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【発明の名称】 位置検出システムおよび位置検出方法
【発明者】 【氏名】水田 貴士

【要約】 【課題】簡単な構成で且つ高精度に各基地局間の同期化が可能な位置検出システムを提供する。

【構成】基準局101と、基地局102〜104と、位置計算器105と、通信端末106で構成され、基準局101は、基地局102〜104から等距離に配置される。基準局101から送信される基準信号をトリガとして通信端末106から送信される測定信号を基地局102〜104で受信し、その到達時間差を集計して通信端末106の位置を計算する。基準局101は、基地局102〜104から等距離に位置するため、基地局102〜104が基準信号110を受信する時刻は各基地局間で同時刻である。したがって、各基地局102〜104において測定信号の到着時刻を正確に計時できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号を送信する基準信号送信部を有する基準局と、
前記基準信号を受信する第1の基準信号受信部、および前記基準信号を受信した後に測定信号を送信する測定信号送信部を有する通信端末と、
前記基準信号を受信する第2の基準信号受信部、前記基準信号を受信した後に前記測定信号を受信する測定信号受信部、前記基準信号を受信してから前記測定信号を受信するまでの時間を計測して時間データ信号を生成する計時部、および前記時間データ信号を送信する時間データ信号送信部をそれぞれ有し、前記基準局からの距離がそれぞれ等しい複数の基地局と、
前記複数の基地局のそれぞれから前記時間データ信号を受信する時間データ信号受信部、および前記時間データ信号に基づき前記通信端末の位置を計算する計算部を有する位置計算器とを備えることを特徴とする位置検出システム。
【請求項2】
前記基準局の基準信号送信部は、位置検出対象の通信端末を特定する端末識別符号である端末コードと、基準信号を表す信号種別符号である基準コードとを多重化して前記基準信号を生成する第1のデータ多重化手段を備え、
前記通信端末の第1の基準信号受信部は、前記基準信号から基準コードおよび端末コードを分離する第1のデータ分離手段を備え、前記通信端末の測定信号送信部は、前記第1のデータ分離手段によって分離された端末コードが、自己の端末コードと一致した場合に前記測定信号を送信し、
前記複数の基地局の第2の基準信号受信部は、前記基準信号から基準コードおよび端末コードを分離する第2のデータ分離手段を備え、前記複数の基地局の時間データ信号送信部は、前記第2のデータ分離手段によって分離された端末コードと、時間データ信号を表す信号種別符号である時間コードとを多重化して前記時間データ信号を生成する第2のデータ多重化手段を備え、
前記位置計算器の時間データ信号受信部は、前記時間データ信号から時間コードおよび端末コードを分離する第3のデータ分離手段を備え、前記位置計算器の計算部は、前記第3のデータ分離手段によって分離された時間コードと端末コードとに基づき前記通信端末の位置を計算することを特徴とする請求項1記載の位置検出システム。
【請求項3】
前記通信端末の測定信号送信部は、前記第1のデータ分離手段によって分離された端末コードと、測定信号を表す信号種別符号である測定コードとを多重化して前記測定信号を生成する第3のデータ多重化手段を備え、
前記複数の基地局の測定信号受信部は、前記測定信号から測定コードおよび端末コードを分離する第4のデータ分離手段を備えることを特徴とする請求項2記載の位置検出システム。
【請求項4】
前記通信端末は、前記基準信号の送信要求を示す第1の測定開始信号を送信する第1の通信部をさらに備え、
前記基準局は、前記第1の測定開始信号を受信する第2の通信部をさらに備え、前記第2の通信部で前記第1の測定開始信号を受信した場合、前記基準信号送信部に前記基準信号を送信させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記複数の基地局は、前記基準信号の送信要求を示す第2の測定開始信号を送信する第3の通信部をさらに備え、
前記基準局は、前記第2の測定開始信号を受信する第2の通信部をさらに備え、前記第2の通信部で前記第2の測定開始信号を受信した場合、前記基準信号送信部に前記基準信号を送信させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の位置検出システム。
【請求項6】
前記位置計算器は、前記基準信号の送信要求を示す第3の測定開始信号を送信する第4の通信部をさらに備え、
前記基準局は、前記第3の測定開始信号を受信する第2の通信部をさらに備え、前記第2の通信部で前記第3の測定開始信号を受信した場合、前記基準信号送信部に前記基準信号を送信させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の位置検出システム。
【請求項7】
前記第1の測定開始信号に、前記端末コードが含まれていることを特徴とする請求項4記載の位置検出システム。
【請求項8】
前記第2の測定開始信号に、前記端末コードが含まれていることを特徴とする請求項5記載の位置検出システム。
【請求項9】
前記第3の測定開始信号に、前記端末コードが含まれていることを特徴とする請求項6記載の位置検出システム。
【請求項10】
通信端末の位置を検出する位置検出方法であって、
複数の基地局から等距離に配置された基準局から基準信号を送信するステップと、
前記通信端末により前記基準信号を受信するステップと、
前記基準信号を受信した後に測定信号を送信するステップと、
前記複数の基地局により前記基準信号を受信するステップと、
前記基準信号を受信した後に前記測定信号を受信するステップと、
前記基準信号を受信してから前記測定信号を受信するまでの時間を計測して時間データ信号を生成するステップと、
前記複数の基地局から複数の時間データ信号を送信するステップと、
位置計算器により前記複数の時間データ信号を受信するステップと、
受信した複数の時間データ信号に基づき前記通信端末の位置を計算するステップとを含むことを特徴とする位置検出方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末の位置を検出する位置検出システムおよび位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人や物の空間における位置を検出し、それらを追跡することは技術的に困難であり、位置の管理不足がきたす社会的不効率や社会的損失は多大なものであった。そのため、それらの位置を正確に検出し、検出した位置情報をバリューとした制御技術や管理サービス事業が各種提案されてきている。たとえば、人や物に通信端末を貼り付け、通信端末の位置を検出することによって目的とする人や物の位置を検出する方法が主流であり、その応用例としては、子供や老人などの弱者の見守り、ライフアシストロボットの制御、医療現場での医療機器や医薬品の場所管理、倉庫内の物品管理などがある。
