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中性子強度分布測定装置 - 特開2008−26195 | j-tokkyo
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【発明の名称】 中性子強度分布測定装置
【発明者】 【氏名】山口 裕功

【氏名】矢作 保夫

【要約】 【課題】簡便な装置構成によって、バックグランドのガンマ線などを弁別しかつ中性子のイメージを測定可能とする中性子強度分布測定装置を提供する。

【構成】中性子照射により蛍光を発生するシンチレータ3と、XY方向のそれぞれの両端から出力信号Vx1、Vx2、Vy1、Vy2を取り出す構造の位置検出型光電子増倍管4とを組合わせる。信号処理装置5では、該出力信号のパルス幅により、中性子と他の粒子との弁別を行うとともに、各信号の強度比またはパルス幅の差から中性子照射位置を算出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンチレータとこれからの蛍光を受光する光検出器とからなる放射線検出器において、
該シンチレータは中性子の入射によって蛍光を発生するものであり、該光検出器はX軸方
向及びこれと垂直なY軸方向のそれぞれの両端から出力信号を取り出すもので、各出力信
号の信号強度比、信号パルスの時間差、またはパルス幅の差より該蛍光の入射位置を求め
るとともに、少なくとも1つ以上の出力信号のパルス幅を用いて中性子とその他の粒子と
を弁別することを特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項2】
請求項1記載のシンチレータの材質は、スチルベン、アントラセン、ポリビニルトルエ
ン、またはその他のプラスチックであることを特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項3】
請求項1記載のシンチレータは、その厚さが2mm以下であることを特徴とする、中性
子強度分布測定装置。
【請求項4】
請求項1の中性子とその他の粒子との弁別は上記光検出器からの2つ以上の出力信号の
うち、もっともパルス幅の短いものを用いて行うことを特徴とする、中性子強度分布測定
装置。
【請求項5】
請求項1記載のパルス幅は、パルスの立ち上がり時刻からT1時間経過後までの積分強
度H1と、T1時間経過後からT2時間経過後までの積分強度H2との比として求めるこ
とを特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項6】
請求項1記載のパルス幅は、信号パルスの立ち下がり領域において、信号電圧がパルスピーク強度×R1からパルスピーク強度×R2まで達するまでの時間として求めることを
特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項7】
請求項5記載のパルス幅の立上り時刻は、該光検出器の出力信号の和が既定電圧を超え
た時刻として求めることを特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項8】
請求項7記載のパルス幅の立上り時刻は、該光検出器の出力信号のうち、請求項1の入
射位置を求める処理に用いる信号以外の出力信号が、既定電圧を超えた時刻として求める
ことを特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項9】
請求項1記載の蛍光の入射位置を求める処理、及び請求項4記載の中性子とその他の粒
子との弁別を行う処理はオシロスコープを用いて信号パルス捕捉毎に行い、該入射位置及
び中性子かその他の粒子かの弁別データを一定数オシロスコープに蓄積した後、外部メモ
リに転送することを特徴とする、中性子強度分布測定装置。
【請求項10】
請求項1記載のシンチレータと光検出器との間に、光検出器の感度の位置分布を打ち消
すような濃度分布を持つ減衰フィルタを挿入したことを特徴とする、中性子強度分布測定
装置。
【請求項11】
請求項1記載の中性子強度分布測定装置を用いて、加速器から半導体試料に照射される
中性子の強度分布をモニタすることを特徴とする、半導体シングルイベントエラー測定方
法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
近年、加速器を用いた中性子の照射実験が盛んになってきている。例えば、半導体の品
質評価の分野では、近年問題となっている宇宙線中性子起因のシングルイベントエラーの
加速試験に用いられる。また医療の分野ではPETや癌治療に、安全保障の分野では武器
の探査に用いられる。
【0002】
これらの照射実験において、中性子ビームの面内強度分布を把握することは重要である
