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【発明の名称】 荷電粒子線の線量分布測定装置
【発明者】 【氏名】山本 雄一

【要約】 【課題】基板間のケーブルおよびコネクタをなくすることのできる荷電粒子線の線量分布測定装置を提案する。

【構成】プリント基板10の一表面S1には、複数の第1電極21(アノード)が形成され、また、この複数の各第1電極21と電離空間26を介して対向する第2電極23(カソード)を有する第2電極基板22が配置され、プリント基板10の一表面S1と対向する他の表面S2には、信号処理回路が配置される。この信号処理回路は、複数の信号処理ブロック40と配線ブロックを含む。信号処理ブロック40は、前記各第1電極21の電荷をそれぞれ積分する複数の積分用コンデンサと、少なくとも1つの増幅回路と、前記増幅回路に対してそれに対応する前記各積分コンデンサを切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含む。プリント基板は、多層プリント基板で構成することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板を用いて構成された荷電粒子線の線量分布測定装置であって、
前記プリント基板の一表面には、複数の第1電極が形成され、また、この複数の各第1電極と電離空間を介して対向する第2電極を有する第2電極基板が配置され、
前記プリント基板の一表面と対向する他の表面には、信号処理回路が配置され、この信号処理回路が、前記各第1電極の電荷をそれぞれ積分する複数の積分用コンデンサと、少なくとも1つの増幅回路と、前記増幅回路に対してそれに対応する前記各積分コンデンサを切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含むことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記積分用コンデンサとして荷電粒子線に対する耐性の高い複数のセラミックコンデンサが使用され、この各セラミックコンデンサがそれぞれ対応する前記各第1電極に接続されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項3】
多層プリント基板を用いて構成される荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記多層プリント基板は、互いに対向する複数の配線層を有し、
前記複数の配線層の中で前記多層プリント基板の一表面に位置する配線層には、複数の第1電極が形成され、また、この複数の各第1電極と電離空間を介して対向する第2電極を有する第2電極基板が配置され、
また前記多層プリント基板の他の配線層には、信号処理回路が配置され、この信号処理回路が、前記複数の第1電極の電荷をそれぞれ積分する複数の積分コンデンサと、少なくとも1つの増幅回路と、前記増幅回路に対しそれに対応する前記各積分コンデンサを切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含むことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項4】
請求項3記載の荷電粒子線の線量分布測定装置測定装置であって、前記多層プリント基板が、第1配線層から第n配線層を有し、前記第1配線層が前記多層プリント基板の一表面に位置し、この第1配線層に前記複数の第1電極が形成され、前記第n配線層が前記多層プリント基板の一表面と対向する他の表面に位置し、この第n配線層に、前記信号処理回路の増幅回路と切換スイッチと、この切換スイッチに接続された配線パターンが形成されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第1配線層に形成された前記各第1電極と前記第n配線層に形成された配線パターンとが、前記多層プリント基板のスルーホールを介して接続されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第1配線層と第n配線層との間で前記第1配線層に隣接する第2配線層に、接地電極パターンを形成したことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項7】
請求項6記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第2配線層と第n配線層との間の複数の各配線層に配線パターンが形成され、この各配線パターンは、それぞれ互いに異なる前記各第1電極に接続された複数の配線を含み、前記各第1電極を前記切換スイッチに接続することを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項8】
請求項7記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記配線パターンを形成した各配線層の間に、それぞれ接地電極パターンを形成した追加配線層が配置されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項9】
請求項6記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第2配線層と第n配線層との間で前記第2配線層に隣接する第3配線層に、前記各第1電極のそれぞれに接続された複数のコンデンサ電極を形成し、この各コンデンサ電極が前記積分コンデンサを構成することを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項10】
請求項1または3記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第2電極基板が、水と同等な粒子線等価性能を持つ樹脂板で構成されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項11】
