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【発明の名称】 温度センサ、温調装置、温度制御装置および温度制御方法
【発明者】 【氏名】板東 賢一

【要約】 【課題】被測定物の温度分布に影響を与えることなく十分な測定精度を確保できる温度センサ、および、自然対流の影響を回避でき、安定した制御指令変動および目標温度で温度制御できる温度制御装置を提供すること。

【構成】温度センサ10は、接触により被測定物50の温度を測定する感温部と、感温部を接触面とは反対側から支持し、感温部に対応した部分の一部に空間を有する支持部とを備える。温度制御装置は、温調装置と、温度制御対象物50と接触して温度を測定する温度センサ10と、温調装置を制御するコントローラとを備え、コントローラは、温度制御対象物50の載置状態を判定する載置状態判定手段と、この判定結果に応じて温調装置の制御ゲインおよび目標温度を切り換える切換手段と、制御ゲイン、目標温度、および温度センサ10の測定値に基づき制御指令を生成する制御指令生成手段とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の温度を測定する温度センサであって、
平面状の接触面を有するとともに、この接触面と前記被測定物との接触により当該被測定物の温度を測定する感温部と、
前記感温部を前記接触面とは反対側から支持し、かつ前記感温部に対応した部分の一部に空間を有する支持部とを備えている
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の温度センサにおいて、
前記支持部は、樹脂またはガラスで形成されている
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の温度センサにおいて、
前記感温部を前記被測定物側に付勢する付勢部材を備えている
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項4】
請求項3に記載の温度センサにおいて、
前記支持部は、前記感温部および前記付勢部材間に設けられている
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の温度センサにおいて、
前記付勢部材はベローズである
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の温度センサにおいて、
前記感温部に接続される導線を備え、
前記導線は、前記感温部に対して前記接触面とは反対側で接続されている
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項7】
被測定物の温度を測定する温度センサであって、
平面状の接触面を有するとともに、この接触面と前記被測定物との接触により当該被測定物の温度を測定する感温部と、
前記感温部を前記接触面とは反対側から支持する支持部と、
付勢方向の端部に設けられた端面部およびこの端面部に形成された孔を有し、前記感温部を前記被測定物側に付勢する付勢部材と、
前記感温部に接続され、前記感温部から外部に導かれる導線とを備え、
前記支持部および前記付勢部材の前記端面部により、前記感温部に対応した部分の一部に空間が形成され、
前記導線は、前記感温部から、前記支持部の内部、前記付勢部材の前記孔、および前記付勢部材の内部を通って外部に導かれている
ことを特徴とする温度センサ。
【請求項8】
載置された被測定物の温度を調節する温調装置であって、
前記被測定物を載置するためのプレート本体と、
前記被測定物を加熱または冷却し前記被測定物の温度を調節する温度調節手段と、
前記プレート本体に設けられた請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の温度センサとを備えている
ことを特徴とする温調装置。
【請求項9】
温度制御対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、
前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する温度センサと、
前記温調装置による加熱量または冷却量を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定する載置状態判定手段と、
前記載置状態判定手段の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換える切換手段と、
前記制御ゲイン、前記目標温度、および前記温度センサの測定値に基づいて、前記制御指令を生成する制御指令生成手段とを備えている
ことを特徴とする温度制御装置。
【請求項10】
温度制御対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、
前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、
前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサと、
前記温調装置による加熱量または冷却量を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定する載置状態判定手段と、
前記載置状態判定手段の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換える切換手段とを備えている
ことを特徴とする温度制御装置。
【請求項11】
温度制御対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、
前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、
前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサと、
前記温調装置による加熱量または冷却量を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定する載置状態判定手段と、
前記載置状態判定手段の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換え、また、前記制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換える切換手段と、
前記温度測定値、前記制御ゲイン、および前記目標温度に基づいて、前記制御指令を生成する制御指令生成手段とを備えている
ことを特徴とする温度制御装置。
【請求項12】
載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する温度センサとを用いた前記温度制御対象物の温度制御方法であって、
前記温度センサの測定値を取得するステップと、
前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定するステップと、
前記温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換えるステップと、
前記制御ゲイン、前記目標温度、および前記温度センサの測定値に基づいて、前記制御指令を生成するステップとを備えている
ことを特徴とする温度制御方法。
【請求項13】
載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサとを用いた前記温度制御対象物の温度制御方法であって、
前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサの測定値を取得するステップと、
前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定するステップと、
前記温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換えるステップと、
前記温度測定値、制御ゲイン、および目標温度に基づいて、前記制御指令を生成するステップとを備えている
ことを特徴とする温度制御方法。
【請求項14】
載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサとを用いた前記温度制御対象物の温度制御方法であって、
