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慣性センサおよびその製造方法 - 特開2008−8820 | j-tokkyo
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【発明の名称】 慣性センサおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】福田 宏

【氏名】花岡 裕子

【氏名】藤森 司

【要約】 【課題】MEMSによる慣性センサを小型化したときにも、構造体の強度(信頼性)と慣性センサの感度を両立することが可能で、かつ、広い加速度領域で一定レベルの感度が得られるMEMSによる慣性センサを提供する。また、標準的なLSI製造技術であるCMOSの製造工程で、慣性センサを封止・実装することにより、小型化、かつ、半導体集積回路装置またはMEMSによる異種のセンサをモノリシックに混載可能な慣性センサとその製造方法を提供する。

【構成】慣性センサの錘を複数の分割錘107から構成し、この分割錘107同士を弾性変形可能な梁108で接続する。各分割錘107の可動範囲、質量、各梁108の剛性等を調整する、または、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを併用することにより、加速度の検出感度を向上させるとともに加速度応答範囲を広げる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板上に形成された空洞部と、
(b)前記空洞部の中に弾性変形可能な弾性体を介して懸架された錘と、
(c)前記空洞部に設けられた固定電極とを備え、
前記錘と前記固定電極との間の静電容量の変化に基づいて、加速度による前記錘の位置変化を検出する慣性センサであって、
前記錘は複数の分割錘に分割され、分割された前記複数の分割錘のそれぞれは弾性変形可能な弾性体で互いに接続されていることを特徴とする慣性センサ。
【請求項2】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘の中には、分割された他の前記複数の分割錘にだけ弾性体を介して接続されているものがあることを特徴とする慣性センサ。
【請求項3】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記空洞部を封止する蓋と、
前記蓋を支持し、前記空洞部の内部に設けられた支持部とを備え、
前記支持部は前記複数の分割錘の間に形成されていることを特徴とする慣性センサ。
【請求項4】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘の質量は同じであり、前記複数の分割錘を接続する複数の弾性体の剛性も同じであることを特徴とする慣性センサ。
【請求項5】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘の質量がそれぞれ異なり、前記複数の分割錘を接続する複数の弾性体の剛性も異なることを特徴とする慣性センサ。
【請求項6】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘は可動範囲が制限されていることを特徴とする慣性センサ。
【請求項7】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘と前記複数の分割錘を接続する複数の弾性体よりなる可動構造体は、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを有することを特徴とする慣性センサ。
【請求項8】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘は前記基板上に2次元的に配置されていることを特徴とする慣性センサ。
【請求項9】
請求項1記載の慣性センサであって、
前記複数の分割錘は前記基板上に1次元的に配置されていることを特徴とする慣性センサ。
【請求項10】
(a)半導体基板上に固定電極を形成する工程と、
(b)前記固定電極上に第1層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記第1層間絶縁膜上に第1薄膜を形成する工程と、
(d)前記第1薄膜をパターニングして、可動電極を兼ねる複数の分割錘および前記複数の分割錘を接続する複数の弾性体を形成する工程と、
(e)パターニングした前記第1薄膜上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(f)前記第2層間絶縁膜上に第2薄膜を形成する工程と、
(g)前記第2薄膜をパターニングして、前記第2薄膜に第1エッチング孔を形成する工程と、
(h)前記第1エッチング孔から前記第1層間絶縁膜の一部および前記第2層間絶縁膜の一部をエッチングすることにより空洞部を形成し、形成した前記空洞部内に前記複数の分割錘が前記複数の弾性体を介して懸架されるようにする工程とを備えることを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項11】
請求項10記載の慣性センサの製造方法であって、
前記(h)工程後、前記第1エッチング孔を封止する工程を備えることを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項12】
請求項11記載の慣性センサの製造方法であって、
前記第1エッチング孔を封止する工程は、前記第1エッチング孔を形成した前記第2薄膜上に膜を堆積する工程により前記第1エッチング孔を封止することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項13】
請求項10記載の慣性センサの製造方法であって、
前記(g)工程は、前記複数の分割錘および前記複数の弾性体の形成領域上に存在する前記第2薄膜上に前記第1エッチング孔を形成することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の慣性センサの製造方法であって、
前記(h)工程は、前記複数の分割錘および前記複数の弾性体の形成領域に前記空洞部を形成し、前記第1エッチング孔が形成されていない領域下では前記第1層間絶縁膜および前記第2層間絶縁膜を残すことにより前記空洞部を支える支持部を形成することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の慣性センサの製造方法であって、
前記支持部は、前記複数の分割錘の間の領域に形成することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項16】
請求項10記載の慣性センサの製造方法であって、
前記(d)工程は、前記複数の分割錘を形成するとともに前記複数の分割錘に第2エッチング孔を形成することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項17】
請求項10記載の慣性センサの製造方法であって、
前記半導体基板と前記固定電極との間に、MISFETおよび配線層を形成する工程を備えることを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項18】
(a)半導体基板上に固定電極を形成する工程と、
(b)前記固定電極上に第1層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記第1層間絶縁膜上に第1薄膜を形成する工程と、
(d)前記第1薄膜をパターニングして、可動電極を兼ねる錘および前記錘に接続する複数の弾性体を形成する工程と、
(e)パターニングした前記第1薄膜上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、
(f)前記第2層間絶縁膜上に第2薄膜を形成する工程と、
(g)前記第2薄膜をパターニングして、前記錘および前記複数の弾性体の形成領域上にある前記第2薄膜にエッチング孔を形成し、前記錘および前記複数の弾性体の形成領域以外の領域上にある前記第2薄膜に前記エッチング孔を形成しない工程と、
(h)前記エッチング孔から前記第1層間絶縁膜の一部および前記第2層間絶縁膜の一部をエッチングすることにより空洞部を形成し、形成した前記空洞部内に前記錘が前記複数の弾性体を介して懸架されるようにし、かつ、前記エッチング孔が形成されていない前記第2薄膜の領域下において、前記第1層間絶縁膜の一部および前記第2層間絶縁膜の一部を残すことにより、前記空洞部を支持する支持部を形成する工程とを備えることを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項19】
請求項18記載の慣性センサの製造方法であって、
前記(d)工程は、可動電極を兼ねる複数の分割錘および前記複数の分割錘を接続する複数の弾性体を形成することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【請求項20】
請求項19記載の慣性センサの製造方法であって、
前記(h)工程は、前記複数の分割錘の間に前記支持部を形成することを特徴とする慣性センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロエレクトロメカニカルシステムズ(MEMS;Micro Electro Mechanical Systems)による慣性センサおよびその製造技術に関し、特に、半導体集積回路装置と慣性センサの集積化デバイスおよびその製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置を形成するための微細加工技術を用いて、圧力、加速度等の機械的センサや微小スイッチ、振動子等の微細な機械部品、機械システムを形成するマイクロエレクトロメカニカルシステムズ(MEMS)技術が開発されている。MEMSはシリコン基板自体を加工して微小機械を形成するバルクMEMSと、シリコン基板表面に薄膜を堆積し、堆積した薄膜をパターニングすることを繰り返すことで微小機械を形成する表面MEMSに大別される。
【0003】
バルクMEMSによる加速度センサとして、例えば、シリコン基板やSOI基板のハン
ドリング層等で形成した錘を、活性層で形成した梁で支え、加速度による梁の変形をピエ
ゾ効果により検出する素子が開発されている(例えば、特許文献1あるいは特許文献2参照)。
【0004】
表面MEMSによる加速度センサとして、例えば、厚さ2μmから4μm程度のポリシリコン膜で錘と梁を形成し、加速度による錘の移動を、錘と外枠の両方に形成した電極間の容量変化により検出する加速度センサが開発されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
