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【発明の名称】 炭素濃度分布測定方法およびこれを用いた浸炭部材の製造方法
【発明者】 【氏名】森田 敏之
【氏名】佐藤 健二郎
【課題】非破壊検査により浸炭後の鋼の炭素濃度分布を簡便に求めることができる炭素濃度分布測定方法およびこれを用いた浸炭部材の製造方法を提供すること。

【構成】浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表した回帰曲線を仮定し、この回帰曲線の炭素濃度軸方向を(Q−P)倍してPを加えるとともに、この回帰曲線の深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍して、浸炭後の鋼の炭素濃度分布を求める測定方法とする。但し、Q:浸炭後の鋼の表面炭素濃度(wt%)、P:浸炭前の鋼の表面炭素濃度(wt%)、B:浸炭後の鋼の重量(g)、A:浸炭前の鋼の重量(g)、ρ:鋼の密度(g/m)、S:鋼の表面積(m)。また、前記測定方法を用いて、一定炭素濃度となる表面からの深さを求め、浸炭部材を非破壊検査する検査工程を有する製造方法とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸炭後の鋼の表面からの深さと、その深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表した回帰曲線を仮定し、
前記回帰曲線の炭素濃度軸方向を(Q−P)倍してPを加えるとともに、
前記回帰曲線の深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍し、浸炭後の鋼の炭素濃度分布を求めることを特徴とする炭素濃度分布測定方法。
但し、
Q:浸炭後の鋼の表面炭素濃度(wt%)
P:浸炭前の鋼の表面炭素濃度(wt%)
B:浸炭後の鋼の重量(g)
A:浸炭前の鋼の重量(g)
ρ:鋼の密度(g/m
S:鋼の表面積(m
【請求項2】
前記回帰曲線は、近似した指数減少関数であることを特徴とする請求項1に記載の炭素濃度分布測定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の測定方法を用いて、一定炭素濃度となる表面からの深さを求め、浸炭部材を非破壊検査する検査工程を有することを特徴とする浸炭部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素濃度分布測定方法およびこれを用いた浸炭部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、鋼を高強度化するために、鋼の浸炭処理が広く行なわれている。このような浸炭鋼では、品質を一定に保つために、浸炭工程における炭素濃度分布を管理することが重要となっている。そのため、浸炭後の鋼表面からその深さ方向への炭素濃度の分布を求めている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、浸炭鋼の断面を切り出し、EPMAを用いて各深さにおける炭素濃度を各々測定することにより、浸炭鋼の炭素濃度分布を測定する方法が開示されている。
【0004】
また、非特許文献2には、浸炭鋼の表面を削って一定深さ毎の切粉を各々採取し、これを化学分析することにより、浸炭鋼の炭素濃度分布を測定する方法が開示されている。
【0005】
【非特許文献1】加藤万規男、狩野隆、「高濃度浸炭鋼のショットピーニング処理後の残留応力分布に及ぼす浸炭層硬さおよび炭化物の影響」、電気製鋼、電気製鋼研究会、2006年2月、第77巻、第1号、p.67−77
【非特許文献2】神原進、他4名、「浸炭処理鋼の炭素濃度分布の推定」、熱処理、日本熱処理技術協会、1983年12月、第23巻、第6号、p.337−341
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記するどちらの方法も、試料作製に多くの時間や工数が必要であり、鋼材を破壊しなければ検査できないため、浸炭後の鋼の炭素濃度分布を簡便に求めることができないという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、非破壊検査により浸炭後の鋼の炭素濃度分布を簡便に求めることができる炭素濃度分布測定方法およびこれを用いた浸炭部材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る炭素濃度分布測定方法は、浸炭後の鋼の表面からの深さと、その深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表した回帰曲線を仮定し、前記回帰曲線の炭素濃度軸方向を(Q−P)倍してPを加えるとともに、前記回帰曲線の深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍し、浸炭後の鋼の炭素濃度分布を求めることを要旨とする。
