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【発明の名称】 調芯方法
【発明者】 【氏名】日原 衛

【氏名】楠本 憲嗣

【氏名】盧 柱亨

【要約】 【課題】効率良く調芯を行うことが可能な調芯方法を実現する。

【構成】2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、それぞれの偏波面が互いに90度になるように2つの偏波面保持の光ファイバを出射端に固定し、出射端とレンズとの間の距離と、レンズとフォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、光ビームの間隔がフォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、出射端とレンズの間に挿入された偏光板を回転させ片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけフォトダイオードユニットを座標平面で回転させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、
それぞれの偏波面が互いに90度になるように2つの偏波面保持の光ファイバを前記出射端に固定し、
前記出射端と前記レンズとの間の距離と、前記レンズと前記フォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、前記光ビームの間隔が前記フォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、
前記出射端と前記レンズの間に挿入された偏光板を回転させ片方ずつ光ビームを通過させて前記フォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、
2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけ前記フォトダイオードユニットを座標平面で回転させる
ことを特徴とする調芯方法。
【請求項2】
2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、
前記出射端と前記レンズとの間の距離と、前記レンズと前記フォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、前記光ビームの間隔が前記フォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、
前記出射端と前記レンズの間にエタロンを挿入し、
このエタロンの自由スペクトル領域の1/2だけ波長の異なる光を前記2つの光ファイバに伝播させ、
前記エタロンの角度、温度、若しくは、屈折率を変化させて透過可能な光の波長を選択して片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、
2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけ前記フォトダイオードユニットを座標平面で回転させる
ことを特徴とする調芯方法。
【請求項3】
2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、
前記出射端と前記レンズとの間の距離と、前記レンズと前記フォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、前記光ビームの間隔が前記フォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、
前記2つの光ファイバを伝播する光に異なる変調周波数で光変調をかけ、
前記フォトダイオードユニットで検出する際に受光した光の光変調周波数に基づき2つの光ファイバのどちらの光ビームであるかを判断し、
前記2つの光ビームのフォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、
2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけ前記フォトダイオードユニットを座標平面で回転させる
ことを特徴とする調芯方法。
【請求項4】
2つの光ビームのフォトダイオードユニットへの入射位置のXYZ座標を測定し、
2つの光ビームの測定座標から第1及び第2の補正角度を求め、
前記第1の補正角度だけ前記フォトダイオードユニットをXY座標平面で回転させ、前記第2の補正角度だけ前記フォトダイオードユニットをXZ座標平面で回転させる
ことを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の調芯方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの光ファイバ(2芯のフェルールファイバ)からの出射光を2つのフォトダイオードにそれぞれ照射させる調芯方法に関し、特に効率良く調芯を行うことが可能な調芯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の2つの光ファイバ(フェルールファイバ)からの出射光を2つのフォトダイオードに照射させる等の調芯方法に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2001−154147号公報
【特許文献2】特開2002−202440号公報
【特許文献3】特開2003−124559号公報
【0004】