これらのMEMSセンサにおいては、外力等による構造体の機械的変形が、ピエゾ抵抗変化や容量変化として電気的信号に変換され、さらに、通常、この出力は、半導体集積回路装置(LSI;Large Scale Integration)によって信号処理される。このようにMEMSはLSIと組み合わせて利用され、かつ、MEMS自体は半導体製造技術を用いて製造されるため、両者を同一基板上でモノリシックに集積する技術が開発されている。
【0006】
例えば、ポリシリコン膜からなる錘を用いた加速度センサや振動ジャイロが容量電圧変換回路やオペアンプ等のアナログ回路と集積されている。センサ機構部(シリコン基板上に一部の空隙を介して配置される)とアナログ回路部は基板平面の異なる(隣接する)領域に配置される。センサ機構部はその全体をカバーにより覆われた空洞中に封止される。例えば、特許文献3あるいは特許文献4には空洞部中に支柱を配置する方法についての記述がある。
【特許文献1】特開2005−69946号公報
【特許文献2】米国特許6705167B2号
【特許文献3】米国特許5760455号
【特許文献4】米国特許6262946B1号
【非特許文献1】Technical digest of IEEE electron devices meeting (2003) pp.39.1.1-39.1.4
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、第1に従来技術によるMEMSによる慣性センサを小型化したとき、構造体の強度(信頼性)と慣性センサの感度の両立が困難になるという点にある。すなわち、通常MEMSによる慣性センサでは、錘を支える梁(バネ)の強度を弱くする(梁のバネ定数を小さくする)ことにより感度が向上する。しかし、この場合、慣性センサ自体を小型化または薄膜化すると、梁の強度が著しく低下してしまう。つまり、慣性センサの感度を向上させるために錘を支える梁の強度を弱くする必要があるため、慣性センサの強度と感度を同時に確保することが困難となっている。
【0008】
また、慣性(加速度)センサでは、小さな加速度から大きな加速度までの広い加速度範囲を高精度に計測する(ダイナミックレンジを確保する)必要があるが、従来技術ではダイナミックレンジを確保することが困難である。すなわち、小さな加速度に対し高感度化するためにバネ定数を小さくすると、大きな力が加わったとき錘が著しく変位して、錘の可動範囲を超えたり、または、バネの飽和特性により実質的な感度が得られない。一方、大きな力を計測するためにバネ定数を大きくすると、小さな力に対して感度が得られない。このため、想定される加速度範囲に応じて別々の加速度センサが必要となるという問題点がある。
【0009】
第2に、バルクMEMSまたは表面MEMSによるによる慣性(加速度)センサでは、いずれにせよ、通常のLSI製造技術とは異なるウェハの張り合せ等の特殊な封止・実装方法が必要となるという課題がある。また、LSIまたは異種のセンサをモノリシックに混載するのが困難という点にある。
【0010】
本発明の目的は、第1に、MEMSによる慣性センサを小型化したときにも、構造体の強度(信頼性)と慣性センサの感度を両立することが可能で、かつ、広い加速度領域で一定レベルの感度が得られる(ダイナミックレンジの広い)MEMSによる慣性(加速度)センサを提供することにある。
【0011】
第2に、標準的なLSI製造技術であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の製造工程で、慣性センサを封止・実装することにより、小型化、かつ、半導体集積回路装置またはMEMSによる異種のセンサをモノリシックに混載可能な慣性(加速度)センサとその製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0014】
本発明による慣性センサは、(a)基板上に形成された空洞部と、(b)前記空洞部の中に弾性変形可能な弾性体を介して懸架された錘と、(c)前記空洞部に設けられた固定電極とを備え、前記錘と前記固定電極との間の静電容量の変化に基づいて、加速度による前記錘の位置変化を検出する慣性センサであって、前記錘は複数の分割錘に分割され、分割された前記複数の分割錘のそれぞれは弾性変形可能な弾性体で互いに接続されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明による慣性センサの製造方法は、(a)半導体基板上に固定電極を形成する工程と、(b)前記固定電極上に第1層間絶縁膜を形成する工程と、(c)前記第1層間絶縁膜上に第1薄膜を形成する工程と、(d)前記第1薄膜をパターニングして、可動電極を兼ねる複数の分割錘および前記複数の分割錘を接続する複数の弾性体を形成する工程と、(e)パターニングした前記第1薄膜上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、(f)前記第2層間絶縁膜上に第2薄膜を形成する工程と、(g)前記第2薄膜をパターニングして、前記第2薄膜に第1エッチング孔を形成する工程と、(h)前記第1エッチング孔から前記第1層間絶縁膜の一部および前記第2層間絶縁膜の一部をエッチングすることにより空洞部を形成し、形成した前記空洞部内に前記複数の分割錘が前記複数の弾性体を介して懸架されるようにする工程とを備えることを特徴とするものである。
【0016】
さらに、本発明による慣性センサの製造方法は、(a)半導体基板上に固定電極を形成する工程と、(b)前記固定電極上に第1層間絶縁膜を形成する工程と、(c)前記第1層間絶縁膜上に第1薄膜を形成する工程と、(d)前記第1薄膜をパターニングして、可動電極を兼ねる錘および前記錘に接続する複数の弾性体を形成する工程と、(e)パターニングした前記第1薄膜上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、(f)前記第2層間絶縁膜上に第2薄膜を形成する工程と、(g)前記第2薄膜をパターニングして、前記錘および前記複数の弾性体の形成領域上にある前記第2薄膜にエッチング孔を形成し、前記錘および前記複数の弾性体の形成領域以外の領域上にある前記第2薄膜に前記エッチング孔を形成しない工程と、(h)前記エッチング孔から前記第1層間絶縁膜の一部および前記第2層間絶縁膜の一部をエッチングすることにより空洞部を形成し、形成した前記空洞部内に前記錘が前記複数の弾性体を介して懸架されるようにし、かつ、前記エッチング孔が形成されていない前記第2薄膜の領域下において、前記第1層間絶縁膜の一部および前記第2層間絶縁膜の一部を残すことにより、前記空洞部を支持する支持部を形成する工程とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
本発明による慣性センサによれば、慣性センサを小型化したときにも、構造体の強度(信頼性)とセンサの感度を両立することが可能となる。また、小さな力に対する感度と、大きな力までの非飽和特性の両立が可能となり、広い加速度領域で一定レベルの感度が得られる。また、標準的なCMOSプロセスで、比較的大面積の可動構造体を、大面積の空洞中に封止実装できる。これにより、LSIまたは異種のセンサをモノリシックに混載可能となる。特に、慣性センサの機構部をLSIの配線と同時に形成できるので、LSIとの集積化が容易となる。さらに、慣性センサの機構部はLSI回路領域の上部に重ねて形成できるので、チップの小型化が可能となる。また、MEMSによる慣性センサを、プラスティックパッケージ等の通常のLSIと全く同様の実装技術により実装できる。これにより、慣性センサの小型化、高機能化あるいは低コスト化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0021】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0022】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0023】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態1における慣性センサについて図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態1における慣性センサの機構部(主要部)を示す平面図である。図1に示すように、周囲には薄膜より形成される枠106が形成されている。この枠106は慣性センサが形成されている半導体基板に固定されている。枠106の内部には空洞部105が形成されており、この空洞部105の内部に複数の梁(弾性体)108を介して複数の分割錘107が配置されている。つまり、空洞部105の内部には2次元状(X軸方向およびY軸方向)に複数の分割錘107が配置され、それぞれの分割錘107は互いに弾性変形可能な梁108で接続されている。このように構成された複数の分割錘107は、Z軸方向に変位するようになっている。すなわち、Z軸方向に加速度が印加されると、それぞれの分割錘107はZ軸方向に変位するように構成されている。本発明の特徴の1つは、空洞部105の内部に複数の梁108を介して複数の分割錘107を配置したことにある。これにより、慣性センサを小型化したときにも、構造体の強度(信頼性)と慣性センサの感度を両立することが可能で、かつ、広い加速度領域で一定レベルの感度を得ることができる。なお、空洞部105の内部に2次元状(X軸方向およびY軸方向)に複数の分割錘107を配置するように構成したが、空洞部105の内部に1次元状に複数の分割錘107を配置するように構成してもよい。
【0025】
図2は、図1のA−A´線で切断した断面を模式的に示す断面図である。なお、図1では、X軸方向に5つの分割錘107が配置されているが、図2では、省略してX軸方向に2つの分割錘107が形成されているとしている。図2において、例えば、シリコン単結晶よりなる半導体基板100には、複数のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)Qが形成されている。この複数のMISFETQは、例えば、慣性センサから出力された信号を処理する半導体集積回路装置として機能するものである。さらに、MISFETQ上には、半導体集積回路を構成する配線が多層にわたって形成されている。例えば、図2では、配線が4層にわたって形成されており、多層に形成された配線はプラグを介して電気的に接続されている。このように半導体基板100上には、MISFETQおよび多層配線を含む半導体集積回路装置が形成されている。本実施の形態1では、半導体基板100に形成された半導体集積回路装置上に慣性センサが形成されている。つまり、本実施の形態1では、半導体集積回路と慣性センサがモノリシックに形成されている。