前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサの測定値を取得するステップと、
前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定するステップと、
前記温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換え、また、前記制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換えるステップと、
前記温度測定値、前記制御ゲイン、および前記目標温度に基づいて、前記制御指令を生成するステップとを備えている
ことを特徴とする温度制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサ、この温度センサを備えた温調装置および温度制御装置、並びに温度制御方法に係り、より具体的には、半導体ウェハ用の温度センサ、温調装置、温度制御装置および温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスに対する高性能化および低価格化の要求に伴って、半導体の製造プロセスでは、微細化、歩留まり向上、高スループット化、および多品種少量生産が求められている。これら要求の達成には、回路の線幅に対する高い精度が必要とされ、線幅の精度は、熱処理工程におけるチャンバ内のウェハ温度に依存している。このため、半導体の製造プロセスにおいては、熱処理の際のウェハ温度を所定の値に保つことが重要な課題になっている。例えば、フォトリソグラフィでは、ウェハを加熱するためのホットプレートや、冷却するためのクーリングプレートの温度調節により、ウェハの温度が制御される。
【0003】
特に、フォトリソグラフィにおいて、150nm以下の線幅の形成に使用される化学増幅型のレジスト剤は、温度変化の影響を受け易く、このレジスト剤を用いた場合の線幅は、露光後のPEB(Post Exposure Bake)処理の加熱温度に大きく依存する。この化学増幅型のレジスト剤を用いた場合には、ウェハの面内温度分布の均一性は、PEB処理の定常状態において±0.1℃以内と非常に高い精度が要求される。このような要求を満足するためには、温度センサについても同程度の測定精度が確保される必要がある。
【0004】
ところで、フォトリソグラフィでは、例えば図16に示すように、ホットプレート1上にウェハ50が載置され、ホットプレート1の内部に設けられたヒータ3によって、ウェハ50が加熱される。その際、ホットプレート1を構成するプレート本体4との接触によってウェハ50の裏面が汚染されるのを防止するため、ウェハ50は、プレート本体4上に設けられた支持ピン5を介してホットプレート1上に載置される。そして、プレート本体4の表面からの支持ピン5の高さ寸法は、ホットプレート1の温度調節に対するウェハ50の温度昇降の応答性を高めるために、約0.1mmと非常に小さな値に設定されている。
【0005】
このような状態でホットプレート1上に載置されたウェハ50の面内温度分布の均一性は、プレート本体4の複数箇所に埋め込まれた温度センサ90の測定値を用いて、各ヒータ3の多変数制御により調整される(例えば、特許文献2)。この場合には、制御対象であるウェハ50の実際の温度が未知であるため、ウェハ50の温度制御を精度良く実施することが困難となっている。
そこで、ウェハ50の実際の温度を得るために、チャンバ内のウェハ50に接触させることでウェハ50の温度を直接測定する温度センサが開発されている(例えば、特許文献1,3〜6)。
また、温度センサをウェハに接触させてウェハの実際の温度を測定し、この測定値を用いてウェハの温度を制御する温度制御装置が望まれている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−100605号公報
【特許文献2】特開2001−230199号公報
【特許文献3】特開平7−221154号公報
【特許文献4】特開平4−148545号公報
【特許文献5】特開平4−51538号公報
【特許文献6】実開昭62−47124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の温度センサは、加熱プレート上の球状のスペーサに直接設けられており、加熱プレートの熱がスペーサを介して温度センサに伝わってしまう。このため、温度センサが、加熱プレートの熱を受けて温度を測定してしまい、ウェハ温度の測定精度が十分に確保されないという問題がある。
【0008】
特許文献3に記載の温度センサは、石英ガラスで形成される支持ピンによって熱電対を支持し、この支持ピンの先端に熱電対と接合するアルミナ製のキャップを備えた構成となっている。しかし、支持ピンを構成する石英ガラスの熱伝導率は1.4W/mk程度と高く、かつ支持ピンの直径は2.5〜3.5mmと大きいため、ウェハから多量の熱が支持ピンに流れ込んでしまう。このため、ウェハ温度の測定精度が十分に確保されないという問題がある。実際、特許文献3には、この温度センサの測定誤差が数℃程度であることが記載されている。
また、キャップのウェハとの接触面の直径が4mmと大きいため、ウェハからキャップを介して放出される熱量が大きく、ウェハの面内温度の均一性に影響を与えてしまうという問題もある。
【0009】
特許文献4に記載の温度センサは、熱電対を覆う棒状の被覆部材の外径が0.5〜0.8mm程度と大きいため、載置時のウェハおよびプレート間の隙間が0.1mm程度に設定されている場合には、この隙間内に温度センサを配置することができないという問題がある。また、たとえ温度センサを配置しても、ウェハと接触する部分である被覆部材の先端部が、幅0.5mm程度の平坦面でウェハとの接触面積が大きいため、ウェハから放出される熱量が大きく、ウェハの面内温度の均一性に影響を与えてしまう。
【0010】
特許文献5に記載の温度センサは、金属薄膜を支持する支持用ピンが金属薄膜に対して非常に大きいため、支持用ピンへの放熱量が大きくなってしまう。このため、ウェハ温度の測定精度を十分確保することができないという問題がある。
また、支持用ピンへの放熱量が大きいため、ウェハの面内温度の均一性に影響を与えてしまうという問題もある。
【0011】
特許文献6に記載の温度センサは、ヒータに固定されたばねに、ウェハに接触する円板が取り付けられ、この円板に熱電対が取り付けられる構成になっている。このような構成では、ヒータの熱がばねおよび円板を介して熱電対に伝わってしまい、熱電対が、ヒータの熱を受けて温度を測定してしまう。このため、ウェハ温度の測定精度が十分に確保されないという問題がある。
また、ウェハと接触する円板の接触面積が大きく、ウェハから円板およびばねに対して放出される熱量が大きいため、ウェハの面内温度の均一性に影響を与えてしまうという問題もある。
【0012】
そして、温度センサをウェハに接触させてウェハの温度を測定する場合には、特許文献2のように温度センサがプレート本体内に埋め込まれている場合と異なり、温度センサがチャンバ内の気体に直接触れることになる。このため、ウェハを載置する前にホットプレート上に発生する自然対流の影響を受けて、温度センサの測定値が大きく変動し、これに伴ってホットプレートに対する制御指令も変動してしまう。