が、中性子が非荷電粒子であり、物質との反応過程もよくわかっていないことから、アル
ファ線、ベータ線、ガンマ線ほどには、測定法が発達していないのが現状である。
【背景技術】
【0003】
本背景技術の概要を図15に示す。これはシンチレータ束の縦方向及び横方向に波長シ
フト光ファイバ束を並べ、各光ファイバからの出力光をそれぞれ多チャンネル光電子増倍
管で検出するものである。多チャンネル光電子増倍管のうち最も大きい強度で光が検出さ
れた光電子増倍管を特定し、その光の発生した光ファイバの位置を特定することにより、
中性子の入射位置を求めることが可能である。中性子ビーム中にこの装置を置き、ある程
度の時間露光することにより、中性子のイメージを取得することが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2002−71816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、光ファイバ束を用いているため、装置の組み立て
の手間や工作技術が必要となる。
【0006】
さらに、光検出器においても、光ファイバ束からの個々の光強度を別個に測定している
ため、ファイバの数だけ光検出器が必要となる。光検出器は微弱な光を検出するため光電
子増倍管が通常用いられるが、これをファイバの数設けることはコストの上昇を招く。
【0007】
また、さらに各々の光検出器に信号処理回路が必要となる。この信号処理回路は、アン
プやディスクリミネータ、アナログーデジタル変換回路により構成されるが、通常の放射
線計測で用いられるモジュール回路では膨大な数のモジュールが必要となる。特に、中性
子の計測においては、バックグランドのガンマ線などを弁別する必要があるため、弁別回
路を構成するのにさらにモジュール数が増加する。そこで、ASICなどの集積回路で本
信号処理回路を作成することが適切な方法であるが、この場合でも本検出器専用の集積回
路を設計・製作する必要があるため、コストが高くつく問題がある。
【0008】
本発明の第1の課題は、光ファイバを用いることなく、簡便な構成の中性子イメージ検
出器を提供することである。
【0009】
本発明の第2の課題は、信号処理回路を簡素化した中性子イメージ検出器を提供するこ
とである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記第1の課題を解決するために、本発明ではシンチレータに光電子増倍管を直接取り
付ける構成とするとともに、光電子増倍管として入射位置敏感な構造のものを用いたもの
である。
【0011】
上記第2の課題を解決するために、信号を光電子増倍管の両端からだけ取り出すように
し、おのおのの信号の差異を用いて、シンチレーション光の発生位置を求めるようにした
ものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、中性子のイメージ測定において、簡便な装置構成によってガンマ線な
ど他の粒子のバックグランドを除去でき、かつ高分解能でイメージを測定することが可能
である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例1を図1〜4を用いて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は装置の全体構成である。1は中性子ビーム、2は試料、3はシンチレータ、4は
位置検出型光電子増倍管、5は信号処理装置である。中性子1は例えばサイクロトロンや
ヴァン・デ・グラフによって加速した陽子をLiなどのターゲットに照射し、Li(p,
n)Beなどの反応を起こさせることにより発生させる。試料2は例えば、中性子シング
ルイベント試験用の半導体チップを搭載したプリント基板である。
【0015】
シンチレータ3はスチルベン、ポリビニルトルエン、アントラセン、またはその他のプ
ラスチックにより製作したものである。これらはH原子を多く含有する物質であるため、
中性子による弾性散乱によりH原子が大量に放出されるため、中性子の検出に適している
。ただし、シンチレーション光はこのH原子だけでなく、バックグランドのガンマ線など
によっても発生するため、両者の弁別処理が必要となる。この弁別方法については後述す
る。
【0016】
シンチレータ3からのシンチレーション光は、位置検出型光電子増倍管4に入射する。
この位置検出型光電子増倍管4は、図2に示すように例えばアノードを2組のワイヤ状と
したものを互いに垂直に交差させたものを使用する。このタイプでは左右方向のワイヤの
左側からVx1、右側からVx2の信号が、上下方向のワイヤの上側からVy1、下側か
らVy2の信号が出力される。左右方向のワイヤの長さをLx、上下方向のワイヤの長さ
