トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 プローブシート、このプローブシートを使用した半導体検査装置および半導体検査方法
【発明者】 【氏名】影山 精一

【氏名】井上 佳介

【要約】 【課題】半導体装置の検査に使用する回路部品の高周波帯域での電気特性を良好に保つことができるプローブシートを提供することを目的とする。

【構成】プローブシート8は、絶縁材料からなるシート状の基材10と、この基材10の表裏面間に検査対象ICの複数の外部電極の配列に対応して配列され、厚み方向に加圧することで厚み方向に導電性を有する導電物質により形成される複数の導電性ランド1と、基材10の表面に形成された回路部品5から構成され、回路部品5は検査対象ICの検査に使用される付加回路の一部を構成し、導電性ランド1に、検査対象ICの外部電極を圧接することにより、検査対象ICと半導体検査装置のパフォーマンスボードの導通を得る構成とする。このように回路部品5を検査対象ICの直近に設けることによって、回路部品5の高周波帯域での電気特性の良好を保つことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の半導体装置とこの半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路が形成された半導体検査装置のパフォーマンスボードとの導通に使用されるプローブシートであって、
絶縁材料からなるシート状の基材と、
前記基材の表裏面間に前記半導体装置の複数の外部電極または外部端子の配列に対応して配列され、厚み方向に加圧することで厚み方向に導電性を有する導電物質により形成される複数の導電性ランドと、
前記基材の表面または裏面の一方、あるいは両面に厚膜回路または薄膜回路で形成される回路部品
から構成され、
前記回路部品は、前記半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部を構成し、
前記導電性ランドに、検査対象の半導体装置の外部電極または外部端子を押圧することにより、前記半導体装置と前記パフォーマンスボードの導通が得られること
を特徴とするプローブシート。
【請求項2】
検査対象の半導体装置とこの半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路が形成された半導体検査装置のパフォーマンスボードとの導通に使用されるプローブシートであって、
第1シートと第2シートから構成され、
前記第1シートは、
絶縁材料からなる繊維の糸を編んで形成されたメッシュ状の第1基材と、
前記半導体装置の複数の外部電極または外部端子の配列に対応して配列され、前記第1基材の繊維の糸を内包して導電性を有する導電物質により形成される複数の第1導電性ランドと、
前記第1基材の表面に厚膜回路または薄膜回路で形成される回路部品
から構成され、
前記第2シートは、
絶縁材料からなるシート状の第2基材と、
前記第2基材の表裏面間に前記第1基材に形成された複数の第1導電性ランドの配列に対応して配列され、厚み方向に加圧することで厚み方向に導電性を有する導電物質により形成される複数の第2導電性ランドと
から構成され、
前記第1シートの回路部品は、前記半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部を構成し、
前記第1シートの第1導電性ランドに、前記半導体装置の外部電極または外部端子を押圧することにより、前記半導体装置と前記パフォーマンスボードの導通が得られること
を特徴とするプローブシート。
【請求項3】
半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路が形成された半導体検査装置のパフォーマンスボードと、
前記パフォーマンスボード上に搭載される、請求項1または請求項2に記載の前記半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部が形成されたプローブシートと
を備え、
前記パフォーマンスボードに形成された付加回路、および前記プローブシートに形成された付加回路の一部を使用して、前記プローブシート上に搭載される前記半導体装置の電気特性検査を行うこと
を特徴とする半導体検査装置。
【請求項4】
