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【発明の名称】 金属検出用ヘッドおよび金属検出機
【発明者】 【氏名】綿引 広明

【要約】 【課題】筐体上面に埃や塵が堆積しにくく、またその堆積物や上方からの落下物の物品搬送面への落下を抑制できる金属検出用ヘッドおよび金属検出機を提供する。

【解決手段】物品を通過させるための穴32が貫通形成された筐体31を有し、穴32を通過する物品に混入している金属による磁界変化を検出するための金属検出用ヘッドにおいて、筐体31の上面側が、穴32の貫通方向に直交する平面内で筐体31の端部に向かう程低くなるように傾斜している。即ち、側板33、34の外形は横長の5角形状で、その上部は上に凸の3角形(屋根型)に形成されており、その上面側を覆う上板35は、側板33、34の上部頂点から前板36の上端まで下降する第1傾斜部35aと、側板33、34の上部頂点から後板37の上端まで下降する第2傾斜部35bとを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を通過させるための穴(32)が貫通形成された筐体(31)を有し、該穴を通過する物品に混入している金属による磁界変化を検出するための金属検出用ヘッドにおいて、
前記筐体の上面側が、前記穴の貫通方向に直交する平面内で前記筐体の端部に向かう程低くなるように傾斜していることを特徴とする金属検出用ヘッド。
【請求項2】
物品を通過させるための穴(32)が貫通形成された筐体(31)を有し、該穴を通過する物品に混入している金属による磁界変化を検出するための金属検出用ヘッド(30)と、
検査対象の物品が前記金属検出用ヘッドの穴を通過するように搬送する搬送手段(45〜47、50、51、55)とを有する金属検出機において、
前記金属検出用ヘッドの筐体の上面側が、前記穴の貫通方向に直交する平面内で前記筐体の端部に向かう程低くなるように傾斜していることを特徴とする金属検出機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に混入している金属を検出するための金属検出機において、ゴミ等の異物が物品に混じらないようにするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の製造ラインでは、製造した物品に金属混入があるか否かをライン上で検査するために金属検出機が用いられている。
【0003】
金属検出機は、物品を通過させるための穴が中央部に貫通形成された筐体を有し、その穴を通過する物品に混入している金属による磁界変化を検出するための金属検出用ヘッドと、検査対象の物品が金属検出用ヘッドの穴を通過するように搬送するコンベア等の搬送手段とにより構成されている。
【0004】
金属検出用ヘッドの筐体内部には、穴の内部に磁界を発生し、物品の通過による磁界の変化を検出するための複数のコイルが設けられている。このような金属検出用ヘッドを有する従来の金属検出機は、例えば次の特許文献1(特に図6)に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第2948733号公報
【0006】
この特許文献1の金属検出機では、その図6に記載されているように矩形枠状の検出ベッド(図中符号27で表されている)の穴にコンベアにより物品を通過させて磁界の変化を検出して、その物品に混入している金属の有無を判別している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1を含む従来の金属検出機の検出ヘッドの筐体の形状は、矩形枠状でその上面がほぼ水平で平坦であるため、この上面に埃や塵が堆積し易く、その堆積物が物品搬送面に落下したり、上方からの落下物などが搬送面に落下して、物品に混じってしまい衛生上好ましくない。
【0008】
本発明は、この問題を解決し、筐体上面に埃や塵が堆積しにくく、またその堆積物や上方からの落下物の物品搬送面への落下を抑制できる金属検出用ヘッドおよび金属検出機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の金属検出用ヘッドは、
物品を通過させるための穴(32)が貫通形成された筐体(31)を有し、該穴を通過する物品に混入している金属による磁界変化を検出するための金属検出用ヘッドにおいて、
