トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 多光軸光電センサ
【発明者】 【氏名】伊藤 純

【要約】 【課題】一列状に配列された複数の受光手段から出力された受光信号を一つの受光制御手段で受光処理する多光軸光電センサにおいて、投受光器の長さに係わらず適切に受光処理することのできる多光軸光電センサを提供すること。

【構成】受光制御回路23には、各受光素子22e〜22lと受光制御回路23との間に配される距離に対応した受光信号S2,S3の入力遅れ時間に関する遅延データを記憶する遅延データ記憶部29が設けられている。受光制御回路23は、遅延データに基づいて受光素子22e〜22lから出力された受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを遅延させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列状に配列され所定の順序で光を投光する複数の投光手段と、
前記複数の投光手段に対向して一列状に配列されるとともに前記投光手段の投光タイミングと同期して所定の順序で選択されて前記投光手段からの光を受光し信号ラインに受光信号を出力する複数の受光手段と、
前記受光手段の選択タイミングに基づいた所定の検出タイミングで前記信号ラインを介して入力される前記受光信号に基づいて受光処理する受光制御手段と
を備えた多光軸光電センサにおいて、
少なくとも一以上の受光手段において前記受光制御手段からの前記受光手段の前記信号ラインの距離に基づいた前記受光制御手段への前記受光信号の入力遅れ時間に関する遅延データを記憶する遅延データ記憶手段を設け、
前記受光制御手段は、前記受光手段から出力された前記受光信号を検出する前記検出タイミングをその前記遅延データによる遅延時間に基づいて遅延させることを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記遅延データ記憶手段は、前記受光制御手段からの距離が所定以上となる前記遅延データを記憶し、
前記受光制御手段は、該受光制御手段からの距離が所定以上となる前記受光手段から出力された受光信号を検出する検出タイミングを遅延させることを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記遅延データは、連続して配された複数の前記受光手段を一つの受光手段群として該受光手段群ごとに設定されたことを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記複数の受光手段は、直列接続によって増設可能な複数のユニットに所定の光軸ピッチにてそれぞれ配されるものであって、
前記受光処理の前に前記複数のユニットで構成される前記複数の受光手段の光軸数を検出し該光軸数に基づいて前記受光手段の光軸の位置を検出する光軸位置検出手段を備え、
前記受光制御手段は、前記受光手段の光軸の位置と前記受光制御手段への前記受光信号の入力遅れ時間に関する遅延係数とに基づいて前記遅延時間を算出することを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記複数の受光手段は、直列接続によって増設可能な複数のユニットにて構成され、この複数のユニットは前記受光手段の光軸ピッチの異なるユニットが接続されるものであって、
前記受光処理の前に前記複数のユニットで構成される前記複数の受光手段の光軸数と前記受光手段が配された前記ユニットの接続順位と前記受光手段が配された前記ユニットの前記光軸ピッチとを検出し前記光軸数と前記ユニットの接続順位と前記光軸ピッチとに基づいて前記受光手段の光軸の位置を検出する光軸位置検出手段を備え、
前記受光制御手段は、前記受光手段の光軸の位置と前記受光制御手段への前記受光信号の入力遅れ時間に関する遅延係数とに基づいて前記遅延時間を算出することを特徴とする多光軸光電センサ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の受光手段の配列方向に沿って配された信号ラインに順次出力された受光信号に基づいて各受光手段と該受光手段に対をなす投光素子との間に存在する被検出体を検出する多光軸光電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検出エリアに向けて光を投光する複数の投光手段(投光素子)が一列状に配列された投光器(投光装置)と検出エリアからの光を受光する複数の受光手段(受光素子)が一列状に配列された受光器(受光装置)とを備えた多光軸光電センサとして、例えば特許文献1に記載されているようなものがある。
【0003】
この多光軸光電センサの受光器は受光制御手段としてのマイコンを備えており、マイコンには受光素子の配列方向に配された信号ラインが接続されている。各受光素子はアナログスイッチを介してその信号ラインに接続されており、各アナログスイッチのゲート端子はシフトレジスタに接続されている。マイコンは、投光素子の投光タイミングに同期してアナログスイッチを順次オンさせ、オンされたアナログスイッチに接続された受光素子が投光素子からの光を受光すると、信号ラインを介してマイコンに受光信号が入力される。そして、マイコンは、信号ラインを介して入力された受光信号をクロックパルス信号に応じた所定の検出タイミングで検出し、受光信号が検出されなかった場合は検出エリア内に被検出体が配されていると判定する(受光処理)。
【特許文献1】特開2002−232285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検出エリアの拡大により投受光器の長さが投受光素子の配列方向に長くなり受光素子がマイコンから離れ各受光素子からマイコンへと受光信号を伝達する信号ラインの長さが長くなるほど、信号ラインの導体抵抗、寄生容量及び寄生インダクタンスなどによりマイコンに到達する受光信号に遅れが生じる。そのため、受光信号がマイコンに入力されるタイミングがマイコンの検出タイミング(受光処理における検出期間)からずれてしまい、マイコンが受光信号を適切に検出できない虞がある。