半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路が形成された半導体検査装置のパフォーマンスボード上に、請求項1または請求項2に記載の前記半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部が形成されたプローブシートを搭載し、前記プローブシート上に前記半導体装置を搭載し、
前記パフォーマンスボードに形成された付加回路、および前記プローブシートに形成された付加回路の一部を使用して前記半導体装置の電気特性検査を行うこと
を特徴とする半導体検査方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブシート、半導体検査装置および半導体検査方法に関し、特に高周波帯域の半導体装置の電気特性検査に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、検査対象の半導体装置(以下、検査対象ICと称す)の高集積化、高機能化及び高速化に伴って、多ピン狭ピッチのソケットが検査対象ICの電気特性検査に用いられている。そして、この検査対象ICの電気特性検査に使用される半導体検査装置の付加回路が、検査対象ICの外部電極または外部端子の直近に、設けられる場合がある。この付加回路には、発振回路のコイル、抵抗やコンデンサ、デカップリングコンデンサなどの回路部品が使用され、これら付加回路を構成する回路部品は、半導体検査装置のパフォーマンスボード(検査対象ICの搭載回路基板)に実装される。
【0003】
従来、電気特性検査に使用されるソケットには、スプリングプローブをコンタクトに用いたソケットが多用されるが、このソケットの電気特性検査では半導体検査装置のパフォーマンスボードから、検査対象ICまでの距離が3mmから10mm程度あり、そのインダクタンスは数nHから10nH程度ある。よって前記パフォーマンスボード上に実装される付加回路から検査対象ICまでの配線距離は、スプリングプローブの長さで決まり、高周波帯域に於いては良好な電気特性が得られない。
【0004】
図4を参照しながら、スプリングプローブを電気特性検査に用いた例を説明する。
検査対象IC18はQFNパッケージ(Quad Flat Non-leaded package)の形態としている。検査対象IC18の外部電極18Aに接触するスプリングプローブ19により検査対象IC18とパフォーマンスボード20との導通を得ている。また上記付加回路を構成するチップ抵抗17とチップコイル16はパフォーマンスボード20上に実装され、パフォーマンスボード20の表面に形成された配線パターン21により接続されている。
【0005】
検査対象IC18からパフォーマンスボード20までの配線距離はスプリングプローブ19の長さで決まり、高周波帯域でのチップ抵抗17とチップコイル16の電気特性にはスプリングプローブ19の長さに起因するインダクタンスが付加され、それぞれの電気特性が劣化する。
【0006】
例えば、検査対象IC18に於いて、チップコイル16で発振周波数を決める場合はスプリングプローブ19のインダクタンスがチップコイル16のインダクタンスに加わり、検査対象IC18の発振周波数が変化する。
【0007】
そして、検査対象IC18の周波数帯域が益々高周波に及ぶと、スプリングプローブ19のインダクタンスの影響が益々大きくなり、電気特性検査に更に悪影響を与える。
また近年、パフォーマンスボード20に実装される前記チップ抵抗17とチップコイル16等の付加回路の回路密度が高くなり、すなわちパフォーマンスボード20に搭載される回路部品数が多くなり、パフォーマンスボード20の配線密度が高くなり、よってパフォーマンスボード20が高価になっている。そして、結果として半導体検査装置が高価になっている。
【0008】
そこで、このようなIC18の電気特性検査の際のスプリングプローブ19のインダクタンスの影響を無くし、且つパフォーマンスボード20の配線密度を緩和するために、薄いシート状のプローブシートが、検査対象IC18とパフォーマンスボード20との導通に使用されている。
【0009】
このようなプローブシートの一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されているプローブシートは、厚み方向だけに導電性を有するように導電物質を配置した異方導電性シートを、2枚積層して構成されている。
【0010】
2枚の異方導電性シートのうち一方の第1異方導電性シートは、基材となる非導電性の第1シート状エラストマと、この第1シート状エラストマの表裏面間に検査対象ICの複数の外部端子の配列に対応して配列された、導電性を有する第1エラストマ群から構成されている。前記エラストマ(elastomer)とは、常温でゴム状の弾性を有する高分子物質のことである。
