トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 衝撃振動検知装置
【発明者】 【氏名】寺田 幸平

【氏名】上條 宏二

【氏名】渡部 敬介

【氏名】小川 雅英

【氏名】村上 恵司

【要約】 【課題】衝撃や振動などの外力の大きさを検知することができる衝撃振動検知装置を提供すること。

【解決手段】固有振動をもつ弾性部材であるパネル4Aの表面に光ファイバ4Bが這い回され、かつ該表面に光ファイバ4Bが密着接合されたセンサ部4と、光ファイバ4Bの一端に接続される光ファイバ2Aと、光ファイバの他端に接続される光ファイバ2Bと、光ファイバ2Aを介して偏光した光を光ファイバ4Bに出力する光源1と、光ファイバ2Bを介して光ファイバ4Bを伝達した光を受信する受光器5と、受光器5と光ファイバ2Bとの間に設けられ伝送する光を偏光する偏光子3Bと、受光器5によって受光された光の偏波変動強度を検知するオシロスコープ6とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有振動をもつ弾性部材の表面に光ファイバが這い回され、かつ該表面に該光ファイバが密着接合された振動センサ部と、
前記光ファイバの一端に接続される送信伝送用光ファイバと、
前記光ファイバの他端に接続される受信伝送用光ファイバと、
前記送信伝送用光ファイバを介して偏光した光を前記光ファイバに出力する光源と、
前記受信伝送用光ファイバを介して前記光ファイバを伝達した光を受信する受光器と、
前記受光器と前記受信伝送用光ファイバとの間に設けられ伝送する光を偏光する偏光子と、
前記受光器によって受光された光の偏波変動強度を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とする衝撃振動検知装置。
【請求項2】
前記光源は、無偏光状態の光を出力し、
前記光源と前記送信伝送用光ファイバとの間に光を偏光する送信側偏光子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の衝撃振動検知装置。
【請求項3】
前記送信伝送用光ファイバおよび前記受信伝送用光ファイバに替えて1本の伝送用光ファイバを設けるとともに、前記伝送用光ファイバの両端に光合分波器を設けて接続し、
一方の光合分波器に前記センサ部側の光ファイバの各端を接続し、
他方の光合分波器に前記光源側および前記受光器側の光ファイバを接続することを特徴とする請求項1または2に記載の衝撃振動検知装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、複数であり、
前記光ファイバは、各弾性部材に這い回され、かつ各弾性部材の表面に密着接合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の衝撃振動検知装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、異なる固有振動をもち、
前記検知手段は、衝撃によって発生する光の偏波変動の後に伝達される前記弾性部材の偏波変動の固有振動数をもとに前記衝撃が発生した弾性部材を特定することを特徴とする請求項4に記載の衝撃振動検知装置。
【請求項6】
前記受光器の後段に前記弾性部材の固有振動数を超える周波数を透過させるハイパスフィルタを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の衝撃振動検知装置。
【請求項7】
4つの第1〜第4の受光器を設けるとともに、各受光器と前記受信伝送用光ファイバとの間に光分波器を設け、
前記光分波器と前記第1の受光器とを接続し、
前記光分波器と前記第2の受光器との間に0°の偏光を通過させる第2偏光子を接続して0°の偏光成分を出力し、
前記光分波器と前記第3の受光器との間に45°の偏光を通過させる第3偏光子を接続して45°の偏光成分を出力し、
前記光分波器と前記第3の受光器との間に、前記振動センサ部側から波長板および第4偏光子を順次接続して右回りの偏光成分を出力し、
前記第1〜第4の受光器が受光した光をもとに偏波変動を解析する解析手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の衝撃振動検知装置。
【請求項8】
前記送信伝送用光ファイバの振動センサ部側に前記送信側偏光子を設け、
前記受信伝送用光ファイバの振動センサ部側に前記偏光子を設け、
前記光源と前記送信伝送用光ファイバとの間に、入力された光を無偏光状態にして出力するデポラライザを設けたことを特徴とする請求項2,4〜7のいずれか一つに記載の衝撃振動検知装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、平板、角材、柱材のいずれか、あるいは1以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の衝撃振動検知装置。
