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【発明の名称】 ディスプレイ用光学シート及びその製造方法
【発明者】 【氏名】桑田 彩

【氏名】勝本 隆一

【氏名】永野 英男

【要約】 【課題】光拡散シートと集光シートとを全面接着しても、集光・拡散機能が低下することがないので、製造ラインの大幅な効率化及び簡素化を図ることが可能となり、製造コストの削減となる。

【構成】本発明のディスプレイ用光学シート10は、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の裏面とが接着層13を介して全面接着されていると共に、前記凹凸パターン12Aの凸部A先端の接着埋没量tが凸部A高さ全長の1/3以下になるように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光シートの凹凸パターンが形成された表面と、光拡散シートの平坦な裏面とを全面接着するディスプレイ用光学シートの製造方法であって、
前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように、前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項2】
光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とを全面接着するディスプレイ用光学シートの製造方法であって、
前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように、前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項3】
集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と前記光拡散シートの平坦な裏面、とのいずれか1の関係で前記集光シートと前記光拡散シートとを3シート以上全面接着するディスプレイ用光学シートの製造方法であって、
前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように、及び前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように、前記シート同士を全面接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項4】
前記集光シートの凹凸パターンを形成する工程では、他の凸部の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高凸部を、前記凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することを特徴とする請求項1のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項5】
前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンの表面を形成する工程では、他の半球部又は他の粒子の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高半球部又は背高粒子を、前記半球パターン全体又は前記拡散凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することを特徴とする請求項2のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項6】
前記集光シートの凹凸パターンを形成する工程では、他の凸部の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高凸部を、前記凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成すると共に、前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンを形成する工程では、他の半球部又は他の粒子の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高半球部又は背高粒子を、前記半球パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することを特徴とする請求項3のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項7】
シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に凹凸パターンが形成された集光シートを形成する集光シート形成工程と、
シートの平面サイズが製品サイズ以上である光拡散シートの裏面全面に接着剤を塗布して接着層を形成する接着剤塗布工程と、
前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と前記光拡散シートの接着層面とを、前記凹凸パターンの凸部先端の前記接着層への接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、
前記積層体の接着層を硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、
前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項8】
シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された光拡散シートを形成する光拡散シート形成工程と、
シートの平面サイズが製品サイズ以上である集光シートの裏面全面に接着剤を塗布して接着層を形成する接着剤塗布工程と、
前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの接着層面とを、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の前記接着層への接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、
前記積層体の接着層を硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、
前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項9】
前記接着剤塗布工程と前記積層工程との間に、前記接着層の粘度調整を行う粘度調整工程を備えたことを特徴とする請求項7又は8のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項10】
前記接着剤塗布工程では、前記凹凸パターンの凸部高さに応じて、前記接着埋没量が確保されるように前記接着層の塗布厚みを調整することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項11】
シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に凹凸パターンが硬化性樹脂によって形成された集光シートの前記凹凸パターン面を半硬化状態で形成する集光シート形成工程と、
シートの平面サイズが製品サイズ以上である光拡散シートの裏面に表面改質処理を施す表面改質処理工程と、
前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と表面改質処理を施した光拡散シートの裏面とを、前記凹凸パターンの凸部先端の前記光拡散シート裏面への埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、
前記集光シートを完全硬化状態になるように硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、
前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項12】
シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが硬化性樹脂によって形成された光拡散シートの前記半球パターン面又は拡散凹凸パターン面を半硬化状態で形成する光拡散シート形成工程と、
シートの平面サイズが製品サイズ以上である集光シートの裏面に表面改質処理を施す表面改質処理工程と、
前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンが形成された表面と表面改質処理を施した集光シートの裏面とを、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の前記集光シート裏面への接着埋没量が前記半球部高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、
前記集光シートを完全硬化状態になるように硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、
前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項13】
