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【発明の名称】 半導体式圧力センサおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】川崎 栄嗣

【要約】 【課題】電気信号の外部への取り出し構造の簡素化、チップ面積の増大の防止が図れるようにする。

【構成】半導体チップ1の第2面(裏面)側に配置した台座3を貫通するような貫通電極33を設け、貫通電極33をリードピン41に電気的に接続することで、外部へセンシング部の電気信号を出力できる構成とする。これにより、半導体チップ1および台座3を細長形状とする必要がないため、構造体Aを構成するための半導体チップ1のチップ面積の増大を招かないようにできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を第1面、裏面を第2面として、前記第1面の歪ゲージ(12)が形成されていると共に、前記第2面が部分的に除去されることで、前記第1面側に圧力検出用のダイアフラム(13)が形成されてなる半導体チップ(1)と、前記半導体チップ(1)における前記第1面側に接合された台座(3)とを有して構成された構造体(A)を有し、
前記台座(3)には、該台座(3)の表裏を貫通する貫通孔(31)が形成されていると共に、該貫通孔(31)内に配置され、かつ、前記歪ゲージ(12)に電気的に接続された貫通電極(33)が備えられており、該貫通電極(33)を通じて前記歪ゲージ(12)の外部への電気的な接続が行われるように構成されていることを特徴とする半導体式圧力センサ。
【請求項2】
前記台座(3)は、絶縁基板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体式圧力センサ。
【請求項3】
前記台座(3)は、シリコンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体式圧力センサ。
【請求項4】
前記台座(3)には前記歪ゲージ(12)と接続された信号処理回路が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体式圧力センサ。
【請求項5】
前記台座(3)の表面および前記貫通孔(31)の内壁が絶縁膜(34、35)で覆われており、該絶縁膜(34、35)により前記貫通電極(33)と前記台座(3)とが絶縁されていることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体式圧力センサ。
【請求項6】
前記台座(3)は、前記半導体チップ(1)にスペーサ層(2)を介して接合されており、該スペーサ層(2)のうち前記半導体チップ(1)に形成された前記ダイアフラム(13)と対応する位置に基準圧力室構成用の窓部(21)または凹部(24)が形成されていると共に前記貫通孔(31)と対応する場所にはコンタクトホール(22)が形成され、前記コンタクトホール(22)を通じて前記貫通電極(33)が前記歪ゲージ(12)と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項7】
前記コンタクトホール(22)を囲むように前記スペーサ層(2)を除去したコンタクト分離部(23)が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体式圧力センサ。
【請求項8】
前記台座(3)に形成された前記貫通孔(31)は、該台座(3)の表面に対してテーパ状もしくは垂直に形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項9】
前記貫通電極(33)は、前記貫通孔(31)内を埋め尽くすように形成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項10】
前記貫通電極(33)は、前記貫通孔(31)の表面に一定膜厚で形成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項11】
前記半導体チップ(1)は支持基板(16)の上に絶縁膜(17)を介してSOI層(18)が形成されてなるSOI基板(19)により構成され、前記歪ゲージ(12)は、前記SOI層(18)を貫通して前記絶縁膜(17)に達するように形成されたトレンチおよびこのトレンチ内に形成された絶縁体(19a)にて絶縁分離することで構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項12】
前記構造体(A)が収容される中空部が備えられていると共に、該中空部を通じて前記構造体(A)に備えられた前記歪ゲージ(12)と外部との電気的な接続を行うための外部接続配線(41、5、61)が備えられたケース(4、5)を構成するアッセンブリ(B)を有し、
前記構造体(A)における前記台座(3)側が前記中空部の内側に向けられることで前記貫通電極(33)を介して前記外部接続配線(41、5、61)が前記歪ゲージ(12)と電気的に接続され、前記半導体チップ(1)の前記第2面側に圧力の測定媒体が導かれるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項13】
前記外部接続配線(41、5、61)は前記中空部に配置されるリードピン(41)を含み、該リードピン(41)に対して前記貫通電極(33)が接合されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体式圧力センサ。
【請求項14】
配線部(8a)が形成された実装基板(8)を有し、
前記貫通電極(33)は、前記台座(3)の表面および側面まで延設され、
前記構造体(A)が前記実装基板(8)に対し、前記貫通電極(33)のうちの前記台座(3)の側面に位置する部分が前記配線部(8a)に接続されるように縦置き実装されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項15】
