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【発明の名称】 GPS受信装置および位置検出方法
【発明者】 【氏名】松田 心平

【要約】 【課題】コイン型電池やその他の電源によって位置検出を行う場合に、消費電力を低減する。

【構成】デジタル信号処理部13は、複数の衛星から送信される電波の受信感度に基づいてGPS信号を受信可能な衛星を特定し、多チャネルデコーダ15のn個のチャネルデコーダは、GPS信号を復調して情報を抽出することができる。GPS制御回路部17は、特定された衛星のGPS信号を割り当てるチャネルデコーダを決定し、GPS信号が割り当てられたチャネルデコーダを動作状態に制御し、GPS信号が割り当てられないチャネルデコーダを動作停止状態に制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛星から送信される電波の受信感度に基づいてGPS信号を受信可能な衛星を特定する受信手段と、
GPS信号を復調して情報を抽出するための所定数の情報抽出手段と、
前記受信手段によって特定された衛星のGPS信号を割り当てる情報抽出手段を決定する割当手段と、
前記割当手段によってGPS信号が割り当てられた情報抽出手段を動作状態に制御し、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態に制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするGPS受信装置。
【請求項2】
前記割当手段は、GPS信号を受信可能な衛星の数に応じて当該GPS信号を割り当てた情報抽出手段によって抽出される情報の内容を指定することを特徴とする請求項1に記載のGPS受信装置。
【請求項3】
前記割当手段は、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個未満の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも時刻情報を指定し、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個以上の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも位置情報および時刻情報を指定することを特徴とする請求項2に記載のGPS受信装置。
【請求項4】
前記所定数の情報抽出手段の各々は、電池から供給される電力および前記制御手段によって供給されるクロック信号によって動作し、前記制御手段は、クロック信号を停止することによって、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態にすることを特徴とする請求項1に記載のGPS受信装置。
【請求項5】
複数の衛星から送信される電波の受信感度に基づいてGPS信号を受信可能な衛星を特定するステップAと、
GPS信号を復調して情報を抽出するための所定数の情報抽出手段の中から前記ステップAによって特定された衛星のGPS信号を割り当てる情報抽出手段を決定するステップBと、
前記ステップBによってGPS信号が割り当てられた情報抽出手段を動作状態に制御し、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態に制御するステップCと、
を実行する位置検出方法。
【請求項6】
前記ステップBは、GPS信号を受信可能な衛星の数に応じて当該GPS信号を割り当てた情報抽出手段によって抽出される情報の内容を指定することを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
【請求項7】
前記ステップBは、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個未満の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも時刻情報を指定し、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個以上の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも位置情報および時刻情報を指定することを特徴とする請求項6に記載の位置検出方法。
【請求項8】