前記筐体の上面側が、前記穴の貫通方向に直交する平面内で前記筐体の端部に向かう程低くなるように傾斜していることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の金属検出機は、
物品を通過させるための穴(32)が貫通形成された筐体(31)を有し、該穴を通過する物品に混入している金属による磁界変化を検出するための金属検出用ヘッド(30)と、
検査対象の物品が前記金属検出用ヘッドの穴を通過するように搬送する搬送手段(45〜47、50、51、55)とを有する金属検出機において、
前記金属検出用ヘッドの筐体の上面側が、前記穴の貫通方向に直交する平面内で前記筐体の端部に向かう程低くなるように傾斜していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明の金属検出用ヘッドは、筐体の上面側が、穴の貫通方向に直交する平面内で筐体の端部に向かう程低くなるように傾斜しているので、埃や塵が堆積しにくく、異物が搬送面側へ落下する確率が小さくなり、衛生面で好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図6は、本発明を適用した金属検出用ヘッド(以下単にヘッドと記す)を有する金属検出機20の構造を示している。
【0013】
基台21の下面側四隅には、高さ調整可能な脚22と、移動のためのキャスタ23が設けられている。
【0014】
基台21の上面側中央にはヘッド30が支持されている。ヘッド30の筐体31は、横長矩形に貫通する穴32を有する略5角形の枠状に形成されており、その内部には、穴32に磁界を発生するための送信コイル(図示せず)と、穴32を通過する物品による磁界の変化を検出するための受信コイル(図示せず)とが穴32と同心に巻かれている。
【0015】
ヘッド30の筐体31は、平行に対向する枠状の側板33、34、側板33、34の間の上面側を覆う上板35、側板33、34の間の前面側を覆う前板36、側板33、34の間の背面側を覆う後板37および側板33、34の間の下面側を覆う底板38を有しており、これらの各板33〜38は磁界を遮蔽する鉄板により形成されている。また、穴32を囲む内周壁32aは磁界を通過させる合成樹脂により形成されている。
【0016】
ここで、ヘッド30の筐体31は、その上面側が、穴32の貫通方向に直交する平面内で筐体31の端部に向かう程低くなるように傾斜している。即ち、側板33、34の外形は横長の5角形状で、その上部は上に凸の3角形(屋根型)に形成されており、その上面側を覆う上板35は、側板33、34の上部頂点から前板36の上端まで下降する第1傾斜部35aと、側板33、34の上部頂点から後板37の上端まで下降する第2傾斜部35bとを有している。
【0017】
なお、ヘッド30の筐体31の前面には、ヘッド30の内部の各コイルに電気的に接続され、磁界を発生させるとともに、磁界の変化に基づいて物品中の混入異物の検出処理を行う指示器40が固定されている。
【0018】
指示器40は、ヘッド30の筐体31とほぼ同一幅の箱状に形成され、その上面側の操作面40aは、ヘッド30の上板35の第1傾斜部35aと連続するように傾斜している。
【0019】
一方、基台21の上面側の一端側には平行に対向する一対の側板41、41が立設され、他端側にも側板41、41とそれぞれ一直線上に並び、互い平行に対向する一対の側板42、42が立設されている。
【0020】
側板41、41の先端側には駆動ローラ45の両端45aが支持されており、一方の側板41の内側には駆動モータ46が取り付けられ、駆動ローラ45と駆動モータ46との間に駆動ベルト47が掛け渡されている。また、側板42、42の先端側には従動ローラ50の両端50aが支持されている。
【0021】
側板41、41の上縁には、合成樹脂製のベルト受け51の一端側両縁が支持されている。このベルト受け51はヘッド30の穴32の低い位置を通過し、他端側の両縁が側板42、42の上縁に支持されている。
【0022】
駆動ローラ45と従動ローラ50の間には、無端状の搬送ベルト55が掛け渡され、駆動ローラ45の回転力を受けて周回する。前記ベルト受け51は、上方を通過する搬送ベルト55を下方から支持して、物品を安定に搬送させる。
【0023】
なお、ベルト受け51の両端下面側には、搬送ベルト55をベルト受け51の下面に近接した状態で搬送させるためのガイドローラ57、57が支持されている。また、図中の符号58は、ヘッド30の近傍でベルト受け51を支持する合成樹脂性の支持板、符号59は側板間を連結するための連結部材である。
