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【発明の名称】 光電センサ
【発明者】 【氏名】伊藤 耕嗣

【氏名】古川 裕明

【氏名】樋口 陽子

【要約】 【課題】物体の検出動作と診断動作とを同時に行うことができる光電センサを提供すること。

【構成】操作スイッチは複数組の投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bを備え、各組の投光素子11a,11bからの投射光の一部を光導波路により他の組の受光素子12b,12aに受光可能とした。操作スイッチのCPU21は、各組の投光素子11a,11bを順次投光駆動し、各組の投光タイミングにおける、投光駆動する投光素子11a,11bと対向配置された受光素子12a,12bの受光量に応じて検出用コンパレータ24から出力される検出信号X1に基づいて被検出物の検出を行う。更に、CPU21は、各組の投光タイミングにおける、投光駆動する投光素子11a,11bからの投射光の一部を受光する他の組の受光素子12b,12aの受光量に応じて故障判別用コンパレータ25から出力される判別信号X2に基づいて故障判断を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出領域へ向けて光を照射する投光手段と、当該投光手段と対となって検出領域からの光を受光する受光手段を複数組備え、前記検出領域の被検出物を検出する光電センサにおいて、
各組の前記投光手段からの光の一部をその投光手段と異なる組の受光手段にて前記検出領域を介さずに受光可能とし、
各組の投光手段を順番に投光駆動する駆動手段と、
各組の投光タイミングにおける、投光駆動される投光手段と対となる受光手段の受光量に基づいて被検出物の検出を行う検出手段と、
各組の投光タイミングにおける、投光駆動される投光手段の光の一部が受光可能とされた他の組の受光手段の受光量に基づいて故障判断を行う故障判断手段と、
を備えることを特徴とする光電センサ。
【請求項2】
請求項1記載の光電センサにおいて、
各組の投光手段及び受光手段は前記検出領域を挟んで対向配置されてなることを特徴とする光電センサ。
【請求項3】
請求項2記載の光電センサにおいて、
各組毎に前記投光手段と前記受光手段とが互い違いに配置されていることを特徴とする光電センサ。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の光電センサにおいて、
隣り合う組の投光手段と受光手段との間に、該投光手段からの光の一部を該受光手段に導く導光手段を備えたことを特徴とする光電センサ。
【請求項5】
請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の光電センサにおいて、
各組の前記投光手段は、他の組の受光手段と前記検出領域を介さずに対向配置され、
各組の前記受光手段は、他の組の投光手段と前記検出領域を介さずに対向配置されてなる、ことを特徴とする光電センサ。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの何れか一項に記載の光電センサにおいて、
前記受光手段の出力信号レベルと比較判定レベルとを比較し、該比較結果に応じた検出信号を出力する検出用コンパレータと、
前記受光手段の出力信号レベルと故障判別レベルとを比較し、該比較結果に応じた判別信号を出力する故障判別用コンパレータと、
前記各組の受光手段のそれぞれと前記検出用コンパレータと前記故障判別用コンパレータに接続された開閉手段と、
前記各組の受光手段を前記検出用コンパレータに順次接続するとともに、前記検出用コンパレータに接続された受光手段と対向配置された投光手段からの光の一部が受光可能とされた他の組の受光手段を前記故障判別用コンパレータに接続するよう、前記開閉手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする光電センサ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、入光量によって物体を有無を検出する光電センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物体の有無を検出するために、光電センサが用いられている。光電センサは、対向配置される投光素子と受光素子とを備え、受光素子における受光量の変化に応じた信号を出力する。この信号のレベルと判定レベルとを比較することにより、物体の有無を検出することができる。
【0003】