前記表面改質処理は、易接着処理、プラズマ処理、UV照射処理、コロナ処理の少なくとも1つであることを特徴とする請求項11又は12のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項14】
前記集光シートの凹凸パターンは、該集光シートの全面に錐体構造を縦横に等ピッチで格子状に配列したパターンであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項15】
前記錐体構造の凹凸パターンにおいて、凸部の上端に平坦面が形成されていることを特徴とする請求項14のディスプレイ用光学シートの製造方法。
【請求項16】
集光シートの凹凸パターンが形成された表面と、光拡散シートの平坦な裏面とが全面接着されていると共に、前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように形成されて成ることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項17】
光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とが全面接着されていると共に、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部の高さ全長の1/3以下になるように形成されて成ることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項18】
集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンが形成された表面と前記光拡散シートの平坦な裏面、とのいずれか1の関係で前記集光シートと前記光拡散シートとを3シート以上全面接着されていると共に、前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように形成され、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように形成されて成ることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用光学シート及びその製造方法に係り、特に、液晶表示素子等に使用されるディスプレイ用光学シートを、光拡散シートと集光シートとを積層して製造する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させる光拡散シートや、正面方向に光を集光する集光シート(レンズシート)等の光学シートが用いられている。この場合、各種の光学シートを積層して使用する例が多い。例えば、特許文献1においては、反射型偏光シートと位相差シートと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光シートが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものシートが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。
【0003】
また、特許文献2には、光拡散シートと集光シートとを積層させて機能を一体化した調光シートが開示されている。
【特許文献1】特開2004−184575号公報
【特許文献2】特開平5−173134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、光拡散シートと集光シートを積層させることで、それぞれの光学シートが有する機能を複合化した積層体が提案され、積層体とすることで傷等の欠陥数を低減できるだけでなく、組立て工数を削減できる等の効果が期待されている。
【0005】
ところで、組立ての効率化を図るには、製品サイズよりも大きなウエブ状の光拡散シートと集光シートとを工程中に連続搬送しながら積層体を形成して、最後に製品サイズに裁断することが好ましいが、工程中で光拡散シートと集光シートとが剥離したり、ズレたりしないように、光拡散シートと集光シートとを全面接着することが好ましい。また、光拡散シートと集光シートとを全面接着することで、積層体の剛性を上げることができ、この点からも全面接着するメリットがある。
【0006】
しかしながら、全面接着すると、集光・拡散機能が低下するというディスプレイ用光学シートにとって致命的な問題が生じることが多い。
【0007】
このことから、光拡散シートと集光シートとを積層した積層体の端部や周縁部を部分的に接着することで、集光・拡散機能が低下を防止することも考えられるが、この方法は、光拡散シートと集光シートとを製品サイズに裁断してから接着しなくてはならず、組立の効率が低下したり、工程数が増加したりする問題がある。
【0008】
従って、光拡散シートと集光シートとを全面接着しても、集光・拡散機能が低下しないか又は液晶光学素子の光学フィルムとして問題ない低下のディスプレイ用光学シートを製造できれば、製造ラインの大幅な効率化及び簡素化を図ることが可能となり、製造コストの削減になる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、光拡散シートと集光シートとを全面接着しても、集光・拡散機能が低下することがないので、積層体の剛性を上げることができると共に、製造ラインの大幅な効率化及び簡素化を図ることが可能となり、製造コストの削減となるディスプレイ用光学シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者は、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と、光拡散シートの平坦な裏面とを全面接着するときに、集光・拡散機能が低下する原因として、集光シートの凹凸パターンの凸部が接着剤の接着層(接着剤を使用しない場合には光拡散シートの裏面)に埋没することにより、凹凸パターンの凹部(凸部と凸部との間に形成される凹部)に十分な厚みの空気層を確保できなくなるためであるとの知見を得た。そして、凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が凸部高さ全長の1/3以下になるように、光拡散シートと集光シートとを全面接着すれば、全面接着した場合であっても集光・拡散機能の低下を防止できることが分かった。
【0011】
同様に、光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とを全面接着するときに、集光・拡散機能が低下する原因として、光拡散シートの半球パターンの半球部が接着剤の接着層や集光シートの裏面に埋没することにより、半球パターンの凹部(半球部と半球部との間に形成される凹部)に十分な厚みの空気層を確保できなくなるためであるとの知見を得た。そして、半球パターンの半球部先端又は拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が半球部又は粒子の高さ全長の1/3以下になるように、光拡散シートと集光シートとを全面接着すれば、全面接着した場合であっても集光・拡散機能の低下を防止できることが分かった。
【0012】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と、光拡散シートの平坦な裏面とを全面接着するディスプレイ用光学シートの製造方法であって、前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように、前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0013】
本発明の請求項1によれば、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの裏面とを、凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が凸部高さ全長の1/3以下になるように、集光シートと光拡散シートとを全面接着するようにしたので、全面接着しても集光・拡散機能が低下しない。また、低下したとしても、液晶表示素子の光学フィルムとして問題ない低下に抑制できる。
【0014】
請求項1において、「全面接着」とは、光拡散シートと集光シートとの合わせ面全体を接着面として利用することを意味し、実際には、光拡散シートの裏面に塗布された接着層(接着剤を使用する場合)と集光シートの凹凸パターンの凸部先端との接触部分が接着されることになる。また、「接着埋没量」とは、接着剤の接着層を介して光拡散シートと集光シートとを全面接着する場合には、集光シートの凹凸パターンの凸部先端が接着層内に埋没する長さであり、接着剤を使用せずに光拡散シートと集光シートとを全面接着する場合には、集光シートの凹凸パターンの凸部先端が光拡散シートの裏面内に埋没する長さ又は凸部先端の接着に寄与する長さである。
【0015】
本発明の請求項2は前記目的を達成するために、光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とを全面接着するディスプレイ用光学シートの製造方法であって、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように、前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0016】
