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【発明の名称】 乗員検知システム
【発明者】 【氏名】山中 正一

【氏名】伊藤 弘之

【氏名】神園 勉

【要約】 【課題】高価な材料を必要とせず、コネクタの防水構造を向上させることができる乗員検知システムを提供する。

【構成】乗員検知システム1は、環状のセンサ端子保護部22を一体的に形成した乗員検知センサ2と、環状の開口部3aを有するコネクタケース3と、コネクタケース3の開口部3aを被覆するコネクタカバー4とを備える。そして、このコネクタカバー4とコネクタケース3の開口部3aの端面との間にセンサ端子保護部22を全周挟むように配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシートの座面部及び背もたれ部のうち少なくとも一方の内部に配置されるセンサ本体部と、環状からなり前記センサ本体部の端部と一体的に形成されるセンサ端子保護部と、前記センサ端子保護部の内周縁から内側に突出するように一体的に形成されるセンサ端子部と、を有する乗員検知センサと、
環状の開口部を有するコネクタケースと、
前記コネクタケースの前記開口部を被覆し、前記コネクタケースの前記開口部の端面との間に前記センサ端子保護部を全周挟むように配置されるコネクタカバーと、
を備えることを特徴とする乗員検知システム。
【請求項2】
前記センサ端子保護部は、環状軸方向の両端面間の距離が均一となるように形成される請求項1記載の乗員検知システム。
【請求項3】
前記センサ端子保護部の前記両端面は、平面状に形成される請求項1又は2に記載の乗員検知システム。
【請求項4】
前記センサ端子保護部は、
複数層の各層が環状からなるフィルム集積体と、
前記各層に挟まれるように保持される導体からなり、前記センサ端子部と電気的に接続される回路電極と、
を備える請求項1〜3のいずれかに記載の乗員検知システム。
【請求項5】
環状からなり、前記コネクタケースの前記開口部の端面と前記センサ端子保護部の環状軸方向の一方端面との間に圧縮されて配置される第一パッキンと、
環状からなり、前記コネクタカバーと前記センサ端子保護部の環状軸方向の他方端面との間に圧縮されて配置される第二パッキンと、
を備える請求項1〜4のいずれかに記載の乗員検知システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のシートに搭載される乗員検知センサの端子部分の構造、及びその端子を収容するコネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員検知システムは、例えば、静電容量式センサとコネクタと乗員検知ECU(電子制御ユニット)とを備えている。このうち、静電容量式センサは、電極に発生させた微弱電界の乱れを、電流あるいは電圧として出力するものである(例えば、特許文献1参照)。そして、乗員検知ECUが、静電容量式センサから出力される電流あるいは電圧に基づいて、車両のシートに乗員が着座しているか否かを判定する。
【0003】
ところで、静電容量センサの端部にコネクタが設けられており、このコネクタは、その内部で静電容量式センサと乗員検知ECUとを電気的に接続させる。静電容量式センサの搭載場所は、主に車両シートの内部であり、静電容量式センサの端部に位置するコネクタもシート内部あるいはシート付近に配置されている。したがって、このコネクタは、ジュース等のこぼし、子供の生理食塩水、雨水の降り込み、及びシート洗浄等に対して、コネクタ内部を被水から保護する防水構造とする必要がある。そこで、従来のコネクタの構造について、図8を参照して説明する。なお、図8(a)は、コネクタのカバー104を除いた状態の平面図であり、図8(b)は、図8(a)のカバー104を取り付けた状態の正面図である。
【0004】
従来のコネクタは、環状の開口部103aを有するケース103と、その開口部103aを被覆するカバー104とを備えている。開口部103aは、ケース103上面の中央を凹状に陥没させた形状をしている。この開口部103a内部には、図示しない乗員検知ECUに導通する端子(以下、「ECU端子」と称する)が収容されている。また、開口部103aの端面には、環状の第一パッキン105が取り付けられており、それに対応する環状の第二パッキン106がカバー104にも取り付けられている。
【0005】
ここで、静電容量式センサの端部122(以下、「センサ端部」と称する)は、この第一パッキン105と第二パッキン106とに挟まれるように配置される。そして、センサ端部122に形成された端子123は、ケース103内のECU端子(図示せず)に接触している。
【0006】
従来、センサ端部122をコネクタ内に収容可能とするため、センサ端部122の図8(b)の左右方向幅は、第一パッキン105及び第二パッキン106の外周端の図8(b)の左右方向幅よりも狭く形成されていた。
【特許文献1】特開2006−27591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の構造では、センサ端部122の図8(b)の上下方向の厚みによって、センサ端部122の図8(b)の左右両側面付近、すなわち、センサ端部122、第一パッキン105及び第二パッキン106に囲まれる部分に隙間Aができてしまう。この隙間Aは、センサ端部122に沿って、コネクタの外部と内部とを貫通するものである。そのため、隙間Aによって、コネクタの防水が不完全となる問題がある。さらに、コネクタ内部の端子等が浸水によりショート等の不具合を起こす虞もある。
【0008】