ところで、投光素子や受光素子が故障したり、投光素子が劣化したりすると、物体の検出に支障をきたす。このため、光電センサには、投光素子に供給する駆動電流を減少させ、感度低下を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開昭57−102875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記光電センサでは、投光素子に供給する駆動電流を減少させて受光素子に向かって照射する光量を減少させているため、物体の検出動作と感度低下の検出動作とを同時に行うことができない、という問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、物体の検出動作と診断動作とを同時に行うことができる光電センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、検出領域へ向けて光を照射する投光手段と、当該投光手段と対となって検出領域からの光を受光する受光手段を複数組備え、前記検出領域の被検出物を検出する光電センサにおいて、各組の前記投光手段からの光の一部をその投光手段と異なる組の受光手段にて前記検出領域を介さずに受光可能とし、各組の投光手段を順番に投光駆動する駆動手段と、各組の投光タイミングにおける、投光駆動される投光手段と対となる受光手段の受光量に基づいて被検出物の検出を行う検出手段と、各組の投光タイミングにおける、投光駆動される投光手段の光の一部が受光可能とされた他の組の受光手段の受光量に基づいて故障判断を行う故障判断手段と、を備えたものである。
【0007】
この構成によれば、一の組の投光手段及び受光手段にて被検出物の検出動作を行うときに、その組の投光手段からの光の一部を受光可能な受光手段にて故障判別を行うため、通常の検出動作を続けながら、故障判断も行うことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光電センサにおいて、各組の投光手段及び受光手段は前記検出領域を挟んで対向配置されてなるものである。この構成によれば、投光素子及び受光素子によって検出領域を通過する光軸が形成され、該光軸を被検出物が遮断することにより被検出物が容易に検出される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の光電センサにおいて、各組毎に前記投光手段と前記受光手段とが互い違いに配置されているものである。この構成によれば、組が異なる投光手段と受光手段とが隣り合って配置されるため、投光手段からの光の一部をモニタ光として受光可能とさせるのが容易である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の光電センサにおいて、隣り合う組の投光手段と受光手段との間に、該投光手段からの光の一部を該受光手段に導く導光手段を備えたものである。この構成によれば、導光手段によって投光手段からの光の一部が受光される。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の光電センサにおいて、各組の前記投光手段は、他の組の受光手段と前記検出領域を介さずに対向配置され、各組の前記受光手段は、他の組の投光手段と前記検出領域を介さずに対向配置されてなるものである。この構成によれば、各組の投光手段から出射された光が、検出領域内の被検出物によって遮られることなく他の組の受光手段に直接的に入射されるため、検出動作と同時に故障判断が可能となる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のうちの何れか一項に記載の光電センサにおいて、前記受光手段の出力信号レベルと比較判定レベルとを比較し、該比較結果に応じた検出信号を出力する検出用コンパレータと、前記受光手段の出力信号レベルと故障判別レベルとを比較し、該比較結果に応じた判別信号を出力する故障判別用コンパレータと、前記各組の受光手段のそれぞれと前記検出用コンパレータと前記故障判別用コンパレータに接続された開閉手段と、前記各組の受光手段を前記検出用コンパレータに順次接続するとともに、前記検出用コンパレータに接続された受光手段と対向配置された投光手段からの光の一部が受光可能とされた他の組の受光手段を前記故障判別用コンパレータに接続するよう、前記開閉手段を制御する制御手段と、を備えたものである。
【0013】