請求項1または3記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第2電極基板が、ポリイミドフレキシブル基板で構成されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項12】
請求項1または3記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記切換スイッチに、前記積分コンデンサを放電させる放電スイッチを接続したことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項13】
請求項1または3記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記信号処理回路は、少なくとも3つの前記切換スイッチを有し、この3つの切換スイッチの中の第1、第2の切換スイッチは、前記複数の第1電極の中の互いに異なる複数の第1電極の電荷を切換え、またその第3の切換スイッチは、前記第1、第2の切換スイッチの出力を前記増幅回路に切換え接続するように構成されたことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【請求項14】
請求項13記載の荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記第1、第2の切換スイッチの出力側に、前記積分コンデンサを放電させる放電スイッチを接続したことを特徴とする荷電粒子線の線量分布測定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、荷電粒子線の線量分布を測定する線量分布測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の荷電粒子線の線量分布測定装置が、例えば下記の技術文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】2004年に発行された「ニュークリア インスツルメント アンド メソッド イン フィジックス リサーチ エー 519(Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 519)」の674−686ページに掲載された「ア ピクセル チャンバー ツー モニター ザ ビーム パフォーマンス イン ハードロンセラフィー(A pixel chamber to monitor the beam performances in hadrontherapy)」と題する論文
【0004】
この技術文献1に開示された荷電粒子線の線量分布測定装置は、高電圧電極(カソード電極)と、間隔フレームと、複数のアノード電極がマトリクス状の配置されたフレームとで構成された電離箱、および各アノード電極からの信号を処理する信号処理回路を備えている。高電圧電極(カソード電極)と各アノード電極との間には、電離空間が形成され、高電圧電極(カソード電極)と各アノード電極との間には、電離空間を隔てて、高電圧が印加される。電離空間に荷電粒子が入射すると、電離空間内の空気が励起されてイオンが発生し、このイオンが対応するアノード電極に引き寄せられ、そのアノード電極に電荷が発生する。各アノード電極の電荷を信号処理回路で読取ることにより、電離空間における荷電粒子の線量分布を測定することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
技術文献1に開示された荷電粒子線の線量分布測定装置では、各アノード電極が配置されたフレームと別の基板上に、信号処理回路が搭載される。このため、各アノード電極が配置されたフレームと、信号処理回路が搭載された基板との間を、ケーブルおよびコネクタで接続する必要があり、コネクタサイズおよび実用的なケーブルの本数を考慮すると、アノード電極の数を大きくすることができず、線量分布の解像度を上げることができない。また各アノード電極が配置されたフレームと、信号処理回路が搭載された基板とを合計した基板の枚数が増加するため、高コストとなる。
【0006】
この発明は、このようなケーブルおよびコネクタをなくすることができ、低コストの荷電粒子線の線量分布測定装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の観点による荷電粒子線の線量分布測定装置は、プリント基板を用いて構成された荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記プリント基板の一表面には、複数の第1電極が形成され、また、この複数の各第1電極と電離空間を介して対向する第2電極を有する第2電極基板が配置され、前記プリント基板の一表面と対向する他の表面には、信号処理回路が配置され、この信号処理回路が、前記各第1電極の電荷をそれぞれ積分する複数の積分用コンデンサと、前記各第1電極の電荷を増幅する少なくとも1との増幅回路と、前記各第1電極を前記増幅回路に切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含むことを特徴とする。
【0008】
また、この発明の第2の観点による荷電粒子線の線量分布測定装置は、多層プリント基板を用いて構成される荷電粒子線の線量分布測定装置であって、前記多層プリント基板は、互いに対向する複数の配線層を有し、前記複数の配線層の中で前記多層プリント基板の一表面に位置する配線層には、複数の第1電極が形成され、また、この複数の各第1電極と電離空間を介して対向する第2電極を有する第2電極基板が配置され、また前記多層プリント基板の他の配線層には、信号処理回路が配置され、この信号処理回路が、前記複数の第1電極の電荷をそれぞれ積分する複数の積分コンデンサと、前記各第1電極の電荷を増幅する少なくとも1つの増幅回路と、前記各第1電極を前記増幅回路に切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の第1の観点による荷電粒子線の線量分布測定装置では、プリント基板の一表面に、複数の第1電極が形成され、また、この複数の各第1電極と電離空間を介して対向する第2電極を有する第2電極基板が配置され、前記プリント基板の一表面と対向する他の表面に、信号処理回路が配置され、この信号処理回路が、前記各第1電極の電荷をそれぞれ積分する複数の積分用コンデンサと、前記各第1電極の電荷を増幅する少なくとも1つの増幅回路と、前記各第1電極を前記増幅回路に切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含むので、複数の各第1電極と信号処理回路との間に、特別なケーブルおよびコネクタを使用する必要がなくなり、低コストの荷電粒子線の線量分布測定装置を実現することができる。