前記構造体(A)に形成された前記貫通電極(33)と電気的に接続されるリードフレーム(70)と、
前記半導体チップ(1)の前記第2面側および前記リードフレーム(70)の先端位置を露出させるように、前記構造体(A)および前記リードフレーム(70)を封止するモールド樹脂(71)と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサ。
【請求項16】
表面を第1面、裏面を第2面として、前記第1面の歪ゲージ(12)が形成されていると共に、前記第2面が部分的に除去されることで、前記第1面側に圧力検出用のダイアフラム(13)が形成されてなる半導体チップ(1)と、前記半導体チップ(1)における前記第1面側に接合された台座(3)とを有して構成された構造体(A)を有し、
前記台座(3)には、該台座(3)の表裏を貫通する貫通孔(31)が形成されていると共に、該貫通孔(31)内に配置され、かつ、前記歪ゲージ(12)に電気的に接続された貫通電極(33)が備えられており、該貫通電極(33)を通じて前記歪ゲージ(12)の外部への電気的な接続が行われるように構成されてなる半導体式圧力センサの製造方法であって、
前記半導体チップ(1)の表層部に前記歪ゲージ(12)を形成する工程と、
前記半導体チップ(1)の前記第1面側にスペーサ層(2)を形成する工程と、
前記スペーサ層(2)に対して、圧力基準室形成用の窓部(21)または凹部(24)を形成すると共に、前記歪ゲージ(12)との電気的な接続を図るためのコンタクトホール(22)を形成する工程と、
前記スペーサ層(2)を挟んで前記半導体チップ(1)の反対側に前記台座(3)を接合する工程と、
前記台座(3)を部分的にエッチングすることで該台座(3)の表裏を貫通するように前記貫通孔(31)を形成する工程と、
前記貫通孔(31)内に前記貫通電極(33)を形成する工程と、
前記半導体チップ(1)の前記第2面にマスク(14)を配置したのち、前記半導体チップ(1)を前記第2面側からエッチングすることで薄膜化し、前記ダイアフラム(13)を形成する工程と、を含んでいることを特徴とする半導体式圧力センサの製造方法。
【請求項17】
前記スペーサ層(2)に前記窓部(21)または前記凹部(24)および前記コンタクトホール(22)を形成する工程では、前記コンタクトホール(22)を囲むように前記スペーサ層(2)を除去してコンタクト分離部(23)を形成する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体式圧力センサの製造方法。
【請求項18】
前記スペーサ層(2)を形成する工程では、該スペーサ層(2)をポリシリコンにより形成することを特徴とする請求項16または17に記載の半導体式圧力センサの製造方法。
【請求項19】
前記スペーサ層(2)を形成する工程では、該スペーサ層(2)を酸化膜により形成し、
前記台座(3)を接合する工程では、前記台座(3)をシリコンで構成し、該台座(3)を前記スペーサ層(2)に対してシリコン直接接合により接合することを特徴とする請求項16または17に記載の半導体式圧力センサの製造方法。
【請求項20】
前記スペーサ層(2)に前記凹部(24)および前記コンタクトホール(22)を形成する工程を行ったのち、前記半導体チップ(1)を熱酸化して酸化膜を形成する工程を行い、該熱酸化工程の後に前記台座(3)を前記スペーサ層(2)に直接シリコン接合し、
さらに、前記台座(3)に前記貫通孔(31)を形成する工程を行ったのち、前記貫通孔(31)を通じて前記熱酸化により形成された酸化膜をエッチバックすることで、前記コンタクトホール(2)から前記半導体チップ(1)の表面を再度露出させる工程を行うことを特徴とする請求項19に記載の半導体式圧力センサの製造方法。
【請求項21】
前記台座(3)に対して前記貫通孔(31)を形成する工程では、該台座(3)の側面の位置においても前記貫通孔(31)を形成し、
前記貫通電極(33)を形成する工程では、該貫通電極(33)が前記台座(3)の側面にも延設されるようにし、
配線部(8a)が形成された実装基板(8)を用意し、前記貫通電極(33)のうち前記台座(3)の側面に位置する部分が前記配線部(8a)に接続されるように、前記構造体(A)を前記実装基板(8)に対して縦置きで実装する工程と、を含んでいることを特徴とする請求項16ないし20のいずれか1つに記載の半導体式圧力センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出用の素子が形成された半導体チップの表面に台座を接合したセンシング部を有する半導体式圧力センサおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1において、圧力検出用の素子が形成された半導体チップの表面に台座を接合した圧力センサが提案されている。この圧力センサでは、半導体チップの表面側に歪ゲージを形成すると共に、裏面側に凹部を設けることで半導体チップを部分的に薄肉化したダイアフラムを形成した構造において、半導体チップの表面側に台座を接合することによりセンシング部を含む構造体を構成している。
【0003】
このような構造とすることにより、(1)歪ゲージが測定媒体に触れず高い信頼性を確保でき、(2)半導体チップの表面に加わる応力が圧縮となるので高い耐圧力を実現でき、(3)測定媒体にセンシング部を挿入できるので温度計測が可能となるという特長を享受できる。
【特許文献1】特許第2792116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される半導体式圧力センサでは、半導体チップと台座を接合した構造体を細長い形状にすると共に、その一端側にセンシング部が構成されるようにし、他端側に外部との電気的な接続を図るパッドなどが配置されるようにしている。このため、半導体式圧力センサのケースや配線基板等が一体化されたアッセンブリ内に上記構造体を収容したときに、センシング部以外の部分が圧力の測定媒体に触れないように、アッセンブリの内壁面と構造体の間に構造体の両端を避けるようにシール材を配置しなければならない等、電気信号の外部への取り出し構造が複雑になるという問題がある。また、センシング部以外の部分が圧力の測定媒体に触れないように、センシング部と電気信号の外部への取り出し場所との距離を離す必要があり、チップ面積の増大も招いてしまう。