この場合には、制御指令に従ってホットプレートの温度も大きく変動することになるため、その後の温度制御をスムーズに行うことが困難になるという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、被測定物の温度分布に影響を与えることなく、十分な測定精度を確保できる温度センサおよびこの温度センサを備えた温調装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、自然対流の影響を回避することができ、安定した制御指令変動および整定時間で温度制御対象物の温度を制御できる温度制御装置および温度制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る温度センサは、被測定物の温度を測定する温度センサであって、平面状の接触面を有するとともに、この接触面と前記被測定物との接触により当該被測定物の温度を測定する感温部と、前記感温部を前記接触面とは反対側から支持し、かつ前記感温部に対応した部分の一部に空間を有する支持部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項2に係る温度センサは、請求項1に記載の温度センサにおいて、前記支持部は、樹脂またはガラスで形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項3に係る温度センサは、請求項1または請求項2に記載の温度センサにおいて、前記感温部を前記被測定物側に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項4に係る温度センサは、請求項3に記載の温度センサにおいて、前記支持部は、前記感温部および前記付勢部材間に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項5に係る温度センサは、請求項4に記載の温度センサにおいて、前記付勢部材はベローズであることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項6に係る温度センサは、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の温度センサにおいて、前記感温部に接続される導線を備え、前記導線は、前記感温部に対して前記接触面とは反対側で接続されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項7に係る温度センサは、被測定物の温度を測定する温度センサであって、平面状の接触面を有するとともに、この接触面と前記被測定物との接触により当該被測定物の温度を測定する感温部と、前記感温部を前記接触面とは反対側から支持する支持部と、付勢方向の端部に設けられた端面部およびこの端面部に形成された孔を有し、前記感温部を前記被測定物側に付勢する付勢部材と、前記感温部に接続され、前記感温部から外部に導かれる導線とを備え、前記支持部および前記付勢部材の前記端面部により、前記感温部に対応した部分の一部に空間が形成され、前記導線は、前記感温部から、前記支持部の内部、前記付勢部材の前記孔、および前記付勢部材の内部を通って外部に導かれていることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項8に係る温調装置は、載置された被測定物の温度を調節する温調装置であって、前記被測定物を載置するためのプレート本体と、前記被測定物を加熱または冷却し前記被測定物の温度を調節する温度調節手段と、前記プレート本体に設けられた請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の温度センサとを備えていることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項9に係る温度制御装置は、温度制御対象物の温度を制御する温度制御装置であって、載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する温度センサと、前記温調装置による加熱量または冷却量を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定する載置状態判定手段と、前記載置状態判定手段の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換える切換手段と、前記制御ゲイン、前記目標温度、および前記温度センサの測定値に基づいて、前記制御指令を生成する制御指令生成手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項10に係る温度制御装置は、温度制御対象物の温度を制御する温度制御装置であって、載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサと、前記温調装置による加熱量または冷却量を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定する載置状態判定手段と、前記載置状態判定手段の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換える切換手段とを備えていることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項11に係る温度制御装置は、温度制御対象物の温度を制御する温度制御装置であって、載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサと、前記温調装置による加熱量または冷却量を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定する載置状態判定手段と、前記載置状態判定手段の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換え、また、前記制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換える切換手段と、前記温度測定値、前記制御ゲイン、および前記目標温度に基づいて、前記制御指令を生成する制御指令生成手段とを備えていることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項12に係る温度制御方法は、載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する温度センサとを用いた前記温度制御対象物の温度制御方法であって、前記温度センサの測定値を取得するステップと、前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定するステップと、前記温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換えるステップと、前記制御ゲイン、前記目標温度、および前記温度センサの測定値に基づいて、前記制御指令を生成するステップとを備えていることを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項13に係る温度制御方法は、載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサとを用いた前記温度制御対象物の温度制御方法であって、前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサの測定値を取得するステップと、前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定するステップと、前記温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換えるステップと、前記温度測定値、制御ゲイン、および目標温度に基づいて、前記制御指令を生成するステップとを備えていることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項14に係る温度制御方法は、載置された前記温度制御対象物の温度を調節する温調装置と、前記温調装置上に載置された前記温度制御対象物と接触して温度を測定する第1の温度センサと、前記温調装置の温度を測定する第2の温度センサとを用いた前記温度制御対象物の温度制御方法であって、前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサの測定値を取得するステップと、前記温調装置上の前記温度制御対象物の載置状態を判定するステップと、前記温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、前記温調装置の制御指令の生成に用いる温度測定値を前記第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換え、また、前記制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換えるステップと、前記温度測定値、前記制御ゲイン、および前記目標温度に基づいて、前記制御指令を生成するステップとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の温度センサに係る発明によれば、被測定物の接触面とは反対側から感温部を支持する支持部が、感温部に対応した部分の一部に空間を有しているため、当該空間内の空気が、支持部に空気層を形成する。このため、支持部の熱伝導率を低くすることができ、空気に近い熱伝導率を有する断熱層として支持部を機能させることができる。従って、被測定物の熱が支持部に流れ出ることを防ぐことができ、これによって十分な測定精度を確保できる。