前記所定数の情報抽出手段の各々は、電池から供給される電力および前記ステップCによって供給されるクロック信号によって動作し、前記ステップCは、クロック信号を停止することによって、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態に制御することを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS受信装置および位置検出方法に関し、特に、衛星からの電波を受信して現在位置を検出するGPS受信装置および位置検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は、複数の衛星からの電波を受信して、現在位置を検出するシステムである。この場合の衛星は静止衛星ではなく、高度2万kmを周回し、地球に対して刻々と位置が変化する32個の衛星である。現在位置を検出するためには、32個の衛星の中の最低3個の衛星からGPS信号を受信する必要がある。実際は、検出する現在位置の標高を考慮した演算を行うために、4個の衛星からGPS信号を受信して現在位置を検出している。一般にGPSを利用した位置検出においては、8チャネル乃至16チャネルのそれぞれに各衛星からのGPS信号のデータをストアして、その中から受信感度の高い4個のチャネルのデータに基づいて位置を検出する。各衛星からは30秒のメインフレームが送信される。このメインフレームは、各フレームが6秒の5個のサブフレームで構成され、各サブフレームは300ビットのデータで構成されている。第1乃至第5の5個のサブフレームのうち、第1のサブフレームには、各衛星に固有のクロック補正係数情報、各衛星の状態が格納され、第2、第3のサブフレームには、各衛星に固有の軌道情報である「エフェメリス」が格納され、第4および第5の2個のサブフレームには、32個のすべての衛星に共通の概略軌道情報である「アルマナックデータ」が格納されている。
【0003】
GPSを利用した位置検出において、消費電力を低減するための技術に関しては、いくつか提案がなされている。
例えば、ある提案のRFレシーバにおいては、電池から電力を供給される時計に組み込まれ、アンテナからのRF信号を受信・整形するユニット、受信・整形段で整形された中間信号を受信する12チャネルの相関段、この相関段に接続されていてGPS衛星から送信されたGPS信号から取り出したデータの関数として、X、Y、Z位置、速度、時刻のデータを計算するマイクロプロセッサとを備え、各チャネルは制御器が付随した相関器およびデジタル信号処理アルゴリズムを備え、チャネルが動作状態になったとき、GPS衛星を捕捉・追跡するために自動的に実行すべきあらゆる同期タスクを実行可能にしてGPS衛星を自動追跡する。(特許文献1参照)
また、ある提案のGPS受信機においては、GPS衛星からアルマナックデータ、又はエフェメリスデータの取得が完了している場合に、衛星位置計算部で求めた衛星の概略位置又は詳細位置から、仰角の高い衛星を最高位に、仰角の低い衛星を中位に、受信不可能な衛星を最低位にして、受信部の各受信チャネルに割り当てるGPS衛星の優先順位を設定して、優先順位に基づいて測位対象のGPS衛星を選定する。クロック制御部は、選定されたGPS衛星を割り当てる受信チャネルのみにクロック信号を供給し、他の受信チャネルへのクロック信号の供給を停止して、消費電力の低減を図っている。(特許文献2参照)
【特許文献1】特開2002−122655号公報
【特許文献2】特開2004−191054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2においては、8チャネル乃至16チャネルに捕捉した各衛星からのGPS信号のデータをストアして、受信感度の高い3個又は4個のチャネルを選択するので、受信環境が悪い場合には、3個又は4個の衛星を捕捉することが困難であり、捕捉するまでに長い時間を要する場合、又は、3個又は4個の衛星を捕捉できなかった場合に、8チャネル乃至16チャネルにおいて消費される電力のために、電池の電圧降下により連続計測可能時間が減少するばかりでなく、位置検出どころか装置自体が機能停止に陥ってしまうおそれもある。
【0005】
例えば、一般的なコイン型電池の仕様を電圧3V、標準電流0.1mA、標準容量30mAhと仮定すると、3Vで0.1mAを流した場合に300時間使用することができる。GPS受信装置において、1チャネル当たりほぼ0.4mAの消費電流がある。したがって、理論的な連続計測可能時間Hは、下記の式で表される。
H=30(mAh)/0.4(mA)×チャネル数
8個のチャネルを動作状態にするためには、
H=30(mAh)/0.4(mA)×8(ch)=9.375(h)
12個のチャネルを動作状態にするためには、
H=30(mAh)/0.4(mA)×12(ch)=6.25(h)
16個のチャネルを動作状態にするためには、
H=30(mAh)/0.4(mA)×16(ch)=4.6875(h)