【0010】
また、この発明の第2の観点による荷電粒子線の線量分布測定装置では、多層プリント基板が、互いに対向する複数の配線層を有し、この複数の配線層の中で前記多層プリント基板の一表面に位置する配線層に、複数の第1電極が形成され、また、この複数の各第1電極と電離空間を介して対向する第2電極を有する第2電極基板が配置され、また前記多層プリント基板の他の配線層に、信号処理回路が配置され、この信号処理回路が、前記複数の第1電極の電荷をそれぞれ積分する複数の積分コンデンサと、前記各第1電極の電荷を増幅する少なくとも1つの増幅回路と、前記各第1電極を前記増幅回路に切換え接続する少なくとも1つの切換スイッチとを含むので、複数の各第1電極と信号処理回路との間に、特別なケーブルおよびコネクタを使用する必要がなくなり、低コストの荷電粒子線の線量分布測定装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態1を示す構成図、図2は、実施の形態1におけるプリント基板の背面図、図3は、実施の形態1における信号処理回路の1つの信号処理ブロックを示す電気回路図である。
【0013】
まず図1を参照する。実施の形態1の荷電粒子線の線量分布測定装置は、図1に示すように、単一のプリント基板(PCB)10を用いて構成される。このプリント基板10は、相対向する一対の主表面S1、S2を有する。主表面S1は、例えばプリント基板10の表面であり、主表面S2は、その背面である。プリント基板10は、両面プリント基板であり、主表面S1、S2の両方に回路素子が形成される。
【0014】
プリント基板10の主表面S1には、電離ユニット20が配置され、主表面S2には、信号処理回路30が配置される。電離ユニット20は、複数の第1電極21と、第2電極基板22と、間隔フレーム25を含む。複数の第1電極21は、例えばアノード電極であり、主表面S1の中央領域S1A上に、マトリクス状に配置される。間隔フレーム25は、中央領域S1Aを取り囲むようにして、主表面S1A上に固着される。この間隔フレーム25は絶縁材を用いて四角形状の枠体として構成され、主表面S1の中央領域S1Aを取り囲み、複数の第1電極21を取り囲む。この間隔フレーム25は、主表面S1に垂直な方向に、所定の厚さを持つ。
【0015】
第2電極基板22は、間隔フレーム25の上に固着される。この第2電極基板22は、間隔フレーム25の外形寸法とほぼ同じ外形寸法を有し、その周辺部分が間隔フレーム25の上に固着され、内部に密閉された電離空間26を形成する。この電離空間26は、主表面S1の中央領域S1Aと第2電極基板22との間に形成され、その外周は間隔フレーム25で密閉される。第2電極基板22には、第2電極23が貼り付けられる。この第2電極23は、例えばカソードであり、複数の第1電極21と電離空間26を介して対向する。
【0016】
電離ユニット20では、第2電極23と複数の各第1電極21との間に電離空間26が形成され、第2電極23と各第1電極21との間には、電離空間26を隔てて、高電圧が印加される。測定しようとする荷電粒子線は、第2電極基板22を通じて電離空間26に照射される。電離空間26に荷電粒子が入射すると、電離空間26内の空気が励起されてイオンが発生し、このイオンが対応する第1電極21に引き寄せられ、その第1電極21に電荷が発生する。各第1電極21の電荷を信号処理回路30で読取ることにより、電離空間26における荷電粒子の線量分布を測定することができる。
【0017】
信号処理回路30は、図2に示すように、配線ブロック31と、複数の外部端子35と、複数の信号処理ブロック40を含む。配線ブロック31は、プリント基板10の主表面S2の中央領域S2Aに配置される。この主表面S2の中央領域S2Aは、主表面S1の中央領域S1Aと重なる第1部分S2A1と、この第1部分S2A1の両側で、中央領域S1Aと重ならずに、その外側に位置する一対の第2部分S2A2を含む。配線ブロック31は、第1部分S2A1と第2部分S2A2に跨って形成されている。この配線ブロック31の両側に複数の信号処理ブロック40が配置される。複数の外部端子35は、例えばプリント基板10の上端部の両側に配置され、配線36により、各信号処理ブロック40に接続される。
【0018】
配線ブロック31は、複数の第1電極21と、複数の信号処理ブロック40とを接続する。複数の各信号処理ブロック40は、それぞれ相異なる複数の第1電極21に接続され、すべての第1電極21が、複数の信号処理回路40のいずれかに接続される。具体的には、複数の第1電極21の数をAとし、複数の信号処理ブロック40の数をBとしたとき、各信号処理ブロック40のそれぞれが、A/B=C個の相異なる第1電極21が接続される。言い換えれば、A個の第1電極21が、B個の組合せに分けられ、この各組合せはそれぞれC個の第1電極21を含み、これらのB個の各組合せに含まれるC個の第1電極21が、相異なる信号処理ブロック40に接続される。
【0019】
配線ブロック31は、複数の配線組合せ32を含む。この複数の配線組合せ32の数は、複数の信号処理ブロック40の数Bと等しい。複数の配線組合せ32のそれぞれは、複数の信号処理処理ブロック40のそれぞれに接続され、それぞれの信号処理ブロック40を、それに対応するC個の第1電極31に接続する。この複数の配線組合せ32は、それぞれC本の配線33を含み、このC本の配線33が、対応するC個の第1電極21にそれぞれ接続される。C本の配線33のそれぞれは、対応するC個の第1電極21の各背面に延びており、このC個の各第1電極21の背面においてプリント基板10を貫通して、対応する各第1電極21に接続される。複数の信号処理ブロック40は、それぞれ1本の配線36により、対応する外部端子35に接続される。