本発明の請求項2によれば、光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とを、半球パターンの半球部先端又は拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が半球部又は粒子の高さ全長の1/3以下になるように、集光シートと光拡散シートとを全面接着するようにしたので、全面接着しても集光・拡散機能が低下しない。また、低下したとしても、液晶表示素子の光学フィルムとして問題ない低下に抑制できる。
【0017】
請求項2において、「全面接着」とは、光拡散シートと集光シートとの合わせ面全体を接着面として利用することを意味し、実際には、集光シートの裏面に塗布された接着層(接着剤を使用する場合)と光拡散シートの半球パターンの半球部先端又は拡散凹凸パターンの粒子先端との接触部分が接着されることになる。また、「接着埋没量」とは、接着剤の接着層を介して光拡散シートと集光シートとを全面接着する場合には、光拡散シートの半球パターンの半球部先端又は拡散凹凸パターンの粒子先端が接着層内に埋没する長さであり、接着剤を使用せずに光拡散シートと集光シートとを全面接着する場合には、光拡散シートの半球パターンの半球部先端又は拡散凹凸パターンの粒子先端が集光シートの裏面内に埋没する長さ又は半球部先端又は粒子先端の接着に寄与する長さである。
【0018】
本発明の請求項3は前記目的を達成するために、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と前記光拡散シートの平坦な裏面、とのいずれか1の関係で前記集光シートと前記光拡散シートとを3シート以上全面接着するディスプレイ用光学シートの製造方法であって、前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように、及び前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように、前記シート同士を全面接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0019】
本発明の請求項3によれば、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、及び光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と集光シートの平坦な裏面、及び集光シートの凹凸パターンが形成された表面と集光シートの平坦な裏面、及び光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、とのいずれか1の関係で集光シートと前記光拡散シートとを3シート以上全面接着する際に、凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が凸部高さ全長の1/3以下になるように、及び半球パターンの半球部先端又は拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が半球部又は粒子の高さ全長の1/3以下になるように、シート同士を全面接着するようにしたので、全面接着しても集光・拡散機能が低下しない。また、低下したとしても、液晶表示素子の光学フィルムとして問題ない低下に抑制できる。また、集光シート同士の全面接着あるいは光拡散シート同士を全面接着によって、集光シート又は光拡散シートが一枚の場合に比べて、集光機能や光拡散機能を向上できる。
【0020】
尚、請求項3における「全面接着」及び「接着埋没量」については、上述した請求項1及び2の説明を参照。
【0021】
請求項4は請求項1において、前記集光シートの凹凸パターンを形成する工程では、他の凸部の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高凸部を、前記凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することを特徴とする。
【0022】
請求項4によれば、集光シートの凹凸パターンを形成する工程において、集光シートの凹凸パターンの凸部のうちの一部(凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合)について背の高い背高凸部(他の凸部の1倍を超え、1.5倍以下)を形成するようにしたので、集光シートと光拡散シートとを全面接着するときに、背高凸部以外の凸部が接着層、又は光拡散シートの裏面に接触しないようにできる。これにより、凹凸パターンの凹部に形成する空気層の厚みを一層厚くできるので、全面接着しても集光・拡散機能が一層低下しない。
【0023】
尚、請求項4の場合には、背高凸部先端の接着埋没量が背高凸部高さ全長の1/3以下になるようにすることが好ましい。
【0024】
請求項5は請求項2において、前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンの表面を形成する工程では、他の半球部又は他の粒子の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高半球部又は背高粒子を、前記半球パターン全体又は前記拡散凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することを特徴とする。
【0025】
請求項5によれば、光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンを形成する工程において、光拡散シートの半球パターンの半球部又は拡散凹凸パターンの粒子のうちの一部(半球パターン又は拡散凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合)について背の高い背高半球部又は背高粒子(他の半球部又は粒子の1倍を超え、1.5倍以下)を形成するようにしたので、集光シートと光拡散シートとを全面接着するときに、背高半球部又は背高粒子以外の半球部又は粒子が接着層、又は光拡散シートの裏面に接触しないようにできる。これにより、半球パターン又は拡散凹凸パターンの凹部に形成する空気層の厚みを一層厚くできるので、全面接着しても集光・拡散機能が一層低下しない。
【0026】
尚、請求項5の場合には、背高半球部先端又は背高粒子の接着埋没量が背高半球部高さ全長の1/3以下になるようにすることが好ましい。
【0027】
請求項6は請求項3において、前記集光シートの凹凸パターンを形成する工程では、他の凸部の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高凸部を、前記凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成すると共に、前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンを形成する工程では、他の半球部又は他の粒子の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高半球部又は背高粒子を、前記半球パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することを特徴とする。
【0028】
請求項6のように、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、及び光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と集光シートの平坦な裏面、及び集光シートの凹凸パターンが形成された表面と集光シートの平坦な裏面、及び光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、とのいずれか1の関係の場合にも、上述した請求項4及び5で説明した理由から、空気層の厚みを一層厚くできるので、全面接着しても集光・拡散機能が一層低下しない。
【0029】
本発明の請求項7は前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に凹凸パターンが形成された集光シートを形成する集光シート形成工程と、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光拡散シートの裏面全面に接着剤を塗布して接着層を形成する接着剤塗布工程と、前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と前記光拡散シートの接着層面とを、前記凹凸パターンの凸部先端の前記接着層への接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、前記積層体の接着層を硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0030】
本発明の請求項7は、ディスプレイ用光学シートを製造する際の好適な工程全体を示したものであり、接着層を介して全面接着する工程である。
【0031】