をLyとし、シンチレーション光の発生位置を左下原点に(x,y)とすると、Vx1,
Vx2,Vy1,Vy2は次のような電圧となる。
【0017】
Vx1=V・x/Lx
Vx2=V・(Lx−x)/Lx
Vy1=V・y/Ly
Vy2=V・(Ly−y)/Ly 〔数1〕
したがって、Vx1,Vx2,Vy1,Vy2の値から次式のように中性子の入射位置
を算出可能である。
【0018】
x/Lx=Vx1/(Vx1+Vx2)
y/Ly=Vx1/(Vx1+Vx2) 〔数2〕
図3は、信号処理装置5の内部構成を示したものである。この図では、見易いように一
対の信号、Vx1とVx2のみを示しているが、他の一対の信号、Vy1とVy2につい
ても同じ構成である。C1,C2は増幅器、A1,A2は積分強度計算回路、T1,T2
は立下り時間計算回路、H11,H12,H21,H22は履歴保存回路、6はインタフ
ェース、7は記憶装置、8は表示装置である。この信号処理装置5のC1,C2,A1,
A2,T1,T2,H11,H12,H21,H22は1nsオーダの処理速度をもつオ
シロスコープを用い、内蔵の演算機能を用いてプログラムを組むことで実現可能である。
例えば、レクロイ社のWaveRunner64Xiが適している。また、インタフェー
ス6はUSB,GPIB,RS−232C,LANのいずれかを用いればよい。記憶装置
7は例えばフラッシュメモリを用いれば高速で書き込み、読み出しが可能で、本用途に適
している。表示装置8は一般的なパーソナルコンピュータが利用可能で、メモリからの転
送処理などはLabViewなどのソフトを用いることで高速に行うことが可能である。
【0019】
図4は信号処理装置5による積分強度及び立下り時間の計算方法を示したものである。
図の横軸は時間を、縦軸は電圧を示す。2つの波形n及びγは中性子及びガンマ線による
信号波形である。ここで、T1(n)及びT1(γ)はそれぞれ、中性子による信号及び
ガンマ線による信号において、信号強度が最大値の80%から20%まで減少する時間と
している。この図の例では、T1(n)は150ns、T1(γ)は70nsで、中性子
とガンマ線が明確に弁別可能なことがわかる。また、積分強度は例えば、0nsからT1
までの積分として定義すればよい。Vx1,Vx2,Vy1,Vy2の積分強度より、〔
数1〕または〔数2〕に従って、中性子の入射位置(x,y)を算出可能である。これら
の積分強度及び立下り時間の計算は、上記オシロスコープの演算機能を用いて処理可能で
ある。また、立下り時間の定義は、必ずしも最大値の80%から20%と指定する必要は
なく、シンチレータの材質や光電子増倍管の性能により波形は変わるため、これに応じて
定義すればよい。
【0020】
このように、本実施形態では、一般的な計測装置を用いることができるため、簡便な装
置構成によってガンマ線など他の粒子によるバックグランドを除去しかつ中性子のイメー
ジが得られる。
【実施例2】
【0021】
図5は、本発明の実施例2における信号処理装置5の内部構成を示したものである。装
置の全体構成は図1に示した第1の実施形態と同じである。図3と同様、この図では、V
x1とVx2のみを示しているが、Vy1とVy2についても同じ構成である。C1,C
2は増幅器、A11,A12,A21,A22は積分強度計算回路、H11,H12,H
21,H22は履歴保存回路、6はインタフェース、7は記憶装置、M11,M12,M
21,M22は一時記憶回路、D1,D2は除算回路、Pは位置計算回路、8は表示装置
、9はパーソナルコンピュータである。第1の実施形態と同様、この信号処理装置5のC
1,C2,A11,A12,A21,A22,H11,H12,H21,H22は1ns
オーダの処理速度をもつオシロスコープを用い、内蔵の演算機能を用いてプログラムを組
むことで実現可能である。また、M11,M12,M21,M22,D1,D2,P,8
の処理は全てパーソナルコンピュータ9で行うことが可能である。
【0022】
図6は信号処理装置5による積分強度の計算方法を示したものである。図の横軸は時間
を、縦軸は電圧を示す。2つの波形n及びγは中性子及びガンマ線による信号波形である
。ここで、W1は積分強度計算回路A11及びA21のゲート時間,W2は積分強度計算
回路A12及びA22のゲート時間を示す。すなわち、Vx1とVx2の各々について、
2種類のゲート範囲で積分強度を計算している。この図の例において、W1は0〜30n
s、W2は0〜200nsとしている。
【0023】
ところで、一般に、シンチレーション光の信号波形をオシロスコープで取得する際、波
高が1回ごとに変動する。一般にオシロスコープのトリガは入力電圧が設定した閾値を超
えたことによって作動するため、図6の波形が1回ごとに時間(左右)方向にシフトする