【0020】
図3は、信号処理回路30の一部分を示し、1つの信号処理ブロック40と、それに接続された1つの配線組合せ32を示す。複数の各信号処理ブロック40のそれぞれが、図3に示すように構成される。各信号処理ブロック40は、それぞれ図3に示すように、1つの切換スイッチ41と、複数の積分コンデンサ43と、1つの増幅回路45を含む。
【0021】
切換スイッチ41は、C個の入力端子IN1、IN2、・・・、INcと、1つの出力端子OUTを有する。1つの配線組合せ32に含まれるC本の配線33が、それぞれ切換スイッチ41の入力端子IN1、IN2、・・・、INcに接続される。複数の積分コンデンサ43の数は、配線33の数Cに等しい。C個の積分コンデンサ43は、それぞれ切換スイッチ37の入力端子IN1、IN2、・・・、INcを接地する回路に接続される。この各積分コンデンサ43は、対応するC個の各第1電極21の電荷をそれぞれ積分して保持する。1つの信号処理ブロック40に対応する積分コンデンサ43の数は、配線33の数Cに等しいが、B個の各信号処理ブロック40のそれぞれ対応してC個の積分コンデンサ43が接続されるので、信号処理回路30は、C×B=A個の積分コンデンサ43を含み、各積分コンデンサ43が、A個の各第1電極21のそれぞれに接続される。
【0022】
各積分コンデンサ43は、配線ブロック31が形成された中央領域S2Aの中の第2部分S2A2に配置される。この第2部分S2A2は、複数の第1電極21が形成された主表面S1の中央領域S1Aと重ならず、荷電粒子線が照射されない。このため、各積分コンデンサ43は、荷電粒子線の影響を受けずに、対応する各第1電極21の電荷を積分して保持する。
【0023】
増幅回路45は、演算増幅器46と、3つの抵抗47、48、49を有する。演算増幅器46は、マイナス入力とプラス入力と出力OUTを有する。演算増幅器45のマイナス入力は、抵抗47を介して切換スイッチ41の出力端子OUTに接続される。抵抗48は、演算増幅器46のプラス入力を接地する回路に接続される。抵抗49は、演算増幅器46の出力OUTとマイナス入力との間に接続され、出力OUTをマイナス入力に帰還する。演算増幅器46の出力OUTは、配線36により、外部端子35に接続される。
【0024】
切換スイッチ41は、入力端子IN1、IN2、・・・、INcを順次出力端子OUTに切換え接続し、各積分コンデンサ43の電荷を順次演算増幅器46のマイナス入力に供給する。演算増幅器46は、各積分コンデンサ43の電荷を順次増幅し、その増幅信号を順次外部端子35に供給する。この外部端子35の信号を読取ることにより、1つの信号処理ブロック40に対応する各第1電21の電荷を読取ることができる。
【0025】
複数の信号処理ブロック41は、それぞれ図3に示すように構成され、対応するC個の第1電極21の電荷を増幅した信号を順次、対応する外部端子35に出力する。したがって、複数のすべての外部端子35の信号を読取ることにより、すべての第1電極21の電荷を増幅した信号を読取ることができ、電離空間26の全体における荷電粒子線の線量分布を測定することができる。
【0026】
実施の形態1では、プリント基板10の一主表面S1に、複数の第1電極21が形成され、また、この複数の各第1電極21と電離空間26を介して対向する第2電極23を有する第2電極基板22が配置され、プリント基板10の一主表面S1と対向する他の主表面S2に、信号処理回路30が配置され、この信号処理回路30が、少なくとも1つの信号処理ブロック40を有し、この信号処理ブロック40が、それに対応する各第1電極21の電荷をそれぞれ積分する複数の積分用コンデンサ43と、この各積分コンデンサ43の電荷を共通に増幅する増幅回路45と、各積分コンデンサを増幅回路45に切換え接続する切換スイッチ41とを含むので、複数の各第1電極21と信号処理回路30との間に、特別なケーブルおよびコネクタを使用する必要がなくなり、低コストの荷電粒子線の線量分布測定装置を実現することができる。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態1では、複数の第1電極21のそれぞれに接続される複数の積分コンデンサ43を、主表面S2の中央領域S2Aの中で、荷電粒子線の影響を受けない第2部分S2A2に配置したが、この実施の形態2では、複数の積分コンデンサ43を、それぞれセラミックコンデンサ43aで構成し、これらの各セラミックコンデンサ43aを、中央領域S2Aの第1部分S2A1、すなわち各第1電極21の背面に配置する。第1部分S2A1は、複数の第1電極21が形成された領域であり、各セラミックコンデンサ43aは、荷電粒子線を受けるが、セラミックコンデンサ43aは、荷電粒子線に対する耐性が高く、各第1電極21の背面にあっても荷電粒子線の影響を受けずに、各第1電極21の電荷を積分して保持することができる。
【0028】
図4は、実施の形態2における1つの信号処理ブロック40と、それに対する複数のセラミックコンデンサ43aの配置を示す配置図である。各セラミックコンデンサ43aは、対応する各第1電極21の背面に配置される。各セラミックコンデンサ43aの右側には、1つの配線組合せ32が配置され、この配線組合せ32は、C本の配線33を含み、それぞれの配線33が、対応する各第1電極21に接続される。これらの各配線33は、それぞれ各セラミックコンデンサ43aの右端部に形成されたプリント基板10のスルーホール34を通じて、各セラミックコンデンサ43aの一方の電極を、対応する各第1電極21に接続する。各セラミックコンデンサ43aの左側には、接地電極パターン38が形成される。この接地電極パターン38は、各セラミックコンデンサ43aの他方の電極に共通に接続され、各セラミックコンデンサ43aを接地する。
【0029】
この実施の形態2では、各第1電極21の背面を、セラミックコンデンサ43aの実装スペースとして使用することができるので、信号処理ブロック40の面積を小さくし、プリント基板10の面積を小さくして、安価にすることができる。なお、実施の形態2では、図4に示す配置パターン以外は、実施の形態1と同様に構成される。
【0030】
実施の形態3.
