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【発明の名称】 レーダ装置
【発明者】 【氏名】西嶋 将明

【氏名】福田 健志

【要約】 【課題】例えば、マイクロ波帯やミリ波帯などの高周波で使用されても、高アイソレーション、および低消費電力を実現することができるレーダ装置を提供する。

【構成】レーダ装置200は、PN符号を生成するPN符号発生器105と、PN符号を遅延させる可変遅延器111と、高周波信号を生成する発振器102と、高周波信号から分配されて得られた送信用差動信号の周波数を3逓倍する周波数逓倍器216aと、高周波信号から分配されて得られた受信用差動信号の周波数を3逓倍する周波数逓倍器216bと、周波数逓倍器216aで逓倍されて得られた差動信号とPN符号発生器105で生成されたPN符号とを使用してレーダ波を生成する送信器219aと、周波数逓倍器216bで逓倍されて得られた差動信号と可変遅延器111で遅延させたPN符号とを使用して反射波から同相信号と直交信号とを生成する受信器219bとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペクトル拡散されたレーダ波を送信し、前記レーダ波が物体に反射されて得られた反射波を受信し、前記反射波から前記物体を探知するレーダ装置であって、
擬似雑音符号を生成する擬似雑音符号発生器と、
前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号を遅延させる遅延器と、
高周波信号を生成する発振器と、
ポジティブ側信号とネガティブ側信号とから構成される差動信号が入出力される差動回路で構成され、前記発振器で生成された高周波信号から送信用として分配された高周波信号が、前記差動信号である送信用差動信号として入力され、前記送信用差動信号の周波数を所定の逓倍率で逓倍する送信用逓倍器と、
前記差動回路で構成され、前記発振器で生成された高周波信号から受信用として分配された高周波信号が、前記差動信号である受信用差動信号として入力され、前記受信用差動信号の周波数を前記送信用逓倍器の逓倍率と同じ逓倍率で逓倍する受信用逓倍器と、
前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号とを使用して、前記レーダ波を生成する送信器と、
前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、前記遅延器で遅延させた擬似雑音符号とを使用して、前記反射波から、第1の復調信号と、前記第1の復調信号に対して位相が直交する第2の復調信号とを生成する受信器とを備える
ことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
前記送信器は、
前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号とを混合して、前記レーダ波として送信される信号を生成する第1のミキサを備え、
前記受信器は、
中間周波数のクロック信号を生成するオフセットクロックと、
前記遅延器で遅延させた擬似雑音符号と、前記オフセットクロックで生成された中間周波数のクロック信号との間で排他的論理和をとる排他的論理和演算器と、
前記排他的論理和演算器で排他的論理和をとって得られた信号と、前記反射波とを混合して、スペクトルが拡散された前記反射波を逆拡散する第2のミキサと、
前記第2のミキサで混合されて得られた信号と、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第1の復調信号を生成する第3のミキサと、
前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号の位相を90度移相する移相器と、
前記第2のミキサで混合されて得られた信号と、前記移相器で移相されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第2の復調信号を生成する第4のミキサとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記送信器は、
中間周波数信号を生成する中間周波数発振器と、
前記中間周波数発振器で生成された中間周波数信号と、前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合する第1のミキサと、
前記第1のミキサで混合されて得られた信号と、前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号を混合して、前記レーダ波として送信される信号を生成する第2のミキサとを備え、
前記受信器は、
前記遅延器で遅延させた擬似雑音符号と、前記反射波とを混合して、スペクトルが拡散された前記反射波を逆拡散する第3のミキサと、
前記第3のミキサで混合されて得られた信号と、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第1の復調信号を生成する第4のミキサと、
前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号の位相を90度移相する移相器と、
前記第3のミキサで混合されて得られた信号と、前記移相器で移相されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第2の復調信号を生成する第5のミキサとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、
前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板の裏面に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、
前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記差動増幅回路が形成された部分よりも下層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、
前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記差動増幅回路が形成された部分よりも上層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項7】
前記送信用逓倍器は、
前記送信用差動信号から、第1の差動信号と、前記第1の差動信号に対して90度の位相差を有する第2の差動信号とを生成する入力バッファ回路と、
前記入力バッファ回路で生成された第1の差動信号と第2の差動信号とを混合するギルバートセル型ミキサと、
前記ギルバートセル型ミキサで混合されて得られた第3の差動信号を増幅する出力バッファ回路とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項8】
前記入力バッファ回路は、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、
前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、
前記送信用逓倍器は、
前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記送信用差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、
前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記送信用差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子とを備える
ことを特徴とする請求項7に記載のレーダ装置。
【請求項9】
前記入力バッファ回路は、ポリフェーズフィルタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、
前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、
前記送信用逓倍器は、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子と、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第3のバイアス端子と、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第4のバイアス端子とを備える
ことを特徴とする請求項7に記載のレーダ装置。
【請求項10】
前記レーダ装置は、前記発振器で生成される高周波信号がシングルエンド信号であって、
前記発振器で生成されたシングルエンド信号を前記差動信号に変換して前記送信用逓倍器と前記受信用逓倍器とに出力する変換回路を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項11】
前記レーダ装置は、前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号を増幅して前記送信器に出力する送信用増幅器を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項12】
前記受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、
前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板の裏面に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項13】
前記受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、
前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記差動増幅回路が形成された部分よりも下層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項14】
前記受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、
前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記差動増幅回路が形成された部分よりも上層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項15】
前記受信用逓倍器は、
前記受信用差動信号から、第1の差動信号と、前記第1の差動信号に対して90度の位相差を有する第2の差動信号とを生成する入力バッファ回路と、
前記入力バッファ回路で生成された第1の差動信号と第2の差動信号とを混合するギルバートセル型ミキサと、
前記ギルバートセル型ミキサで混合されて得られた第3の差動信号を増幅する出力バッファ回路とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項16】
前記入力バッファ回路は、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、
前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、
前記受信用逓倍器は、
前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記受信用差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、
前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記受信用差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子とを備える
ことを特徴とする請求項15に記載のレーダ装置。
【請求項17】
前記入力バッファ回路は、ポリフェーズフィルタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、
前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、
前記受信用逓倍器は、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子と、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第3のバイアス端子と、
前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第4のバイアス端子とを備える
ことを特徴とする請求項15に記載のレーダ装置。
【請求項18】
