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【発明の名称】 光学機能性シート及び照明装置
【発明者】 【氏名】水野 知章

【氏名】桑田 彩

【要約】 【課題】光拡散機能と集光機能とを制御でき、かつ粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、生産性の高い光学機能性シート及びこれを用いた照明装置の提供。

【構成】粒子状の凸部を第一の表面に有してなり、該粒子状の凸部が、非最密配置により不規則に配置されてなり、かつ、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を収容し、成形後に一方の表面に離型してなることを特徴とする光学機能性シートである。互いに異なる大きさの粒子状の凸部が配置された態様、下記式で表される第一の表面に配置された粒子状の凸部の第一の表面における被覆率(%)が30〜92%である態様、などが好ましい。前記光学機能性シートを用いた照明装置である。〔式〕第一の表面に配置された粒子状の凸部の投影面積計/第一の表面の表面積×100
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状の凸部を第一の表面に有してなり、該粒子状の凸部が、非最密配置により不規則に配置され、かつ、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を収容し、成形後に一方の表面に離型してなることを特徴とする光学機能性シート。
【請求項2】
互いに異なる大きさの粒子状の凸部が配置された請求項1に記載の光学機能性シート。
【請求項3】
下記式で表される第一の表面に配置された粒子状の凸部の第一の表面における被覆率(%)が30〜92%である請求項1から2のいずれかに記載の光学機能性シート。
〔式〕
第一の表面に配置された粒子状の凸部の投影面積計/第一の表面の表面積×100
【請求項4】
第一の表面に配置された粒子状の凸部間のピッチが、該粒子状の凸部の直径の1〜1.65倍である請求項1から3のいずれかに記載の光学機能性シート。
【請求項5】
3種の互いに異なる大きさの粒子状の凸部が配置され、該粒子状の凸部の投影面積比が1:15:15以内である請求項1から4のいずれかに記載の光学機能性シート。
【請求項6】
粒子状の凸部がコリンズ格子状に配置された請求項2から4のいずれかに記載の光学機能性シート。
【請求項7】
粒子状の凸部が、略半球体、略半楕円体、略円錐、及び多面体の少なくともいずれかをなす請求項1から6のいずれかに記載の光学機能性シート。
【請求項8】
多面体が、六面体、三角錐、及び四角錘の少なくともいずれかである請求項7に記載の光学機能性シート。
【請求項9】
粒子状の凸部が配置されない第二の表面に対向して光源を設けて用いられる請求項1から8のいずれかに記載の光学機能性シート。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の光学機能性シートを用いた照明装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等のディスプレイ、表示装置、照明装置などに使用され、集光機能と光拡散機能との双方を備えた光学機能性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子や有機EL等のディスプレイなどの用途に、導光板等の光源からの光を正面方向に光を集光するレンズフィルムや、拡散させる拡散シート等が用いられている。
例えば、図7に示すような、テレビなどで用いられる直下型バックライトでは、導光板等の光源42からの出射光は、集光フィルム(光学シート)41に入射し、入射光の一部は集光フィルム41で屈折透過して出射の角度が変わり正面方向に出射し、残りが反射して光源45の方向に戻される。集光フィルム41からの反射光は、光源42、拡散板43、拡散シート44などの表面で反射され、再び集光フィルムに入射する。
このような構成により、光源の出射光の輝度分布は広く分散しており、正面の輝度は低くなる特性を有しているため、集光フィルム41によって光源からの光を正面方向の輝度が高くなるように指向特性を改善している。
前記集光フィルムにおいても種々の提案がされており、例えば特許文献1では、モアレ干渉縞の発生を抑制することを目的として、プリズム構造のピッチをランダムにした提案が記載されている。
【0003】
しかし、前記特許文献1に記載の提案も含めた従来の液晶ディスプレイのバックライトユニット(以下BLU)では、拡散シート及びプリズムシートのような光学シートを、複数枚重層することにより、正面輝度が高いという集光機能と、モアレ等の周期的パターンが発生しない及び光強度の均一性が高いという光拡散機能とを得ていた。また、特許文献1に記載の提案は、プリズム構造をライン状に配設した例である。
ここで、集光機能を実現するのに適しているのは、一般的に前記集光フィルムのようなプリズムシート(以下「PS」とも称す)と呼ばれる形態を有する光学シートであるが、PSは周期的な構造をしており、PSの上層に拡散シート(以下「DS」とも称す)が必要となる。このDSにより、サイドローブと呼ばれる広角側の光散乱も抑制している。しかし、DSは光拡散機能としては優れているが、集光機能としてはPSよりは劣っておりDSのみでは十分な集光機能を得ることができない。
