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【発明の名称】 小さい視野域を有する撮像検出器を用いた撮像のための方法及び装置
【発明者】 【氏名】ヤロン・ヘフェツ

【氏名】イラ・ブレヴィス

【要約】 【課題】核医学撮像において小さい視野域を有する複数の撮像検出器を用いて関心対象構造を効率的に撮像する方法及び装置を提供する。

【構成】関心対象構造166を撮像するための装置は、ガントリ110上に装着させた複数の撮像検出器102〜108を備える。複数の撮像検出器102〜108の各々は、視野域(FOV)140、176を有しており、互いに対して独立に移動可能であり、かつ患者142内部の関心対象構造166を撮像するように位置決めされる。データ収集システム126は、複数の撮像検出器102〜108の各々のFOV140、176の範囲内で検出された画像データを受け取る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心対象構造166を撮像するための装置であって、
ガントリ110上に装着された複数の撮像検出器102〜108であって、その各々が視野域(FOV)140、176を有しており、その各々が互いに対して独立に移動可能であり、患者142内部の関心対象構造166を撮像するように位置決めされている複数の撮像検出器102〜108と、
前記複数の撮像検出器102〜108の各々のFOV140、176の範囲内で検出された画像データを受け取るためのデータ収集システム126と、
を備える装置。
【請求項2】
前記複数の撮像検出器102〜108は、患者142の近傍で弧と円の少なくとも一方の形で前記ガントリ110上に装着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の撮像検出器102〜108上に装着された複数の調節可能コリメータ200をさらに備えており、該複数の調節可能コリメータ200はさらに前記FOV140、176を画定している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の撮像検出器102〜108上に装着された複数のコリメータをさらに備えており、該複数のコリメータのうちの少なくとも1つはマルチボア・コリメータ、マルチボア集束形コリメータ、マルチボア集束形ファンビーム・コリメータ、マルチボア集束形コーンビーム・コリメータ、マルチボア拡散形コリメータ、及びピンホール形コリメータ244である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ガントリ110と前記複数の撮像検出器102〜108を相互接続させる複数のピボット116をさらに備えており、該複数のピボット116の各々はFOVを変化させるように該複数の撮像検出器102〜108のピボット運動を許容すること及び該ピボット運動を制御することのうちの少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の撮像検出器102〜108に装着された複数の構成可能コリメータと、
前記複数の撮像検出器102〜108のうちの少なくとも1つのFOV140、176を変化させるように前記複数の構成可能コリメータのうちの少なくとも1つを調整しているコリメータ制御器186と、
をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項7】
関心対象構造166を撮像するための装置であって、
ガントリ110上に装着された複数の撮像検出器102〜108であって、その各々が視野域(FOV)140、176を有すると共に該FOV140、176を変化させるように互いに対して独立に移動可能であり、その少なくとも1つの部分組が患者142内部の関心対象構造166を撮像するように位置決めされている複数の撮像検出器102〜108と、
前記複数の撮像検出器102〜108に装着された複数の構成可能コリメータと、
前記複数の撮像検出器102〜108のFOV140、176の範囲内で検出した画像データを受け取るためのデータ収集システム126と、
を備える装置。
【請求項8】
前記ガントリ110と前記複数の撮像検出器102〜108のうちの少なくとも1つとを相互接続させる複数のピボット116をさらに備えており、該複数のピボット116はFOV140、176を変化させるように該複数の撮像検出器102〜108を移動させている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
FOV140、176を変化させるように前記複数の構成可能コリメータのうちの少なくとも1つの初期位置を調整しているコリメータ制御器186をさらに備える請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の構成可能コリメータのうちの少なくとも1つがさらに第1及び第2の方向に沿って配列させた素材ストリップ202〜208を備えており、該第1方向と第2方向は互いに異なっており、該素材ストリップ202〜208はFOV140、176を変化させるように調節可能である、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は全般的には核医学撮像に関し、さらに詳細には、小さい視野域を有する複数の撮像検出器を用いた関心対象構造の効率的な撮像に関する。
