の表面で表面処理又は表面改変を用いて、レンズ表面の親水性と湿潤性を高めている。シリコーンヒドロゲルレンズの表面処理の例として、レンズの表面のコーティング、レンズの表面上への化学種の吸着、レンズの表面上の化学基の化学的性質又は静電気的な電荷の変更が挙げられる。重合したレンズの表面をプラズマガスを用いてコーティングするか、又はコンタクトレンズ型の表面上にプラズマガスを用いて、重合レンズを形成する前に該型を処理することを含む表面処理が開示されている。コンタクトレンズの表面処理は、表面の処理又は改変を使用しない製造方法に比し、コンタクトレンズを製造するために多くの機械類と時間を必要とする。さらに、表面処理したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズを装用しているとき、及び/又はレンズ装用者が取り扱うとき、低い表面湿潤性を示し得る。例えば、表面処理したレンズの取扱いが増えると、その親水性表面が分解し、或いは摩耗してしまいかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シリコーンヒドロゲルレンズの湿潤性及び眼科的適合性を高めることへの代替アプローチは、ポリビニルピロリドン(PVP)のようなポリマー湿潤剤を含む異なる組成物の存在下でシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を重合させることである。このタイプのレンズを“ポリマー内部湿潤剤のあるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ”とであると解釈し得る。さらに、これらレンズは、PVPなどの高分子量のポリマーを含む“相互貫入ポリマーネットワーク(interpenetrating polymer network)(IPN)”を構成していると解釈できる。当業者には理解されるように、IPNは、ネットワーク形態の2種以上の異なるポリマーの組合せを表し、その少なくとも1種のポリマーが他方のポリマーの存在下で、該ポリマー間に如何なる共有結合もなく、合成及び/又は架橋されている。IPNは、2つの別個であるが、近位又は相互貫入でネットワークを形成する2種類の鎖で構成され得る。IPNの例として、逐次IPN、同時IPN、セミ-IPN及びホモ-IPNが挙げられる。ポリマー湿潤剤のIPNを含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは表面処理に付随する問題を回避するが、これらのレンズは、長期間の表面湿潤性といった、その眼科的適合性を保持し得ない。例えば、内部湿潤剤は他の重合しているレンズ形成成分に共有結合していないので、レンズ装用者が装用している間にレンズから内部湿潤剤が浸出し、それによって経時的に表面湿潤性が減少し、レンズ装用者の不快感が増すこととなり得る。
【0004】
上述したような、表面処理又はポリマー湿潤剤IPNの使用に対する代替として、無極性樹脂の型に代えて極性樹脂の型を用いて、眼に許容し得る表面湿潤性のあるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造できることが分かっている。例えば、エチレン-ビニルアルコール又はポリビニルアルコールベースの型内で形成されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは望ましい表面湿潤性を有する。ポリマー湿潤剤のIPNのない非表面処理シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造用のコンタクトレンズ型の製造に使用される有用な極性樹脂の一例は、商標名SOARLITETMの下、日本合成株式会社によって販売されているエチレン-ビニルアルコールコポリマー樹脂などのエチレン-ビニルアルコールコポリマーの樹脂である。SOARLITETMは、その極性に加え、以下の特性を有すると記載されている:極端に高い機械的強度、帯電防止特性、成型プロセスで使用時の低い収縮性、優れた耐油性と耐溶剤性、小さい熱膨張率、及び良い耐摩擦性。
SOARLITETMベースの型は、表面処理又はポリマー湿潤剤IPNを使用せずに眼に適合し得るシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するための望ましい代替物を提供するが、SOARLITETMの型は、ポリプロピレンの型などの無極性樹脂の型より変形しにくく又はフレキシブルでなく、かつ無極性樹脂の型に比べて相対的に加工しにくい。
このようなシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造に関連し得る文書の例として、米国特許第4,121,896号;第4,495,313号;第4,565,348号;第4,640,489号;第4,889,664号;第4,985,186号;第5,039,459号;第5,080,839号;第5,094,609号;第5,260,000号;第5,607,518号;第5,760,100号;第5,850,107号;第5,935,492号;第6,099,852号;第6,367,929号;第6,822,016号;第6,867,245号;第6,869,549号;第6,939,487号;及び米国特許公開番号第20030125498号;第20050154080号;及び20050191335号が挙げられる。
上記したことに鑑み、SOARLITETMコンタクトレンズ型から得られるシリコーンヒドロゲルレンズに比べて容易に製造でき、かつ眼科的適合性を達成するために表面処理又はPVP IPNといったポリマー湿潤剤IPNの使用を必要としない、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが要望され続けている。現存する問題は、無極性樹脂又はポリオレフィンベースコンタクトレンズ型部材から、表面処理又はポリマー湿潤剤IPNを使用せずに、眼に適合性の表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのような眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得ることに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔概要〕
本発明のコンタクトレンズ、レンズ生成物、組成物、及び方法は、現存するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに付随する要求及び問題を処理することを試みる。驚くべきことに、抽出され、かつ水和してシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをもたらす、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に相対的に大量の除去可能材料を供給することによって、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが得られることを発見した。除去可能成分、すなわち抽出可能材料などをはじめとする1以上の除去可能材料を有する、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルレンズ生成物(該抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルレンズ生成物の少なくとも約10質量%が前記除去可能成分である)を抽出し、かつ水和させて、本明細書で述べるような、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成することができる。本レンズは、長期間、例えば、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、又は約1カ月間、目からレンズを除去することを要せずに患者の目に快適に装用できるようにする酸素透過性、表面湿潤性、モジュラス、含水量、イオノフラックス(ionoflux)、及びデザインを有する。
【0006】
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼に許容し得る湿潤性を有する前面及び後面などの表面を有するレンズ本体を含む。本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの表面湿潤性は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中に存在する除去可能成分の量に関連する。本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体は、眼に許容し得る表面湿潤性を得るために表面処理又はポリマー湿潤剤のIPNを必要としない。本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体は、眼に許容し得る表面湿潤性を得るために極性樹脂の型、例えばSOARLITETMベースの型を使用する必要がない。さらに、本レンズは、硬化手順又は脱レンズ(delensing)手順後にさらなる機械加工を必要としない。しかし、本発明の特定の実施態様が、所望により、任意に表面処理、ポリマー湿潤剤IPN、及び/又は極性樹脂の型の使用又は硬化後の機械加工若しくは脱レンズ後の機械加工を含み得ることは理解されるだろう。
本発明の一局面はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関する。本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼に許容し得る表面湿潤性を有するレンズ本体を含む。特定の実施態様では、レンズ本体がシリコーンヒドロゲル材料を含むと解釈でき、かつ抽出前のレンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量を有するものと解釈できる。乾燥質量は、注目すべき量の水を含まず、又は如何なる量の水も含まないレンズ本体の重量であると解釈できる。他の特定の実施態様では、レンズ本体は、少なくとも10%(w/w)の量の除去可能成分を有する、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から得られたレンズ本体であると解釈することができる。換言すれば、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、少なくとも10%(w/w)の除去可能成分を有する。さらなる実施態様では、レンズ本体は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能成分を抽出して、抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を生成し、かつ該抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を水和させて、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを生成することによって製造されたレンズ本体であると解釈することができる。前記抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、該抽出される前のレンズ本体の少なくとも10%(w/w)の抽出可能成分含量を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ある実施態様では、少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有する、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、実質的に又は完全に、希釈剤などの非反応性添加剤がない。例えば、このような抽出される前のレンズ生成物は、希釈剤、相溶化剤(compatibilizer)、又は他の非反応性添加剤のない重合可能な組成物から得られる。本明細書では、希釈剤、相溶化剤、又は他の非反応性添加剤のない重合可能な組成物を“バルク製剤”又は“バルク組成物”と呼ぶことがある。バルク製剤は、非反応性添加剤を含まず、かつ抽出される前のレンズ本体の少なくとも10%(w/w)の抽出可能成分含量を有する、本発明の抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を形成することができる。
さらなる製剤又は重合可能な組成物は1以上の添加剤を含んでよく、それによって、バルク製剤から得られるレンズ生成物に比し、抽出される前の重合したレンズ生成物中にずっと多量の抽出可能成分が存在することとなり得る。例えば、バルク製剤から得られた、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物が15%の抽出可能成分含量を有する場合、15%(w/w)の量の希釈剤を添加した同一製剤から得られた、第2の抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は30%(w/w)の量の抽出可能成分含量を有すると解釈し得る。抽出及び水和手順後、抽出される前のレンズ生成物から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの乾燥質量は、抽出される前のレンズ生成物の乾燥質量の70%であろう。
本発明の別の局面は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に関する。該レンズ生成物は、例えば、型のキャビティ内で硬化手順又は重合手順から生成され、かつ抽出手順を受けていない、又は抽出組成物と接触していない生成物であると解釈できる。ある実施態様では、コンタクトレンズ生成物は、本体部材を抽出工程に供して抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を形成した後の該本体部材の乾燥質量より少なくとも10%多い乾燥質量を有する抽出される前の本体部材を含む。例えば、抽出される前の本体部材は、該抽出される前の本体部材の少なくとも10%(w/w)の抽出可能含量を含み得る。さらなる実施態様では、抽出可能成分含量は、抽出される前の本体部材の15%(w/w)より多く、抽出される前の本体部材の80%(w/w)未満である。ある実施態様では、抽出可能成分含量が、抽出される前の本体部材の20%(w/w)より多く、抽出される前の本体部材の75%(w/w)未満である。本発明の抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の抽出される前の本体部材は、抽出手順の間に除去され得る添加剤などの1以上の除去可能な添加剤を含み得る。例えば、本体部材は、1以上の相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、及びイオノフラックス低減剤を含み得る。これら除去可能な添加剤は、非反応性添加剤であると解釈でき、或いは抽出手順の間に、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去できる反応性添加剤であると解釈できる。
【0008】
本発明の別の局面は、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物に関する。本発明の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物は、モノマー材料などのレンズ形成成分と、本明細書で述べるような1以上の任意の添加剤とを含み、実質的な量の除去可能成分を有する重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を形成する。ある実施態様では、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物は、重合可能なケイ素含有成分と重合可能な非ケイ素含有成分を含む。この2成分が、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物として配合される。この先駆組成物の一部は、該先駆組成物製の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去される。この部分は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の量で存在する。ある実施態様では、先駆組成物は、第1の反応性比を有する第1のモノマーと、第1の反応性比より低い第2の反応性比を有する第2のモノマーを含む。当業者には理解されるように、各伝搬種のそれ自体のモノマーを添加する反応速度定数の、他のモノマーのその添加の速度定数に対する比として、反応性比を定義することができる。該組成物は、前記第1の反応性比と同様の反応性比を有する架橋剤を含んでもよい。ある実施態様では、レンズ先駆組成物は1以上の除去可能な添加剤を含み得る。例えば、レンズ先駆組成物の実施態様は、除去可能な1以上の相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、及びイオノフラックス低減剤含み得る。
【0009】
本発明のさらに別の局面は、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法に関する。特定の実施態様では、本方法は、シリコーンヒドロゲル材料を含み、かつ眼に許容し得る表面湿潤性と、抽出前のレンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量とを有するレンズ本体を形成する工程を含む。方法は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能成分を抽出する工程(ここで、該抽出可能成分含量は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の少なくとも10%(w/w)である)をも含み得る。方法は、本発明の抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物と本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造で役立つ重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を形成する工程をも含み得る。
以下の説明、図面、実施例及び特許請求の範囲から、本レンズ、レンズ生成物、組成物及び方法のさらなる実施態様が明白だろう。前記説明及び以下の説明から明かなように、本明細書で開示される各特徴及びあらゆる特徴、並びに該特徴の各組合せ及びあらゆる組合せは、該組合せに包含される特徴が相互に矛盾しないことを条件として、本発明の範囲に含まれる。さらに、いずれの特徴又は組合せも本発明のいずれの実施態様からも特に除外され得る。特に添付の実施例及び図面と共に考慮して、以下の説明及び特許請求の範囲で本発明のさらなる局面及び利点が示される。
【0010】
〔詳細な説明〕
図1は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を示す。この図示される方法は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのキャスト成型(cast molding)法である。キャスト成型されたコンタクトレンズは、さらにレンズを機械加工して改変して目の上で使うためにレンズを適合させる必要がない。図1に示される手順のようなキャスト成型手順を用いて製造された本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを、キャスト成型されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであると解釈することができる。さらに、レンズデザインを変えるためにさらに機械加工を用いない場合、本レンズを、完全に成型されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであると解釈することができる。
【0011】
本明細書では、用語“ヒドロゲル”は、その一部又はすべてが水溶性であり、かつ高いパーセンテージの水を含有し得るポリマー鎖のネットワーク又はマトリックスを表す。ヒドロゲルは、水膨潤可能又は水膨潤されている、コンタクトレンズをはじめとするポリマー材料を表す。従って、ヒドロゲルは、水和していなくて水膨潤可能、又は部分的に水和し、かつ水で膨潤している、又は完全に水和し、かつ水で膨潤していてよい。用語“シリコーンヒドロゲル”又は“シリコーンヒドロゲル材料”は、ケイ素成分又はシリコーン成分を含むヒドロゲルを表す。例えば、シリコーンヒドロゲルは1以上の親水性のケイ素含有ポリマーを含む。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーンヒドロゲル材料を含む、視力補正コンタクトレンズをはじめとするコンタクトレンズである。
シリコーン含有成分は、モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に少なくとも1つの[-Si-O-Si]基を含む成分である。シリコーン含有成分には、該シリコーン含有成分の総分子量の20質量%より多い、例えば30質量%より多い量でSiと付着したOが存在し得る。有用なシリコーン含有成分は、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、及びスチリル官能基などの重合可能な官能基を含む。本レンズで有用ないくつかのシリコーン含有成分は、米国特許第3,808,178号;第4,120,570号;第4,136,250号;第4,153,641号;第4,740,533号;第5,034,461号及び第5,070,215号、並びにEP080539で見つけられる。
適切なシリコーン含有モノマーのさらなる例は、ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマーであり、限定するものではないが、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、及びメチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチルシランが挙げられる。
シリコーン含有成分の有用な一分類はポリ(オルガノシロキサン)プレポリマー、例えば、α,ω-ビスメタクリルオキシ-プロピルポリジメチルシロキサンである。別の例はmPDMS(モノメタクリルオキシプロピル-末端化モノ-n-ブチル末端化ポリジメチルシロキサン)である。別の有用な分類のシリコーン含有成分として、シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマーが挙げられ、限定するものではないが、1,3-ビス[4-(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブタ-1-イル]テトラメチルシロキサン3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシシラン];3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート;及びトリメチルシリルメチルビニルカーボネートが挙げられる。好適な材料の一例として下記式で示される物質が挙げられる。
【0012】
【化1】