前記レーダ装置は、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号を増幅して前記受信器に出力する受信用増幅器を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波帯、ミリ波帯などの高周波で使用されるレーダ装置に関し、特に、高性能化、低消費電力化を要するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載レーダ装置では、高精度に物体(以下、障害物と呼称する。)の検知を行うことが求められている。とりわけ、車載レーダ装置の中でも、障害物に電波を放射する送信器と、障害物から反射してきた電波を受信して検波する受信器とには、高周波信号を扱う関係上、高性能化が求められる。
【0003】
特に、車載レーダ装置では、障害物からの反射波は微弱なレベルから強いレベルまで、広いダイナミックレンジを有するため、送信器と受信器との間においては高周波信号のアイソレーションが大きいことが重要である。高周波信号が送信器と受信器との間で漏洩してしまうと、送信すべき信号、あるいは受信すべき信号に雑音信号が混在することになり、正確な送受信を行うことができなくなる。さらに、不要な信号が、所望の通信を妨げ、電波の混信を引き起こし、誤動作してしまう可能性がある。
【0004】
図1は、従来の形態における一つ目のレーダ装置の構成を示す図である。図1に示されるように、レーダ装置10は、擬似雑音符号(以下、PN符号と呼称する。)を使用したスペクトル拡散方式のレーダ装置である。
【0005】
発振器12から出力された高周波信号がバランス型変調器13と直交受信復調器22aとに分配される。ここで、バランス型変調器13に分配される高周波信号を送信用局部発振信号とする。直交受信復調器22aに分配される高周波信号を受信用局部発振信号とする。
【0006】
PN符号発生器15から出力されたPN符号がバランス型変調器14と可変遅延器21を介してバランス型変調器20とに分配される。ここで、バランス型変調器14に分配されるPN符号を送信用PN符号とする。可変遅延器21を介してバランス型変調器20に分配されるPN符号を受信用PN符号とする。
【0007】
送信用局部発振信号と中間周波数発振器11から出力された中間周波数信号とがバランス型変調器13で混合されて変調信号として出力される。送信用PN符号とバランス型変調器13から出力された変調信号とがバランス型変調器14で混合されて送信信号として出力される。
【0008】
バランス型変調器14から出力された送信信号が送信信号バンドパスフィルタ16を介して送信アンテナ17からレーダ波として送信される。送信アンテナ17から送信されたレーダ波が障害物で反射される。障害物で反射されて得られた反射波が受信アンテナ18で受信信号として受信される。
【0009】
受信アンテナ18で受信された受信信号が低雑音増幅器19で増幅されて増幅信号として出力される。受信用PN符号と低雑音増幅器19から出力された増幅信号とがバランス型変調器20で混合されて相関信号として出力される。バランス型変調器20から出力された相関信号が直交受信復調器22aと直交受信復調器22bとに分配される。ここで、直交受信復調器22aに分配される相関信号を第1の相関信号とする。直交受信復調器22bに分配される相関信号を第2の相関信号とする。
【0010】
受信用局部発振信号が直交受信復調器22aと90度移相器23を介して直交受信復調器22bとに分配される。ここで、直交受信復調器22aに分配される受信用局部発振信号を第1の受信用局部発振信号とする。90度移相器23を介して直交受信復調器22bに分配される受信用局部発振信号を第2の受信用局部発振信号とする。
【0011】
第1の受信用局部発振信号と第1の相関信号とが直交受信復調器22aで混合されてI(同相)信号として出力される。直交受信復調器22aから出力されたI(同相)信号が中間周波数バンドパスフィルタ24aとログアンプ25aとを介して出力される。
【0012】
第2の受信用局部発振信号と第2の相関信号とが直交受信復調器22bで混合されてQ(直交)信号として出力される。直交受信復調器22bから出力されたQ(直交)信号が中間周波数バンドパスフィルタ24bとログアンプ25bとを介して出力される。
【0013】
そして、レーダ装置10は、ログアンプ25aから出力されたI(同相)信号と、ログアンプ25bから出力されたQ(直交)信号とを信号処理することで、反射強度を得ることができる。
【0014】
ここで、バランス型変調器13,14,20、直交受信復調器22a,22bには、ギルバートセルなどのダブルバランス型ミキサが使用される。このように、従来、バランス型変調器13、直交受信復調器22a,22bの局部信号源である発振器12には、搬送波信号の周波数帯に相当する26GHz周波数信号源が使用されていた。
【0015】
また、図2は、従来の形態における一つ目の無線通信装置の送受信部分の構成を示す図である。図2に示されるように、発振器31が、周波数逓倍回路32を介して、送信用周波数変換部33に接続されている。さらに、周波数逓倍回路32を介して、受信用周波数変換部34にも接続されている。ただし、送信用周波数変換部33と受信用周波数変換部34とを結ぶ経路に、局部発振信号に起因した信号が送信用周波数変換部33から受信用周波数変換部34に流れることを阻止する遮断回路や減衰回路などが配置されていない。同様に、局部発振信号に起因した信号が受信用周波数変換部34から送信用周波数変換部33に流れることを阻止する遮断回路や減衰回路などが配置されていない。このため、局部発振信号に起因した信号が送信側から受信側に漏洩する(例えば、特許文献1参照。)。
【0016】
これに対して、図3は、従来の形態における二つ目のレーダ装置の構成を示す図である。図3に示されるように、発振器41から出力された局部発振信号に起因した信号が送信側から受信側に漏洩しないように、アップコンバータ42とダウンコンバータ43とを結ぶ経路に、遮断回路もしくは減衰回路が配置されている。具体的には、遮断回路としてアイソレータ44と、減衰回路として減衰器45とが配置されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0017】
また、図4は、従来の形態における二つ目の無線通信装置の送受信部分の構成を示す図である。図4に示されるように、無線通信装置などで用いられる送受信機において、発振器51から出力された信号が逓倍率A倍の逓倍器52aを介してミキサ53に入力される。逓倍率B倍の逓倍器52bを介して変調器54に入力される(例えば、特許文献3参照。)。ただし、無線通信装置で使用される信号に対してより高周波の信号を使用するレーダ装置に、無線通信装置で使用されていた逓倍器52a,52bを、単に流用しただけでは、逓倍器の利得特性などの高周波特性を保証することができず、レーダ装置に適合した工夫が必要になる。
【特許文献1】特開2003−229722号公報
【特許文献2】特開2000−9829号公報
【特許文献3】特開2001−44880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来の一つ目のレーダ装置では、バランス型変調器13、直交受信復調器22a,22bの局部発振信号の信号源である発振器12から、搬送波の周波数帯(例えば、周波数26GHz)に相当する高周波信号をそのまま出力している。
【0019】
この場合において、バランス型変調器13と直交受信復調器22aとを結ぶ経路において、発振器12から出力される高周波信号に対するアイソレーションが十分確保できない。このため、発振器12から出力される高周波信号に起因した信号がバランス型変調器13から直交受信復調器22aに漏洩する。結果、漏洩した信号によって誤検知が生じ、レーダ波が障害物で反射されて得られた反射波から、その障害物に対する正確な距離、場所を特定できなくなるという問題がある。
【0020】
また、従来の二つ目のレーダ装置では、発振器41から出力された局部発振信号に起因した信号が送信側から受信側に漏洩しないように、アップコンバータ42とダウンコンバータ43とを結ぶ経路に、アイソレータ44と減衰器45とが配置されている。この構成では、アップコンバータ42の動作に必要な入力レベルを実現するために、発振器41から出力された局部発振信号に対して、アイソレータ44と減衰器45とによる損失分を考慮する必要がある。同様に、ダウンコンバータ43の動作に必要な入力レベルを実現するために、発振器41から出力された局部発振信号に対して、アイソレータ44と減衰器45とによる損失分を考慮する必要がある。このため、出力レベルを高めにして、発振器41から局部発振信号を出力する必要がある。これにより、動作電流が増えたり、電源電圧を高くする必要が生じたり、消費電力が高くなってしまうという問題がある。
【0021】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、例えば、マイクロ波帯やミリ波帯などの高周波で使用されても、高アイソレーション、および低消費電力を実現することができるレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の目的を達成するために、本発明に係わるレーダ装置は、下記に示す特徴を備える。
【0023】
(a)スペクトル拡散されたレーダ波を送信し、前記レーダ波が物体に反射されて得られた反射波を受信し、前記反射波から前記物体を探知するレーダ装置であって、(a1)擬似雑音符号を生成する擬似雑音符号発生器と、(a2)前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号を遅延させる遅延器と、(a3)高周波信号を生成する発振器と、(a4)ポジティブ側信号とネガティブ側信号とから構成される差動信号が入出力される差動回路で構成され、前記発振器で生成された高周波信号から送信用として分配された高周波信号が、前記差動信号である送信用差動信号として入力され、前記送信用差動信号の周波数を所定の逓倍率で逓倍する送信用逓倍器と、(a5)前記差動回路で構成され、前記発振器で生成された高周波信号から受信用として分配された高周波信号が、前記差動信号である受信用差動信号として入力され、前記受信用差動信号の周波数を前記送信用逓倍器の逓倍率と同じ逓倍率で逓倍する受信用逓倍器と、(a6)前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号とを使用して、前記レーダ波を生成する送信器と、(a7)前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、前記遅延器で遅延させた擬似雑音符号とを使用して、前記反射波から、第1の復調信号と、前記第1の復調信号に対して位相が直交する第2の復調信号とを生成する受信器とを備える。
【0024】
これによって、送信器と受信器とを結ぶ経路において、高周波信号に対するアイソレーションを確保できる。高周波信号に起因した反射信号が送信器から受信器に漏洩することを抑制することができる。同様に、受信器から送信器に漏洩することも抑制することができる。さらに、送信用逓倍器や受信用逓倍器などを使用しない場合に比べて、発振器の出力レベルを、低く設定することができるため、低消費電力化を図ることができる。
【0025】
さらに、(b)(b1)前記送信器は、前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号とを混合して、前記レーダ波として送信される信号を生成する第1のミキサを備え、(b2)前記受信器は、(b2−1)中間周波数のクロック信号を生成するオフセットクロックと、(b2−2)前記遅延器で遅延させた擬似雑音符号と、前記オフセットクロックで生成された中間周波数のクロック信号との間で排他的論理和をとる排他的論理和演算器と、(b2−3)前記排他的論理和演算器で排他的論理和をとって得られた信号と、前記反射波とを混合して、スペクトルが拡散された前記反射波を逆拡散する第2のミキサと、(b2−4)前記第2のミキサで混合されて得られた信号と、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第1の復調信号を生成する第3のミキサと、(b2−5)前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号の位相を90度移相する移相器と、(b2−6)前記第2のミキサで混合されて得られた信号と、前記移相器で移相されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第2の復調信号を生成する第4のミキサとを備えるとしてもよい。
【0026】
これによって、送信器における第1のミキサと受信器における第3のミキサとを結ぶ経路において、高周波信号に対するアイソレーションを確保できる。高周波信号に起因した反射信号が送信器における第1のミキサから受信器における第3のミキサに漏洩することを抑制することができる。同様に、受信器における第3のミキサから送信器における第1のミキサに漏洩することも抑制することができる。
【0027】