この構成によれば、各組の受光手段が検出用コンパレータと故障判別用コンパレータに順次接続されるため、各組毎に検出用コンパレータと故障判別用コンパレータを設ける必要がなく、光電センサ全体の規模の拡大を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上記述したように、本発明によれば、物体の検出動作と診断動作とを同時に行うことが可能な光電センサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の光電センサを操作スイッチに具体化した一実施の形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、操作スイッチ1は、加工装置の操作台Sに設けられている。この操作スイッチ1は、作業者によって加工装置の起動及び停止を行わせるべく操作される。
【0016】
操作スイッチ1は、下側に開口する中空状のケース2を備え、そのケース2の開口は図示しないネジにより構成された板状の基台3によりを閉塞されている。ケース2は、光透過性材料からなり、下側が開口し平面視略正方形の箱状に形成されたベース部4と、該ベース部4から上側に向かって延びる略直方体箱状に形成された凸設部5とを有している。
【0017】
ベース部4内には、第1の基板6が固定され、凸設部5内には、第1の基板6と直交するように第2の基板7が固定されている。図2に示すように、ケース2内には、複数対(本実施形態では2対)の投光手段としての投光素子11a,11bと受光手段としての受光素子12a,12bが配設されている。対向する2対の投受光素子(第1投光素子11aと第1受光素子12a、第2投光素子11bと第2受光素子12b)は、隣接するとともに、各組毎に投光素子と受光素子とが互い違いに配置されてなる。
【0018】
詳述すると、第1の基板6には、第1投光素子11aと第2受光素子12bとが実装され、第2の基板7には、第1受光素子12aと第2投光素子11bとが配置されている。更に、第1の基板6上に搭載された第1投光素子11a及び第2受光素子12bは、ベース部4の辺に沿って配列され、第2の基板7上に搭載された第2投光素子11b及び第1受光素子12aは、凸設部5の上端近傍に配設されている。そして、第1の基板6上に搭載された第1投光素子11aからの投射光は、ベース部4の上面(外側面4a)を透過してケース2の外側に出射され、凸設部5の外側面5aを透過してケース2内部(凸設部5内部)に配設された第1受光素子12aに入射される。また、第2の基板7上に搭載された第2投光素子11bからの出射光は、外側面5aを透過してケース2の外部に出射され、外側面4aを透過してケース2内部(ベース部4内部)に配設された第2受光素子12bに入射される。
【0019】
そして、図1に示すように、ベース部4と凸設部5は、それぞれの外側面4a、外側面5aとが略直角をなす、更に詳しくは直角以上の角度をなすように形成されている。そして、両外側面4a,5a間に形成される空間に対向する投光素子11a,11bと受光素子12a,12bとの間の光軸L1,L2が形成される。詳しくは、第1の基板6上の投光素子11aからの投射光が第2の基板7上の受光素子12aに受光される第1の光軸L1が形成される。同様に、第2の基板7上の投光素子11bからの投射光が第1の基板6上の受光素子12bに受光される第2の光軸L2が形成される。
【0020】
そして、作業者が手で凸設部5を掴むと、指が両外側面4a,5a間に形成される空間に入り、第1の光軸L1と第2の光軸L2の少なくとも何れか一方を遮る。すると、投光素子11a,11bからの投射光が対向する受光素子12a,12bに受光されなくなるため、該受光素子12a,12bの出力信号に基づいて、物体(この場合では作業者の指)を非接触にて検出することができる。
【0021】
更に、両外側面4a,5aは、直角以上の角度をなすように形成されているため、太い指や手袋をはめた状態であっても空間に入りやすく、第1及び第2の光軸L1,L2の少なくとも一方が遮られるため、確実に作業者の手を検出することができる。
【0022】
第1の基板6上には、第1投光素子11aと第2受光素子12bとの間に、該投光素子11aからの投射光の一部を受光素子12bに導く導光手段としての光導波路13aが配設されている。同様に、第2の基板7上には、第2投光素子11bと第1受光素子12aとの間に、該投光素子11bからの投射光の一部を受光素子12aに導く導光手段としての光導波路13bが配設されている。
【0023】
