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【発明の名称】 センサ装置およびその製造方法
【発明者】 【氏名】瀬川 伸生

【要約】 【課題】圧力検出素子および物理量検出素子を備えたセンサ装置において、ポート部における部品点数や組み付け工数を低減させ、圧力と共に検出すべき物理量検出素子の応答性を向上させ、ポート部において様々な物理量検出素子の置き換えを容易にする。

【構成】ポート部50の外周部に第3の凹部52を設けると共に、ターミナル70をインサート成型し、ターミナル70の一端部71をポート部50のうちケース20に連結される側に露出し、ターミナル70の他端部72を第3の凹部52内に露出させる。また、物理量検出素子60のリード61を第3の凹部52内に引き伸ばし、第3の凹部52内でターミナル70の他端部72と物理量検出素子60のリード61とを接続する。そして、第3の凹部52内にターミナル70の他端部72と物理量検出素子60のリード61とを密閉するようにシール部材80を充填する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と接続される第1ターミナル(10)がインサート成型されたケース(20)と、
前記第1ターミナルに電気的に接続された状態で前記ケースに設けられ、圧力検出を行う圧力検出素子(30)と、
前記ケースに連結され、前記圧力検出素子へ圧力媒体を導入する圧力導入孔(40)を有するポート部(50)と、
前記ポート部のうち前記ケースに連結される側とは反対側に露出して配置され、圧力とは異なる物理量を検出する物理量検出素子(60、65)と、を備えたセンサ装置において、
前記ポート部には、第2ターミナル(70、75)がインサート成型されていると共に、当該ポート部の外周部に凹部(52、53)が設けられており、前記第2ターミナルの一端部(71、76)が前記ケースに連結される側に露出し、前記第2ターミナルの他端部(72、77)が前記凹部内に露出した状態になっており、前記物理量検出素子のリード(61、66)が前記凹部内に引き伸ばされていると共に、前記凹部内で前記第2ターミナルの他端部と前記物理量検出素子の前記リードとが接続されていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記凹部内において前記第2ターミナルの他端部と前記物理量検出素子のリードとの接合部分が覆われるようにシール部材(80、81)が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記ポート部において、前記第2ターミナルの他端部はパッド形状になっており、前記リードが当該パッド形状の前記他端部に接合部材(100)を介して接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記物理量検出素子は複数設けられており、前記ポート部には前記複数の物理量検出素子にそれぞれ対応した前記凹部、前記第2ターミナルが設けられており、前記ケースには前記第2ターミナルに対応した前記第1ターミナルが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記リードと前記第2ターミナルの他端部との接合は、半田による接合、溶接による接合、ペーストによる接合のいずれかになっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記シール部材は、フッ素ゴム、フロロシリコンのいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【請求項7】
外部と接続される第1ターミナル(10)がインサート成型されたケース(20)と、
前記第1ターミナルに電気的に接続された状態で前記ケースに設けられ、圧力検出を行う圧力検出素子(30)と、
前記ケースに連結され、前記圧力検出素子へ圧力媒体を導入する圧力導入孔(40)を有するポート部(50)と、
前記ポート部のうち前記ケースに連結される側とは反対側に露出して配置され、圧力とは異なる物理量を検出する物理量検出素子(60、65)と、を備え、
前記ポート部には、第2ターミナル(70、75)がインサート成型されていると共に、当該ポート部の外周部に凹部(52、53)が設けられており、前記第2ターミナルの一端部(71、76)が前記ケースに連結される側に露出し、前記第2ターミナルの他端部(72、77)が前記凹部内に露出した状態になっており、前記物理量検出素子のリード(61、66)が前記凹部内に引き伸ばされていると共に、前記凹部内で前記第2ターミナルの他端部と前記物理量検出素子の前記リードとが接続されているセンサ装置の製造方法であって、
前記ポート部と前記ケースとをはめ合わせた後に前記第2ターミナルの一端部と前記第1ターミナルとを溶接することを特徴とするセンサ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出素子と当該圧力検出素子以外の物理量検出素子を備えたセンサ装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、圧力および温度を測定する温度センサ一体型圧力センサ装置が例えば特許文献1に提案されている。このセンサ装置は、例えば自動車のインテークマニホルドの圧力および吸気温度の測定に用いられ、その測定信号に基づいて、車両のエンジンが制御されるものである。
