Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
温度検出回路およびその補正方法 - 特開2008−32497 | j-tokkyo
トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 温度検出回路およびその補正方法
【発明者】 【氏名】山本 一成

【要約】 【課題】実際に使用温度に保持せずとも精度良く検出温度の補正をすることが可能な温度検出回路、および温度検出回路の補正方法を提供する。

【構成】温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出用ダイオード2と、温度検出用ダイオード2からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路5と、を温度検出回路1に具備し、かつ、パルス密度変調回路5が出力するパルス信号の密度が、温度検出用ダイオード2を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、温度検出用ダイオード2を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるように温度検出回路1を構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備し、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度は、
前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となることを特徴とする温度検出回路。
【請求項2】
前記補正温度を室温とすることを特徴とする請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項3】
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備する温度検出回路において、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度を、
前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるように構成した温度検出回路の補正方法であって、
前記温度検出回路を補正温度に保持する補正温度保持工程と、
前記補正温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、前記使用温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして前記誤差成分の補正を行う出力信号補正工程と、
を具備することを特徴とする温度検出回路の補正方法。
【請求項4】
前記補正温度を室温とすることを特徴とする請求項3に記載の温度検出回路の補正方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばIGBTのようなパワー半導体等に設けられ、当該パワー半導体の温度を検出する温度検出回路、およびその補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IGBTのようなパワー半導体等に設けられ、当該パワー半導体等の温度を検出する温度検出回路の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
パワー半導体の駆動に伴う発熱量は大きく、発熱によりパワー半導体の温度が所定の温度を超えると性能劣化や破損の原因となる。
よって、従来は温度検出回路を用いてパワー半導体の温度を検出し、当該検出された温度に基づいて、パワー半導体が所定の温度を超える前に予め駆動を停止または制限することにより、パワー半導体の破損等を防止する。
【0004】
従来の温度検出回路としてはダイオードの順方向抵抗が温度依存性を有することを利用したものが知られている。このような温度検出回路は、温度検出の対象物たるパワー半導体の一部に形成されたダイオードからなる温度検出素子と、当該温度検出素子から出力されたアナログ信号をPWM方式のパルス信号に変換するPWM回路と、を具備するものが知られている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
【0005】
温度検出素子から出力されたアナログ信号をPWM方式のパルス信号に変換する理由は、IGBT等のパワー半導体と温度検出回路とを電気的には絶縁しつつ信号の伝達を可能とするためである。すなわち、通常はパワー半導体の制御回路と温度検出回路とをフォトカプラ等の電気的には絶縁された信号伝達素子を介して接続するが、フォトカプラは出力側の電圧値の制御が困難でアナログ信号の伝達には適さないことによる。
【0006】