従って、第1の基板6に搭載された第1投光素子11aからの投射光は、物体(本実施形態では手)を検出する検出領域A1を介して第2の基板7に搭載された第1受光素子12aに受光され、上記検出領域A1を介さずに第1の基板6に搭載された第2受光素子12bに受光される。同様に、第2の基板7に搭載された第2投光素子11bからの投射光は、検出領域A1を介して第1の基板6に搭載された第2受光素子12bに受光され、検出領域A1を介さずに第2の基板7に搭載された第1受光素子12aに受光される。つまり、第1投光素子11aと第2受光素子12bとの間に光軸L12が形成され、第2投光素子11bと第1受光素子12aとの間に光軸L21が形成される。尚、図1,2には、検出領域A1を概略的に示す。
【0024】
次に、操作スイッチ1の電気的構成を説明する。
図3に示すように、操作スイッチ1は、CPU21、第1及び第2投光回路22a,22b、第1及び第2受光回路23a,23b、検出用コンパレータ24、故障判別用コンパレータ25、開閉手段としての第1〜第4スイッチSW1〜SW4、第1及び第2投光素子11a,11b、第1及び第2受光素子12a,12bを備えている。これらを接続した回路は、第1の基板6と第2の基板7に搭載された図示しない電子部品を接続することにより構成されている。
【0025】
駆動手段、検出手段、故障判断手段、制御手段としてのCPU21には、投光手段としての第1及び第2投光回路22a,22bが接続されている。CPU21は、第1及び第2投光回路22a,22bに第1及び第2投光信号P1,P2を交互に出力する。第1及び第2投光回路22a,22bには第1及び第2投光素子11a,11bがそれぞれ接続されている。第1及び第2投光回路22a,22bは、第1及び第2投光信号P1,P2に応答して第1及び第2投光素子11a,11bを駆動する。従って、第1及び第2投光素子11a,11bは交互に点灯する。
【0026】
上記したように、第1投光素子11aからの投射光は第1及び第2受光素子12a,12bに受光され、第2投光素子11bからの投射光は第1及び第2受光素子12a,12bに受光される。第1及び第2受光素子12a,12bは受光手段としての第1及び第2受光回路23a,23bにそれぞれ接続されている。第1及び第2受光回路23a,23bは、第1及び第2受光素子12a,12bに流れる電流に応じた信号K1,K2を出力する。
【0027】
第1受光回路23aは、第1スイッチSW1を介して検出用コンパレータ24に接続されるとともに、第3スイッチSW3を介して故障判別用コンパレータ25に接続されている。第2受光回路23bは、第2スイッチSW2を介して検出用コンパレータ24に接続されるとともに、第4スイッチSW4を介して故障判別用コンパレータ25に接続されている。
【0028】
第1〜第4スイッチSW1〜SW4はCPU21に接続され、該CPU21から出力される制御信号S1〜S4に応答してオンオフする。CPU21は、第1及び第2受光回路23a,23bの出力信号K1,K2が、検出用コンパレータ24と故障判別用コンパレータ25とに相補的に入力されるよう、第1〜第4スイッチSW1〜SW4を制御する。詳述すると、CPU21は、第1スイッチSW1をオンして第1受光回路23aの出力信号K1を検出用コンパレータ24に入力させるとともに、第4スイッチSW4をオンして第2受光回路23bの出力信号K2を故障判別用コンパレータ25に入力させる。また、CPU21は、第2スイッチSW2をオンして第2受光回路23bの出力信号K2を検出用コンパレータ24に入力させるとともに、第3スイッチSW3をオンして第1受光回路23aの出力信号K1を故障判別用コンパレータ25に入力させる。
【0029】
検出用コンパレータ24は、第1又は第2受光回路23a,23bの出力信号K1,K2のレベルと検出判定レベルとを比較し、該比較結果に応じた検出信号X1を出力する。例えば、検出用コンパレータ24は、出力信号K1,K2のレベルが検出判定レベル以上、即ち第1又は第2受光素子12a,12bに入射される光量が所定レベル以上の場合にHレベルの検出信号X1を出力し、出力信号K1,K2のレベルが検出判定レベルより小さい、即ち入射光量が所定レベルより少ない場合にLレベルの検出信号X1を出力する。
【0030】
CPU21は、第1又は第2投光信号P1,P2に対応するタイミング(判定期間)において、その検出信号X1に基づいて、物体の有無を判定する。上記の例では、CPU21は、Hレベルの検出信号X1により光軸L1,L2上に物体が存在しないと判定し、Lレベルの検出信号X1により光軸L1,L2上に物体が存在すると判定する。
【0031】
故障判別用コンパレータ25は、第1又は第2受光回路23a,23bの出力信号K1,K2のレベルと故障判別レベルとを比較し、該比較結果に応じた判別信号X2を出力する。例えば、検出用コンパレータ24は、出力信号K1,K2のレベルが故障判別レベル以上、即ち第1又は第2受光素子12a,12bに入射される光量が所定レベル以上の場合にHレベルの判別信号X2を出力し、出力信号K1,K2のレベルが故障判別レベルより小さい、即ち入射光量が所定レベルより少ない場合にLレベルの判別信号X2を出力する。