図9及び図10はこのような従来の調芯方法の一例を示す平面図及び斜視図である。図9及び図10において1及び2は光ファイバ、3は出射端(フェルール)、4はレンズ、5は”PD01”及び”PD02”に示す2つの受光面を有するフォトダイオードユニットである。また、1,2及び3は2芯のフェルールファイバを構成している。
【0005】
光ファイバ1を伝播した光は出射端3から出射され、図9及び図10中”BM01”に示す光ビームのようにレンズ4を透過してフォトダイオードユニット5の図9及び図10中”PD01”に示す一方の受光面に入射される。
【0006】
同様に、光ファイバ2を伝播した光は出射端3から出射され、図9及び図10中”BM02”に示す光ビームようにレンズ4を透過してフォトダイオードユニット5の図9及び図10中”PD02”に示す他方の受光面に入射される。
【0007】
ここで、図9及び図10に示す従来例の調芯方法を説明する。図10中”l”に示す出射端3とレンズ4との間の距離を変化させると、図10中”BM01”及び”BM02”に示す光ビームがレンズ4で集光されて光ビーム径が絞られるまでの距離が変化する。
【0008】
一方、図10中”L”に示すレンズ4とフォトダイオードユニット5との間の距離を変化させると、フォトダイオードユニット5の受光面における図10中”BM01”及び”BM02”に示す光ビーム間の距離が変化する。
【0009】
このため、図10中”L”に示す距離を変化させて、フォトダイオードユニット5の受光面における図10中”BM01”及び”BM02”に示す光ビーム間の距離が図10中”PD01”及び”PD02”に示す受光面間の距離と一致(厳密には、光ビームの中心点間距離が受光面の中心点間距離に一致)するように調整する。
【0010】
同時に、図10中”l”に示す距離を変化させて、光ビーム径が絞られるまでの距離がフォトダイオードユニット5の受光面に一致するように調整することにより、図10中”PD01”及び”PD02”に示すフォトダイオードユニット5の受光面に図10中”BM01”及び”BM02”に示す光ビームを光ビーム径を絞って照射することが可能になる。
【0011】
この結果、出射端3とレンズ4との間の距離とレンズ4とフォトダイオードユニット5との間の距離とを適宜変化させ、光ビーム径が絞られるまでの距離がフォトダイオードユニット5の受光面に一致し、光ビームの中心点間距離が受光面の中心点間距離に一致するように調整することにより、フォトダイオードユニット5の受光面に光ビームを光ビーム径を絞って照射することが可能になる。言い換えれば、調芯が完了することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、図9及び図10に示す従来例では図10中”PD01”及び”PD02”に示す2つの受光面の中心点を通る軸と、2本の光ビームの中心点を通る軸とは一致していない場合が多い。
【0013】
このような状態で調芯を行った場合、フォトダイオードユニット5の一方の受光面に一方の光ビームが照射することになるが、前述の軸の不一致に起因して光ビームを誤って違う受光面に照射させてしまう場合が発生する。
【0014】
例えば、図10中”BM01”に示す光ビームは本来図10中”PD01”に示す受光面に照射すべきであるが、図10中”PD02”に示す受光面に照射させてしまう場合が想定される。
【0015】
この場合には、調芯作業が非常に煩雑になり、調芯作業の時間が非常に長くなってしまうと言った問題点があった。
【0016】
すなわち、実際の調芯作業においては、図10に示す斜視図のように光ファイバ1から出射される光ビーム”BM01”と、光ファイバ2から出射される光ビーム”BM02”を明確に区別することができないので、間違った調芯を行ってしまう可能性を排除することが困難であると言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、効率良く調芯を行うことが可能な調芯方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、
それぞれの偏波面が互いに90度になるように2つの偏波面保持の光ファイバを前記出射端に固定し、前記出射端と前記レンズとの間の距離と、前記レンズと前記フォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、前記光ビームの間隔が前記フォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、前記出射端と前記レンズの間に挿入された偏光板を回転させ片方ずつ光ビームを通過させて前記フォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけ前記フォトダイオードユニットを座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0018】
請求項2記載の発明は、
2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、
前記出射端と前記レンズとの間の距離と、前記レンズと前記フォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、前記光ビームの間隔が前記フォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、前記出射端と前記レンズの間にエタロンを挿入し、このエタロンの自由スペクトル領域の1/2だけ波長の異なる光を前記2つの光ファイバに伝播させ、前記エタロンの角度、温度、若しくは、屈折率を変化させて透過可能な光の波長を選択して片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけ前記フォトダイオードユニットを座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0019】