となる。
このため、電池によって駆動されるGPS受信装置において、電池の消費電力をいかにして低減するかという課題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、コイン型電池やその他の小型の電源によって位置検出を行う場合に、消費電力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のGPS受信装置は、複数の衛星から送信される電波の受信感度に基づいてGPS信号を受信可能な衛星を特定する受信手段(実施形態においては、図1のデジタル信号処理部13に相当する)と、GPS信号を復調して情報を抽出するための所定数の情報抽出手段(実施形態においては、図1のn個のチャネルデコーダ15に相当する)と、受信手段によって特定された衛星のGPS信号を割り当てる情報抽出手段を決定する割当手段(実施形態においては、図1のGPS制御回路部17に相当する)と、割当手段によってGPS信号が割り当てられた情報抽出手段を動作状態に制御し、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態に制御する制御手段(実施形態においては、図1のGPS制御回路部17に相当する)と、を備えた構成になっている。
【0008】
請求項1のGPS受信装置において、請求項2に記載したように、割当手段は、GPS信号を受信可能な衛星の数に応じて当該GPS信号を割り当てた情報抽出手段によって抽出される情報の内容を指定するような構成にしてもよい。
請求項2のGPS受信装置において、請求項3に記載したように、割当手段は、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個未満の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも時刻情報を指定し、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個以上の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも位置情報および時刻情報を指定するような構成にしてもよい。
請求項1のGPS受信装置において、請求項4に記載したように、所定数の情報抽出手段の各々は、電池から供給される電力および制御手段によって供給されるクロック信号によって動作し、制御手段は、クロック信号を停止することによって、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態にするような構成にしてもよい。
【0009】
請求項5に記載の位置検出方法は、複数の衛星から送信される電波の受信感度に基づいてGPS信号を受信可能な衛星を特定するステップAと、GPS信号を復調して情報を抽出するための所定数の情報抽出手段(実施形態においては、図1のn個のチャネルデコーダ15に相当する)の中からステップAによって特定された衛星のGPS信号を割り当てる情報抽出手段を決定するステップBと、ステップBによってGPS信号が割り当てられた情報抽出手段を動作状態に制御し、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態に制御するステップCと、を実行する構成になっている。
ステップA乃至ステップCは、実施形態においては、図1のGPS制御回路部17によって実行される処理に相当する。
【0010】
請求項5の位置検出方法において、請求項6に記載したように、ステップBは、GPS信号を受信可能な衛星の数に応じて当該GPS信号を割り当てた情報抽出手段によって抽出される情報の内容を指定するような構成にしてもよい。
請求項6の位置検出方法において、請求項7に記載したように、ステップBは、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個未満の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも時刻情報を指定し、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個以上の場合には情報抽出手段によって抽出される情報の内容として少なくとも位置情報および時刻情報を指定するような構成にしてもよい。