【0032】
CPU21は、その判別信号X2に基づいて、故障の有無を判別する。上記の例では、CPU21は、Hレベルの判別信号X2によりその時の受光素子に入射光がある、即ち、その時の投光素子と、故障判別用コンパレータ25に接続される受光回路及び受光素子が故障していないと判別する。一方、CPU21は、Lレベルの判別信号X2によりその時の受光素子に入射光がない、又は受光回路又は故障判別用コンパレータ25に信号が入力されない、即ち、故障が発生していると判別する。
【0033】
上記のように構成された操作スイッチ1の動作を図4のタイミングチャートに従って説明する。
所定のタイミングにおいて、CPU21は、第1投光信号P1を出力し、第1投光回路22aは第1投光素子11aを駆動する。更に、CPU21は、第1及び第4制御信号S1,S4を出力し、第1受光回路23aを検出用コンパレータ24に接続し、第2受光回路23bを故障判別用コンパレータ25に接続する。
【0034】
第1投光素子11aからの投射光は、物体が光軸L1上に存在しない場合に第1受光素子12aに入射され、物体が光軸L1上に存在する場合に第1受光素子12aに入射されない。また、第1投光素子11aからの投射光は、光導波路13aを介して第2受光素子12bに入射される。
【0035】
物体が光軸L1上に存在しない場合、検出用コンパレータ24からHレベルの検出信号X1が出力される。また、故障判別用コンパレータ25からHレベルの判別信号X2が出力される。従って、CPU21は、Hレベルの検出信号X1に基づいて、物体が存在しないと判断する。また、CPU21は、Hレベルの判別信号X2に基づいて、故障していないと判別する。
【0036】
次に、CPU21は、同様に、第2投光信号P2を出力し、第2投光回路22bは第2投光素子11bを駆動する。更に、CPU21は、第2及び第3制御信号S2,S3を出力し、第2受光回路23bを検出用コンパレータ24に接続し、第1受光回路23aを故障判別用コンパレータ25に接続する。
【0037】
第2投光素子11bからの投射光は、物体が光軸L2上に存在しない場合に第2受光素子12bに入射され、物体が光軸L2上に存在する場合に第2受光素子12bに入射されない。また、第2投光素子11bからの投射光は、光導波路13bを介して第1受光素子12aに入射される。
【0038】
物体が光軸L2上に存在しない場合、検出用コンパレータ24からHレベルの検出信号X1が出力される。また、故障判別用コンパレータ25からHレベルの判別信号X2が出力される。従って、CPU21は、Hレベルの検出信号X1に基づいて、物体が存在しないと判断する。また、CPU21は、Hレベルの判別信号X2に基づいて、故障していないと判別する。
【0039】
上記に対して、Lレベルの検出信号X1とHレベルの判別信号X2が入力された場合、CPU21は、判別信号X2に基づいて故障していないと判別し、Lレベルの検出信号X1に基づいて光軸L1(L2)上に物体が存在していると判断する。
【0040】
第1投光信号P1と第2投光信号P2との少なくとも一方の信号を出力した場合に、Lレベルの判別信号X2が入力された場合、CPU21は、故障が発生していると判断する。例えば、第1投光信号P1を出力した時にLレベルの判別信号X2が入力された場合、CPU21から第1投光素子11a、第2受光素子12bを介して判別信号X2が入力される経路上において、故障又は断線していると判別することができる。
【0041】
更に、検出信号X1を利用することにより、故障箇所を判別することが可能である。例えば、第1投光信号P1を出力したときに、Hレベルの検出信号X1とLレベルの判別信号X2が入力された場合、第1投光素子11aからの投射光が第1受光素子12aに入射されている。従って、第2受光素子12bからCPU21までの間において故障又は断線していると判断することができる。
【0042】