【0003】
上記温度センサ一体型圧力センサ装置は、外部と接続されるターミナルがインサート成形されたケースと、ターミナルに電気的に接続された状態でケースに設けられ圧力検出を行う圧力検出素子と、ケースに連結され圧力検出素子へ圧力媒体を導入する圧力導入孔を有するポート部と、ターミナルに電気的に接続された状態でポート部に設けられ圧力媒体の温度を検出する温度検出素子とを備えて構成されている。
【0004】
ポート部は、仕切り板により2つに分割されている。そのうちの一方は圧力検出素子に圧力媒体を伝達するための圧力導入孔として構成されている。また、他方は温度検出素子配置孔として構成されており、ターミナルに接続部にて溶接などによって電気的・機械的に接続されたリード線が延設され、そのリード線の突出先端付近に温度を検出する温度検出素子が配置されている。
【0005】
このような構成を有するセンサ装置においては、温度検出素子配置孔の内部において、温度検出素子とリード線の振動を抑制するために、リード線と温度検出素子配置孔との間に樹脂などからなる緩衝部材を介在させている。これにより、リード線を固定し、温度検出素子およびリード線の振動を抑制すると共に、耐久性を向上させている。
【0006】
また、センサ装置において、測定環境における腐食や汚れなどからの保護や振動の抑制を目的として、温度検出素子をポート部にインサート成型しているものが特許文献2に提案されている。このように温度検出素子を完全にインサート成型することで、測定環境における温度検出素子の耐久性を高めている。
【特許文献1】特開2004−198394号公報
【特許文献2】特開平4−122826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、温度検出素子とターミナルとをつなぐリード線の振動抑制のために緩衝部材が必要となっている。このため、センサ装置を構成する部品点数や組み付け工数が増加してしまうという問題が生じている。
【0008】
また、特許文献2では、特許文献1における問題は生じないが、温度検出素子をポート部にインサート成型しており、測定媒体が温度検出素子に直接接触しないため、温度検出素子の応答性が低下してしまう。すなわち、測定媒体の温度を遅れて取得することになるので、例えばエンジン制御を正常に行えない可能性がある。
【0009】
さらに、上記従来の技術では、ポート部はその内部に温度検出素子を設置した構成となっている。このため、温度とは別の他の物理量を圧力と共に測定したい場合、測定したい物理量を検出するための物理量検出素子を設置したポート部を用意しなければならない。このように、センサ装置のポート部に設置された温度検出素子を他の物理量検出素子に置き換えることが困難になっていた。
【0010】
本発明は、上記点に鑑み、圧力検出素子および物理量検出素子を備えたセンサ装置およびその製造方法において、ポート部における部品点数や組み付け工数を低減させると共に、圧力と共に検出すべき物理量検出素子の応答性を向上させ、さらに、ポート部において様々な物理量検出素子の置き換えを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、ポート部には、当該ポート部の外周部に凹部(52、53)が設けられていると共に、第2ターミナル(70、75)がインサート成型されており、第2ターミナルの一端部(71、76)がケースに連結される側に露出し、第2ターミナルの他端部(72、77)が凹部内に露出した状態になっている。また、物理量検出素子のリード(61、65)が凹部内に引き伸ばされていると共に、凹部内で第2ターミナルの他端部と物理量検出素子のリードとが接続されていることを特徴としている。
【0012】
このように、第1ターミナルと物理量検出素子とを電気的に接続する第2ターミナルをインサート成型したポート部を用いて、物理量検出素子のリードと第2ターミナルとをポート部の外周部に設けた凹部内で接続する。これにより、ポート部内において第2ターミナルの振動抑制のための緩衝部材を必要としないので部品点数を削減することができる。また、第2ターミナルはポート部にインサート成型されるため、ポート部に対する第2ターミナルの取付工程等の製造工程を削減することができる。
【0013】
そして、物理量検出素子を外部に露出した状態でポート部に設置しているため、圧力媒体に係る物理量を直接検出することができ、物理量検出素子の応答性を向上させることができる。さらに、第2ターミナルがポート部にインサート成型され、ポート部に設けられた凹部内で第2ターミナルと物理量検出素子のリードとを接続しているため、物理量検出素子を含めたポート部を設計および製造する必要がなくなり、様々な物理量検出素子の置き換えを容易に行うことができる。
【0014】
このような凹部内において、第2ターミナルの他端部と物理量検出素子のリードとの接合部分を覆うシール部材(80、81)を設置することもできる。これにより、第2ターミナルとリードとの接続部分を保護することができる。
【0015】