請求項3記載の発明は、
2つの光ファイバが固定される出射端からの2つの光ビームをレンズでフォトダイオードユニットの2つの受光面それぞれ照射させる調芯方法であって、
前記出射端と前記レンズとの間の距離と、前記レンズと前記フォトダイオードユニットとの間の距離とをそれぞれ変化させ、前記光ビームの間隔が前記フォトダイオードユニットの受光面の間隔なるように調整し、前記2つの光ファイバを伝播する光に異なる変調周波数で光変調をかけ、前記フォトダイオードユニットで検出する際に受光した光の光変調周波数に基づき2つの光ファイバのどちらの光ビームであるかを判断し、前記2つの光ビームのフォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定し、2つの光ビームの測定座標から求めた補正角度だけ前記フォトダイオードユニットを座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0020】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明である調芯方法であって、
2つの光ビームのフォトダイオードユニットへの入射位置のXYZ座標を測定し、2つの光ビームの測定座標から第1及び第2の補正角度を求め、前記第1の補正角度だけ前記フォトダイオードユニットをXY座標平面で回転させ、前記第2の補正角度だけ前記フォトダイオードユニットをXZ座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば次のような効果がある。
請求項1及び請求項4の発明によれば、出射端でそれぞれの偏波面が互いに90度になるように偏波面保持の光ファイバ及びを出射端8に固定し、光ビームの間隔がフォトダイオードユニットの受光面の間隔になるように調整し、偏光板を回転させ片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニットへの入射位置のXY座標を測定して求めた補正角度だけフォトダイオードユニットをXY座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0022】
請求項2及び請求項4の発明によれば、2つの光ファイバとしては偏波面保持の光ファイバではなく通常のシングルモード光ファイバ(Single Mode Fiber)を用い、それぞれの光ファイバにエタロンのFSR(自由スペクトル領域)の1/2だけ波長の異なる光を伝播させ、エタロンの角度、温度、若しくは、屈折率を変化させて透過可能な光の波長を選択して2つの光ファイバのどちらか一方のみをフォトダイオードユニットに照射させ、片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニットへの入射位置のXY座標を測定して求めた補正角度だけフォトダイオードユニットをXY座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0023】
請求項3及び請求項4の発明によれば、2つの光ファイバを伝播する光に異なる変調周波数で光変調をかけ、フォトダイオードユニットで検出する際に受光した光の光変調周波数に基づき2つの光ファイバのどちらの光ビームであるかを判断し、2つの光ビームのフォトダイオードユニットへの入射位置の座標を測定して求めた補正角度だけフォトダイオードユニットを座標平面で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1及び図3は本発明に係る調芯方法の一実施例を示す平面図、図2及び図4は本発明に係る調芯方法の一実施例を示す斜視図である。
【0025】
図1乃至図4において6及び7は偏波面保持の光ファイバ、8は出射端(フェルール)、9は偏光板、10はレンズ、11は”PD11”及び”PD12”に示す2つの受光面を有するフォトダイオードユニットである。また、6,7及び8は2芯のフェルールファイバを構成している。
【0026】
光ファイバ6を伝播した光は出射端8から出射され、図1及び図2中”BM11”に示す光ビームのように偏光板9及びレンズ10を透過してフォトダイオードユニット11の図1及び図2中”PD11”に示す一方の受光面に入射される。
【0027】
同様に、光ファイバ7を伝播した光は出射端8から出射され、図3及び図4中”BM12”に示す光ビームように偏光板9及びレンズ10を透過してフォトダイオードユニット11の図3及び図4中”PD12”に示す他方の受光面に入射される。
【0028】
ここで、図1乃至図4に示す実施例の動作を図5を用いて説明する。図5はフォトダイオードユニット11の各受光面と照射される2つの光ビームとの関係を示す説明図である。
【0029】
先ず、第1に、光ファイバ6及び7は偏波面保持の光ファイバであり、出射端8でそれぞれの偏波面が互いに”90度”になるように光ファイバ6及び7が出射端8に固定される。
【0030】
また、第2に、出射端8とレンズ10との間の距離と、レンズ10とフォトダイオードユニット11との間の距離とを適宜変化させ、光ビームの間隔(厳密には、2つの光ビームの中心点の間隔)がフォトダイオードユニット11の受光面の間隔(厳密には、2つの受光面の中心点の間隔)になるように調整する。
【0031】