または、(c)(c1)前記送信器は、(c1−1)中間周波数信号を生成する中間周波数発振器と、(c1−2)前記中間周波数発振器で生成された中間周波数信号と、前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合する第1のミキサと、(c1−3)前記第1のミキサで混合されて得られた信号と、前記擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号を混合して、前記レーダ波として送信される信号を生成する第2のミキサとを備え、(c2)前記受信器は、(c2−1)前記遅延器で遅延させた擬似雑音符号と、前記反射波とを混合して、スペクトルが拡散された前記反射波を逆拡散する第3のミキサと、(c2−2)前記第3のミキサで混合されて得られた信号と、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第1の復調信号を生成する第4のミキサと、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号の位相を90度移相する移相器と、前記第3のミキサで混合されて得られた信号と、前記移相器で移相されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の前記第2の復調信号を生成する第5のミキサとを備えるとしてもよい。
【0028】
これによって、送信器における第1のミキサと受信器における第4のミキサとを結ぶ経路において、高周波信号に対するアイソレーションを確保できる。高周波信号に起因した反射信号が送信器における第1のミキサから受信器における第4のミキサに漏洩することを抑制することができる。同様に、受信器における第4のミキサから送信器における第1のミキサに漏洩することも抑制することができる。
【0029】
または、(d)(d1)前記送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(d2)前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板の裏面に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されているとしてもよい。
【0030】
これによって、送信用逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、送信用逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、送信用逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0031】
または、(e)(e1)前記送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(e2)前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記差動増幅回路が形成された部分よりも下層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されているとしてもよい。
【0032】
これによって、送信用逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、送信用逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、送信用逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0033】
または、(f)(f1)前記送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(f2)前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記差動増幅回路が形成された部分よりも上層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されているとしてもよい。
【0034】
これによって、送信用逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、送信用逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、送信用逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0035】
または、(g)前記送信用逓倍器は、(g1)前記送信用差動信号から、第1の差動信号と、前記第1の差動信号に対して90度の位相差を有する第2の差動信号とを生成する入力バッファ回路と、(g2)前記入力バッファ回路で生成された第1の差動信号と第2の差動信号とを混合するギルバートセル型ミキサと、(g3)前記ギルバートセル型ミキサで混合されて得られた第3の差動信号を増幅する出力バッファ回路とを備えるとしてもよい。
【0036】
さらに、(h)(h1)前記入力バッファ回路は、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、(h2)前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、(h3)前記送信用逓倍器は、(h3−1)前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記送信用差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(h3−2)前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記送信用差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子とを備えるとしてもよい。
【0037】
これによって、第1のバイアス端子と第2のバイアス端子とを備えることにより、入力バッファ回路の1以上のトランジスタのバイアスを調整することができ、アイソレーションを最大に設定することができ、同様の効果を得ることができる。
【0038】
または、(i)(i1)前記入力バッファ回路は、ポリフェーズフィルタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、(i2)前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、(i3)前記送信用逓倍器は、(i3−1)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(i3−2)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子と、(i3−3)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第3のバイアス端子と、(i3−4)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第4のバイアス端子とを備えるとしてもよい。
【0039】
これによって、第1のバイアス端子と第2のバイアス端子とを備え、第3のバイアス端子と第4のバイアス端子とを備えることにより、ギルバートセル型ミキサの1以上のトランジスタのバイアスを調整することができ、アイソレーションを最大に設定することができ、同様の効果を得ることができる。
【0040】
または、(j)前記レーダ装置は、前記発振器で生成される高周波信号がシングルエンド信号であって、前記発振器で生成されたシングルエンド信号を前記差動信号に変換して前記送信用逓倍器と前記受信用逓倍器とに出力する変換回路を備えるとしてもよい。
【0041】
これによって、シングルエンド信号を生成する発振器を使用することができる。
【0042】
または、(k)前記レーダ装置は、前記送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号を増幅して前記送信器に出力する送信用増幅器を備えるとしてもよい。
【0043】
これによって、送信用逓倍器の出力レベルを調整することができるとともに、送信用増幅器の逆方向利得により送信器からの漏洩を抑制することができる。
【0044】
または、(l)(l1)前記受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(l2)前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板の裏面に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されているとしてもよい。
【0045】
これによって、受信用逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、受信用逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、受信用逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0046】
または、(m)(m1)前記受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(m2)前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記増幅回路が形成された部分よりも下層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されているとしてもよい。
【0047】
これによって、受信用逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、受信用逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、受信用逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0048】
または、(n)(n1)前記受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(n2)前記第1の増幅回路の仮想接地と前記第2の増幅回路の仮想接地とが、前記差動増幅回路が形成された半導体基板において前記増幅回路が形成された部分よりも上層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されているとしてもよい。
【0049】
これによって、受信用逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、受信用逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、受信用逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0050】
または、(o)前記受信用逓倍器は、(o1)前記受信用差動信号から、第1の差動信号と、前記第1の差動信号に対して90度の位相差を有する第2の差動信号とを生成する入力バッファ回路と、(o2)前記入力バッファ回路で生成された第1の差動信号と第2の差動信号とを混合するギルバートセル型ミキサと、(o3)前記ギルバートセル型ミキサで混合されて得られた第3の差動信号を増幅する出力バッファ回路とを備えるとしてもよい。
【0051】
さらに、(p)(p1)前記入力バッファ回路は、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、(p2)前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、(p3)前記受信用逓倍器は、(p3−1)前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記受信用差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(p3−2)前記入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち前記受信用差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子とを備えるとしてもよい。
【0052】
これによって、第1のバイアス端子と第2のバイアス端子とを備えることにより、入力バッファ回路の1以上のトランジスタのバイアスを調整することができ、アイソレーションを最大に設定することができ、同様の効果を得ることができる。
【0053】
または、(q)(q1)前記入力バッファ回路は、ポリフェーズフィルタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とを生成し、(q2)前記ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて前記第1の差動信号と前記第2の差動信号とから前記第3の差動信号を生成し、(q3)前記受信用逓倍器は、(q3−1)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(q3−2)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第1の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子と、(q3−3)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第3のバイアス端子と、(q3−4)前記ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち前記第2の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第4のバイアス端子とを備えるとしてもよい。