また、ポート部において、第2ターミナルの他端部はパッド形状になっており、リードを当該パッド形状である他端部に接合部材(100)を介して接合することができる。
【0016】
このように、第2ターミナルの他端部をパッド形状とすることで、物理量検出素子のリードと第2ターミナルとの接続を容易に行うことができる。
【0017】
さらに、物理量検出素子を複数設け、各物理量検出素子に対応した凹部、第2ターミナルをポート部に設けると共に、第2ターミナルに対応した第1ターミナルをケースに設けた構造とすることもできる。これにより、1つのセンサ装置で複数の物理量を検出することができる。
【0018】
そして、リードと第2ターミナルの他端部との接合を、半田による接合、溶接による接合、ペーストによる接合のいずれかとすることもできる。また、シール部材を、フッ素ゴム、フロロシリコンのいずれかで構成することもできる。
【0019】
上記構成を有するセンサ装置を製造する上では、ポート部とケースとをはめ合わせた後に前記第2ターミナルの一端部と第1ターミナルとを溶接することが好ましい。このように、第1、第2ターミナルの接合をポート部とケースとの連結後に行うことで、各ターミナル間の応力を低減させることができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示されるセンサ装置は、例えば、自動車のインテークマニホルドに取り付けられ、インテークマニホルドの圧力および吸気温度・湿度・ガス流量等の測定に用いられる吸気圧センサなどに適用することができる。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の全体概略断面構成を示す図である。この図に示されるように、センサ装置S1は、外部と接続されるターミナル10(本発明の第1ターミナル)がインサート成型されたケース20と、ターミナル10に電気的に接続された状態でケース20に設けられ圧力検出を行う圧力検出素子30と、このケース20に連結され圧力検出素子30へ圧力媒体を導入する圧力導入孔40を有するポート部50と、ターミナル10に電気的に接続された状態でポート部50に設けられ圧力媒体の物理量(温度等)を検出する物理量検出素子60とを備えて構成されている。
【0024】
ケース20は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やエポキシ樹脂等の樹脂材料を、金型を用いて型成形してなるものである。このケース20の上端面には、圧力検出素子30を搭載するための第1の凹部21が形成されている。
【0025】
また、ケース20には、外部と接続される複数本のターミナル10がインサート成型により一体的に設けられている。このターミナル10は、例えば銅や42アロイなどの導電材料よりなるものである。
【0026】
一部のターミナル10の一端部は、上記第1の凹部21内にて露出した状態となるように配置されている。なお、この一部のターミナル10における第1の凹部21での露出部分には、金メッキなどが施されることにより、ボンディングパッドとして機能するように構成されている。
【0027】
また、各ターミナル10のうちケース20における開口部22において露出する端部は、図示しない外部機器(外部の配線部材等)に接続可能となっている。つまり、このケース20の開口部22の部分は、当該開口部22に位置する各ターミナル10の端部とともに、本センサ装置S1におけるコネクタ部として構成されている。
【0028】
ケース20の第1の凹部21に搭載された圧力検出素子30は、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生するものである。この圧力検出素子30は、例えば、半導体よりなるセンサチップとこのセンサチップを保持するガラス台座とにより構成されている。
【0029】
上記センサチップは、例えばシリコン半導体チップなどからなるピエゾ抵抗効果を利用した周知構成のもので、その上面に圧力を受けて歪むダイヤフラムおよび拡散抵抗などにより形成されたブリッジ回路などを備えた構成となっている。
【0030】
この圧力検出素子30は、上記したケース20の第1の凹部21の底面と上記ガラス台座との間に、例えばシリコンゴム等の図示しない接着剤を介在させた状態でダイボンディングされている。
【0031】
また、圧力検出素子30の図示しない各入出力端子は、ターミナル10の上記ボンディングパッドに対して金やアルミニウム等のボンディングワイヤ23を介して電気的に接続されている。こうして、圧力検出素子30は、ターミナル10に電気的に接続された状態でケース20に設けられている。
【0032】
そして、ケース20の第1の凹部21内には、電気絶縁性および耐薬品性に優れたフッ素ゲルやフッ素ゴム等からなる保護部材24が充填されており、この保護部材24によって、ターミナル10とケース20との界面、圧力検出素子30およびボンディングワイヤ23などが封止され、保護されている。
【0033】
すなわち、この保護部材24により、圧力検出素子30、ターミナル10、ボンディングワイヤ23、圧力検出素子30とボンディングワイヤ23との接続部、および、ターミナル10とボンディングワイヤ23との接続部が被覆され、薬品からの保護、電気的な絶縁性の確保、並びに防食などが図られている。