これに対し、第一パッキン105及び第二パッキン106の材料として、シリコンジェル等の優れた柔軟性を有する材料を用いると、シリコンジェルが隙間Aに入り込むように変形し、隙間Aを埋めることができる。しかし、シリコンジェルは高価であるため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高価な材料を必要とせず、コネクタの防水性能を向上させることができる乗員検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の乗員検知システムは、乗員検知センサと、コネクタケースと、コネクタカバーとを備える。乗員検知センサは、車両のシートの座面部及び背もたれ部のうち少なくとも一方の内部に配置されるセンサ本体部と、環状からなりセンサ本体部の端部と一体的に形成されるセンサ端子保護部と、このセンサ端子保護部の内周縁から内側に突出するように一体的に形成されるセンサ端子部とを備えている。コネクタケースは、環状の開口部を有する。コネクタカバーは、コネクタケースの開口部を被覆し、コネクタケースの開口部の端面との間にセンサ端子保護部を全周挟むように配置されている。
【0011】
ここで、本発明における「環状」とは、ある形状の中央部分を貫通させたような中空形状であるものをいう。すなわち、中空円形、中空楕円形、中空三角形及び中空四角形等である。例えば、中空四角形とは、四辺形状の枠体となる。また、センサ本体部、センサ端子保護部及びセンサ端子部は一体的に形成されており、それぞれが同一フィルムから一体成形されるものも含まれる。
【0012】
本発明の特徴構成について以下に説明する。本発明は、乗員検知センサの端部に一体的に形成された環状のセンサ端子保護部を、コネクタケースとコネクタカバーで全周挟み込んだ構成となる。ここで、センサ端子保護部とコネクタケースとの間、及び、センサ端子保護部とコネクタカバーとの間に何も介在しない場合、すなわち、センサ端子保護部とコネクタケースとが直接接触し、且つ、センサ端子保護部とコネクタカバーとが直接接触する場合には、以下のようになる。
【0013】
この場合、センサ端子保護部及びコネクタケースは、センサ端子保護部の環状軸方向の一方端面と、コネクタケースの開口部の端面(以下、「開口端面」と称する)とが互いに、全周で、少なくとも線接触するように形成される。ここで、当該少なくとも線接触するとの意味は、当該一方端面と開口端面とが互いに、全周で線接触する場合のみならず、全周または一部で、面接触する場合を含む意味である。
【0014】
さらに、センサ端子保護部及びコネクタカバーは、センサ端子保護部の環状軸方向の他方端面と、コネクタカバーにおけるコネクタケースの開口端面を閉塞する面(以下、「閉塞面」と称する)とが互いに、前記他方端面の全周で、少なくとも線接触するように形成される。
【0015】
つまり、センサ端子保護部は、その外周がコネクタケースの開口端面の内周よりも大きく、且つ、その内周がコネクタケースの開口端面の外周よりも小さくなるように形成されている。さらに、コネクタカバーの閉塞面は、その外周が少なくともセンサ端子保護部の内周よりも大きく形成されている。そして、コネクタケースの開口端面の開口軸(環状軸)とセンサ端子保護部の環状軸とが平行となるように、且つ、コネクタケースの開口端面とセンサ端子保護部の環状軸方向の一方端面とが互いに全周で少なくとも線接触するように、コネクタケースとセンサ端子保護部とを配置する。そして、コネクタカバーは、その閉塞面とセンサ端子保護部の環状軸方向の他方端面の全周とが互いに少なくとも線接触するように配置される。
【0016】
さらに、コネクタケース及びコネクタカバーは、例えば、センサ端子保護部を挟み込む方向にそれぞれ押圧するように配置するとする。この場合、コネクタケースは、センサ端子保護部の環状軸方向におけるコネクタカバーが配置されている方向に向けて圧縮されている。コネクタカバーは、センサ端子保護部の環状軸方向におけるコネクタケースに向けて圧縮されている。したがって、コネクタケースとセンサ端子保護部との間、及び、コネクタカバーとセンサ端子保護部との間に、従来のようなセンサの厚みによりコネクタの外部と内部とを貫通するような隙間が存在しなくなる。これにより、コネクタの内部への浸水防止性能、すなわち防水性能は向上する。したがって、本発明は、コネクタ部分の防水性能を向上させ、センサ端子部及びECU端子の浸水による浮遊容量の増加、ショート及び接触不良等の不具合を防ぐ効果を有する。
【0017】
ここで、上記においては、センサ端子保護部とコネクタケースとが直接接触する場合、及び、センサ端子保護部とコネクタカバーとが直接接触する場合としたが、これに限られるものではない。センサ端子保護部とコネクタケースとの間、及び、センサ端子保護部とコネクタカバーとの間に、パッキンを介在するようにしてもよい。
【0018】
すなわち、この場合の本発明は、コネクタケースの開口端面とセンサ端子保護部の環状軸方向の一方端面との間に圧縮されて配置される環状の第一パッキンと、コネクタカバーとセンサ端子保護部の環状軸方向の他方端面との間に圧縮されて配置される環状の第二パッキンとを備えることになる。ここで、両パッキンの形状は環状である。また、パッキンの材料には、コネクタケース及びコネクタカバーよりも柔らかい材料を用いる。この材料は、樹脂またはゴム等の安価な材料でもよい。
【0019】
第一パッキンは、コネクタケースの開口端面の全周と接するように配置される。また、第二パッキンは、その全周がコネクタカバーの閉塞面と接するように配置される。そして、第一パッキンは、センサ端子保護部の環状軸方向の一方端面と、その全周で互いに少なくとも線接触するように形成されている。また、第二パッキンは、センサ端子保護部の環状軸方向の他方端面と、その全周で互いに少なくとも線接触するように形成されている。
【0020】
したがって、第一パッキンは、コネクタケースとセンサ端子保護部との間に配置される状態となる。また、第二パッキンは、コネクタカバーとセンサ端子保護部との間に配置される状態となる。すなわち、両パッキンは、センサ端子保護部を挟み込んだ状態となる。