【0054】
これによって、第1のバイアス端子と第2のバイアス端子とを備え、第3のバイアス端子と第4のバイアス端子とを備えることにより、ギルバートセル型ミキサの1以上のトランジスタのバイアスを調整することができ、アイソレーションを最大に設定することができ、同様の効果を得ることができる。
【0055】
または、(r)前記レーダ装置は、前記受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号を増幅して前記受信器に出力する受信用増幅器を備えるとしてもよい。
【0056】
これによって、受信用逓倍器の出力レベルを調整することができるとともに、受信用増幅器の逆方向利得により受信器からの漏洩を抑制することができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、周波数逓倍器を備えることにより、送信器と受信器とを結ぶ経路において、発振器から出力された高周波信号に対するアイソレーションを確保できる。発振器から出力された高周波信号に起因した反射信号が送信器から受信器に漏洩することを抑制することができる。同様に、受信器から送信器に漏洩することも抑制することができる。
【0058】
これによって、受信検知仕様として、受信(検出)感度を示す指標であるS/N(Signal-to-Noise)比が、受信器側に26GHz帯の信号が漏洩してきたことにより劣化してしまうことを回避することができる。
【0059】
さらに、周波数逓倍器を使用しない場合に比べて、発振器の出力レベルを、低く設定することができるため、低消費電力化を図ることができる。
【0060】
また、周波数逓倍器の入力バッファ回路が1以上のトランジスタで構成されているとする。この場合において、第1のバイアス端子と第2のバイアス端子とを備えることにより、入力バッファ回路の1以上のトランジスタのバイアスを調整することができ、アイソレーションを最大に設定することができる。
【0061】
また、周波数逓倍器の入力バッファ回路がポリフェーズフィルタで構成されているとする。この場合において、第1のバイアス端子と第2のバイアス端子とを備え、第3のバイアス端子と第4のバイアス端子とを備えることにより、ギルバートセル型ミキサの1以上のトランジスタのバイアスを調整することができ、アイソレーションを最大に設定することができる。
【0062】
また、周波数逓倍器が多段の差動増幅回路で構成される場合において、周波数逓倍器内で、ほぼミリ波の周波数帯である26GHz帯の高周波信号が伝送されることで、各段の差動増幅回路における基準接地インピーダンスに差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現することができるため、周波数逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0063】
結果、送信したレーダ波が障害物で反射され、反射されて得られた反射波を受信し、受信した反射波からその障害物を特定するための検知を正しく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係わる第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0065】
本実施の形態におけるレーダ装置は、下記(a)〜(f)に示される特徴を備える。
【0066】
(a)スペクトル拡散されたレーダ波を送信し、レーダ波が物体に反射されて得られた反射波を受信し、反射波から物体を探知するレーダ装置であって、(a1)擬似雑音符号を生成する擬似雑音符号発生器と、(a2)擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号を遅延させる遅延器と、(a3)高周波信号を生成する発振器と、(a4)ポジティブ側信号とネガティブ側信号とから構成される差動信号が入出力される差動回路で構成され、発振器で生成された高周波信号から送信用として分配された高周波信号が、差動信号である送信用差動信号として入力され、送信用差動信号の周波数を所定の逓倍率で逓倍する送信用逓倍器と、(a5)差動回路で構成され、発振器で生成された高周波信号から受信用として分配された高周波信号が、差動信号である受信用差動信号として入力され、受信用差動信号の周波数を送信用逓倍器の逓倍率と同じ逓倍率で逓倍する受信用逓倍器と、(a6)送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号とを使用して、レーダ波を生成する送信器と、(a7)受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、遅延器で遅延させた擬似雑音符号とを使用して、反射波から、第1の復調信号と、第1の復調信号に対して位相が直交する第2の復調信号とを生成する受信器とを備える。
【0067】
(b)(b1)送信器は、(b1−1)中間周波数信号を生成する中間周波数発振器と、(b1−2)中間周波数発振器で生成された中間周波数信号と、送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合する第1のミキサと、(b1−3)第1のミキサで混合されて得られた信号と、擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号を混合して、レーダ波として送信される信号を生成する第2のミキサとを備え、(b2)受信器は、(b2−1)遅延器で遅延させた擬似雑音符号と、反射波とを混合して、スペクトルが拡散された反射波を逆拡散する第3のミキサと、(b2−2)第3のミキサで混合されて得られた信号と、受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の第1の復調信号を生成する第4のミキサと、(b2−3)受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号の位相を90度移相する移相器と、(b2−4)第3のミキサで混合されて得られた信号と、移相器で移相されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の第2の復調信号を生成する第5のミキサとを備える。
【0068】
(c)送信用逓倍器は、(c1)送信用差動信号から、第1の差動信号と、第1の差動信号に対して90度の位相差を有する第2の差動信号とを生成する入力バッファ回路と、(c2)入力バッファ回路で生成された第1の差動信号と第2の差動信号とを混合するギルバートセル型ミキサと、(c3)ギルバートセル型ミキサで混合されて得られた第3の差動信号を増幅する出力バッファ回路とを備える。
【0069】
(d)(d1)入力バッファ回路は、1以上のトランジスタから構成されて第1の差動信号と第2の差動信号とを生成し、(d2)ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて第1の差動信号と第2の差動信号とから第3の差動信号を生成し、(d3)送信用逓倍器は、(d3−1)入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち送信用差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(d3−2)入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち送信用差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子とを備える。
【0070】
(e)受信用逓倍器は、(e1)受信用差動信号から、第1の差動信号と、第1の差動信号に対して90度の位相差を有する第2の差動信号とを生成する入力バッファ回路と、(e2)入力バッファ回路で生成された第1の差動信号と第2の差動信号とを混合するギルバートセル型ミキサと、(e3)ギルバートセル型ミキサで混合されて得られた第3の差動信号を増幅する出力バッファ回路とを備える。
【0071】
(f)(f1)入力バッファ回路は、1以上のトランジスタから構成されて第1の差動信号と第2の差動信号とを生成し、(f2)受信用逓倍器は、(f2−1)入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち受信用差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(f2−2)入力バッファ回路を構成するトランジスタのうち受信用差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子とを備える。
【0072】
なお、本実施の形態におけるレーダ装置は、下記(g)〜(i)のいずれかに示される特徴を備えるとしてもよい。
【0073】
(g)レーダ装置は、発振器で生成される高周波信号がシングルエンド信号であって、発振器で生成されたシングルエンド信号を差動信号に変換して送信用逓倍器と受信用逓倍器とに出力する変換回路を備える。
【0074】
(h)レーダ装置は、送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号を増幅して送信器に出力する送信用増幅器を備える。
【0075】
(i)レーダ装置は、受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号を増幅して受信器に出力する受信用増幅器を備える。
【0076】
なお、本実施の形態におけるレーダ装置は、上記(d)の代わりに、下記(j)に示される特徴を備えるとしてもよい。
【0077】
(j)(j1)入力バッファ回路は、ポリフェーズフィルタから構成されて第1の差動信号と第2の差動信号とを生成し、(j2)ギルバートセル型ミキサは、1以上のトランジスタから構成されて第1の差動信号と第2の差動信号とから第3の差動信号を生成し、(j3)送信用逓倍器は、(j3−1)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第1の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(j3−2)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第1の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子と、(j3−3)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第2の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第3のバイアス端子と、(j3−4)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第2の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第4のバイアス端子とを備える。
【0078】
なお、本実施の形態におけるレーダ装置は、上記(f)の代わりに、下記(k)に示される特徴を備えるとしてもよい。
【0079】
(k)(k1)入力バッファ回路は、ポリフェーズフィルタから構成されて第1の差動信号と第2の差動信号とを生成し、(k2)受信用逓倍器は、(k2−1)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第1の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第1のバイアス端子と、(k2−2)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第1の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第2のバイアス端子と、(k2−3)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第2の差動信号のポジティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第3のバイアス端子と、(k2−4)ギルバートセル型ミキサを構成するトランジスタのうち第2の差動信号のネガティブ側信号が入力される1以上のトランジスタに対してバイアスを調整する信号が入力される第4のバイアス端子とを備える。
【0080】
以上の点を踏まえて、本実施の形態におけるレーダ装置について説明する。
【0081】
先ず、本実施の形態におけるレーダ装置の構成について説明する。
【0082】
図5は、本実施の形態におけるレーダ装置の構成を示す図である。図5に示されるように、レーダ装置100は、擬似雑音符号(以下、PN符号と呼称する。)を使用したスペクトル拡散方式のレーダ装置である。