さらに、フォトダイオードユニット11の受光面が形成されている面を”XY座標平面”と定義する。
【0032】
このような状態で、図示しない駆動手段によって偏光板9を回転させ、どちらか一方の光ビームのみを通過させ、レンズ10を介してフォトダイオードユニット11の受光面に照射させる。
【0033】
例えば、偏光板9を回転させ図1及び図2中”BM12”に示す光ビームを遮断し、図1及び図2中”BM11”に示すように光ファイバ6を伝播する光のみを透過させる。
【0034】
そして、図1及び図2中”BM11”に示す光ビームをレンズ10を介してフォトダイオードユニット11の図1及び図2中”PD11”に示す受光面に入射させると共に、フォトダイオードユニット11の位置から入射面における光ビームのXY座標を測定する。
【0035】
XY座標の測定方法としては、図1及び図2中”BM11”に示す光ビームの受光面におけるビーム径が最小になるようにフォトダイオードユニット11の位置を移動させ、当該フォトダイオードユニット11の位置から図1及び図2中”BM11”に示す光ビームの受光面におけるXY座標を測定する。
【0036】
同様に、例えば、偏光板9を回転させ図3及び図4中”BM11”に示す光ビームを遮断し、図3及び図4中”BM12”に示すように光ファイバ6を伝播する光のみを透過させる。
【0037】
そして、図3及び図4中”BM12”に示す光ビームをレンズ10を介してフォトダイオードユニット11の図1及び図2中”PD12”に示す受光面に入射させると共に、フォトダイオードユニット11の位置から入射面における光ビームのXY座標を測定する。
【0038】
XY座標の測定方法としては前述と同様に、図3及び図4中”BM12”に示す光ビームの受光面におけるビーム径が最小になるようにフォトダイオードユニット11の位置を移動させ、当該フォトダイオードユニット11の位置から図3及び図4中”BM12”に示す光ビームの受光面におけるXY座標を測定する。
【0039】
図5において”BM31”は図1及び図2中”BM11”に示す光ビームの測定されたXY座標、”BM32”は図3及び図4中”BM12”に示す光ビームの測定されたXY座標、”PD31”はフォトダイオードユニット11の図1及び図2中”PD11”に示す受光面のXY座標、”PD32”はフォトダイオードユニット11の図3及び図4中”PD12”に示す受光面のXY座標であるとする。
【0040】
そして、図5中”BM31”に示す光ビームの中心点と図3中”PD31”に示す受光面の中心点を一致させる(原点とする)。
【0041】
また、フォトダイオードユニット11の受光面の間隔(厳密には、2つの受光面の中心点の間隔)を”W”、Y軸方向の図5中”BM32”に示す光ビームの中心点と原点との差分を”ΔY”、X軸方向の図5中”BM32”に示す光ビームの中心点、図5中”PD32”に示す受光面の中心点との差分を”ΔX”とすると、補正角度”θ”は、
【数1】


となる。
【0042】
すなわち、原点(図5中”BM31”に示す光ビームの中心点、或いは、図3中”PD31”に示す受光面の中心点)を中心として補正角度”θ”だけフォトダイオードユニット11(或いは、出射端8)を”XY座標平面”で回転させることにより、図5中”BM32”に示す光ビームの中心点は図5中”FD32”に示す受光面の中心点に一致することになる。
【0043】
図6は従来の間違った調芯方法の一例を示す説明図であり、図6において”BM31”、”BM32”、”PD31”及び”PD32”は図5と同一符号を付してある。
【0044】
従来の間違った調芯方法では、図6中”BM31”と”BM32”とは同時に照射されるため、光ファイバ6から出射される光ビーム”BM31”と、光ファイバ7から出射される光ビーム”BM32”を明確に区別することができない。
【0045】
このため、本来、図6中”PD32”に示す受光面に照射しなければならない図6中”BM32”に示す光ビームを、図6中”PD31”に示す受光面に照射させてしまう場合が発生し、この場合には非常に多くの調芯作業が必要となるが、本願発明においてはファイバ7から出射される光ビーム”BM32”を明確に区別することができるので、このような間違った調芯方法を行うことを防止することができる。
【0046】
この結果、出射端8でそれぞれの偏波面が互いに”90度”になるように偏波面保持の光ファイバ6及び7を出射端8に固定し、光ビームの間隔がフォトダイオードユニット11の受光面の間隔になるように調整し、偏光板9を回転させ片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニット11への入射位置のXY座標を測定して求めた補正角度”θ”だけフォトダイオードユニット11を”XY座標平面”で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0047】
また、図1乃至図4の示す実施例の説明に際しては2つの光ビームの受光面におけるXY座標を測定して補正角度を求めていたが、2つの光ビームの受光面におけるXYZ座標を測定してZ軸方向の差分の補正するように調芯しても構わない。
【0048】
図7はZ軸方向の差分を考慮した調芯方法を説明する説明図であり、図7において11、”BM11”、”BM12”、”PD11”及び”FD12”は図1等と同一符号を付してある。また、平面図及び斜視図は図1乃至図4と同じであり、異なる点は、光ビームの受光面におけるXYZ座標を測定する点である。
【0049】
ここで、フォトダイオードユニット11の受光面が形成されている面を”XY座標平面”と定義し、フォトダイオードユニット11の受光面に垂直な方向をZ軸と定義する。
