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【発明の名称】 容器の漏れ検出装置及び検出方法
【発明者】 【氏名】手塚 秀典

【氏名】田邉 謙一

【氏名】羽鳥 泰規

【氏名】大渕 靖

【要約】 【課題】微小な漏れの検出を可能とし、且つ判定時間の短縮化を図ることができる容器の漏れ検出装置を提供する。

【構成】エア源12と、エア源12と容器Cとの間の流路における流量を検出する流量センサ19と、容器に接続される排出路20と、該排出路20の開閉を行なう排出弁22と、を備え、排出弁22は、エア源12から容器Cへと空気が送り込まれる工程においてその少なくとも一部の期間で排出路20を開放して、容器Cからの排出を許容する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の漏れを検出するために、流体供給源と、流体供給源と容器との間の流路における流量を検出する流量センサと、を備え、流体供給源からの流体を容器に送り込んだ後の該流量センサの計測値によって漏れの有無を判定する漏れ検出装置において、
前記容器に接続される排出路と、該排出路の開閉を行なう排出弁と、を備え、該排出弁は、流体供給源から容器へと流体が送り込まれる期間の少なくとも一部の期間に排出路を開放して、容器からの流体の排出を許容することを特徴とする漏れ検出装置。
【請求項2】
流体供給源から容器に流体を送り込む工程と、
送り込んだ後、または送り込み開始から所定時間経過後の流体供給源と容器との間の流路に発生する流量を検出する工程と、
該流量の計測値によって漏れの有無を判定する工程と、
を備えた容器の漏れ検出方法であって、
前記流体を送り込む工程の少なくとも一部の期間に容器からの流体の排出を許容することを特徴とする容器の漏れ検出方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の漏れの有無を検出する容器の漏れ検出装置及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の容器の漏れ検出装置または方法としては、特許文献1ないし3に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたものでは、エアリーク検出にフロート位置検出用センサを備えた流量計を用いており、低圧エアを容器に封入後、エアが流れていればフロートが上昇するのでセンサがOFFとなり、容器にピンホールのあることを検出するようになっている。
【0004】
特許文献2に記載されたものでは、容器が圧縮空気で充填された後、流量センサが容器注口部に接続され、その流量センサの出力信号が評価されるようになっている。
【0005】
特許文献3に記載されたものでは、被検査物を大気圧以上に加圧して、被検査物からの気体の流出によりリークの有無の可能性を判断する作業工程と、被検査物を大気圧に設定し被検査物からの気体の流出または被検出物への気体の流入によりリークの有無の可能性を判断する作業工程とを有し、各工程において得られたデータを相互に勘案して被検査物のリークの有無を決定するようになっている。
【0006】
以上のように各特許文献では、従来の圧力計測による漏れの検出ではなく、流量計測による漏れの検出を行なうことにより、精度良く且つ迅速に漏れの有無を判断するようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−46686号公報
【特許文献2】特開平7−159274号公報
【特許文献3】特開平10−185749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、各特許文献に記載されるように容器に空気を送り込んで空気で充填した後、流量の変化を検出する場合に、流量計測値が収束するまでの時間がかかるために、判定しようとするピンホールが微小である場合及び/または判定時間をより短縮化しようとした場合に適切に対応することができない、という問題がある。本発明者らの実験によれば、流量計測値の収束時間がかかるという問題は、容器に空気を送り込むときの圧力、送り込む時間などを変化させただけでは、解消しないことが判明した。
【0009】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、微小な漏れの検出を可能とし、または判定時間の短縮化を図ることができる容器の漏れ検出装置及び検出方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、容器の漏れを検出するために、流体供給源と、流体供給源と容器との間の流路における流量を検出する流量センサと、を備え、流体供給源からの流体を容器に送り込んだ後の該流量センサの計測値によって漏れの有無を判定する漏れ検出装置において、
前記容器に接続される排出路と、該排出路の開閉を行なう排出弁と、を備え、該排出弁は、流体供給源から容器へと流体が送り込まれる期間の少なくとも一部の期間に排出路を開放して、容器からの流体の排出を許容することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、流体供給源から容器に流体を送り込む工程と、
送り込んだ後、または送り込み開始から所定時間経過後の流体供給源と容器との間の流路に発生する流量を検出する工程と、
該流量の計測値によって漏れの有無を判定する工程と、
を備えた容器の漏れ検出方法であって、
前記流体を送り込む工程の少なくとも一部の期間に容器からの流体の排出を許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、流体供給源から容器へと流体を送り込むときに、容器を密閉状態にするのではなく、容器からの流体の排出を可能とする。これによって、容器を流れる流量を大きくすることができ、排出停止後の容器を完全に流体によって充填された状態にすることができる。よって、その後、短時間で流量の計測値が安定するために、短時間で漏れの有無を判定することができ、小さな漏れであっても確実に検出することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面につき本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の原理を表す容器の漏れ検出装置の概略図である。図において、漏れ検出装置10は、流体供給源であるエア源12と、該エア源12と検査する容器Cとの間を接続する気体流路14を備えている。エア源12は、所定圧力に調整された流体としての空気を供給するものとなっており、その圧力は、例えば、絶対圧で110kPaから200kPaの間のものとすることができる。圧力は高圧であると装置全体を堅牢にしなければならず、低圧であると漏れを検出しにくくなるために、これらのトレードオフによって決められる値とするとよい。