【0013】
好適な材料の別の例として下記式で示される物質が挙げられる。
【0014】
【化2】


【0015】
ケイ素含有成分に加え、本レンズ、レンズ生成物、組成物は、1以上の親水性成分を含み得る。親水性成分として、残りの反応性成分と配合したとき、結果として生じるレンズに少なくとも約20%、例えば、少なくとも約25%の含水量を与え得る当該成分が挙げられる。好適な親水性成分は、すべての反応性成分の質量に対して約10〜約60質量%の量で存在し得る。約15〜約50質量%、例えば、約20〜約40質量%。本レンズ用のポリマーを製造するために使用し得る親水性モノマーは、少なくとも1個の重合可能な二重結合と、少なくとも1個の親水性官能基を有する。重合可能な二重結合の例として、アクリル、メタクリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、フマル、マレイン、スチリル、イソプロペニルフェニル、O-ビニルカーボネート、O-ビニルカルバメート、アリル、O-ビニルアセチル及びN-ビニルラクタム及びN-ビニルアミド二重結合が挙げられる。このような親水性モノマーは、それ自体架橋剤として使用される。“アクリルタイプ”又は“アクリル含有”モノマーは、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸及びその混合物などの、容易に重合することも分かっているアクリル基(CR'H=CRCOX)(式中、RはH又はCH3であり、R'はH、アルキル又はカルボニルであり、かつXはO又はNである)を含有する当該モノマーである。
本レンズの材料に組み込み得る親水性のビニル含有モノマーとして、N-ビニルラクタム(例えば、N-ビニルピロリドン(NVP))、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステル等のモノマーが挙げられる。一実施態様では、親水性ビニル含有モノマーがNVPである。
本レンズに利用し得る他の親水性モノマーとして、重合可能な二重結合を含有する官能基と置き換えられた1以上の末端ヒドロキシル基を有するポリオキシエチレンポリオールが挙げられる。例として、重合可能な二重結合を含有する官能基と置き換えられた1以上の末端ヒドロキシル基を有するポリエチレングリコールが挙げられる。例として、1又は2モル当量以上のエンドキャッピング基、例えばイソシアナトエチルメタクリレート(“IEM”)、無水メタクリル酸、塩化メタクリロイル、塩化ビニルベンゾイル等と反応して、ポリエチレンポリオール(該ポリエチレンポリオールに、カルバメート又はエステル基などの連結成分を介して結合した1以上の重合可能な末端オレフィン性基を有する)を生成するポリエチレングリコールが挙げられる。
さらなる例は、米国特許第5,070,215号で開示されている親水性ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマー、及び米国特許第4,190,277号で開示されている親水性オキサゾロンモノマーである。当業者には、他の好適な親水性モノマーが明白だろう。本発明のポリマーに組み込み得るさらに好ましい親水性モノマーとして、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-ビニルピロリドン(NVP)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレート等の親水性モノマーが挙げられる。ある実施態様では、DMA、NVP及びその混合物といった親水性モノマーが用いられる。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを作るために使用する材料のさらなる例として、米国特許第6,867,245号で開示されている材料が挙げられる。
【0016】
図示した方法はレンズ先駆組成物をコンタクトレンズ型部材の上又は中に置く工程102を含む。本出願に関連し、レンズ先駆組成物は、図2に示されるように、重合可能なシリコーンヒドロゲルレンズ先駆組成物202であると解釈できる。重合可能なシリコーンヒドロゲルレンズ先駆組成物は、重合に好適な、重合前又は硬化前の組成物であると解釈することができる。本明細書では、本発明の重合可能な組成物をモノマーミックス又は反応混合物と称することもある。好ましくは、重合可能な組成物又はレンズ先駆組成物は、該組成物の硬化又は重合前には重合しない。しかし、重合可能な組成物又はレンズ先駆組成物は、硬化プロセスを受ける前に、部分的に重合し得る。本レンズ先駆組成物は、本明細書で述べるように、硬化又は重合手順前に容器、分配デバイス、又はコンタクトレンズ型に供給される。図1に戻って、雌型のコンタクトレンズ型部材のレンズ形成面上にレンズ先駆組成物を置く。雌型のコンタクトレンズ型部材は、第1コンタクトレンズ型部材又は前側コンタクトレンズ型部材であると解釈できる。例えば、雌型のコンタクトレンズ型部材は、コンタクトレンズ型から製造されるコンタクトレンズの前側又は前面を画定するレンズ形成面を有する。
第1コンタクトレンズ型部材を第2コンタクトレンズ型部材と接触させて置いて、コンタクトレンズ形状のキャビティを有するコンタクトレンズ型を形成する。従って、図1に示される方法は、2つのコンタクトレンズ型部材を相接して置いてコンタクトレンズ形状のキャビティを形成することによって、コンタクトレンズ型を閉じる工程104を含む。重合可能なシリコーンヒドロゲルレンズ先駆組成物202は前記コンタクトレンズ形状のキャビティ内にある。第2コンタクトレンズ型部材は、雄型のコンタクトレンズ型部材又は後側のコンタクトレンズ型部材であると解釈できる。例えば、第2コンタクトレンズ型部材は、コンタクトレンズ型内で製造されるコンタクトレンズの後面を画定するレンズ形成面を含む。
工程106において、本方法は、重合可能なシリコーンヒドロゲルレンズ先駆組成物を硬化させて、図2に示されるような、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物204を形成する。硬化の間、重合可能なシリコーンヒドロゲルレンズ先駆組成物のレンズ形成成分が重合して、重合したレンズ生成物を形成する。従って、硬化工程は重合工程であると解釈することもできる。硬化工程106は、重合可能なレンズ先駆組成物を、レンズ先駆組成物の成分を重合させるのに有効な放射線にさらす工程を含み得る。例えば、硬化工程106は、重合可能なレンズ先駆組成物を、重合量の熱又は紫外(UV)線などにさらす工程を含み得る。硬化工程は、酸素フリーの環境内で組成物を硬化する工程を含んでもよい。例えば、窒素又は他の不活性ガスの存在下で硬化工程が起こり得る。
【0017】
抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物204は、重合した生成物から実質的にすべての抽出可能成分を除去する抽出手順を受ける前の重合した生成物を指す。抽出組成物と接触させる前に、コンタクトレンズ型、抽出トレイ、又は他のデバイスの上又は中に、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を供給することができる。例えば、硬化手順後にコンタクトレンズ型のレンズ形キャビティの中に、或いはコンタクトレンズ型の離型後に一方のコンタクトレンズ型部材の上又は中に、或いは脱レンズ手順後かつ抽出手順前に抽出トレイ又は他のデバイスの上又は中に、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を供給することができる。抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、レンズ形状のケイ素含有ポリマーネットワーク又はマトリックス等のレンズ形成成分と、該レンズ形成成分から除去され得る除去可能な成分とを包含する。除去可能成分には、未反応モノマー、オリゴマー、部分的に反応したモノマー、或いは前記レンズ形成成分に関して共有結合しなくなり、又はそうでなくても固定されなくなった他の物質が含まれるものと解釈できる。除去可能な成分は、本明細書で論じられるように、抽出手順の際に、重合したレンズ生成物から抽出され得る、希釈剤をはじめとする有機添加剤などの1以上の添加剤を含むものとも解釈できる。従って、除去可能成分の材料は、レンズ本体のポリマー骨格、ネットワーク、又はマトリックスに架橋されず、又はそうでなくともそれらに関して固定されていない抽出可能材料の線形の架橋していない、架橋している、又は分岐しているポリマーをも包含し得る。
重合可能なレンズ先駆組成物を硬化後、本方法は該コンタクトレンズ型の離型工程108を含む。離型工程は、抽出される前の重合したコンタクトレンズ生成物又は重合したデバイスを含有する型の2つの型部材、例えば雄型と雌型の型部材を分離するプロセスを指す。抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、離型された型部材の一方の上にある。例えば、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、雄型の型部材上又は雌型の型部材上にあり得る。
次に、図1に示されるように、脱レンズ工程110の間に、コンタクトレンズ型部材上にある、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物204が該コンタクトレンズ型部材から分離される。コンタクトレンズ型の離型の際にどちらの型部材に、重合したコンタクトレンズ生成物が付着したままであるかによって、雄型の型部材又は雌型の型部材から、抽出される前の重合したコンタクトレンズ生成物が脱レンズされる。
抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の脱レンズ後、本方法は、該抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能物質を抽出する工程112を含む。抽出工程112は、図2に示されるように、抽出されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物206をもたらす。抽出工程112は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を1以上の抽出組成物と接触させる手順を指す。例えば、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物又は重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物のバッチを1以上の体積の液体抽出媒体と接触させ得る。抽出媒体は、1以上の溶媒を含み得る。例えば、抽出媒体としてエタノール、メタノール、プロパノール、及び他のアルコールが挙げられる。抽出媒体として、アルコールと水の混合物、例えば50%のエタノールと50%の脱イオン水の混合物、又は70%のエタノールと30%の脱イオン水の混合物、又は90%のエタノールと10%の脱イオン水の混合物も挙げられる。或いは、抽出媒体は、実質的に又は完全にアルコールフリーでもよく、また、重合したシリコーンヒドロゲルレンズ生成物からの疎水性の未反応成分の除去を促進する1以上の薬剤を包含し得る。例えば、抽出媒体は水、緩衝液などを含み、又は本質的にこれらから成り、又は完全にこれらから成り得る。種々の温度で抽出工程112を行うことができる。例えば、抽出は室温(例えば、約20℃)で起こり、又は高温(例えば、約25℃〜約100℃)で抽出が起こり得る。さらに、特定の実施態様では、抽出工程112は、レンズ生成物をアルコールと水の混合物に接触させる工程を含むことがあり、この工程が多工程の抽出手順の最後の工程である得る。
抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を抽出した後、本方法は、前記抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を水和させる工程114を含む。水和工程114は、図2に示されるように、抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物又は該生成物の1以上のバッチを水又は水溶液と接触させて、水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ208を形成する工程を含み得る。例えば、2以上の別々の体積の水、又は脱イオン水中に置くことによって、抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を水和させることができる。特定の実施態様では、水和工程114を抽出工程112と一緒にして、両工程が、コンタクトレンズ製造ラインの単一のステーションで遂行されるようにし得る。水和工程114は、容器内で室温にて行われ、或いは高温で行われ、また、所望により、高圧で行ってもよい。例えば、水和は水中、約120℃(例えば、121℃)の温度と103kPa(15psi)の圧力で起こり得る。
上記から明かなように、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物及び抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は水膨潤可能な生成物又は要素であると解釈でき、かつ水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、水で膨潤している生成物又は要素であると解釈できる。本明細書では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、水和工程を受けたシリコーンヒドロゲル要素を指す。従って、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、完全に水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、部分的に水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、又は脱水したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであると解釈できる。脱水したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、水和手順を受け、かつ引き続き脱水してレンズから水が除去されたコンタクトレンズを指す。
抽出されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を水和させてシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造後、本方法はシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ208を包装する工程116を含む。例えば、ある体積の液体、例えば緩衝食塩水といった食塩水などを含むブリスターパック又は他の適切な容器内にシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ208を置くことができる。本レンズに好適な液体の例として、リン酸緩衝食塩水及びホウ酸緩衝食塩水が挙げられる。工程118に示されるように、ブリスターパック又は容器を封止し、引き続き滅菌することができる。例えば、オートクレーブ処理、γ線、e-ビーム線、又は紫外線などによって、滅菌量の放射線又は熱に、包装したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをさらすことができる。
【0018】
本発明の眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に相対的に大量の除去可能材料を供給することによって得られる。除去可能成分、すなわち抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の質量の少なくとも10%(W/W)である、抽出可能材料といった1以上の除去可能材料を有する抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルレンズ生成物を抽出し、かつ水和させて、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成することができる。本レンズは、本レンズを長期間、例えば少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、又は約1カ月間、目から該レンズを除去する必要なく、人の目に快適に装用できるようにする酸素透過性、表面湿潤性、モジュラス、含水量、イオノフラックス、デザイン、及びその組合せを有する。