【0005】
そこで、例えば、受光手段の配列方向に沿って複数箇所(例えば、複数のユニットから構成される場合はユニットごと)にマイコンを設けて各受光素子からマイコンまでの信号ライン(配線)の長さを短くし、受光信号に遅れが生じることを防止するといったことが考えられる。しかしながら、このような構成では、投受光器の長さに応じた数のマイコンが必要となるため、投受光器の長さが長くなるに従ってマイコンの数が増加してしまう。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、一列状に配列された複数の受光手段から出力された受光信号を一つの受光制御手段で受光処理する多光軸光電センサにおいて、投受光器の長さに係わらず適切に受光処理することのできる多光軸光電センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、一列状に配列され所定の順序で光を投光する複数の投光手段と、前記複数の投光手段に対向して一列状に配列されるとともに前記投光手段の投光タイミングと同期して所定の順序で選択されて前記投光手段からの光を受光し信号ラインに受光信号を出力する複数の受光手段と、前記受光手段の選択タイミングに基づいた所定の検出タイミングで前記信号ラインを介して入力される前記受光信号に基づいて受光処理する受光制御手段とを備えた多光軸光電センサにおいて、少なくとも一以上の受光手段において前記受光制御手段からの前記受光手段の前記信号ラインの距離に基づいた前記受光制御手段への前記受光信号の入力遅れ時間に関する遅延データを記憶する遅延データ記憶手段を設け、前記受光制御手段は、前記受光手段から出力された前記受光信号を検出する前記検出タイミングをその前記遅延データによる遅延時間に基づいて遅延させる。
【0008】
同構成によれば、受光制御手段は、受光手段から出力された受光信号を検出する検出タイミングを、受光制御手段からの受光手段の信号ラインの距離に基づいた受光制御手段への受光信号の入力遅れ時間に関する遅延データによる遅延時間に基づいて遅延させる。従って、受光制御手段からの各受光手段の距離、即ち各受光手段と受光制御手段との間に配される信号ラインが長くなることに起因して遅れが生じた受光信号を、適切な検出タイミングで検出し受光処理することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多光軸光電センサにおいて、前記遅延データ記憶手段は、前記受光制御手段からの距離が所定以上となる前記遅延データを記憶し、前記受光制御手段は、該受光制御手段からの距離が所定以上となる前記受光手段から出力された受光信号を検出する検出タイミングを遅延させる。
【0010】
同構成によれば、受光制御手段は、受光制御手段からの距離が所定以上となる受光手段から出力された受光信号を検出する検出タイミングを遅延させるため、検出タイミングを遅延させる受光信号の数が少なくなる。よって、受光信号の遅延に係る処理を軽減することができる。また、遅延データ記憶手段には、受光制御手段からの距離が所定以上となる受光手段に関する遅延データが記憶されており、受光制御手段に比較的近い位置に配され受光信号の遅れが小さい受光手段に関する遅延データが記憶されていない。よって、遅延データ記憶手段に記憶される遅延データの量を少なくすることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の多光軸光電センサにおいて、前記遅延データは、連続して配された複数の前記受光手段を一つの受光手段群として該受光手段群ごとに設定された。
【0012】
同構成によれば、連続して配された複数の受光手段を一つの受光手段群として受光手段群ごとに遅延データが設定されているため、受光制御手段は連続して配された複数の受光手段からの受光信号を一定の検出タイミングで検出する。よって、受光信号の遅延に係る処理を軽減することができる。また、遅延データを連続して配された複数の受光手段ごとに設定することによって、遅延データ記憶手段に記憶される遅延データの量を少なくすることができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、前記複数の受光手段は、直列接続によって増設可能な複数のユニットに所定の光軸ピッチにてそれぞれ配されるものであって、前記受光処理の前に前記複数のユニットで構成される前記複数の受光手段の光軸数を検出し該光軸数に基づいて前記受光手段の光軸の位置を検出する光軸位置検出手段を備え、前記受光制御手段は、前記受光手段の光軸の位置と前記受光制御手段への前記受光信号の入力遅れ時間に関する遅延係数とに基づいて前記遅延時間を算出する。
【0014】
同構成によれば、受光手段の光軸の位置(チャンネル数)と遅延係数とに基づいて遅延時間が算出されるため、ユニットの増設に伴う遅延データの書き換えを行うことなく、各受光信号を適切な検出タイミングで検出し受光処理でき、ユニットの増設が容易なものとなる。また、遅延データ記憶手段に一つの遅延係数を記憶することにより全ての受光手段に関する遅延時間を算出することができるため、遅延データ記憶手段に記憶される遅延データの量を最少とすることができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、前記複数の受光手段は、直列接続によって増設可能な複数のユニットにて構成され、この複数のユニットは前記受光手段の光軸ピッチの異なるユニットが接続されるものであって、前記受光処理の前に前記複数のユニットで構成される前記複数の受光手段の光軸数と前記受光手段が配された前記ユニットの接続順位と前記受光手段が配された前記ユニットの前記光軸ピッチとを検出し前記光軸数と前記ユニットの接続順位と前記光軸ピッチとに基づいて前記受光手段の光軸の位置を検出する光軸位置検出手段を備え、前記受光制御手段は、前記受光手段の光軸の位置と前記受光制御手段への前記受光信号の入力遅れ時間に関する遅延係数とに基づいて前記遅延時間を算出する。