【背景技術】
【0002】
核医学(NM)撮像では、患者のスキャンを収集するのに要する時間が長くなり、患者を不快にさせる可能性がある。さらに、患者が動くと、その画像が劣化することがあり、またスキャンの反復が必要となることがある。装置のコストに加えて、装置の操作に要する時間及び労力に由来する運用コストが大きくなることがある。さらに、大型の撮像検出器では患者の近くに位置決めしたときにその幾何学構成に由来してその操縦性が制限される。
【0003】
全身スキャンや大きな患者のスキャンなど幾つかのタイプのスキャンでは、患者のうちの撮像しようとする部分のために従来の大型撮像検出器の視野域全体が必要となることがある。しかし、心臓、肝臓、腎臓、腫瘍など撮像検出器の視野域より小さい構造を撮像するときは、撮像検出器の一部が関心対象構造の外部で患者データを収集することになる。したがって、実効感度がコリメータの幾何学的感度と無関係に低下し、実効感度はむしろ有用な情報を収集していないことによる機会損失を示すことになる。
【0004】
さらに、多くのタイプのスキャンでは、患者の周りの多数のアキシャル位置からの撮像を必要とする。例えば従来の撮像検出器は、概ね180度さらには360度に至るまでなど患者の少なくとも一部分の周りをガントリによって回転させながらデータを収集し、ボリュメトリック撮像及び処理のために十分な構造データを取得することが多い。これでは時間がかかって患者スループットが制限されると共に、上で検討したような患者の動きに由来したエラーを起こしやすい。
【特許文献1】米国特許第6,696,686号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0218331号
【特許文献3】米国特許第6,271,524号
【特許文献4】WO06054296A2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、NM撮像の間により小さい構造の画像データを収集するのに要する時間を減少させるための方法及び装置に対する要求が存在する。本発明のある種の実施形態は、こうした要求並びに以下の説明及び添付の図面から明らかとなるような別の目的を満たすことを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、関心対象構造を撮像するための装置は、ガントリ上に装着された複数の撮像検出器を備える。この複数の撮像検出器の各々は、視野域(FOV)を有しており、互いに対して独立に移動可能であり、かつ患者内部の関心対象構造を撮像するように位置決めされている。データ収集システムによって撮像検出器の各々のFOVの範囲内で検出した画像データを受け取っている。
【0007】
別の実施形態では、複数の撮像検出器によって関心対象構造の画像を収集するための方法は、関心対象構造の近傍に複数の撮像検出器を位置決めする工程を含む。この複数の撮像検出器の各々はFOVを有すると共に、FOVを変化させるように互いに対して独立に移動可能である。この撮像検出器の少なくとも1つの部分組は、FOVの範囲内で関心対象構造の少なくとも一部分を撮像することを目標としている。この複数の撮像検出器の少なくとも1つの部分組によって画像データが収集されており、また撮像検出器の各々から受け取った画像データを組み合わせて合成画像が形成される。
【0008】
別の実施形態では、関心対象構造を撮像するための装置は、ガントリ上に装着された複数の撮像検出器を備える。この複数の撮像検出器の各々は視野域(FOV)を有すると共に、FOVを変化させるように互いに対して独立に移動可能である。この複数の撮像検出器の少なくとも1つの部分組は患者内部の関心対象構造を撮像するように位置決めされている。この複数の撮像検出器には複数の構成可能コリメータが装着されており、またデータ収集システムによって複数の撮像検出器のFOVの範囲内で検出した画像データを受け取っている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上述した要約、並びに本発明のある種の実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことによってさらに十分な理解が得られよう。これらの図面が様々な実施形態の機能ブロックからなる図を表している場合も、これらの機能ブロックが必ずしもハードウェア回路間で分割されることを意味するものではない。したがって例えば、1つまたは複数の機能ブロック(例えば、プロセッサやメモリ)を単一のハードウェア(例えば、汎用の信号プロセッサ、処理ブロックまたはランダムアクセスメモリ、ハードディスク、その他)内で実現させることがある。同様にそのプログラムは、スタンドアロンのプログラムとすること、オペレーティングシステム内のサブルーチンとして組み込まれること、インストールした撮像ソフトウェアパッケージの形で機能させること、その他とすることができる。こうした様々な実施形態は図面に示した配置や手段に限定されるものではないことを理解すべきである。