本明細書では、“眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ”は、眼の刺激などといった実質的な不快感を人が経験又は報告することなく、人の目に装用できるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを表すものと解釈できる。眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有し、典型的に、有意な角膜の膨潤、角膜の脱水(“ドライアイ”)、上皮弓状病変上皮弓状病変(superior-epithelial arcuate lesion)(“SEAL”)、又は他の有意な不快感を引き起こさず、又は前記不快感を伴わない。眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズとは、レンズ装用者が該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを目に置き又は装用することに付随する不快感を経験又は報告することとなる程度に、レンズ装用者の目の涙液膜に有害な作用を及ぼさないシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを意味するものと解釈できる。眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、毎日装用又は長期装用のコンタクトレンズの臨床的な受容要件を満たす。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る湿潤性の表面、例えば前面と後面を有するレンズ本体を含む。湿潤性はコンタクトレンズの1以上の表面の親水性を表す。本明細書では、以下のように行う湿潤性アッセイで3以上のスコアをレンズが受ける場合、レンズの表面は湿潤性であるとみなされ、或いは眼に許容し得る湿潤性を有するとみなされる。コンタクトレンズを蒸留水に浸し、水から取り出して水膜がレンズ表面から後退するのにかかる時間の長さを決定する(例えば水のブレイクアップ時間(water break up time)(水のBUT、又はWBUT))。このアッセイは、1〜10の線形スコアによってレンズのグレードを与え、スコア10は、液滴が20秒以上かけてレンズから後退するレンズを指す。少なくとも10秒、さらに望ましくは少なくとも15秒のような5秒より多い水のBUTを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり得る。レンズの片面又は両面の接触角を測定することによって湿潤性を決定することもできる。接触角は動的接触各と静的接触角でよい。より小さい接触角は一般にコンタクトレンズの表面の湿潤性が高いことを意味する。例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性の表面は、約120度未満の接触角を有し得る。しかし、本レンズの特定の実施態様では、レンズは90度を超えない接触角を有し、さらなる実施態様では、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは約80度未満の前進接触角を有する。
【0019】
本発明の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物のような本発明の重合可能な組成物中、及び抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物のような本発明の重合した組成物中の反応性成分又は反応性成分と非反応性成分の組合せの量若しくはタイプを調節することによって、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得ることができることを発見した。本発明の眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面湿潤性を与えるために表面処理又はポリマー湿潤剤IPNを必要とせず、かつ表面湿潤性を与えるために極性樹脂のコンタクトレンズ型内での製造を必要としない。例えば、表面処理又はポリマー湿潤剤IPNなしで、無極性樹脂のコンタクトレンズ型又は疎水性樹脂のコンタクトレンズ型から、本発明の眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得ることができる。
本明細書では、“無極性樹脂のコンタクトレンズ型”又は“疎水性樹脂のコンタクトレンズ型”は、無極性樹脂又は疎水性樹脂から形成又は製造されるコンタクトレンズ型を表す。従って、無極性樹脂ベースのコンタクトレンズ型は、無極性又は疎水性の樹脂を含み得る。例えば、このようなコンタクトレンズ型は、1以上のポリオレフィンを含み、或いはポリオレフィン樹脂材料から形成され得る。本出願の文脈で使われる無極性樹脂のコンタクトレンズ型の例として、ポリエチレンのコンタクトレンズ型、ポリプロピレンのコンタクトレンズ型、及びポリスチレンのコンタクトレンズ型が挙げられる。無極性樹脂ベースのコンタクトレンズ型は、典型的に、疎水性の表面を有する。例えば、無極性樹脂の型又は疎水性樹脂の型は、キャプティブバブル(captive bubble)法で決定した場合、約90度以上の静的接触角を有し得る。このような接触角であれば、該型から製造される通常のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは臨床的に許容し得ない表面湿潤性を有する。
【0020】
相対的に緩徐に反応するモノマーを重合可能な組成物に供給することによって、例えば同一の重合可能な組成物に異なる反応性の2以上のモノマータイプを供給することによって、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中の除去可能成分の量を調節することができる。重合可能な組成物中の、硬化手順の間に完全にはネットワーク中に架橋しないモノマーのような緩徐に反応するモノマーは、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中に相対的に大量の除去可能成分を与え得る。未反応又は一部だけ反応したモノマー、オリゴマー、線形ポリマー、わずかに架橋した成分などのような完全に架橋していない物質が、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の重合した成分から抽出される。
特定の本発明の重合可能な組成物及び重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中には、除去可能な添加剤が存在する。例えば、本発明の重合可能な組成物及び重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物のいくつかは、抽出手順の間に、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去され得る1以上の添加剤を含む。
本出願の文脈中の用語“添加剤”は、本重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物又は抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に供給される化合物又は化学薬剤を意味するが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造に必要なわわけではない。しかし、除去可能な添加剤を含めると、該添加剤又はその組合せのない同一の先駆組成物から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに比し、コンタクトレンズの製造中、コンタクトレンズの加工を容易にし、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの1以上の特性を向上させ得る。本明細書で使用する場合、添加剤は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去可能である。例えば、添加剤は、該重合可能なシリコーンヒドロゲルトレンズ先駆組成物の他の成分と実質的に非反応性であり、又は反応しない。例えば、該添加剤は、実質的に、結果として生じる重合したレンズ生成物の共有結合した欠くことのできない部分にはならない。その分子量と形状によって、すべてではないがほとんどの添加剤は、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能である。従って、本組成物中の添加剤は、抽出手順の際に、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出され得る。
特定の実施態様では、添加剤は、希釈剤、実質的に反応しない薬剤、又は抽出可能物と呼ばれることもある。希釈剤はアルコール又は非アルコール物質でよい。希釈剤は、該レンズ先駆組成物の約1%〜約60%(w/w)の量で存在し得る。他の非希釈ベースの添加剤は、所望により約10%(w/w)未満の量で存在し得る。本組成物で供給される添加剤は、例えば均質な組成物又は相分離しない組成物の形成を促すことによって、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物の形成を助け;例えばコンタクトレンズ生成物を含有する該コンタクトレンズ型の離型を促すことによって、及び/又はコンタクトレンズ型からのコンタクトレンズ生成物の脱レンズ(delensing)を促すことによって、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の加工性を向上させ;例えばコンタクトレンズの集団の中、例えばコンタクトレンズの異なるバッチの中でコンタクトレンズの物理的パラメーターの可変性を低減することによって、コンタクトレンズの物理的パラメーターの調節を改善し;例えばコンタクトレンズの表面の湿潤性を向上させることによって、コンタクトレンズの湿潤性を向上させ;例えば所望によりモジュラスを減少させ、又はモジュラスを増加させることによって、コンタクトレンズのモジュラスにポジティブな影響を与え;及び例えば添加剤を含まないレンズ生成物から得られるコンタクトレンズに比べてコンタクトレンズのイオノフラックスを低減することによって、コンタクトレンズのイオノフラックスにポジティブな影響を与えることができる。従って、本組成物で供給される添加剤は、相溶化剤(compatibilizer)、離型助剤、脱レンズ助剤、物理的パラメーター調節剤、湿潤性増強剤、モジュラス影響剤(influencing agent)、イオノフラックス低減剤、又はこれらのいずれか1以上の組合せであると解釈できる。本添加剤で得られる向上又は改善は、該添加剤を欠いている同一の重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物又は抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物、或いはこのような重合可能な組成物又は重合した生成物から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと比較すると明白である。
本明細書で開示される相溶化剤は、本発明の先駆組成物の成分の混和性を改善又は増強し得る。例えば、相溶化剤は、相溶化剤なしの製剤に比し、ケイ素含有ポリマーと他のレンズ形成成分に付随する相分離を減少させることができる。
特定の本発明の重合可能な組成物及び重合した生成物に除去可能な添加剤を供給すると、コンタクトレンズ又はレンズ生成物を表面処理にさらすことなく、或いはPVP等のポリマー湿潤剤のIPNを含めることなく、例えば、眼に適合性の表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造を容易にする。例えば、添加剤は重合組成物全体に均質に分配され、かつ抽出手順の際、重合した全体的な生成物から完全ではなくても実質的に除去される。さらに、本明細書で開示される添加剤は、重合前の組成物と混合され、引き続き、重合した対象に混合されてIPNを形成するポリマー湿潤剤ではない。本コンタクトレンズは、バッチ間にほとんど物理的又は寸法的な可変性なしで生成され、結果として、臨床的に許容し得る、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの収率を向上させることができる。添加剤は液体又は固体形態でよく、疎水性又は両親媒性の化合物又は薬剤を含み得る。
本組成物及びレンズ生成物で有用な、希釈剤をはじめとする添加剤は、疎水性基と連結した親水性基、例えば、アルカン鎖を有するヒドロキシル基、親水性PEGセクションと連結したシロキサン分子骨格などを有し得る。添加剤の例として、限定するものではないが、約10,000ダルトン以下の分子量のポリジメチルシロキサン-co-PEGポリマー、エチレングリコールステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、C2-C24アルコール及び/又はC2-C24アミンが挙げられる。添加剤は、1以上の極性又は親水性の末端基、例えば、限定するものではないが、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート及びカルボキシル基を含んで、添加剤の該組成物中に存在する他の材料との混和性を促進することもできる。添加剤は、重合可能なシリコーンヒドロゲル先駆組成物中の約2%(w/w)〜約60%(w/w)の量で存在し得る。例えば、組成物は、約5%〜約50%(w/w)の量で存在する1以上の添加剤を含む。重合可能な組成物のさらなる例は、約20%又は約25%又は約30%又は約35%又は約40%又は約45%又は約50%又は約55%の量で存在する1以上の添加剤を含む。
【0021】
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼に許容し得る表面湿潤性を有するレンズ本体を含む。例えば、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体は、前面と後面を有し、各面が眼に許容し得る表面湿潤性を有する。
一実施態様では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体は、シリコーンヒドロゲル材料を含む。レンズ本体は、抽出前のレンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量を有する。例えば、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物のレンズ本体がXという乾燥質量を有する。抽出手順後、該抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物のレンズ本体は、0.9X以下の乾燥質量を有する。上述したように、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を数体積の複数の有機溶媒と接触させた、かつ水和させてシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを生成することができる。次に、水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを脱水かつ秤量して該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体の乾燥質量を決定する。例えば、ある方法では、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物をコンタクトレンズ型部材から脱レンズし、秤量して、該抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の乾燥質量を与える。次に、該抽出される前のレンズ生成物を約6時間アルコールと接触させてから水で水和させる。そして、水和したレンズを約80℃で約1時間乾燥させてから真空下で約80℃にて約2時間乾燥させる。乾燥したレンズを秤量してシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体の乾燥質量を決定する。乾燥質量を比較して、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中に存在する抽出可能な材料の量を決定する。約40%の抽出可能成分含量を有する、抽出される前の重合したレンズ生成物は、該抽出される前のレンズ生成物の約60%である乾燥質量を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体を生成する。約70%の抽出可能成分含量を有する、抽出される前の重合したレンズ生成物は、該抽出される前のレンズ生成物の約30%である乾燥質量を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体を生成する。
以下の方程式を用いて、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中に存在する抽出可能物の量、つまり抽出可能成分含量を決定できる。
E=((抽出される前のレンズ生成物の乾燥質量−抽出されかつ水和したコンタクトレンズの乾燥質量)/抽出される前のレンズ生成物の乾燥質量)×100。
Eは、抽出される前のレンズ生成物中に存在する抽出可能物のパーセンテージである。
例えば、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は約20mgの乾燥質量を有し得る。当該生成物から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが約17mgの乾燥質量を有する場合、当該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、抽出される前のレンズ生成物の乾燥質量の85%である乾燥質量を有するレンズ本体を含む。該抽出される前のレンズ生成物は約15%(w/w)の抽出可能成分含量を有すると解釈できる。別の例として、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物が約18mgの乾燥質量を有し、かつ該レンズ生成物から得られた脱水したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが約13mgの乾燥質量を有する場合、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、抽出される前のレンズ生成物の約72%である乾燥質量を有するレンズ本体を含む。該抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、約28%(w/w)の抽出可能成分含量を有する。
ある実施態様では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ(すなわち、抽出及び水和手順を受けたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ)の乾燥質量は、抽出前のレンズ本体の乾燥質量の25%より多い。例えば、抽出後のレンズ本体の乾燥質量は、抽出される前のレンズ本体の乾燥質量の約25%〜約90%であり得る。いくつかの実施態様の本レンズは、抽出される前のレンズ本体の乾燥質量の約50%〜約85%の乾燥質量を有するレンズ本体を含む。