【0021】
ここで、第一パッキンは、コネクタケースの開口端面からセンサ端子保護部の環状軸方向の一方端面に向けて圧縮されている。また、第二パッキンは、コネクタカバーからセンサ端子保護部の環状軸方向の他方端面に向けて圧縮されている。つまり、両パッキンは、互いにセンサ端子保護部を挟む方向に圧縮されている。センサ端子保護部とコネクタケース及びコネクタカバーとの間にそれぞれパッキンを圧縮して配置することにより、センサ端子保護部の環状軸方向の両端面における密着性がさらに向上する。したがって、防水効果はさらに向上し、センサ端子部及び乗員検知ECUの端子等の浸水による故障防止効果もより向上する。
【0022】
また、本発明の乗員検知システムにおいて、センサ端子保護部は、環状軸方向の両端面間の距離が均一となるように形成されることが好ましい。すなわち、センサ端子保護部は、そのコネクタケースに接する面とそのコネクタカバーに接する面との距離、または、第一パッキンに接する面と第二パッキンに接する面との距離が均一になるように設計され、製造されることが好ましい。ただし、距離が均一とは、製造誤差による距離のバラツキを含む意味である。
【0023】
これにより、センサ端子保護部にコネクタケース及びコネクタカバーが直接接する場合には、センサ端子保護部の環状軸方向の端面に対応するコネクタケースの開口端面及びコネクタカバーの閉塞面の形状は一義的に決定される。つまり、センサ端子保護部の環状軸方向の両端面間の距離が均一であることにより、コネクタケースの開口端面とコネクタカバーの閉塞面とは同形状とすることができる。したがって、コネクタケース及びコネクタカバーの形成が容易となる。また、センサ端子保護部は、予め両端面間の距離が均一なフィルム等から容易に形成することができる。
【0024】
また、センサ端子保護部に第一パッキン及び第二パッキンが直接接する場合には、センサ端子保護部の環状軸方向の端面に対応する第一パッキンの一方端面及び第二パッキンの一方端面の形状は一義的に決定される。つまり、センサ端子保護部の環状軸方向の両端面間の距離が均一であることにより、第一パッキンの一方端面と第二パッキンの一方端面とは同形状とすることができる。したがって、第一パッキン及び第二パッキンの形成が容易となる。
【0025】
さらに、センサ端子保護部の環状軸方向の両端面は、平面状に形成されることが好ましい。この両端面を平面状とすることにより、センサ端子保護部にコネクタケース及びコネクタカバーが直接接する場合には、この両端面に接するコネクタケースの開口端面及びコネクタカバーの閉塞面も平面状とすることになる。したがって、コネクタケース及びコネクタカバーの形成がさらに容易になる。また、センサ端子保護部に第一パッキン及び第二パッキンが直接接する場合には、この両端面に接する第一パッキン及び第二パッキンの面を平面状とすることになる。したがって、第一パッキン及び第二パッキンの形成がさらに容易になる。
【0026】
また、センサ端子保護部の環状軸方向の両端面を平面状とすることにより、センサ端子保護部の形成においても、扁平なフィルム等から形成可能となるなど、製造が容易となる。さらに、センサ端子保護部の環状軸方向の一方端面とコネクタケースの開口端面、及び、センサ端子保護部の環状軸方向の他方端面とコネクタカバーの対応面とが、それぞれ同一平面上で接することとなる。または、センサ端子保護部の環状軸方向の一方端面と第一パッキンの一方端面、及び、センサ端子保護部の環状軸方向の他方端面と第二パッキンの一方端面とが、それぞれ同一平面上で接することとなる。このため、接する面同士の密着性を向上させやすく、防水効果をさらに向上させることができる。
【0027】
ここで、本発明における乗員検知センサのセンサ本体部として、例えば、静電容量式センサが用いられる。この静電容量式センサ等は、複数層のフィルム集積体と、その各層に挟まれるように保持される導体からなる回路及び電極とを備えているものがある。
【0028】
このような構成からなるセンサ本体部を用いる場合において、センサ端子保護部の構造を静電容量式センサであるセンサ本体部と同一構造とする方がよい。すなわち、センサ端子保護部は、複数層の各層が環状からなるフィルム集積体と、その各層に挟まれるように保持される導体からなる回路電極とを備えている構成にするとよい。
【0029】
これにより、センサ端子保護部の形成の際、静電容量式センサの一部として同時に形成することが可能となる。すなわち、静電容量式センサと同一構造とすることにより、センサ端子保護部は形成が容易となり、静電容量式センサと一体的に形成することがさらに容易となる。
【0030】
さらに、センサ端子保護部のフィルム集積体の各層を環状とすることにより、それぞれのフィルムの間に隙間が生じないように、センサ端子保護部を形成することができる。したがって、それぞれのフィルムの間からコネクタの内部に水等が侵入することを防止できる。
【0031】
さらに、フィルム集積体の各層が環状であることにより、積層される両端に位置するフィルムが、それぞれコネクタケース、コネクタカバー、第一パッキン、または、第二パッキンに、全周で、少なくとも線接触することになる。つまり、積層される両端に位置するフィルムと、コネクタケース及びコネクタカバー等との間に、隙間が形成されないようにすることができる。したがって、積層される両端に位置するフィルムとコネクタケース等との間から水等が侵入することを防止できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の乗員検知システムによれば、高価な材料を用いることなく、コネクタケース及びコネクタカバーを備えるコネクタ部分の防水性能を向上させ、センサ端子及びECU端子の浸水による浮遊容量の増加、ショート及び接触不良等の不具合を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