請求項5の位置検出方法において、請求項8に記載したように、所定数の情報抽出手段の各々は、電池から供給される電力およびステップCによって供給されるクロック信号によって動作し、ステップCは、クロック信号を停止することによって、GPS信号が割り当てられない情報抽出手段を動作停止状態に制御するような構成にしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コイン型電池やその他の電源によって位置検出を行う場合に、消費電力を低減できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明によるGPS受信装置および位置検出方法の実施形態について、図1乃至図7を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるGPS受信装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、GPS受信装置100は、アンテナ10、アンテナ・プリアンプ11、高周波受信回路12、デジタル信号処理部13、時計部14、およびこれらに電力を供給する電源部(図示せず)を備えている。
【0013】
アンテナ10は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信する無指向性のアンテナである。GPS信号は、基本周波数が1575.42MHzのL1波と称される無線信号である。GPS信号には、民間用のC/Aコード(Coarse / Acquisition Code)と呼ばれる信号が含まれている。C/Aコードは、疑似雑音符号であるPRNコード(Pseudo Random Noise Code)によって符号化され、最大32個のGPS衛星にそれぞれ異なるC/Aコードが割り当てられている。したがって、受信したGPS信号をそれぞれのGPS衛星に固有のC/Aコードで逆拡散することで、衛星毎にGPS信号を分離して受信することができる。
【0014】
また、C/Aコードは、1023ビットの信号を1msの周期で繰り返し送信される。このC/Aコードの20周期分をひとかたまりとして1ビットとするデータが航法データである。航法データには、GPS衛星の軌道情報、時刻情報等のデータが含まれている。図2は、航法データのフォーマットを示す図である。GPS衛星から送信される航法データは、図2(A)に示すように、1500ビット、30秒のメインフレームを1ページとした25ページのデータで構成されている。したがって、25ページのメインフレームを受信するには12分30秒かかる。各ページのメインフレームは、サブフレーム1乃至サブフレーム5の5個のサブフレームで構成されている。各サブフレームは、300ビット、6秒であり、1ワードが30ビットとする10ワードで構成されている。また、各サブフレームの先頭の同期用の2ワードには、30ビットのTLM(Telemetry)のデータ、および、同じく30ビットのHOW(Handover Word)のデータが含まれている。
【0015】
サブフレーム1乃至サブフレーム3は、25ページのメインフレームを通して同一のデータで構成されているが、サブフレーム4およびサブフレーム5は、データ量が多いので25ページに分割されて送信される。図2(B)は、サブフレーム1乃至サブフレーム5のデータの内容を示す図である。サブフレーム1は、送信しているGPS衛星自身の衛星時計補正係数、データ更新時期および各種フラグが含まれている。サブフレーム2およびサブフレーム3は、送信しているGPS衛星自身の軌道情報(エフェメリスデータ)が含まれている。すなわち、サブフレーム1乃至サブフレーム3は、各GPS衛星に固有のデータになっている。これに対して、サブフレーム4およびサブフレーム5は、最大が32個の軌道上の全てのGPS衛星に共通の概略軌道情報(アルマナックデータ)や電離層補正係数、衛星の健康状態のデータが含まれている。
【0016】
図1において、アンテナ・プリアンプ11は、アンテナ10で受信された1575.42MHzの高周波信号を増幅して高周波受信回路部12に供給する。高周波受信回路部12は、その高周波信号を検波・増幅し、1.023MHzの中間周波数に変換して、デジタル信号処理部13に供給する。
【0017】
デジタル信号処理部13は、多チャネルデコーダ15、メモリ16、GPS制御回路部17、ROM18、およびRAM19で構成されている。多チャネルデコーダ15は、チャネルデコーダ(1)乃至チャネルデコーダ(n)からなるn個(例えば、16個)のチャネルデコーダで構成され、各受信チャンネルに1個のGPS衛星が割り当てられ、各チャネルデコーダで独立した受信処理、すなわち、GPS信号に含まれている図2に示した航法データを復調して、図2に示したエフェメリスおよびアルマナックの情報を抽出する処理が行われる。メモリ16は、チャネルデコーダ(1)乃至チャネルデコーダ(n)の受信処理によって抽出されたGPS衛星の情報および受信感度の値を記憶する。GPS制御回路部17は、ROM18に記憶されているシステムプログラムおよび各種のアプリケーションプログラムの中から、GPS受信制御プログラムなどの必要なプログラムをRAM19に展開して、メモリ16に記憶された情報に基づいて、多チャネルデコーダ15を制御すると共に、アンテナ・プリアンプ11および高周波受信回路部12への電力の供給を制御する。