【請求項10】
前記弾性部材は、鉄材であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の衝撃振動検知装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、光ファイバを用いて、物体の衝突などによって生じる衝撃や振動の強度を検知することができる衝撃振動検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、既設のフェンスのワイヤーに光ファイバが取り付けられ、このワイヤーの位置をずらすなどの侵入行為が生じると、ワイヤーに取り付けられた光ファイバに衝撃や振動などの外力が加わり、この外力によって光ファイバ中を伝搬する光に偏波変動が生じ、この偏波変動を検知することによって侵入判断を行って警報を発する侵入検出装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−40187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の光ファイバに生じた偏波変動によって侵入判断を行う衝撃振動検知装置では、衝撃や振動などの外力の大小にかかわらず、一律に大きな偏波変動強度を検出していたため、結果的に、衝撃や振動の発生有無の検出ができるに過ぎなかった。
【0005】
すなわち、従来の衝撃振動検知装置では、衝撃や振動などの外力の大小に対応した偏波変動強度を検知することができないため、衝撃や振動などの外力の大きさを検知することができなかった。
【0006】
このため、たとえば、落石の検知を行う場合に従来の衝撃振動検知装置を用いると、大きな石の落石であっても、小さな石の落石であっても、一律に警報を発してしまい、遠隔で、落石現場にどのような大きさ・重量の落石が発生したかを知ることができないという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、衝撃や振動などの外力の大きさを検知することができる衝撃振動検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、固有振動をもつ弾性部材の表面に光ファイバが這い回され、かつ該表面に該光ファイバが密着接合された振動センサ部と、前記光ファイバの一端に接続される送信伝送用光ファイバと、前記光ファイバの他端に接続される受信伝送用光ファイバと、前記送信伝送用光ファイバを介して偏光した光を前記光ファイバに出力する光源と、前記受信伝送用光ファイバを介して前記光ファイバを伝達した光を受信する受光器と、前記受光器と前記受信伝送用光ファイバとの間に設けられ伝送する光を偏光する偏光子と、前記受光器によって受光された光の偏波変動強度を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記光源は、無偏光状態の光を出力し、前記光源と前記送信伝送用光ファイバとの間に光を偏光する送信側偏光子を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記送信伝送用光ファイバおよび前記受信伝送用光ファイバに替えて1本の伝送用光ファイバを設けるとともに、前記伝送用光ファイバの両端に光合分波器を設けて接続し、一方の光合分波器に前記センサ部側の光ファイバの各端を接続し、他方の光合分波器に前記光源側および前記受光器側の光ファイバを接続することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記弾性部材は、複数であり、前記光ファイバは、各弾性部材に這い回され、かつ各弾性部材の表面に密着接合されることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記弾性部材は、異なる固有振動をもち、前記検知手段は、衝撃によって発生する光の偏波変動の後に伝達される前記弾性部材の偏波変動の固有振動数をもとに前記衝撃が発生した弾性部材を特定することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記受光器の後段に前記弾性部材の固有振動数を超える周波数を透過させるハイパスフィルタを設けたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、4つの第1〜第4の受光器を設けるとともに、各受光器と前記受信伝送用光ファイバとの間に光分波器を設け、前記光分波器と前記第1の受光器とを接続し、前記光分波器と前記第2の受光器との間に0°の