本明細書で論じられるように、除去可能な添加剤のないレンズ先駆組成物又は抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物(例えば、“バルク製剤(bulk formulations)”から得られたレンズ生成物)から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、該抽出される前のレンズ生成物中の抽出可能成分含量が10%より多く、例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%又はそれ以上である場合、眼に許容し得る表面湿潤性を有し得る。先駆組成物又は重合した抽出される前のレンズ生成物に1以上の除去可能な添加剤を含めると、バルク製剤のレンズ生成物に比べて抽出可能成分含量を増やし、かつ結果として眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをもたらす。
従って、抽出前のレンズ本体の乾燥質量の90%より多い乾燥質量を有するレンズ本体を含む本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、バルク製剤から得られるコンタクトレンズ及び1以上の除去可能な物質を含む製剤又はレンズ生成物から得られるコンタクトレンズであると解釈できる。
【0022】
対照的に、希釈剤含有製剤から得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの以前の説明は、高い抽出可能成分含量を有する、希釈剤のない製剤を含まない。このようなレンズは、多くの場合、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに眼に許容し得る表面湿潤性を与えるために表面処理又はポリマーIPNを必要とする。
本発明の抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は相対的に大量の抽出可能材料を有するが、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの抽出された形態は、レンズ本体中にほとんど抽出可能材料がない。ある実施態様では、抽出されたレンズ中に残存している抽出可能材料の量が約0.1%〜約4%、例えば約0.4%〜約2%(w/w)である。抽出されたコンタクトレンズを追加量の強力な溶媒、例えばクロロホルムと接触させることによって、これらのさらなる抽出可能材料を決定することができる。
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体が、抽出される前のレンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量を有する場合、該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの水和したレンズ本体は眼に適合性で、かつ眼に許容し得る表面湿潤性を有する。対照的に、抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ(該レンズ生成物の10%(w/w)未満、例えば約5〜約8%(w/w)である除去可能な成分含量を有する)が無極性樹脂のコンタクトレンズ型から得られる場合、そのようにして製造された水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、眼に許容し得る表面湿潤性を持たない。従って、このような非湿潤性のレンズは、抽出される前のレンズ本体の乾燥質量の90%超え、例えば92%の乾燥質量を有するレンズ本体を含むレンズであると解釈し得る。
さらに、抽出可能成分は、重合可能なシリコーンヒドロゲルレンズ先駆組成物及び抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中に存在し、かつそれらの全体に分布しているので、表面処理したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズから本レンズ生成物及びコンタクトレンズを区別することができる。抽出可能成分はレンズ生成物から抽出可能であり、かつ水和したコンタクトレンズには実質的に存在しないので、ポリマー湿潤剤IPNを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズから本レンズ生成物及びコンタクトレンズを区別することができる。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、無極性樹脂のコンタクトレンズ型から得られるレンズ本体を含み得る。このレンズ本体は、水和及び脱水状態で調べた場合、実質的に同一の表面モルフォロジーを有する。さらに、このような水和したレンズ本体は、脱水したレンズ本体の表面粗さよりわずかに低い表面粗さを有し得る。例えば、本レンズのレンズ本体は、レンズ表面の二乗平均の平方根(RMS)粗さデータを分析すると明白なナノメーターサイズのピークを含む表面を有し得る。本レンズ本体は、低減した粗さを与えるが、実質的に同様の表面モルフォロジーを与えるためのピークに比し、差次的に膨潤するようなピーク間の領域を含み得る。例えば、レンズ本体が水和するとき、ピークの高さは減少し得るが、ピークの形状は実質的に同じままである。
さらに、又はこれとは別に、本発明の無極性樹脂の型から成型されるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの実施態様は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、又は走査型透過電子顕徴鏡などの電子顕微鏡で調べた場合、視覚的に同一視できるケイ素リッチドメインとケイ素プアドメインを有するレンズ本体を含み得る。ケイ素プアドメインは、化学分析に基づいて実質的又は完全にケイ素がない、レンズ内の領域であると解釈される。ケイ素プアドメインは、表面処理したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ又はポリマー湿潤剤のIPNを含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ中の該ドメインより大きいかもしれない。通常の画像解析ソフトウェア及びデバイス、例えばBioquant(Tennessee)から入手可能な画像解析システムを用いて、ケイ素リッチドメイン、ケイ素プアドメイン、又は両ドメインの大きさを決定できる。画像解析ソフトウェアシステムを用いて、ケイ素リッチドメインとケイ素プアドメインの境界をはっきりさせ、かつ該ドメインの断面積、直径、体積などを決定することができる。ある実施態様では、ケイ素プアドメインは、他のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのケイ素プアドメインより、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%大きい断面積を有する。
【0023】
別の実施態様では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物(該レンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有する)から得られるレンズ本体を含む。抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンジ本体は、希釈剤、相溶化剤などの除去可能又は非反応性の添加剤がない、或いは含まない。このようなレンズ本体は本明細書で述べるようなバルク製剤から得られる。これらレンズ本体は少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有し、特定の実施態様では、レンズ本体は少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも25%(w/w)、約30%(w/w)、又はそれ以上の除去可能成分含量を有する。例えば、ある実施態様では、抽出される前の重合したコンタクトレンズ生成物は10%(w/w)〜約30%(w/w)の抽出可能成分を有し、かつ非反応性の添加剤がない。さらなる実施態様では、抽出される前の重合したコンタクトレンズ生成物は15%(w/w)〜約30%(w/w)の抽出可能成分含量を有し、かつ非反応性添加剤がない。さらなる実施態様では、レンズ本体は1以上の非反応性添加剤を含み、かつ非反応性添加剤のない同様のレンズ本体中に存在する量より多い除去可能成分含量を含み得る。ある実施態様では、除去可能成分含量は、該レンズ生成物の75%(w/w)を超えない。従って、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの実施態様は10%(w/w)より多く、75%(w/w)より少ない除去可能成分含量を有する抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から得られるレンズ本体を含む。例えば、いくつかの抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は約15%(w/w)〜約65%(w/w)の除去可能成分含量を有する。除去可能成分は、抽出手順の際に抽出される抽出可能材料、又は抽出可能物を包含する。さらに、除去可能成分は、抽出前に、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から受動的又は能動的に除去され得る揮発性物質のような他の物質を含み得る。例えば、除去可能成分の一部は、離型工程と抽出工程の間に蒸発し得る。
ある実施態様では、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の除去可能成分は少なくとも1種の除去可能添加剤を含む。本明細書で論じられるように、除去可能な添加剤は非反応性添加剤でよく、又は抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去し得る生成物を生じさせる反応性添加剤でよい。本発明の抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に含められる除去可能な添加剤の例として、相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、イオノフラックス低減剤、モジュラス影響剤、連鎖移動剤、及びその組合せが挙げられる。
ある実施態様では、除去可能成分は、疎水性添加剤、両親媒性添加剤、又はその組合せを含む。例えば、除去可能成分は、反応性アルコール、非反応性親水性シリコーンポリマー、及びその組合せから成る群より選択される1以上の添加剤を含み得る。さらなる例として、添加剤は、エチレングリコールステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、C2-C24アルコール、C2-C24アミン、ポリジメチルシロキサン-co-PEG、及びその組合せから成る群より選択され得る。いくつかの実施態様では、添加剤は、デカノール、エトキシエタノール、ポリジメチルシロキサン-co-PEG、及びその組合せから成る群より選択される。少なくともいくつかの実施態様では、添加剤は、レンズ本体の形成時に重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物と混合される、重合した組成物以外の物質であると解釈できる。
ポリジメチルシロキサン-co-PEG(PDMS-co-PEG)は、親水性のシリコーン含有物質であると解釈でき、本明細書ではシリコーン油とも称する。これら親水性シリコーン物質は、一般的に水及びアルコールに溶解し得る。本発明の組成物及びレンズ生成物に有用な親水性のシリコーン含有物質は相溶化剤であると解釈できる。さらに、このような物質は離型助剤及び脱レンズ助剤であると解釈できる。例えば、親水性のシリコーン含有物質製の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、コンタクトレンズ型の雄型の型部材のような単一の型部材に選択的に付着し、かつ該型部材から脱レンズし易い。さらに、シリコーン油は、シリコーン油のない組成物製のレンズに比し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ中の含水量を減らし、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの湿潤性の保持を助け、かつコンタクトレンズのイオノフラックスを低減することができる。典型的に、本製剤及びレンズ生成物で供給されるシリコーン油は約3000ダルトン未満の分子量を有する。例えば、本組成物及び生成物中のシリコーン油は約100ダルトン〜約3000ダルトンの分子量を有する。いくつかの実施態様では、シリコーン油は約300ダルトン〜約1000ダルトンの分子量を有する。いくつかの特定の実施態様では、シリコーン油は約600ダルトンの分子量を有し、かつ約75%の非シロキサン含量を有する。シリコーン油は界面活性剤であると解釈でき、かつ長いPEG鎖と連結したケイ素含有骨格を有する物質であると解釈できる。
【0024】
別の実施態様では、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能成分を抽出して、抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を生成するプロセスで製造されるレンズ本体を含む。抽出可能成分は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の量で供給される。レンズ本体の製造工程は、さらに前記抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を水和させて、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する工程を含む。
本明細書で論じられるように、抽出可能成分は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の10%〜約75%(w/w)の量で存在し得る。或いは、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物が10%〜約75%(w/w)の抽出可能成分含量を有すると解釈できる。例えば、抽出可能成分は抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の約15%〜約65%(w/w)の量で存在し得る。
ある実施態様では、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の抽出可能成分は、本明細書で述べるような少なくとも1種の除去可能な添加剤を含む。例えば、抽出可能成分は、本明細書で述べるように、相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、イオノフラックス低減剤、モジュラス影響剤、及びその組合せを含み得る。
【0025】
特定実施態様の本レンズは、眼に許容し得る表面湿潤性を与える表面処理のないレンズ本体を含む。換言すれば、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ本体は、非表面処理レンズ本体である。或いは、本レンズ本体は、眼に許容し得る表面湿潤性を与えるためにレンズ本体を表面処理することなく製造される。例えば、本レンズの実施態様のレンズ本体は、レンズ本体の表面をより眼に許容性にするために与えられるプラズマ処理又は追加のコーティングを含まない。しかし、本レンズは、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物中に存在する除去可能材料の量によって、眼に許容し得る表面湿潤性を有するので、所望により、表面処理を含む実施態様もあり得る。
さらに、本レンズの実施態様は、眼に許容し得る表面湿潤性を与えるポリマー湿潤剤の相互貫入ポリマーネットワークがないレンズ本体を含む。換言すれば、本レンズの実施態様のレンズ本体は、眼に許容し得る表面湿潤性を有し、かつポリビニルピロリドン(PVP)などのポリマー湿潤剤のIPNを含まない。例えば、本レンズのレンズ本体は、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物をポリマー湿潤剤と接触させずに製造される。
【0026】
本レンズの特定の実施態様は、無極性樹脂のコンタクトレンズ型から得られるキャスト成型された要素であるレンズ本体を含む。重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物とは、無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で重合又は硬化した生成物であると解釈できる。或いは、別の言い方では、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で製造される。本明細書で論じられるように、このようなコンタクトレンズ型は、無極性若しくは疎水性樹脂材料を用いて、又は該材料をベースとして製造される型である。このような材料は、典型的に、そのレンズ形成表面上で相対的に大きい接触角を有する。例えば、無極性樹脂又は疎水性樹脂の型は、約90度より高い接触角を有し得る。これら実施態様のレンズで利用できる好適な無極性樹脂の型材の例として、1以上のポリオレフィンを含む樹脂材料が挙げられる。好適な樹脂材料のいくつかの例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレン、並びに同様の疎水特性を有する他の材料が挙げられる。無極性樹脂ベースの型は、ポリビニルアルコール又はエチレンビニルアルコールコポリマー等の極性樹脂をベースとしない。
さらなる実施態様では、本レンズは、前記特徴の組合せを包含するレンズ本体を含む。例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面処理のない、かつポリマー湿潤剤のIPNのないレンズ本体を含み得る。別の例として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、表面処理がなく、ポリマー湿潤剤のIPNがなく、かつ無極性樹脂のコンタクトレンズ型から得られるキャスト成型された要素である、レンズ本体を含み得る。
