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【発明の名称】 電磁波検出器およびこれを用いた放射線撮影装置
【発明者】 【氏名】坂口 申康

【氏名】平澤 伸也

【要約】 【課題】残像を抑制しつつ、輝度差を低減することができる電磁波検出器およびこれを用いた放射線撮影装置を提供する。

【構成】フラットパネル型X線検出器は、X線を電荷に変換する半導体層と、この半導体層で変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、収集した検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、読み出した検出信号を処理する2個のアンプアレイ回路と、半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射部とを備えている。そして、光照射部は、蓄積期間において光照射手段を消灯し、読み出し期間において点灯する。これにより、読み出し期間に残留出力が発生することを防止でき、残像を抑制できる。また、蓄積期間においては漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制でき、画像において輝度差を低減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を検出する電磁波検出器において、電磁波を電荷に変換する半導体層と、前記半導体層の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記駆動制御手段と連携して、いずれのスイッチング素子からも検出信号を読み出していない蓄積期間においては、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間に比べて小さい強度の光で照射するように前記光照射手段を制御する光制御手段と、を備えていることを特徴とする電磁波検出器。
【請求項2】
電磁波を検出する電磁波検出器において、電磁波を電荷に変換する半導体層と、前記半導体層の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記駆動制御手段と連携して、いずれのスイッチング素子からも検出信号を読み出していない蓄積期間は光照射手段を消灯させ、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間は光照射手段を点灯させる光制御手段と、を備えていることを特徴とする電磁波検出器。
【請求項3】
被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間内において検出信号を読み出させる駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、少なくとも前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間においては、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間に比べて小さい強度の光で照射するように前記光照射手段を制御する光制御手段と、備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項4】
被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間内において検出信号を読み出させる駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間は少なくとも光照射手段を消灯させ、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間は少なくとも光照射手段を点灯させる光制御手段と、を備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項5】
被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間においては、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間に比べて小さい強度の光で照射するように前記光照射手段を制御する光制御手段と、を備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項6】