【0003】
屋内で用いられる通信端末の位置検出方法としては、例えば、携帯電話の位置をセルラ基地局のサービスエリアとの関係から検出するセルID法(Cell−ID法)、通信端末と基地局の間の電界強度が両者間の距離に依存することを利用して位置を検出する電界強度検出法(RSSI法)、通信端末と基地局の間の波動到達時間が両者間の距離に依存することを利用して位置を検出する到達時間差検出法(TOA法,TDOA法)が挙げられる。この中でも、波動の到達時間差を三点測量と組み合わせて位置を検出するTDOA(Time Difference Of Arrival)法が最も高精度に位置検出ができる方法の一つとして知られている。
【0004】
TDOA法は、位置検出対象の通信端末が波動を発し、建物に具備された複数の基地局における波動の到達時間差を測定する方法と、基地局側が波動を発し、通信端末における波動の到達時間差を測定する方法の二種類がある。これらの方法はアプリケーションによって使い分けられるが、システムの構成が簡単なことや精度が出しやすいことなどの理由から、前者の位置検出対象の通信端末が波動を発する方法が多く用いられる。
【0005】
この場合、複数の基地局において一つの波動の到達時間差を測定するため、各基地局間で厳密に時計の時刻合わせを行い、受信動作の同期を取る必要がある。そのため、各基地局間で動作の同期を合わせる方法が幾つか提案されている。
【0006】
例えば、一つの信号生成装置から発生した基準信号を各基地局に光ファイバーなどで同時伝送し、各基地局は、受信した基準信号のクロックに同期して基地局動作を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、各基地局間の距離差による遅延誤差や測定時刻誤差を予め評価および記憶し、位置検出結果に対して補正を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図14は、特許文献1に記載された従来の位置検出システムの概略構成を示す模式図である。図14に示す位置検出システム1400は、通信端末1406の位置を検出するために、基準局1401と、基準局1401と光ファイバー1405で接続された複数の基地局1402〜1404とで構成されている。基準局1401は、光ファイバー1405経由で各基地局に対して基準信号1407を送信し、各基地局は、基準信号1407を受信して動作タイミングを基地局間で互いに同期させる。通信端末1406は、位置検出のための測定信号を送信するが、測定信号が各基地局に到達する時刻は、通信端末1406と各基地局との間の距離に依存して各基地局間で差異が生じる。この到達時間差からTDOA法によって通信端末1406の位置を算出する。各基地局では、測定信号の到達時間を正確に測定するために、基準信号1407によって動作タイミングを同期化することにより、各基地局での測定開始時刻の時間合わせが行われる。
【特許文献1】特開2004−112558号公報
【特許文献2】特開2004−221704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の構成では、基準局から各基地局までの距離差や、各基地局における基準信号からクロックを再生するPLL(Phase Locked Loop)回路の構成部品の特性ばらつきにより、各基地局間で測定開始時刻に誤差が生じ、位置検出精度のキャリブレーションに処理コストがかかるという問題がある。また、基準局と各基地局間に光ファイバーなどの通信設備を敷設する必要があり、通信インフラ構築にコストがかかるので、システム全体のコストを増大させるという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載された従来の構成では、位置検出に先立って測定誤差を取得する必要があり、その処理のためにシステムハードウエアのコストおよび誤差測定の時間コストを要するという問題や、測定誤差によって間接的に位置検出結果を補正するので、位置検出精度が悪くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成で且つ高精度に各基地局間の同期化が可能な位置検出システムおよび位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る位置検出システムは、基準局と、通信端末と、複数の基地局と、位置計算器とを含む。基準局は、複数の基地局から等距離に配置され、基準信号を送信する基準信号送信部を有する。通信端末は、基準信号を受信する第1の基準信号受信部、および基準信号を受信した後に測定信号を送信する測定信号送信部を有する。複数の基地局は、それぞれ、基準信号を受信する第2の基準信号受信部、基準信号を受信した後に測定信号を受信する測定信号受信部、基準信号を受信してから測定信号を受信するまでの時間を計測して時間データ信号を生成する計時部、および時間データ信号を送信する時間データ信号送信部を有する。位置計算器は、複数の基地局のそれぞれから時間データ信号を受信する時間データ信号受信部、および時間データ信号に基づき通信端末の位置を計算する計算部を有する。
【0012】
本発明に係る位置検出方法は、通信端末の位置を検出する位置検出方法であって、複数の基地局から等距離に配置された基準局から基準信号を送信するステップと、通信端末により基準信号を受信するステップと、基準信号を受信した後に測定信号を送信するステップと、複数の基地局により基準信号を受信するステップと、基準信号を受信した後に測定信号を受信するステップと、基準信号を受信してから測定信号を受信するまでの時間を計測して時間データ信号を生成するステップと、複数の基地局から複数の時間データ信号を送信するステップと、位置計算器により複数の時間データ信号を受信するステップと、受信した複数の時間データ信号に基づき通信端末の位置を計算するステップとを含む。
【0013】
これらの構成によれば、基準局が基準信号を送信し、各基地局と通信端末が基準信号を受信する。通信端末は、基準局が送信した基準信号を受信した後、測定信号を送信する。各基地局は、基準局の送信した基準信号を受信した後、通信端末の送信した測定信号を受信し、両信号間の時間間隔を測定し、時間データ信号を生成する。その後、各基地局は、時間データ信号を位置計算器に送信する。位置計算器は、各基地局の送信した時間データ信号に基づいて各基地局における測定信号の到達時間差を算出し、通信端末の位置を例えば三点測量法で計算する。
【0014】