一般に、温度検出回路は個体毎に異なる温度の検出誤差を有している。従って、温度検出回路を製造後、各個体について検出誤差を計測し、温度検出回路からの出力信号を受信する制御側で補正をかけることにより、当該温度検出回路により検出された温度の精度を保証している。
温度検出回路の検出誤差は、(1)温度検出素子たるダイオード自体の検出信号(通常はアナログ信号)の強度(電圧)の誤差、(2)温度検出素子からのアナログ信号からパルス信号への変換に伴う誤差、(3)温度検出回路から外部(制御回路等)への伝達時(特に、フォトカプラの入出力時)の誤差、等で構成される。
このうち、(1)温度検出素子たるダイオード自体の検出信号の強度の誤差は、主としてダイオードの形成時におけるドーパントの濃度等のバラツキにより生じるが、同一の個体における検出誤差、すなわち検出温度と実際の保持温度との差には温度依存性が無いため、制御側での補正が比較的容易である。
【0007】
しかし、従来のPWM方式を用いた温度検出回路は、(2)温度検出素子から出力されたアナログ信号からパルス信号への変換に伴う誤差、(3)温度検出回路から外部(制御回路等)への伝達時の誤差、については、その温度依存性が個体間でランダムであり、理論予想することが困難であるという問題がある。
【0008】
従って、従来のPWM方式を用いた温度検出回路の使用温度域(例えば、温度検出回路をIGBTに設ける場合、IGBTの限界使用温度である120℃から150℃程度)における検出精度を保証するためには、当該温度検出回路を実際に使用温度に保持した状態で補正する必要があり、当該温度検出回路を具備する半導体装置等の生産性の低下や生産時におけるエネルギーコストの増大を招く。
【特許文献1】特開平7−115354号公報
【特許文献2】特許第3534082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上の如き状況に鑑み、実際に使用温度に保持せずとも精度良く検出温度の補正をすることが可能な温度検出回路、および温度検出回路の補正方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備し、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度は、前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるものである。
【0012】
請求項2においては、前記補正温度を室温とするものである。
【0013】
請求項3においては、
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路と、
を具備する温度検出回路において、
前記パルス密度変調回路が出力するパルス信号の密度を、
前記温度検出素子を所定の補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、前記温度検出素子を所定の使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となるように構成した温度検出回路の補正方法であって、
前記温度検出回路を補正温度に保持する補正温度保持工程と、
前記補正温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、前記使用温度に保持された温度検出回路からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして前記誤差成分の補正を行う出力信号補正工程と、
を具備するものである。
【0014】
請求項4においては、前記補正温度を室温とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1においては、温度検出回路を補正温度に保持したときの出力信号に基づいて、使用温度における温度検出回路の出力信号の検出誤差、ひいては使用温度における検出温度の誤差を精度良く推定することが可能である。
【0016】
本発明の請求項2においては、温度検出回路の製造工程の環境温度を室温に設定することにより、温度検出回路について別途加熱・冷却等の温度調整をせずとも、使用温度における温度検出回路の検出温度の誤差を精度良く補正することが可能である。
【0017】
本発明の請求項3においては、温度検出回路を補正温度に保持したときの出力信号に基づいて、使用温度における温度検出回路の出力信号の検出誤差、ひいては使用温度における検出温度の誤差を精度良く推定することが可能である。
【0018】
本発明の請求項4においては、温度検出回路の製造工程の環境温度を室温に設定することにより、温度検出回路について別途加熱・冷却等の温度調整をせずとも、使用温度における温度検出回路の検出温度の誤差を精度良く補正することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では、図1から図5を用いて本発明に係る温度検出回路の実施の一形態である温度検出回路1について説明する。温度検出回路1は、パワー半導体(例えばIGBT)等に設けられ、当該パワー半導体等の温度を検出するものである。