被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換部手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間は前記光照射手段を消灯させ、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間は前記光照射手段を点灯させる光制御手段と、を備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、医療分野や、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査、および光学検査などの工業分野や、原子力分野などに用いられる、電磁波(X線等の放射線、可視光、紫外線および赤外線等を含む)を検出する電磁波検出器およびこれを用いた放射線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁波を検出する電磁波検出器は、電磁波の入射側から順に、電磁波を電荷に変換する半導体層と、半導体層で発生した電荷を検出信号として収集して読み出すアクティブマトリクス基板と、半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射部とを備えている。アクティブマトリクス基板は、絶縁基板上に電荷を収集する複数個の分割電極や、分割電極ごとに設けられるスイッチング素子等が形成されて構成される。電磁波検出器はさらに、このスイッチング素子を駆動するゲートドライバと、ゲートドライバを操作して検出信号の読み出しを制御する駆動制御回路と、駆動制御回路と連携して読み出された検出信号を処理するアンプアレイ回路とを備えている。アンプアレイ回路は2つであり、それぞれスイッチング素子群の両側に設けられている。そして、スイッチング素子群を略中央で2等分していずれか一方側に属する各スイッチング素子は、それぞれその側方に配置されるアンプアレイ回路に接続されている。
【0003】
図9は、従来例に係る電磁波検出器のタイミングチャートである。光照射部による光照射は、検出対象の電磁波を検出する検出動作が始まる前から開始され、検出動作が終了した後も所定時間継続される。この光照射部が光を照射している期間は、常に半導体層の分割電極間のスペースには電荷が溜まった状態が維持されている。検出動作は、検出対象の電磁波に応じて収集された検出信号を蓄積する蓄積動作と、検出信号を読み出す読み出し動作とに分けられる。
【0004】
具体的には、駆動制御回路およびゲートドライバが、垂直および水平同期信号に同期してスイッチング素子を順次に駆動する。駆動されたスイッチング素子から検出信号が順次に読み出される。このような読み出し動作は、画像1枚分の検出信号が読み出されると終了し、蓄積動作に移る。蓄積動作は、次の垂直同期信号のタイミングまで継続されて終了し、再び、読み出し動作が開始される。
【0005】
このように構成される従来例に係る電磁波検出器によれば、光照射部を備えていることで、検出対象の電磁波に応じた電荷が分割電極間のスペースに溜まることがないので、感度変動は起こらない。また、検出対象の電磁波の入射の有無に関わらず、分割電極間のスペースに溜まっていた電荷が掃き出されることがないので、残留出力も発生しない。よって、検出信号がアンプアレイ回路で処理されて得られる画像において、残像が発生することを防止できる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−146769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
従来例では、スイッチング素子群を2分して、それぞれ別個のアンプアレイ回路で検出信号を処理しているので、画像において各アンプアレイ回路に応じた領域間で輝度差が生じてしまうという不都合がある。この輝度差は、2分したスイッチング素子群の一方にのみ強いX線が入射すると助長される。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、残像を抑制しつつ、輝度差を低減することができる電磁波検出器およびこれを用いた放射線撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、電磁波を検出する電磁波検出器において、電磁波を電荷に変換する半導体層と、前記半導体層の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記駆動制御手段と連携して、いずれのスイッチング素子からも検出信号を読み出していない蓄積期間においては、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間に比べて小さい強度の光で照射するように前記光照射手段を制御する光制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、光制御手段は読み出し期間において比較的大きな強度の光を光照射手段から照射させるので、各スイッチング素子から検出信号を読み出すときに残留出力が発生することを防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。
【0010】
また、光制御手段は蓄積期間において比較的小さい強度の光を光照射手段から照射させるので、蓄積期間においては漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、電磁波を検出する電磁波検出器において、電磁波を電荷に変換する半導体層と、前記半導体層の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記駆動制御手段と連携して、いずれのスイッチング素子からも検出信号を読み出していない蓄積期間は光照射手段を消灯させ、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間は光照射手段を点灯させる光制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、光制御手段は読み出し期間において光照射手段を点灯させるので、各スイッチング素子から検出信号を読み出すときに残留出力が発生することを防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。