【0010】
図1は、ガントリ上に装着させた複数の小型撮像検出器を有する核医学(NM)撮像システム100の概要図である。図1では、第1、第2、第3〜第Nの撮像検出器102、104、106及び108がガントリ110上に装着されている。図1の図示ではNが4に等しいが、使用する撮像検出器を2個、3個、あるいは4個以上とすることもできることを理解されたい。
【0011】
第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々は従来の撮像検出器と比べてより小さい。従来の撮像検出器は患者の身体の幅の大部分または全部を同時に撮像するのに十分な大きさであることがあると共に概ね40cmの直径を有することがある。これに対して、第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々は4cm〜20cmの寸法を有することがあると共にテルル化亜鉛カドミウム(CZT)のタイルから形成させることがある。例えば第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々は、そのサイズが8×8cmであると共に複数のCZT画素分解式モジュール(図示せず)から構成されることがある。例えば各モジュールはそのサイズが4×4cmであると共に16×16=256個の画素を有することがある。第1〜第Nの撮像検出器102〜108は、正方形、矩形、円形あるいは別の形状などそのサイズ及び/または形状が互いに異なることがあることを理解されたい。第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々の実際の視野域(FOV)はそれぞれの撮像検出器のサイズ及び形状に正比例することがある。
【0012】
ガントリ110は、図示したような開口112をその内部に貫通して備えるように形成させることがある。開口112の内部でかつ第1〜第Nの撮像検出器102〜108を基準として患者142を複数のビュー位置に支持し保持するための支持機構(図示せず)を備えるように患者テーブル114を構成させている。別法として、ガントリ110は、その各々が1つの撮像検出器または撮像検出器の1つの部分組を独立に移動させ得るような複数のガントリセグメント(図示せず)を備えることがある。ガントリ110はさらに、例えば「C形」や「L形」などの別の形状で構成させることがあり、また患者142の周りに回転可能とさせることがある。例えばガントリ110は、閉鎖形リングまたは円となるように形成させることや、あるいは撮像の間に患者142に容易に接近できるようにしかつ患者142の積み降ろし並びに感受性が高い患者142の閉鎖恐怖の低減を容易にするように開放形やアーチ形となるように形成させることがある。
【0013】
追加的な撮像検出器(図示せず)を、患者142の周りに1つの弧またはリングを形成するように位置決めすることがある。別法として、複数のリング、弧またはアーチを形成させることもある。複数の撮像検出器を患者142に対する複数の位置に位置決めすることによって、患者142内部のある関心対象構造に特異的な画像データを、従来の大型検出器を用いた収集の場合と比較してより迅速に収集することができる。
【0014】
任意選択では、撮像検出器を患者142の周りに閉鎖形パック(pack)編成で配列させることがある。任意選択では、撮像検出器を患者142の周りで複数のアキシャル箇所に配列させることがある。例えば心臓を撮像する場合、2つ、3つ、4つ、あるいはこれ以上の数のアーチをなした撮像検出器を使用することがある。各アーチは患者142の周りで90〜270度の範囲に及ぶことがあり、また一体になって胴体のかなりの部分を覆うことがある。例えば、サイズが8×8cmの撮像検出器を用いて3つのアーチを構成すると、幅が24cmを超える湾曲したバンド(撮像検出器の間にある程度のギャップ(最小であることが好ましい)を考慮に入れている)が形成されることになる。
【0015】
第1、第2、第3〜第Nの撮像検出器102、104、106及び108の各々は、患者142の内部の関心対象構造の方向に向いたそれぞれ放射検出面130、132、134及び136を有する。放射検出面132、132、134及び136の各々は、それぞれコリメータ150、152、154及び156によって覆われている。第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々の実際のFOVは、ピンホール、平行ビーム集束形、拡散形ファンビーム、集束形や拡散形のコーンビーム、マルチボア、マルチボア集束形、マルチボア集束形ファンビーム、マルチボア集束形コーンビーム、マルチボア拡散形、または別のタイプのコリメータなどコリメータ150〜156のタイプに従って増大させること、縮小させること、相対的に不変とさせることができる。
【0016】