【0083】
具体的には、レーダ装置100は、送信用PN符号を使用して狭帯域信号を広帯域信号に拡散変調する。拡散変調して得られた広帯域信号をレーダ波として送信する。送信したレーダ波が物体(以下、障害物と呼称する。)に反射されて得られた反射波を受信信号として受信する。受信用PN符号を使用して受信信号を相関信号に拡散復調する。拡散復調して得られた相関信号に基づいて、物体の有無、距離、相対速度などを算出する。
【0084】
ここでは、一例として、レーダ装置100は、中間周波数発振器101、発振器102、バランス型変調器103、バランス型変調器104、PN符号発生器105、送信信号バンドパスフィルタ106、送信アンテナ107、受信アンテナ108、低雑音増幅器109、バランス型変調器110、可変遅延器111、直交受信復調器112a,112b、90度移相器113、中間周波数バンドパスフィルタ114a,114b、ログアンプ115a,115b、周波数逓倍器116a,116b、分配器117を備える。
【0085】
なお、ここでは、中間周波数発振器101、バランス型変調器103、バランス型変調器104、送信信号バンドパスフィルタ106、送信アンテナ107から送信器119aが構成されているとする。さらに、受信アンテナ108、低雑音増幅器109、バランス型変調器110、直交受信復調器112a,112b、90度移相器113、中間周波数バンドパスフィルタ114a,114b、ログアンプ115a,115bから受信器119bが構成されているとする。
【0086】
中間周波数発振器101は、発振器102から出力される高周波信号より低い周波数の中間周波数信号(数10kHz〜数100kHzの信号)を生成し、生成した中間周波数信号を出力する。ここでは、一例として、周波数455kHzの中間周波数信号を生成するとする。
【0087】
発振器102は、マイクロ波やミリ波のような高周波信号(数GHz〜数10GHzの信号)を生成し、生成した高周波信号を出力する。ここでは、一例として、周波数13GHzの高周波信号を生成するとする。
【0088】
バランス型変調器103は、中間周波数発振器101から出力された中間周波数信号と、周波数逓倍器116aから出力された送信用局部発振信号とを混合して、混合して得られた信号を変調信号として出力する。ここでは、周波数26GHzの送信用局部発振信号と周波数455kHzの中間周波数信号とが混合されて、上側波帯26GHz+455kHz、下側波帯26GHz−455kHzの変調信号が出力される。
【0089】
バランス型変調器104は、バランス型変調器103から出力された変調信号と、PN符号発生器105から出力されたPN符号とを混合して、混合して得られた信号を送信信号として出力する。ここでは、2値位相変調方式(BPSK方式)に基づいて中心周波数が26GHzで周波数帯域3.8GHz(±1.9GHz)に亘って拡散された送信信号が出力される。
【0090】
PN符号発生器105は、PN符号を生成し、生成したPN符号を出力する。ここでは、一例として、チップレート2.496Gbps、符号長211−1、周波数帯域約2.5GHz、M系列符号であるPN符号を生成するとする。
【0091】
送信信号バンドパスフィルタ106は、バランス型変調器104から出力された送信信号のうち、所定の周波数成分を通過させる。ここでは、一例として、数GHz〜数10GHzの周波数成分を通過させるとする。
【0092】
送信アンテナ107は、送信信号バンドパスフィルタ106から出力された送信信号をレーダ波として送信する。ここでは、一例として、アンテナ利得18.6dBi、送信電力−26.5dBm、送信平均EIRP(等価等方輻射電力)−42dBm/MHzであるアンテナを使用するとする。
【0093】
受信アンテナ108は、送信アンテナ107から送信されたレーダ波が障害物で反射または散乱されて得られた反射波を受信信号として受信する。ここでは、一例として、アンテナ利得18.6dBiであるアンテナを使用するとする。
【0094】
低雑音増幅器109は、受信アンテナ108で受信された受信信号(微弱な高周波信号)を増幅し、増幅して得られた信号を増幅信号として出力する。
【0095】
バランス型変調器110は、低雑音増幅器109から出力された増幅信号と、可変遅延器111から出力されたPN符号とを混合して、混合して得られた信号を相関信号として出力する。ここでは、スペクトルが拡散された増幅信号を逆拡散することで得られた26GHz±455kHzの相関信号が出力される。
【0096】
可変遅延器111は、PN符号発生器105から出力されたPN符号を遅延させ、遅延させたPN符号を出力する。
【0097】
直交受信復調器112aは、バランス型変調器110から出力された相関信号と、周波数逓倍器116bから出力された受信用局部発振信号とを混合して、混合して得られた信号をI(同相)信号として出力する。ここでは、中間周波数のI(同相)信号が出力される。
【0098】
直交受信復調器112bは、バランス型変調器110から出力された相関信号と、90度移相器113から出力された受信用局部発振信号とを混合して、混合して得られた信号をQ(直交)信号として出力する。ここでは、I(同相)信号に対して直交する中間周波数のQ(直交)信号が出力される。
【0099】
90度移相器113は、周波数逓倍器116bから出力された受信用局部発振信号の位相を90度シフトして、シフトして得られた信号を出力する。
【0100】
中間周波数バンドパスフィルタ114aは、直交受信復調器112aから出力されたI(同相)信号のうち、所定の周波数成分を通過させる。ここでは、一例として、数10kHz〜数100kHzの周波数成分を通過させるとする。
【0101】
中間周波数バンドパスフィルタ114bは、直交受信復調器112bから出力されたQ(直交)信号のうち、所定の周波数成分を通過させる。ここでは、一例として、数10kHz〜数100kHzの周波数成分を通過させるとする。
【0102】
ログアンプ115aは、中間周波数バンドパスフィルタ114aから出力されたI(同相)信号の強度の対数に比例した信号を出力する。
【0103】
ログアンプ115bは、中間周波数バンドパスフィルタ114bから出力されたQ(直交)信号の強度の対数に比例した信号を出力する。
【0104】
周波数逓倍器116aは、分配器117から出力された高周波信号を所定の逓倍率で逓倍し、逓倍して得られた信号を送信用局部発振信号として出力する。ここでは、一例として、逓倍率を2とし、周波数13GHzの高周波信号を2逓倍して得られた周波数26GHzの送信用局部発振信号を出力する。
【0105】
周波数逓倍器116bは、分配器117から出力された高周波信号を所定の逓倍率で逓倍し、逓倍して得られた信号を受信用局部発振信号として出力する。ここでは、一例として、逓倍率を2とし、周波数13GHzの高周波信号を2逓倍して得られた周波数26GHzの受信用局部発振信号を出力する。
【0106】
分配器117は、発振器102から出力された高周波信号を周波数逓倍器116aと周波数逓倍器116bとに分配する。
【0107】
そして、レーダ装置100は、ログアンプ115aから出力されたI(同相)信号と、ログアンプ115bから出力されたQ(直交)信号とを信号処理することで、反射強度を得ることができる。ここでは、レーダ性能として距離分解能が約6cmであるとする。
【0108】
なお、例えば、配置個所118aのように、周波数逓倍器116aの出力端子とバランス型変調器103の入力端子とを結ぶ経路のいずこかに、差動回路で構成された増幅器が配置されるとしてもよい。これによって、周波数逓倍器116aから出力された送信用局部発振信号が増幅され、周波数逓倍器116aの出力レベルを調整することができる。さらに、増幅器を逆流する信号の利得が小さくなることから、送信用局部発振信号に起因した反射信号が周波数逓倍器116bなどに漏洩することを抑制することができる。
【0109】
なお、例えば、配置箇所118bのように、周波数逓倍器116bの出力端子と直交受信復調器112aの入力端子とを結ぶ経路のいずこかに、差動回路で構成された増幅器が配置されるとしてもよい。これによって、周波数逓倍器116bから出力された受信用局部発振信号が増幅され、周波数逓倍器116bの出力レベルを調整することができる。さらに、増幅器を逆流する信号の利得が小さくなることから、受信用局部発振信号に起因した反射信号が周波数逓倍器116aなどに漏洩することを抑制することができる。
【0110】
なお、発振器102は、差動回路で構成される場合とシングルエンド回路で構成される場合が想定される。差動回路で構成される場合は、分配器117の入力部および各出力部についても差動回路で構成される。一方、シングルエンド回路で構成される場合は、発振器102と分配器117とを結ぶ経路のいずこかに、発振器102から出力されたシングルエンド信号を差動信号に変換する変換回路が配置される。
【0111】
ここで、シングルエンド信号は、グラウンドを基準にして、第1の電圧以上であるときは、信号レベルがHレベルであると定義し、第1の電圧よりも低い第2の電圧以下であるときは、信号レベルがLレベルであると定義した信号である。1つのシングルエンド信号に対して1本の信号線が使用される。
【0112】
これに対して、差動信号は、ポジティブ側信号とネガティブ側信号とから構成される1対の信号であり、ポジティブ側信号の電位とネガティブ側信号の電位との差が正であるときは、信号レベルがHレベルであると定義し、ポジティブ側信号の電位とネガティブ側信号の電位との差が負であるときは、信号レベルがLレベルであると定義した信号である。1つの差動信号に対して1対の信号線(2本の信号線)が使用される。
【0113】
なお、バランス型変調器103,104,110、直交受信復調器112a,112bは、ギルバートセル方式のダブルバランス型ミキサである。ダブルバランス型ミキサは、ダイオードとトランスとで構成され、低損失、高アイソレーション、低歪で周波数を変調することができる。
【0114】
なお、バランス型変調器103は、少なくとも入力部と出力部とが差動回路で構成されている。これによって、入力部に入力された高周波信号が出力部に漏洩することを抑圧することができる。このことは、電波を使用した物体検知では大変重要である。これは、高周波信号が出力部に漏洩すれば、PN符号で広帯域に亘って拡散された信号に、高いパワーレベルで急峻なピークを有した信号が畳重される。そして、畳重されて得られた信号が送信され、障害物で反射され、反射されて得られた反射波が受信されると、漏洩に起因した信号成分が妨害波となって受信特性を劣化させるためである。
【0115】
具体的に、レーダ装置の性能仕様に照らし合わせてみた場合に、受信検知仕様として、下記の仕様(1),(2)を満たすことが要求される。
【0116】
(1)検知確率が90%以上である。
(2)誤警報確率が10-10以下である。
【0117】
この仕様を満たすためには、受信(検出)感度を示す指標として、S/N比が15.2dBより大であるという条件を満たす必要がある。ただし、アイソレーションが確保できず、受信器側に26GHz帯の信号が漏洩してきた場合には、S/N比の劣化をもたらし、この条件を満たすことができなくなる。しかしながら、本実施の形態におけるレーダ装置100では、アイソレーションを確保することができるので、この条件を満たすことができる。
【0118】
次に、本実施の形態における周波数逓倍器116a,116bの構成について説明する。なお、周波数逓倍器116a,116bの各回路構成が同一であり、ここでは、周波数逓倍器116aについてのみ説明し、周波数逓倍器116bについては説明を省略する。
【0119】
図6は、本実施の形態における周波数逓倍器116aの構成を示す図である。図6に示されるように、周波数逓倍器116aは、ギルバートセル型ミキサ121、入力バッファ回路122、出力バッファ回路123を備える。
【0120】
ギルバートセル型ミキサ121は、ギルバートセル方式のダブルバランス型ミキサであり、乗算器として機能する回路である。入力バッファ回路122は、ギルバートセル型ミキサ121の入力側に配置され、入力バッファとして機能する回路である。出力バッファ回路123は、ギルバートセル型ミキサ121の出力側に配置され、出力バッファとして機能する回路である。
【0121】
これらの回路は、差動回路で構成されている。また、これらの回路を構成する能動素子には、砒化ガリウム(GaAs)系ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)が使用されている。なお、GaAs系HBTの代わりに、シリコン(Si)系HBT、CMOS、GaAs、InP系ヘテロ接合電界効果型トランジスタ(HFET)のいずれかが使用されているとしてもよい。
【0122】