【0013】
また、光制御手段は蓄積期間において光照射手段を消灯させるので、蓄積期間においては漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間内において検出信号を読み出させる駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、少なくとも前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間においては、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間に比べて小さい強度の光で照射するように前記光照射手段を制御する光制御手段と、備えていることを特徴とするものである。
【0015】
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、光制御手段は読み出し期間において比較的強度の大きな光を光照射手段から照射させるので、各スイッチング素子から検出信号を読み出すときに残留出力が発生することを防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。
【0016】
また、光制御手段は少なくとも照射期間においては比較的強度の小さい光を光照射手段から照射させるので、入射する放射線に起因する漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間内において検出信号を読み出させる駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間は少なくとも光照射手段を消灯させ、いずれかのスイッチング素子から検出信号を読み出している読み出し期間は少なくとも光照射手段を点灯させる光制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0018】
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、光制御手段は読み出し期間において光照射手段を点灯させるので、各スイッチング素子から検出信号を読み出すときに残留出力が発生することを防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。
【0019】
また、光制御手段は少なくとも照射期間においては光照射手段を消灯させるので、入射する放射線に起因する漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間においては、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間に比べて小さい強度の光で照射するように前記光照射手段を制御する光制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、光制御手段は非照射期間において比較的強度の大きな光を光照射手段から照射させるので、残留出力の発生を防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。
【0022】
また、光制御手段は照射期間においては比較的強度の小さい光を光照射手段から照射させるので、入射する放射線に起因する漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、被検体を撮影する放射線撮影装置において、被検体に放射線を照射する放射線発生源と、被検体を透過した放射線を電荷に変換する変換手段と、前記変換部手段の一方面側に設けられ、変換された電荷を検出信号として収集する複数個の分割電極と、前記分割電極ごとに設けられ、検出信号を読み出すためのスイッチング素子と、全てのスイッチング素子を2以上に区分した素子グループごとに別個に設けられて、対応する素子グループのスイッチング素子から読み出される検出信号を処理する複数のアンプアレイ回路と、前記スイッチング素子を駆動して検出信号の読み出しを制御する駆動制御手段と、前記半導体層の分割電極が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射手段と、前記放射線発生源が放射線を照射している照射期間は前記光照射手段を消灯させ、前記放射線発生源が放射線を照射していない非照射期間は前記光照射手段を点灯させる光制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0024】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、光制御手段は非照射期間において光照射手段を点灯させるので、残留出力の発生を防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。