【0004】
このため、1枚のシートにより、集光機能と光拡散機能との双方を備えた光学機能性シートが提案されており、この光学機能性シートにおいても、輝度の向上を目的としてプリズム突起を不規則に配置した提案(特許文献2参照)、集光機能と光拡散機能との制御のために、互いに異なる大きさのボート底形状(略紡錘状)のプリズム突起を配置した提案(特許文献3参照)がされている。
しかしながら、プリズム突起は、その表面が傷つきやすく取り扱いにくい問題がある。特に、前記特許文献2に記載の提案は、導光板の厚みが徐々に変化する、いわゆる楔型の導光板で適用されるものであり、光源を光学機能性シートの裏面に対向して設けて用いる場合には適用し得ない。
【0005】
このため、プリズムの代わりに粒子で集光機能と光拡散機能との制御を図った例として、粒子のサイズ分布等を付与して透過率乃至屈折率を規定した提案(特許文献4参照)、粒径が、相対的に大きな粒子をシート表面に突設し、相対的に小さな粒子をシート内に埋設した提案(特許文献5参照)がされている。
しかし、いずれの提案も、粒子をシートに塗布して設けるため、粒子を所望の不規則配置にすることや大量生産を行なうことが困難である。
【0006】
したがって、光拡散機能と集光機能とを制御でき、かつ粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、生産性の高い光学機能性シート及びこれを用いた照明装置は未だ提供されておらず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特開平6−82635号公報
【特許文献2】特開2002−116441号公報
【特許文献3】特開2006−11439号公報
【特許文献4】特開2003−107214号公報
【特許文献5】特開平6−94904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、光拡散機能と集光機能とを制御でき、かつ粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、生産性の高い光学機能性シート及びこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 粒子状の凸部を第一の表面に有してなり、該粒子状の凸部が、非最密配置により不規則に配置され、かつ、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を収容し、成形後に一方の表面に離型してなることを特徴とする光学機能性シートである。
<2> 互いに異なる大きさの粒子状の凸部が配置された前記<1>に記載の光学機能性シートである。
<3> 下記式で表される第一の表面に配置された粒子状の凸部の第一の表面における被覆率(%)が30〜92%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学機能性シートである。
〔式〕
第一の表面に配置された粒子状の凸部の投影面積計/第一の表面の表面積×100
<4> 第一の表面に配置された粒子状の凸部間のピッチが、該粒子状の凸部の直径の1〜1.65倍である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学機能性シートである。
<5> 3種の互いに異なる大きさの粒子状の凸部が配置された前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学機能性シートである。
<6> 粒子状の凸部の投影面積比が1:15:15以内である前記<5>に記載の光学機能性シートである。
<7> 粒子状の凸部がコリンズ格子状に配置された前記<2>から<4>のいずれかに記載の光学機能性シートである。
<8> 粒子状の凸部が、略半球体、略半楕円体、略円錐、及び多面体の少なくともいずれかをなす前記<1>から<7>のいずれかに記載の光学機能性シートである。
<9> 多面体が、六面体、三角錐、及び四角錘の少なくともいずれかである前記<8>に記載の光学機能性シートである。
<10> 粒子状の凸部が配置されない第二の表面に対向して光源を設けて用いられる前記<1>から<9>のいずれかに記載の光学機能性シートである。
【0010】
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の光学機能性シートを用いた照明装置である。
【0011】
本発明の光学機能性シートは、粒子状の凸部を第一の表面に有してなり、該粒子状の凸部が、非最密配置により不規則に配置され、かつ、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を収容し、成形後に一方の表面に離型してなる。
このように、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を収容し、成形後に一方の表面に離型してなるため、粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、大量生産も容易である。また、粒子状の凸部を第一の表面に有してなり、該粒子状の凸部が、非最密配置により不規則に配置されてなるため、光拡散機能と集光機能とを制御できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、従来における前記問題を解決でき、光拡散機能と集光機能とを制御でき、かつ粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、生産性の高い光学機能性シート及びこれを用いた照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の光学機能性シートは、粒子状の凸部を第一の表面に有してなり、該粒子状の凸部が非最密配置により不規則に配置されてなる。