具体的には、周波数13GHzの差動信号(以下、入力差動信号と呼称する。)が入力端子125a,125bに入力されたとする。これに伴い、電源端子124から入力された電圧が、入力差動信号の信号レベルに応じて変化しつつ、差動信号(以下、LO差動信号と呼称する。)としてLO端子131a,131bに入力される。また、入力差動信号が、入力バッファ回路122内でレベルシフトされた後、LO差動信号に対して90度の位相差を有した差動信号(以下、RF差動信号と呼称する。)としてRF端子132a,132bに入力される。そして、ギルバートセル型ミキサ121内で、LO差動信号にRF差動信号が乗算されて、周波数26GHzの周波数成分が含まれる差動信号(以下、IF差動信号と呼称する。)がIF端子133a,133bから出力される。これによって、周波数26GHzの差動信号が出力端子127a,127bから出力される。
【0123】
なお、ここでは、LO端子131aに入力されるLO差動信号のポジティブ側信号とRF端子132aに入力されるRF差動信号のポジティブ側信号との位相差が90度になるように、トランジスタ141,142の各サイズ、各トランジスタを相互に接続する線路の幅や長さなどが設計されている。また、LO端子131bに入力されるLO差動信号のネガティブ側信号とRF端子132bに入力されるRF差動信号のネガティブ側信号との位相差が90度になるように、トランジスタ143,144の各サイズ、各トランジスタを相互に接続する線路の幅や長さなどが設計されている。
【0124】
なお、LO差動信号とRF差動信号との各周波数をf0とすれば、IF差動信号が下記の式(1)で示される。ここで、下記の式(1)の右辺においてf0の2倍波成分が含まれていることから、周波数逓倍器116aで2逓倍されることが示される。
【0125】
【数1】


【0126】
次に、本実施の形態におけるギルバートセル型ミキサ121の動作原理について説明する。
【0127】
図7は、本実施の形態におけるギルバートセル型ミキサ121の動作原理について、差動信号として矩形波が使用された場合の動作原理を示す図である。図8は、本実施の形態におけるギルバートセル型ミキサ121の動作原理について、差動信号として正弦波が使用された場合の動作原理を示す図である。なお、図8に示されるように、矩形波の代わりに正弦波が使用された場合でも同様であり、ここでは、矩形波が使用された場合についてのみ説明し、正弦波が使用された場合については説明を省略する。
【0128】
図7に示されるように、周波数13GHzのLO差動信号(矩形波)がLO端子131a,131bに入力されたとする。また、LO差動信号に対して90度の位相差を有した周波数13GHzのRF差動信号(矩形波)がRF端子132a,132bに入力されたとする。
【0129】
この場合において、LO差動信号(矩形波)のポジティブ側信号の電位に応じて、トランジスタ151,152の各状態が導通(オン)状態/非導通(オフ)状態のいずれかになる。LO差動信号(矩形波)のネガティブ側信号の電位に応じて、トランジスタ153,154の各状態が導通(オン)状態/非導通(オフ)状態のいずれかになる。RF差動信号(矩形波)のポジティブ側信号の電位に応じて、トランジスタ155の状態が導通(オン)状態/非導通(オフ)状態のいずれかになる。RF差動信号(矩形波)のネガティブ側信号の電位に応じて、トランジスタ156の状態が導通(オン)状態/非導通(オフ)状態のいずれかになる。
【0130】
例えば、LO差動信号の信号レベルがHレベルのときは、トランジスタ151,152の各状態が導通(オン)状態になり、トランジスタ153,154の各状態が非導通(オフ)状態になる。LO差動信号の信号レベルがLレベルのときは、トランジスタ151,152の各状態が非導通(オフ)状態になり、トランジスタ153,154の各状態が導通(オン)状態になる。また、RF差動信号の信号レベルがHレベルのときは、トランジスタ155の状態が導通(オン)状態になり、トランジスタ156の状態が非導通(オフ)状態になる。RF差動信号の信号レベルがLレベルのときは、トランジスタ155の状態が非導通(オフ)状態になり、トランジスタ156の状態が導通(オン)状態になる。
【0131】
これから、LO差動信号の信号レベルがHレベル、RF差動信号の信号レベルがHレベルのときは、IF差動信号の信号レベルがHレベルになる。LO差動信号の信号レベルがHレベル、RF差動信号の信号レベルがLレベルのときは、IF差動信号の信号レベルがLレベルになる。LO差動信号の信号レベルがLレベル、RF差動信号の信号レベルがHレベルのときは、IF差動信号の信号レベルがLレベルになる。LO差動信号の信号レベルがLレベル、RF差動信号の信号レベルがLレベルのときは、IF差動信号の信号レベルがHレベルになる。
【0132】
結果、周波数26GHzのIF差動信号(矩形波)がIF端子133a,133bから出力される。
【0133】
なお、周波数逓倍器116aは、入力差動信号が入力されるトランジスタ141,143の各バイアスが、バイアス端子126a,126bを介して調整される。これにより、入力差動信号が出力端子127a,127b側に漏洩することを抑圧することができる。また、出力差動信号が入力端子125a,125b側に漏洩することも抑圧することができる。結果、アイソレーションを確保することができる。具体的には、13GHz帯の高周波信号の漏洩が最小となるように決定された電圧がバイアス端子126a,126bに入力される。
【0134】
図9は、本実施の形態における周波数逓倍器116aのアイソレーション特性とバイアス電圧依存性との関係を示す図である。図9に示されるように、バイアス端子126a,126bに4.0Vの電圧を印加することで、アイソレーションを最大に設定することができる。
【0135】
以上、本実施の形態におけるレーダ装置100によれば、周波数逓倍器116a,116bを備えることにより、送信用局部発振信号が直交受信復調器112a,112bに漏洩することを抑圧することができる。また、受信用局部発振信号がバランス型変調器103に漏洩することも抑圧することができる。これによって、バランス型変調器103と直交受信復調器112aとを結ぶ第1の経路において、アイソレーションを確保することができる。同様に、バランス型変調器103と直交受信復調器112bとを結ぶ第2の経路においても、アイソレーションを確保することができる。また、第1の経路と第2の経路との共通部分に、アイソレータ、減衰器が配置された場合と比べて、発振器102の出力レベルを高くする必要がないので、消費電力を増加することを抑制することができる。
【0136】
結果、レーダ装置100は、高周波信号の漏洩を抑圧し、不要な信号成分が送信信号に含まれることを回避することができる。このため、漏洩に起因して受信特性を劣化させる妨害波が受信信号に含まれないので、障害物を特定するための検知を正しく行うことができる。
【0137】
また、レーダ装置100は、アイソレーションを確保することができるので、S/N比の劣化を回避することができ、レーダ装置の受信検知仕様として要求される下記の仕様(1),(2)の条件を満たすことができる。
【0138】
(1)検知確率が90%以上である。
(2)誤警報確率が10-10以下である。
【0139】
なお、入力バッファ回路122は、差動増幅器としての機能も備えるとしてもよい。
【0140】
なお、図10に示されるように、周波数逓倍器116aは、入力バッファ回路122の代わりに、ポリフェーズフィルタ162を備えるとしてもよい。さらに、LO差動信号が入力されるトランジスタ151,152,153,154の各バイアスがバイアス端子166a,166bを介して調整されるとしてもよい。また、RF差動信号が入力されるトランジスタ155,156の各バイアスがバイアス端子167a,167bを介して調整されるとしてもよい。
【0141】
ここで、ポリフェーズフィルタ162は、2段のRCポリフェーズ回路から構成される。さらに、入力差動信号が入力端子165a,165bに入力されると、LO差動信号が出力されてLO端子131a,131bに入力される。また、LO差動信号に対して90度の位相差を有するRF差動信号が出力されてRF端子132a,132bに入力される。
【0142】
なお、LO差動信号とRF差動信号との各周波数をf0とすれば、Acos(f0)、Bsin(f0)がポリフェーズフィルタ162から出力され、IF差動信号が下記の式(2)で示される。ここで、下記の式(2)の右辺においてf0の2倍波成分が含まれていることから、周波数逓倍器116aで2逓倍されることが示される。
【0143】
【数2】


【0144】
なお、上記では、送信変調器の構成ブロック、受信復調器の構成ブロックについて説明したが、その他、送信周波数変換部、受信周波数変換部の機能を有するブロックについても適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0145】
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係わる第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0146】
本実施の形態におけるレーダ装置は、下記(l)〜(n)に示される特徴を備える。
【0147】
(l)(l1)送信器は、送信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号と、擬似雑音符号発生器で生成された擬似雑音符号とを混合して、前記レーダ波として送信される信号を生成する第1のミキサを備え、(l2)受信器は、(l2−1)中間周波数のクロック信号を生成するオフセットクロックと、(l2−2)遅延器で遅延させた擬似雑音符号と、オフセットクロックで生成された中間周波数のクロック信号との間で排他的論理和をとる排他的論理和演算器と、(l2−3)排他的論理和演算器で排他的論理和をとって得られた信号と、反射波とを混合して、スペクトルが拡散された反射波を逆拡散する第2のミキサと、(l2−4)第2のミキサで混合されて得られた信号と、受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の第1の復調信号を生成する第3のミキサと、(l2−5)受信用逓倍器で逓倍されて得られた差動信号の位相を90度移相する移相器と、(l2−6)第2のミキサで混合されて得られた信号と、移相器で移相されて得られた差動信号とを混合して、中間周波数の第2の復調信号を生成する第4のミキサとを備える。
【0148】
(m)(m1)送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(m2)第1の増幅回路の仮想接地と第2の増幅回路の仮想接地とが、差動増幅回路が形成された半導体基板の裏面に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている。
【0149】
(n)(n1)受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(n2)第1の増幅回路の仮想接地と第2の増幅回路の仮想接地とが、差動増幅回路が形成された半導体基板の裏面に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている。
【0150】
なお、本実施の形態におけるレーダ装置は、上記(m)の代わりに、下記(o),(p)のいずれかに示される特徴を備えるとしてもよい。
【0151】
(o)(o1)送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(o2)第1の増幅回路の仮想接地と第2の増幅回路の仮想接地とが、差動増幅回路が形成された半導体基板において差動増幅回路が形成された部分よりも下層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている。
【0152】
(p)(p1)送信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(p2)第1の増幅回路の仮想接地と第2の増幅回路の仮想接地とが、差動増幅回路が形成された半導体基板において差動増幅回路が形成された部分よりも上層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている。
【0153】
なお、本実施の形態におけるレーダ装置は、上記(n)の代わりに、下記(q),(r)に示される特徴を備えるとしてもよい。
【0154】
(q)(q1)受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(q2)第1の増幅回路の仮想接地と第2の増幅回路の仮想接地とが、差動増幅回路が形成された半導体基板において差動増幅回路が形成された部分よりも下層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている。
【0155】
(r)(r1)受信用逓倍器は、カスコード接続されている第1のトランジスタと第2のトランジスタとから構成されている第1の増幅回路と、カスコード接続されている第3のトランジスタと第4のトランジスタとから構成されている第2の増幅回路とを1セットにした差動増幅回路を備え、(r2)第1の増幅回路の仮想接地と第2の増幅回路の仮想接地とが、差動増幅回路が形成された半導体基板において差動増幅回路が形成された部分よりも上層部分に形成された接地層と、ビアホールを介して電気的に接続されている。
【0156】
以上の点を踏まえて、本実施の形態におけるレーダ装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0157】
