トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 位置検出装置および位置検出方法
【発明者】 【氏名】松田 心平

【要約】 【課題】コイン型電池やその他の小型の電池を電源として使用した場合でも、無駄な電力消費を回避して、電池の著しい電圧降下が発生して装置が機能停止になるような事態を招くことなく、衛星からのGPS信号を確実に受信して現在位置を検出する。

【構成】CPU31は、RF制御部34によって、RF部2に対して非動作モードから動作モードに切り替える制御および動作モードから非動作モードに切り替える制御を行い、5個のサブフレームデータの全てが取得できなかったときは、取得できなかったサブフレームデータの送信に合わせて非動作モードから動作モードに間欠的に切り替え、5個のサブフレームデータの全てが取得できたときは、サブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池から電力を供給される動作モードにおいては衛星から時系列的に送信される第1番目から第m番目までのm個のサブフレームデータの期間を1周期とするメインフレームデータを担うGPS信号を受信し、前記電池から電力を供給されない非動作モードにおいては受信を停止する受信手段と、
前記受信手段に対して非動作モードから動作モードに切り替える制御および動作モードから非動作モードに切り替える制御を行う動作制御手段と、
前記動作制御手段によって非動作モードから動作モードに切り替えられたときに、前記受信手段によりm個のサブフレームデータの全てが取得できたか否かを判定する取得判定手段と、
m個のサブフレームデータの全てが取得できなかったことが前記取得判定手段によって判定されたときは、取得できなかったサブフレームデータの送信に合わせて非動作モードから動作モードに間欠的に切り替える時間を演算して、前記動作制御手段に対して当該演算した切替時間に基づく制御を指示する演算手段と、
m個のサブフレームデータの全てが取得できたことが前記取得判定手段によって判定されたときは、当該取得されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出する位置算出手段と、
を備えた位置検出装置。
【請求項2】
複数の記憶手段をさらに備え、前記位置算出手段は、前記受信手段によって受信されたGPS信号の中から順に取得した衛星のサブフレームデータを当該衛星の識別情報に対応して割り当てた各記憶手段に記憶し、所定数の記憶手段の各々に対応する衛星のm個のサブフレームデータを記憶したときに、各記憶手段に記憶されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記動作制御手段は、前記演算手段から切替時間に基づく制御を指示される前は、任意のk(1≦k≦m)番目のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出した時から1周期の期間、前記受信手段を非動作モードから動作モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記取得判定手段は、前記動作制御手段によって受信手段が非動作モードから動作モードに切り替えられた後、所定時間が経過しても任意のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出できないときは、前記動作制御手段に対して前記受信手段を動作モードから非動作モードに切り替えるように指示することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
電池から電力を供給される動作モードにおいては衛星から時系列的に送信される第1番目から第m番目までのm個のサブフレームデータの期間を1周期とするメインフレームデータを担うGPS信号を受信し、前記電池から電力を供給されない非動作モードにおいては受信を停止する受信手段に対して、非動作モードから動作モードに切り替える制御および動作モードから非動作モードに切り替える制御を行うステップAと、
前記ステップAによって非動作モードから動作モードに切り替えられたときに、前記受信手段によりm個のサブフレームデータの全てが取得できたか否かを判定するステップBと、
m個のサブフレームデータの全てが取得できなかったことが前記ステップBによって判定されたときは、取得できなかったサブフレームデータの送信に合わせて非動作モードから動作モードに間欠的に切り替える時間を演算して、前記ステップAに対して当該演算した切替時間に基づく制御を指示するステップCと、
m個のサブフレームデータの全てが取得できたことが前記ステップBによって判定されたときは、当該取得されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出するステップDと、
を実行する位置検出方法。
【請求項6】