【0011】
また他方の第2異方導電シートは、非導電性の第2シート状エラストマと、この第2シート状エラストマの表面に第1異方導電性シートの第1エラストマ群の配列に対応して配列され、導電性を有する第2エラストマ群と、第2シート状エラストマの裏面にパフォーマンスボードのコンタクトの配列に対応して配列され、導電性を有する第3エラストマ群から構成され、第2シート状エラストマ内部に第2エラストマ群と第3エラストマ群とを接続する配線パターンが形成されている。
【0012】
そして、第1エラストマ群と第2エラストマ群が接触するように第1異方導電性シートと第2異方導電性シートとが積層されている。
この構成により、検査対象ICの複数の外部端子を第1エラストマ群の表面に押圧することにより、ICの複数の外部端子が第1異方導電性シートの第1エラストマ群、第2異方導電性シートの第2エラストマ群、配線パターンを介して第3エラストマ群に電気的に接続され、第2異方導電性シートの第3エラストマ群にパフォーマンスボードを電気的に接続することによりICが測定される。そして、配線パターンを設け、第1エラストマ群が接触する第2エラストマ群と第3エラストマを接続した第2異方導電性シートを設けることにより、第1エラストマ群に押圧される検査対象ICの複数の外部端子の位置を、第2異方導電性シートの第3エラストマの位置まで平面的に広げたことと同等の作用を得ることができ、パフォーマンスボードの配線密度を緩和することを可能としている。また検査対象ICに応じてこれら第1異方導電性シートと第2異方導電性シートを交換するだけで検査対象ICの測定が対応可能となるので、作業性の効率化やコストダウンを図ることができる。
【0013】
また前記薄いシート状のプローブシートの他の一例が非特許文献1に開示されている。
非特許文献1に開示されているプローブシートは、薄いシート状の電子部品検査用メッシュプローブから構成され、この電子部品検査用メッシュプローブは、液晶ポリマーからなる繊維の糸を、タテ糸とヨコ糸に使用して編んでメッシュを形成し、このメッシュに金属パターンを形成して構成されている。前記金属パターンは内部にメッシュの繊維の糸を内包しており、パターンが絡みあった構造となっている。そのため、プローブ表裏で同パターンとなり、表裏間でスルーホールなどを形成する必要がない。
【0014】
この構成により、ICの複数の外部端子をプローブ表面の金属パターンに押圧することにより、スルーホールなどを設けなくても、裏面アウター側に配置したパフォーマンスボードを電気的に接続することができ、ICが測定される。そして、金属パターンにより検査対象ICの複数の外部端子の位置を、裏面アウター側の金属パターンが連なる位置まで平面的に広げたことと同等の作用を得ることができ、パフォーマンスボードの配線密度を緩和することを可能としている。またICに応じて金属パターンの異なるメッシュプローブを交換するだけでICの測定が対応可能となるので、作業性の効率化やコストダウンを図ることができる。
【特許文献1】特開2005−108625号公報
【非特許文献1】太田佳義、花岡裕二、廣繁勝也著「電子部品検査用メッシュプローブ」 エレクトロ二クス実装学会誌 Vol.6 No.3(2003.5)p.254−259
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、プローブシートとして従来の異方導電性シートを用いて、検査対象ICとパフォーマンスボートの導通を得る場合、高周波特性は優れるが、その素材の性質によっては加圧制御などが困難な場合がある。また異方導電性シートの厚み方向のインダクタンスは1nH以下が可能であるが、パフォーマンスボートの付加回路の回路密度が高くなると、この付加回路から異方導電性シートまでの配線距離が長くなり、その配線長のインダクタンスが高周波帯域の電気特性検査に悪影響を与える。
【0016】
またプローブシートとして従来の電子部品検査用メッシュプローブを用いて、検査対象ICとパフォーマンスボートの導通を得る場合、メッシュ上に微細配線を設けることは容易であるが、メッシュプローブは硬く弾性が劣り圧縮量の制御が容易でない。
【0017】
また、パフォーマンスボード上に付加回路を実装していることにより、付加回路に使用する回路部品が破損した際は、ハンダゴテを用いて破損した回路部品を取り外し、その後、良品の回路部品を実装することで、修理工数が生じ(パフォーマンスボートの修理作業に工数を要し)、半導体検査装置の稼働率が低下する。場合によってはその修理で、パフォーマンスボードを破損することもあり得る。