【0016】
同構成によれば、受光手段の光軸の位置と遅延係数とに基づいて遅延時間が算出されるため、ユニットの増設に伴う遅延データの書き換えを行うことなく、各受光信号を適切な検出タイミングで検出し受光処理でき、ユニットの増設が容易なものとなる。また、遅延データ記憶手段に一つの遅延係数を記憶することにより全ての受光手段に関する遅延時間を算出することができるため、遅延データ記憶手段に記憶される遅延データの量を最少とすることができる。また、光軸数とユニットの接続順位と光軸ピッチとに基づいて受光手段の位置が検出されるため、受光手段が異なる光軸ピッチで配されたユニットが組み合わされた場合でも、受光制御手段は受光手段の位置を的確に認識し各受光手段からの受光信号を適切な検出タイミングで検出し受光処理することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一列状に配列された複数の受光手段から出力された受光信号を一つの受光制御手段で受光処理する多光軸光電センサにおいて、投受光器の長さに係わらず適切に受光処理することのできる多光軸光電センサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る多光軸光電センサは、投光器10及び受光器20を備えている。投光器10及び受光器20は、互いに対向配置されるとともに同期線L1を介して接続されている。
【0019】
投光器10は、一列に配列された基本投光ユニット11aと複数(本実施の形態では2個)の増設投光ユニット11b,11cとから構成されている。投光ユニット11a〜11cは、互いに略等しい角柱状に形成されており、その長手方向に沿って下側から基本投光ユニット11a、第1増設投光ユニット11b及び第2増設投光ユニット11cの順に接続されている。基本投光ユニット11aの下端部には同期線L1が接続されている。
【0020】
各投光ユニット11a〜11cには、それぞれ発光ダイオード(LED)よりなる複数個(本実施の形態では4個)の投光手段としての投光素子12a〜12lが長手方向(投光ユニット11a〜11cの配列方向であって図1中、上下方向)に配されている。各投光ユニット11a〜11cに設けられた投光素子12a〜12lは、各投光ユニット11a〜11cが互いに接続されると、一列状に配列される。
【0021】
また、各投光ユニット11a〜11c同士の接続部には電気接続部(図示略)が設けられており、各投光ユニット11a〜11cが直列に接続された状態で隣接する投光ユニット11a〜11c同士が電気的に接続される。
【0022】
図1に示すように、受光器20は、一列に配列された基本受光ユニット21aと複数(本実施の形態では2個)の増設受光ユニット21b,21cとから構成されている。受光ユニット21a〜21cは、投光器10と同様、互いに略等しい角柱状に形成されており、その長手方向に沿って下側から基本受光ユニット21a、第1増設受光ユニット21b及び第2増設受光ユニット21cの順に接続されている。基本受光ユニット21aの下端部には同期線L1が接続されており、投光器10の基本投光ユニット11aに同期線L1を介して接続されている。
【0023】
各受光ユニット21a〜21cには、それぞれフォトダイオード(PD)よりなる複数個(本実施の形態では4個)の受光手段としての受光素子22a〜22lが長手方向(受光ユニット21a〜21cの配列方向であって図1中、上下方向)に配されている。各受光ユニット21a〜21cに設けられた受光素子22a〜22lは、各受光ユニット21a〜21cが互いに接続されると、投光素子12a〜12lに対向して一列状に配列される。
【0024】
また、各受光ユニット21a〜21c同士の接続部には、投光器10と同様、電気接続部(図示略)が設けられており、各受光ユニット21a〜21cが直列に接続された状態で隣接する受光ユニット21a〜21c同士が電気的に接続される。
【0025】
投光器10の基本投光ユニット11aは、投光素子12a〜12lを所定の順序(本実施の形態では下端側から上端側)で順次駆動するための制御信号を生成する。これにより、投光器10の各投光素子12a〜12lから所定の順序で投光がなされる。
【0026】
受光器20の基本受光ユニット21aは、受光素子22a〜22lを投光器10の投光素子12a〜12lの投光タイミングと同期して所定の順序で順次選択するための制御信号を生成する。選択された受光素子22a〜22lは投光素子12a〜12lからの光を受光する。これにより、投光器10と受光器20との間に下端側からの順次時分割の投光に基づく12本の光軸Lが形成され、所定範囲の検出エリアが設定される。選択された受光素子22a〜22lが光を受光すると受光信号S1,S2,S3(図2参照)が出力される。基本受光ユニット21aは、受光信号S1,S2,S3に基づいて投光器10及び受光器20間に配された物体(被検出体)を検出し検出信号D(図2参照)を出力する。
【0027】
次に、多光軸光電センサの電気的構成について説明する。
図2に示すように、投光器10の基本投光ユニット11aは、投光制御回路13、投光回路14a及び4つの投光素子12a〜12dを備えている。投光制御回路13は、CPU、ROM、RAM等よりなり、投光器10を制御する。また、投光制御回路13には、後述する同期信号SP検出時から一定周期でカウントする内部カウンタが設けられている。投光制御回路13は、この内部カウンタに基づいてクロックパルス信号SC、駆動パルス信号SI0を出力する。
