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【発明の名称】 半導体装置、及び半導体装置を用いた位置検出システム
【発明者】 【氏名】傳保 洋樹

【氏名】黒川 義元

【氏名】井上 卓之

【要約】 【課題】無線通信を行って、RFIDが空間において存在するか存在しないか、またそのRFIDが所有しているIDなどの情報を取得するほか、そのRFIDの位置を特定する。

【構成】複数の質問器とサーバーとをネットワーク接続して、位置検出システムを構築する。RFIDと質問器とで無線通信を行うことで、各質問器からRFIDまでの距離を求め、その距離のからRFIDの位置を求める。質問器からRFIDまでの距離を算出するには、RFIDで質問器から受信した信号の振幅に応じた周波数で信号を発振させる。RFIDで発振している信号の周波数を、RFID内でまたは質問器で検出することにより、質問器からRFIDまでの距離を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を送受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部と、
前記信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部と、を有し、
前記アンテナ回路は、前記信号処理部で生成された信号を送信し、
前記信号処理部は、前記信号発振部で発振した信号の発振回数をカウントすることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
信号を送受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路で受信した信号を整流化し、直流化する整流回路、前記整流回路の出力を平滑化する電源回路、及び前記電源回路の出力に接続されたリング発振回路を有する信号発振部と、
前記リング発振回路で発振した信号の発振回数をカウントするカウンタを有する信号処理部と、を有し、
前記信号処理部で生成した信号が前記アンテナ回路から送信されることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記信号処理部は、論理回路を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記論理回路は、コントローラを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記論理回路は、コントローラ及びCPUを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
信号を送受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部と、
前記信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部と、を有し、
前記アンテナ回路は、前記信号処理部で生成された信号を送信し、
前記信号処理部は、前記信号発振部で発振した信号の周波数を検出することを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
信号を送受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部と、
前記信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部と、を有し、
前記信号処理部は、前記信号発振部で発振した信号の周波数を検出し、検出した周波数から、前記アンテナ回路で受信した信号の送信元までの距離を検出し、
前記信号処理部で検出された前記距離を表す信号が前記アンテナ回路から送信されることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6又は7において、
前記信号処理部は、前記アンテナ回路で受信した信号を整流化し、直流化する整流回路、前記整流回路の出力を平滑化する電源回路、及び前記電源回路の出力に接続されたリング発振回路を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
信号を送受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路で受信した信号を整流化し、直流化する第1の整流回路、前記第1の整流回路の出力を平滑化する第1の電源回路、及び前記第1の電源回路の出力に接続されたリング発振回路を有する信号発振部と、
前記リング発振回路で発振する信号の発振回数をカウントする第1のカウンタ、前記アンテナ回路で受信した信号を整流化し、直流化する第2の整流回路、レギュレータを備え、前記第2の整流回路の出力を平滑化する第2の電源回路、前記第2の電源回路の電源から基準クロックを生成する基準クロック生成回路、及び論理回路を有する信号処理部と、を有し、
前記論理回路は、
前記基準クロックをカウントする第2のカウンタと、
コントローラと、
CPUと、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
信号を送受信するアンテナ回路と、
前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部と、を有し、
前記信号発振部で発振する信号を前記アンテナ回路で送信することを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記信号発振部は、
前記アンテナ回路で受信した信号を整流化し、直流化する整流回路と、
前記整流回路の出力を平滑化する電源回路と、
前記電源回路の出力に接続されたリング発振回路と、を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
半導体装置、及び複数の質問器を有し、前記半導体装置の位置を検出する位置検出システムであり、
前記半導体装置は、信号を送受信するアンテナ回路、前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部、および前記信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部を有し、
前記複数の質問器のいずれか1つが、前記半導体装置に前記信号発振部で発振される信号の発振回数のカウントを開始するための距離検出用信号を送信し、
前記半導体装置のアンテナ回路で距離検出用信号を受信すると、前記距離検出用信号が前記信号発振部及び前記信号処理部にそれぞれ出力され、
前記信号発振部は、前記距離検出用信号の電界強度に対応する周波数の信号を発振し、
前記信号処理部は前記信号発振部で発振された信号の発振回数のカウントを開始し、カウントした値が所定の値になると、前記信号発振部で前記発振回数のカウントを終了したことを示す応答信号が生成され、
前記応答信号が前記アンテナ回路から送信され、
当該距離検出用信号を送信した一の質問器は、前記応答信号を受信すると、前記距離検出用信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項13】
半導体装置、及び複数の質問器を有し、前記半導体装置の位置を検出する位置検出システムであり、
前記半導体装置は、信号を送受信するアンテナ回路、前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部、および前記信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部を有し、
前記複数の質問器のいずれか1つが、前記半導体装置に前記信号発振部で発振される信号の周波数を検出するための距離検出用信号を送信し、
前記半導体装置のアンテナ回路で距離検出用信号を受信すると、前記距離検出用信号が前記信号発振部及び前記信号処理部にそれぞれ出力され、
前記信号発振部は、前記距離検出用信号の電界強度に対応する周波数の信号を発振し、
前記信号処理部は前記信号発振部で発振された信号の周波数を検出することにより、前記半導体装置から当該距離検出用信号を送信した質問器までの距離を求め、
前記信号処理部で求められた距離を表す信号が前記アンテナ回路から送信され、
前記距離を表す信号が当該距離検出用信号を送信した質問器に受信されることを特徴とする位置検出システム。
【請求項14】
半導体装置、及び複数の質問器を有し、前記半導体装置の位置を検出する位置検出システムであり、
前記半導体装置は、信号を送受信するアンテナ回路、及び前記アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部を有し、
前記複数の質問器のいずれか1つが、半導体装置に距離検出用信号を送信し、
前記半導体装置において、アンテナ回路が前記距離検出用信号を受信すると、前記距離検出用信号が前記信号発振部に入力され、
前記信号発振部は、距離検出用信号の電界強度に対応する周波数の信号を発振し、
前記アンテナ回路は、前記信号発振部で発振された信号を送信し、
当該距離検出用信号を送信した質問器は、前記アンテナ回路からの信号を受信すると、受信した信号の周波数を検出することを特徴とする位置検出システム。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1項において、
前記信号発振部は、整流回路、前記整流回路の出力に接続された電源回路、及び前記電源回路の出力に接続されたリング発振回路を有することを特徴とする位置検出システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及び当該半導体装置を用いた位置検出システムに関する。特に、複数の質問器からの無線信号により位置検出を行う半導体装置を用いた位置検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁界または電波等の無線通信を利用した個体情報識別技術が注目を集めている。特に、無線通信によりデータの交信を行う半導体装置として、RFID(Radio Frequency Identification)タグを利用した個体情報識別技術が注目を集めている。RFIDタグ(以下、単にRFIDという)は、IC(Integrated Circuit)タグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグとも呼ばれる。RFIDを用いた個体識別技術は、個々の対象物の生産、管理等に役立てられ始めており、個人認証への応用も期待されている。
【0003】
RFIDは、電源を内蔵するか、外部から電源供給を受けるかの違いにより、アクティブタイプ(能動タイプ)のRFIDと、パッシブタイプ(受動タイプ)のRFIDとの二つのタイプに分けることができる。特許文献1にはアクティブタイプのRFIDに関して記載され、特許文献2には、パッシブタイプに関しては記載されている。このうち、アクティブタイプのRFIDにおいては、RFIDを駆動するための電源を内蔵しており、電源として電池を備えて構成されている。また、パッシブタイプのRFIDにおいては、RFIDを駆動するための電源を外部からの電波または電磁波(搬送波)の電力を利用して作りだし、電池を備えることのない構成を実現している。
【0004】
図26にアクティブタイプのRFIDの具体的な構成についてブロック図を示す。図26のアクティブタイプのRFID1400では、アンテナ回路1401によって受信された通信信号が信号処理回路1402における復調回路1405、アンプ1406に入力される。通常、通信信号は13.56MHz、915MHzなどのキャリアにASK変調、PSK変調などの処理を行って送られてくる。ここで図26においては、通信信号として13.56MHzの例について示す。