任意選択では、CZT画素分解式検出器などの画素分解式検出器の画素と位置合わせされるようにしたマルチボア・コリメータが製作されることがある。位置合わせ式コリメーションによれば、光子が1つのボアを通過して主に1つの画素によって収集されることによって空間分解能が向上することがある。さらに位置合わせ式コリメーションによれば、ある画素のエッジ近傍または2つの隣接する画素の中間にある検出器領域において感度の低下あるいはエネルギー分解能の低下その他の動作性能劣化を生じることがあるような画素分解式検出器の感度及びエネルギー応答が向上することがある。コリメータ隔壁が画素エッジの直ぐ上にあることによって、光子がコリメータを通過する全体確率を低下させることなくこうした動作性能の劣化箇所に光子が入射する確率を低下させることができる。
【0017】
制御器ユニット120によって、患者テーブル114、ガントリ110、第1〜第Nの撮像検出器102〜108、及びコリメータ150〜156の動き及び位置決めが制御されることがある。収集中または画像間での運動の範囲は、第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々の実際のFOVが関心対象構造の方向に向けられる、すなわち関心対象構造を「標的」とするように設定される。この運動の範囲は固定軌道あるいは患者特異的な軌道に基づくことがあり、また検出器「ディザー(dither)」などの小さい運動を用いることがある。任意選択では、運動の量または範囲は関心対象構造に対する事前画像に基づくことがある。この事前画像は撮像システム100によって取得することや、任意選択では別の、任意選択では異なるタイプの撮像システムから事前に取得した画像とすることがある。例えば、事前画像としてCT画像を使用することがある。
【0018】
制御器ユニット120は、ガントリ・モータ制御器124、テーブル制御器141、半径制御器164、ピボット制御器118及びコリメータ制御器186を有することがある。これらの制御器118、124、141、164及び186は、処理ユニット196による自動で指令を受けること、オペレータが手作業で制御すること、あるいはこれらの組み合わせによることがある。ガントリ・モータ制御器124は、第1〜第Nの撮像検出器102〜108を患者142を基準としてセグメント単位で個別に、あるいは互いに固定した関係で同時に回転させることがある。任意選択では、複数の撮像検出器または撮像検出器の部分組に接続させた1つまたは複数の機械式リンクによって複数の撮像検出器を一斉に動かすことがある。テーブル制御器141は、1つまたは複数の第1〜第Nの撮像検出器102〜108のFOVを基準として患者142を位置決めするために患者テーブル114を移動させることがある。患者テーブル114は例えば、上下方向144、内外方向148及び左右方向146で移動させることがある。半径制御器164は、第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々を患者142の表面に近づけるようにまたさらに該表面から遠ざけるように移動させることあり、またピボット制御器118は第1〜第Nの撮像検出器102〜108を患者142を基準としたアキシャル方向に移動させることがある。コリメータ制御器186は、調節可能なストリップ(または、ベイン)や調節可能なピンホール(複数のこともある)を有するコリメータなど調節可能コリメータの位置を調整することがある。1つまたは複数の撮像検出器の運動は厳密なアキシャル方向や半径方向以外の方向とさせることがあり、また任意選択では幾つかの運動方向での運動を組み合わせて所望の運動を生成させることもあることに留意すべきである。したがって、「運動制御器」という用語はすべての運動制御器に関する総称名を示すために使用することがある。
【0019】
関心対象構造の画像を収集する前に、第1〜第Nの撮像検出器102〜108、ガントリ110、患者テーブル114及び/またはコリメータ150〜156を上で検討したように第1のすなわち初期撮像位置に来るように調整することがある。第1〜第Nの撮像検出器102〜108はそれぞれ、当該構造のサイズ、該構造内部でより関心が高い領域(複数のこともある)、患者142内部での該構造の位置、その他に応じて該構造のすべてまたは一部分を撮像するように位置決めされることがある。別法として、撮像検出器102〜108のうちの1つまたは幾つかを、必要でない場合にデータの収集に使用しないことがある。位置決めは、エッジ検出、患者の解剖構造に関する事前の知見、事前収集した減衰マップを用いること、あるいは目下の収集以前に撮像した画像(CT、MRI、X線、SPECT、PET、超音波などの別の撮像モダリティによるなど)からや上で検討した事前画像を用いて関心対象構造の投影ビューを計算することによるなどオペレータによる手動式及び/または自動式で実施されることがある。任意選択では、分解能がより低いあるいは総カウントがより小さい平面画像やより低品質の画像を用いて手動式または自動式で患者142を位置決めすることがある。別法として、カウント率を計測するための残留(persistence)画像を用いることがある。
【0020】
第1〜第Nの撮像検出器102〜108、ガントリ110、患者テーブル114及びコリメータ150〜156を初期位置決めした後、各撮像検出器を使用して1つまたは複数の画像が収集される。各撮像検出器が収集した画像データは組み合わせて1つの合成画像(2次元(2D)画像、3次元(3D)ボリューム、あるいは時間経過を伴う3Dボリューム(4D)を含み得る)になるように再構成させることがある。
【0021】