【0029】
請求項2の温度センサに係る発明によれば、支持部が熱伝導率の低い樹脂またはガラスで形成されているため、支持部の熱伝導率をさらに低下させることができる。これにより、支持部の熱伝導率を空気の熱伝導率に近付けることができ、断熱層としての機能をより効果的に発揮することができる。従って、被測定物の温度に対する測定精度を、一段と高められる。
【0030】
請求項3の温度センサに係る発明によれば、感温部を被測定物側に付勢する付勢部材を備えているため、付勢部材の弾性力により、被測定物の自重に反して感温部を被測定物側に付勢することができる。従って、反り返りの程度が被測定物ごとに異なる場合であっても、感温部を被測定物に追従させて、被測定物に確実に接触させることができる。
【0031】
請求項4の温度センサに係る発明によれば、支持部が感温部および付勢部材間に設けられているため、支持部が、感温部および付勢部材間を断熱する断熱層として機能する。このため、付勢部材の熱が感温部に伝わるのが防止され、感温部での温度測定に影響を与えるのを防ぐことができる。これにより、付勢部材の熱が感温部に伝わるのを防ぐことができ、測定精度を一層高めることができる。
【0032】
請求項5の温度センサに係る発明によれば、付勢部材がベローズであるため、付勢部材の構造を簡単にすることができる。このため、簡単な構成で感温部を被測定物に確実に接触させることができる。
【0033】
請求項6の温度センサに係る発明によれば、導線が、感温部に対して接触面とは反対側で接続されているため、ウェハとの接触の際に、導線がウェハと接触することがない。このため、導線がウェハと接触して測定温度に誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0034】
請求項7の温度センサに係る発明によれば、被測定物の接触面とは反対側から感温部を支持する支持部と、感温部を付勢する付勢部材の端面部とにより、感温部に対応した部分の一部に空間が形成されるため、当該空間内の空気が支持部に空気層を形成することになる。これにより、支持部の熱伝導率を低下させ、空気に近い熱伝導率を有する断熱層として機能させることができる。従って、被測定物の熱が支持部に流れ出ることを防ぐとともに、付勢部材側からの熱が感温部に伝わるのを防止することができ、これにより十分な測定精度を確保できる。
【0035】
請求項8の温調装置に係る発明によれば、被測定物を載置するためのプレート本体に、前述した本発明の温度センサが設けられているため、被測定物の温度調節中も被測定物の温度をリアルタイムで測定することができる。従って、この温度センサの測定値を用いることで当該温調装置の制御が正確にでき、これにより被測定物の温度調節を高い精度で行うことができる。
【0036】
請求項9の温度制御装置に係る発明によれば、温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換えるため、温度制御対象物が未載置の場合には、自然対流の影響を考慮して設定されている値を用いることができる。これにより、温度制御対象物が未載置の状態で、温度センサの測定値が自然対流の影響を受けて変動および低下するような場合であっても、温調装置に対する制御指令の変動を防ぎ、かつ、温度制御対象物の載置後に温調装置を適切な温度に維持することができる。これより、温度制御対象物の載置後の整定時間を安定させることができる。
【0037】
請求項10の温度制御装置に係る発明によれば、温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、制御指令の生成に用いる温度測定値を第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換えるため、温度制御対象物が未載置の場合には、温度測定値が変動しづらい方の測定値を制御指令の生成に用いる温度測定値として用いることができる。これにより、温度制御対象物の温度を調節する温調装置への制御指令の変動を防ぐことができ、温度制御対象物の載置後の整定時間を安定させることができる。
【0038】
請求項11の温度制御装置に係る発明によれば、温度制御対象物の載置状態の判定結果に応じて、制御指令の生成に用いる温度測定値を第1の温度センサの測定値および前記第2の温度センサの測定値間で切り換え、また、前記制御指令の生成に用いる制御ゲインおよび目標温度を切り換える。このため、温度制御対象物が未載置の場合には、温度測定値が変動しづらい方の測定値を制御指令の生成に用いる温度測定値として用いることができるとともに、制御指令の変動を抑制する制御ゲインを用いることができる。これにより、温度制御対象物の温度を調節する温調装置への制御指令の変動を効果的に防ぐことができ、温度制御対象物の載置後の整定時間を安定させることができる。
【0039】
請求項12ないし請求項14の温度制御方法に係る発明によれば、それぞれ請求項9、請求項10、および請求項11の温度制御装置に係る発明と同様の効果を奏する温度制御方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下に本発明の各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、後述する第2実施形態以降において、次説する第1実施形態と同一の構成部分には同じ符合を付すとともに、その説明を省略する。
【0041】
〔第1実施形態〕
〔1−1〕全体構成
本発明の第1実施形態に係る温度制御装置100の全体構成を示す図1において、温度制御装置100は、ホットプレート1(温調装置)、温度センサ10、ストロークセンサ20、およびコントローラ30を備えて構成される。
ホットプレート1は、加熱によりウェハ(被測定物、温度制御対象物)50の温度を調節する装置であり、加熱量を制御可能に構成されている。図示しない搬送用ロボットにより搬送されてきたウェハ50は、ホットプレート1を貫通した状態で昇降可能に設けられているリフトピン60の上に一旦載せられ、リフトピン60の下降により、ホットプレート1上に載置される。
【0042】
ホットプレート1の表面には温度センサ10が取り付けられており、リフトピン60の下降に伴い、下がってきたウェハ50の裏面に接触する。温度センサ10は、ウェハ50との接触により、ウェハ50の温度を測定する。なお、温度センサ10は、ホットプレート1の表面上に複数設けられているが、見易くするために、図1にはそのうちの1つのみが示されている。一方、リフトピン60の近傍にはストロークセンサ20が配置されており、リフトピン60の昇降方向のストロークを測定する。
【0043】
温度センサ10およびストロークセンサ20の測定値はコントローラ30に向けて出力され、これらの測定値に基づいて、コントローラ30は、ウェハ50の温度を制御するための制御指令を生成する。そして、ホットプレート1は、コントローラ30からの制御指令に基づき、ウェハ50に対する加熱量を調節する。
【0044】
〔1−2〕ホットプレートの構成
図2において、ホットプレート1は、ケース2、ヒータ3、プレート本体4、支持ピン5、および温度センサ10を備えて構成される。
【0045】
平面円形状のケース2全体に設けられた凹状部分には、帯形で平面円弧状に分割された複数のヒータ3が同心円状に配置され、ヒータ3を覆ってプレート本体4がケース2に固定されている。これらヒータ3およびプレート本体4によってホットプレート1の加熱部4Aが構成され、プレート本体4を介したヒータ3の放熱により、ウェハ50を加熱する。
図3に示すように、プレート本体4の表面には、すなわちプレート本体4のウェハ50を載置する側の面には、支持ピン5を取り付けるための支持ピン取付穴6および温度センサ10を取り付けるためのセンサ取付穴7が、それぞれ適宜な位置に複数形成されている。
【0046】