【0026】
次に、慣性センサの構成について説明する。第4層目に形成されている配線101と同層に、慣性センサの機構部を構成する固定電極102が形成されている。この固定電極102は、配線101を形成する工程で同時に形成される。そして、配線101および固定電極102を形成した第4配線層上には、層間絶縁膜(第1層間絶縁膜)103が形成されており、層間絶縁膜103上に層間絶縁膜(第2層間絶縁膜)104が形成されている。層間絶縁膜103および層間絶縁膜104には空洞部105が設けられている。空洞部105には層間絶縁膜104に固定されている枠106が形成されており、枠106の内側には梁(図2では図示せず。図1参照)を介して分割錘107が懸架されている。例えば、図2に示すように、空洞部105の両端に枠106が形成されており、空洞部105の両端部からそれぞれ分割錘107が空洞部105中に懸架されている。空洞部105中に懸架された2つの分割錘107は互いに梁108によって接続されている。さらに、2つの分割錘107の間には、支持部109が形成されている。この支持部109は梁108に接触しないように形成されており、梁108の弾性変形を邪魔しないようになっている。また、分割錘107には分割錘107を貫通するエッチング孔(第2エッチング孔)107aが形成されている。このエッチング孔107aは、後述するようにエッチングによって空洞部105を形成する際、分割錘107の下部も充分にエッチングすることができるように設けられているものである。
【0027】
空洞部105を形成した層間絶縁膜104上には薄膜より形成されている第2薄膜110が配置されている。この第2薄膜110は、空洞部105を封止するために設けられているものである。また、第2薄膜110は固定電極として機能を有する場合もある。第2薄膜110には、エッチング孔(第1エッチング孔)111が設けられている。このエッチング孔111は、層間絶縁膜104に第2薄膜110を形成した後、層間絶縁膜103および層間絶縁膜104にエッチングで空洞部105を形成するためのものである。第2薄膜110に形成されたエッチング孔111は、例えば酸化シリコン膜112によって封止される。
【0028】
次に、図3は、空洞部105上に設けられた第2薄膜110を支持する支持部109の形成パターンを示す平面図である。図3に示すように枠106の内部には空洞部105が形成され、この空洞部105には、梁108を介して複数の分割錘107が懸架されている。複数の分割錘107の間には、支持部109が形成されている。この支持部109は、空洞部105の中で梁108および分割錘107が形成されていない領域に複数形成されていることがわかる。図3では、スリット状に複数の支持部109が形成されている。本発明の特徴の1つは、空洞部105に複数の支持部109を設けたことにある。このように空洞部105に梁108を介して分割錘107を懸架する一方で、支持部109を空洞部105に複数設けることで、空洞部105を封止する蓋の強度を補強できる。特に、多くの分割錘107を懸架できるように空洞部105の大きさを大きくする場合、支持部109を設けることで、蓋の強度を充分に補強できる。したがって、慣性センサの信頼性向上を図ることができる。
【0029】
この支持部109は、例えば、空洞部105を形成するエッチングの際、エッチングされる層間絶縁膜の一部を残すことにより形成することができる。このような支持部109を形成するため、第2薄膜110に形成するエッチング孔111の形成パターンを図4に示す。図3および図4に示すように、第2薄膜110に形成するエッチング孔111は第2薄膜110に均一に形成するのではなく、不均一に形成されている。具体的には、梁108および分割錘107を形成する領域上にある第2薄膜110の領域にエッチング孔111を形成し、梁108および分割錘107を形成しない領域上にある第2薄膜110の領域にエッチング孔111を形成していない。このようにエッチング孔111を配置することにより、エッチングの際、エッチング孔111の下部に存在している層間絶縁膜が充分にエッチングされる一方、エッチング孔111が存在していない領域の下部に存在している層間絶縁膜は残存する。このことから、梁108および分割錘107が形成されている領域には、空洞部105が充分に形成されることにより分割錘107が懸架され、梁108および分割錘107が形成されていない領域では、空洞部105の形成が抑制されて、支持部109を形成することができる。
【0030】
本実施の形態1における慣性センサにおいて、梁108および分割錘107よりなる可動構造体は、空洞部105内に形成され、かつ弾性変形可能なLSI材料または金属配線により空洞部105を囲む層間絶縁膜に枠106として固定される。可動構造体は、その機械的特性が可動構造体自体の寸法により決定され、空洞部105の形状には依存しないように設計されている。具体的には、(1)空洞部105の周囲に存在する層間絶縁膜に固定されかつ実質的に弾性変形しないとみなすことのできるだけの大きさを有する部分(枠106)、(2)可動部(分割錘107)、(3)上記(1)と(2)を接続する弾性変形可能な弾性変形部(梁108)を設けることにより、空洞部105の寸法精度は慣性センサの機械的特性に殆ど影響しない。この可動構造体の寸法精度は通常のLSIの配線パターンの形成精度で規定される。この精度は、一般的に従来のバルクMEMS等の加工精度より格段に高いため、高精度の機械特性が保証される。
【0031】
可動構造体は配線層を用いて形成されるので、錘としての機械的機能に加え、それ自体が電極および配線等の電気的機能を兼ねる。つまり、本実施の形態1における慣性センサでは、後述するように層間絶縁膜に固定された電気的に独立した固定電極と分割錘との間でセンシングを行なうようになっている。可動構造体とこれを囲む周囲との機械的接続(梁)と電気的接続(配線、検出用容量等)は、それぞれ半導体集積回路装置を構成する別層で行なってもよい。
【0032】
次に、本発明の特徴的構成についてさらに詳しく説明する。本発明の特徴の1つは、錘を複数の分割錘に分割し、各分割された分割錘同士を弾性変形可能な梁で接続することにある。各分割された分割錘同士を弾性変形可能な梁で接続することの効果は主に次の2点である。第1に異なるバネ定数と質量を有する慣性センサの並列化効果により、小さな加速度に対する感度と、大きな加速度までの非飽和特性の両立が可能となる。第2に、錘自体の傾き(角度効果)により感度が増幅される。または、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを併用することが可能となる。以下、各々について説明する。
【0033】
図5(a)に示すように、2N個の分割錘107(1)〜107(2N)が互いに梁(バネ)108(1)〜108(2N+1)で直列に接続され、両端を基板(枠106)に固定された系を考える。各分割錘107(1)〜107(2N)に方向と絶対値の等しい加速度が加わったときの各分割錘107(1)〜107(2N)の変位を考える。紙面の上方向に加速度aが働いたとすると、各分割錘107(1)〜107(2N)は、基板に対して相対的に、図5(b)に示すような変位をする。すなわち、分割錘107(1)の変位が相対的に少なく、分割錘107(2)から分割錘107(N)へ移動するにしたがって相対的に変位が大きくなる。そして、分割錘107(N)から分割錘107(2N)へ移動するにしたがって相対的に変位が少なくなる。つまり、固定されている枠106に近い分割錘ほど変位が小さく、枠106から離れている分割錘ほど変位が大きくなる。この変位は、分割錘107(1)〜107(2N)の下部(または上部あるいはその両方であってもよい)に配置した固定電極102と分割錘107(1)〜107(2N)との間の静電容量変化として検知される。通常、すべての分割錘107(1)〜107(2N)は電気的に接続された1個の電極として機能するが、ここでは便宜上、各分割錘107(1)〜107(2N)と固定電極102との間の静電容量の並列接続とみなす。検出される静電容量は、並列接続された各静電容量の合計となる。
【0034】
系を中心対称と仮定してその半分だけを考え、まず、梁108(1)〜108(N)の伸縮モードによる弾性変形を考える(図5(c)参照)。1番外側の(1番目の梁108(1)により枠106に固定された)分割錘107(1)の変位X1は、1番外側の梁108(1)の変形量δ1に等しい。δ1は分割錘107(1)〜107(N)の全質量(m1+m2+・・・+mN)と梁108(1)〜108(N)のバネ定数(剛性)k1を用いて、δ1=(m1+m2+・・・+mN)/k1・aで示される。このとき、j番目の分割錘107(j)の変位Xjは、一番外側からj番目までの各梁の変位δ1、δ2・・・δjの合計δ1+δ2+・・・+δjに等しい。j番目の分割錘107(j)と固定電極102との間の静電容量Cjにおいて、j番目の分割錘107(j)の変位Xjによる変化ΔCjは、簡単のためXjが、変位がない場合の分割錘107(j)と固定電極102との間のギャップdより十分に小さいと仮定すると、ΔCj=εSj・Xj/dとなり、ほぼXjに比例する。但し、Sjは、j番目の分割錘107(j)と固定電極102との間の容量の面積である。
【0035】
簡単のため、すべての梁108(1)〜108(N)のバネ定数と分割錘107(1)〜107(N)の質量が等しいと仮定すると、簡単な計算により、Xj=(m/k)・(N−j+1)・j・aとなる。従って、例えば、j番目の分割錘107(j)について考えると、実効的に質量が(N−j+1)倍、バネ定数が1/j倍となっていると解釈できる。すなわち、図5(c)の系は、図5(d)に示すような異なるバネ定数で枠106と固定された異なる質量を有する錘を配列した構成と等価である。
【0036】
次に、ここで各分割錘107(1)〜107(N)の変位量には、分割錘107(1)〜107(N)の可動範囲の制限からくる上限が存在するとする。例えば、分割錘が6個並列に並んだ場合、系を中心対称として半分の分割錘107(1)〜107(3)を考える。各分割錘107(1)〜107(3)の変位Xj、容量変化ΔCj、容量変化の合計ΔCと印加された加速度の関係を図6(a)、(b)、(c)に示す。
【0037】
