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【発明の名称】 青果物の内部品質評価装置
【発明者】 【氏名】谷口 典男

【氏名】藤田 明彦

【氏名】西山 嘉英

【要約】 【課題】通常の計測状態と校正用の計測状態との切り換えを、大掛かりな操作を要せずに容易かつ迅速に行うことができる、透過光計測型の青果物の内部品質評価装置を提供する。

【構成】被計測対象である青果物60に対して光を投射する投光装置10の光学系の近傍に、リファレンス光取り出し部40を固定配置して、投光装置10の光源からの光の一部を校正用として取り出すと共に、リファレンス光取り出し部40からの光を、光ファイバ等のリファレンス光導光部42により導光して受光装置20へ導くようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測対象である青果物に対して光を投射する投光装置と、該青果物からの透過光を受光して電気信号に変換する受光装置と、を備え、受光装置からの電気信号に基づいて該青果物の内部品質を解析する青果物の内部品質評価装置であって、
投光装置の光学系の近傍に固定配置され、投光装置の光源からの光の一部を校正用として取り出すリファレンス光取り出し部と、
リファレンス光取り出し部からの光を受光装置へ導くリファレンス光導光部と、を備えることを特徴とする青果物の内部品質評価装置。
【請求項2】
前記リファレンス光取り出し部は、前記投光装置の光学系より先の位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の青果物の内部品質評価装置。
【請求項3】
前記リファレンス光導光部は、光ファイバを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の青果物の内部品質評価装置。
【請求項4】
前記リファレンス光取り出し部は、前記投光装置の光源からの光の一部を反射する反射ミラーと、該反射ミラーで反射された光が入射する前記光ファイバの先端の受光部と、から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の青果物の内部品質評価装置。
【請求項5】
前記光ファイバの途中に、リファレンス光取り出し部と受光装置とを中継し、リファレンス光取り出し部から導光されたリファレンス光を通過させる開放状態とリファレンス光の通過を阻止する遮蔽状態とに切り換え可能なリファレンス光用シャッター機構が収納された中継収納体が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の青果物の内部品質評価装置。
【請求項6】
前記中継収納体の内部に、前記リファレンス光取り出し部から導光されたリファレンス光を減光するNDフィルタを収納可能なNDフィルタ収納部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の青果物の内部品質評価装置。
【請求項7】
前記青果物を搬送する搬送手段を備え、
前記投光装置は、搬送手段によって計測位置に搬送された青果物に対して搬送手段の搬送方向一端側から光を投射すると共に、
搬送手段の搬送方向他端側には、前記青果物の内部からの透過光を受光装置へ導光する透過光用光ファイバの先端の受光部が配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の青果物の内部品質評価装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被計測対象である青果物に対して投光装置から光を投射し、該青果物の内部からの透過光を受光装置により受光して電気信号に変換し、受光装置からの電気信号に基づいて該青果物の糖度、酸度等の内部品質を解析する青果物の内部品質評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような青果物の内部品質評価装置は、蜜柑や林檎等の青果物を非破壊で計測するための代表的なものとして知られており、例えば、多量の青果物をコンベアにより搬送しながら内部品質を計測する選果設備等において使用される。
【0003】
具体的には、コンベアの移動路中のある位置に、搬送される青果物に光を投射する投光装置と、該青果物からの透過光を受光して電気信号に変換する受光装置とを配置し、これらを用いて計測された吸収スペクトル等に基づいて青果物の糖度や酸度等が算出される。