【0005】
なお、ここでは半導体チップと台座を接合した構造体をアッセンブリに収容する場合について説明したが、半導体チップを台座に接合した構造体を用いた他の構造、例えば樹脂モールドするような形態であっても、上述したような電気信号の外部への取り出し構造の複雑化およびチップ面積の増大の問題は同様に発生するため、これらの問題を解決できるようにすることが望まれている。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、電気信号の外部への取り出し構造の簡素化、チップ面積の増大の防止が図れる構造の半導体式圧力センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の半導体式圧力センサでは、表面を第1面、裏面を第2面として、第1面の歪ゲージ(12)が形成されていると共に、第2面が部分的に除去されることで、第1面側に圧力検出用のダイアフラム(13)が形成されてなる半導体チップ(1)と、半導体チップ(1)における第1面側に接合された台座(3)とを有して構成された構造体(A)を有し、台座(3)には、該台座(3)の表裏を貫通する貫通孔(31)が形成されていると共に、該貫通孔(31)内に配置され、かつ、歪ゲージ(12)に電気的に接続された貫通電極(33)が備えられており、該貫通電極(33)を通じて歪ゲージ(12)の外部への電気的な接続が行われるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
このような半導体式圧力センサによれば、半導体チップ(1)の第2面(裏面)側に配置した台座(3)を貫通するような貫通電極(33)を設け、貫通電極(33)を通じて歪ゲージ(12)の外部への電気的な接続が行われるようにしている。このため、半導体チップ(1)および台座(3)を細長形状とする必要がないため、構造体(A)を構成するための半導体チップ(1)のチップ面積の増大を招かないようにできるし、簡素な構造であるため、電気信号の外部への取り出し構造が複雑になることもない。
【0009】
このような半導体式圧力センサにおいて、台座(3)をガラスなどの絶縁基板で構成することができる。
【0010】
また、台座(3)をシリコンで構成しても良い。この場合、台座(3)と半導体チップ(1)を構成する材料が共にシリコンにできるため、台座(3)からの熱応力を最小にでき、温度特性が良好なセンサとすることが可能となる。さらに、このように台座(3)をシリコンで構成する場合には、台座(3)に歪ゲージ(12)と接続された信号処理回路を形成することもできる。このようにすれば、信号処理回路を形成するための回路チップを無くしたり小さくしたりすることが可能となる。
【0011】
なお、台座(3)をシリコンで構成することから、台座(3)の表面および貫通孔(31)の内壁を絶縁膜(34、35)で覆い、該絶縁膜(34、35)により貫通電極(33)と台座(3)との絶縁を図ることになる。
【0012】
また、台座(3)を半導体チップ(1)に対してスペーサ層(2)を介して接合することができる。この場合、スペーサ層(2)のうち半導体チップ(1)に形成されたダイアフラム(13)と対応する位置に基準圧力室構成用の窓部(21)または凹部(24)を形成すると共に、貫通孔(31)と対応する場所にはコンタクトホール(22)を形成し、コンタクトホール(22)を通じて貫通電極(33)が歪ゲージ(12)と電気的に接続された構成とすることができる。
【0013】
このとき、コンタクトホール(22)を囲むようにスペーサ層(2)を除去したコンタクト分離部(23)を形成すれば、例えばスペーサ層(2)をポリシリコンで構成する場合のように、高温になると抵抗値が低下してしまい絶縁が十分でなくなる可能性がある場合においても、各コンタクトホール(22)がスペーサ層(2)を通じて電気的に導通してしまわないようにできる。
【0014】
また、台座(3)に形成された貫通孔(31)の形状は任意であり、該台座(3)の表面に対してテーパ状もしくは垂直に形成することができる。また、貫通電極(33)に関しても、貫通孔(31)内を埋め尽くすように形成されていても良いし、貫通孔(31)の表面に一定膜厚で形成されていても良い。
【0015】
半導体チップ(1)は単一のシリコン基板(10)から形成されていても良いが、支持基板(16)の上に絶縁膜(17)を介してSOI層(18)が形成されてなるSOI基板(19)により構成されていても良い。この場合、歪ゲージ(12)は、例えば、SOI層(18)を貫通して絶縁膜(17)に達するように形成されたトレンチおよびこのトレンチ内に形成された絶縁体(19a)にて絶縁分離することで構成される。
【0016】
上記のような構造体(A)は、例えば、構造体(A)が収容される中空部および該中空部を通じて構造体(A)に備えられた歪ゲージ(12)と外部との電気的な接続を行うための外部接続配線(41、5、61)が備えられたケース(4、6)を構成するアッセンブリ(B)に収容される。
【0017】
このような構成においては、構造体(A)における台座(3)側が中空部の内側に向けられることで貫通電極(33)を介して外部接続配線(41、5、61)が歪ゲージ(12)と電気的に接続され、半導体チップ(1)の第2面側に圧力の測定媒体が導かれるような構成とすることができる。
【0018】
このため、アッセンブリ(B)に備えられた中空部に沿って半導体チップ(1)および台座(3)を細長形状とする必要がないく、上述したように、構造体(A)を構成するための半導体チップ(1)のチップ面積の増大を招かないようにできる。
【0019】