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)操作スイッチ1は複数組の投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bを備え、各組の投光素子11a,11bからの投射光の一部を光導波路13a,13bにより他の組の受光素子12b,12aに受光可能とした。そして、操作スイッチ1のCPU21は、各組の投光素子11a,11bを順次投光駆動し、各組の投光タイミングにおける、投光駆動する投光素子11a,11bと対向配置された受光素子12a,12bの受光量に応じて検出用コンパレータ24から出力される検出信号X1に基づいて被検出物の検出を行う。更に、CPU21は、各組の投光タイミングにおける、投光駆動する投光素子11a,11bからの投射光の一部を受光する他の組の受光素子12b,12aの受光量に応じて故障判別用コンパレータ25から出力される判別信号X2に基づいて故障判断を行うようにした。
【0043】
従って、一の組の投光素子及び受光素子(例えば投光素子11aと受光素子12a)にて被検出物の検出動作を行うときに、その組の投光素子11aからの投射光の一部を光導波路13aにて受光素子12b受光させてその受光素子12bの受光量に基づいて故障判別を行うため、通常の検出動作を続けながら、故障判断も行うことができる。
【0044】
(2)各組毎に投光素子11a,11bと受光素子12a,12bとが互い違いに配置されてなり、隣り合う組の投光素子11aと受光素子12b、投光素子11bと受光素子12aとの間に、該投光素子11a,11bからの投射光の一部を該受光素子12b,12aに導く光導波路13a,13bを備えた。従って、投光素子11a,11bからの投射光を隣の組の受光素子12b,12aにて直接的に受光可能であるため、外乱光等の影響が少なく、故障判別を行うことができる。
【0045】
(3)各組の受光素子12a,12bに接続された受光回路23a,23bと検出用コンパレータ24及び故障判別用コンパレータ25との間にスイッチSW1〜SW4を設け、各スイッチSW1〜SW4を制御して受光回路23a,23bを検出用コンパレータ24と故障判別用コンパレータ25とに順次切り替え接続するようにした。従って、受光回路23a,23bのそれぞれに対して検出用コンパレータと故障判別用コンパレータとを設ける必要がなく、操作スイッチ1全体の規模の拡大を抑えることができる。
【0046】
尚、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、光電センサを2組の投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bを備えた操作スイッチに具体化したが、3組以上の投光素子及び受光素子を備えた多光軸光電センサに具体化してもよい。3組以上の投光素子及び受光素子を備えた光電センサの場合、上記実施形態と同様に、投光素子からの投射光の一部を隣接する他の組の受光素子に受光可能とするようにしてもよい。また、2組毎に互いの投光素子からの投射光を受光可能とする、即ち、図2に示す構成を複数備えるようにしてもよい。
【0047】
・上記実施形態では、光導波路13a,13bにより、検出動作のための投光素子11a,11bからの投射光を、検出動作を行わない受光素子12b,12aに検出領域A1を介さずに導くようにしたが、光ファイバ等の他の導光手段を用いてもよい。
【0048】
・上記実施形態では、第1の基板6に投光素子11aと受光素子12bと光導波路13aとを備え、第2の基板7に投光素子11bと受光素子12aと光導波路13bとを備えたが、図5に示すように、第1の基板6に投光素子11a,11bを備え、第2の基板7に受光素子12a,12bを備える構成としてもよい。そして、導光手段としての図示しない光ファイバ等により、第1投光素子11aからの投射光の一部を第2受光素子12bに受光させ、第2投光素子11bからの投射光の一部を第1受光素子12aに受光させるようにしてもよい。
【0049】
・上記実施形態では、被検出物による光の遮断の有無により当該被検出物の有無を検出するように投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bを配置した、所謂透過型の光センサを用いた操作スイッチ1に具体化した。つまり、複数対の投光素子及び受光素子を用いて被検出物を検出するとともに故障検出が可能な操作スイッチであって被検出物の有無によって受光素子の入射光量が変化すればよく、例えば、被検出物による光の反射の有無により当該被検出物の有無を検出する、所謂反射型の光センサを用いた操作スイッチに具体化してもよい。また、投光素子及び受光素子からの距離が所定の範囲内における被検出物の有無を検出する、所謂限定反射型の光センサを用いた操作スイッチに具体化してもよい。尚、故障検出のための構成及び動作は、上記実施形態と同じであればよい。
【0050】