【0004】
このような青果物の内部品質評価装置においては、投光装置により青果物に投射される光量が変動して計測誤差が生じてしまうことがある。具体的には、光源ランプのスペクトル特性(色温度)の径時変化や劣化による変動、測定系の経時的な変動や周辺温度等の環境変化に伴う変動などが避けられず、それにより計測誤差が生ずる。
【0005】
そこで、このような計測誤差を少なくするために校正処理を実行するようにしている。すなわち、光透過率等の光学特性が予め分かっている校正用基準体を用いて、投光装置によりその校正用基準体に光を投射し受光装置にて受光して求められた基準分光スペクトルデータを設定して、その基準分光スペクトルデータに基づいて、計測対象である青果物を計測したときの分光スペクトルデータを正規化することにより、上述したような光量変化等に起因した誤差を少なくして品質評価値を精度良く計測できるようにしている。
【0006】
従来、校正は、被計測対象である青果物に代えて、NDフィルタ、拡散板などの校正用基準体の透過光量を計測することにより行っており、校正用の計測を行う際には、投射光の光路に校正用基準体を移動させて挿入するか、あるいは投光装置および受光装置を校正用基準体がある位置まで移動させてから行っている(特許文献1〜3)。
【0007】
具体的な例を図4により説明すると、搬送コンベア2上の載置皿3に載せられた青果物60に対して側方から光を投射する投光装置10と、反対側の側方より青果物60内部からの透過光を受光する受光装置20との間には、校正用基準体110が、投光装置10と受光装置20との間の光路に対して挿入および退避できるように、制御装置120の操作によって移動可能に設けられている。
【0008】
校正用の計測時には、校正用基準体110を投光装置10と受光装置20との間の光路上に移動させて、校正用基準体110を透過する透過光を受光装置20により計測することで基準分光スペクトルデータを得ている。そして、搬送コンベア2上を順次搬送される青果物60を計測する際には、校正用基準体110を投光装置10と受光装置20との間の光路上から退避させてから行うようにしている。
【特許文献1】特開平06−300680号公報 図5
【特許文献2】特開2000−199743号公報
【特許文献3】特開2005−77221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記のような校正用の計測時には、校正用基準体を移動させたり、投光装置および受光装置を、校正用基準体を挟む位置まで移動させたりしなければならず、大掛かりな操作が必要であった。そのため、校正用データ取得の容易性、迅速性等を改善する必要があった。
【0010】
本発明は、通常の計測状態と校正用の計測状態との切り換えを、大掛かりな操作を要せずに容易かつ迅速に行うことができる青果物の内部品質評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の青果物の内部品質評価装置は、被計測対象である青果物に対して光を投射する投光装置と、該青果物からの透過光を受光して電気信号に変換する受光装置と、を備え、受光装置からの電気信号に基づいて該青果物の内部品質を解析する青果物の内部品質評価装置であって、
投光装置の光学系の近傍に固定配置され、投光装置の光源からの光の一部を校正用として取り出すリファレンス光取り出し部と、
リファレンス光取り出し部からの光を受光装置へ導くリファレンス光導光部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
以上の発明によれば、投光装置の光学系の近傍に、投光装置の光源からの光の一部を校正用として取り出すリファレンス光取り出し部を固定配置し、リファレンス光取り出し部からの光をリファレンス光導光部により受光装置へ導くようにしたので、通常の計測と校正用の計測との間で計測状態を移行する際に、例えば大掛かりな校正用基準体を移動して投光装置と受光装置との間に挿入したり、投光装置と受光装置とを校正用基準体の位置まで移動させたりする必要がない。
【0013】
したがって、通常の計測状態と校正用の計測状態との切り換えを容易かつ迅速に行うことができる。
前記リファレンス光取り出し部は、前記投光装置の光学系より先の位置に配置されていることが好ましい。
【0014】
