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【発明の名称】 携帯型テンション測定装置
【発明者】 【氏名】家田 直樹

【要約】 【課題】ベルトの撓み量を精度良く合わせて荷重を検出でき、ベルトの張力を精度良く測定できると共に操作性が良好な携帯型テンション測定装置を提供することを目的とする。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺物に荷重を加えてテンションを測定するための携帯型テンション測定装置であって、
ベース部材と、
軸方向に沿って螺旋状のネジが形成され、下端が前記ベース部材に回動自在に支持されて上方に延出する支柱と、
前記支柱を回転させる回転部材と、
前記支柱の両側方に配設され、下端が前記ベース部材に固定されて上方に延出する第一、第二のガイド軸と、
前記第一、第二のガイド軸にスライド自在に係合すると共に前記支柱に螺合し、前記支柱の回転に伴って上下にスライドするスライド体と、
前記スライド体に接続されて左右方向に延出し、左右両側方に上記長尺物を上方から加圧する一対の端子を備えた端子具と、
前記ベース部材に設けられて上方に突出し、上記長尺物を下方から加圧するベース端子と、
前記端子具及び前記ベース端子を介して長尺物に加えられる荷重を検出するロードセルと、
前記支柱の回転量を検出するロータリエンコーダと、
を備えていることを特徴とする携帯型テンション測定装置。
【請求項2】
前記ロータリエンコーダが、
前記支柱に接続されて該支柱と一体に回転し、周方向に沿って複数の識別符号を備えた回転体と、
前記第一、第二ガイド軸の少なくとも何れかに固定され、前記回転体の回転に伴って、前記識別符号を順次検知して前記支柱の回転量を検出するセンサと、
によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型テンション測定装置。
【請求項3】
前記スライド体と一体に前記ロードセルを備え、
前記端子具が前記ロードセルの下方に連結されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯型テンション測定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺物に荷重を加えてテンションを測定する携帯型テンション測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巡回運動して動力を伝達したり物品を搬送したりするベルト装置において、動力伝達を効率良く行ったり物品の搬送を安定して行ったりするためには、ベルトの張力を所定の範囲に設定する必要がある。
【0003】
そして、ベルトの張力を測定するテンション装置において、一般に、ベルトに対して端子を押し当てて荷重を加え、その際の荷重とベルトの撓みを検出し、検出された荷重及び撓みにもとづき、テンションを演算して表示する携帯型テンション測定装置が知られている。また、この際、端子の押し当て方向にスケールが配設され、作業者が、テンション測定装置を把持してベルトに押し当て、スケールを介してベルトの変位を読み取るように構成された携帯型テンション装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−250961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、特許文献1に記載の携帯型テンション測定装置の構成によれば、作業者が携帯型テンション装置を把持してベルトに押し当てながらスケールを読み取らなければならないので、ベルトの撓み量を精度良く合わせて荷重を検出することが困難であって、延いてはベルトの張力を精度良く測定することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、ベルトに荷重を加えてベルトの撓み量を精度良く設定でき、ベルトの張力を精度良く測定できると共に操作性が良好な携帯型テンション測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、長尺物に荷重を加えてテンションを測定するための携帯型テンション測定装置であって、ベース部材と、軸方向に沿って螺旋状のネジが形成され、下端が前記ベース部材に回動自在に支持されて上方に延出する支柱と、前記支柱の両側方に配設され、下端が前記ベース部材に固定されて上方に延出する第一、第二のガイド軸と、前記第一、第二のガイド軸にスライド自在に係合すると共に前記支柱に螺合し、前記支柱の回転に伴って上下にスライドするスライド体と、前記スライド体に接続されて左右方向に延出し、左右両側方に上記長尺物を上方から加圧する一対の端子を備えた端子具と、前記ベース部材に設けられて上方に突出し、上記長尺物を下方から加圧するベース端子と、前記端子具及び前記ベース端子を介して長尺物に加えられる荷重を検出するロードセルと、前記支柱の回転量を検出するロータリエンコーダと、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の携帯型テンション測定装置によれば、作業者が回転部材を介して支柱を回転させることにより、スライド体が上下に移動し、端子を長尺物に押し当てたり長尺物から離間させたりすることができ、支柱の回転に伴って、ロータリエンコーダを介して変位量を連続して検出できると共に、ロードセルを介してその際の荷重を連続して検出でき、延いては、操作性が良好であって撓み量を精度よく設定できる。 また、請求項1に記載の携帯型テンション測定装置によれば、支柱の回転運動を介してスライド体を軸方向にスライドさせているので、回転運動を介さずにスライド体を軸方向に直接スライドさせるよりも、ベルトの撓み量を精度良く調整できる。