本発明の請求項7によれば、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの接着層面とを、凹凸パターンの凸部先端の接着層への接着埋没量が凸部高さ全長の1/3以下になるように全面接着するようにしたので、全面接着しても集光・拡散機能が低下しない。また、低下したとしても、液晶表示素子の光学フィルムとして問題ない低下に抑制できる。これにより、シートの平面サイズが製品サイズ以上の集光シートと光拡散シートとを積層して全面接着した後で製品サイズに裁断することができる。
【0032】
従って、従来のように、光拡散シートと集光シートとをそれぞれ製品サイズに裁断する工程が省け、光拡散シートと集光シートとをそれぞれ位置決めしながら積層する工程も省ける。これにより、製造ラインの大幅な効率化及び簡素化を図ることが可能となり、製造コストの削減となる。
【0033】
接着剤の種類としては、例えば、粘性を有する樹脂、紫外線硬化接着剤、熱硬化接着剤、熱可塑性樹脂等を好ましく使用することができる。特に、集光シートの凹凸パターンを形成するときの樹脂と同じ樹脂を使用することが好ましい。
【0034】
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された光拡散シートを形成する光拡散シート形成工程と、シートの平面サイズが製品サイズ以上である集光シートの裏面全面に接着剤を塗布して接着層を形成する接着剤塗布工程と、前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの接着層面とを、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の前記接着層への接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、前記積層体の接着層を硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0035】
請求項8は、光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とを接着剤の接着層を介して全面接着する場合であり、基本的な構成は請求項7と同様である。
【0036】
請求項9は請求項7又は8において、前記接着剤塗布工程と前記積層工程との間に、前記接着層の粘度調整を行う粘度調整工程を備えたことを特徴とする。
【0037】
接着剤塗布工程と前記積層工程との間に、前記接着層の粘度調整を行う粘度調整工程を備えたので、接着層に埋没する凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量を変えることができる。これにより、凹部の空気層厚みと接着強度の両方を調整できる。
【0038】
請求項10は請求項7〜9のいずれか1において、前記接着剤塗布工程では、前記凹凸パターンの凸部高さに応じて、前記接着埋没量が確保されるように前記接着層の塗布厚みを調整することを特徴とする。
【0039】
例えば、凸部高さ(あるいは半球部又は粒子の高さ)が25μmの場合、接着層の塗布厚みを8μm以下にすれば、凸部(あるいは半球部又は粒子の高さ)が接着層の厚みと同じ接着埋没量になったとしても、接着埋没量1/3以下を確保することができる。
【0040】
本発明の請求項11は前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に凹凸パターンが硬化性樹脂によって形成された集光シートの前記凹凸パターン面を半硬化状態で形成する集光シート形成工程と、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光拡散シートの裏面に、表面改質処理を施す表面改質処理工程と、前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と表面改質処理を施した光拡散シートの裏面とを、前記凹凸パターンの凸部先端の前記光拡散シート裏面への埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、前記集光シートを完全硬化状態になるように硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0041】
ここで、凹凸パターン面が半硬化状態とは、凹凸パターンが流動しない程度の自己支持性を有すると共に、凹凸パターン面に粘着性が発揮される状態を言う。
【0042】
本発明の請求項11は、接着剤による接着層を形成しないで集光シートと光拡散シートとを全面接着する場合であり、集光シート形成工程では、平面サイズが製品サイズ以上であると共に、凹凸パターンが全面に形成された硬化樹脂製の集光シートを半硬化状態で形成する。これにより、集光シートの凹凸パターンが形成された表面に接着性が発揮されるので、この半硬化状態の集光シートと裏面に改質処理を施した光拡散シートとを、凹凸パターンの凸部先端の前記光拡散シート裏面への埋没量が凸部高さ全長の1/3以下になるように積層してから半硬化状態の集光シートを完全硬化させる。これにより、接着剤を使用しないで、集光シートと光拡散シートとを全面接着することができるので、全面接着した後で製品サイズに裁断する。
【0043】
本発明の請求項12は前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上であると共に、表面に半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが硬化性樹脂によって形成された光拡散シートの前記半球パターン面又は拡散凹凸パターン面を半硬化状態で形成する光拡散シート形成工程と、シートの平面サイズが製品サイズ以上である集光シートの裏面に表面改質処理を施す表面改質処理工程と、前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンが形成された表面と表面改質処理を施した集光シートの裏面とを、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の前記集光シート裏面への接着埋没量が前記半球部高さ全長の1/3以下になるように積層して積層体を形成する積層工程と、前記集光シートを完全硬化状態になるように硬化して前記集光シートと前記光拡散シートとを全面接着する硬化工程と、前記積層体を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えたことを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
【0044】
請求項12は、光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とを接着剤を使用せずに全面接着する場合であり、基本的な構成は請求項11と同様である。
【0045】
請求項13は請求項11又は12において、前記表面改質処理は、易接着処理、プラズマ処理、UV照射処理、コロナ処理の少なくとも1つであることを特徴とする。
【0046】
請求項13は、表面改質処理の好ましい態様を示したものである。
【0047】
請求項14は請求項1〜13のいずれか1において、前記集光シートの凹凸パターンは、該集光シートの全面に錐体構造を縦横に等ピッチで格子状に配列したパターンであることを特徴とする。
【0048】
本発明における集光シートと光拡散シートとの全面接着では、集光シートにおける凹凸パターンの凸部上端のみを接着させるため、凸部上端の表面積が大きいほど接着強度を大きくできる。請求項14では、集光シートの凹凸パターンが、該集光シートの全面に錐体構造(例えば凸状四角錐)を縦横に等ピッチで配列したパターンにしたので、凸部上端の表面積を大きくでき、接着層(あるいは光拡散シートの裏面)の凸部の接着埋没量が小さい場合でも、接着強度を大きくできる。錐体構造としては、四角錐構造、三角錐構造等を採用することができるが、凸部上端の表面積がより大きな四角錐構造が特に好ましい。
【0049】
請求項15は請求項14において、前記錐体構造の凹凸パターンにおいて、凸部の上端に平坦面が形成されていることを特徴とする。
【0050】
請求項15のように、錐体構造の凸部の上端に平坦面を形成することで、上端が尖っている場合に比べて、表面積を大きくして接着性を向上できるだけでなく、凸部が接着層(あるいは光拡散シートの裏面)へ埋没し過ぎないようにできる。
【0051】
本発明の請求項16は前記目的を達成するために、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と、光拡散シートの平坦な裏面とが全面接着されていると共に、前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように形成されて成ることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
【0052】
本発明の請求項17は前記目的を達成するために、光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と、集光シートの平坦な裏面とが全面接着されていると共に、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部の高さ全長の1/3以下になるように形成されて成ることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
【0053】