このようにすることで、光学系を構成するレンズ等の構成要素のいずれかに劣化が生じた場合にも、リファレンス光取り出し部が、投光装置の光学系における全ての構成要素よりも光路前方側へ配置されているため、いずれの構成要素が劣化しても当該劣化による投射光強度の変化を検知することができる。
【0015】
前記リファレンス光導光部は、光ファイバを備えることが好ましい。また、前記リファレンス光取り出し部は、前記投光装置の光源からの光の一部を反射する反射ミラーと、該反射ミラーで反射された光が入射する前記光ファイバの先端の受光部と、から構成されていることが好ましい。
【0016】
このように、例えば投光装置の光源からの光の光路周辺部付近などに反射ミラーを配置し、光源からの光の一部を折り返して反射させ、投光装置の光源からの光の光路外などに配置された光ファイバの先端の受光部へ導くようにしたので、青果物への投射光に対して大きな妨げとなることがなく、投射光の光量を必要以上に落とさずにリファレンス光を取り出すことが容易である。
【0017】
前記光ファイバの途中には、リファレンス光取り出し部と受光装置とを中継し、リファ
レンス光取り出し部から導光されたリファレンス光を通過させる開放状態とリファレンス光の通過を阻止する遮蔽状態とに切り換え可能なリファレンス光用シャッター機構が収納された中継収納体が設けられていることが好ましい。
【0018】
また、前記中継収納体の内部には、前記リファレンス光取り出し部から導光されたリファレンス光を減光するNDフィルタを収納可能なNDフィルタ収納部が設けられていることが好ましい。
【0019】
このように、リファレンス光取り出し部から受光装置までの光ファイバの途中に、リファレンス光用シャッター機構を設けたので、通常の計測状態ではシャッター機構を閉じ、校正用の計測状態ではシャッター機構を開くようにすれば良く、通常の計測状態と校正用の計測状態とを容易に切り換えることができる。
【0020】
さらに、シャッター機構やNDフィルタをボックス状等の中継収納体に収納し、これを光ファイバで繋いでリファレンス光取り出し部と受光装置との間を中継するようにしたので、シャッター機構やNDフィルタを、受光装置等から独立して比較的自由度の高い状態で設置することができ、計測のための各装置を効率的かつコンパクトに配置することができる。
【0021】
本発明における好ましい態様では、前記内部品質評価装置は、前記青果物を搬送する搬送手段を備え、
前記投光装置は、搬送手段によって計測位置に搬送された青果物に対して搬送手段の搬送方向一端側から光を投射すると共に、
搬送手段の搬送方向他端側には、前記青果物の内部からの透過光を受光装置へ導光する透過光用光ファイバの先端の受光部が配置されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の装置によれば、通常の計測状態と校正用の計測状態との切り換えを、大掛かりな操作を要せずに容易かつ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の一実施例における青果物の内部品質評価装置の概略構成を示した図である。本実施例の内部品質評価装置1は、蜜柑等の糖度や酸度の計測に適用されるものであり、載置皿3に載せられた青果物60を紙面と垂直な方向へ向かって計測位置へ順次搬送する搬送コンベア2を備えている。
【0024】
外部からの迷光の進入を防止するための不図示の遮蔽部材によって周囲が覆われた計測位置へ搬送された青果物60には、搬送コンベア2の幅方向一端部側の側方に配置された投光装置10から計測用の光が投射される。
【0025】
投射された光は、青果物60の内部で散乱されると共にその一部が吸収される。その後外部へ出た透過光は、搬送コンベア2の幅方向他端部側の側方に配置された、光ファイバ30の先端の受光部31に入射する。
【0026】
受光部31に入射した透過光は、光ファイバ30により受光装置20へ導光される。受光装置20は、受光した透過光を電気信号に変換し、この電気信号に基づいて制御装置50において解析が行われ、糖度や酸度が導出されるようになっている。
【0027】
投光装置10は、近赤外域の波長(650〜950nm)の光を発するハロゲンランプ
等の光源12と、反射体12aにより集光される光の焦点近傍に位置する小径のスリット13aを通過させることで集光された後の光の径方向外方への広がりを抑制する絞り板13と、スリット13aからの光を平行光とするコリメータレンズ14と、コリメータレンズ14からの平行光を集光する集光レンズ15とを備えており、これらから構成される光学系は、筺体11内に収納されている。