【0005】
図26において、信号を処理するためには基準となるクロック信号が必要であり、ここでは13.56MHzのキャリアをクロックに用いている。アンプ1406は13.56MHzのキャリアを増幅し、クロックとして論理回路1407に供給する。またASK変調やPSK変調された通信信号は復調回路1405で復調される。復調後の信号は、論理回路1407に送られ、解析される。論理回路1407で解析された信号はメモリコントロール回路1408に送られ、それに基づき、メモリコントロール回路1408はメモリ回路1409を制御し、メモリ回路1409に記憶されたデータを取り出し、論理回路1410に送る。メモリ回路1409から送られてきたデータは、論理回路1410でエンコード処理された後、アンプ1411で増幅され、その信号によって、変調回路1412はキャリアの変調処理を行う。
【0006】
ここで図26における電源は、信号処理回路1402の外に設けられる電池1403によって電源回路1404を介して供給される。そして電源回路1404はアンプ1406、復調回路1405、論理回路1407、メモリコントロール回路1408、メモリ回路1409、論理回路1410、アンプ1411、変調回路1412などに電力を供給する。このようにしてアクティブタイプのRFIDは動作する。
【0007】
図27に、パッシブタイプのRFIDの具体的な構成についてブロック図を示す。図27のパッシブタイプのRFID1500では、アンテナ回路1501によって受信された通信信号が信号処理回路1502における復調回路1505、アンプ1506に入力される。通常、通信信号は13.56MHz、915MHzなどのキャリアにASK変調、PSK変調などの処理を行って送られてくる。図27においては、通信信号として13.56MHzの例について示す。
【0008】
図27において、信号を処理するためには基準となるクロック信号が必要であり、ここでは13.56MHzのキャリアをクロックに用いている。アンプ1506は13.56MHzのキャリアを増幅し、クロックとして論理回路1507に供給する。またASK変調やPSK変調された通信信号は復調回路1505で復調される。復調後の信号は、論理回路1507に送られ、解析される。論理回路1507で解析された信号はメモリコントロール回路1508に送られ、それに基づき、メモリコントロール回路1508はメモリ回路1509を制御し、メモリ回路1509に記憶されたデータを取り出し、論理回路1510に送る。メモリ回路1509から送られてきたデータは、論理回路1510でエンコード処理された後、アンプ1511で増幅され、その信号によって、変調回路1512ではキャリアに変調処理を行う。一方、整流回路1503に入った通信信号は整流され、電源回路1504に入力される。電源回路1504はアンプ1506、復調回路1505、論理回路1507、メモリコントロール回路1508、メモリ回路1509、論理回路1510、アンプ1511、変調回路1512などに電力を供給する。このようにしてパッシブタイプのRFIDは動作する。
【0009】
【特許文献1】特開2005−316724号公報
【特許文献2】特表2006−503376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した従来のRFIDを有する半導体装置では、RFIDを有する半導体装置が所定の空間において存在するか存在しないか、また存在する場合において、そのRFIDが所有しているIDなどの情報を得ることはできるが、そのRFIDを有する半導体装置が所定の空間においてどこにあるかという位置を求めることはできないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、無線通信によりデータの交信を行う半導体装置であって、該半導体装置と、他の無線通信用の装置との距離を検出することを可能にした半導体装置を提供することを課題の1つとする。さらに、本発明は、このような半導体装置を用いて、半導体装置の位置を検出するシステムを構築することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の諸問題を解決するため本発明に係る半導体装置は、無線通信によりデータの交信を行い、受信した信号の発信元から、送信元までの距離の情報を示す信号を生成し、送信することを特徴とする。
【0013】
本発明は、距離の情報を検出するため、信号が空間を伝搬するうちに、その伝搬距離に応じて電界強度が低下することに着目してなされたものである。本発明の半導体装置は、受信した信号の電界強度(信号の振幅の大きさ)に応じた周波数の信号が発振する手段を有する。この手段で発振される信号の周波数が分かれば、信号の送信元と半導体装置間の距離を検出することができる。
【0014】
そこで、本発明の半導体装置の一は、信号を送受信するアンテナ回路と、アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部と、信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部を具備し、アンテナ回路は信号処理部で生成された信号を送信することを特徴とする。
【0015】
信号処理部は、信号発振部で発振した信号の発振回数をカウントする手段を有する。また信号処理部は、信号発振部で発振した信号の発振回数をカウントする手段と共に、カウントに要した時間、すなわち発振時間を計測する手段を有する構成とすることができる。
【0016】
本発明の半導体装置の他の一は、信号を送受信するアンテナ回路と、アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部とを有し、アンテナ回路は信号発振部で発振している信号を送信することを特徴とする。アンテナ回路で送信した信号を受信し周波数を検出することで、半導体装置と信号の送信元間の距離を知ることができる。
【0017】
また本発明の半導体装置において、信号発振部は、アンテナ回路で受信した信号を直流電圧にする電源手段と、電源手段の出力を電源とするリング発振器を具備する。この構成により、信号発振部で、アンテナ回路で受信した信号の電界強度(振幅)に応じた周波数で発振するパルス信号を生成することができる。
【0018】
また、本発明の半導体装置において、アンテナ回路で送受信する信号を増幅するための増幅回路を具備する構成であってもよい。
【0019】
本発明に係る半導体装置と、半導体装置と無線通信を行う複数の質問器とで位置検出システムを構築することができる。本発明に係る位置検出システムは、半導体装置の信号発振部で発振した信号の周波数を検出するために、信号の発振回数(パルス)を計測する手段と、信号の発振時間を計測する手段を有することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る位置検出システムの1つは、無線通信を行う半導体装置と複数の質問器を有し、半導体装置は受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する。半導体装置で発振した信号の周波数を検出するために、信号の発振回数を計測する手段を半導体装置に具備させ、発振時間を計測する手段を質問器に具備させることを特徴とする。
【0021】
より具体的には、半導体装置は、信号を送受信するアンテナ回路と、アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数の信号を発振する信号発振部と、信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部を具備する。複数の質問器のいずれか1つが、半導体装置に距離検出用信号を送信する。半導体装置において、アンテナ回路で距離検出用信号を受信すると、距離検出用信号が信号発振部および信号処理部にそれぞれ出力される。信号発振部は、距離検出用信号の電界強度に対応する周波数で発振する信号が生成され、信号処理部は信号発振部で発振している信号の発振回数のカウントを開始する。カウント値が所定の値に達すると、信号処理部で、カウントを終了したこと示す応答信号が生成され、応答信号がアンテナ回路から送信される。当該距離検出用信号を送信した質問器において、応答信号が受信されると、距離検出用信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間が検出される。
【0022】
本発明に係る位置検出システムの他の1つは、無線通信を行う半導体装置と複数の質問器を有し、半導体装置は受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する。半導体装置で発振した信号の周波数を検出するために、信号の発振回数を計測する手段、信号の発振時間を計測する手段の双方を半導体装置に具備させることを特徴とする。
【0023】
より具体的には、本発明に係る位置検出システムにおいて、半導体装置は、信号を送受信するアンテナ回路と、アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部と、信号発振部で発振した信号を処理する信号処理部を具備する。複数の質問器のいずれか1つが、半導体装置に距離検出用信号を送信する。半導体装置において、アンテナ回路で距離検出用信号を受信すると、距離検出用信号が信号発振部に出力される。信号発振部は、距離検出用信号の電界強度に対応する周波数の信号を発振し、信号処理部は信号発振部で発振された信号の発振回数及び発振時間を計測し、発振回数と発振時間から、質問器と半導体装置間の距離を検出し、検出した距離を質問器に送信する。
【0024】
本発明に係る位置検出システムの他の1つは、無線通信を行う半導体装置と複数の質問器を有し、半導体装置は受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する。半導体装置は、発振した信号を質問器に送信し、質問器で周波数を検出することを特徴とする。
【0025】
より具体的には、発明に係る位置検出システムは、複数の質問器と、半導体装置とを具備し、半導体装置は、信号を送受信するアンテナ回路と、アンテナ回路で受信した信号の電界強度に対応する周波数で信号を発振する信号発振部とを有する。複数の質問器のいずれか1つが距離検出用信号を送信し、半導体装置において、アンテナ回路で距離検出用信号を受信すると、距離検出用信号が信号発振部に入力される。信号発振部は、距離検出用信号の電界強度に対応する周波数の信号を発振する。アンテナ回路は、信号発振部で発振された信号を送信する。当該質問器は、アンテナ回路からの信号を受信すると、受信した信号の周波数を検出する。質問器は、信号の発振回数を計測する手段、及び発振時間を計測する手段双方を具備している。これにより、周波数を検出することができる。
【0026】
なお、本発明において、接続されているとは、電気的に接続されているものとする。したがって、本発明が開示する構成において、所定の接続関係に加え、その間に電気的な接続を可能とする他の素子(例えば、スイッチやトランジスタや容量素子やインダクタや抵抗素子やダイオードなど)が配置されていてもよい。
【0027】