一実施形態では、第1〜第Nの撮像検出器102〜108、ガントリ110、患者テーブル114及びコリメータ150〜156は、初期位置決めを受けた後では静止した状態にある。別の実施形態では、第1〜第Nの撮像検出器102〜108のうちの1つまたは幾つかに対するピボット運動、第1〜第Nの撮像検出器102〜108のうちの1つまたは幾つかに対するガントリ110による回転、コリメータ150〜156のうちの1つまたは幾つかに対する調整、あるいは患者テーブル114の移動などの動きによって、撮像検出器のうちの1つまたは幾つかに関する実効視野域を増大させることがある。
【0022】
第1〜第Nの撮像検出器102〜108が発生させる電気信号データはデータ収集システム(DAS)126によって受け取られ、後続の処理のためにこのデータがディジタル信号に変換される。さらに、画像再構成デバイス128、データ記憶デバイス194及び処理ユニット196が設けられることがある。データ収集、運動制御、データ処理及び画像再構成のうちの1つまたは幾つかに関係する1つまたは複数の機能が、ソフトウェアを介することや共有式処理リソース(撮像システム100の内部またはその近傍に配置させることや、遠隔に配置させることがある)によって実施されることがあることに留意すべきである。
【0023】
図2は、第1の撮像検出器102の実効FOVを増大させるために使用されるピボット運動を表している。検出器運動または向き変更によって撮像データのサンプリングを増大させ得ることに留意すべきである。サンプリングするデータ組が大きいと、再構成が向上することや、アーチファクトが低減されることがある。第1の撮像検出器102をピボット運動させることによって、実際のFOVと比べてより大きな領域からデータを収集することが可能となる。それぞれの放射検出面130が放射を検知する方向を変更するために第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々をピボット運動させることがある。
【0024】
第1の撮像検出器102は、ピボット116及び脚部122の上に装着させることがある。別のピボット機構を用いることもある。ピボット制御器118は、ピボット116に対して矢印Aの方向に、矢印Bの方向(矢印Aと直角の方向)に、あるいは矢印AとBの間の任意の位置に移動するように指令することがある。このピボット運動を、上で検討した別の動きのうちの1つまたは幾つかに加えて用いることがある。
【0025】
第1〜第Nの撮像検出器102〜108の各々に対してピボットレンジ143を決定することがある。例えば、第1の撮像検出器102の実際のFOVより大きな構造を撮像する場合、そのFOVによって構造の1つの外側エッジが撮像されるようにそのピボットレンジ143が1つの端部位置に始点145を有することがある。任意選択では、周囲組織を事前定義した量だけ撮像することがある。構造の反対側の外側エッジ、並びに事前定義した量の周囲組織が撮像されるようにピボットレンジ143の終点147を設定することがある。したがって、ある具体的なスキャンに対して特異的に撮像検出器のそれぞれに関して一意のピボットレンジ143が規定されることがある。
【0026】
別法として、第1〜第Nの撮像検出器102〜108のうちの1つまたは幾つかは固定した事前決定のピボットレンジ143にわたって移動させることがある。ピボットの比率すなわち速度も、事前決定とすること、オペレータにより設定すること、スキャンを受ける解剖構造、該構造のサイズ、検出される放射のレベル、その他に基づいて決定されることがある。ピボット比率は必ずしもピボットレンジ143全体にわたって一定である必要はなく、ピボット軸が異なれば異なることがあり、また撮像検出器が異なれば異なることがあり収集時間全体にわたって異なることがあり得ることに留意すべきである。例えばピボット比率は、第1の撮像検出器102が周囲組織を標的とするようにピボットレンジ143の一部分でより大きくすることがある。したがって、第1の撮像検出器102は周囲組織からと比べて関心対象構造からより多くのデータを収集することになる。
【0027】
本発明の例示的一実施形態では、第1の撮像検出器102は、ピボットレンジ143の始点145に対応する第1の位置138において画像データを収集することがある。第1の撮像検出器102の実際のFOV140は、その一部がコリメータ150に依存する。第1の撮像検出器102は、ピボットレンジ143全体にわたって矢印Aの方向で実際のFOV160に関する終点147に対応する第2の位置158までピボット運動させている。実際のFOV140及び160のいずれよりも大きい実効FOV162が形成される。第1の撮像検出器102は、第1の位置138から第2の位置158までピボット運動する間にデータを連続して収集する。別法として、第1の撮像検出器102は、ピボット制御器118が撮像検出器をピボットレンジ143にわたって移動させる際に一連の画像を収集することがある。別法として、ピボット制御器118はピボットレンジ143内部の事前決定の数の位置まで第1の撮像検出器102を移動させることがあり、第1の撮像検出器102はこれらの位置の各々において画像を収集する。この例は単一の次元方向で例証しているが、第1の撮像検出器102を別の方向にピボット運動させることによって実効視野域を増大させ得ることを理解されたい。
