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【発明の名称】 送受信システムおよび送受信方法
【発明者】 【氏名】長谷川 賢治

【氏名】東陰地 賢

【氏名】小田桐 優

【氏名】下田代 雅文

【氏名】関 博司

【要約】 【課題】無線型伝送装置の存在位置を検知する。

【構成】外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間において、負荷変調方式に従って周波数13.56MHzの搬送波がやりとりされる。外部発信受信装置10は、送信信号(変調搬送波)を送信する。無線型伝送装置20は、外部発信受信装置10からの送信信号に応答して、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号(変調副搬送波成分)を順次出力する。複数の返信信号の各々は、ID情報とその返信信号の振幅レベルを示すレベル情報とを含む。また、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20からの返信信号を受信すると、その受信した返信信号の信号状態が所定条件を満たしており且つその返信信号の中からID情報およびレベル情報を検出できたならば、その検出したレベル情報に基づいて外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の通信距離を求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送波を送信するとともに送信データに基づいて搬送波を変調することにより送信信号を送信する外部発信受信装置と、前記外部発信受信装置からの搬送波を負荷変調する無線型伝送装置とが通信する送受信システムであって、
前記無線型伝送装置は、
前記外部発信受信装置からの搬送波を受信する一方、負荷変調時における搬送波の変調度が変更可能である第1の送受信部と、
前記第1の送受信部によって前記送信信号が受信されると、互いに異なる変調度を示す複数のレベル情報を順次出力するとともに返信情報を順次出力する第1の制御部と、
前記第1の制御部からの返信情報を受け取ると、当該返信情報に基づいて返信信号を生成し、生成した返信信号を供給する返信信号供給部と、
前記第1の制御部からのレベル情報を受け取ると、前記第1の送受信部における変調度を当該レベル情報に示された変調度に設定するレベル設定部とを備え、
前記第1の送受信部は、前記返信信号供給部からの返信信号に基づいて前記外部発信受信装置からの搬送波を負荷変調することにより、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信し、
前記外部発信受信装置は、
搬送波を供給するとともに送信データに基づいて搬送波を変調することにより送信信号を供給する送信信号供給部と、
前記送信信号供給部からの搬送波を送信する一方、前記外部発信受信装置における負荷変調によって送信された返信信号を受信する第2の送受信部と、
前記第2の送受信部によって受信された返信信号の受信状態を検知する状態検知部と、
前記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、当該返信信号が送信されたときの前記無線型伝送装置における変調度に基づいて当該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離を求める第2の制御部とを備える
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の制御部から出力される返信情報には、前記複数のレベル情報のうち当該返信情報とともに出力されるレベル情報が含まれており、
前記外部発信受信装置は、
前記第2の送受信部によって受信された返信信号の中から前記返信情報に含まれるレベル情報を検出する情報検出部をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、前記情報検出部によって検出されたレベル情報に示された変調度に基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の制御部は、前記第1の送受信部によって前記送信信号が受信された時点からの経過時間を計時し、当該経過時間に応じた変調度を示すレベル情報を出力し、
前記第2の制御部は、前記送信信号供給部によって送信信号が送信された時点からの経過時間を計時し、前記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときの経過時間に基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項4】
請求項1において、
前記送信信号供給部は、前記送信信号の送信を複数回実行し、
前記第1の制御部は、前記第1の送受信部による前記送信信号の受信回数を計数し、当該受信回数に応じた変調度を示すレベル情報を順次出力し、
前記第2の制御部は、前記送信信号供給部による送信信号の送信回数を計数し、前記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときの送信回数に基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか1つにおいて、
前記外部発信受信装置は、
前記第2の送受信部によって受信された返信信号の振幅レベルを既定レベルに増幅する受信増幅部をさらに備え、
前記状態検知部は、前記受信増幅部による返信信号の増幅度を測定し、
前記第2の制御部は、前記状態検知部によって測定された返信信号の増幅度が所定増幅度であると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項6】
請求項1から請求項4のうちいずれか1つにおいて、
前記状態検知部は、前記第2の送受信部によって受信された返信信号に発生している誤り箇所の個数を計数し、
前記第2の制御部は、前記状態検知部によって計数された誤り箇所数が所定数であると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項7】
請求項1から請求項4のうちいずれか1つにおいて、
前記状態検知部は、前記第2の送受信部によって受信された返信信号の振幅レベルを測定し、
前記第2の制御部は、前記状態検知部によって測定された振幅レベルが所定レベルであると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項8】
請求項5から請求項7のうちいずれか1つにおいて、
前記返信信号供給部は、前記第1の制御部からの返信情報を受け取ると、当該返信情報に対応し且つ振幅レベルの変動が連続する区間が設けられた返信信号を生成し、当該生成した返信信号を供給する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項9】
請求項1において、
所定内容物を収容し、且つ、当該内容物の内容量の増減に応じて前記通信距離が変化するように前記無線型伝送装置が設けられた収容容器をさらに備え、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記所定内容物の内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項10】
請求項1において、
液状である所定内容物が収容される収容容器と、
前記収容容器に収容された所定内容物の液面に浮遊する浮遊部材とをさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記浮遊部材の表面に設けられ、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記収容容器に収容された所定内容物の内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項11】
請求項1において、
所定内容物が収容される収容容器と、
前記収容容器の内部に配置され、且つ、当該収容容器に収容された所定内容物の内容量の増減に応じて移動する隔壁部材とをさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記隔壁部材に設けられ、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記収容容器に収容された所定内容物の内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項12】
請求項1において、
所定内容物が収容され、且つ、当該内容物の内容量の増減に応じて外形状が伸縮する収容容器をさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記収容容器の表面に設けられ、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記収容容器に収容された所定内容物の内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項13】
請求項9から請求項12のうちいずれか1つにおいて、
液体燃料を用いて発電する発電部を含む燃料電池ユニットをさらに備え、
前記収容容器は、前記発電部によって使用される液体燃料を収容し、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記収容容器に収容された液体燃料の内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項14】
請求項1において、
所定輸液を収容する輸液収容容器と、
前記輸液収容容器に収容された所定輸液の液面に浮遊する浮遊部材と、
前記輸液収容容器を取り付ける容器取付部とをさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記浮遊部材の表面に設けられ、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記輸液収容容器に収容された所定輸液の内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項15】
請求項1において、
プリンター用紙を収容する給紙トレーと、前記給紙トレーが挿入されて当該給紙トレーを収納するトレー収納部を有するプリンター本体とを含むプリンタをさらに備え、
前記給紙トレーは、給紙トレー本体と、前記給紙トレー本体の内部に配置され且つ前記プリンター用紙が載置される給紙板と、前記給紙トレーの挿入方向において前記給紙トレー本体の底面の一端部と前記給紙板の一端部とを連結し且つ前記給紙板を前記トレー本体の底面から離れる方向へ付勢する付勢部材とを含み、
前記無線型伝送装置は、前記給紙板の一端部に設けられ、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記給紙トレーに収容されたプリンター用紙の枚数を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項16】
請求項1において、
所定のインクを収容するインクカートリッジと、前記インクカートリッジに収容されたインクの液面に浮遊する浮遊部材と、前記インクカートリッジを内部に収納するカートリッジホルダー部を有するプリンター本体とを含むプリンタをさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記浮遊部材の表面に設けられ、
前記第2の制御部は、さらに、前記求めた通信距離に基づいて、前記インクカートリッジに収容されたインクの内容量を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項17】
請求項9から請求項12のうちいずれか1つにおいて、
前記無線型伝送装置は、
前記内容物に関する情報である内容物情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記第1の制御部は、さらに、前記記憶部に記憶された内容物情報を読み出し、読み出した内容物情報を前記返信情報に書き込み、
前記外部発信受信装置は、
前記第2の送受信部によって受信された返信信号から前記内容物情報を検出する情報検出部と、
前記第2の制御部によって求められた内容量および前記情報取得部によって取得された内容物情報のうち少なくとも一方を表示する表示部とをさらに備える
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項18】
搬送波を送信する外部発信受信装置と、搬送波を負荷変調し且つ負荷変調時における当該搬送波の変調度が変更可能である無線型伝送装置とによる送受信方法であって、
前記外部発信受信装置が、搬送波を送信するとともに送信データに基づいて搬送波を変調することにより送信信号を送信する送信ステップと、
前記無線型伝送装置が、前記送信ステップにおいて送信された搬送波を受信する搬送波受信ステップと、
前記搬送波受信ステップにおいて送信信号が受信されると、前記無線型伝送装置が、当該無線型伝送装置における変調度を順次変更するとともに、返信情報に基づいて返信信号を順次生成する生成ステップと、
前記無線型伝送装置が、前記生成ステップにおいて生成された返信信号に基づいて前記外部発信受信装置からの搬送波を負荷変調することによって、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信する返信ステップと、
前記外部発信受信装置が、前記返信ステップにおいて送信された返信信号を受信する返信信号受信ステップと、
前記返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号の受信状態を検知する状態検知ステップと、
前記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、当該返信信号が送信されたときの前記無線型伝送装置における変調度に基づいて前記外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離を求める算出ステップとを備える
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項19】
請求項18において、
前記生成ステップでは、前記無線型伝送装置が、当該無線型伝送装置における変調度を順次変更するとともに、当該変調度を示すレベル情報を含む返信情報に基づいて返信信号を順次生成し、
前記算出ステップでは、前記返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号の中から返信情報に含まれるレベル情報を検出し、前記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、前記検出されたレベル情報の変調度に基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項20】
請求項18において、
前記送信ステップにおいて前記送信信号の送信した時点からの経過時間を計時する送信経過時間計時ステップと、
前記搬送波受信ステップにおいて前記送信信号を受信した時点からの経過時間を計時する受信経過時間計時ステップとをさらに備え、
前記生成ステップでは、前記無線型伝送装置が、前記返信信号を順次生成するとともに、当該無線型伝送装置の変調度を前記受信経過時間計時ステップにおいて計時された経過時間に応じた変調度に設定し、
前記算出ステップでは、前記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときに前記送信経過時間計時ステップにおいて計時されている経過時間に基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項21】
請求項18において、
前記送信ステップでは、前記送信信号の送信を複数回実行するとともに、当該送信信号の送信回数を計数し、
前記搬送波受信ステップでは、前記送信ステップにおいて送信された搬送波を受信するとともに、前記送信信号の受信回数を計数し、
前記生成ステップでは、前記無線型伝送装置が、前記返信信号を順次生成するとともに、当該無線型伝送装置の変調度を前記搬送波受信ステップにおいて計数された受信回数に応じた変調度に設定し、
前記算出ステップでは、前記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときに前記送信ステップにおいて計数されている送信回数に基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項22】
請求項18から請求項21のうちいずれか1つにおいて、
前記返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号の振幅レベルを既定レベルに増幅する増幅ステップをさらに備え、
前記状態検知ステップでは、前記増幅ステップにおける返信信号の増幅度を測定し、
前記算出ステップでは、前記状態検知ステップにおいて測定された返信信号の増幅度が所定増幅度であると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項23】
請求項18から請求項21のうちいずれか1つにおいて、