前記ステップDは、前記受信手段によって受信されたGPS信号の中から順に取得した衛星のサブフレームデータを、複数の記憶手段の中において当該衛星の識別情報に対応して割り当てた1つの記憶手段に記憶し、所定数の記憶手段の各々に対応する衛星のm個のサブフレームデータを記憶したときに、各記憶手段に記憶されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出することを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
【請求項7】
前記ステップAは、前記ステップCから切替時間に基づく制御を指示される前は、任意のk(1≦k≦m)番目のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出した時から1周期の期間、前記受信手段を非動作モードから動作モードに切り替えることを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
【請求項8】
前記ステップBは、前記ステップAによって受信手段が非動作モードから動作モードに切り替えられた後、所定時間が経過しても任意のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出できないときは、前記ステップAに対して前記受信手段を動作モードから非動作モードに切り替えるように指示することを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置および位置検出方法に関し、特に、衛星からの電波を受信して現在位置を検出する位置検出装置および位置検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は、複数の衛星からの電波を受信して、現在位置を検出するシステムである。この場合の衛星は静止衛星ではなく、高度2万kmを周回し、地球に対して刻々と位置が変化する32個の衛星である。現在位置を検出するためには、32個の衛星の中の最低3個の衛星からGPS信号を受信する必要がある。実際は、4個の衛星からGPS信号を受信して現在位置を検出している。各衛星からは30秒のメインフレームが送信される。このメインフレームは、各フレームが6秒の5個のサブフレームで構成され、各サブフレームは300ビットのデータで構成されている。第1乃至第5の5個のサブフレームのうち、第1のサブフレームには、各衛星の状態とクロック補正係数、第2、第3のサブフレームには、各衛星の軌道情報である「エフェメリス」が格納され、第4および第5の2個のサブフレームには、32個のすべての衛星に共通の概略軌道情報である「アルマナック」が格納されている。図7は、腕時計を利用した従来の位置検出装置の構成を示すブロック図である。この位置検出装置は、図7に示すように、アンテナ11、RF部12、ベースバンド処理部13、システム14、および電源15で構成されている。
【0003】
アンテナ11は、衛星からのGPS信号を受信してRF部12に入力する。RF部12は、入力されたGPS信号を復調してベースバンド処理部13にベースバンド信号を入力する。ベースバンド処理部13は、CPU131、n個のサーチ・エンジン132、同期検出部133で構成されている。同期検出部133は、各サブフレームの先頭にある8ビットの同期信号(これを「プリアンブル」という)を検出して、サブフレームの開始タイミングをCPU131に入力する。CPU131は、同期検出部133からのプリアンブルに基づいて、n個のサーチ・エンジン132を起動する。各サーチ・エンジンは、1個のサブフレームを取り込んで、そのデータをストアする。したがって、4個の衛星からGPS信号を受信して現在位置を検出する場合には、各衛星から同時に送信される連続した5個のサブフレームのデータを5個のサーチ・エンジンに順にストアし、合計20個のサーチ・エンジンにストアしたデータによって現在位置を検出する。システム14は、例えば、時計装置であり、ベースバンド処理部13で検出された現在位置を表示する。電源15は、小型のコイン型電池(例えば、2016タイプ)およびDC/DCコンバータなどで構成され、RF部12、ベースバンド処理部13、およびシステム14に電力を供給する。
【0004】
GPSを利用した位置検出の技術に関しては、多くの提案がなされている。
例えば、ある提案のGPS航法装置においては、エフェメリスのデータをサブフレーム単位に分割収集し、メモリに保存することによって、データ収集に要する時間を短くするようになっている。具体的には、サブフレーム収集フラグを設けて、サブフレームの収集に応じてこのフラグを1(有効)にセットする。したがって、一度収集したサブフレームであるか否かをフラグで判定するので、そのサブフレームを再度収集する必要がなくなり、収集する時間を短縮できる。(特許文献1参照)