具体的には、基地局が基準局からの基準信号を受信した時点で基地局に備えた計時部による計時をスタートさせ、通信端末からの測定信号を受信した時点で計時部による計時をストップさせることにより、基準信号の受信から測定信号の受信までの時間間隔を計時することができる。また、基準局は各基地局から等しい距離に配置されているため、基準局から送信された基準信号は、各基地局において同時刻で受信される。すなわち、各基地局における計時部による計時のスタートは同時刻において実行されるため、各基地局の各計時部は相互に同じ時間を刻むことになる。よって、各基地局における計時部による計時のストップ時点の時刻を、各基地局間における測定信号の到達時間差としてみなすことができる。これらの動作により、基地局間の同期を簡単な構成で且つ高精度に行うことができる。
【0015】
また、上記の位置検出システムにおいて、基準局の基準信号送信部は、位置検出対象の通信端末を特定する端末識別符号である端末コードと、基準信号を表す信号種別符号である基準コードとを多重化して基準信号を生成する第1のデータ多重化手段を備え、通信端末の第1の基準信号受信部は、基準信号から基準コードおよび端末コードを分離する第1のデータ分離手段を備え、通信端末の測定信号送信部は、第1のデータ分離手段によって分離された端末コードが、自己の端末コードと一致した場合に測定信号を送信し、複数の基地局の第2の基準信号受信部は、基準信号から基準コードおよび端末コードを分離する第2のデータ分離手段を備え、複数の基地局の時間データ信号送信部は、第2のデータ分離手段によって分離された端末コードと、時間データ信号を表す信号種別符号である時間コードとを多重化して時間データ信号を生成する第2のデータ多重化手段を備え、位置計算器の時間データ信号受信部は、時間データ信号から時間コードおよび端末コードを分離する第3のデータ分離手段を備え、位置計算器の計算部は、第3のデータ分離手段によって分離された時間コードと端末コードとに基づき通信端末の位置を計算することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、基準局は、基準コードと端末コードとを多重化して基準信号として送信するので、端末コードを含む基準信号を受信した通信端末は、自己の端末コードと一致している場合にのみ測定信号を送信することができる。したがって、複数の通信端末が存在する場合でも、特定の通信端末の位置を検出することができる。さらに、端末コードを含む基準信号を受信した基地局は、その後に続く測定信号の到達時間を測定した結果得られた時間データ信号を、端末コードと関連付けて位置計算器に送信するので、位置計算器は、特定の通信端末の位置を計算して出力することができる。
【0017】
また、上記の位置検出システムにおいて、通信端末の測定信号送信部は、第1のデータ分離手段によって分離された端末コードと、測定信号を表す信号種別符号である測定コードとを多重化して測定信号を生成する第3のデータ多重化手段を備え、複数の基地局の測定信号受信部は、測定信号から測定コードおよび端末コードを分離する第4のデータ分離手段を備えることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、通信端末は、測定信号に端末コードを含ませて送信するので、端末コードを含む測定信号を受信した基地局は、測定信号の到達時間の測定結果得られた時間データ信号を、端末コードと関連付けて位置計算器に送信することができ、位置計算器は、特定の通信端末の位置を計算して出力することができる。
【0019】
また、上記の位置検出システムにおいて、通信端末は、基準信号の送信要求を示す第1の測定開始信号を送信する第1の通信部をさらに備え、基準局は、第1の測定開始信号を受信する第2の通信部をさらに備え、第2の通信部で第1の測定開始信号を受信した場合、基準信号送信部に基準信号を送信させることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、通信端末から基準局に対して基準信号の送信を要求でき、通信端末は任意の時間で位置検出システムの動作を開始することができる。したがって、通信端末が位置検出動作のイニシエータとなるアプリケーションに対応することができる。
【0021】
また、上記の位置検出システムにおいて、複数の基地局は、基準信号の送信要求を示す第2の測定開始信号を送信する第3の通信部をさらに備え、基準局は、第2の測定開始信号を受信する第2の通信部をさらに備え、第2の通信部で第2の測定開始信号を受信した場合、基準信号送信部に基準信号を送信させることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、基地局から基準局に対して基準信号の送信を要求でき、基地局は任意の時間で位置検出システムの動作を開始することができる。したがって、基地局が位置検出動作のイニシエータとなるアプリケーションに対応することができる。
【0023】
また、上記の位置検出システムにおいて、位置計算器は、基準信号の送信要求を示す第3の測定開始信号を送信する第4の通信部をさらに備え、基準局は、第3の測定開始信号を受信する第2の通信部をさらに備え、第2の通信部で第3の測定開始信号を受信した場合、基準信号送信部に基準信号を送信させることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、位置計算器から基準局に対して基準信号の送信を要求でき、位置計算器は任意の時間で位置検出システムの動作を開始することができる。したがって、位置計算器が位置検出動作のイニシエータとなるアプリケーションに対応することができる。
【0025】
また、上記の位置検出システムにおいて、第1〜第3の測定開始信号に、端末コードが含まれていることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、前記イニシエータが位置検出動作を開始する際に、位置検出対象の通信端末の端末コードを測定開始信号に含めることができるので、通信端末を個別に指定することができる。したがって、複数の通信端末の中から特定の通信端末の位置を検出するアプリケーションに対応することができる。
【0027】
なお、本発明は、以下に記述する発明を実施するための最良の形態及び図面を用いて説明されるが、これは例示を目的としており、本発明はこれに限定されることを意図するものではない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、各基地局で受信される基準信号から各基地局で受信される測定信号までの到達時間によって通信端末の位置を計算するが、各基地局から等しい距離に配置された基準局から送信された基準信号は、各基地局で同時刻に受信されるので、各基地局における到達時間の時間測定動作を同時刻に開始することができる。したがって、基地局間の正確な同期を簡単な構成で実現することが可能であり、低コストで高精度な位置検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる位置検出システムの概略構成を示す模式図である。
【0031】