なお、本明細書でいう半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能し得る置全般を指すものとする。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、無線通信において、通信距離の計測を行うことができる半導体装置を提供することができる。よって、本発明に係る半導体装置を用いることで、半導体装置がある空間のどの位置に配置されているかといった情報(例えば、空間座標)を検出する位置検出システムを構築することができる。本発明に係る半導体装置を什器に取り付けておき、半導体装置の位置情報(空間座標)を無線通信で定期的に検出することにより、什器の軌跡を追跡することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、共通の符号は、同一部分又は同様な機能を有する部分を示しており、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
本発明は、信号が空間を伝搬するうちに、その伝搬距離に応じて電界強度が低下することを利用して、RFIDと質問器との距離、およびRFIDの位置を検出するものである。以下、本明細書において、質問器から出力された信号は、質問器を中心として電界強度が球状の広がりを持ち、質問器からの距離が離れるほど電界強度が低下するとして、以下本発明を説明する。
【0031】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、本発明における半導体装置の構成及び当該半導体装置を用いた本発明の位置検出システムの構成について説明する。
【0032】
本発明の位置検出システムは、質問器とRFIDを有する半導体装置で通信を行うことにより、半導体装置の位置を検出するものである。図1は、本発明の位置検出システムの構成および、システムにおける信号の送受信を説明するためのブロック図である。図1のシステムは、空間130内でRFIDを有する半導体装置の位置を検出するためのシステムである。RFIDを有する半導体装置は、無線で通信を行う半導体装置であり、以下、「RFID」と記すこととする。
【0033】
図1に示すように、RFID100は、質問器121、質問器122、質問器123、質問器124に囲まれて配置されている。勿論、本発明では質問器の数は4に限定されない。RFID100の位置を3次元の空間で検出するには、質問器が少なくとも4つあればよい。この点については、後述する。なお、RFID100の位置を検出するのに、2次元の座標を検出すればよいのであれば、質問器を少なくとも3つ有していればよい。また、RFID100と質問器の距離のみを計測する場合は質問器が少なくとも1つあればよい。
【0034】
質問器121、質問器122、質問器123、質問器124はLAN(ローカルエリアネットワーク)などでサーバー140に接続されている。サーバー140は質問器121〜124を制御、または質問器121〜124からの信号をもとにRFIDの位置を検出するシステムの制御部である。サーバー140と質問器121〜124との接続、質問器121〜124同士の接続は、有線のネットワークでも、無線のネットワークのいずれのネットワークでも構築することができる。
【0035】
なお、本明細書において、質問器(リーダ/ライタ装置、R/W装置、ともいう)は、搬送波に載せる形で信号を出力し、RFIDと無線で信号を送受信する機能を有するが、搬送波の周波数は特に限定されない。
【0036】
質問器121、質問器122、質問器123、質問器124は、それぞれ等しい電界強度の距離検出用信号を出力する。以下、これらの信号を信号F1、信号F2、信号F3、信号F4と表記する(図1参照)。RFID100と特定の質問器との間の距離、またはRFID100の位置を測定するときには、信号F1〜F4がRFID100で同時に複数の質問器からの信号を受信しないように、質問器121、質問器122、質問器123、質問器124は信号F1〜F4を順次に送信する。質問器121〜124が信号F1〜F4を送信するタイミングは、サーバー140で制御される。
【0037】
RFID100は、質問器121〜124から送信された信号F1〜F4を受信し、信号F1〜F4を受信したことにより生成される信号S1〜S4を送信する機能を有する。図2は、本発明に係るRFID100の基本的な構成を示すブロック図である。図2のRFIDを有する半導体装置(以下、「RFID」と記す。)はアンテナ回路101、信号発振部102、信号処理部103によって構成されている。
【0038】
図2に示すように、アンテナ回路101と信号発振部102は、信号が入出力され、信号発振部102と信号処理部103との間で信号が入出力される。アンテナ回路101は外部からの信号を受信、または外部へ信号を送信するための回路である。すなわち、図1に示した質問器121〜124からの信号F1〜F4はアンテナ回路101で受信され、信号S1〜S4はアンテナ回路101から送信される。
【0039】
信号発振部102は、アンテナ回路101で受信した信号を基に、パルス信号を発振し、出力する機能を有する。そのため、信号発振部102は、パルス発振回路を有する。パルス発振回路は、入力された信号の電圧に応じて周波数が異なるパルス信号を発振できる機能を有している。このようなパルス発振回路は、例えば、整流回路と、整流回路からの信号が入力されるリング発振回路で構成することができる。
【0040】
なお、本明細書において、パルス信号とは、周期的に電圧が変動する信号をいう。パルス信号を図4に例示する。例えば、パルス信号とは、図4に示した矩形波001(a)、矩形波001(b)、三角波002、のこぎり波003、正弦波004のように電圧が周期的に振幅する波のことである。
【0041】
また、信号処理部103は、信号発振部102より出力されるパルス信号のパルスをカウントする機能を有する。そのため、信号処理部103には、信号発振部102より出力されるパルス信号のパルスをカウントするカウンタを備えている。
【0042】
アンテナ回路101におけるアンテナの形状は、特に限定されない。つまり、RFID100におけるアンテナ回路101に適用する信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が適宜、使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さや形状のアンテナを設ければよい。
【0043】
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
【0044】
また、伝送方式としてマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよい。アンテナとして機能する導電膜を例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
【0045】
また、RFID100にアンテナ回路101で送受信する信号を増幅するための増幅回路を具備することもできる。なお、RFID100はアクティブタイプ、パッシブタイプのいずれかの構造とすることができる。例えば、アクティブタイプとする場合は、図26の従来例と同様、電池をさらに設け、信号発振部102に電源回路を設ければよい。またパッシブタイプとする場合は、図27の従来例と同様、アンテナ回路101で受信した信号から電源を発生させるため、信号発振部102に整流回路と電源回路を設ければよい。
【0046】
本発明は、信号が空間を伝搬するうちに、その伝搬距離に応じて電界強度が低下することを利用して、RFIDと質問器間の距離、およびRFIDの位置を検出するものである。
【0047】
図3に示すフローチャートを用いて、図1に示した位置検出システムの動作について説明する。なお、本発明は、質問器の数が4つに限定されるものではないが、説明の都合、質問器の数を4に限定し、本発明の位置検出システムのフローを説明する。この点は、他の実施形態も同様である。
【0048】
まず、RFID100と1番目の質問器121間の距離を検出するため、1番目の質問器121は、信号F1を出力する(ステップST01)。RFID100は質問器121からの信号F1をアンテナ回路101で受信する(ステップST02)。
【0049】
アンテナ回路101で受信された信号F1は、信号発振部102に出力される。信号発振部102では、入力されたF1の電界強度に対応する周波数で発振するパルス信号を生成する(ステップST03)。アンテナ回路101で受信した信号F1を整流化、かつ平滑化して直流電圧を生成し、この直流電圧を電源とする発振回路でパルス信号を発振させることで、このようなパルス信号を生成することができる。
【0050】
信号発振部102で発振するパルス信号は、信号処理部103に入力される。信号処理部103では、パルス信号のパルス数を一定値になるまでカウントする(ステップST04)。
【0051】
カウント数が一定値に達すると、信号処理部103ではパルスのカウントが終了したことを示す信号(応答信号S1)が生成される(ステップST05)。応答信号S1は、信号処理部103からアンテナ回路101に出力される。アンテナ回路101から応答信号S1が送信される(ステップST06)。質問器121はRFID100からの応答信号S1を受信する(ステップST07)。応答信号S1を受信すると、質問器121は信号F1を送信してから応答信号S1を受信するまでの時間T1を検出する(ステップST08)。ここでは、この時間T1を応答時間T1ということとする。
【0052】
なお、応答時間T1は、RFID100内の信号発振部102で発振されたパルス信号の発振周波数によって決まる。また、パルス信号の発振周波数は、RFID100で受信したときの信号F1の電界強度によって決まり、RFID100で受信したときの信号F1の電界強度は、RFID100と第1番目の質問器121間の距離で決まる。RFID100と質問器121との距離が広がるほど、RFID100で受信したときの信号F1の電界強度が弱まるため、パルス信号の発振周波数が低下する。その結果、信号発振部102でパルスをカウントするのに要する時間が長くなり、質問器121で計測される応答時間T1は長くなる。つまり、質問器121で計測した応答時間T1は、信号発振部102で発振しているパルス信号の周波数に対応するため、応答時間T1から、RFID100と質問器121間の距離を検出することができる。
【0053】
ステップST01からステップST08までの動作を、2番目の質問器122、3番目の質問器123、4番目の質問器124で順次に行い、各質問器122〜124において応答時間T2、応答時間T3、応答時間T4を検出する。RFID100と通信を行う質問器の選択は、サーバー140からの命令により制御されている。なお、RFID100の位置を3次元の座標で特定するには、少なくとも4つの質問器で応答時間を計測すればよいので、空間130に質問器が5つ以上ある場合、全ての質問器で応答時間を計測する必要はない。
【0054】
空間130に配置された質問器121、質問器122、質問器123、質問器124はLAN(ローカルエリアネットワーク)などを経由し、計測した応答時間T1〜T4をサーバー140に伝える。サーバー140は、質問器121、質問器122、質問器123、質問器124から送信された応答時間T1〜T4をもとに、各質問器121〜124とRFID100間の距離D1、距離D2、距離D3、及び距離D4を計算する。これらの距離D1〜D4と質問器121〜124の位置情報(空間座標、より具体的には相対座標)から、RFID100の位置(空間座標)を特定することができる。
【0055】
図5を用いて、少なくとも4つの質問器を用いることで、RFIDの位置を特定できることを説明する。空間130内において、図5に示すように、各質問器121〜124の座標を中心に、距離D1〜D4を半径とする4つの球体の交点が1つに決まり、その交点がRFID100の座標となる。