【0028】
脚部122は、矢印Cの方向で患者142に向かって及びこれから離れるように第1の撮像検出器102を移動させるように半径制御器164による指令を受けることがある。したがって距離172は患者142からの距離を増加または減少させるように変更されることがある。脚部122は、ピストン駆動式とすること、ばね荷重式とすること、チェーン駆動式とすること、あるいは別の任意のタイプのアクチュエータとすることがある。別法として脚部122は、ガントリ110のあるセグメント(図示せず)上に装着されることがあり、したがって該セグメントも矢印Cの方向に駆動されることがある。この半径はデータを収集している間、あるいは収集同士の間で変化させることがあり、また別の運動との組み合わせで使用されることがある。患者142が第1〜第Nの撮像検出器102〜108に衝突することがないように保証するために衝突防止ソフトウェア及び/またはセンサ(図示せず)が使用されることもある。
【0029】
図3は、図1の第1及び第2の撮像検出器102及び104でピボット運動を用いて関心対象構造166をスキャンするために実効FOVを増大させている様子を表している。この例では、関心対象構造166を患者142内部の心臓とすることがある。第1及び第2の撮像検出器102及び104を1次元で図示しているが、上で述べたように放射検出面130及び132はそれぞれ1つの2次元のFOVを有している。項目番号は図2と同じものを使用することにする。
【0030】
コリメータ150及び152は放射検出面130及び132の近傍に装着される。この例では、コリメータ150及び152は平行ビーム・コリメータであり、したがって第1及び第2の撮像検出器102及び104の実際のFOVは撮像検出器の実際のサイズまたは有効サイズと概ね等しい。
【0031】
第1の撮像検出器102はピボット116上に装着されており、このピボット116は図2で検討したような脚部122によってガントリ110と相互接続されている。第2の撮像検出器104も同様にピボット168上に装着されており、このピボット168は脚部170によってガントリ110と相互接続されている。ピボット制御器118及び半径制御器164は第1及び第2の撮像検出器102及び104の運動を別々に制御しており、したがって第1の撮像検出器102は第2の撮像検出器104と異なる方向に移動または振れることがある。第1及び第2の撮像検出器102及び104は、互いに対して並びに収集中において異なる比率で移動することもある。
【0032】
第1の撮像検出器102は実際のFOV140を有する第1の位置138で第1の画像を収集する。同時に第2の撮像検出器104は実際のFOV176を有する第1の位置174で第1の画像を収集する。第1及び第2の撮像検出器102及び104は、それぞれ実際のFOV182及び184を有する第1の位置138及び174から第N番目の位置178及び180までピボット運動させる。実効FOV188は第1の撮像検出器102の実際のFOV176及び184より大きく、かつ実効FOV190は第2の撮像検出器104の実際のFOV140及び182より大きく、このため関心対象構造166及び周囲組織についてより多くのデータが収集される。
【0033】
患者142の一部分または全部の周りに追加的な撮像検出器を位置決めし、第1及び第2の撮像検出器102及び104と同時に関心対象構造166のデータを収集することがある。収集したデータは1つの単一合成データ組となるように組み合わせることがあり、また視野域がより大きい検出器の場合と比べてより短時間でデータを収集することがある。
【0034】
図4は、図1の第1及び第2の撮像検出器102及び104に対してそれぞれピンホール形コリメータ244及び246を取り付けた様子を表している。図示したピンホール形コリメータ244及び246は単一のピンホールを有しており、また実際のFOVはこのピンホール幾何学構成によって画定されている。第1及び第2の撮像検出器102及び104は図3で検討したようにしてガントリ110に装着されており、ピボット制御器118及び半径制御器164と相互接続されてこれによって駆動されている。上で検討したように、第1及び第2の撮像検出器102及び104をピボット運動させることによって実際のFOVより大きな実効FOVを実現させることがある。第2の撮像検出器104について検討することにするが、ガントリ110上に装備した第1の撮像検出器102並びに別の撮像検出器も、患者データを同時に収集するように同様の方式で動作させ得ることを理解されたい。
【0035】
第2の撮像検出器104は実際のFOV236を有する第1の位置234において第1の画像を収集する。ピボット制御器118は第2の撮像検出器104を第1の位置234から矢印Aの方向で第N番目の位置238に向けてピボット運動させる。第1と第N番目の位置234及び238の間で1つまたは複数の画像が収集されることがある。ピボット制御器118は収集中はピボット運動を停止することがあり、あるいは第2の撮像検出器104をピボット運動させながらデータを収集することもある。第2の撮像検出器104のFOVは、実際のFOV236から実効FOV242まで拡大される。患者142の周りまたは近傍の複数の位置からデータを収集するため、関心対象構造166のデータをより高速で収集することができると共に患者142が動かないように保たねばならない収集時間がより短くなる。データ収集時間が短くなるとさらに、患者スループットが増大し、これにより撮像システム100、診療所のスペース及び運営スタッフのより効率的な運用が可能となり、これにより1画像あたりのコストが低下する。