【0027】
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのいくつかの実施態様は、レンズ装用者又はレンズ装用者群によって知覚されるコンタクトレンズの快適さを増強する1以上の快適増強剤(該増強剤のないシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに比べて快適さを増強する)をも含み得る。本レンズで含め得る快適増強剤の一例は脱水低減剤である。快適増強剤の別の例は涙液膜安定剤である。快適増強剤の別の例は、脱水を低減し、かつコンタクトレンズを置いた目の涙液膜を安定化する薬剤である。快適増強剤は、水に対する親和性を有するポリマー材料を含む。特定の実施態様では、ポリマー材料が1以上の両親媒性基を含む。好適な材料の例として、重合可能なリン脂質、例えばホスホリルコリン成分を含む材料が挙げられる。ある実施態様では、本レンズはメタクリレートホスホリルコリンモノマーの単位を含むレンズ本体を含む。さらなる実施態様では、本レンズは2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を含む。MPCはBiocompatibles Limited(Great Britain)及びNOF Corporation (Tokyo, Japan)等の会社から得られ、或いは米国特許第5,981,786号;第6,420,453号;及び第6,423,761号に記載されている通りに製造できる。
本明細書で論じられるように、レンズ先駆組成物及び抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に1以上の除去可能な快適増強剤を含めることによって、本シリコーンヒドロゲルレンズの快適さを増強することもできる。例えば、本明細書で述べた除去可能材料のいくつかは、該除去可能材料のない同一組成物から得られるレンズに比べて本レンズのイオノフラックスを低減する薬剤を含む。レンズのイオノフラックスを低減すると、レンズ装用者の角膜の脱水を低減し、またレンズ装用が原因となる角膜の染色を低減するのに役立ち得る。
本明細書で論じられるように、本レンズは、装用者がレンズを長時間装用できるような特徴と特性を有する。例えば、1日装用レンズ、1週間装用レンズ、2週間装用レンズ、又は1カ月装用レンズとして本レンズを装用することができる。本レンズは、レンズの快適さ及び有用性に寄与する表面湿潤性、モジュラス、イオノフラックス、酸素透過性、及び含水量を有する水和したレンズ本体を含む。特定の実施態様では、本レンズは、約95度未満の前進接触角、約1.6MPa未満の引張りモジュラス、約7×10-3mm2/分未満のイオノフラックス、少なくとも約70バレルの酸素透過性(Dk)、少なくとも約30質量%の含水量、及びその組合せから成る群より選択される特徴を有する水和したレンズ本体を含む。しかし、他の実施態様では、イオノフラックスは7×10-3mm2/分より大きくてよく、それでも角膜の脱水染色又は他の臨床的な問題を起こさない。例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズがホスホリルコリン成分、例えばMPCのような快適増強剤を含む場合、イオノフラックスは約25×0-3mm2/分であり得るが、それでも臨床的に許容し得る。
本レンズは、120度未満の、前面、後面、又は前面と後面の前進接触角を有する水和したレンズ本体を含み得る。特定の実施態様では、レンズ本体は、90度未満のレンズ表面の前進接触角を有し、例えば、レンズ本体は、約85度、約80度、約75度、約70度、約65度、約60度、約55度、又は約50度のレンズ表面の前進接触角を有する。レンズ本体は、80度未満のレンズ表面の後退接触角を有してもよく、例えば、レンズ本体は約75度、約70度、約65度、約60度、約55度、約50度、又は約45度のレンズ表面の後退接触角を有し得る。ヒステリシス、すなわち前進接触角と後退接触角の差は、約5度〜約35度でよい。しかし、特定の実施態様では、ヒステリシスは25度より大きく、それでもなお臨床的に許容性であり得る。例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズがホスホリルコリン成分、例えばMPCのような快適増強剤を含む場合、ヒステリシスは約60度であり得るが、それでも臨床的に許容し得る。
当業者に公知の日常的な方法で前進接触角を決定できる。例えば、通常の液滴形状法、例えば静滴法(sessile drop method)又はキャプティブバブル法を用いてコンタクトレンズの前進接触角と後退接触角を測定できる。Kruss DSA 100機器(Kruss GmbH, Hamburg)を用いて、また、以下の文献に記載されているように、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの前進接触角と後退接触角を決定できる(D. A. Brandreth: "Dynamic contact angles and contact angle hysteresis", Journal of Colloid and Interface Science, vol. 62, 1977, pp. 205-212 and R. Knapikowski, M. Kudra: Kontaktwinkelmessungen nach dem Wilhelmy-Prinzip-Ein statistischer Ansatz zur Fehierbeurteilung", Chem. Technik, vol. 45, 1993, pp. 179-185, 及び米国特許第6,436,481号)。
例として、リン酸緩衝食塩水(PBS; pH=7.2)を用いるキャプティブバブル法で前進接触角と後退接触角を決定することができる。試験前に、石英面上でレンズを平板化し、10分間PBSで再び水和させる。自動注入システムを用いて空気泡をレンズの表面上に置く。空気泡サイズを増減して後退角(泡サイズを増やすと得られるプラトー)及び前進角(泡サイズを減らすと得られるプラトー)を得ることができる。
本レンズは、さらに又はこれとは別に、5秒より長い水のブレイクアップ時間(BUT)を示すレンズ本体を含み得る。例えば、少なくとも15秒、例えば20秒以上の水のBUTを有するレンズ本体を含む本レンズの実施態様は、眼に許容し得る表面湿潤性を有し得る。
本レンズは、1.6MPa未満のモジュラスを有するレンズ本体を含み得る。特定の実施態様では、レンズ本体のモジュラスは1.0MPa未満である。例えば、本レンズ本体は、約0.9MPa、約0.8MPa、約0.7MPa、約0.6MPa、約0.5MPa、約0.4MPa、又は約0.3MPaのモジュラスを有し得る。本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの一例は、約0.55MPaのモジュラスを有する。本レンズ本体のモジュラスを選択して、目に置いたときに快適なレンズを与え、かつレンズ装用者によるレンズの取扱いに適応させる。
当業者に公知の日常的な方法を用いて、レンズ本体のモジュラスを決定できる。例えば、レンズの中心部から約4mm幅のコンタクトレンズ片を切り抜き、Instron 3342 (Instron Corporation)を用いて、25℃で少なくとも75%の湿度の空気中で10mm/分の速度にて引張り試験によって得られる応力-歪み曲線の初期勾配から引張りモジュラス(単位;MPa)を決定することができる。
【0028】
本レンズのレンズ本体のイオノフラックスは、約5×10-3mm2/分未満であり得る。本レンズのいくつかのレンズ本体は約7×10-3mm2/分までのイオノフラックスを有し得るが、イオノフラックスが約5×10-3mm2/分未満で、かつ該コンタクトレンズがMPCを含まないとき、角膜の脱水染色が低減し得ると考えられる。ある実施態様では、レンズ本体のイオノフラックスは約4.5×10-3mm2/分、約4×10-3mm2/分、約3.5×10-3mm2/分、約3×10-3mm2/分、又はそれ未満である。しかし、本明細書で述べるように、イオノフラックスが7×10-3mm2/分より大きくてもよく、それでもなお角膜の脱水染色又は他の臨床的問題は起こらない。例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズがホスホリルコリン成分、例えばMPCのような快適増強剤を含む場合、イオノフラックスは約25×10-3mm2/分であり得るが、それでも臨床的に許容し得る。
当業者に公知の日常的方法を用いて、本レンズのレンズ本体のイオノフラックスを決定できる。例えば、米国特許第5,849,811号に記載されている“イオノフラックス技術”と実質的に同様の技術を用いてコンタクトレンズ又はレンズ本体のイオノフラックスを測定できる。例えば、測定すべきレンズを、雄型部分と雌型部分の間のレンズ保持デバイス内に置くことができる。雄型部分と雌型部分は、レンズとそれぞれの雄型部分と雌型部分の間に位置づけられるフレキシブルな封止リングを含む。レンズ保持デバイス内でレンズを位置づけした後、レンズ保持デバイスをネジ付き蓋内に置く。蓋をガラス管上にネジで締めてドナーチャンバーを画定する。ドナーチャンバーを16mlの0.1モル濃度のNaCl溶液で満たすことができる。受けチャンバーを80mlの脱イオン水で満たすことができる。伝導率測定器の導線を受けチャンバーの脱イオン水に浸し、撹拌棒を受けチャンバーに加える。受けチャンバーをサーモスタット内に置いて温度を約35℃で保持する。最後に、ドナーチャンバーを受けチャンバー内に浸す。ドナーチャンバーの受けチャンバーへの浸漬10分後に開始し、2分毎に約20分間伝導率の測定を行うことができる。伝導率対時間のデータは実質的に線形であろう。
本レンズのレンズ本体は、典型的に高い酸素透過性を有する。例えば、レンズ本体は、60バレルに劣らないDkの酸素透過性を有する。本レンズの実施態様は、約80バレル、約90バレル、約100バレル、約110バレル、約120バレル、約130バレル、約140バレル、又はそれ以上のDkを有するレンズ本体を含む。
当業者に公知の日常的な方法を用いて本レンズのDkを決定できる。例えば、米国特許第5,817,924号に記載されているようなMocon法を用いてDk値を決定できる。Mocon Ox-Tran Systemのモデル選定下で市販機器を用いてDk値を決定することができる。
本レンズは、眼に許容し得る含水量を有するレンズ本体をも含む。例えば、本レンズの実施態様は、30%に劣らない含水量を有するレンズ本体を含む。ある実施態様では、レンズ本体は約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、又は約65%の含水量を有する。
当業者に公知の日常的な方法を用いて本レンズの含水量を決定できる。例えば、水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを水性液から取り出し、拭いて表面の過剰な水を除去して秤量することができる。秤量したレンズを真空下80℃の乾燥器内で乾燥させてから乾燥レンズを秤量することができる。水和レンズの重量から乾燥レンズの重量を引いて重量差を決定することができる。含水量(%)は(重量差/水和重量)×100である。
【0029】
上で同定した特有の値に加え、本レンズは、上記同定した特有の値のいずれかの組合せ間の範囲の値を有し得る。例えば、本コンタクトレンズは約45%〜約55%の含水量、約3.9〜約5.3のイオノフラックス値、約35度〜約45度の静的接触角、約55度〜約75度の前進接触角、約47〜約55度の後退接触角、約11度〜約25度のヒステリシス、約0.47MPa〜約0.51MPaのヤングモジュラス、約140%〜約245%の伸び率、及びその組合せを有し得る。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのいくつかの特有の実施態様では、レンズ本体は、20秒より長い水のBUT、0.5MPa未満のモジュラス、5未満のイオノフラックス、及び約55%の含水量を有する。
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、視力補正又は視力強化コンタクトレンズである。レンズは球面レンズ又は非球面レンズでよい。レンズは単焦点レンズ又は二焦点レンズといった多焦点レンズでよい。ある実施態様では、本レンズは回転的に安定化されたレンズ、例えば回転的に安定化されたトーリックコンタクトレンズである。回転的に安定化されたコンタクトレンズは、バラストを含むレンズ本体を含むコンタクトレンズでよい。例えば、レンズ本体はプリズムバラスト、ペリバラスト、及び/又は1以上の薄化した上領域及び下領域を有し得る。
本レンズは、周縁領域を含むレンズ本体をも含む。周縁領域は丸みのある部分を含み得る。例えば、周縁領域は、丸みのある後縁面、丸みのある前縁面、又はその組合せを含み得る。特定の実施態様では、周縁は、前面から後面へ完全に丸くなっている。従って、本レンズのレンズ本体は丸みのある周縁を含み得ると解釈できる。
【0030】
本レンズは、現存のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに付随する問題を処理するが、それでもレンズ装用者に快適な厚さプロフィールを有するレンズ本体を含み得る。レンズ本体の厚さとレンズ本体のモジュラスを変えることによって、レンズ本体の剛性を調節することができる。例えば、コンタクトレンズの一領域の剛性は、レンズのヤングモジュラスと、指定領域におけるレンズの厚さの二乗の積として定義される。従って、本レンズの特定の実施態様は、約0.007MPa-mm2未満の中心剛性(例えば、レンズの中心又は視覚ゾーンの中心における剛性)、約0.03MPa-mm2未満のレンズ核接合点の剛性、又はその組合せを含み得る。レンズ核接合点は、レンズ核ゾーンとベベルの接合点として、或いはベベルのないレンズでは、レンズ縁から約1.2mmの点として定義される(米国特許第6,849,671号参照)。他の実施態様では、本レンズは、0.007MPa-mm2より高い中心剛性、約0.03MPa-mm2より高いレンズ核接合点の剛性、又はその組合せを含み得る。
【0031】
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズ間又はレンズのバッチ間で物理的寸法などの物理的パラメーターの可変性がほとんどない。例えば、ある実施態様では、添加剤を重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物に添加して、レンズの物理的属性の可変性を減らすことができる。このような物理的パラメーター調節添加剤を用いると、レンズのいずれの2バッチ間の可変性も2%未満であり得る。例えば、本レンズの1以上のバッチの可変性は、約0.5%〜約1.9%でよい。例えば、本レンズの直径及びベースカーブを所定値の1.6%以内に調節することができる。さらに詳しくは、目標のコンタクトレンズ径が14.0mmの場合、かつコンタクトレンズのバッチ内のコンタクトレンズの実際の直径が約13.6mm〜約14.4mmで変化する場合、コンタクトレンズの製造の際に1以上の添加剤を用いて、可変性を減らして、約13.8mm〜約14.2mmの範囲の直径を有するコンタクトレンズを製造することができる。同様の調節を施して、レンズ厚、矢状深さ、基本曲率などの変化を低減することができる。添加剤は希釈剤又は相溶化剤でよく、かつ約5%(w/w)までの量で添加剤を供給してよい。従って、希釈剤又は他の添加剤の添加は、本コンタクトレンズ間のゆがみを低減又は調節するのに役立ち得る。さらに、希釈剤又は添加剤のみならず、重合可能な組成物中に存在する活性又は反応性成分を変えることは、レンズの異なるバッチ間のレンズのモジュラス等の物理的性質を目標とするのに役立ち得る。
シールパッケージ内で本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを提供し得る。例えば、シールブリスターパック又はレンズ装用者への送達に好適な他の同様の容器で本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを提供し得る。パッケージ内で、食塩水などの水溶液中にレンズを貯蔵し得る。いくつかの好適な溶液として、リン酸緩衝食塩水及びホウ酸緩衝液が挙げられる。溶液は、所望により殺菌剤を含んでよく、或いは殺菌剤又は保存剤がなくてよい。溶液は、所望によりポロキサマー等の界面活性剤を含んでもよい。
シールパッケージ内のレンズは、好ましくは無菌である。例えば、パッケージをシールする前にレンズを滅菌してよく、或いはシールパッケージ状態で滅菌することができる。滅菌レンズは、滅菌量の放射線にさらしたレンズでよい。例えば、レンズは、オートクレーブ処理したレンズ、γ照射したレンズ、紫外線にさらしたレンズ等でよい。
【0032】
本発明の別の局面は、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物に関する。例えば、本明細書で述べるような、重合したが、抽出手順を受けていないレンズ生成物に関する。
上述したように、相対的に高量の除去可能材料、例えば抽出可能物などを有する抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を製造すると、無極性樹脂のコンタクトレンズ型を用いてレンズを製造し、かつポリマー湿潤剤のIPNの表面処理を含まない場合でさえ、眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをもたらす。
本発明の抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の実施態様は、本体部材を抽出手順に供して抽出された重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を形成後の本体部材の乾燥質量より少なくとも10%多い乾燥質量を有する抽出される前の本体部材を含む。例えば、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、該レンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の抽出可能成分含量を有する。ある実施態様では、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は、該レンズ生成物の75%を超えない抽出可能成分含量を有する。さらなる実施態様では、抽出可能成分含量は、抽出されたレンズ生成物の約15%〜約65%(w/w)である。さらなる実施態様では、抽出可能成分含量は、抽出されたレンズ生成物の約15%〜約50%(w/w)である。