【0025】
また、光制御手段は照射期間においては光照射手段を消灯させるので、入射する放射線に起因する漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
【0026】
なお、本明細書は、次のような電磁波検出器およびこれを用いた放射線撮影装置に係る発明も開示している。
【0027】
(1)請求項1に記載の電磁波検出器において、前記光制御手段は、検出信号が各アンプアレイ回路によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも各素子グループに対応した領域間で輝度差が視認できない程度まで、前記蓄積期間における光の強度を小さくすることを特徴とする電磁波検出器。
【0028】
前記(1)に記載の発明によれば、輝度差を好適に低減させることができる。
【0029】
(2)請求項1または請求項2に記載の電磁波検出器において、前記光制御手段は、検出信号が各アンプアレイ回路によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも残像が視認できない程度まで、前記読み出し期間における光の強度を大きくすることを特徴とする電磁波検出器。
【0030】
前記(2)に記載の発明によれば、残像を好適に抑制することができる。
【0031】
(3)請求項3または請求項4に記載の放射線撮影装置において、前記光制御手段は、前記放射線発生源から照射される放射線の強度が強いほど、読み出し期間における光の強度を大きくすることを特徴とする放射線撮影装置。
【0032】
前記(3)に記載の発明によれば、好適に残像を抑制することができる。
【0033】
(4)請求項3から請求項6のいずれかに記載の放射線撮影装置において、前記光制御手段は、前記放射線発生源から照射される放射線の強度が弱いほど、照射期間における光の強度を小さくすることを特徴とする放射線撮影装置。
【0034】
前記(4)に記載の発明によれば、好適に輝度差を低減することができる。
【0035】
(5)請求項3または請求項4に記載の放射線撮影装置において、前記光制御手段は、検出信号が各アンプアレイ回路によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも残像が視認できない程度まで、前記読み出し期間における光の強度を大きくすることを特徴とする放射線撮影装置。
【0036】
前記(5)に記載の発明によれば、残像を好適に抑制することができる。
【0037】
(6)請求項3または請求項5に記載の放射線撮影装置において、前記光制御手段は、検出信号が各アンプアレイ回路によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも各素子グループに対応した領域間で輝度差が視認できない程度まで、前記照射期間における光の強度を小さくすることを特徴とする放射線撮影装置。
【0038】
前記(6)に記載の発明によれば、輝度差を好適に低減することができる。
【0039】
(7)請求項5または請求項6に記載の放射線撮影装置において、前記光制御手段は、検出信号が各アンプアレイ回路によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも残像が視認できない程度まで、前記非照射期間における光の強度を大きくすることを特徴とする放射線撮影装置。
【0040】
前記(7)に記載の発明によれば、残像を好適に抑制することができる。
【発明の効果】
【0041】
この発明に係る電磁波検出器によれば、光制御手段は読み出し期間において比較的強度の大きな光を光照射手段から照射させるので、各スイッチング素子から検出信号を読み出すときに残留出力が発生することを防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像を抑制することができる。また、光制御手段は蓄積期間において比較的強度の小さい光を光照射手段から照射させるので、蓄積期間においては漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループに対応した領域間で輝度差を低減することができる。
することができる。
【実施例1】
【0042】
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1、図2は、実施例1に係るフラットパネル型X線検出器の概略構成を示す断面図と平面図である。
【0043】
本実施例1に係るフラットパネル型X線検出器(以下、単にFPDと適宜記載する)1は、X線を検出対象とするものである。図示するように、X線の入射側から順に、バイアス電圧を印加する印加電極3と、X線を電荷に変換する半導体層5と、分割電極7やスイッチング素子s等を有するアクティブマトリクス基板11とが積層されている。分割電極7は、半導体層5で変換された電荷を検出信号として収集する。スイッチング素子sは、収集した検出信号をオン状態に移行して読み出す。半導体層5としては、アモルファス・セレン等が例示される。
【0044】