【0024】
上記駆動ローラ45、駆動モータ46、駆動ベルト47、従動ローラ50、ベルト受け51、搬送ベルト55、ガイドローラ57およびそれらを基台21に支持するための部材は、ヘッド30の穴32に物品を通過させるための搬送手段(コンベア)を形成するものであるが、金属検出機としてこのようなモータでベルトを駆動するコンベア形式のものだけでなく、例えば物品を自重により滑走させてヘッド30の穴32を通過させる搬送方式であってもよい。
【0025】
上記のように構成された金属検出機20では、図示しない前段のコンベアから搬出された物品を搬送ベルト55の一端側で受け、ヘッド30の穴32内を通過させる。
【0026】
ヘッド30の穴32の内部には指示器40の駆動信号により所定磁界が生じており、物品通過による磁界の変化が指示器40で検出され、その検出信号から物品内に金属が混入しているか否かが判定され、その判定結果が操作面に表示されるとともに、図示しない後段の選別ライン等へ送られ、判別結果に応じた選別処理がなされる。
【0027】
ここで、ヘッド30の筐体31の上面側の第1傾斜部35a、第2傾斜部35bは、頂部から前板36方向および後板37方向へ傾斜しているので、図4のようにゴミ、埃、塵等の異物Dがその傾斜に沿って移動し、搬送ベルト55の側方へ落下することになる。
【0028】
したがって、これらの異物Dは堆積しにくく、また搬送面に落下しにくくなり、搬送面を移動する物品に混じるという衛生面の問題が大幅に改善される。
【0029】
また、ヘッド30の前面に固定した指示器40の上面側(操作面40a)もヘッド30の第1傾斜部35aと連続するように傾斜させているので、ゴミを搬送面からより遠い位置に落下させることができ、さらに衛生上で安全となる。
【0030】
前記実施形態のヘッド30は、上面側の頂部が前板56寄りにある形状をしていたが、穴32の貫通方向に直交する平面内で端部に向かって傾斜するように形成したものであればよく、例えば図7のヘッド30′のように中央部に頂部がある形状や、図8のヘッド30″のように頂部が前端(あるいは後端)にあって、後端(あるいは前端)まで単調に傾斜する傾斜部35bで形成してもよい。
【0031】
また、筐体31の上面側の傾斜は上記のような直線状だけでなく、例えば図9のように、円弧状に傾斜していてもよく、また、図10のように中央に平坦部35cを設けてもよい。
【0032】
また、上記実施形態のヘッドは、前端あるいは後端へ向かって下降するように傾斜し、側方(搬送面側)に対しては傾斜していない平坦構造として、清掃作業が容易に行えるようにしていたが、搬送面側への異物の落下を優先する場合、筐体上面に前後方向に沿った、即ち、穴32の貫通方向に直交する溝を設けたり、側板33、34の上縁を上板35より高くする等して、異物が溝や側板上縁の間から側方(搬送面側)へ移動できない構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態の斜視図。
【図2】実施形態の平面図
【図3】実施形態の左側面図
【図4】実施形態の右側面図
【図5】実施形態の正面図
【図6】実施形態の底面図
【図7】実施形態の要部の変形例を示す図
【図8】実施形態の要部の変形例を示す図
【図9】実施形態の要部の変形例を示す図
【図10】実施形態の要部の変形例を示す図
【符号の説明】
【0034】
20……金属検出機、21……基部、22……脚、30……金属検出用ヘッド、31……筐体、32……穴、33、34……側板、35……上板、35a……第1傾斜部、35b……第2傾斜部、36……前板、37……後板、38……底板、40……指示器、40a……操作面、41、42……側板、45……駆動ローラ、46……駆動モータ、47……駆動ベルト、50……従動ローラ、51……ベルト受け、55……搬送ベルト
【出願人】 【識別番号】302046001
【氏名又は名称】アンリツ産機システム株式会社
【出願日】 平成18年10月13日(2006.10.13)
【代理人】 【識別番号】100079337
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 誠志


【公開番号】 特開2008−96364(P2008−96364A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−280637(P2006−280637)