【0056】
以上説明したように、質問器とRFID100の距離を測定することにより、空間130におけるRFID100の位置を検出することができる。管理者はサーバー140にアクセスすることによって、RFID100がどこにあるかを知ることができる。
【0057】
上述した本発明の構成をとることにより、RFIDが有するIDなどの固有情報の特定のみならず、RFIDが空間のどの位置に配置されているかといった情報について知ることができる。またRFIDの位置情報を定期的に検索することにより、RFIDを具備する什器の動作の軌跡(動線ともいう)を追跡した情報について知ることができる。
【0058】
(実施の形態2)
実施形態1では、信号発振部102で発振している信号の発振周波数を検出するために、信号処理部103では信号発振部102で発振しているパルス信号のパルスのカウントのみを行い、質問器でパルスのカウントに要する時間を検出している。本実施形態の位置検出システムでは、信号処理部で、パルス信号の発振回数のカウントと、発振時間を検出するようにしたことを特徴とする。なお、本実施形態の位置検出システム及びRFID100の構成は実施形態1(図1、図2参照)と同様であるため、実施形態1と異なる点について詳細説明するが、同様な点は実施の形態1の説明を援用するものとする。
【0059】
図6に本実施形態の位置検出システムの動作を説明するためのフローを示す。まず、RFID100と1番目の質問器121間の距離を検出する。そのため、1番目の質問器121とRFID100間で通信を行う。ステップST21〜ステップST24は、実施形態1のステップST01〜ステップST04(図3参照)と同様である。
【0060】
まず、図6に示すように、1番目の質問器121は、信号F1を出力する(ステップST21)。質問器121からの信号F1をRFID100のアンテナ回路101で受信する(ステップST22)。アンテナ回路101から信号F1が信号発振部102に入力される。信号発振部102では、入力された信号F1の電界強度に対応する周波数で発振するパルス信号が生成される(ステップST23)。信号処理部103は、信号発振部102で発振しているパルス信号のパルスを一定値になるまでカウントする(ステップST24)。
【0061】
本実施形態の場合、信号処理部103は時間を計測する手段を有する。時間を計測する手段として、例えば、基準クロック信号を発生する手段と、基準クロック信号をカウントするカウント手段を用いることができる。基準クロックのカウント数から時間を計測することが可能である。
【0062】
信号処理部103では、信号発振部102で発振しているパルス信号の発振回数のカウントを開始してから、カウント数が一定値になるまでの時間を計測する。実施形態1で述べたように、ステップST24においてカウントに要した時間は信号発振部102で発振しているパルス信号の周波数を反映し、RFID100と信号F1の送信元である質問器121の距離を反映する。信号処理部103では、ステップST24でパルスのカウントに要した時間から、RFID100から質問器121までの距離を検出する(ステップST25)。
【0063】
信号処理部103で検出された距離のデータは信号S1としてアンテナ回路101から送信される(ステップST26)。1番目の質問器121は信号S1を受信する(ステップST27)。
【0064】
ステップST21からステップST27までの動作を、2番目の質問器122、3番目の質問器123、4番目の質問器124で順次に行い、各質問器122〜124で距離を示す信号S2〜S4を受信する。空間130に配置された質問器121、質問器122、質問器123、質問器124は距離のデータをサーバー140に伝える。サーバー140は、質問器121、質問器122、質問器123、質問器124から受け取った距離のデータと、質問器121〜124の位置情報(空間座標、より具体的には相対座標)から、RFID100の位置(空間座標)を特定する。管理者はサーバー140にアクセスすることによって、RFID100がどこにあるかを知ることができる。
【0065】
上述した本発明の構成をとることにより、RFIDが有するIDなどの固有情報の特定のみならず、RFIDが空間のどの位置に配置されているかといった情報について知ることができる。またRFIDの位置情報を定期的に検索することにより、RFIDを具備する什器の動作の軌跡(動線ともいう)を追跡した情報について知ることができる。
【0066】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1で示したRFIDの半導体装置の別の構成について述べる。なお、本実施の形態において使用する図面に関し、実施の形態1と同じ符号は、同じ要素を示している。このような要素については、詳細については、実施の形態1の説明を援用するものとする。
【0067】
図7は本実施形態のRFIDを有する半導体装置(以下、「RFID」と記す。)の構成を示すブロック図である。本実施形態のRFID200は、図2のRFID100から信号処理部103を除いた例である。RFID200はアンテナ回路101と信号発振部102とでなる。
【0068】
信号処理部103を除くことによって、RFID200全体の回路サイズを縮小することができ、またRFID200全体の低消費電力化を図ることができる。質問器からRFIDを有する半導体装置に送信される信号は、距離が遠くなるにしたがって、信号の減衰がおこる。このような場合においても、RFID200全体の消費電力を減らすことで、信号発振部102において安定した発振を行うことができる。
【0069】
図8は、本実施形態の位置検出システムの構成および信号の送受信を説明するためのブロック図である。図8に示すように、本実施形態のRFID200も、実施形態1のRFID100と同様、位置検出システムを構築することができる。本実施形態のRFID200が、実施形態1、2のRFID100と異なるのは、質問器からの信号F1〜F4に対して、信号発振部102で発振しているパルス信号PS1〜PS4を送信する点である。
【0070】
次に、図9を用いて、本実施形態の位置検出システムの動作を説明する。図9は、RFID200と1番目の質問器121との通信を説明するフローチャートである。RFID200でパルス信号を発振するまでのステップST31〜ST33は実施形態1のステップST01〜ST03(図3参照)と同様である。
【0071】
まず、RFID200と1番目の質問器121間の距離を測定するため、1番目の質問器121は、信号F1を出力する(ステップST31)。質問器121からの信号F1をRFID200のアンテナ回路101で受信する(ステップST32)。信号F1がアンテナ回路101から信号発振部102に入力される。信号発振部102では、入力された信号F1の電界強度(振幅)に対応する周波数で発振するパルス信号PS1が生成される(ステップST33)。
【0072】
次に、RFID200において信号発振部102で発振しているパルス信号PS1がアンテナ回路101に出力され、アンテナ回路101からパルス信号PS1が送信される(ST34)。第1番目の質問器121でパルス信号PS1が受信される(ST35)。質問器121において、受信したパルス信号PS1の周波数を検出する(ST36)。
【0073】
ステップST31からステップST36までの動作を2番目の質問器122、3番目の質問器123、4番目の質問器124の質問器まで同様に行い、各質問器123〜124でそれぞれ送信した信号に対応するパルス信号PS2〜PS4を受信し、周波数を検出する。
【0074】
各質問器121〜124から検出した周波数に対応するデータがサーバー140に送られる。実施形態1で述べたように、信号発振部102で発振するパルス信号PSの周波数は質問器とRFID200間の距離を反映している。よって、サーバー140は、各質問器121〜124から受け取ったデータから、RFID200と各質問器121〜124間の距離を計算し、算出した距離と各質問器121〜124の位置情報(空間座標、具体的には相対座標)からRFIDの位置(空間座標)を検出することができる。管理者はサーバー140にアクセスすることによって、RFID100の位置情報を知ることができる。
【0075】
質問器でパルス信号PSの発振周波数を検出する方法の一例を説明する。質問器で、パルス信号PSのパルス数を既定した一定値になるまでカウントし、そのカウントするのに要した時間を計測する。実施形態1で述べたように、パルスをカウントするのに要した時間は、周波数に対応するため、この方法により、質問器でパルス信号PSの周波数を検出することができる。質問器は計測した時間を、発振周波数のデータとしてサーバー140に送信する。
【0076】
上述した本発明の構成をとることにより、RFIDが有するIDなどの固有情報の特定のみならず、RFIDが空間のどの位置に配置されているかといった情報について知ることができる。またRFIDの位置情報を定期的に検索することにより、RFIDを具備する什器の動作の軌跡(動線ともいう)を追跡した情報について知ることができる。
【0077】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1の位置検出システムに適用されるRFID100のさらに具体的な構成について述べる。なお、実施の形態1と同様の構成についての説明は、簡単に述べるにとどめ、詳細については、実施の形態1の説明を援用するものとする。
【0078】
図10は、本実施形態のRFIDのブロック図である。図10に示すように、RFID100は、図2と同様に、大きく分けて、アンテナ回路101、信号発振部102、信号処理部103によって構成されている。
【0079】
信号発振部102は、アンテナ回路101の受信信号が入力される整流回路809と、整流回路の出力信号が入力される電源回路820と、電源回路820の出力に接続された発振回路806を有する。さらに信号処理部103からの信号を変調し、アンテナ回路101に出力する変調回路814を有する。
【0080】
発振回路806は、複数のインバータを輪状に接続したリング発振器からなる。整流回路809ではアンテナ回路101の出力信号を半波整流し、直流化する。直流化された信号は電源回路820において平滑化され、アンテナ回路101の出力信号の振幅に応じた直流電圧を発生する。電源回路820で発生した直流電圧を電源として、発振回路806では、直流電圧の電圧値に応じた周波数でパルス信号が発振する。このように信号発振部102は、アンテナ回路101からの出力信号の電界強度(振幅)に応じた周波数で発振するパルス信号を生成することができる。
【0081】
信号処理部103は、復調回路813、論理回路812及びパルスカウンタ815を有する。アンテナ回路101からの出力信号は復調回路813で復調された後、論理回路812に入力される。論理回路812の出力信号は、変調回路814で変調され、アンテナ回路101に入力される。パルスカウンタ815は、発振回路806で発振するパルス信号のパルス(発振回数)を計測するための回路である。
【0082】
論理回路812は、復調回路813を介して入力された質問器からの信号の内容を解読し、RFID100としての判断を行うものである。論理回路812のブロック図を図11に示す。図11に示すように、論理回路812はコントローラ900を有する。コントローラ900は復調回路813で復調された信号920をもとに、パルスカウンタ815を制御、または信号920の内容を解読し、所定の信号921を変調回路814に出力する。
【0083】