本発明の請求項18は前記目的を達成するために、集光シートの凹凸パターンが形成された表面と光拡散シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記集光シートの凹凸パターンが形成された表面と前記集光シートの平坦な裏面、及び前記光拡散シートの半球パターン又は拡散凹凸パターンが形成された表面と前記光拡散シートの平坦な裏面、とのいずれか1の関係で前記集光シートと前記光拡散シートとを3シート以上全面接着されていると共に、前記凹凸パターンの凸部先端の接着埋没量が前記凸部高さ全長の1/3以下になるように形成され、前記半球パターンの半球部先端又は前記拡散凹凸パターンの粒子先端の接着埋没量が前記半球部又は前記粒子の高さ全長の1/3以下になるように形成されて成ることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
【0054】
本発明の請求項16、17、18のいずれか1によれば、集光・拡散機能に優れ、且つ集光シートと光拡散シートとが強固に一体化されて剛性を高めたディスプレイ用光学シートを得ることができる。また、集光シート同士の全面接着あるいは光拡散シート同士を全面接着によって、集光シート又は光拡散シートが一枚の場合に比べて、集光機能や光拡散機能を向上できる。
【発明の効果】
【0055】
以上説明したように、本発明のディスプレイ用光学シート及びその製造方法によれば、光拡散シートと集光シートとを全面接着しても、集光・拡散機能が低下することがないので、積層体の剛性を上げることができると共に、製造ラインの大幅な効率化及び簡素化を図ることが可能となり、製造コストの削減となる。
【0056】
また、集光シート同士の全面接着あるいは光拡散シート同士を全面接着によって、集光シート又は光拡散シートが一枚の場合に比べて、集光機能や光拡散機能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、添付図面に基づいて、本発明のディスプレイ用光学シート及びその製造方法の好ましい実施の態様について詳説する。
【0058】
先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1例〜第4例)の構成を説明し、次いで主たるディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。
【0059】
図1(A)は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第1例の構成を示す断面図であり、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の平坦な裏面とを全面接着する場合である。図1(B)は、図1(A)の○で囲んだ部分の部分拡大図である。
【0060】
このディスプレイ用光学シート10は、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の平坦な裏面とが接着層13を介して全面接着されていると共に、凹凸パターン12Aの凸部A先端の接着埋没量が凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように形成されて成る光学シートのモジュールである。また、図1におけるHは、凹凸パターン12Aの凸部Aの高さであり、hは接着層の厚みであり、tが接着埋没量(凸部Aの先端が接着層に埋没する長さ)であり、Dは空気層の厚みである。
【0061】
図2(A)は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第2例の構成を示す断面図であり、光拡散シート14の半球パターン18が形成された表面と、集光シート12の平坦な裏面とを全面接着する場合である。図2(B)は、図2(A)の○で囲んだ部分の部分拡大図である。
【0062】
また、図3は第3例であり、第2例において、光拡散シート14の表面にバインダーEと粒子Fによる拡散凹凸パターン19を形成した場合である。
【0063】
このディスプレイ用光学シート10は、光拡散シート14の半球パターン18又はバインダーEと粒子Fによる拡散凹凸パターン19が形成された表面と、集光シート12の平坦な裏面とが接着層13を介して全面接着されていると共に、半球パターン18の半球部C先端又は拡散凹凸パターン19の粒子F先端の接着埋没量が半球部C又は粒子Fの高さ全長の1/3以下になるように形成されて成る光学シートのモジュールである。また、図2におけるH’は、半球パターン18の半球部Cの高さ(半径に相当)であり、hは接着層の厚みであり、t’が接着埋没量(半球部Cの先端が接着層に埋没する長さ)であり、D’は空気層の厚みである。尚、粒子の高さ等に関する拡大図は示さなかったが、半球部と同様である。
【0064】
図4は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第4例の構成の一例を示す断面図であり、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と光拡散シート14の平坦な裏面、及び光拡散シート14の半球パターン18が形成された表面と集光シート12の平坦な裏面、との関係で集光シート12と光拡散シート14とを3シート以上全面接着する場合である。
【0065】
尚、図4では、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と光拡散シート14の平坦な裏面は接着剤を使用せずに全面接着し(方法は後記する)、光拡散シート14の半球パターン18が形成された表面と集光シートの12平坦な裏面とは接着剤の接着層13を介して全面接着した場合である。
【0066】
また、図4では光拡散シート14を2シート、集光シート12を1シート、合計3シートを全面接着する例であるが、これには限定されない。例えば、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と光拡散シート14の平坦な裏面、及び光拡散シート14の半球パターン18又は拡散凹凸パターン19が形成された表面と集光シート12の平坦な裏面、及び集光シート12の凹凸パターンが形成された表面と集光シート12の平坦な裏面、及び光拡散シート14の半球パターン18又は拡散凹凸パターン19が形成された表面と光拡散シート14の平坦な裏面、とのいずれか1の関係を採用できる。
【0067】
尚、光拡散シート14を1シート、集光シート12を2シート、合計3シートを全面接着してもよく、光拡散シート14と集光シート12とをそれぞれ2シート以上全面接着してもよい。また、図4では集光シート12と光拡散シート14との組み合わせで説明したが、例えば集光シート12のみを2枚以上、あるいは光拡散シート14を2枚以上全面接着することにより、一枚だけの場合に比べて集光機能や光拡散機能を向上できる。
【0068】
上記の第1例〜第4例において、集光シート12の凹凸パターン12Aには、他の凸部の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高凸部を、凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することが好ましい。また、光拡散シート14の半球パターン18又は拡散凹凸パターン19には、他の半球部又は他の粒子の高さを1としたときに1.5倍まで背の高い背高半球部を、半球パターン全体又は拡散凹凸パターン全体の1/20〜1/2の割合で形成することが好ましい。
【0069】
光拡散シート14は、透明なフィルム16(支持体)の表面(片面)に半球パターン18又はバインダーEと粒子Fによる拡散凹凸パターン19を形成したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。光拡散シート14に使用される透明なフィルム16(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
【0070】
光拡散シート14の半球パターン18は、例えばピッチを50μm、半球部Cの高さ(半径に相当)を25μmとすることができる。半球パターン18のピッチの好ましい範囲は10〜100μm、半球部Cの高さの好ましい範囲は5〜95μmである。また、拡散凹凸パターン19の粒子Fは、形状は実質的に真球状であることが好ましく、平均粒子径は2〜50μmの範囲が好ましい。粒子Fの材質としては、樹脂又は金属が好ましい。
【0071】
集光シート12は、表面の略全面に凹凸パターン12Aが配列されたレンズシートであり、例えばピッチを50μm、凸部高さを25μmの凹凸パターン12Aとすることができる。凹凸パターン12のピッチの好ましい範囲は10〜100μmである。凹凸パターン12Aの種類としては、図5(斜視図)に示すように1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して形成されるものや、図6(上面図)に示すように錐体構造(図6は凸状四角錐)が縦横に格子状に配列されているものを使用できる。錐体構造としては四角錐や三角錐を好ましく使用できる。
【0072】
集光シート12の材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(凹凸パターン12Aの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0073】