図6(a)において、X1、X2、X3は各々一番外側、2番目、中心の分割錘の変位を示している。X3は小さな加速度領域で高い感度(変位量/加速度)を有するが比較的小さな加速度で変位の上限に達する。一方、X1は全加速度領域で感度は小さいが、大きな加速度領域まで検出可能である。すなわち、中心に配置されている分割錘107(3)の変位X3は、小さな加速度によっても大きく変化する。このため、小さな加速度の検出感度を向上させることができる。しかし、比較的小さな加速度で飽和してしまうため、中心に配置されている分割錘107(3)だけでは、測定できる加速度の範囲を広げることが困難となる。一方、一番外側に配置されている分割錘107(1)によれば、分割錘107(3)に比べて、印加された加速度に対して変位する量が少ない。このため、加速度の検出感度は小さくなる。しかし、印加された加速度に対して変位する量が少ないため、比較的大きな加速度を印加しても変位が飽和することはない。つまり、一番外側に配置されている分割錘107(1)によれば、測定できる加速度の範囲を広げることができる。
【0038】
図6(b)は、各分割錘107(1)〜107(3)と固定電極との間の容量変化ΔC1〜ΔC3を示したものである。図6(b)に示す容量変化ΔC1〜ΔC3は、図6(a)に示す各分割錘107(1)〜107(3)の変位X1〜X3に対応していることがわかる。つまり、加速度が印加された場合、中心に配置された分割錘107(3)の容量変化ΔC3は大きいが、比較的小さな加速度で容量変化ΔC3は飽和してしまう。一方、加速度が印加された場合、一番外側に配置された分割錘107(1)の容量変化ΔC1は小さいが、比較的大きな加速度まで、容量変化ΔC1は飽和しないことがわかる。
【0039】
したがって、各分割錘107(1)〜107(3)の容量変化の合計を検知することにより、低加速度領域における感度と、高加速度領域までの非飽和特性の両方を併せ持つことができることがわかる。比較のために、すべての分割錘107(1)〜分割錘107(3)の合計質量に等しい質量を持つ1個の錘が、様々なバネ定数をもつバネで固定された場合の特性を図6(c)中の点線A、B、Cで示す。一方、各分割錘107(1)〜107(3)の容量変化の合計を検知した場合を図6(c)の実線で示す。図6(c)の実線で示す場合は、図6(c)の点線Aに示す場合とほぼ同等の加速度検出感度を有するとともに、点線Aに示す場合に比べて容量変化の飽和がしにくくなっていることがわかる。すなわち、図6(c)の点線Aの場合に比べて、検出できる加速度の範囲を大幅に向上できることがわかる。図6(c)の点線Bの場合に比べても、本実施の形態1における慣性センサの構成(図6(c)の実線)のほうが、小さな加速度に対する感度がよく、かつ、大きな加速度までの非飽和特性が良好であることがわかる。さらに、図6(c)の実線の場合と図6(c)の点線Cの場合と比べると、図6(c)の実線と図6(c)の点線Cの場合で、ほぼ同等の非飽和特性を有しているが、図6(c)の実線の場合、すなわち、本実施の形態1における慣性センサの構成のほうが加速度の検出感度が良好であることがわかる。このように、本実施の形態1によれば、分割錘を梁で互いに接続する構成をとることにより、低加速度領域における感度と、高加速度領域までの非飽和特性の両方を併せ持つことができることがわかる。
【0040】
本実施の形態1では、図5(a)に示すように、固定された枠106に複数の梁108(1)〜108(2N+1)によって複数の分割錘107(1)〜107(2N)を懸架するように構成した点に特徴がある。このように図5(a)に示した構成は、系を中心対称であると考え、すべての梁108(1)〜108(2N+1)のバネ定数が等しく、すべての分割錘107(1)〜107(2N)の質量が等しいとすると、図5(d)に示す構成と等価になる。つまり、外側からj番目の分割錘107(j)は、質量が(N−j+1)mで分割錘107(j)を枠106に接続する梁108(j)のバネ定数がk/jとなる系と等価になる。このため、内側ほど質量およびバネ定数が小さくなる分割錘107(j)が配置されていることになる。特に、分割錘が2N個あるとすると、中心に位置する分割錘107(N)は、質量がmでこの分割錘107(N)に接続する梁108(N)のバネ定数がk/Nとなり最小となる。バネ定数が小さいほど加速度が印加された場合の変位量が大きくなるので、中心に配置されている分割錘107(N)が最も加速度に対して感度良く変位することになる。すなわち、図5(a)に示すように分割錘107(N)は隣接する分割錘107(N−1)とバネ定数がkである梁108(N)で接続されているが、図5(d)に示すように、質量がmでこの分割錘107(N)に接続する梁のバネ定数がk/Nである構成と等価になるので、バネ定数がkである梁108(N)で接続されているにもかかわらず、あたかもバネ定数がk/Nで枠106に接続されているようになる。このため、梁108(N)の強度を維持することができるとともに、低加速度領域における感度を向上させることができる。つまり、梁108(N)のバネ定数はkのままで構成できるので、梁108(N)のバネ定数をk/Nにする場合に比べて強度を確保することができる。一方で、分割錘107(N)は、バネ定数がkである梁108(N)および梁108(N+1)で接続されているにもかかわらず、あたかもバネ定数がk/Nで枠106に接続されているようになるので、低加速度領域における感度を向上させることができる。
【0041】
また、図5(a)に示す一番外側に配置されている分割錘107(1)は、図5(d)に示すように、質量Nmの錘が枠106にバネ定数kがである梁を介して接続されている構成と等価になっている。このように質量がNmとなるので、印加された加速度に対して変位しにくくなり、高加速度領域までの非飽和特性が良好となる。このことから、本実施の形態1に示すように、複数の分割錘107(1)〜107(2N)の変位をすべて加速度の検出に用いることにより、慣性センサの強度を確保しながら、低加速度領域における感度と、高加速度領域までの非飽和特性の両方を併せ持つことができることがわかる。つまり、低加速度領域では、中心部に配置されている分割錘の変位を主に加速度の検出に用いる一方、高加速度領域では、外側に配置されている分割錘の変位を主に加速度の検出に用いることにより、低加速度領域における感度と、高加速度領域までの非飽和特性の両方を併せ持つことができる。
【0042】
本実施の形態1における慣性センサの構成(図5(a))は、図5(d)と等価であるが、図5(a)の構成をとることにより、図5(d)の構成をとる場合よりも有利な点がある。つまり、図5(d)に示す構成では、中心に位置する分割錘107(N)を枠106に接続することになる。この接続に用いる梁108(N)のバネ定数はk/Nにする必要がある。しかし、バネ定数を小さくすると、梁(バネ)の加工上の制約、または耐久性等により問題が生じる。これに対し、本実施の形態1における慣性センサの構成(図5(a))では、中心に位置する分割錘107(N)自体は隣接する分割錘107(N−1)と分割錘(N+1)にバネ定数kの梁108(N)と梁108(N+1)で接続されることになる。つまり、バネ定数がkであり、バネ定数をk/Nにする必要がないので、梁の強度を保持することができる。その一方、分割錘107(N)は、バネ定数がkである梁108(N)および梁108(N+1)で接続されているにもかかわらず、あたかもバネ定数がk/Nで枠106に接続されているようになるので、低加速度領域における感度を向上させることができる。このように、図5(a)に示す構成では、図5(d)に示す構成と同様に低加速度領域における感度を向上させることができるが、さらに図5(a)に示す構成では、図5(d)に示す構成に比べて梁の機械的強度を向上させることができる効果が得られる。また、図5(a)に示す構成によれば、分割錘107(1)〜107(2N)の質量および梁108(1)〜108(2N+1)のバネ定数を等しくすることができるので、質量の異なる分割錘およびバネ定数の異なる梁を形成する図5(d)の構成に比べて小型化することが容易である利点もある。
【0043】
本実施の形態1では、図5(a)において、分割錘107(1)〜107(2N)の質量および梁108(1)〜108(2N+1)のバネ定数を同じになるように構成したが、分割錘107(1)〜107(2N)の質量および梁108(1)〜108(2N+1)のバネ定数をそれぞれ異なるように構成しても、同様の効果を得ることができる。特に、バネ定数、分割錘の質量、各分割錘の作る容量の面積に分布を作ることにより、図6(a)〜(c)に示す特性曲線の形状を様々に調整することができる。例えば、周り(外側)と比べて中心部のバネ定数を軟らかく(小さく)することにより、低加速度領域をより高感度化することができる。
【0044】
また、図5(a)において、分割錘107(1)〜107(2N)の個数は多いほうが望ましい。分割錘107(1)〜107(2N)の個数が多いほうが、Nが大きくなり、中心に位置する分割錘107(N)に接続する梁のみかけ上のバネ定数k/Nが小さくなるので、低加速度領域における検出感度の向上を図ることができるからである。また、分割錘107(1)〜107(2N)の中には、枠106に固定されず、分割錘にだけ梁によって接続されているものがあることが望ましい。例えば、このような分割錘は、図5(a)の分割錘107(2)〜107(2N−1)が該当する。枠106に固定されず、分割錘にだけ梁によって接続されているものは、加速度に対する変位が大きくなるので、加速度の検出感度を向上することができる。
【0045】
また、本実施の形態1では、分割錘107(1)〜107(2N)の可動範囲に制限があるとしているが、これは、梁108(1)〜108(2N+1)の弾性変形に限界があるからである。つまり、梁108(1)〜108(2N+1)に弾性変形可能な限界以上に力が加わると、梁108(1)〜108(2N+1)が延びきったままになること等を防止して慣性センサの信頼性を向上させるためである。ただし、梁108(1)〜108(2N+1)の弾性変形可能な限界を超えないとしても問題ない場合は、分割錘107(1)〜107(2N)の可動範囲に制限を設けなくてもよい。一般に梁(バネ)に加える力と変位の関係は小変位領域では線形だが、変形量が大きくなるとバネ定数が増大して変位しにくくなる(変位量が飽和する)。これは、変位によるヤング率の変化によるものである。分割錘の可動範囲の制約が無い場合にも、この特性によりほぼ同様の効果を得ることができる。但し、この場合には各分割錘に接続される梁のバネ定数を意図的に変える(分布を導入する)ことが望ましい。これにより、変位量の飽和が始まる加速度を変えることができるためである。
【0046】
次に、本実施の形態1によれば、分割錘自体の傾き(角度効果)により感度が増幅されることについて説明する。つまり、本実施の形態1によれば、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを併用することが可能となる点について説明する。
【0047】