<第1実施形態>
以下、本発明の乗員検知センサの好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は、乗員検知システム1を車両のシートに配置した状態を示す図である。図2は、乗員検知センサ2の平面図である。
【0034】
まず、車両のシートについて図1を参照して説明する。車両のシートは、座面部7と、背もたれ部8と、シートフレーム9とを備えている。座面部7は、シートにおいて主に乗員が着座するところであり、座面表皮7aと座部クッション7bとを備えている。座面表皮7aは、座面部7の上部表面を形成し、座部クッション7bは、座面表皮7aの下に配置される。また、背もたれ部8は、座面部7と同様に、背面表皮(図示せず)と背部クッション(図示せず)とを備える。また、シートフレーム9は、金属からなり、車両GND(接地)に導通し、シートの骨格を形成している。ここで、第1実施形態の乗員検知システム1を構成するセンサ本体部21(後述する)が、座面部7の座面表皮7aと座部クッション7bとの間に配置されている。
【0035】
この乗員検知システム1は、車両のシートに着座した乗員等を検知する乗員検知センサ2を備えている。例えば、この乗員検知センサ2は、乗員が着座しているか、それとも、空席であるかを検知する。さらに、乗員検知センサ1は、大人、子供、及び、チャイルドシート等の乗員の種別を判別するために用いる。第1実施形態では、乗員検知センサ2として、静電容量式のセンサを用いる。これは、電極に発生させた微弱電界の乱れを、電流あるいは電圧として出力するセンサである。
【0036】
なお、乗員検知センサ2による乗員等の検知情報は、シートベルト警報装置における警報ランプを点灯するか否かの判定の際に用いられる。例えば、乗員がシートに着座していることが検知された場合、その座席でシートベルトが装着されていなければ警報ランプを点灯させる。
【0037】
さらに、乗員検知センサ2による乗員等の検知は、エアバッグ等の乗員保護装置を起動するか否かの判定にも用いられる。自動車が外部物体に衝突した場合であって、例えば、大人がシートに着座していると判定した場合には、乗員保護装置を起動させる。一方、子供がシートに着座していると判定した場合や空席の場合には、車両が外部物体に衝突したとしても、乗員保護装置を起動させない。
【0038】
この乗員検知システム1について、さらに詳しく説明する。乗員検知システム1は、乗員検知センサ2と、コネクタケース3と、コネクタカバー4とを備えている。
【0039】
乗員検知センサ2は、PETフィルムまたはPENフィルムをベースとし、適宜電極及び回路が設けられたFPC(フレキシブルプリント配線板)からなる。なお、乗員検知センサ2の断面構造は後述する。そして、この乗員検知センサ2は、センサ本体部21と、センサ端子保護部22と、センサ端子部23とを備えている。これらは、第1実施形態では、一体成形されている。
【0040】
センサ本体部21は、シートの座面部7の内部に配置されている。さらに詳細には、座面表皮7aと座部クッション7bとの間に配置されている。センサ本体部21は、図2に示すように、センサ電極部21aと、導電部21bとを備えている。センサ電極部21aは、主に座面部7のほぼ中央付近に配置される。導電部21bは、センサ電極部21aの一部(図2の右端)から図2の右側へ延在して形成されている。この導電部21bの図2の上下方向幅は、センサ電極部21aの図2の上下方向幅より狭く形成されている。ここで、導電部21bのセンサ電極部21aの反対側の端部を導出端21cと称する。
【0041】
センサ電極部21aは、シートフレーム9を対向電極とし、シートフレーム9との間に電界を発生させる。ここで、シートが空席の場合、両電極間の比誘電率は、空気の比誘電率となる。一方、シートに乗員が着座した場合、両電極間に人体が介在することになり、比誘電率は、人体の比誘電率となる。このため、空席時と乗員着座時とで、両電極間の静電容量が変化し、検知される電流も変化する。
【0042】
導電部21bは、センサ電極部21aにおける上記電流の変化を導出端21cに伝送する。このように、センサ本体部21は、対向電極であるシートフレーム9との間の静電容量の変化を電流の変化として検知する(特許文献1を参照)。
【0043】
ここで、センサ本体部21の断面構造について図3を参照して説明する。図3は、図2のA−A断面図を左に90度回転させた状態の図を示している。すなわち、図2の手前側が、図3の上側に相当する。なお、説明の便宜上、各フィルム200、201、202及び各電極203、204、205の上下方向幅を誇張して示す。
【0044】
図3に示すように、センサ本体部21は、複数層のフィルム、すなわち、ベースフィルム200と上層フィルム201と下層フィルム202とを備えている。さらに、センサ本体部21は、導体として、第一電極203と、第二電極204と、第三電極205とを備えている。図3に示すように、複数層のフィルムは、図の上から下へ、上層フィルム201、ベースフィルム200、下層フィルム202の順に層状を形成し、各フィルム同士は粘着剤210によって結合されている。
【0045】
第一電極203は、上層フィルム201とベースフィルム200との間に挟まれるように保持されている。また、第一電極203は、ベースフィルム200上の略中央に配置されている。この第一電極203は、カーボン電極部203aと銀電極部203bとからなる。カーボン電極部203aは、矩形状をなし、銀電極部203bは、矩形枠状をなしている。また、銀電極部203bは、カーボン電極部203a外縁の若干内周側に配線されている。
【0046】