この実施の形態3は、実施の形態1におけるプリント基板10を、多層プリント基板MPCBで構成したものである。この多層プリント基板MPCBは、相対向する互いに平行なn層の配線層51、52、53、54、・・・、5(n−1)、5nを含む。多層プリント基板MPCBの主表面S1上に位置する配線層を第1配線層51とし、その主表面S2上に位置する配線層を第n配線層5nとする。この第1配線層51と第n配線層以外の複数の他の配線層を、順次第1配線層51から第n配線層5nに向かって、第2配線層52、第3配線層53、第4配線層54、・・・、第(n−1)配線層5(n−1)とする。
【0031】
多層プリント基板MPCBの主表面S1上には、実施の形態1と同様に電離ユニット20が配置される。具体的には、主表面S1の中央領域S1Aには、第2電極23が、電離空間26を介して対向するようにして配置される。この第2電極23は、第2電極基板22の一面に貼り付けられ、この第2電極基板22は間隔フレーム25を介して主表面S1上に取り付けられる。
【0032】
図5は第1配線層51の一部分を、図6は第2配線層52の一部分を、また図7は第3配線層53の一部分をそれぞれ示す。第n配線層5nには、複数の信号処置ブロック40と、複数の第1電極21のそれぞれに接続された複数の積分コンデンサ43と、複数の信号処理ブロック40と、各信号処理ブロック40のそれぞれに対する配線組合せ32が配置される。各信号処理ブロック40は、図3に示すように切換スイッチ41と増幅回路45を含む。
【0033】
第1配線層51には、図5に示すように、マトリクス状に配置された複数の第1電極21と、接地電極パターン511が形成される。各第1電極21は、それぞれ電離空間26を介して第2電極23に対向する。複数の第1電極21は、例えば六角形状を有し、各第1電極21の中心部には、それぞれ第1スルーホール512が接続される。この各第1スルーホール512は、第2配線層52を貫通し、第3配線層53、・・・、第(n−1)配線層5(n−1)に向かって延びる。接地電極パターン511は、各第1電極21を取り囲むようにして、第1配線層51に形成される。この接地電極パターン511は、各第1電極21の周りに、それぞれ間隔をおいて形成され、各第1電極21から電気的に絶縁される。
【0034】
第2配線層52には、図6に示すように、接地電極パターン521が、各第1スルーホール512を取り囲むように形成される。この接地電極パターン521は、各第1スルーホール512の周りに、それぞれ間隔をおいて形成され、各スルーホール512から電気的に絶縁される。第2配線層52に形成された接地電極パターン521は、第1配線層51に形成された接地電極パターン511と対向する。これらの接地電極パターン511、512は、複数の第2スルーホール513により、互いに接続される。この各第2スルーホール513は、接地電極接続用スルーホールであり、第1配線層51と第2配線層52との間で多層プリント基板MPCBを貫通し、接地電極パターン511、521を互いに接続する。
【0035】
第2配線層52と第n配線層5nとの間の第3配線層53、第4配線層54、・・・、第(n−1)配線層5(nー1)には、それぞれ配線パターン61が形成される。これらの各配線パターン61は、それぞれ第n配線層5n上の各信号処理ブロック40と、それに対応する複数の第1電極21とを互いに接続する。これらの配線パターン61は、それぞれ第n配線層5nに配置された相異なる各信号処理ブロック40と、その各信号処理ブロック40に対応する相異なるC個の第1電極21とを互いに接続する。
【0036】
図7は、第3配線層53上に形成された配線パターン61を示す。この配線パターン61は、配線組合せ62を含み、この配線組合せ62はC本の配線63を含み、これらの配線63は、第n配線層5nの1つの信号処理ブロック40と、それに対応するC個の第1電極21とをそれぞれ接続する。配線63には、C個の第1電極21のそれぞれに接続された第1スルーホール512がそれぞれ接続される。第4配線層54、・・・、第(n−1)配線層5(n−1)には、図7に示す配線パターン61と同様な配線パターン61がそれぞれ形成される。
【0037】
実施の形態1の両面プリント基板10では、配線ブロック31の各配線組合せ32が主表面S2の中央領域S2に平面状に配置される。各配線組合せ32の各配線33は、無限に細くすることができないので、平面状に配置される配線組合せ32の数Bが制限され、第1電極21の数Aが制限される。この第1電極21の数Aの制限は、荷電粒子線の線量分布の分解能を制限する。この実施の形態1に比較して、実施の形態3では、多層プリント基板MPCBを使用し、とくにA個の第1電極21と信号処理回路30を接続する配線パターン61を第3配線層53から第(n−1)配線層5(n−1)に分散したので、各配線パターン61における配線63の数Cを増加することができ、これに伴なって第1電極21のそれぞれの面積をより小さくすることにより、第1電極21の数Aを増加して、荷電粒子線の線量分布の分解能を向上することができる。
【0038】
また、実施の形態3では、各配線パターン61が第3配線層53から第(n−1)配線層5(n−1)に分散されるので、各配線パターン61を、互いに接触することなく、互いに重なる領域に立体的に配置することができる。このため、各配線パターン61における各配線63と、それに接続される各第1電極21との対応関係を自由に設計することができ、各第1電極21と各信号処理ブロック40との対応関係も自由に設定でき、回路設計の自由度を増加することもできる。
【0039】
さらに、実施の形態3では、第1配線層51と第2配線層52に接地電極パターン511、521を形成したので、これらの接地電極パターン511、521により、外部からの外来ノイズの影響を軽減して、より高精度に荷電粒子線の線量分布を測定することができる。
【0040】
実施の形態4.