前記状態検知ステップでは、前記返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号に発生している誤り箇所の個数を計数し、
前記算出ステップでは、前記状態検知ステップにおいて計数された誤り箇所数が所定数であると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項24】
請求項18から請求項21のうちいずれか1つにおいて、
前記状態検知ステップでは、前記返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号の振幅レベルを測定し、
前記算出ステップでは、前記状態検知ステップにおいて測定された返信信号の振幅レベルが所定レベルであると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、無線型伝送装置と外部発信受信装置とが通信する送受信システム,および無線型伝送装置と外部発信受信装置との間で実行される送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが無線周波数帯域の電波を利用して非接触にてデータ信号をやりとりする送受信システムが実用化されている。無線型伝送装置の代表例として、いわゆるRFID(Radio Frequency Identification)タグがある。RFIDタグは、無線タグとも呼ばれ、各種の周波数帯域で利用されている。
【0003】
例えば、13.56MHzを通信周波数としている無線タグ(所謂ICカード)では、外部発信受信装置(例えば、リーダライタ)と無線型伝送装置(例えば、無線タグ)との間で、次のような通信が実行される。ここでは、無線タグからの返信方式が負荷変調方式である場合について説明する。
【0004】
まず、リーダライタにおいて、送信データに基づいて13.56MHzの搬送波が振幅変調(Amplitude Shift Keying;ASK)されて、変調搬送波に応じた電磁波(またはマイクロ波)が送受信コイルから送信される。
【0005】
次に、無線タグにおいて、リーダライタからの電磁波が送受信コイルによって受信され、内部回路の動作用電源電力が生成される。無線タグの中には、電池のような駆動電源を備えるものもあり、その場合は、受信信号より駆動電力を生成しなくても良い。また、復調回路によってその変調搬送波から送信データが復元され、無線タグに搭載されたマイコンは、その送信データに従って返信データ(例えば、記憶部が記憶するデータ列)を読み出す。また、無縁タグの出力回路は、返信データに基づいて副搬送波(例えば、212KHzの副搬送波)を振幅変調し、その変調副搬送波に従って送受信コイルに対するインピーダンスを変化させる。
【0006】
一方、リーダライタは、一定振幅の搬送波に応じた電磁波を送信している。ここで、無線タグにおけるインピーダンス変化に応じて、リーダライタの送受信コイルに対するインピーダンスも変化する。これにより、リーダライタにおける搬送波が負荷変調されるので、無線タグから返信データに応じた副搬送波が送られたことになる。
【0007】
このようにして、リーダライタは、無線タグに記憶された情報を非接触で取得することができる。
【0008】
また、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが通信できる範囲は、外部発信受信装置からの信号(電波)の強弱によって決定される。つまり、従来の送受信システムでは、一定の通信可能範囲を確保するために、外部発信受信装置は、その通信可能範囲に応じて一定レベルの信号を送信するように設定されている。
【0009】
また、上記送受信システムは、様々な分野に適用することができる。例えば、収容容器に無線タグを取り付け、収容容器に収容された内容物(固体,液体,または気体)の特性に関するデータ(例えば、種類,濃度、製造年月日等)をその無線タグに記憶させる。このようにすれば、内容物に関する情報を非接触で容易に取得することができ、収容容器に収容された内容物を認識することができる。このような内容物の認識は、例えば、メタノール水溶液を直接燃料として発電するDMFC(直接メタノール型燃料電池)にとって必要となる。DMFCでは、円滑に発電し最大出力を得るために、燃料となるメタノール水溶液の濃度を管理することが重要である。
【特許文献1】特開平9−130999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の送受信システムでは、外部発信受信装置と無線型伝送装置との間において情報を非接触で必ず交換できることが前提になっている。つまり、無線型伝送装置が、通信可能範囲(外部発信受信装置と無線型伝送装置が通信可能な範囲)内に存在していることが前提になっている。したがって、無線型伝送装置が通信可能範囲内に存在しない場合については議論されていない。従来の送受信システムでは、外部発信受信装置からの信号に応じて無線型伝送装置が外部発信受信装置に交信するだけであり、無線型伝送装置の存在位置を検出するための工夫は、従来、提案されていない。
【0011】
また、液体や気体等の商品を収容容器に収容して取り扱う際に、収容容器に収容されている内容物の内容量を管理することが求められる場合が多い。例えば、DMFCにおいて、発電を継続させるためにはメタノール水溶液の残量を管理することが必要である。一般的に、内容物が液体の場合、内容量を管理する方法としては、内容物の導電性や誘電率に基づいて液面レベルを推計する方法や、超音波の反射を利用して液面レベルを推計する方法がある。しかしながら、液面レベルを推計するための回路の部品点数が多いので回路規模が大きくコストが高いので、実用性が低いと言う課題を有する。
【0012】
本発明は、無線型伝送装置の存在位置を検知することを目的とする。さらに詳しくは、本発明は、無線型伝送装置の存在位置を検知することによって内容量を管理することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の1つの局面に従うと、送受信システムでは、外部発信受信装置と、無線型伝送装置とが通信する。外部発信受信装置は、搬送波を送信するとともに、送信データに基づいて搬送波を変調することにより送信信号を送信する。無線型伝送装置は、外部発信受信装置からの搬送波を負荷変調する。無線型伝送装置は、第1の送受信部と、第1の制御部と、返信信号供給部と、レベル設定部とを備える。第1の送受信部は、外部発信受信装置からの搬送波を受信する。また、第1の送受信部は、負荷変調時における搬送波の変調度が変更可能である。第1の制御部は、第1の送受信部によって送信信号が受信されると、互いに異なる変調度を示す複数のレベル情報を順次出力するとともに返信情報を順次出力する。返信信号供給部は、第1の制御部からの返信情報を受け取ると、当該返信情報に基づいて返信信号を生成し、生成した返信信号を供給する。レベル設定部は、第1の制御部からのレベル情報を受け取ると、第1の送受信部における変調度を当該レベル情報に示された変調度に設定する。第1の送受信部は、さらに、返信信号供給部からの返信信号に基づいて外部発信受信装置からの搬送波を負荷変調することにより、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信する。上記外部発信受信装置は、送信信号供給部と、第2の送受信部と、状態検知部と、第2の制御部とを備える。送信信号供給部は、搬送波を供給するとともに送信データに基づいて搬送波を変調することにより送信信号を供給する。第2の送受信部は、送信信号供給部からの搬送波を送信する。また、第2の送受信部は、外部発信受信装置における負荷変調によって送信された返信信号を受信する。状態検知部は、第2の送受信部によって受信された返信信号の受信状態を検知する。第2の制御部は、状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、当該返信信号が送信されたときの上記無線型伝送装置における変調度に基づいて当該外部発信受信装置と上記無線型伝送装置との間の通信距離を求める。
【0014】
上記送受信システムでは、通信距離は、外部発信受信装置から送信される搬送波の送信レベル,返信信号の受信状態,および無線型伝送装置における変調度によって定めることができる。ここで、搬送波の送信レベルと返信信号の受信状態とが予め定められた状態になっている場合、第2の制御部は、変調度と通信距離との対応関係を考慮して、返信信号が送信されたときの変調度に基づいて通信距離を求めることができる。このように、無線型伝送装置までの距離を求めることができるので、無線型伝送装置の存在位置を検出することができる。
【0015】
好ましくは、上記第1の制御部から出力される返信情報には、上記複数のレベル情報のうち当該返信情報とともに出力されるレベル情報が含まれている。上記外部発信受信装置は、上記第2の送受信部によって受信された返信信号の中から上記返信情報に含まれるレベル情報を検出する情報検出部をさらに備える。上記第2の制御部は、上記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、情報検出部によって検出されたレベル情報に示された変調度に基づいて上記通信距離を求める。
【0016】
上記送受信システムでは、複数の返信信号の各々の振幅レベルは、その返信信号に含まれる変調度に対応する振幅レベルになっている。第2の制御部は、返信信号に含まれるレベル情報からその返信信号が送信されたときの変調度を把握することができる。
【0017】
好ましくは、上記第1の制御部は、上記第1の送受信部によって上記送信信号が受信された時点からの経過時間を計時し、当該経過時間に応じた変調度を示すレベル情報を出力する。上記第2の制御部は、上記送信信号供給部によって送信信号の送信した時点からの経過時間を計時し、上記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときの経過時間に基づいて上記通信距離を求める。
【0018】
上記送受信システムでは、無線型伝送装置は、送信信号を受信した後、所定のタイミングに従って変調度を更新することによって、複数の返信信号を順次送信する。第2の制御部は、経過時間を管理することによって、無線型伝送装置における変調度を把握することができる。
【0019】
好ましくは、上記送信信号供給部は、上記送信信号の送信を複数回実行する。上記第1の制御部は、上記第1の送受信部による上記送信信号の受信回数を計数し、当該受信回数に応じた変調度を示すレベル情報を順次出力する。上記第2の制御部は、上記送信信号供給部による送信信号の送信回数を計数し、上記状態検知部によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときの送信回数に基づいて上記通信距離を求める。
【0020】
上記送受信システムでは、無線型伝送装置は、送信信号を受信した回数に応じて変調度を更新することによって、複数の返信信号を順次送信する。第2の制御部は、送信信号の送信回数を管理することによって、無線型伝送装置における変調度を把握することができる。
【0021】
好ましくは、上記外部発信受信装置は、上記第2の送受信部によって受信された返信信号の振幅レベルを既定レベルに増幅する受信増幅部をさらに備える。上記状態検知部は、受信増幅部による返信信号の増幅度を測定する。上記第2の制御部は、上記状態検知部によって測定された返信信号の増幅度が所定増幅度であると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する。
【0022】
好ましくは、上記状態検知部は、上記第2の送受信部によって受信された返信信号に発生している誤り箇所の個数を計数する。上記第2の制御部は、上記状態検知部によって計数された誤り箇所数が所定数であると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する。
【0023】
好ましくは、上記状態検知部は、上記第2の送受信部によって受信された返信信号の振幅レベルを測定する。上記第2の制御部は、上記状態検知部によって測定された振幅レベルが所定レベルであると、当該返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する。
【0024】
好ましくは、上記返信信号供給部は、上記第1の制御部からの返信情報を受け取ると、当該返信情報に対応し且つ振幅レベルの変動が連続する区間が設けられた返信信号を生成し、当該生成した返信信号を供給する。
【0025】
上記送受信システムでは、状態検知部は、振幅レベルの変動が連続する区間において返信信号の受信状態を検知すると、正確な受信状態を取得することができる。これにより、返信信号の受信状態が所定条件を満たしているか否かを正確に判断することができる。
【0026】
また、振幅レベルの変動が連続する区間を有する返信信号を生成するために、例えば、上記返信信号供給部が、データ値が一定であるデータ列(測定用情報)を返信情報に連結し、搬送波から生成される副搬送波をその連結データ列に基づいて変調することによって返信信号を生成しても良い。これにより、返信信号のうち測定用情報に相当する区間では、返信信号の振幅レベルが連続して変動する。また、例えば、上記返信信号供給部が、ランダムなデータ値を示すデータ列を所定データ列に掛け合わせることによって、返信信号を生成しても良い。これにより、返信信号のうちランダムなデータ列が掛け合わされた区間では、返信信号の振幅レベルが連続して変動する。
【0027】
好ましくは、上記送受信システムは、収容容器をさらに備える。収容容器は、所定内容物を収容し、且つ、その内容物の内容量の増減に応じて上記通信距離が変化するように上記無線型伝送装置が設けられる。上記第2の制御部は、さらに、上記求めた通信距離に基づいて、所定内容物の内容量を求める。
【0028】
上記送受信システムでは、通信距離と内容量との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から内容量を導くことができる。これにより、収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。
【0029】
好ましくは、上記送受信システムは、液状である所定内容物が収容される収容容器と、収容容器に収容された所定内容物の液面に浮遊する浮遊部材とをさらに備える。上記無線型伝送装置は、上記浮遊部材の表面に設けられる。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、収容容器に収容された所定内容物の内容量を求める。
【0030】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて、浮遊部材は上下に移動する。また、内容量の変動に応じて通信距離も変化する。通信距離と内容量との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から内容量を導くことができる。これにより、収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の第2の送受信部を、上記浮遊部材の移動方向に対応する位置(例えば、浮遊部材の移動方向の延長線上)に配置すれば良い。
【0031】
好ましくは、上記送受信システムは、所定内容物が収容される収容容器と、隔壁部材とをさらに備える。隔壁部材は、収容容器の内部に配置され、且つ、収容容器に収容された所定内容物の内容量の増減に応じて移動する。上記無線型伝送装置は、上記隔壁部材に設けられる。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、収容容器に収容された所定内容物の内容量を求める。
【0032】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて、通信距離も変化する。通信距離と内容量との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から内容量を導くことができる。これにより、収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、上記外部発信受信装置の第2の送受信部を、上記隔壁部材の移動方向に対応する位置(例えば、隔壁部材の移動方向の延長線上)に配置すれば良い。
【0033】
好ましくは、上記送受信システムは、所定内容物が収容され、且つ、その内容物の内容量の増減に応じて外形状が伸縮する収容容器をさらに備える。上記無線型伝送装置は、上記収容容器の表面に設けられる。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、収容容器に収容された所定内容物の内容量を求める。
【0034】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて、通信距離も変化する。通信距離と内容量との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から内容量を導くことができる。これにより、収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、上記外部発信受信装置の第2の送受信部を、収容容器の伸縮方向に対応する位置(例えば、伸縮方向の延長線上)に配置すれば良い。
【0035】