【0028】
受光装置20としては、CCDカメラ、フォトダイオード、光電子増倍管などが用いられる。必要に応じて、受光装置20の前に分光装置やバンドパスフィルタが配置され、その場合には、所要の波長域の光のみ通過させてから受光装置20で透過光を受光する。
【0029】
受光装置20へ透過光を導光する光ファイバ30の先端における受光部31の前方には、青果物60からの透過光をそのまま通過させる開放状態と、透過光の通過を阻止する遮蔽状態とに切り換え可能な透過光用シャッター機構32が配置されており、制御装置50からの制御信号によって開放状態と遮蔽状態とに切り換えできるようになっている。透過光用シャッター機構32としては、詳述はしないが、例えば、電動モータやソレノイドにより遮蔽部材を駆動するものが用いられる。
【0030】
本実施例の内部品質評価装置1はさらに、投光装置10の光源12からの光の一部を校正用として取り出して受光装置20へ導くリファレンス光導光系を備えている。このリファレンス光導光系は、光ファイバ42と、反射ミラー44と、中継収納体45とを備えている。
【0031】
このリファレンス光導光系では、図1および、図2の拡大図にも示すように、投光装置10の光学系の最も先端側に配置された集光レンズ15の先の位置に配置された反射ミラー44と、光ファイバ42の先端の受光部43とから構成されるリファレンス光取り出し部40によって光が取り出されると共に、中継収納体45の前後に延びる光ファイバ42から構成されるリファレンス光導光部41によって、リファレンス光取り出し部40から受光装置20へリファレンス光が導光される。
【0032】
反射ミラー44としては、全反射ミラーを用いてもよく、あるいは、青果物60からの透過光の光量に応じて、光量調節のためにハーフミラーを用いてもよい。反射ミラー44のサイズは、青果物60への投射光の強度を必要以上に損なわない程度とするのが望ましい。また、この点から、反射ミラー44の配置位置は、青果物60への投射光の光路のなるべく端側近傍とするのが望ましい。
【0033】
反射ミラー44は、青果物60への投射光の光路外に配置された受光部43へ、投射光の一部を折り返して導くことができるので、受光部43を投射光の光路内に直接配置してリファレンス光を取り出す場合に比べて、投射光の妨げになること無く容易にリファレンス光を取り出すことができる。
【0034】
光ファイバ42の途中に設けられた中継収納体45の内部には、リファレンス光用シャッター機構45aと、NDフィルタを収納可能なNDフィルタ収納部45bが設けられている。
【0035】
リファレンス光用シャッター機構45aは、リファレンス光取り出し部40からのリファレンス光をそのまま通過させる開放状態と、リファレンス光の通過を阻止する遮蔽状態とに切り換え可能であり、上述した透過光用シャッター機構32と同様に、制御装置50からの制御信号によって開放状態と遮蔽状態とに切り換えできるようになっている。
【0036】
NDフィルタ収納部45bには、リファレンス光取り出し部40からのリファレンス光
の強度を減衰させるNDフィルタ(neutral density filter)を収納できるようになっており、青果物60からの透過光の光量に応じた適切な光量に調節できるNDフィルタを選択して収納できるようになっている。
【0037】
このように、光ファイバ42を介してリファレンス光取り出し部40と受光装置20とを中継する中継収納体45を設けて、シャッターやNDフィルタを投光装置10および受光装置20から独立して配置できるようにしたので、品質評価装置1の計測部における各装置の設置の自由度が向上し、効率的かつコンパクトにこれらの各装置、例えば投光装置10、中継収納体45(シャッターおよびNDフィルタ)、および受光装置20等を配置することができる。
【0038】
以上のように、青果物60の内部透過光は、受光部31から光ファイバ30を導光されて受光装置20で受光される一方、リファレンス光取り出し部40から取り出されたリファレンス光は、光ファイバ42を導光されて受光装置20で受光される。なお、本実施例では分岐ファイバを用いており、光ファイバ30と光ファイバ42は一本のファイバに合流してから受光装置20の受光面に向かうようになっている。
【0039】