【0028】
投光回路14aは、投光制御回路13に接続されている。投光回路14aには、基本投光ユニット11aに配された各4つの投光素子12a〜12dに接続される4つのスイッチ素子(図示略)と、それらスイッチ素子に接続される1つのシフトレジスタ(図示略)とが設けられている。投光回路14aは、そのシフトレジスタが投光制御回路13から出力されるクロックパルス信号SCに基づいて作動し、駆動パルス信号SI0を順次転送し、駆動パルス信号SI1を出力する。そして、投光回路14aは、そのシフトレジスタが駆動パルス信号SI0を転送する転送タイミングにてスイッチ素子をオンさせ投光素子12a〜12dを駆動する。これにより、各投光素子12a〜12dから順次に光が出射される。
【0029】
第1増設投光ユニット11bは、投光回路14b及び4つの投光素子12e〜12hを備えている。投光回路14bは、基本投光ユニット11aの投光回路14aに接続されている。投光回路14bには、第1増設投光ユニット11bに配された各4つの投光素子12e〜12hに接続される4つのスイッチ素子(図示略)とそれらスイッチ素子に接続される1つのシフトレジスタ(図示略)とが設けられている。投光回路14bは、そのシフトレジスタが投光制御回路13から出力されるクロックパルス信号SCに基づいて作動し、基本投光ユニット11aの投光回路14aから出力された駆動パルス信号SI1を順次転送し、駆動パルス信号SI2を出力する。そして、投光回路14bは、そのシフトレジスタが駆動パルス信号SI1を転送する転送タイミングにてスイッチ素子をオンさせ投光素子12e〜12hを駆動する。これにより、各投光素子12e〜12hから順次に光が出射される。
【0030】
第2増設投光ユニット11cは、第1増設投光ユニット11bと同様、投光回路14c及び4つの投光素子12i〜12lを備えている。投光回路14cは、第1増設投光ユニット11bの投光回路14bに接続されている。投光回路14cには、第2増設投光ユニット11cに配された各4つの投光素子12i〜12lに接続される4つのスイッチ素子(図示略)とそれらスイッチ素子に接続される1つのシフトレジスタ(図示略)とが設けられている。投光回路14cは、そのシフトレジスタが投光制御回路13から出力されるクロックパルス信号SCに基づいて作動し、第1増設投光ユニット11bの投光回路14bから出力された駆動パルス信号SI2を順次転送し、駆動パルス信号SI3を出力する。そして、投光回路14cは、そのシフトレジスタが駆動パルス信号SI2を転送する転送タイミングにてスイッチ素子をオンさせ投光素子12i〜12lを駆動する。これにより、各投光素子12i〜12lから順次に光が出射される。従って、投光器10の下端側の投光素子12aから上端側の投光素子12lへと順次に駆動パルス信号SI0〜SI3が転送され、クロックパルス信号SCに基づくタイミングで光が投光(出射)される。
【0031】
また、基本投光ユニット11aの投光制御回路13には、第2増設投光ユニット11cから出力される駆動パルス信号SI3が入力されるようになっている。投光制御回路13は駆動パルス信号SI3が入力されると、次の投光サイクルのための駆動パルス信号SI0を出力する。これにより、投光サイクルが構成され、光が循環的に出射される。
【0032】
受光器20の基本受光ユニット21aは、受光制御手段としての受光制御回路23、受光回路24a及び4つの受光素子22a〜22dを備えている。受光制御回路23はCPU、ROM、RAM等よりなり、受光器20を制御する。また、受光制御回路23は、同期信号SPを投光器10に出力する。また、受光制御回路23には、同期信号SP出力時から投光制御回路13の内部カウンタと同じ周期でカウントする内部カウンタが設けられている。受光制御回路23は、この内部カウンタに基づいて投光器10と同期するように生成されたクロックパルス信号SC、駆動パルス信号SI0を受光回路24aに出力する。また、受光制御回路23は、各受光素子22a〜22lから出力された受光信号S1,S2,S3に基づいて受光処理を実行する。また、受光制御回路23は、受光処理により検出エリア内に物体が配されているか否かを判定し、投光器10及び受光器20間に物体が配されている旨を報知するための検出信号Dを出力する。
【0033】
受光回路24aは、受光制御回路23に接続されている。受光回路24aには、基本受光ユニット21aに配された各4つの受光素子22a〜22dに接続される4つのスイッチ素子25a〜25dとそれらスイッチ素子に接続される1つのシフトレジスタ26aとが設けられている。
【0034】
各スイッチ素子25a〜25dは、受光素子22a〜22dの配列方向に沿って配された信号ライン27aに接続されている。信号ライン27aはコンパレータ28を介して受光制御回路23に接続されており、各受光素子22a〜22dは信号ライン27a及びコンパレータ28を介して受光制御回路23に接続されている。
【0035】
シフトレジスタ26aは、受光制御回路23から出力されるクロックパルス信号SCに基づいて作動し、駆動パルス信号SI0を順次転送し、駆動パルス信号SI1を出力する。そして、シフトレジスタ26aは、駆動パルス信号SI0の転送タイミングにてスイッチ素子25a〜25dをオンさせ受光素子22a〜22dが受光した入射光に応じたレベルの出力信号(アナログ信号)を信号ライン27aに出力させる。
【0036】
第1増設受光ユニット21bは、受光回路24b及び4つの受光素子22e〜22hを備えている。受光回路24bは、基本受光ユニット21aの受光回路24aに接続されている。受光回路24bには、第1増設受光ユニット21bに配された各4つの受光素子22e〜22hに接続される4つのスイッチ素子25e〜25hとそれらスイッチ素子25e〜25hに接続される1つのシフトレジスタ26bとが設けられている。
【0037】