偏光を通過させる第2偏光子を接続して0°の偏光成分を出力し、前記光分波器と前記第3の受光器との間に45°の偏光を通過させる第3偏光子を接続して45°の偏光成分を出力し、前記光分波器と前記第3の受光器との間に、前記振動センサ部側から波長板および第4偏光子を順次接続して右回りの偏光成分を出力し、前記第1〜第4の受光器が受光した光をもとに偏波変動を解析する解析手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記送信伝送用光ファイバの振動センサ部側に前記送信側偏光子を設け、前記受信伝送用光ファイバの振動センサ部側に前記偏光子を設け、前記光源と前記送信伝送用光ファイバとの間に、入力された光を無偏光状態にして出力するデポラライザを設けたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記弾性部材は、平板、角材、柱材のいずれか、あるいは1以上の組み合わせであることを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる衝撃振動検知装置は、上記の発明において、前記弾性部材は、鉄材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明にかかる衝撃振動検知装置は、固有振動をもつ弾性部材の表面に光ファイバが這い回され、かつ該表面に該光ファイバが密着接合された振動センサ部の該光ファイバ内を伝搬する光の偏波変動強度が、この弾性部材に生じた衝撃・振動の大小に応じて出力するので、弾性部材に加わった衝撃・振動の外力の大きさを検知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明を実施するための最良の形態である衝撃振動検知装置について、図面を参照して説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1である衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。図1において、この衝撃振動検知装置は、LEDや半導体レーザなどによって実現され、光を発する光源1と、この光源1から発した光を偏光して出力する偏光子3Aと、この偏光子3Aから出力された光を伝送する光ファイバ2Aと、鉄板などの固有振動をもつ弾性部材によって実現され、外部からの衝撃・振動を受容するパネル4Aおよびパネル4Aの表面に這い回され、かつこの表面に密着接合され、パネル4Aに受容された衝撃・振動によって伝送する光に偏波変動を与える光ファイバ4Bとを有したセンサ部4と、この光ファイバ4Bから出力される光を伝送する光ファイバ2Bと、光ファイバ2Bから出力される光を偏光して出力する偏光子3Bと、フォトダイオードなどによって実現され、偏光子3Bから出力された光を受光する受光器5と、受光器5によって受光された光の強度である偏波変動強度の時間変化を出力するオシロスコープ6とを有する。
【0021】
ここで、光源1として半導体レーザを用いる場合、半導体レーザからの出力光は、すでに偏光されているため、偏光子3Aを削除した構成とすることができる。また、受光器5内にはハイパスフィルタ5Aが設けられ、このハイパスフィルタ5Aは、弾性部材4Aの固有振動数を超える周波数を通過させる特性をもつ。さらに、センサ部4におけるパネル4Aと光ファイバ4Bとの密着接合は、樹脂や接着剤を用いて行う。
【0022】
光源1から出力される光は、偏光子3Aによって偏光された光となり、この偏光光は、光ファイバ2Aを伝送してセンサ部4内の光ファイバ4Bを通過するが、この際、パネル4Aに衝撃・振動などの外力が加えられると光ファイバ4Bを伝搬する光が偏波変動し、この偏波変動した光は、光ファイバ2Bを伝送し、偏光子3Bを介して受光器5に入力される。図2は、受光器5によって検出された受信光強度Pの時間変化を示す図であり、図2に示すように、受信光強度Pは、衝撃・振動が加えられた時点からT1間に偏波変動強度ΔPの振幅変動が生じ、その後パネル4Aの固有振動による余振動がT2間発生する。
【0023】
図3および図4は、ハイパスフィルタ5Aによって固有振動を除去した受信光強度Pの時間変動を示した模式図であり、図3には小さな衝撃・振動を加えた場合を示し、図4は、大きな衝撃・振動を加えた場合を示している。図3および図4から、小さな衝撃・振動をパネル4Aに加えた場合には、小さな偏波変動強度ΔPが発生し、大きな衝撃・振動をパネル4Aに加えた場合には、大きな偏波変動強度ΔPが発生していることがわかる。
【0024】