ここで、本発明においては、前記第一の表面の全部において粒子状の凸部が不規則に配置されている場合のみならず、その一部で規則的に配置されている箇所があっても、相対的に不規則な箇所が多い場合も含むものとする。ただし、集光機能と光拡散機能とをより適したバランスにする観点からは、前記第一の表面の全部において不規則に配置されていることが好ましい。
また、本発明において、「最密配置」とは、同一サイズの粒子がシート表面に最密に配置していることを意味する。
更に、本発明において、「第一の表面」とは、光学機能性シートにおける前記粒子状の凸部が配置されている側の表面を意味する。
【0014】
前記粒子状の凸部の配置密度は、最密配置とならない限り特に制限はないが、光拡散機能と集光機能とのバランスを図る観点から、下記式で表される第一の表面に配置された粒子状の凸部の第一の表面における被覆率(%)が、概ね、30〜92%であることが好ましく、70〜92%であることがより好ましい。なお、下記式において、面積の単位は、粒子状の凸部の投影面積及び第一の表面の表面積双方で同じ単位を用いていれば特に制限はない。
〔式〕
第一の表面に配置された粒子状の凸部の投影面積計/第一の表面の表面積×100
前記被覆率は、上述の範囲とすることにより、相対的に密に配置された箇所で集光機能を、相対的に疎に配置された箇所で光拡散機能を、適度に付与することができ、光拡散機能と集光機能との制御を図ることができる。前記被覆率が、30%未満であると、横方向での光度が弱くなり、集光機能が低くなることがあり、92%を超えると、正面方向での光度が弱くなり、光拡散機能が低くなることがある。
ここで、前記被覆率を測定する際の投影面積及び表面積とは、第一の表面を法線方向から平面視した場合の投影面積及び表面積を意味する。
前記第一の表面に配置された粒子状の凸部間のピッチは、前記粒子状の凸部の配置密度と同様な観点から、該粒子状の凸部の直径の、1〜1.65倍であることが好ましく、1〜1.26倍であることがより好ましい。前記ピッチが、前記直径の1.65倍を超えると、粒子状の凸部の配置が低密度となりすぎて集光機能が低くなることがある。なお、前記粒子状の凸部間のピッチは、対比される粒子状の凸部間の最も接近した距離を意味する。
【0015】
前記粒子状の凸部は、目的とする配置における格子点上に配置する。したがって、前記被覆率及び粒子状の凸部間ピッチを上述の好ましい範囲とするためには、例えば、被覆率を100%とした場合の配置の格子、正方格子などから、任意に格子を間引く方法、予めコンピュータシミュレーションにより所望の被覆率となる場合の格子を設定しておく方法が挙げられる。
【0016】
前記粒子状の凸部は、非最密配置であれば略単一の大きさの粒子のみを用いてもよいが、不規則性を高めてモアレ等の発生を防止する観点からは、互いに異なる大きさの粒子を配置することが好ましい。
このように互いに異なる大きさの粒子状の凸部を配置する場合には、特に制限はないが、光拡散機能と集光機能とをより適したバランスにする観点から、3種類以上の互いに異なる大きさの粒子状の凸部を配置することが好ましく、簡便に配置する観点から、3種類の互いに異なる大きさの粒子状の凸部を配置することがより好ましい。
また、前記粒子状の凸部の大きさの比としても、特に制限はないが、集光機能と光拡散機能とをより適したバランスにする観点からは、相対的に小さな粒子状の凸部の大きさが、相対的に大きな粒子状の凸部の大きさに比して小さいほど好ましい。
具体的には、例えば、3種類の互いに異なる粒子状の凸部を配置した場合には、その投影面積比が、1:15:15以内であることが好ましく、1:2:4〜1:1.3:1.7であることがより好ましい。
【0017】
また、前記粒子状の凸部の不規則な配置としては、コリンズ格子状の配置も挙げられる。なお、コリンズ格子とは、例えば図1に示すように、等しい辺をもつ正方形と正三角形で平面をしきつめる格子であり、このような配置とすることにより、不規則な配置が可能となる。
前記コリンズ格子状の配置の場合には、コリンズ格子上に前記粒子状の凸部を配置する。
また、前記コリンズ格子状の配置においても、前記被覆率及び粒子状の凸部間ピッチを好ましい範囲内とするために、コリンズ格子から格子を間引いて配置してもよい。
【0018】
前記粒子状の凸部の形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略半球体、略半楕円体、略円錐、多面体などが挙げられ、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多面体は、特に制限はないが、設計が容易な観点から、六面体、三角錐、四角錐が好適に挙げられる。
【0019】