図1において、位置検出システム100は、基準局101と、基地局102、103、および104と、位置計算器105と、通信端末106とから構成される。基準局101は、基地局102〜104から等しい距離(L)に配置される。位置検出システム100の機能は、通信端末106の位置を検出することにある。なお、本実施の形態における位置検出方法は、波動の伝送距離に依存する到達時間差を利用したものであり、基準局101から送信される信号をトリガとして通信端末106から送信される波動を基地局102〜104で受信し、波動の到達時間差を集計することにより、通信端末106の位置を計算する。ここでは、一例として三局の基地局102〜104を用いて、三局の基地局を測量点とする三点測量法によって通信端末106の位置を算出する。このとき、各基地局102〜104の座標と、各基地局102〜104への各波動到着時刻と、波動の速度がわかっていれば、波動を送信している通信端末106の座標が求められる。したがって、変動要素である各基地局102〜104における波動到着時刻を正確に計時すれば、正確な位置検出結果が得られる。
【0032】
なお、位置検出のために使用する波動および各構成要素間の通信のための通信媒体は、電波、音波(超音波を含む)、光波、弾性波などいずれも使用可能であり、ここでは電波の場合を一例として例示及び説明する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる位置検出システムの動作を説明するための模式図である。なお、図2において、図1に示す構成要素と同じものについては同じ符号を付して、説明を省略する。
【0034】
図2において、基準局101は基準信号110を周囲に送信し、通信端末106および基地局102〜104が基準信号110を受信する。このとき、基準局101と通信端末106の位置関係は任意であるので、通信端末106が基準信号110を受信する時刻はその位置関係に依存する。さらに、基準局101は、基地局102〜104から等しい距離に位置しているため、基地局102〜104が基準信号110を受信する時刻は各基地局で同時刻である。また、基地局102〜104は位置検出システム100の測定エリアの隅に配置されているため、エリア内に位置する通信端末106における基準信号110の受信時刻は、基地局102〜104における基準信号110の受信時刻より早くなるか、等しくなる。
【0035】
通信端末106は、基準信号110の受信に続いて測定信号120を送信する。基地局102〜104は、測定信号120を受信するが、通信端末106と基地局102〜104との位置関係は任意であるので、各基地局102〜104が測定信号120を受信する各時刻は、通信端末106と各基地局102〜104との位置関係に依存する。基地局102〜104は、基準信号110を受信した時刻から時間を計測しており、測定信号120を受信した時刻までを計時する。
【0036】
各基地局102〜104における基準信号110の受信時刻は同時刻であるので計時開始時刻が同一の時刻となり、各基地局において測定信号120を受信した各時刻により、相互に時間の長短を比較することができる。すなわち、各基地局102〜104における測定信号120の到達時間差を、各基地局における測定信号120の受信時刻の単純な差分によって求めることができる。
【0037】
基地局102〜104は、測定信号120の受信時刻を時間データ信号130、131、および132として位置計算器105に送信する。位置計算器105は、受信した時間データ信号130〜132から各基地局102〜104における測定信号120の到達時間差を算出し、算出した到達時間差と、既知である各基地局102〜104の座標および波動の速度とを用いて、通信端末106の座標を計算して出力する。
【0038】
図3は、本発明の第1の実施の形態における基準局の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
図3において、基準局300は、制御部301と、基準信号送信部302とから構成される。制御部301は、基準局300内の各部の制御を行なうとともに、基準信号の元データとなる基準コードD30と、位置検出対象の通信端末を特定する端末コードD31とを出力し、基準信号送信部302は、基準信号を構成して電波として出力する。
【0040】
基準信号送信部302は、多重化部303(第1のデータ多重化手段)と、変調部304と、送信部305とから構成される。多重化部303は、制御部301が生成した基準コードD30と、端末コードD31とを多重化してパケットデータを生成し、変調部304は、パケットデータを変調して変調信号を生成し、送信部305は、変調信号を周波数変換および高周波増幅してアンテナから基準信号として送信する。
【0041】
図4は、本発明の第1の実施の形態における通信端末の内部構成を示すブロック図である。
【0042】
図4において、通信端末400は、制御部401と、基準信号受信部402と、測定信号送信部403と、切替部410とから構成される。制御部401は、通信端末400内の各部の制御を行なうとともに、送受信信号の入出力を行う。切替部410は、アンテナからの受信信号とアンテナへの送信信号の切り替えを制御部401の指示によって行う。
【0043】
基準信号受信部402は、受信部404と、復調部405と、分離部406(第1のデータ分離手段)とから構成される。受信部404は、アンテナから切替部410経由で入力された基準信号を高周波増幅および周波数変換して変調信号を再生し、復調部405は、変調信号を復調してパケットデータを再生し、分離部406は、パケットデータから基準コードD40および端末コードD41を分離して再生する。再生された基準コードD40および端末コードD41は、制御部401へ入力される。
【0044】
測定信号送信部403は、多重化部407(第3のデータ多重化手段)と、変調部408と、送信部409とから構成される。多重化部407は、制御部401が生成した基準コードD42と端末コードD43を多重化してパケットデータを生成し、変調部408は、パケットデータを変調して変調信号を生成し、送信部409は、変調信号を周波数変換および高周波増幅して切替部410経由でアンテナから測定信号として送信する。
【0045】
図5は、本発明の第1の実施の形態における基地局の内部構成を示すブロック図である。
【0046】
図5において、基地局500は、制御部501と、基準信号受信部502と、測定信号受信部503と、時間データ信号送信部504と、計時部505と、切替部515とから構成される。制御部501は、基地局500内の各部の制御を行なうとともに、送受信信号の入出力を行う。切替部515は、アンテナからの受信信号とアンテナへの送信信号の切り替えを制御部501の指示によって行う。
【0047】