【0008】
また、請求項1に記載の携帯型テンション測定装置は、請求項2に記載の発明のように、前記ロータリエンコーダが、前記支柱に接続されて該支柱と一体に回転し、周方向に沿って複数の識別符号を備えた回転体と、前記第一、第二ガイド軸の少なくとも何れかに固定され、前記回転体の回転に伴って、前記識別符号を順次検知して前記支柱の回転量を検出するセンサと、によって構成されていることにより、支柱の回転量を精度良く検出できる。
【0009】
また、請求項1又は請求項2に記載の携帯型テンション測定装置は、請求項3に記載の発明のように、前記スライド体と一体に前記ロードセルを備え、前記端子具が前記ロードセルの下方に連結されていることにより、端子具に備えられた一対の端子がベルトに押し当てられた際の荷重をロードセルに伝達して検出できる。また、ロードセルが端子具よりも上方に備えられているので、ベース端子と一対の端子との間にベルトを配置し易く、作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯型テンション測定装置は、作業者が回転部材を介して支柱を回転させることにより、スライド体が上下に移動し、端子を長尺物に押し当てたり長尺物から離間させたりすることができ、ロータリエンコーダを介して撓み量を連続して検出できると共に、ロードセルを介してその際の荷重を連続して検出でき、延いては、長尺物の撓み量を精度よく設定できると共に操作性を向上できる。また、本発明の携帯型テンション測定装置は、支柱の回転運動を介してスライド体を軸方向にスライドさせているので、回転運動を介さずにスライド体を軸方向に直接スライドさせるよりも、ベルトの撓み量を精度良く調整できる。
【0011】
また、本発明の携帯型テンション測定装置は、回転部材が、前記支柱の上部に固定されたハンドルであることにより、作業者がハンドルを回転させて支柱を容易に回転させることができ、延いては、作業性を向上できる。
【0012】
また、本発明の携帯型テンション測定装置は、スライド体と一体にロードセルを備え、端子具がロードセルの下方に連結されていることにより、端子具に備えられた一対の端子がベルトに押し当てられた際の荷重をロードセルに伝達して検出でき、ロードセルが端子具よりも上方に備えられているので、ベース端子と一対の端子との間にベルトを配置し易く、作業性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の一実施例の駆動装置を、図面にもとづいて説明する。図1は、本発明が適用された一実施例の携帯型テンション測定装置の構成を表す図であって、(b)図は、(a)図におけるZ−Z断面図である。また、図2は、図1(a)図におけるY−Y断面図、図3は、ベルトの張力を測定する際の説明図、図4は、本発明が適用された変形例の携帯型テンション測定装置の構成を表す図であって、(b)図は、(a)図におけるY−Y断面図である。
【0014】
図1、図2に表したように、携帯型テンション測定装置1は、ベース部材2、軸方向に沿って螺旋状のネジ3aが形成され、下端がベース部材2に回動自在に支持されて上方に延出する支柱3、作業者が支柱3を回転させるための回転部材14及びハンドル15、支柱3の両側方に配設され、下端がベース部材2に固定されて上方に延出する第一、第二のガイド軸4、5、第一、第二のガイド軸4、5にスライド自在に係合すると共に支柱3に螺合し、支柱3の回転に伴って上下(図中P方向)にスライドするスライド体6、スライド体6に接続されて左右方向に延出し、左右両側方にベルトなどの長尺物を上方から加圧する一対の端子7a、7bを備えた端子具7、ベース部材2に設けられて上方に突出し、長尺物を下方から加圧するベース端子8、支柱3に接続されて支柱3と一体に回転し、支柱3と同軸状の周方向に沿って複数の識別符号を備えた回転体10、回転体10の回転に伴って、回転体10に備えられた識別符号を順次検知してパルスを出力するセンサ11等を備えている。
【0015】
また、携帯型テンション測定装置1は、所定の周期毎に、センサ11から出力されたパルスに基づいて回転体10の回転量及びスライド体6のスライド量を演算する演算回路部(図示せず)、その演算された値を表示する表示部(図示せず)、ロードセル9を介して検出された荷重値に基づいてベルトの張力を演算する張力演算回路部(図示せず)、演算された張力を表示する張力表示部(図示せず)、等が備えられている。尚、本発明のロータリエンコーダは、回転体10とセンサ11とによって構成されている。
【0016】
支柱3の上端にはボルト13を介して板材18が固定され、板材18の上面にセンサ11が固定されている(所謂、センサ11は板材18を介して第一、第二ガイド軸4、5に固定されている)。また、支柱3は、下端がベアリング16、17を介してベース部材2に回転自在に係合し、上端が回転部材14に固定されている。
【0017】
スライド体6は、筒状の軸受12が装着され、軸受12を介してガイド軸4、5にスライド自在に係合している。また、スライド体6の下方には、ロードセル9が固定されている。また、支柱3の軸方向に沿って螺旋状にネジ部3aが形成されると共に、スライド体6にはネジ部3aに羅合する雌ネジが形成されている。