という問題がある。これは上記積分強度の計算精度を低下させる。本発明の回路方式上、
シンチレーション光の発光位置が変わると、Vx1とVx2、Vy1とVy2との信号強
度比が変わるため、必然的に波高が変動する。したがって、この波高変動の影響を低減す
る一法として、本発明では、Vx1,Vx2,Vy1,Vy2を加算した信号をトリガ信
号に用いることにした。あるいは、1次元の分布測定を行う場合、Vx1,Vx2の測定
時はVy1またはVy2をトリガ信号として用い、Vy1,Vy2の測定時はVx1また
はVx2をトリガ信号として用いるというように、測定方向と直角方向の信号をトリガ信
号に用いてもよい。
【0024】
図7は図5中の積分強度計算回路A11及びA12で求めた、Vx1の積分強度の分布
を示す。横軸H1は図6のゲート時間W1における積分強度、縦軸H2はゲート時間W2
における積分強度を示す。図中のn及びγはそれぞれ中性子及びガンマ線の信号を示す。
このように、立下りの早いガンマ線の信号と立下りの遅い中性子の信号が図中の破線を境
に分かれていることがわかる。したがって、図5の除算回路D1,D2を用いてH1とH
2の比を計算することで、中性子の信号とガンマ線の信号とを弁別することが可能である

【0025】
また、同時に図5中の位置計算回路Pでは〔数1〕の式により、中性子の入射位置(x
、y)を算出可能である。
【0026】
図8は、本実施形態による、中性子の強度分布の測定結果例を示す。この例は、図1の
試料2として、厚さ10cmの鉛ブロックをシンチレータ3の半分を遮蔽するように設置
したものである。図から鉛により中性子が遮蔽されて影となっている様子がわかる。図9
は図8の分布で横方向の断面を取り出したものである。これから、図の右側が鉛ブロック
で遮蔽された領域である。このように、中性子の線量が鉛により約40%減少しているこ
とがわかる。これは理論的に予測される遮蔽量とほぼ一致しており、本実施形態により中
性子のイメージが測定可能であることがわかる。
【0027】
以上により、本発明では、簡便な装置構成によってガンマ線など他の粒子によるバック
グランドを除去しかつ中性子のイメージが得られる。
【実施例3】
【0028】
本発明の実施例3を図10及び11により説明する。本実施形態は、図1のシンチレー
タの厚さを1mmとしたものであり、その他は第2の実施形態と同じである。本実施例で
は検出効率は低下する代わりに、シンチレータからの光の拡散が低減できるため、イメー
ジの位置分解能が向上するという特徴がある。
【0029】
図10は、本実施形態において、図5中の積分強度計算回路A11〜A22で求めた、
Vx1及びVx2の積分強度の分布を示す。H11及びH12はVx1の信号を図6のゲ
ート時間W1及びW2で積分したもの、H21及びH22はVx2の信号をゲート時間W
1及びW2で積分したものである。本実施例では、図7と異なり、中性子とガンマ線の信
号が明確に分かれておらず、種々のパルス幅の成分が混合しているように見える。図11
は、Vx1のパルス幅に相当するH12/H11とVx2のパルス幅に相当するH22/
H21との差を縦軸に、中性子入射位置に相当するH11/(H11+H12)を横軸に
プロットしたものである。これから、図10のパルス幅のばらつきは中性子とガンマ線と
の違いよりむしろ、中性子の入射位置によって生じたものであることがわかる。
【0030】
この、入射位置によりパルス幅が異なる現象は、信号がアノード中を伝播する間の寄生
容量、寄生インダクタンスによるものと考えられる。これから中性子入射位置の検出は、
アノード両端からの出力パルス幅の差からも算出可能なことがわかる。この原理に基づく
信号処理装置5の内部構成を図12に示す。C1,C2,A11,A12,A21,A2
2,H11,H12,H21,H22,M11,M12,M21,M22,D1,D2の
各記号は図5と同様である。ただしPはD1とD2の計算結果の差分を求める回路である

【0031】
また、ガンマ線と中性子の弁別を行うためには、中性子入射位置によるパルス幅の広が
りの影響を除去する必要がある。そこで、本実施例ではH12/H11とH22/H21
のうち小さいほうの値を用いて中性子とガンマ線の弁別を行うことにした。
【0032】
この方式は、経験的にシンチレータの厚さを2mm以下にした場合に有効である。
【0033】
本実施形態によれば、簡便な装置構成によってガンマ線など他の粒子によるバックグラ
ンドを除去しかつ中性子のイメージが得られる。
【実施例4】
【0034】
実施例4を図13により説明する。図13は、本実施例に用いる位置検出型光電子増倍
管4を背面から見たものである。Aii(iiは11からnnまでの整数の組)はアノー
ド出力、Rx,Ryは抵抗、X1Y1,X1Y2,X2Y1,X2Y2は抵抗マトリクス