図7(a)に示すように、互いに梁108で直列接続された分割錘107が両端で枠106に固定された系を考える(系は中心対称とし、図ではその半分を示している)。図7では図5とは異なり各分割錘107は有限の長さを持つものと考える。このように各分割錘107が有限の長さを持つとすると、梁108の伸縮による変形(伸縮モード)の他に梁の曲げ(もしくはねじれ)モードによる変形が生じる。このため、各分割錘107は図7(b)のように傾き、実質的な変位量が大きくなる。すなわち、伸縮モードによる変形と曲げ(もしくはねじれ)モードによる変形が重なり合うことにより変位量が大きくなり感度が向上する。このような、曲げ(もしくはねじれ)モードを積極的に用いることもできる。曲げ(もしくはねじれ)モードと伸縮モードによる平均変位の対加速度感度の差により、低加速度領域と高加速度領域の両方に対する感度を両立することができる。すなわち、曲げ(もしくはねじれ)モードによる変位と伸縮モードによる変位とは、印加される加速度によって差があることを利用して、低加速度領域と高加速度領域の両方に対する感度を向上することができる。つまり、複数の分割錘107と複数の分割錘107を接続する複数の梁108よりなる可動構造体は、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを有している。このように本実施の形態1によれば、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを併用することが可能となる。
【0048】
本実施の形態1における慣性センサは上記のように構成されており、以下にその動作について説明する。図8は、本実施の形態1における慣性センサのセンサ機構部の断面を示す断面模式図(図1のA−A´線で切断した断面に相当)である。図8(a)に示すように、空洞部105内で、複数の分割錘107がこの分割錘107と同一層で形成されている梁108を介して接続され、その両端は梁108を介して層間絶縁膜に固定されている。空洞部105には、固定電極(下部電極)102および上部電極113が形成されており、固定電極(下部電極)102と分割錘107、分割錘107と上部電極113との間で容量素子Ca、Cbが形成されている。なお、固定電極(下部電極)102と上部電極113の両方が形成されている例を示しているが、固定電極(下部電極)102あるいは上部電極113のどちらか一方だけが形成されていてもよい。
【0049】
慣性センサを形成した基板に垂直な方向(Z軸方向)に加速度が印加されると、図8(b)に示すように、梁108が弾性変形して分割錘107の位置が空洞部105内でZ軸方向に変位する。この変位量は、分割錘107と固定電極(下部電極)102あるいは分割錘107と上部電極113との間の容量変化として検出される。ここで、印加された加速度が小さいときは、空洞部105の中心付近に配置されている分割錘107が主に変位して、複数の分割錘107と固定電極(下部電極)102あるいは複数の分割錘107と上部電極113との容量変化として検出される。そして、印加される加速度が大きくなると、空洞部105の中心付近に配置されている分割錘107は固定電極(下部電極)102に接触してそれ以上変位しなくなる。このとき、分割錘107の表面には絶縁膜が形成されており、分割錘107と固定電極(下部電極)102が接触しても導通しないようになっている。したがって、空洞部105の中心付近に配置されている分割錘107による変位は飽和して容量変化しなくなる。一方、空洞部105の周辺に配置されている分割錘107は変位するので、加速度が大きくなると、空洞部105の周辺に配置されている分割錘107の変位によって、複数の分割錘107と固定電極(下部電極)102あるいは複数の分割錘107と上部電極113との間で容量変化が生じる。このようにして、本実施の形態1における慣性センサによれば、低加速度領域から高加速度領域にわたって容量変化が生じることがわかる。
【0050】
この分割錘107の変位に応じて生じる容量変化は信号検出回路によって処理される。図9は信号検出回路の回路ブロック図を示している。図9に示すように、上述した慣性センサ120によって加速度は分割錘107の変位として検出され、この分割錘107の変位は容量素子Ca、Cbの容量変化として検出される。分割錘107、固定電極(下部電極)102および上部電極113は、同一基板上に形成されている信号処理用の集積回路に接続されている。まず、図9に示すように、慣性センサ120で検出された容量変化は、容量電圧変換回路(CV変換回路)121で電圧信号に変換される。そして、変換された電圧信号は、オペアンプ122によって増幅された後、AD変換回路123によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。続いて、デジタル信号はマイクロプロセッサ124によって、不揮発性メモリ125に記憶されているデータに基づき、温度、アンプ特性等各種の補正を施される。そして、補正を施されたデジタル信号は出力用インターフェース回路126を介して外部に加速度信号として出力される。このようにして、本実施の形態1における慣性センサにより加速度を検出することができる。
【0051】
次に、本実施の形態1における慣性センサの製造方法について説明する。まず、概略的な製造方法について説明する。所定の半導体基板上に層間絶縁膜(犠牲層を兼ねる)を形成し、この層間絶縁膜の内部に第1薄膜を用いて形成した構造体を埋め込む。このとき、構造体は互いに梁により接続された複数の分割錘を含むように構成する。次に、層間絶縁膜上に第2薄膜を形成し、構造体の存在領域上の第2薄膜の所定位置に開口部を形成する。その後、開口部を介して層間絶縁膜の一部を選択的にエッチング除去して、層間絶縁膜に空洞部を形成する。このとき、空洞部に第1薄膜を用いて形成した構造体が配置されるようにする。すなわち、空洞部に複数の分割錘が梁を介して懸架されるようにする。次に、所定の封止材料を堆積することにより、開口部を封止する。空洞部は開口部の存在領域の下部に形成されるので、開口部の配置を適宜設定することにより空洞部の形状を設定できる。そこで、開口部存在領域の一部に開口部の非存在領域を設けるなどとすることにより空洞部中の一部に層間絶縁膜を残して支持部(柱)とする。具体的には、層間絶縁膜中で、第1薄膜による分割錘と分割錘もしくは梁、又は梁と梁に挟まれた領域に層間絶縁膜を残すようにする。これにより、分割錘および梁を形成していない領域に支持部を形成することができる。
【0052】
層間絶縁膜の材料としては、例えばLSIの多層配線プロセスを用いて酸化シリコン膜等を用いることができる。そして、この層間絶縁膜内にタングステン膜(W)、タングステンシリサイド膜(WSi)、ポリシリコン膜等の金属または半導体材料よりなる第1薄膜に構造体たる梁および分割錘等を形成する。そして、構造体の上部に所定の開口部を有する金属薄膜(第2薄膜)を形成した後、この開口部を介して構造体周辺の層間絶縁膜を選択的にエッチング除去する。これにより、構造体の周囲に空洞部を形成する。しかる後に、第2薄膜に形成している開口部を封止する。
【0053】
空洞部を形成する際のエッチングにはHF水溶液によるウエットエッチング、ベーパーHFによる気相エッチング等を用いることができる。また、開口部の封止には、好ましくはコンフォーマルな堆積特性を有する薄膜(例えば熱CVD法による酸化シリコン膜)を用いることができる。これらの材料は、LSIを製造する製造工程において広く使用されている。したがって、本発明は、標準的なLSIの製造工程、特にLSIの製造工程の一部である標準的な配線工程を用いて、慣性センサの構造体および構造体を設置するための大面積(大体積)の空洞部を形成することができる。
【0054】
また、層間絶縁膜の代わりにポリシリコン等の金属(半導体)膜、第1薄膜に酸化シリコン膜などの絶縁膜で覆われた導体膜を用い、空洞部を形成する犠牲層(層間絶縁膜)のエッチングにXeFによる気相エッチング等を用いてもよい。また、梁や分割錘などの構造体は、配線層やポリシリコン膜、SiGe層、またはSOI基板の活性層のいずれか、または、これらの任意の組み合わせにより形成してもよい。なお、封止膜を堆積することにより、開口部を封止する際、比較的大きな寸法を有する開口パターンを設けることにより、封止膜を空洞部の内部に堆積し、これをもって蓋を支える支持部(柱)とすることもできる。
【0055】
これら慣性センサ(MEMS)は、LSI(半導体集積回路装置)と集積化することが可能である。集積化する方法としては、シリコン基板上にLSIのトランジスタを作製した後、トランジスタ上部に多層配線を形成するのと同時に、同一基板上の層間絶縁膜内に慣性センサの構造体を形成し、その後、空洞部を形成して封止することで実現できる。また、シリコン基板上に慣性センサの構造体を形成した後、同一基板上にLSIを作製し、その後、空洞部を形成して封止することでも実現できる。
【0056】
このように本実施の形態1における慣性センサの製造方法によれば、標準的なCMOSプロセスで、比較的大面積の可動構造体を、大面積の空洞中に封止実装できる。これにより、LSIまたは異種のセンサをモノリシックに混載可能となる。特に、慣性センサの機構部をLSIの配線と同時に形成できるので、LSIとの集積化が容易となる。さらに、慣性センサの機構部はLSI回路領域の上部に重ねて形成できるので、チップの小型化が可能となる。また、MEMSによる慣性センサを、プラスティックパッケージ等の通常のLSIと全く同様の実装技術により実装できる。これにより、慣性センサの小型化、高機能化あるいは低コスト化が可能となる。
【0057】
次に、本実施の形態1における慣性センサの製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。図10(a)に示すように、通常のCMOSプロセス(LSI形成プロセス)に従い、シリコン単結晶よりなる半導体基板(シリコン基板)100上に慣性センサの信号処理用のMISFET(トランジスタ)Qを形成する。そして、MISFETQを接続するプラグおよび多層配線を通常の配線工程の技術を用いて形成する。そして、多層配線のうち第4層の配線101をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して形成する。この配線101と同層で、慣性センサの固定電極102を形成する。
【0058】
続いて、配線101および固定電極102上に、例えばプラズマCVD法を用いて酸化シリコン膜よりなる層間絶縁膜(第1層間絶縁膜)103を形成する。その後、層間絶縁膜103の表面を化学的機械的研磨法(CMP;Chemical Mechanical Polishing)を用いて平坦化を行なった後、第1センサビア130を形成する。第1センサビア130は第4配線層の所定配線と、後述するセンサ第1層とを接続する。
【0059】