また、ある提案のGPS受信機においては、複数のチャンネルを持つ検波部と、検波部で復調した衛星から送信される航法メッセージを収集するメッセージ収集部と、収集したメッセージを解析するメッセージ解析部と、伝搬時間と衛星の位置から受信機の位置を算出する測位部と、各チャンネルのメッセージ収集部に対して航法メッセージを走査するタイミングを指定するタイミング指定部とを備え、1チャンネル以上で航法メッセージを収集した場合に、他のチャンネルに対してメッセージの収集タイミングを指定する。したがって、GPS衛星から送信される航法メッセージの先頭を示すビットパターンであるプリアンブルパターンを早く検出し、すべてのチャンネルでプリアンブルパターンを検出するまでの時間を短縮し、航法メッセージをすばやく収集することにより、測位不能時間を短縮する。(特許文献2参照)
また、ある提案のGPS受信装置においては、複数のチャンネルにおいてそれぞれGPS衛星を捕捉することができ、その捕捉したGPS衛星からの衛星データから取り出した時刻情報と、GPS受信装置側にて計時した現在時刻とに基づいて、GPS衛星と現在位置(GPS受信装置の位置)との間の距離を測定する。また衛星データに含まれる詳細軌道情報(エフェメリス)を取り出して衛星位置を計算し、さらに測定した距離を加味して、GPS受信装置の位置を算出する。これにより、衛星データとの同期確立を早期に行えるようにし、測位を開始するまでの時間を短縮する。(特許文献3参照)
また、ある提案の位置検出装置においては、GPS受信機で受信したGPS衛星からのデータは、メインフレーム、サブフレーム、ワードという階層構造となっており、各ワードチェックにチェック用のパリティビットが組み込まれているので、GPS受信機では、各ワード毎にパリティビットを行い、受信したサブフレームで何ワードがパリティチェックでMGとなったか出力する。受信判定部では、パリティチェックMGの数により、データ受信可能状態か判定する。データ受信不可能と判定した場合においては、制御部においてデータ収集のための連続通電をオフとし、一定時間経過してから再度データ収集のためにスイッチをオンとして、メイン電源を通電させる。これにより、衛星軌道情報を取得するために連続通電する場合に、受信環境が悪いとデータ収集に長い時間が必要となり、無駄な電力を消費することを回避する。(特許文献4参照)
【特許文献1】特開平3−42793号公報
【特許文献2】特開平11−304899号公報
【特許文献3】特開2000−292521号公報
【特許文献4】特開2003−194910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1乃至特許文献4を含め、GPSを利用した従来の位置検出では、第1乃至第5の5個のサブフレームを連続して取得する構成になっている。5個のサブフレームは30秒であるので、前後のマージンを含めると連続通電する時間は40秒以上も必要である。しかしながら、コイン型電池を使用した図7の腕時計の位置検出装置やその他の携帯型の位置検出装置の場合には、各部に電力を供給する電源にコイン型電池を使用した場合には、40秒以上も連続通電すると電池の放電特性が劣化し、電池の著しい電圧降下のために装置自体が機能停止になるおそれがある。
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、コイン型電池やその他の小型の電池を電源として使用した場合でも、無駄な電力消費を回避して、電池の著しい電圧降下が発生して装置が機能停止になるような事態を招くことなく、衛星からのGPS信号を確実に受信して現在位置を検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の位置検出装置は、電池から電力を供給される動作モードにおいては衛星から時系列的に送信される第1番目から第m番目までのm個のサブフレームデータ(実施形態においては、5個のサブフレームデータに相当する)の期間を1周期とするメインフレームデータを担うGPS信号を受信し、電池から電力を供給されない非動作モードにおいては受信を停止する受信手段(実施形態においては、図1のRF部2に相当する)と、受信手段に対して非動作モードから動作モードに切り替える制御および動作モードから非動作モードに切り替える制御を行う動作制御手段(実施形態においては、図1のCPU31に相当する)と、動作制御手段によって非動作モードから動作モードに切り替えられたときに、受信手段によりm個のサブフレームデータの全てが取得できたか否かを判定する取得判定手段(実施形態においては、図1のCPU31に相当する)と、m個のサブフレームデータの全てが取得できなかったことが取得判定手段によって判定されたときは、取得できなかったサブフレームデータの送信に合わせて非動作モードから動作モードに間欠的に切り替える時間を演算して、動作制御手段に対して当該演算した切替時間に基づく制御を指示する演算手段(実施形態においては、図1のCPU31に相当する)と、m個のサブフレームデータの全てが取得できたことが取得判定手段によって判定されたときは、当該取得されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出する位置算出手段(実施形態においては、図1のCPU31に相当する)と、を備えた構成になっている。
【0007】