但し、
Q:浸炭後の鋼の表面炭素濃度(wt%)
P:浸炭前の鋼の表面炭素濃度(wt%)
B:浸炭後の鋼の重量(g)
A:浸炭前の鋼の重量(g)
ρ:鋼の密度(g/m
S:鋼の表面積(m
【0009】
この場合、前記回帰曲線は、近似した減少指数関数であることが好ましい。
【0010】
一方、本発明に係る浸炭部材の製造方法は、上記測定方法を用いて、一定炭素濃度となる表面からの深さを求め、浸炭後の鋼を非破壊検査する検査工程を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る炭素濃度分布測定方法によれば、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表した回帰曲線を仮定して、浸炭前後の鋼の重量と、鋼の表面積と、浸炭前後の鋼の表面炭素濃度とから、浸炭後の鋼の表面からその深さ方向への炭素濃度分布が求まる。そのため、非破壊検査により炭素濃度分布を簡便に求めることができる。
【0012】
この場合、前記回帰曲線が、近似した減少指数関数であれば、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係が適正に表される。
【0013】
一方、本発明に係る浸炭部材の製造方法は、上記測定方法を用いて、一定炭素濃度となる表面からの深さを求め、浸炭後の鋼を非破壊検査する検査工程を有するので、品質検査が簡便になり、品質の安定した浸炭部材の生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の一実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る炭素濃度分布測定方法(以下、本測定方法ということがある。)は、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表した回帰曲線を仮定し、この回帰曲線の炭素濃度軸方向を(Q−P)倍してPを加え、深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍して、浸炭後の鋼の炭素濃度分布を求めるものである。
【0016】
これまで、浸炭後の鋼の断面を切り出してEPMAによりその断面の炭素濃度測定をしたり、浸炭後の鋼の表面を少しずつ削って表面から一定深さの切粉を採取して化学分析をしたりするなどの破壊検査により、浸炭後の鋼の表面からその深さ方向への炭素濃度分布を求めている。
【0017】
これまでに上記破壊検査により求めた炭素濃度分布は浸炭条件の異なる浸炭後の鋼の場合もあるが、これらをそれぞれ浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度または硬さなど炭素濃度と相関のある物性との関係にしたグラフに表すと、一定の傾向があることが分かっている。つまり、これまでに上記破壊検査により求めた炭素濃度分布により、炭素濃度分布曲線の形状が指数減少的であることが分かっている。
【0018】
そして、上記破壊検査により求めた炭素濃度分布を示す複数のグラフをそれぞれ無次元化して表すと、これらの複数のグラフは、ほとんど同じ形状、大きさのグラフに帰着することが分かった。
【0019】
そこで、本測定方法では、経験的に、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表した回帰曲線を仮定する。
【0020】
上記回帰曲線を仮定するために無次元化する方法は、自由に定めることができる。例えば、炭素濃度を表面炭素濃度との比で表して炭素濃度軸を無次元化し、深さを任意の深さとの比で表して深さ軸を無次元化すると良い。
【0021】
炭素濃度軸を表面炭素濃度との比で無次元化すると、炭素濃度の最大値は1となり、最小値は0となる。これに対し、深さ軸は、例えば、両軸(炭素濃度軸と深さ軸)を無次元化して得られる曲線と両軸で囲まれる部分の面積が1になるように深さ軸を無次元化することが好ましい。
【0022】
図1に、仮定した回帰曲線の一例を示す。この回帰曲線は、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係を無次元化して表している。y軸は炭素濃度軸であり、炭素濃度を表面炭素濃度との比で表している。一方、x軸は深さ軸であり、両軸を無次元化して得られる曲線と両軸で囲まれる部分の面積が1になるように深さを任意の深さとの比とした後密度を乗じて表している。
【0023】
図1に示す回帰曲線を指数減少関数で近似すると、以下のような近似式が得られ、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係が適正に表される。
【0024】
(式1)
y=exp(−C×x
但し、C、Dは定数
【0025】
本測定方法は、上記のように仮定した回帰曲線に基づいて、未知の炭素濃度分布を有する浸炭後の鋼の炭素濃度分布を測定する。その方法を以下に述べる。
【0026】