なお、本実施形態の論理回路812に、さらにCPUを設けることもできる。CPUはコントローラ900と入出力が接続されるように設ければよい。CPUを設けることで、プログラムを実行させることができるようになる。その結果、RFID100を位置検出用だけでなく、様々な用途に適用することができる。
【0084】
以下に、本実施形態の半導体装置を用いた位置検出システムの動作を説明する。本実施形態の位置検出システムの動作は実施形態1と同様である(図3参照)。
【0085】
まず、1番目の質問器121とRFID100と間の距離を求めるため、1番目の質問器121は、RFID100に対し信号F1を送信する。信号F1には、信号処理部103において信号処理を開始するための命令が含まれている。RFID100は、1番目の質問器から送信された信号F1をアンテナ回路101で受信すると、アンテナ回路101で受信した信号F1が信号発振部102の整流回路809および信号処理部103の復調回路813に入力される。
【0086】
信号F1は、整流回路809で整流されることにより、直流化され、電源回路820で平滑化される。その結果、信号F1の電界強度(振幅)に応じた直流電圧が発生する。この直流電圧を電源として発振回路806でパルスが発振する。
【0087】
一方、復調回路813は変調された信号F1を復調し、復調された信号920がコントローラ900に入力される。コントローラ900は、信号920の命令をもとに、パルスカウンタ815を制御し、パルスカウンタ815で、発振回路806で発振しているパルス信号のパルスを一定値に達するまでカウントさせる。なお、コントローラ900において、このパルスカウンタ815でのカウントさせる一定値を変化させることができる。この場合、質問器からの送信信号の周波数に合わせて、この一定値が適当になるように変化させるとよい。なお、論理回路812にCPUを設けた場合は、CPUでパルスカウンタ815でのカウントさせる一定値を変化させることもできるし、コントローラ900で変化させることもできる。
【0088】
コントローラ900は、カウント値が一定値に達するとカウントが終了したことを示す信号921を生成し、変調回路814に出力する。信号921は変調回路814で変調されて、応答信号S1としてアンテナ回路101から送信される。1番目の質問器121は応答信号S1を受信すると、信号F1を送信してから、応答信号S1を受信するまでの応答時間T1を検出する。質問器121からアンテナ回路101までの距離が近いほど、アンテナ回路101で受信するときの信号F1の電界強度が強くなり、アンテナ回路の出力信号の振幅が大きい。よって、電源回路820で大きな直流電圧が発生するため、発振回路806でパルス信号が高い周波数で発振し、パルスカウンタ815では短時間でカウントは終了する。すなわち、質問器121とアンテナ回路の距離は、パルスカウンタ815のカウント時間に反映される。よって、質問器121の信号F1に対して、RFID100が応答に要する時間T1から距離を測定することができる。
【0089】
2番目の質問器122、3番目の質問器123、4番目の質問器124においても同様に、応答時間T2、応答時間T3、応答時間T4を検出する。実施形態1で述べたように、サーバー140は、各質問器121〜124から受け取ったデータから、RFID100と各質問器121〜124間の距離を計算し、計算した距離と各質問器121〜124の位置情報(空間座標、具体的には相対座標)からRFIDの位置(空間座標)を検出することができる。管理者はサーバー140にアクセスすることによって、RFID100の位置情報を知ることができる。
【0090】
上述した本発明の構成をとることにより、RFIDが有するIDなどの固有情報の特定のみならず、RFIDが空間のどの位置に配置されているかといった情報について知ることができる。またRFIDの位置情報を定期的に検索することにより、RFIDを具備する什器の動作の軌跡(動線ともいう)を追跡することができる。
【0091】
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態2の位置検出システムに適用されるRFID100の具体的な構成について述べる。
【0092】
図12は、本実施形態のRFID100のブロック図である。本実施形態は実施形態4のRFID100の変形例でもあり、実施形態4のRFID100と異なる点は、信号処理部103に、整流回路829、レギュレータを備えた電源回路830及び基準クロック生成回路831を有する点である。信号発振部102の構成および動作は実施形態4と同様である。
【0093】
信号処理部103において、整流回路829はアンテナ回路101の出力信号を半波整流し、直流化する。直流化された信号は電源回路830において平滑化され、直流電圧を発生する。電源回路830はレギュレータを有するため、アンテナ回路101で受信した信号の電界強度に依存しない、一定電圧値の電力を供給することができる。この直流電圧を電源として、基準クロック生成回路831は時間の基準となる基準クロックを発生させる。本実施形態では、論理回路812において、基準クロックから時間を計測する点を特徴とする。
【0094】
本実施形態の論理回路812のブロック図を図13に示す。本実施形態の論理回路812は、コントローラ900だけでなく、基準クロック生成回路831で発生した基準クロック信号のパルスをカウントするためのパルスカウンタ910と、コントローラ900を制御するCPUを有する。パルスカウンタ910はコントローラ900の信号により制御される。CPU901では、パルスカウンタ815およびパルスカウンタ910のカウント値から距離を計算する。また、CPU901を設けているため、プログラムを実行させることができるため、RFID100を位置検出用だけでなく、様々な用途に適用することができる。
【0095】
以下に、本実施形態の半導体装置を適用した位置検出システムの動作を説明する。位置検出システムの構成は、実施形態1(図2参照)と同様であり、また動作は実施形態2と同様である(図6参照)。
【0096】
まず、1番目の質問器121とRFID100と間の距離を求めるため、1番目の質問器121は、RFID100に対し信号F1を送信する。信号F1には、信号処理部103において信号処理を開始するための命令が含まれている。RFID100は、1番目の質問器から送信された信号F1をアンテナ回路101で受信すると、アンテナ回路101で受信した信号F1が信号発振部102および信号処理部103に入力される。
【0097】
信号発振部102での動作は実施形態5と同様であり、発振回路806は信号F1の電界強度に対応する周波数で発振するパルス信号が生成される。
【0098】
信号処理部103では、アンテナ回路101で受信した信号F1から整流回路829と電源回路830により定電圧の直流電圧がつくられる。この直流電圧により基準クロック生成回路831において基準クロックが生成される。
【0099】
さらに、アンテナ回路101の出力は復調回路813にも入力され、復調回路813は変調がかかった信号を復調し、コントローラ900に出力する。コントローラ900は復調回路813を介して質問器からの信号902を受信すると発振回路806のパルスをカウントするパルスカウンタ815を一定値に達するまでカウントさせ、かつパルスカウンタ910を制御し、基準クロックのカウントを開始する。パルスカウンタ815のカウント値は、発振回路806で発振しているパルスの発振回数に対応し、パルスカウンタ910のカウント値は、その発振時間に対応する。なお、パルスカウンタ815でカウントさせる値(一定値)はコントローラ900またはCPU901において適宜に変更することが可能である。この場合は、質問器の送信信号の周波数に合わせて、パルスカウンタ815でカウントさせる一定値を変更するとよい。
【0100】
そして、コントローラ900では、パルスカウンタ815でのカウント値が一定値になると、パルスカウンタ910で基準クロックのカウントを停止し、パルスカウンタ910のカウント値を求める。パルスカウンタ815のカウント値と、パルスカウンタ910のカウント値はコントローラ900を介して、CPU901に出力される。CPU901は、2つのカウント値を元に距離を計算する。CPU901で計算された距離のデータはコントローラ900から信号921として変調回路814に出力される。変調回路814は信号を変調し、アンテナ回路101に出力し、アンテナ回路101は応答信号S1として、変調された信号921を第1の質問器121に送信する。
【0101】
同様の動作を、2番目の質問器122、3番目の質問器123、4番目の質問器124で順次に行い、各質問器122〜124で距離を示す信号S2〜S4を受信する。空間130に配置された質問器121、質問器122、質問器123、質問器124は距離のデータをサーバー140に伝える。サーバー140は、質問器121、質問器122、質問器123、質問器124から受け取った距離のデータと、質問器121〜124の位置情報(空間座標)から、RFID100の位置(空間座標)を特定する。管理者はサーバー140にアクセスすることによって、RFID100がどこにあるかを知ることができる。
【0102】
(実施の形態6)
本実施の形態では、実施の形態3の位置検出システムに適用されるRFID200のさらに具体的な構成について述べる。なお、実施の形態3と同様の構成についての説明は、簡単に述べるにとどめ、詳細については、実施の形態3や、実施形態4、5の説明を援用するものとする。
【0103】
図14は、本実施形態のRFID200のブロック図である。図14に示すように、RFID200は、図2と同様に、大きく分けて、アンテナ回路101、信号発振部102によって構成されている。図14と図10とで同じ符号が付されているものは、同じ要素を示すため、その要素についての説明は実施形態4の説明を援用する。
【0104】
信号発振部102は、アンテナ回路101の受信信号が入力される整流回路809と、整流回路の出力信号が入力される電源回路820と、電源回路820の出力に接続された発振回路806と、発振回路806からの入力信号を変調し、アンテナ回路101に出力する変調回路814を有する。本実施形態では、実施形態4と異なり、発振回路806の出力が変調回路814に接続されている点にある。このような構成にすることにより、発振回路806で発振しているパルス信号を変調回路814で変調して、アンテナ回路101から送信することができる。
【0105】
信号発振部102においてパルス信号を発振する動作は、実施形態4と同様である。発振回路806は、複数のインバータを輪状に接続したリング発振器からなる。整流回路809ではアンテナ回路101の出力信号を半波整流し、直流化する。直流化された信号は電源回路820において平滑化され、アンテナ回路101の出力信号の電界強度(振幅)に応じた直流電圧を発生する。電源回路820で発生した直流電圧を電源として、発振回路806では、直流電圧の電圧値に応じた周波数でパルス信号が発振する。このように本実施形態の信号発振部102は、アンテナ回路101からの出力信号の電界強度(振幅)に応じた周波数で発振するパルス信号を生成することができる。
【実施例1】
【0106】
本実施例では、薄膜トランジスタでリングオシレータ(リング発振回路)を形成し、リング発振器により、入力される電圧に応じて、発振する信号の周波数が変化することを確認した。
【0107】
図15に示すように、リング発振回路を形成した評価用素子基板1001に、プローブ1002を接触させ、プローブ1002接続されたオシロスコープに信号を出力させる。リングオシレータの電源電圧を変化させながら、オシロスコープで周波数を測定した。なお、19段のリングオシレータを評価用素子基板1001に形成されている。n型の薄膜トランジスタのチャネル幅は20μm、p型の薄膜トランジスタのチャネル幅は10μmとし、両薄膜トランジスタのチャネル長は4.5μmとし、ゲート絶縁膜の膜厚は110nmとした。またn型の薄膜トランジスタはLDD構造とし、p型の薄膜トランジスタはシングルドレイン構造とした。