図3において、支持ピン5は、支持ピン取付穴6に取り付けられた状態でのプレート本体4の表面からの高さ寸法H1が約0.1mmであり、この支持ピン5の上にウェハ50が載置される。つまり、支持ピン5は、プレート本体4との間に0.1mm程度の隙間を保ってウェハ50を支持しており、これによってウェハ50の裏面の汚染を防止するとともに、ウェハ50の温度分布の均一化にも貢献する。この高さ寸法H1は、一般に0.05〜0.15mmに設定される。
【0047】
温度センサ10は、具体的な構造については後で説明するが、センサ取付穴7に取り付けられ、ウェハ50が未載置の状態で、プレート本体4の表面からの高さ寸法H2が約0.15mmに設定されている。すなわち、プレート本体4の表面からの温度センサ10の高さ寸法H2は、プレート本体4の表面からの支持ピン5の高さ寸法H1よりも高く設定されている。このため、ホットプレート1上にウェハ50を載置した際に、温度センサ10がウェハ50の裏面に確実に接触してウェハ50の温度を測定することができる。なお、センサ取付穴7の径が大きいと、特に過渡状態でのウェハ50の面内温度分布の均一性に影響を与えてしまうため、センサ取付穴7の直径はできる限り小さいほうが良く、例えば、本実施形態では1mm程度としている。
【0048】
このような構成のホットプレート1は、ヒータ3に流れる電流値をそれぞれ独立して制御することで、ホットプレート1上に載置されているウェハ50の温度を制御することができる。また、ウェハ50の裏面に接触する温度センサ10の測定により、実処理中のウェハ50の温度をリアルタイムでその場(In-Situ)計測できる。従って、温度センサ10の測定値を用いてヒータ3に流す電流を制御することで、実処理中のウェハ50の温度を高い精度で目標温度に保つことができる。
【0049】
〔1−3〕温度センサの構成
図4に示すように、温度センサ10は、温度を測定するための感温部11、感温部11を支持する支持部12、および支持部12を介して感温部11を付勢するベローズ13(付勢部材)を備えて構成される。すなわち、温度センサ10は、感温部11、支持部12、およびベローズ13の3層構造となっている。
【0050】
感温部11は、図5および図6に示すように、表面積が1mm以下の平面状の白金測温抵抗体であり、層状の表面部111およびパターン形成部112を備えて構成される。
このうち、表面部111は、シリコン基板がダイカットされたもので、ウェハ50に接触する研磨されたウェハ接触面(接触面)111Aを有している。ここで、温度センサ10の測定精度は、感温部11の表面部111およびウェハ50の裏面間の接触熱抵抗に依存する。この接触熱抵抗は、ウェハ50の自重が非常に軽く、また、ウェハ50および表面部111の表面硬度が非常に硬いため、表面部111の表面粗さに依存し、ウェハ50との接触圧力には依存しない。従って、温度センサ10の測定精度はウェハ接触面111Aの表面粗さに依存することになるため、ウェハ接触面111Aの表面は十分に研磨される必要がある。一方、ウェハ50との接触圧力の制御は不要であり、表面部111がウェハ50に接触してさえいればよい。
【0051】
パターン形成部112は、電気絶縁膜112Aおよび電気絶縁膜112A内に形成された白金パターン112Bを備えている。なお、図5は、感温部11を示す平面図であるが、白金パターン112Bについては、見易くするために実線で示してある。電気絶縁膜112Aは、五酸化タンタル(TaO)で成膜され、接着剤としての機能を兼ねている。そして、パターン形成部112の表面部111とは反対側の面には、4隅に穴112Cが設けられ、この穴112Cによって露出した白金部分に絶縁被膜されたワイヤ(導線)14がボンディングされている。
【0052】
このような構成の感温部11では、表面部111を構成するシリコンの熱伝導率が168W/mKと高く、ウェハ50の熱が表面部111内を伝わり易いため、ウェハ50の熱がパターン形成部112に効率良く伝達される。なお、感温部11にボンディングされている非常に小さな直径のワイヤ14からの伝熱は、感温部11からの伝熱に比べ十分に小さいため、ワイヤ14からの伝熱は温度センサ10の測定精度に影響を与えるほどのものではなく、無視することができる。
【0053】
支持部12は、感温部11およびベローズ13間に設けられて感温部11を支持する部分であり、補強部121および断熱部122を備えて構成される。
このうち、補強部121は、感温部11の強度を補強するための薄膜で、熱伝導率の小さい二酸化珪素(SiO)を用いて形成されている。そして、補強部121の4隅には、感温部11のパターン形成部112に設けられた穴112Cに対応する位置に、パターン形成部112から断熱部122に向かって貫通する貫通孔121Aが形成されている。
【0054】
断熱部122は、断熱層を形成する部分であり、熱伝導率の小さい樹脂を用いて角筒状に形成されている。断熱部122の4隅には、内側に向けて厚肉とされた厚肉部122Aが形成され、補強部121の貫通孔121Aに対応する位置には、補強部121からベローズ13に向かって貫通する貫通孔122Bが形成されている。そして、この断熱部122および補強部121によって、感温部11に対応した部分の一部に空間Sが形成され、当該空間S内の空気によって、感温部11の下側に空気層が形成される。
【0055】
このような構成の支持部12は、前述のように、主に熱伝導率の小さい樹脂で形成されており、補強部121および断熱部122で形成される空間S内の空気とともに、支持部12の熱伝導率の低下に貢献する。その結果、空間S内の空気を含む支持部12の熱伝導率が、空気の熱伝導率に近付き、断熱層を形成する。このため、感温部11およびベローズ13間が良好に断熱されるようになる。
【0056】
また、これら感温部11および支持部12において、感温部11の穴112Cと、支持部12の貫通孔121Aおよび貫通孔122Bとはそれぞれ一直線上に設けられ、ワイヤ挿通穴15を構成する。そして、感温部11においてパターン形成部112の白金パターン112Bにボンディングされたワイヤ14は、このワイヤ挿通穴15の中を通って、ベローズ13側に引き出されている。このように、ワイヤ挿通穴15を構成する穴112C、貫通孔121A、および貫通孔122Bを、感温部11および支持部12の4隅に形成することで、感温部11におけるワイヤ14の集中およびこれに伴う熱の集中を防いでいる。
【0057】
ベローズ13は、金属製のマイクロベローズであり、伸縮方向の一端側には支持部12が取り付けられ、他端側はセンサ取付穴7の底面に固定されている。具体的に、ベローズ13の伸縮方向の一端側には上面部131が設けられ、上面部131にはベローズ13の内外を貫通する貫通孔132が形成されている。支持部12は、貫通孔132を覆って上面部131に取り付けられており、感温部11からワイヤ挿通穴15を通ってベローズ13側に引き出されたワイヤ14は、貫通孔132およびベローズ13の内部を通って外部に導かれている。
【0058】
なお、ベローズ13のばね定数は、ホットプレート1上にウェハ50を載置した際に、ホットプレート1表面からのウェハ接触面111Aの高さが、ウェハ50の自重に応じて0.05〜0.15mmになるように設定されている。
また、前述のように、温度センサ10の測定精度は感温部11のウェハ接触面111Aの表面粗さにのみ依存するため、感温部11がウェハ50に接触してさえいれば、測定温度は圧力には依存しない。このため、感温部11のウェハ接触面111Aに作用する押圧力を制御する必要はなく、このための押圧力制御機構を設ける必要はない。
【0059】
次に、温度センサ10の製造方法について、その中でも特に感温部11および支持部12の製造方法について説明する。
温度センサ10は、その大きさが前述のようにマイクロオーダーと非常に小さいため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して製造される。
【0060】
先ず、図7(A)に示すように、シリコン基板70の表面を研磨して200μm厚とした後、シリコン基板70の研磨面に、五酸化タンタルで厚さ500nmの電気絶縁膜112Aを形成する。
次に、図7(B)に示すように、電気絶縁膜112Aの上に、スパッタリングおよびエッチングを施して450nm厚の白金パターン112Bを形成し、図7(C)に示すように、さらにこの上に五酸化タンタルで厚さ150nmの電気絶縁膜112Aを成膜する。この時点で、電気絶縁膜112Aおよび白金パターン112Bによりパターン形成部112が形成される。また、ここまでの工程で、感温部11に相当する部分が形成される。