まず、上記回帰曲線の炭素濃度軸方向を(Q−P)倍してPを加え、深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍する。なお、Q〜Sは、以下に示す。
【0027】
Q:浸炭後の鋼の表面炭素濃度(wt%)
P:浸炭前の鋼の表面炭素濃度(wt%)
B:浸炭後の鋼の重量(g)
A:浸炭前の鋼の重量(g)
ρ:鋼の密度(g/m
S:鋼の表面積(m
【0028】
深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍するのは、上記回帰曲線で無次元となっている深さ軸方向を深さ(長さ)の単位にするためである。
【0029】
A、Bは、それぞれ鋼の重量であり、B−Aは、浸炭による鋼の重量増加であるから、A、B、B−Aの単位は(g)である。Sは、鋼の表面積を表しており、単位は(m)である。P,Qはそれぞれ鋼の表面炭素濃度であり、Q−Pは浸炭による鋼の表面炭素濃度の増加であるから、P、Q、Q−Pの単位は(g/g)である。ρは、鋼の密度を表しており、単位は(g/m)である。
【0030】
よって、深さ軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍すれば、[g]/{[g/m][m][g/g]}=[m]となり、深さ軸は深さ(長さ)の単位となる。
【0031】
一方、炭素濃度軸方向を(Q−P)倍するのは、炭素濃度軸方向を重量濃度(wt%=g/g)の単位にするためであり、(Q−P)倍に縮尺してPを加えるのは、浸炭後の表面炭素濃度を最大とし、浸炭前の表面炭素濃度を最小とするためである。
【0032】
以上により、深さ軸が深さ(m)の単位となり、炭素濃度軸が重量濃度(wt%=g/g)となる炭素濃度分布曲線を得ることができる。つまり、本測定方法では、上記パラメータA〜Pを測定すれば、浸炭後の鋼の炭素濃度分布を求めることができる。
【0033】
ここで、上記パラメータA〜Pの測定は、次のようにして行なう。すなわち、鋼の浸炭前に、浸炭前の鋼の重量A(g)と、鋼の表面積S(m)と、浸炭前の鋼の表面炭素濃度P(wt%=g/g)とを測定し、浸炭後に、浸炭後の鋼の重量B(g)と、浸炭後の鋼の表面炭素濃度Q(wt%=g/g)とを測定する。なお、ρは、鋼の密度であり、定数である。
【0034】
表面炭素濃度は、発光分光分析法や蛍光X線分光法により測定することができる。発光分光分析法は、鋼材と対電極との間の放電によって鋼材表面を励起させて発光させ、これを分光器で分光して、目的の特定元素(炭素など)の波長スペクトルの強度を測定して、各元素の定性および定量分析を行なうものである。また、蛍光X線分光法は、鋼材表面にX線を照射して発生した蛍光X線を分光器で分光して、目的の特定元素(炭素など)の波長スペクトルの強度を測定して、各元素の定性および定量分析を行なうものである。
【0035】
いずれの分析方法も、鋼の表面のみを分析する方法なので、鋼の断面切り出しや表面切削などを必要とせず、鋼を破壊して分析するものではない。よって、例えば浸炭された鋼の製造ラインで流れる流れ材に対して定性および定量分析をすることが可能である。また、従来のように、EPMAを用いて行なうものではないので、分析費用はそれほど高価にはならない。
【0036】
次に、本発明に係る浸炭部材の製造方法(以下、本製造方法ということがある。)について説明する。本製造方法は、本測定方法を用いて、一定炭素濃度となる表面からの深さを求め、浸炭後の鋼を非破壊検査する検査工程を有している。
【0037】
本製造方法においては、鋼を浸炭処理して浸炭部材を製造する。本製造方法に用いられる鋼は、例えばSCr420、SCM420、SNCM220、SNCM420などの鋼種を例示することができる。
【0038】
浸炭方法としては、ガス浸炭や、真空浸炭、プラズマ浸炭などの通常行なわれる方法を用いることができる。ガス浸炭は、天然ガス、プロパン、ブタン、アセチレンなどの炭化水素ガスを変成してCOを主体とする浸炭性ガスを作り、これによって鋼に浸炭を行なう。真空浸炭は、ガス浸炭の一種であり、浸炭処理を減圧下で浸炭ガスの変成を行なわず、直接炭化水素ガスを炉内に導入して行なう。
【0039】
浸炭は鋼の表面に炭素を拡散浸透させるものであり、上記浸炭方法において、浸炭温度・浸炭時間・拡散時間を適宜設定して浸炭処理を行なう。
【0040】
本製造方法により製造される浸炭部材は、一定の規格にあるものが良い。一定の規格に合致しているか判断するために、表面炭素濃度および一定炭素濃度となる表面からの深さを評価する。
【0041】
表面炭素濃度は、0.6〜0.9%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、0.7〜0.8%の範囲である。表面炭素濃度が0.6%未満では表面硬さが低く、0.9%超では粒界に沿った炭化物が生成し、強度が低下するからである。
【0042】
一方、一定炭素濃度となる表面からの深さは、本測定方法を用いて求める。なお、本測定方法は上記した通りであるから、ここでは説明を割愛する。