【0108】
図16に示すように、評価用素子基板1001は、縦5インチ(12.7センチ)×横5インチ(12.7センチ)の基板である。縦10×横10の区画に、それぞれリングオシレータ1003を作製し、図16の×(バツ印)で示した12箇所の測定点1004について、リングオシレータ1003の発振周波数の測定を行った。
【0109】
さらに、SmartSPICEモデルにより、上記の薄膜トランジスタでなる19段のリングオシレータについて、入力電圧と周波数の相関をシミュレーションした。
【0110】
SPICEモデル(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)とは、回路シミュレーションに通常用いられるSPICE系回路シミュレータ上にて素子の入出力応答を再現するモデルである。薄膜トランジスタ(以下、TFTという)には、その電気的特性を表すものとして、影響を考慮される物理現象に応じて近似された様々なモデルがある。グラジュアルチャネル近似や空乏層近似と呼ばれる古典的なものから、RPIモデルなどの高度で複雑なモデルもある。SmartSpiceではモデル一つ一つに対しそれぞれLEVEL番号が与えられており、番号が大きい方が、物理的精度が高く、その分パラメータ数が多い傾向にあるが、非線形最小二乗法に基づいたパラメータ抽出が必要であるため、どうしても計算量が膨大なものとなる。本実施例では、LEVEL2を採用し、シミュレーションを行った。LEVEL2は、空乏層近似が改良されたものであり、さほど非線形な部分を含まないので、高速に計算を行うことが出来る。
【0111】
図17に、オシロスコープによるリングオシレータの発振周波数の測定結果及び、SmartSPICEモデルによるシミュレーションの結果を合わせて示す。図17のグラフの横軸はリングオシレータの電源電圧であり、縦軸はオシロスコープで測定した発振周波数である。オシロスコープで測定による測定結果を実線で示している。SmartSPICEモデルによるシミュレーションの結果は、△点(最小値)、□点(最大値)、○点(中央値)でプロットしている。
【0112】
図17に示すように、リングオシレータの発振周波数は、電源電圧Vにほぼ比例して変化していることが分かる。本実施例の測定結果から、信号発振部の発振回路にリングオシレータ(リング発振回路)を適用することが可能であることが分かった。さらに、薄膜トランジスタでなるリングオシレータを適用できることが分かった。よって、本実施例により、本発明のRFID100、200全体を薄膜トランジスタで作製しても、距離および位置の検出をすることが可能な無線通信用の半導体装置を実現できることが検証された。
【0113】
さらに、図16のいずれの測定点1004における測定結果は、シミュレーション結果の範囲内に収まっており、SmartSPICEモデルによって、薄膜トランジスタのリングオシレータの動作シミュレーションが測定結果を予測する手段として有効であることが分かった。
【実施例2】
【0114】
本実施例では、RFID100、RFID200の作製方法を説明する。実施例1で示すように、本発明に係るRFID100、200を構成する各回路を薄膜トランジスタで作製することができる。本実施形態では、RFID100、RFID200を構成する回路を薄膜トランジスタで形成し、薄膜トランジスタの製造に使用した基板から、可撓性(フレキシブル)基板に回路を転載し、フレキシブルなRFID100、RFID200を製造する方法を示す。
【0115】
図18(A)にRFID100、200の上面構造の一例を示す。また、図18(B)に断面構造の一例を示す。
【0116】
図18(A)に示すように、RFID100、200には、アンテナ回路101に設けられたアンテナ210と、集積回路部240が設けられている。なお、集積回路部240はアンテナ210以外の回路に相当する。
【0117】
本発明のRFID100、200は、曲げたり、撓めたりできるフレキシブルな装置であることを特徴とする。RFID100、200は、図18(B)に示すように、下地絶縁層249、下地絶縁層249上に形成された素子形成層250が、可撓性基板251と可撓性基板252により封止されている。素子形成層250は、アンテナ210、集積回路部240に相当する、素子形成層250の一方の面(製造時の基板の上方側の面に相当する)には、アンテナ210を保護するための保護絶縁層253が設けられている。
【0118】
保護絶縁層253には樹脂材料が好ましい。それは、低温で形成することができるため、および保護絶縁層253はアンテナ210の凹凸を緩和するために形成しており、塗布法により組成物を塗布し、乾燥・焼成をして形成することができるためである。保護絶縁層253として、エポキシ樹脂層を用いて形成する。可撓性基板251は接着剤255によって下地絶縁層249に固着されている。可撓性基板252は接着剤256によって保護絶縁層253に固着されている。
【0119】
後述するように、素子形成層250には、アンテナ210、集積回路部240を構成するダイオード、TFT、コンデンサ、抵抗素子、メモリ素子などが形成される。これらの素子は、後述するように、同一基板上に形成されている。
【0120】
図23(P18)に、素子形成層250の模式的な断面構造を示す。アンテナ回路101、信号発振部102、信号処理部103の断面の一部として、インバータなどを構成するpチャネル型TFT(「Pch−TFT」とも表記する。)104及びnチャネル型TFT(「Nch−TFT」とも表記する。)105、コンデンサ106、電源回路などに設けられる高耐圧型Nch−TFT107を示した。
【0121】
基板260は素子形成層250を製造するときに使用される基板である。本実施例ではガラス基板を用いる。基板260上には、素子形成層250から基板260を除去するために用いる剥離層261が形成されている。基板260上に剥離層261を形成してから、下地絶縁層249を形成し、下地絶縁層249上にTFTななどでなる素子形成層250を形成する。以下、図19〜図23に図示する断面図を用いて、素子形成層250の形成方法を説明する。
【0122】
基板260にガラス基板を用いる。図19(P1)に示すように、基板260上に第1層261a〜第3層261cの3層でなる剥離層261を形成する。第1層261aは、平行平板型プラズマCVD装置により、原料ガスにSiH、NOを用いて酸化窒化シリコン膜(SiO、x>y)を厚さ100nm形成する。第2層261bとして、厚さ30nmのタングステン膜をスパッタリング装置で成膜する。第3層261cとして、厚さ200nmの酸化シリコン膜をスパッタリング装置で成膜する。
【0123】
第3層261c(酸化シリコン)を成膜することで、第2層261b(タングステン)の表面が酸化され、界面にタングステン酸化物が形成される。タングステン酸化物が形成されることで、のちに素子形成層250を他の基板に転載するときに、基板260を分離しやすくなる。第1層261aは、素子形成層250を作製している間、第2層261bの密着性を維持するための層である。
【0124】
第2層261bには、タングステン(W)他、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の金属膜や、これらの金属の化合物が好ましい。また、第2層261bの厚さは20nm以上40nm以下とすることができる。
【0125】
図19(P2)に示すように、剥離層261上に、2層構造の下地絶縁層249を形成する。第1層249aとして、プラズマCVD装置により原料ガスにSiH、NO、NH、Hを用いて酸化窒化シリコン膜(SiO、x<y)を厚さ50nm形成する。第1層249aの窒素の組成比が40%以上となるようにしてバリア性を高めた。第2層249bは、プラズマCVD装置によりSiH、NOを原料ガスに用いて、酸化窒化シリコン膜(SiO、x>y)を厚さ100nm成膜する。第2層249bの窒素の組成比は0.5%以下とする。
【0126】
図19(P3)に示すように、下地絶縁層249上に、結晶性シリコン膜271を形成する。結晶性シリコン膜271は次の方法で作製する。プラズマCVD装置により、原料ガスにSiHおよびHを用い、厚さ66nmの非晶質シリコン膜を形成する。非晶質シリコン膜にレーザを照射して結晶化させることで、結晶性シリコン膜271とする。レーザ照射方法の一例を示す。LD(レーザダイオード)励起のYVOレーザの第2高調波(波長532nm)を照射する。特に第2高調波に限定する必要はないが、第2高調波はエネルギー効率の点で3次以上の高次の高調波より優れている。照射面において、光学系によりビームの形状が長さ500μm、幅20μm程度の線状となるように、またその強度が10〜20Wとなるようにする。またビームを基板に対して相対的に10〜50cm/secの速度で移動する。
【0127】
結晶性シリコン膜271を形成した後、結晶性シリコン膜271にp型不純物を添加する。ここでは、イオンドーピング装置において、ドーピングガスに水素で希釈したジボラン(B)を用い、ボロンを結晶性シリコン膜271の全体に添加する。非晶質シリコンを結晶化した結晶性シリコンは不対結合を有するため、理想的な真性シリコンではなく、弱いn型の導電性を示す。そのため、p型不純物を微量添加することにより、結晶性シリコン膜271が真性シリコンとなるようにする効果がある。この工程は必要に応じて行えばよい。
【0128】
図19(P4)に示すように、結晶性シリコン膜271を素子ごとに分割し、半導体層273〜276を形成する。半導体層273〜275は、それぞれ、TFTのチャネル形成領域、ソース領域およびドレイン領域が形成される。半導体層276はMIS型コンデンサの電極を構成する。結晶性シリコン膜271を加工する方法の一例を示す。フォトリソグラフィ工程によりレジストを結晶性シリコン膜271上に形成し、レジストをマスクにして、ドライエッチング装置により、エッチング剤にSF、Oを用いて結晶性シリコン膜271をエッチングすることで、所定の形状の半導体層273〜276を形成する。
【0129】
図20(P6)に示すように、フォトリソグラフィ工程によりレジストR31を形成し、nチャネル型TFTの半導体層274および275にp型不純物を微量添加する。ここでは、ドーピングガスに水素で希釈したジボラン(B)を用い、イオンドーピング装置により半導体層274、275にボロンをドーピングする。ドーピングが終了したらレジストR31を除去する。
【0130】
図20(P6)の工程は、nチャネル型TFTのしきい値電圧が負の電圧にならないようすることを目的とする。nチャネル型TFTの半導体層274、275に5×1015atoms/cm以上1×1017atoms/cm以下の濃度でボロンを添加すればよい。図(P6)の工程は必要に応じて行えばよい。
【0131】
図20(P7)に示すように、基板260全体に絶縁膜277を形成する。絶縁膜277はTFTのゲート絶縁膜、コンデンサの誘電体となる。ここでは、プラズマCVD装置により、原料ガスSiH、NOを用いて酸化窒化シリコン膜(SiO、x>y)を厚さ20〜40nm形成する。
【0132】
図20(P8)に示すように、フォトリソグラフィ工程によりレジストR32を形成し、コンデンサの半導体層276にn型不純物を添加する。ドーピングガスに水素で希釈したホスフィン(PH)を用いて、イオンドーピング装置により半導体層276にリンをドーピングし、n型不純物領域279を形成する。ドーピング工程が終了したら、レジストR32を除去する。