各スイッチ素子25e〜25hは、受光素子22e〜22hの配列方向に沿って配された信号ライン27bに接続されている。信号ライン27bは基本受光ユニット21aの信号ライン27aに接続されており、各受光素子22e〜22hは信号ライン27b,27a及びコンパレータ28を介して受光制御回路23に接続されている。
【0038】
シフトレジスタ26bは、受光制御回路23から出力されるクロックパルス信号SCに基づいて作動し、駆動パルス信号SI1を順次転送し、駆動パルス信号SI2を出力する。そして、シフトレジスタ26bは、駆動パルス信号SI1の転送タイミングにてスイッチ素子25e〜25hをオンさせ受光素子22e〜22hが受光した入射光に応じたレベルの出力信号(アナログ信号)を信号ライン27bに出力させる。
【0039】
第2増設受光ユニット21cは、第1増設受光ユニット21bと同様、受光回路24c及び4つの受光素子22i〜22lを備えている。受光回路24cは、第1増設受光ユニット21bの受光回路24bに接続されている。受光回路24cには、第2増設受光ユニット21cに配された各4つの受光素子22i〜22lに接続される4つのスイッチ素子25i〜25lとそれらスイッチ素子25i〜25lに接続される1つのシフトレジスタ26cとが設けられている。
【0040】
各スイッチ素子25i〜25lは、受光素子22i〜22lの配列方向に沿って配された信号ライン27cに接続されている。信号ライン27cは第1増設受光ユニット21bの信号ライン27bに接続されており、各受光素子22i〜22lは信号ライン27c,27b,27a及びコンパレータ28を介して受光制御回路23に接続されている。
【0041】
シフトレジスタ26cは、受光制御回路23から出力されるクロックパルス信号SCに基づいて作動し、駆動パルス信号SI2を順次転送し、駆動パルス信号SI3を出力する。そして、シフトレジスタ26cは、駆動パルス信号SI2の転送タイミングにてスイッチ素子25i〜25lをオンさせ受光素子22i〜22lが受光した入射光に応じたレベルの出力信号(アナログ信号)を信号ライン27cに出力させる。
【0042】
即ち、受光器20の下端側の受光素子22aから上端側の受光素子22lへと順次にクロックパルス信号SCに同期した駆動パルス信号SI0〜SI3が伝達される。そして、各受光素子22a〜22lから信号ライン27a〜27cにクロックパルス信号SCに基づくタイミングで順次出力信号が出力される。
【0043】
また、基本受光ユニット21aの受光制御回路23には、第2増設受光ユニット21cの受光回路24cから出力された駆動パルス信号SI3が入力されるようになっている。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI3が入力されると、次の受光サイクルのための駆動パルス信号SI0を出力する。この構成により、受光サイクルが構成される。
【0044】
各受光素子22a〜22lから信号ライン27a〜27cに出力された出力信号(アナログ信号)は、コンパレータ28に入力される。そして、コンパレータ28に所定の閾値以上のレベルの出力信号が入力されている間、受光信号S1,S2,S3(ハイレベルの信号)が受光制御回路23に順次入力される。受光制御回路23はこの受光信号S1,S2,S3を検出し、その検出結果に基づいて検出エリア内に物体が配されているか否かを判定する。そして、受光制御回路23は、その判定結果に応じて投光器10及び受光器20間に物体が配されている旨を報知するための検出信号Dを出力する。
【0045】
詳述すると、図3(a)に示すように、駆動パルス信号SI0が基本受光ユニット21aの受光回路24aに入力されると、まず、最も受光制御回路23側に配された受光素子22aからの受光信号S1が受光制御回路23に入力される。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI0の出力タイミング(クロックパルス信号SCに基づくタイミング)から予め設定された待ち時間T0だけ経過した所定の検出タイミングにて受光信号S1を検出する。ハイレベルの受光信号S1が検出された場合、受光制御回路23は、検出エリア内に物体が配されていないと判定する。一方、ロウレベルの受光信号S1が検出された場合、受光制御回路23は、検出エリア内に物体が配されていると判定し、検出信号Dを出力する。なお、待ち時間T0は、例えば、投光素子12a〜12lが投光を開始してからその投光される光量(照度)が所定の閾値よりも大きくなるまでの時間に設定されている。
【0046】
クロックパルス信号SCに同期して駆動パルス信号SI0が転送されると、次の受光素子22bからの受光信号S1が受光制御回路23に入力される。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI0の転送タイミング(クロックパルス信号SCに基づくタイミング)から予め設定された待ち時間T0だけ経過した所定の検出タイミングにてその受光素子22bから出力された受光信号S1を検出する。
【0047】
次いで駆動パルス信号SI0が転送されると、次の受光素子22cからの受光信号S1が受光制御回路23に入力される。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI0の転送タイミング(クロックパルス信号SCに基づくタイミング)から予め設定された待ち時間T0だけ経過した所定の検出タイミングにてその受光素子22cから出力された受光信号S1を検出する。
【0048】
次いで駆動パルス信号SI0が転送されると、次の受光素子22dからの受光信号S1が受光制御回路23に入力される。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI0の転送タイミング(クロックパルス信号SCに基づくタイミング)から予め設定された待ち時間T0だけ経過した所定の検出タイミングにてさらに次の受光素子22dから出力された受光信号S1を検出する。そして、基本受光ユニット21aの受光回路24aから駆動パルス信号SI1が出力される。