第二電極204は、第一電極203と同様に、上層フィルム201とベースフィルム200との間に挟まれるように保持されている。また、第二電極204は、第一電極203の外周側(図3の左側及び右側)に配置されている。この第二電極204は、カーボン電極部204aと銀電極部204bとからなる。第二電極204のカーボン電極部204a及び銀電極部204bは、第一電極203のカーボン電極部203a及び銀電極部203bとほぼ同様の構成からなる。
【0047】
第三電極205は、ベースフィルム200と下層フィルム202との間に挟まれるように保持されている。この第三電極205は、カーボン電極部205aと銀電極部205bとからなる。第三電極205のカーボン電極部205a及び銀電極部205bは、第一電極203のカーボン電極部203a及び銀電極部203bとほぼ同様の構成からなる。
【0048】
ここで、各電極203〜205の役割について簡単に説明する。第一電極203及び第二電極204は、シートの座面表皮7aを介してシートフレーム9との間に電界を発生させ、乗員の着座の有無等を検出する。このうち、第二電極204は、さらにシートの被水を検知する。第三電極205は、乗員がシートに着座していない状況で、シートの座部クッション7bを介してシートフレーム9との間に電界を発生させる。第三電極205は、乗員の着座の有無をより正確に検知するために設けられている。
【0049】
次に、図2及び図4を参照してセンサ端子保護部22を説明する。なお、図4は、図2のB−B断面図を左に90度回転させた状態の図を示している。すなわち、図2の手前側が、図4の上側に相当する。
【0050】
センサ端子保護部22は、全体として、図2に示すように、四角形の中央をくり貫いたような形状であり、いわゆる四辺体状の枠体である中空四角形(請求項1における「環状」に相当する)で、扁平状に形成されている。さらに、センサ端子保護部22は、センサ本体部21の端部、すなわち、導電部21bの導出端21cに一体的に形成されている。
【0051】
このセンサ端子保護部22は、詳細には、図4に示すように、センサ本体部21同様に、複数層のフィルム(請求項4における「フィルム集積体」に相当する)、すなわち、ベースフィルム221と上層フィルム222と下層フィルム223を備えている。ここで、センサ端子保護部22のベースフィルム221は、センサ本体部21のベースフィルム200に一体に形成され、センサ端子保護部22の上層フィルム222は、センサ本体部21の上層フィルム201に一体に形成され、センサ端子保護部22の下層フィルム223は、センサ本体部21の下層フィルム203に一体に形成されている。
【0052】
そして、これらのフィルム221〜223の各層は、何れも同形の中空四角形をなしている。さらに、図4に示すように、センサ端子保護部22の各フィルム221〜223は、各環状軸(環状の中心位置を通る軸)(図2及び図4に示す)が一致するように積層配置されている。そして、各フィルム同士は粘着剤224によって結合されている。このとき、センサ端子保護部22は、環状軸方向の両端面間(図4の上下端面間)の距離が均一になるように、且つ、環状軸方向の両端面が平面状に形成されている。
【0053】
また、センサ端子保護部22は、中空四角形の図2の左辺には、各フィルム221〜223に挟まれるように保持された導体225を備えている。この導体225は、中空四角形の図2の左辺のうち外周縁から内周縁に向かうように、且つ、図3に示すセンサ本体部21の第一電極203、第二電極204及び第三電極205と同様の構造からなる回路電極として形成されている。そして、導体225の外周縁は、センサ本体部21の導電部21bの導出端21cの各電極203、204、205に電気的に接続されている。一方、導体225の内周縁は、後述するセンサ端子部23に電気的に接続されている。つまり、センサ端子保護部22は、中空四角形の図2の上辺、下辺、及び右辺には、導体を保持していない。
【0054】
次いで、センサ端子部23は、センサ端子保護部22の図2の左辺の内周縁から、センサ端子保護部22の中空四角形の内側(中空四角形の中央側)に突出するように一体的に形成されている。つまり、上記したセンサ本体部21の導出端21cからセンサ端子保護部22の内周縁まで延在する複数層のフィルム221〜223及び導体(回路電極)225と一体的に形成されている。
【0055】
さらに、センサ端子部23は、センサ端子保護部22の導体225と電気的に接続されている。ここで、センサ端子部23は、その突出した先端に各導体が露出した端子電極23aを有する。この端子電極23aは、後述するコネクタケース3の内部に備えられたECU端子(図示せず)と接触し、センサ本体部21からの信号をECU端子に伝送する。
【0056】
次に、上記した乗員検知センサ2と、この乗員検知センサ2からの信号を情報として乗員を判別する乗員検知ECU(図示せず)との電気的接続部分であるコネクタ部分について図5を参照して説明する。また、図5には、コネクタ部分の構造を示す。特に、図5(a)はコネクタ部分のコネクタカバー4を除いた状態の平面図であり、図5(b)は図5(a)のコネクタカバー4を取り付けた状態の正面図である。
【0057】
このコネクタとして、樹脂等からなるコネクタケース3及びコネクタカバー4、さらに樹脂またはゴム等からなる第一パッキン5及び第二パッキン6を用いる。
【0058】
コネクタケース3は、直方体形状をなし、図5(b)の上面の中央が凹状に陥没している。この凹状に陥没した底面を除く部分は、環状となっている。すなわち、コネクタケース3は、環状からなる開口部31を有している。ここで、この開口部31の端面である開口端面31aは、中空四角形であり同一平面上に存在している。そして、コネクタケース3の開口端面31aは、センサ端子保護部22の環状軸方向の端面(以下、「環状端面」と称する)とほぼ同形に形成されている。詳細には、コネクタケース3の開口端面31aの対向辺の外周縁間距離が、センサ端子保護部22の環状端面の対向辺の外周縁間距離よりも僅かに大きい。また、コネクタケース3の開口端面31aの対向辺の内周縁間距離が、センサ端子保護部22の環状端面の対向辺の内周縁間距離よりも僅かに大きい。ここで、センサ端子保護部22の環状端面の対向辺の外周縁間距離は、コネクタケース3の開口端面31aの対向辺の外周縁間距離より小さく、内周縁間距離より大きくされている。