また、このような構造では、貫通電極(33)を外部接続配線(41、5、61)に電気的に接合してしまいさえすれば、中空部の内壁面と構造体(A)の間に保護材(43)を注入するだけで良く、アッセンブリ(B)の内壁面と構造体(A)の間に構造体(A)の両端を避けるようにシール材を配置しなければならない等、電気信号の外部への取り出し構造が複雑になることもない。
【0020】
具体的には、外部接続配線(41、5、61)は中空部に配置されるリードピン(41)を含んだ構成とされ、該リードピン(41)に対して貫通電極(33)が接合された構成とすることができる。
【0021】
また、配線部(8a)を含んだ実装基板(8)を備え、貫通電極(33)を台座(3)の表面および側面まで延設することで、構造体(A)が実装基板(8)に対し、貫通電極(33)のうちの台座(3)の側面に位置する部分が配線部(8a)に接続されるように縦置き実装構造とすることもできる。
【0022】
さらに、構造体(A)に形成された貫通電極(33)と電気的に接続されるリードフレーム(70)と、半導体チップ(1)の第2面側およびリードフレーム(70)の先端位置を露出させるように、構造体(A)およびリードフレーム(70)を封止するモールド樹脂(71)とを備えた構造とすることもできる。
【0023】
以上の説明では本発明を半導体式圧力センサという装置発明として把握した場合について記載したが、以下に示す本発明を製造方法の発明として把握することもできる。
【0024】
すなわち、本発明では、半導体チップ(1)の表層部に歪ゲージ(12)を形成する工程と、半導体チップ(1)の第1面側にスペーサ層(2)を形成する工程と、スペーサ層(2)に対して、圧力基準室形成用の窓部(21)または凹部(24)を形成すると共に、歪ゲージ(12)との電気的な接続を図るためのコンタクトホール(22)を形成する工程と、スペーサ層(2)を挟んで半導体チップ(1)の反対側に台座(3)を接合する工程と、台座(3)を部分的にエッチングすることで該台座(3)の表裏を貫通するように貫通孔(31)を形成する工程と、貫通孔(31)内に貫通電極(33)を形成する工程と、半導体チップ(1)の第2面にマスク(14)を配置したのち、半導体チップ(1)を第2面側からエッチングすることで薄膜化し、ダイアフラム(13)を形成する工程と、を含んでいることも特徴としている。
【0025】
このような製造工程により、表面を第1面、裏面を第2面として、第1面の歪ゲージ(12)が形成されていると共に、第2面が部分的に除去されることで、第1面側に圧力検出用のダイアフラム(13)が形成されてなる半導体チップ(1)と、スペーサ層(2)を挟んで半導体チップ(1)とは反対側に接合された台座(3)とを有して構成され、台座(3)に、該台座(3)の表裏を貫通する貫通孔(31)を形成すると共に、該貫通孔(31)内に配置され、かつ、歪ゲージ(12)に電気的に接続された貫通電極(33)が備えられた構造体(A)を備える半導体式圧力センサを製造することができる。
【0026】
この場合、スペーサ層(2)に窓部(21)または凹部(24)およびコンタクトホール(22)を形成する工程において、コンタクトホール(22)を囲むようにスペーサ層(2)を除去してコンタクト分離部(23)を形成する工程を行うことができる。
【0027】
また、スペーサ層(2)を形成する工程では、該スペーサ層(2)をポリシリコンにより形成することもできるが、酸化膜により形成することもできる。このように酸化膜によりスペーサ層(2)を形成する場合、台座(3)を接合する工程において、該台座(3)をスペーサ層(2)に対してシリコン直接接合により接合することができる。また、スペーサ層(2)に凹部(24)およびコンタクトホール(22)を形成する工程を行ったのち、半導体チップ(1)を熱酸化して酸化膜を形成する工程を行い、該熱酸化工程の後に台座(3)をスペーサ層(2)に直接シリコン接合することができる。そして、このように熱酸化を行う場合には、さらに、台座(3)に貫通孔(31)を形成する工程を行ったのち、貫通孔(31)を通じて熱酸化により形成された酸化膜をエッチバックすることで、コンタクトホール(2)から半導体チップ(1)の表面を再度露出させることができる。
【0028】
また、台座(3)に対して貫通孔(31)を形成する工程にて、該台座(3)の側面の位置においても貫通孔(31)を形成しておき、貫通電極(33)を形成する工程にて、該貫通電極(33)が台座(3)の側面にも延設されるようにしておけば、貫通電極(33)のうち台座(3)の側面に位置する部分が配線部(8a)に接続されるように、構造体(A)を実装基板(8)に対して縦置きで実装することもできる。
【0029】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0031】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる半導体式圧力センサの断面図であり、図2は、図1中のセンシング部を構成する構造体Aの拡大断面を模式的に描いた図である。図3は、図2に示す構造体の上面レイアウトを示した図である。図2は、ほぼ図3のA−A矢視断面を示したものに相当している。図4は、半導体式圧力センサの回路構成を示した図である。以下、これらの図を参照して半導体式圧力センサの構造について説明する。
【0032】
図1に示すように、半導体式圧力センサは、センシング部を構成する構造体Aと半導体式圧力センサのケースや配線等が一体化されたアッセンブリBとを有して構成されている。そして、構造体AがアッセンブリB内に固定されることで、外部との電気的な導通が図られると共に、圧力の測定媒体が流動する配管などへの取り付けが行えるようになっている。
【0033】
構造体Aは、図2に示すように、半導体チップ1の表面および裏面をそれぞれ第1面および第2面として、第1面の上にスペーサ層2を介して台座3が接合されることで構成されている。半導体チップ1の第1面には酸化膜11が形成され、この酸化膜11の下層(半導体チップ1の第1面の表層部)に、n型もしくはp型不純物がドーピングされた歪ゲージ12が形成されている。また、半導体チップ1には、歪ゲージ12と対応する位置において、第2面側からエッチングすることで部分的に薄肉化し、圧力印加に伴って撓むように構成されたダイアフラム13が形成されている。