出力端子である。位置検出型光電子増倍管4は、n個×n個のピクセルに分割されたもの
で、各ピクセルのアノード出力Aiiを個別に取り出せるものである。ピクセル数として
は例として4個×4個または8個×8個のものが用いられる。各ピクセルからのアノード
出力を抵抗Rx及びRyからなる抵抗マトリクスに接続する。
【0035】
ところで、各ピクセルごとに光増幅率のばらつきがあるため、同じ強度の光を入射して
もピクセルごとにアノード電流が異なる。このばらつきの影響を低減するには、あらかじ
め標準光源を用いてアノード電流を測定しておき、この違いを補正するような透過率パタ
ーンを形成した減衰フィルタを位置検出型光電子増倍管4の入射面に取り付けておけばよ
い。
【0036】
この図の構成において、電圧Vの信号がAijのアノードから出力された場合、
V(X1Y1)+V(X1Y2)=V・i/n
V(X2Y1)+V(X2Y2)=V・(n−i)/n
V(X1Y1)+V(X2Y1)=V・j/n
V(X1Y2)+V(X2Y2)=V・(n−j)/n 〔数3〕
の電圧が出力される。したがって、Vx1,Vx2,Vy1,Vy2の値から次のように
中性子の入射位置を算出可能である。
【0037】
i/n={V(X1Y1)+V(X1Y2)}
/V(X1Y1)+V(X1Y2)+V(X2Y1)+V(X2Y2)
j/n=V(X1Y1)+V(X2Y1)/
/V(X1Y1)+V(X1Y2)+V(X2Y1)+V(X2Y2)
〔数4〕
これにより、第1の実施形態と同様、簡便な装置構成によってガンマ線など他の粒子に
よるバックグランドを除去しかつ中性子のイメージが得られる。
【実施例5】
【0038】
本発明の実施例5を図14により示す。本図は上記各実施例で述べた中性子強度分布測
定装置を用いた半導体シングルイベントエラー測定方法の例である。
【0039】
図中の1〜8は上記各実施例と同じである。10はしゃへい壁、21は半導体チップで
ある。図に示すように、半導体の中性子によるシングルイベントエラーの加速試験におい
ては、加速器からの中性子ビーム1を半導体チップ21を搭載したプリント基板からなる
試料2に照射する。この際の中性子のイメージをシンチレータ3、位置検出型光電子増倍
管4、信号処理装置5、表示装置8を用いて測定する。中性子ビーム1の照射によって発
生した半導体チップ21の各々のエラー数を、上記の中性子のイメージにより補正するこ
とにより、中性子ビーム1内の強度ばらつきの影響を低減できる。これにより、エラー率
の評価を高い精度で行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により、サーバなどに用いられるメモリやロジック半導体で問題となる中性子シ
ングルイベントエラーの評価精度を向上させることができ、半導体の信頼性向上に寄与で
きる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】装置の全体構成図。
【図2】実施例1における位置検出型光電子増倍管の概要図。
【図3】実施例1における信号処理装置の構成図。
【図4】実施例1における信号処理装置による積分強度及び立下り時間の計算方法の説明図。
【図5】実施例2における信号処理装置の構成図。
【図6】実施例2における信号処理装置による積分強度の計算方法を説明する図。
【図7】実施例2における積分強度の分布図。
【図8】中性子の強度分布の測定結果例を示す図。
【図9】図8の横方向分布図。
【図10】実施例3における積分強度の分布図。
【図11】実施例3における信号処理の説明図。
【図12】実施例3における信号処理装置の構成図。
【図13】実施例4における位置検出型光電子増倍管の概要図。
【図14】実施例5における実験装置の配置図。
【図15】背景技術の概要図。
【符号の説明】
【0042】
1…中性子ビーム、2…試料、3…シンチレータ、4…位置検出型光電子増倍管、5…
信号処理装置、6…インタフェース、7…記憶装置、8…表示装置、9…パーソナルコン
ピュータ、C1,C2…増幅器、A1,A2,A11,A12,A21,A22…積分強
度計算回路、T1,T2…立下り時間計算回路、H11,H12,H21,H22…履歴
保存回路、M11,M12,M21,M22…一時記憶回路、D1,D2…除算回路、P
…位置計算回路。



【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】 【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学


【公開番号】 特開2008−26195(P2008−26195A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200191(P2006−200191)