アクティブマトリクス基板11の背面(半導体層5が設けられた面とは反対の面)側には、半導体層5の分割電極7が設けられている一方面へ向けて光を照射する光照射部13が設けられている。図1では、1点鎖線で光を模式的に示す。さらに、各スイッチング素子sを駆動するゲートドライバ15と、ゲートドライバ15を操作して検出信号の読み出しを制御する駆動制御回路21と、駆動制御回路21と連携しつつ読み出された検出信号を処理する2つのアンプアレイ回路23、24と、駆動制御回路21と連携して光照射部13を制御する光制御部25とを備えている。FPD1は、この発明における電磁波検出器に相当する。ゲートドライバ15および駆動制御回路21は、この発明における駆動制御手段に相当する。
【0045】
アクティブマトリクス基板11について説明する。アクティブマトリクス基板11は、電気絶縁性を有する透明なガラス基板31上に、分割電極7とコンデンサCaとスイッチング素子sと走査線33と信号線35等が形成されている。分割電極7は多数個であり、半導体層5の下面側において交差する2軸方向である行と列に沿って互いに分離された状態で配列されている。各分割電極7には、それぞれ収集された検出信号を蓄積するコンデンサCaが接続されている。分割電極7およびコンデンサCaの各対には、それぞれスイッチング素子sが接続されている。スイッチング素子sとしては、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistors)が例示される。
【0046】
これら1組の分割電極7とコンデンサCaとスイッチング素子sとは、これに応じた領域の半導体層5および印加電極3と併せて、1個の検出素子dを構成する。したがって、FPD1の検出面を平面視すると、図2に示すように、多数個の検出素子dが、行列状に配列されていると見ることができる。
【0047】
さらに、走査線33は検出素子dの行ごとに形成され、各行のスイッチング素子sのゲートに共通接続されている。信号線35は、各列ごとに2本形成されており、それぞれ略中央から両側に延びている。そして、各列の略半数のスイッチング素子sがそれぞれ信号線35に共通接続されている。なお、行と列は、方向を区別するために便宜上用いているに過ぎず、列ごとに走査線33を設け、行ごとに信号線35を設けると考えてもよい。
【0048】
ゲートドライバ15は、各走査線33の一端側と接続されている。そして、各走査線33を介して各行のスイッチング素子sをオン/オフ駆動させるためのゲートパルスを出力する。アンプアレイ回路23、24は、それぞれ検出素子d群の両側方に別個に設けられており、それぞれ検出素子d群から引き出された信号線35が接続されている。これにより、全てのスイッチング素子sは、アンプアレイ回路23、24に応じた2つの素子グループG1、G2に分けられることになり、各アンプアレイ回路23、24は、それぞれ対応する素子グループG1、G2に含まれているスイッチング素子sから読み出される検出信号を処理する。駆動制御回路21は、垂直同期信号および水平同期信号に基づいて、上述したゲートドライバ15とアンプアレイ回路23、24とを統括的に制御する。
【0049】
光照射部13は、面状導光部41と発光部43とを有している。面状導光部41は、光透過性を有するアクリルやガラス等の板状物によって形成され、アクティブマトリクス基板11側を発光面とする板状物である。発光部43は、面状導光部41の端面に対して光を発光する。発光部43としては、発光ダイオードや冷陰極管等が例示される。
【0050】
光制御部25は、上述の駆動制回路21と連携をとりつつ、光照射部13の点灯/消灯の切り換えを制御する。具体的には、発光部43の種類に応じて、電流制限回路やスイッチング回路、または、インバータによる昇圧回路等で実現される。
【0051】
次に、実施例1のFPDの動作について図を参照して説明する。図3は、実施例1に係るFPDの動作例を示すタイミングチャートである。図3には、検出動作と垂直同期信号と水平同期信号とスイッチング素子と光照射のそれぞれについて模式的に示している。
【0052】
検出動作が行われている検出期間(時刻t1〜時刻t6)において、半導体層5は、印加電極3によってバイアス電圧が印加されており、入射するX線を電荷に変換する。変換された電荷はいずれかの分割電極7に収集される。
【0053】
そして、この検出期間中、駆動制御回路21の制御によって、収集された電荷を読み出す読み出し動作(時刻t2〜時刻t3と時刻t4〜時刻t5)と、電荷を蓄積する蓄積動作(時刻t1〜時刻t2と時刻t3〜時刻t4と時刻t5〜時刻t6)が交互に行われる。以下、それぞれについて説明する。
【0054】
<読み出し動作>
駆動制御回路21は、垂直同期信号と水平同期信号に基づいてゲートドライバ15を操作する。これにより、ゲートドライバ15は、水平同期信号に同期して順次各走査線33にゲートパルスを出力して、スイッチング素子sを駆動する(時刻t2〜時刻t3と、時刻t4〜時刻t5)。したがって、時刻t2から時刻t3の期間、および、時刻t4から時刻t5の期間は、いずれかのスイッチング素子sから検出信号が読み出されている「読み出し期間」に相当する。なお、図3におけるスイッチング素子sのタイミングチャートでは、いずれかのスイッチング素子sが駆動されてオン状態に移行している期間を「On」と表示している。なお、垂直同期信号の周期としては、例えば33.3msecである。