【0061】
その後、図7(D)に示すように、電気絶縁膜112Aの上に10μm厚の二酸化珪素膜を成膜して補強部121を形成するとともに、ドライエッチングを施して、パターン形成部112および補強部121の4隅に、穴112Cおよび貫通孔121Aをそれぞれ形成する。
次に、図7(E)に示すように、補強部121の上に樹脂のレジスト剤により数10μm〜数100μmの厚膜を形成した後、エッチングを施して、厚肉部122Aを含む断熱部122の角筒部分と、補強部121の貫通孔121Aに連通する貫通孔122Bとを形成する。これにより断熱部122が形成され、既に形成されている補強部121と合わせて、空間Sを有する支持部12が形成される。また、パターン形成部112の穴112C、補強部121の貫通孔121A、および断熱部122の貫通孔122Bによって、ワイヤ挿通穴15が設けられる。この時点で、シリコン基板70は、ダイシングによりハーフカットされる。
【0062】
その後、図7(F)に示すように、シリコン基板70の表面を研磨して10μm以下の厚さとし、この研磨によってシリコン基板70のダイシングを完了させる。このダイシングの完了により、シリコン基板70が表面部111となり、これにより感温部11の形成工程が終了する。そして、図6に示すように、ワイヤ挿通穴15にワイヤ14を挿通して白金パターン112Bにボンディングし、最後に、支持部12を感温部11ごとベローズ13に取り付けて、温度センサ10の製造が完了する。
【0063】
以上のような構成の温度センサ10は、感温部11が白金測温抵抗体として形成されているため、定電流の印加やブリッジ回路によって電気抵抗を測定し、電気抵抗と温度との関係を用いることで、温度を測定することができる。
【0064】
〔1−4〕コントローラの制御構造
次に、図8を参照して、コントローラ30による温度制御の制御構造について説明する。
図8において、コントローラ30は、ウェハ50の温度を制御する制御手段として構成され、コントローラ30の入力側には、温度センサ10およびストロークセンサ20が電気的に接続されている。
【0065】
一方、コントローラ30の出力側には、ホットプレート1内に設けられたヒータ3が電気的に接続されている。コントローラ30は、このヒータ3に流れる電流値をそれぞれ独立に制御することで、ヒータ3による加熱量を制御し、これによりウェハ50の温度を制御することができる。
【0066】
そして、コントローラ30は、載置状態判定手段31、目標温度記憶手段32、制御ゲイン記憶手段33、切換手段34、および制御指令生成手段35を備えて構成される。
載置状態判定手段31は、ストロークセンサ20の測定値に基づいて、ホットプレート1上のウェハ50の載置状態を判定する。すなわち、ストロークセンサ20の測定値から求まるリフトピン60の上端の位置が、ホットプレート1の支持ピン5の上端位置よりも下側にあれば、ウェハ50が載置されていると判定し、そうでない場合には、未載置状態にあると判定する。
【0067】
目標温度記憶手段32は、制御指令の生成に用いる目標温度Tとして、複数の値を記憶している。すなわち、目標温度記憶手段32は、自然対流への対応に用いられる第1の目標温度T1と、ウェハ50の載置中に用いられる第2の目標温度T2とを記憶している。
第1の目標温度T1は、自然対流用の影響を回避するために設定され、ウェハ50が未載置の場合に用いられる。第1の目標温度T1の値は、ウェハ50の載置中に用いられる第2の目標温度T2の値よりも低く、温度センサ10の自然対流による測定温度の低下の影響を補償する値に設定されている。本補償がない場合には、ウェハ50が未載置のときに目標温度Tは第2の目標温度T2に設定されたまま、温度センサ10の測定温度が自然対流の影響により低下することから、ホットプレート1はヒータ3による加熱量を増加させるように制御される。この場合、プレート本体4の温度が目標温度Tよりもかなり高くなり、ウェハ50の載置後にウェハ50の温度がオーバーシュートしてしまう。一方、第2の目標温度T2は、実処理中のウェハ50の目標温度であり、ウェハ50の載置中に用いられる。
【0068】
制御ゲイン記憶手段33は、制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして、複数の値を記憶している。すなわち、制御ゲイン記憶手段33は、自然対流への対応に用いられる第1の制御ゲインG1と、ウェハ50の載置中に用いられる第2の制御ゲインG2および第3の制御ゲインG3とを記憶している。
第1の制御ゲインG1は、自然対流用の影響を回避するために設定され、ウェハ50が未載置の場合に用いられる。第1の制御ゲインG1の値は、ウェハ50の実処理中に用いられる第2、第3の制御ゲインG2,G3の値よりも小さく、温度センサ10の自然対流による測定温度の変動の影響を受けづらい値に設定されている。第2、第3の制御ゲインG2,G3は、ウェハ50の載置中に用いられ、第2の制御ゲインG2の方が第3の制御ゲインG3よりも大きな値に設定されている。
【0069】
切換手段34は、先ず、載置状態判定手段31におけるウェハ50の載置状態の判定結果に応じて、制御ゲイン記憶手段33の記憶値から制御ゲインG1その他のうちのいずれかを選択するとともに、目標温度記憶手段32の記憶値から第1、第2の目標温度T1,T2のうちのいずれかを選択し、制御指令の生成に用いる制御ゲインGおよび目標温度Tとして切り換える。さらに、切換手段34は、ウェハ50が載置されていると判定された場合には、温度センサ10の測定値と制御指令の生成に用いる目標温度Tとの温度偏差eの値に応じて、制御ゲイン記憶手段33の記憶値から制御ゲインG2,G3のうちのいずれかを選択し、制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして切り換える。
【0070】
制御指令生成手段35は、ヒータ3の制御指令を生成し、ホットプレート1に出力する。具体的に、制御指令生成手段35は、温度センサ10の測定値と制御指令の生成に用いる目標温度Tとの温度偏差eの値を用いて、PID(Proportional Integral Differential)制御を行う。ここでは、載置状態判定手段31の判定結果に応じて、切換手段34により選択および切り換えがなされた値が、制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして用いられる。すなわち、制御指令生成手段35では、制御指令の生成に用いる制御ゲインGおよび目標温度Tが、状況に応じて切り換えられるゲインスケジュールド制御が実施される。
【0071】
〔1−5〕コントローラの作用
次に、図9に示されるフローチャートに基づき、コントローラ30の作用について説明する。
先ず、コントローラ30は、温度センサ10およびストロークセンサ20の測定値を読み込む(ステップS1)。
【0072】
次に、載置状態判定手段31は、ストロークセンサ20の測定値に基づいて、ホットプレート1上にウェハ50が載置されているか否かを判定する(ステップS2)。
ホットプレート1上にウェハ50が載置されていないと判定された場合に、切換手段34は、自然対流への対応に用いられる第1の制御ゲインG1および第1の目標温度T1を選択し、制御指令の生成に用いる制御ゲインGおよび目標温度Tとして切り換える(ステップS3)。そして、切換手段34は、温度センサ10の測定値と制御指令の生成に用いる目標温度Tとの温度偏差eを算出する(ステップS4)。
【0073】
一方、ホットプレート1上にウェハ50が載置されていると判定された場合に、切換手段34は、ウェハ50の目標温度である第2の目標温度T2を選択し、制御指令の生成に用いる目標温度Tとして切り換える(ステップS5)。その後、切換手段34は、温度センサ10の測定値と制御指令の生成に用いる目標温度Tとの温度偏差eを算出し(ステップS6)、この温度偏差eの絶対値が所定値より大きいか否か、つまり目標温度Tから温度センサ10の測定値を引いた値の絶対値が所定値より大きいか否かの判定を行う(ステップS7)。そして、切換手段34は、温度偏差eの絶対値が所定値より小さい場合には、制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして第2の制御ゲインG2に切り換え(ステップS8)、大きい場合には、第3の制御ゲインG3に切り換える(ステップS9)。