次に、図10(b)に示すように、センサ第1層(第1薄膜)として膜厚1μmのタングステンシリサイド(WSi)膜をスパッタリング法により形成する。その後、所定のフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術により、図1に示すようにパターニングする。これにより、慣性センサの枠106、可動電極を兼ねる複数の分割錘107および複数の分割錘107を接続する複数の梁(弾性体)108およびセンサ用配線パターンを形成する。なお、図1には明示していないが、センサ第1層の分割錘107には、適宜エッチング孔(第2エッチング孔)107aを設ける。このエッチング孔107aは層間絶縁膜(犠牲層)103をエッチングする際、例えば分割錘107下の層間絶縁膜103を除去するためのものである。
【0060】
続いて、図10(c)に示すように、センサ第1層を含む層間絶縁膜103上に、プラズマCVD法を用いて酸化シリコン膜よりなる層間絶縁膜(第2層間絶縁膜)104を堆積する。そして、層間絶縁膜104の表面をCMP法で平坦化する。ここで、必要に応じて第2センサビア(図示せず)を形成する。第2センサビアはセンサ第1層のセンサ用配線パターンと、後述するセンサ第2層とを接続する。
【0061】
次に、図11(a)に示すように、センサ第2層(第2薄膜110)として膜厚1μmのタングステンシリサイド膜をスパッタリング法により形成する。しかる後に、所定のリソグラフィ技術およびドライエッチング技術により、図4に示すようにパターニングしてエッチング孔(第1エッチング孔)111を形成する。エッチング孔111の直径およびスリットの幅はほぼ300nmとしている。次に、図11(b)に示すように、センサ第2層(第2薄膜110)に形成したエッチング孔111と(応力緩和用)スリット開口パターン(図示せず)および分割錘107に形成したエッチング孔107aを介して、層間絶縁膜(犠牲層)103,104をエッチング除去する。これにより、エッチング孔111の存在領域の下部に空洞部105を形成する。エッチング孔111を配置しない領域の下は層間絶縁膜(犠牲層)103、104がエッチングで除去されないため、図3に示すように、空洞部105中でセンサ第2層を支える層間絶縁膜(犠牲層)103,104よりなる支持部(柱)109が形成される。センサ第2層のエッチング孔111を配置しない領域は、センサ第1層の分割錘1070および梁108の形成領域を避けるように配置した。このため、支持部(柱)109が可動構造体の動きを妨げることは無い。
【0062】
ここで、本発明の特徴の1つは、複数の分割錘107および複数の梁108の形成領域に空洞部105を形成し、エッチング孔111が形成されていない領域下では層間絶縁膜103、104を残すことにより空洞部105を支える支持部109を形成することにある。つまり、第2薄膜110に形成するエッチング孔111を図4に示すように、不均一に形成する。具体的には、下部に分割錘107あるいは梁108が存在する第2薄膜にエッチング孔111を形成し、下部に分割錘107あるいは梁108が存在しない領域にはエッチング孔111を形成しない。このようにエッチング孔111を形成することにより、第2薄膜110の下部に存在する層間絶縁膜103、104をエッチング孔111からエッチングする際、分割錘107あるいは梁108が存在する領域の層間絶縁膜103、104はエッチングされ、空洞部105が形成される。このため、空洞部105において、分割錘107は梁108によって懸架される。一方、エッチング孔111を形成しない領域では、層間絶縁膜103、104の一部がエッチングされず、層間絶縁膜103、104からなる支持部109が空洞部105内に形成される。具体的に、エッチング孔111を形成しない領域は、分割錘107あるいは梁108が形成されていない領域であり、例えば、図3に示すように、分割錘107と分割錘107の間の領域、分割錘107と梁108の間の領域、梁108と梁108との間の領域などに形成される。このように、分割錘1070および梁108の形成領域を避けるように支持部109を配置したので、支持部(柱)109が可動構造体の動きを妨げることは無い。その一方で、空洞部105上に形成されている第2薄膜110よりなる蓋を支持部109で支持することができるので、空洞部105の強度を確保することができる。さらに、支持部109は空洞部105を形成する際、一部の層間絶縁膜103、104を残すことにより形成されている。すなわち、支持部109は空洞部105の形成と同時に形成することができるので、工程の簡略化を図ることができる。また、空洞部105および支持部109は通常のCMOSプロセスで使用されるエッチング技術を用いて形成されるため、LSIを形成する製造工程で慣性センサを形成することができる。
【0063】
また、本発明の1つの特徴は、分割錘107にエッチング孔107aを形成していることにある。これにより、空洞部105を形成するエッチングの際、分割錘107の下部に存在する層間絶縁膜103を充分に除去することができる。つまり、空洞部105は、分割錘107の上部にあるエッチング孔111から層間絶縁膜103、104をエッチングすることにより形成される。このため、分割錘107にエッチング孔107aが形成されていないと、分割錘107の下部にある層間絶縁膜103のエッチングは困難となる。そこで、本実施の形態1では、分割錘107に複数のエッチング孔107aを形成している。これにより、分割錘107に形成されているエッチング孔107aの内部をエッチング液が通過することができるので、分割錘107の下部にある層間絶縁膜103を充分に除去することができるのである。
【0064】
次に、例えば、熱CVD法によりセンサ第2層(第2薄膜110)上に酸化シリコン膜112を堆積する。これにより、エッチング孔111とスリット開口パターン(図示せず)の封止を行なう。さらに、酸化シリコン膜112上に窒化シリコン膜によるパッシベーション膜を堆積する(図示せず)。スリット開口パターンの幅は、第4層配線層とセンサ第1層との間のギャップおよびセンサ第1層とセンサ第2層との間のギャップより小さいので、熱CVD法による酸化シリコン膜112は、センサ第1層の表面および第2層のエッチング孔111およびスリットの側壁を含む表面にほぼ均一に堆積する。そして、エッチング孔111およびスリットが塞がった後は、センサ第2層の表面のみに堆積する。さらに、図11(c)に示すように、必要に応じて、第4層の配線101で形成した配線パッド上にパッド用開口部131を形成する。このようにして本実施の形態1における慣性センサを製造することができる。
【0065】
このように本実施の形態1における慣性センサの製造方法によれば、標準的なCMOSプロセスで、比較的大面積の可動構造体を、大面積の空洞中に封止実装できる。これにより、LSIまたは異種のセンサをモノリシックに混載可能となる。特に、慣性センサの機構部をLSIの配線と同時に形成できるので、LSIとの集積化が容易となる。さらに、慣性センサの機構部はLSI回路領域の上部に重ねて形成できるので、チップの小型化が可能となる。また、MEMSによる慣性センサを、プラスティックパッケージ等の通常のLSIと全く同様の実装技術により実装できる。これにより、慣性センサの小型化、高機能化あるいは低コスト化が可能となる。
【0066】
上述した説明では、センサ第1層上の層間絶縁膜104の平坦化をCMP法で行なったが、例えば、プラズマCVD法により酸化シリコン膜をコンフォーマルに堆積し、全面をエッチングすることにより分割錘107および梁108の周囲にいわゆるサイドウォールを形成し、さらに酸化シリコン膜を堆積することにより分割錘107および梁108の輪郭部における段差を緩和してもよい。
【0067】
また、センサ第1層の主要部における最大スリット幅(パターン幅)を、センサ第1層とセンサ第2層との間の層間絶縁膜104の膜厚に比べて十分に小さくする(少なくとも同程度以下とする)ことにより、層間絶縁膜104の表面の凹凸を抑制してもよい。
【0068】
センサ第1層あるいはセンサ第2層の材料としては他の材料、例えばタングステン(W)膜を用いてもよい。タングステン膜あるいはタングステンシリサイド膜の利点は、フッ酸によるエッチングにより空洞部105を形成する際、層間絶縁膜103、104とのエッチング選択比を十分に確保できる点にある。これらの膜の膜厚は上述した説明で示す値に限定しない。また、空洞部105を形成する際、層間絶縁膜103、104のエッチングがおこなわれるが、このエッチングにベーパーHFを用いる場合には、センサ第1層あるいはセンサ第2層の材料としてアルミニウム膜を用いてもよい。
【0069】
空洞部105を形成するためのエッチング孔111と応力緩和用スリット開口パターンは、通常のi線露光により形成したが、いわゆる公知のホール縮小プロセスを適用してもよい。また、タングステンシリサイド膜はレジストパターンをマスクとした通常のドライエッチングにより加工するが、必要に応じていわゆる酸化シリコン膜によるハードマスクプロセスを用いてもよい。
【0070】
層間絶縁膜(犠牲層)103、104のエッチングは、エッチング後に行なわれる乾燥工程において、空洞部105内に残存する液体の毛管力による封止膜の張り付きあるいは破壊を防止するため、ベイパーフッ酸による気相エッチングを用いている。ただし、空洞部105のギャップ量によっては通常の液相によるフッ酸を用いてもよい。
【0071】
タングステンシリサイド膜のエッチング速度は非常に小さいため、分割錘107および梁108のパターンは空洞部105内に残る。また、空洞部105の下部領域にはTiN膜を有する第4層配線が一面に形成されており、TiN膜のエッチング速度も非常に小さいため、空洞部105の下面が規定される。センサ第1層の分割錘107および梁108の上下にある層間絶縁膜103、104はほぼ同時に除去されるため、分割錘107は空洞部105の側面に固定された梁108により空洞部105中に懸架された状態となる。梁108は弾性変形するため、分割錘107および梁108の残留応力を吸収して変形するため、分割錘107および梁108の応力は極めて低く、分割錘107および梁108を構成する膜が上下に変形するようなことはない。
【0072】
センサ第2層で形成するエッチング孔111のパターンは、図4に示したものに限らず、様々な形状とすることができる。例えば、図12のような形としてもよい。図12では各分割錘の上部に微細なエッチング孔132を配置するとともに、各分割錘を接続する梁の上部に複数の細長いスリット133を設けている。各分割錘の中心を結ぶ対角線(±45度方向)の交点部上には、エッチング孔132およびスリット133がともに存在しないので、この領域の層間絶縁膜(犠牲膜)はエッチング除去されず、図13に示すように、分割錘107および梁108がともに存在しない領域に空洞蓋の支持部(支柱)134が形成される。センサ第2層(空洞蓋)は支持部(支柱)134で固定されるが、センサ第2層の残存応力は、スリット133により作られる梁の変形により吸収されるため、センサ第2層の膜内部応力による凹凸形状の発生や破壊が抑制される。スリット133の幅はエッチング孔132とほぼ同程度なので、エッチング孔132の封止と同時にスリット133は自動的に封止される。