【0133】
図20(P9)に示すように、絶縁膜277上に導電膜281を形成する。導電膜281は、TFTのゲート電極などを構成する。ここでは、導電膜281を2層の多層構造とする。1層目は厚さ30nmのタンタル窒化物、2層目は厚さ370nmのタングステン(W)とする。タンタル窒化物、タングステンはそれぞれスパッタリング装置で成膜する。
【0134】
導電膜281上にフォトリソグラフィ工程によりレジストを形成し、エッチング装置により導電膜281をエッチングして、図21(P10)に示すように、第1導電膜283〜286を半導体層273〜276上に形成する。第1導電膜283〜286はTFTのゲート電極またはゲート配線となる。高耐圧型のnチャネル型TFTでは、他のTFTよりもゲート幅(チャネル長)が広くなるように、第1導電膜285を形成している。第1導電膜286はコンデンサの一方の電極を構成する。
【0135】
導電膜281はドライエッチング法によりエッチングする。エッチング装置にICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング装置法を用いる。エッチング剤としては、はじめにタングステンをエッチングするためCl、SF、Oの混合ガスを用い、つぎに、処理室に導入するエッチング剤をClガスのみに変更し、タンタル窒化物をエッチングする。
【0136】
図21(P11)に示すように、フォトリソグラフィ工程によりレジストR33を形成する。nチャネル型TFTの半導体層274と275にn型不純物を添加する。第1導電膜284がマスクとなり半導体層274にn型低濃度不純物領域288、289が自己整合的に形成され、第1導電膜285がマスクとなり半導体層275にn型低濃度不純物領域290、291が自己整合的に形成される。水素で希釈したホスフィン(PH)をドーピングガスに用い、イオンドーピング装置により半導体層274、275にリンを添加する。図21(P11)の工程は、nチャネル型TFTにLDD領域を形成するための工程である。n型低濃度不純物領域288、289のn型不純物が、1×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下の範囲で含まれるようにする。
【0137】
図21(P12)に示すように、フォトリソグラフィ工程によりレジストR34を形成し、pチャネル型TFTの半導体層273にp型不純物を添加する。第1導電膜283がマスクとなり半導体層273にp型高濃度不純物領域273a、273bが自己整合的に形成される。また第1導電膜283で覆われている領域がチャネル形成領域273cとして自己整合的に形成される。p型不純物領域の添加は、ドーピングガスに水素で希釈したジボラン(B)を用いる。ドーピングが終了したらレジストR34を除去する。
【0138】
図21(P13)に示すように、第1導電膜283〜286の周囲に絶縁層293〜296を形成する。絶縁層293〜296はサイドウォール、側壁と呼ばれるものである。まず、原料ガスにSiH、NOを用いて、プラズマCVD装置により酸化窒化シリコン膜(SiO、x>y)を100nmの厚さに形成する。次に、原料ガスにSiH、NOを用いて、LPCVD装置により酸化シリコン膜を200nmの厚さに形成する。フォトリソグラフィ工程によりレジスト形成する。このレジストを用いて、まず、上層の酸化シリコン膜をバッファードフッ酸でウェットエッチング処理する。次に、レジストを除去し、下層の酸化窒化シリコン膜をドライエッチング処理をすることで、絶縁層293〜296が形成される。この一連の工程で、酸化窒化シリコンでなる絶縁膜277もエッチングされ、絶縁膜277は第1導電膜283〜286と絶縁層293〜296の下部のみ残る。
【0139】
図22(P14)に示すように、フォトリソグラフィ工程によりレジストR35を形成する。nチャネル型TFTの半導体層274、275とコンデンサの半導体層にn型不純物を添加し、n型高濃度不純物領域を形成する。半導体層274は、第1導電膜284、絶縁層294がマスクとなり、n型低濃度不純物領域288、289にさらにn型不純物が添加され、n型高濃度不純物領域274a、274bが自己整合的に形成される。第1導電膜284と重なる領域がチャネル形成領域274cとして自己整合的に確定する。また、n型低濃度不純物領域288、289において絶縁層294と重なる領域は、そのままn型低濃度不純物領域274e、274dとして確定する。
【0140】
半導体層275も半導体層274と同様、n型高濃度不純物領域275a、275b、チャネル形成領域275c、n型低濃度不純物領域275e、275dが形成される。
【0141】
このとき、半導体層276全体はn型不純物領域279が形成されている(図20(P8)参照)。第1導電膜286および絶縁層296がマスクとなり、n型不純物領域279にさらにn型不純物が添加され、n型高濃度不純物領域276a、276bが自己整合的に形成される。半導体層276の第1導電膜286および絶縁層296と重なる領域がn型不純物領域276cとして確定する。
【0142】
n型不純物の添加工程は、上述したとおり、イオンドーピング装置を使用し、ドーピングガスに水素で希釈したホスフィン(PH)を用いればよい。nチャネル型TFTのn型高濃度不純物領域274a、274b、275a、275bには、リンの濃度が1×1020atoms/cm以上2×1021atoms/cm以下の範囲になるように、リンがドーピングされる。
【0143】
レジストR35を除去し、図22(P15)に示すように、キャップ絶縁膜298を形成する。キャップ絶縁膜298として、ププラズマCVD装置により酸化窒化シリコン膜(SiO、x>y)を50nmの厚さに形成する。酸化窒化シリコン膜の原料ガスには、SiH、NOを用いる。キャップ絶縁膜298を成膜した後、窒素雰囲気中で550℃の加熱処理を行い、半導体層273〜276に添加したn型不純物およびp型不純物を活性化する。
【0144】
図22(P16)に示すように、第1層間絶縁膜300を形成する。第1層間絶縁膜300を2層構造とする。1層目の絶縁膜として、プラズマCVD装置により原料ガスにSiH、NOを用いて、酸化窒化シリコン(SiO、x<y)を100nmの厚さに形成する。2層目の絶縁膜には、プラズマCVD装置により原料ガスにSiH、NO、NH、Hを用いて、酸化窒化シリコン(SiO、x>y)を600nmの厚さに形成する。
【0145】
フォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程により、第1層間絶縁膜300およびキャップ絶縁膜298を除去し、コンタクトホールを形成する。第1層間絶縁膜300上に導電膜を形成する。ここでは、導電膜を4層構造とする。下から、厚さ60nmのTi、40nmの窒化チタン膜、500nmの純アルミニウム膜、100nmの窒化チタン膜の順に積層する。それぞれの層はスパッタリング装置で成膜する。フォトリソグラフィ工程とドライエッチング工程により導電膜を所定の形状に加工し、第2導電膜303〜314を形成する。
【0146】
なお、第2導電膜と第1導電膜が接続されることを説明するため、図面では、第2導電膜と第1導電膜が半導体層上で接続するように示しているが、実際には、第2導電膜と第1導電膜とのコンタクト部分は半導体層上を避けて形成されている。
【0147】
第2導電膜312によりn型高濃度不純物領域276aと276bが接続されている。よって、n型不純物領域276c、絶縁膜277、第1導電膜286でなる積層構造のMIS型コンデンサが形成される。第2導電膜314はアンテナ回路101の端子であり、アンテナ210が接続される。
【0148】
図23(P17)に示すように、第2層間絶縁膜316を形成する。第2層間絶縁膜316には、第2導電膜314に達するコンタクトホールを形成する(図23)。第2層間絶縁膜316を感光性ポリイミドで形成する例を示す。スピナーを用いて1.5μmの厚さでポリイミドを塗布する。フォトリソグラフィ工程を用いて、ポリイミドを露光し、現像することでコンタクトホールが形成されたポリイミドが形成される。現像後、ポリイミドを焼成する。
【0149】
さらに、第2層間絶縁膜316上に導電膜を形成する。フォトリソグラフィ工程とエッチング工程により、この導電膜を所定の形状に加工し、第3導電膜320を形成する。第3導電膜320を構成する導電膜として、厚さ100nmのTiをスパッタリング装置で成膜する。第3導電膜320はアンテナ210をアンテナ回路101の端子(第2導電膜314)と接続するためのアンテナのバンプである。
【0150】
図23(P18)に示すように、開口部が形成された第3層間絶縁膜321を形成する。ここでは、第2層間絶縁膜316と同様の方法で、感光性ポリイミドで形成する。開口部はアンテナ210を形成する領域に形成される。
【0151】
図23(P18)に示すように、アンテナ210を形成する。蒸着装置により、メタルマスクを用いてアルミニウムを蒸着し、所定の形状のアンテナ210を開口部に形成する。
【0152】
図19〜図23に示す工程を経て、基板260上に素子形成層250が形成される。次に、図18(B)に示すように素子形成層250を可撓性基板251と可撓性基板252の中に封止する工程を説明する。
【0153】
アンテナ210を保護するための保護絶縁層253を形成する。フォトリソグラフィ工程とエッチング工程を行う、またはレーザ光を照射することにより、保護絶縁層253と共に素子形成層250に積層された絶縁膜を除去し、剥離層261に達する開口部を形成する。基板260上には、同じ素子形成層250が複数形成されている。開口部は素子形成層250を1つずつ分割するために形成される。
【0154】
次に、保護絶縁層253上面に転載用の基板を一時的に固定した後、基板260を剥離する。剥離層261の第2層261bと第3層261cの界面で接合が弱くなっているため、物理的に力を加えることで開口部の端部から剥離が進行し、素子形成層250から基板260を剥がすことできる。基板260が剥がれた下地絶縁層249に可撓性基板251を接着剤255により固定する。そして、転載用の基板を取り外す。保護絶縁層253に他方の可撓性基板252を接着剤256により固定する。そして、可撓性基板251と可撓性基板252の外側から圧力を加えながら、加熱処理をすることにより、可撓性基板251と可撓性基板252で素子形成層250を封止する。
【0155】
本実施形態では、集積回路部240と共にアンテナ210を形成する例について説明したが、アンテナ210を形成することを省略することもできる。この場合は、可撓性基板にアンテナを形成し、素子形成層250の集積回路部240と電気的に接続するように、貼り合わせればよい。
【0156】
また、本実施形態では作製時に使用した基板を素子形成層250から剥離する例を示したが、作製時に使用した基板を残すこともできる。この場合、基板が撓むように、基板を研磨、または研削して薄くすればよい。
【0157】
薄膜トランジスタにより回路を形成することにより、撓めることが可能であり、薄型化で軽量なRFID100、200を作製することが可能である。
【実施例3】
【0158】
本実施例では、図24を参照して、本発明に係る半導体装置及び位置検出システムを利用した一例として、商品の管理システム、室内等における動体の管理システムについて説明する。
【0159】
まず、図24を参照して、顧客が店内で商品を購入する場合について説明する。店内に陳列された商品には、商品固有の情報、生産履歴等の情報を内蔵したIDラベル又はIDタグの他に本発明の半導体装置が付されている。
【0160】