【0074】
そして、制御指令生成手段35は、切換手段34により切り換えがなされた制御ゲインGと、温度偏差eの値とを用いたPID制御により、ホットプレート1に対する制御指令を生成し、ホットプレート1に出力する(ステップS10)。
【0075】
〔第2実施形態〕
次に、図10に基づき、本発明の第2実施形態について説明する。
前述の第1実施形態では、温度センサ10の支持部12は、ベローズ13の上面部131に直接取り付けられていた。
これに対し、第2実施形態では、支持部12は、アダプタ16を介してベローズ13の上面部131に取り付けられている点が相違する。
【0076】
具体的に、本実施形態の温度センサ10は、図10に示すように、感温部11、支持部12、ベローズ13、およびアダプタ16を備えて構成される。このうちのベローズ13およびアダプタ16により本実施形態の付勢部材が構成され、ベローズ13の上面部131およびアダプタ16により付勢部材の端面部が構成される。
【0077】
アダプタ16はセラミックス製であり、ベローズ13の上面部131に取り付けられている。アダプタ16の中央近傍には、図示しない空気孔が形成され、アダプタ16における支持部12の貫通孔122Bに対応する位置には、孔161が形成されている。すなわち、感温部11の穴112C、支持部12の各貫通孔121A,122B、およびアダプタ16の孔161は、それぞれ略一直線上に設けられている。そして、感温部11から各貫通孔121A,122Bを通ってベローズ13側に引き出されたワイヤ14は、孔161およびベローズ13の内部を通って外部に導かれている。
【0078】
このような構成の温度センサ10では、支持部12およびアダプタ16によって、感温部11に対応した部分の一部に空間Sが形成される。
なお、温度変化に伴って空間S内の空気が膨張した場合には、アダプタ16に形成された空気孔を介して空間S内から空気が放出され、収縮した場合には、空気孔を介して空間S内に空気が導入される。
【0079】
〔第3実施形態〕
次に、図11に基づき、本発明の第3実施形態について説明する。
前述の第1および第2実施形態では、温度センサ10において、感温部11の穴112C、支持部12の各貫通孔121A,122B、およびアダプタ16の孔161は、それぞれ略一直線上に設けられ、感温部11の白金パターン112Bにボンディングされたワイヤ14は、各貫通孔121A,122Bおよび孔161を通って、ベローズ13側に引き出されていた。
これに対し、第3実施形態では、感温部11の白金パターン112Bからベローズ13に向けて貫通電極17が形成されるとともに、この貫通電極17がアダプタ電極162によりベローズ13の中央側に向けて延設されている点が相違する。
【0080】
具体的に、本実施形態の温度センサ10において、貫通電極17は、図11に示すように、感温部11の白金パターン112Bから支持部12の各貫通孔121A,122Bを通り、アダプタ16に向けて形成されている。アダプタ16には孔161が形成され、孔161内にアダプタ電極162が設けられている。貫通電極17は、アダプタ電極162によってアダプタ16の面内方向に沿って延設され、アダプタ16の中央寄りの位置でベローズ13側に露出している。アダプタ電極162のベローズ13側の露出部分には、ワイヤ14がボンディングされ、ワイヤ14は、ベローズ13の内部を通って外部に導かれている。なお、貫通電極17、アダプタ電極162、およびワイヤ14により、本実施形態の導線が構成される。
【0081】
このような構成の温度センサ10においても、第2実施形態と同様に、支持部12およびアダプタ16によって仕切られた空間Sが形成され、感温部11およびベローズ13間が良好に断熱されるようになる。
また、温度センサ10において、貫通電極17は、支持部12の4隅の位置から、アダプタ電極162によってアダプタ16の中央寄りの位置まで延設されてベローズ13側に露出しているため、アダプタ電極162の露出部分に接続されたワイヤ14が、ベローズ13の内壁と干渉するのを防止できる。
【0082】
〔第4実施形態〕
次に、図12〜図14に基づき、本発明の第4実施形態について説明する。
前述の第1実施形態では、載置状態判定手段31の判定結果に応じて、切換手段34は、制御指令の生成に用いる制御ゲインGおよび目標温度Tを切り換えていた。
【0083】
これに対し、第4実施形態では、ホットプレート1内に第2の温度センサ40が設けられ、切換判定手段が、制御指令の生成に用いる温度測定値を、プレート本体4の表面に設けられた第1の温度センサ10の測定値およびホットプレート1内に設けられた第2の温度センサ40の測定値間で切り換える点が異なる。なお、第1の温度センサ10は、第1実施形態においてプレート本体4に取り付けられた温度センサと同じものである。
【0084】
第2の温度センサ40は、図12に示すように、ホットプレート1のプレート本体4内に埋め込まれている。このため、第2の温度センサ40は、チャンバ内の気体に直接触れることがなく、ウェハ50が未載置の状態であっても、プレート上に発生する自然対流の影響を受けることがない。従って、第2の温度センサ40は、ウェハ50の温度ではなくプレート本体4の温度ではあるが、安定した測定信号を出力することになる。
【0085】
コントローラ30は、図13に示すように、第1実施形態の場合の制御構造と比べた場合に、一部手段における入出力信号の構成が異なった制御構造となっている。これは、主に切換手段34の機能が異なること、およびプレート本体4の表面に設けられた第1の温度センサ10とは別に第2の温度センサ40がホットプレート1内に設けられたことによるものであり、これに伴って、コントローラ30の入力側には、第2の温度センサ40が電気的に接続されている。なお、本実施形態では、制御を簡素化するために、制御ゲイン記憶手段33に制御ゲインG4が1つだけ記憶され、制御指令生成手段35が、該制御ゲインG4を制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして、制御ゲイン記憶手段33から直接取得するように構成されている。
【0086】
このようなコントローラ30の制御構造において、切換手段34は、載置状態判定手段31の判定結果に応じて、温度センサ10,40のうちのいずれかを選択し、その測定値を、制御指令の生成に用いる温度測定値として切り換える。すなわち、切換手段34は、温度センサ10,40のうちのいずれか選択された方の測定値を用いて、温度偏差eの値を算出する。
【0087】
次に、図14に示されるフローチャートに基づき、本実施形態のコントローラ30の作用について説明する。
先ず、コントローラ30が、第1の温度センサ10、ストロークセンサ20、および第2の温度センサ40の測定値を読み込んだ後(ステップS11)、載置状態判定手段31は、ストロークセンサ20の測定値に基づいて、ホットプレート1上にウェハ50が載置されているか否かを判定する(ステップS12)。
【0088】
載置状態判定手段31により、ホットプレート1上にウェハ50が載置されていないと判定された場合に、切換手段34は、制御指令の生成に用いる温度測定値を、第2の温度センサ40の測定値に切り換える。つまり、切換手段34は、第2の温度センサ40の測定値を用いて、温度偏差eの値を算出する(ステップS13)。
一方、ホットプレート1上にウェハ50が載置されていると判定された場合に、切換手段34は、制御指令の生成に用いる温度測定値を第1の温度センサ10の測定値に切り換え、この値を用いて温度偏差eの値を算出する(ステップS14)。
【0089】
そして、制御指令生成手段35は、制御ゲイン記憶手段33に記憶されている制御ゲインG4を、制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして制御ゲイン記憶手段33から取得し、温度偏差eの値を用いたPID制御により、ホットプレート1に対する制御指令の生成および出力を行う(ステップS15)。
【0090】
〔第5実施形態〕
次に、図15に基づき、本発明の第5実施形態について説明する。
前述の第1実施形態では、リフトピン60のストローク量を測定するストロークセンサ20が設けられ、載置状態判定手段31が、ストロークセンサ20の測定値に基づいてウェハ50の載置状態を判定していた。すなわち、ストロークセンサ20の測定値に基づいてウェハ50の載置状態が判定され、この判定結果に基づき、制御指令の生成に用いる制御ゲインGが切り換えられていた。