【0034】
歪ゲージ12は、図3に示すように、ダイアフラム13におけるエッジ部分、つまり最も薄肉化されている部分であって第1面と平行な面とテーパ面との境界部分(図3中の正方形部分)に延設されている。この歪ゲージ12は、ダイアフラム13のエッジ部分が構成する四角形の各辺に1つずつ配置され、それらが歪ゲージ12と同様に半導体チップ1の表層部に形成された拡散層14を通じて電気的に接続されることで、図4に示すようにホイートストンブリッジ状に接続され、センシング部が構成されている。
【0035】
具体的には、半導体チップ1における酸化膜11の表面にポリシリコン等で構成されたスペーサ層2が形成され、スペーサ層2を挟んで半導体チップ1の反対側にガラス等の絶縁基板で構成された台座3が接合されている。
【0036】
図3は、断面構造を示したものではないが、図を見やすくするためにスペーサ層2にハッチングを示してある。この図に示されるように、スペーサ層2のうちダイアフラム13と対応する場所には圧力基準室となる窓部21が形成され、複数の歪ゲージ12それぞれの接続位置、つまり拡散層14と対応する各場所には、コンタクトホール22が形成されている。、さらに、各コンタクトホール22を囲むようにスペーサ層2が除去されることで、コンタクト分離部23が形成されている。
【0037】
一方、台座3のうちコンタクトホール22と対応する場所には貫通孔31が形成されており、この貫通孔31およびコンタクトホール22を埋め尽くすように貫通電極33が形成されている。このような構造により、貫通電極33が各拡散層14と電気的に接続され、図4に示されるような回路構造が構成されている。
【0038】
なお、スペーサ層2は基本的には高抵抗材料であるポリシリコン等で構成されているため、各拡散層14間の絶縁が図れるようになっているが、ポリシリコン等の材料は高温になると抵抗値が低下するため、絶縁が十分でなくなる可能性がある。このため、コンタクトホール22を囲むようにコンタクト分離部23を形成することにより、各コンタクトホール22がスペーサ層2を通じて電気的に導通してしまわないようにしてあるが、スペーサ層2の材料の選択によってはコンタクト分離部23を無くしても構わない。
【0039】
このように構成された構造体Aは、半導体チップ1の第1面側がスペーサ層2を介して台座3と接合された、いわゆるフェイスダウン構造となり、台座3に形成した貫通電極33を通じてアッセンブリBに設けられた各種回路を含む外部接続配線を通じて、歪ゲージ12の電気信号を外部に取り出せる構造となる。
【0040】
一方、アッセンブリBは、図1に示すように、センサハウジング4とフレキシブルリード5およびコネクタ6を備えた構成とされている。
【0041】
センサハウジング4は、中空形状とされており、中空部内に導体金属で構成された複数のリードピン41を収容すると共に、構造体Aを収容するものである。センサハウジング4の中空部内はガラスハーメチック等の絶縁体42にてハーメッチック封止され、複数のリードピン41が互いに接触したり、センサハウジング4の中空部内壁と接触したりしないような構成となっている。
【0042】
そして、リードピン41のうちの一端側に構造体Aにおける台座3側が向けられ、台座3から露出した貫通電極33がリードピン41にはんだ等を介して電気的に接続されている。この電気的接続部および半導体チップ1の中間位置(厚みの途中の位置)まで保護材43で覆われ、電気的接合部が測定媒体と接触しないようにシールが為されている。
【0043】
なお、センサハウジング4の外周には雄ネジ溝44が掘られており、この雄ネジ溝44が図示しない測定媒体の流動する配管の雌ネジ穴内にネジ締めされることで、半導体式圧力センサの配管への固定が行われる。
【0044】
フレキシブルリード5は、本実施形態では、図1に示すようなU字状で構成され、一部がリードピン41の他端と電気的に接続されている。このフレキシブルリード5には、センシング部の電気信号を処理するための信号処理回路などを構成する回路チップ51、コンデンサ52等が装着されている。なお、フレキシブルリード5には、図示しないが電源ラインやGNDライン、さらにはセンシング部から出力される電気信号出力用のラインなど、外部接続配線の一部が形成されており、このフレキシブルリード5に回路チップ51やコンデンサ52の裏面などに設けられたパッドとはんだ等を介して電気的に接続されることで、所望のラインと回路チップ51やコンデンサ52との電気的な接続が図れるようになっている。
【0045】
コネクタ6は、コネクタピン61やOリング62等を備えて構成され、コネクタピン61を介して外部との電気的な接続を取るためのものである。
【0046】
このように構成された半導体式圧力センサでは、図4に示すような回路構成となるように各部が電気的に接続され、ホイートンストンブリッジを構成するように配置された歪ゲージ12の相対する2本の抵抗値が印加された圧力に応じて増減することで圧力を検出することができる。また、ダイアフラム13に対して、印加される応力の絶対値が等しくなるように各歪ゲージ12を配置することで、ブリッジ全体の合成抵抗が圧力には依存せず、温度にのみ依存するよう設計することができる。その結果、図4に示す回路構成のように、ホイートンストンブリッジの中間電位2点の電位差を圧力出力とし、かつ、ホイートンストンブリッジへの印加電圧を温度出力とした温度計測可能な半導体式圧力センサとすることができる。そして、このような構成では、圧力検出に必要な4本の端子のみで温度も計測できる構造にできるため、リードピン41も最小数とすることができ、小型・低コスト化に寄与できる。このような回路構造については、上述した特許文献1において公知となっているため、詳細については省略する。
【0047】
なお、温度測定に関しては、半導体チップ1に別途温度検出素子他の拡散抵抗、TCRの大きな金属薄膜抵抗、ダイオード等を設けても良い。
【0048】