この結果、図5に示すように、衝撃・振動の大きさ、すなわち振動・衝撃強度に応じて偏波変動強度ΔPが変化する領域である強度検知可能範囲Eを得ることができる。この強度検知可能範囲E内では、偏波変動強度ΔPを得ることによって、この偏波変動強度ΔPに一対一に対応する衝撃・振動強度を得ることができる。なお、従来の衝撃振動検知装置では、この強度検知可能範囲Eを得ることはできず、衝撃・振動の有無のみを検知していた。
【0025】
図6〜図8は、実際に測定した偏波変動強度の時間変化を示す図である。この測定では、パネル4Aとして、1800mm×900mm×4mmの鉄板を用い、光ファイバ4Bとして、シングルモードファイバを用い、図6では、重り1kgをパネル4Aに衝突させた場合を示し、図7では、重り3kgをパネル4Aに衝突させた場合を示し、図8は、重り5kgをパネル4Aに衝突させた場合を示している。図6〜図8では、重り1kg、3kg、5kgと衝撃・振動強度を増大すると、偏波変動強度ΔPが、0.06、0.12、0.24と、ほぼリニアに増大していることがわかる。すなわち、光ファイバ4Bは、衝撃・振動強度を偏波変動強度に変換していることがわかる。
【0026】
なお、強度検知可能範囲Eは、パネル4Aである弾性部材の形状、たとえば厚さや広さを変えることによって変化させることができる。たとえば、重りが「kg」オーダではなく、「t」オーダや「g」オーダで偏波変動強度が変化できるようにして衝撃・振動強度を検知することができる。さらには、パネル4Aである弾性部材の材質を変化させることによっても、強度検知可能範囲Eを変化させることができる。
【0027】
また、パネル4Aである弾性部材が固有振動をもつことを前提としたのは、この弾性部材であっても剛体に近く、衝撃によっても固有振動を発生させて弾性部材自体の形状をほぼ維持することが衝撃・振動強度に応じた偏波変動強度を発生するものと考えるからである。
【0028】
なお、パネル4Aと光ファイバ4Bとの密着接合は、上述した樹脂や接着剤を用いる以外に、たとえばパネル4Aに突起を持たせ、この突起に光ファイバ4Bを巻き付けるようにしてもよいし、複数の突起間で光ファイバ4Bを巻き付けるようにしてもよい。さらに、金属製の管や繊維強化プラスチックなどの管をパネル4Aに設け、この管に光ファイバ4Bを巻き付けるようにしてもよい。
【0029】
また、パネル4Aは、平板状であったが、これに限らず、固有振動をもつ弾性部材であればよく、角柱であっても、円柱、円筒であってもよい。この場合、角柱や円柱の周囲に光ファイバ4Bが巻き付けられることになる。さらに、パネル4Aなどの表面は、平面である必要はなく、凹凸な曲面であってもよい。
【0030】
この実施の形態1では、固有振動をもつ弾性部材であるパネル4Aに光ファイバを密着接合し、この光ファイバがパネル4Aが受けた衝撃・振動強度を偏波変動強度に光変換出力するようにしているので、パネル4Aに加わった衝撃・振動の外力の大きさを検知することができる。特に、この実施の形態1を落石検知に適用する場合、光ファイバ2A,2Bの距離を長くし、落石現場にセンサ部4を設けることによって、落石した石がどのくらいの大きさの石なのかを遠隔で知ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、センサ部4までを2本の光ファイバ2A,2Bを用いていたが、この実施の形態2では、センサ部4と、光源1および受光器5との間を1本の光ファイバで接続するようにしている。
【0032】
すなわち、図9に示すように、図1に示した光ファイバ2A,2Bを一本の光伝送用の光ファイバ2に替え、この光ファイバ2の両端に、光カプラや光サーキュレータなどによって実現される2つの光合分波器7を設ける。センサ部4側の光合分波器7は、一端を光ファイバ2に接続するとともに、他端をセンサ部4の光ファイバ4Bの両端を接続し、光源1に対応する半導体レーザ11および受光器5に対応するフォトダイオード15側の光合分波器7は、一端を光ファイバ2に接続するとともに、他端を、半導体レーザ11側の偏光子3Aおよびフォトダイオード15側の偏光子3Bに接続する。
【0033】
半導体レーザ11から出力された光は、偏光子3Aによって偏光され、この偏光光は、光合分波器7、光ファイバ2、光合分波器7を介してセンサ部4の光ファイバ4Bに入力し、光ファイバ4Bを出力した光は、光合分波器7、光ファイバ2、光合分波器7を介して偏光子3Bに入力し、フォトダイオード15に出力される。
【0034】
この実施の形態2では、落石検知のように、センサ部4と、半導体レーザ11およびフォトダイオード15との間に配設される伝送用の光ファイバの本数が1本で済むため、簡易な装置を実現することができる。特に、落石検知などのように、配設される伝送用の光ファイバが長距離になる装置では、その効果が大きい。
【0035】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、センサ部4に設けられるパネル4Aが1つであったが、この実施の形態3では、複数のパネル4Aによって衝撃・振動を受容するようにしている。