【0055】
また、光制御部25は、駆動制御回路21と連携して、読み出し期間に光照射部13を点灯させる。光照射部13は、アクティブマトリクス基板11を介して、半導体層5の分割電極7が形成されている一方面へ向けて光を照射する。これにより、分割電極7間のスペースには、照射した光に応じた電荷が掃き出されることがなく溜められる。ここで、光照射部13が照射する光の強度としては、検出信号が各アンプアレイ回路23、24によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも残像が視認できない程度まで、大きいことが好ましい。
【0056】
スイッチング素子sは、走査線33に接続される1行単位で順次にオン状態に移行し、検出信号はオン状態のスイッチング素子sを経由して順次に読み出される。素子グループG1のスイッチング素子sから読み出された検出信号はアンプアレイ回路23に送られ、素子グループG2のスイッチング素子sから読み出された検出信号はアンプアレイ回路24に送られる。アンプアレイ回路23、24は、それぞれ駆動制御回路21と連携して検出信号を増幅する等の処理を行う。そして、各読み出し期間で得られた検出信号ごとに画像が生成される。
【0057】
<蓄積動作>
駆動制御回路21による操作により、ゲートドライバ15はいずれのスイッチング素子sも駆動しない。したがって、時刻t1から時刻t2の期間、時刻t3から時刻t4の期間、および、時刻t5から時刻t6の期間は、いずれのスイッチング素子sからも検出信号が読み出されていない「蓄積期間」に相当する。なお、図3では、いずれのスイッチング素子sもオフ状態である期間を「Off」と表示している。光制御部25は、駆動制御回路21と連携して、蓄積期間において光照射部13を消灯させる。
【0058】
このように、実施例1に係るFPD1によれば、光制御部25は読み出し期間において光照射部13を点灯させるので、各スイッチング素子sから検出信号を読み出すときに残留出力が発生することを防止することができる。これにより、読み出された検出信号に基づいて得られる画像において、残像が発生することを抑制できる。
【0059】
また、光制御部25は蓄積期間において光照射部13を消灯させるので、蓄積期間における漏れ電流および信号線間のクロストークの発生を抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループG1、G2に対応した領域間で輝度差を低減できる。
【0060】
また、読み出し期間において、光照射部13から十分大きな強度の光を照射することで、残像を好適に抑制できる。
【実施例2】
【0061】
以下、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図4は、実施例2に係るX線撮影装置の概略構成を示す断面図である。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施例に係るX線撮像装置は、図示省略の被検体に向けてX線を照射するX線管51と、被検体を透過したX線を検出するフラットパネル型X線検出器(以下、適宜「FPD」という)53と、X線管51の管電圧、管電流、および照射時間を制御する高電圧発生器55とを備えている。X線管51は、この発明における放射線発生源に相当する。また、半導体層5は、この発明における変換手段に相当する。
【0063】
FPD53に備えられる駆動制御回路22は、高電圧発生器55と連携して、X線管51からX線が照射されていない非照射期間内において検出信号を読み出すように制御する。ここで、ゲートドライバ15および駆動制御回路22は、この発明における駆動制御手段に相当する。
【0064】
また、FPD53に備えられる光制御部26は、駆動制御回路22と連携して光照射部13から照射される光の強度を可変に制御する。光の強度としては、照度(lx)が例示される。この光制御部26は、発光部43に設けられる発光体の種類に応じて、電流制限回路、または、インバータによる昇圧回路等で実現される。
【0065】
次に、実施例2のX線撮影装置の動作について図を参照して説明する。図5は、実施例2に係るX線撮影装置の動作例を示すタイミングチャートである。図5には、検出動作とX線照射と垂直同期信号と水平同期信号とスイッチング素子と光強度のそれぞれについて模式的に示している。
【0066】
検出動作が行われている検出期間(時刻t1から時刻t10)において、半導体層5には、印加電極3によってバイアス電圧が印加されている。この検出期間において、高電圧発生器55の制御により、X線管51は、時刻t2から時刻t3の期間と、時刻t6から時刻t7の期間にX線を照射する。以下では、このX線が照射される期間を照射期間と呼び、X線が照射されていない期間(時刻t1〜時刻t2、時刻t3〜時刻t6、時刻t7〜時刻t10)を非照射期間と呼ぶ。半導体層5は、X線管51から照射され、図示省略の被検体を透過したX線を検出し、電荷に変換する。
【0067】