好ましくは、上記送受信システムは、液体燃料を用いて発電する発電部を含む燃料電池ユニットをさらに備える。上記収容容器は、発電部によって使用される液体燃料を収容する。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、上記収容容器に収容された液体燃料の内容量を求める。
【0036】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された液体燃料の内容量を管理することができる。
【0037】
好ましくは、上記送受信システムは、所定輸液を収容する輸液収容容器と、輸液収容容器に収容された所定輸液の液面に浮遊する浮遊部材と、輸液収容容器を取り付ける容器取付部とをさらに備える。上記無線型伝送装置は、上記浮遊部材の表面に設けられる。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、輸液収容容器に収容された所定輸液の内容量を求める。
【0038】
上記送受信システムでは、輸液収容容器に収容された輸液の内容量の増減に応じて、浮遊部材は上下に移動する。また、内容量の変動に応じて通信距離も変化する。通信距離と内容量との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から内容量を導くことができる。これにより、輸液収容容器に収容された輸液の内容量を管理することができる。通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の第2の送受信部を、浮遊部材の移動方向に対応する位置(例えば、容器取付スタンドの容器取付部分)に設置すれば良い。
【0039】
好ましくは、上記送受信システムは、プリンタをさらに備える。プリンタは、プリンター用紙を収容する給紙トレーと、プリンタ本体とを含む。プリンタ本体は、給紙トレーが挿入されてその給紙トレーを収納するトレー収納部を有する。上記給紙トレーは、給紙トレー本体と、給紙板と、付勢部材とを含む。給紙板は、給紙トレー本体の内部に配置され且つプリンター用紙が載置される。付勢部材は、給紙トレーの挿入方向において給紙トレー本体の底面の一端部と給紙板の一端部とを連結し且つ給紙板をトレー本体の底面から離れる方向へ付勢する。上記無線型伝送装置は、上記給紙板の一端部に設けられる。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、給紙トレーに収容されたプリンター用紙の枚数を求める。
【0040】
上記送受信システムでは、プリンター用紙の枚数が減少すると、バネの復元力により、給紙板の一端部がトレー本体の底面から離れる方向へ移動する。これにより、通信距離も変化する。通信距離と用紙枚数との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から用紙枚数を導くことができる。これにより、給紙トレーに収容されたプリンター用紙の枚数を管理することができる。通信距離と用紙枚数との関係を一義的にするためには、例えば、上記外部発信受信装置の第2の送受信部を、給紙板の移動方向に対応する位置(例えば、トレー収納部の上面部)に設置すれば良い。
【0041】
好ましくは、上記送受信システムは、プリンタをさらに備える。プリンタは、所定のインクを収容するインクカートリッジと、インクカートリッジに収容されたインクの液面に浮遊する浮遊部材と、インクカートリッジを内部に収納するカートリッジホルダー部を有するプリンター本体とを含む。上記無線型伝送装置は、上記浮遊部材の表面に設けられる。上記第2の制御部は、上記求めた通信距離に基づいて、インクカートリッジに収容されたインクの内容量を求める。
【0042】
上記送受信システムでは、インクカートリッジに収容されたインクの内容量の増減に応じて、浮遊部材は上下に移動する。また、内容量の変動に応じて通信距離も変化する。通信距離と内容量との関係を考慮すれば、制御部は、通信距離から内容量を導くことができる。これにより、インクカートリッジに収容されたインクの内容量を管理することができる。通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の第2の送受信部を、浮遊部材の移動方向に対応する位置に設置すれば良い。
【0043】
好ましくは、上記無線型伝送装置は、上記内容物に関する情報である内容物情報を記憶する記憶部をさらに備える。上記第1の制御部は、上記レベル情報と記憶部に記憶された内容物情報を読み出し、読み出した内容物情報を上記返信情報に書き込む。上記情報取得部は、さらに、上記第2の送受信部によって受信された返信信号から内容物情報を検出する。上記外部発信受信装置は、上記第2の制御部によって求められた内容量および上記情報取得部によって取得された内容物情報のうち少なくとも一方を表示する表示部をさらに備える。
【0044】
上記送受信システムでは、内容物の内容量や、内容物に関する情報を可視的に管理するすることができる。
【0045】
この発明のもう1つの局面に従うと、送受信方法は、搬送波を送信する外部発信受信装置と、搬送波を負荷変調し且つ負荷変調時における当該搬送波の変調度が変更可能である無線型伝送装置とによって実行される。送受信方法は、送信ステップと、搬送波受信ステップと、生成ステップと、返信ステップと、返信信号受信ステップと、状態検知ステップと、算出ステップとを備える。送信ステップでは、外部発信受信装置が、搬送波を送信するとともに送信データに基づいて搬送波を変調することにより送信信号を送信する。搬送波受信ステップでは、無線型伝送装置が、送信ステップにおいて送信された搬送波を受信する。生成ステップでは、搬送波受信ステップにおいて送信信号が受信されると、無線型伝送装置が、当該無線型伝送装置における変調度を順次変更するとともに、返信情報に基づいて返信信号を順次生成する。返信ステップでは、無線型伝送装置が、生成ステップにおいて生成された返信信号に基づいて外部発信受信装置からの搬送波を負荷変調することによって、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信する。返信信号受信ステップでは、外部発信受信装置が、返信ステップにおいて送信された返信信号を受信する。状態検知ステップでは、返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号の受信状態を検知する。算出ステップでは、状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、当該返信信号が送信されたときの無線型伝送装置における変調度に基づいて外部発信受信装置と無線型伝送装置との間の通信距離を求める。
【0046】
好ましくは、上記生成ステップでは、上記無線型伝送装置が、当該無線型伝送装置における変調度を順次変更するとともに、当該変調度を示すレベル情報を含む返信情報に基づいて返信信号を順次生成する。上記算出ステップでは、上記返信信号受信ステップにおいて受信された返信信号の中から返信情報に含まれるレベル情報を検出し、上記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると、上記検出されたレベル情報の変調度に基づいて上記通信距離を求める。
【0047】
好ましくは、上記送受信システムは、送信経過時間計測ステップと、受信経過時間測定ステップとをさらに備える。送信経過時間計測ステップでは、上記送信ステップにおいて上記送信信号の送信した時点からの経過時間を計時する。受信経過時間測定ステップでは、上記搬送波受信ステップにおいて上記送信信号を受信した時点からの経過時間を計時する。上記生成ステップでは、上記無線型伝送装置が、上記返信信号を順次生成するとともに、当該無線型伝送装置の変調度を受信経過時間計時ステップにおいて計時された経過時間に応じた変調度に設定する。上記算出ステップでは、上記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときに上記送信経過時間計測ステップにおいて計時されている経過時間に基づいて上記通信距離を求める。
【0048】
好ましくは、上記送信ステップでは、上記送信信号の送信を複数回実行するとともに、当該送信信号の送信回数を計数する。上記搬送波受信ステップでは、上記送信ステップにおいて送信された搬送波を受信するとともに、上記送信信号の受信回数を計数する。上記生成ステップでは、上記無線型伝送装置が、上記返信信号を順次生成するとともに、当該無線型伝送装置の変調度を上記搬送波受信ステップにおいて計数された受信回数に応じた変調度に設定する。上記算出ステップでは、上記状態検知ステップにおいて検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断したときに上記送信ステップにおいて計数されている送信回数に基づいて上記通信距離を求める。
【発明の効果】
【0049】
以上のように、外部発信受信装置と無線型伝送装置と間の通信距離を求めることができるので、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、所定の収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0051】
(第1の実施形態)
<全体構成>
図1は、この発明の第1の実施形態による送受信システムの全体構成を示す。このシステムでは、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間において、負荷変調方式に従って所定周波数(ここでは、13.56MHz)の搬送波がやりとりされる。外部発信受信装置10は、例えばリーダ・ライタである。無線型伝送装置20は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグであり、自己に固有のデータ列であるID情報を記憶している。
【0052】
外部発信受信装置10は、搬送波を送信する。また、外部発信受信装置10は、ID情報の返信を指示する命令を含む情報に基づいて、搬送波を振幅変調する。つまり、外部発信受信装置10は、ID情報の返信を指示する命令を含む送信信号を送信する。
【0053】
無線型伝送装置20は、外部発信受信装置10からの送信信号に応答して、所定情報(例えば、ID情報)に基づいて外部発信受信装置10からの搬送波を負荷変調する。この負荷変調によって、所定情報に相当する成分が搬送波に重畳される。すなわち、所定情報に相当する成分が送信されたことになる。また、無線型伝送装置20は、「搬送波の振幅レベル」に対する「負荷変調による搬送波の振幅レベルの変動量(負荷変調量)」の割合(搬送波の変調度)を順次変更する。変調度の変更は、無線型伝送装置20における変調時のインピーダンスと非変調時のインピーダンスとの差(インピーダンス変化量)を調整することによって実現される。つまり、無線型伝送装置20は、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次出力する。複数の返信信号の各々の振幅レベルは、その返信信号が送信されたときの無線型伝送装置20における変調度に対応する。
【0054】
また、外部発信受信装置10は、負荷変調された搬送波の中から所定情報に相当する成分を抽出することによって、所定情報(返信信号)を取得する。外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20からの返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断する(返信信号の受信を感知する)と、その返信信号が送信されたとき無線型伝送装置20における変調度に基づいて、通信距離を求める。通信距離は、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の距離に相当する。
【0055】
<信号レベルと通信距離との関係>
ここで、信号レベルと通信距離との関係について説明する。
【0056】
図2は、通信距離と無線型伝送装置20が受信する搬送波の振幅レベル(送信信号の受信レベル)との関係を示す。図2のように、送信側の装置が送信する信号の振幅レベル(送信レベル)が大きくなる程、受信側の装置が受信する信号の振幅レベル(受信レベル)は大きくなる。また、送信側の装置と受信側の装置との間の距離が長くなる程、受信レベルは小さくなる。信号の送信レベルの増加に伴い、信号の受信レベルと通信距離との関係は、「曲線A」,「曲線B」,「曲線C」と順番に変化する。また、送信レベルが一定である場合、受信レベルと通信距離との関係は、例えば曲線Aのようになる。この場合、通信距離が「D1」,「D2」,「D3」と増加するほど、信号の受信レベルは「L1」,「L2」,「L3」と減少する。
【0057】
負荷変調方式では、無線型伝送装置20のインピーダンス変化量が大きくなる程、負荷変調による搬送波の振幅変調量は大きくなる。すなわち、変調度が大きくなる程、返信信号の送信レベルが大きくなる。また、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の距離が大きくなる程、外部発信受信装置10によって感知される負荷変調量は小さくなる。すなわち、通信距離が長くなる程、返信信号の受信レベルは小さくなる。
【0058】
以上より、「通信距離」は、「外部発信受信装置10から送信される搬送波の振幅レベル(搬送波の送信レベル)」,「無線型伝送装置20における変調度」,および「外部発信受信装置10が感知する搬送波の負荷変調量(返信信号の受信レベル)」の関数として表現することができる。ここで、「搬送波の送信レベル」と「返信信号の受信レベル」とが予め定められた固定値になっているとすると、「変調度」と「通信距離」との対応関係を一義的に決定することができる。
【0059】
また、負荷変調方式では、外部発信受信装置10において振幅レベルが微弱である返信信号を適切に処理できるように、外部発信受信装置10において返信信号の振幅レベルが既定レベルに増幅される。この場合、返信信号の振幅レベルが小さい程、外部発信受信装置10における返信信号の増幅度は、大きくなる。
【0060】
以上より、「通信距離」は、「搬送波の送信レベル」,「無線型伝送装置20における変調度」,および「外部発信受信装置10における返信信号の増幅度」の関数として表現することができる。ここで、「搬送波の送信レベル」と「増幅度」とが予め定められた固定値になっているとすると、「変調度」と「通信距離」との対応関係を一義的に決定することができる。
【0061】
<誤り箇所数と通信距離との関係>
次に、信号の誤り箇所数と通信距離との対応関係について説明する。
【0062】
図3Aは、信号の送信レベルが一定である場合における「通信距離」と「通信S/N」との関係を示す。上述のように、信号の送信レベルが一定である場合、通信距離が長くなる程、信号の受信レベルは小さくなる。ここで、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との通信経路におけるノイズが一定であるとすると、通信距離が長くなる程、通信S/Nは小さくなり、受信側の装置が受信する信号に誤り箇所が発生しやすくなる。
【0063】
図3Bは、信号の送信レベルが一定である場合における「誤り率(受信側の装置が受信する信号における誤り率)」と「通信S/N」との関係を示す。信号の送信レベルが一定である場合、通信S/Nは小さくなる程、受信側の装置が受信する信号における誤り率が高くなる。
【0064】
図3Cは、信号の送信レベルが一定である場合における「誤り箇所数(受信側の装置が受信する信号に発生する誤り箇所の個数)」と「通信距離」との関係を示す。図3A,図3Bより、通信距離が長くなる程、受信側の装置が受信する信号における誤り箇所数は多くなる。
【0065】
以上より、「通信距離」は、「搬送波の送信レベル」,「無線型伝送装置20における変調度」,および「外部発信受信装置10が受信する返信信号における誤り箇所数」の関数として表現することができる。ここで、「搬送波の送信レベル」と「誤り箇所数」とが予め定められた固定値になっていると、「変調度」と「通信距離」の対応関係を一義的に決定することができる。
【0066】
以上をまとめると、「通信距離」は、「搬送波の送信レベル」,「無線型伝送装置20における変調度」,および「返信信号の受信状態」の関数として表現することができる。ここで、「搬送波の送信レベル」と「返信信号の受信状態」とが予め定められた状態になっていると、「変調度」と「通信距離」の対応関係を一義的に決定することができる。
【0067】
<外部発信受信装置の内部構成>
図4は、図1に示した外部発信受信装置10の内部構成を示す。外部発信受信装置10は、制御部11と、送信信号供給部12と、送受信部13と、復号部14と、信号状態検知部15とを備える。
【0068】
制御部11は、例えばマイコンであり、ホストコンピュータからの情報取得命令を受けると、ID返信命令情報を出力する。ID返信命令情報は、無線型伝送装置20に返信信号を送信させる命令を示すデータ列である。
【0069】
送信信号供給部12は、制御部11からのID返信命令情報に基づいて、搬送波(ここでは、振幅レベル100V,周波数13.56MHz)を振幅変調する。すなわち、送信信号供給部12は、ID返信命令情報を含む送信信号を供給する。また、制御部11は、送信信号供給部12による変調搬送波の供給が完了すると、送信信号供給部に一定振幅の搬送波(ここでは、振幅レベル100V,周波数13.56MHzの搬送波)を供給させる。
【0070】
