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【発明の名称】 レーダシステム
【発明者】 【氏名】延本 泰一

【氏名】高田 宜裕

【氏名】吉村 尚秀

【氏名】小川 昇

【要約】 【課題】車両に搭載され、自車が送信した電波の反射波のみを解析することで車両周辺の障害物を正確に検出し、車両乗員に障害物の情報をリアルタイムに通知することのできるレーダシステムを提供する。

【構成】車両周辺の障害物を探知する車載用レーダシステム100において、基準周波数生成手段1と、拡散符号生成手段18と、変調手段16と、送信手段25と、受信手段26と、ビート信号抽出手段3と、復調手段23と、A/D変換手段42と、周波数変換手段5と、障害物検出手段6とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺の障害物を探知する車載用レーダシステムにおいて、
所定帯域の基準周波数信号を生成する基準周波数生成手段と、
拡散符号を生成する拡散符号生成手段と、
前記拡散符号生成手段が生成した拡散符号を前記基準周波数信号に掛け合わせ、拡散変調する変調手段と、
前記変調手段により拡散された信号を送信波として車両外に送信する送信手段と、
前記電波送信手段からの送信波が障害物に反射した反射波を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した反射波と前記基準周波数信号とを合成し、ビート信号を抽出するビート信号抽出手段と、
前記ビート信号に前記拡散符号を掛け合わせ逆拡散により復調する復調手段と、
前記復調手段により復調されたビート信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段によりデジタル変換されたビート信号を周波数変換する周波数変換手段と、
前記周波数変換手段の出力を解析し、前記障害物を検出する障害物検出手段と、
を備えることを特徴とするレーダシステム。
【請求項2】
前記周波数変換手段は、
デジタル信号に変換された前記ビート信号を同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)に変換するデジタル直交変換手段と、
前記デジタル直交変換手段により変換された同相成分と直交成分とから、位相変化成分のみを抽出し、データ量削減を行なうデシメーション手段とを有することを特徴とする請求項1に記載されたレーダシステム。
【請求項3】
車両の絶対位置を示す第一の座標データを検出するGPS(グローバル・ポジショニング・システム)モジュールを備え、
前記障害物検出手段は、前記GPSモジュールから供給される第一の座標データに、車両に対する障害物の位置データを多重することにより障害物の絶対位置を示す第二の座標データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたレーダシステム。
【請求項4】
少なくとも地図データと障害物を示すデータとを記録した記録媒体と、前記記録媒体からデータを読み出すデータ読み出し手段と、前記データ読み出し手段により読み出されたデータを表示する表示手段とを備え、
前記データ読み出し手段は、前記第一及び第二の座標データに基づいて前記記録媒体から地図データと障害物を示すデータを読み出し、前記表示手段は、地図データ上に車両及び障害物の位置情報を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたレーダシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、車両周辺における障害物を探知するレーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路上を走行する車両においては、当然のことながら運転手の知覚を通して信号や道路標識が直接的に認識され、また、道路を横断する歩行者や他の車両に対して注意が払われている。すなわち基本的に、車両の走行制御は運転手自身により行われるものである。しかしながら、信号無視による飛び出し等の不慮のアクシデント、雨天や濃霧等の天候不良等が発生したときには、運転手の注意だけでは事故を避けられない場合もあり、それらの避けられない事故を未然に回避するための有効な手段が望まれている。
【0003】
このような従来の問題に対し、雨天や濃霧等の悪天候下でも高精度の性能を維持できるミリ波(波長がミリメートル台の30GHz〜300GHzの電波)レーダを用いて車両前方等の障害物を早期に検知するシステムの研究開発が盛んに行なわれている。このミリ波レーダを例えば車両前端に搭載すると、例えば車両前方の障害物までの距離、障害物に対する車両速度等を測定することができる。すなわち、得られた情報に基づき、運転者への警報・警告表示、危険回避システムの動作、自動走行制御等を自動的に行なうことができる。