【0018】
時計部14は、装置制御回路部20、計時回路部21、発振回路部22、入力部23、表示出力部24、表示部25、ROM26、およびRAM27で構成されている。
装置制御回路部20は、ROM26に記憶されているシステムプログラムおよび各種のアプリケーションプログラムの中から、時刻修正プログラムおよび位置表示プログラムなど必要なプログラムをRAM27に展開して、デジタル信号処理部13のGPS制御回路部17との間でコマンドおよびデータの授受を行いながら、時計部14の動作を制御する。計時回路部21は、発振回路部22から出力されるクロック信号に基づいて時刻を計時して、例えば、1秒単位で刻まれる現在時刻のデータを装置制御回路部20に供給する。装置制御回路部20は、その現在時刻のデータを表示データに変換して表示出力部24を介して表示部25に表示する。入力部23は、ユーザからの操作情報および他のコンピュータや記憶媒体からの情報を装置制御回路部20に入力する。装置制御回路部20は、入力部23から表示内容を指定するモード信号や測定指示が入力されたときは、その入力内容に応じた処理を行う。
【0019】
次に、図1に示したGPS受信装置100によって実行される位置検出方法について、GPS制御回路部17および装置制御回路部20の協働によって実行されるフローチャートに基づいて説明する。
図3は、装置制御回路部20のメインルーチンのフローチャートである。装置制御回路部20は、まず、所定のイニシャライズ(ステップSA1)を行って、入力部23からモード信号が入力されたか否かを判別し(ステップSA2)、モード信号が入力されたときは、そのモード信号が現在時刻を取得する時刻取得指示か、3個のGPS衛星を捕捉して現在位置を取得する3衛星捕捉(2DFix)指示か、4個のGPS衛星を捕捉して現在位置を取得する4衛星捕捉(3DFix)指示かを判別する(ステップSA3)。
【0020】
装置制御回路部20は、モード信号が時刻取得指示のときはフラグMODEを「0」にセットし(ステップSA4)、モード信号が2DFix指示のときは、MODEを「1」にセットし(ステップSA5)、モード信号が3DFix指示のときは、MODEを「2」にセットする(ステップSA6)。MODEをセットした後、又は、モード信号が入力されず、MODEが前回の値にセットされている状態において、装置制御回路部20は、入力部23から測定指示が入力されたか否かを判別し(ステップSA7)、測定指示が入力されたときは、GPS制御回路部17に対してMODEの値を送付すると共に、測定モード処理の実行を指示する(ステップSA8)。
【0021】
図4および図5は、GPS制御回路部17によって実行される測定モード処理のフローチャートである。GPS制御回路部17は、アンテナ・プリアンプ11および高周波受信回路部12へのイネーブル信号をアクティブにして、アンテナ・プリアンプ11および高周波受信回路部12を動作停止状態(スリープ状態)から動作状態に遷移させて(ステップSB1)、衛星捕捉処理を実行する(ステップSB2)。
【0022】
図6は、衛星捕捉処理のフローチャートである。GPS制御回路部17は、多チャネルデコーダ15を始動させて(ステップSC1)、チャネルデコーダを指定する変数CHに「1」をセットし(ステップSC2)、CHの値を変化させながらステップSC3乃至ステップSC8のループ処理を実行する。このループ処理において、GPS制御回路部17は、チャネルデコーダ(CH)での衛星捕捉を開始して(ステップSC3)、捕捉が可能か否かを判別し(ステップSC4)、捕捉ができないときは、所定時間が経過したか否かを判別し(ステップSC5)、所定時間が経過する前に、衛星を捕捉できたときは、そのチャネルデコーダのフラグON(CH)を「1」にセットし(ステップSC6)、CHの値を1つインクリメントして(ステップSC7)、CHの値がチャネルデコーダ数を超えたか否かを判別する(ステップSC8)。この後、GPS制御回路部17は、ステップSC3に移行してループ処理を繰り返す。
【0023】
GPS制御回路部17は、ステップSC4において衛星が捕捉できず、ステップSC5において所定時間が経過したときは、捕捉できた衛星が全くないか否かを判別し(ステップSC9)、捕捉できた衛星が全くないときは、警告フラグをオンにする(ステップSC10)。GPS制御回路部17は、ステップSC8においてCHの値がチャネルデコーダ数を超えたとき、すなわち、すべてのチャネルデコーダに対する衛星捕捉処理を行ったとき、又は、ステップSC10において警告フラグをオンにしたときは、図4の測定モード処理に戻る。