送受信部13は、同調コンデンサC1と、直列抵抗R1と、送受信コイルL1とを含む。送受信コイルL1は、送信信号供給部12から供給された搬送波(送信信号,一定振幅搬送波)に応じた電磁波を送信する。すなわち、送受信部13が送信信号(または、一定振幅搬送波)を送信する。また、無線型伝送装置20において負荷変調が実行されると、送受信部13において所定情報に相当する成分が一定振幅搬送波に重畳される。すなわち、送受信部13は、無線型伝送装置20からの返信信号を受信する。ここでは、返信信号には、無線型伝送装置に固有のID情報と、返信信号が送信されたときの無線型伝送装置20における変調度を示すレベル情報とが含まれている。
【0071】
復号部14は、負荷変調された搬送波の中から返信信号に相当する成分を抽出する。また、復号部14は、抽出した返信信号に対して振幅レベルの増幅,復調化,復号化を実行して返信情報を生成し、生成した返信情報の中からID情報およびレベル情報を検出する。
【0072】
信号状態検知部15は、送受信部13によって受信された返信信号の受信状態(返信信号の増幅度,返信信号の誤り箇所数,返信信号の受信レベル等)を検知する。
【0073】
また、制御部11は、信号状態検知部15によって検知された返信信号の受信状態が所定条件を満たしているか否かの判断,復号部14によるID情報の検出の有無,および復号部14によるレベル情報の検出の有無に基づいて、返信信号の受信の有無を判定する。
【0074】
さらに、制御部11は、「受信有り」と判定すると、返信信号が送信されたときの無線型伝送装置20における変調度に基づいて、通信距離を求める。ここでは、制御部11は、変調度と通信距離との対応関係を示すレベル情報対応テーブルを有しており、「受信有り」と判定すると、レベル情報対応テーブルの中から復号部14によって検出されたレベル情報に対応する通信距離を選択する。制御部11は、求めた通信距離と復号部14によって検出されたID情報とを含む測定結果情報をホストコンピュータへ出力する。
【0075】
<レベル情報対応テーブル>
図5は、レベル情報対応テーブルの一例を示す。レベル情報対応テーブルは、外部発信受信装置10から送信される搬送波の送信レベルが固定レベルであり且つ外部発信受信装置10が感知する返信信号の受信状態が固定である場合における「変調度」と「通信距離」との対応関係を示す。ここで、返信信号の受信状態が固定である場合とは、例えば、返信信号の増幅度が固定値である場合,返信信号の受信レベルが固定レベルである場合,または返信信号における誤り箇所数が固定数である場合を意味する。レベル情報対応テーブルにおいて、変調度が高くなる程、その変調度に対応する通信距離は長くなる。
【0076】
レベル情報対応テーブルは、例えば、次のような手順に従って作成される。
[ステップ1]:外部発信受信装置10が送信する搬送波の振幅レベルを固定レベルに設定するとともに、外部発信受信装置10における返信信号の受信状態が満たすべき所望条件(例えば、返信信号の所望増幅度)を決定する。
[ステップ2]:無線型伝送装置20における変調度を固定値に設定する。
[ステップ3]:通信距離を調整しながら外部発信受信装置10における返信信号の受信状態(例えば、外部発信受信装置10における返信信号の増幅度)を監視する。
[ステップ4]:外部発信受信装置10における返信信号の受信状態が[ステップ1]において決定した所望条件を満たしているときの通信距離を[ステップ2]において設定した変調度に対応付ける。
【0077】
<<送信信号供給部の内部構成>>
図6は、図4に示した送信信号供給部12の内部構成を示す。送信信号供給部12は、符号化処理部101と、誤り訂正符号付加部102と、送信データ生成部103と、変調回路104とを含む。
【0078】
符号化処理部101は、制御部11からのID返信命令情報を符号化して、送信データを生成する。
【0079】
誤り訂正符号付加部102は、符号化処理部101によって生成された送信データに対して所定演算を実行して、誤り訂正符号を生成する。誤り訂正符号は、例えば、リードソロモン符号である。その後、誤り訂正符号付加部102は、生成した誤り訂正符号を送信データに付加する。
【0080】
送信データ生成部103は、誤り訂正符号付加部102からの送信データ(誤り訂正符号が付加された送信データ)に対して、ヘッダを付加する。ヘッダには、同期信号や通信開始識別子が含まれる。
【0081】
変調回路104は、送信データ生成部103からの送信データ(ヘッダが付加された送信データ)に基づいて搬送波を変調する。例えば、変調回路104は、送信データ生成部103からの送信データのデータ値が「1」である期間では振幅レベルが高い搬送波(例えば、振幅レベルが100Vである搬送波)を送受信部13へ供給し、送信データのデータ値が「0」である期間では振幅レベルが比較的低い搬送波(例えば、振幅レベルが90Vである搬送波)を送受信部13へ供給する。なお、この搬送波は、発振器(図示せず)等によって生成される。このようにして、変調回路104は、変調搬送波を送受信部13へ供給する。送受信部13は、変調搬送波に応じた電磁波を送信する。
【0082】
また、変調回路104は、送信データ生成部103からの送信データの出力が完了すると制御部11からの制御を受けて、一定振幅搬送波を供給する。これにより、送受信部13は、一定振幅搬送波に応じた電磁波を送信する。
【0083】
<<復号部および信号状態検知部の内部構成>>
図7は、図4に示した復号部14および信号状態検知部15の内部構成を示す。復号部14は、受信増幅回路105と、復調回路106と、誤り訂正回路107と、復号化処理部108と、情報検出部109とを含む。信号状態検知部15は、増幅度演算部110と、誤り箇所計数回路111とを含む。
【0084】
受信増幅回路105は、送受信部13において負荷変調された搬送波の中から所定情報に相当する成分(返信信号)を抽出する。ここでは、受信増幅回路105は、所定の周波数帯域(ここでは、返信データのデータ値「1」に相当する周波数帯域であり、13.56MHz±212kHz)を抽出する。
【0085】
また、受信増幅回路105は、抽出した返信信号の振幅レベルを既定レベルに増幅する。例えば、受信増幅回路105は、送信信号供給部12によって供給される一定振幅の搬送波の送信レベルを基準として、返信信号を増幅する。また、例えば、受信増幅回路105は、搬送波の振幅レベルに関わらず、返信信号の振幅レベルを常に1Vp-pの一定振幅になるように自動調整しても良い。
【0086】
復調回路106は、受信増幅回路105によって増幅された返信信号を復調して、返信データを生成する。なお、この返信データには、ヘッダと誤り訂正符号とが付加されている。
【0087】
誤り訂正回路107は、復調回路106からの返信データに付加された誤り訂正符号を用いて、返信データに対して誤り訂正処理を実行する。
【0088】
復号化処理部108は、誤り訂正回路107によって訂正処理が実行された返信データを復号化して、返信情報を生成する。ここでは、返信情報には、無線型伝送装置20のID情報とレベル情報とが含まれる。
【0089】
情報検出部109は、復号化処理部108によって生成された返信情報の中からID情報およびレベル情報を検出する。
【0090】
増幅度演算部110は、受信増幅回路105における返信信号の増幅度を求める。例えば、増幅度演算部110は、送信信号供給部12によって供給された「一定振幅搬送波の振幅レベル」に対する「増幅前の返信信号の振幅レベル(受信増幅回路105で抽出された返信信号の振幅レベル)」の割合を数値化する。また、例えば、増幅度演算部110は、振幅レベル1Vp-pに対する増幅前の返信信号の振幅レベルの割合を数値化する。
【0091】
誤り箇所計数回路111は、誤り訂正回路107によって誤り訂正される返信データに発生している誤り箇所の個数を計数する。
【0092】
<無線型伝送装置の内部構成>
図8は、図1に示した無線型伝送装置20の内部構成を示す。無線型伝送装置20は、記憶部21と、送受信部22と、電圧生成部23と、復号部24と、制御部25と、返信信号供給部26と、レベル設定部27とを備える。
【0093】
記憶部21は、例えばEEPROMであり、この無線型伝送装置20に固有のID情報を示すデータ列を記憶する。
【0094】
送受信部22は、送受信コイルL2と、同調コンデンサC2と、可変抵抗R2と、スイッチSWとを含む。送受信コイルL2が外部発信受信装置10からの電磁波を受信すると、電磁誘導により送受信部22には電磁波に応じた交流電圧が発生する。すなわち、送受信部22は、外部発信受信装置10からの送信信号を受信する。
【0095】
電圧生成部23は、整流ダイオードD3と、平滑コンデンサC3と、ツェナーダイオードZDとを含む。電圧生成部23は、送受信部22に発生している交流電圧を用いて、無線型伝送装置20内の各ブロックを駆動させる駆動電圧を生成する。詳しくは、送受信部22において発生した交流電圧が電圧生成部23に入力されると、整流ダイオードD3および平滑コンデンサC3は、交流電圧を整流して直流電圧を生成する。また、ツェナーダイオードZDは、整流ダイオードD3と平滑コンデンサC2によって生成された直流電圧が所定レベルになるように直流電圧の電圧レベルを制限する。ツェナーダイオードZDは、直流電圧の電圧レベルが所定の上限レベルよりも高いときにはその上限レベル以下になるように電圧レベルを抑制する。このようにして、駆動電圧が生成されて、無線型伝送装置10内の各ブロックが駆動する。また、駆動電圧の電圧レベルを所定範囲内に収めることができ、電圧が高すぎて各ブロックが破壊されることを防止することができる。
【0096】
復号部24は、送受信部22によって受信された送信信号を復調化および復号化して、ID返信命令情報を生成する。
【0097】
制御部25は、復号部24によって生成されたID返信命令情報に従って記憶部21に記憶されたID情報を読み出す。そして、制御部25は、互いに異なる変調度(例えば、可変抵抗R2の抵抗値)を示す複数のレベル情報をレベル設定部27へ順次出力するとともに、レベル情報と記憶部21から読み出したID情報とを含む複数の返信情報を返信信号供給部26へ順次出力する。詳しくは、制御部25は、レベル情報および返信情報の出力を完了すると、レベル情報に示された変調度を更新する。すなわち、制御部25は、送受信部22による送信信号の受信を感知すると、返信情報を出力するとともに、互いに異なる変調度を示す複数のレベル情報を順次出力する。
【0098】
返信信号供給部26は、制御部25によって生成された返信情報に基づいて、搬送波に重畳すべき成分を供給する。ここでは、返信信号供給部26は、副搬送波(ここでは、212kHz(=13.56MHz/64))を変調し、変調副搬送波を供給する。すなわち、返信信号供給部26は、返信情報(レベル情報およびID情報)に対応する返信信号を供給する。なお、副搬送波は、例えば、無線型伝送装置20内の副搬送波生成部(図示せず)によって生成される。副搬送波生成部は、送受信部22によって受信された搬送波からクロック信号を生成し、そのクロック信号を分周することによって副搬送波を生成する。
【0099】
レベル設定部27は、送受信部22における変調度が制御部25から出力されたレベル情報に示された変調度になるように、可変抵抗R2の抵抗値を設定する。これにより、送受信部22における負荷変調による搬送波の振幅変調量も変化する。すなわち、レベル設定部27は、レベル情報に示された変調度に基づいて、返信信号の振幅レベルを設定する。
【0100】
また、送受信部22では、スイッチSWは、返信信号供給部26からの返信信号に応じてオン/オフする。スイッチSWがオン/オフすることによって送受信部22のインピーダンスが変化して、送受信部22において搬送波が負荷変調される。これにより、返信信号に相当する成分が搬送波に重畳される。また、搬送波の負荷変調量は、インピーダンス変化量(ここでは、可変抵抗R2の抵抗値)によって定まる。すなわち、送受信部22は、レベル設定部27によって振幅レベルが設定された返信信号を送信する。ここでは、返信信号の各々には、その返信信号が送信されたときの変調度を示すレベル情報が含まれる。
【0101】
<<復号部の内部構成>>
図9は、図8に示した復号部24の内部構成を示す。復号部24は、復調回路201と、誤り訂正回路202と、復号化処理部203とを含む。
【0102】
復調回路201は、送受信部22によって受信された送信信号を復調して、送信データを生成する。なお、この送信データには、ヘッダと誤り訂正符号とが付加されている。
【0103】
誤り訂正回路202は、復調回路201によって生成された送信データに付加された誤り訂正符号を用いて、送信データに対して誤り訂正処理を実行する。
【0104】
復号化処理部203は、誤り訂正回路202によって訂正処理が実行された送信データを復号化して、ID返信命令情報を生成する。ID返信情報命令は、制御部25に供給される。
【0105】
<<返信信号供給部の内部構成>>
図10は、図8に示した返信信号供給部26の内部構成を示す。返信信号供給部26は、符号化処理部204と、誤り訂正符号付加部205と、返信データ生成部206と、変調回路207とを含む。
【0106】
符号化処理部204は、制御部25からの返信情報を符号化して、返信データを生成する。
【0107】
誤り訂正符号付加部205は、符号化処理部204によって生成された返信データに対して所定演算を実行して、誤り訂正符号を生成する。そして、誤り訂正符号付加部205は、生成した誤り訂正符号を返信データに付加する。
【0108】
返信データ生成部206は、誤り訂正符号付加部205からの返信データ(誤り訂正符号が付加された返信データ)に対して、ヘッダを付加する。ヘッダには、同期信号や通信開始識別子が含まれる。
【0109】
変調回路207は、返信データに基づいて、送受信部22のスイッチSWをオン/オフする。例えば、スイッチSWは、変調回路207からの出力が「Hレベル」である場合ではオンになり、変調回路207からの出力が「Lレベル」である場合にはオフになる。ここでは、変調回路207は、返信データ生成部206からの返信データのデータ値が「1」である期間では送受信部22のスイッチSWを特定の周波数(ここでは、212kHzの副搬送波)でオン/オフし、返信データのデータ値が「0」である期間ではスイッチSWをオフにする。つまり、この場合、変調回路207は、返信データに基づいて副搬送波を変調し、変調副搬送波を返信信号として送受信部22のスイッチSWへ供給する。
【0110】
例えば、図11A〜図11Cのように、無線型伝送装置20において、副搬送波(図11A)は、返信データ(図11B)に基づいて変調されて、変調副搬送波(図11C)になる。また、図11D,図11Eのように、送受信部22のスイッチSWが変調副搬送波に応じてオン/オフすることによって搬送波(図11D)が負荷変調されて、変調副搬送波に相当する成分が一定振幅搬送波に重畳される(図11E)。外部発信受信装置10では、図11Fのように、変調副搬送波に相当する成分は、受信増幅回路105によって抽出される。
【0111】
<動作>
次に、本実施形態による送受信システムによる動作について説明する。なお、ここでは、制御部25は、送信信号の受信を感知すると(ID返信命令情報を受け取ると)、レベル情報が示す変調度を「gain1」から一段階ずつ大きくしていくものとする。すなわち、制御部25は、「gain1」を示すレベル情報の出力を完了すると、次に「gain2」を示すレベル情報を出力する。また、外部発信受信装置10から送信される一定振幅搬送波の振幅レベルは、レベル情報対応テーブルの作成時に設定された固定レベルであるものとする。
【0112】
まず、外部発信受信装置10において、制御部11からID返信命令情報が出力されて、送信信号供給部12は、ID返信命令情報に応じた送信信号を供給する。送受信部13は、送信信号供給部12から供給された送信信号を送信する。また、送信信号供給部12による送信信号の送信が完了すると、制御部11は、送信信号供給部12に一定振幅搬送波を送信させる。送受信部13は、送信信号供給部12から供給された一定振幅搬送波を送信する。
【0113】
一方、無線型伝送装置20において、外部発信受信装置10からの送信信号が送受信部22によって受信され、復号部24は、送信信号からID返信命令情報を生成する。制御部25は、復号部24からのID返信命令情報を受け取ると、記憶部21からID情報を読み出し、読み出したID情報と変調度「gain1」を示すレベル情報とを含む返信情報を生成する。次に、制御部11は、変調度「gain1」を示すレベル情報をレベル設定部27へ出力するとともに、返信情報を返信信号供給部26へ出力する。返信信号供給部26は、変調度「gain1」を示すレベル情報を含む返信情報に対応する返信信号を供給する。レベル設定部27は、送受信部22における変調度が「gain1」になるように可変抵抗R2の抵抗値を設定する。これにより、送受信部22は変調度「gain1」を示すレベル情報を含み且つ変調度「gain1」に対応する振幅レベルを有する返信信号を送信する。
【0114】
また、制御部25は、変調度「gain1」を示すレベル情報および返信情報の出力を完了すると、レベル情報に示された変調度を「gain1」から「gain2」に更新する。これにより、返信信号供給部26は変調度「gain2」を示すレベル情報を含む返信情報に対応する返信信号を供給し、レベル設定部27は送受信部22における変調度が「gain2」になるように可変抵抗R2の抵抗値を更新する。したがって、送受信部22は、変調度「gain2」を示すレベル情報を含み且つ変調度「gain2」に対応する振幅レベルを有する返信信号を送信する。