図6に示すように、投光素子11a及び受光素子12aを、その投光素子11aから検出領域A2内に光が出射され、検出領域A2内の被検出物による反射光が受光素子12aに入射されるように配置する。同様に、投光素子11b及び受光素子12bを、その投光素子11bから検出領域A2内に光が出射され、検出領域A2内の被検出物による反射光が受光素子12bに入射されるように配置する。更に、投光素子11aと受光素子12bとを検出領域A2を介さずに対向配置し、投光素子11bと受光素子12aとを検出領域A2を介さずに対向配置する。この構成によれば、上記実施形態と同様に、故障判断のための光が検出領域A2を介さずに受光素子12a,12bに入射されるため、被検出物が検出領域A2内に存在しているときにもその被検出物にて遮られることなく故障判断の光を受光する、つまり通常の検出動作を続けながら故障判断も行うことができる。更に、上記実施形態における光導波路13a,13bを必要としないため、部品点数が少なく、製造が容易で、コストダウンを図ることができる。
【0051】
尚、図6は、検出領域A2に対する投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bの配置、被検出物を検出するための光軸L1,L2、及び故障判定のための光軸L12,L21を概略的に示すものである。この検出領域、投光素子11a,11b、及び受光素子12a,12bの配置関係を例えば図1,2に示す形状の光電スイッチに適用した場合、例えば、第1の基板6に投光素子11aと受光素子12bとを備え、第2の基板7に投光素子11bと受光素子12aとを備えるようにする。尚、図1,2に示す光電スイッチは一例にすぎず、光電スイッチの外形形状を適宜変更してもよいことは言うまでもない。
【0052】
・上記実施形態は、投光素子及び受光素子を複数組備え、各組の投光素子及び受光素子にて検出領域内の被検出物を検出し、互いに異なる組の投光素子及び受光素子による故障判断のための光軸が検出領域を介さずに形成されればよく、投光素子及び受光素子の配置については限定されない。例えば、透過型の光センサを構成する複数組の投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bを、図7に示すように、互いに異なる組の投光素子11aと受光素子12b、投光素子11bと受光素子12aとを検出領域A2を介さずに対向配置する。図7において、被検出物を検出するために形成される光軸L1,L2は、検出領域A2内で交差するが、2つの投光素子11a,11bは交互に投光制御されるため、光が干渉することはない。この構成によれば、上記実施形態と同様に、故障判断のための光が検出領域A2を介さずに受光素子12a,12bに入射されるため、被検出物が検出領域A2内に存在しているときにもの被検出物にて遮られることなく故障判断の光を受光する、つまり通常の検出動作を続けながら故障判断も行うことができる。更に、上記実施形態における光導波路13a,13bを必要としないため、部品点数が少なく、製造が容易で、コストダウンを図ることができる。
【0053】
尚、図7は、図6と同様に、検出領域A2に対する投光素子11a,11b及び受光素子12a,12bの配置、被検出物を検出するための光軸L1,L2、及び故障判定のための光軸L12,L21を概略的に示すものであり、光電スイッチの外形形状に応じて配置されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】操作スイッチの概略構成を示す側面図。
【図2】操作スイッチの概略構成を示す正面図。
【図3】操作スイッチの電気的構成を示すブロック図。
【図4】操作スイッチの動作を示すタイミングチャート。
【図5】投光素子と受光素子の配置を示す説明図。
【図6】別の投光素子と受光素子の配置を示す説明図。
【図7】別の投光素子と受光素子の配置を示す説明図。
【符号の説明】
【0055】
11a,11b…投光素子、12a,12b…受光素子、13a,13b…光導波路、21…CPU、22a,22b…投光回路、23a,23b…受光回路、24…検出用コンパレータ、25…故障判別用コンパレータ、A1,A2…検出領域、SW1〜SW4…スイッチ、P1,P2…投光信号、X1…検出信号、X2…判別信号、S1〜S4…制御信号。
【出願人】 【識別番号】000106221
【氏名又は名称】サンクス株式会社
【出願日】 平成18年10月31日(2006.10.31)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−58291(P2008−58291A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−297130(P2006−297130)