なお、本発明に係る温度検出回路による温度の検出対象はパワー半導体に限られず、種々の対象の温度を検出することが可能である。
【0020】
図1に示す如く、温度検出回路1は温度検出用ダイオード2、抵抗3、LPF4、パルス密度変調回路5、MOSFET17等を具備する。
【0021】
温度検出ダイオード2は本発明に係る温度検出素子の実施の一形態であり、対象物の温度に応じた温度検出信号を出力する(温度に応じた電圧をアナログ出力する)ものである。
温度検出ダイオード2は温度検出回路1による温度検出の対象物であるパワー半導体上に形成される。温度検出ダイオード2のアノードは抵抗3の一端に接続され、温度検出ダイオード2のカソードはグラウンドに接続される。また、抵抗3の他端は基準電圧に接続される。
【0022】
図1に示す如く、温度検出ダイオード2のアノードと抵抗3との接続部は、LPF4を介して後述するコンパレータ6の非反転入力端子に接続される。
従って、抵抗3および温度検出ダイオード2の抵抗比に応じた基準電圧の分圧が、温度検出信号としてコンパレータ6の非反転入力端子に入力される。
【0023】
図2は、温度検出ダイオード2の参照温度検出素子、すなわち、温度検出ダイオード2と同一種類の温度検出素子であって電気抵抗特性等の品質について製造工程に起因するバラツキを包含していないことが予め確認されているものの温度と出力(電圧)との関係を示すグラフである。
温度検出ダイオード2の参照温度検出素子に限らず、一般に温度検出ダイオード2等のダイオードは、温度の上昇に伴い出力が低下する。
ここで、「参照用温度検出素子」は、製造工程に起因する品質のバラツキを包含しない温度検出素子を指すものとする。
本実施例の場合、温度検出ダイオード2の参照用検出素子を25℃に保持したときの出力電圧(コンパレータ6の非反転入力端子への入力電圧)は1.2Vであり、150℃に保持したときの出力電圧は0.8Vである。
【0024】
なお、本発明に係る温度検出素子は対象物上に形成する構成には限定されず、市販のダイオード等を温度検出素子として用い、当該温度検出素子を対象物において温度の検出を行う部位に設ける構成としても良い。
【0025】
パルス密度変調(Pulse Density Modulation)回路5は、温度検出信号をパルス密度変調方式のパルス信号に変換するものである。
ここで、「パルス密度変調方式」は、入力されたアナログ信号を、その振幅に比例するパルス密度を有するパルス信号に変換して出力する方式を指すものとする。
本実施例の場合、パルス密度変調回路5は温度検出ダイオード2からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力する。
【0026】
パルス密度変調回路5は主としてコンパレータ6、パルス信号生成回路7、フィードバック回路8等を具備する。
【0027】
コンパレータ6は非反転入力端子および反転入力端子から入力された信号(信号の電圧値)を比較し、非反転入力端子から入力された信号の電圧が反転入力端子から入力された信号よりも高い場合にはHi信号を、非反転入力端子から入力された信号の電圧が反転入力端子から入力された信号よりも低い場合にはLo信号を出力端子から出力するものである。
コンパレータ6の非反転入力端子には温度検出ダイオード2からの温度検出信号が入力され、コンパレータ6の反転入力端子にはフィードバック回路8からのフィードバック信号が入力される。また、コンパレータ6の出力端子はパルス信号生成回路7の入力端子に接続される。
【0028】
パルス信号生成回路7はコンパレータ6からの出力信号に基づいてパルス密度変調方式のパルス信号を出力するものである。
パルス信号生成回路7が出力するパルス信号は、コンパレータ6からの出力信号の電圧の平均値に比例する密度を有する。
【0029】
また、パルス信号生成回路7から出力されるパルス信号は、パルス密度について、パルス密度が50%を中心とした対称な形状を有する。
図3の(a)および図3の(c)に示す如く、クロック周期中において、パルス密度が10%のときにパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号と、パルス密度が90%のときにパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号と、を比較すると、ちょうどHi信号とLo信号が入れ替わったものとなっている。
従って、クロック周期中において、パルス信号がHi信号からLo信号に切り替わる回数とLo信号からHi信号に切り替わる回数との合計は、パルス密度が10%のときとパルス密度が90%のときとは、同じ(図3の(a)および図3の(c)に示す例の場合、2回)である。
さらに、図3の(b)に示す如く、クロック周期中において、パルス密度が50%のときにパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号がHi信号からLo信号に切り替わる回数およびLo信号からHi信号に切り替わる回数の合計(図3の(b)に示す例の場合、10回)は、パルス密度が0%から100%の範囲のうち、最も多くなる。