基準信号受信部502は、受信部506と、復調部507と、分離部508(第2のデータ分離手段)とから構成される。受信部506は、アンテナから切替部515経由で入力された基準信号を高周波増幅および周波数変換して変調信号を再生し、復調部507は、変調信号を復調してパケットデータを再生し、分離部508は、パケットデータから基準コードD50および端末コードD51を分離して再生する。再生された基準コードD50および端末コードD51は、制御部501へ入力される。
【0048】
測定信号受信部503は、受信部509と、復調部510と、分離部511(第4のデータ分離手段)とから構成される。受信部509は、アンテナから切替部515経由で入力された測定信号を高周波増幅および周波数変換して変調信号を再生し、復調部510は、変調信号を復調してパケットデータを再生し、分離部511は、パケットデータから測定コードD52および端末コードD53を分離して再生する。再生された測定コードD52および端末コードD53は、制御部501へ入力される。
【0049】
時間データ信号送信部504は、多重化部512(第2のデータ多重化手段)と、変調部513と、送信部514とから構成される。多重化部512は、制御部501が生成した時間コードD54と、基地コードD55と、端末コードD56を多重化してパケットデータを生成し、変調部513は、パケットデータを変調して変調信号を生成し、送信部514は、変調信号を周波数変換および高周波増幅して切替部515経由でアンテナから測定信号として送信する。
【0050】
計時部505は、たとえば水晶発振器を内蔵した自走式のクロックカウンタなどで構成され、制御部501からのリセット信号S50がアサートされるとカウンタ値をゼロにリセットし、リセット信号S50がネゲートされると計時を開始して、カウンタ値を計時結果S51として制御部501へ出力する。
【0051】
図6は、本発明の第1の実施の形態における位置計算器の内部構成を示すブロック図である。
【0052】
図6において、位置計算器600は、制御部601と、時間データ信号受信部602と、計算部603と、入出力部607とから構成される。制御部601は、位置計算器600内の各部の制御を行なうとともに、受信信号の入力、通信端末の位置計算、およびユーザーを含む上位制御系との入出力制御を行う。
【0053】
時間データ信号受信部602は、受信部604と、復調部605と、分離部606(第3のデータ分離手段)とから構成される。受信部604は、アンテナから入力された時間データ信号を高周波増幅および周波数変換して変調信号を再生し、復調部605は、変調信号を復調してパケットデータを再生し、分離部606は、パケットデータから時間コードD60と、基地コードD61と、端末コードD62を分離して再生する。再生された時間コードD60と、基地コードD61と、端末コードD62は、制御部601へ入力される。
【0054】
計算部603は、位置計算のための数値演算を含む位置計算アルゴリズムを実行する演算ユニットであり、制御部601から位置計算のための時間データと必要なパラメータを受け取り、位置計算処理後、位置計算結果を制御部601に戻す。
【0055】
入出力部607は、上位制御系やユーザーからの制御コマンドを受けて、制御部601へ渡す入力処理と、制御部601からの位置検出結果を上位制御系やユーザーへ渡す出力処理を行う。
【0056】
図7(A)は、本発明の第1の実施の形態における基準信号のフォーマット図である。
【0057】
図7(A)において、基準信号700はデータパケットとして構成され、同期符号701と、信号種別符号702と、端末コード703と、誤り訂正符号704とから構成される。
【0058】
同期符号701は、基準信号700のパケット先頭を示すデータ列であり、受信側のPLLを引き込むためのプリアンブルビットと、データのバイトアライン先頭を示す同期コードから構成される。
【0059】
信号種別符号702は、当該データパケットの種類(基準信号、測定信号、時間データ信号のいずれかで、図7(A)では基準信号)を示す識別符号である。
【0060】
端末コード703は、位置検出対象の通信端末を特定するための通信端末に固有の識別符号である。
【0061】
誤り訂正符号704は、当該データパケットの伝送誤りを検出および訂正するための検査符号であり、たとえばリードソロモン符号などである。
【0062】
図7(B)は、本発明の第1の実施の形態における測定信号のフォーマット図である。
【0063】
図7(B)において、測定信号710はデータパケットとして構成され、同期符号711と、信号種別符号712と、端末コード713と、誤り訂正符号714とから構成される。それぞれの構成要素の機能は、基準信号700の構成要素と同様である。
【0064】
図7(C)は、本発明の第1の実施の形態における時間データ信号のフォーマット図である。
【0065】
図7(C)において、時間データ信号720はデータパケットとして構成され、同期符号721と、信号種別符号722と、基地コード723と、端末コード724と、誤り訂正符号725とから構成される。基地コード723は、時間データ信号720を送信した基地局を特定するための基地局に固有の識別符号である。他の構成要素の機能は、基準信号700の構成要素と同様である。
【0066】
図8は、本発明の第1の実施の形態にかかる位置検出システムの動作タイミング図である。
【0067】
図8において、基準局101、通信端末106、基地局102〜104、および位置計算器105の各構成要素の送受信タイミングを、横軸を時間軸として示す。
【0068】
基準局101は、基準信号S800を送信する(時刻T0)。通信端末106は基準信号S800を受信する(時刻T1)。その後、基地局102〜104が基準信号S800を受信する(時刻T2)。ここで、時刻T1は基準局101と通信端末106との距離に依存するため、時刻T1と時刻T2の時間関係は、T1<T2、T1=T2、T1>T2のいずれの関係もとり得る。ただし、基準局101は各基地局102〜104に対して等距離に配置されているため、各基地局102〜104が基準局101の送信した基準信号S800を受信する時刻は同時刻(時刻T2)である。
【0069】
通信端末106は、基準信号S800を受信すると(時刻T1)、所定の時間Tm後に測定信号S810を送信する(時刻T3)。基地局102は、通信端末106との距離に依存した遅延を含む時間Tm+Δt1後に測定信号S810を受信する(時刻T4)。ここで、時間Δt1は、通信端末106から基地局102までの電波伝達時間である。
【0070】
基地局103は、通信端末106との距離に依存した遅延を含む時間Tm+Δt2後に測定信号S810を受信する(時刻T5)。ここで、時間Δt2は、通信端末106から基地局103までの電波伝達時間である。
【0071】
基地局104は、通信端末106との距離に依存した遅延を含む時間Tm+Δt3後に測定信号S810を受信する(時刻T6)。ここで、時間Δt3は、通信端末106から基地局104までの電波伝達時間である。
【0072】