【0034】
本実施形態では、2層保護構造の保護部材24を採用している。例えば、第1の凹部21内において下層に位置する保護部材として、ターミナル10とケース20との界面等からの気泡の発生を抑制するために高弾性率を持ち、且つ耐薬品性を有する材料からなるフッ素系のゴム材料等を採用する。また、第1の凹部21内において上層に位置する保護部材として、圧力検出素子30およびボンディングワイヤ23に応力を与えないような低弾性率を持ち、且つ耐薬品性を有する材料からなるフッ素系のゲル材料やフロロシリコンゲル等を採用する。
【0035】
ポート部50は、ケース20の第1の凹部21の開口部を覆うようにケース20に対して連結されている。これに伴い、ケース20とポート部50との間に圧力検出室41が形成されている。このようなポート部50は、例えば上記ケース20と同様に、PBT、PPSなどの耐熱性を有する樹脂材料からなり、金型を用いてこれらの樹脂材料を型成形してなるものである。また、ポート部50は、ケース20に対してハードエポキシ樹脂等の耐薬品性に優れ、且つ高弾性である接着材25により固定され取り付けられている。
【0036】
上記ポート部50は、ケース20とは反対側の方向へ突出しており、その内部には突出先端から上記圧力検出室41に通じる圧力導入孔40が形成されている。そして、図1中の白抜き矢印に示されるように、インテークマニホルドの吸気などの圧力媒体が、圧力導入孔40から導入されるようになっている。
【0037】
さらに、図1に示されるように、ケース20には、第1の凹部21とは異なる部位に第2の凹部26が設けられている。また、これに伴って、ケース20とポート部50との間に接続部設置室42が形成されている。この接続部設置室42は、ポート部50における圧力導入孔40を仕切る壁部51が接着剤25によりケース20に接着されることにより、圧力導入孔40および圧力検出室41とは隔離された空間となっている。
【0038】
上述したように、ポート部50は樹脂を成型することにより作られたものであるが、このポート部50にインサート成型されたターミナル70(本発明の第2のターミナル)は、その一端部71が接続部設置室42に露出した状態になっている。さらに、本実施形態では、図1に示されるように、ポート部50の外周部に第3の凹部52(本発明の凹部に相当)が形成されており、上記ターミナル70の他端部72がこの第3の凹部52内に露出するようにポート部50にインサート成型されている。
【0039】
また、一部のターミナル10が、この接続部設置室42に露出するように配置されている。そして、この接続部設置室42に露出するターミナル10に対して、ターミナル70の一端部71が、溶接や半田などによって電気的・機械的に接続されている。
【0040】
本実施形態では、接続部設置室42は、ケース20における上記開口部22に連通しており、ターミナル10とターミナル70の一端部71との接続部は上記開口部22に臨んだ形となっている。そして、この開口部22からレーザ溶接などを行うことにより、ターミナル10とターミナル70の一端部71とが接合されている。
【0041】
このターミナル70は、例えば金属のワイヤ等で構成され、ポート部50の内部において、一端部71から他端部72側が圧力導入孔40の開口部側へ向かって延びるように、設けられている。
【0042】
そして、ターミナル70の他端部72には物理量検出素子60が電気的に接続されている。具体的には、物理量検出素子60のリード61がポート部50の第3の凹部52内に引き伸ばされており、第3の凹部52内でターミナル70の他端部72と物理量検出素子60のリード61とが半田、溶接、ペースト、溶着等により接合されている。これにより、物理量検出素子60は、上記接続部設置室42において、ターミナル70の一端部71を介してターミナル10と電気的に接続されることとなる。
【0043】
さらに、この第3の凹部52にシール部材80が充填されており、ターミナル70の他端部72と物理量検出素子60のリード61との接合部分がこのシール部材80によって完全に覆われ、気密性が確保された状態になっている。このようなシール部材80として、例えば耐汚れ・腐食性に優れたフッ素ゴムやフロロシリコン等が採用される。
【0044】
このようにしてターミナル70に接続される物理量検出素子60は、ポート部50の突出先端部において外部に露出して設けられている。このような物理量検出素子60は、圧力とは異なる物理量を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生するものである。物理量検出素子60として、吸気空気計測用温度センサ、湿度センサ、流量センサ、ガスセンサ等が採用される。
【0045】
また、ポート部50の外周部には、Oリング90が設けられ、本センサ装置S1は、当該Oリング90を介して図示されないセンサ取付部に対して気密に取り付け可能になっている。以上が、本実施形態に係るセンサ装置S1の全体構成である。
【0046】
