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【発明の名称】 ブレードの被雷検知装置
【発明者】 【氏名】茆原 智行

【氏名】吉田 哲男

【要約】 【課題】ブレード毎の被雷の経歴や積算被雷エネルギを監視すること。

【構成】風車を構成する複数のブレード3−1、3−2のそれぞれに設けられたロゴスキコイル6と、風車の回動部分に設けられ、ロゴスキコイル6からの信号に基づいて雷エネルギに関する情報を一時記憶し、当該ブレードが規定の位置に移動した時点で情報を外部に送信するデータ送信装置10と、データ送信装置10からの信号を受信する受信装置20とにより構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風車を構成する複数のブレードのそれぞれに設けられたロゴスキコイルと、前記風車の回動部分に設けられ、前記ロゴスキコイルからの信号に基づいて雷エネルギに関する情報を一時記憶し、当該ブレードが規定の位置に移動した時点で前記情報を外部に送信するデータ送信手段と、
前記データ送信手段からの信号を受信する受信手段とからなるブレードの被雷検知装置。
【請求項2】
前記データ送信手段が計時手段を備え、被雷時の時刻をも送信する請求項1に記載のブレードの被雷検知装置。
【請求項3】
前記受信手段が、前記データ送信手段に対して送信命令を出力し、また前記データ送信手段が前記送信命令に基づいて前記情報を送信する請求項1に記載のブレードの被雷検出装置。
【請求項4】
前記規定の位置が、前記ブレードの下死点である請求項1に記載のブレードの被雷検出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電用の風車などの羽根への落雷を検出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置は、鉄塔上に発電機を搭載し、その動力軸にハブを介して長尺のブレードを複数枚固定して構成されている。
このため、ブレードの先端は鉄塔よりもさらにかなり高所に位置するため、被雷しやすい。被雷によりブレードが破損した場合は別として、小規模な被雷を複数回受けて徐々に破損する。
このため、風力発電所では、現場の雷情報及び機器の障害状況情報に基づいてに被雷の可能性が確認された場合には、運転を中止してブレードを目視により検査したり、またブレードの回転風きり音の変化を検出するなどの五感により検査されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、たとえブレードが被雷を受けたとしても、明瞭な被雷痕が発生していない場合もあり、また被雷痕だけでは雷エネルギーの定量的把握もできないため、経時劣化が進み、最終的にはブレードが破損するという大事故に繋がるケースがあり、信頼性に不安が生じるという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはブレード毎の被雷の経歴や積算被雷エネルギを監視することができるブレードの被雷検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような課題を達成するために請求項1の発明は、風車を構成する複数のブレードのそれぞれに設けられたロゴスキコイルと、前記風車の回動部分に設けられ、前記ロゴスキコイルからの信号に基づいて雷エネルギに関する情報を一時記憶し、当該ブレードが規定の位置に移動した時点で前記情報を外部に送信するデータ送信手段と、前記データ送信手段からの信号を受信する受信手段とを備える。
【0005】
請求項2の発明は、前記データ送信手段が計時手段を備え、被雷時の時刻をも送信する。
【0006】
請求項3の発明は、前記受信手段が、前記データ送信手段に対して送信命令を出力し、また前記データ送信手段が前記送信命令に基づいて前記情報を送信する請求項1に記載のブレードの被雷検出装置。
【0007】
請求項4の発明は、前記規定の位置が、前記ブレードの下死点である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、風車を構成する各ブレード毎の被雷の履歴や積算の雷エネルギを検出することができ、外見からはわからない損傷を容易に検出することができ、ブレードの破損といった事故を未然に防止することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、被雷時刻を正確に検出できる。
【0010】
請求項3の発明によれば、同一構造の手段でブレード毎の情報を区別して受信することができる。
【0011】
請求項4の発明によれば、被雷の恐れの無い位置で記憶手段の情報を送信させため、信頼性の高い情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明のブレードの被雷検知装置が適用される風力発電設備の一例を示すものであって、塔脚1の上部にはナセル装置2、及び風車3が設置されている。ナセル装置2は、周知のように風車3のロータ4に変速機を介して接続された発電機や、ヨー駆動装置等を収容して構成されている。風車3は、複数枚のブレード3−1,3−2,3−3をロータ4に取り付けて構成されている。
【0013】
各ブレード3−1,3−2,3−3をロータ4の根元にはこれが貫通するようにロゴスキーコイル6が設けられおり、各コイル6は、リード8を介してカバーの内部に引き込まれてそれぞれに光データ送信手段、または電磁波データ送信手段を備えたデータ送信装置10が接続されている。データ送信装置10は、ブレードそれ自体またはロータ4などに固定されていて、ブレードと同期して回動するようになっている。
【0014】
データ送信装置10は、ロゴスキーコイル6からの信号を積分する積分器11と、計時手段12と、各ブレードを特定するための情報、例えばブレードナンバーを予め格納されていて積分器11、及び計時手段12からのデータを随時格納する記憶手段13と、後述する受信装置からの送信指令を受けて記憶手段13のデータを送信するデータ送信手段14とにより構成されている。
【0015】
なお、図中符号15は、データ送信装置10に駆動電力を供給する電源装置で、外部から照射された電磁波、光エネルギを電力に変換したり、また風車の回動により移動する磁石と、この磁石の磁束に作用するコイルとからなるダイナモ等により構成することができる。
【0016】
また、ブレード3−1〜3−3もしくはロータなどのブレードと同期回動する領域には、データ送信装置10からのデータを受信する受信装置20が設置され、受信装置で受信したデータをケーブルにより塔脚1の下部に設置されたデータロガ22に送信するように構成されている。
【0017】
この実施例において、雷雲が発生すると、通常の場合は下死点以外の位置のブレード3−1が被雷しやすい。ブレードが被雷すると雷電流がブレード、ハブ、ロータ及び塔脚を流れ、この雷電流は、当該ブレードに設けられているロゴスキーコイル6により検出され、積分器11により積分され、同時に被雷時の時刻が検出され、それぞれ記憶手段13に一時的に格納される。
【0018】
当該ブレード3−1が下死点に到達すると、受信装置20がブレードが下死点に到達したことを検出して送信命令を出力する。これにより送信装置10が記憶手段13に格納されている被雷時刻、雷電流データ、ブレードナンバなどのデータを受信装置20に送信し、各ブレードの被雷情報が塔脚1のデータロガ22に順次格納されていく。
【0019】
言うまでも無く、ブレードが下死点に位置している状態では、被雷の恐れが極めて低いため、検出途中のデータを送信するようなことがなく、上死点で既に被雷したときのデータを送信することができ、高い信頼性を確保できる。
【0020】
このようにデータロガ22には各ブレード毎に被雷した雷に関するデータが蓄積されているため、破損に至ることがなく、かつ外見からは判別できない損傷をブレードが受けても、被雷の経歴に基づいて損傷の程度を正確に推定でき、ブレードの破壊という大事故を未然に防止することができる。
【0021】
なお、上述に実施例においてはブレードにだけロゴスキーコイルは配置しているが、必要に応じて塔脚を貫通させるように塔脚1の基部にロゴスキーコイルを配置するのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の装置が適用される風力発電装置の一例を示す図である。
【図2】本発明のブレードの被雷検知装置の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0023】
3−1〜3−3 ブレード 4 ロータ 6 ロゴスキーコイル
10 データ送信装置 20 受信装置
【出願人】 【識別番号】591142987
【氏名又は名称】株式会社ホトニクス
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100087974
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 勝彦


【公開番号】 特開2008−25993(P2008−25993A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195048(P2006−195048)