本レンズは無極性樹脂のコンタクトレンズ型部材から得られるので、本発明の抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の実施態様は、無極性樹脂のコンタクトレンズ型部材と接触した状態で提供されるような生成物を含む。例えば、一実施態様は、閉じたコンタクトレンズ型内で提供される抽出される前の生成物、又は離型したコンタクトレンズ型の1つの型部材上で提供される抽出される前の生成物でよい。いくつかの実施態様では、抽出される前のレンズ生成物は、雄型のコンタクトレンズ型部材と接触した状態である。
本発明の抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の実施態様は、1以上の除去可能な添加剤、例えば非反応性添加剤を含む本体部材をも包含する。添加剤には、上述した各添加剤及びあらゆる添加剤が含まれ、該添加剤の組合せも含まれる。従って、抽出される前のレンズ生成物は、相溶化剤、離型助剤、脱レンズ助剤、湿潤性増強剤、イオノフラックス低減剤、快適剤、及びその組合せから成る群より選択される1以上の添加剤を含み得るものと解釈できる。
ある実施態様では、レンズ生成物は、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのようなメタクリレートホスホリルコリン-モノマーの単位を含む、抽出される前の本体部材を含む。
【0033】
本発明の別の局面は、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物に関する。本発明の先駆組成物は、重合可能なケイ素含有成分と重合可能な非ケイ素含有成分を含み得る。これら2成分を重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物として配合する。先駆組成物の一部は、該先駆組成物から生成される重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から除去され得る。この除去され得る部分は、重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の量で存在する。
ある実施態様では、先駆組成物の非ケイ素含有成分が、第1の反応性比を有する第1のモノマーと、第1の反応性比より小さい第2の反応性比を有する第2のモノマーを含む。例えば、第1のモノマーが約3の反応性比を有する場合、第2のモノマーは約3未満の反応性比を有する。第2の反応性比は、第1の反応性比の約10%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、又は約90%未満であり得る。ある実施態様では、第2のモノマーが0.5の反応性比を有し、第1のモノマーが3の反応性比を有する。重合生成物の形成の際、異なる反応性比の反応性成分を用いて、本発明のレンズ生成物及びレンズを製造することができる。より高い反応性比の成分は、通常、低い反応性比の成分より高い反応性なので、より高い反応性比を有する第1のモノマーが、所定時間内でより多く反応するだろう。ある実施態様では、先駆組成物は、第2の反応性比より第1の反応性比に匹敵する反応性比を有する架橋剤をも含む。従って、本発明の先駆組成物中の反応性成分のタイプは、重合したレンズ生成物中に存在する除去可能成分の量、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの乾燥質量、及びレンズの湿潤性に影響を及ぼし得る。
【0034】
さらに、本発明の先駆組成物は、1以上の開始剤を含み得る。熱開始剤は、“キックオフ”温度を有すると解釈できる。より高いキックオフ温度を有する熱開始剤を選択することによって、また相対的に低量の開始剤を使用することによって、本レンズのイオノフラックスを減らすことができ、また本明細書で述べる除去可能成分の量に影響を及ぼすことができる。例えば、本発明の先駆組成物で用いられる1種の熱開始剤は、約50℃のキックオフ温度(この時点で反応性成分が重合し始める)を有する2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)(VAZO-52)である。本発明の先駆組成物で用いられる第2の熱開始剤は、約90℃のキックオフ温度を有するアゾ-ビス-イソブチロニトリル(VAZO-88)である。約0.2部のVAZO-52、又は約0.1部のVAZO-88を含む先駆組成物から、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得ることができる。さらに、重合可能な組成物を重合させるための本明細書で開示される硬化方法は、1以上の温度工程を含み得る。
本発明の先駆組成物の実施態様は、1以上の除去可能又は抽出可能な疎水性又は両親媒性の添加剤、例えば上述した特有の添加剤を含み得る。1以上の添加剤は、約1%〜約60%(w/w)の量で存在し得る。いくつかの実施態様では、1以上の添加剤が約30%(w/w)〜約60%(w/w)の量で存在する。ある組成物では、少なくとも2種の異なる添加剤が供給される。
【0035】
本発明の先駆組成物の特定の実施態様として、無極性樹脂のコンタクトレンズ型内で供給される重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物が挙げられる。他の実施態様として、ビン等の貯蔵容器、又は手動若しくは自動ピペット操作(pipetting)デバイス等の分配デバイス内の前記組成物が挙げられる。
本発明の駆組成物の一例は、ジメタクリロイルシリコーン含有マクロマー、α-ω-ビス(メタクリロイルオキシエチルイミノカルボキシエチルオキシプロピル)-ポリ(ジメチルシロキサン)-ポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)-ポリ(ω-メトキシ-ポリ(エチレングリコール)プロピルメチルシロキサン)(M3U)から成る重合可能なケイ素含有成分と、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、イソボルニルメタクリレート(IBM)、エトキシエチルメタクリレート(EOEMA)、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TEGDVE)、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)(VAZO-52)を含む重合可能な非ケイ素含有成分とを含む。この組成物中のIBMは、IBMのない実質的に同一のレンズに比し、抽出されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの剛性を高めるようである。ケイ素含有成分は、該組成物の約30〜約40%(w/w)を構成し、かつ非ケイ素含有成分は、該組成物の約60〜約70%(w/w)を構成し得る。ある実施態様では、M3Uが約30〜約40%の量で供給され、VMAが約45〜約50%の量で供給され、MMAが約15〜約20%の量で供給され、IBMが約5%の量で供給され、EOEMAが15%の量で供給され、TEGDMA又はTEGDMA及びTEGDVEが約0.2%の量で供給され、かつVAZO-52が約0.5%の量で供給される。
本発明の先駆組成物の別の例は、前記成分と、紫外線吸収剤及び着色剤(反応性染料又は顔料粒子でよい)を含む。UV吸収剤は約0.9%の量で供給され、着色剤は約0.1%の量で供給され得る。UV吸収剤は、約320〜380nmのUV-A範囲では相対的に高い吸収値を示すが、約380nmでは相対的に透明である強力なUV吸収剤でよい。例えば、UV吸収剤として光重合可能なヒドロキシベンゾフェノン及び光重合可能なベンゾトリアゾール、例えば2-ヒドロキシ-4-アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン(Cytec IndustriesからCYASORB(登録商標)UV416として商業的に入手可能)、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルイルオキシ)プロポキシベンゾフェノン、及びNoramcoからNORBLOC(登録商標)7966として商業的に入手可能な光重合可能なベンゾトリアゾールが挙げられる。他の光重合可能なUV吸収剤として、重合可能なエチレン性不飽和トリアジン、サリチレート、アリール置換アクリレート、及び他の有効なUV吸収剤の重合可能バージョン、並びにこれらUV吸収剤の混合物が挙げられる。
【0036】
本発明の先駆組成物の別の実施態様は、M3Uから成る重合可能なケイ素含有成分と、VMA、メチルメタクリレート(MMA)、TEGDMA、及びVAZO-52を含む重合可能な非ケイ素含有成分とを含む。
本発明の先駆組成物のさらなる例は、前記実施態様の成分と、紫外線吸収剤及び着色剤を含む。この実施態様は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)とポリエチレングリコール(PEG)のブロックコポリマーをも含み得る。本明細書では、このブロックコポリマーをPDMS-co-PEGと略記する。DMS-co-PEGの一例は、75%のPEG含量と約1400の分子量を有する。有用なPDMS-co-PEG材料の他の例は、約300〜約3000ダルトンの分子量を有する。PDMS-co-PEGは、約10%(w/w)〜約40%(w/w)の量で存在し得る。例えば、先駆組成物は、12%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、29%(w/w)、又は30%(w/w)の量のPDMS-co-PEGを含み得る。
本発明の先駆組成物の別の実施態様は、M3Uから成る重合可能なケイ素含有成分と、VMA、IBM、MMA、TEGDMA、紫外線吸収剤、着色剤、及びVAZO-64を含む重合可能な非ケイ素含有成分とを含む。これら組成物の実施態様は、本明細書で開示される他の実施態様より高いモジュラスを有し得る。
本発明の先駆組成物の別の実施態様は、M3Uから成る重合可能なケイ素含有成分と、1-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、MMA、TEGDMA、及びVAZO-52を含む重合可能な非ケイ素含有成分とを含む。このような実施態様では、ケイ素含有成分は、該組成物の約30〜約40%(w/w)を構成し、非ケイ素含有成分は、該組成物の約60〜約70%(w/w)を構成する。例えば、M3Uは約35%〜約38%の量で存在し得る。NVPは約45〜約50%の量で存在し、MMAは約15〜約20%の量で存在し、TEGDMAは約0.1〜約0.8%の量で存在し、かつVAZO-52は約0.1〜0.6%の量で存在し得る。
別の実施態様は、以前と同一の成分とデカノールを含む。約5%(w/w)〜約30%(w/w)の量でデカノールを供給することができる。例えば、実施態様は、約5%(w/w)、約10%(w/w)、約15%(w/w)、約20%(w/w)、約25%(w/w)、又は約30%(w/w)の量のデカノールを含み得る。デカノールは相溶化剤と希釈剤の両方として有効であり得る。従って、デカノールはレンズ先駆組成物の成分の相分離の減少に役立ち得る。デカノール含有製剤の1つの特定例は35%のM3U、約45%〜約55%のNVP、約13%〜約20%のMMA、約0.1%のTEGDMA、約0.6%の(VAZO-52)、及び約30%以下のデカノールを含む。
本NVP含有先駆組成物は、離型助剤、例えば、親水性シリコーン成分、ポリアルキレンオキシド成分、又はその組合せを含む離型助剤をも含み得る。
本NVP含有先駆組成物は、ヘキサノール、エトキシエタノール、イソプロパノール(IPA)、プロパノール、デカノール、シリコーン油、及びその組合せから成る群より選択される希釈剤をも含み得る。希釈剤は約10%〜約30%(w/w)の量で存在できる。相対的に高濃度の希釈剤を有する組成物は、より低いイオノフラックス値、低減したモジュラス、上昇した伸び率、及び20秒より長い水のBUTを有すると思われる。
希釈剤含有のNVP含有先駆組成物は、メタクリレートホスホリルコリン-モノマー、例えば2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単位を含む。MPCは、該組成物の約1%(w/w)〜約15%(w/w)の量で存在し得る。例えば、本組成物が約2.5%のMPC、約5%のMPC、約7%のMPC、約10%のMPC、又は約12%のMPCを含むと、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造できる。該組成物は、アルコールベースの希釈剤を含んでもよい。例えば、約5%のデカノールを含む組成物もある。
上述した実施態様をはじめとする本NVP含有組成物の実施態様は、(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン(SiGMA)をも含む。
【0037】
本発明の別の局面は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法に関する。
ある実施態様では、本方法は、抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物(該レンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有する)から、抽出前のレンズ本体の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量を有し、かつ眼に許容し得る表面湿潤性を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ本体を形成する工程を含む。
該方法の形成工程は、前記抽出される前のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から抽出可能物を抽出する工程を含むことができる。
本方法は、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を硬化させて、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物(該レンズ生成物の少なくとも10%(w/w)の除去可能成分含量を有する)を形成する工程をも含み得る。本明細書で論じられるように、硬化工程は、熱硬化又は紫外線硬化でよい。硬化は、無極性樹脂のコンタクトレンズ型、例えばポリオレフィンベースのコンタクトレンズ型内で起こり得る。
方法は、重合可能なケイ素含有成分と重合可能な非ケイ素含有成分を配合して、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を形成する工程を含み得る。この方法の実施態様は、除去可能な添加剤を該重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物に添加する工程を含んでもよい。最終的なモノマー混合物に添加剤を添加してよく、或いはケイ素含有成分又は非ケイ素含有成分のどちらかに、それら2成分を混合する前に添加剤を添加することができる。添加剤は、本明細書で述べるいずれの添加剤でもよく、該添加剤の組合せでもよい。
方法は、紫外線吸収剤、着色剤、及びその組合せをレンズ先駆組成物に添加する工程を含んでもよい。前記説明から明らかなように、本方法を実施して、レンズを表面処理せずに、ポリマー湿潤剤のIPNと共にレンズを形成することなく、極性樹脂の型を使用せずに、或いはこれらの組合せなしで、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造することができる。
【0038】
本明細書の開示に鑑み、本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの実施態様は、抽出手順を受けて、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物から、ポリプロピレン型成型された窒素硬化した重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物(該組成物及び該レンズ生成物全体に湿潤性増強モノマー、相溶化量の1以上の添加剤、及び高量の抽出可能物が分布している)から効率的に抽出可能物を除去するレンズ本体を含むと解釈することができる。このレンズ本体は、眼に許容し得る表面湿潤性を有する。
本組成物及び方法を用いて、極性樹脂の型の使用に付随する問題、例えば重合すると型半分を分離することが困難なこと;精巧かつ高価な重合後手順に伴う問題、例えばプラズマエッチング、照射、化学的改変;及びポリマー湿潤剤のIPNに付随する問題を回避しながら、眼に適合性のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを発明した。
【0039】
〔実施例〕
以下の実施例は本発明の特定の局面及び利点を説明するが、それによって本発明は限定されないと解釈すべきである。
実施例では以下の周知の化学薬品について言及するが、時には、以下に示すその略語で表すこともある。
PP:プロピルプロピレン
PEG:ポリエチレングリコール
IBM;イソボルニルメタクリレート
VMA:N-ビニル-N-メチルアセトアミド(真空下で新たに蒸留した)
M3U:M3-U;α-ω-ビス(メタクリロイルオキシエチルイミノカルボキシエチルオキシプロピル)-ポリ(ジメチルシロキサン)-ポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)-ポリ(ω-メトキシ-ポリ(エチレングリコール)プロピルメチルシロキサン);ジメタクリロイル シリコーン含有マクロマー
以下の実施例で使うM3Uは下記式で表され、式中、nは121、mは7.6、hは4.4、Mn=12,800、かつMw=16,200である。
【0040】
【化3】