【0036】
すなわち、図10に示すように、センサ部4内に、3つのパネル4Aを設け、各パネル4Aのそれぞれに光ファイバ4Bが這い回され、密着接合されている。その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0037】
この実施の形態3では、たとえば、1つのパネル4Aに加えられた衝撃・振動が大きく、損傷した場合であっても、この損傷したパネル4Aのみを交換すればよく、メンテナンス性が向上する。
【0038】
(実施の形態4)
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態3では、3つのパネル4Aが全て同じものであることを前提としていたが、この実施の形態4では、各パネル4A−1〜4A−3の固有振動が異なるものを配置している。
【0039】
すなわち、図11に示すように、各パネル4A−1〜4A−3の固有振動数は、それぞれf1〜f3である。その他の構成は、実施の形態3と同じである。ただし、図1に示したハイパスフィルタ6は設けない。ここで、各パネル4A−1〜4A−3の固有振動数が異なると、図2に示す期間T2で発生する固有振動が異なるため、この固有振動の前に発生した期間T1の偏波変動強度を出力したパネル、すなわち衝撃・振動が加えられたパネルを特定することができ、衝撃・振動の発生位置を特定することができる。
【0040】
たとえば、図11に示すようにパネル4A−2に衝撃・振動が加えられた場合、図12に示すように、期間T2では、パネル4A−2の固有振動数f2の波形が得られ、これによって、衝撃・振動が発生した位置を特定することができる。もちろん、この場合、期間T1に発生した偏波変動強度によって衝撃・振動強度を知ることができる。
【0041】
この実施の形態4では、各パネル4A−1〜4A−3の固有振動数を異なるようにしているので、衝撃・振動強度を得ることができるとともに、衝撃・振動の発生場所を特定することができる。
【0042】
(実施の形態5)
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5では、さらに偏波状態の解析を可能としている。
【0043】
図13は、この発明の実施の形態5にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。図13において、光ファイバ2Bの後段に光分波器9を設け、センサ部4側から入力された光を4分波するようにしている。オシロスコープ6の前段には、4つのフォトダイオード15A〜15Dを設け、光分波器9とフォトダイオード15Aとは直接接続され、光分波器9とフォトダイオード15Bとの間には、0°の偏光状態を出力させる偏光子3Bが設けられ、偏光子3Bから0°の偏光成分を出力し、光分波器9とフォトダイオード15Cとの間には、45°の偏光状態を出力させる偏光子3Cが設けられ、偏光子3Cから45°の偏光成分を出力し、光分波器9とフォトダイオード15Dとの間には、光分波器9側から1/4波長板である波長板8および偏光子3Dが設けられ、偏光子3Dから右回りの偏光成分が出力される。
【0044】
フォトダイオード15Aから出力された光は、上述した実施の形態1〜4と同じように、オシロスコープ6を用いて偏波変動強度を検出することができる。
【0045】
一方、フォトダイオード15B〜15Dで検出された光出力は、解析装置10に入力され、解析装置10は、3つの各光出力と所定の一般式とを用いて、偏光状態を表すストークスパラメータS1,S2,S3を演算する。さらに、解析装置10は、各ストークスパラメータS1,S2,S3をもとに、光ファイバ4Bを伝搬した光の偏光状態の変化を検出する。たとえば、ストークスパラメータS1,S2,S3の変化量のうち、最大値あるいはその時間積分値や、ストークスパラメータS1,S2,S3から求められた偏波移動角度あるいはその時間積分値をもとに、偏波状態を検出する。ここで、偏波移動角は、ストークスパラメータS1,S2,S3を、ポアンカレ球上の座標3成分を3つの直交する座標系で表した場合の角度である。
【0046】
この実施の形態5では、さらに解析装置10が、ストークスパラメータを求め、このストークスパラメータを用いて偏光状態の変化を解析するようにしているので、詳細な偏波変動状態を把握することができる。
【0047】
(実施の形態6)
つぎに、この発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6では、パネル4Aで発生した衝撃・振動のみを検知できるようにしている。
【0048】