【0036】
さらに、コリメータ制御器186によってピンホール形コリメータ246のピンホールの箇所を移動させることがある。ピンホールの位置を変化させることによって、実際のFOVが変化し、またこれにより実効FOVが変化する。別法として、構成可能にした複数のピンホールを有するコリメータを第1及び第2の撮像検出器102及び104に装着させることがある。コリメータ制御器186は各マルチピンホール形コリメータに関して複数のピンホールの位置を別々に制御することがある。静止したピンホールを基準とした第1及び第2の検出器102及び104の運動によってさらにFOVが変化するかつ/または移動することに留意すべきである。さらに、コリメータまたはコリメータのピンホール(複数のこともある)と検出器との間の距離を変化させることによってFOVのサイズが変化する。
【0037】
図5は、図1の第1〜第Nの撮像検出器102〜108の実効FOVを増大させるために使用できる幾何学構成が可変の調節可能コリメータ200を表している。調節可能コリメータ200は、タングステンなどの材料から形成させることがある。材料を周期的に除去してくし形(comb)構造が形成されるようにストリップまたはベインの形にタングステンからなる平坦シートが切断される。ストリップ202及び204は第1の方向210に沿って互いに平行に配列させている。ストリップ206及び208は、第2の方向212に沿って互いに平行に配列させており、この第2の方向は、第1の方向210と直交させることがある(ただし、必須ではない)。多数のストリップ202〜208を使用することがある。材料を除去した領域によって矢印Cの方向に沿ってストリップ202及び204の位置を変更することが可能になり、またストリップ206及び208の位置が矢印Dの方向に沿って変更されることがある。別法として、1組の平行なストリップを静止した状態に保つ一方で、該第1組のストリップに対してある角度をもった構成とした第2の組のストリップを傾けることができるようにした調節可能コリメータ200が製作されることがある。この構成によって1つの次元を変化させることによってFOVをスキャンすることが可能となる。
【0038】
図6は、図5の調節可能コリメータ200を第1の撮像検出器102上に装着した様子を表している。コリメータ制御器186は、ストリップ202〜208の動きを制御することによって調節可能コリメータ200の幾何学構成を制御するために使用されることがある。さらに図5を見ると、コリメータ制御器186はストリップ202及び204を矢印Cの経路に沿って実際のFOV216に関する第1の位置214まで移動させることがある。コリメータ制御器186は、ストリップ202及び204を矢印Cの経路に沿った反対方向で実際のFOV220に関する第N番目の位置218まで移動させることがある。同様に、コリメータ制御器186は、第1の方向210でより大きい実効FOVが得られるように、ストリップ206及び208を矢印Dの経路に沿って移動させることがある。ストリップ202、204、206及び208の位置を調整することによって、さらに大きくした実効FOV222を実現することができる。したがって、第1の撮像検出器102を使用して患者142の胴体などより大きな領域をスキャンすることができる。
【0039】
図7は、図1の第1及び第2の撮像検出器102及び104について図5の調節可能コリメータ200をその上に装着した様子を表している。患者142内部の関心対象構造224は第1及び第2の撮像検出器102及び104の実際のFOVより大きい。調節可能コリメータ200の幾何学構成を変更することによって、実効FOVを増大させて実際のFOVより大きくすることができる。
【0040】
第1及び第2の撮像検出器102及び104はそれぞれピボット116及び168の上に装着されており、ピボット116及び168は図2で検討したような脚部122及び170によってガントリ110に相互接続されている。ピボット制御器118及び半径制御器164を上で検討したようにして使用し、実効FOVをさらに増大させることがある。撮像検出器102及び104の位置決め及び動きは独立であり、このため第1及び第2の撮像検出器102及び104のそれぞれを最適なスキャン箇所に位置決めすることができる。
【0041】
第2の撮像検出器104は、実際のFOV228を有する第1の位置226において第1の画像を収集することがある。第1の位置226はコリメータ位置、ピボット168に対する角度、半径、ガントリ110に対するアキシャル位置、その他のうちの1つまたは幾つかを規定することがある。コリメータ制御器186はストリップ202〜208の全部またはその部分組をその運動範囲を経て第N番目の位置230まで移動させて実効FOV232を形成させる。コリメータ制御器186は、所定の距離だけストリップ202〜208を移動させ、停止させ、次いで画像を収集した後ストリップ202〜208を次の撮像位置まで移動させることがある。別法として、コリメータ制御器186は円滑な掃引運動でストリップ202〜208を移動させ、実効FOV232にわたる単一画像を収集することがある。ピボット制御器118を用いて第2の撮像検出器104をピボット運動させることによって実効FOV232をさらに増大させることがある。
