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放射線画像検出器 - 特開2008−8899 | j-tokkyo
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【発明の名称】 放射線画像検出器
【発明者】 【氏名】中村 茂

【要約】 【課題】放射線画像検出器の防湿構造をより簡単に形成する。

【構成】基板10と、基板10上に載置された、対向する2辺から信号線12が引き出された方形の放射線検出部11とを備えた放射線画像検出器において、放射線検出部11の外周の3辺以下に沿ってのみ、絶縁性を有するリブ部材13を基板10および信号線12上に設置するとともに、リブ部材13の上面に沿って防湿性フィルム14を貼り付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板上に載置された、対向する2辺から信号線が引き出された方形の放射線検出部とを備えた放射線画像検出器において、
前記放射線検出部の外周の3辺以下に沿ってのみ、絶縁性を有するリブ部材が前記基板および前記信号線上に設置されるとともに、
前記リブ部材の上面に沿って防湿性フィルムが貼り付けられていることを特徴とする放射線画像検出器。
【請求項2】
前記リブ部材が、前記放射線検出部の外周の2辺に沿ってのみ前記基板および前記信号線上に設置されていることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出器。
【請求項3】
前記リブ部材が、前記放射線画像検出器の厚さと略等しい厚さを有するものであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像検出器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像検出器に関するものであり、特にその防湿構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより被写体に関する放射線画像を記録する直接型の放射線画像検出器が各種提案、実用化されている。
【0003】
特許文献1には、アモルファスセレンを光伝導層とし、これにバイアス電圧の印加下でX線を照射することによる電荷の発生を検出するX線撮像素子が提案されている。こうした撮像素子は、環境湿度によって徐々に感度の劣化が起きる他、画像欠陥の増加が起きる為、十分な防湿構造で覆うことが好ましい。
【0004】
防湿構造としては、例えば特許文献2に開示されるように額縁状にスペーサーを設け、上方に設置した補助板との間に硬化性合成樹脂を充填して防湿性を持たせる構造が提案されている。
【特許文献1】特開2000−284056号公報
【特許文献2】特開2005−286183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように額縁状にスペーサーを形成するのは、材質によっては難度があり、より簡単な防湿構造が望まれていた。
【0006】
また、たとえば、乳房撮影用の放射線画像検出器にあっては、胸壁にできるだけ近接した部分まで撮影を行ないたいという要請から、アモルファスセレンなどの層ができるだけ検出器の端部まで広がっている(設けられてる)ことが好ましいが、この際、アモルファスセレンなどの層の配置に関わる上記要請と防湿性能の両立を図るのは困難であった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、より簡単に形成することができる防湿構造を有する放射線画像検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の放射線画像検出器は、基板と、基板上に載置された、対向する2辺から信号線が引き出された方形の放射線検出部とを備えた放射線画像検出器において、放射線検出部の外周の3辺以下に沿ってのみ、絶縁性を有するリブ部材が基板および信号線上に設置されるとともに、リブ部材の上面に沿って防湿性フィルムが貼り付けられていることを特徴とする。
【0009】
また、上記本発明の放射線画像検出器においては、リブ部材を、放射線検出部の外周の2辺に沿ってのみ基板および信号線上に設置するようにすることができる。
【0010】
また、リブ部材を、放射線画像検出器の厚さと略等しい厚さを有するものとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の放射線画像検出器によれば、放射線検出部の外周の3辺以下に沿ってのみ、絶縁性を有するリブ部材を基板および信号線上に設置するとともに、そのリブ部材の上面に沿って防湿性フィルムを貼り付けるようにしたので、従来のように、額縁状のスペーサーを形成する必要がなく、より簡単に防湿構造を形成することができる。
【0012】
リブ材としては、合成樹脂の他ガラスを用いることが出来る。高度の防湿性を得る為にはガラスを用いるのが好ましく、この場合、本発明になる構造は特に有効である。
【0013】
また、上記のようにリブ部材の上面に沿って防湿性フィルムを貼り付けるようにしたので、防湿性フィルムをリブ部材を用いずに、四辺を何れも直接基板に貼り付ける場合と比較すると、隙間が生じるのを抑制することができ、高度の封止が可能となる。
【0014】