このとき、Δt1〜Δt3の時間関係は、通信端末106と各基地局102〜104との位置関係に依存し、図8に示すΔt1〜Δt3の時間関係は、例えば図2に示す通信端末106と基地局102〜106との位置関係を元にした一例である。
【0073】
基地局102は、基準信号S800を受信した時刻T2から計時部(図5の計時部505に相当)に計時動作を開始させ、測定信号S810を受信した時刻T4で計時部の計時動作を停止させて、時間Tm+Δt1(図5の計時結果S51に相当)を得る。
【0074】
基地局103は、基準信号S800を受信した時刻T2から計時部に計時動作を開始させ、測定信号S810を受信した時刻T5で計時部の計時動作を停止させて、時間Tm+Δt2を得る。
【0075】
基地局104は、基準信号S800を受信した時刻T2から計時部に計時動作を開始させ、測定信号S810を受信した時刻T6で計時部の計時動作を停止させて、時間Tm+Δt3を得る。
【0076】
次に、基地局102は、計時したTm+Δt1を示す時間コード(図5の時間コードD54に相当)、基地局102に固有の基地コード(図5の基地コードD55に相当)、端末コードなどから時間データを生成し、時間データ信号S820を送信する。位置計算器105は、時間データ信号S820を受信し、基地コードと時間データを抽出して基地局102における時間データを位置計算データの一部として記憶する。
【0077】
基地局103は、計時したTm+Δt2を示す時間コード、基地局103に固有の基地コード、端末コードなどから時間データを生成し、時間データ信号S821を送信する。位置計算器105は、時間データ信号S821を受信し、基地コードと時間データを抽出して基地局103における時間データを位置計算データの一部として記憶する。
【0078】
基地局104は、計時したTm+Δt3を示す時間コード、基地局104に固有の基地コード、端末コードなどから時間データを生成し、時間データ信号S822を送信する。位置計算器105は、時間データ信号S822を受信し、基地コードと時間データを抽出して基地局104における時間データを位置計算データの一部として記憶する。
【0079】
位置計算器105は、以下のような計算によって通信端末106の位置を計算する。
【0080】
空間座標Pを(x,y,z)と表記し、通信端末の座標P0は、P0=(x0,y0,z0)、基地局102の座標P1は、P1=(x1,y1,z1)、基地局103の座標P2は、P2=(x2,y2,z2)、基地局104の座標P3は、P3=(x3,y3,z3)とする。
【0081】
ここで、基地局102への測定信号S810の到着時刻はT4、基地局103への測定信号S810の到着時刻はT5、基地局104への測定信号S810の到着時刻はT6であるので、波動の速度をvとすれば、通信端末の位置は、以下の連立方程式の解P0となる。
【0082】
|P0−P2|−|P0−P1|=v(T5−T4)
|P0−P3|−|P0−P1|=v(T6−T4)
以上、本実施の形態の構成によれば、基準局が基準信号を送信し、各基地局と通信端末が基準信号を受信する。通信端末は、基準局が送信した基準信号を受信した後、測定信号を送信する。各基地局は、基準局の送信した基準信号を受信した後、通信端末の送信した測定信号を受信し、両信号間の時間間隔を測定し、時間データ信号を生成する。その後、各基地局は、時間データ信号を位置計算器に送信する。位置計算器は、各基地局の送信した時間データ信号に基づいて各基地局における測定信号の到達時間差を算出し、通信端末の位置を三点測量法で計算する。
【0083】
具体的には、基地局が基準局からの基準信号を受信した時点で基地局に備えた計時部による計時をスタートさせ、通信端末からの測定信号を受信した時点で計時部による計時をストップさせることにより、基準信号の受信から測定信号の受信までの時間間隔を計時することができる。また、基準局は各基地局から等しい距離に配置されているため、基準局から送信された基準信号は、各基地局において同時刻で受信される。すなわち、各基地局における計時部による計時のスタートは同時刻において実行されるため、各基地局の各計時部は相互に同じ時間を刻むことになる。よって、各基地局における計時部による計時のストップ時点の時刻を、各基地局間における測定信号の到達時間差としてみなすことができる。これらの動作により、基地局間の同期を簡単な構成で且つ高精度に行うことができる。
【0084】
また、基準局300(図3)は、基準信号に端末コードD31(図3)を含ませて送信するので、端末コード31が含まれた基準信号を受信した通信端末400(図4)は、端末コードD31と同内容の端末コードD41(図4)を再生し、自己の端末コードと一致している場合にのみ測定信号を送信することができる。したがって、複数の通信端末が存在しても、特定の通信端末の位置を検出することができる。
【0085】
さらに、端末コードD31が含まれた基準信号を受信した基地局500(図5)は、その後に続く測定信号の到達時間を測定した結果得られた時間コードD54(図5)を、基地コードD55と、端末コードD31と同内容の端末コードD56(図5)とに関連付けて位置計算器600(図6)に送信するので、位置計算器600は、再生した時間コードD60、基地コードD61、および端末コードD62に基づいて、特定の通信端末400の位置を計算して出力することができる。
【0086】
また、通信端末400は、測定信号に自己の端末コードである端末コードD43を含ませて送信するので、端末コードD43が含まれた測定信号を受信した基地局500は、測定信号の到達時間を測定した結果得られた時間コードD54を、基地コードD55と、端末コードD43と同内容の端末コードD56と、基地コードD55と関連付けて位置計算器600に送信することができ、位置計算器600は、再生した時間コードD60、基地コードD61、および端末コードD62に基づいて、特定の通信端末400の位置を計算して出力することができる。
【0087】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態における基準局の内部構成を示すブロック図である。なお、図9において、図3に示す構成要素と同じものについては同じ符号を付して、説明を省略する。
【0088】
図9において、基準局900は、図3に示す構成に加えて、通信部902(第2の通信部)を備える。なお、制御部901は、図3に示す制御部301の機能に加えて、通信部902との間で通信データD90の送受を行う機能を有する。通信部902は、変復調部903と送受信部904とから構成され、制御部901との間で送受される通信データD90を変復調部903で変復調し、送受信部904で通信信号(第1の測定開始信号、第2の測定開始信号(第3の実施の形態で説明)、および第3の測定開始信号(第4の実施の形態で説明))をアンテナ経由で送受信する。
【0089】