【0043】
一定炭素濃度は、特に限定されるものではないが、表面炭素濃度が0.6〜0.9%の範囲にある浸炭部材について評価するので、例えば0.35%炭素濃度とするのが好ましい。このとき、0.35%炭素濃度となる表面からの深さは、0.5〜0.8mmの範囲にあることが好ましい。浸炭深さが十分深くなるので、例えば、高い面圧がかかるギアなどに適用できるからである。
【0044】
本製造方法によれば、非破壊検査により浸炭後の鋼の炭素濃度分布を簡便に求めることができるので、品質検査が簡便になり、品質の安定した浸炭部材の生産性が向上する。
【0045】
以下、実施例で、本測定方法により、従来のEPMAを用いた炭素濃度分布測定方法と同等の精度で炭素濃度分布が求められることを確認する。
【実施例】
【0046】
但し、
Q:浸炭後の鋼の表面炭素濃度(wt%)
P:浸炭前の鋼の表面炭素濃度(wt%)
B:浸炭後の鋼の重量(g)
A:浸炭前の鋼の重量(g)
ρ:鋼の密度(g/m
S:鋼の表面積(m
である。
【0047】
(実施例1−9)
まず、図1に示す回帰曲線を、以下の(式2)のように近似した。
【0048】
(式2)
y=exp(−10766×x2.2
【0049】
次いで、JIS SCr420に規定される鋼種で作製したギアの浸炭処理前に、表面積S(m)、重量A(g)、炭素濃度P(wt%)をそれぞれ測定し、真空浸炭処理した。真空浸炭処理は、炉内を10Paに減圧し、炉内温度が950℃で一定になった後、炉内圧を1500Paに保ちながら30分間アセチレンガスを供給し、その後、アセチレンガスの供給を停止して90分間保持することで行なった。室温まで冷却した後、真空浸炭処理したギアの重量B(g)、表面炭素濃度Q(wt%)をそれぞれ測定した。
【0050】
次いで、上記(式2)について、炭素濃度側の軸方向を(Q−P)倍してPを加え、深さ側の軸方向を(B−A)/{ρ×S×(Q−P)}倍して、浸炭後の鋼の表面からの深さとその深さにおける炭素濃度との関係を表す曲線を作成した。この曲線を用いて、深さが0となる表面炭素濃度と、0.35%炭素濃度となる深さを求めた。その結果を表1に示す。
【0051】
(参考例1−9)
EPMAを用いて、上記実施例で浸炭処理したギアと同じギアの断面を測定し、深さが0となる表面炭素濃度と、0.35%炭素濃度となる深さを求めた。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】


【0053】
表1の実施例1−9および参考例1−9に示すように、本測定方法で測定した表面炭素濃度と、0.35%炭素濃度となる深さの値は、EPMAにより測定した表面炭素濃度と、0.35%炭素濃度となる深さとほぼ同じ値となった。このとき、本測定方法の信頼性を確認するために、実施例1−7に示すように、実験を7回繰り返し行なっているが、いずれの結果も、EPMAにより測定した結果とほぼ同じ値となった。
【0054】
以上より、本測定方法によって、非破壊検査により、浸炭処理された鋼材の炭素濃度分布を簡便に求めることができ、EPMAと同等の精度で所定深さにおける炭素濃度が求められることが確認できた。
【0055】
次いで、求めた表面炭素濃度と0.35%炭素濃度となる深さとから、浸炭規格に適合するものであるか否かの検査を行なった。浸炭規格範囲は、上記ギアの歯面ピッチ点における表面炭素濃度が0.7〜0.8%の範囲にあり、0.35%炭素深さが0.5〜0.8mmの範囲にあるものを合格とした。その結果を表1に示す。
【0056】
表1より、実施例8に示すように、浸炭量(B−A)が少ないと、0.35%炭素濃度となる深さが0.30mmとなり、規格を満たさないことが分かった。また、実施例9に示すように、浸炭量(B−A)が多いと、表面炭素濃度が0.91%となり、規格を満たさないことが分かった。
【0057】
一方、実施例1−7に示すように、浸炭量(B−A)を適正にすれば、表面炭素濃度および0.35%炭素濃度となる深さが規格を満たすことが分かった。
【0058】
以上、本測定方法により、浸炭規格に適合するか否かの検査も可能であることが確認できた。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】経験的に定められる表面からの深さと表面からの深さに対する炭素濃度との関係を表す減少曲線を無次元化して表した回帰曲線の一例である。

特許の図
【出願人】 【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
【出願日】 平成18年8月14日(2006.8.14)
【代理人】 【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
【公開番号】 特開2008−45975(P2008−45975A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221113(P2006−221113)