また、信号線がリブ部材により保護され、信号線の断線を防止することができる。
【0015】
また、本発明における3辺以下のリブと防湿性フィルムとからなる防湿構造は、画像検出部が基板の端部にまで広がった放射線画像検出器に対応したものであり、これを有効に防湿することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出器の一実施形態について説明する。図1は、放射線画像検出器の斜視図、図2は図1に示す放射線画像検出器の上面図、図3は図2に示す放射線画像検出器の3−3線断面図、図4は図2に示す放射線画像検出器の4−4線断面図である。
【0017】
本実施形態の放射線画像検出器は、図1から図4に示すように、ガラス基板10と、ガラス基板10上に載置された方形の放射線検出部11と、放射線検出部11の対向する2辺から引き出された信号線12と、放射線検出部11の対向する2辺に沿ってのみ載置されたリブ部材13と、リブ部材13および放射線検出部11の上面に亘って貼り付けられた防湿性フィルム14とを備えている。
【0018】
ガラス基板10としては、任意の厚みのものを使用することが出来るが通常は0.5mmから2.5mm、好ましくは1mmから2mmの厚さのものが用いられる。
【0019】
信号線12は、放射線検出部11の下面の対向する2辺から引き出されガラス基板10上に設けられている。
【0020】
リブ部材13は、絶縁性を有する材料により形成されており、直方体の形状で形成されている。そして、放射線検出部11の対向する2辺と同じ長さで形成されている。そして、リブ部材13の厚さは、リブ部材13と放射線検出部11の上面に防湿性フィルム14を貼り付けた際に、しわによる穴あきが生じない程度の厚さであることが望ましく、放射線検出部11の厚さの±30%程度の厚さで形成することが望ましい。より望ましくは放射線検出部11と略等しい厚さである。また、リブ部材13の材料としては、ガラスやプラスチック材料などを利用することができるが、ガラスを用いることが望ましい。そして、リブ部材13は、信号線12が設けられたガラス基板10上に接着剤で接着される。
【0021】
接着剤はエポキシ系接着剤が好ましく、二型反応性エポキシ接着剤、熱硬化性エポキシ接着剤、光硬化型エポキシ接着剤を用いることが出来る。
【0022】
防湿性フィルム14は、40℃90%RHの条件下で測定された透湿度が0.2g・25μm/m・24hr以下のもののなかから任意に選択される。このような防湿フイルムの例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化珪素または酸化アルミニウムを蒸着してなるフィルム、アルミニウム箔の両面に高分子膜フイルムをラミネートしてなるフイルム等を用いることができる。ここでアルミニウム箔とラミネートされる高分子フイルムとしては、ポリエチレンテテフタレート、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材料を用いることが出来る。
【0023】
防湿性フィルム14は、図1から図4に示すように、リブ部材13の上面に沿って貼り付けられている。そして、防湿性フィルム14の一端は、信号線12が引き出されていない放射線検出部11の一方の辺側で、放射線検出部11の側面に沿うように折り曲げられ、ガラス基板10上で接着されている。また、防湿性フィルムの他端は、信号線12が引き出されていない放射線検出部11の他方の辺側で、放射線検出部11およびガラス基板10の側面に沿うように折り曲げられ、さらにガラス基板10の下面に沿って折り曲げられて接着されている。
【0024】
防湿性フィルムの貼り付けは、エポキシ系接着剤で行うことが望ましい。
【0025】
防湿フィルムの余剰部分を除去するには、貼り付けたリブ部材の上にカッター刃を走らせることで切れ目を入れ、余剰部分を引き剥がすことで行なうことができる。
【0026】
本発明の放射線画像検出器のように信号線の上部にリブ部材を配置することで、その後の封止構造を作成する際に信号線を傷つけることなく加工が行なえることも本構造の特徴である。
【0027】
上記実施形態の放射線画像検出器においては、放射線検出部11の2辺に沿ってのみリブ部材13を配置するようにしたが、放射線検出部11の3辺に沿ってのみリブ部材13を配置するようにしてもよい。図5に放射線検出部11の3辺に沿ってのみリブ部材13を配置するようにした放射線画像検出器の斜視図を、図6に上面図を示す。
【0028】
図5に示す放射線画像検出器においては、放射線検出部11の4辺のうち3辺に沿ってのみリブ部材13が設けられている一方、残りの1辺についてはガラス基板10の端部に至るまで放射線検出部11が設けられている。このため、図5に示す放射線画像検出器においても、形成が困難である額縁状のスペーサーを用いることなく、放射線検出部11が端部まで広がった放射線画像検出器を有効に防湿することができる。
【0029】
この際、リブ部材13については、コの字型形状を有することになるが、これについては一つの部材を切削して一体として作成するようにしてもよいが、1辺ずつを適切な形状に切削して作成した後、上記で挙げた接着剤を用いて互いを接着させて作成するようにしてもよい。前者も額縁状のものよりは簡便に作成しうるが、後者の方が作成がより簡便であり好ましい。
【0030】