受光装置20からの電気信号は、必要に応じて増幅等を行い、A/D変換した後、制御装置50に分光スペクトルデータとして取り込まれる。制御装置50は、取り込まれたデータに基づいて青果物60の内部品質を解析する演算処理部や、透過光用シャッター機構32、リファレンス光用シャッター機構45a、搬送コンベア2などの各部の動作を制御する処理を実行する制御部、各種のデータやプログラムを格納する記憶部などを備えており、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ等を利用して構成することができる。演算処理部において実行される解析処理や制御部において実行される処理は、プログラムとして予め格納されている。
【0040】
以下、上記のような校正用のリファレンス導光系を備えた本実施例の品質評価装置1による計測、校正操作について説明する。図1において、制御装置50は、投光装置10により青果物60に光を投射して透過光を受光装置20で受光することにより得られた計測分光スペクトルデータと、制御装置50に既に設定されている基準分光スペクトルデータとに基づいて、青果物60の品質評価値を求める品質評価処理を実行する。また制御装置50は、投光装置10からの光の一部をリファレンス光取り出し部40から取り出しリファレンス光導光部41により導光して受光装置20で受光することにより計測されたデータに基づいて基準分光スペクトルデータを設定する校正のための処理を実行する。
【0041】
搬送される青果物60を計測するための通常の計測状態では、リファレンス光用シャッター機構45aは閉じられており、搬送コンベア2を搬送される青果物60が計測位置まで達したときに透過光用シャッター機構32が開いて受光部31に青果物60からの透過光を入射させる。この透過光は、光ファイバ30を導光されて受光装置20で受光される。
【0042】
例えば、受光装置20として、光電変換素子にて得られた電荷を蓄積するコンデンサと、その蓄積電荷を外部に出力させるための駆動回路とを備え、電荷蓄積処理と蓄積した電荷の送出処理とを設定周期で繰り返す受光センサを使用した場合には、制御装置50は、透過光用シャッター機構32を、電荷蓄積処理を行う状態において遮蔽状態から開放状態に切り換えると共に、その開放状態を所定の時間だけ維持した後に遮蔽状態に戻すように制御する。この場合、透過光用シャッター機構32の開閉操作は、搬送コンベア2を順次搬送される青果物60が計測位置に達するタイミングとも同期するように制御される。
【0043】
一方、校正用データ取得のためにリファレンス光を計測する状態では、透過光用シャッ
ター機構32が閉じられ、リファレンス光用シャッター機構45aが開いた状態に切り換えられて、リファレンス取り出し部40より取り出された投光装置10からのリファレンス光が光ファイバ42を導光されリファレンス光用シャッター機構45aを通過して受光装置20に入射される。
【0044】
また、校正用データ取得時には、受光装置20への光が遮断された無光状態での検出値(暗電流データ)も計測される。すなわち、透過光用シャッター機構32およびリファレンス光用シャッター機構45aを遮蔽状態に切り換えて、そのときの受光装置20の検出値を暗電流データとする。
【0045】
青果物60の計測により得られた計測分光スペクトルデータは、予めリファレンス光の計測により設定されている基準分光スペクトルデータおよび暗電流データを校正用として用いて、制御装置50の演算処理部にて、公知の分光分析手法により解析される。
【0046】
例えば、各光波長ごとの計測分光スペクトルデータから吸光度、あるいはその1次微分値または2次微分値を求めて、その値を用いて青果物60に含まれる糖度や酸度に対応する成分量、すなわち、特定の青果物についての品質評価値を算出する。
【0047】
波長λにおける吸光度A(λ)は、基準分光スペクトルデータをR、計測分光スペクトルデータをSとし、暗電流データをDとすると、下記式:
A(λ)=log{(R−D)/(S−D)}
で定義される。そして、例えば、計測対象の種類の青果物におけるスペクトルにおいて糖度や酸度と相関のある2以上の特定波長について吸光度、あるいはその1次微分値または2次微分値を得ておき、下記式:
C=K0 +K1 λ1 +K2λ2 +・・・・+Knλn
(ここでλ1、λ2…λnは選択波長における吸光度、その1次微分値または2次微分値で
あり、K0、K1、…Knは比例係数である。)により、計測対象の青果物の糖度値や酸度
値に対応する品質評価値Cを算出する。なお、比例係数K0、K1、…Knは、通常用いら