【0049】
駆動パルス信号SI1が第1増設受光ユニット21bの受光回路24bに入力されると、受光素子22e〜22hからの受光信号S2が受光制御回路23に順次入力される。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI1の転送タイミング(クロックパルス信号SCに基づくタイミング)から予め設定された待ち時間T0と後述の遅延時間T1とを加算した時間だけ経過した所定の検出タイミングにて受光素子22e〜22hから出力された受光信号S2を検出する。そして、第1増設受光ユニット21bの受光回路24bから駆動パルス信号SI2が出力される。また、駆動パルス信号SI2が第2増設受光ユニット21cの受光回路24cに入力されると、受光素子22i〜22lからの受光信号S3が受光制御回路23に順次入力される。受光制御回路23は、駆動パルス信号SI2の転送タイミング(クロックパルス信号SCに基づくタイミング)から予め設定された待ち時間T0と遅延時間T1よりも所定時間長い後述の遅延時間T2とを加算した時間だけ経過した所定の検出タイミングにて受光素子22i〜22lから出力された受光信号S3を検出する。そして、第2増設受光ユニット21cの受光回路24cから駆動パルス信号SI3が出力され、受光サイクルが繰り返される。
【0050】
ところで、受光素子22aが受光制御回路23から離れ各受光素子22a〜22lから受光制御回路23へと受光信号S1〜S3を伝達する信号ライン27a〜27cの長さが長くなるほど、信号ライン27a〜27cの導体抵抗、寄生容量及び寄生インダクタンスなどにより増設受光ユニット21b,21cに配された受光素子22e〜22lから出力された受光信号S2,S3に遅れが生じる。そのため、図3(b)に示すように、受光信号S2,S3が受光制御回路23に入力されるタイミングが受光制御回路23の検出タイミング(受光処理における検出期間)からずれてしまい、受光制御回路23が受光信号S2,S3を適切に検出(受光処理)できない虞がある。
【0051】
本実施の形態に係る多光軸光電センサの受光制御回路23は、受光素子22e〜22lから出力された受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを、遅延データに基づいて遅延させる。そして、各受光素子22e〜22lと受光制御回路23との間に配される信号ライン27a〜27cが長くなることに起因して遅れが生じた受光信号S2,S3を適切な検出タイミングで検出できるようになっている。
【0052】
詳述すると、受光制御回路23は、遅延データ記憶手段としての遅延データ記憶部29を備えている。遅延データ記憶部29には少なくとも一以上の受光素子22e〜22lにおいて受光制御回路23からの受光素子22e〜22lの信号ライン27a〜27cの距離に基づいた受光制御回路23への受光信号S2,S3の入力遅れ時間に関する遅延時間T1,T2が遅延データとして記憶されている。
【0053】
遅延データ記憶部29には、各受光素子22a〜22lの下端側からの配列番号と遅延時間T1,T2とが関連付けられて記憶されている。遅延時間T1,T2は、受光制御回路23からの受光素子22e〜22lの信号ライン27a〜27cの距離に基づいた受光制御回路23への受光信号S2,S3の入力遅れ時間を実験などにより求め、検出タイミングをその遅延時間T1,T2遅延させることで遅れが生じた受光信号S2,S3を適切に検出できるように設定されている。因みに、本実施の形態において、遅延データ記憶部29には、受光制御回路23からの距離が所定以上となる各受光素子(本実施の形態では、下端側から数えて5番目以上であって増設受光ユニット21b,21cに配された受光素子22e〜22l)についての遅延時間T1,T2が記憶されている。受光制御回路23は、受光制御回路23からの距離が所定以上となる受光素子22e〜22lから出力された受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを遅延させる。
【0054】
また、本実施の形態において、遅延時間T1,T2は、連続して配された複数の受光素子(本実施の形態では4個ずつ、即ち増設受光ユニット21b,21cに配された受光素子22e〜22h,22i〜22l)を一つの受光素子群22e〜22h,22i〜22lとしてその受光素子群22e〜22h,22i〜22lごとに設定されている。
【0055】
受光制御回路23は、各受光素子22a〜22lの配列番号に応じて遅延時間T1,T2を遅延データ記憶部29から読み出す。そして、受光制御回路23は、各受光素子22a〜22lから出力された受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを所定の検出タイミング(基本受光ユニット11aに配される受光素子22a〜22dから出力された受光信号S1を検出する検出タイミング)から遅延させる。この場合、図3(a)に示すように、受光制御回路23は、下端側から5番目〜8番目に配された(第1増設受光ユニット21bに配された)受光素子22e〜22hから出力された受光信号S2を検出する検出タイミングを、所定の検出タイミングから遅延時間T1だけ遅延させる。また、受光制御回路23は、下端側から9番目〜12番目に配された(第2増設受光ユニット21cに配された)受光素子22i〜22lから出力された受光信号S3を検出する検出タイミングを、所定の検出タイミングから遅延時間T1よりも所定時間長い遅延時間T2だけ遅延させる。