【0004】
このミリ波レーダを用いた先行技術として、例えば特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、ミリ波レーダ(特許文献1ではミリ波センサと称呼される)と画像センサの2つのセンサにより障害物を検知し、衝突前に車両への衝突予測を行なう装置(衝突予測装置と称呼する)について開示されている。
特許文献1の衝突予測装置によれば、ミリ波センサによって得られる情報と画像センサによって得られる情報とをマッチングし、それぞれが検出した物体が同一であると判断した場合に障害物と認識するようになされている。このため、ミリ波センサまたは画像センサのいずれかのみで障害物検出を行なう場合の誤検出を防ぐことができ、結果的に高精度に障害物を検出することができるとされている。
【特許文献1】特開2002−301567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにミリ波レーダを車両に搭載することによって、道路上における安全確保が格段に向上することが期待できる。
しかしながら、ミリ波レーダによる衝突予測装置が普及した場合、その衝突予測装置を搭載した複数の車両が並走する状況や、前後に並んで走行する状況が発生し得る。その場合、各車両から送信されるミリ波センサからの電波は、障害物等に反射した後、衝突予測装置によって受信されるが、ある衝突予測装置においては、他の予測装置から発射された電波の反射波を受信するおそれがあった。
その場合、検出される障害物までの距離や速度等の値に誤りが生じ、運転者への警報・警告表示、危険回避システム、自動走行制御等が適正に動作しないという問題があった。
なお、そのような状況は、特許文献1に開示された衝突予測装置においても生じるおそれがあり、その具体的対策については特許文献1には開示されていない。
【0006】
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、車両に搭載され、自車が送信した送信波の反射波のみを解析することで車両周辺の障害物を正確に検出し、車両乗員に障害物の情報をリアルタイムに通知することのできるレーダシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明にかかるレーダシステムは、車両周辺の障害物を探知する車載用レーダシステムにおいて、所定帯域の基準周波数信号を生成する基準周波数生成手段と、拡散符号を生成する拡散符号生成手段と、前記拡散符号生成手段が生成した拡散符号を前記基準周波数信号に掛け合わせ、拡散変調する変調手段と、前記変調手段により拡散された信号を送信波として車両外に送信する送信手段と、前記送信手段からの送信波が障害物に反射した反射波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した反射波と前記基準周波数信号とを合成し、ビート信号を抽出するビート信号抽出手段と、前記ビート信号に前記拡散符号を掛け合わせ逆拡散により復調する復調手段と、前記復調手段により復調されたビート信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段によりデジタル変換されたビート信号を周波数変換する周波数変換手段と、前記周波数変換手段の出力を解析し、前記障害物を検出する障害物検出手段と、を備えることに特徴を有する。
【0008】
このように拡散符号を生成し、これを用いて送信電波を拡散し、受信電波を逆拡散することによって、自車両が送信した電波の反射波のみを確実に処理することができ、障害物の誤検出を無くすことができる。
【0009】
また、前記周波数変換手段は、デジタル信号に変換された前記ビート信号を同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)に変換するデジタル直交変換手段と、前記デジタル直交変換手段により変換された同相成分と直交成分とから、位相変化成分のみを抽出し、データ量削減を行なうデシメーション手段とを有することが望ましい。
このように送信電波と受信電波とを合成することによりビート信号を検出し、これをデジタル直交変換後、デシメーション処理によりデータ量を削減することで高速処理が可能となり、障害物までの距離、障害物の相対速度を即座に特定することができる。
【0010】
また、車両の絶対位置を示す第一の座標データを検出するGPS(グローバル・ポジショニング・システム)モジュールを備え、前記障害物検出手段は、前記GPSモジュールから供給される第一の座標データに、車両に対する障害物の位置データを多重することにより障害物の絶対位置を示す第二の座標データを生成することが望ましい。
このように構成することにより障害物の絶対位置情報を取得することができ、車両乗員に障害物の絶対位置情報を知らせることができる。