【0115】
このように、返信信号の送信が繰り返されて、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信する。複数の返信信号の各々は、その返信信号が送信されたときの無線型伝送装置20における変調度を示すレベル情報を含む。
【0116】
外部発信受信装置10において、送受信部13によって受信された返信信号は、復号部14によって処理されて返信情報になる。復号部14は、返信情報の中からID情報およびレベル情報を検出する。また、信号状態検知部15は、返信信号の受信状態を検知する。詳しくは、増幅度演算部110は、返信信号の増幅度を求め、誤り箇所計数回路111は、返信信号における誤り箇所を計数する。
【0117】
制御部11は、復号部14によってID情報およびレベル情報が検出され、且つ、信号状態検知部15によって検知された返信信号の受信状態が所定条件(例えば、レベル情報対応テーブルの作成時に所望条件として設定された受信状態)を満たしていると判断すると、「受信有り」と判定する。例えば、制御部11は、増幅度演算部110によって求められた増幅度が所定値(レベル情報対応テーブルの作成時に所望条件として設定された増幅度)よりも小さい場合、返信信号の受信状態が所定条件と満たしていると判断する。
【0118】
ここで、制御部11は、「受信有り」と判定すると、復号部14(情報検出部109)によって検出されたレベル情報に示された変調度に対応する通信距離をレベル情報対応テーブルの中から選択する。次に、制御部11は、求めた通信距離と復号部14(情報検出部109)によって検出されたID情報とを測定結果情報に書き込み、測定結果情報をホストコンピュータへ出力する。これにより、ホストコンピュータは、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との距離を把握することができる。
【0119】
<<受信状態の判断について>>
なお、制御部11が、返信信号における誤り箇所数に基づいて返信信号の受信の有無を判定することも可能である。この場合、制御部11は、誤り箇所計数回路111によって計数された誤り箇所数が所定数(レベル情報対応テーブルの作成時に所望条件として設定された誤り箇所数)よりも少ないと判断すると「受信有り」と判定する。
【0120】
また、制御部11が、返信信号の受信レベルに基づいて返信信号の受信の有無を判定することも可能である。この場合、増幅度演算部110は、受信増幅回路105によって抽出される返信信号の振幅レベルを測定し、測定した振幅レベルを制御部11に出力する。制御部11は、増幅度演算部110によって測定された受信レベルが所定レベル(レベル情報対応テーブルの作成時に所望条件として設定された受信レベル)よりも高いと判断すると「受信有り」と判定する。
【0121】
<<通信距離の算出>>
例えば、制御部11は、変調度「gain2」を示すレベル情報を含む返信信号の受信を感知したときに初めて「受信有り」と判定すると、レベル情報対応テーブルの中から変調度「gain2」に対応する通信距離「D2」を検出する。この返信信号の後に続いて送信される返信信号(例えば、変調度「gain3」を示すレベル情報を含む返信信号)の振幅レベルは一段階ずつ大きくなっていくので、制御部11は「受信有り」と判定するであろう。だが、ここでは、最初に「受信有り」と判定したときのレベル情報を取得できれば良いので、以降の返信信号については処理しなくても良い。
【0122】
<<受信判定について>>
制御部11は、ID情報およびレベル情報が検出され、且つ、返信信号の受信状態が所定条件を満たしていると判断すると、「受信有り」と判定する。一方、制御部11は、ID情報およびレベル情報が検出されていても、返信信号の受信状態が所定条件を満たしていない場合には、「受信有り」と判定しない。また、制御部11は、返信信号の受信状態が所定条件を満たしていても、ID情報およびレベル情報が検出されていない場合には、「受信有り」と判定しない。このように、ID情報の検出の有無によって返信信号の受信の有無を判定することによって、複数の無線型伝送装置10が存在していても、特定の無線型伝送装置との通信距離を求めることができる。また、複数の無線型伝送装置に対して返信信号を順次送信して全ての無線型伝送装置からの返信信号を受信した後、その複数の無線型伝送装置の各々との通信距離を求めることも可能である。
【0123】
<効果>
以上のように、返信信号の状態に基づいて通信距離を求めることができ、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、通信距離を求めるとともに無線型伝送装置に記憶された情報を取得することができる。
【0124】
なお、本実施形態では、返信信号の送信のたびに、レベル情報が示す変調度が一段階ずつ大きくなる場合について説明したが、一段階ずつ小さくなっていく場合でも通信距離を求めることが可能である。この場合、制御部11は、最後に「受信有り」と判定した返信信号に含まれるレベル情報に基づいて、通信距離を求めればよい。
【0125】
また、変調度(例えば、可変抵抗R2の抵抗値)と通信距離との関係は数式化することが可能である。よって、制御部11が、レベル情報対応テーブルを用いずに、情報検出部109によって検出されたレベル情報に対して、変調度と通信距離との関係に基づいた所定の演算を施すことによって、通信距離を算出しても良い。
【0126】
さらに、無線型伝送装置20の記憶部21にID情報以外の情報(例えば、無線型伝送装置が取り付けられる商品に関する情報)が書き込まれていても構わない。
【0127】
(負荷変調方式の変形例)
なお、搬送波に重畳される成分は、返信データに基づいて変調された副搬送波ではなく、返信データであっても良い。この場合、変調回路207は、返信データ生成部206からの返信データを所定の転送レート(副搬送波の周波数に応じた転送レート)で送受信部22のスイッチSWへ出力する。変調回路207は、返信データのデータ値が「1」である区間ではスイッチSWをオンにし、返信データのデータ値が「0」である区間ではスイッチSWをオフにする。つまり、この場合、変調回路207は、返信データを返信信号として送受信部22のスイッチSWへ供給する。
【0128】
例えば、図12A,図12Bのように、無線型伝送装置20において、変調回路207は、副搬送波の周波数に基づいて、返信データを送受信部22のスイッチSWへ出力する。また、図12C,図12Dのように、送受信部22のスイッチSWが返信データに応じてオン/オフすることによって搬送波が負荷変調されて、返信データに相当する成分が一定振幅搬送波に重畳される。外部発信受信装置10では、図12Eのように、返信データに相当する成分は、受信増幅回路105によって抽出される。
【0129】
(第1の実施形態の変形例1)
図11A〜図11Fを参照すると、無線型伝送装置20において、搬送波は、返信データのデータ値が「1」である区間では副搬送波によって負荷変調され、返信データのデータ値が「0」である区間では負荷変調されない。ここで、返信データのデータ値が「0」である区間が長くなると、搬送波の振幅変動が連続して生じる区間が短くなる。この場合、例えば、外部発信受信装置10では、受信増幅回路105によって返信信号の増幅が連続する区間が短くなり、増幅度演算部110において増幅度が測定される区間が短くなるので、返信信号の増幅度を正確に求めることが困難になるおそれがある。
【0130】
<構成>
第1の実施形態の変形例1による送受信システムでは、無線型伝送装置20の返信信号供給部26(図8参照)による動作が異なる。変形例1では、返信信号供給部26は、返信情報に基づいて返信信号を供給するときに、返信データに対して、データ値が一定であるデータ列(測定用情報)をさらに付加する。その後、返信信号供給部26は、測定用情報が付加された返信データに基づいて、副搬送波を変調する。具体的には、返信信号供給部26の返信データ生成部206(図10参照)は、誤り訂正符号付加部205からの返信データに対して、ヘッダを付加するとともに、測定用情報をさらに付加する。
【0131】
<動作>
次に、図13A〜図13Eを参照しつつ、変形例1による送受信システムの動作について説明する。なお、ここでは、返信信号の生成から返信信号の受信判定までの処理について説明する。
【0132】
無線型伝送装置20において、返信データ生成部206は、ヘッダ,誤り訂正符号,および測定用情報が付加された返信データを先頭から順番に出力する。具体的には、ヘッダ,測定用情報,返信データ,誤り訂正符号の順に出力される(図13B)。
【0133】
変調回路207は、返信データ生成部206からの測定用情報を受け取っている間、副搬送波(図13A)を出力し続ける。つまり、変調回路207が測定用情報を受けている間、変調回路207は振幅レベルが変調されていない副搬送波を出力する(副搬送波をそのまま出力する)。すなわち、測定用情報に対応する区間では、副搬送波が連続して出力されている(図13C)。
【0134】
外部発信受信装置10において、送受信部13における搬送波(図13D)は、負荷変調される。このとき、測定用情報に対応する区間では、負荷変調された搬送波の振幅レベルは連続して変動しており(図13E)、受信増幅回路105は副搬送波成分を連続して抽出している(図13F)。よって、受信増幅回路105は、副搬送波成分(返信信号)の増幅を連続して実行することができ、増幅度演算部110によって増幅度が測定される区間を確保することができる。これにより、増幅度演算部110が増幅度を正確に求めることができ、制御部11は、正確な増幅度に基づいて返信信号の受信の有無を判定することができる。
【0135】
<効果>
以上のように、振幅レベルが変調されていない区間(一定幅の振幅レベルの変動が連続する区間)を返信信号に設けることによって、返信信号の増幅度を正確に測定することができる区間を確保することができる。また、この区間では、返信信号の誤り箇所を正確に計数することも可能である。これにより、返信信号の受信状態が所定条件を満たしているか否かを正確に判定することができる。
【0136】
(第1の実施形態の変形例2)
図12A〜図12Fのように、負荷変調によって返信データを搬送波に重畳する場合、負荷変調された搬送波においてデータ値「1」に対応する区間とデータ値「0」に対応する区間とが均一に分布せずに一方に偏っていると、負荷変調による搬送波の振幅変動量が一定にならず、振幅変動量は変動してしまう。これにより、受信増幅回路105は、振幅変動量(返信信号の振幅レベル)を正確に検知することができず、返信信号を正確に増幅することができないので、増幅度演算部110は、増幅度を正確に求めることが困難になる。
【0137】
<構成>
第1の実施形態の変形例2による送受信システムでは、無線型伝送装置20の返信信号供給部26(図8参照)による動作が異なる。変形例2では、返信信号供給部26は、返信情報に基づいて返信信号を供給するときに、返信データに対してM系列符号を掛け合わせる。M系列符号は、データ値「1」とデータ値「0」がランダムに発生しているデータ列である。具体的には、返信データ生成部206(図10参照)は、ヘッダと誤り訂正符号とが付加された返信データに対して、M系列符号を掛け合わせる。M系列符号は、返信データ全体においてデータ値「1」,「0」の各々の発生確率を均一にするために使用される。
【0138】
<動作>
次に、図14A〜図14Fを参照しつつ、変形例2による送受信システムの動作について説明する。なお、ここでは、返信信号の生成から測定結果情報の生成までの処理について説明する。
【0139】
無線型伝送装置20の返信データ生成部206は、ヘッダと誤り訂正符号とが付加された返信データ(図14B)に対して、M系列符号を掛け合わせる。次に、返信データ生成部206は、副搬送波(図14A)の周波数に従って、M系列符号が掛け合わされた返信データを変調回路207へ出力する。返信データのうちM系列符号が掛け合わされた区間では、データ値「1」とデータ値「0」の各々の発生確率が均一である(図14C)。
【0140】
外部発信受信装置10において、送受信部13における搬送波(図14D)は負荷変調される。負荷変調された搬送波のうちM系列符号が掛け合わされた区間では、データ値「1」に対応する区間とデータ値「0」に対応する区間とが均一に分布している(図14E)。よって、M系列符号が掛け合わされた区間では、受信増幅回路105は、返信信号の受信レベルを正確に検知することができ、返信信号を正確に抽出することができる(図14F)。よって、受信増幅回路105は、返信信号を正確に増幅することができるで返信信号の増幅を正確して実行することができ、増幅度演算部110が増幅度を正確に測定することができる区間を確保することができる。これにより、制御部11は、正確な増幅度に基づいて返信信号の受信の有無を判定することができる。
【0141】
また、復調回路106は、受信増幅回路105からの返信信号を復調するときに、M系列符号を取り除く演算を実行する。つまり、復調回路106は、受信増幅回路105からの返信信号を復調して返信データを生成した後、返信データにM系列符号の逆数を掛け合わせる。
【0142】
<効果>
以上のように、データ値「1」に対応する区間とデータ値「0」に対応する区間とが均一に分布する区間(一定幅の振幅レベルの変動が連続する区間)を返信信号に設けることによって、返信信号の増幅度を正確に測定することができる区間を確保することができる。また、この区間では、返信信号の誤り箇所を正確に計数することも可能である。これにより、返信信号の受信状態が所定条件を満たしているか否かを正確に判定することができる。
【0143】
また、変形例1と比較すると、無線型伝送装置20から返信される返信信号のデータ量は増加させなくても良いので、通信時間を短縮することができる。
【0144】
なお、図14Cでは、本実施形態についての理解を助けるためにデータ値「1」,「0」が規則正しく交互に連続して発生する例を図示しているが、データ値「1」,「0」が不規則に発生していても良い(ランダムに発生していても良い)。すなわち、M系列符号が掛け合わされた区間内では、データ値「1」の個数とデータ値「0」の個数とが等しくなる(または、ほぼ等しくなる)。また、一般的には、データ値「1」,「0」が不規則に発生している例の方が多い。
【0145】
(第2の実施形態)
<構成>
この発明の第2の実施形態による送受信システムは、第1の実施形態による送受信システムの構成と同様であるが、外部発信受信装置10の制御部11および無線型伝送装置20の制御部25による処理が異なる。
【0146】
本実施形態による送受信システムでは、無線型伝送装置20は、外部発信受信装置10からの送信信号を受信すると、予め定められたタイミングに従って変調度を順次変更する。つまり、無線型伝送装置20は、予め定められたタイミングに従って振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信する。外部発信受信装置10は、送信信号を送信してからの経過時間を管理する。さらに、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20において変調度が変更されるタイミングを予め理解しており、返信信号の受信を感知したときの経過時間(返信信号の受信状態が所定条件を満たすときの経過時間)に基づいて通信距離を求める。
【0147】
<外部発信受信装置10>
制御部11は、送信信号供給部12(変調回路105)による送信信号の供給が完了すると、送信信号供給部12に一定振幅の搬送波を供給させるとともに、経過時間の計時を開始する。また、制御部11は、経過時間と変調度との対応関係を示す時間変調度対応テーブルと、変調度と通信距離との対応関係を示す変調度距離対応テーブルとを有する。
【0148】
<無線型伝送装置20>
制御部25は、送信信号の受信を感知すると、レベル情報および返信情報の出力を開始するとともに、経過時間の計時を開始する。制御部25は、経過時間に応じてレベル情報に示された変調度を変更する。制御部25は、時間変調度対応テーブルを有する。
【0149】
なお、ここでは、返信情報には、レベル情報が含まれていなくても良い。
【0150】
<時間変調度対応テーブル>
図15Aは、時間変調度対応テーブルの一例を示す。時間変調度対応テーブルは、経過時間の時間帯とその時間帯における無線型伝送装置20の変調度とが一対一で対応付けられている。制御部11は、時間変調度対応テーブルを参照することによって、無線型伝送装置20における変調度を把握することができる。また、制御部25は、時間変調度対応テーブルを参照することによって、設定すべき変調度を把握することができる。
【0151】
<変調度距離対応テーブル>
図15Bは、変調度距離対応テーブルの一例を示す。変調度距離対応テーブルは、外部発信受信装置10から送信される搬送波の送信レベルが固定レベルであり且つ外部発信受信装置10が感知する返信信号の受信状態が固定である場合における変調度と通信距離との対応関係を示す。変調度距離対応テーブルは、例えば、レベル情報対応テーブルと同様の手順で作成される。
【0152】
<動作>
図16を参照しつつ、本実施形態の送受信システムによる動作について説明する。
【0153】
まず、外部発信受信装置10において、送受信部13から送信信号が送信される。また、制御部11は、送信信号供給部12の変調回路104による送信信号の供給が完了すると、変調回路104に一定振幅の搬送波の供給を開始させるとともに経過時間の計時を開始する。
【0154】