この実施の形態4は、実施の形態3における多層プリント基板MPCBに、さらにm層からなる追加配線層71、72、・・・、7mを加えたものである。結果としてこの実施の形態4では、多層プリント基板MPCBが、(n+m)層の配線層を持つ。
【0041】
m層の追加配線層71、72、・・・、7mは、実施の形態3における第3配線層53から第n配線層5nの間の相互間にそれぞれ追加される。言い換えれば、第3配線層53から第n配線層5nに向かう方向において、第3配線層53、追加配線層71、第4配線層54、追加配線層72、・・・、第(n−1)配線層5(n−1)、追加配線層7m、第n配線層5nの順番に配置され、配線層53、54、・・・5nと、追加配線層71、72、・・・、7mとが、交互に配置される。この実施の形態4では、実施の形態3における第2スルーホール513が、第3配線層53、追加配線層71、・・・第(n−1)配線層5(n−1)を貫通し、追加配線層7mまで延長される。追加配線層71、72、・・・、7mには、それぞれ図6に示す接地電極パターン521と同様な接地電極パターン711が形成され、これらの各接地電極パターン711は、各第2スルーホール513により互いに接続される。
【0042】
図8は、実施の形態4における第3配線層53の一部分を、図9は、それにおける追加配線層71の一部分を、また図10は、それにおける第4配線層54の一部分をそれぞれ示す。第3配線層53には、図8に示すように、各第1スルーホール512と各第2スルーホール513が貫通している。追加配線層71には、図9に示すように、接地電極パターン711が形成される。この接地電極パターン711は、図6に示す第2配線層52の接地電極パターン521と同様に、各第1スルーホール512を取り囲むようにして形成される。
【0043】
この接地電極パターン711は、各第1スルーホール512の周りに、それぞれ間隔をおいて形成され、各スルーホール512から電気的に絶縁される。追加配線層71に形成された接地電極パターン711は、第2配線層52に形成された接地電極パターン521(図6)に対して、各第2スルーホール513により接続される。第4配線層54には、図10に示すように、配線パターン61が形成され、また各第1、第2スルーホール512、513が貫通している。配線パターン61には、第1スルーホール512が接続される。この配線パターン61は、各第1スルーホール512を介して、対応する複数の第1電極21を、対応する信号処理ブロック40に接続する。
【0044】
実施の形態4では、追加配線層71、72、・・・、7mにそれぞれ形成された接地電極パターン711が、第3配線層53、第4配線層54、・・・、第(n−1)配線層5(n−1)に形成された配線パターン61を、それぞれ外部ノイズに対してシールドし、また第n配線層5nに形成された各配線33を外部ノイズに対してシールドする。この結果、各配線パターン61および配線33に対する外部ノイズの侵入が軽減されるので、さらに高精度の荷電粒子線の線量分布の測定が可能となる。
【0045】
実施の形態5.
この実施の形態5は、実施の形態3または4に対して、さらに1つの追加配線層81を追加したものである。この追加配線層81は、実施の形態3または4における第2配線層52と第3配線層53との間に配置される。
【0046】
図11は、この追加配線層81を示す。この追加配線層81には、複数の積分コンデンサ電極811と、接地電極パターン812が形成される。複数の積分コンデンサ電極811は、複数の第1電極21のそれぞれに対応して、それと同じ数Aだけ形成され、互いに分離してマトリクス状に配置される。各積分コンデンサ電極811は、各第1電極21と対向する位置にそれぞれ形成され、各第1スルーホール512により、各第1電極21に接続される。
【0047】
接地電極パターン812は、各積分コンデンサ電極811を取り囲むようにして、網目状に形成される。この接地電極パターン812は、各積分コンデンサ電極811の周りに間隔をおいて形成され、各積分コンデンサ電極811と絶縁される。接地電極パターン812は、複数の第2スルーホール513により、接地電極パターン511(図5)、521(図6)と接続される。この結果、各積分コンデンサ電極811と接地電極パターン812との間には、それぞれ積分コンデンサ83が形成され、この各積分コンデンサ83は、複数の各第1電極21のそれぞれに第1スルーホール512を介して接続される。
【0048】
この実施の形態5では、追加配線層81に、複数の積分コンデンサ83が形成され、この複数の積分コンデンサ83は、複数の各第1電極21のそれぞれに接続されるので、第n配線層5nの積分コンデンサ43を省略することが可能となり、第n配線層5nにおける信号処理ブロック40の部品数を減少し、安価で且つ信頼性の高い荷電粒子線の線量分布測定装置を得ることができる。
【0049】
実施の形態6.