【0059】
そして、コネクタケース3の開口部31の内部には、図示しない乗員検知ECUに導通する端子(以下、「ECU端子」と称する)が備えられている。図は省略するが、このECU端子の一部がコネクタケース3の開口部31の底面に埋設され、固定されている。さらには、コネクタケース3の内部において、開口部31の底面の下方(図5(b)の下方)に、開口部31とは別の空間が形成されている。その空間に、乗員検知ECU等が配置され、ECU端子と結合されている。
【0060】
コネクタカバー4は、コネクタケース3の開口部31を被覆可能な大きさの直方体形状となっている。そして、コネクタケース3の開口部31の対向面であるコネクタカバー4の閉塞面4aは、四角形であり同一平面上に存在している。図5(b)に示すように、コネクタカバー4の閉塞面4aの四角形の外周形状が、コネクタケース3の開口端面31aの外周縁形状とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0061】
第一パッキン5及び第二パッキン6は、例えば、扁平状や断面円形状の中空四角形(請求項5における「環状」に相当する)に形成されている。これら第一パッキン5及び第二パッキン6は、同形状からなる。
【0062】
具体的には、第一パッキン5及び第二パッキン6の対向辺の内周縁間距離は、コネクタケース3の開口端面31aの対向辺の内周縁間距離よりも僅かに大きく形成されている。さらに、第一パッキン5及び第二パッキン6の対向辺の内周縁間距離は、センサ端子保護部22の環状端面の対向辺の内周縁間距離よりも僅かに大きく形成されている。
【0063】
第一パッキン5及び第二パッキン6の対向辺の外周縁間距離は、コネクタケース3の開口端面31aの対向辺の外周縁間距離及びコネクタカバー4の閉塞面4aの外周縁間距離よりも僅かに小さく形成されている。さらに、第一パッキン5及び第二パッキン6の対向辺の外周縁間距離は、センサ端子保護部22の環状端面の対向辺の外周縁間距離とほぼ同様に形成されている。
【0064】
ここで、コネクタケース3、コネクタカバー4、第一パッキン5、第二パッキン6の配置について説明する。なお、この配置についての説明において、上下方向とは、図5(b)の上下方向を意味する。
【0065】
第一パッキン5が、コネクタケース3の開口端面31aの上方に、開口端面31aに対応するように配置されている。このとき、第一パッキン5の下端面が、全周に亘って、コネクタケース3の開口端面31aと面接触するように配置されている。
【0066】
センサ端子保護部22が、第一パッキン5の上端面の上方に、センサ端子保護部22の環状端面が第一パッキン5の上端面に対応するように配置されている。このとき、センサ端子保護部22の下環状端面が、全周に亘って、第一パッキン5の上端面と面接触するように配置されている。
【0067】
第二パッキン6が、センサ端子保護部22の上環状端面の上方に、センサ端子保護部22の上環状端面に対応するように配置されている。このとき、第二パッキン6の下端面が、全周に亘って、センサ端子保護部22の上環状端面と面接触するように配置されている。つまり、第二パッキン6は、第一パッキン5との間にセンサ端子保護部22を全周挟むように配置されている。
【0068】
そして、コネクタカバー4が、第二パッキン6の上端面の上方に、第二パッキン6の上端面に対応するように且つ第二パッキン6の開口部を閉塞するように配置されている。このとき、コネクタカバー4の閉塞面4aが、第二パッキン6の上端面全周と面接触するように配置されている。さらに、コネクタカバー4は、コネクタケース3の開口端面31aとの離間距離を縮めるように、ボルト等によりコネクタケース3に固定する。
【0069】
したがって、第一パッキン5は、コネクタケース3の開口端面31aとセンサ端子保護部22の環状軸方向の一方端面との間に圧縮される。また、第二パッキン6は、コネクタカバー4とセンサ端子保護部22の環状軸方向の他方端面との間に圧縮される。
【0070】
つまり、第一パッキン5及び第二パッキン6は、環状軸方向に圧縮された状態で、センサ端子保護部22の各環状端面の全周を挟むように保持している。すなわち、センサ端子保護部22の環状端面は、それに接する各パッキン5、6が圧縮変形した状態で、全周面接触している。さらに、コネクタケース3及びコネクタカバー4も同様に、それに接する各パッキン5、6が圧縮変形した状態で、全周面接触している。
【0071】
このため、コネクタケース3の開口部31と、第一パッキン5と、センサ端子保護部22と、第二パッキン6と、コネクタカバー4の閉塞面4aとで囲まれた空間(以下、「コネクタ空間」と称する)が、密閉された空間となる。
【0072】
ここで、従来、このコネクタ空間に相当する部分は、コネクタケース103の開口部131と、第一パッキン105と、センサ端部122と、第二パッキン106と、コネクタカバー104の閉塞面104aとで囲まれた空間(以下、「旧コネクタ空間」と称する)である。そして、図8(b)に示すように、この旧コネクタ空間には、センサ端部122の側面に沿って隙間Aが存在していた。さらに、この隙間Aを埋めるために、高価なシリコンジェル等のパッキンが用いられていた。
【0073】
しかし、第1実施形態では、第一パッキン5とセンサ端子保護部22との間、及び、第二パッキン6とセンサ端子保護部22との間に、コネクタの外部からコネクタ空間へ通じる隙間が存在しないように構成されている。したがって、上記第1実施形態の構成とすることにより、コネクタの外部からコネクタ空間へ通じる隙間はなくなり、コネクタの防水性能は向上する。