請求項1の位置検出装置において、請求項2に記載したように、複数の記憶手段(実施形態においては、図1のn個のサーチ・エンジン32に相当する)をさらに備え、位置算出手段は、受信手段によって受信されたGPS信号の中から順に取得した衛星のサブフレームデータを当該衛星の識別情報(実施形態においては、図2のTLMのデータに相当する)に対応して割り当てた各記憶手段に記憶し、所定数(実施形態においては、3個又は4個に相当する)の記憶手段の各々に対応する衛星のm個のサブフレームデータを記憶したときに、各記憶手段に記憶されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出するような構成にしてもよい。
【0008】
請求項1の位置検出装置において、請求項3に記載したように、動作制御手段は、演算手段から切替時間に基づく制御を指示される前は、任意のk(1≦k≦m)番目のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出した時から1周期の期間(実施形態においては、30秒の期間に相当する)、受信手段を非動作モードから動作モードに切り替えるような構成にしてもよい。
【0009】
請求項3の位置検出装置において、請求項4に記載したように、取得判定手段は、動作制御手段によって受信手段が非動作モードから動作モードに切り替えられた後、所定時間(実施形態においては、少なくともサブフレームデータの6秒の時間に相当する)が経過しても任意のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出できないときは、動作制御手段に対して受信手段を動作モードから非動作モードに切り替えるように指示するような構成にしてもよい。
【0010】
請求項5に記載の位置検出方法は、電池から電力を供給される動作モードにおいては衛星から時系列的に送信される第1番目から第m番目までのm個のサブフレームデータ(実施形態においては、5個のサブフレームデータに相当する)の期間を1周期とするメインフレームデータを担うGPS信号を受信し、電池から電力を供給されない非動作モードにおいては受信を停止する受信手段(実施形態においては、図1のRF部2に相当する)に対して、非動作モードから動作モードに切り替える制御および動作モードから非動作モードに切り替える制御を行うステップAと、ステップAによって非動作モードから動作モードに切り替えられたときに、受信手段によりm個のサブフレームデータの全てが取得できたか否かを判定するステップBと、m個のサブフレームデータの全てが取得できなかったことがステップBによって判定されたときは、取得できなかったサブフレームデータの送信に合わせて非動作モードから動作モードに間欠的に切り替える時間を演算して、ステップAに対して当該演算した切替時間に基づく制御を指示するステップCと、m個のサブフレームデータの全てが取得できたことがステップBによって判定されたときは、当該取得されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出するステップDと、を実行する構成になっている。
ステップA乃至ステップDは、実施形態においては、図1のCPU31の処理に相当する。
【0011】
請求項5の位置検出方法において、請求項6に記載したように、ステップDは、受信手段によって受信されたGPS信号の中から順に取得した衛星のサブフレームデータを、複数の記憶手段(実施形態においては、図1のn個のサーチ・エンジン32に相当する)の中において、当該衛星の識別情報に対応して割り当てた1つの記憶手段に記憶し、所定数(実施形態においては、3個又は4個に相当する)の記憶手段の各々に対応する衛星のm個のサブフレームデータを記憶したときに、各記憶手段に記憶されたm個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出するような構成にしてもよい。
【0012】
請求項5の位置検出方法において、請求項7に記載したように、ステップAは、ステップCから切替時間に基づく制御を指示される前は、任意のk(1≦k≦m)番目のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出した時から1周期の期間(実施形態においては、30秒の期間に相当する)、受信手段を非動作モードから動作モードに切り替えるような構成にしてもよい。
【0013】
請求項7の位置検出方法において、請求項8に記載したように、ステップBは、ステップAによって受信手段が非動作モードから動作モードに切り替えられた後、所定時間(実施形態においては、少なくとも1個のサブフレームデータの6秒の時間に相当する)が経過しても任意のサブフレームデータの先頭の同期信号を検出できないときは、ステップAに対して受信手段を動作モードから非動作モードに切り替えるように指示するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コイン型電池やその他の小型の電池を電源として使用した場合でも、無駄な電力消費を回避して、電池の著しい電圧降下が発生して装置が機能停止になるような事態を招くことなく、衛星からのGPS信号を確実に受信して現在位置を検出できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明による位置検出装置および位置検出方法の実施形態について、図1乃至図6を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、その技術的範囲の属する限り、当業者によって容易に考えられる様々な変形例が可能であることは言うまでもない。