【0091】
これに対し、第5実施形態では、図13に示すように、載置状態判定手段31が、温度センサ10の測定値と前回の目標温度Tとの偏差の値に基づいてウェハ50の載置状態を判定する点が異なる。つまり、この偏差の値に基づいてウェハ50の載置状態が判定され、この判定結果に基づき、制御指令の生成に用いる制御ゲインGおよび目標温度Tが切り換えられる。従って、ストロークセンサ20は設けられておらず、コントローラ30の入力側への電気的な接続もされていない。
【0092】
具体的に、載置状態判定手段31は、ウェハ50を載置したときに顕著に見受けられる、温度センサ10の測定値と前回の目標温度Tとの偏差の値の変化、すなわち、加熱前で温度の低いウェハ50との接触による温度センサ10の測定値の低下を監視することで、ウェハ50の載置状態を判定する。
【0093】
なお、このような制御構造におけるコントローラ30の作用は、ウェハ50の載置状態の判定が、ストロークセンサ20の測定値に基づいてではなく、温度センサ10の測定値と前回の目標温度Tとの偏差の値に基づいて行われる点が第1実施形態の場合と較べて異なるが、それ以降は同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0094】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、支持部12およびベローズ13やアダプタ16は別部材で形成されていたがこれに限られず、例えば、発泡樹脂等により、1つの材料で一体形成されていてもよい。
【0095】
前記各実施形態では、支持部12は主にポリイミド樹脂やエポキシ樹脂で形成されていたがこれに限られず、同等以下の熱伝導率を有するものであれば、例えば、ピーク材やテフロン(登録商標)等の他の材料であってもよい。
また、樹脂に限られず、ガラスにより形成されものであってもよい。この場合には、例えば、支持部12の断熱部122を貫通孔122Bの周辺部分のみ残した複数の柱状とすることで、支持部12の熱伝導を小さくし、支持部12を樹脂で形成した場合の熱伝導と同等にすることができる。
【0096】
前記各実施形態では、支持部12の補強部121および断熱部122は、異なった材料で形成されていたがこれに限られず、1つの材料で形成されていてもよい。また、表面部111およびパターン形成部112の強度が高ければ、補強部121は必ずしも必要ではない。要は、支持部12が空間Sを有しており、熱伝導率の低い材料で形成されていれば、本発明の支持部を構成するものである。
【0097】
前記第2および第3実施形態では、支持部12は、アダプタ16を介してベローズ13の上面部131に取り付けられ、支持部12およびアダプタ16により空間Sが形成されていたがこれに限られず、例えば、貫通孔132を形成せずにベローズ13の伸縮方向の端部を上面部で塞いだ形状とし、このような上面部および支持部12によって空間Sを形成するようにしてもよい。
【0098】
前記各実施形態では、温度センサ10が支持ピン5とは別にホットプレート1に取り付けられていたがこれに限られず、例えば支持ピン5の内部に温度センサ10を設けたり、支持ピン5を設けずに、支持ピン5の機能を温度センサ10に兼用させたりしてもよい。
【0099】
前記第1および第4実施形態では、ストロークセンサ20の測定値に基づいて、また、前記第5実施形態では、温度センサ10の測定値と前回の目標温度Tとの偏差の値に基づいてウェハ50の載置状態が判定されていたが、これに限られない、要は、ウェハ50の載置状態が判定できればよく、例えば、ストロークセンサ20のかわりリフトピン60の下方にスイッチを設け、リフトピン60の下端がこのスイッチに接触したのを検出することで、ウェハ50の載置状態を判定するようにしてもよい。
【0100】
前記第4実施形態では、制御ゲイン記憶手段33に制御ゲインG4が1つ記憶され、制御指令生成手段35が、当該制御ゲインG4を制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして、制御ゲイン記憶手段33から取得するように構成されていたがこれに限られず、第1実施形態のように、制御ゲイン記憶手段33に制御ゲインG2,G3を記憶させておき、切換手段34がいずれかの値を選択して、制御指令の生成に用いる制御ゲインGとして切り換えるようにしてもよい。なお、この場合には、自然対流への対応に用いられる第1の制御ゲインG1を特に設定しておく必要はなく、例えば、制御ゲインG3を用いれば足りる。
【0101】
前記各実施形態では、ヒータ3およびプレート本体4によってホットプレート1の加熱部4Aが構成されていたがこれに限られず、例えば、プレート本体4を用いずにヒータ3のみで加熱部4Aを構成し、ウェハ50をヒータ3により直接加熱するようにしてもよい。
前記各実施形態では、ホットプレート1に温度センサ10が取り付けられていたがこれに限られず、例えばフォトリソグラフィで用いられるクーリングプレートや、エッチング工程で用いられるサセプタなど、他の温調用のプレートに用いられてもよい。
その他、本発明の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、半導体の製造プロセスで用いられるホットプレートやクーリングプレート等の温調装置に利用することができるとともに、このような温調装置を用いてウェハの温度を制御する、半導体のあらゆる製造プロセスに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1実施形態に係る温度制御装置の全体構成を示す模式図。
【図2】前記第1実施形態に係るホットプレートの断面図。
【図3】前記第1実施形態に係るホットプレート上にウェハが載置されている状態を拡大して示す断面図。
【図4】前記第1実施形態に係る温度センサを示す斜視図。
【図5】前記第1実施形態に係る温度センサの感温部を示す平面図。
【図6】前記第1実施形態に係る温度センサを図5のVI−VI線で断面して示す図。
【図7】前記第1実施形態に係る温度センサの製造方法を示す図。
【図8】前記第1実施形態に係るコントローラの制御ブロック図。
【図9】前記第1実施形態の制御フローを示すフローチャート。
【図10】本発明の第2実施形態に係る温度センサを断面して示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る温度センサを断面して示す図。
【図12】本発明の第4実施形態に係るホットプレートの断面図。
【図13】前記第4実施形態に係るコントローラの制御ブロック図。
【図14】前記第4実施形態の制御フローを示すフローチャート。
【図15】本発明の第5実施形態に係るコントローラの制御ブロック図。
【図16】従来のホットプレートの断面図。
【符号の説明】
【0104】
1…ホットプレート(温調装置)、10…温度センサ、第1の温度センサ、11…感温部、12…支持部、13…ベローズ(付勢部材)、14…ワイヤ(導線)、30…コントローラ、31…載置状態判定手段、34…切換手段、35…制御指令生成手段、40…第2の温度センサ、50…ウェハ(被測定物、温度制御対象物)、100…温度制御装置、111A…ウェハ接触面(接触面)、G…制御ゲイン、S…空間、T…目標温度。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【出願日】 平成19年6月29日(2007.6.29)
【代理人】 【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所

【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三

【識別番号】100094075
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 寛二

【識別番号】100106390
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 剛


【公開番号】 特開2008−32697(P2008−32697A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−172964(P2007−172964)