【0074】
そして、センサ端子部23がセンサ端子保護部22の内周縁に形成されていることから、センサ端子部23はコネクタ空間内に存在している。また、ECU端子は、センサ端子部23の電極端子23aと接触するように、コネクタケース3の開口部3aの底面からコネクタ空間に向け埋設されている。センサ端子部及びECU端子が、防水性能が向上したコネクタ空間内にあることにより、浸水によるショート及び接触不良等が起きる危険性は低減する。
【0075】
以上、説明したとおり、第1実施形態の乗員検知システム1は、そのコネクタ部分の防水性能を向上させることができ、その内部にあるセンサ端子部及びECU端子が浸水する危険性を低減することができる。したがって、センサ端子部及びECU端子の浮遊容量の増加、ショート及び接触不良等の不具合を防ぐことができる。さらに、パッキンの材質は、高価なものを使わずともよく、製造コストを低減することが可能である。
【0076】
また、第1実施形態において、第一パッキン5及び第二パッキン6を用いなくても、コネクタの防水性能は向上される。すなわち、コネクタカバー4は、コネクタケース3の開口端面31aとの間にセンサ端子保護部22を全周挟むように配置されている。このとき、コネクタケース3及びコネクタカバー4は、比較的柔らかい樹脂等で形成されることが好ましい。これは、パッキンの圧縮効果をコネクタケース3及びコネクタカバー4に持たせるためである。これにより、コネクタケース3とセンサ端子保護部22、及びコネクタカバー4とセンサ端子保護部22との密着性が増し、防水性能も向上する。
【0077】
また、第一パッキン5と第二パッキン6の形状として、パッキン5、6がセンサ端子保護部22、コネクタケース3及びコネクタカバー4と接する面に、断面半円形状のパッキン部材を全周に一体的に設けた形状でもよい。すなわち、パッキン5、6の図5(b)正面から見た断面形状で、パッキン5、6がそれぞれ押圧される前の形状が上下方向に凸状である凸状部分を有してもよい。さらに、パッキン5、6は、この凸状部分を複数周有していてもよい。また、第一パッキン5と第二パッキン6の断面形状は同一形状でなくてもよい。
【0078】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。図6は、乗員検知センサ80の平面図である。また、図7(a)はコネクタ部分のカバー84を除いた状態の平面図であり、図7(b)はコネクタ部分のカバー84を取り付けた状態の正面図である。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
第2実施形態における乗員検知システムは、乗員検知センサ80と、コネクタカバー84と、コネクタケース83と、第一パッキン84と、第二パッキン85とを備えている。
【0080】
図6に示すように、乗員検知センサ80は、センサ本体部21と、センサ端部82とを備えている。センサ本体部21は、静電容量式センサであり、複数層のフィルムと各フィルム同士の間に挟まれるように配置された導体とを備えている。
【0081】
センサ端部82は、主に座面部7のほぼ中央付近に配置されるセンサ本体部21から、図6の右側へ延在して形成されている。このセンサ端部82の図6の上下方向幅は、センサ本体部21の図6の上下方向幅より狭く形成されている。そして、センサ端部82の先端には、センサ端子82aを有している。ここで、センサ本体部21の導体は、センサ端部82のセンサ端子82aまで連続的に延在するよう形成されている。つまり、センサ本体部21は、センサ端子82aに導通している。
【0082】
コネクタケース83は、直方体形状からなり、図7(b)の上面の中央が凹状に陥没した開口部83aを有している。この開口部83aの端面である開口端面83bは、図7(a)に示すように、中空四角形となっている。この中空四角形は、第1実施形態におけるコネクタケース3の開口端面31aと同様の形状である。
【0083】
ここで、コネクタケース83の開口端面83bにおいて、4辺のうち後に配置されるセンサ端部82に対応する1辺(図7(a)の下辺)には、コネクタケース83の外周縁から内周縁に向かって溝83cが形成されている。この溝83cは、開口端面83bの1辺を、上底より下底の方が小さい台形状に陥没させた形状となっている。ここで、溝83cの上底の開口幅は、センサ端部82の幅(図7(b)の左右方向の長さ)よりも僅かに大きくしている。さらに、溝83cの深さ(図7(b)の上下方向の高さ)は、センサ端部82の厚さ(図7(b)の上下方向の長さ)とほぼ同じにしている。また、溝83cの下底は、センサ端部82の幅(図7(b)の左右方向の長さ)とほぼ同じにしている。そして、コネクタケース83の開口部83aの内部には、図示しない乗員検知ECUに導通する端子(以下、「ECU端子」と称する)が備えられている。
【0084】
コネクタカバー84は、第1実施形態におけるコネクタカバー4と同様の形状である。つまり、コネクタカバー84は、コネクタケース83の開口部83aを被覆可能な大きさの直方体形状となっている。そして、コネクタケース83の開口部83aの対向面であるコネクタカバー84の閉塞面84aは、四角形であり同一平面上に存在している。図7(b)に示すように、第1実施形態では、コネクタカバー84の閉塞面84aの四角形の外周が、コネクタケース83の開口端面83aの外周とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0085】