次に、図1に示されるセンサ装置S1の製造方法について説明する。まず、ターミナル10がインサート成形されたケース20を用意する。続いて、圧力検出素子30をケース20の第1の凹部21へ接着剤など介して搭載固定し、圧力検出素子30とターミナル10との間でワイヤボンディングを行い、これら両者10、30をボンディングワイヤ23により結線する。その後、保護部材24をケース20の第1の凹部21へ注入して充填し、これに熱硬化処理を行うことによって、保護部材24を硬化させる。
【0047】
また、物理量検出素子60とターミナル70とが接続されるとともにターミナル70がインサート成型されたポート部50を用意する。この際、ポート部50の外周部に第3の凹部52を設けると共に、この第3の凹部52にターミナル70の他端部72が露出するようにポート部50を形成する。そして、ポート部50をケース20へ接着材25を介して固定することにより、ポート部50とケース20とを連結すると共に、接続部設置室42内にてターミナル70の一端部71とターミナル10とを溶接などにより接続する。
【0048】
このように、ポート部50とケース20とをはめ合わせた後にターミナル70の一端部71とターミナル10とを溶接することが好ましい。これにより各ターミナル10、70間の応力を低減させることができ、ポート部50がケース20から外れてしまうことを防止することができる。
【0049】
この後、ポート部50に物理量検出素子60を設置する。図2は、ポート部50に物理量検出素子60を設置する様子を示した図であり、図1に示されるポート部50を第3の凹部52側から圧力導入孔40側を見た図に相当する。
【0050】
図2に示されるように、第3の凹部52内に露出したターミナル70の他端部72はパッド形状(板状)として構成され、リード61を接続しやすくなっている。そして、物理量検出素子60をポート部50の圧力導入孔40内に設置すると共に、第3の凹部52内でターミナル70の他端部72とリード61とを半田100(本発明の接合部材に相当)で接続する。なお、溶接やペースト等による接続方法であっても構わない。
【0051】
次に、第3の凹部52内にシール部材80を充填することにより、第3の凹部52内を密閉する。こうして、図1に示されるセンサ装置S1が完成する。
【0052】
そして、本センサ装置S1を上記した吸気圧センサに適用する場合、例えば自動車におけるインテークマニホルドとポート部50の圧力導入孔40とを連通させた状態とし、圧力検出素子30によって吸気圧(負圧)を検出できるように自動車に搭載する。これにより、図1に示される白抜き矢印の方向に圧力が印加されると、ポート部50の圧力導入孔40を通して、ケース20内の圧力検出素子30の受圧面まで圧力媒体が伝達される。
【0053】
圧力検出素子30は、この圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生し、当該電気信号はボンディングワイヤ23からターミナル10を介して外部へと出力される。また、物理量検出素子60が温度センサの場合、圧力媒体の温度が当該圧力媒体の流れる位置に配置された物理量検出素子60によって検出され、その検出信号は、ターミナル70からターミナル10を介して外部へと出力される。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、ターミナル10と物理量検出素子60とを電気的に接続するターミナル70をインサート成型したポート部50を用いて、物理量検出素子60のリード61とターミナル70とをポート部50の外周部に設けた第3の凹部52内で接続することを特徴としている。これにより、ポート部50内にターミナル70の振動抑制のための緩衝部材を必要としないので、センサ装置S1の部品点数を削減することができる。また、ターミナル70はポート部50にインサート成型されるため、ポート部50に対する第2ターミナルの取付工程等の製造工程を削減することができる。
【0055】
また、物理量検出素子60を外部に露出した状態でポート部50に設置することを特徴としている。これにより、物理量検出素子60にて圧力媒体に係る物理量を直接検出することができ、物理量検出素子60の応答性を向上させることができる。
【0056】
さらに、ターミナル70がポート部50にインサート成型され、ポート部50に設けられた第3の凹部52内でターミナル70と物理量検出素子60のリード61とを接続していることを特徴としている。すなわち、ターミナル70の他端部72と物理量検出素子60のリード61とを接合するだけであるので、測定したい物理量に応じて物理量検出素子60を選択することができる。また、個々のセンサ装置S1において物理量検出素子60以外の構成部材を共通とすることができ、物理量検出素子60に応じたポート部50の設計等を不要とすることができるので、様々な物理量検出素子60の置き換えを容易に行うことができる。
【0057】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、ポート部50に複数の物理量検出素子60を設置し、それぞれ異なる物理量を検出することが特徴となっている。
【0058】
図3は、本発明の第2実施形態に係るセンサ装置の全体概略断面構成を示す図である。この図に示されるセンサ装置S2では、ケース20にインサート成型された複数本のターミナル10のうちの一本(ターミナル11)が、当該ケース20において開口部22とは反対側に伸びるようにインサート成型されている。このようなターミナル11の一端側は他のターミナル10と同様に開口部22内に露出していると共に、他端側は上記開口部22とは反対側においてポート部50に対向する場所まで引き伸ばされ露出した状態とされている。