前記粒子状の凸部の大きさは、例えば、配置された粒子状の凸部の中で最も大きな粒子状の凸部の粒径が、10〜100μmであることが好ましく、40〜60μmであることがより好ましい。また、配置された粒子状の凸部の中で最も大きな粒子状の凸部以外の最大幅は、上述した好適な投影面積比となるように適宜選択することが好ましい。ここで、前記粒径は、粒子状の凸部が、略半楕円体である場合にはその長径、多面体である場合にはその最も広い幅を意味する。
【0020】
前記光学機能性シートでは、例えば図2に示すように、光源体3からの光が、光学機能性シート1内へ導かれ、この光学機能性シート1の粒子状の凸部2,2・・から出射される。ここで、粒子状の凸部2は、図示の例では、互いに大きさの異なるものが不規則に配置されているので、相対的に大きな粒子状の凸部(例えば図中のa)により集光機能の向上が図られ、相対的に小さな粒子状の凸部(例えば、図中のb及びc)により光拡散機能の向上が図られる。したがって、光拡散機能と集光機能とのバランスを制御できる。
【0021】
また、光学機能性シート1は、図示はしないが、粒子状の凸部2,2・・が形成された第一の表面1Aと反対側の面である、第二の表面1Bに、この第二の表面1Bと対向かつ当接して平面状の光源体が設けられていることが好ましい。
【0022】
光学機能性シート1の材質としては、特に制限はないが、透光性が高く、平面性、成形性に富むものが好ましく、例えば、ガラス、プラスチック(ポリカーボネート、アクリル等)などによって成形された透光性フィルムが好適に挙げられる。また、集光効果を高める上で、屈折率が1.4以上のものが好ましい。
光学機能性シート1の厚みは、シート本来の機能が発揮可能な限り薄いことが好ましい。
【0023】
前記光源体としては、平面状に設けて発光可能であるものであれば特に制限はなく、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(以下、単に「有機EL」と称する)素子、LEDや、点状、円盤状、球状等の形状の光源を単数乃至複数配置したもの、などが挙げられる。
【0024】
−製造方法−
前記粒子状の凸部は、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を収容し、成形後に一方の表面に離型してなる。
このような方法としては、例えば、前記粒子状凸部形成材料として紫外線硬化樹脂を用いた方法が挙げられる。該紫外線硬化樹脂を用いた方法では、まず、粒子状の凸部形状に対応した成形型にロールコート法、グラビア法、ディスペンサー法、ダイコート法等により紫外線硬化樹脂を収容する。ここで、該収容は、充填であることが好ましい。次いで、成形型に収容した紫外線硬化樹脂上に透明基材を積層し、加圧ローラで加圧して紫外線硬化型樹脂と透明基材とを密着させる。次に、透明基材上から紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させる。最後に、硬化した紫外線硬化樹脂を成形型から離型して光学機能性シートを完成する。このように製造された光学機能性シートは、必要に応じて所定の寸法に裁断されて使用される。
【0025】
また、上述した紫外線硬化型樹脂を用いた方法以外にも、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂素材を用いて、i)光学シートに対応する成形型にモノマー状態の樹脂素材を収容して重合硬化させ、その後離型する方法(キャスティング法)や、ii)同様の成形型に加熱した樹脂素材を収容し、加圧して成形した後に離型する方法(熱プレス法)等が挙げられる。
【0026】
−用途−
本発明の光学機能性シートは、光拡散機能と集光機能とを制御でき、かつ粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、生産性が高いので、液晶表示装置、有機EL等の様々なディスプレイ、表示装置、照明装置などにおいて、光の出射効率、出射特性を調整するために好適に用いることができる。特に、光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0028】
〔実験1〕
−異なる大きさの粒子状の凸部を配置することによる不規則性について−
(実施例1)
コンピュータシミュレーションにより、光学機能性シートの第一の表面となる面に、投影面積比が1:2:4である互いに大きさが異なる3種類の粒子状の凸部を、下記式で表される被覆率100%で、紫外線硬化樹脂を用い、粒子状の凸部の形状に対応した成形型に、前記粒子状の凸部を形成するための粒子状凸部形成材料を充填し、成形後に一方の表面に離型してなる方法にて配置した場合の周期性を評価した。結果を図3に示す。
〔式〕
第一の表面に配置された粒子状の凸部の投影面積計/第一の表面の表面積×100
図3の結果から、得られる光学機能性シートは、高い不規則性を有し、モアレ等の周期的なパターンが抑制できることが判った。
【0029】
(実施例2)
実施例1において、互いに大きさが異なる3種類の粒子状の凸部の投影面積比を、24:25:26とした以外は同様に、周期性を評価した。結果を図4に示す。
図4の結果から、得られる光学機能性シートは、不規則性を有し、実施例1には劣るものの、モアレ等の周期的なパターンが抑制できることが判った。
【0030】
(比較例1)
実施例1において、同じ大きさの粒子状の凸部のみ、すなわち最密配置とした以外は同様に、周期性を評価した。結果を図5に示す。
図5の結果から、得られる光学機能性シートは、モアレ等の周期的なパターンが発生することが判った。