【0041】
EOENA:エトキシエチルメタクリルアミド
VAZO-52:2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)(V-52;熱開始剤)
VAZO-64:アゾ-ビス-イソブチロニトリル(V-64;熱開始剤)
PDMS:ポリジメチルシロキサン
PDMS-co-PEG:ポリジメチルシロキサンと75%のPEGを含有するPEGとのブロックコポリマーで、600のMW(GelestのDBE712)
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
NVP:1-ビニル-2-ピロリドン(真空下で新たに蒸留した)
HOB:2-ヒドロキシルブチルメタクリレート
FM0411M:FM-0411M;メタクリロイルオキシエチルイミノカルボキシエチルオキシプロピル-ポリ(ジメチルシロキシ)-ブチルジメチルシラン
FM0411M:以下の実施例で使用したものは下記式で表され、式中、n=13〜16、Mwは1500。







【0042】
【化4】


【0043】
TAIC:1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(トリアリルイソシアヌレート)
AOT:Aerosol OT;ビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩
TPO:ビフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
IPA:イソプロピルアルコール
N,N-DMF:DMF;N,N-ジメチルホルムアミド
HMP:4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
TEGDVE:トリエチレングリコールジビニルエーテル
MMA:メチルメタクリレート
VM:ビニルメタクリレート
PTA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
TPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
SiGMA:(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン
Pr:プロパノール
Hx:ヘキサノール
DA:デカノール
DVG:ジビニルグリコール
EE:エトキシエタノール
UV416:2-(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート
M3U Tint:M3U(%w/w)中のβCu-フタロシアニンの分散系。Cu-フタロシアニンは、BASFからHeliogen Blue K7090として入手可能である。
【0044】
〔実施例1〕
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製作:
実施例2〜55で示す化合物を秤量し、混合して混合物を形成した。混合物を0.2〜5.0ミクロンのシリンジフィルターでろ過してビンに入れた。混合物を約2週間まで貯蔵した。この混合物が重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物と解釈する。実施例2〜55では、各化合物のそれぞれの質量パーセント(質量ベースで質量について表される;w/w)に加え、単位量を与えた。最終的なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズでは、化合物の重量パーセントは、先駆組成物中に存在する単位量に密接に関係する。
ある体積の先駆組成物を雌型の無極性樹脂の型部材、例えばポリプロピレンの型部材のレンズ画定面と接触させて置いた。無極性樹脂の雄型の型部材、例えばポリプロピレンの雄型部材を前記雌型部材と接触させて置いて、先駆組成物を含有するコンタクトレンズ形状のキャビティを含むコンタクトレンズ型を形成した。
コンタクトレンズ型を窒素フラッシュしたオーブン内に置いて先駆組成物を熱的に硬化させた。コンタクトレンズ型を約80℃の温度に約1時間以上さらした。
先駆組成物の重合後、コンタクトレンズ型を離型し、その抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を型部材の一方から脱レンズした。この抽出される前の脱レンズしたレンズ生成物を秤量してその乾燥質量を決定した。
この脱レンズしたレンズ生成物を抽出し、該レンズ生成物を複数体積のアルコール(例えばエタノール)と脱イオン水に接触させることによって水和させた。水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを秤量してからオーブン内で脱水させ、脱水したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの乾燥質量を再び秤量した。
本明細書で述べるように、接触角(動的接触角と静的接触角を含む)、酸素透過性、イオノフラックス、モジュラス、伸び率、引張り強さ、含水量などの特性を決定した。水和したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの水のブレイクアップ時間を測定することによって、該レンズの湿潤性も調べた。コンタクトレンズを人の目に1時間、3時間、又は6時間以上置いてから臨床的な評価を行う予製(dispensing)研究の際に、眼の適合性についてさらに調べた。
【0045】
〔実施例2〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0046】


【0047】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは比較的加工しやすく、許容し得る適合性を有した。これらコンタクトレンズは約54%の平衡含水量、20秒より長い水のBUT、約48°の静的接触角、約3.8のイオノフラックス、約0.5MPaのヤングモジュラス、及び約227%の伸び率を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは16.9±0.3%の抽出可能量を有した。
【0048】
〔実施例3〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0049】


【0050】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは比較的加工しやすく、許容し得る適合性を有した。これらコンタクトレンズは約54%の平衡含水量、30秒より長い水のBUT、約34°の静的接触角、約78°の前進接触角、約48°の後退接触角、約6のイオノフラックス、約0.7MPaのヤングモジュラス、及び約186%の伸び率を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは17.5±0.5%の抽出可能量を有した。
【0051】
〔実施例4〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0052】


【0053】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは比較的加工しやすく、mPCと適合した。これらコンタクトレンズは約25%の平衡含水量、18秒より長い水のBUT、約36°の静的接触角、約76°の前進接触角、約49°の後退接触角、約6のイオノフラックス、約0.7MPaのヤングモジュラス、及び約167%の伸び率を有した。
【0054】
〔実施例5〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0055】


【0056】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは比較的加工しやすく、mPCと適合した。これらコンタクトレンズは約54%の平衡含水量、20秒より長い水のBUT、約37°の静的接触角、約76°の前進接触角、約48°の後退接触角、約3.5のイオノフラックス、約0.6MPaのヤングモジュラス、及び約304%の伸び率を有した。
【0057】
〔実施例6〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0058】


【0059】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは許容し得る離型性と脱レンズ性を示した。これらコンタクトレンズは約53%の平衡含水量、20秒より長い水のBUT、約34°の静的接触角、約5のイオノフラックス、約0.4MPaのヤングモジュラス、及び約197%の伸び率を有した。
【0060】
〔実施例7〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0061】


【0062】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは約0.6MPa〜約0.9MPaのモジュラスを有した。
【0063】
〔実施例8〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0064】


【0065】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約52%の平衡含水量、20秒より長い水のBUT、約42°の静的接触角、約73°の前進接触角、約48°の後退接触角、約3.9のイオノフラックス、約0.5MPaのヤングモジュラス、及び約242%の伸び率を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、43.4±3.1%の抽出可能量を有した。
【0066】
〔実施例9〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0067】