【0030】
このように、パルス信号生成回路7が出力するパルス信号がクロック周期中においてHi信号からLo信号に切り替わる回数およびLo信号からHi信号に切り替わる回数の合計は、パルス密度がX%のときとパルス密度が(100−X)%のときとでは同じとなる。
【0031】
図1に示す如く、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)17はパルス信号生成回路7からの出力信号に基づいて開閉するスイッチング素子である。
MOSFET17のソース端子はグラウンドに接続され、MOSFET17のドレイン端子はフォトカプラ18の入力端子に接続される。また、MOSFET17のゲート端子はパルス信号生成回路7の出力端子に接続される。MOSFET17のドレイン端子とフォトカプラ18の入力端子との間には、抵抗19を介して基準電圧(電源)が接続される。
MOSFET17は、パルス信号生成回路7からの出力信号がHi信号であるときにはゲートが開き、パルス信号生成回路7からの出力信号がLo信号であるときにはゲートが閉じる。
【0032】
フォトカプラ18は温度検出回路1と外部(本実施例の場合、IGBTの制御回路)とを接続するものである。
フォトカプラ18は、発光ダイオード18a、フォトダイオード18b、トランジスタ18cを具備する。
発光ダイオード18aのアノードはフォトカプラ18の入力端子側に接続され、カソードはグラウンドに接続される。発光ダイオード18aはMOSFET17からの出力信号がオン信号のときに発光する。
フォトダイオード18b、トランジスタ18cは合わせてフォトトランジスタを形成する。フォトダイオード18bのアノードはトランジスタ18cのベースに接続され、フォトダイオード18bのカソードはフォトカプラ18の出力端子に接続される。トランジスタ18cのエミッタはグラウンドに接続され、トランジスタ18cのコレクタはフォトカプラ18の出力端子に接続される。フォトカプラ18の出力端子には抵抗20を介して基準電圧(電源)が接続される。
フォトダイオード18bは、発光ダイオード18aが発する光を受光するとフォトダイオード18bのアノード−カソード間に起電力を発生する。その結果、トランジスタ18cのエミッタ−コレクタの間が通電され、フォトカプラ18の出力端子から出力信号が出力される。
【0033】
MOSFET17は、Hi信号を受けてから実際にオンになるまで、およびLo信号を受けてから実際にオフになるまでにタイムラグがある。同様に、フォトカプラ18においても、発光ダイオード18aが発光してからフォトカプラ18の出力端子より出力信号が出力されまでにタイムラグが存在する。
そして、これらのタイムラグは、MOSFET17やフォトカプラ18等を構成する半導体素子(ダイオード)の性質上、オンになるときとオフになるときとではその長さが異なる。従って、MOSFET17やフォトカプラ18からの出力信号は、入力信号と比較すると単に時間軸に対してシフトするものではなく、出力信号が「Hi」の状態を保持している時間、および出力信号が「Lo」の状態を保持している時間に誤差を含むものとなる。よって、クロック周期内のMOSFET17やフォトカプラ18等のスイッチング素子のスイッチング回数が多いほど出力信号に上記「誤差」が累積し、出力信号に占める誤差成分の割合が大きくなる。
【0034】
従って、図4に示す如く、パルス密度が50%のときにはMOSFET17やフォトカプラ18が当該パルス信号を受けてクロック周期中にスイッチングする回数が多いため、当該スイッチング素子の出力信号に含まれる誤差、ひいては温度検出誤差が最も大きくなる。
また、パルス密度がX%のときとパルス密度が(100−X)%のときには、MOSFET17やフォトカプラ18が当該パルス信号を受けてクロック周期中にスイッチングする回数が同じであるため、当該スイッチング素子の出力信号に含まれる誤差、ひいては温度検出誤差も同じである。
【0035】
図1に示す如く、フィードバック回路8はパルス信号生成回路7からのパルス信号に基づいてコンパレータ6にフィードバック信号を帰還するものである。
フィードバック回路8は主としてスイッチ9、設定回路10、LPF14等を具備する。
【0036】
スイッチ9は、パルス信号生成回路7から入力されるパルス信号に応じて切り替わり、異なる強度(電圧)のフィードバック信号を出力するスイッチである。
スイッチ9は二つの端子9a・9bを備え、パルス信号生成回路7から入力されるパルス信号がHi信号である場合には端子9aと設定回路10の高圧側出力端子10aとを接続し、パルス信号生成回路7から入力されるパルス信号がLo信号である場合には端子9bと設定回路10の低圧側出力端子10bとを接続する。
【0037】