【0056】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)受光制御回路23は、受光素子22e〜22lから出力された受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを、受光制御回路23からの受光素子22e〜22lの距離に基づいた受光制御回路23への受光信号S2,S3の入力遅れ時間に関する遅延データに基づいて遅延させる。従って、受光制御回路23からの各受光素子22e〜22lの距離、即ち各受光素子22e〜22lと受光制御回路23との間に配される信号ライン27a〜27bが長くなることに起因して遅れが生じた受光信号S2,S3を、適切な検出タイミングで検出し受光処理することができる。
【0057】
(2)受光制御回路23は、受光制御回路23からの距離が所定以上となる受光素子22e〜22lから出力された受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを遅延させるため、検出タイミングを遅延させる受光信号S2,S3の数が少なくなる。よって、受光信号S2,S3の遅延に係る処理を軽減することができる。また、遅延データ記憶部29には、受光制御回路23からの距離が所定以上となる受光素子22e〜22lに関するデータ(遅延時間T1,T2)が記憶されており、受光制御回路23に比較的近い位置に配され受光信号S1の遅れが小さい受光素子22a〜22dに関するデータが記憶されていない。よって、遅延データ記憶部29に記憶されるデータ(遅延時間T1,T2)の量を少なくすることができる。
【0058】
(3)連続して配された複数の受光素子22e〜22h,22i〜22lを一つの受光素子群22e〜22h,22i〜22lとして受光素子群22e〜22h,22i〜22lごとに遅延時間T1,T2が設定されているため、受光制御回路23は連続して配された複数の受光素子22e〜22h,22i〜22lからの受光信号S2,S3を一定の検出タイミングで検出する。よって、受光信号S2,S3の遅延に係る処理を軽減することができる。また、遅延データ(遅延時間T1,T2)を連続して配された複数の受光手段ごとに設定することによって、遅延データ記憶部29に記憶される遅延データ(遅延時間T1,T2)の量を少なくすることができる。
【0059】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態においては、受光処理の前に光軸位置検出手段としての受光制御回路23が、複数の受光ユニット21a〜21cで構成される複数の受光素子22a〜22lの光軸数を検出する構成とする。そして、受光制御回路23が検出した光軸数に基づいて受光素子22e〜22h,22i〜22lの光軸の位置(チャンネル数)を検出し、その受光素子22e〜22h,22i〜22lの光軸の位置と受光制御回路23への受光信号S2,S3の入力遅れ時間に関する遅延係数とに基づいて遅延時間T1,T2を算出する構成としてもよい。詳述すると、電源が投入されると、受光制御回路23は、基本受光ユニット21aの受光回路24aに検出パルス信号を出力する。受光回路24aに入力された検出パルス信号は、前述した駆動パルス信号SI0〜SI2と同様、クロックパルス信号SCに同期して順次転送され、前述した駆動パルス信号SI3と同様、第2増設受光ユニット21cの受光回路24cから受光制御回路23に出力されるようになっている。受光制御回路23は、検出パルス信号を出力してから検出パルス信号が入力されるまでの間に出力したクロックパルス信号SCの数をカウントし、受光制御回路23に接続された受光素子22a〜22lの光軸数を検出する。そして、受光制御回路23は、遅延データ記憶部29に記憶されている遅延係数と各受光素子22a〜22l及び受光制御回路23間に配された受光素子22a〜22lの光軸数とから遅延時間T1,T2を算出し、各受光素子22e〜22lからの受光信号S2,S3を検出する検出タイミングを遅延する。このような構成によれば、増設受光ユニット21b,21cの増設に伴う遅延時間T1,T2の追加を行うことなく、各受光信号S2,S3を適切な検出タイミングで検出し受光処理でき、増設受光ユニット21b,21cの増設が容易なものとなる。また、遅延データ記憶部29に一つの遅延係数を記憶することにより全ての受光素子22a〜22l(受光素子22e〜22l)に関する遅延時間T1,T2を算出することができるため、受光制御回路23に記憶される入力遅れ時間に関するデータの量を最少とすることができる。
【0060】
・上記実施の形態においては、光軸位置検出手段としての受光制御回路23が、受光処理の前に複数の受光ユニット21a〜21cで構成される複数の受光素子22a〜22lの光軸数と受光素子22a〜22lが配された受光ユニット21a〜21cの接続順位と受光素子22a〜22lが配された受光ユニット21a〜21cの光軸ピッチとを検出する構成とする。そして、受光制御回路23が検出した光軸数と受光ユニット21a〜21cの接続順位と光軸ピッチとに基づいて受光素子22e〜22h,22i〜22lの光軸の位置(チャンネル数)を検出し、その受光素子22e〜22h,22i〜22lの光軸の位置と受光制御回路23への受光信号S2,S3の入力遅れ時間に関する遅延係数とに基づいて遅延時間T1,T2を算出する構成としてもよい。
【0061】
このような構成によれば、増設受光ユニット21b,21cの増設に伴う遅延時間T1,T2の追加を行うことなく、各受光信号S2,S3を適切な検出タイミングで検出し受光処理でき、増設受光ユニット21b,21cの増設が容易なものとなる。また、遅延データ記憶部29に一つの遅延係数を記憶することにより全ての受光素子22a〜22l(受光素子22e〜22l)に関する遅延時間T1,T2を算出することができるため、受光制御回路23に記憶される入力遅れ時間に関するデータの量を最少とすることができる。また、光軸数と増設受光ユニット21b,21cの接続順位と光軸ピッチとに基づいて受光素子22e〜22h,22i〜22lの位置が検出されるため、受光素子22e〜22h,22i〜22lが異なる光軸ピッチで配された増設受光ユニット21b,21cが組み合わされた場合でも、受光制御回路23は受光素子22e〜22h,22i〜22lの位置を的確に認識し各受光素子22e〜22h,22i〜22lからの受光信号S2,S3を適切な検出タイミングで検出し受光処理することができる。