この実施の形態6は、実施の形態1または実施の形態3において、第2電極基板22を、水と同等な荷電粒子線の透過特性を有する樹脂板22aで構成し、また第2電極板23を金属薄膜23aで構成したものである。
【0050】
図12はこの実施の形態6の荷電粒子線の線量分布測定装置を示す構成図である。金属薄膜23aは、樹脂板22aとほぼ同じ大きさを有し、樹脂板22aの一面に接着される。樹脂板22aは、金属薄膜23aとともに間隔フレーム25の上に固着され、電離空間26が金属薄板23aと複数の第1電極21との間に形成される。電離空間26の外周は、間隔フレーム25により密閉される。
【0051】
医療用として用いられる荷電粒子線の線量分布測定装置では、図13に示すように、荷電粒子線PBの入射方向に対して、人体と同等な荷電粒子線の透過特性を持つファントム90の中において、深さ方向の正確な寸法Lを有する線量分布測定面91で線量分布測定を行なう必要がある。実施の形態6において、金属薄板23aの厚さを、人体厚みと等価に評価して無視できる厚さとすれば、金属電極23aと複数の第1電極21との間に形成された電離空間26の空気層の厚さは、人体厚みと等価に評価して無視できる厚さであるので、樹脂板22aの各第1電極21から遠い側の表面から各第1電極21までの寸法は、人体厚みと等価に評価して、樹脂板22aの厚さに等しいと考えることができる。この樹脂板22aの厚さは、荷電粒子線の線量分布測定装置の製作時に、精度よく測定できる。
【0052】
実施の形態6では、相対向する金属薄膜23aと各第1電極21の中間位置が、線量分布測定面91であるので、荷電粒子線の入射面から線量分布測定装置までのファントム90の厚さに樹脂板22aの厚さを加算した厚さが、荷電粒子線の入射面から線量分布測定面91までの深さとなる。よって、実施の形態6では、深さ方向で線量分布測定面の位置を正確に把握できる荷電粒子線の線量分布測定装置を得ることができる。なお、実施の形態6による樹脂板22aと金属薄膜23aは、実施の形態1および実施の形態3だけでなく、他の実施の形態2、4、5に対しても適用できる。
【0053】
実施の形態7.
この実施の形態7は、実施の形態1または実施の形態3における第2電極基板22をポリイミドフレキシブル基板22bで構成し、第2電極23を金属薄膜23b、例えば銅薄膜で構成したものである。
【0054】
図14は、この実施の形態7に使用されるポリイミドフレキシブル基板22bと金属薄膜23bを示す断面図である。ポリイミドフレキシブル基板22bは、具体的には25μmの厚さで構成される。金属薄膜23bは、例えば銅薄膜であり、8μmの厚さを有し、ポリイミドフレキシブル基板23bの一面に接着または蒸着により形成される。ポリイミドフレキシブル基板22bは、金属薄膜23bとともに間隔フレーム25の上に固着され、電離空間26が金属薄板23bと複数の第1電極21との間に形成される。電離空間26の外周は、間隔フレーム25により密閉される。
【0055】
図14に示す厚さ8μmの銅薄膜からなる金属薄膜23bを形成した厚さ25μmのポリイミドフレキシブル基板22bは、人体と等価な評価で、60μmの厚さとなる。人体に荷電粒子線PBを照射する場合における荷電粒子線の到達深さの精度は、せいぜい1mm程度であればよいので、図14に示す金属薄膜23bを形成したポリイミドフレキシブル基板22bによる誤差は問題にならない。実施の形態7では、汎用の安価なポリイミドフレキシブル基板22bを使用しながら、測定精度上の誤差が問題とならず、安価な荷電粒子線の線量分布測定装置を得ることができる。なお、実施の形態7によるポリイミドフレキシブル基板22bと金属薄膜23bは、実施の形態1および実施の形態3だけでなく、他の実施の形態2、4、5に対しても適用できる。
【0056】
実施の形態8.
この実施の形態8は、実施の形態1または実施の形態3において、信号処理回路30に含まれる複数の信号処理ブロック40に、それぞれ積分コンデンサ43を放電させるための放電回路95を付加したものである。
【0057】
図15は、実施の形態8における信号処理回路30の1つの信号処理ブロック40を示す。放電回路95は、切換スイッチ41の出力端子OUTを接地する回路に配置される。この放電回路95は、放電スイッチ96により構成される。放電回路95は、荷電粒子線の線量分布の測定時にはオフとされ、各積分コンデンサ43を放電させることはない。放電回路95は、すべての第1電極21の電荷を信号処理回路30により読み出し、荷電粒子線の線量分布の測定が終了した後にオンとされ、各切換スイッチ41に対応する各積分コンデンサ43を放電させ、次の測定に備える。
【0058】
実施の形態8では、信号処理回路30の各切換スイッチ41の出力端子OUTに放電回路95を配置するので、複数の各積分コンデンサ43に対応してそれぞれ放電回路95を配置する必要がなく、より小型で安価な線量分布測定装置を得ることができる。
【0059】
実施の形態8により各切換スイッチ41の出力端子OUTに放電回路95を接続する構成は、実施の形態1、3に限らず、他の実施の形態2、4、5、6、7にも適用することができる。実施の形態5では、追加配線層81に各第1電極21のそれぞれに接続された積分コンデンサ83を形成したが、この実施の形態5において、各切換スイッチ41の出力端子OUTに放電回路95を接続することにより、線量分布測定の終了後に、各積分コンデンサ83を放電させることができる。
【0060】
実施の形態9.