【0068】
この製剤から得られた抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は約26%の抽出可能成分含量を有した。この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0069】
〔実施例10〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0070】


【0071】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0072】
〔実施例11〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0073】


【0074】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0075】
〔実施例12〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0076】


【0077】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0078】
〔実施例13〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0079】


【0080】
この製剤から得られた抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は約17%の抽出可能成分含量を有した。
【0081】
〔実施例14〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0082】


【0083】
この製剤から得られた抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物は約36%の抽出可能成分含量を有した。この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0084】
〔実施例15〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0085】


【0086】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは20秒より長い水のBUTを示した。
【0087】
〔実施例16〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0088】


【0089】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは20秒より長い水のBUTを示した。
【0090】
〔実施例17〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0091】


【0092】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは5秒未満の水のBUTを示した。
【0093】
〔実施例18〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0094】


【0095】
〔実施例19〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0096】


【0097】
〔実施例20〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0098】


【0099】
〔実施例21〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0100】


【0101】
〔実施例22〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。


【0102】


【0103】
〔実施例23〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0104】


【0105】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約63%の平衡含水量、19秒より長い水のBUT、約39°の静的接触角、約93°の前進接触角、約46°の後退接触角、約0.4MPaのヤングモジュラス、及び約109%の伸び率を有した。
【0106】
〔実施例24〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0107】


【0108】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0109】
〔実施例25〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0110】


【0111】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0112】
〔実施例26〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0113】


【0114】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0115】
〔実施例27〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。




【0116】


【0117】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約63%の平衡含水量、25秒より長い水のBUT、約17のイオノフラックス、約43°の静的接触角、約94°の前進接触角、約48°の後退接触角、約0.3MPaのヤングモジュラス、約166%の伸び率、及び約0.3の引張り強さを有した。
【0118】
〔実施例28〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0119】


【0120】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0121】
〔実施例29〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0122】


【0123】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ(UV照射で硬化)は眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0124】
〔実施例30〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0125】


【0126】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0127】
〔実施例31〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0128】


【0129】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約54%の平衡含水量、17秒より長い水のBUT、約36°の静的接触角、約87°の前進接触角、約44°の後退接触角、約8のイオノフラックス、約0.5MPaのヤングモジュラス、約335%の伸び率、及び約0.4の引張り強さを有した。
【0130】
〔実施例32〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。






【0131】


【0132】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約66%の平衡含水量、17秒より長い水のBUT、約33°の静的接触角、約81°の前進接触角、約45°の後退接触角、約0.4MPaのヤングモジュラス、約131%の伸び率、及び約0.3の引張り強さを有した。
【0133】
〔実施例33〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0134】


【0135】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約63%の平衡含水量、19秒より長い水のBUT、約18のイオノフラックス、約37°の静的接触角、約101°の前進接触角、約46°の後退接触角、約0.4MPaのヤングモジュラス、約155%の伸び率、及び約0.4の引張り強さを有した。
【0136】
〔実施例34〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。









【0137】


【0138】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。重合したレンズ生成物中に存在する抽出可能物の量は、10%より多く、約40〜42%であると推定される。
【0139】
〔実施例35〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0140】


【0141】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。重合したレンズ生成物中に存在する抽出可能物の量は、10%より多く、約40〜42%であると推定される。
【0142】
〔実施例36〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0143】


【0144】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、61.3±0.05%の平衡含水量を有し、かつ17.5±0.5%の抽出可能物量を有した。
【0145】
〔実施例37〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0146】


【0147】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、61.3±0.05%の平衡含水量を有し、かつ17.5±0.5%の抽出可能物量を有した。
【0148】
〔実施例38〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0149】


【0150】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、54.6±1.27%の平衡含水量を有し、かつ23.6±0.1%の抽出可能物量を有した。
【0151】
〔実施例39〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0152】


【0153】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約55%の平衡含水量、約7のイオノフラックス、約34°の静的接触角、約65°の前進接触角、約50°の後退接触角、約0.6MPaのヤングモジュラス、約238%の伸び率、及び約109のDkを有した。これらヒドロゲルコンタクトレンズは23.6±0.1%の抽出可能物量を有した。
【0154】
〔実施例40〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0155】


【0156】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、47.6±0.5%の平衡含水量を有し、かつ48.9±0.7%の抽出可能物量を有した。
【0157】
〔実施例41〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0158】


【0159】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約55%の平衡含水量、約6のイオノフラックス、約35°の静的接触角、約73°の前進接触角、約49°の後退接触角、約0.3MPaのヤングモジュラス、約265%の伸び率、及び約98のDkを有した。
【0160】
〔実施例42〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0161】


【0162】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約46%の平衡含水量、約4のイオノフラックス、約40°の静的接触角、約78°の前進接触角、約54°の後退接触角、約0.4MPaのヤングモジュラス、約219%の伸び率、及び約129のDkを有した。これらヒドロゲルコンタクトレンズは50.2±0.8%の抽出可能物量を有した。
【0163】
〔実施例43〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0164】


【0165】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0166】
〔実施例44〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。










【0167】


【0168】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0169】
〔実施例45〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0170】


【0171】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0172】
〔実施例46〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0173】


【0174】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0175】
〔実施例47〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0176】


【0177】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約60%の平衡含水量、約11のイオノフラックス、約46°の静的接触角、約102°の前進接触角、約51°の後退接触角、約0.2MPaのヤングモジュラス、約150%の伸び率、及び約0.2の引張り強さを有した。
【0178】
〔実施例48〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0179】


【0180】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。これらコンタクトレンズは約61%の平衡含水量、約14のイオノフラックス、約40°の静的接触角、約106°の前進接触角、約52°の後退接触角、約0.2MPaのヤングモジュラス、約224%の伸び率、約0.3の引張り強さ、及び約69のDkを有した。
【0181】
〔実施例49〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。




【0182】


【0183】
この製剤から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは眼に許容し得る表面湿潤性を有した。
【0184】
〔実施例50〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0185】


【0186】
〔実施例51〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0187】


【0188】
〔実施例52〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。




【0189】


【0190】
〔実施例53〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0191】


【0192】
〔実施例54〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0193】


【0194】
〔実施例55〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0195】


【0196】
〔実施例56〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0197】


【0198】
〔実施例57〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって、かつ実施例1で述べたように、重合可能なシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ先駆組成物を得た。
【0199】


【0200】
〔実施例58〕
以下の指定量の化合物を混合及びろ過することによって実施例1で述べたように得たレンズ先駆組成物から、無極性樹脂のレンズ型からシリコーンヒドロゲルコンタクトを製造した。




【0201】


【0202】
R1レンズは63.1%の平衡含水量を有し、かつ24時間後に4.7秒、4日後に9秒の水BUTを示した。R1レンズ生成物は約16%の抽出可能含量を有した。
R3レンズは56%の平衡含水量を有し、かつ24時間後に18秒、4日後に20秒の水BUTを示した。R3レンズ生成物は約26%の抽出可能含量を有した。R3レンズは34.1°の接触角、106.3°の前進接触角、52.4°の後退接触角、53.9°のヒステリシス、5.5×10-3mm2/分のイオノフラックス、0.42MPaのモジュラス、135%の伸び率及び0.27MPaの引張り強さを有した。
R7レンズは60.8%の平衡含水量を有し、かつ24時間後に20秒、4日後に20秒の水BUTを示した。R7レンズ生成物は約25%の抽出可能含量を有した。R7レンズは33.7°の接触角、103.7°の前進接触角、53.9°の後退接触角、49.8°のヒステリシス、8.1×10-3mm2/分のイオノフラックス、0.33MPaのモジュラス、139%の伸び率及び0.24MPaの引張り強さを有した。
R8レンズは64.2%の平衡含水量を有し、かつ24時間後に4.3秒、4日後に9秒の水BUTを示した。R8レンズ生成物は約15%の抽出可能含量を有した。
R9レンズは63.9%の平衡含水量を有し、かつ24時間後に1.3秒、4日後に7秒の水BUTを示した。R9レンズ生成物は約13%の抽出可能含量を有した。
R0レンズは63.8%の平衡含水量を有し、かつ24時間後に15秒、4日後に20秒の水BUTを示した。R0レンズ生成物は約22%の抽出可能含量を有した。R0レンズは38°の接触角、101.3°の前進接触角、48.7°の後退接触角、52.6°のヒステリシス、11.7×10-3mm2/分のイオノフラックス、0.42MPaのモジュラス、191%の伸び率及び0.35MPaの引張り強さを有した。
【0203】
〔実施例59〕
抽出可能成分含量に及ぼす種々の架橋剤の効果も評価した。無極性樹脂のレンズ型内で表面処理もポリマーのIPNもなしでシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造した。該レンズ製剤の成分を下表に示す。架橋剤のタイプと濃度を変えて、抽出可能成分含量を測定した。













【0204】


MIX#3:1:1比のTEGDMAとTEGDVE
【0205】
これらの結果は、高い抽出可能成分含量(例えば、16.9%より高い)を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物から、VMA及びIBM由来の単位を含み、かつジメタクリレート又はトリメタクリレートベースの架橋剤を利用したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが得られたことを示している。対照的に、VMA及びIBM由来の単位を含み、かつビニルメタクリレート、又はトリアリルイソシアヌレート架橋剤を利用したレンズ生成物は、より低い抽出可能成分含量(例えば、10%未満)を有した。架橋剤としてトリエチレングリコールジビニルエーテルを用いたレンズ生成物は10.3%の抽出可能成分含量を有した。
この研究では、製剤名T31A;T31C;T31C1;T31C2;T31E;T31F;及びT31Gの各製剤で得られたコンタクトレンズの80%が20秒を超える水BUTを示した。T31レンズの60%が10秒の水BUTを示し、T31Bレンズの40%だけが5秒の水BUTを示した。
従って、これらのレンズ製剤では、ジメタクリレート及びトリメタクリレートベースの架橋剤が一貫して、高い抽出可能成分を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を与えることができる。このレンズ生成物から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは望ましい表面湿潤性を有する。
これらのデータは、これらのシリコーンヒドロゲルレンズ生成物が10%より高い抽出可能成分含量を有するとき、又はそれから得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズがそれぞれのレンズ生成物の乾燥質量の90%を超えない乾燥質量を有するとき、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが眼に許容し得る表面湿潤性を有し得ることも支持している。
【0206】
〔実施例60〕
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの実施例を下表に示されるような現存のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと比較した。レンズAはAcuvue Advanceコンタクトレンズ(Johnson & Johnson);レンズBはAcuvue Oasysコンタクトレンズ(Johnson & Johnson)、レンズCはO2 Optixコンタクトレンズ(Ciba Vision);及びレンズDはBiofinityコンタクトレンズ(CooperVision)である。








【0207】


EWC:平衡含水量(%)
ACA:前進接触角(度)
RCA:後退接触角(度)
PSHCLP:重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物
SHCL:シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ(抽出及び水和後)
【0208】
〔実施例61〕
本シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの実施例を、Biofinityシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのレンズ先駆組成物を用いて無極性樹脂のコンタクトレンズ型から得られたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと比較した。Biofinityシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造で用いたレンズ先駆組成物は10%(w/w)未満、例えば約8%(w/w)の抽出可能量を有する、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物を生成する。先駆組成物を無極性樹脂のレンズ型内で硬化させて、抽出し、水和させると、結果として生じるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、抽出される前のレンズ生成物の約92%の乾燥質量を有するレンズ本体を有した。そのように製造された水和したコンタクトレンズは、眼に許容し得ない表面湿潤性を有した。対照的に、本レンズは、抽出される前の重合したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ生成物の90%を超えない乾燥質量を有するレンズ本体を含み、かつ上述したように、眼に許容し得る表面湿潤性を有する。
【0209】
本明細書の開示は特定の例示された実施態様に言及するが、これら実施態様は例として提示されたものであり、限定ではないと解釈すべきである。上記詳細な説明の意図は、さらなる開示によって定義される通りの本発明の精神及び範囲内である限り、前記実施態様のすべての変形、代替物、及び均等物を包含するものと解釈すべきである。
本明細書では、多くの刊行物及び特許を引用している。引用した各刊行物及び特許は、参考としてその全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の組成物、レンズ生成物、及びコンタクトレンズを示すフローチャートである。
【出願人】 【識別番号】507207753
【氏名又は名称】クーパーヴィジョン インターナショナル ホウルディング カンパニー リミテッド パートナーシップ
【出願日】 平成19年6月15日(2007.6.15)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100084009
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信夫

【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤

【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治

【識別番号】100114007
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 孝二


【公開番号】 特開2008−20918(P2008−20918A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−183697(P2007−183697)