続いて、上記のように構成される半導体式圧力センサの製造方法について説明する。図5、図6は、本実施形態の半導体式圧力センサの製造工程を示した断面図であり、これらの図を参照して説明する。
【0049】
まず、図5(a)に示す工程では、例えば半導体チップ1を構成するn型のシリコン基板10を用意し、シリコン基板10の表面を熱酸化することにより、所望膜厚の酸化膜11を形成する。
【0050】
図5(b)に示す工程では、シリコン基板10の第1面に対してイオン注入用のマスクを配置したのち、第1面の所定の位置に、例えばp型不純物であるボロン等をイオン注入したのち、熱処理して注入された不純物を活性化させることでp型の歪ゲージ12を形成する。なお、ここではイオン注入法により歪ゲージ12を形成したが、熱拡散により形成しても良い。
【0051】
図5(c)、(d)に示す工程では、ポリシリコン(多結晶シリコン)等からなるスペーサ層2を成膜した後、スペーサ層2の所望位置をエッチング除去することにより、圧力基準室を構成するための窓部21、コンタクトホール22、コンタクト分離部23を形成する。
【0052】
図5(e)に示す工程では、ガラス等からなる台座3をスペーサ層2の表面に陽極接合する。これにより、窓部21が空間として残り、圧力基準室が形成される。なお、このときの接合に関しては、Au共晶、低融点ガラス、ハンダ等、圧力基準室の気密を保つことができるのであれば他の方法でも構わない。
【0053】
図6(a)に示す工程では、台座3のうちコンタクトホール22に対応する部分をエッチングして、テーパ状の貫通孔31を形成する。
【0054】
図6(b)に示す工程では、歪ゲージ12と電気的接続を取るためにAl等の金属やメッキの下地になるCu等の金属等を順次成膜し、引き続き、メッキを施すことで、貫通孔31を金属32で埋め尽くす。
【0055】
図6(c)に示す工程では、金属32の所望位置をエッチング除去して、貫通電極33を形成する。
【0056】
図6(d)に示す工程では、シリコン基板10の第2面の表面に窒化膜15を成膜したのち、ダイアフラム形成予定領域と対応する位置において窒化膜15をエッチングにより除去する。
【0057】
図6(e)に示す工程では、窒化膜15をマスクとしたエッチングを行うことで、シリコン基板10を掘り込んでダイアフラム13を形成する。この後、台座3と共にシリコン基板10をダイシングカットすることでチップ単位に分割し、半導体チップ1がスペーサ層2を介して台座3に接合されたセンシング部を含む構造体Aが構成される。
【0058】
そして、このように構成された構造体Aをセンサハウジング4とフレキシブルリード5およびコネクタ6が備えられたアッセンブリBにおけるセンサハウジング4の中空部内に配置し、はんだ等を介してリードピン41と貫通電極33を電気的に接合したのち、保護材43を注入することで、本実施形態の半導体式圧力センサが完成する。
【0059】
以上説明した本実施形態の半導体式圧力センサによれば、半導体チップ1の第2面(裏面)側に配置した台座3を貫通するような貫通電極33を設け、貫通電極33を通じて歪ゲージ12の外部への電気的な接続が行われるようにしている。このため、半導体チップ1および台座3を細長形状とする必要がないため、構造体Aを構成するための半導体チップ1のチップ面積の増大を招かないようにできるし、簡素な構造であるため、電気信号の外部への取り出し構造が複雑になることもない。
【0060】
特に、本実施形態の半導体式圧力センサによれば、半導体チップ1の第2面(裏面)側に配置した台座3を貫通するような貫通電極33を設け、貫通電極33をリードピン41に電気的に接続することで、外部へセンシング部の電気信号を出力できる構成としている。このため、アッセンブリBにおけるセンサハウジング4の中空部に沿って半導体チップ1および台座3を細長形状とする必要がないため、上述したように、構造体Aを構成するための半導体チップ1のチップ面積の増大を招かないようにできる。
【0061】
また、このような構造では、貫通電極33をリードピン41に電気的に接合してしまいさえすれば、センサハウジング4の中空部の内壁面と構造体Aの間に保護材43を注入するだけで良く、アッセンブリBの内壁面と構造体Aの間に構造体Aの両端を避けるようにシール材を配置しなければならない等、電気信号の外部への取り出し構造が複雑になることもない。
【0062】
さらに、特許文献1に示される構造の場合、外部との電気的な接続も、上記パッド等を半導体チップと台座の間に配置すると共に、半導体チップの長手方向の長さが台座よりも長くなるようにすることでパッド等を台座から露出させ、パッドとアッセンブリ側に設置されていた配線基板の配線などとをボンディングワイヤで接続することにより行っている。このとき、半導体チップのうちパッドが形成された表面とアッセンブリ側に設置された配線基板の表面とが垂直となるため、ワイヤボンディング等の実装工程が複雑になる。
【0063】
これに対して、本実施形態の半導体式圧力センサによれば、貫通電極33をリードピン41に電気的に接合すれば良いため、従来のように半導体チップのうちパッドが形成された表面とアッセンブリ側に設置された配線基板の表面とが垂直となるためにワイヤボンディング等の実装工程が複雑になるという問題も解消することができる。
【0064】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、半導体式圧力センサにおけるセンシング部を構成する構造体Aの構造を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なっている構造体Aについてのみ説明する。
【0065】
図7は、本実施形態の半導体式圧力センサにおけるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。この図に示されるように、本実施形態の半導体式圧力センサでは、スペーサ層2を酸化膜で構成すると共に、スペーサ層2を半導体チップ1の表面が露出しない程度に部分的にエッチングすることで凹部24を形成している。また、スペーサ層2の表面にシリコンで構成された台座3がシリコン直接接合により接続されている。そして、スペーサ層2に形成された凹部24にて、スペーサ層2と台座3との間に圧力基準室が形成された構造となっている。