【0062】
・上記実施の形態では、遅延データ記憶部29には、受光制御回路23からの距離が所定以上となる各受光素子22e〜22lについての遅延時間T1,T2が記憶されているが、全ての受光素子22a〜22lについての遅延時間が記憶されていてもよい。
【0063】
・上記実施の形態では、遅延時間T1,T2は、連続して配された複数の受光素子22e〜22h,22i〜22lを一つの受光素子群22e〜22h,22i〜22lとして受光素子群22e〜22h,22i〜22lごとに設定されているが、受光素子22a〜22l一つ一つに個別に設定されていてもよい(図4参照)。また、上記実施の形態では、同一の受光ユニット21a〜21cに配された受光素子22e〜22h,22i〜22lが一つの受光素子群22e〜22h,22i〜22lとされているが、複数の受光ユニット21a〜21cに跨って受光素子群が設定されていてもよく、また、一つの受光ユニット21a〜21cに複数の受光素子群が設定されていてもよい。
【0064】
・上記実施の形態では、投光器10及び受光器20は、それぞれ基本ユニット(基本投光ユニット11a、基本受光ユニット21a)と複数の増設ユニット(増設投光ユニット11b,11c、増設受光ユニット21b,21c)とから構成されているが、複数の投光素子12a〜12l若しくは受光素子22a〜22lを備えた一つのユニットからそれぞれ構成されていてもよい。また、上記実施の形態では、投光制御回路13は投光器10に設けられ受光制御回路23は受光器20にそれぞれ設けられているが、投光制御回路13及び受光制御回路23を投光器10及び受光器20とは別体の制御ユニットに設けてもよい。
【0065】
・上記実施の形態では、同期線L1を介して接続されて同期しているが、このような態様に限定されず、例えば、同期線L1を省略し、投光器10と受光器20とを光で同期させてもよい。また、上記実施の形態では、同期信号SPは受光器20側から出力されているがこのような態様に限定されず、投光器10側から出力されてもよい。
【0066】
・上記実施の形態では、駆動パルス信号SI0は、各受光ユニット21a〜21cにおいて下端側(配列方向において投光制御回路13若しくは受光制御回路23に近い側)から入力されているが、このような態様に限定されず、上端側から入力されていてもよい。
【0067】
・上記実施の形態では、各受光素子22a〜22dが受光した入射光に応じたレベルの出力信号(アナログ信号)がコンパレータ28を介して入力されているが、図4に示すように、コンパレータ28を省略し受光制御回路23に直接入力される出力信号(受光信号SO0〜SO5)のレベルの変化に基づいて検出エリア内に物体が配されているか否かを判定する構成としてもよい。ところで、受光制御回路23に受光信号SO0〜SO5が直接入力される場合、例えば投光器10及び受光器20の距離が狭くなり受光素子22a〜22lの受光量が増加すると、入力される受光信号SO0〜SO5が判別可能なレベルを超え、受光信号SO0〜SO5のレベルの変化を検出できない場合がある。このような事態を防止するため、所定の検出タイミングで受光信号SO0〜SO5を検出し、その受光信号SO0〜SO5のレベルが所定の閾値よりも大きかった場合に投光器10(投光素子12a〜12l)の光の照度を抑えるといった制御が行われる。上記実施の形態によれば、受光制御回路23は、受光素子22b〜22fから出力された受光信号SO1〜SO5を検出する検出タイミングを、受光制御回路23の最も近い位置に配された受光素子22aからの受光信号SO0を検出する検出タイミングから遅延データに基づく遅延時間TO1〜TO5だけそれぞれ遅延させるため、遅れが生じた受光信号SO1〜SO5を適切な検出タイミングで検出することができる。従って、遅れが生じた受光信号SO1〜SO5のレベルのピークを適切に検出することが可能となり、投光器10の照度を的確に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施の形態に係る多光軸光電センサの概略図。
【図2】本実施の形態に係る多光軸光電センサの電気回路図。
【図3】(a)本実施の形態に係る多光軸光電センサの検出タイミングを説明するためのタイミングチャート図、(b)従来の多光軸光電センサの検出タイミングを説明するためのタイミングチャート。
【図4】別例の効果を説明するためのタイミングチャート。
【符号の説明】
【0069】
10…投光器、12a〜12l…投光手段としての投光素子、20…受光器、21a…ユニットとしての基本受光ユニット、21b…ユニットとしての第1増設受光ユニット、21c…ユニットとしての第2増設受光ユニット、22a〜22l…受光手段としての受光素子、22e〜22h,22i〜22l…受光手段群としての受光素子群、23…受光制御手段及び光軸位置検出手段としての受光制御回路、27a〜27c…信号ライン、29…遅延データ記憶手段としての遅延データ記憶部、L…光軸、S1〜S3,SO0〜SO5…受光信号、T1,T2,TO1〜TO5…遅延時間。
【出願人】 【識別番号】000106221
【氏名又は名称】サンクス株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−8835(P2008−8835A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181451(P2006−181451)