【0016】
図1は、本発明の各実施形態における位置検出装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、アンテナ1、RF部2、ベースバンド処理部3、システム4、および電源5で構成されている。
アンテナ1は、衛星からの電波を受信してRF部2に入力する。RF部2は、入力された電波の中からGPS信号のみを抽出して復調し、必要なレベルに増幅した後にアナログ信号からデジタル信号のベースバンド信号に変換してベースバンド処理部3に入力する。ベースバンド処理部3は、CPU31、n個のサーチ・エンジン32、同期検出部33、RF制御部34、RAM35などで構成されている。同期検出部33は、各サブフレームの先頭にある8ビットの同期信号であるプリアンブルを検出して、サブフレームの開始タイミングをCPU31に入力する。CPU31は、システム4からのGPS信号の取得指示に応じて、RF制御部34によってRF部2を非動作モードから動作モードに切り替えると共に、同期検出部33からのプリアンブルに基づいて、n個のサーチ・エンジン32を起動する。各サーチ・エンジンは、1個のサブフレームを取り込んで、そのデータによって識別される衛星および何番目のサブフレームであるかを内部のメモリ(図示せず)にストアする。CPU31は、n個のサーチ・エンジン32のそれぞれにストアされている衛星およびサブフレームの番号をRAM35にストアして管理する。すなわち、所定数(例えば、4個)の衛星から送信された第1乃至第5の5個のサブフレームのすべてを受信したか否かを管理する。RF制御部34は、CPU31のコマンドに応じてRF部2を動作モード又は非動作モードに制御する。動作モードにおいては、RF部2のクロックなどをイネーブル状態にして、上記したRF部2の信号処理を可能にする。一方、非動作モードにおいては、RF部2のクロックなどをイネーブル状態にして、上記したRF部2の信号処理を停止させる。なお、RF制御部34については、必ずしもこのような専用のハードウェアシステム4で構成しなくてもよい。CPU31からの制御信号によってRF部2を動作モード又は非動作モードに制御する構成でもよい。システム4は、例えば、時計装置であり、ベースバンド処理部3で検出された現在時刻および現在位置を表示する。電源5は、小型のコイン型電池(例えば、2016タイプ)およびDC/DCコンバータなどで構成され、RF部2、ベースバンド処理部3、およびシステム4に電力を供給する。ただし、非動作モードではRF部2は信号処理を停止しているので電力を消費しない。
【0017】
図2は、GPS信号におけるフレーム構成を示す図である。図2(A)は、32個の衛星から30秒ごとに送信されるメインフレームを示している。各メインフレームは、サブフレーム1乃至サブフレーム5の5個のサブフレームで構成されている。サブフレーム1乃至サブフレーム3は、各衛星における固有のデータ(「エフェメリス」と称する)で構成され、サブフレーム4およびサブフレーム5は、同期してGPS信号を送信する32個の衛星に共通するデータ(「アルマナック」と称する)で構成されている。これら5個のサブフレームのデータをすべて取得したときに、その衛星に対応する位置情報が得られる。この装置の現在位置を検出するためには、4個(最低は3個)の衛星のそれぞれに対応する位置情報を取得する必要があるので、合計で20個のサブフレームを取得することになるが、本発明では、後述するように、各衛星から同時に送信される連続した5個のサブフレームを分割して取得する。
【0018】
図2(B)は、6秒の時間長からなる300ビットの各サブフレームを示している。通常、各サブフレームの先頭には、30ビットのTLM(Telemetry)のデータがあり、次に、同じく30ビットのHOW(Handover Word)のデータが続き、その後に、240ビットのクロック、各衛星の状態のデータ(サブフレーム1)、各衛星に固有の詳細軌道情報などのエフェメリスのデータ(サブフレーム2、3)、32個の衛星に共通する概略軌道情報や電離層補正情報などのアルマナックのデータ(サブフレーム4、5)がある。図には示していないが、TLMの最初の8ビット(10001011)がプリアンブルパターンであり、サブフレームの開始を示す同期信号を構成している。
【0019】
このように、32個の衛星からのGPS信号は、各サブフレームの送信タイミングが同期しており、任意の衛星の任意のサブフレームのTLMを取得すれば、そのサブフレームの衛星を特定し、5個のサブフレームの中の何番目のサブフレームであるかを認識することができる。さらに、取得したサブフレームのTLMのデータに基づいて、他の任意のサブフレームの送信タイミングを予測することが可能である。本発明は、このようなサブフレームの特徴的な構成を活用することによって現在位置を検出するものである。