先ず、本実施の形態におけるレーダ装置の構成について説明する。
【0158】
図11は、本実施の形態におけるレーダ装置の構成を示す図である。図11に示されるように、レーダ装置200は、第1の実施の形態におけるレーダ装置100と比べて、下記の点が異なる。なお、レーダ装置200は、レーダ性能として距離分解能が約6cmである。
【0159】
(1)レーダ装置200は、発振器102、バランス型変調器103、送信アンテナ107、バランス型変調器110、中間周波数バンドパスフィルタ114a,114b、周波数逓倍器116a,116bの代わりに、発振器202、バランス型変調器203、送信アンテナ207、バランス型変調器210、中間周波数バンドパスフィルタ214a,214b、周波数逓倍器216a,216bを備える。
【0160】
(2)レーダ装置200は、オフセットクロック201、排他的論理和演算器204、中間周波数帯信号増幅器217a,217bを新たに備える。
【0161】
なお、レーダ装置200は、オフセットクロック201と排他的論理和演算器204とを備えることによって、受信用PN符号を生成するにあたり、デジタル処理でPN符号そのものにクロック信号を埋め込んでいる。これによって、ホモダイン方式において受信信号を復調するときに生じる直流成分(オフセット)を排除することができる。また、通常、オフセットの変調に必要なミリ波帯変調器を必要とせず、また変調器のスルーリークなどに起因するオフセットの周波数の回り込みや、その他の送信器と受信器との間の内部干渉を排除することができ、ミリ波帯を扱う部分のコストを抑制しつつ高性能なレーダ装置を実現することができる。
【0162】
(3)レーダ装置200は、中間周波数発振器101、バランス型変調器104を備えない。なお、ここでは、話を簡潔にするために、送信信号バンドパスフィルタ106、分配器117については省略している。
【0163】
なお、ここでは、バランス型変調器203、送信アンテナ207から送信器219aが構成されているとする。さらに、受信アンテナ108、低雑音増幅器109、バランス型変調器210、直交受信復調器112a,112b、90度移相器113、中間周波数バンドパスフィルタ214a,214b、ログアンプ115a,115b、中間周波数帯信号増幅器217a,217bから受信器219bが構成されているとする。
【0164】
オフセットクロック201は、発振器202から出力される高周波信号より低い周波数の中間周波数のクロック信号(数10kHz〜数100kHzの矩形波信号)を生成し、生成した中間周波数のクロック信号を出力する。ここでは、一例として、周波数455kHzの中間周波数のクロック信号を生成するとする。
【0165】
発振器202は、マイクロ波やミリ波のような高周波信号(数GHz〜数10GHzの信号)を生成し、生成した高周波信号を出力する。ここでは、一例として、周波数8.8GHzの高周波信号を生成するとする。
【0166】
バランス型変調器203は、周波数逓倍器216aから出力された送信用局部発振信号と、PN符号発生器105から出力されたPN符号とを混合して、混合して得られた信号を送信信号として出力する。ここでは、2値位相変調方式(BPSK方式)に基づいて中心周波数が26.4GHzで周波数帯域3.8GHz(±1.9GHz)に亘って拡散された送信信号が出力される。
【0167】
排他的論理和演算器204は、オフセットクロック201から出力された中間周波数のクロック信号と、可変遅延器111から出力されたPN符号とを混合して、混合して得られた信号を受信用PN符号として出力する。
【0168】
送信アンテナ207は、バランス型変調器203から出力された送信信号をレーダ波として送信する。ここでは、一例として、アンテナ利得18.6dBi、送信電力−26.5dBm、送信平均EIRP(等価等方輻射電力)−42dBm/MHzであるアンテナを使用するとする。
【0169】
バランス型変調器210は、低雑音増幅器109から出力された増幅信号と、排他的論理和演算器204から出力された受信用PN符号とを混合して、混合して得られた信号を相関信号として出力する。ここでは、スペクトルが拡散された増幅信号を逆拡散することで得られた26.4GHz±455kHzの相関信号が出力される。
【0170】
中間周波数バンドパスフィルタ214aは、中間周波数帯信号増幅器217aから出力されたI(同相)信号のうち、所定の周波数成分(数10kHz〜数100kHzの周波数成分)を通過させる。ここでは、一例として、中間周波数帯域幅が15kHzの周波数成分を通過させるとする。
【0171】
中間周波数バンドパスフィルタ214bは、中間周波数帯信号増幅器217bから出力されたQ(直交)信号のうち、所定の周波数成分(数10kHz〜数100kHzの周波数成分)を通過させる。ここでは、一例として、中間周波数帯域幅が15kHzの周波数成分を通過させるとする。
【0172】
周波数逓倍器216aは、発振器202から出力された高周波信号を所定の逓倍率で逓倍し、逓倍して得られた信号を送信用局部発振信号として出力する。ここでは、一例として、逓倍率を3とし、周波数8.8GHzの高周波信号を3逓倍して得られた周波数26.4GHzの送信用局部発振信号を出力する。
【0173】
周波数逓倍器216bは、発振器202から出力された高周波信号を所定の逓倍率で逓倍し、逓倍して得られた信号を受信用局部発振信号として出力する。ここでは、一例として、逓倍率を3とし、周波数8.8GHzの高周波信号を3逓倍して得られた周波数26.4GHzの受信用局部発振信号を出力する。
【0174】
中間周波数帯信号増幅器217aは、直交受信復調器112aから出力されたI(同相)信号を増幅し、増幅して得られた信号を出力する。
【0175】
中間周波数帯信号増幅器217bは、直交受信復調器112bから出力されたI(同相)信号を増幅し、増幅して得られた信号を出力する。
【0176】
例えば、発振器202、バランス型変調器203、周波数逓倍器216aが個別に基板上に実装されたとする。この場合において、基板(ICチップの実装ボード)の寄生成分により、周波数26.4GHzや周波数8.8GHzの高周波信号がバランス型変調器203の出力側にリークしてしまう。
【0177】
そこで、本実施の形態におけるレーダ装置200では、発振器202、バランス型変調器203、周波数逓倍器216aがMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)に1チップ化されている。
【0178】
図12は、本実施の形態におけるレーダ装置200のパッケージ構成を示す図である。図12に示されるように、発振器202、バランス型変調器203、周波数逓倍器216aがTX−MMIC218aに1チップ化されている。直交受信復調器112a,112b、90度移相器113、バランス型変調器210、周波数逓倍器216bがRX−MMIC218bに1チップ化されている。
【0179】
これによって、TX−MMIC218aとRX−MMIC218bとを結ぶ経路において、基板(ICチップの実装ボード)の寄生成分により、周波数26.4GHzや周波数8.8GHzの高周波信号などがリークすることを抑制することができる。また、TX−MMIC218aの出力側において、基板(ICチップの実装ボード)の寄生成分により、周波数26.4GHzや周波数8.8GHzの高周波信号などがリークすることを抑制することができる。
【0180】
次に、本実施の形態における周波数逓倍器216a,216bの構成について説明する。なお、周波数逓倍器216a,216bの回路構成は同一により、周波数逓倍器216aについてのみ説明し、周波数逓倍器216bについては説明を省略する。
【0181】
図13は、本実施の形態における周波数逓倍器216aの構成を示す図である。図13に示されるように、周波数逓倍器216aは、カスコード接続型の差動アンプ220を使用した3逓倍器で構成されている。
【0182】
ここでは、一例として、周波数逓倍器216aは、カスコード接続アンプ221,222、定電流源223、入力整合回路224、2倍波抑制回路225、高域通過型整合回路226を備える。カスコード接続アンプ221,222で差動アンプ220が構成されている。
【0183】
カスコード接続アンプ221は、カスコード接続されたエミッタ接地型GaAs HBTとベース接地型GaAs HBTとで構成されている。
【0184】
カスコード接続アンプ222は、カスコード接続されたエミッタ接地型GaAs HBTとベース接地型GaAs HBTとで構成されている。
【0185】
定電流源223は、カスコード接続アンプ221のエミッタ接地部のエミッタ端子に接続されている。また、カスコード接続アンプ222のエミッタ接地部のエミッタ端子に接続されている。
【0186】
入力整合回路224は、入力端子227a,227bに入力された差動信号に対して、周波数8.8GHzでインピーダンス整合が得られるように構成されている。
【0187】
2倍波抑制回路225は、カスコード接続アンプ221a,221bの各コレクタ電源供給部に接続されている。周波数17.6GHzで共振し、周波数8.8GHzの2倍波17.6GHzの高周波信号を抑制する。
【0188】
高域通過型整合回路226は、カスコード接続アンプ221a,221bの各出力部に接続されている。周波数18GHz以下の信号が通過しないように構成されている。さらに、周波数26.4GHzでインピーダンス整合が得られるように構成されている。
【0189】
なお、所望の出力電圧が得られない場合は、差動アンプを多段構成することにより、バランス型変調器203、直交受信復調器112a,112bが変調動作や復調動作を行うために十分な電圧を得ることができる。
【0190】
図14は、本実施の形態における周波数逓倍器216aの入出力特性を示す図である。図14に示されるように、周波数8.8GHzで入力電力0dBmの差動信号が周波数逓倍器216aに入力すると、周波数26.4GHzで出力電力−16dBmの差動信号が周波数逓倍器216aから出力される。このとき、周波数8.8GHzで出力電力−40dBmの差動信号も出力される。これにより、周波数8.8GHzで入力された差動信号と周波数8.8GHzで出力された差動信号とから、周波数8.8GHzに対しては、−40dBcの抑圧比が得られている。周波数8.8GHzで入力された差動信号と周波数26.4GHzで出力された差動信号とから、周波数26.4GHzに対しては、−24dBcの抑圧比が得られている。
【0191】
また、周波数逓倍器216aの出力側から入力側に対して、周波数26.4GHzの信号が逆流することも抑圧される。このため、バランス型変調器203と直交受信復調器112aとの間において、26.4GHzの信号に起因して漏洩することを抑制することができる。
【0192】
図15は、本実施の形態における周波数逓倍器216aから出力される差動信号の電圧波形を示す図である。図15に示されるように、周波数26.4GHzの周波数成分が含まれ、ポジティブ側信号と、ポジティブ側信号に対して180度の位相差を有したネガティブ側信号とから構成される差動信号が周波数逓倍器216aから出力される。
【0193】
なお、カスコード接続型の差動アンプ220を使用して周波数逓倍器216aを構成する場合は、3逓倍以上の奇数次の逓倍器で構成することが望ましい。これは、図16に示されるように、周波数逓倍器216aがカスコード接続型の差動アンプ220を使用して2逓倍器で構成されたとする。この場合において、図17に示されるように、2倍波の出力信号が同相になり、差動信号が得られないためである。
【0194】
図18は、本実施の形態における周波数逓倍器の具体的な構成を示す図である。図18に示されるように、差動信号のポジティブ信号を伝送する差動伝送部(位相0度)241aと、差動信号のネガティブ信号を伝送する差動伝送部(位相180度)241bとがGaAs基板上に形成されている。さらに、1対のカスコード接続アンプから構成される差動アンプが4段構成で形成されている。ここでは、差動アンプ220a,220b,220c,220dが形成されている。差動アンプ220aは、カスコード接続アンプ221a,222aから構成される。差動アンプ220bは、カスコード接続アンプ221b,222bから構成される。差動アンプ220cは、カスコード接続アンプ221c,222cから構成される。差動アンプ220dは、カスコード接続アンプ221d,222dから構成される。
【0195】
さらに、図19に示されるように、差動伝送部(位相0度)241aと差動伝送部(位相180度)241bとの間の中央部にビアホール242a,242b,242c,242dが形成されている。
【0196】
ここで、図20に示されるように、差動伝送部(位相0度)241aと差動伝送部(位相180度)241bとの中央部に、差動信号の伝送系の基準接地となる仮想接地243a,243b,243c,243dが形成されているとする。この場合において、差動信号の周波数が20GHz以上に高くなると、逓倍器内での信号の伝送に対する各段の基準接地インピーダンスに差が生じてしまい、接地状態にばらつきが生じる。このため、逓倍器の利得特性が劣化するという問題がある。
【0197】