【0066】
このような構造とすることで、第1実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、台座3と半導体チップ1を構成する材料が共にシリコンにできるため、台座3からの熱応力を最小にでき、温度特性が良好なセンサとすることが可能となる。
【0067】
なお、本図に示されるように、貼り合わせた台座3がシリコンであることから、電極33との絶縁性を確保するために、台座3の表面および貫通孔31の内壁を絶縁膜34、35で覆った構造としている。
【0068】
続いて、本実施形態の半導体式圧力センサの製造方法について説明する。図8〜図10は、本実施形態の半導体式圧力センサの製造工程を示した断面図であり、これらの図を参照して説明する。
【0069】
まず、図8(a)、(b)に示す工程では、上述した図5(a)、(b)と同様の工程を行うことで、半導体チップ1の表面に酸化膜11を形成すると共に、半導体チップ1の表層部に歪ゲージ12を形成する。
【0070】
図8(c)、(d)に示す工程では、CVD法等により酸化膜を成膜したのち、熱処理を施し酸化膜の膜質を改善を行うことでスペーサ層2を形成する。そして、スペーサ層2の所望位置をエッチング除去することにより、圧力基準室を構成するための凹部24およびコンタクトホール22を形成する。そして、図8(e)に示す工程では、再度、熱酸化を行い、歪ゲージ12のPN接合部を保護するための酸化膜7を形成する。
【0071】
次に、図9(a)に示す工程では、高抵抗のシリコンからなる台座3をシリコン直接接合によりスペーサ層2の表面に接合し、必要に応じてシリコンを研削することで台座3の厚みを調整する。これにより、スペーサ層2に形成された凹部24が空間として残り、台座3とスペーサ層2の間に圧力基準室が形成される。引き続き、図9(b)に示す工程では、絶縁膜34をCVDもしくは熱酸化により形成し、この絶縁膜34のうち貫通孔31の形成予定領域を開口させる。この絶縁膜34をマスクとして用いたエッチングを行うことで、台座3のうちコンタクトホール22に対応する部分に貫通孔31を形成する。
【0072】
続いて、図9(c)に示す工程にて、熱酸化によって貫通孔31の内壁(側面)にSiO2からなる絶縁膜35を形成したのち、エッチバックしてスペーサ層2を後退させ、歪ゲージ12を露出させる。そして、図9(d)に示す工程において、貫通孔31内を歪ゲージ12と電気的接続を取るための金属32で埋め尽くす。この後、図9(e)に示す工程にて、金属32の所望位置をエッチング除去して、貫通電極33を形成する。
【0073】
そして、図10(a)、(b)に示す工程では、図6(d)、(e)と同様の工程により、シリコン基板10の第2面に形成した窒化膜14をマスクとしてエッチングを行うことで、シリコン基板10を掘り込んでダイアフラム13を形成する。この後、台座3と共にシリコン基板10をダイシングカットすることでチップ単位に分割し、半導体チップ1がスペーサ層2を介して台座3に接合されたセンシング部を含む構造体Aが構成される。
【0074】
そして、このように構成された構造体Aをセンサハウジング4とフレキシブルリード5およびコネクタ6が備えられたアッセンブリBにおけるセンサハウジング4の中空部内に配置し、はんだ等を介してリードピン41と貫通電極33を電気的に接合したのち、保護材43を注入することで、本実施形態の半導体式圧力センサが完成する。
【0075】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、半導体式圧力センサにおけるセンシング部を構成する構造体Aの電気的な接続構造を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なっている構造体Aについてのみ説明する。
【0076】
図11は、本実施形態の半導体式圧力センサにおけるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。この図に示すように、第1または第2実施形態に示したセンシング部を構成する構造体Aが縦置き実装されている。具体的には、貫通電極33が台座3の表面から側面まで延設されるようにしてあり、台座3の側面においいて貫通電極33が実装基板8に備えられた配線部8aに接合されている。このように構造体Aを縦置き実装することも可能であり、このような構造であっても電気信号の外部への取り出し構造の簡素化、チップ面積の増大の防止を図ることができる。
【0077】
また、このような構造の場合、構造体Aの側面で電気信号の外部への取り出しが行われることになり、台座3の表面側が電気信号の取り出しのために他の部材等で拘束されたりすることがないので、センサハウジング4等からの熱応力の影響を最小することができ、温度特性の良好なセンサを得ることができる。
【0078】
なお、このような縦置き実装の場合には、上記第1、第2実施形態のように貫通電極33がリードピン41に直接接合される代わりに、実装基板8を介して他の配線等と電気的に接合されることになるが、実装基板8と共にセンサハウジング4の中空部内に挿入されるようにし、実装基板8がセンサハウジング4の中空部から飛び出して配線部8aとフレキシブルリード5の配線部と電気的に接続できるような形態とすれば良い。
【0079】
(他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、構造体AやアッセンブリBを構成する各部の構造や材質等について例を挙げて説明しているが、これらは単なる一例を示したものであり、様々に改良可能である。
【0080】
例えば、上記第1実施形態では、台座3に対してテーパ状の貫通孔31を形成し、この貫通孔31を埋め尽くすように貫通電極33を備えたものを示した。しかしながら、これは単なる一例であり、他の構造であっても構わない。図12〜図14は、貫通孔31の形状もしくは貫通電極33の形状を変更した場合の構造体Aの断面図である。