以下に放射線検出部11の一例について説明する。図7は、放射線検出部11の一部の斜視図、図8は、図7に示す放射線検出部11の8−8線断面図である。
【0031】
放射線検出部11は、図7に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層1、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層2、記録用光導電層2において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層3、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層4、および第2の電極層5をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面近傍には、記録用光導電層2内で発生した電荷を蓄積する蓄電部6が形成される。なお、第1の電極層1側が上面、第2の電極層5側が下面としてガラス基板10上に形成される。
【0032】
第1の電極層1としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
【0033】
第2の電極層5は、読取光を透過する複数の透明線状電極7と読取光を遮光する複数の遮光線状電極8とを有するものである。そして、透明線状電極7と遮光線状電極8とは、図1に示すように、所定の間隔を空けて交互に平行に配列されている。
【0034】
透明線状電極7は読取光を透過するとともに、導電性を有する材料から形成されている。上記のような材料であれば如何なるものでもよいが、たとえば、第1の電極層1と同様に、ITOやIDIXOを用いることができる。また、Al、Crなどの金属を用いて読取光を透過する程度の厚さ(たとえば、10nm程度)で形成するようにしてもよい。
【0035】
遮光線状電極8は読取光を遮光し、導電性を有する材料から形成されている。上記のような材料であれば如何なるものでもよいが、たとえば、Al、Crなどの金属を用いることができる。
【0036】
なお、上記透明線状電極7と遮光線状電極8とを延長して引き出したものが図1から図4に示す信号線12である。
【0037】
記録用光導電層2は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
【0038】
電荷輸送層3としては、たとえば、放射線画像の記録の際に第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば10以上、望ましくは10以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se、AsSe等の半導体物質が適当である。
【0039】
読取用光導電層4としては、読取光および消去光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、例えば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは0.1〜1μm程度が適切である。
【0040】
なお、本実施形態の放射線画像検出器を作製方法としては、たとえば、ガラス基板10上に放射線検出部11を真空製膜法により形成し、その後、リブ部材13を貼り付け、リブ部材13および放射線検出部11の上面に防湿性フィルム14を貼り付けるようにしてよいが、放射線検出部11を形成する前に、リブ部材13を貼り付けるようにしてもよい。具体的には、信号線12を形成したガラス基板上に予めリブ部材を熱硬化性エポキシ接着剤で接着し、その後、放射線検出部11を真空製膜法により形成し、最後にリブ部材13に沿って防湿性フィルムを接着剤により貼り付けるようにしてもよい。
【0041】
なお、放射線検出部11としては、上記のような構成に限らず、放射線を蛍光体層により可視光に変換し、その可視光を光電変換する、いわゆる間接型放射線検出部としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の放射線画像検出器の一実施形態を示す斜視図
【図2】図1に示す放射線画像検出器の上面図
【図3】図2に示す放射線画像検出器の3−3線断面図
【図4】図2に示す放射線画像検出器の4−4線断面図
【図5】本発明の放射線画像検出器のその他の実施形態を示す斜視図
【図6】図5に示す放射線画像検出器の上面図
【図7】放射線検出部の概略構成を示す斜視図
【図8】図7に示す放射線検出部の8−8線断面図
【符号の説明】
【0043】
10 基板
11 放射線検出部
12 信号線
13 リブ部材
14 防湿性フィルム
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成19年5月31日(2007.5.31)
【代理人】 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史

【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛


【公開番号】 特開2008−8899(P2008−8899A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−144392(P2007−144392)