図14は、この発明の実施の形態6にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。図14に示すように、光ファイバ2Aの半導体レーザ11側に、半導体レーザ11から出力された光を無偏光状態に変換するデポラライザ20を接続するとともに、光ファイバ2Aのセンサ部4側に接続用の光ファイバ2Cを介して偏光子13Aを接続する。また、光ファイバ2Bのセンサ部4側に接続用の光ファイバ2Dを介して偏光子13Bを接続し、光ファイバ2Bのフォトダイオード15側には偏光子を設けず、そのままフォトダイオード15に接続する。
【0049】
この場合、光ファイバ2Aで伝送する光は無偏光光であるため、光ファイバ2Aで生じる偏波変動の影響を受けず、偏光子13Aで偏光された光がセンサ部4に入力され、センサ部4で偏波変動を受けた光は、直ちに偏光子13Bによって偏光された光に変換され、この偏光光は、フォトダイオード15が偏光方向とは無関係に強度受光するため、光ファイバ2Bで発生した偏波変動の影響を受けずに、フォトダイオード15に入力される。すなわち、光ファイバ2A,2Bで発生する偏波変動の影響を受けず、センサ部4、特に光ファイバ4Bで発生した偏波変動のみをフォトダイオード15に出力することができ、精度の高い、偏波変動強度を測定することができる。
【0050】
この実施の形態6では、測定したい箇所、すなわちセンサ部4のみに生じた偏波変動のみを検知することができ、精度の高い偏波変動強度を得ることができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態1〜6では、オシロスコープ6あるいは解析装置10によって検知あるいは解析するようにしていたが、これらの検知結果あるいは解析結果をもとに、外部に警告などの報知を行う構成としてもよい。
【0052】
さらに、上述した実施の形態1〜6では、センサ部4が一箇所であったが、これに限らず、複数のセンサ部4を設け、各センサ部4間を伝送用の光ファイバで接続するようにしてもよい。このような構成とすることによって、たとえば離散配置される落石箇所に対する落石検知を簡易な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】受光器で検出される受信光強度の時間変化を示す図である。
【図3】小さい衝撃・振動が与えられた場合であってハイパスフィルタが通した場合における偏波変動強度の時間変化を示した図である。
【図4】大きな衝撃・振動が与えられた場合であってハイパスフィルタが通した場合における偏波変動強度の時間変化を示した図である。
【図5】衝撃・振動強度に対する偏波変動強度の変化を示す図である。
【図6】重り1kgの衝撃が加えられた場合における偏波変動強度の時間変化の測定結果を示す図である。
【図7】重り3kgの衝撃が加えられた場合における偏波変動強度の時間変化の測定結果を示す図である。
【図8】重り5kgの衝撃が加えられた場合における偏波変動強度の時間変化の測定結果を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態3にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態4にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図11の特定のパネルに衝撃・振動が加えられた場合における受信光強度の時間変化を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態5にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態6にかかる衝撃振動検知装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1 光源
2,2A,2B,2C,2D,4B 光ファイバ
3A,3B,3C,3D,13A,13B 偏光子
4 センサ部
4A,4A−1〜4A−3 パネル
5 受光器
5A ハイパスフィルタ
6 オシロスコープ
7 光合分波器
8 波長板
9 光分波器
10 解析装置
11 半導体レーザ
15,15A〜15D フォトダイオード
20 デポラライザ
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【出願日】 平成19年1月15日(2007.1.15)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明


【公開番号】 特開2008−107309(P2008−107309A)
【公開日】 平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願番号】 特願2007−6436(P2007−6436)