【0014】
気体流路14には該気体流路14の連通/遮蔽を行なう送込用開閉弁16が設けられる。さらに、送込用開閉弁16よりも下流側において、気体流路14は送込用気体流路14Aと測定用気体流路14Bとに分岐されており、送込用気体流路14Aには送込用気体流路14Aの連通/遮蔽を行なう流路切換用開閉弁18が設けられ、測定用気体流路14Bには流量センサ19が設けられている。
【0015】
この例では、空気送り込み時と流量測定時とで流路を切り換えて流量センサ19に大流量を流さないようにするために、送込用気体流路14Aと測定用気体流路14Bとに分岐されているが、分岐せずに流量センサを設けることも可能である。この場合には、流路切換用開閉弁18は省略することができる。
【0016】
容器Cには、気体流路14が接続されると共に、排出路20が接続される。そして、排出路20の終端には排出路20の開放/閉鎖を行なう排気弁または排出弁22が設けられる。排出路20には圧力センサ21が設けられる。
【0017】
気体流路14の下流端と、排出路20の上流端とは、容器Cの上部に密着されるヘッド23に形成される。
【0018】
送込用開閉弁16、流路切換用開閉弁18及び排出弁22はそれぞれ電磁弁で構成することができ、その開閉動作は、制御部24からの制御信号によって制御される。図2は、送込用開閉弁16、流路切換用開閉弁18及び排出弁22の開閉動作のタイミングチャートを示しており、制御部24は、容器Cの検査開始トリガ信号を受けると、送込用開閉弁16、流路切換用開閉弁18及び排出弁22を所定時間t1、t2、t3だけ切り換えて、各流路の連通及び排出路20の開放を行なう。所定時間t1は、1つの容器Cの検査を行なうのに必要な時間に対応し、所定時間t2は空気を容器Cに送り込むのに必要な時間に対応している。所定時間t3は、所定時間t1、t2のうちの一部の時間に対応する。それぞれの関係は、t1>t2>t3となっているとよい。
【0019】
流量センサ19からの検出信号は、制御部24へと入力されて、その判定手段26によって、容器Cの良・不良の判定、即ち漏れの有無が判定される。
【0020】
以上のように構成される漏れ検出装置10において、その作用を説明する。任意の方法で搬送されることができる容器Cにヘッド23が装着されて、図示しないセンサからの検査開始トリガ信号が発生されると、送込用開閉弁16、流路切換用開閉弁18及び排出弁22が同時に開放側に切り換えられる。これによって、エア源12からの空気が気体流路14及び主として送込用気体流路14Aを通り容器Cへと送り込まれて加圧が行なわれる。このときに、排出路20も開放されているために、容器Cから排出路20への流れも存在する。これによって、流量は排出路20が開放されていない場合に比べて格段に大きくなる。
【0021】
次いで、所定時間t3が経過して排出弁22が閉じられると、排出路20が閉鎖されるために、容器C内の圧力は高くなり流量は急速に下がる。しかしながら、排出路20開放時の流量が高いために、流量の積算値は高く、結果として容器Cには大量の空気が流れ込むこととなる。
【0022】
流量が急速に下がった後、所定時間t2が経過して流路切換用開閉弁18が閉じられると、主として送込用気体流路14Aを通り容器Cへと空気が送り込まれていた流路は測定用気体流路14Bのみに切替えられる為、その後計測される流量が増加する。増加した流量計測値はその後にほぼ一定値に収束する。このときの一定値は、容器Cの漏れの有無に応じて有意な差を示すので、制御部24の判定手段26は、流量センサ19からの計測信号を取り込み、その流量の計測値を閾値と比較し、閾値より流量の計測値が大きいまたは閾値以上の場合に漏れ有りと判定し、閾値より流量の計測値が小さいまたは閾値以下の場合に漏れ無しと判定することによって、漏れの有無を確実に検出することができる。
【0023】
上記検出を行なった後、所定時間t1経過とともに送込用開閉弁16が閉じて1つの容器Cに対する検査を終了する。
【0024】
図3は、(a)排出弁による排出を行なった場合と、(b)排出弁を設けない場合のそれぞれの流量と圧力(排出路で測定)を示すグラフである。図から明らかなように、排出弁を設けない場合、圧力はすぐに一定値に飽和するものの、流量の絶対値を大きくすることができず、よって、結果として容器Cに流れ込む流量は少なく、容器Cを隅々まで空気が行き渡るように完全に充填することができない。よって、流量が短時間で安定せずに、漏れの有無を判定するのにはデータのばらつきが大きくなる。
【0025】
これに対して、排出弁による排出を行なうと、排出中は容器Cからの排出があるために圧力は小さいが、流量が大きくなるため、排出を停止した後も、大きい流量で容器に流れ込むことになり、容器Cを満杯にすることができる。従って、満杯になった後の流量変化が少ないために、満杯後はすぐに流量が一定値に収束して安定するので、短時間で漏れの有無の判定をすることができるようになる。確実に容器Cを満杯にすることができるために、小さな漏れであっても確実に流量値の変化として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の原理を表す容器の漏れ検出装置の概略図である。
【図2】各弁のタイミングチャートを表す図である。
【図3】(a)排出弁による排出を行なった場合と、(b)排出弁を設けない場合のそれぞれの流量と圧力(排出路で測定)を示すグラフであり、流量については点線が容器に漏れが有る場合のデータ、実線が容器に漏れが無い場合のデータを表す。
【符号の説明】
【0027】
10 漏れ検出装置
12 エア源(流体供給源)
14 気体流路
19 流量センサ
20 排出路
22 排出弁
C 容器
【出願人】 【識別番号】391035430
【氏名又は名称】東洋食品機械株式会社
【識別番号】000003768
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子

【識別番号】100103573
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 栄一


【公開番号】 特開2008−14678(P2008−14678A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183853(P2006−183853)