駆動制御回路22は、高電圧発生器55と連携して、非照射期間内に読み出し動作を行い、蓄積動作を行っている期間内にX線の照射が行われるように制御する。具体的には、読み出し期間を時刻t4から時刻t5、および、時刻t8から時刻t9の各期間として、非照射期間内に読み出し期間が含まれるように制御する。なお、読み出し期間以外の期間は蓄積期間である。
【0068】
また、光制御部26は、駆動制御回路22と連携して、照射期間は非照射期間に比べて光の強度が小さくなるように、光照射部13を制御する。本実施例では、図5に示すように、光制御部26は、照射される光の強度を「大」、「小」の2段階で切り換えて、照射期間では光の強度を「小」とし、非照射期間は光の強度を「大」となるように制御する。ここで、光の強度「大」としては、検出信号が各アンプアレイ回路23、24によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも残像が視認できない程度まで、大きいことが好ましい。また、光の強度「小」としては、検出信号が各アンプアレイ回路23、24によって処理された結果に基づいて得られる画像において、少なくとも各素子グループG1、G2に対応した領域間で輝度差が視認できない程度まで、小さいことが好ましい。
【0069】
このように、実施例2に係るX線撮影装置によれば、高電圧発生器55と連携して、非照射期間内に検出信号の読み出しを行うように制御する駆動制御回路22と、照射期間において比較的小さい強度の光を照射させ、読み出し期間を含む非照射期間において比較的大きな強度の光を照射させるように光照射部13を制御する光制御部25とを備えているので、読み出し期間において残留出力が発生することを防止できる。これにより、残像が発生することを抑制できる。また、照射期間において漏れ電流および信号線間のクロストークの発生を抑制することができる。これにより、検出信号に基づいて得られる画像において、各素子グループG1、G2に対応した領域間で輝度差を低減できる。
【0070】
また、非照射期間において、光照射部13から十分大きな強度の光を照射することで、残像を好適に抑制できる。また、照射期間において、光照射部13から十分小さな強度の光を照射することで、輝度差を好適に低減できる。
【0071】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0072】
(1)上述した各実施例1、2では、FPD1またはFPD53の検出対象はX線であったが、これに限られることなく、X線以外の放射線(中性子線、γ線、β線を含む)に適宜に変更してもよい。この場合、X線を電荷に変換する半導体層5を、放射線を電荷に変換する半導体層に適宜に選択変更してもよい。
【0073】
(2)上述した各実施例1、2では、いずれもX線を直接電荷に変換する直接変換タイプのFPD1またはFPD53であったが、間接変換タイプのX線検出器に適宜に変更してもよい。図6を参照する。図6は、変形例に係るX線検出器の概略構成を示す断面図である。図示するように、X線の入射側から順に、X線を光に変換するシンチレータ4と、光を電荷に変換する半導体層6と、アクティブマトリクス基板11とが積層されている。半導体層6としてはホトダイオード等が例示される。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。このように構成される間接変換タイプのX線検出器およびこれを用いたX線撮影装置であっても、好適に本発明を実施することができる。なお、シンチレータ4および半導体層6は、この発明における変換手段に相当する。また、間接タイプのX線検出器は、この発明における電磁波検出器に相当する。
【0074】
(3)上述した各実施例1、2および変形例で説明したように、半導体層5を放射線または光を電荷に変換するように適宜に選択変更できるが、さらに、紫外線および赤外線等を電荷に変換するように半導体層を選択変更してもよい。すなわち、半導体層は電磁波を電荷に変換するものとして適宜に構成することができる。
【0075】
(4)上述した実施例1では、光制御部25は光照射部13の点滅を切り換え制御するものであったが、これに限られない。実施例2で説明した光制御部26のように、光照射部13から照射される光の強度を2段階で可変するように光制御部を変更してもよい。この場合、蓄積期間は、読み出し期間に比べて光の強度を小さく制御するように構成すればよい。また、特に2段階に限られることなく、光を任意の強度に可変できるように光制御部を変更してもよい。
【0076】
(5)上述した実施例2では、光制御部26は光照射部13から照射される光の強度を2段階で可変するように構成したが、これに限られない。たとえば、実施例1で説明したように、光照射部13の点滅を切り換え制御するように変更してもよい。この場合、照射期間を消灯し、非照射期間を点灯するように制御すればよい。
【0077】
(6)上述した実施例2では、光制御部26によって照射期間においては非照射期間に比べて小さい強度の光を照射するように制御したが、これに限られない。照射期間は少なくとも読み出し期間に比べて小さい強度の光を照射する限り、適宜に設計変更することができる。以下、2つの動作例を例示する。
【0078】