【0050】
図7から分かるようにZ軸方向は光ビームのビーム径が最小になる位置の光軸方法のずれに相当するものであり、XYZ座標の測定方法としては前述と同様に、光ビームの受光面におけるビーム径が最小になるようにフォトダイオードユニット11の位置を移動させ、当該フォトダイオードユニット11の位置から光ビームの受光面におけるXYZ座標を測定する。
【0051】
例えば、図7中”BM11”に示す光ビームのビーム径が最小になる位置が図7中”FP41”である場合、偏光板9を回転させて図7中”BM11”に示す光ビームのみをフォトダイオードユニット11に照射させ、図7中”FP41”に示す位置を図7中”PD11”に示すフォトダイオードユニット11の受光面に合わせて、図7中”FP41”に示す位置のXYZ座標を測定する。
【0052】
同様に、例えば、図7中”BM12”に示す光ビームのビーム径が最小になる位置が図7中”FP42”である場合、偏光板9を回転させて図7中”BM12”に示す光ビームのみをフォトダイオードユニット11に照射させ、図7中”FP42”に示す位置を図7中”PD12”に示すフォトダイオードユニット11の受光面に合わせて、図7中”FP42”に示す位置のXYZ座標を測定する。
【0053】
図8はZ軸方向の差分の補正方法を説明する説明図であり、図8において11、”BM11”、”BM12”、”PD11”及び”FD12”は図1等と同一符号を付し、”FP41”及び”FP42”は図7と同一符号を付してある。
【0054】
図8中”RT51”に示すフォトダイオードユニット11の受光面の間隔(厳密には、2つの受光面の中心点の間隔)を二等分する点を回転中心とし、当該回転中心をZ軸方向の差分”ΔZ”の1/2の位置にずらして、当該回転中心を中心にして”XZ座標平面”で”φ”だけ回転させることにより、”FP41”と”PD11”を、”FP42”と”PD12”をそれぞれ一致させることができる。
【0055】
すなわち、前述同様に2つのXYZ座標の差分等からに”ΔX”及び”ΔY”を求めると共にZ軸方向の差分を”ΔZ”とした場合、”XZ座標平面”の補正角度”φ’”は、
【数2】


となる。
【0056】
また、”XY座標平面”の補正角”θ”は、
【数3】


となる。
【0057】
この結果、出射端8でそれぞれの偏波面が互いに”90度”になるように変波面保持の光ファイバ6及び7が出射端8に固定し、光ビームの間隔がフォトダイオードユニット11の受光面の間隔になるように調整し、偏光板9を回転させ片方ずつ光ビームを通過させてフォトダイオードユニット11への入射位置のXYZ座標を測定して求めた補正角度”θ”だけフォトダイオードユニット11を”XY座標平面”で回転させ、Z軸方向の差分の補正する補正角度”φ”だけフォトダイオードユニット11を”XZ座標平面”で回転させることにより、効率良く調芯を行うことが可能になる。
【0058】
なお、図1等に示す実施例では2つの光ビームを分離するために偏光板を用いていたが、偏光板の代わりにエタロンを用いても構わない。
【0059】
この場合、2つの光ファイバとしては偏波面保持の光ファイバではなく通常のシングルモード光ファイバ(Single Mode Fiber)を用い、それぞれの光ファイバにエタロンのFSR(自由スペクトル領域)の1/2だけ波長の異なる光を伝播させ、エタロンの角度、温度、若しくは、屈折率を変化させて透過可能な光の波長を選択して2つの光ファイバのどちらか一方のみをフォトダイオードユニットに照射させ、それぞれの光ビームの座標を測定すれば良い。
【0060】
また、図1等に示す実施例では2つの光ビームを分離するために偏光板を用いていたが、偏光板を用いることなく、2つの光ファイバを伝播する光に異なる変調周波数で光変調をかけ、フォトダイオードユニットで検出する際に受光した光の光変調周波数に基づき2つの光ファイバのどちらの光ビームであるかを判断して、それぞれの光ビームの座標を測定しても構わない。
【0061】
この場合には、構成要素も減少し、偏光板を回転させる機構や、エタロンの角度等を制御する機構も必要なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る調芯方法の一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る調芯方法の一実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る調芯方法の一実施例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る調芯方法の一実施例を示す斜視図である。
【図5】各受光面と照射される2つの光ビームとの関係を示す説明図である。
【図6】従来の間違った調芯方法の一例を示す説明図である。
【図7】Z軸方向の差分を考慮した調芯方法を説明する説明図である。
【図8】Z軸方向の差分の補正方法を説明する説明図である。
【図9】従来の調芯方法の一例を示す平面図である。
【図10】従来の調芯方法の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
1,2,6,7 光ファイバ
3,8 出射端
4,9 レンズ
5,11 フォトダイオードユニット
10 偏光板
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−3282(P2008−3282A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172284(P2006−172284)