【0011】
また、少なくとも地図データと障害物を示すデータとを記録した記録媒体と、前記記録媒体からデータを読み出すデータ読み出し手段と、前記データ読み出し手段により読み出されたデータを表示する表示手段とを備え、前記データ読み出し手段は、前記第一及び第二の座標データに基づいて前記記録媒体から地図データと障害物を示すデータを読み出し、前記表示手段は、地図データ上に車両及び障害物の位置情報を表示することが望ましい。
このようにすることにより、表示手段に車両及び障害物の位置情報をリアルタイムに表示することができる。このため、車両乗員は早期に障害物の情報を知ることができ、余裕をもって障害物に対する対応を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両に搭載され、自車が送信した送信波の反射波のみを解析することで車両周辺の障害物を正確に検出し、車両乗員に障害物の情報をリアルタイムに通知することのできるレーダシステムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について、図に基づいて説明する。図1は、本発明に係るレーダシステムの搭載例を示した模式図である。図2は、図1のレーダシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明に係るレーダシステム100は、例えば車両50に搭載されて使用される。すなわち、車両50に搭載されることによって、車両周辺における障害物をレーダ検出し、車両乗員に通知するよう機能する。
尚、図1においては、車両50の前方に向けて、レーダ(ミリ波電波)を送信し、反射波を受信する状態を示しているが、その形態に限らず、車両の後方に向けて、または車両の側方に向けてレーダ送受信を行なうように送受信アンテナを設置してもよい。
また、後述するようにレーダシステム100はGPS衛星150からの電波を受信し、車両50の現在位置情報を取得するGPSモジュールを有しており、カーナビゲーションシステムとしても機能するように構成されている。
【0014】
まず、図2のブロック図に基づき、本発明に係るレーダシステム100の構成について説明する。レーダシステム100の構成を大別すると、ミリ波の周波数信号(基準周波数信号)を生成する信号生成部1(基準周波数生成手段)、電波の送受信を行なうデータ送受信部2、送受信波の差分周波数(ビート信号)を抽出するビート信号抽出部3(ビート信号抽出手段)、送受信信号に対し拡散(変調)・逆拡散(復調)を行なうスペクトラム拡散・逆拡散部4、受信信号から必要な成分のみを抽出するソフトウエア無線部5(周波数変換手段)、システム全体の制御を行なうと共に障害物検出手段として障害物の解析を行う制御部6、運転手等の車両乗員とのインタフェイス部分となるインタフェイス部7とに分けられる。
【0015】
信号生成部1は、35GHzの周波数を2逓倍し、70GHzの信号を発振するクリスタル発振回路10と、6.5GHz±1GHzで変化する信号を出力するPLL/VCO回路11とを含んでいる。さらに信号生成部1は、クリスタル発振回路10とPLL/VCO回路11の出力を混合し出力するミキサー12と、フィルタリングによって76.5±1GHzの帯域の周波数信号のみを通過させるBPF13(バンドパスフィルタ)とを含んでいる。
【0016】
データ送受信部2は送信側(送信手段)と受信側(受信手段)とで構成され、送信側は、送信用信号をフィルタリングするBPF24と、送信用信号を電波として送信するための送信アンテナ25とを有している。一方、受信側は、送信アンテナ25から送信され、反射してきた反射波(受信波と称呼する)を受信する受信アンテナ26と、受信波をフィルタリングするBPF27とを有している。
【0017】
また、ビート信号抽出部3は、信号生成部1で生成された76.5±1GHzの信号と受信アンテナ26から受信した受信波とを混合するミキサー17と、特定帯域の周波数信号のみをフィルタリングするBPF28とを有している。
【0018】
また、スペクトラム拡散・逆拡散部4は、制御部6からの指示によりランダムな拡散符号(PNと称呼する)を発生するPNジェネレータ18と、生成したPNを拡散側と逆拡散側に分配する分配器19とを有している。さらに、拡散側(変調手段)においては、PN信号を信号増幅するLNA20と、信号増幅されたPN信号と信号生成部1で生成された76.5±1GHzの送信用信号とを掛け合せるミキサー16を有している。一方、逆拡散側(復調手段)においては、PN信号を信号増幅するLNA22と、信号増幅されたPN信号とビート信号抽出部3から出力されたビート信号とを掛け合せるミキサー23と、ミキサー23の出力信号をフィルタリングするBPF29とを有している。
【0019】