図10は、本発明の第2の実施の形態における通信端末の内部構成を示すブロック図である。なお、図10において、図4に示す構成要素と同じものについては同じ符号を付して、説明を省略する。
【0090】
図10において、通信端末1000は、図4に示す構成に加えて、通信部1002(第1の通信部)を備える。なお、制御部1001は、図4に示す制御部401の機能に加えて、通信部1002との間で通信データD100の送受を行う機能を有する。通信部1002は、変復調部1003と送受信部1004とから構成され、制御部1001との間で送受される通信データD100を変復調部1003で変復調し、送受信部1004により通信信号(第1の測定開始信号)をアンテナ経由で送受信する。
【0091】
この構成によれば、通信端末1000から基準局900に対して基準信号の送信要求を出したい、すなわち通信端末の位置検出動作を行いたい場合、通信端末1000が、通信信号として第1の測定開始信号を基準局900に送信することにより、通信端末1000の任意の時間で位置検出システムの動作を開始することができる。したがって、通信端末1000が位置検出動作のイニシエータとなるアプリケーションに対応できる。
【0092】
また、この構成において、制御部1001が位置検出対象の通信端末の端末コードD43を含んだ通信データD100を生成することにより、端末コードD43が含まれた第1の測定開始信号を送信させることもできる。また、基準局900の制御部901は端末コードを通信データD90から分離し、端末コードD31を生成して基準コードD30と多重化することができる。すなわち、位置検出動作を要求した通信端末は、自己の端末コードを基準信号に含ませることができる。これにより、基準信号で通信端末を個別に指定することができる。したがって、複数の通信端末の中から特定の通信端末の位置を検出するアプリケーションに対応できる。
【0093】
なお、通信信号に対するアンテナおよび送受信系は他の部分と独立した構成として例示および説明したが、基準信号および測定信号に対するアンテナおよび送受信系と共通にすることもできる。
【0094】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態における基地局の内部構成を示すブロック図である。なお、図11において、図5に示す構成要素と同じものについては同じ符号を付して、説明を省略する。
【0095】
図11において、基地局1100は、図5に示す構成に加えて、通信部1102(第3の通信部)を備える。なお、制御部1101は、図5に示す制御部501の機能に加えて、通信部1102との間で通信データD110の送受を行う機能を有する。通信部1102は、変復調部1103と送受信部1104とから構成され、制御部1101との間で送受される通信データD110を変復調部1103で変復調し、送受信部1104により通信信号(第2の測定開始信号)をアンテナ経由で送受信する。
【0096】
この構成によれば、基地局1100から基準局900に対して基準信号の送信要求を出したい、すなわち通信端末の位置検出動作を行いたい場合、基地局1100が、通信信号として第2の測定開始信号を基準局900に送信することにより、基地局1100の任意の時間で位置検出システムの動作を開始することができる。したがって、基地局1100が位置検出動作のイニシエータとなるアプリケーションに対応できる。
【0097】
また、この構成において、制御部1101が位置検出対象の通信端末の端末コードD56を含んだ通信データD110を生成することにより、端末コードD56が含まれた第2の測定開始信号を送信させることもできる。また、基準局900の制御部901は端末コードを通信データD90から分離し、端末コードD31を生成して基準コードD30と多重化することができる。すなわち、基準信号で通信端末を個別に指定することができる。したがって、複数の通信端末の中から特定の通信端末の位置を検出するアプリケーションに対応できる。
【0098】
なお、通信信号に対するアンテナおよび送受信系は他の部分と独立した構成として例示および説明したが、基準信号および測定信号に対するアンテナおよび送受信系と共通にすることもできる。
【0099】
(第4の実施の形態)
図12は、本発明の第4の実施の形態における位置計算器の内部構成を示すブロック図である。図12において、図6に示す構成要素と同じものについては同じ符号を付して、説明を省略する。
【0100】
図12において、位置計算器1200は、図6に示す構成に加えて、通信部1202(第4の通信部)を備える。通信部1202は、変復調部1203と送受信部1204とから構成され、制御部1201との間で送受される通信データD120を変復調部1203で変復調し、送受信部1204により通信信号(第3の測定開始信号)をアンテナ経由で送受信する。
【0101】
この構成によれば、位置計算器1200から基準局900に対して基準信号の送信要求を出したい、すなわち通信端末の位置検出動作を行いたい場合、位置計算器1200が、通信信号として第3の測定開始信号を基準局900に送信することにより、位置計算器1200の任意の時間で位置検出システムの動作を開始することができる。したがって、位置計算器1200が位置検出動作のイニシエータとなるアプリケーションに対応できる。
【0102】
また、この構成において、上位制御系またはユーザーによって入出力部607から位置検出対象の通信端末を指定する情報が入力され、制御部1201が位置検出対象の通信端末の端末コードD62を含んだ通信データD120を生成することにより、端末コードD62が含まれた第3の測定開始信号を送信させることもできる。すなわち、基準信号で通信端末を個別に指定することができる。したがって、複数の通信端末の中から特定の通信端末の位置を検出するアプリケーションに対応できる。
【0103】
なお、通信信号に対するアンテナおよび送受信系は他の部分と独立した構成として例示および説明したが、基準信号、測定信号、および時間データ信号に対するアンテナおよび送受信系と共通にすることもできる。
【0104】
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態について、図13に加えて図8を参照して説明する。
【0105】
図13は、本発明の第5の実施の形態にかかる位置検出方法における各工程を示すフローチャートである。
【0106】
図13において、通信端末106、基地局102〜104、または位置計算器105から、通信端末106の位置検出動作の開始要求(第1、第2、または第3の測定開始信号)が出されると、基準局101は時刻T0で基準信号S800(図8)を送信する(ステップS1301)。各基地局は位置検出エリアの周囲に配置されているので、位置検出エリア内にある通信端末106が各基地局に先んじて時刻T1で基準信号を受信する(ステップS1302)。
【0107】