第一パッキン85及び第二パッキン86は、樹脂及びゴム等からなる。そして、図7に示すように、第一パッキン85及び第二パッキン86は、扁平状の中空四角形となっている。これら第一パッキン85及び第二パッキン86は、同形状からなる。また、第一パッキン85及び第二パッキン86は、第1実施形態における第一パッキン5及び第二パッキン6と同様の形状からなる。
【0086】
次に、コネクタケース83、コネクタカバー84、第一パッキン85、第二パッキン86の配置について説明する。なお、この配置についての説明において、上下方向とは、図7(b)の上下方向を意味する。
【0087】
第一パッキン85が、コネクタケース83の開口端面83aの上方に、開口端面81aに対応するように配置されている。センサ端部82が、第一パッキン85の上端面の上方であって、開口端面83aの溝83cの上方に位置するように配置されている。第二パッキン86が、第一パッキン85の上端面の上方、且つ、センサ端部82の上方に、第一パッキン85の上端面に対応するように配置されている。
【0088】
そして、コネクタカバー84が、第二パッキン86の上端面の上方に、第二パッキン86の上端面に対応するように且つ第二パッキン6の開口部を閉塞するように配置されている。このとき、コネクタカバー84の閉塞面84aが、第二パッキン86の上端面全周と面接触するように配置されている。さらに、コネクタカバー84は、コネクタケース83の開口端面83aとの離間距離を縮めるように、ボルト等によりコネクタケース83に固定する。
【0089】
ここで、コネクタケース83の開口部83aには溝83cが形成され、且つ、溝83cの上方にセンサ端部82が配置されているため、第一パッキン85はその溝83cに沿って陥没(図7(b)の下方に凹んだ状態)するように圧縮変形する。このとき、溝83cの深さは、センサ端部82の厚さとほぼ同等であるため、第一パッキン85の上端面のうち溝83cに陥没していない部分と、センサ端部82の上端面とは、同一平面状に位置することになる。この同一平面状となる面には、第二パッキン86の下端面が全周に亘って当接する。
【0090】
さらに、溝83cの上底の開口幅は、センサ端部82の幅よりも僅かに大きくされている。したがって、センサ端部82の側面に第一パッキン85が当接するように、第一パッキン85が変形する。
【0091】
このように、第2実施形態では、コネクタケース83にセンサ端部82に対応する溝83cが形成されているため、センサ端部82を両パッキン85、86で挟んだときに現れるセンサ端部82の厚さによる段差が起こりにくい。すなわち、図8における隙間Aに相当する隙間は発生しにくくなる。コネクタケース83の溝83cによって、第一パッキン85と第二パッキン86との間にセンサ端部82を挟みこむスペースを予め設けてあるので、センサ端部82を圧縮して挟み込めば、センサ端部82の側面付近は両パッキンにより埋めることが可能となる。
【0092】
したがって、パッキンの材料に高価な材料を用いることなく、コネクタ部分の防水性能は向上する。これにより、センサ端子83及びECU端子は、浸水によるショート及び接触不良等を発生しにくくなる。
【0093】
また、第2実施形態において、ケース83の溝83cの深さは、センサ端部82の厚さ以下であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】乗員検知システム1を車両のシートに配置した状態を示す図である。
【図2】第1実施形態の乗員検知センサ2の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図を左に90度回転させた状態の図である。
【図4】図2のB−B断面図を左に90度回転させた状態の図である。
【図5】(a)第1実施形態のコネクタ部分のコネクタカバーを除いた状態の平面図である。(b)図5(a)のコネクタカバーを取り付けた状態の正面図である。
【図6】第2実施形態の乗員検知センサ20の平面図である。
【図7】(a)コネクタ部分のコネクタカバーを除いた状態の平面図である。(b)図7(a)のコネクタカバーを取り付けた状態の正面図である。
【図8】(a)従来のコネクタ部分のカバーを除いた状態の平面図である。(b)図8(a)のカバーを取り付けた状態の正面図である。
【符号の説明】
【0095】
1:乗員検知システム
2:乗員検知センサ
21:センサ本体部
21a:センサ電極部、21b:導電部、21c:導出端
22:センサ端子保護部
23:センサ端子部、23a:電極端子
3:コネクタケース、31:開口部、31a:開口端面
4:コネクタカバー、4a:閉塞面
5:第一パッキン、6:第二パッキン
7:座面部、7a:座面表皮、7b:座部クッション
8:背もたれ部、9:シートフレーム
122:センサ端部、123:端子
103:ケース、103a:開口部、104:カバー
105:第一パッキン、106:第二パッキン
10:乗員検知システム、20:乗員検知センサ
82:センサ端部、82a:センサ端子
83:ケース、83a:開口部、83b:開口端面、83c:溝
84:カバー、84a:閉塞面
200、221:ベースフィルム、
201、222:上層フィルム、202、223:下層フィルム
203:第一電極、203a:カーボン電極部、203b:銀電極部
204:第二電極、204a:カーボン電極部、204b:銀電極部
205:第三電極、205a:カーボン電極部、205b:銀電極部
210、224:粘着剤、225:導体
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年9月5日(2006.9.5)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏


【公開番号】 特開2008−64501(P2008−64501A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−240449(P2006−240449)