れる多変量解析手法により予め決定されたものであり、制御装置50の記憶部に予め格納されている。
【0048】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変形、変更が可能である。その一例を以下に示す。
【0049】
本発明において、内部品質の計測対象となる青果物は特に限定されず、例えば、蜜柑、林檎、桃、メロン、スイカなど、各種の青果物が計測対象となる。
本発明において、投光装置の光学系には、図1に示したものに限らず各種の構成が含まれる。光学系は、少なくとも光源を備えており、その他にレンズ、ミラー、絞り等の構成要素が必要に応じて配置されたものである。
【0050】
本発明において、評価対象となる内部品質は糖度や酸度に限定されるものではなく、例えば、内部傷害等であってもよい。校正用のデータを用いた解析方法にも特に制限はないが、通常は、投光装置からの光が投射された青果物の内部を透過した光に基づく計測データを、投光装置からの光の強度に基づく校正用データで規格化するものである。
【0051】
本発明において、リファレンス光取り出し部は、上記実施例のように反射ミラーと、光ファイバの先端の受光部とから構成することが好ましいが、光ファイバの先端の受光部を直接光路中に配置してこれをリファレンス光取り出し部とし、光源からの光の一部を当該受光部から直接取り出すようにしてもよい。
【0052】
また、リファレンス光取り出し部の位置は、光学系を構成するいずれの部材が劣化しても当該劣化による投射光強度の変化を検知することができる点からは、上記実施例のように投光装置の光学系より先の位置に配置されていることが好ましいが、例えば図3のように集光レンズ15よりも手前の位置に配置するなど、特に限定されるものではなく、光源からの光の一部を取り出し可能である投光装置の光学系近傍に配置されていればよい。
【0053】
また、上記実施例では、投光装置からの光を青果物に側方から投射し、投光装置に対して青果物を挟んで対向する位置に受光部を配置して透過光を受光する対向受光型を例として説明したが、本発明はこれ以外にも、例えば、遮光キャリア(あるいはバケット)上に載置した青果物の側方に光源を設けて側方より光を投射し、青果物内部で散乱され下方に出射した透過光をキャリアに設けた穴を通して下から取り出し、青果物の下方に設けた受光装置により受光する下方受光型などに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施例における青果物の内部品質評価装置の概略構成を示した図である。
【図2】図1の装置における投光装置およびリファレンス光取り出し部の配置を示した図である。
【図3】リファレンス光取り出し部の配置位置の別例を示した図である。
【図4】従来の青果物の内部品質評価装置の概略構成を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
1 内部品質評価装置
2 搬送手段
3 載置皿
10 投光装置
11 筺体
12 光源
12a 反射体
13 絞り板
13a スリット
14 コリメータレンズ
15 集光レンズ
20 受光装置
30 透過光用光ファイバ
31 受光部
32 透過光用シャッター機構
40 リファレンス光取り出し部
41 リファレンス光導光部
42 光ファイバ
43 受光部
44 反射ミラー
45 中継収納体
45a リファレンス光用シャッター機構
45b NDフィルタ収納部
50 制御装置
60 青果物
【出願人】 【識別番号】000006183
【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100081994
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊一郎

【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次

【識別番号】100107043
【弁理士】
【氏名又は名称】高畑 ちより

【識別番号】100110917
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 亨


【公開番号】 特開2008−2903(P2008−2903A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171664(P2006−171664)