設定回路10は異なる二つの出力電圧を出力することが可能な回路であり、基準電圧とグラウンドの間に直列的に接続された第一抵抗11・第二抵抗12・第三抵抗13と、第一抵抗11と第二抵抗12との間に接続された高圧側出力端子10aと、第二抵抗12と第三抵抗13との間に接続された低圧側出力端子10bと、を具備する。
ここで、高圧側出力端子10aの電位が「温度検出ダイオード2の参照温度検出素子を(温度検出ダイオード2に代えて温度検出回路1に設けた状態で)補正温度に保持したときの温度検出信号と同じ電圧」となり、かつ、低圧側出力端子10bの電位が「温度検出ダイオード2の参照温度検出素子を(温度検出ダイオード2に代えて温度検出回路1に設けた状態で)使用温度に保持したときの温度検出信号と同じ電圧」となるように、基準電圧および第一抵抗11・第二抵抗12・第三抵抗13の抵抗の比が定められる。
【0038】
ここで、「補正温度」は本発明に係る温度検出回路の出力信号の誤差を補正するときに当該温度検出回路を保持する温度を指す。
また、「使用温度」は本発明に係る温度検出回路の実際の使用時に特に温度の検出精度が要求される温度域に含まれる温度を指す。
【0039】
本実施例の場合、温度検出回路1はIGBTに設けられるため、IGBTの使用限界温度である150℃を使用温度としている。また、補正を容易にする観点から製造工程の環境温度である室温(25℃)を補正温度としている。
なお、本発明に係る使用温度は150℃に限定されず、温度検出回路による温度検出の対象物に応じて適宜選択することが可能である。また、補正温度も室温(25℃)に限定されず、製造工程等の状況に応じて適宜選択することが可能である。
【0040】
スイッチ9は、パルス信号生成回路7からスイッチ9に入力されるパルス信号がHi信号である場合には高圧側出力端子10aの電位に対応する電圧(本実施例の場合、1.2V)のフィードバック信号を出力し、パルス信号生成回路7からスイッチ9に入力されるパルス信号がLo信号である場合には低圧側出力端子10bの電位に対応する電圧(本実施例の場合、0.8V)のフィードバック信号を出力する。
スイッチ9が切り替わるタイミングはパルス信号生成回路7から入力されるパルス信号がHi信号からLo信号へ切り替わるタイミングおよびLo信号からHi信号へ切り替わるタイミングに同期する。
そのため、スイッチ9からLPF14を経てコンパレータ6に帰還されるフィードバック信号の電圧の平均値はパルス信号生成回路7から出力されるパルス信号のパルス密度に対応する「温度検出ダイオード2の参照温度検出素子の温度検出信号の強度」に一致し、コンパレータ6からの出力信号の電圧の平均値が当該フィードバック信号の電圧の平均値と一致するようにフィードバック制御が行われる。
【0041】
以上の如く構成することにより、パルス信号生成回路7から出力されるパルス信号のパルス密度は、温度検出ダイオード2を補正温度(25℃)に保持したときにX%であれば、温度検出ダイオード2を使用温度(150℃)に保持したときに(100−X)%となる。
すなわち、温度検出ダイオード2を補正温度に保持したときのパルス信号の密度と、温度検出ダイオード2を使用温度に保持したときのパルス信号の密度と、の和が100%となる。
【0042】
その結果、図5に示す如く、パルス信号生成回路7から出力されるパルス信号に含まれる誤差成分に基づく検出誤差の大きさは、温度検出回路1を補正温度(25℃)に保持したときと使用温度(150℃)としたときで等しくなる。
【0043】
LPF14は抵抗15およびキャパシタ16を具備する。LPF14はスイッチ9から出力されるフィードバック信号の高周波成分を除去する。
なお、パルス信号生成回路7のクロック周波数は、パルス信号生成回路7から出力されるパルス信号に含まれる誤差成分のうち、非対称な成分を低減する観点から、LPF14を通過するフィードバック信号の周波数よりも十分に大きくすることが望ましい。
【0044】
以上の如く、温度検出回路1は、
温度に応じた電圧の温度検出信号を出力する温度検出用ダイオード2と、
温度検出用ダイオード2からの温度検出信号の電圧に比例するパルス密度を有するパルス信号を出力するパルス密度変調回路5と、
を具備し、
パルス密度変調回路5が出力するパルス信号の密度は、
温度検出用ダイオード2を所定の補正温度(25℃)に保持したときのパルス信号の密度(X%)と、温度検出用ダイオード2を所定の使用温度(150℃)に保持したときのパルス信号の密度((100−X)%)と、の和が100%となるものである。
このように構成することにより、温度検出回路1を補正温度に保持したときに温度検出回路1から出力される信号に含まれる誤差成分の大きさと、温度検出回路1を使用温度に保持したときに温度検出回路1から出力される信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じとなる。
従って、温度検出回路1を補正温度に保持したときの出力信号に基づいて、使用温度における温度検出回路1の出力信号の検出誤差、ひいては使用温度における検出温度の誤差を精度良く推定することが可能である。