また、図21に示されるように、差動伝送部(位相0度)241aと差動伝送部(位相180度)241bとの中央部に、差動信号の伝送方向に対して差動信号の伝送系の基準接地として、電気的に接続されている配線(仮想接地)244が形成されているとする。この場合において、この配線(仮想接地)244が、差動信号の周波数が20GHz以上に高くなると、インダクタンスとして機能してしまい、逓倍器内での信号の伝送に対する各段の基準接地インピーダンスに差が生じてしまい、接地状態にばらつきが生じる。このため、逓倍器の利得特性が劣化するという課題がある。また、接地用配線が回路形成面に形成されているため、差動信号の伝送に伴い、帰還電流が流れ、放射ノイズが増え、この放射ノイズがレーダ装置の動作に支障を来たすという問題もある。
【0198】
これに対して、本実施の形態では、ビアホール242aを介して、カスコード接続アンプ221aの仮想接地と、カスコード接続アンプ222aの仮想接地とがGaAs基板の裏面に形成された接地層と電気的に接続されている。ビアホール242bを介して、カスコード接続アンプ221bの仮想接地と、カスコード接続アンプ222bの仮想接地とがGaAs基板の裏面に形成された接地層と電気的に接続されている。ビアホール242cを介して、カスコード接続アンプ221cの仮想接地と、カスコード接続アンプ222cの仮想接地とがGaAs基板の裏面に形成された接地層とインダクタンスなどの寄生成分が低い状態で電気的に接続されている。ビアホール242dを介して、カスコード接続アンプ221dの仮想接地と、カスコード接続アンプ222dの仮想接地とがGaAs基板の裏面に形成された接地層と電気的に接続されている。
【0199】
具体的には、図22に示されるように、GaAs基板253aの裏面からGaAs基板253aとGaAs基板253aの表面に形成された絶縁層254aとを貫通するようにエッチングすることでビアホール251aが形成される。さらに、GaAs基板253aの裏面から、ビアホール251aの内部に亘って、回路素子接続用配線255aまで、接地層252aが形成される。
【0200】
ここでは、一例として、ビアホール251aが径70μmで形成されている。接地層252aが厚み5μmで、金メッキなどで形成されている。GaAs基板253aが厚み100μmで形成されている。絶縁層254aが厚み0.2μmで、窒化シリコンや酸化シリコンなどで形成されている。回路素子接続用配線255aが厚み3μmで、金メッキで形成されている。
【0201】
なお、図23に示されるように、絶縁層254bの表面から絶縁層254bとGaAs基板253bとを貫通してGaAs基板253bの裏面に形成された接地層252bまでエッチングすることでビアホール251bが形成される。さらに、絶縁層254bの表面から、ビアホール251bの内部に亘って、接地層252bまで、回路素子接続用配線255bが形成されるとしてもよい。
【0202】
この場合においては、一例として、ビアホール251bが径70μmで形成されている。接地層252bが厚み5μmで、金メッキなどで形成されている。GaAs基板253bが厚み100μmで形成されている。絶縁層254bが厚み0.2μmで、窒化シリコンや酸化シリコンなどで形成されている。回路素子接続用配線255bが厚み3μmで、金メッキで形成されている。
【0203】
なお、図24に示されるように、絶縁層254cの表面から絶縁層254cを貫通してGaAs基板253cの表面に形成された接地層252cまでエッチングすることでビアホール251cが形成される。さらに、絶縁層254cの表面から、ビアホール251cの内部に亘って、接地層252cまで、回路素子接続用配線255cが形成されるとしてもよい。
【0204】
この場合においては、一例として、ビアホール251cが径70μmで形成されている。接地層252cが厚み1.5μmで、蒸着金属チタン/金(Ti/Au)などで形成されている。GaAs基板253cが厚み100μmで形成されている。絶縁層254cが厚み0.2μmで、窒化シリコンや酸化シリコンなどで形成されている。回路素子接続用配線255cが厚み3μmで、金メッキで形成されている。
【0205】
なお、図25に示されるように、導電性のSi基板256dなどを使用するとする。そして、回路素子接続用配線255dまたは絶縁層253dの表面に形成された絶縁層254dを回路素子接続用配線255dまでエッチングすることでビアホール251dが形成される。さらに、絶縁層254dの表面から、ビアホール251dの内部に亘って、回路素子接続用配線255dまで、接地層252dが形成されるとしてもよい。
【0206】
この場合においては、一例として、ビアホール251dが径20μmで形成されている。接地層252dが厚み1.5μmで、蒸着金属チタン/金(Ti/Au)などで形成されている。絶縁層253dが厚み0.2μmで、窒化シリコンや酸化シリコンなどで形成されている。絶縁層254dが厚み8μmで、BCB(ベンゾシクロブテン)などで形成されている。回路素子接続用配線255dが厚み3μmで、金メッキで形成されている。Si基板256dが厚み100μmで形成されている。
【0207】
なお、このように形成された周波数逓倍器を有するMMICチップが実装ボードに実装されるにあたって、接地層252dが実装ボード側となるように実装されるとしてもよい。すなわち、接地層252dが回路素子接続用配線255dの下層になるように実装されるとしてもよい。これによって、回路素子接続用配線255dに高周波信号が伝送される際に、導電性あるいは高抵抗のSi基板による高周波損失を回避することができる。
【0208】
これらのいずれにおいても、逓倍器内で高周波信号が伝送されることで、各段の差動アンプにおける基準接地インピーダンスによる差が生じることを抑制することができる。さらに、良好な接地状態を実現できるため、逓倍器の利得特性の劣化を抑制することができる。
【0209】
例えば、図20や図21に示される逓倍器と比べれば、7〜8dB程度の向上が可能である。また、接地用配線が回路形成面と異なる層に形成されているため、差動信号の伝送に伴う帰還電流により生じる放射ノイズも抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明は、マイクロ波帯、ミリ波帯などの高周波で使用されるレーダ装置などとして、特に、高性能化、低消費電力化を要するレーダ装置などとして、利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】従来の形態における一つ目のレーダ装置の構成を示す図
【図2】従来の形態における一つ目の無線通信装置の送受信部分の構成を示す図
【図3】従来の形態における二つ目のレーダ装置の構成を示す図
【図4】従来の形態における二つ目の無線通信装置の送受信部分の構成を示す図
【図5】本発明に係わる第1の実施の形態におけるレーダ装置の構成を示す図
【図6】本発明に係わる第1の実施の形態における周波数逓倍器の構成を示す図
【図7】本発明に係わる第1の実施の形態におけるギルバートセル型ミキサの動作原理について、差動信号として矩形波が使用された場合の動作原理を示す図
【図8】本発明に係わる第1の実施の形態におけるギルバートセル型ミキサの動作原理について、差動信号として正弦波が使用された場合の動作原理を示す図
【図9】本発明に係わる第1の実施の形態における周波数逓倍器のアイソレーション特性とバイアス電圧依存性との関係を示す図
【図10】本発明に係わる第1の実施の形態の変形例における周波数逓倍器の構成を示す図
【図11】本発明に係わる第2の実施の形態におけるレーダ装置の構成を示す図
【図12】本発明に係わる第2の実施の形態におけるレーダ装置のパッケージ構成を示す図
【図13】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器の構成を示す図
【図14】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器の入出力特性を示す図
【図15】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器から出力される差動信号の電圧波形を示す図
【図16】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器を2逓倍器で構成した場合の構成を示す図
【図17】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器を2逓倍器で構成した場合の電圧波形を示す図
【図18】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器の具体的な回路構成を示す図
【図19】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器の具体的な回路構成を示す図
【図20】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器に対する一つ目の比較例を示す図
【図21】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器に対する二つ目の比較例を示す図
【図22】本発明に係わる第2の実施の形態における周波数逓倍器のビアホール部分の断面を示す図
【図23】本発明に係わる第2の実施の形態の第1の変形例における周波数逓倍器のビアホール部分の断面を示す図
【図24】本発明に係わる第2の実施の形態の第2の変形例における周波数逓倍器のビアホール部分の断面を示す図
【図25】本発明に係わる第2の実施の形態の第3の変形例における周波数逓倍器のビアホール部分の断面を示す図
【符号の説明】
【0212】
10 レーダ装置
11 中間周波数発振器
12 発振器
13 バランス型変調器
14 バランス型変調器
15 PN符号発生器
16 送信信号バンドパスフィルタ
17 送信アンテナ
18 受信アンテナ
19 低雑音増幅器
20 バランス型変調器
21 可変遅延器
22a,22b 直交受信復調器
31 発振器
32 周波数逓倍回路
33 送信用周波数変換部
34 受信用周波数変換部
41 発振器
42 アップコンバータ
43 ダウンコンバータ
44 アイソレータ
45 減衰器
46 分配器
51 発振器
52a,52b 逓倍器
53 ミキサ
54 変調器
100 レーダ装置
101 中間周波数発振器
102 発振器
103 バランス型変調器
104 バランス型変調器
105 PN符号発生器
106 送信信号バンドパスフィルタ
107 送信アンテナ
108 受信アンテナ
109 低雑音増幅器
110 バランス型変調器
111 可変遅延器
112a,112b 直交受信復調器
113 90度移相器
114a,114b 中間周波数バンドパスフィルタ
115a,115b ログアンプ
116a,116b 周波数逓倍器
117 分配器
118a,118b 設置個所
121 ギルバートセル型ミキサ
122 入力バッファ回路
123 出力バッファ回路
124 電源端子
125a,125b 入力端子
126a,126b バイアス端子
127a,127b 出力端子
131a,131b LO端子
132a,132b RF端子
133a,133b IF端子
141〜144 トランジスタ
151〜156 トランジスタ
162 ポリフェーズフィルタ
165a,165b 入力端子
166a,166b バイアス端子
200 レーダ装置
201 オフセットクロック
202 発振器
203 バランス型変調器
204 排他的論理和演算器
207 送信アンテナ
210 バランス型変調器
214a,214b 中間周波数バンドパスフィルタ
216a,216b 周波数逓倍器
217a,217b 中間周波数帯信号増幅器
218a TX−MMIC
218b RX−MMIC
220 差動アンプ
221,222 カスコード接続アンプ
223 定電流源
224 入力整合回路
225 2倍波抑制回路
226 高域通過型整合回路
234 入力整合回路
236 基本波カット回路
220a,220b,220c,220d 差動アンプ
221a,221b,221c,221d カスコード接続アンプ
222a,222b,222c,222d カスコード接続アンプ
241a 差動伝送部(位相0度)
241b 差動伝送部(位相180度)
242a,242b,242c,242d ビアホール
243a,243b,243c,243d 仮想接地
244 配線(仮想接地)
251a,251b,251c,251d ビアホール
252a,252b,252c,252d 接地層
253a,253b,253c GaAs基板
254a,254b,254c,253d,254d 絶縁層
255a,255b,255c,255d 回路素子接続用配線
256d Si基板
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成19年6月1日(2007.6.1)
【代理人】 【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守


【公開番号】 特開2008−8900(P2008−8900A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−146512(P2007−146512)