【0024】
図4の測定モード処理において、GPS制御回路部17は、衛星捕捉処理の後、警告フラグがオフであるか否かを判別し(ステップSB3)、警告フラグがオフの場合、すなわち、少なくとも1つの衛星を捕捉できたときは、捕捉数/受信感度検知処理を実行する(ステップSB4)。図7は、捕捉数/受信感度検知処理のフローチャートである。
【0025】
図7において、GPS制御回路部17は、チャネルデコーダを指定する変数CHの値を「1」にセットして(ステップSD1)、CHの値を変化させながら、ステップSD2乃至ステップSD6のループ処理を実行する。このループ処理において、GPS制御回路部17は、フラグON(CH)の値が「1」であるか否かを判別し(ステップSD2)、ON(CH)の値が「1」である場合には、チャネルデコーダ(CH)の受信感度の値が閾値Aより小さいか否かを判別し(ステップSD3)、受信感度の値がAより小さい場合には、受信環境が悪くてGPS信号を復調できないとして、ON(CH)を「0」にリセットする(ステップSD4)。
【0026】
GPS制御回路部17は、ステップSD4においてON(CH)をリセットした後、又は、ステップSD2においてON(CH)が「0」の場合、若しくは、ステップSD3においてチャネルデコーダ(CH)の受信感度の値がA以上の場合には、CHの値を1つインクリメントして(ステップSD5)、CHの値がチャネルデコーダ数を超えたか否かを判別し(ステップSD6)、CHの値がチャネルデコーダ数以下の場合には、ステップSD2に移行して、ループ処理を繰り返す。
【0027】
ステップSD6においてCHの値がチャネルデコーダ数を超えた場合には、GPS制御回路部17は、装置制御回路部20から送付されたフラグMODEの値が「0」、「1」又は「2」のいずれであるかを判別して(ステップSD7)、MODEの値が「0」の場合には、ON( )が「1」のチャネルデコーダの数が「1」以上の条件を満たしているか否かを判別し(ステップSD8)、MODEの値が「1」の場合には、ON( )が「1」のチャネルデコーダの数が「3」以上の条件を満たしているか否かを判別し(ステップSD9)、MODEの値が「2」の場合には、ON( )が「1」のチャネルデコーダの数が「4」以上の条件を満たしているか否かを判別する(ステップSD10)。GPS制御回路部17は、ステップSD8、ステップSD9、又はステップSD10において、いずれの条件も満たしていない場合には、警告フラグをオンにする(ステップSD11)。ステップSD8、ステップSD9、又はステップSD10において、いずれかの条件を満たしている場合、又は、ステップSD11において警告フラグをオンにした後は、図4の測定モード処理に戻る。
【0028】
図4において、GPS制御回路部17は、捕捉数/受信感度検知処理を実行した後、警告フラグがオフであるか否かを判別し(ステップSB5)、警告フラグがオフである場合には、MODEが「0」であるか否かを判別し(ステップSB6)、MODEが「0」である場合には、ON( )が「1」のチャネルデコーダ15で受信感度の1番高いチャネルデコーダを選択して(ステップSB7)、それ以外のチャネルデコーダの動作を停止させて(ステップSB8)、選択したチャネルデコーダから時刻情報を抽出し(ステップSB9)、その時刻情報を時計部14に送付して(ステップSB10)、アンテナ・プリアンプ11、高周波受信回路12、およびチャネルデコーダ15の動作を停止させる(ステップSB11)。
ステップSB3又はステップSB5において警告フラグがオンの場合には、GPS制御回路部17は、装置制御回路部20に対して一定時間の警告表示を指示して(ステップSB12)、アンテナ・プリアンプ11、高周波受信回路12、およびチャネルデコーダの動作を停止させる(ステップSB11)。
【0029】
GPS制御回路部17は、ステップSB6において、MODEが「0」でない場合には、MODEが「1」であるか又は「2」であるかを判別し(図5のステップSB13)、MODEが「1」である場合には、ON( )が「1」のチャネルデコーダのうち受信感度が1乃至3番目に高いチャネルデコーダを選択し(ステップSB14)、MODEが「2」である場合には、ON( )が「1」のチャネルデコーダのうち受信感度が1乃至4番目に高いチャネルデコーダを選択する(ステップSB15)。
【0030】