【0031】
なお、図3〜図5において、数値の単位はμm、横軸は光学機能性シートにおける水平方向、縦軸は前記水平方向に対して直行する方向を、それぞれ表す。
【0032】
〔実験2〕
−光拡散機能と集光機能とのバランス制御について−
(実施例3)
コンピュータシミュレーションにより、前記被覆率80%、それぞれ直径が、50μm、48μm、52μmの粒子状の凸部を、1:4:5の混合比で配置した光学機能性シートの第一の表面を、ほぼ真横(87.5°)からほぼ正面(177.5°)までの方向で観た場合の光度をプロットした。結果を表1及び図6に示す。ここで、光源としては、光学機能性シート1の第二の表面1Bに対向して設けてなる光源体を想定している。なお、図6中、「コーンランダム配置」とあるのが、本例の結果である。
【0033】
(実施例4)
実施例3の配置とした場合の格子点から、不規則に格子点を間引き、被覆率約70%の配置とした以外は、実施例3と同様にして光度をプロットした。結果を表1に示す。
【0034】
(実施例5)
実施例4において、間引く格子点を多くして被覆率約60%の配置とした以外は同様に、光度をプロットした。結果を表1及び図6に示す。なお、図6中、「コーンランダム配置間引き大」とあるのが本例の結果である。
【0035】
(参考例1)
実施例3において、正方格子に基づく規則的な配置とした以外は同様に、光度をプロットした。結果を表1に示す。
【0036】
(参考例2)
光学機能性シートでなく、用いられる光源における光度を、実施例3と同様にプロットした。結果を表1及び図6に示す。なお、図6中、「光源データ」とあるのが本例の結果である。
【0037】
(比較例2)
実施例3において、粒子状の凸部の配置を最密配置とした以外は同様に、光度をプロットした。結果を表1及び図6に示す。なお、図6中、「コーン最密配置」とあるのが本例の結果である。
【0038】
(比較例3)
プリズム(屈折率1.65、プリズム頂角90°)のみが形成されたシートを用いた場合の光度を、実施例3と同様にプロットした。結果を表1及び図6に示す。なお、図6中、「プリズムのみ(N1.65、P90)」とあるのが本例の結果である。
【0039】
(比較例4)
プリズム構造が形成されていない光拡散シートを用いた場合の光度を、90°から180°までの間で実施例3と同様にプロットした。結果を表2及び図6に示す。なお、図6中、「拡散シート」とあるのが本例の結果である。
【0040】
(比較例5)
比較例3のプリズムのみが形成されたシートと、比較例4の拡散シートを組み合わせた場合の光度を、90°から180°までの間で実施例3と同様にプロットした。結果を表2及び図6に示す。なお、図6中、「拡散+プリズムシート」とあるのが本例の結果である。
【0041】
なお、図6中において、横軸の数値は角度(°)、縦軸の数値は光度(cd)を、それぞれ表す。
【0042】
【表1】


【表2】


【0043】
表1、表2、及び図6の結果から、粒子状の凸部が非最密配置により不規則に配置されてなる実施例3〜5では、正面方向及び横方向のいずれから観た場合であっても、光度が高く、光拡散機能と集光機能とのバランスが制御されていることが判った。これに対し、粒子状の凸部が規則的に配置されてなる比較例2では、正面方向から観た場合の光度は実施例3〜5より高く、集光機能には優れているものの、周期構造が発生することから、光拡散機能は弱く、光拡散機能と集光機能とのバランスが十分でないことが判った。
また、比較例5のように、単にプリズムのみが形成されたシートと光拡散シートとを組み合わせたのみでは、集光性が得られないことが判った。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の光学機能性シートは、光拡散機能と集光機能とを制御でき、かつ粒子を所望の不規則配置にすることが容易で、生産性が高いので、液晶表示装置、有機EL等の様々なディスプレイ、表示装置、照明装置などにおいて、光の出射効率、出射特性を調整するために好適に用いることができる。特に、光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、コリンズ格子の一例を示す図である。
【図2】図2は、本発明の光学機能性シートの一例を示す概略断面図である。
【図3】図3は、実施例1の結果を示す分布図である。
【図4】図4は、実施例2の結果を示す分布図である。
【図5】図5は、比較例1の結果を示す分布図である。
【図6】図6は、実験2の結果を示すグラフである。
【図7】図7は、従来の光学機能性シートの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 光学機能性シート
2 粒子状の凸部
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一

【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広

【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子


【公開番号】 特開2008−3246(P2008−3246A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171614(P2006−171614)