【0018】
そこで、本発明は、検査対象ICの付加回路に用いる回路部品の高周波帯域での電気特性劣化を防ぐことができ、半導体検査装置が高価になることを防ぎ、パフォーマンスボード上で扱い易いプローブシートを提供し、さらに稼働率低下を防ぐ半導体検査装置および半導体検査方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記の課題を解決するため、本発明のプローブシートは、検査対象の半導体装置とこの半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路が形成された半導体検査装置のパフォーマンスボードとの導通に使用されるプローブシートであって、絶縁材料からなるシート状の基材と、前記基材の表裏面間に前記半導体装置の複数の外部電極または外部端子の配列に対応して配列され、厚み方向に加圧することで厚み方向に導電性を有する導電物質により形成される複数の導電性ランドと、前記基材の表面または裏面の一方、あるいは両面に厚膜回路または薄膜回路で形成される回路部品から構成され、前記回路部品は、前記半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部を構成し、前記導電性ランドに、検査対象の半導体装置の外部電極または外部端子を押圧することにより、前記半導体装置と前記パフォーマンスボードの導通が得られることを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、パフォーマンスボード上に、検査対象の半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部を構成する回路部品が形成されたプローブシートを搭載し、検査対象の半導体装置をプローブシート上に置き押圧することにより、検査対象の半導体装置とパフォーマンスボードの導通が得られ、パフォーマンスボードに構成された付加回路とプローブシートに構成された付加回路の一部を使用して半導体装置の電気特性検査が行われる。このように、プローブシートに付加回路の一部を構成する回路部品を形成したことにより、検査対象の半導体装置の直近に回路部品を配置でき、回路部品の高周波帯域での電気特性劣化を防ぐことが可能となる。さらに検査対象の半導体装置の電気特性検査に使用する回路の回路密度が高くなり、回路部品数が多くなると、パフォーマンスボード上に回路部品を実装せず、プローブシート上にその一部を形成することにより、パフォーマンスボード上の部品点数を減らし、パフォーマンスボードの配線密度を緩和することが可能となり、よってパフォーマンスボードの設計および製作を容易にでき、安価なパフォーマンスボードを提供できる。そして、このようなパフォーマンスボードを用いることにより、半導体検査装置を安価に提供することができる。
【0021】
また本発明のプローブシートは、検査対象の半導体装置とこの半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路が形成された半導体検査装置のパフォーマンスボードとの導通に使用されるプローブシートであって、第1シートと第2シートから構成され、前記第1シートは、絶縁材料からなる繊維の糸を編んで形成されたメッシュ状の第1基材と、前記半導体装置の複数の外部電極または外部端子の配列に対応して配列され、前記第1基材の繊維の糸を内包して導電性を有する導電物質により形成される複数の第1導電性ランドと、前記第1基材の表面に厚膜回路または薄膜回路で形成される回路部品から構成され、前記第2シートは、絶縁材料からなるシート状の第2基材と、前記第2基材の表裏面間に前記第1基材に形成された複数の第1導電性ランドの配列に対応して配列され、厚み方向に加圧することで厚み方向に導電性を有する導電物質により形成される複数の第2導電性ランドとから構成され、前記第1シートの回路部品は、前記半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部を構成し、前記第1シートの第1導電性ランドに、前記半導体装置の外部電極または外部端子を押圧することにより、前記半導体装置と前記パフォーマンスボードの導通が得られることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、パフォーマンスボード上に、異方性導電シートからなる第2シートを搭載し、この第2シート上に、検査対象の半導体装置の付加回路の一部を構成する回路部品が形成されたメッシュプローブからなる第1シートを搭載し、検査対象の半導体装置を第1シート上に置き押圧することにより、第1シートと第2シートを介して検査対象の半導体装置とパフォーマンスボードの導通が得られ、パフォーマンスボードに構成された付加回路と第1シートに構成された付加回路の一部を使用して半導体装置の電気特性検査が行われる。