【0081】
図12に示すように、台座3に対して貫通孔31を垂直に加工しても良い。また、図13に示すように、貫通孔31を貫通電極33で埋め尽くさず、貫通電極33が貫通孔31の表面のみに形成される形態としても良い。さらに、図14に示すように、シリコン基板10に代えて支持基板16の表面に絶縁膜17を介してSOI(Silicon on insulator)層18が形成されたSOI基板19を用いても良い。この場合、各歪ゲージ12は、SOI層18に不純物をドーピングしておいた後、SOI層18に対して絶縁膜17まで達するトレンチ加工を行い、トレンチ内を絶縁体19aで絶縁分離することで構成される。このようにSOI基板19を用いれば、より高温での半導体式圧力センサの使用が可能になる。なお、SOI基板19ではなく、支持基板上に絶縁膜を介して多結晶シリコンを形成した基板であっても同様の効果を得ることができる。
【0082】
さらに、上記各実施形態では、構造体AをアッセンブリBに収容する場合について説明したが、上記各実施形態で示した構造体Aを樹脂モールドするような実装形態としても構わない。図15は、構造体Aを樹脂モールドした半導体式圧力センサの断面構造を示したものである。この図に示されるように、半導体チップ1のうちセンシング部が構成された側の表面に台座3を貼り付けるフェイスダウン構造において、台座3の貫通孔31に形成した貫通電極33がリードフレーム70に接合されるようにし、半導体チップ1における第2面側(ダイアフラム13の凹み部)およびリードフレーム70の端子部分が露出するように、半導体チップ1およびリードフレーム70を部分的にモールド樹脂71で封止した構造としても良い。
【0083】
また、上記第1、第2実施形態において、図6や図10などに示したように、貫通電極33を形成した後にダイアフラム13を形成する場合を例に挙げて説明したが、ダイアフラム13を形成した後に貫通電極33を形成するようにしても良い。
【0084】
また、上記第3実施形態で示した縦置き実装構造や上記図12〜図15に示した構造に関して、第1実施形態に示したような台座3をガラス等の絶縁基板で構成した場合に対してのみ説明しているが、勿論、第2実施形態で示したような台座3をシリコンで構成する場合にも適用することができる。
【0085】
なお、上記各実施形態において、台座3をシリコンにて構成する場合、台座3に対して信号処理回路などを作り込むことも可能である。このようにすれば、信号処理回路のための回路チップ51を無くしたり、小型化することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる半導体式圧力センサの断面図である。
【図2】図1中のセンシング部を構成する構造体Aの拡大断面図である。
【図3】図2に示す構造体Aの上面レイアウトを示した図である。
【図4】図1に示す半導体式圧力センサの回路構成を示した図である。
【図5】図2に示す半導体式圧力センサの構造体Aの製造工程を示した断面図である。
【図6】図5に続く半導体式圧力センサの構造体Aの製造工程を示した断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の半導体式圧力センサにかかるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。
【図8】図7に示す半導体式圧力センサの構造体Aの製造工程を示した断面図である。
【図9】図8に続く半導体式圧力センサの構造体Aの製造工程を示した断面図である。
【図10】図9に続く半導体式圧力センサの構造体Aの製造工程を示した断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の半導体式圧力センサにかかるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態の半導体式圧力センサにかかるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態の半導体式圧力センサにかかるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態の半導体式圧力センサにかかるセンシング部を構成する構造体Aの断面図である。
【図15】構造体Aを樹脂モールドした半導体式圧力センサの断面構造を示した図である。
【符号の説明】
【0087】
1…半導体チップ、2…スペーサ層、3…台座、4…センサハウジング、5…フレキシブルリード、6…コネクタ、7…酸化膜、8…実装基板、8a…配線部、10…シリコン基板、11…酸化膜、12…歪ゲージ、13…ダイアフラム、14…拡散層、15…窒化膜、16…支持基板、17…絶縁膜、18…SOI層、19…SOI基板、19a…絶縁体、21…窓部、22…コンタクトホール、23…コンタクト分離部、23…凹部、24…凹部、31…貫通孔、32…金属、33…貫通電極、34、35…絶縁膜、41…リードピン、42…絶縁体、43…保護材、44…雄ネジ溝、51…回路チップ、52…コンデンサ、61…コネクタピン、62…Oリング、70…リードフレーム、71…モールド樹脂、A…構造体、B…アッセンブリ。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100100022
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 洋二

【識別番号】100108198
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 高広

【識別番号】100111578
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 史博


【公開番号】 特開2008−2994(P2008−2994A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174064(P2006−174064)