次に、無線型伝送装置20において、制御部25は、送信信号の受信を感知すると、レベル情報の出力および返信情報の出力を開始するとともに、経過時間の計時を開始する。
【0155】
経過時刻T0からT1の間では、制御部25は、変調度「gain1」を示すレベル情報をレベル設定部27へ出力する。また、制御部25は、記憶部21から読み出したID情報が書き込まれた返信情報を返信信号供給部26へ出力する。よって、返信信号供給部26は返信情報(ID情報)に対応する返信信号を供給し、レベル設定部27は送受信部22における変調度が「gain1」になるように可変抵抗R2の抵抗値を設定する。これにより、送受信部22は、変調度「gain1」に対応する振幅レベルを有する返信信号を送信する。
【0156】
経過時刻T1になると、制御部25は、時間変調度対応テーブルの中から時間帯T1〜T2に対応する変調度「gain2」を選択する。そして、制御部25は、変調度「gain1」を示すレベル情報の出力を停止して変調度「gain2」を示すレベル情報の出力を開始する。また、制御部25は、ID情報が書き込まれた返信情報を返信信号供給部26へ再び出力し始める。よって、送受信部22は、変調度「gain2」に対応する振幅レベルを有する返信信号が送信され始める。
【0157】
経過時刻T2,T3においても経過時刻T1と同様に、制御部25は、時間変調度対応テーブルからの変調度の選択,レベル情報の更新,返信情報の再出力を実行する。よって、経過時刻T2になると変調度「gain3」に対応する振幅レベルを有する返信信号の送信が開始され、経過時刻T3になると変調度「gain4」に対応する振幅レベルを有する返信信号の送信が開始される。このように、経過時間に応じて返信信号の振幅レベルが更新される。
【0158】
一方、外部発信受信装置10では、制御部11は、第1の実施形態と同様に、返信信号の受信の有無を判定している。ここで、経過時刻T1からT2の間において「受信有り」と判定すると、制御部11は、時間変調度対応テーブルの中から現在の経過時間に対応する変調度「gain2」を選択する。次に、制御部11は、選択した変調度「gain2」に対応する通信距離「D2」を変調度距離対応テーブルの中から検出する。制御部11は、求めた通信距離と情報検出部109によって検出されたID情報とを測定結果情報に書き込み、測定結果情報をホストコンピュータへ出力する。
【0159】
<効果>
以上のように、送信信号が送信されてから返信信号の受信が感知されるまでの経過時間を管理することによって通信距離を求めることができ、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、通信距離を求めるとともに無線型伝送装置に記憶された情報を取得することができる。
【0160】
なお、図17のように、時間変調度対応テーブル(図15A)と変調度距離対応テーブル(図15B)とを合成することによって、時間距離対応テーブルを作成することができる。外部発信受信装置10の制御部11は、時間変調度対応テーブルおよび変調度距離対応テーブルに代えて、時間距離対応テーブルを備えていても良い。これによれば、格納されるテーブル数を少なくすることができ、また、通信距離を求めるために要する時間を短縮することができる。
【0161】
また、第1の実施形態と同様に、負荷変調方式の変形例,変形例1,および変形例2をこの第2の実施形態に適用可能である。
【0162】
(第3の実施形態)
<構成>
この発明の第3の実施形態による送受信システムは、第1の実施形態による送受信システムの構成と同様であるが、外部発信受信装置10の制御部11および無線型伝送装置20の制御部25による処理が異なる。
【0163】
本実施形態による送受信システムでは、外部発信受信装置10は、送信信号を複数回送信する。無線型伝送装置20は、外部発信受信装置10からの送信信号を受信すると、送信信号を受信した回数に応じて変調度を変更する。つまり、無線型伝送装置20は、送信信号の受信回数に応じて、振幅レベルが互いに異なる複数の返信信号を順次送信する。外部発信受信装置10は、送信信号の送信回数を管理する。また、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20において変調度が変更されるタイミングを予め把握しており、返信信号の受信を感知したときの送信回数に基づいて通信距離を求める。
【0164】
<外部発信受信装置>
制御部11は、送信信号供給部12(変調回路104)による送信信号の供給が完了すると、所定期間中、変調回路104に一定振幅の搬送波を供給させる。また、制御部11は、所定期間(一定振幅搬送波を供給すべき期間)が経過すると、ID返信命令情報を再び出力する。さらに、制御部11は、ID返信命令情報の出力回数を計数している。すなわち、制御部11は、変調回路104に送信信号の供給と一定振幅の搬送波の供給とを交互に実行させるとともに、送信信号の送信回数を計数する。また、制御部11は、送信回数変調度対応テーブルと、変調度距離対応テーブル(図15B)とを有する。
【0165】
<無線型伝送装置>
制御部25は、送信信号の受信を感知すると、レベル情報および返信情報の出力を開始するとともに、送信信号の受信を感知した回数(すなわち、送信信号の送信回数)を計測する。ここで、返信情報には、レベル情報が含まれていなくても良い。制御部25は、送信回数に応じて変調度を変更する。制御部25は、送信回数変調度対応テーブルを有する。なお、ここでは、返信情報には、レベル情報が含まれていなくても良い。
【0166】
<送信回数変調度対応テーブル>
図18は、送信回数変調度対応テーブルの一例を示す。送信回数変調度対応テーブルには、送信信号の送信回数と、その送信回数のときの無線型伝送装置20における変調度とが一対一で対応付けられている。制御部11は、送信回数変調度対応テーブルを参照することによって、無線型伝送装置20における変調度を把握することができる。また、制御部25は、送信回数変調度対応テーブルを参照することによって、設定すべき変調度を把握することができる。
【0167】
<動作>
図19を参照しつつ、本実施形態の送受信システムによる動作について説明する。
【0168】
無線型伝送装置20において、制御部25は、1回目の送信信号の受信を感知すると、送信回数変調度対応テーブルの中から「1回目」に対応する変調度「gain1」を選択する。そして、制御部25は、「gain1」を示すレベル情報をレベル設定部27へ出力する。また、制御部25は、記憶部21から読み出したID情報が書き込まれた返信情報を出力する。よって、返信信号供給部26は返信情報(ID情報)に対応する返信信号を供給し、レベル設定部27は送受信部22における変調度が「gain1」になるように可変抵抗R2の抵抗値を設定する。これにより、送受信部22は、変調度「gain1」に対応する振幅レベルを有する返信信号を送信する。
【0169】
1回目の送信信号が送信されてから一定振幅の搬送波の送信が完了すると、外部発信受信装置10において、制御部11は、ID返信命令情報を再出力する。ここで、制御部11によって計数される送信回数は、「2回目」になる。送受信部13から2回目の送信信号が送信される。
【0170】
無線型伝送装置20の制御部25によって2回目の送信信号の受信が感知されると、制御部25によって計数される送信回数は、「2回目」になる。制御部25は、送信回数変調度対応テーブルの中から「2回目」に対応する変調度「gain2」を選択する。そして、制御部25は、変調度「gain1」を示すレベル情報の出力を停止して変調度「gain2」を示すレベル情報を出力する。また、制御部25は、ID情報が書き込まれた返信情報を再び出力する。これにより、送受信部22は、変調度「gain2」に対応する振幅レベルを有する返信信号を送信する。
【0171】
2回目の送信信号が送信されてから一定振幅の搬送波の送信が完了すると、外部発信受信装置10は、3回目の送信信号を送信する。ここで、制御部11によって計数される送信回数は「3回目」になる。無線型伝送装置10が3回目の送信信号の受信を感知すると、変調度「gain3」に対応する振幅レベルを有する返信信号が無線型伝送装置20から送信される。
【0172】
このように、外部発信受信装置10では送信信号が送信される毎に制御部11が計数する送信回数が更新され、無線型伝送装置20では送信信号の送信回数に応じて返信信号の振幅レベルが更新される。
【0173】
また、外部発信受信装置10では、制御部11は、第1の実施形態と同様に、返信信号の受信の有無を判定している。ここで、2回目の送信信号の送信と3回目の送信信号の送信との間において「受信有り」と判定すると、制御部11は、送信回数変調度対応テーブルの中から「2回目」に対応する変調度「gain2」を選択する。次に、制御部11は、選択した変調度「gain2」に対応する通信距離「D2」を変調度距離対応テーブルの中から検出する。制御部11は、求めた通信距離と情報検出部109によって検出されたID情報とを測定結果情報に書き込み、測定結果情報をホストコンピュータへ出力する。
【0174】
<効果>
以上のように、送信信号の送信回数を管理することによって通信距離を求めることができ、無線型伝送装置20の存在位置を検知することができる。また、通信距離を求めるとともに無線型伝送装置に記憶された情報を取得することができる。
【0175】
なお、図20のように、送信回数変調度対応テーブル(図18)と変調度距離対応テーブル(図15B)とを合成することによって、送信回数距離対応テーブルを作成することができる。外部発信受信装置10の制御部11は、送信回数変調度対応テーブルおよび変調度距離対応テーブルに代えて、送信回数距離対応テーブルを備えていても良い。これによれば、格納されるテーブル数を少なくすることができ、また、通信距離を求めるために要する時間を短縮することができる。
【0176】
また、第1の実施形態と同様に、負荷変調方式の変形例,変形例1,および変形例2をこの第3の実施形態に適用可能である。
【0177】
以上の実施形態の説明において、外部発信受信装置10が送信信号の送信を完了してから一定振幅の搬送波を送信している間(すなわち、外部発信受信装置10の動作モードが「読み取り動作」である間)に搬送波の負荷変調が実行されている(すなわち、返信信号が送信されている)が、外部発信受信装置10からの搬送波の振幅レベルが一定でない期間に搬送波の負荷変調を実行することも可能である。この場合、外部発信受信装置10では「書き込み動作」と「読み取り動作」の両方が実行される。これによれば、通信に要する時間を短縮することができる。この「書き込み動作」と「読み取り動作」の両方が同時に行われる方式は、1対1の通信ではなく、1対複数の通信時の時間短縮に非常に有効である。
【0178】
(適用例1)
<構成>
図21は、第1の実施形態による送受信システムを適用した容器管理システムの構成を示す。この容器管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、収容容器30と、表示装置40とを備える。このシステムは、収容容器30に収容された内容物(液体)を管理する。
【0179】
〔収容容器30〕
収容容器30は、容器本体301と、浮遊部材302とを含む。
【0180】
容器本体301は、例えば、断面積が一定である形状(例えば、立方体形状、直方体形状または円柱形状等)を有し、液体を収容する。
【0181】
浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさの板状部材であり、容器本体301に収容された液体の液面に浮遊している。浮遊部材302は、収容容器301に収容された液体よりも密度または比重が小さい材料によって構成される。但し、浮遊部材302は、液体の表面に浮遊すれば良いので、浮遊部材302の密度が液体密度よりも軽い必要はなく、表面張力で液面に浮遊可能であれば、浮遊部材302の密度が液体密度よりも重くても良い。浮遊部材302は、容器本体301に収容された液体の内容量の増減に応じて、上下に移動する。
【0182】
また、浮遊部材302の表面には、無線型伝送装置20が設置される。
【0183】
〔外部発信受信装置10〕
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、ループ状の送受信アンテナとして、浮遊部材302の移動方向に対応する位置に配置される。なお、ここでは、送受信コイルL1は、浮遊部材302の移動方向の延長線上に位置する収容容器30の上部に配置される。
【0184】
また、外部発信受信装置10の制御部11は、求めた通信距離に基づいて、収容容器30に収容された液体の内容量を算出する。「外部発信受信装置10から容器本体301の底面までの距離D1」および「容器本体の301の底面積S1」は一定であり、制御部11は、これらの値を予め記憶している。また、制御部11は、測定結果情報に代えて、検出したID情報と求めた液体内容量とが書き込まれた管理情報を表示装置40へ出力する。
【0185】
〔表示装置40〕
表示装置40は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報、液体内容量)を表示する。
【0186】
〔無線型伝送装置20〕
図22は、浮遊部材302における無線型伝送装置20の設置例を示す。無線型伝送装置20は、例えばICチップとして形成され、収容容器30の浮遊部材302の表面に設置される。無線型伝送装置20の送受信コイルL2は、ループ状の送受信アンテナとして配置される。ここで、浮遊部材302の表面全体に防水処理または撥水処理を施せば、ICチップを保護することができるだけでなく、浮遊性を向上することができる。
【0187】
<動作>
次に、図21に示した容器管理システムによる動作について説明する。
【0188】
まず、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11は、通信距離D2を求める。
【0189】
次に、制御部11は、自己に予め記憶している「距離D1」から「通信距離D2」を減算して、「容器本体301の底面から液体表面までの距離(液面レベル)D3」を算出する。次に、制御部11は、算出した「液面レベルD3」に「容器本体301の底面積S1」を乗算することによって、収容容器30に収容された液体の内容量を算出する。次に、制御部11は、情報検出部109によって検出されたID情報と算出した液体内容量とを管理情報に書き込み、管理情報を表示装置40へ出力する。
【0190】
次に、表示装置40は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報,液体内容量)を表示する。
【0191】
ここで、図23のように、収容容器30に収容された液体の内容量が減少すると、無線型伝送装置20が設置された浮遊部材302が下降する。これにより、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との距離が長くなるので、外部発信受信装置10が受ける返信信号の状態が悪化する(受信レベルが低くなる)。したがって、図21の場合と比較すると、外部発信受信装置10によって求められる通信距離D2が長くなり、算出される液体内容量が減少する。つまり、表示装置40に表示される液体内容量が減少する。
【0192】
<効果>
以上のように、外部発信受信装置と無線型伝送装置との通信距離から収容容器に収容された内容物の内容量を測定することができる。また、ID情報を取得することによって、収容容器に収容された内容物を識別することができる。これにより、収容容器に収容された内容物の種類と内容量を同時に管理することができる。
【0193】
なお、無線型伝送装置20の記憶部21が内容物情報を記憶していれば、無線型伝送装置20の制御部25は、ID情報と合わせて内容物情報を返信情報(返信信号の元となる情報)に書き込むことも可能である。内容物情報は、例えば、内容物の種類,製造年月日等、収容容器30に収容された内容物に関する情報である。この場合、情報検出部109によってID情報とともに内容物情報を取得すれば、液体内容量の測定と同時に、品質管理も実行することができる。
【0194】
また、外部発信受信装置10の送受信コイルL1を配置する位置は、収容容器30の上部に限らない。液面レベルの変化に対して外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との距離が一義的に決まれば、外部発信受信装置10の送受信コイルL1を収容容器30の横に配置しても構わない。
【0195】
また、外部発信受信装置10からの送信信号の振幅レベルは、無線型伝送装置20との距離が最大のとき(収容容器30が空になって、浮遊部材302が容器本体301の底面に達しているとき)でも無線型伝送装置20が送信信号に応答して返信信号を送信できるように設定されていることが好ましい。このようにすれば、通信距離以外の要因(例えば、装置の故障や、電波遮蔽による通信不良)によって返信信号の状態が悪化しているのかを判断することができる。また、返信信号の有無によって収容容器30が装着されているか否かを確認することができるので、装着確認用の構成部品が不要になる。
【0196】
なお、本適用例では容器本体301の断面積が一定である場合を示したが、液面レベルD3と収容されている液体内容量の関係が予め求められていれば、一定の断面積でなくても良い。
【0197】
<ICタグの設置場所>