また、ソフトウエア無線部5は、逆拡散されて正しく取り出されたビート信号がA/D変換手段であるA/D変換器42によりデジタル信号に変換された後、直交変換により受信信号を同相成分I(I成分)と、直交成分Q(Q成分)とに変換するデジタル直交器30(デジタル直交変換手段)を有している。さらに、I成分とQ成分からビート周波数の位相の変化成分のみを抽出しデータ量をデシメートするCICフィルタ(カスケード統合くし型フィルタ)31(デシメーション手段)と、制御部6からのプログラミング制御によりフィルタリング帯域を変化させ、CICフィルタ31の出力をフィルタリングするP−FIRフィルタ(プログラマブルFIRフィルタ)32と、さらにP−FIRフィルタ32の出力を所定の固定帯域でフィルタリングするFIRフィルタ33とを有している。
【0020】
また、インタフェイス部7は、カーナビゲーションシステム等と共通に使用されるディスプレイ装置(表示手段)としての表示部34と、車両乗員の指先や音声により動作指示を行なうための操作部35とを有している。
また、制御部6には、GPS衛星150からの衛星電波を受信し、車両50の絶対位置(経度、緯度、高度等)の情報(第一の座標データ)を検出するGPSモジュール36と、地図データ、障害物を示すデータ等を記録したDVD43(記録媒体)と、DVD43から必要なデータを取り出すDVDデコーダ37(データ読み出し手段)とが接続されている。
また、制御部6には、前記ソフトウエア無線部5の出力信号(I成分、Q成分)が、CODEC38を介して入力されている。
さらに、制御部6は、前記PNジェネレータ18に接続され、PN生成のタイミングを制御するようになされると共に、前記信号生成部1にも接続され、その動作を制御するように構成されている。
【0021】
続いて、図3の動作フロー図に基づき、レーダシステム100の動作について説明する。
車両50に搭載されたレーダシステム100を起動させると、データ送受信部2の送信アンテナ25から76.5±1GHzの電波が送信される(ステップS1)。
なお、この送信電波においては、周波数を時間に対し直線的に上昇・下降させて送信される。これを模式的なグラフに示すと、図4(a)のように、鋸状のグラフで表すことができる。また、この送信電波には、PNジェネレータ18でランダムに生成されたPN(拡散符号)が掛け合わされ拡散処理がなされている。
【0022】
車外に向けて送信された電波は、例えば車両50の前方を走行する別の車両や、歩道上の歩行者、自転車等に反射し、車両50の方向に反射波として返される。この反射波を受信アンテナ25が受信する(ステップS2)。
なお、この受信波は、送信波に対し、時間的な遅延があるために、図4(a)に示すようにグラフを表すことができる。また、この受信波のグラフにおいては、レーダと障害物との間に相対速度がある場合であってドップラー効果により周波数域がシフトした状態を示している。
【0023】
受信アンテナ25で受信された受信波は、BPF27で所定帯域以外の成分がノイズとして除去され、LNA39で信号増幅された後、ビート信号抽出部3に入力される。ビート信号抽出部3においては、受信波は信号生成部1で生成された76.5±1GHzの周波数信号とミキサー17で合成され、さらにBPF28でフィルタリングされる。そして、ミキサー17で合成された信号からは、その差分周波数(ビート信号)が検出される(ステップS3)。
このビート信号について、図4のグラフで示すと、図4(a)に示すように周波数の上昇区間におけるビート周波数はfbu、下降区間におけるビート周波数はfbdとなる。そして、これらビート周波数の変化を時間軸に対してグラフに示すと、図4(b)のように表すことができる。
なお、これらビート周波数fbu、fbdを組み合わせることにより、距離に相当する周波数、相対速度に相当する周波数等を求めることができる。
また、図示しないが、障害物の形状により、反射波の位相は送信波に対して変化する。その変化成分を解析することにより、障害物の形状を求めることができる。
【0024】
ビート信号抽出部3から出力されたビート信号は、LNA40で信号増幅され、スペクトラム拡散・逆拡散部4に入力される。そして、ビート信号には、送信時に生成されたPN信号がミキサー23で掛け合わされ、逆拡散処理がなされる(ステップS4)。なお、ここでPNが送信時に生成されたものと同じである場合には、正しく逆拡散され次の処理が行なわれるが、PNが異なる場合には、逆拡散処理ができないため、それ以降の処理は中止される(ステップS5)。
PNが一致し、逆拡散処理が行なわれた場合、ビート信号はBPF29でフィルタリングされ、LNA41で信号増幅されてA/D変換器42においてデジタル信号に変換される(ステップS6)。
【0025】
デジタル信号に変換されたビート信号は、ソフトウエア無線部5において、その後の処理に必要とされる信号成分のみが抽出される。