このように、パフォーマンスボード上に搭載するプローブシートが2枚の素材の異なるプローブシートを重ねて構成されることにより、それぞれ素材の長所を生かしたプローブシートが形成される。すなわち第1シートを形成するメッシュプローブの長所である微細な配線か可能で、かつ第2シートを形成する異方導電性シートの長所である圧縮変量の制御が容易な、付加回路を有するプローブシートを実現できる。
【0023】
また本発明の半導体検査装置および半導体検査方法は、パフォーマンスボード上に、請求項1または請求項2に記載のプローブシートを搭載し、前記プローブシート上に前記半導体装置を搭載し、前記パフォーマンスボードに形成された検査対象の半導体装置の付加回路、および前記プローブシートに形成された前記付加回路の一部を使用して前記半導体装置の電気特性検査を行うことを特徴とするものである。
【0024】
このように半導体検査装置および半導体検査方法では、付加回路の一部が形成されたプローブシートを使用して半導体装置の電気特性検査が行われることにより、プローブシートの回路部品が破損した場合、プローブシートを交換することで、容易に迅速に検査を再開することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のプローブシートは、プローブシート上に検査対象の半導体装置の電気特性検査に使用する付加回路の一部を構成する回路部品を形成することにより、半導体装置の直近に前記回路部品を配置でき、回路部品の高周波特性を良くすることができ、さらに前記付加回路の回路密度が高くなり回路部品数が多くなると、半導体検査装置のパフォーマンスボード上に回路部品を実装せず、プローブシート上にその一部を形成することにより、パフォーマンスボード上の部品点数を減らし、その設計及び製作を容易にすることができ、安価なパフォーマンスボードを提供でき、また半導体検査装置にこのようなパフォーマンスボードを用いることにより、安価に半導体検査装置を提供することができる、という効果を有している。
【0026】
また本発明のプローブシートは、パフォーマンスボード上に搭載するプローブシートが2枚の素材の異なるプローブシート、すなわち第1シートを形成するメッシュプローブと第2シートを形成する異方導電性シートを重ねて構成されることにより、メッシュプローブの長所である微細な配線か可能で、かつ異方導電性シートの長所である圧縮変量の制御が容易な、付加回路を有するプローブシートを実現できる、という効果を有している。
【0027】
また半導体検査装置および半導体検査方法では、前記付加回路の一部を構成する回路部品が形成されたプローブシートを使用することにより、プローブシートの回路部品が破損した場合、プローブシートを交換するだけで容易に迅速に半導体装置の電気特性検査を再開でき、半導体検査装置の稼働率を向上できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1におけるプローブシートの平面図、図2は同プローブシートをパフォーマンスボードに搭載した事例の断面構造図である。
【0029】
プローブシート8は、絶縁材料からなるシート状の基材10と、この基材10の表裏面間に検査対象IC7の複数の外部電極あるいは外部端子の配列に対応して配列され、厚み方向に加圧することで厚み方向に導電性を有する導電物質により形成される複数の導電性ランド1と、基材10の表面に形成された回路部品5から構成されている。前記検査対象IC7はQFNパッケージ形態のICとしており、QFNパッケージのIC7の外部電極7Aが導電性ランド1に接する。また基材10を形成する絶縁材料は、シリコーンゴム、繊維を編んだメッシュ状の物など絶縁物質であればよい。
【0030】
回路部品5は、例えば図示するように、印刷配線で形成された印刷コイル2と、強誘電体物質を印刷して形成される印刷コンデンサ3と、抵抗ペーストを印刷して形成される印刷抵抗4から構成され、これら印刷コイル2、印刷コンデンサ3、および印刷抵抗4は回路パターン11により特定の導電性ランド1と電気的に接続されている。また印刷抵抗4の厚みは検査対象IC7とプローブシート8の隙間に入る厚みとしている。