また、ホットプレスにより凹凸パターン12Aの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0074】
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
【0075】
また、他の製造方法として、光拡散シート14に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、放射線硬化樹脂(例えばUV硬化樹脂)を塗布した塗布層に凹凸ローラ(凹凸パターンの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
【0076】
また、光拡散シート14は、集光シート12と同様に、反転型の転写により半球パターン18を製造することもでき、更にはバインダーEと粒子Fによる拡散凹凸パターン19を製造してもよい。
【0077】
尚、集光シート12や光拡散シート14の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸パターン12Aや半球パターン18(又は拡散凹凸パターン19)が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
【0078】
図1〜図4に示されるディスプレイ用光学シートは、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
【0079】
次に、本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法及び装置を説明する。
【0080】
(第1の実施の形態)
図7は、本発明のディスプレイ用光学シート製造ライン20で、集光シート12と光拡散シート14とを接着剤の接着層13を介して全面接着する場合である。尚、本実施の形態では、集光シート12の凹凸パターン12Aを塗布によって形成すると共に、塗布液としてUV硬化樹脂を有機溶剤に溶解したものを使用する。また、接着層13を形成する接着剤も同じUV硬化樹脂を使用した例で以下に説明する。
【0081】
図7に示すように、送り出しロール22に巻回されたウエブ状の透明フィルム24(支持体)が製造ラインに送り出され、先ず塗布装置26によって透明フィルム24上にUV硬化樹脂の塗布液が塗布される。本実施の形態では、UV硬化樹脂の塗布液を使用したが、熱硬化性樹脂の塗布液としてもよい。図7では、塗布装置26として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッドを用いたダイコータを使用したが、他の塗布方式のものでもよい。また、透明フィルム24上に塗布する塗布液の湿潤状態の厚さは溶剤乾燥後の膜厚において、例えば20μm程度になるように供給ポンプ28の供給量を制御するとよい。
【0082】
次に、透明フィルム24は乾燥装置30に搬送され、ここで塗布液中の有機溶剤が揮発し、塗布層が乾燥される。乾燥装置30としては特に限定されないが、例えば熱風循環式の乾燥装置を用いることができ、熱風の温度は100°C程度とすることが好ましい。
【0083】
次に、透明フィルム24は硬化装置32に搬送される。硬化装置32では、凹凸パターン12Aの反転型が表面に形成された凹凸ローラ32Aとニップローラ32Bとで透明フィルム24を挟圧して、凹凸ローラ32Aの凹凸パターンを透明フィルム24の塗布層面に転写する。凹凸ローラ32Aとしては、例えば長さ(透明フィルムの幅方向)が700mm、直径が300mmのS45C製で表面の材質をニッケルとしたローラを使用することができる。ローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、凹凸パターンを形成することができる。 ニップローラ32Bとしては、例えば直径が200mm程度で、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを好ましく使用できる。凹凸ローラ32Aとニップローラ32Bとで透明フィルム24を押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5MPa程度であることが好ましい。
【0084】
そして、透明フィルム24が凹凸ローラ32Aに巻き掛けられている状態でUV照射装置(図示せず)によって紫外線(放射線)が塗布層面に照射される。これにより塗布層面に転写された凹凸パターン12Aが硬化し、集光シート12が形成される(集光シート形成工程)。形成された集光シート12は剥離ローラにより剥離される。
【0085】
一方、透明なフィルム16(支持体)の表面に半球パターン18(又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターン19)が形成され、所定の光拡散性能を有する光拡散シート14が送り出しロール36から製造ラインに送り出される。送り出された光拡散シート14の裏面(半球パターン18又は拡散凹凸パターン19が形成されていない面)に、塗布装置38によって接着剤が塗布される(接着剤塗布工程)。これにより、光拡散シート14の裏面に接着層13が形成される。本実施の形態では、接着剤として凹凸パターン12Aを形成した樹脂と同じUV硬化樹脂を使用したが、他にも粘性を有する樹脂、熱硬化接着剤、熱可塑性樹脂等を使用することができる。また、図7では、塗布装置38として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッドを用いたダイコータを使用したが、他の塗布方式のものでもよい。光拡散シート14の裏面に塗布する接着層13の厚みh(図1参照)は、10μm以下の薄膜塗布であることが好ましく、3〜6μm程度であることが特に好ましい。このような薄膜塗布になるように、塗布装置38に供給する接着剤の供給量を供給ポンプ40によって制御するとよい。これは、接着層13の厚みhが厚いと、後述する積層工程において、集光シート12における凹凸パターン12Aの凸部A上端(図1参照)が、接着層13に埋没する接着埋没量が大きくなり、凹凸パターン12Aの凹部Bに形成される空気層の厚みD(図1参照)が小さくなるためである。
【0086】
次に、集光シート形成工程で形成された集光シート12と、接着剤塗布工程とで接着層13が形成された光拡散シート14とは、合流ローラ42の位置において、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の接着層13の面とが合わさるように合流する。そして、合流して積層された積層シート44が合流ローラ42とニップローラ46との間を通過することで2枚のシートを軽く挟厚する(積層工程)。この積層工程において、凹凸パターン12Aの凸部A先端の接着埋没量tが凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように(例えば接着層13の厚み調整)集光シート12と光拡散シート14とを積層して積層シート44を形成する。
【0087】
次に、積層シート44の接着層13が硬化装置48により硬化され、これにより集光シート12と光拡散シート14とが接着層13を介して全面接着される(硬化工程)。接着剤であるUV硬化樹脂を硬化するには、集光シート12側から例えば1500mJ/cm程度の紫外線光を照射することができる。本実施の形態では接着剤にUV硬化樹脂を使用した為、硬化装置48としてUV照射装置を使用するが、熱硬化接着剤の場合には加熱装置が使用され、熱可塑性樹脂の場合には冷却装置が使用される。
【0088】
次に、積層シート44は、裁断装置50に搬送されて製品サイズの大きさに裁断される(裁断工程)。裁断装置50としては、例えば打ち抜きプレス装置を好適に使用することができる。これにより、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の裏面とが、接着層13を介して全面接着されると共に、凹凸パターン12Aの凸部Aの先端の接着埋没量tが凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように形成されたディスプレイ用光学シート10が製造される。
【0089】
製造されたディスプレイ用光学シート10は、コンベア52上に搬送された後、横移載吸引装置54により集積装置56に順次重ねられる。
【0090】
このように、本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法によれば、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と,光拡散シート14の平坦な裏面とを、凹凸パターン12Aの凸部Aの先端の接着埋没量tが凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように全面接着するようにしたので、空気層の厚みDを十分に確保することができ、全面接着しても集光・拡散機能が低下しない。従って、シートの平面サイズが製品サイズ以上の集光シート12と光拡散シート14とを接着層13を介して全面接着した後で製品サイズに裁断することができる。
【0091】
これにより、集光シート12と光拡散シート14とをそれぞれ製品サイズに裁断する工程が省け、集光シート12と光拡散シート14とをそれぞれ位置決めしながら積層する工程も省ける。従って、製造ラインの大幅な効率化及び簡素化を図ることが可能となり、製造コストの削減となる。また、集光シート12と光拡散シート14とを全面接着するので、積層した積層体の剛性を大きくすることができる。