顧客1201は、店内に設置された位置検出用の質問器1202に囲まれた店内の空間において、本発明の半導体装置を具備した商品1203をもって移動する。そして上記実施の形態で示したように、本発明の半導体装置を店内に設置された質問器1202で位置の検出を行うことにより、管理者は顧客1201が設置された陳列棚1204をどのような動線で動いたかを管理することができる。このような顧客の動線を記録管理することにより、商品の設置場所や、商品の管理等のマーケティングを効率よく行うことができるため好適である。
【0161】
本実施例に示したように、店内に設置された複数の質問器により、リアルタイムで商品の店内における動線を把握することにより、陳列棚からの盗難防止のための質問器のゲートをくぐらせることなく、盗難を防ぐことができる。また、リアルタイムで商品の動線の把握が可能であるため、管理者はコンピュータ等を用いて盗難者の動きに関する情報を予め予測し、進路を防ぐ等の策を講じ、商品の盗難を未然に防ぐこともできる。これにより、管理者は盗難者を直接的に捕まえることなく捕縛することができるため、安全に盗難者の確保が容易となる。
【0162】
また、本実施例においては、ゲート状の質問器を出入り口に設置することなく、例えばフロアのタイルの一部や、柱の一部、または天井等に質問器を設置していれば、顧客の目に触れることなく、商品の位置情報についてリアルタイムに管理者側から管理することが可能となる。本発明による半導体装置を用いた位置検出システムにより、GPSなどでは困難な狭い範囲での商品の動線のトレースが容易となる。また本発明の半導体装置においてUHF帯のアンテナを用いれば、数メートルの範囲を網羅することができる。また本発明の半導体装置において、衝突防止機能を具備することにより複数の動体の管理も可能となり好適である。
【0163】
なお、本発明の半導体装置を用いた位置検出システムは、監視カメラ等と併設することにより、盗難防止には効果的である。管理者は遠隔地からの管理をより確実に、容易にすることができる。
【0164】
また本発明における複数の質問器の数を増やすことによって、広い空間であっても、RFIDを具備する対象の正確な動線の把握が容易となり好適である。
【実施例4】
【0165】
本実施例では、図25を参照して、本発明に係る半導体装置及び位置検出システムを利用した一例として、通路等における動体の管理システムについて説明する。
【0166】
まず、図25を参照して、動体が通路でどのような動線で動いたかを管理者が管理する例について説明する。動体には、固有情報の情報を内蔵したIDラベル又はIDタグの他に本発明の半導体装置が付されている。
【0167】
以下、図25を参照して、通路等における動体の管理システムの一例について説明する。
【0168】
動体1301は、通路に設置された位置検出用の質問器1302に囲まれた空間において、本発明の半導体装置1303を持って移動する。勿論本発明の半導体装置1303を具備する什器を持って移動する形態であっても本実施例と同様である。そして上記実施の形態で示したように、通路に設置された質問器1302で本発明の半導体装置1303を位置の検出を行うことにより、管理者は障害物1304に仕切られた通路を半導体装置1303がどのような動線で動いたかを管理することができる。また動体の速度、傾向を把握することができる。図25では、斜線1305で示した経路を経て目的地1306にたどり着く場合について示したが、例えば、斜線の経路介さずに別の経路をたどる動体の動きをリアルタイムに観察することが容易となる。このような動体の動線を管理及び記録することができる。よって、動体が半導体装置を具備する商品をもった顧客であるならば、商品の管理等のマーケティングを効率よく行うことができるため好適である。本発明は、複数の不特定多数の動体がある中でも、対象者にRFIDを取り付けさせることにより、その動体だけの動きを管理することができる。よって、小さい子供に半導体装置を取り付けさせることにより、人混みの中の子供の動きを逐次管理することもできる。
【0169】
図25において、RFIDを取り付けさせる動体1301の対象としては、刑務所内における犯罪者、介護施設における被介護者等が想定される。刑務所内における犯罪者、介護施設における被介護者に本発明のRFIDを取り付けさせ、本発明の位置検出システムにより管理することで、例えば刑務所内での収容者の管理、施設内における被介護者の管理について、その動線を管理することができ、特に有効であると言える。本発明の半導体装置を用いた位置検出システムによって、犯罪者に対しては、不審な動きの事前の把握をおこなうことができる。また、介護施設においては、被介護者の徘徊癖の傾向を把握し、適切な処置の構築を図る上で好適である。
【0170】
通路等の室内空間における動体の管理方法としては、例えばカメラを配置する方法や等間隔に質問器を配置し、一つの動体の位置に対して、それぞれ一つの質問器により位置を検出する方法もあるが、リアルタイムで動線の軌跡を追うことは難しい。また、動線の軌跡の傾向を把握することは難しい。しかし、本発明の半導体装置と複数の質問器を用いて、一つの動体の位置に対して複数の質問器により位置を検出する本発明の位置検出システムは、定期的にRFIDの位置を検出することができるため、動体の動きについて逐次リアルタイムに管理、記録することができる。そして管理者は動線の動きを記録し、当該記録を蓄積して分析することにより、動線の動きの傾向を把握し、動線の動きを把握した室内のレイアウトを設計し直すことができ、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】本発明の位置検出システムの構成および信号の送受信を説明するためのブロック図。
【図2】本発明の無線通信を行う半導体装置の構成を示すブロック図。
【図3】図1の位置検出システムの動作を説明するためのフローチャート図。
【図4】パルス信号の例示を表す波形図。
【図5】位置検出システムにおいて、質問器と半導体装置間の距離から、半導体装置の位置を検出する原理を説明する図。
【図6】図1の位置検出システムの動作を説明するためのフローチャート図。
【図7】本発明の無線通信を行う半導体装置の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の位置検出システムの構成および信号の送受信を説明するためのブロック図。
【図9】図7の位置検出システムの動作を説明するためのフローチャート図。
【図10】本発明の無線通信を行う半導体装置の構成を示すブロック図。
【図11】図10の論理回路812のブロック回路図。
【図12】本発明の無線通信を行う半導体装置の構成を示すブロック図。
【図13】図10の論理回路812のブロック回路図。
【図14】本発明の無線通信を行う半導体装置の構成を示すブロック図。
【図15】リングオシレータの発振周波数を測定する方法を説明する図。
【図16】評価用素子基板の測定箇所を説明する図。
【図17】リングオシレータの発振周波数の測定結果とシミュレーション結果を示す電圧周波数特性図。
【図18】撓めることが可能なRFIDを有する半導体装置の上面構造及び断面構造の一例を示す図。
【図19】素子形成層の作製工程を説明するための断面図。
【図20】半導体装置の素子形成層の作製工程を説明するための断面図。
【図21】半導体装置の素子形成層の作製工程を説明するための断面図。
【図22】半導体装置の素子形成層の作製工程を説明するための断面図。
【図23】半導体装置の素子形成層の作製工程を説明するための断面図。
【図24】本発明の位置検出システムを用いた動体の管理システムを示す模式図。
【図25】本発明の位置検出システムを用いた動体の管理システムを示す模式図。
【図26】従来のRFIDのブロック図。
【図27】従来のRFIDのブロック図。
【符号の説明】
【0172】
100 RFID
101 アンテナ回路
102 信号発振部
103 信号処理部
104 pチャネル型TFT
105 nチャネル型TFT
106 コンデンサ
107 高耐圧型Nch−TFT
121 質問器
122 質問器
123 質問器
124 質問器
130 空間
140 サーバー
200 RFID
210 アンテナ
230 メモリ部
240 集積回路部
249 下地絶縁層
249a 第1層
249b 第2層
250 素子形成層
251 可撓性基板
252 可撓性基板
253 保護絶縁層
255 接着剤
256 接着剤
260 基板
261 剥離層
261a 第1層
261b 第2層
261c 第3層
271 結晶性シリコン膜
273 半導体層
273a p型高濃度不純物領域
273b p型高濃度不純物領域
273c チャネル形成領域
274 半導体層
274a n型高濃度不純物領域
274b n型高濃度不純物領域
274c チャネル形成領域
274e n型低濃度不純物領域
274d n型低濃度不純物領域
275 半導体層
275a n型高濃度不純物領域
275b n型高濃度不純物領域
275c チャネル形成領域
275e n型低濃度不純物領域
275d n型低濃度不純物領域
276 半導体層
276a n型高濃度不純物領域
276b n型高濃度不純物領域
276c n型不純物領域
277 絶縁膜
279 n型不純物領域
281 導電膜
283 第1導電膜
284 第1導電膜
285 第1導電膜
286 第1導電膜
288 n型低濃度不純物領域
290 n型低濃度不純物領域
293 絶縁層
294 絶縁層
295 絶縁層
296 絶縁層
298 キャップ絶縁膜
300 第1層間絶縁膜
302 導電膜
303 第2導電膜
304 第2導電膜
305 第2導電膜
306 第2導電膜
307 第2導電膜
308 第2導電膜
309 第2導電膜
310 第2導電膜
311 第2導電膜
312 第2導電膜
313 第2導電膜
314 第2導電膜
316 第2層間絶縁膜
320 第3導電膜
321 第3層間絶縁膜
806 発振回路
809 整流回路
812 論理回路
813 復調回路
814 変調回路
815 パルスカウンタ
820 電源回路
829 整流回路
830 電源回路
831 基準クロック生成回路
900 コントローラ
901 CPU
902 信号
910 パルスカウンタ
920 信号
921 信号
1001 評価用素子基板
1002 プローブ
1003 リングオシレータ
1004 測定点
1201 顧客
1202 質問器
1203 商品
1204 陳列棚
1301 動体
1302 質問器
1303 半導体装置
1304 障害物
1305 斜線
1306 目的地
1400 RFID
1401 アンテナ回路
1402 信号処理回路
1403 電池
1404 電源回路
1405 復調回路
1406 アンプ
1407 論理回路
1408 メモリコントロール回路
1409 メモリ回路
1410 論理回路
1411 アンプ
1412 変調回路
1500 RFID
1501 アンテナ回路
1502 信号処理回路
1503 整流回路
1504 電源回路
1505 復調回路
1506 アンプ
1507 論理回路
1508 メモリコントロール回路
1509 メモリ回路
1510 論理回路
1511 アンプ
1512 変調回路
【出願人】 【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
【出願日】 平成19年5月17日(2007.5.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−3077(P2008−3077A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−132180(P2007−132180)