その結果、温度検出回路1は、その検出温度の誤差を補正する段階において実際に使用温度に保持する必要が無く、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
【0045】
また、温度検出回路1は、
補正温度を室温とするものである。
このように構成することにより、温度検出回路1の製造工程の環境温度を室温に設定することにより、温度検出回路1温度検出回路について別途加熱・冷却等の温度調整をせずとも、使用温度における温度検出回路1の検出温度の誤差を精度良く補正することが可能である。
従って、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
【0046】
以下では、図6を用いて本発明に係る温度検出回路の補正方法の実施の一形態について説明する。
【0047】
本発明に係る温度検出回路の補正方法の実施の一形態は、温度検出回路1の補正方法である。温度検出回路1の補正方法は、補正温度保持工程S100、出力信号補正工程S200を具備する。
【0048】
補正温度保持工程S100は温度検出回路1を補正温度に保持する工程である。
本実施例の場合、補正温度を室温(25℃)に設定していることから、特に温度検出回路1を加熱・冷却せずとも温度検出回路1を補正温度に保持することができる。
補正温度保持工程S100が終了したら、出力信号補正工程S200に移行する。
【0049】
出力信号補正工程S200は補正温度(本実施例の場合、25℃)に保持された温度検出回路1からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、使用温度(本実施例の場合、150℃)に保持された温度検出回路1からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして誤差成分の補正を行う工程である。
より具体的には、まず、温度検出回路1を補正温度(25℃)に保持した状態における温度検出回路1の出力信号のパルス密度(X%と仮定する)を検出する。
次に、温度検出回路1の出力信号のパルス密度が(100−X)%のときには温度検出回路1が使用温度(150℃)となるとみなす。
そして、(パルス密度,検出温度)=(X,25),(100−X,150)の二点を用いて温度検出回路1の制御側(本実施例の場合、IGBTの制御回路)における温度検出回路1の出力信号のパルス密度と検出温度の関係式を補正する。当該関係式の最も簡便な例としては、検出温度を縦軸、パルス密度を横軸とする一次関数が挙げられる。
【0050】
以上の如く、本発明に係る温度検出回路の補正方法の実施の一形態は、
温度検出回路1の補正方法であって、
温度検出回路1を補正温度(25℃)に保持する補正温度保持工程S100と、
補正温度(25℃)に保持された温度検出回路1からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、使用温度に保持された温度検出回路1からの出力信号に含まれる誤差成分の大きさと、が同じであるとみなして前記誤差成分の補正を行う出力信号補正工程S200と、
を具備するものである。
このように構成することにより、温度検出回路1は、その検出温度の誤差を補正する段階において実際に使用温度に保持する必要が無く、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
【0051】
以上の如く、本発明に係る温度検出回路の補正方法の実施の一形態は、
補正温度を室温とするものである。
このように構成することにより、温度検出回路1の製造工程の環境温度を室温に設定することにより、温度検出回路1について別途加熱・冷却等の温度調整をせずとも、使用温度における温度検出回路1の検出温度の誤差を精度良く補正することが可能である。
従って、製造時の生産性に優れるとともにエネルギーコストの削減に寄与し、ひいては製造コストの削減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る温度検出回路の実施の一形態を示す図。
【図2】参照温度検出素子の温度と出力との関係を示す図。
【図3】パルス密度変調方式のパルス密度と波形の関係を示す図。
【図4】本発明に係る温度検出回路の実施の一形態における出力信号のパルス密度と検出誤差の関係を示す図。
【図5】本発明に係る温度検出回路の実施の一形態における温度検出回路の保持温度と検出誤差の関係を示す図。
【図6】本発明に係る温度検出回路の補正方法の実施の一形態を示すフロー図。
【符号の説明】
【0053】
1 温度検出回路
2 温度検出用ダイオード
5 パルス密度変調回路
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2008−32497(P2008−32497A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205253(P2006−205253)