【0018】
ロードセル9は、荷重受け部9aが備えられ、ボルト20を介して、荷重受け部9aが
端子具7に固定されている。
【0019】
回転部材14の上部には、作業者が把持して回転部材14を回転させるためのハンドル15が備えられている。
【0020】
そして、ハンドル15を回転部材14の周方向に沿って周回させることにより、回転部材14が支柱3と一体になって回転し、支柱3の回転に伴って、支柱3に羅合しているスライド体6が上下(図中のP方向)にスライドするように構成されている。本実施例では、支柱3を図1中のR方向に回転させることによりスライド体6が下方にスライドし、支柱3をR方向の反対側に回転させることによりスライド体6が上方にスライドするように構成され、スライド体6と共にロードセル9及び端子具7が上下にスライドする。
【0021】
次に、図3に表したように、ベルトMの張力を測定する際には、一対の端子7a、7bとベース端子8の間にベルトMを配置し、次いで、ハンドル15を回してスライド体6を下方にスライドさせて一対の端子7a、7bをベルトMに当接させ、ベルトMの変位δが所定の値に至った際の荷重Fを、ロードセル9を介して検出する。この際の変位δは、ロードセル9を介して検出される荷重が予め定められた値に至った際に、その位置を原点(ゼロ点)とし、さらに原点からスライド体6を下方にスライドさせながら、センサ11を介して端子7a、7bの移動量を検出し、変位δを設定する。そして、張力は、その演算式が前述の張力演算回路部に予め記憶されており、変位δ、一対の端子7a、7b間の距離Ls、ロードセル9を介して検出される荷重F、その他補正係数等を用いて算出される。
【0022】
以下に、前記の構成を有する実施例の、携帯型テンション測定装置1の作用効果を記載する。
【0023】
本実施例の携帯型テンション測定装置1は、作業者が回転部材14を介して支柱3を回転させることにより、スライド体6が上下に移動し、端子7a、7bをベルトMに押し当てたりベルトMから離間させたりすることができ、支柱3の回転に伴って、ロータリエンコーダ(回転体10及びセンサ11)を介してベルトMの撓み量δを連続して検出でき、且つ、ロードセル9を介してその際の荷重を連続して検出でき、延いては、ベルトMの撓み量δを精度よく設定できると共に操作性を向上できる。
【0024】
また、本実施例の携帯型テンション測定装置1は、支柱3の回転を介してスライド体6を軸方向にスライドさせているので、スライド体6を支柱3の回転を介さずに直接スライドさせるよりも、ベルトMの撓み量を精度良く調整できる。
【0025】
また、本実施例の携帯型テンション測定装置1は、支柱3に接続されて支柱3と一体に回転し、支柱3の同軸状の周方向に沿って複数の識別符号を備えた回転体10と、板材18を介して第一、第二ガイド軸4、5に固定され、回転体10の回転に伴って、識別符号を順次検知して支柱3の回転量を検出するセンサ11とによって構成されているので、支柱3の回転量及びスライド体6のスライド量を容易に精度良く検出できる。
【0026】
また、本実施例の携帯型テンション測定装置1は、スライド体6と一体にロードセル9を備え、端子具7がロードセル9の下方に連結されていることにより、端子具7に備えられた一対の端子7a、7bがベルトMに押し当てられた際の荷重をロードセル9に伝達して検出でき、ロードセル9が端子具7よりも上方に備えられているので、ベース端子8と一対の端子7a、7bとの間にベルトMを配置し易く、作業性を向上できる。
【0027】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の態様をとることができる。例えば、図4に表したように、ロードセル9をベース部材2に固定し、ロードセル9の荷重受け部9aの上面にベース端子8を配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明が適用された一実施例の携帯型テンション測定装置の構成を表す図であって、(b)図は、(a)図におけるZ−Z断面図である。
【図2】図1(a)図におけるY−Y断面図である。
【図3】本実施例のベルトの張力を測定する際の説明図である。
【図4】本発明が適用された変形例の携帯型テンション測定装置の構成を表す図であって、(b)図は、(a)図におけるY−Y断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1…携帯型テンション測定装置、2…ベース部材、3…支柱、4…第一のガイド軸、5…第二のガイド軸、6…スライド体、7…端子具、7a,7b…端子、8…ベース端子、9…ロードセル、9a…荷重受け部、10…回転体、11…センサ、12…軸受け、13,20…ボルト、14…回転部材、15…ハンドル、16,17…ベアリング、18…板材、M…ベルト。
【出願人】 【識別番号】000107147
【氏名又は名称】日本電産シンポ株式会社
【出願日】 平成18年7月24日(2006.7.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−26191(P2008−26191A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−200154(P2006−200154)