なお、図24のように、浮遊部材302に3つの無線型伝送装置20−1,20−2,20−3が配置されていても構わない。この場合、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20−1との通信距離d1,無線型伝送装置20−2との通信距離d2,無線型伝送装置20−3との通信距離d3に基づいて通信距離D2を測定する。これによれば、液面が傾いている場合でも、通信距離を正確に測定することができる。特に、携帯可能な電子機器に収容容器が装着される場合に有効である。
【0198】
(収容容器の変形例1)
また、図25のように、図21に示した収容容器30に代えて収容容器30Aを用いた場合も同様の効果を得ることができる。収容容器30Aは、容器本体301Aと、隔壁部材302Aとを含む。隔壁部材302Aは、容器本体301Aに収容された液体の増減に応じて、容器本体301Aの高さ方向に沿って移動する。また、外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、隔壁部材302Aの移動方向に対応する位置に配置される。なお、ここでは、送受信コイルL1は、隔壁部材302Aの移動方向の延長線上である収容容器30Aの上方に配置される。これによれば、収容容器30Aが傾いても通信距離D2を測定することができる。また、気密性を確保することができるので、収容容器30Aが傾いても内容物である液体が外部に漏れ出したり、収容容器30A内に外気が入り込んだりするのを防止することができる。
【0199】
(収容容器の変形例2)
さらに、図26のように、図21に示した収容容器30に代えて収容容器30Bを用いた場合も同様の効果を得ることができる。収容容器30Bは、自己の内部に収容された液体の内容量の増減に応じて伸縮する(図27参照)。ここでは、収容容器30Bは、高さ方向に伸縮する。収容容器30Bの表面のうち伸縮方向の延長線上(ここでは、収容容器30Bの上面)には無線型伝送装置20が設置されている。外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、収容容器30Bの伸縮方向に対応する位置に配置される。ここでは、伸縮方向の延長線上である収容容器30Bの上方に配置される。これによれば、容器管理システム全体が傾いても通信距離D2を測定することができる。また、無線型伝送装置20は軽量であるので、無線型伝送装置20の自重が収容容器30Bの形状に及ぼす影響が少なく計測誤差を低減することができる。また、収容容器30Bの上面が外部発信受信装置10に対して略平行な状態にできるようにすれば、通信距離D2の測定を精度良く実行することができる。さらに、収容容器30Bは、その全体を同一の部材,材料によって形成されていても良いが、部分的に部材,材料を異ならせても良い。これによれば、収容容器30Bの上面が外部発信受信装置10に対して略平行な状態となるように収容容器30Bの各部における変形の程度を調整することができる。
【0200】
(適用例2)
<構成>
図28は、第1の実施形態による送受信システムを適用した燃料電池システムの構成を示す。燃料電池システムは、収容容器30と、無線型伝送装置20と、燃料電池ユニット50と、電子機器60とを備える。このシステムでは、燃料電池ユニット50は収容容器30に収容されたメタノール水溶液を燃料として発電し、電子機器60は燃料電池ユニット50の電力によって駆動するとともに収容容器30に収容されたメタノール水溶液を管理する。電子機器60は、例えばノート型パソコンである。
【0201】
〔収容容器30〕
収容容器30は、メタノール水溶液を収容する。浮遊部材302に設けられた無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報としてメタノール情報を記憶する。メタノール情報は、例えば、メタノール水溶液の濃度等、収容容器30に収容されたメタノール水溶液に関する情報である。なお、返信信号は、ID情報に加えて、メタノール情報も含む。
【0202】
〔燃料電池ユニット50〕
燃料電池ユニット50は、発電部500と、外部発信受信装置10とを含む。発電部500は、燃料供給ポンプ501と、DMFC発電セル502と、電圧変換回路503とを含む。
【0203】
燃料供給ポンプ501は、収容容器30の中からメタノール水溶液を吸い出し、吸い出したメタノール水溶液を発電セル502へ供給する。発電セル502は、燃料供給ポンプ501から供給されたメタノール水溶液を用いて発電する。電圧変換回路503は、発電セル502によって発生した電力を電子機器60にとって適切な電圧に変換し、変換した電力を電子機器60へ供給する。
【0204】
外部発信受信装置10の情報検出部109は、ID情報に加えて、メタノール情報を検出する。
【0205】
制御部11は、求めた通信距離に基づいて、収容容器30に収容されたメタノール水溶液の内容量を算出する。また、制御部11は、測定結果情報に代えて、情報検出部109によって検出されたID情報およびメタノール情報と算出したメタノール水溶液の内容量とが書き込まれた管理情報を電子機器60へ出力する。さらに、制御部11は、収容容器30に収容されたメタノール水溶液の内容量が規定量以下になると、残量減少信号を電子機器60へ出力する。
【0206】
〔電子機器60〕
電子機器60は、制御用マイコン601と、表示部602とを含む。制御用マイコン601は、外部発信受信装置10からの管理情報を受け取り、管理情報を表示部602へ出力する。また、制御用マイコン601は、外部発信受信装置10からの残量減少信号を受け取ると、警告表示命令を出力する。
【0207】
表示部602は、制御用マイコン601からの管理情報(ID情報,メタノール情報,メタノール水溶液の内容量)を表示する。また、表示部602は、制御用マイコン601からの警告表示命令を受け取ると、残量減少通知画像を表示する。残量減少通知画像は、例えば、「燃料残量「少」」等、メタノール水溶液の残量が少ないことを通知する画像である。
【0208】
<動作>
次に、図28に示した燃料電池システムによる動作について説明する。
【0209】
燃料電池ユニット50による発電運転が開始されると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11は、定期的に、通信距離D2を求める。また、制御部11は、求めた通信距離に基づいて収容容器30に収容されたメタノール水溶液の内容量を算出する。次に、制御部11は、情報検出部109によって検出されたID情報およびメタノール情報と求めたメタノール水溶液の内容量とを管理情報に書き込み、管理情報を電子機器60へ、定期的に出力する。これにより、電子機器60の表示部602に表示される管理情報(ID情報,メタノール情報,メタノール水溶液の内容量)が定期的に更新される。
【0210】
また、制御部11は、算出したメタノール水溶液の内容量が規定量以下であると判定すると、残量減少信号を制御用マイコン601へ出力する。よって、表示部602には「残量「少」」が表示される。これにより、電子機器60のユーザに燃料交換や燃料補充を促すことができる。
【0211】
<効果>
以上のように、外部発信受信装置と無線型伝送装置との通信距離からメタノール水溶液の内容量を測定することができる。また、メタノール情報を取得することによって、収容容器に収容されたメタノール水溶液を識別することができる。これにより、メタノール水溶液の種類と内容量を同時に管理することができる。
【0212】
また、内容物情報としてのメタノール情報を参照することによって、仕様の異なったメタノール水溶液を誤って使用してしまうことを防止することができる。すなわち、表示部602に表示される内容物情報には、内容物の燃料電池システムに対する適合・不適合に関する情報を含むことができる。
【0213】
また、電子機器を対象とする燃料電池システムにおいて、収容容器30は、比較的小さい。ここで、無線型伝送装置(例えば無線タグ)が設けられた浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、小型の収容容器30にも用いることができる。つまり、小型の収容容器にも適用することができる。
【0214】
さらに、従来の内容量管理方法(内容物の導電率や誘電率あるいは超音波の反射を利用した液面レベル測定)のための構成部品を、小型軽量の無線型伝送装置で代替することが可能となる。その結果、燃料電池システムの燃料情報(燃料濃度、内容物の特性、カートリッジのリサイクル回数等)を記憶させると同時に、内容量を管理する部品としての共用化を実現することができる。このように、収容容器の小型軽量化という優れた効果を得ることができる。また、従来の内容量管理方法のための構成部品が不要となるので、燃料を収容する空間を大きくすることができる。これにより、燃料電池システムの運転の長時間化を実現することができる。
【0215】
なお、メタノール水溶液を燃料として例に挙げたがメタノールに限られるものではなく、ボロハイドライドをアルカリ水溶液に溶かした溶液等の液体をメタノールの代わりに燃料として用いることもできる。
【0216】
また、定期的に測定した液面レベルに関する情報を外部発信受信装置10,無線型伝送装置20に記憶させても良い。また、記憶させた液面レベルの情報と測定経過時間から、燃料電池システムの予想残存駆動時間を求めることもできる。
【0217】
また、図28に示した収容容器30に代えて、図25や図26に示した収容容器を備えていても良い。
【0218】
送受信システムは、燃料電池システムだけでなく、当業者が容易想到な範囲に含まれるシステムに適用可能である。例えば、石油燃料(例えば、灯油,ガソリン)の収納容器、自動車などの燃料タンク、食用の調味料,油,スープ,酒類などを保管する収納容器のように、液体を収納する場合はすべて使用可能である。大型のものとしては、浮遊式の蓋を持つ原油の貯蔵タンクにおいても使用可能である。
【0219】
また、内容物が液体の場合以外(例えば、米びつのように固体を収容する場合)にも適用可能である。この場合、収容容器としては、例えば、図25や図26に示すような形態が好ましい。また、図25や図26に示す形態では、内容物が気体の場合でも適用可能である。
【0220】
(適用例3)
<構成>
図29は、第1の実施形態による送受信システムを適用した輸液管理システムの構成を示す。輸液管理システムは、輸液パック71と、輸液用スタンド72と、無線型伝送装置20と、外部発信受信装置10と、情報伝送装置73と、表示装置40とを備える。この輸液管理システムは、病院等の医療現場で点滴に使用される輸液パックに適用される。
【0221】
〔輸液パック71〕
輸液パック71は、輸液を収容する。また、輸液パック71に収容された輸液の液面には、浮遊部材302が浮遊している。
【0222】
〔輸液用スタンド72〕
輸液用スタンド72は、設置面から略垂直に延びる支柱部72aと、支柱部72aの先端部から突出するパック取付部72bからなる。輸液パック71は、パック取付部72bの取付フックに取り付けられる。
【0223】
〔無線型伝送装置20〕
無線型伝送装置20は、輸液パック71に浮遊する浮遊部材302の表面に設置される。無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報として輸液情報を記憶する。輸液情報は、例えば、薬品の種類、濃度、容量、使用有効期限、輸液パック容器に関する情報等、輸液等に関する情報である。なお、返信信号には、ID情報に加えて、輸液情報も含まれる。
【0224】
〔外部発信受信装置10〕
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、輸液パック71を輸液用スタンド72に取り付けた状態において、浮遊部材302の移動方向に対応する位置に配置される。ここでは、送受信コイルL1は、浮遊部材302の移動方向の延長線上である輸液用スタンド72のパック取付部72bに配置される。
【0225】
また、外部発信受信装置10の情報検出部109は、ID情報に加えて、輸液情報を検出する。制御部11は、求めた通信距離に基づいて、輸液パック71に収容された輸液の内容量を算出する。制御部11は、通信距離と輸液の内容量との関係に基づいて作成された内容量対応テーブルを予め記憶している。内容量対応テーブルには、複数の内容量と複数の通信距離とが対応付けられている。なお、内容量対応テーブルにおいて、通信距離が長くなるほど、その通信距離に対応する内容量は小さくなる。制御部11は、測定結果情報に代えて、情報検出部109によって検出されたID情報および輸液情報と求めた輸液の内容量とが書き込まれた測定結果情報を情報伝送装置73へ出力する。
【0226】
また、制御部11は、輸液の内容量が規定量以下であると、残量減少信号を情報伝送装置73へ出力する。さらに、制御部11は、患者に投与すべき輸液の種類等、患者に関する情報である患者情報を予め記憶しており、情報検出部109によって検出された輸液情報と自己に記憶された患者情報とが一致しない場合には、警告信号を情報伝送装置73へ出力する。
【0227】
〔情報伝送装置73〕
情報伝送装置73は、外部発信受信装置10からの種々の信号(管理情報,残量減少信号,警告信号)を表示装置40へ伝送する。ここで、情報伝送装置73と表示装置40とが無線で通信する場合には、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20の通信に干渉しない周波数を採用すればよい。また、情報伝送装置73と表示装置40との通信は、有線で行っても良い。
【0228】
〔表示装置40〕
表示装置40は、病室やナースステーション等に設置される。表示装置40は、情報伝送装置73からの管理情報(ID情報,輸液情報,輸液の内容量)を表示する。また、表示装置40は、情報伝送装置73からの残量減少信号を受け取ると、残量減少通知画像を表示する。また、表示装置40は、情報伝送装置73からの警告信号を受け取ると、輸液不適合通知画像を表示する。輸液不適合通知画像は、例えば、「輸液パック不適合」等、輸液パックが患者に正しく割り当てられていないことを通知する画像である。
【0229】
<動作>
次に、図29に示した輸液管理システムによる動作について説明する。
【0230】
輸液パック71が輸液用スタンド72に取り付けられると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11は、定期的に、通信距離を求める。また、制御部11は、求めた通信距離に基づいて、輸液パック71に収容された輸液の内容量を求める。例えば、制御部11は、自己に記憶している内容量対応テーブルの中から通信距離に対応する内容量を検出する。次に、制御部11は、情報検出部109によって検出されたID情報および輸液情報と求めた輸液の内容量を管理情報に書き込み、管理情報を情報伝送装置73へ、定期的に出力する。
【0231】
次に、情報伝送装置73は、外部発信受信装置10からの管理情報を表示装置40へ伝送する。これにより、表示装置40に表示される管理情報(ID情報,輸液情報,輸液の内容量)が定期的に更新される。
【0232】
また、外部発信受信装置10の制御部11は、求めた輸液の内容量が規定量以下であると判定すると、残量減少信号を出力する。よって、表示装置40には「残量「少」」が表示される。これにより、点滴交換の注意を促すことができる。
【0233】
さらに、制御部11は、自己に予め記憶している患者情報と情報検出部109によって検出された輸液情報とが一致しないと判定すると、警告信号を出力する。よって、表示装置40には「輸液パック不適合」が表示される。これにより、点滴不適合の注意を促すことができる。
【0234】
<効果>
以上のように、輸液パックに収容された輸液の種類と内容量を同時に管理することができる。また、各々の患者に割り当てられた輸液パックの残量を管理することができるので、数多くの患者の対する輸液交換のタイミングを把握することができる。この場合、情報伝送装置73と表示装置40とが無線で通信するようにし、表示装置40を小型で携帯可能なものとして看護師や医師が携帯するようにしても良い。これにより、看護師や医師は、輸液切れに伴う煩雑な作業から開放される。また、内容物情報としての輸液情報を参照することによって、患者に適した輸液であるかどうかの照合ができるので、患者に誤った輸液を点滴するような医療過誤を防止できる。すなわち、表示装置40に表示される内容物情報には、内容物の輸液管理システムに対する適合・不適合に関する情報を含むことができる。
【0235】
また、無線型伝送装置が設けられた浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、小型の輸液パック71にも使用することができる。つまり、小型の輸液パックにも適用することができる。
【0236】
なお、表示装置40は、残量減少通知画像、輸液不適合通知画像と共に警告音を発しても良い。また、警告音を発する警報装置を別途設けても良い。また、本実施例では、表示装置40は、病室やナースステーション等に設置するとしたが、これらとは別に情報伝送装置73や外部発信受信装置10,輸液スタンド72等に付属させても良い。さらに、情報伝送装置73と外部発信受信装置10を一体化させても良い。
【0237】
また、本適用例では内容量対応テーブルを用いた例を示したが、計算式を用いて通信距離に対応する内容量を求めても良い。
【0238】
なお、輸液用スタンド72に設置される各装置(外部発信受信装置10,情報伝送装置73等)は、コンセントから電源が供給されるタイプでも良いし、充電池を用いたコードレスタイプであっても良い。
【0239】