【0092】
かかるディスプレイ用光学シートの製造方法において、凹凸パターン12Aの凸部Aの先端の接着埋没量tが凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように全面接着するためには、図7には示さなかったが、接着剤塗布工程と積層工程との間に、接着層13の粘度調整を行う粘度調整装置を備えることが好ましい。このように接着層13の粘度を変えることで、凹凸パターン12Aの凸部A上端が接着層13に埋没する接着埋没量tを調整できると共に、接着埋没量tを変えることで接着強度も調整できる。例えば、接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合には、接着層13の表面に200mJ/cm程度の紫外線光を照射することで、全面接着するのに適した粘度に調整できる。また、温度等によって粘度調整するようにしてもよい。
【0093】
更に凹凸パターン12Aの凸部Aの先端の接着埋没量tが凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように全面接着するためには、凹凸パターン12Aの凸部Aの上端に平坦面が形成されていることが好ましい。これにより、例えば錐体構造の凸部Aの上端に平坦面を形成することで、上端が尖っている場合に比べて、接着層13の接触する表面積を大きくできるだけでなく、凸部Aが接着層13へ埋没し過ぎないようにできる。また、同様の理由から、凹凸パターン12Aが1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して形成される場合にも、凸状レンズの上端に沿って平坦部を形成することが好ましい。
【0094】
尚、上記した第1の実施の形態は、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の平坦な裏面とを接着層13を介して全面接着する場合であるが、光拡散シート14の半球パターン18(反転型による転写方法等を採用できる)又はバインダーと粒子による凹凸パターン19が形成された表面と、集光シート12の平坦な裏面とを全面接着する場合も同様に行うことができる。
【0095】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、集光シート12と光拡散シート14とを接着層13(接着剤)を介して全面接着するようにしたが、第2の実施の形態は接着剤を用いないで全面接着する製造方法である。この場合には、図1の接着層13がなくなると共に、凹凸パターン12Aの凸部Aの上端が光拡散シート14の裏面に直接接着することになる。
【0096】
図8は、本発明のディスプレイ用光学シート製造ラインの第2の実施の形態60であり、図7と同じ装置及び部材には同符号を付して説明する。
【0097】
図8に示すように、送り出しロール22に巻回されたウエブ状の透明フィルム24(支持体)が製造ラインに送り出され、透明フィルム24上にUV硬化樹脂の塗布液が塗布され、乾燥装置30で乾燥されるところまでは、第1の実施の形態と同様である。
【0098】
次に、透明フィルム24は硬化装置32に搬送される。硬化装置32では、凹凸パターン12Aの反転型が表面に形成された凹凸ローラ32Aとニップローラ32Bとで透明フィルム24を挟圧して、凹凸ローラ32Aの凹凸パターンを透明フィルム24の塗布層面に転写し、透明フィルム24が凹凸ローラ32Aに巻き掛けられている状態でUV照射装置(図示せず)によって紫外線が塗布層面(即ち凹凸パターン面)に照射される。この塗布層への紫外線照射において、塗布層を完全に硬化させないで半硬化状態まで硬化させる。塗布層の半硬化状態とは、塗布層が流動しない程度の自己支持性を有すると共に、塗布層表面、即ち凹凸パターン面に粘着性が発揮される状態を言う。これにより、塗布層面が半硬化状態の集光シートが形成される(集光シート形成工程)。この集光シート形成工程では、塗布層が半硬化状態で剥離ローラ34により凹凸ローラ32Aから剥離されることになるので、凹凸ローラ32Aの表面にテフロン樹脂(商標名)等の剥離性を促進するコーティングを施しておくことが好ましい。
【0099】
一方、透明なフィルム(支持体)の表面に半球パターン18又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターン19が形成され、所定の光拡散性能を有する光拡散シート14が送り出しロール36から製造ラインに送り出され、集光シート形成工程で形成された集光シート12と、合流ローラ42の位置において、集光シート12の凹凸パターン12Aが半硬化状態で形成された表面と,光拡散シート14の裏面とが合わさるように合流する。これにより、集光シート12と光拡散シート14とが積層した積層シート44が形成される(積層工程)。この積層工程において、凹凸パターン12Aの凸部Aの先端の接着埋没量tが凸部Aの高さ全長の1/3以下になるように集光シート12と光拡散シート14とを積層して積層シート44を形成する。この場合、集光シート形成工程と積層工程との間に、光拡散シート14の裏面を改質して密着性をもたせる表面改質工程を行うことが好ましい。表面改質処理としては、易接着処理、プラズマ処理、UV照射処理、コロナ処理の少なくとも1つを好適に採用できる。このように、光拡散シート14の裏面を改質して密着性をもたせるようにしたので、接着剤を使用しない全面接着方法であっても、接着強度を向上できる。尚、第1の実施の形態では、積層シート44を、合流ローラ42とニップローラ46とで挟圧したが、第2の実施の形態では、凹凸パターンが半硬化状態なので、挟圧はしない方がよい。
【0100】
次に、積層シート44のうち、集光シート12の半硬化状態の塗布層を硬化装置(この場合はUV照射装置)により完全硬化され、これにより集光シート12と光拡散シート14とが全面接着される(硬化工程)。完全硬化には、集光シート側から例えば1500mJ/cm程度の紫外線光を照射するとよい。
【0101】
次に、積層シート44は、裁断装置50に搬送されて製品サイズの大きさに裁断される(裁断工程)。これにより、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の裏面とが全面接着されていると共に、凹凸パターン12Aの凹部Bには空気層が15μm以上の厚みDで形成されたディスプレイ用光学シート10が製造される。
【0102】
製造されたディスプレイ用光学シート10は、コンベア52上に搬送された後、横移載吸引装置54により集積装置56に順次重ねられる。
【0103】
本発明の第2の実施の形態の場合にも第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0104】
尚、上記した第2の実施の形態は、集光シート12の凹凸パターン12Aが形成された表面と、光拡散シート14の平坦な裏面とを接着層13を介して接着剤を使用しないで全面接着する場合であるが、光拡散シート14の半球パターン18(反転型による転写方法)又はバインダーと粒子による拡散凹凸パターン19が形成された表面と、集光シート12の平坦な裏面とを全面接着する場合、集光シート12の12Aが形成された表面と集光シート12の平坦な裏面とを全面接着する場合、光拡散シート14の半球パターン18又は拡散凹凸パターン19が形成された表面と光拡散シート14の平坦な裏面とを全面接着する場合も同様に行うことができる。
【0105】
第1及び第2の実施の形態では、裁断工程までを連続して行う工程で説明したが、裁断工程の前で積層シート44を巻き取り装置に一旦巻き取るようにしてもよい。また、本発明のディスプレイ用光学シートの製造方法は、集光シート12と光拡散シート14とを全面接着した積層体を、複数積層させる場合にも適用することができる(図3参照)。
【0106】
また、上記第1及び第2の実施の形態のようにディスプレイ用光学シートを製造することで次の副次的な効果も得ることができる。
【0107】
1)傷故障削減効果
集光シート12の表面(凹凸パターン面)に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、光拡散シート14の裏面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことから集光シート12への傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後(裁断後)の取扱時に付くことが多いが、集光シート12を光拡散シート14との積層体とすることにより、光拡散シート14が保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。
【0108】
2)組立工数削減効果
例えば、液晶表示素子の組み立てにおいて、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、光拡散シート14の組み込み⇒集光シート12からの保護シート剥し⇒集光シート12の組み込み、と工程が多くなる。このように、液晶表示素子の組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