【0020】
図3乃至図5は、CPU31によって実行される実施形態の位置検出方法を示すフローチャートである。
図3において、CPU31は、所定のイニシャライズ処理(ステップS1)の後、システム4からGPS信号の取得指示があるか否かを判別し(ステップS2)、GPS信号の取得指示があったときは、RF制御部34にオン指示を行って(ステップS3)、時系列的に送信される5個のサブフレームを受信できる期間、すなわち、1個のメインフレームを受信できる約30秒の期間、RF部2を非動作モードから動作モードに切り替える。
【0021】
RF部2を動作モードに切り替えた後、CPU31は、同期検出部33により同期確立を検出したか否か、すなわち、各サブフレームの先頭にある8ビットのプリアンブルを検出したか否かを判別し(ステップS4)、同期確立を検出しない場合には、RF部2のオン指示から所定時間が経過したか否かを判別し(ステップS5)、所定時間が経過したときは、ステップS2に移行してシステム4からGPS信号の取得指示の有無を判別するが、所定時間が経過していない場合には、ステップS4において同期確立を検出したか否かを判別する。各サブフレームの先頭のプリアンブルは、各衛星から6秒の周期で送信されるので、この所定時間は、少なくとも1個のサブフレームデータの6秒の時間に設定される。
【0022】
CPU31は、ステップS4において同期確立を検出したときは、その同期検出タイミングをRAM35にストアして(ステップS6)、サーチ・エンジン部32よりデータ取込を開始し(ステップS7)、フレームデータを取得して(ステップS8)、サブフレーム番号およびサブフレームデータをRAM35にストアし(ステップS9)、同期検出からメインフレームの周期である30秒が経過したか否かを判別し(ステップS10)、30秒が経過していない場合には、ステップS8乃至ステップS10の処理を繰り返す。
【0023】
CPU31は、同期確立から30秒が経過したときは、図4のフローチャートにおいて、RAM35にストアされたサブフレーム番号を取り出して(ステップS11)、5個のサブフレームの番号が全てそろっているか否かを判別し(ステップS12)、全てそろっている場合には、ストアされたフレームデータをシステム4に対して送付して(ステップS13)、RF制御部34に対してRF部2をオフにするように指示し(ステップS14)、図3のステップS2に移行して、システム4からGPS信号の取得指示の有無を判別する。この状態は、受信環境が良好なため、5個のサブフレームデータを一度に取得できた場合である。
【0024】
一方、5個のサブフレームの番号が全てそろっていない場合には、CPU31は、RF制御部34に対してRF部2をオフにするように指示し(ステップS15)、欠けているサブフレーム番号を抽出して(ステップS16)、RAM35にストアされている同期検出タイミングに基づいて、欠けているサブフレームデータが取得できる次のタイミング時間を算出し(ステップS17)、その算出したタイミング時間が経過したか否かを判別し(ステップS18)、そのタイミング時間が経過したときは、RF制御部34に対してRF部2をオンにするように指示する(ステップS19)。欠けているサブフレームが複数で且つ連続していない場合には、非動作モードから動作モードに切り替えるための算出時間は、後述する図6(A)の例のように、断続した複数の算出時間になる。
【0025】
この後、図5のフローチャートにおいて、CPU31は、RF部2から受信するサブフレームデータを取得し(ステップS20)、RF制御部34に対してRF部2をオフにするように指示して(ステップS21)、サブフレーム番号およびサブフレームデータをRAM35に追加してストアし(ステップS22)、全ての算出時間に対してデータ取得を終了したか否かを判別する(ステップS23)。全ての算出時間のデータ取得を終了していない場合には、CPU31は、図4のステップS18に移行して、図5のステップS23までの処理を繰り返し、全ての算出時間に対してデータ取得を終了したときは、図3のステップS2に移行して、システム4からGPS信号の取得指示の有無を判別する。
【0026】
図6は、RF部2に対する動作モードおよび非動作モードの切替タイミングの例を示す図である。図6(A)の例では、1番目のサブフレームの同期確立を検出したタイミングから30秒の時間、RF部2をオンにしてサブフレームデータの検出を行った結果、2番目および4番目のサブフレームを取得できなかった場合である。したがって、欠けている2番目および4番目のサブフレームデータが取得できる次のタイミング時間を算出してRF部2のオンにする。この場合には、非動作モードから動作モードに切り替える回数は2回である。図6(B)の例では、4番目のサブフレームの同期確立を検出したタイミングから30秒の時間、RF部2をオンにしてサブフレームデータの検出を行った結果、1番目および2番目のサブフレームを取得できなかった場合である。したがって、欠けている1番目および2番目のサブフレームデータが取得できる次のタイミング時間を算出してRF部2のオンにする。この場合には、非動作モードから動作モードに切り替える回数は1回である。