さらに、本適用例では点滴に使用される輸液パックを例として挙げたが、本適用例における輸液は血液を含む。すなわち、輸血に使用される輸血パックにも適用可能である。この場合、無線型伝送装置20の記憶部21が血液型に関する情報を記憶していれば、輸血用血液の残量管理や血液型の管理を行うことができる。その結果、本適用例における輸液管理システムと同様に、患者に誤った血液を輸血するような医療過誤を防止できる。また、本システムは、医療用に限定されるものではなく、医療用用途以外の液体を用いた輸液管理システムにも適用可能である。
【0240】
また、無線型伝送装置20を浮遊部材302に設置するのではなく、輸液パック71を形成する材料と同一の材料を用いたカプセルに収容した状態で、輸液パック71の輸液面に浮遊させても良い。
【0241】
(適用例4)
<構成>
次に、第1の実施形態による送受信システムを適用した用紙管理システムについて説明する。用紙管理システムは、プリンターに収容されるプリンター用紙を管理する。
【0242】
図30は、プリンター80の外観図である。この用紙管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、給紙トレー81と、プリンター本体82とを備える。プリンター本体82には、凹状のトレー収納部800が形成されている。給紙トレー81は、トレー収納部800に挿入されて、トレー収納部800の中に収納される。
【0243】
〔給紙トレー81〕
図31は、給紙トレー81の断面模式図である。給紙トレー81は、矩形箱状のトレー本体801と、矩形状の給紙板802と、付勢部材としての弾性体(例えば、バネ)803とを含む。給紙板802は、トレー本体801の内部(詳しくは、トレー本体801の底面801aの上部)に配置され、プリンター用紙が載置される。バネ803は、給紙トレー81の挿入方向において、給紙板802の一方端部とトレー本体801の底面801aの一方端部との間に接続される。バネ803の復元力により、給紙板802の一方端部は、トレー本体801の底面801aから離れる方向へ付勢されている。
【0244】
〔無線型伝送装置20〕
無線型伝送装置20は、給紙トレー81の挿入方向において、給紙板802の一方端部に設置される。無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報として用紙情報を記憶している。用紙情報は、例えば、プリンター用紙の種類やサイズ等、プリンター用紙に関する情報である。なお、返信信号には、ID情報に加えて、用紙情報が含まれる。
【0245】
〔プリンター本体82〕
図32は、プリンター本体82の断面模式図である。プリンター本体82は、外部発信受信装置10と、表示部804とを含む。
【0246】
〔外部発信受信装置10〕
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、給紙板802の移動方向に対応する位置に配置される。ここでは、送受信コイルL1は、給紙板802の一方端部の移動方向の延長線上であるトレー収納部800の上面部800aに設置される。
【0247】
外部発信受信装置10の情報検出部109は、ID情報に加えて、用紙情報も検出する。制御部11は、求めた通信距離に基づいて、給紙トレー81に収容されたプリンター用紙の枚数を求める。制御部11は、通信距離とプリンター用紙の枚数との関係に基づいて作成された枚数対応テーブルを予め記憶している。枚数対応テーブルには、複数の用紙枚数と複数の通信距離とが対応付けられている。なお、枚数対応テーブルにおいて、通信距離が長くなるほど、その通信距離に対応する用紙枚数は多くなる。また、制御部11は、測定結果情報に代えて、情報検出部109によって検出されたID情報および用紙情報と求めた用紙枚数とが書き込まれた管理情報を表示部804へ出力する。
【0248】
また、制御部11は、求めた用紙枚数が規定量以下であると、残量減少信号を表示部401へ出力する。
【0249】
表示部804は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報,用紙情報,用紙枚数)を表示する。また、表示部804は、外部発信受信装置10からの残量減少信号を受け取ると、残量減少通知画像(例えば、残量「少」)を表示する。
【0250】
<動作>
次に、用紙管理システムによる動作について説明する。
【0251】
プリンター本体82のトレー収納部800に給紙トレー81が収納されると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11は、定期的に、通信距離を求める。また、制御部11は、求めた通信距離に基づいて、給紙トレー81に収容されたプリンター用紙の枚数を求める。例えば、制御部11は、枚数対応テーブルの中から通信距離に対応する用紙枚数を検出する。次に、制御部11は、情報検出部109によって検出されたID情報および用紙情報と求めた用紙枚数とを管理情報に書き込み、管理情報を表示部804へ、定期的に出力する。その結果、表示部804に表示される管理情報が定期的に更新される。
【0252】
ここで、給紙トレー81に収容されたプリンター用紙の枚数が減少すると、給紙板802の一方端部は、バネ803の復元力によって、トレー本体801の上方へ(つまり、トレー収納部800の上面部800aへ)近づく。したがって、無線型伝送装置20からの返信信号の状態が良好になる。これにより、外部発信受信装置10によって求められる通信距離D2が短くなり、算出される用紙枚数が減少する。つまり、表示部804に表示される用紙枚数が減少する。
【0253】
また、外部発信受信装置10の制御部11は、求めた用紙枚数が規定量以下であると判定すると、残量減少信号を出力する。よって、表示部804には「残量「少」」が表示される。これにより、用紙の補給を促すことができる。なお、表示部804が、残量減少信号と共に警告音を発しても良い。
【0254】
<効果>
以上のように、給紙トレーに収容された用紙の種類と枚数を同時に管理することができる。また、用紙情報をパソコンの表示画面に表示すれば、パソコンから印刷するときにサイズの異なった紙を指定してしまうことを防止することができる。
【0255】
また、無線型伝送装置(例えば無線タグ)は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、給紙トレー内の任意のスペースに搭載することが可能である。
【0256】
また、本適用例では枚数対応テーブルを用いた例を示したが、計算式を用いて通信距離に対応する用紙枚数を求めても良い。
【0257】
なお、本適用例では、定期的に通信距離を求めているが、プリンター本体の動作に応じて通信距離を求めるようにすれば、プリンターが動作していない時における通信距離の測定を省略することができる。
【0258】
(適用例5)
<構成>
次に、第1の実施形態による送受信システムを適用したインク管理システムについて説明する。このインク管理システムは、インクジェットプリンターに内蔵されるインクカートリッジに収容されたインクを管理する。
【0259】
図33Aは、インクジェットプリンターの外観図である。プリンター本体90には、カートリッジホルダー部91が形成されている。このインク管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、カートリッジホルダー部91と、インクカートリッジ92とを備える。図33Bは、カートリッジホルダー部91の外観図である。インクカートリッジ92は、カートリッジホルダー部91の中に取り付けられる。図34は、カートリッジホルダー部91およびインクカートリッジ92の断面模式図である。
【0260】
〔インクカートリッジ92〕
インクカートリッジ92は、インクを収納する。また、インクカートリッジ92に収容されたインクの液面には、浮遊部材302が浮遊している。
【0261】
〔無線型伝送装置20〕
無線型伝送装置20は、浮遊部材302の表面に設置される。無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報としてインク情報を記憶している。インク情報は、例えば、インクの色や種類等、インクに関する情報である。なお、返信信号には、ID情報に加えて、インク情報が含まれる。
【0262】
〔外部発信受信装置10〕
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、浮遊部材302の移動方向に対応する位置に配置される。ここでは、送受信コイルL1は、移動方向の延長線上であるカートリッジホルダー部91の上部に配置される。
【0263】
外部発信受信装置10の情報検出部109は、ID情報に加えて、インク情報も検出する。制御部11は、求めた通信距離に基づいて、インクカートリッジ92に収容されたインクの内容量を求める。また、制御部11は、測定結果情報に代えて、情報検出部109によって検出されたID情報およびインク情報と求めたインクの内容量とが書き込まれた管理情報を表示部901へ出力する。
【0264】
また、制御部11は、インクの内容量が規定量以下であると、残量減少信号を表示部901へ出力する。
【0265】
表示部901は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報,インク情報,インクの内容量)を表示する。また、表示部901は、外部発信受信装置10からの残量減少信号を受け取ると、残量減少通知画像(例えば、残量「少」)を表示する。なお、表示部901が、残量減少信号と共に警告音を発しても良い。
【0266】
<動作>
次に、インク管理システムによる動作について説明する。
【0267】
カートリッジホルダー部91にインクカートリッジ92が収納されると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11は、定期的に、通信距離を求める。また、制御部11は、求めた通信距離に基づいて、インクカートリッジ92に収容されたインクの内容量を求める。次に、制御部11は、情報検出部109によって検出されたID情報およびインク情報と求めたインクの内容量とを管理情報に書き込み、管理情報を表示部901へ、定期的に出力する。表示部901に表示される管理情報が定期的に更新される。
【0268】
また、外部発信受信装置10の制御部11は、求めたインク内容量が規定量以下であると判定すると、残量減少信号を出力する。よって、表示部901には「残量「少」」が表示される。これにより、インクカートリッジの交換を促すことができる。
【0269】
<効果>
以上のように、インクカートリッジに収容されたインクの種類と内容量を同時に管理することができる。
【0270】
また、無線型伝送装置(例えば無線タグ)が設けられた浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、小型のインクカートリッジ内部に搭載することができる。
【0271】
なお、以上の本実施形態の適用例の各々において、第1の実施形態による送受信システムを適用する例について説明してきたが、第1の実施形態の変形例1,変形例2,第2の実施形態,および第3の実施形態の各々も、当然、適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0272】
以上説明したように、本発明は、無線型伝送装置の存在位置を検知することができるので、所定の収容容器に収納された内容物の内容量を管理する容器管理システムや、給紙トレーに収容されたプリンター用紙を管理する用紙管理システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0273】
【図1】この発明の第1の実施形態による送受信システムの全体構成および返信信号について説明するための図。
【図2】信号と受信レベルと通信距離との関係を示すグラフ。
【図3】(A)通信S/Nと通信距離との関係を示すグラフ。(B)誤り率と通信S/Nとの関係を示すグラフ。(C)誤り訂正数と通信距離との関係を示すグラフ。
【図4】図1に示した外部発信受信装置の内部構成を示すブロック図。
【図5】レベル情報対応テーブルの一例を示す図。
【図6】図4に示した送信信号供給部の内部構成を示すブロック図。
【図7】図4に示した復号部および信号状態検知部の内部構成を示すブロック図。
【図8】図1に示した無線型伝送装置の内部構成を示すブロック図。
【図9】図8に示した復号部の内部構成を示すブロック図。
【図10】図8に示した返信信号供給部の内部構成を示すブロック図。
【図11】負荷変調方式による各信号の変化の様子を説明するための波形図。
【図12】別の負荷変調方式による各信号の変化の様子を説明するための波形図
【図13】この発明の第1の実施形態の変形例1による送受信システムにおける各信号の変化の様子を説明するための波形図
【図14】この発明の第1の実施形態の変形例2による送受信システムにおけ各信号の変化の様子を示す波形図。
【図15】(A)時間変調度対応テーブルの一例を示す図。(B)変調度距離対応テーブルの一例を示す図。
【図16】この発明の第2の実施形態による送受信システムにおける動作について説明するための図。
【図17】時間距離対応テーブルの一例を示す図。
【図18】送信回数変調度対応テーブルの一例を示す図。
【図19】この発明の第3の実施形態による送受信システムにおける動作について説明するための図。
【図20】送信回数通信距離対応テーブルの一例を示す図。
【図21】この発明の実施形態の適用例1による容器管理システムの構成を示す図。
【図22】図21に示した浮遊部材における無線型伝送装置の設置例を示す図。
【図23】図21に示した収容容器に入っている液体が少なくなった場合について説明するための図。
【図24】図21に示した浮遊部材における無線型伝送装置の設置例を示す図。
【図25】図21に示した収容容器の変形例1を示す図。
【図26】図21に示した収容容器の変形例2を示す図。
【図27】図26に示した収容容器に入っている液体が少なくなった場合について説明するための図。
【図28】この発明の実施形態の適用例2による燃料電池システムの構成を示す図。
【図29】この発明の実施形態の適用例3による輸液管理システムの構成を示す図。
【図30】プリンターの外観図。
【図31】図21に示した給紙トレーの断面模式図。
【図32】この発明の実施形態の適用例4による用紙管理システムの構成について説明するための断面模式図。
【図33】(A)プリンターの外観図。(B)カートリッジホルダーの外観図。
【図34】この発明の実施形態の適用例5によるインク管理システムの構成について説明するための図。
【符号の説明】
【0274】
10 外部発信受信装置
20 無線型伝送装置
11,25 制御部
12 送信信号供給部
13,22 送受信部
14,24 復号部
15 信号状態検知部
21 記憶部
23 電圧生成部
26 返信信号供給部
27 レベル設定部
101,204 符号化処理部
102,205 誤り訂正符号付加部
103 送信データ生成部
104,207 変調回路
105 受信増幅回路
106,201 復調回路
107,202 誤り訂正回路
108,203 復号化処理部
109 情報検出部
110 増幅度演算部
111 誤り箇所計数回路
206 送信データ生成部
30,30A,30B 収容容器
301,301A 容器本体
302 浮遊部材
302A 隔壁部材
40 表示装置
50 燃料電池ユニット
500 発電部
501 燃料供給ポンプ
502 DMFC発電セル
503 電圧変換回路
60 電子機器
601 制御用マイコン
602 表示部
71 輸液パック
72 輸液用スタンド
80,90 プリンター
81 給紙トレー
82 プリンター本体
800 トレー収納部
801 トレー本体
802 給紙板
803 付勢部材
804,901 表示部
91 カートリッジホルダー部
92 インクカートリッジ
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘

【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏

【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久

【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二

【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実

【識別番号】100115691
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 篤史

【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也

【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄

【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守

【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓

【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也


【公開番号】 特開2008−8763(P2008−8763A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179598(P2006−179598)