この実施の形態9は、実施の形態1または実施の形態3において、信号処理回路30を信号処理回路30aに代えたものである。
【0061】
この実施の形態9で使用される信号処理回路30aを図16に示す。この信号処理回路30aは、図16に示すように、複数の前段の切換スイッチ41aと後段の切換スイッチ41bをカスケード接続したものである。前段の複数の切換スイッチ41aの出力は、後段の切換スイッチ41bにより順次切換えて、共通の増幅回路45に接続される。前段の複数の切換スイッチ41aは、それぞれC個の入力端子IN1、IN2、・・・、INcと1つの出力端子OUTを有し、これらの前段の各切換スイッチ41aの入力端子IN1、IN2、・・・、INcは、複数の第1電極21の中のそれぞれ相異なるC個の第1電極21にそれぞれ接続される。前段の各切換スイッチ41aの入力端子IN1、IN2、・・・、INcには、それぞれ積分コンデンサ43が接続され、また前段の各切換スイッチ41aの出力端子OUTには、図15と同じ放電回路95が接続される。
【0062】
前段の複数の切換スイッチ41aの数をBとする場合、後段の切換スイッチ41bは、B個の入力端子IN1、IN2、・・・、INbと、1つの出力端子OUTを有し、各入力端子IN1、IN2、・・・、INbは、それぞれ前段の各切換スイッチ41aのそれぞれの出力端子OUTに接続される。後段の切換スイッチ41bの出力端子OUTは、共通の増幅回路45に接続される。この増幅回路45は、図3に示す増幅回路45と同様に、演算増幅器46と、3つの抵抗47、48、49により構成され、演算増幅器45の出力端子OUTが1つの外部端子35に接続される。
【0063】
この実施の形態9では、前段の各切換スイッチ41aの出力端子OUTの出力を、後段の切換スイッチ41bで順次切換えて共通の増幅回路45で増幅するので、信号処理回路30aにおける増幅回路45の数を少なくし、外部端子35の数を少なくすることができる。また、前段の各切換スイッチ41aの出力端子OUTにそれぞれ放電回路95を接続するので、実施の形態8と同様に、複数の各積分コンデンサ43に対応してそれぞれ放電回路95を配置する必要がなく、より小型で安価な線量分布測定装置を得ることができる。
【0064】
なお、実施の形態9において、前段の切換スイッチ41aの数Bは、最小で2とすればよく、この場合にも、前段の各切換スイッチ41aのそれぞれに増幅回路45を接続するものに比べて、増幅回路45の数を少なくし、外部端子35の数を少なくすることができる。また、後段の切換スイッチ41bを複数個設置し、それぞれの後段の切換スイッチ41bをそれぞれ前段の複数の切換スイッチ41aに対応されても、全体として切換スイッチの数を減少させることができる。
【0065】
実施の形態9による切換スイッチ41a、41bの多段のカスケード接続は、実施の形態1、3に限らず、他の実施の形態2、4、5、6、7にも適用することができる。実施の形態5では、追加配線層81に各第1電極21のそれぞれに接続された積分コンデンサ83を形成したが、この実施の形態5に対して、実施の形態9による切換スイッチ41a、41bの多段接続を適用し、各前段の各切換スイッチ41aの出力端子OUTに放電回路95を接続することにより、線量分布測定の終了後に、各積分コンデンサ83を放電させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
この発明による荷電粒子線の線量分布測定装置は、医療用の荷電粒子照射装置などに応用される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態1を示す構成図である。
【図2】図2は図1の背面図である。
【図3】図3は実施の形態1における信号処理回路の1つの信号処理ブロックを示す電気回路図である。
【図4】図4はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態2におけるセラミックコンデンサの配置図である。
【図5】図5はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態3における第1配線層の一部分を示すパターン図である。
【図6】図6は実施の形態3における第2配線層の一部分を示すパターン図である。
【図7】図7は実施の形態3における第3配線層の一部分を示すパターン図である。
【図8】図8はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態4における第3配線層の一部分を示すパターン図である。
【図9】図9は実施の形態4における1つの追加配線層の一部分を示すパターン図である。
【図10】図10は実施の形態4における第4配線層の一部分を示すパターン図である。
【図11】図11はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態5における追加配線層の一部分を示すパターン図である。
【図12】図12はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態6を示す構成図である。
【図13】図13は医療における線量分布測定方法の説明図である。
【図14】図14はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態7において使用される第2電極基板を示す断面図である。
【図15】図15はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態8における信号処理回路の1つの信号処理ブロックを示す電気回路図である。
【図16】図16はこの発明による荷電粒子線の線量分布測定装置の実施の形態9における信号処理回路を示す電気回路図である。
【符号の説明】
【0068】
10:プリント基板、20:電離ユニット、21:第1電極、
22、22a、22b:第2電極基板、23,23a、23b:第2電極、
25:間隔フレーム、26:電離空間、30、30a:信号処理回路、
40:信号処理ブロック、41、41a:切換スイッチ、45:増幅回路、
51、52、53、54、・・・、5n:配線層、
71、72、・・・、7m:追加配線層、81:追加配線層、95:放電回路。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年9月8日(2006.9.8)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄

【識別番号】100093562
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 俊英

【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生

【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾


【公開番号】 特開2008−64664(P2008−64664A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−244119(P2006−244119)