ステップSB14又はステップSB15においてチャネルデコーダを選択した後、GPS制御回路部17は、選択したチャネルデコーダ以外のチャネルデコーダの動作を停止させ(ステップSB16)、3個又は4個のGPS衛星から受信した位置情報を抽出し(ステップSB17)、その位置情報に基づいて現在位置を演算して(ステップSB18)、その演算結果を時計部14に送付し(ステップSB19)、アンテナ・プリアンプ11、高周波受信回路12、および多チャネルデコーダ15の動作を停止させる(図4のステップSB11)。
【0031】
以上のように、この実施形態によれば、デジタル信号処理部13は、複数の衛星から送信される電波の受信感度に基づいてGPS信号を受信可能な衛星を特定し、多チャネルデコーダ15のn個のチャネルデコーダは、GPS信号を復調して情報を抽出することができる。GPS制御回路部17は、特定された衛星のGPS信号を割り当てるチャネルデコーダを決定し、GPS信号が割り当てられたチャネルデコーダを動作状態に制御し、GPS信号が割り当てられないチャネルデコーダを動作停止状態に制御する。
したがって、コイン型電池やその他の電源によって位置検出を行う場合に、消費電力を低減できる。
【0032】
上記実施形態において、GPS制御回路部17は、GPS信号を受信可能な衛星の数に応じて当該GPS信号を割り当てたチャネルデコーダによって抽出される情報の内容を指定する。さらに、この場合、GPS制御回路部17は、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個未満の場合にはチャネルデコーダによって抽出される情報の内容として少なくとも時刻情報を指定し、GPS信号を受信可能な衛星の数が3個以上の場合にはチャネルデコーダによって抽出される情報の内容として少なくとも位置情報および時刻情報を指定する。
【0033】
また、上記実施形態において、多チャネルデコーダ15のn個のチャネルデコーダの各々は、電池から供給される電力およびGPS制御回路部17によって供給されるクロック信号によって動作し、GPS制御回路部17は、クロック信号を停止することによって、GPS信号が割り当てられないチャネルデコーダを動作停止状態にする。
【0034】
なお、上記実施形態のGPS受信装置においては、電池によって電力を供給される構成にしたが、光、振動又はその他のエネルギーを受けて発電する発電素子によって電力を供給される構成にしてもよい。このような構成においても、GPS制御回路18は、多チャネルデコーダ15の各チャネルデコーダにクロック信号を与えることによって動作状態とし、クロック信号を停止することによって動作停止状態とする。
したがって、コイン型電池や、光、振動又はその他のエネルギーを受けて発電する発電素子のように、電力の供給が制限される電源によって位置検出を行う場合に、消費電力を低減することができる。
【0035】
なおまた、上記実施形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、この明細書に添付した特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者によって容易に考えられる他の実施形態および様々な変形例が可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態におけるGPS受信装置の構成を示すブロック図。
【図2】GPS信号におけるフレーム構成を示す図。
【図3】実施形態におけるGPS受信装置の動作を示すメインルーチンのフローチャート。
【図4】図3における測定モード処理のフローチャート。
【図5】図4に続く測定モード処理のフローチャート。
【図6】図4における衛星捕捉処理のフローチャート。
【図7】図4における捕捉数/受信感度検知処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0037】
10 アンテナ
11 アンテナ・プリアンプ
12 高周波受信回路部
13 デジタル信号処理部
14 時計部
15 多チャンネルデコーダ
16 メモリ
17 GPS制御回路部
18 ROM
19 RAM
20 装置制御回路部
21 計時回路部
22 発振回路部
23 入力部
24 表示出力部
25 表示部
26 ROM
27 RAM
【出願人】 【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100090619
【弁理士】
【氏名又は名称】長南 満輝男


【公開番号】 特開2008−2860(P2008−2860A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170810(P2006−170810)