【0073】
なお、分割錘を支える梁の形状は空洞部の付根部分においては十分に太く、分割錘に加速度が加えられても弾性変形しにくいように設計されている。一方、梁の中央部は付根部分にくらべて幅が狭く、所定の加速度が加わることにより所望の弾性変形を生じるように設計されている。従って、機械特性はセンサ第1層の平面パターン形状と膜厚のみで決まり、空洞部の寸法形状には依存しない。即ち、空洞部の寸法形状はいわゆる犠牲層のエッチング精度で決まり、その精度は低いが、本実施の形態1における慣性センサの機械特性に影響することはない。梁の平面的形状は図1の形に限定しない。例えば、図14に示すような梁135の形状にすることもできる。この場合、空洞部105を支持する支持部(支柱)136は、例えば、図15に示したように配置することができる。すなわち、支持部136を梁135と分割錘107との間に配置することができる。支持部(支柱)136の配置はセンサ第2層に設けるエッチング孔の配置により設定できる。
【0074】
また、図11(c)に示すように、空洞部105の下部全面に設けた最上層(第4)配線層パターンは、慣性センサと最上層配線層下に形成されているLSIとの間の電気的シールドとして機能する。慣性センサの配置領域下にLSI(回路)を配置しない場合には、電気的シールドの機能は必ずしも必要ではない。空洞部105を形成する際のエッチングにおいて、エッチングストッパは、例えば半導体基板(シリコン基板)100そのものを用いてもよい。センサ第2層についても、接地接続することによりセンサを外界から電気的磁気的保護するためのシールドとして機能する。
【0075】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による1軸加速度(もしくは振動)センサ(慣性センサ)について、図面を参照しながら説明する。図16は、本実施の形態2における1軸加速度(もしくは振動)センサの、可動構造体(センサ第1層)の平面的配置を示す模式図である。図17は、本実施の形態2における1軸加速度センサの動作を説明するための断面模式図である。本実施の形態2における1軸加速度センサも、前記実施の形態1と同様の製造工程により作製している。
【0076】
センサ第1層に形成されている分割錘202は、図16に示すように、4つの台形状の形状をしている。この分割錘202は空洞部201の内部に形成され、分割錘202が互いに梁203で接続されている。各分割錘202は空洞部201の枠200に、やはりセンサ第1層により形成される梁204を介して固定されている。したがって、各分割錘202は、梁203および梁204によって空洞部201内に懸架されている。空洞部201の中心部には、支持部205が設けられている。なお、空洞部201の下部には固定された下部電極206が形成され、空洞部201の上部には固定された上部電極207が配置されている。本実施の形態2における1軸加速度センサでは、上部電極207と下部電極206を形成している例を示しているが、どちらか一方が設けられていればよい。下部電極206と分割錘202で容量素子Caが形成され、上部電極207と分割錘202で容量素子Cbが形成されている。
【0077】
次に、本実施の形態2における1軸加速度センサの動作について説明する。図17(a)は加速度が印加されない場合の1軸加速度センサの断面図である。図17では簡単のため空洞部201およびセンサ第1層のみを示している。センサ第1層には、分割錘202および梁204が形成されており、分割錘202は梁204によって空洞部201内に懸架されている。
【0078】
紙面の上方向に加速度が印加されると、図17(b)に示すように、各分割錘202が傾く。これは、主に梁204のねじれによるものである。つまり、加速度が小さいうちは、梁204のねじれ(ねじれモード)によって各分割錘202が変位する。この変位によるセンサ第1層(分割錘202)と下部電極206と間の容量変化を容量素子Caで、センサ第1層(分割錘202)と上部電極207との間の容量変化を容量素子Cbで検知して加速度信号とする。比較的小さな加速度により分割錘202および梁204に微小なねじれが生じ、これによる微小な分割錘202の角度変化が大きな容量変化を実現する。
【0079】
さらに加速度が増大すると、図17(c)に示すように、各分割錘202の中心側の1辺が空洞部201の底に接触するとともに、空洞部201を囲む枠200と分割錘202を結ぶ梁204の曲げ変形(曲げモード)により分割錘202全体が下方へ変位する。曲げ変形のばね剛性は強いので、分割錘202全体を下方へ変位させるためには大きな加速度が必要となる。すなわち、曲げ変形による分割錘202の変位は大きな加速度領域で顕在化する。つまり、小さな加速度領域では、ねじれモードによる変位が主となり、ねじれモードによる変位が飽和する程度の大きな加速度領域では、曲げモードによる変位は主になる。
【0080】
なお、図面には示されていないが、可動電極として機能する分割錘202の表面は絶縁膜により覆われており、分割錘202が下部電極206(又は上部電極207)と接触しても電極間が短絡することはないようになっている。
【0081】
図18に本実施の形態2における1軸加速度センサの加速度−容量変化特性を示す。図18において、横軸が印加される加速度の大きさを示しており、縦軸が分割錘202と下部電極206(または分割錘202と上部電極207)の容量変化を示している。図18に示すように、加速度が小さい範囲では容量変化が大きく高感度になっているとともに、加速度の広い範囲にわたって容量変化が生じていることがわかる。これは、次のように解釈することができる。すなわち、加速度が小さい範囲では分割錘202および梁204のねじれにより分割錘202が変位して容量変化が生じる。分割錘202および梁204のねじれによる変位は加速度に対して敏感であり、大きな容量変化が生じる。そして、加速度の大きさが大きくなるとねじれモードによる変位は飽和するが、続いて、剛性の強い曲げ変形が加速度によって生じる。この曲げ変形のばね剛性は強いので、分割錘202全体を下方へ変位させるためには大きな加速度が必要となる。したがって、加速度の広い範囲にわたって変位することができる。このように各分割錘202の1辺が空洞部201の底に接触するまでの低加速度領域で高感度であり、その後広い加速度領域にわたり一定レベル以上の感度が実現されていることがわかる。
【0082】
矩形形状の分割錘202同士を結ぶ梁203の剛性を、周囲(枠200)と固定する梁204の剛性より弱く設定してもよい。また、分割錘202の構成は図16に示したものに限定せず、例えば、図19に示すように様々な変形が可能である。図19に示すように、固定された枠200に梁210を介して分割錘211が接続され、各分割錘211は梁210で接続されている。このとき、分割錘211の形状はコの字形状をしている。このように構成した1軸加速度センサにおいても本実施の形態2における1軸加速度センサと同様の効果を得ることができる。
【0083】
本実施の形態2における1軸加速度(もしくは振動)センサを圧力センおよび信号処理用LSIとモノリシックに集積化して、集積化センサチップを作製した。作製した集積化センサチップのセンサ機構部の断面模式図を図20に示す。図20において、圧力センサ212はセンサ第1層を下部電極、センサ第2層を上部電極とし、両者の間に空洞を形成して、外部圧力による上部電極を含むセンサ第2層の凹凸変形を容量検知することにより圧力計測する。この圧力センサ212と同一の半導体基板上には1軸加速度センサ213が設けられている。このように構成することにより、圧力センサ212で周囲の圧力を検出することができるとともに、1軸加速度センサ213で印加された加速度を検出することができる。
【0084】
この圧力センサ212と1軸加速度センサ213とを集積化して集積化センサチップをタイヤ空気圧モニタリングシステムに適用することができる。このタイヤ空気圧モニタリングシステムによれば、本実施の形態2における1軸加速度(もしくは振動)センサ213でタイヤの回転により集積化センサチップに働く遠心力を検知する。集積化センサチップは遠心力が一定のしきい値以上の場合、車体は走行状態にあると認識し、それ以外の場合は(実質的に)停止状態と認識する。走行/停止状態により圧力センサ212の動作を制御する。具体的には、車両が走行状態にある場合、圧力センサ212による圧力および温度計測結果の送信頻度を上げ、それ以外の停止状態にある場合、送信頻度を最小限度に抑える。これにより、集積化センサチップの平均消費電力を抑えることができる。車両側で検出される送信頻度から判定される走行/停止状態が、車体側の別手段(例えば車輪速センサ)により判断される状態と矛盾した場合、集積化センサチップの故障の恐れがあるので、運転者に警告を発する。このようにして、本実施の形態2における1軸加速度センサ213をタイヤ空気圧モニタリングシステムに適用することができる。
【0085】
(実施の形態3)
本発明は、半導体基板の主面に平行な方向の加速度を検知するセンサにも適用可能である。本実施の形態3では、X軸方向の加速度を検出する加速度センサ(慣性センサ)に適用する例について図21および図22を参照しながら説明する。
【0086】
図21は、本実施の形態3による1軸加速度センサにおいて、可動構造体の平面的配置を示す模式図である。図21は、本実施の形態3による1軸加速度センサの動作を説明するための模式図である。センサ第1層により形成される錘は、図21に示すように、X軸方向に並んで配置された5つの分割錘301〜305から構成されている。この分割錘301〜305は互いに梁で接続され、その両端の分割錘301および分割錘305は空洞部306の周囲を囲む枠300に、やはり分割錘と同一層により形成される梁を介して固定されている。分割錘301と分割錘305は十分な剛性をもった梁307で接続されている。分割錘301と分割錘302とは梁308によって接続されており、分割錘304と分割錘305も梁308によって接続されている。さらに、分割錘302と分割錘303、分割錘303と分割錘304とは梁309によって接続されている。なお、分割錘301〜305のそれぞれの内部には固定電極310が配置されている。また、分割錘301〜305のそれぞれには、突起部311が形成されている。
【0087】
次に、図22を参照しながら、本実施の形態3における1軸加速度センサの動作について説明する。図22(a)に模式的に示す各分割錘301〜305は、X軸方向に加速度が印加されるとX軸方向に変位し、この変位は、半導体基板に固定された固定電極310(図22では図示せず。図21参照)と各分割錘301〜305の間の容量変化として検知される。固定電極310は各分割錘301〜305の内部に配置される。