すなわち、ビート信号は、先ずデジタル直交器30において、I成分とQ成分に変換される(ステップS7)。そして、CIC31において、位相変化成分のみが抽出され、結果的にデータ量が削減される(ステップS8)。
【0026】
次いで、I成分およびQ成分は、それぞれP−FIR32、FIR33においてフィルタリングされ、CODEC38に出力される(ステップS9)。
CODEC38において、I成分およびQ成分は順次高速処理され、制御部6に供給される(ステップS10)。
【0027】
そして制御部6は、供給されるI成分およびQ成分の信号を解析し、電波が反射した障害物までの距離、及び障害物の相対速度を検出する(ステップS11)。尚、アンテナの取付け位置、すなわち、送信及び受信位置を考慮すれば、障害物の方位を検出することも可能であり、更には、ソフトウエア処理を施すことで、障害物の形状までも検出することが可能である。
障害物の形状を検出した場合には、障害物を検出した制御部6にて、DVDデコーダ37に、その検出した障害物に対応する絵や写真のデータを記録媒体であるDVD43から読み出すよう要求する。
一方、GPSモジュール36により、車両50の絶対位置を示す座標データが制御部6に提供され、制御部6は、DVDデコーダ37に車両50の座標データに基づいた地図データを要求する。そして、その地図データと車両50の現在位置情報が表示部34に表示される。
さらに制御部6は、車両50の座標データ(第一の座標データ)に、障害物の位置データ(障害物までの距離、障害物の方位、障害物の相対速度、障害物の形状等)を多重することにより障害物の絶対位置を示す座標データ(第二の座標データ)を生成する。そして、その障害物の座標データに基づき、障害物を示す絵や写真のデータを、表示部34に表示されている地図データ上に表示する(ステップS12)。
【0028】
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、拡散符号を生成し、これを用いて送信電波を拡散し、受信電波を逆拡散することによって、自車両が送信した電波の反射波のみを確実に処理することができ、障害物の誤検出を無くすことができる。
また、送信電波と受信電波とを合成することによりビート信号を検出し、これをデジタル直交変換後、デシメーション処理によりデータ量を削減することで高速処理が可能となり、障害物の形状や動作速度を即座に特定することができる。
【0029】
さらにGPSモジュール36及び表示部34を備え、取得した車両50の絶対位置情報に、レーダにより取得した障害物の位置データを多重することにより、表示部34に車両50及び障害物の位置情報をリアルタイムに表示することができる。このため、車両乗員は早期に障害物の情報を知ることができ、その対応を余裕をもって行うことができる。
また、ミリ波電波によるため、濃霧や豪雨等、視界が悪い状況下であっても、送信電波および反射波の劣化が低く、障害物の検出が可能であり、車両50の乗員は、表示部34上で障害物の形状や動作を確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明にかかるレーダシステムは、例えば自動車や電車等の車両製造業界において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に係るレーダシステムの搭載例を示した模式図である。
【図2】図2は、図1のレーダシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は図1のレーダシステムの動作の流れを示すフロー図である。
【図4】図4は送信波と受信波、およびビート周波数との関係を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
1 信号生成部(基準周波数生成手段)
2 データ送受信部(送信手段、受信手段)
3 ビート信号抽出部(ビート信号抽出手段)
4 スペクトラム拡散・逆拡散部(変調手段、復調手段)
5 ソフトウエア無線部(周波数変換手段)
6 制御部(障害物検出手段)
7 インタフェイス部
16 ミキサー(拡散手段)
18 PNジェネレータ(拡散符号生成手段)
23 ミキサー(復調手段)
25 送信アンテナ(送信手段)
26 受信アンテナ(受信手段)
30 デジタル直交器(デジタル直交変換手段)
31 CIC(デシメーション手段)
34 表示部(表示手段)
36 GPSモジュール
37 DVDデコーダ(データ読み出し手段)
42 A/D変換器(A/D変換手段)
43 DVD(記録媒体)
50 車両
100 レーダシステム
【出願人】 【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂


【公開番号】 特開2008−14643(P2008−14643A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183049(P2006−183049)