【0059】
また、ポート部50において、ターミナル70とは反対側にターミナル75(本発明の第2ターミナルに相当)がインサート成型されている。このターミナル75はターミナル70と同様に、物理量検出素子65とターミナル11とを電気的に接続する配線としての役割を果たすものである。すなわち、ターミナル75の一端部76が、ポート部50のうちケース20との連結側から露出していると共に、ポート部50の外周部において第3の凹部52とは反対側に形成された第4の凹部53(本発明の凹部に相当)内に他端部77が露出した状態になっている。
【0060】
そして、ターミナル75の一端部76は上記ターミナル10の他端側に電気的に接続されている。さらに、第3の凹部52と同様に、第4の凹部53内においてターミナル75の他端部77と物理量検出素子65のリード66とが接合され、第4の凹部53内にシール部材81が充填されることで、第4の凹部53内の気密性が図られている。
【0061】
本実施形態では、ターミナル75に接続される物理量検出素子65として、ターミナル70に接続された物理量検出素子60で検出する物理量とは異なる物理量を検出するものが採用される。例えば、物理量検出素子60、65のうち、一方が温度センサ、他方が湿度センサというように、それぞれ異なるセンサが採用される。
【0062】
なお、2つの物理量検出素子60、65として、発光部と受光部とで構成される赤外線センサを採用することもできる。このような場合、物理量検出素子60としての発光部と物理量検出素子65としての受光部とが対向するようにそれぞれをポート部50に設置する。そして、発光部の光を受光部で受光し、その光量を測定することで、例えばEGRシステムにおけるススの量等を取得することが可能となる。
【0063】
以上説明したように、ケース20にターミナル11を設け、ポート部50にターミナル75を設けることにより、ポート部50に複数の物理量検出素子60、65を設置することができる。また、センサ装置S2を製造する上で、設置したい物理量検出素子60、65をそれぞれポート部50に設置し、各リード61、65をそれぞれターミナル70、75に接合してシール部材80、81で密閉するだけであるので、様々なセンサを搭載したセンサ装置S2を容易に製造することができる。
【0064】
(他の実施形態)
上記各実施形態において、ケース20の構成、ケース20に設けられる圧力検出素子30およびその電気的接続構成、ポート部50の構成などは、上記図1や図3に示される例に限定されるものではなく、用途などに応じて適宜種々の設計変更が可能である。
【0065】
上記各実施形態において、ケース20の成型材料としては樹脂を採用しているが、ターミナル10、11をインサート成形により一体成形できるものであれば、樹脂以外の成形材料を採用してもよい。
【0066】
第2実施形態では、ポート部50に2つの物理量検出素子60、65を搭載した場合について説明したが、ポート部50に搭載するセンサの数は2つに限定されるものではなく、3つや4つのセンサを搭載しても構わない。この場合、センサの数に応じてポート部50およびケース20にターミナルをインサート成型すれば良い。
【0067】
上記各実施形態では、第3および第4の凹部52、53にシール部材80、81を充填しているが、各凹部52、53内に被覆部材を設置させるようにしても構わない。逆に、各センサ装置S1、S2において、各凹部52、53にシール部材80、81を設置しない構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の全体概略断面構成を示す図である。
【図2】図1に示されるセンサ装置の製造工程を示した図であり、ポート部に物理量検出素子を設置する様子を示した図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るセンサ装置の全体概略断面構成を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
10…ターミナル、20…ケース、30…圧力検出素子、40…圧力導入孔、50…ポート部、52…第3の凹部、53…第4の凹部、60、65…物理量検出素子、61、66…リード、70、75…ターミナル、71、76…一端部、72、77…他端部、80、81…シール部材、100…接合部材。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二

【識別番号】100108198
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 高広

【識別番号】100111578
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 史博


【公開番号】 特開2008−8731(P2008−8731A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179048(P2006−179048)