【0027】
以上のように、この実施形態によれば、RF部2は、電池から電力を供給される動作モードにおいては衛星から時系列的に送信される第1番目から第m番目までのm個のサブフレームデータの期間を1周期とするメインフレームデータを担うGPS信号を受信し、電池から電力を供給されない非動作モードにおいては受信を停止する。
CPU31は、RF制御部34によって、RF部2に対して非動作モードから動作モードに切り替える制御および動作モードから非動作モードに切り替える制御を行い、非動作モードから動作モードに切り替えたときに、RF部2により5個のサブフレームデータの全てが取得できたか否かを判定し、5個のサブフレームデータの全てが取得できなかったことが判定されたときは、取得できなかったサブフレームデータの送信に合わせて非動作モードから動作モードに間欠的に切り替える時間を演算して、その演算した切替時間に基づいて、RF部2に対して非動作モードから動作モードに切り替え、5個のサブフレームデータの全てが取得できたことが判定されたときは、その取得された5個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出する。
したがって、コイン型電池やその他の小型の電池を電源として使用した場合でも、無駄な電力消費を回避して、電池の著しい電圧降下が発生して装置が機能停止になるような事態を招くことなく、衛星からのGPS信号を確実に受信して現在位置を検出できる。
【0028】
また、上記実施形態においては、n個のサーチ・エンジン32をさらに備え、CPU31は、RF部2によって受信されたGPS信号の中から順に取得した衛星のサブフレームデータを、その衛星の識別情報であるTLMのデータに対応して割り当てた各サーチ・エンジンに記憶し、3個又は4個のサーチ・エンジンに3個又は4個の衛星の5個のサブフレームデータを記憶したときに、各サーチ・エンジンに記憶された5個のサブフレームデータに含まれている位置情報に基づいて現在位置を算出する。
したがって、例えば、4個の衛星における5個のサブフレームデータからなる20個のサブフレームデータの中から、任意のサブフレームデータを順に取得する場合でも、RF部2のオン時間が最短になるので、コイン型電池やその他の小型の電池を電源として使用した場合でも、無駄な電力消費を回避して、電池の著しい電圧降下が発生して装置が機能停止になるような事態を招くことなく、衛星からのGPS信号を確実に受信して現在位置を検出できる。
【0029】
また、上記実施形態において、CPU31は、最初にサブフレームデータを取得するときは、任意のk(1≦k≦5)番目のサブフレームデータの先頭の同期信号であるプリアンブルを検出し、その時から1周期分の30秒の間、RF部2を非動作モードから動作モードに切り替えて、5個のサブフレームデータの取得を試みる。そして、取得できなかったサブフレームデータがあった場合に、次の1周期にそのサブフレームデータの送信に合わせてRF部2を間欠的に動作モードに切り替える。
したがって、受信環境が良好で最初の1周期で5個のサブフレームデータを一度に取得できた場合には、間欠的な動作モードの切替は必要なく、無駄な電力消費を回避することができる。
【0030】
また、上記実施形態において、CPU31は、最初にサブフレームデータを取得する場合に、RF2を非動作モードから動作モードに切り替えた後、所定時間が経過しても任意のサブフレームデータの先頭のプリアンブルを検出できないときは、RF部2を動作モードから非動作モードに切り替える。
したがって、受信環境が悪い場合には、無駄な電力消費を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態における位置検出装置の構成を示すブロック図。
【図2】GPS信号におけるフレーム構成を示す図。
【図3】実施形態における位置検出方法を示すCPUのフローチャート。
【図4】図3に続くCPUのフローチャート。
【図5】図4に続くCPUのフローチャート。
【図6】RF部に対する動作モードおよび非動作モードの切替タイミングの例を示す図。
【図7】従来例における位置検出装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0032】
1 アンテナ
2 RF部
3 ベースバンド部
4 システム
31 CPU
32 サーチ・エンジン
33 同期検出部
34 RF制御部
35 RAM
【出願人】 【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男


【公開番号】 特開2008−2861(P2008−2861A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170811(P2006−170811)