【0031】
プローブシート8はその厚みは1mm以下が可能で、その厚み方向の導通部分(導電性ランド1)のインダクタンスは1nH以下が実現可能である。
また半導体検査装置のパフォーマンスボード9には、検査対象IC7の電気特性検査に使用する付加回路を構成する回路部品(図示せず)が形成され、表面にプローブシート8の導電性ランド1の配列に対応して、すなわち検査対象IC7の複数の外部電極7Aの配列に対応してコンタクト9Aが形成されており、図2に示すように、導電性ランド1に、検査対象IC7の外部電極7Aを圧接することにより、検査対象IC7はプローブシート8を介してパフォーマンスボード9と導通される。
【0032】
上記構成により、検査対象IC7の電気特性検査を実行するとき、検査対象IC7の複数の外部電極7Aをプローブシート8の導電性ランド1の表面に押圧することにより、検査対象IC7の複数の外部電極7Aが導電性ランド1を介してパフォーマンスボード9のコンタクト9Aに電気的に接続され、パフォーマンスボード9を介して半導体検査装置(図示せず)に接続される。そして半導体検査装置により検査対象IC7の電気特性検査が実行される。このとき、パフォーマンスボード9の付加回路およびプローブシート8上に形成された回路部品5から構成される付加回路の一部を使用して測定が実行される。
【0033】
以上のように、本実施の形態1によれば、プローブシート8上に回路部品5を形成することにより検査対象IC7の直近に回路部品5を形成でき、その回路部品5の高周波特性を良好に保つことができる。
【0034】
さらに本実施の形態1によれば、パフォーマンスボード9の付加回路の回路密度が高くなり、回路部品数が多くなると、半導体検査装置のパフォーマンスボード9上に回路部品を追加実装せず、プローブシート8上にその一部を形成することにより、パフォーマンスボード9上の回路部品点数を減らし、その設計及び製作を容易にでき、安価なパフォーマンスボード9を提供できる。そして、このようなパフォーマンスボード9を用いることで、半導体検査装置を安価にすることができる。またプローブシート8上に付加回路の一部を構成する回路部品5を形成することにより、この付加回路の回路部品5が破損した場合、プローブシート8を交換するだけで容易に迅速に検査を再開することが可能となり、半導体検査装置の稼働率を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態1では、回路部品5は検査対象IC7が搭載される側(表面側)のプローブシート8上に設けられているが、その反対側(裏面側)に設けても良く、さらに表裏面のいずれか一方だけに設けるのでは無く、両面に設けても良い。また回路部品5の印刷工法は、厚膜回路または薄膜回路のいずれの工法も採用することもできる。
【0036】
また本実施の形態1では、検査対象IC7のパッケージをQFNで説明したが、そのパッケージはBGA、QFPなどパッケージ形態にこだわらないし、ベアチップでもかまわない。
【0037】
また本実施の形態1では、プローブシート8上に形成する回路部品5は、印刷抵抗4、印刷コイル2、印刷コンデンサ3などの受動部品で説明したが、半導体デバイスなど能動部品を形成することも可能である。
[実施の形態2]
実施の形態1ではプローブシートは1枚であるが、実施の形態2では素材の異なる複数のシートを重ねて使用する事例を図3に基づいて説明する。なお、実施の形態1の図1および図2に示す構成と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図3に示すように、実施の形態2のプローブシート8は、メッシュプローブからなる第1シート12と異方導電性シートからなる第2シート15を2枚積層して構成されている。
【0039】
前記第1シート12は、絶縁材料からなる化学繊維の糸を、タテ糸とヨコ糸に使用して編んで形成されたメッシュ(メッシュ状の第1基材の一例)13と、このメッシュ13の繊維の糸を内包し絡みあった構造とされ、検査対象IC7の複数の外部電極7Aの配列に対応して配列されたコンタクト部14を有す金属パターン(図示せず)と、メッシュ13の表面に形成された回路部品5から構成されている。コンタクト部14は、導電性を有する導電物質により形成される第1導電性ランドに相当する。前記回路部品5として、金属パターンにより接続された印刷コイル2と印刷抵抗4を形成している。
【0040】