図7を参照する。図7は、変形例に係るX線撮影装置の動作例を示すタイミングチャートである。図示するように、光制御部26の制御により、読み出し期間において比較的大きい強度の光を照射し、蓄積期間は読み出し期間に比べて小さい光の強度で照射するように制御してもよい。このように構成することで、読み出し動作において残留出力が発生することを防止でき、残像を抑制することができる。また、蓄積期間において漏れ電流および信号線間のクロストークを抑制することができ、輝度差を低減することができる。
【0079】
図8を参照する。図8は、変形例に係るX線撮影装置の動作例を示すタイミングチャートである。図示するように、光制御部26の制御により、蓄積期間内であれば、その照射期間が開始される時刻(時刻t2、時刻t8)よりも前の時刻(t7)に、読み出し期間と比べて小さい強度の光に変更するように制御してもよい。同様に、蓄積期間内であれば、その照射期間の終了時刻(時刻t3、時刻t9)よりも後の時刻(時刻t4、時刻t10)まで、読み出し期間と比べて小さい強度の光で照射するように制御してもよい。また、照射期間でない場合には蓄積期間内であっても、読み出し期間に比べて大きな強度の光で照射してもよい(たとえば、時刻t4、時刻t7、時刻t10付近)。なお、図示するように照射期間において強度が一定とならなくてもよい。また、読み出し期間の光の強度についても、図8では一定であるが、一定とならなくてもよい。
【0080】
(7)上述した実施例2において、さらに、光制御部26は、X線管51から照射されるX線の強度に応じて光照射部13から照射される光の強度を可変してもよい。具体的には、高電圧発生器55の制御(管電圧、管電流、X線の照射時間)に基づいて、X線管51から照射されるX線の強度が強いほど、光制御部26は読み出し期間において照射される光の強度を大きくするように制御してもよい。これによれば、より好適に残像を抑制することができる。あるいは、高電圧発生器55の制御に基づいて、X線管51から照射されるX線の強度が弱いほど、光制御部26は蓄積期間において照射される光の強度を小さくするように制御してもよい。これによれば、より好適に輝度差を低減することができる。
【0081】
(8)上述した実施例1で説明したFPD1に、さらに、被検体にX線等の放射線を照射する放射線発生源を設けて、FPD1に設けられる半導体層5が被検体を透過した放射線を電荷に変換する放射線撮影装置を構成してもよい。なお、FPD1の駆動制御回路21は、この放射線発生源の動作とは独立に、ゲートドライバ15を制御し、アンプアレイ回路23、24および光制御部25と連携をとるように構成される。このように構成しても本発明を実施することができる。
【0082】
(9)上述した各実施例1、2では、全てのスイッチング素子sを2つの素子グループG1、G2に区分し、各素子グループG1、G2に対応して2個のアンプアレイ回路23、24を備えるように構成されていたが、これに限られない。たとえば、3以上の素子グループに対応して3個以上のアンプアレイ回路を備えるように構成してもよい。
【0083】
(10)上述した各実施例1、2および各変形例を適宜に組み合わせて、電磁波検出器およびこれを用いた放射線撮影装置を構成してもよい。
【0084】
(11)上述した各実施例1、2では、FPD1またはX線撮影装置の用途を特定していないが、たとえば、医用分野に用いられるX線撮影装置に適用してもよい。また、非破壊検査、RI(Radio Isotope)検査などの産業分野などに用いられるX線線撮影装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施例1に係るフラットパネル型X線検出器の概略構成を示す断面図である。
【図2】実施例1に係るフラットパネル型X線検出器の概略構成を示す平面図である。
【図3】実施例1に係るFPDの動作例を示すタイミングチャートである。
【図4】実施例2に係るX線撮影装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】実施例2に係るX線撮影装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】図6は、変形例に係るX線検出器の概略構成を示す断面図である。
【図7】変形例に係るX線撮影装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図8】変形例に係るX線撮影装置の動作例を示すタイミングチャートである。
【図9】従来例に係る電磁波検出器のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1、53 …フラットパネル型X線検出器(FPD)
4 …シンチレータ
5、6 …半導体層
7 …分割電極
s …スイッチング素子
11 …アクティブマトリクス基板
13 …光照射部
15 …ゲートドライバ
23、24 …アンプアレイ回路
21、22 …駆動制御回路
25、26 …光制御部
G1、G2 …素子グループ
51 …X線管
55 …高電圧発生器
【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉


【公開番号】 特開2008−70253(P2008−70253A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249739(P2006−249739)