通信端末106が基準信号を受信してから所定の時間Tmが経過したか否かを通信端末106(300)の制御部301(図3)が判断し(ステップS1303)、所定の時間Tmが経過したとき(ステップS1303でYES)、通信端末106は時刻T3で測定信号S810を送信する(ステップ1304)。
【0108】
基準局は各基地局から等距離に配置されているので、全ての基地局が同時刻T2で基準信号を受信する(ステップS1305)。基準信号を同時に受信した各基地局は計時部(図5の505)において計時を開始させる。
【0109】
次に、通信端末106の位置に応じて、基地局102が時刻T4で測定信号を受信して計時部における計時を終了させ、基地局103が時刻T5で測定信号を受信して計時部における計時を終了させ、基地局104が時刻T6で測定信号を受信して計時部における計時を終了させる(ステップS1306)。
【0110】
基地局102は、時刻T2での基準信号の受信から時刻T4での測定信号の受信までの時間(T4−T2)をTm+Δt1として計測し、基地局103は、時刻T2での基準信号の受信から時刻T5での測定信号の受信までの時間(T5−T2)をTm+Δt2として計測し、基地局104は、時刻T2での基準信号の受信から時刻T6での測定信号の受信までの時間(T6−T2)をTm+Δt3として計測する(ステップS1307)。
【0111】
次いで、基地局102は、計時したTm+Δt1を示す時間コードを含む時間データ信号S820を位置計算器105に送信し、基地局103は、計時したTm+Δt2を示す時間コードを含む時間データ信号S821を位置計算器105に送信し、基地局104は、計時したTm+Δt3を示す時間コードを含む時間データ信号S822を位置計算器105に送信する(ステップS1308)。
【0112】
位置計算器105は、全ての時間データ信号S820、S821、S822を受信すると(ステップS1309)、全ての時間データ信号に基づいて各基地局における測定信号の到達時間差を算出し、通信端末の位置を第1の実施の形態で説明した三点測量法で計算する(ステップS1310)。
【0113】
なお、本実施の形態の位置検出方法は、基準局、基地局、通信端末、および位置計算器において上記位置検出方法を実行するためのプログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体にも適用することができる。この記録媒体に記録されたプログラムが、CPU、メモリなどを含む装置上で実行されることにより、基準局、基地局、通信端末、および位置計算器を構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明にかかる位置検出システムおよび位置検出方法は、低コストで高精度に通信端末の位置を検出することができるという利点を有し、例えば、家庭用途における、個人ごとの家電快適制御や、子供や老人など弱者の見守りシステムや、ライフアシストロボット制御などに適用可能であり、また、ビジネス用途における、物品管理システムや、施設管理システムなどに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる位置検出システムの概略構成を示す模式図。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる位置検出システムの動作を説明するための模式図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における基準局の内部構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施の形態における通信端末の内部構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における基地局の内部構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第1の実施の形態における位置計算器の内部構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における基準信号(A)、測定信号(B)、および時間データ信号(C)のフォーマット図。
【図8】本発明の第1の実施の形態にかかる位置検出システムの動作タイミング図。
【図9】本発明の第2の実施の形態における基準局の内部構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第2の実施の形態における通信端末の内部構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第3の実施の形態における基地局の内部構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第4の実施の形態における位置計算器の内部構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第5の実施の形態にかかる位置検出方法における各工程を示すフローチャート。
【図14】特許文献1に記載された従来の位置検出システムの概略構成を示す模式図。
【符号の説明】
【0116】
100 位置検出システム
101、300、900 基準局
102、103、104、500、1100 基地局
105、600、1200 位置計算器
106、400、1000 通信端末
110 基準信号
120 測定信号
130、131、132 時間データ信号
302 基準局300の基準信号送信部
303 多重化部(第1のデータ多重化手段)
402 通信端末400の基準信号受信部
403 通信端末400の測定信号送信部
406 分離部(第1のデータ分離手段)
407 多重化部(第3のデータ多重化手段)
502 基地局500の基準信号受信部
503 基地局500の測定信号受信部
504 基地局500の時間データ送信部
508 分離部(第2のデータ分離手段)
511 分離部(第4のデータ分離手段)
512 多重化部(第2のデータ多重化手段)
602 位置計算器600の時間データ受信部
606 分離部(第3のデータ分離手段)
902 通信部(第2の通信部)
1002 通信部(第1の通信部)
1102 通信部(第3の通信部)
1202 通信部(第4の通信部)
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100096150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝夫

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎

【識別番号】100109438
【弁理士】
【氏名又は名称】大月 伸介


【公開番号】 特開2008−2866(P2008−2866A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170884(P2006−170884)