【0109】
3)保護シートの削減効果
集光シート12には、傷付き防止のために保護シートを表面(凹凸パターン面)に貼着することが多い。この保護シートは、集光シート12を液晶表示素子に組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、光拡散シート14を保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
【実施例】
【0110】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0111】
(実施例1)
実施例1では、ピッチが50μmで高さが25μmの凹状四角錐(反転型)を備えた凹凸ローラによって、透明支持体(PET)表面に塗布された樹脂塗布層(UV硬化樹脂)に反転型を転写して凸状四角錐の凹凸パターンを有する集光シート12を製造した。また、透明支持体(PET)表面に、粒径が30μmの球体粒子を接着剤層に埋め込んで半球部の高さが15μmの半球パターンを有する光拡散シートを製造した。
【0112】
上記UV硬化樹脂と同じものを接着剤として使用し、光拡散シートの裏面に厚み10μmで塗布し、接着層の表面に200mJ/cmの紫外線光を照射して粘度を下げた。そして、集光シートと光拡散シートとを積層(ラミネート)した後、集光シート側から1500mJ/cmの紫外線光を照射して接着層を硬化し、ディスプレイ用光学シートを得た。
【0113】
このように製造した実施例1のディスプレイ用光学シートを全面接着断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で断面観察したところ、凹凸パターンの25μmの凸部先端が接着層に5μm埋没(接着埋没量tが1/5)していた。
【0114】
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に集光シートと光拡散シートを製造して、製造した集光シートと光拡散シートとを、光拡散シート・集光シート・光拡散シートの順位積層した状態で全面接着した3層積層体のディスプレイ用光学シートを製造した。光拡散シート・集光シートの間及び集光シート・光拡散シートの間の接着層の厚みを10μmとした。
【0115】
このように製造した実施例2のディスプレイ用光学シートを全面接着断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で断面観察したところ、光拡散シート・集光シートの関係では凹凸パターンの25μmの凸部先端が接着層に5μm埋没(接着埋没量tが1/5)し、集光シート・光拡散シートの関係では15μmの半球部先端が接着層に5μm埋没(接着埋没量tが1/3)していた。
【0116】
(実施例3)
集光シートの凹凸パターンとして、ピッチが50μmで高さが25μmの凸状四角錐の格子状配列の縦・横10個ごとに、高さが30μmの凸状四角錐(背高凸部)を形成したものを使用した。それ以外は、実施例1と同様である。その結果、高さが30μmの凸状四角錐の先端が接着層に5μm埋没(接着埋没量tが1/6)した。
【0117】
(実施例4)
実施例4では、透明支持体(PET)表面に、ピッチが50μmで高さが25μmの凹状四角錐(反転型)を備えた凹凸ローラによって、透明支持体(PET)表面に塗布された樹脂塗布層(UV硬化樹脂)に凸状四角錐を転写した。そして、この樹脂塗布層を紫外線を半硬化状態になるように照射して、半硬化状態の集光シート12を製造した。また、透明支持体(PET)表面に、粒径が30μmの球体粒子を接着剤層に埋め込んで半球部の高さが15μmの半球パターンを表面に有する光拡散シートを製造した。
【0118】
次に、集光シートと光拡散シートとを積層(ラミネート)した後、集光シート側から1500mJ/cmの紫外線光を照射して半硬化状態の集光シートを完全に硬化し、ディスプレイ用光学シートを得た。
【0119】
このように製造した実施例1のディスプレイ用光学シートを全面接着断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で断面観察したところ、凹凸パターンの25μmの凸部先端が光拡散シートの裏面に5μm埋没(接着埋没量tが1/5)していた。
【0120】
実施例4では、集光シートと光拡散シートとを積層(ラミネート)する前に、光拡散シートの裏面にプラズマ処理を施した。
【0121】
(実施例5)
実施例1において、接着層の厚みを20μmとして、接着埋没量tが1/3になるようにした以外は、実施例1と同様である。
【0122】
(実施例6)
実施例1において、接着層の粘度調整をしなかった以外は実施例1と同様にディスプレイ用光学シートを製造した。このように製造した比較例1のディスプレイ用光学シートを全面接着断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で断面観察したところ、凹凸パターンの25μmの凸部先端が接着層に10μm埋没(接着埋没量tが2/5>1/3)していた。
【0123】
(比較例1)
実施例1において、接着層の厚みを30μmとして、接着埋没量tが1/2になるようにした以外は、実施例1と同様である。
【0124】
(比較例2)
実施例4において、光拡散シートの裏面にプラズマ処理を施さなかった以外は、実施例4と同様である。その結果、集光シートと光拡散シートとが剥離してしまい、走査型電子顕微鏡(SEM)で断面観察が不能であった。
【0125】
以上のごとく製造した第1〜第6実施例と、比較例1〜2について、図8の表に示すように、光学性能(輝度特性、拡散性)と密着性とを調べた。
【0126】
光学性能の評価方法は、実施例1で説明した集光シートの凹凸パターンが形成された表面と、光拡散シートの平坦な裏面とを単に重ね合わせたもの(接着埋没量がゼロのもの)の光学性能を基準(◎)とし、この基準サンプルと第1〜第6実施例及び比較例1〜2とを比較した。
◎…基準サンプルと同等。
○…正面輝度が基準サンプルよりも5%以内で落ちる。
△…正面輝度が基準サンプルよりも5%以上で落ちる。
【0127】
また、密着性の評価方法は、次の通り評価した。
◎…打ち抜き加工時(裁断時)に集光シートと光拡散シートとが剥離しない。
○…打ち抜き加工時(裁断時)に集光シートと光拡散シートとの間(接着層間)に空気の混入が若干認められた。
△…打ち抜き加工時(裁断時)に集光シートと光拡散シートとの間(接着層間)に空気の混入がかなり認められた。
×…打ち抜き加工する前に集光シートと光拡散シートとが剥離した。
【0128】
その結果、図8から分かるように、本発明の実施例1〜6の光学性能は、○〜◎であり、液晶表示素子を形成する上で全く問題のない品質であった。これに対して、接着埋没量が1/2で、本発明の条件である1/3に満たない比較例1では、光学性能が△の評価であり、正面輝度が液晶表示素子を形成する上で十分とは言えない。
【0129】
また、本発明の実施例1〜6の密着性は、○〜◎であり、集光シートと光拡散シートとが強固に接着していた。また、全面接着することにより集光シートと光拡散シートとの積層体の剛性を上げることができた。これに対して、比較例2から分かるように、接着剤を使用しない全面接着の場合には、集光シートと光拡散シートとが剥離してしまうので、プラズマ処理等の表面改良が必要になる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第1例の断面図
【図2】本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第2例の断面図
【図3】本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第3例の断面図
【図4】本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの第4例の断面図
【図5】集光シートの凹凸パターンの一態様を示す斜視図
【図6】集光シートの凹凸パターンの別の態様を示す上面図
【図7】ディスプレイ用光学シート製造ラインの第1の実施の形態の構成図
【図8】ディスプレイ用光学シート製造ラインの第2の実施の形態の構成図
【図9】本発明の実施例を説明する説明図
【符号の説明】
【0131】
10…ディスプレイ用光学シート、12…集光シート、12A…凹凸パターン、14…光拡散シート、16…透明フィルム(支持体)、18…半球パターン、19…拡散凹凸パターン、20…ディスプレイ用光学シートの製造ライン、22…送り出しロール、24…透明フィルム(支持体)、26…塗布装置、28…供給ポンプ、30…乾燥装置、32…硬化装置、32A…凹凸ローラ、32B…ニップローラ、34…剥離ローラ、36…送り出しロール、38…塗布装置、40…供給ポンプ、42…合流ローラ、44…積層シート、46…ニップローラ、48…硬化装置、50…裁断装置、52…コンベア、54…横移載吸引装置、56…集積装置、A…凹凸パターンの凸部、B…凹部、C…半球パターンの半球部、E…バインダー、F…粒子
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三


【公開番号】 特開2008−3233(P2008−3233A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171496(P2006−171496)