【0088】
ここで、分割錘301と分割錘302(または分割錘304と分割錘305)を接続する梁308の剛性は、分割錘302と分割錘303(または分割錘303と分割錘304)を接続する梁309の剛性より強く設定されている。枠300と分割錘301または枠300と分割錘305を接続する梁307の剛性は、分割錘301と分割錘302(または分割錘304と分割錘305)を接続する梁308の剛性より強く設定されている。つまり、内側ほど剛性の弱い梁で接続されていることになる。
【0089】
まず、比較的小さな加速度が印加されると、一番剛性の弱い梁309で接続されている分割錘303がX軸方向に変位する。続いて、加速度が増大すると分割錘303の変位が増大し、図22(b)に示すように、分割錘303は分割錘304と接触し、分割錘302、分割錘303および分割錘304は一体として機能する。さらに、加速度が増大すると、図22(c)に示すように、分割錘304は分割錘305と接触し、全ての分割錘301〜305は一体として機能する。これにより、広い加速度領域に対して高い感度を得ることができる。分割錘301〜305同士は各分割錘301〜305(梁の付け根部分)に設けられた平面的な突起部(ストッパ)311で接触する。
【0090】
このように、比較的小さな加速度では分割錘303による変位によって加速度を検出し、加速度が大きくなり分割錘303の変位が飽和すると、分割錘302〜304が一体となって変位する。これにより、大きな加速度も検出することができる。さらに、加速度が大きくなると、分割錘301〜305が一体として変位する。このように、加速度領域に対応して変位する錘の質量が異なるように構成することができるので、広い加速度領域に対して高い感度を得ることができる。すなわち、加速度の検出感度と広いダイナミックレンジを確保することができる。
【0091】
図23に示すように、1軸加速度センサを同一基板内で90度回転して配置して同時に形成することにより、2軸加速度センサを構成できる。すなわち、加速度センサ320と加速度センサ321を同一基板に形成することにより、2軸加速度センサを形成することができる。このとき、加速度センサ320がX軸方向の加速度を検出し、加速度センサ321がY軸方向の加速度を検出するようになっている。
【0092】
また、図24に示すような入れ子状の配置または前記実施の形態1の図1と同様の配置により、2軸加速度を構成してもよい。例えば、図24に示す構成では、枠322の内部に形成された空洞部に枠状の分割錘324が梁323を介してX軸方向およびY軸方向に変位できるように接続されている。そして、枠状の分割錘324の内部には、梁325を介して、枠状の分割錘326が形成されており、この分割錘326の内部に正方形状の分割錘328が梁327を介して接続されている。それぞれの分割錘324、326、328はX軸方向およびY軸方向に変位できるようになっている。この場合、X軸方向とY軸方向の両方向で分割錘を共有できるため面積の利用効率が向上するという利点がある。但し、この場合、内側の分割錘が特定方向に変位することにより外側の分割錘に接触すると、特定方向と垂直な方向に対しても固定されてしまうため、大きな加速度が印加された場合にも接触が生じないようにすることが好ましい。さらに、これらの1軸加速度センサまたは2軸加速度センサにおいて、上下電極との容量変化を同時に検知することにより2軸加速度センサまたは3軸加速度センサを構成することもできる。
【0093】
また、1軸加速度センサを図25(a)に示すような構成としてもよい。図25(a)の構成では、2個の分割錘332と分割錘336が梁338を介して接続されるとともに梁331あるいは梁335を介して枠(または基板)330、334に固定されている。分割錘332および分割錘336は枠形状をしており、内部に固定電極333あるいは固定電極337が形成されている。
【0094】
このように構成された1軸加速度センサの動作について説明する。小さな加速度領域では図25(b)に示すように、曲げモードの変形が生じる。そして、さらに加速度が増加すると、曲げモードの変形は飽和して、梁331、335の伸縮により図25(c)の変形が生じる。どちらの変形も、基板に固定して設けられた固定電極333、337と分割錘332、336の間の容量変化により検知される。この構成を有する1軸加速度センサにおいても、加速度に対する感度領域の異なる複数の変形モードを利用することで、低加速度領域における高い感度と、大加速度領域までの広い検出範囲の両立が可能である。
【0095】
本発明のうち、慣性センサの錘と梁の構成に関する部分に関しては、作製プロセスは特に限定しない。ここでは本実施の形態3による加速度センサも、前記実施の形態1と同様の製造工程により作製することができるが、例えば、分割錘および梁よりなる可動構造体は、ポリシリコン膜やSOI基板の活性層等を用いて作製する等、各種のマイクロ構造体作製法を適用することができる。
【0096】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明による慣性センサの利用分野は、自動車、携帯用機器、アミューズメント機器、無線機器、情報家電、コンピューター等、極めて多岐にわたる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態1による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置を示す平面図である。
【図2】図1のA−A´線で切断した断面を示す断面図である。
【図3】実施の形態1による慣性センサにおいて、空洞部内に配置される支持部の平面配置を示す平面図である。
【図4】実施の形態1による慣性センサにおいて、空洞部を覆う蓋に設けられているエッチング孔の配置パターンを示す平面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の原理を説明する模式図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の特性を示す特性図である。
【図7】(a)、(b)は本発明の変形モードを説明する模式図である。
【図8】(a)、(b)は実施の形態1による慣性センサの動作を説明する断面模式図である。
【図9】実施の形態1による慣性センサの信号検出回路の構成を示すブロック図である。
【図10】(a)は実施の形態による慣性センサの製造工程を示す断面図であり、(b)は(a)に続く慣性センサの製造工程を示す断面図であり、(c)は(b)に続く慣性センサの製造工程を示す断面図である。
【図11】(a)は図10(c)に続く慣性センサの製造工程を示す断面図であり、(b)は(a)に続く慣性センサの製造工程を示す断面図であり、(c)は(b)に続く慣性センサの製造工程を示す断面図である。
【図12】実施の形態1による慣性センサにおいて、空洞部を覆う蓋に設けられているエッチング孔の配置パターンの変形例を示す平面図である。
【図13】実施の形態1による慣性センサにおいて、空洞部内に配置される支持部の平面配置の変形例を示す平面図である。
【図14】実施の形態1による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置の変形例を示す平面図である。
【図15】実施の形態1による慣性センサにおいて、空洞部内に配置される支持部の平面配置の変形例を示す平面図である。
【図16】実施の形態2による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置を示す平面図である。
【図17】(a)〜(c)は、実施の形態2による慣性センサの動作を説明する断面模式図である。
【図18】実施の形態2による慣性センサにおいて、加速度と容量変化との関係を示すグラフである。
【図19】実施の形態2による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置の変形例を示す平面図である。
【図20】実施の形態2による慣性センサと圧力センサとを同一基板上に形成した様子を示す断面図である。
【図21】実施の形態3による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置を示す平面図である。
【図22】実施の形態3による慣性センサの動作を説明する模式図である。
【図23】実施の形態3による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置の変形例を示す平面図である。
【図24】実施の形態3による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置の変形例を示す平面図である。
【図25】(a)は実施の形態3による慣性センサにおいて、可動構造体の平面配置の変形例を示す平面図であり、(b)、(c)はその動作を説明する平面図である。
【符号の説明】
【0099】
100 半導体基板
101 配線
102 固定電極
103 層間絶縁膜
104 層間絶縁膜
105 空洞部
106 枠
107 分割錘
107a エッチング孔
108 梁
109 支持部
110 第2薄膜
111 エッチング孔
112 酸化シリコン膜
113 上部電極
120 慣性センサ
121 CV変換回路
122 オペアンプ
123 AD変換回路
124 マイクロプロセッサ
125 不揮発性メモリ
126 出力用インターフェース回路
130 第1センサビア
131 パッド用開口部
132 エッチング孔
133 スリット
134 支持部
135 梁
136 支持部
200 枠
201 空洞部
202 分割錘
203 梁
204 梁
205 支持部
206 下部電極
207 上部電極
210 梁
211 分割錘
212 圧力センサ
213 1軸加速度センサ
300 枠
301 分割錘
302 分割錘
303 分割錘
304 分割錘
305 分割錘
306 空洞部
307 梁
308 梁
309 梁
310 固定電極
311 突起部
320 加速度センサ
321 加速度センサ
322 枠
323 梁
324 分割錘
325 梁
326 分割錘
327 梁
328 分割錘
330 枠
331 梁
332 分割錘
333 固定電極
334 枠
335 梁
336 分割錘
337 固定電極
338 梁
Q MISFET
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和


【公開番号】 特開2008−8820(P2008−8820A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181056(P2006−181056)