【0042】
本発明の技術的効果の1つは、そのFOVが関心対象構造より小さい複数の撮像検出器を有する撮像システムによって関心対象構造を効率よく撮像することにある。複数の撮像検出器のそれぞれは小型であり、また患者に対して個別に位置決めすることができる。この複数の撮像検出器によって患者の周りの異なる箇所から構造の画像を収集し、これにより従来の大型の撮像検出器の場合と比べてより短時間で関心対象構造に対応する画像データを収集することができる。収集中や収集の合間の動きを使用することによって実効FOVを増大させることができる。これらの撮像検出器は、アキシャル方向へのピボット運動並びに患者に向かう方向また患者から離れる方向での半径方向の移動によって移動させることがあり;そのガントリは回転させることがあり;調節可能コリメータはピンホール(複数のこともある)及び/またはストリップを移動させることによって調整させることがあり;かつ/またはその患者テーブルは移動させることがある。
【0043】
本発明について具体的な様々な実施形態に関して記載してきたが、当業者であれば、本発明が本特許請求の範囲の精神及び趣旨の域内にある修正を伴って実施できることを理解するであろう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態によるガントリ上に装着させた複数の小型撮像検出器を有する核医学(NM)撮像システムの概要図である。
【図2】本発明の一実施形態による第1の撮像検出器の実効視野域(FOV)を増大させるために使用されるピボット運動を表した図である。
【図3】本発明の一実施形態による図1の第1及び第2の撮像検出器がピボット運動を用いて関心対象構造をスキャンするための実効FOVを増大させている様子を表した図である。
【図4】本発明の一実施形態による図1の第1及び第2の撮像検出器がピンホール形コリメータをこれに装着した様子を表した図である。
【図5】本発明の一実施形態による図1の第1〜第Nの撮像検出器の実効FOVを増大させるために使用できる幾何学構成が可変の調節可能コリメータを表した図である。
【図6】本発明の一実施形態による第1の検出器上に図5の調節可能コリメータを装着した様子を表した図である。
【図7】本発明の一実施形態による図1の第1及び第2の撮像検出器が図5の調節可能コリメータをその上に装着した様子を表した図である。
【符号の説明】
【0045】
100 核医学(NM)撮像システム
102 第1の撮像検出器
104 第2の撮像検出器
106 第3の撮像検出器
108 第Nの撮像検出器
110 ガントリ
112 開口
114 患者テーブル
116 ピボット
118 ピボット制御器
120 制御器ユニット
122 脚部
124 ガントリ・モータ制御器
126 データ収集システム
128 画像再構成デバイス
130 放射検出面
132 放射検出面
134 放射検出面
136 放射検出面
138 第1の位置
140 実際のFOV
141 テーブル制御器
142 患者
143 ピボットレンジ
144 上下方向
145 始点
146 左右方向
147 終点
148 内外方向
150 コリメータ
152 コリメータ
154 コリメータ
156 コリメータ
158 第2の位置
162 実効FOV
164 半径制御器
166 関心対象構造
168 ピボット
170 脚部
172 距離
174 第1の位置
176 実際のFOV
178 第N番目の位置
180 第N番目の位置
182 実際のFOV
184 実際のFOV
186 コリメータ制御器
188 実効FOV
190 実効FOV
194 データ記憶デバイス
196 処理ユニット
200 調節可能コリメータ
202 ストリップ
204 ストリップ
206 ストリップ
208 ストリップ
210 第1の方向
212 第2の方向
214 第1の位置
216 実際のFOV
218 第N番目の位置
220 実際のFOV
222 実効FOV
224 関心対象構造
226 第1の位置
228 実際のFOV
230 第N番目の位置
232 実効FOV
234 第1の位置
236 実際のFOV
238 第N番目の位置
242 実効FOV
244 ピンホール形コリメータ
246 ピンホール形コリメータ
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成19年7月31日(2007.7.31)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志


【公開番号】 特開2008−39776(P2008−39776A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2007−198407(P2007−198407)