また前記第2シート15は、実施の形態1の基材(第2基材の一例)10と、実施の形態1の導電性ランド(第2導電性ランドの一例)1から構成されている。また実施の形態2では、第2シート15の基材10の絶縁材料にシリコーンゴムを用いている。
【0041】
上記メッシュプローブからなる第1シート12の長所は、金属パターンにより微細な配線が実現できることであり、短所は弾性が少なく圧縮変異量が少ないことである。
また異方導電性シートからなる第2シート15の長所は、厚み方向に軟らかい弾性を有し、圧縮変異量の制御が容易であることであり、短所は微細な配線を実現することが困難なことである。
【0042】
第1シート12を検査対象IC7側に置き、その下に第2シート15に置き、それらを重ねてパフォーマンスボード9の上に搭載し、検査対象IC7に押圧を加えることで、第1シート12の長所である微細な配線か可能で、かつ第2シート15の長所である圧縮変量の制御が容易な、付加回路の一部を有するプローブシートを実現できる。
【0043】
以上のように本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、第1シート12上に回路部品5を形成することにより検査対象IC7の直近に回路部品5を形成でき、その回路部品5の高周波特性を良好に保つことができる。
【0044】
また本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、パフォーマンスボード9の付加回路の回路密度が高くなり、回路部品数が多くなると、半導体検査装置のパフォーマンスボード9上に回路部品を追加実装せず、第1シート12上にその一部を形成することにより、パフォーマンスボード9上の回路部品点数を減らし、その設計及び製作を容易にでき、安価なパフォーマンスボード9を提供できる。そして、このようなパフォーマンスボード9を用いることで、半導体検査装置を安価にすることができる。またプローブシート8上に付加回路の一部を形成することにより、この付加回路の回路部品5が破損した場合、プローブシート8を交換するだけで容易に迅速に検査を再開することが可能となり、半導体検査装置の稼働率を向上させることができる。
【0045】
また本実施の形態2によれば、パフォーマンスボード9上に搭載するプローブシート8が2枚の素材の異なるプローブシート、すなわち第1シート12を形成するメッシュプローブと第2シート15を形成する異方導電性シートを積層して構成されることにより、メッシュプローブの長所である微細な配線か可能で、かつ異方導電性シートの長所である圧縮変量の制御が容易な、付加回路の一部を有するプローブシート8を実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明にかかるプローブシートは、高周波帯域における検査対象ICの電気特性検査の分野で有用であり、パフォーマンスボードを使用する半導体検査装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1におけるプローブシートの平面図である。
【図2】同プローブシートをパフォーマンスボード上に搭載した断面構造図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるプローブシートをパフォーマンスボード上に搭載した断面構造図である。
【図4】従来のスプリングプローブをパフォーマンスボード上に搭載した断面構造図である。
【符号の説明】
【0048】
1 導電性ランド
2 印刷コイル
3 印刷コンデンサ
4 印刷抵抗
5 回路部品
7 検査対象IC
7A 外部電極
8 プローブシート
9 パフォーマンスボード
9A コンタクト部
10 基材
11 回路パターン
12 第1シート
13 メッシュ
14 コンタクト
15 第2シート
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100113859
【弁理士】
【氏名又は名称】板垣 孝夫

【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘

【識別番号】100096437
【弁理士】
【氏名又は名称】笹原 敏司

【識別番号】100100000
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 洋平


【公開番号】 特開2008−3015(P2008−3015A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174679(P2006−174679)